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エレン「やっぱ何事においても柔軟さって必要だと思うんだよね」
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- 1 : 2014/07/19(土) 21:29:48 :
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845年。
突如出現した超大型巨人によって、人間達の平穏は壁と共に破壊された。
人類はやむなく、一番外側の領域であるウォール・マリア領を放棄せざるを得なくなった。
巨人の領土と化したマリア領を奪還すべく、政府は避難民達を用いた大規模な奪還作戦を画策。
口減らしとも捉えられるこの作戦によって駆り出された人々は、半強制的にマリア領内へと駆り出された。
しかし、その行く先で偶然発見された新種のとある『食材』によって、
人間達の未来は大きく好転することとなったのであった……
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- 3 : 2014/07/19(土) 21:41:00 :
~850年・トロスト区壁外某所~
ライナー「いよいよだな」
ベルトルト「ついにこの日を迎えてしまったんだね…」
ライナー「壁内の連中には悪いが、俺達だってやらねばならん。腹を括れよ」
ベルトルト「分かってるよ…」
アニ「それにしても、ちょっと気になる事があるんだけど」
ライナー「それについては俺も同感だ」
ベルトルト「最初に壁が破壊されてから5年。その間に、人類は壁にある特殊な細工をしたと聞く」
ライナー「どうにか調べようとしたが、結局分からず仕舞いだったな」
ベルトルト「知ってるのは各兵団の幹部クラスだけで、僕ら一介の訓練兵には教えてくれなかったね」
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- 4 : 2014/07/19(土) 21:50:33 :
アニ「特殊な細工…一体何だろうね?」
ライナー「まぁ、何であろうと俺達はやるだけだ。後に退くことはできない」
ライナー「じゃあそろそろ頼むぞ、ベルトルト」
ベルトルト「うん」スッ…
ザシュッ!!
カァァァァァァァァァァッ!!!!!!!
超大型巨人「」ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!!!
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- 5 : 2014/07/19(土) 22:03:12 :
~トロスト区壁上~
超大型巨人「」ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!!!
エレン「なっ!?巨人っ!?」
アルミン「そんな…何で今日になって…!?」
コニー「オイ!ボケっとするなっ!!」
サムエル「こいつをここで放っておいたら、5年前と同じだ!!」
トーマス「だがどうする!?」
超大型巨人「」シュゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!
ミーナ「ものすごい蒸気で近づけないっ!!」
エレン「関係あるかよ!今この状況は、こいつを倒す絶好の機会だ!!」
エレン「絶対逃がすな!!これ以上巨人共に好き勝手はさせねぇっ!!」
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- 6 : 2014/07/19(土) 22:13:05 :
超大型巨人「」スッ…
コニー「脚を引いた!?来るぞっ!!」
アルミン「壁が…また破られるっ!!!」
超大型巨人「」ブオンッ!!
サシャ「来ましたっ!!」
ミーナ「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
プルンッ
一同「!?」
超大型巨人「!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
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- 8 : 2014/07/19(土) 22:23:48 :
エレン「何だ今のは…?」
アルミン「プルプルした感触と共に、巨人の蹴りがかき消された…?」
「ふふふ、どうやら我々の英知の結晶は巨人に対して有効だったようだね」
一同「!?」
エレン「あ…あなたはもしや!?」
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- 9 : 2014/07/19(土) 22:33:28 :
~トロスト区壁外某所~
ライナー「何だ!?ベルトルトの蹴りが効いてない!?」
アニ「硬くて破れなかった…様には見えなかったけど?」
ベルトルト(え!?何で!?壁がものすっごいプルンってなった!?)
ライナー「まさか、これが例の特殊な細工なのか…?」
アニ「一体何を…?」チョン
アニ「…あっ!」
ライナー「どうしたアニ!?何か気付いたか!?」
アニ「…すっごいプルプルしてる」プルンプルン
ライナー「は?」
「はっはっは、驚いたか諸君!もうこれで壁を破壊することは不可能だよ!!」
ライナー&アニ「!?」
ベルトルト(あの人は…!!)
