この作品は執筆を終了しています。
エレンに会いたい・・・
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- 1 : 2015/10/19(月) 01:04:40 :
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四作目となります。
今までのギャグ路線からは脱却した作品に挑戦してみます。
お目汚しご容赦ください。
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- 2 : 2015/10/19(月) 02:18:03 :
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地平線まで続く鮮やかな緑。
頭上には抜けるような青い空。
久しぶりの快晴で、眼前に広がる美しい景色を眺めながら、
「今日は天気も良いし、風が気持ちいいね!」
「そうね。」
と、言葉を交わす。
私は今、幼馴染みのアルミンと一緒に私達の故郷シガンシナ区の壁上に立っている。
復興中の町の喧騒を背に景色を眺めていた。
「アルミン、今日は自主練しなくていいの?」
「こんな快晴だし、たまには休暇を訓練なしで過ごしてもバチは当たらないよね。」
「そうね。」
私は心の中でアルミンに感謝した。
・・・わかっている・・・
本当は、天気がいいから壁上に私を連れ出してくれたわけじゃない事を・・・
私の気持ちが晴れやかではない時は、いつも通り無表情を維持しているつもりでも、すぐに気付かれてしまう。
幼少の頃からいつもそう・・・
口数が少なく、人との関わりが苦手な私を気遣って、今もこうやって一緒にいてくれる。
その優しさに、どれほど私が救われている事か・・・
「え、何?どうしたのミカサ?」
「いいえ。何でもない。」
視線に気付かれた私は咄嗟に答えた。
今度は別の質問をアルミンは投げかける。
「・・・エレンはどうしてる?」
「まだ、連絡ない・・・。」
「・・・そうなんだ。」
会話に出てきたエレンは私の家族。
壁外長期調査遠征で今は遠く離れてる私の大事なただ一人の家族。
アルミンは私がエレンの家に来る前からの幼馴染み。
少し悔しいけども、当然の事ながらエレンとの付き合いは私よりも長いし、良く知っている。
だからエレンが不在の今も、時折こうやって私の様子を伺ってくれる。
「・・・もうすぐ、あっちにいってから1年経つね。」
「・・・うん・・・。」
そう私が力なく答えると、アルミンは地平線に向かって、
「聞こえるかーいエレーン!!!ミカサが怒ってるぞー!!!」
山びこのように響く声。
「アルミン。もっと言って!」
私がそう言うと、屈託のない顔でアルミンが笑っている。
私も思わずクスッと笑っていた。
束の間だけど、私の沈んだ気持ちが軽くなったような気がした。
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- 4 : 2015/10/19(月) 10:06:08 :
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時が経つのも忘れ、しばらく二人で幼い頃の話や訓練生時代の思い出話に花を咲かせていた。
ふと気づくといつの間にか日が傾き、空がほんのり紅く染まりかけている。
「そろそろ帰ろうか?」
「ええ。アルミン。」
そう答え、二人で町へと続く長い長い石段を下りる。
目下に広がる町、シガンシナ。
この町は私達が幼い頃、壁を破壊し侵入してきた巨人に蹂躙され支配されていた。
その時の悪夢は忘れようにも忘れられない。
しかし、
2年前の私達調査兵団による大規模奪還作戦。
壁内の巨人の殲滅及び壁の修復に成功を納め、再び人類の手に取り戻した。
トロスト区奪還作戦に次ぐ、人類の勝利。
今まで幾度となく行われたウォール・マリア奪還作戦の失敗により兵士、一般人問わず多大な犠牲者を出してきた。
この積み重なった痛みの上に勝ち取った勝利に
ある者は亡くなった戦友を
またある者は亡くなった家族を思いだし泣いていた。
当然私達三人も同じだった。
故郷シガンシナを取り戻した事も重なり、感極まり人目も憚らず三人で抱き合いながら泣いた。
しかし、これで脅威が去った訳ではない。
壁外には依然として巨人は存在している。
あの裏切り者達の生死も確認できていない。
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- 5 : 2015/10/19(月) 11:32:57 :
