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ナナバ「伝説の狩人」―イケメンはつらいよ―

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  1. 1 : : 2014/03/29(土) 10:01:57
    ナナバ「伝説の狩人」―イケメンはつらいよ―

    Twitterで話題になって筆をとりました

    注 このお話のナナバさんは男です
    本人が意識せずともモテます

    キャラ崩壊あり
    ナナバさんは女じゃなきゃいや!!な方にはおすすめ出来ません

    ネタバレは基本単行本です
    よろしくお願いいたします
  2. 2 : : 2014/03/29(土) 10:02:24
    「あのっ、ナナバさん…私、貴方に憧れて調査兵団に入る事を決めましたっ!!付き合って下さい!!」

    真摯な目を向けてくる、初々しい新兵

    紅潮させた頬、潤んだ瞳
    まだ少女から少し大人に成りつつあるような子

    「…そうなんだね、ありがとう。気持ちはとても、嬉しいよ」
    ゆっくりと、言葉を発する私

    何かを期待するようなその子を、じっと見つめる

    「…私は、今は誰とも特別な関係にはなるつもりは、無いんだ。ごめんね」

    申し訳なさそうに、言葉を紡いだ

    彼女は目から大粒の涙を溢した
    ―それを指で丁寧に掬ってあげる

    「ごめんね」

    静かにそう言う私に、彼女は取って付けた様に無理矢理笑い、頭を下げて去って行った
  3. 3 : : 2014/03/29(土) 10:03:15
    頑張っ
  4. 4 : : 2014/03/29(土) 10:04:57
    >>蘭々さん☆
    早い!!ありがとう♪
  5. 5 : : 2014/03/29(土) 10:05:34
    ナナバさん…!!!
    はぁはぁ///
  6. 6 : : 2014/03/29(土) 10:08:05
    ナナバさん、かっこいい!!

    期待です!
  7. 7 : : 2014/03/29(土) 10:09:28
    >>5
    たまさん…(ー_ー;)(笑)

    88さん期待ですよ!!!
  8. 8 : : 2014/03/29(土) 10:14:02
    もうすでに惚れそうだよナナバさん……!!
  9. 9 : : 2014/03/29(土) 10:20:35
    これが本当のナナバさんですね!!がんばってください!
  10. 10 : : 2014/03/29(土) 10:20:37
    >>たまねえさん☆
    はあはあってw

    >>葉月さん☆
    ナナバさんはかっこいい!!yes!!

    >>れんきゅん☆
    姉さんが朝からヤバイw
    ありがとう!

    >>もふたん☆
    まだ一レスw
  11. 11 : : 2014/03/29(土) 10:20:46
    私はナナバ

    調査兵団に所属している

    見た目と、華奢に見えるこの身体のせいか、性別不詳…と良く言われるけれど、れっきとした男なんだ

    そんな見た目のせいか、先程のような告白…をよく受ける事があった

    それを羨む人もいるけれど…

    私はそんなに羨ましいものなのかな、と思う

    だって…さっきの子の話を聴いていた?
    あの子、私に憧れて調査兵団に入ったって言ったよね…

    普通に駐屯兵団に入って、しばらく勤務して、嫁にでも行けば、順風満帆じゃない?

    なのに私のせいで、こんな死と隣り合わせの調査兵団に入って…

    運命を、狂わせてる

    かといって、その気持ちに応える事は出来ない

    はぁ…
    こめかみを押さえて、ため息をついた
  12. 12 : : 2014/03/29(土) 10:42:51
    「てめぇナナバ…またかっこつけてやがる…」