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- 10 : 2014/07/19(土) 22:43:45 :
ハンジ「はっはっは、どうやら君達が巨人共の手先という事らしいね!」
エレン「ライナーとアニか。じゃあそのデカいのはベルトルトだな」
アルミン「意外だね」
ライナー「軽いっ!軽すぎるぞお前らっ!せめてもう少しリアクションしてくれよっ!!!」
アニ「それよりも、このプルプルの壁は一体どういうことなの?」プルンプルン
ライナー「お前も何気に気に入ってんなそれ!プルプルすんな!!」
ハンジ「そのプルプルの正体は、5年前に発見されたある食材から作り出した物質…」
ハンジ「…そう、『こんにゃく』だっ!!」
一同「!?」
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- 13 : 2014/07/20(日) 13:51:45 :
エレン「こんにゃく!?何だよそれ!?」
サシャ「このプルプルは食べられるんですか!?」
アルミン「確かにここに登った時、やたら足元がプルプルすると思ったけど…」
サムエル「俺達訓練兵が壁を登るのなんて今回が初めてだったからな」
ミーナ「こういうものなんだと思ってたけど?」
ハンジ「ふふふ、驚いているようだね訓練兵諸君」
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- 14 : 2014/07/20(日) 14:09:08 :
ライナー「関係あるか!こんにゃくが何かは知らんが、俺達はやらねばならん!!行くぞ!!」
アニ「うん」プルンプルン
ライナー「とりあえずプルプルやめろ!!」
ハンジ「この壁を見ても尚諦めないその心意気、気に入ったよ」
アルミン「こんなプルプルした物、一体どうやって作ったんだろう?」
ハンジ「気になる?気になる?」
アルミン「え、えぇ、まぁ…」
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- 15 : 2014/07/20(日) 14:24:08 :
ハンジ「それじゃ特別にハンジさんの特別解説コーナー行っちゃうよ?」
ハンジ「5年前敢行された大規模なマリア領奪還作戦、そこには多くの避難民が駆り出された」
ハンジ「訓練を積んだ兵士ならまだしも、駆り出されたのは一般市民。正直、結果は見え見えだった」
アルミン「おじいちゃん…」
ハンジ「けど地獄へ向かう道中で、一人の老人によって偶然ある『食材』が発見されたんだ」
サシャ「食材!?」
サムエル「溢れんばかりの涎を止めろ、サシャ」
ハンジ「巨人が歩いて掘り返された土の中から発見された食材…」
ハンジ「…そう、『こんにゃくイモ』がね!!!」
サシャ「芋ぉっ!?」
コニー「流るる事滝の如しなその涎を止めろ、サシャ」
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- 16 : 2014/07/20(日) 18:30:24 :
ハンジ「その芋は、まず擦り潰した球根を特殊な水溶液と練り合わせて煮詰める」
ハンジ「そして凝固させることで、この壁のようにプルプルとした珍しい食べ物になるのさ」
ハンジ「おまけにこのプルプルは衝撃を吸収してしまう。まさに壁の防衛にはうってつけなのさ」
アルミン「壁を硬くするのではなく、敢えて柔らかくして衝撃を往なす設計…」
ハンジ「『柔よく剛を制す』とはよく言ったものだよね」
ライナー「発想の転換という奴か…クソっ!」
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- 17 : 2014/07/20(日) 18:40:03 :
ハンジ「まぁこれも、このこんにゃくを食べてから閃いたんだけどね」
ハンジ「どうやらこれを食べると、思考が柔らかくなる効果があるみたいだ」
エレン「んな馬鹿な」
トーマス「そもそも、よくこんな事をウォール教の連中が許しましたね」
ニック「呼んだか?」
トーマス「うわあぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
ハンジ「いやぁ、ニックさんにもこんにゃくを食べさせたら頭が柔らかくなったみたいでね」
ニック「ぶっちゃけ、壁が守られれば何でもいい。こんにゃく壁ばんざーい」
エレン「んなアホな」
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- 18 : 2014/07/20(日) 18:50:07 :
ハンジ「奪還作戦に参加したメンバー全員で芋の収穫、及びこんにゃくの製造を行ってもらってね」
ハンジ「この5年の間に、南側から順番に少しずつ壁を取り替えていったんだよ」
ハンジ「元の壁を引っこ抜くとき、中に馬鹿デカい巨人が居たような気がしたけどね」
ニック「なんか重要な奴だった気がするが、そこは持ち前の柔軟さでスルーした」
ライナー「いやそれアカン奴や」
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- 19 : 2014/07/20(日) 18:59:17 :
ベルトルト「ライナーっ!!」バッ!