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あの戦いから1年ほど経ち、町の復興も半分ほど進んだある日の事。
壁外にある調査兵団支部より、早馬で一報が届く。
遥か南の彼方に謎の集落を発見。
そしてあの裏切り者・・・
ライナー・ブラウン、ベルトルト・フーバーらしき者の姿の視認。
この報せに急遽真相を確めるべく、長期遠征部隊が編成された。
その中にエレンも組み込まれている。
作戦は長期に渡って行う。
これは当然の事。
今現在、町の外壁から数十キロメートルは巨人は存在していない。
私達、調査兵団の戦果である。
壁外にも兵団支部を建て、探索範囲はどんどん広がりを見せている。
それに伴い、遠征期間も長期行う事が可能となっている。
家族と長い間離れ離れになるのは嫌だ。
私はエレンと一緒に居たい気持ちを押さえられず志願したのだけれど・・・
「わがまま言うな!お前は選ばれていない!」
そういい放つエレンの剣幕に押され、淋しい気持ちを抑え、グッと我慢をした。
出発の日・・・
「じゃあ、行って来る!」
壁外へと続く門扉の所まで見送りに来た私にエレンがいい放つ。
「・・・うん。」
それに力なく答える私。
「しばらく会えなくなるけど・・・」
「元気で待っててくれよな!」
明らかに元気のない私を気遣ってか、私の髪の毛をクシャクシャとさせながら笑いかけるエレン。
「うん!待ってる!」
私はその場で出来る限りの笑顔を作り見送った。
・・・もう、あの日から1年経つ・・・
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- 6 : 2015/10/19(月) 18:01:19 :
石段を降りきり、二人で町の中心部へと歩みを進める。
「まだ、この辺は復興が進んでないね。」
「ええ。でも元に戻りつつある。」
奪還して2年経つが、まだ完全には復興は済んでいない。
資材や人員不足もあるが、シガンシナに移住したくない人が多いのが復興が進まない大きな原因となっている。
それも仕方のない事。
巨人は壁外にまだ存在している。
一度は陥落した町。
再び、壁が破られる可能性はゼロではないのだから。
暫く歩くと、周りの建物の中で異彩を放つ白くて大きな建物が見えてきた。
建物の上にある数本の旗がパタパタと音をたて風に揺れている。
旗には【自由の翼】のエンブレム。
ここが、私達の所属する調査兵団シガンシナ支部である。
「今日はありがとうミカサ。じゃあまた明日ね。」
「こちらこそありがとうアルミン。」
私と言葉を交わした後、アルミンは宿舎へと向かい歩いていった。
・・・私も帰ろう。
ふと孤独感に襲われ、私も反対方向の宿舎へと
足早に戻った。
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- 7 : 2015/10/19(月) 20:14:04 :
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━━ 翌日 ━━
今日は立体機動の訓練。
一通り訓練を終え、木陰で休憩していた。
「ミカサ。」
ふと、名前を呼ばれ振り向く。
そこには、訓練生時代からの同期であるジャンが立っていた。
「少し・・・時間いいか?」
「構わない。」
私はそう答え、ジャンの後に続き歩いて行く。
人気の無い場所まで来ると・・・
「ミカサ。俺と付き合ってくれないか?」
ジャンの少し照れながらも真剣な眼差しに、その意味が訓練の類いでは無いことは私でも容易に理解できた。
ジャンは訓練生時代から抜き身過ぎる性格のせいか、他の者とは軋轢を生んでいた。
しかし、私にだけは当時から優しい。
きっと本質的には優しいのだろう。
拉致されたエレンをライナー達から取り戻すあの日の奪還作戦の際は、私の窮地を救ってくれた。
・・・でも・・・
「・・・ごめんなさい。」
「・・・・。」
「・・・私には待っている人がいる。」
「・・・ミカサ・・・お前やっぱり・・・」
私はうつむき、もう一度ごめんなさいと呟いた・・・
ジャンは少し唇を噛みしめながらも追及はしてこなかった。
そのジャンの優しさに私は感謝した・・・
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- 8 : 2015/10/19(月) 21:40:45 :
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私は少し気まずい雰囲気に耐えられず、
「もう、戻る。」
そう言い残し、立ち尽くすジャンを後に足早に去ってしまった。
