ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

この作品は執筆を終了しています。

エレン「同じ夢に向かって」①【リレーSS】

    • Good
    • 19

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2014/02/19(水) 12:17:24
    初のリレーSS作品に挑戦します!
    初めましてのお方は初めまして、ゆきと申します。

    内容は「エレアニ」でジャンルは「現パロ、ラブコメ風」でいきたいと思います(๑′ᴗ‵๑)

    設定は、「高校2年生」のエレンが、3年の夏までにアニに告白して同じ夢を目指して同じ大学への進学を志す、という流れでいきたいと思います!

    私の所属するグループで上がった企画なのですが、勿論途中からの参加もOKですので、参加希望の方はその旨をコメントでお伝え下さい!

    書き手の順番は私から始まり、2番手に88さん!
    それ以降は以下の方々となっており、順番に回して書いていこうと思います!↓

    イェーガーの進撃さん→EreAniさん→submarineさん→店員さん→Aniっちさん→ヤヴァイ兵長さん→シュウさん→以降参加希望者(or最初に戻る)

    たくさんの方々と面白い作品を書ければと思いますので、是非ともご参加くださいませ♪

    簡単なルールとしまして、以下の3つをお守り下さい!

    ・最低でも2周目が終わるまで到達しないうちに終わらせない
    ・作中の時間を飛ばしすぎない
    ・エロやグロなどは織り交ぜ無い


    以下私の過去作品へのリンク↓
    http://www.ssnote.net/users/cutkeen

    よければSS作家、読者支援のグループも作成しましたので興味がある方はどうぞ!↓
    http://www.ssnote.net/groups/68


    制限付きSS執筆大会なんかもやろうとしています、二回目以降で参加してみたいなという方がいれば是非とも、!↓
    http://www.ssnote.net/groups/132

    では、始めていきたいと思います!

    私の書き方に合わせる必要は無いので、皆さんの自由に、好きなキャラもたくさん混ぜ込んで書き連ねていってくださいね!
  2. 2 : : 2014/02/19(水) 12:17:55

    ――― いつからだろうか?



    俺は気が付くと彼女の事を目で追うようになっていた。

    今日も教室の隅にいる彼女を、ただ遠巻きにひっそりと見ていた。


    金色に輝く髪に碧の瞳、制服の先から覗かせる透き通るような色白の肌。

    彼女の全てに、俺は無意識に唾を飲み込む。


    この気持ちが恋心なのか、ただの憧れなのか。

    俺には未だによく分からない。

    なんせ彼女と話をした事すら殆ど無いのだから。


    それでも物憂げな彼女の表情に、その美しい肢体に、目を奪われてしまうのは変えようのない事実なのだ。



    >>次へ
  3. 3 : : 2014/02/19(水) 12:52:49
    彼女は、独りでいる事が多かった

    …周りの女子達は、便所に行くにも、飯を食うにもつるんでいるのに…

    彼女はいつも、窓際の特等席に座り、物憂げな表情を窓に映していた

    無造作にアップされた髪…
    うなじがはっきりと、俺の目に入ってくる

    「……!」
    やばい、ドキッと胸の鼓動が早鐘をうつ
    ふぅ…深呼吸で何とか落ち着かせた

    そんな風に、俺は何時からなのかは分からないが、彼女…アニ・レオンハートを盗み見するようになっていた

    「アニ」
    そんな彼女に、一人のクラスメイトが声を掛けた

    クラス委員長の、マルコ・ポットだ
    頭が良く、面倒見のいい、見るからに優しい男
    クラスメイトからの信頼も厚い

    「マルコ…何?」
    憂いを帯びた瞳をマルコに向ける

    「今日の部活は、ちゃんと来るよな?待っているからね、アニ」
    マルコはそう言うと、はにかんだような笑顔をアニに見せた

    「…そうだね、一応顔は出すよ」
    アニはほおづえをついて、ため息まじりに呟くように言った

    「じゃあ後でね。アニ」
    マルコはアニに手を振り、教室を出ていった

    「はあ…」
    アニはため息をついて、何か考えるかのように俯いた
  4. 4 : : 2014/02/19(水) 13:14:55
    憂鬱だ。


    部活に行っても、ただ孤立していることを噛みしめるだけ。


    マルコが私を呼ぶのは、幽霊部員がいるという状況を作り出したくないから…。


    私が必要な訳じゃない。


    なんで、部活なんて入ったんだろう…。




    期待、してたのかな。


    友達が出来るかもって。




    バカみたい。


    誘って貰えたからって、浮き足立って…。


    ただの人数合わせなんて知らずに…。




    最初から私は1人ってわかってたのに…。


    望んでも、
    手には入らないってわかってたのに…。


    なんで、
    ありもしない物に縋っちゃうんだろう…。
  5. 5 : : 2014/02/19(水) 13:21:19
    エレン「…」


    何で…そんなに

    悲しそうな顔してんだよ

    何て言うか…よくわかんねぇけどさ

    確かに…さみしそうに…してる

    お前も綺麗で見とれてしまうけど

    やっぱり…笑っていてほしい

    おかしいよな?お前の彼氏でもないし

    話したこともないのに…

    それでも…どうしても…




    エレン「なぁ…アニ…」




    たぶん…今までで1番…勇気を出して

    話しかけたと思う





    アニ「なに…」




    俺の方を見向きもしないまま

    答える…アニ…

    それでも話せたことが…とても嬉しくて

    胸が痛い…ドキドキがとまらねぇ…
  6. 6 : : 2014/02/19(水) 13:30:17



    エレン「も、もうすぐ夏休みだな!」

    アニ「…それがどうかしたのかい?」



    彼女の冷ややかな声に反して、俺の心臓は熱く早鐘を打っている。



    エレン「いやあ、長い休みになるし、来年の夏休みなんて受験で遊べないし、どこか出掛けたりするのかなーって…」

    アニ「…べつに。」

    エレン「そ、そっかあ。」



    2人の間に、しばしの沈黙が流れる。



    アニ「…あんたは?」

    エレン「えっ?」

    アニ「夏休み、何処か行くの?」

    エレン「え?え、えっと…」



    アニの透き通ったような瞳が、ちらりと俺を一瞬だけ捉える。

    俺はというと、アニが話を振ってくれたことが嬉しくて、うまく受け答えができない。

    …ったく、俺らしくもない。




    >>次へ


  7. 7 : : 2014/02/19(水) 15:52:05
    …ビックリした‼︎


    いつぐらいぶりだろう、ほとんど話したことのない男子に…いきなり話しかけられた!

    落ち着いて、冷静になるのよ、アニ・レオンハート!ああもう、まだバクバクしてる…‼︎

    私、変に思われなかったかな?つまんない奴って思われてない?怖くて顔が見られないよ!

    はぁ、どうして笑顔になれないんだろう…。

    ーハァ



    ーあーにちゃん!また可愛い顔して憂いのため息ついちゃって!

    ミーナ「やっほ!」ひょこっ


    ミーナ、私がこの学校で心を許せる、数少ない友達。

    アニ「…別に」

    ミーナ「あ、顔が赤い!もしかして男でもできたかぁぁぁ?うりっ」

    アニ「……‼︎」パクパク…「そ…そんなんじゃないよ!」

    ミーナ「お!可愛い反応だなぁ!愛してるぞォォォ!」抱きっ

    アニ「……///」ふいっ

    …あんたがこの学校にいてくれてよかったよ。
  8. 8 : : 2014/02/19(水) 21:34:23
    きゃー!リレー形式、こんなの初めて見ました!皆様の作品がいっきに読めるだなんて…❤めっちゃ嬉しい(≧∇≦)!エレアニいいですね‼続きが気になりすぎるぅ☆彡楽しみ♪楽しみ♪
    皆様!応援しています‼
  9. 9 : : 2014/02/19(水) 23:32:50
    初めて…話したな…

    まだ胸のドキドキが収まらない



    「また…話したいな」


    自然とそう感じた

    話をするとドキドキして緊張して、胸が締め付けられるくらい苦しいのに…


    なんでだろうな?…


    「明日もまた…しゃべれるかな…」


    そんな期待を胸に持ち、帰路につく




    ここ、二人で歩けるかな?…なんてな

  10. 10 : : 2014/02/19(水) 23:44:06
    アニ「....ハァ」


    そんなの...あるわけ...ないよね
    自分はいつも孤独だ
    でも、ほんの少しくらい
    夢をみたって...



    いいよね...



    エレン「アニがいる...」ボソッ



    アニが俺の帰る道の前で一人で
    歩いていた
    これって一緒に帰られる?
    誘おうかな...勇気を出せ!
    エレン・イェーガー!




    エレン「よ、よおアニ!」
  11. 11 : : 2014/02/20(木) 01:43:01
    頑張ってください!
  12. 12 : : 2014/02/20(木) 07:29:55
    >>8 えりさん

    挑戦的ではありますが、みんなで楽しくやっていきたいと思いますので是非ともご一緒下さい♪
    一人一人個性の溢れる文章を書いて下さるので、見ていて飽きないですよねw
    応援、ありがとうございます!(∩´∀`)

    >>11 斎藤さん

    よければ斎藤さんもご一緒にどうですか?ヽ(*`ェ´*)ノ
    応援のコメントありがとうございます♪
  13. 13 : : 2014/02/20(木) 09:49:24


    「・・・何?」


    歩の速さを落とすどころか、振り向きもせずにアニは歩き続ける。




    拒絶。



    俺はそう受け取った。





    思わず立ち止まる。





    そりゃ・・・そうだよな。



    学校で1回話しただけ。



    その程度の男が・・・。



    何が、”よおアニ”だよ。



    馴れ馴れしすぎるよな・・・。





    俯いてアニと距離がひらくように歩き出そうとした時。







    「どうしたの?」


    夕日を背に、アニがこちらを振り返った。






    やっぱり綺麗だよな。


    そう思う。



    逆光で顔色はよくわからないが、碧の美しい瞳がこちらを見ているのだけは確かだ。





    「家って、こっちか?」




    「・・・見ればわかるでしょ。」




    「だったらさ・・・」





    ドクン・・・




    ドクン・・・







    「途中まで一緒に帰らないか。」







    沈黙。




    永遠と思える程の・・・。








    ふぅっとアニが顔を背ける。






    「好きにしなよ。」





    心が躍った。





    俺は小走りでアニの傍に行き、二人で学校の長い坂を下り始めた。
  14. 14 : : 2014/02/20(木) 10:16:46
    もう一巡したら参加していいですか?
  15. 15 : : 2014/02/20(木) 12:05:53
    >>14 ライナー兄貴さん

    了解しました!
    では2週目のシュウさんの次にご参加下さいませ!(。ゝ∀・)b
  16. 16 : : 2014/02/20(木) 12:44:44
    本日二度目の勇気の甲斐あって、夢にまで見た特等席を獲得した俺だったが・・・


    ――― 何を話していいのか分からない。


    正直、緊張と興奮でいっぱいいっぱいだ・・・///


    不意にチラリと目線を送る。


    遠巻きにしか眺める事の無かった憧れの彼女の横顔。

    それが今やこんなにも近くに、ましてや俺なんかの隣にあるんだ。


    その事実が、より一層俺の言葉を喉の奥へと押し込んでしまう。



    ・・・そう思った矢先、


    俺の視線と彼女の視線が交差した。


    アニ「・・・何?」


    俺の視線に気付いた彼女はそう一言告げる。

    涼しげな表情の彼女とは対照的に、顔に熱が集まるのを感じた。


    エレン「ぅ、あ・・・いや、そのな・・・///」


    ――― マズい!