    壁にもたれ掛かり、こめかみを押さえていると、横合いから声が掛かった

    いつも無愛想な表情を顔に張り付けて…
    小さな身体は全身が柔らかい筋肉で覆われている

    「ああ、リヴァイ…何?人聞きが悪いね。かっこつけてなんか、いないのに」

    私は憂いを秘めた様な目を、小さな男に向けた

    「それは、自然な振る舞いなのかよ」

    私はただ、壁にもたれ掛かって、こめかみを押さえているだけなのに…

    「どう考えても、自然だよ?どこが不自然なのかな?逆に聞きたい」

    「…まあ確かに、不自然じゃあねえか…だがな、何だろうな…絵になっちまうんだよな、お前は」

    リヴァイは軽く首を傾げて、そう言った

    「リヴァイが同じ格好しても、絵になるよ」

    私のその言葉に、リヴァイは首を振った

    「…有り得ねえ」

    「有り得ねえなんて事はないよ、リヴァイ。ほら、やってみなよ?」

    リヴァイの腕を引っ張り、壁に身体を押し付けた

    「ナナバ、待て…おい?!」

    リヴァイの制止の声がしたが、無視して作業に取り掛かる

    「ほら、こうして…脚はこんな感じで…ほら、リヴァイ、絵になるなあ」

    最後に髪をさらっと手櫛で解かして、絵になるリヴァイ兵長の完成

    「…ちっ、聞いちゃいねえ…」

    「ふふ、しばらくそのまましてたら、何人釣れるかな?じゃあね、リヴァイ」

    「っておい!?ナナバ!!」

    リヴァイの声を背に、私はその場を立ち去った

  13. 13 : : 2014/03/29(土) 10:45:44
    ナナバさんイケメンっ!!!!
  14. 14 : : 2014/03/29(土) 10:46:57
    >>Billさん☆
    本当のナナバさんw

    >>蘭々さん☆
    ビバ!ナナバナナ!
  15. 15 : : 2014/03/29(土) 10:49:19
    ふぁっ
    ナナバさんによる兵長イケメンレクチャー!!!

    なんてステキ!!
  16. 16 : : 2014/03/29(土) 10:49:24

    ちょ、姐さんやってくれましたな(鼻血)
    貧血にならぬようにしっかり鉄分とって読みますねこの先も楽しみにしてますうふふ(*゚∀゚*)
  17. 17 : : 2014/03/29(土) 11:13:22
    >>たまねえさん☆
    兵長だって絵になるよ!!ああ、なるさw

    >>マリンさん☆
    ナナバさんこんな感じでいいのかしら…w
  18. 18 : : 2014/03/29(土) 16:17:04
    ナナバ様が、ナナバ様が~!!
    かっこよすぎる~!!
  19. 19 : : 2014/03/29(土) 16:23:03
    >>妹姫☆
    イケメンナナバのリクエストに、全力投球したいと存じます!!w
  20. 20 : : 2014/03/30(日) 11:01:09
    ナナバさんかっこいい'(*゚▽゚*)' これに惚れない人はいないですね❤
  21. 21 : : 2014/03/30(日) 16:39:40
    >>えりさん☆
    ナナバイケメンですよね!!
    なんだろう、儚げな感じがすきw
  22. 22 : : 2014/03/30(日) 17:01:55
    「おい、待てナナバ!!」

    …あら、後ろからリヴァイが追いかけてきた…

    折角モテポーズをレクチャーしたのにな
    動いたら意味ないじゃないか

    「何、リヴァイ…まだ他に教えなきゃいけないポーズでも?」
    私が少し眉をひそめて言うと、リヴァイはぶんぶんと首を振った

    艶やかな黒髪がさらりさらりと動いて、綺麗
    私はその髪に手を伸ばして触れてみた

    「おい、何するんだよ!?触るなナナバ」
    リヴァイは慌てて手をはねのけた
    そっか、リヴァイは潔癖性だっけ

    にしては顔を赤くしてる…
    ただ恥ずかしかっただけかな

    「いや、綺麗な黒髪だから羨ましくって、つい」

    私は名残惜しそうに、髪から手を離した
    潔癖性なだけあって、いつも髪もさらさら、体からは清潔感のあるいい匂いがするし、私は普通にリヴァイが好き

    綺麗な物が好きだからね

    …とは言っても、リヴァイの事は、男から見て、同じ男として好きだって意味だから、勘違いはしないでね

    「俺の髪なんかどうでもいいんだよ。それより、ミケを知らないか?でけえから見つかりやすいと思ったんだが、ちっとも見つからねえ…」

    なるほど、ミケを探しているんだ
    私はミケの直属の部下だからね…

    「リヴァイは小さめだから、見つけにくいかな…おんぶしてあげようか?」

    からかうように言ってみると、いつも不機嫌そうな顔が、ますます不機嫌になった

    「うるせえ、ナナバ…。真面目に聞いてるんだがな…」

    これ以上つつくと本当に怒られそう

    リヴァイは小さくて綺麗好きで可愛いけど、実は人類最強って呼ばれる猛者なんだよ

    「ごめんリヴァイ。ミケなら団長室に呼ばれたみたいだよ…私も行くところだから、一緒に行こう」

    そう言って手を差し出すと、その手をばしっと叩かれた

    「一人で歩ける!!」
    そう吐き捨てる様に言って、先々歩いて行ってしまった

    「リヴァイ、待ってよ」

    私は慌てて後を追いかけた
  23. 23 : : 2014/03/30(日) 17:24:17
    ナナバさんの男も女もどっちも好きです!!