休憩していた木陰へ戻ると、訓練でペアを組んでいたアルミンの姿を見つけ駆け寄る。
一緒に談話室へ行き、椅子に座る。
アルミンと居ると少し現実味の薄れてきたエレンの存在が感じられるので居心地が良い。
ふと、少し異変を感じたのかアルミンが尋ねる。
「ミカサ。何かあった?」
やはりアルミンに隠し事は出来ない・・・すぐに見抜かれてしまう。
私は先程の出来事をアルミンへと話す。
「え!?ジャンに告白されたの?」
「・・・うん。」
「・・・それで、答えは?」
「・・・断った。」
「・・・だよね・・・。」
普段なら、これでこの話題は終了するはずだった。
だから、私は心の準備が出来てなくて・・・
「でもね、ミカサ。ジャンはいい奴だよ。」
アルミンが笑顔でそう言った時は、自分の身体が支配出来ないくらい驚いた。
まさか、エレンを待っている私にジャンを薦めるような言葉が出てくるとは・・・
アルミンは更に言葉を続ける。
「昔からジャンはミカサの事よくみてるし、気遣ってくれてるよ。」
「・・・・。」
何も言わない私にアルミンが名前を呼ぶ。
「・・・ミカサ。」
更に出てくるであろう言葉に私は恐怖を感じ、
「アルミン・・・私・・・ごめん・・なさい」
物凄く動揺し、私は談話室を飛び出した。
「ミカサ待って!」
アルミンの呼び止める声を無視し走り出す。
おかしい・・・身体が支配出来ない・・・
涙腺が壊れたかのように涙がどうしようもなく溢れている。
他人に見られたくないあまり、俯きながら走っていると突如ドンッと何かにぶつかった。
顔を上げるとそこにはジャンの姿。
「ミ、ミカサ?」
私の泣き顔に驚いて声をかけるジャン。
私は何も言わず、そのまま走り去った。
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- 10 : 2015/10/19(月) 23:18:27 :
階段へ向かいながら、
ごめんなさいアルミン・・・ジャン・・・
と、心の中で謝る。
二人とも凄く私に気をかけてくれる。
優しくしてくれる。
なのに・・・
どうして台無しにしてしまうの?
こんな自分が本当に嫌になってくる・・・
これも何の音沙汰もないエレンのせい・・
馬鹿、馬鹿!連絡くらいして欲しい・・
と、心の中で悪態をつき兵舎の屋上へと出る。
階段を駆け上がってきたせいか、少し息切れをしている。
「・・・エレンの馬鹿・・・。」
そう呟き、ふらふらと歩いて風に揺れている旗の根元に力なく座り込む。
そして目を瞑りエレンを思い浮かべる・・・
・・・あれ?
エレンってどんな顔をしていたの?
エレンってどんな声をしていたの?
もう、1年も会ってないからはっきりと思い出せない・・・
夢でもいいからエレンに会いたい・・・
声を聞かせて欲しい・・・
このままではエレンを忘れてしまう・・・
「ミカサ!」
ゆっくりと目を開け振り返ると、今にも泣き出しそうなアルミンと心配そうな顔をしたジャンが立っていた。
「もういいよ・・・ミカサ・・・」
そう言いながら何故かアルミンは涙を流しながら私を抱き締めてきた・・・
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- 11 : 2015/10/20(火) 00:58:13 :
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私は驚き、声をかける。
「ア、アルミン・・・?」
私の方へ顔を向けたアルミンは言葉を続ける。
「もう・・・やめようよ」
「・・・・。」
「・・・もういいかげん、前を向こうよ!」
アルミンのキレイな碧眼からは一粒、また一粒と涙が溢れている・・・
「エレンからは連絡は来ないよね?」
「・・・・。」
「ねぇ、ミカサ!分かってるんだよね!」
アルミンの問いかけに肩を揺らされながら、私は茫然自失していた。
身体が支配出来ない・・・
アルミンの言葉に私の身体が、心が拒絶反応を起こしている・・・
「ジャンはいい奴だよ。ミカサの事、全て知った上で守りたいと言ってるんだ!」
そのアルミンの言葉に少し唇を噛み俯くジャン。
「ミカサ・・・ゆっくりでいい・・・」
「ゆっくりでいいから・・・」
「前を向いていこうよ。」
アルミンはそう言いながら手を私に差しのべる。
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- 12 : 2015/10/20(火) 01:39:45 :
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ねぇ、エレン・・・?