    ――― 何か話さなくては・・・


    試験中よりもずっと真っ白な頭の中で、必死に話題を探すが、

    その答えは思うようには見つからない。


    ふと教室での出来事が思い浮かぶ。

    俺は縋るような気持ちで、その話題を彼女へ投げかけた。


    エレン「お前、今日部活に誘われてただろ・・・?」

    エレン「行かなくて良かったのかなぁ、なんて思って・・・な?」アセアセ



    俺の目は間違い無く動揺で泳ぎまくっていたことだろう。

    彼女の真っ直ぐな視線が刺さる中、俺はただただその答えを待った。
  17. 17 : : 2014/02/20(木) 13:21:23
    「…あまり、気が進まなくてね」

    エレンから視線を外し、呟くように言うアニ
    その表情には、諦めの色が見てとれた

    エレンは、部活を話題にした事を今更ながらに後悔した

    アニは、その事に触れてほしくはなかったのだ

    …だが、何で部活に行かないのか、ずっと気になっていたのは事実だった

    「アニは、演劇部だろ…?学園祭では演劇部の出し物もあるだろうし…」

    エレンは思いきって、アニの顔を覗き、その端整だが何故か柔らかい線を描く美しい顔に、問いかけた

    そうだ、アニは本当に、綺麗だ…

    エレンがそれを再確認した時、アニがまた、エレンに視線を戻した

    目があった

    距離にして10㎝の二人の顔と顔の距離

    少し顔を寄せれば、唇を奪うことができる距離

    吐息と吐息が交ざり合う距離

    だが、その限りなく近い二人の距離は、実際はかなり遠く、溝も深く…、永遠に触れあうことは不可能ではないかと、エレンはもどかしく感じていた
  18. 18 : : 2014/02/20(木) 14:31:09

    アニ「あんたは、私とキスが出来るかい?」


    エレン「!??」



    心臓が、大きく脈を打つ。
    アニに聞こえてしまうんじゃないかと疑うほど、俺の中で暴れだした。



    アニ「演劇部ではね、しなきゃいけないんだよ。キスを」


    エレン「アニは、そういう役なのか?」


    アニ「不本意だけどね。だから、行きたくない」


    エレン「……」



    『行かないでいて欲しい』
    自分勝手な意見が俺の脳を巡る。
    この言葉を口にする勇気は、
    もう残ってはいなかった。



    アニ「やっぱり、初めては好きな人としたいから。あんたも、いきなり私とキスをしろって言われるのは嫌でしょ?」



    『嫌じゃない』
    『誰でも良いわけでもない』
    押し殺すには強すぎる想いだった。





    エレン「俺は……」



    俺に勇気はもう残ってはいない。
    だから、考えるのをやめた。
    “思ったことを口にする”
    それだけに全ての意識を委ねてみよう。



    エレン「……アニとなら、構わない」



    真っ直ぐにアニを見つめ、
    言葉を発した。
  19. 19 : : 2014/02/20(木) 14:50:04
    アニ「はぁ!?」



    本気でビックリした

    だってこいつ…真っ直ぐな瞳で

    私の事を見てるから…



    エレン「あ…その…」アセアセ

    アニ「私なら良い…その言葉の意味…詳しく知りたいんだけど…」

    エレン「その…」




    慌ててる…でも1番…慌ててるの

    私だからね

    ヤバい…絶対顔が真っ赤だ…

    何でこいつに言われたら真っ赤なのさ

    意味わかんないし!



    エレン「上手く言えないけど」

    アニ「い、言えないけど?」

    エレン「何か…嫌だ…嫌なんだ///」




    ちょっと待ってよ何で

    こいつも顔が赤くなってるのさ




    エレン「出来れば…」

    アニ「あ…うん…なに?」




    あれ…俺なに言おうとしてんだよ

    アニに…部活を辞めてほしい…

    それを…1番アニに言いたい

    でも言っていいのかな言って

    嫌われたりしないかな…




    アニ「なんなの?」




    そんな瞳で見つめないでくれよ…

    アニも…顔が赤く…なってる…のか?

    怒られてもいい…だから…


    エレン「アニ!」


    大きい声で自分が一目惚れした

    綺麗でクールな女の子の

    名前を叫んだ

  20. 20 : : 2014/02/20(木) 15:17:19



    エレン「な、なら…部活、辞めたらどうかな。」

    アニ「…それは無理。」

    エレン「えっ…」



    俺を見つめていた碧の目が逸らされる。



    エレン「で、でも、キスシーンはしたくないって…」

    アニ「キスシーンはしたくない。最初は好きな人としたいから。」

    アニ「でも…演劇はわたしの夢なんだ。」

    エレン「夢?」



    アニはひとつ頷くと、言葉を続けた。



    アニ「小さい頃、お父さんがブロードウェイのミュージカルを観に連れて行ってくれたことがあったんだ。歌、ダンス、演技だけであんなに人の心を動かすことが出来るんだって、幼心にとても感動した。」

    アニ「…それから私は、ミュージカル女優を志しているの。だから部活は辞めない。」

    エレン「そっか…」



    アニ「…だからキスシーンをやる前に、好きな人とキスがしたいな、って思ってるんだけどね。」



    …私、なんでこんなことエレンに言ってるんだろう。

    2人の紅潮した頬を、夕日が紅く照らして隠していた。


  21. 21 : : 2014/02/20(木) 15:39:54
    ーカンカンカンカン……

    エレン「…え」

    やべえ、あのアニが…俺に何を…‼︎
    落ち着け、エレン・イェーガー、しかしあのアニが俺に身を委ねている…いいのか?


    ーカタン…キィン…タタンタタン…タタンタタン…

    電車の駆け抜ける、リズミカルなノイズが場違いに響き、俺たちの周りの空気が動き出す。




    横を通り過ぎるおばちゃんがニヤニヤしているのがわかるが…そんなんどうでもいい。




    ーごめんね、変なこと言って…

    我に返ったように、夕日に真っ赤に染まったアニが顔を逸らす。


    まて!待ってくれ! ーーガシッ

    アニ「痛っ……あ…」


    エレン「アニ!」

    アニの華奢な腕。ごめんな、力が入っちまった。

    俺は…お前のこと…




    ーんっ







    数秒。


    永遠とも思える数秒、俺たちは、確かに唇を重ねた。

    アニ「…んんっ」はぁっ……


    あんた、ためらってたくせに…ふふふ、強引。


    でも……嬉しかったよ。
  22. 22 : : 2014/02/20(木) 20:10:52
    俺は気づけばその碧く輝いた瞳を見つめていた

    顔が真っ赤なのは言うまでもないだろう



    そして、走り去ってしまった。


    「何してんだよ俺…」


    ただ自分の気持ちだけをぶつけてしまった、いや

    ぶつけたというより強引に奪ったというほうが明確だろう。


    確かに彼女のファーストキスは俺の物になった…

    嬉しいに決まってる…嬉しいに…。




    けど、何故か俺の心は晴れなかった

    なんか心に穴でも開いた…とでも言うのかな…

  23. 23 : : 2014/02/20(木) 21:07:37
    タッタッタッ



    アニ「ハァ...ハァ...ハァアッ」




    休みなしで走ったせいか、
    息が乱れる...
    アニはあの時のエレンとの
    口づけを思い出し、
    自然と顔が赤くなる
    うまくはないが、
    同時に気持ちも高揚してくる




    アニ「ハァッ...ハァ」


    アニ「ふぅ...」


    だいぶ落ち着いてきた、
    いや、寧ろ走っていたほうが
    アニはあのことを思い出さないであろう



    アニ「エレンに...」



    アニは自分の唇を触り、
    あの時の感触を虚偽ではないかと
    確認する、その感触はわからない
    ものの、確かに、そして
    確信した



    アニ「夢でも...ない」


    アニの顔に自然と笑みがこぼれる
    それは長年自分でも笑い方を
    忘れるほど久しいものだった
  24. 24 : : 2014/02/20(木) 22:00:35



    「そんな笑顔見せるの・・・久しぶりだね。」





    はっとして顔を上げる。




    すらりと高い背丈。


    温和な瞳。


    優しい声。



    私の幼なじみ・・・





    恥ずかしさもあった。


    私はふぃっとそっぽを向き、彼の横を通り過ぎる。




    「夢・・・。叶うといいね。」



    離れ間際に囁かれる一言。






    この人は、私が最初に夢を語った人。



    そして今でも、私の夢を応援し続けている人。




    いつも遠くから私のことを見守ってくれる人。






    たまらず走り出す。





    エレンとの口づけが浮かんでくる。





    馬鹿だ・・・



    こんなことしている場合じゃないのに・・・





    夕陽が沈む街。




    私の涙は、その街に溶けていく。





    あの日から。


    もう泣かないと決めたのに。



    舞台の上でしか泣かないと決めたのに・・・。





    ごめんなさい・・・


    私の夢はまだずっと・・・ずっと先。





    ベルトルト・・・



    こんな私を許してね・・・
  25. 25 : : 2014/02/20(木) 22:17:35
    皆様がかくssは、なぜこんなにも続きが気になるのでしょう?アニ、どうなるんだろう… 更新待ってます(`_´)ゞ
  26. 26 : : 2014/02/20(木) 23:45:08
    >>25みんなさんが天才だからですよ
  27. 27 : : 2014/02/21(金) 02:18:55
    一方エレンは、そんなアニの気持ちも知らず、罪悪感で足取りが重かった。

    家に着いた頃には、夕陽が沈みかけていた

    ガチャ…

    エレン「ただいま…」

    カルラ「おかえりなさい、エレン」

    カルラ「いつもより、遅かったわね」

    出迎えてくれたのは、エプロン姿の母さんだった。

    カルラ「……暗い顔してるけど…何かあったの?」

    母さんは、俺の様子がいつもとおかしいと思ったのかそう尋ねてきた。

    エレン「そ、そうか?いつも通りだろ…ハハ……」

    何だよ!今の愛想笑い…
    これでは、何かあったと言っているようなものだ

    カルラ「……なら、いいけど…」

    母さんは、少し心配そうな顔をしていたが、それ以上何も聞かなかった。

    カルラ「悩み事なら、言いなさいよ」

    母さんは、そう言うと台所へ戻って行った。

    エレン「あ、あぁ」

    ありがとう…母さん

    でも、言えない…言えるわけがない
    これは、俺自身の問題だから…

    自分の部屋に戻ると着替えずベッドに仰向けになる。
    そして、不意に自分の唇に指をあてる

    想い人の唇の感触を思い出し、少し顔が紅葉した…それと同時になんとも言えない気持ちになった。
    普通なら嬉しい、嬉しいはずなのに俺は、罪悪感と自己嫌悪の気持ちでいっぱいだった…

    それもそのはず、相手の気持ちも確かめずに相手の大切なファーストキスを奪ってしまったからである。

    絶対、怒ってるよな…
    俺は、なんて馬鹿なことをしてしまったんだ…アニが俺のことを好きだという確証なんてないのに…
    謝ろう…許してもらえるかわからないけど明日、学校で会ったら謝ろう

    そう決意した俺は、さっそく謝る練習をした。



    ss初投稿なので駄文です。
    次の方よろしくです。
  28. 28 : : 2014/02/21(金) 08:09:11
    >>25 えりさん

    皆さんの書く内容が素敵過ぎてバトンパスされるたびにハードルが高くなりますね、!w
    今後どう転ぶのか、私たち自身もとても楽しみです♪

    >>26 進撃!さん

    天才ではなく努力家な方々ばかりだと思いますよ(。ゝ∀・)b
    皆さんたくさん考えて、たくさんやり直して、たくさん書いてって、そんな風に頑張ってると思いますよ〜♪

    >>27 ライナー兄貴さん

    初投稿・・・ですと?!
    そうとは思えない文章力、表現力で圧倒されましたよ!
    この素敵な文章の後に続くのが怖い限りですよー(`・д´・;)ゴクリ
  29. 29 : : 2014/02/21(金) 08:10:02
    ↑なぜかログアウトしていましたが私です!(汗)
  30. 30 : : 2014/02/21(金) 08:10:42

    エレン「アニ、ごめん!!」


    シンプル過ぎるか?

    ――― ダメだ。



    エレン「昨日は勢いであんな事しちまって悪かった!!」


    いや、勢いでしたなんて最低だろ・・・

    ――― ダメだ。



    ・・・


    俺はいつもなら大して使いもしない姿見の前に立ち、自分に向かって何度も謝罪の言葉を繰り返す。

    けれど、納得のいく言葉は見つからない。

    ただ虚しく時間だけが過ぎて行く。



    ・・・


    エレン「・・・あーもう!!」




    ――― バサッ!


    何度目かの試行錯誤の後、ベッドに背中から倒れ込む。

    繰り返した謝罪の数だけ、アニへの申し訳ない気持ちが募っていく。



    ――― 俺が彼女に伝えたい気持ちは、こんなものじゃないハズなのに・・・



    それならもういっその事・・・




    エレン「アニ。俺はお前の事が・・・」




    ――― っ!!


    ・・・ダメだダメだダメだ!



    言いかけて飲み込んだ。


    あんな事した後で告白なんて・・・


    ――― 何を考えてるんだ、俺は!?




    ブー...ブー...