    この期待が収まらないです!!
  24. 24 : : 2014/03/30(日) 17:26:26
    >>進撃の百合さん☆
    コメントありがとうございます♪
    この話では、ナナバさんは男ですが、ユニセックス風に書くように心がけてます♪
    期待に添えるよう頑張りますね♪
  25. 25 : : 2014/03/30(日) 17:29:29
    ナナバかっけぇぇぇぇぇぇぇ
  26. 26 : : 2014/03/30(日) 17:46:29
    >>蘭々さん☆
    このナナバ、受け入れて貰えましたかぁっ!!
  27. 27 : : 2014/03/30(日) 22:05:48
    僕はナナバを女性として認識しているんですけどこんなナナバもありですね!
    期待!!

    あ……ちなみにユーザー登録しました

  28. 28 : : 2014/03/30(日) 23:05:33
    >>M.さん☆
    おっ!!登録されたのですねっ♪
    私もナナバは女性認定ですが、男でも全然いけちゃうかなと!!
    期待ありがとうございます♪
  29. 29 : : 2014/03/31(月) 08:35:41
    リヴァイと並んで兵団本部内を歩く

    すれ違う兵士が皆一様に、好奇とも、憧憬ともとれる視線を送ってくる

    「さすがはリヴァイだね。人類最強は兵士達のアイドルって所かな?」

    私の言葉に、リヴァイは片眉をきりっと吊り上げてちらりと視線を私に向ける

    「…なわけねえだろ。兵団内を俺一人で歩いたところで、こんなに見られたりしねえ。って事は、お前が視線を集めてるんだよ、ナナバ」

    「…私一人でも、こんなに注目はされないよ?って事は、何でだろうね…」

    首を傾げる私に、リヴァイは首を振った

    「さあな、俺にはわからねえ。というか、どうでもいい」

    「…さすが、視線を集める事に慣れている人は、言う事が違うね」

    ふふっと笑った私の背中を、トンと拳で叩いた人類最強の男は…

    「それはこっちのセリフだ」

    そう言って、私の肩に腕を回した

    だから、私も同じように、彼の肩を抱く

    そんな私たちにまた、視線を送ってくる兵士達

    「私たちで町に出たら、最強な気がしない?リヴァイ」

    「…普通に真っ直ぐ道を歩ける気がしねえ…」

    ため息混じりにそう呟いた

  30. 30 : : 2014/03/31(月) 14:08:59
    私だったら、二度見しちゃいますねWWW
  31. 31 : : 2014/03/31(月) 14:15:47
    >>ハンジ大好き人間さん☆
    私はミーハーなんで、サインもらいますねw
  32. 32 : : 2014/04/01(火) 09:12:19

    ナナバさん、結婚しよ(鼻血)
    続きも期待であります〜٩꒰⍢ ꒱۶⁼³₌₃
  33. 33 : : 2014/04/01(火) 10:21:24
    >>マリンさん☆
    ナナバ「うん、マリン、喜んで!!」
    ありがとうございます♪
  34. 34 : : 2014/04/01(火) 12:11:48
    ナナバさんかっこよすぎる!
    こんなのが町に居たら...((鼻血
    期待です(*´∀`*)
  35. 35 : : 2014/04/01(火) 13:36:09
    >>アニさん。☆
    コメントありがとうございます♪
    町にいたら、ねえw
    絶対罪作りな男でしょうね、ナナバはw
  36. 36 : : 2014/04/01(火) 14:14:21
    団長室に着くと、見立て通りミケがエルヴィンと談笑していた