エレンはこの手を取って欲しいから連絡をくれないの・・・?
エレンはそれを望んでいるの・・・?
「私はエレンを待たなきゃいけない・・・」
「ミカサ!!!」
私の言葉を打ち消すかのようにアルミンが少し声を荒げる。
・・・私には見える・・・
あの凄惨な事件の後に、私の首にマフラーを巻いてくれた。
帰る場所の無い私に、家に帰ろうと手を差しのべてくれた。
一緒にいてくれた。
生き方を教えてくれた。
そして、待っててと言ってくれた・・・
「私にはエレンが―――――」
「エレンはもう居ない!もう、帰ってこないんだ!!!」
アルミン、やめて。
そんなに震えながら涙声で言わないで。
それがまるで本当の事のように聞こえるから・・・
「・・・ミカサのせいじゃないよ・・・」
「・・・やめて・・・。」
「エレンは死んじゃったでしょ!!!」
ズキン・・・ズキン・・・
頭が痛い・・・
この言葉だけは聞きたくなかった・・・
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- 15 : 2015/10/20(火) 22:22:48 :
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・・・エレン達が出発して一週間後・・・
出発した部隊の早すぎる帰還・・・
そこに無いエレンの姿・・・
兵長から聞かされた悲報・・・
「俺がついていながら・・すまない・・・。」
「遺体は巨人みてぇに消えちまった・・・。」
そう言って渡された、血で汚れたエレンの上着のエンブレム・・・
私は到底受け止める事ができなかった。
事の詳細を聞くのが怖い。
エレンは待っててと言ってくれた。
エレンがサヨナラも言わず私の前から居なくなる筈がない・・・
きっと帰ってくる・・・
きっと・・・
・・・でも、本当は分かっていた・・・
私はぼんやりと空を眺めていた。
「エレンの事、忘れる必要はねぇ・・・。」
ジャンは泣き崩れるアルミンをそっと座らせると、私の側へと歩み寄る。
「忘れなくてもいい・・・」
「ただ・・・少しずつでいいから、前を向いていこうぜ・・・」
「・・・・。」
優しく語りかけるジャンにその時は何も答える事は出来なかった・・・
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- 16 : 2015/10/20(火) 23:11:06 :
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その日の夜・・・
どうやって説明すればよいのか分からないけれど、私はある覚悟を決めてベッドに入った。
エレンと最後の時が近づいている・・・
そんな気がした・・・
眠りについた直後、懐かしい香りを感じる。
夢か現か分からない中で、私は声にならない声を発した。
エレンを呼ぶように、目を閉じたまま感覚を研ぎ澄ませる。
『ミカサ・・・』
エレン・・・
『そのままで聞いてくれ』
エレン・・・
『かなり待たせたな・・・ごめんな・・・』
まぶたが熱くなる・・・
『いっぱい泣かせてごめんな・・・』
ねぇ、エレン・・・目を開けていい?
『まだ、だめだ・・・』
懐かしい声・・・エレンの声・・・
『ミカサ、ありがとな・・・』
エレン・・・
『ずっと変わらず想ってくれてて、ありがとな・・・』
エレン、行かないで・・・
お願い、私を置いていかないで・・・
『行かねぇよ。側にずっといてやる・・・」
本当・・・?