ライナー「ベルトルト!」
ベルトルト「ここは一旦退くべきだ!壁が破れない上に、僕らの正体も露呈してしまった!!」
ライナー「そうだな…よし、ここは一旦逃げるぞ!!」
アニ「うん」プルンプルン
ライナー「もおぉぉぉぉぉっ!!!!口と行動が一致してないぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
ハンジ「逃がさないよっ!例のアレ、用意!!」
調査兵「あいあいさー」
ガラガラガラ…
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- 20 : 2014/07/20(日) 19:10:27 :
エレン「なんだコレ?大砲?」
ニック「柔軟な思考になった私が設置を許可した秘密兵器だ」
ハンジ「名付けて『ドロドロプルプル段々弾力弾』!!!」
ライナー「何かよく分からんがマズそうだ!!急げっ!!」
ハンジ「遅い!発射っ!!!」
ドッロォォォォォォォォォッ…
ベルトルト「うわあぁぁぁっ!!何かドロドロしたのが流れて来たぁぁぁぁぁっ!!!」ドロドロ
アニ「何コレ…気持ち悪っ!!」ドロドロ
ライナー「くっ…身動きが…」ドロドロ
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- 21 : 2014/07/20(日) 19:20:07 :
アルミン「うわぁ…」
サシャ「何て言うか…エグいですね、見た目的に…」
サムエル「アニはともかく、野郎のドロドロプレイとか誰得だよ」
ライナー「俺達だって好きでこんなんなってんじゃねぇんだぞ!!」
ベルトルト「ちょっと待って…このドロドロ、何だか…」
アニ「固まってきてる…?」
ハンジ「その通り、そのドロドロはこんにゃくイモを溶いた水溶液さ!」
ハンジ「そいつは徐々に凝固し、最後には…」
ライナー「か…」
ベルトルト「固まってプルプルになった…」
アニ「動けない…♪」プルンプルン
ライナー「絶体絶命のこの状況でも楽しんでおられますね、アニさん」
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- 22 : 2014/07/20(日) 19:27:42 :
ハンジ「はっはっは、これで君達は逃げられない!さらに…」
ドドドドドドドドドドドドド…
一同「!?」
ライナー「何だ!?」
ベルトルト「足音…まさか!!」
巨人達「」ドドドドドドドドドドドドドッ!!
ハンジ「そこは壁外!いつまでもそんなところに居たら、当然巨人達の餌食さ!!」
ハンジ「食材に埋もれて、贖罪のために巨人達の食材になりなっ!!」
ライナー「マズい、このままでは…」
ベルトルト「こんにゃくと共に奴らに捕食されてしまう!!」
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- 23 : 2014/07/20(日) 19:39:17 :
アニ「ってか、思ったんだけどさ、これって壊せないけどさ…」
獣の巨人「食えるんじゃね?」
一同「…あ?」
ハンジ「つか、誰あれ?どこから来たの?」
アルミン「確かに食べれるけど、だからどうするって言うんだ?」
獣の巨人「巨人達みんなで喰えば、簡単に壁を破壊できるって事だよ」
エレン「は?巨人は人間以外は喰わないんじゃ?」
獣の巨人「馬鹿だなぁ。ちょっと指示してやればどうって事ないんだよ。こんなふうにね」スッ
巨人達「」ドドドドドドドドドドドドド…
巨人達「」モグモグモグ…
一同「い…」
一同「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!」
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- 24 : 2014/07/20(日) 19:43:06 :
こうして人類は壁を失い、巨人達に捕食された……
獣の巨人「柔軟な発想も大事だけど、根本的な部分を見失わないようにね」
ちゃんちゃんっ
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- 25 : 2014/07/20(日) 19:43:23 :
- 終わりです。
最後まで読んでくださった方々、ありがとうございました。
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- 26 : 2014/07/20(日) 19:47:07 :
- ちゃんちゃんw
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- 27 : 2014/07/20(日) 20:30:46 :
- こんにゃくは意外でした。
面白かったです。外苑さん。
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