    この二人は旧知の間柄で、ミケはエルヴィンが最も信頼していると言っていい人だ

    かくいう私も、誰よりもこの背の高い無精髭のミケを、信頼している

    金髪を几帳面に分けた、ブルーの瞳を持つイケメンが、こちらを見て微笑む

    「やあリヴァイにナナバ。肩など組んで、仲良しだな」

    何か言いたげなリヴァイより先に、私が言葉を発する

    「ああ、今から町にでも繰り出そうと思っていた所なんだ、リヴァイと、ね?」

    同意を求めるかの様に、リヴァイの顔を覗いた

    「…そうだったか?」

    リヴァイは怪訝そうな表情を私に向けたけど、それ以上なにも言ってはこなかった

    「二人で町になど繰り出して、ナンパか」

    ミケがぼそっと呟いた

    「違う…俺はミケを探してたんだ。ほらこれが、頼まれていた資料だ」

    リヴァイはミケに資料の束を渡した

    ミケがそれをパラパラとめくり、頷く

    「リヴァイ、助かった」
    ミケが長身を折って頭を下げた

    「リヴァイはいい子だね」

    「…ちっ」
    よしよしと頭を撫でると、不機嫌そうに舌打ちをするリヴァイはまるで、反抗期の猫みたい

    可愛いんだけど、すぐに爪を立てちゃうんだよね、飼い主に

    …って言っても、私がリヴァイを飼ってるわけではないけどね?

    「ナンパ…いいじゃないか、行って来ればいい」
    エルヴィンはそう言って笑った
  37. 37 : : 2014/04/01(火) 19:13:11
    リヴァイを飼えるのはナナバ様だけですよ...w

    そして団長!!
    そのツッコミはなんですか!?
  38. 38 : : 2014/04/01(火) 19:26:09
    ナンパwwwwwww
    するのかな?きたい
  39. 39 : : 2014/04/01(火) 20:21:19
    >>妹姫☆
    ナナバは完全にリヴァイを支配下においてますね!
    二人でナンパかあ、ナンパされたいなあw

    >>蘭々さん☆
    ナンパ…行くでしょうかw
  40. 40 : : 2014/04/02(水) 14:41:06
    「エルヴィン、あなたも一緒に町へ行かない?」

    私は笑みを浮かべてそう言った
    どうせ行くなら、皆で行った方が楽しいじゃない?

    「…ちょっと待て、俺は行くなんて一言も…」

    リヴァイがさも迷惑そうに眉をひそめてる
    私はそんな彼に笑顔を向ける

    「リヴァイ、私はあなたに着いてきて貰いたいな…だって私一人だと、女に間違われて危ないんだよ…?」

    これは本当
    トロスト区は最近かなり治安が悪い
    強盗や強姦なんてわりと頻繁にあったりする

    私は見た目ではっきり男性だと分かりづらいみたいで、よく絡まれるんだ…

    勿論、男とわかっていて絡んでくる奴もいるよ、本当迷惑
    私には男色の趣味は無いのにね

    そういう時に、この小柄の人類最強は頼もしい

    彼がチラリと一瞥するだけで、男は皆逃げて行くんだもの

    リヴァイはやはり迷惑そうな顔をしていたけど、結局はため息をついて頷いた

    「わかった、ついていってやるよ」

    彼は無愛想で潔癖で口も悪いけど…
    本当に優しいいい奴なんだ

    このご時世、いい奴ほど早死にするっていうじゃない?

    でも私は、彼にはずっと生きて、未来を担って欲しいと本気で思ってるんだ
  41. 41 : : 2014/04/02(水) 16:42:32
    トロスト区の市街地に出た
    いくら治安が悪いとはいえ、商店街はある程度の活気はある