    布団の上で唸っていると、ケータイのバイブ音が耳に入ってきた。


    誰だよこんな時に・・・


    俺は面倒くさそうにケータイを手に取ると、着信相手の名前を確認する。

    そこには幼い頃から連れ添った親友の名前が表示されていた。


    エレン「アルミンか・・・」



    ――― ピッ!


    俺は寝転がった状態で、アルミンからの着信に応対する。
  31. 31 : : 2014/02/21(金) 09:07:49
    「よお、アルミン。何か様か?」
    エレンは不機嫌が声に出ている事に構いもせず、吐き捨てる様に言った

    『エレン、大変なんだ!!』
    興奮しているのか、慌てているのかは電話越しにはわからないが、いつも冷静なアルミンには珍しい様子である事は理解できた

    「何が大変なんだよ?」
    俺が大変なんだよ、とエレンは心の中で付け加えた

    『実はさ、僕…こっ…こっ…こっ』

    アルミンは突然どもりだした…エレンはその様子に、不機嫌を忘れて吹いた

    「ぶっ、アルミン落ち着けよ。解読出来るように話してくれ」

    『ああ、ごめんエレン…僕さ、こっ告白されちゃってさ…ああどうしよう、来年のために受験勉強もしなくちゃいけないのに、全く手につかないんだ…』

    電話の向こうで右往左往しているのが分かるほど、声が裏返っているアルミン

    「そうなのか」
    アルミンは学年一の秀才で、生徒会副会長をやっている…
    来年の生徒会長最有力だ

    大人しそうに見えて、実は凄く芯が強く、頼りがいのある奴だ

    本人は気がついていない様だが、実は結構女子にも人気があった

    そんないつも冷静で、頭脳明晰なアルミンの、今のこの様子からして、告白してきた女子ががそれほど興奮する相手なのだとわかる

    エレンは自分の悩みを一時忘れて、話を聞いてやる事にした

    「で、相手は誰なんだよ?」
    凄く気になる事を、単刀直入に聞いてやった

  32. 32 : : 2014/02/21(金) 12:29:52


    アルミン『く、クリスタ……なんだけど』



    あぁ、なるほど。あのよく天使って言われてる子か。アルミンでも取り乱すのもわかる。なんせ、あいつを好きって奴は数えきれんからな。



    エレン「で、なんて答えたんだ?」


    アルミン『……“付き合おう”って言っちゃった』




    ………は?




    エレン「アルミンはさ、ミーナが好きなんじゃなかったのか?」


    アルミン『そ、そうだけど……、だってクリスタだよ?頭の中真っ白になっちゃって、気づいたら……その、OKしちゃってて』


    エレン「何も、考えずにしちまったのか?」




    “何も考えずに”……か。




    アルミン『………うん』




    俺と……、同じじゃねぇか。




    エレン「……最低だな」




    悪い、アルミン。




    アルミン『だ、だって仕方がないじゃないか!!』


    エレン「“相手がクリスタだからこうなった”って言うのか?クリスタのせいにして、逃げんのか?」




    これは、多分アルミンに向けた言葉じゃない。




    アルミン『そ、それは……』


    エレン「何も考えなかった……つまり、その行動をとったとき、相手がどれだけ傷つくかも考えてないわけだよな」


    アルミン『………』




    ダメだ。
    言葉が、溢れて来やがる。




    エレン「自分の至らなさを棚に上げて、押しつけて、傷つけて、アルミンらしくもない」




    自分の口から発せられた鋭い何かが、俺を切りつける。




    エレン「ホント、最低な奴だよ」


    アルミン『……そう、だね。明日、謝ってくるよ』




    そう言って、電話は切れた。




    エレン「………何やってんだよ、クソ」




    何、八つ当たりしてんだよ。




    エレン「……俺は、クズだ」




    ごめんな。




    こんな俺を、お前たちは許してくれるか?
  33. 33 : : 2014/02/21(金) 12:43:49
    アルミンを最低なんて言う資格…

    俺にはない…



    エレン「…」


    これ以上…自分を最低に…


    エレン「ツ…」

    エレン「母さん!!」

    カルラ「な、なに!?」

    エレン「俺ちょっと出るから!!」

    カルラ「ちょっと!!」

    カルラ「なんなのよ…」




    アルミンの家は知ってる

    最低は俺だよ

    くそ…

    アニにあんなことしてよ…

    そんな俺が…アルミンのこと…



    息があがる…

    アルミンの家の前についた

    さっきの言葉の罪悪感で

    押し潰される

    震える手でインターホンを押した

    すぐに出てきてくれた

    アルミンは

    顔が真っ赤になって涙目になってる

    俺に…


    アルミン「エレン!?どうしたの!」

    エレン「アルミン…」



    ごめん…本当にごめん!!


    アルミン「え、エレン?」

    エレン「俺が悪いんだ!」


    気付いたら泣いてた

    声にならないような…泣き声をあげて

    そんな俺を…さっき…あんなに

    酷いことを言った俺をアルミン…

    お前は…
  34. 34 : : 2014/02/21(金) 12:55:16
    今、エレンたちは高校何年生ですか?

  35. 35 : : 2014/02/21(金) 12:56:05
    すみません書いてありましたね( ̄▽ ̄)
  36. 36 : : 2014/02/21(金) 13:37:20


    …受け入れてくれるのかな。




    アルミン「と、とりあえず中に入りなよ。」



    アルミンが狼狽えた様子で俺を家に招き入れる。

    よかったら、とアルミンが出してくれた温かい紅茶が、俺の心を落ち着かせてくれた。




    アルミン「落ち着いた?」

    エレン「…ああ、ごめんな。」

    アルミン「ううん。それより…何があったのか、聞いてもいい?」




    アルミンが心配そうな目で俺を見つめる。

    俺は意を決して口を開いた。

    そして、俺はアニが好きだということ、今日の帰り道にしてしまったこと、それで後悔して、アルミンに八つ当たりをしてしまったことを洗いざらい全て話した。


    さすがにキスをしたくだりを話した時は、アルミンも目を皿のようにして驚いていた。



    エレン「…ってわけでさ。アルミン、あんなひでえこと言ったりして…本当、ごめんな。」

    アルミン「ううん。エレン…これからどうするの?」

    エレン「…さあな。アニに謝ろうと思ってるけど、どうやったら許してくれるのかわかんなくてよ。」



    しばしの沈黙の後、アルミンが静かに口を開いた。


  37. 37 : : 2014/02/21(金) 14:01:01

    とてもいいバトンタッチの応酬ですねぇ!

    この日のうちにキスするとは予想外でしたが、それもまた新たな展開を呼ぶ一手でした

    私も力をつけて、いつかはこういうのに参加したい
  38. 38 : : 2014/02/21(金) 16:33:52
    >>My.Loさん☆
    うわあ!!待って下さい!!
    あなたの書くお話しすっごく好きです!!
    尊敬してます…
    むしろ参加してほしいです(*´ω`*)
  39. 39 : : 2014/02/21(金) 17:10:53
    アルミン「…君はアニが怒ってると確かめたの?」

    エレン「怒るに決まってるだろ!公衆の面前で…成り行きでキスしちまったんだぞ!しかも初めてをもらっちまった!」

    ーはぁ…やべえ、泣きそうだ…。

    アルミン「確かに、君は常識では考えられない事をした。けどさ、アニの気持ちも確かめてみないと…間違いだったかはわからないよ」

    エレン「え…!」


    アルミンはいつも、俺の予想もしない答えをくれる。


    アルミン「いいかい、初めてのキスを…自分の想い人でなければしたくないと言い切ったキスを、君に振ったのはアニだ」

    アルミン「君はさっき、自分の行動で相手がどう思うのかよく考えろって言ってくれた。…その通りだと思う。」

    アルミン「今、僕は、その言葉を君に返すよ」

    アルミン「怒ってるなら…死ぬほど謝るしかないよ。明日の僕みたいにね」はは…

    アルミン「でも、もし…怒っていないなら?君たちの関係は、新しい絆を生むかもしれない。そうでしょ?」


    エレン「アニの………気持ち、か」

    ーよし、覚悟を決めよう。アニは俺をどう思ってるのか。それを確かめてみよう。





    …でも、怖ぇなぁぁぁぁ。
  40. 40 : : 2014/02/21(金) 19:11:09
    明日…絶対に確かめるっ


    アルミンとの話しも終わり俺は一人明日のこと考えていた


    ここで怖じ気ずいてちゃ男のくせにみっともねぇな…

    俺の心には少しの不安と強い誓いで胸がいっばいだった








    朝…



    よしっ、いくか!


    俺は勢いよく家の玄関を飛び出した


    そして教室の前に立っている俺…

    この時間ならアニは先に来ているはずだ






    ふぅー…



    ゆっくりと深呼吸をした… よしっ!




    ガラガラ



    彼女の席を見た…がそこはただの空席だった…


    もしかして、昨日のことで来てないとか?…



    強い不安が俺を襲った。けど……決めたんだ




    気持ちを確かめるって。





    彼女の、家を訪ねる


    考えより体の方が先に動いていた。




    俺はアニといつも親しげに話しているミーナの元へ向かった。
  41. 41 : : 2014/02/21(金) 20:47:56
    >>34-35 ライナー兄貴さん

    解決なさったんですね、良かったです(๑′ᴗ‵๑)
    見つけにくいところにひっそりと書いてしまって申し訳ないですー(汗)

    >>37 My.Loさん

    そうですね、!
    一人一人が意外な展開へと物語を広げて下さるので、見てる側としてでも書く側としてでも面白い限りですよ〜(∩´∀`)
    私も88さんと同じく、是非ともご参加下されば〜なんて思っています♪w
  42. 42 : : 2014/02/21(金) 20:49:47
    >>41
    ゆきさん、グループでも
    リレーss 参加希望する人が
    ちらほらと
  43. 43 : : 2014/02/21(金) 21:35:13
    エレン「な、なぁミーナ」


    ミーナ「んー?なぁに?」




    アニはどうしたの?
    なんて聞こうとしたが、
    言いにくかった、
    ただそれだけだった


    でもいつまでもこのままだと
    何も始まらない、
    気持ちも確かめられない
    このままだと罪悪感で
    押し潰される...
    言え!言うんだ!







    エレン「あ、アニはどうしたんだ?」


    ミーナ「アニ?そういえば居ないね」


    エレン「どこにいるかだけ教えてくれないか?」


    エレン「家だったり.....するのか?」


    ミーナ「うーん...あそこしかないな」


    エレン「?」


    ミーナ「アニはいつも悩んでる時とかにはあそこにいると思う...けど」


    ミーナ「さすがに今はいないかもね...学校帰りにでも行ってみれば?」


    エレン「ば、場所は!?」


    ミーナ「────────── だけど...アニとなにかあったの?」


    エレン「・・・悪い言えない」



    俺はミーナが言ったあの場所には
    心当たりがあった
    学校帰り、もしくは今すぐにでも
    行きたいぐらいだった
    アニ...お前の気持ち......教えてくれ
  44. 44 : : 2014/02/22(土) 00:02:06

    ゆきさん、こんばんは。My.Loです。

    >>38の88さんと>>41のゆきさんのコメントを読んで、感化されてしまい、私もここで書きたくなりました。

    この作品の質がどんどん向上していくのを、ただを読んでいるだけというのはもどかしいです

    力をつけてから来るよりも、寧ろ、ここで力をつけたいと奮起しました

    今からリレーに参加してもよろしいでしょうか?お返事お待ちします

  45. 45 : : 2014/02/22(土) 00:05:51
    >>44 My.Loさん

    もちろんOK以外の答えなんて御座いませんよー!
    この周回の最後からもう続いて下さればありがたいですかね!

    次がシュウさんなので、ライナー兄貴さん、My.Loさんと続いて、希望者がいなければまた私から始めますね!
  46. 46 : : 2014/02/22(土) 00:09:35
    中間報告(リレーの順番について)

    ゆき→88さん→イェーガーの進撃さん→EreAniさん→submarineさん→店員さん→Aniっちさん→ヤヴァイ兵長さん→シュウさん→ライナー兄貴さん→My.Loさん→以降参加希望者(or最初に戻る)

    他にもやってみたいかも!というお方がいたら是非ともご参加くださいね!
  47. 47 : : 2014/02/22(土) 00:34:33

    わかりました!