『ああ、家族だろ・・・』
エレン・・・
そっと、熱くなった重いまぶたを開けてみる。
『ミカサ・・・』
「エレン・・・」
あぁ、そうだった・・・
私の大事な家族は、こんな顔だった・・・
こんな風に、笑うんだった・・・
涙が止まらない・・・
『側にいる・・・でもな、ミカサ・・・』
懐かしい香りが私を抱き締め、耳元で囁く。
「エレン・・私もお願いを聞いて欲しい・・」
私はエレンに最後の願いを告げた・・・
私が伸ばした腕の先から、エレンの気配が近付いてきて、ほんの少しだけ唇に温かみを感じた気がした。
『さようなら・・・ミカサ』
涙の跡が乾かない顔のまま、私はカーテンの隙間から差してくる朝日を眺めていた。
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- 17 : 2015/10/20(火) 23:53:16 :
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エレンはサヨナラを言いに帰ってきてくれた。
やはり、エレンは必ず約束を守る。
全然、変わっていない私の大事な家族。
今度は私がエレンの最後の願いを、聞かなければいけない。
「アルミン、ジャン。」
「ミカサ・・・。」
談話室に入って一緒にいたジャンとアルミンを見つけ、声をかける。
アルミンの目は昨日の涙のせいか、まだ腫れぼったくなったままだ。
「二人とも。聞いて欲しい。」
エレン、私はもう大丈夫、もう泣かない。
これからはしっかりと前を向こう。
「昨日の晩、初めてエレンがお別れを言いに来た。」
「―――――――っ」
アルミンが泣いてしまったから、やっぱり私もつられてしまった。
「良かったな、ミカサ。」
ジャンが、優しく声をかけてくれた。
「ありがとう、ジャン。」
感謝の気持ちを込めて、私はそう答えた。
『ミカサ、もう泣くな。前を向いて生きろ!』
エレンの最後の願い。
ねぇ、エレン。
ずっと待っていた。
ずっと会いたかった。
ずっと会いに来て欲しかった。
会いにきてくれて、ありがとう。
声を聞かせてくれて、ありがとう。
そして、最後の私の願いを聞いてくれて―――
「ありがとう、エレン・・・」
首元のマフラーを握りしめ、空を見上げる。
今日も快晴、空は抜けるような青色だった。
――― fin ―――
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- 18 : 2015/10/21(水) 00:04:15 :
- 名無し様、かなたん様、くろねこ分隊員様、
楓華様
期待コメントありがとうございました♪
執筆中の励みとなりました。感謝いたします。
また、見易くする為に非表示した事をご容赦くださいませ。
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- 19 : 2015/10/21(水) 11:15:02 :
- 感動…エレン帰って来いよぉ…
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- 20 : 2015/10/21(水) 15:42:34 :
- うう・・・涙が止まらない・・・(泣)
とってもいい作品でした!
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- 23 : 2015/10/23(金) 20:18:05 :
- ↑他のssにも沸いてましたよねあなた?
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- 24 : 2015/10/23(金) 20:39:10 :
- >>22 意味不明なので非表示としました。
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- 25 : 2015/11/01(日) 17:49:58 :
- 乙です!!ウルッと来ました…(´TωT`)
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- 26 : 2015/11/01(日) 19:14:13 :
- >>25様コメントありがとうございます!
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- 27 : 2015/11/18(水) 16:54:20 :
- 泣いた
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- 28 : 2016/04/01(金) 15:22:42 :
- 色々読み漁ってる中で久しぶりに感動した!
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- 29 : 2017/05/21(日) 22:50:32 :
- 号泣(´・н・`)
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- 30 : 2017/07/12(水) 06:36:56 :
- 小説で初めて泣きました
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- 31 : 2018/02/20(火) 08:26:38 :
- 泣ける
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- 32 : 2018/07/26(木) 15:32:02 :
- 良作乙
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- 33 : 2018/08/18(土) 11:36:55 :
- 感動しました(T_T)昔のSSの方が良作が多い。
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- 34 : 2018/08/19(日) 11:34:27 :
- 素晴らしい!感動しました!
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