    私は日用品の買い出しに、リヴァイは新しいモップが欲しいみたい…さすが掃除好き

    「私、リヴァイが女の子なら絶対お嫁さんにしていたと思うな。綺麗好きだし、優しくて思いやりがあってさ」

    ふっと顔に笑みを浮かべて言うと、リヴァイがしかめっ面になった

    「俺は俺みてえな女は絶対に嫌だ。可愛げがねえ」

    「そうかな、私にはとっても可愛げがあるように見えるけどね?」

    悪戯っぽく言う私に、ちらりと視線を向ける
    「…勝手に言ってろ…」

    リヴァイはため息をついた

    ―その時、向こうに見知った顔の女の子が見えた

    兵服は着用していないが、あの子は調査兵団だ

    公園のベンチに、うつ向き加減で座っていた

    「…リヴァイ、あの子、もしかして泣いてない…?」

    私が指を指す方向に視線をやるリヴァイ

    「あれは、ミーナだ。新兵だな」

    「ミーナか…ちょっと行ってみようか?」

    リヴァイは一瞬迷惑そうに顔を歪ませたが…
    「…止めても行くんだろう、お前は…」

    そう言って、私の背をつついた

    私たちは、ミーナに歩み寄った

  42. 42 : : 2014/04/02(水) 16:57:03
    「やあ、ミーナ。どうしたの?元気がなさそうだね?」

    私はことさら明るくミーナに声を掛けた

    ミーナは、私とリヴァイを交互に見て、目を白黒させた

    そして、顔を真っ赤にした

    「あっ…ナナバさん、それにリヴァイ兵長…」
    上ずった声で私たちの名を口にすると、立ち上がって敬礼をした

    「…ミーナ、泣いていたみてえだが、どうした?」

    うわっ、リヴァイ…単刀直入すぎるってば…

    ほんと、言葉を飾るとか、濁す、なんて事をしないなあ…リヴァイは

    そういうところが、逆に飾らず素直で好もしいんだけどね

    「あっ…見られていましたか…」
    ミーナはうつ向いた

    「ねえ、もし良ければ私たちに話してみてくれないかな?力になれるかはわからないけど…」

    私の言葉に、ミーナは大きく目を開け、次の瞬間、大粒の涙をこぼした

    「わたし、振られちゃったんです…」

    話によると、ミーナは少し前に知り合った男と付き合っていたみたい

    だけど、相手が体をいきなり要求してきて、断ったらしい

    そしたら、腹いせなのかわからないけど、ミーナと付き合いながら、他の女と寝たりしていたらしい

    「…そっか、いきなり体を要求するだなんて、だめな男だね。そんな奴は君には相応しくないよ、ミーナ」

    「…はい…」

    ミーナはうつ向き、涙をこぼしていた
    リヴァイは何も言わずに、その涙をハンカチで拭ってやっていた

  43. 43 : : 2014/04/02(水) 17:14:23
    「さてミーナ、私としては、大切な仲間である君を泣かせた男がむかついて仕方がないんだけど…」

    私はミーナに視線を送りながら言った

    「ナナバさん…」
    ミーナは潤んだ目を私に向けた
    普通に愛らしい、守ってあげたくなるような子

    だいたい体体ってがっつくような奴、ほんと嫌いなんだよね…
    スマートじゃないと言うかさ…

    リヴァイがわたしの背をつつく

    「…またやるのか…?」

    「…駄目かな…?リヴァイ」

    私の静かな声に、リヴァイは首を振った

    「止めても無駄だろ、俺も付き合ってやる」

    「助かるよ、リヴァイ」

    私はにっこりと微笑んだ

    「さあ、ミーナ、そいつが何処で遊んでるか、教えて?」

    私の不敵な笑みに、ミーナは顔を真っ赤にした
  44. 44 : : 2014/04/02(水) 17:33:19
    ミーナが案内した酒場は、場末の安っぽい所だった
    行き場を失った若者がたむろしている様な…

    「ミーナもここに来ていたの?」
    私の問いに、ミーナは首を振った

    「いいえ、私は一度も…」

    「そうか、なら良かった。こんな所で遊ぶ奴は、今後絶対に付き合ったらいけないよ?」

    私の言葉に、素直に頷くミーナだった

    さて、仕事を始めようかな

    私は兵服のジャケットを脱ぎ、ミーナに手渡した

    今日は薄いブルーのブラウスに、白のスラックス
    ナンパ目的じゃないから完璧な服装じゃないけど、ま、関係ない

    ここに集まってくる様な子たちなら、軽い

    私はミーナをリヴァイに預け、ミーナを振ったという男の元へ向かった

    男は数人の女と下卑た笑いを浮かべながら話していた

    「やあ、君たち。こんにちは」

    私は顔に笑顔を張り付けて、その輪の中に入る

    男と話していた女達は、わたしを見るなり目の色を変えた

    「あなたは、ナナバさん!」

    「きゃーこんな所にいらっしゃるだなんて!!」

    黄色い声が、私の耳を打つ
    正直何も魅力を感じないけど、顔には出さない…仕事だからね

    「素敵な子たちがいるって聞いてね…遠征してきてしまったよ」

    私のその言葉に、速攻で食いつく女達
    ミーナを振った男はそっちのけで…

    「…おい、こいつらは俺と話して…」
    そう言いかけた男の言葉を遮る様に、背後から男の肩をぽん、と叩く…リヴァイ

    「お前は俺が話をしてやる…」

    男は振り返り、固まった
    人類最強の男が凄く不機嫌そうに立っている
    しかも、その隣には、自分が振ったミーナが眉をひそめて立っていた


  45. 45 : : 2014/04/02(水) 17:42:42
    「はっ…話…?」

    「そうだ…てめえ、よくも俺の妹分に酷い扱いしてくれやがったな…」

    リヴァイの射抜く様な視線に、男は真っ青になった
    …当たり前だよ、私だってあんな目で睨まれたら怖い

    「酷い扱い…いや、そんな」

    「…全部聞いている。覚悟は出来てるんだろうな…?」

    手ぐすねを引くリヴァイに、男は後ずさり…

    「す、す、すみませんすみません!!」
    そう叫んで逃げていった

    「ちっ…もう終わりかよ…根性ねえな…」

    リヴァイは舌打ちをした

    「兵長…」
    ミーナはリヴァイの服の裾をぎゅっと握った

    あっちは完了だ
    さて私は…

    「あっ、ごめんね君たち…やっぱり気が変わっちゃった。私はこの子と遊んでくるね!?じゃあね?」

    そう言って、ミーナの頭を撫でてやる

    「えっ!??」

    「やだっ、ナナバさん!!」

    止める声に耳を貸さず…
    ミーナの手を引いて、酒場を後にした


  46. 46 : : 2014/04/02(水) 17:49:55
    「ふふ、愉快痛快…」
    酒場を出て、三人で町を歩きながら呟く私

    「さすがは伝説の狩人って所だな…ナナバ」
    リヴァイがちらりと私に視線を向けた

    「ふふ、そう言われていた時代もあったね」

    愉しげに笑う私に、潤んだ瞳を向けるミーナ

    「ありがとう御座いました…ナナバさん、リヴァイ兵長…」

    「気が済んだかな?ミーナ。今度はもっと素敵な男を掴まえなよ?相談には乗るからね!?」

    そう言う私に、にっこり笑って微笑んだ

    私の仕事の報酬は、この笑顔だ

  47. 47 : : 2014/04/02(水) 17:55:20
    私には無用だと思っていた、伝説の狩人の称号…

    調査兵団にいたら、見てくれなど何の役にもたたない

    見た目よりも、立派な体格が欲しいし、強くありたいと願っていた

    でもこうして、一人の仲間を笑顔にできるのなら、この見た目も悪くはないかな

    そう思った

    私はこれからも、私らしく生きていく

    ―完―
  48. 48 : : 2014/04/02(水) 20:32:43
    ふわぁ!ナナバさんカッコよすぎるぅ!
    性格も良いなんてそりゃもてますわ♤
    ミーナも可愛かったです!

    執筆 お疲れ様でした( ´ ▽ ` )ノ
  49. 49 : : 2014/04/03(木) 01:45:11
    完全にミーナを自分に置き換えて読んでましたありがとうございます(鼻にティッシュを詰めながら)
    男性設定でありながらもどこか物腰が柔らかで、中世的な雰囲気が出ていたのがとても魅力的でした。ありがとうございました〜(o'ω')ノ❤︎
  50. 50 : : 2014/04/03(木) 06:18:51
    >>えりさん☆
    読んで頂きありがとうございます♪
    イケメンナナバさんみたいな人がほんとにいたら、凄くもてるでしょうね!?
    ミーナは普通に可愛らしいと思うのです!!
    コメントありがとうございました♪
  51. 51 : : 2014/04/03(木) 06:21:02
    >>マリンさん☆
    読んで頂きありがとうございます♪
    鼻にティッシュw
    ナナバさんは男でも女でもおかしくない感じなので(本編)、それが表現出来ていたなら嬉しい!!
    コメントありがとうございました♪
  52. 52 : : 2014/04/03(木) 06:50:51
    超面白かった!乙!
  53. 53 : : 2014/04/03(木) 06:53:04
    88さん素敵な時間をありがとう・・・泣
    今後も期待する!!!!!!!!!!
  54. 54 : : 2014/04/03(木) 15:46:14
    >>蘭々さん☆
    コメントありがとうございます♪
    嬉しいです♪

    >>てんちむ♪さん☆
    嬉しいコメントありがとうございます!!
    またイロイロ書きますので、応援よろしくお願いいたします♪
  55. 55 : : 2014/04/04(金) 13:42:57
    ☆*…イ、ケ、メ、ン、☆*…
    ( - 人 - )イケメン
  56. 56 : : 2014/04/05(土) 10:51:02
    ナナバさん…!!!

    なんてスタイリッシュ!
    リヴァイ兵長とのイケメンコンビ!
    このままアニメにしちゃいたい華麗さ!

    すてき!
  57. 57 : : 2014/04/05(土) 10:53:53
    >>アルミンloveさん☆
    イケメンは宜しいですなぁ!!

    >>たまさん☆
    ナナバさんと兵長絵になるだろうなあ…
    拝みたい勢いです!!

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fransowa

88&EreAni☆

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