    始めましての皆さんも、以後よろしくお願いします。
  48. 48 : : 2014/02/22(土) 00:36:22
    >>47 My.Loさん

    はい、よろしくお願いしますねー٩(◦`꒳´◦)۶
    きっと皆様もMy.Loさんの名前なら何処かしらで一度は目にしてるかなと思いますよ、w
  49. 49 : : 2014/02/22(土) 00:43:13
    してますね!!よろしくです!
  50. 50 : : 2014/02/22(土) 00:47:15
    My.Loさんよろしくです( ´ ▽ ` )ノ
  51. 51 : : 2014/02/22(土) 01:04:31
    一人一人の書き方や感性が違って…実に面白いですね

    期待です^^
  52. 52 : : 2014/02/22(土) 02:02:02
    すごい!My.LOさんと共同執筆のチャンスもらえたようなものですね!よろしくお願いします^_^
  53. 53 : : 2014/02/22(土) 02:58:39
    繋ぐところがいいな!
    期待!
  54. 54 : : 2014/02/22(土) 07:18:43
    >>47
    My.Loさん☆
    やったあ!!
    よろしくお願いいたしますm(__)m
  55. 55 : : 2014/02/22(土) 07:34:56
    なんだかすごい人が加わりましたね。
    ハードルがどんどんあがってくような…。
  56. 56 : : 2014/02/22(土) 07:39:38


    「あ・・・え・・・い・・・う・・・え・・・お・・・あ・・・お・・・。」


    一つ一つ。

    吐息のようにポツリポツリと声を出していく。


    私の声に応じるように小鳥がチッチと鳴いている。


    芝生の上に座り、大空を見上げる。




    校舎の裏庭。

    人目にはつかないけれど、緑が多くて陽のよく当たる、私のお気に入りの場所。


    一人になりたい時。


    悩みがある時。


    そして・・・


    演劇の練習をしたい時。


    私はここに来る。




    本来ならば、とっくに教室にいる時間。


    でも・・・


    今日、教室に行くのはとても辛かった。


    教室にいけば、あいつの顔を見ることになるから・・・。



    唇を触る。


    昨日のキスは・・・嬉しかった。


    思い出すだけで笑みがこぼれるのだから。きっとそう。


    だけど私は自分の夢をだしにして、勢いに任せてエレンに身を委ねた。


    そんなことをしていては、自分の夢にも、そして何よりもエレンに失礼なことをしてしまっている。



    夢と自分の気持ち。


    私はまだ整理がついていない。


    そんな時にあいつと会うと混乱する・・・。




    キーンコーンカーンコーン


    授業のチャイムが鳴る。




    ・・・今日はサボろうか。


    だってこんなにいい天気。



    そっと目を閉じ、すぅっと息を吸う。

    風が心地よい。



    サワサワ


    サワサワ



    ・・・。


    誰かそこにいるの・・・?


    涼しい目でその人を捉える。



    トクン・・・


    高鳴る胸。



    でも私は・・・



    「あんた・・・そこで何してんの。」



    こんな冷たく、突き放すような言葉を・・・

    あなたに言ってしまった。
  57. 57 : : 2014/02/22(土) 07:41:44
    ごめなさい。何故かログアウトになっていましたが、上の投稿は私、シュウです。
  58. 58 : : 2014/02/22(土) 09:09:37
    >>My,Loさん
    よろしくお願いしますっ!

    すごくハードルが上がりましたね^^;ついていけるかな…
  59. 59 : : 2014/02/22(土) 11:40:28
    アニ「あんた…そこで何してんの?」

    その冷たく鋭い言葉は、俺の心に深く突き刺さった。
    やっぱり怒っている…俺は、そう思った。

    エレン「お、お前に少し用があってな…」

    緊張と不安で上手く言葉がでない…
    いや、罪悪感と後悔の気持ちでいっぱいだったからかもしれない。
    胸がズキズキと痛む…
    この時、自分がどんな顔をしていたのかわからない…多分、暗い顔をしているのだろう
    こちらを見る美しい碧い双眼は、何故か困惑と何かを期待しているような眼であった。
    しかし、今のエレンには、冷たいとしか思えなかった。

    アニ「ふ〜ん…で、何?」

    素っ気なく言われ、自分がしたことの重大さを改めて後悔した。
    だからこそ謝らなければならないそう強く思った。

    エレン「き、昨日は、ゴメンな…いきなりキス…しちまって……」

    アニ「……」
    アニが少し暗い顔になったが気にせず俺は、謝り続けた。

    エレン「俺の身勝手な行動でお前を傷つけた…許してもらえるとは、思ってない」

    エレン「けど……ゴメンな」

    俺は、今までに無いぐらい頭を深く下げた
    そして、相手の言葉を待つ…
    たとえ悪い結果になったとしても良いように、覚悟してきた。
    でも、心の何処かで良い結果を待っている自分がいる。

    そんな不安と少しの期待の中、待ち続けた…自分の想い人の言葉を……

    アニ「……そんなに頭下げてないでこっちきなよ…気持ち良いよ」

    エレン「……え?」

    思いがけない言葉で変な声が出る、そして少し困惑する。
    それもそのはず、余りにも曖昧だったからである。
    しかし、その言葉がアニからの許しだと思った…思いたかった。そして、アニの隣に座る

    そこから沈黙が訪れた
    時間にして2、3分だろうがエレンにとっては、とても長く感じられた。
    アニを横目で見る…

    金色に輝く髪が春風で少しなびく…
    少し前髪が乱れたのか手櫛で整える
    そして視線に気付いたのか振り向き一瞬、目が合う…

    ードクン

    一瞬で心臓の鼓動が速くなる
    顔が真っ赤になるのがわかった。
    すぐに顔を背け、赤くなった顔を隠そうとした。

    アニ「…何?」

    エレン「な、何でもない」

    アニ「そう……」

    そしてまた、重い沈黙が辺りを包んだ

    アニ「ねぇ……あんた、演劇とかに興味ない?」

    そんな重い沈黙を破ったのは、余りにも唐突な一言だった。

    エレン「え?」

    俺の運命が大きく変わることになるとは、
    この時、俺自身思ってもいなかった。




    ハードル高すぎて書くのに時間がかかってしまった…
    次の人、頼みます。
    駄文ですみませんm(_ _)m
  60. 60 : : 2014/02/22(土) 11:45:14
    My. Loさん来た!
    なんかすごい良作になる予感だべ...
    よろしくお願いしますべ!
  61. 61 : : 2014/02/22(土) 11:47:28
    春風→風に脳内変換よろしくです。
  62. 62 : : 2014/02/22(土) 15:56:50

    今、大学帰りで見たら、もう自分まで回っていて驚きました。

    ただライナー兄貴さんの置き土産をしっかりと使わせていただきます。

    今から考えますので、暫しお待ちください
  63. 63 : : 2014/02/22(土) 16:00:06
    お待ちしております!
  64. 64 : : 2014/02/22(土) 17:11:51
    >>51 そふとくりぃむさん

    こうして皆で並んでSSを書くと、その違いもとても分かりやすく見比べる事ができますよね♪
    いやはや楽しいです(๑′ᴗ‵๑)

    >>59 ライナー兄貴さん

    いえいえ、相変わらずの素敵な文章で、ホントに初投稿なのかと疑ってしまうレベルですよー!
    引き続きナイスなパスをよろしくお願いしますね♪

    >>62 My.Loさん

    大学お疲れ様でした!
    私もどんなパスを渡されるのか今からビクビクのドキドキですね(; ・`д・´) w
  65. 65 : : 2014/02/22(土) 17:28:59
    オレは期待する。全力で期待する
  66. 66 : : 2014/02/22(土) 18:48:15

    出来たので、これから投稿しますが...波乱が起きなければいいと願っています

    では、どうぞ

  67. 67 : : 2014/02/22(土) 18:49:23

    ――――その質問の答えは…既に決まっていたはずだった

    だが俺は…その先を口にする事が出来ない

    …どうしたんだよ。言えよ。「アニと一緒に演劇がしたい」って

    …「アニと一緒に居たい」って


    本当に…それだけでいいのか?

    俺の頭の中に…別の声が聞こえてきた

    その声に脳を支配された俺は…自身が予想しなかった答えを紡いでいた


    「時間を…くれないか?」

    「…え?」


    彼女の蒼い眼は真ん丸となって見開いている

    そりゃあそうだ。俺だって、自分が何を言っているのか分からない

    だが、俺はそのまま…その場を後にするしかなかった――――




    どういう事だろう?

    時間が欲しい?どうして?

    アンタは…私の気持ち…分かってくれていたと思っていたのに…

    …分からない…分からないよ…誰か…その答えを教えて


    「アニ」


    聞き覚えのない声が耳元に届く

    顔を上げた先には、漆黒の眼と艶のある綺麗な黒髪が第一印象に感じる…1人の女の子の姿

    その子は、更に続ける


    「私はミカサ。エレンの家族の様なもの」

    「家族?」

    「分かりにくいならば、今は所謂、“幼馴染”と解釈しても構わない」

    「…それで、その“家族さん”が私に何の用だい?」


    言われなくても、何となく分かる気がする

    その黒に相反する透き通る光を持つ眼差しに…私の心が見透かされそうで危惧を覚える


    「…私と友達になってほしい」


    その“要求”は…あまりにも予想外なものだった――――




    ――――なんで…あの場で答えを出さなかったんだ?

    どうして…躊躇《ちゅうちょ》なんてしたんだ?

    俺の望む答えなんて…決まっていたはずなのに…

    そんな靄《もや》が掛かって、先が見えない俺の心を晴らす1人の男が現れた


    「確かお前、隣のクラスでデカいって有名な…」

    「君に“彼女”の夢の事を話しておきたくてね」


    この時のこの男の言葉が…俺の人生の転機となった事は、また別の話だな――――




    翌日。流石に2日間もサボるわけにもいかず、渋々学校へ向かう

    今日の授業は、これで終わり…だけど、今日はまだ終わらない

    …あいつに呼び出されているから

    あぁ…行きたくない…きっと断られるから

    でも、私の身体は、ゆっくりとその場へ足を運ばせる


    「悪いね。お待たせ」

    「…あぁ、別に待ってねぇよ」


    …ダメだね。私から話し始める事なんて出来ないよ…だから…アンタに任せる

    だから、さっさと振ってよ。期待なんて…していなかったんだから…


    「その…昨日の話なんだけど…俺、あの後、真剣に考えてさ…」


    そう。そのまま私の誘いなんて断れば、これまでの事も…なかった事に…

  68. 68 : : 2014/02/22(土) 18:50:19


    「俺に!お前と同じ夢を追わせてくれ!!」


    自分の耳を疑わざるを得ない一言


    「俺…昨日、すぐに思ったんだ。“アニと一緒に”演劇をやりたいって」

    「でも…それは何かが…違う気がしたんだ」

    「俺は俺の為だけじゃなくて、“アニの夢の為”に…お前と演劇をすべきなんだって!」

    「お前と共に、プロの道を目指したい」


    …どうしよう。涙が出そう。でも、留めておかないと


    「馬鹿は、単純だね」


    今の私には、こうして減らず口の憎まれ口を叩く事でしか…気持ちを表せない

    ふふっ、女優を目指すなんて言っていた私が…まだまだこの程度とはね


    「それで…俺の申し出…いいのか?」

    「いいさ。ついて来なよ」

    「本当か!?よろしく頼む!」


    さっきまで、もう泣きそうな顔をしていたのに、随分と早い変わり身だね…いや、私もか

    自分でも表情が緩むのが意識できる…でも、それを意識的に止める事もまたできない


    「私も…本気を出して取り組むよ」

    「じゃあ、今からでも『演劇部』の入部申請に…」


    そこへ現れるは、昨日の黒い影


    「私も入部する」

    「ミカサ!?」

    「ええ。私」

    「どうして、ここに…今の見ていたのか?」


    昨日、この子が言っていた事は、こういう意味だったんだね

    …だから、「エレンの道が私の道」だなんて


    「私はエレンの夢をサポートする。ので、私も『演劇部』に入る」

    「エレンの事はしっかりと見ておかないと」


    私には、この子の心の内は決して読めない

    これが家族愛なのか…それとも…


    そこへ、更に割り込む声


    「僕も協力するよ」

    「…ベルトルト」

    「僕は約束したよね?ずっと、アニの夢を応援するって」

    「今度は、“形として”君の夢に尽くそうと思ってね」


    アンタは…どこまでもお人よしだね…ありがとう


    「なんだよ、お前ら。見計らったように出てきて…」


    確かに、あまりにもタイミングが良すぎる…この2人って…


    「私達は、それぞれずっと貴方達の事を見守ってきた」

    「それぞれの想いの為に、今行動するべきと判断したまで」


    なんだい。この2人にしてやられた感が否めないね

    でも…私は今…これでいいと思う。“答え”を知るのは…まだ、早い気がするから――――




    …告白するのは、まだ先でも構わねぇよな?

    アニと同じ夢を追える…アニの為に頑張って、アニと並んで歩む事が出来るんだ

    俺にとって、これ以上の喜びはないから…アニの答えを待つのは…まだ先で…

    だから、今、俺ができる最大限の“示し”は…


    「それじゃあ、俺達で目指そうぜ!最高の舞台ってやつをさ!!――――」


    To be Next Scene...

  69. 69 : : 2014/02/22(土) 18:50:32

    【設定】

    アニ:幽霊部員→本気モード

    エレン:無所属→演劇部

    ミカサ(クラス未定):無所属→演劇部

    ベルトルト(隣のクラス):無所属→演劇部

    ミカサとベルトルトはエレンとアニの保護者(笑)

    ミカサとアニは友達になった?
  70. 70 : : 2014/02/22(土) 18:52:27

    展開の早さに「ぽかーん」とした人がいるかもしれませんが、私のバトンはここまでです。

    話の流れとしては、『第一幕、完!』といったところでしょうか。(勝手に進めてすみません)

    でも、ここまでの流れを私が出来たらいいなと考えていて、ライナー兄貴さんがいい繋ぎをしてくれたので、出来る!と思い、着手しました。

    2レス使ってしまって、ちょっとずるでしたが、>>1にあった「同じ夢を目指す」っていう前提をいい流れの内にはっきりとさせておきたくて、最後の「入部決断の件」まで私の内で済ませたいと思い、2048字まで行ってしまいました。(本当はもっと詳細を書きたかった)

    そして、このままの流れだと告白まで言ってしまいそうで、後々の事を考えると、ミカサとベルトルトに協力してもらって、その場を濁しておいた方が、この後の展開でニヤニヤしたり、もどかしく感じたりでお話が膨らむかなと思い、お話の方向性を定めて展開しました。

    という、言い訳タイムでした。
    ゆきさん、第2幕の幕開けをお願いします(笑)
  71. 71 : : 2014/02/22(土) 19:08:15
    ちょ!なんて恐ろしいバトンパスを!w

    流石だなぁと言わざるを得ない素晴らしい言語力と展開、描写・・・
    My.Loさん、恐るべしです!(`・д´・;)ゴクリ

    後手に回るのがこれ程までに重責に感じるとは思いませんでしたよ〜(汗)w

    しかし、私としてもこのまま告白の流れにするつもりはなかったので、そういったストーリー的にスマートな流れを組んで下さった事に関しましては感謝の一言に尽きますね♪

    My.Loさんの次と言う事で、私なりになんとか見劣りしない程度には努力致したいと思う次第です!><
  72. 72 : : 2014/02/22(土) 19:11:20
    余談ですが、My.Loさんのレベルが高くて後に続いてくれる方が今後来てくれるのか・・・そっちも不安になりましたw
    今後は参加希望の方が万が一居た場合は次の書き手さんの次くらいにしてあげた方がいいのかな?
    居たらですが!ヽ(´・∀・`)w
  73. 73 : : 2014/02/22(土) 19:16:52
    なるほど!固めてきましたね!


    自分が出してしまったベルトルさんをより積極的にぶっこんでいただいてありがとうございます。


    波乱万丈の演劇部の様子を我々で構成していきましょう(^o^)ノ


    MY.Loさんに続いていけるかわかりませんが、自分は引き続きバトンを受け継ぎますよ(`・ω・´)
  74. 74 : : 2014/02/22(土) 19:17:44
    そうですね(///ω///)♪
    楽しみですよ!
  75. 75 : : 2014/02/22(土) 19:30:45

    いや、私も>>52辺りの皆さんのコメントを読んでいて、妙にハードル上がっていました(笑)

    それにしても、1024字で表現できる事って少ないですよね
    次は、1レスで収まるように精進します

    ただ、今回は脈絡や接続は崩れていなかったかなと自負しています。

    エレンとベルトルトの会話やミカサとアニの会話は表現を避けました(というか書ききれませんでしたw)が、いつか適当に回収していただけると助かります。

  76. 76 : : 2014/02/22(土) 19:39:46
    >>71
    そして、そんなに気合いの入ったゆきさんの後に続く私の心境やいかに!?
    どんとこいやぁ!!(膝ガクガク)
  77. 77 : : 2014/02/22(土) 21:16:23

    ・・・春先は桜色だった通学路も、今ではすっかり青々とした木々で覆われ

    木陰に陣取る蝉たちの煩い声が、何処かしこでも耳へと入ってくる。







    ――― 夏休み。






    雲一つない空から降り注ぐ日差しは、街路樹の隙間を抜けてジリジリと俺の肌を焦がす。

    うだるような暑さの中、俺は学校へと足を運んでいた。



    去年の今頃は、ただ時間を浪費するだけの日々を過ごしていたのだが、先日の出来事があってからというもの。

    俺のそんな退屈な日常は終わりを告げたのだった。




    『秋の芸術コンクール』



    今、俺が学校へ向かっている大きな理由はそれだ。


    俺とアニ、そしてミカサとベルトルトの四人が本格的に部活へと足を運ぶようになったその日に、部長であるマルコからその存在を伝えられた。

    初めての目標とされるそれは、夏休みが終わってひと月もしないうちに開催されるらしく、夏休みだからと言って気を抜いている暇などは無いみたいだ。


    部員達はみんな、額に滴る汗を拭いながら、劇の稽古や舞台道具の準備に時間を費やす日々を送っていた。



    正直に言って、決して楽なものではないのだが・・・





    ――― やっとスタートラインに立つ事が出来た。




    その実感だけが、自分の背中を後押してくれていた。



    ようやくの事で、俺は学校へと続く坂道の前まで辿り着く。

    坂の頂上に聳え立つ校舎が、いつものように俺を見下ろしている。




    ――― グッ


    俺は力いっぱい拳を握り締めると、


    朝陽が昇る街を背に一歩、また一歩と歩き始めた。





    ――― あの日誓った、夢へと向かって。






    >>次へ
  78. 78 : : 2014/02/22(土) 21:18:51

    一瞬参加したいなぁ…

    とか思った自分、厚かましい!

    素晴らしい文章力…圧巻の一言に尽きます

    My.Loさんのファンになっちゃったかもしれん…w
  79. 79 : : 2014/02/22(土) 21:27:08

    >>79
    ゆきさん、もう起きたんですね(笑

    そっか。こういう風に始めるんですね。私は実は情景描写は経験値不足なので参考になります

    物語のスタートは、ゆきさんがベストですね!

    第二幕のスタートがこんなにも清々しくて、私もいい仕事できたかなぁと鼻が高いです(真摯)
  80. 80 : : 2014/02/22(土) 21:31:52
    >>78
    そふとくりぃむ。さん☆
    参加してください♪
    楽しいですよ!!
    皆で書き上げていけばいいんです

    …と、自分に言い聞かせている私です!!
    仲間になりましょう!!
  81. 81 : : 2014/02/22(土) 21:40:24
    >>80

    参加したいです!
    でも…自分が書くことでこの作品の質が落ちてしまうのは…

    しかし、主さんが良いと言うならやっぱりやりたい
    矛盾してますけど…!
  82. 82 : : 2014/02/22(土) 21:45:55
    >>81
    でしたら参加ですね。
    ゆきさんが拒否するなんて
    あり得ないですから(´ー`)
  83. 83 : : 2014/02/22(土) 21:52:12

    そうですよ。やればいいんだぁ!

    >>72でもゆきさんが言っているように、私の尻拭いはゆきさんに任せておけば大丈夫だという事は
    今回の>>77の出来を見ればお分かりいただけると思います(笑)
  84. 84 : : 2014/02/22(土) 21:56:50
    >>83

    なるほど!それは迷案(笑)ですね

    では…ゆきさん、よろしくお願いします!

    不束な点はお許しくださいませ
  85. 85 : : 2014/02/22(土) 21:58:51
    夏休みの学校

    茹だるような暑さの中、グラウンドでは、野球部が汗を流している

    サッカー部も、テニス部も、暑さなどお構い無く、自らの力を磨くため、伸ばすため、汗を流す

    こうして、休みなど関係なく頑張っている学友達の存在を知った時、俺は…
    何年も時を無駄にした…そんな気持ちになった

    だが、焦っても仕方がない
    今やるべき事をやるしかない

    アニのために…?
    いや、違う
    自分のためだ
    俺も、アニと同じ道を歩みたい
    心からそう思ったからだ

    そういえばアルミンが言っていた

    『目標を持つだけじゃ、だめだよ、エレン。コンクールで賞をとる、それだけではだめだ。僕はね、思うんだ。大切なのは、目標ではなくて、そこに至るまでの過程だと。それでね…』

    『一番大事なのは、そのコンクールという目標の後に、必ず目指す目的を持つって事だ。目的の無い目標は、必ず宙ぶらりんになる。賞をとる事だけに拘るのは、危険だ。エレン、君は何を目的にする?何をしたい?』

    アルミンは、小さい頃からピアノやバイオリン、…沢山のコンクールに出ていた

    結果だけが全てではない、それを身をもって感じているからこその、アドバイスだ

    目標のあとの目的…
    コンクールに出るという事への重圧…
    それらの難しい課題に、まずは死ぬ気で練習し、払拭していく…
    俺はそう決めた
  86. 86 : : 2014/02/22(土) 22:15:43
    88さんグッジョブです!
    アルミンのキャラが光る‼︎(≧∇≦)

    My,LOさんの挑戦的な進行も、見事に作中の一つの流れをまとめて下さったし。
    ゆきさんの切り出しも素敵‼︎エレンがどんどん魅力溢れるキャラに‼︎

    …この、バトンが自分から離れてる時の高揚と近づいて来た時の恐怖の対比が…w
  87. 87 : : 2014/02/22(土) 22:28:02
    >>84 そふとくりぃむ。さん

    イェーガーの進撃さんの言う通り、もちろん全然オッケーですよ〜(。ゝ∀・)b
    順番はどう致しましょう?!
    定常通りMy.Loさんの後でいきますか?途中にサッと入りますか?ヽ(*`ェ´*)ノ

    >>85 My.Loさん

    尻拭いだなんてそんなそんな!(汗)
    もうどこも処理する必要がないくらい綺麗なもののどこを拭えばいいのか皆目見当付きませんよ〜!Σ(゚ω゚ノ)ノ

    >>86 店員さん

    その気持ち、ものすごく分かりますね!
    皆さんハイレベル過ぎて常にガクガクです(´-﹏-`;)w
  88. 88 : : 2014/02/22(土) 22:32:27
    >>87

    定常通り、My.Loさんの後でお願いします!

    挑戦してみたいんです!←尻拭いしてもらえるから
  89. 89 : : 2014/02/22(土) 22:32:59

    >>87
    順番の件ですが、勝手ながらちょっと希望を言うと、私の後はゆきさん固定が理想的です。
    理由を言うと、私も卒業間近で慌ただしいので、なるべく順序が後送りの方が都合がいいんです
  90. 90 : : 2014/02/22(土) 22:33:48

    >>88
    あれ?入れ違いになってしまいましたね。どうしましょうか。ゆきさんにお任せします
  91. 91 : : 2014/02/22(土) 22:35:55
    >>90

    あ、すみません…
    じゃあ、My.Loさんの前を失礼させて頂きます
  92. 92 : : 2014/02/22(土) 22:38:54
    >>90 My.Loさん
    >>91 そふとくりぃむ。さん

    了解しました!
    そふとくりぃむ。さん問のご了承もありましたので、

    そふとくりぃむ。さん→My.Loさん

    の順でいきますね!

    そふとくりぃむ。さん、よろしくお願いしますね〜(。ゝ∀・)b
  93. 93 : : 2014/02/22(土) 22:40:37

    希望を聞いていただいて、ありがとうございます

    そふとくりぃむさんも、これからよろしくお願いします。
  94. 94 : : 2014/02/22(土) 22:41:07
    >>92

    ありがとうございます!

    なんか乱入してすみません

    みなさんもよろしくお願いしますねー!
  95. 95 : : 2014/02/22(土) 22:42:25
    >>93

    こちらこそ、よろしくお願いします

  96. 96 : : 2014/02/22(土) 22:44:25

    ...さて、次はイェーガーの進撃さんか(ジーーッ)
  97. 97 : : 2014/02/22(土) 22:54:36
    そふとくりぃむさんよろしくです( ´ ▽ ` )ノ

  98. 98 : : 2014/02/22(土) 23:01:01
    >>97

    よろしくお願いします!
    ライナー兄貴さんの次ですね
  99. 99 : : 2014/02/22(土) 23:04:34
    ゆきさん、ありがとうございますm(_ _)m
    皆さんのレベルが高くてついてくのに必死なだけです(笑)

    >>98そうですね( ´ ▽ ` )ノ頑張って繋げますのでよろしくお願いします。
  100. 100 : : 2014/02/22(土) 23:34:36

    エレン「夏合宿?」


    マルコ「うん。山の中にある旅館に泊まってみっちり練習するんだよ」


    エレン「へー」



    いつも通り練習を終えて、帰ろうとした矢先にマルコが口を開いた。



    アニ「そういえば、そんなのあったね」


    マルコ「うん。毎年恒例だからね」


    ベルトルト「具体的にはどんな練習をするのかな?」


    マルコ「んー、いつもとあまり変わらないよ。でも1日10時間はあるからキツいよ。毎年何人かは貧血とかで倒れてるしね」


    ベルトルト「………」


    マルコ「でもね、大自然に囲まれての練習はひと味違うよ。それに、OBの方も毎年来てアドバイスをくれるし、得るものは大きいと思うよ」


    エレン「面白そうだな」


    ミカサ「いつから?」


    マルコ「8月5日から一週間だよ。詳しくはこのしおりに書いてあるから」



    そう言ってマルコは皆に冊子を渡して回った。



    エレン「……本当にみっちりだな」パラパラ


    ベルトルト「僕はこのフルマラソンが気になって仕方がないよ」


    アニ「……フル?」


    マルコ「フル」


    エレン「42、195キロ?」


    マルコ「42、195キロ」


    ベルトルト「さっき言ってた毎年倒れるのって……」


    マルコ「ここだね。稀に痙攣を起こす人もちらほら…」


    ミカサ「ベルトルト、頑張って」


    ベルトルト「……死なない程度に頑張るよ」


    マルコ「あと初日と最終日は自炊だからなにか作りたいものとかある?」


    アニ「夕食だけ?」


    マルコ「そうだよ。毎年カレー何だけど別にそうしないといけないわけじゃないからさ、何か作りたいものがあればそれにしようと思ってね」


    エレン「俺は何でもいいけど」


    ベルトルト「僕も別にこだわりはないかな」


    ミカサ「私も別に…」


    マルコ「……アニは?」


    アニ「私は……」


    エレン「何かあるのか?」


    アニ「そういう訳じゃないけど、自炊は2回するんでしょ?」


    マルコ「そうだね」


    アニ「カレーばかりじゃつまらないって思ってね」


    マルコ「じゃあ、初日はカレーを作って、最終日はアニが考えたものを作るっていうのはどうかな?」


    アニ「わ、私が考えるのかい?」


    エレン「まぁ、言い出したのはアニだしな」


    ベルトルト「そうだね」


    アニ「……はぁ、わかったよ。何か考えとくよ」


    マルコ「よし、それじゃ今日はこれで解散。また明日も練習があるから、しっかり体を休めるんだよ?」


    ベルトルト「そうさせてもらうよ」


    エレン「ベルトルトは体力無いからな。今日から走り込みでもしてた方がいいんじゃないか?」


    ベルトルト「……考えとくよ」


    そういったのを最後に、俺達はそれぞれの帰路についた。
  101. 101 : : 2014/02/22(土) 23:57:19
    合宿か…初めての体験だな

    少しかもしれないけど

    練習には慣れてきた

    初心者が何言ってるって思うかもしれないけど…





    エレン「自惚れたらダメだな…」



    そうだよな…

    アニと同じ夢を…

    自分の夢を…





    エレン「何か緊張してきたな」





    体力には…それなりに自信はある

    それでも




    エレン「うん…緊張するな…」





    緊張してるのは俺だけなのかな…




    エレン「…」

    携帯を取り出して

    少しだけ…感情的に行動してしまった



    携帯で電話をした相手…

    出るまでに流れる

    待ち歌が綺麗なピアノのメロディーで

    似合ってると思った





    アニ「ごめん…出るの遅れたね」



    電話越しに聴こえる

    好きな人の声…




    エレン「あ、急にごめんな!」

    アニ「いいよ…で?なに?」

    エレン「俺さ…緊張しててさ」

    アニ「ふふ」

    エレン「な、なんだよ?」

    アニ「エレンさ…」





    真面目だよね

    良いと思うよ緊張するってことは

    それだけ好きになってるんだよ

    上手くなろうと努力してるから

    緊張するんだよ

    安心しなよ

    私も緊張してるからさ



    エレン「何か安心するよ…ありがと」

    アニ「どーいたしまして」

    エレン「…」

    アニ「あのさ…エレンの好きな食べ物なに?」
  102. 102 : : 2014/02/23(日) 08:51:24
    皆様のレベル高過ぎです(>人<;)いやぁ…見てる方もドキドキしてます♡続きも頑張って下さい!(≧∇≦)
  103. 103 : : 2014/02/23(日) 12:57:03


    エレン「え?」

    アニ「あんたの好きな食べ物、何?」

    エレン「えっと…ハンバーグ、かな。」

    アニ「ハンバーグ、ね。私も好きだよ。」



    そう言葉を返しながら考える。

    …ハンバーグ、か。

    肉をこねて焼くだけだから、合宿でも作れるかもな。



    アニ「…で、なんで電話してきたの?」

    エレン「え?」

    アニ「緊張してるだけで電話してくる奴なんていないでしょ。何かあるの?」

    エレン「あ…えっと、」





    エレン「よかったら、付き合ってくれないかな?」

    アニ「え?」







    エレン「…買い物に。」

    アニ「ああ。」



    一瞬、心臓が飛び跳ねる。

    何を期待してるんだい…



    エレン「俺合宿とか行ったことないから、何が必要なのかとか、よく分からないんだ。だからよかったら、一緒に買い物について来て欲しいなって…」

    アニ「…いいよ。」

    エレン「よかった、予定はまた合わせようぜ。じゃあな。」

    アニ「うん。」




    電話を切って、ふうと息を吐く。

    2人で買い物、か。

    浮つきそうな気持ちに気付かない振りをして、携帯電話を置いた。

  104. 104 : : 2014/02/23(日) 13:18:46
    >>102 えりさん

    人数も増えてますます盛り上がりを見せていますね!今後どんなドキドキの展開になるのか、楽しみにしていてくださいね(∩´∀`)
    いつもコメント下さりありがとうございます(๑′ᴗ‵๑)
    参加者一同、喜ばしく思っていますよ〜♪
  105. 105 : : 2014/02/23(日) 13:47:29
    皆さんの文才が神すぎる(゚Д゚;)
    頑張って下さい
  106. 106 : : 2014/02/23(日) 15:49:27
    ……あいつ、どんな服が好きかな?




    ふと、食事中に疑問が頭をよぎる。

    私、ラフな格好しかしないから…。まずい、いつもパーカーとデニムじゃ無精者って引かれるかも…!



    ーアニ?どうしたんだい?手が止まってるよ?


    アニ「うん、父さん、ちょっと今日は帰りにおやつ食べて…満腹かな?なんて。」


    居ても立っても居られない、可愛い服…ミーナに聞いてみよう。


    ープルルル…ルルル…ルルル…

    ミーナ!お願い!

    ールルル…ルル…
    『…もっしもーし!アニから電話なんて珍しいね!いつもメール1行、絵文字もなしなのに』


    「ミーナ、助けて!」

    …私ってこんな声だっけ?

    『助けて?はおだやかじゃあないねぃ!どうしたの⁉︎』

    うう…恥ずかしい…。
    でも、言わなきゃ‼︎

    「エレンと買い物に行くの!でも、可愛い服なんて持ってないから…どうしよう!」

    『…………』

    ーあれ?伝わってない?

    『……ぷっ』

    「え、何?変なこと言った?私」

    『くくく…あは、ははは…いやーアニ!乙女だねー!可愛い!電話で無かったら私襲ってるわ!』

    電話の向こうで盛大に笑うミーナ。
    私、なんか変なこと言ってるのかな?

    『わかった!まっかせなさい!名プロデューサー、ミーナさんの手でアニちゃんをスターダムに押し上げちゃうんだから!』

    なんかよくわかんないけど…ふふっ

    「ありがとう、アンタが友達でよかったよ」


    あ、今まで言えなかった感謝の言葉、私今さらっと言えた。



    ー明後日の土曜日、ミーナと買い物の約束を取り交わして電話を切ると、部屋の外の夜空が目に入った。

    「この部屋、こんなに星がよく見えたんだ」
  107. 107 : : 2014/02/23(日) 20:33:11
    ミーナちゃん最高
  108. 108 : : 2014/02/23(日) 21:41:10
    「そろそろ寝よ…」

    そう思い私は寝床についた。

    やがて深い眠りにつく…






    パンッ



    「まぶしっ」


    スポットライトが私に当たる

    私は…高い舞台に立っている…下には




    「姫!また、会いましょう」

    あれは…



    「まって!私はあなたと…」


    「それはなりません。あなた様は一国の姫。」

    「私はただの使い捨ての兵士にか過ぎない…」




    「きっとあなた様にはもっと素敵な御方が現れます!」


    そんなこと…


    「なら私は…」

    「姫の座を捨てる…地位なんてどうでもいい…」


    「あなたが側にいてくれれば…それでいい」


    そう…ただそれだけでいい。



    「待っていてください!」


    「必ず…戻ってきます」


    「あなた様に相応しい…強き男になって…!」


    「だから…待っていてください…」




    「必ず…必ず、戻ってきてね」


    まって!…まだ伝えなきゃいけない事が!!




    ジリリリリ


    アニ「はぁはぁ…」


    変な夢を見た…


    現実でも…あぁなっちゃうのかな?…




    そんなの…絶対にいやだっ…!


  109. 109 : : 2014/02/24(月) 00:55:07
    変な夢を見た....
    なんだろう、とりあえず
    学校に行く支度とかしないと...




    ~学校~



    ミーナ「アニ、目から血が出てるけど大丈夫?」


    アニ「あんたはなに変なこと言ってんの?」


    ミーナ「いやぁ、ボケたつもりだったんだけどー」


    ミーナ「アニには通用しないなー」


    アニ「なにが言いたいのかさっぱり」


    ミーナ「おっふ...アニからそんなこと言われるとは...」


    ミーナ「まぁ兎に角、明日だね!」


    アニ「」


    アニ「いきなり大声出さないで!聞こえる!」


    ミーナ「いーじゃーん」



    なんかミーナにあの事を
    話してからか、
    少しからかわれる感じになってきた
    昼休みとかになると
    明日のことについてよく言われる...


    ミーナに言われると余計に
    緊張する.......!
  110. 110 : : 2014/02/24(月) 07:59:10

    ちらりとエレンの方を見る。


    クラスメイトの男子と親しげに話している。



    ふと、私の視線に気付いたのかエレンも私の方を見る。




    胸のあたりがキュンとする。




    思わずお互いに目を逸らす。



    顔が赤くなるのを感じる。


    色が白いとこういう時にごまかしがきかないから不便だ。




    ミーナが目の前でニマニマしている。


    ほら・・・だから嫌なんだ・・・。





    エレンとは逆方向の窓を見る。



    夏の高く青い空。



    飛行機雲が描かれていく。




    あの雲は人工的に作られた、いわば偽物の雲かもしれない。

    でも、あの雲を見ると不思議と前向きな気持ちになれる。上を向いていける。



    たとえ偽物であっても、前向きに歩いていけるのならば、それでもいいと思う。


    エレンとのひと時は、私にとっての飛行機雲みたいなものかもしれない。



    私の夢とはまた別の、夢を見させてくれてもいいよね・・・










    ・・・



    「おっはよう!アニ!」



    次の日のショッピングモール。


    昨夜の予定通り、ミーナとここで待ち合わせ。





    「朝っぱらからテンションが高いね。」

    毒づいては見せるものの、私自身、気分が高揚しているのは内緒だ。



    「そんなこと言っちゃって!アニもほんとはドキドキしてるんじゃないの?」


    「ば、ばか言ってんじゃないよ。ほら、とっとと行くよ。」


    バレてた・・・。





    私の足は行きつけの店に向かおうとする。


    割とカジュアルで機能性のある服が好きだから、その系統のお店。



    でも今日に限っては、どのお店も素敵に見える。



    「チョイスは私にお任せあれ!」

    そういってバックからゴソゴソとファッション雑誌を取り出す。


    予習済みってことか・・・。




    そう言いながら、私とは全然系統の違う、多分クリスタあたりが行きそうな店に入っていく。




    「エレンとの買い物なんだから、あんまりゴテゴテなのもアレだけど、普段の服装とはちょっと変えていかないとね!」



    そう言って手に取るのは、ミニスカートくらいの丈になるようなグレーのパーカーワンピース。


    そして涼しげだけどおしゃれな、パンプスタイプのサンダル。紐の色は私の目と同じ碧。



    「アニは脚が綺麗なんだから、それが目立つようにします!デニムなんてノンノン!」



    「・・・。」



    顔が段々と赤面していくのが分かる。


    これを私が着るのか・・・。エレンの前で・・・?



    「ねぇ・・・ミーナ・・・。」


    蚊の鳴くような声で尋ねる。



    「これ、私に似合うかな・・・?」


    ふふん、と笑い、


    「私が選んだんだよ!あったり前じゃん!」



    ・・・そうだよね。他でもない、ミーナが選んでくれたもの。




    服を胸に抱えながら、小さく、ミーナに聞こえないように、


    「ありがとう・・・。」


    そう呟いた。




    ミーナと別れた家路の途中。


    また飛行機雲が出ていた。




    エレン・・・喜んでくれるかな。


    私は小さくスキップをして家に帰った。

  111. 111 : : 2014/02/24(月) 14:52:47
    アニ「ただいま〜♪」

    鼻歌を交えながら家の扉を開ける
    ふと、手に持っている袋に目がいく
    そして、今日買った服が入った袋を両手で抱え込み新しく買った服でエレンがどんな反応するのか想像する…思わず顔がにやける

    アニ「えへへ///」

    顔が熱い…
    そして、なんとも言えない幸せな気持ちになる。あえて擬音で表すと『ふわふわ』と『ポカポカ』が合わさったような感じだ
    しかし、この幸せな時間は、永くは続かなかった

    「お〜アニ、おかえり〜」

    「何だ?今日は、えらくご機嫌だな〜」

    「何か良いことでもあったのか?」

    血の気が引くのがわかった
    声のするほうへ顔を向ける…
    そこには、ニヤニヤした父さんの姿があった。

    アニ「ななな、なんで父さんが///」
    恥ずかしさで一気に顔が赤くなる

    だって今日、仕事で遅くまで帰ってこないはず…だからこそ鼻歌とか歌ったりしたのに……油断した

    アニ父「いやー、思ってた以上に仕事が早く終わってな」

    アニ「そ、それだったら連絡ぐらいしなよ///」

    そうすれば、あんな恥ずかしい姿を見られなくて済んだのに、と心の中で叫んだ

    アニ父「ハハハッ、悪い悪い」

    アニ父「でも、お前のあんな顔久しぶりに見れて、父さん嬉しいよ」

    アニ「そ、そうかい…///」

    私は、そそくさとその場を後にする
    気恥ずかしいさでたまらなくなったからである

    自分の部屋に戻るとそこは熱気で包まれたサウナ状態だった。
    いつもなら節約のため扇風機か冷房かで迷うが、今日は、迷うまでもなく冷房をつける。
    涼しくなってきた所でベッドに横たわり一息ついた時、自分の携帯が鳴った。
    携帯を見るとエレンと表示されていた。


    俺は、今アルミンの家にいる…なんでも話があるそうだ

    エレン「マジでか!」

    アルミン「う、うん…やっぱり自分の気持ちに嘘をつきたくなくて」

    アルミン「それになにより相手に失礼だからね」

    それは、いつか相談されたクリスタの告白についてだった
    アルミンの話によるとあれから少しの間、付き合ったが昨日、別れたという話であった。

    エレン「そ、そうか…何かごめん」

    アルミン「ううん、いいんだ」

    アルミン「それよりも今日の話は、これだけじゃないんだ」

    アルミン「ぼ、僕とミーナが仲良くなれるように協力してほしい」

    俺は、これを快く承諾した
    その後いろいろと談笑し、夕陽が沈む頃、帰路についた

    家に帰ったらアニに予定聞かないとな…などと思いながら早足で自宅に向かった



    >>次、お願いします( ´ ▽ ` )ノ
  112. 112 : : 2014/02/24(月) 14:54:13
    最後、雑になりましたね(笑)

    まあ、大目に見てくださいm(_ _)m
  113. 113 : : 2014/02/24(月) 19:25:07

    ハッ…ハッ…



     アルミンの家から帰宅する道


     俺は好きだ


     こんな拓けた道、他にないからな


     なのになぜ駆け足かと言うと…


     "早くアニと話したい"


     そういう気持ちが勝っているのかもしれない


    エレン「……へへっ」ググ



    思わず携帯を握りしめる



     しかし、家が近づく頃


     俺はゆるやかに進んでいた


     "アニと話す"


     その緊張感からだろうな


    エレン「はぁ…はぁ…」ドキドキ


     なんだよ、俺の馬鹿野郎…


     体力には自信があるんじゃなかったのか


     …こんなんで大丈夫かよ


     躊躇いつつも、ドアノブに手をかける


    エレン「ただいまー……」ガチャ



    …バタン



    エレン「夕食は風呂入ってからでいいから…」



    カルラ「そう…じゃあ、ラップをかけておくわね」


    カルラ「なるべく早く食べるのよ」



    エレン「ああ、わかった」


    エレン「…ありがとな」ボソッ



     愛しの我が家…


     愛しの俺の部屋


    エレン「はぁーっ…」ボスッ


     衝動的にベッドへ顔を埋める


    エレン「…よし」カチャ


     心に意を決めた俺は


     あいつの番号をタイプし始める



    プルルル…プルルル…



    カチャ…



    少し、間が空いてからアニは電話に出る



     あいつから電話か…


    アニ「もしもし…エレンかい?」ドキドキ


     どうしよう


     声、震えてないかな



    「ああ、俺だ」


    「今ちょっといいか?」



    アニ「もちろん…買い物のことだろ?」



    「!」


    「よくわかったな」



    アニ「バカにしてんのかい」


     緊張してるのは私だけか…


    アニ「あんた、用もなく電話なんてかけてくる奴じゃないからね」



    「用がなかったら…かけちゃ駄目か?」



    アニ「え…」


    アニ「今、なんて…」


     自分の耳を疑った


     思わず聞き返す



    「なんでもねーよ」


    「それより早く明日の…」



    アニ「いいよ」



    「ん…?」



    アニ「だから、用がなくても……」


     用がなくても電話、かけていいよ…


     心の中で、そう叫んだ


     ……はずだった



    「え…」



     どうしよう







    >>次へ
  114. 114 : : 2014/02/24(月) 19:28:43

    私がどうしよう...次の展開

  115. 115 : : 2014/02/24(月) 19:52:18
    >>114

    不覚にも吹いた
  116. 116 : : 2014/02/24(月) 19:53:57
    >>114

    アニ「という夢を・・・」

    エレン「そうか」

    という方向マジおすすめ
  117. 117 : : 2014/02/24(月) 19:57:41
    >>116

    買い物の予定がwww
  118. 118 : : 2014/02/24(月) 19:59:35

    まぁ、今書いていますけど、拾いものはちゃんと済ませようかなとは思っています。...最悪、また2レス使っていいですか?
  119. 119 : : 2014/02/24(月) 20:01:21
    >>118

    それは大丈夫だと思います、なんか繋ぎにくくて申し訳ないです…
  120. 120 : : 2014/02/24(月) 20:01:47
    「え…」



    なんだろう。この反応は






    期待していたのと裏腹に






    思いがけない答えが帰った






    「別に…なんでもない…」





    私はそんな感じに





    返した




    「…そうか。じゃあな。」




    「うん…」





    ガチャ




    アニ「はあああああーー…」



    アニ「なんでだろうな…あんな答えは…」



    アニ「もしかして…




    嫌われたのかな…?」




    そんなことを思っていたアニだが





    ここにもそれを思う男子がいた。






    >>次の方お願いいたします
  121. 121 : : 2014/02/24(月) 20:07:33
    >>120
    いや、「え...」って言いたいのは私の方ですよ...え?

    もしかして、参加ルールを勘違いしているんですかね?
  122. 122 : : 2014/02/24(月) 20:07:49
    >>120 挽き肉ジャンさん

    すいません、無許可での飛び込みの参加は受け付けていないので、参加をしたい場合は書き込む前に許可をお願いします(´ . .̫ . `)
  123. 123 : : 2014/02/24(月) 20:09:22
    挽き肉さんか!?
    許可もらってからだそうですよ
  124. 124 : : 2014/02/24(月) 20:10:50

    自分も今、

    トロスト区奪還作戦実行前のコニーみたいな状態になってましたわ…w

  125. 125 : : 2014/02/24(月) 20:11:59
    ストップです。
    これ以上のコメントをしてしまえばこのスレが読みにくいものになります。
  126. 126 : : 2014/02/24(月) 20:24:14
    マジすか?!すいません!!謝ります!そんなルールがあったのか…。
  127. 127 : : 2014/02/24(月) 21:27:53

    では、私の2回目...行きます


  128. 128 : : 2014/02/24(月) 21:28:16

    「今…何て?」


    どうしよう…やっぱり…聞かれていたよね?

    顔が熱《ほて》るのが感じる…私…今、きっと真っ赤だ


    「な、なんでもないさっ!」


    誤魔化して見せるものの、声が動揺を物語る


    「ほら!明日、早いんでしょ?早く寝なよ」


    そう言って、一方的に画面上の1つのボタンに指を置いた…失敗したなぁ――――




    …今、確かに“そう”言ったんだよな?『いつでも掛けても良いって』

    だが、俺はすぐに彼女へ掛け直す気にはならなかった…“約束”があったから

    すぐに、電話帳から新たなダイヤルを引き出す…その先は


    「…エレン?」

    「あぁ、俺だ」

    「珍しく掛けてきたけど、何か用でもあったの?」

    「そのな、実はお前に頼みがあって――――」




    …クリスタと別れて…正しかったのかな?

    確かに、あんな可愛い子から告白されるなんて、僥倖にも程があるけど…やっぱり僕は…

    そんな折、普段は無機質にしか感じていなかった文明の利器が鳴る

    そこから、僕の元に新たな光をもたらす起点となった一声が――――




    お風呂に入ったから、少し頭が冷えたかな?…お風呂なのにね、なんて

    あれから、1時間ほど経っただろうね

    天命は、理不尽にも私に試練を与え続ける


    ヴーッ、ヴーッ


    また、あいつから着信あり…どうしよう…出辛い

    でも、今まで私はそうやって逃げてきたから…失敗してきたんだ

    大切な人だけは…絶対に手放したくない!


    「…何?」


    たった今、決意を固めたのに、相変わらず無愛想な応答…これだから私は…はぁ


    「いやな、少しの間だけでも…お前と話がしたくてさ?」

    「…いいよ。付き合ってあげる」


    本当は嬉しいくせに…自分から掛けたいくらいだったくせに…

    中々、素直になれない私の夜は、憧れの人の声と共にゆっくりと過ぎる

    電話を片手に窓辺に腰掛け、この部屋からようやく見つけた星を眺めながら…

    今日は、一昨日の夢は見なかった――――


  129. 129 : : 2014/02/24(月) 21:28:43

    …そっか。もう“今日”なんだよね?…早く支度しなきゃ!

    …どうなんだろう?似合っているのかな?

    普段は滅多に使わない立ち鏡の前に立ち、くるくると回ってみせる

    昨日買ったパーカーワンピース…やっぱり、脚が目立つなぁ…自信が無い

    あっ、もう出る時間だね。急がなきゃ!




    家の外に出る。暑い…そっか、もう真夏なんだもんね

    そう思いながら、足早に目的地へ足を向かわせる

    …それがこの暑さを避ける為なのか…逢いたい人の元に早く向かいたいが為なのかは、この時の彼女にも分からない




    あいつは、私よりも早くその場に来ていた

    なるほどね。それなりのエスコート力はあるんだろうね?

    勝手に期待を膨らませながら、私は普段は到底見せない恰好であいつの元へ向かった――――




    ちょうどその頃、2人からは見えない位置に集結する4人の姿

    この場所の混雑具合が4人を2人から覆い隠す


    「あっ、ミカサ、ベルトルト。お待たせ!」

    「おはよう、アルミン。私達もちょうど今、集まったところ」


    今日、僕はミカサに呼ばれていた。昨日の夜、電話が来たから

    でも、僕はもう1人の姿に胸の鼓動を抑えることが出来なかった


    「おはよう。アルミン!今日は私もいるんだよ?」

    「え!?なんでミーナも?」


    そう…ミーナがそこに居たから…ミカサからは何も聞かされていなかったのに…


    「私はミカサに呼ばれて来ただけだよ?ね、ミカサ…あれっ?」

    「ミカサ?ベルトルト?あれ…どこに行ったんだろう?」


    ぽつーん、と取り残される僕とミーナの2人

    ミカサ…何を考えているんだろう?でも、これは僕にとってのチャンスだよね?


    「うーん、2人とも突然いなくなっちゃったし、私達で回ろうか?」

    「え?…うん、わかった」


    僕に舞い降りた希望の光は、ここから物語を築いていった――――




    2人きりにしてみたが、おそらく、アルミン達は上手くやるだろう

    エレンとの約束は、これで果たした。後は、私達は自分の役目に集中するのみ


    「…ミカサ、これでよかったのかい?」

    「ええ。昨日、エレンから相談を受けていた。ので、この機会を利用したまでの事」

    「そっか。でも、僕もアニの事が少し心配でね。君に声を掛けてもらえてよかったよ」

    「どういたしまして」

    「あの2人も上手く行くといいね」

    「アルミンなら、きっと大丈夫。それよりも私達は…」


    そう。あの2人を見守ろう。エレンの家族として…アニの友達として――――


    >>To ゆきさん

  130. 130 : : 2014/02/24(月) 21:29:28

    【Point】

    ・エレンはアニと2人きりで合宿用の買い物へ

    ・アルミンはミーナと2人きり(にされた)

    ・ミカサとベルトルトは、相変わらずエレン・アニが心配で尾行開始(笑)


    私にできる事はここまででした。デートの中身は、ゆきさんにお任せします。

    場所については、私のパートの中では言及していないので、昨日のショッピングセンターでもいいですし、そこもゆきさんに丸投げします(笑)

    今回、私はフラグの種に水を撒く事に専念していたので、またゆきさんに物語の起点を担ってもらいますが、これが私の色だとも言えますね

  131. 131 : : 2014/02/24(月) 22:12:34
    >>126 挽き肉ジャンさん

    一応>>1にて、参加希望の方はその旨をお伝えください、と記載しておりますので改めてご確認をお願いしますね、!
    >>1の内容をご理解して頂いた上で参加希望であるならば再度お申し付け下さいませ!
    参加希望を頂きましたら、次の周回のそふとくりぃむ。さんの次に書き手としてご参加して頂いて構いませんので(๑′ᴗ‵๑)

    謝罪のお言葉も頂いた事ですので、皆さんもきっと納得して下さるとは思いますので、遠慮なく申し付けて下さいね?(・∀・`*)
  132. 132 : : 2014/02/25(火) 16:59:03

    ――― 腕時計を見る。

    針が指し示している時間は朝の九時四十分。



    おおよそ、待ち合わせの時間よりも一時間近く早い時間だ。


    普段はあまり気にしない服装にも、靴にも気を遣い、寝癖もばっちり直してきた。

    頭から爪先まで何もかもが落ち着かない様子の俺は、彼女がやって来るのをただただ心待ちにした。



    ネクタイを緩め、今流行りのクールビズに肖った格好で足早に通り過ぎるサラリーマン。

    上下を丈の短い衣服に身を包み、夏休みを満喫している様子の子供達。

    開放感を全面に押し出しながらも、個性豊かなファッションを着こなす若者達。



    一人佇む俺の目の前を、数え切れない程の人波が行き交っていた。

    俺はその群衆の中から、たった一人の女性の姿をさり気なく探す。



    ――― 見つからない。



    腕時計に目をやると、まだ十時を過ぎたばかりだった。



    やっぱり流石に早過ぎたかな。



    この日が訪れるのを、自分がいかに待ち侘びていたのか改めて自覚する。



    それと同時に、妙に気恥ずかしい気持ちが込み上げてくる。

    堪らなくなった俺は、やり場の無いその感情を足下に転がる石ころにぶつけた。


    力なくコロコロと地面を転がっていく石ころを目で追う。




    ――― 早く、来ねぇかな・・・



    そう思った矢先。

    ピタリと止まった石ころの先に、誰かが立っているのに気付いた。


    可愛らしい青を基調とした靴に、スラリと伸びる色白の綺麗な脚・・・


    ハッとなった俺は、一思いに顔を上げる。




    アニ「おはよう・・・」


    目が合うなりぶっきら棒に。

    けれどどこか恥じらっているような様子で、モジモジと身をよじらせながらアニは俺に挨拶をしてきた。


    いつもは隠していた美しい素肌をここぞとばかりに露わにしたような格好で、彼女は俺の前に立っていた。




    ――― ゴクリ。



    愛しい女性の無防備な姿に、思わず息を飲む。

    けれど、俺は不意に込み上げてくる下心を悟られないよう直ぐさま挨拶を返した。


    エレン「よ、よう!おはよう、アニ!」


    年頃の男子にはあまりに刺激の強いシチュエーションに俺は思わず声が上ずる。


    それを聞いたアニは一瞬だけ顔を逸らして、


    ――― ふっ。


    と笑うと、満足そうな顔をこちらに向けて口を開いた。


    アニ「とんだスケベ野郎だね、あんたも・・・」クス

    エレン「――― っ///」


    核心を突かれた俺は、ただ顔を逸らしながら赤面するだけだった。
  133. 133 : : 2014/02/25(火) 16:59:35

    出会ってから20分後。

    俺はアニに先程の痴態を散々からかわれながら、近くのショッピングモールの一角にあるファミレスへ足を運んでいた。

    お互いに朝食も摂っていなかったみたいで、せっかくだから昼食も兼ねて何か腹ごなしにという算段だ。

    料理も豊富で味も値段も俺たち学生には無難なところがファミレスのいいところだ。


    俺達はウェイターに促され、二人掛けの小さなテーブル席へと足を進める。



    周りを見るとやはり夏休みと言ったところだろうか?


    家族で。

    友達同士で。

    そして、カップルで。


    たくさんの客で、ファミレスの店内は賑わっていた。



    俺達は傍から見たらどんな風に見えるんだろう?


    近くで楽しそうに会話をしているカップルに目をやりながら考える。



    ――― チョンチョン


    そうして頬杖を付きながら見ていると、肩を軽く突つかれる。

    クルリとそちらを向くと、綺麗な細い人差し指の先が俺の頬にぷにぷにと刺さる。


    エレン「ア、アニ?」


    ほんの少しムスッとしたような表情を向けてくるアニ。


    アニ「まったく、こんな時に他の女の子に目移りするのは感心しないね・・・」


    嫉妬・・・してくれてるのかな?

    それとも、単に俺をおちょくってるのだろうか?
  134. 134 : : 2014/02/25(火) 17:02:36
    >>次へ

    88さんお願いします!
  135. 135 : : 2014/02/25(火) 17:40:13
    「あ、いや、他の女の子なんて見てねえよ…」

    あわてて取り繕うように、しどろもどろに言葉を発する

    頬をつつかれた辺りがなんだか甘く疼く―
    今までに感じたことのない、感覚

    あの綺麗な細い指が、俺に触れた…

    想像するだけでもやばいのに、これは現実だ…

    意識が遠退きそうになるのは辛うじて耐えた

    「―…ふふっ…エレン…顔真っ赤…」

    自分の正面に腰を下ろした彼女…アニは、俺の顔を見て、艶やかな笑みを浮かべてそう言った

    そんなアニの顔も、まるで太陽の光が直接差したかのように、朱に染まっていた

    「と、とりあえず何か頼もうか…アニは何にする?」

    俺はとにかくこの赤い顔を何とかしたくて、メニューに意識を集中させることにした

    「私は…ミートドリアにしようかな、美味しそうじゃない?」

    アニはメニューを指差す
    さっき俺の頬をつついた指だ

    だめだ、意識するな…

    俺はぶんぶんと首を横に振った

    「エレン…変なの!!あはは!!」

    そんな俺を見てアニは…愉しげに笑った


  136. 136 : : 2014/02/26(水) 09:52:14

    アルミン「……」


    ミーナ「見て見て!アニってばすごく楽しそうにしてる!」


    僕達はファミレスにいる。
    そこにエレン達が入ってきた。
    ミーナはそれに気づいて大はしゃぎ。


    アルミン「(はぁ、何でこうなるのかな……)」モグモグ


    自分の不運を悲しみながらカルボナーラを咀嚼する。
    因みにミーナはミートスパゲティを注文した。


    ミーナ「あんなに楽しそうなアニってなかなか見れないんだよね~」ウキウキ


    アルミン「(これは跡をつけて見守るパターンのような気が……)」モグモグ、ゴクン


    まぁ、僕もエレンのことは気になるからいいか。
    ミーナと居れる事には変わりないし。


    ミーナ「で、今日は私達どこに行こっか?」


    アルミン「へ?」


    ミーナ「え?」


    アルミン「エレン達を見てるんじゃないの?」


    何となくストーカーみたいなことを言ってしまった。今のを他の誰かに聞かれてたらと思うと少し血の気が引いてきた。


    ミーナ「だってアニ達楽しんでるみたいだし、大丈夫でしょ」


    アルミン「そ、そうだよね。なんかごm」
    ミーナ「それ!」サッ


    アルミン「ん!?」パクッ


    ミーナの皿にあったミートボールが僕の口に押し込まれる。
    そして前言撤回。
    血は勢いを増して僕の体(特に顔)を巡り始める。


    ミーナ「別にエレン達が気になるのは普通のことなんだから、謝る必要なんてないの。わかった?」


    アルミン「は、はい」


    ミーナ「せっかくのデートなんだから、楽しまなくちゃね♪」


    アルミン「///」ボン!


    2人きりになって一時間もしないうちにこんなにドキドキしていまった。
    帰る頃には僕はどうなってしまうんだろう?
  137. 137 : : 2014/02/26(水) 10:19:22
    アルミン「…」ドキドキ


    エレン!どうしようドキドキがさ

    止まらないよ

    ミーナと一緒にいるとドキドキする

    好きな女の子と一緒にいるから

    ドキドキするのは当たり前だけど

    ミーナの顔をしっかり見ることが出来ない



    ミーナ「どうしたの?」キョトン

    アルミン「な、なんでもないよ!///」




    デートって言葉に自分の体温がどんどん

    あがっていくのが…わかる

    それにミーナのミートボールを

    食べることができた…

    エレン…僕は今とても幸せなんだよ

    君はどんな感じかな?



    エレン「そ、そうか!?」アセアセ

    アニ「あんたは面白いよ」クスクス

    エレン「ツ///」




    あ、アルミン…どうしよう

    アニの顔をちゃんと見ることができない



    アニ「だから…デートなんだから」




    私の方をちゃんと見る!!



    エレン「あぁ!わかった///」




    デートその言葉がとても恥ずかしくて

    顔がどんどん真っ赤になってるのが

    自分でもわかる…アニはどんな風に

    今の俺の事を見てるんだ?

    そしてもし…ここにアルミンが

    いたら…どう思う?

    やばい…ドキドキがとまらない!





    アニ「ねぇ…エレン」パクパク

    エレン「な、なんだ?///」



    今さっき運ばれてきたミートドリアを

    食べながら

    愛しい女の子…アニはこう言った




    アニ「買い物が早く終わったらさ…」





    他に…時間があればだけど…

    どこかにさ…遊びに行こうよ
  138. 138 : : 2014/02/26(水) 12:36:32



    けど…

    遊ぶって言っても、何をしたらいいのかな。

    そんな経験の乏しい私は、思考を巡らせる。




    そして、ひとつの答えを出した。




    アニ「…ちょっと付き合ってもらいたいところがあるんだけど。」

    エレン「えっ、どこ?」



    エレンのまん丸い翠色の目が私を見つめる。



    アニ「…映画館。私の大好きなミュージカルが映画化されたんだ。それを見に行きたくてさ。」

    アニ「買い物に付き合ってあげるんだから…いいよね?」

    エレン「も、もちろん!そうと決まれば、早く買い物を済ませないとな。」


    そう言ってエレンは、私と同じものを、と言って頼んだミートドリアをかき込む。

    そんな彼の様子を、なんだかくすