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乙女に恋する野郎共

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  1. 1 : : 2015/08/13(木) 17:12:03
    『恋する乙女達と鈍感王子』と同じシリーズです
    http://www.ssnote.net/archives/38354
  2. 2 : : 2015/08/13(木) 17:12:56
    -恋するアルミン編-


    第104期訓練兵団所属、アルミン・アルレルトです。よろしくお願いします。

    僕には好きな人がいます。
    その人はアニ・レオンハート。
    美人で背が低い。氷の女なんて呼ばれてますが、実は優しくて、可愛い所もあります。

    僕がそんなアニに惚れてしまったのも必然とも言えました。
    いまからその出来事をお話しします。


    ───
    ────────
    ────────────────

    -お昼休憩-

    アルミン「っ…はぁはぁ…んぐっ…はぁ」

    あの日は体力づくりの日でした。
    朝から筋トレ、兵站行進、長距離走など体力に自信のない僕にとって、地獄の日でした。

    ポツポツと周りの人が食堂へと向う中、僕はどうしても立ち上がる事が出来なくて…。
    でも、食欲もあまり無かったから、まぁ…いいかな。なんて思いながら暑い日向で、大の字になってました。
    そんな時でした。

    アニ「……そんなとこにいたら熱中症になるよ」

    アニが僕の肩持って、日陰へと運んでくれたんです。
    それだけじゃない。水やパンまで持ってきてくれました。

    アニ「…食べな。食べないと体力つかないよ」

    その好意は凄く嬉しくて、飛び跳ねそうになるくらいでした。
    でも、やっぱり食欲は別物でした。

    アルミン「ごめん。持ってきてくれたのに失礼なんだけど…食欲なくて」

    心が痛みました。
    でも、パンが喉を通るって思わなかったんです。

    アニ「………いいから黙って食べな」

    そういってアニはパンを細かくちぎって、
    僕の口に運びました。
    アニの好意を無下にするのも気が引けたので、
    出来るだけ食べる事にしました。
    1/3くらい食べた頃で限界になり断念しましたが、あのパンは今まで食べたパンの中で1番美味しかったと思います。

    アニ「……アンタ、午後の訓練休むかい?」

    パンも食べ終わり、一段落ついた頃、
    アニに言われました。
    確かにこのまま訓練を続けたら倒れるかも知れないし、周りに迷惑をかけてしまうかも知れない。
    でも、僕は

    アルミン「いや、やるよ。みんなに遅れをとりたくないからね。大丈夫。死んでも足でまといにはならないよ」

    僕に出来る精一杯の努力。
    それは、まだまだ先にあると思うから。
    僕もみんなに負けてられない。

    アニ「………アンタのそういう所好きだよ。なんていうか、見かけによらず根性がある所とかさ」


    ───
    ────────
    ────────────────

    アニはあの時、微笑んでました。
    普段あまり笑わないアニの笑顔はとても新鮮で、惹かれるものがありました。
    綺麗だったんです。
    他の誰よりも、アニの笑顔が……。

    僕は思いました。
    あの笑顔を僕の力で作りたいって、


    だって、あの笑顔を何度でも見たいんです。
  3. 3 : : 2015/08/13(木) 20:42:53
    -恋するジャン編-


    誰が馬面さんだ!
    俺にはジャン・キルシュタインっていう名前があるんだよ!

    は?好きな人?
    勿論、ミカサに決まってんだろ!
    黒髪美女ミカサ・アッカーマン以外誰を好きになるってんだ!

    お世話好きな所も、綺麗な黒髪も、顔も、とにかくパーフェクトだ!
    付き合いてぇ!ってかお嫁にほしい!

    お?ミカサとのエピソード?
    ………てめぇは俺に喧嘩売ってんのか?
    そんなもんあるわけ!……ないこともないか。
    まぁ…例えばあんなのはどうだ?


    ───
    ────────
    ─────────────────

    -立体機動の訓練-

    あの日俺はマルコ、ミカサ、トーマスの4人で1班として活動していた。
    ミカサがいた事もあっていつより張り切って訓練に励んだ。
    良いところを見せたかったからな。
    けど、それが仇となった。

    ジャン「何やってんだ…」

    いつも通りの角度でアンカーを出したのが間違いだった。
    普段の1.3倍のスピードが出てたんだ、
    アンカーの刺す場所も、角度も、その時その時で対処しなきゃならなかった。
    なのに俺は……っ!

    ジャン「クソッタレ!」

    このまま俺は落ちて死ぬのか?
    駄目だ、もう地面まであと15mくらいしかない。
    駄目だ、間に合わない。そう感じ取った俺は
    目をつぶった。
    短い人生だった。
    こんな事なら告白しとけば…後悔が渦巻いた。

    けど、どれだけ時間が経っても体に痛みが無かった。
    俺は恐る恐る目を開けた。
    開いた目ではじめに見たのは、俺の大好きなミカサだった。

    ミカサ「ジャン、大丈夫?」

    ミカサは俺が落ちる前に捕まえてくれたんだ。
    俺はその時ミカサの前で涙を流した。
    すっげぇ情けなかったけど、止めたかったけど、涙は止まらなかった。


    ───
    ───────
    ────────────────

    あの後ミカサは、地面に俺をおろし、泣いている俺の頭を撫でてくれた。
    すっげぇ嬉しかった。天にも昇る思いだった。


    まぁ…こんな所だ。
    他の奴に比べて、好きな人との想い出はあまりないかも知れない。
    けどな…けど、俺にとっては数少ない想い出でも…誰よりも厚い想い出なんだ。



    ったく!なんで俺がこんなことを話さなきゃならねぇんだ!
    俺はもう行くぞ!あ?
    あんましつこいとお前も死に急ぎ野郎と同じ扱いしてやるからな!

    じゃあな。
  4. 4 : : 2015/08/13(木) 21:29:44
    -恋するライナー編-


    俺はライナー・ブラウンだ!
    おう、よろしくな!
    ほほう。俺の好きな人が知りたいのか。

    俺の好きな子はクリスタ・レンズだ。
    クリスタは天使だ。女神だ。
    可愛くて、優しくて、気配りもできる。
    うんぬんかんぬん

    (そこから1時間)

    な?最高だろ?
    ん?長くてわからなかった?
    すまん。クリスタの事になるとどうも止まらなくてな。

    おお、エピソードか。
    どれにしようか……。
    長くするなだと?お、おう。善処する。


    ───
    ───────
    ───────────────

    -食堂-

    俺はこの日、クリスタと初めて一緒に飯を食べる事になった。
    クリスタと共に食事が出来る喜びを噛み締め、スープを口に入れた。

    俺は普段ならパンとスープを交互に食べるんだが、その日はクリスタについつい目がいってしまって、パンを食べるというところまで意識を持っていくことが出来なかったんだ。

    だから俺はサシャにパンを奪われた事に気づかなかった。

    ライナー「あれ?…パンが無くなってる」

    ベルトルト「さっきサシャが持っていってたよ」

    ………食堂での一瞬の隙は命取りだな。
    改めて知らされた。

    クリスタ「はい。ライナーあげる」

    俺の前でパンをもきゅもきゅと頬張ってた天使がパンを半分にしてくれたんだが、
    俺はその後のクリスタに凄く萌えた。

    クリスタ「ライナーは体おきっきいもんね。沢山食べなきゃ!」

    クリスタそう笑顔で言ったんだ。
    しかも動作ありでだ。


    ───
    ───────
    ───────────────

    俺はあの後、クリスタから貰ったパンを大事に頬張った。
    あのパンは今まで食べたパンの中でも群を超えて1番美味かったと断言出来る。





    え?………短過ぎ?
    ……………………誰のせいだと思ってるんだ?
  5. 5 : : 2015/08/14(金) 11:15:03
    -恋するベルトルト編-


    どうも、ベルトルト・フーバーです。
    え?あ、はいベルトルトです。
    名前を間違えず呼んでくれてありがとう。
    僕っていつも間違えられるんだよね……。

    まぁそれは置いといて…。
    なんか話しがあるんだよね?
    え?好きな人?……えっとユミルだよ。

    意外?………そうかなぁ…。
    ユミルは凄く魅力的だと思うけど…。

    そうだなぁ…例えばあれはどうかな?


    ───
    ───────
    ───────────────

    -医務室-

    僕はあの日、体調を崩していたため、
    医務室で寝ていた。
    その時、耳元でゴソゴソと物音が聞こえて、
    それに気づいた僕は目を薄っすらと開けました。
    そんな僕の視界に入ってきたのは、
    果物の皮を剥いてくれてるユミルだった。

    ユミル「ったく、早く治せよな」

    まだ僕が起きているとわかってないのか、
    独り言の様に呟いてました。
    そんなユミルを見て、なんとなくそのまま寝たふりをしてユミルの独り言を盗み聞きをしてました。

    ユミルは果物を切り終わると同時に立ち上がり、僕を起こしました。(寝てないけど)

    ユミル「起きろ、ベルトルさん。私の可愛い可愛いクリスタが果物を切ってくれたんだぞ。ありがたく食べろ」

    自分が優しい事をしたとわかるのが恥ずかしいのか、クリスタがやったと言うんだ。
    僕はその時、ユミルの事が可愛いと思った。

    ベルトルト「……そうなんだ。持ってきてくれてありがとねユミル。クリスタにもありがとって言っておいてくれないかな?」

    ユミル「ああ。それより早く食べろ」

    ベルトルト「あ、うん。せっかくだし…。それに…新鮮なうちに食べないと(ユミルに)悪いしね」

    ユミル「ああ。クリスタに失礼だ」

    あくまでも自分がやったとはバレたくないみたいだった。
    なんで自分がやったって言わないんだろう。
    なんて思いながら果物を口にした。
    なんだか…冷たいはずなのに…あったかいや。

    ユミル「おい。ベルトルさん」

    ベルトルト「ん?なに、ユミル」

    ユミル「……………おはよう」


    ───
    ────────
    ────────────────

    凄く健気と言うかなんと言うか…。
    本当に可愛かった。
    おはようって言いながら、プイッてそっぽを向くところもまた可愛かった。


    みんなにもわかって欲しい。
    実はユミルはとっても優しくて健気で…。
    可愛い女の子なんだって。





    僕はこんな所かな。
    でも、最近不安な所もあるんだ。
    僕達は戦士のはずなのに…ライナーとアニが…

    いや、僕も人のこと言えないか…。
    え?…あ、ううん。こっちの話しだよ。




    また会えるといいね。
  6. 6 : : 2015/08/15(土) 20:58:45
    -恋するコニー編-


    お?見かけない奴だな。
    俺か?俺様はコニー・スプリンガー。
    カッコイイ名前だろ?

    それで?俺様になんの様だよ。
    天才の俺様がなんでも答えてやるよ!
    は?自分の言うことには責任を持てだと?
    当たり前だろ!俺様ににご…にご?………
    えーっとあれだ!約束は守る男だからな!俺様は!

    で?なんなんだ?
    好きな人?おう、みんな好きだぞ。
    え?そうじゃない?
    ならなんだよ!…………ああ、恋愛的にか。

    …………約束は守るって言っちまったしな…。
    仕方ねぇから教えてやるよ。
    サシャ・ブラウスだ。
    理由?……………わからねぇ。
    まぁ、いつの間にかって奴だ。

    エピソード?なんだそれ。美味いのか?
    ああ、想い出か……。
    それならあるぞ!いつのもことなんだけどな?


    ───
    ───────
    ────────────────

    -食堂-

    サシャは飯を食べる時はすげぇ幸せそうな顔をする。
    普段からサシャは笑顔をふりま……えっと?
    常に笑顔だけど、飯を食べる時の笑顔だけは別だ。

    サシャ「!コニー、パン食べないなら貰いますね」

    俺はいつもサシャに飯を盗られる。
    たった1秒2秒の隙をついてくるからな。
    流石の俺様でもサシャのハンティングには勝てない。

    コニー「お、おい!パン返せ!」

    サシャ「ふっふっふっ、甘いですねコニー。ハンティングした獲物はハンティングした者の物になるんですよ!」

    俺はこんな日常も悪くないって思えてくる。
    だってよ。こんなにも笑顔なんだからな。

    コニー「ったく。俺だって腹減ってんだからな!」

    一応文句を言う。

    サシャ「わかりました。流石にパン全部はとりすぎでしたね。反省します。半分…どうぞ」

    こうやっていつも、半分と言いつつ1/3だけ返してもらえる。
    まぁ、元は俺のなんだし、言う必要なんてないんだが…、
    あいつの笑顔の為に俺は……

    コニー「あんがとよ」

    こう言ってやるんだ。


    ───
    ────────
    ────────────────

    俺はあいつの喜ぶ顔が見てぇ。
    ただ、それだけだ。
    だからあいつの彼氏になって、いつまでも見る。
    それが俺の願いっつうかなんつうか………。

    ま、らしくねぇのはわかんだけどな。
    それでも、好きになっちまったらしいぜ。俺様はよ。




    さーて。話したし俺は寝る。


    じゃーなー!
  7. 7 : : 2015/08/16(日) 23:28:10
    -恋するマルコ編-


    マルコ・ボットです。よろしくね。
    あなたは?…………へぇ、いい名前ですね。

    え?僕の好きな人ですか?突然ですね…。
    あなただけの特別ですからね?

    僕の好きな人はミーナ。
    ミーナ・カロライナです。
    お下げ髪の良く似合う普通の女の子です。
    特に何か得意なものがあるわけでも、
    特別に凄いことがあるわけでもない彼女ですが、いつも元気で…笑顔で。
    とっても可愛い女の子です。

    ミーナとのエピソードですか?
    ……そうですね。
    あれは…僕が図書室で本を読んでいた時です……


    ───
    ───────
    ───────────────

    -図書室-

    僕はあの日、いつものように気になる本を読み漁っていました。
    恋愛物、サスペンス、ミステリー…ジャンルは問わず、とにかく面白そうな物を探してそれを読むのが好きだからです。
    そんな僕が恋愛物が置いてあるコーナーへさしあたった時でした。
    誰もいないと思ってた図書室に、1つの人影が見えたんです。
    その人影の正体はミーナでした。

    彼女は本棚の高い位置にある本を、精一杯背伸びをして取ろうとしていたんです。
    しかし僅かに高さが足らず、困っているようでした。

    マルコ「ほら。これでいいのかい?」

    だから彼女に比べて身長の高い僕が助けることは当たり前の事でした。

    ミーナ「あ、マルコじゃん!ありがとー♪」

    彼女の笑顔は咲いた花のように綺麗で…、
    太陽のように眩しかった。

    ミーナ「マルコはやっさしいねぇ〜」

    マルコ「……それくらいしか取り柄がないんだよ」

    僕の夢は憲兵団に入って王にこの身を捧げ、
    世界に尽くし、役立つこと。
    だけど、こんなに大きな夢があるのに、それに伴った実力はない。
    人としての魅力もない。
    そんな僕でも、唯一…一つだけ惚れられるところが優しい所なんだ。

    ミーナ「…………そんなことないよ」

    ミーナ「人望は厚いし、優しくて、頭もいい。指揮官には向いてて、実力もある。それだけじゃない、マルコには、マルコのことを期待している人もいる」

    ミーナ「私は……羨ましいよ。…マルコのことが」

    ミーナ「……っ!私も期待してるんだから!元気出してね!」


    ───
    ───────
    ───────────────

    僕は驚いた。
    僕はなんて贅沢だったんだろうって思った。
    何よりも……ミーナの期待に応えたいって思った。
    他の誰でもない。ミーナの期待に。




    これが僕の想い出です。
    あはは、なんか恥ずかしいなぁ。



    じゃぁ。僕の話は終わります。
    また会った時はよろしくね。
  8. 8 : : 2015/08/16(日) 23:41:12
    こんばんわ『竜』です。

    この作品、『乙女に恋する野郎共』はこれにておしまいになります。

    どうだったでしょうか?
    楽しく読むことが出来ているなら幸いです。

    さて、まだまだ続くこのシリーズですが、
    投稿数の割に、少し量はあると思いますので、
    1つ1つ書くのに時間がかかります。

    その点をご理解いただけたら嬉しいです。

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sswriter_ryu

@sswriter_ryu

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