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故郷を思う戦士達
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- 1 : 2015/06/10(水) 17:13:29 :
- ※ライナー父母とベルトルト父母はオリキャラです
らいなー(五歳)「ねーおかーさん、なんでかべの中の人は悪いひとたちなのー?」
ライナー母「それはね…あの人達が私たちの故郷を奪ったからなの」
らいなー「そっかー、じゃあ僕が大きくなったらあのひとたちを倒たおすよ!」
ライナー母「ふふ…ありがとねライナー」
ライナー母「でも…あまり無理はしちゃダメよ」
らいなー「うん!」
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- 2 : 2015/06/10(水) 17:16:32 :
____それから…何年か経った
ライナーはすっかり背丈も大きくなり
戦士としての面影も見れるようになった
ライナー「おーいベルトルト、アニー」
ベルトルト「あ、ライナー」
アニ「何?今日も遊ぶの?」
ライナー「おう!幼馴染なんだしいいだろ!」
アニ「男に囲まれて遊ぶ女の子は一体…」
ライナー「イケメンに囲まれてるからいいだろ____痛いっ!蹴るな!」
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- 3 : 2015/06/10(水) 17:18:00 :
アニ「じゃあーかくれんぼしようか」
ベルトルト「え…」
ライナー「俺たちデカイから隠れてもすぐに見つかる…」
アニ「私が小さいだって?」
ライナー「なんも言ってないです!はい!」
アニ「最初は私が鬼やるから、隠れてて」
ライナー/ベルトルト「はーい」
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- 4 : 2015/06/10(水) 17:24:07 :
ゴソゴソ、ガサガサ
ライナー「なかなか良いところあったな」
ベルトルト「うん、これなら隠れられそうだ」
ライナー「……」
ベルトルト「……」
ライナー「なあベルトルト、壁の中の人類ってどう思う?」
ベルトルト「えっ?…あんまり考えたことないけど…」
ベルトルト「母さんと父さんが言うには"悪い人"…かな」
ライナー「そうか…後少ししたら俺たちも戦士になれる歳だよな」
ベルトルト「!まさかライナー…戦士になるつもりじゃ…」
ライナー「俺は昔母さんと話したことがある」
ライナー「母さんは忘れてるかもしれんが俺は忘れん」
ライナー「壁の中の人類を俺が倒す…そして本当の故郷を取り戻す、俺の中にあるのはこれだけだ」
ベルトルト「……僕もやるよ」
ライナー「無理しなくていいんだぞ…危険だ」
ベルトルト「いいよ、僕のお父さんは巨人だしどうせやることになる」
ライナー「それを言うなら俺の父さんだって…」
ベルトルト「はは…」
ライナー「……戦士…か」
アニ「あっ!見つけた!」
ベルトルト「あ…」
ライナー「げっ」
アニ「じゃー次はベルトルトが鬼ねー」
ベルトルト「うぅ…わかった…」
アニ「行こうライナー」
ライナー「…わかった」
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- 5 : 2015/06/10(水) 17:36:11 :
それからさらに一年が過ぎた
ライナー母「…ライナー、話って何?」
ライナー「母さん…俺、今年で14歳だよな」
ライナー母「えぇ…」
ライナー「俺…俺…ッ…戦士の試練を受けようと思う…」
ライナー母「ッ!?何を言ってるのライナー!あの試練は___」
ライナー「わかってるよ!!」
ライナー母「!」
ライナー「わかってる…でも俺は……あの頃した約束を果たしたいんだ…」
ライナー母「あの頃…まさか…」
ライナー「俺の最後のわがままだ…頼む!お願いします!!」
ライナー母「…最後なんて言わないでよ」
ライナー「…」
ライナー母「絶対に帰ってくるのよ、せっかくあなたの母親になれたんだから…もっとわがまま聞かせてよ」
ライナー「!!それじゃあ…」
ライナー母「お父さんがいいって言ったら…ね?」
ライナー「あぁ…父さんの意思は必ず継ぐよ、絶対に、なんとしても…!」
ライナー母「(……ごめんねあなた…この子のわがまま…聞いちゃった……)」
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- 6 : 2015/06/10(水) 17:40:02 :
- 期待
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- 7 : 2015/06/10(水) 17:40:59 :
- >>6
ありがとうございます
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- 8 : 2015/06/10(水) 17:44:54 :
ーその日の深夜ー
ライナー母「あなた…」
ライナー父「……そうか」
ライナー父「ついにその日が来たか…」
ライナー母「ごめんなさい…私…」
ライナー父「大丈夫だ、私もあいつのわがままを聞いてやりたい」
ライナー母「あなた……」
ライナー父「それと最期のお願いがある」
ライナー父「ライナーには…自分が喰う相手を俺じゃないと伝えてくれ」
ライナー父「そして俺はどこか遠くへ行った…と」
ライナー父「あいつに…俺を殺したという罪悪感を与えたくない」
ライナー父「父親は父親らしく影から見守っているよ」
ライナー母「…………わかったわ…」
ライナー父「すまないな」
ライナー母「あの子のわがまま…誰に似たのかしらね…」
ライナー父「はははっ…」
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- 9 : 2015/06/10(水) 18:08:17 :
村人「へぇ…今年の戦士4人のうち2人はその子らか」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
村人「あと2人か…」
村人「なるべく強い子供にしたいなぁ…」
ライナー母「なんなんですかその言動は!」
村人「…?ライナーのお母さんですか、どうしました?」
ライナー母「子供を道具のように…!!」
村人「毎年恒例でしょう?村から戦士を出して…そして故郷を取り戻す!!素晴らしい!!」
村人「それとも…自分の子供が戦士になるからってやめたさせがるんですか?」
ライナー母「ッッ……!!」
ライナー「母さん!もういい…大丈夫だ」
ライナー母「ライナー……」
村人「ふふふ、いい息子さんですねぇ…」
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- 10 : 2015/06/10(水) 18:18:07 :
アニ「…」モグモグ
アニ父「アニ、今日の訓練は___
コンコン
アニ父「…?はーい」
ガチャ
村人「失礼します、レオンハートさんのお宅ですね?」
アニ父「はぁ…そうですが」
村人「あなたの娘さん、アニさんが今年の戦士に選ばれました」
アニ「!」
アニ父「!!…本当ですか!?」
村人「えぇ、これで立派な大人になれますよ」
アニ父「良かったなアニ…!アニ!」
アニ「…う…そ……」
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- 11 : 2015/06/10(水) 18:23:00 :
村人「戦士の試練は3日後です、腹を括っておいてください」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…」
村人「尚、マルセル君は君たちが村を出た後にそちらに行きます」
村人「では…」
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- 12 : 2015/06/10(水) 18:42:39 :
ー3日後ー
ライナー達の前には袋を頭に被った人が3人現れた
村人「わかるな?お前ら」
ライナー「はい…」
ベルトルト「この注射を打つんですね」
アニ「…」ブルブル
村人は鎖で生贄の縛った
村人「じゃあ一人ずつやれよ…5分後また来る」
そう言い残し村人は去った
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- 13 : 2015/06/10(水) 20:09:36 :
アニ「だ…誰から…」
ライナー「俺からやる」
ベルトルト「ライナー…」
ライナー「元はと言えば俺がやるって言い出したんだ」
ライナー「(俺は誰を…殺すんだろうな…)」
ライナー「(必ず…父さんの意思を……継ぐ…)」
ライナー「(父さんが成し遂げられなかったことを…壁の中の人類を滅ぼすことを…!)」
ライナー「(巨人から命からがら逃げ延びた父さんは村の皆から臆病者だって言われたが…俺はそう思わない)」
ライナー「(俺の自慢の父さんだ)」
ライナー「(あいつを食って…俺は…)」
ライナー「(そして…任務を遂げたら……皆で一緒に……騒いで…遊んで……)」
ライナー「(故郷に帰ろう)」
ライナー「行くぞ!!うおおおおおおお!!!!」
プスッ
ライナーは指に力を込めて…
グググ
中の液を体内に流し込んだ
カッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ライナー巨人「ウオオオオオオオ!!!!!!」
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- 14 : 2015/06/10(水) 20:13:14 :
- ライナー『熱いっ!!意識が……!!!』
ライナー『死んで…たま……るかっ!!!!!』
生贄「……ライナー」
ライナー『!?』
ライナー巨人「ウオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
生贄「……こんな俺だけど…お前の役に立ってよかった」
ライナー『まさか…嘘だろ!?おい!止まれ!止まってくれ!!!俺の身体だ
ろ!!?』
生贄「お前は俺の______
ライナー『やめろおおおおおおおお!!!!!!』
ライナー父「自慢の息子だ」ニコッ
バクン…………!!
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- 15 : 2015/06/10(水) 20:40:01 :
- 期待です
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- 16 : 2015/06/10(水) 21:59:49 :
- 期待
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- 18 : 2015/06/10(水) 22:26:29 :
ーーーー
ーーー
ーー
ー
:
:
村人「終わったか?」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…」
村人「…村を出るのは明日だ、早く準備をしたほうがいいぞ、じゃあな」
村人は苦労を労う素振りも見せなかった
そのまま去って行った
アニ「私……人を…」
ベルトルト「僕……もう…」
ライナー「……今更引き下がれねぇ…!」
ライナー「俺の父さんから譲り受けたこの力で……必ず…悪魔の末裔を…根絶やしに…!!」
ライナー「必ず…故郷に帰ってくるんだ…!!」
ベルトルト「…ッ!」
アニ「そう…だね…」
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- 19 : 2015/06/10(水) 22:29:04 :
「おいおい…あいつらだよ」
「あぁ、例の戦士だろ?人を喰ったんだろうなぁ…」
「巨人だー!こっちくんなー!」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…」
「うわっ!巨人がこっち見たぞ!逃げろー!」
ライナー母「ライナー…私はあなたの味方よ」
ベルトルト母「安心して三人とも、あなた達を避けたりはしない」
ライナー「…明日…出発だ」
ベルトルト「用意しなきゃ…ね」
アニ「……私は一旦家に帰るよ」
ライナー「おう…じゃあな」
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- 20 : 2015/06/10(水) 22:38:40 :
ガチャ、キイィィ…
アニ「ただいま…」
アニ父「…」
アニ「私…戦士になったよ…」
アニ「母さんを喰べて…戦士に…!!」
アニ「父さんは嬉しいでしょ、私が戦士になれてさ…」
アニ「でも……でもっ……もう私…村の人たちからも…みんなからも嫌われて…」
アニ「うっ…うわああああぁぁぁぁん!!!!!」
アニ父「アニ…」
アニの父さんは
そっとアニを抱きしめた
アニ「う…ひっく……お父…さん?」
アニ父「アニ…俺が間違っていた…」
アニ父「今更俺を許してくれとは言わない…けど」
アニ父「一つだけ……頼みがある」
アニ父「この世の全てを敵に回したっていい」
アニ父「この世の全てからお前が恨まれることになっても…父さんだけはお前の味方だ」
アニ父「だから…約束してくれ_____」
アニ父「____帰ってくるって…」
アニ「……うん………」
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- 21 : 2015/06/10(水) 22:47:40 :
ー1日後ー
ライナー母「今日…なのね」
ライナー「ああ、見送りはいいよ」
ライナー母「見送りくらい いいじゃない」
ライナー「任務を果たしたらすぐに帰ってくるって」
ライナー母「気をつけてね…」
ライナー「よし、アニとベルトルトが待ってるからもう行くな」
ライナー母「…」
ライナー「それじゃあ…行ってきます!」
バタン!とライナーは勢い良くドアを閉めた
まるでこれ以上心を揺さぶられたくないように…思いを断ち切るように
ライナー母「行ってらっしゃい…ライナー…」
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- 22 : 2015/06/10(水) 22:52:33 :
故郷を出発してからたくさんの巨人と交戦した
幸いにもアニはなぜか巨人化の能力が数段上で巨人をある程度操れた
そしてここに来る途中…マルセルが巨人に食われた
覚悟していたことだがやはり心に来るものがある
しかしマルセルの意思を俺たちは引き継ぎやっとの思いで辿り着いた
悪魔の末裔……壁の中の人類がいるところに
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- 23 : 2015/06/10(水) 22:56:54 :
ヒュウウウゥゥゥ………
ライナー「…」
ベルトルト「ついたね…」
アニ「…」
ライナー「お前ら、俺たちは何のためにここに来た?」
ベルトルト「…もちろん、村の人たちから脅威を救うためだ」
ライナー「そうか…じゃあすまないな、俺は違う」
ライナー「必ず…本当の故郷に帰るためだ」
そして父さんの意思を継ぐため
あの頃した母さんとの約束を果たすため
ライナー「絶対に…なんとしてもだ」
ベルトルト「…ああ!」
アニ「…うん!」
ライナー「勝負は今…ここで決める!!」
ライナー達は手を口の近くに持って行った
やることは言わなくてわかるだろう
ガリッッッッッ!!!!!
カッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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- 24 : 2015/06/10(水) 23:00:44 :
____その日…人類は思い出した
____ヤツらに支配されていた恐怖を
____鳥籠の中に囚われていた…屈辱を
____しかし人類は知らなかった
____人類に害を及ぼす者たちには…
____《仲間》《家族》…そして
____《故郷》があることを…………
ーENDー
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- 25 : 2015/06/11(木) 18:24:07 :
- ライナー(´;;`)
最高でしたぁぁぁあ
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- 26 : 2015/06/11(木) 18:44:05 :
- >>25
ありがとうございます
そう言ってもらえると嬉しいです
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- 27 : 2015/06/11(木) 18:52:10 :
- おもしろかったよーーーー…>_<…
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- 28 : 2015/06/11(木) 18:55:13 :
- >>27
ありがとうございます
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- 29 : 2015/06/11(木) 20:36:36 :
- 最高でした!
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- 30 : 2015/06/11(木) 22:40:33 :
- >>29
ありがとうございます
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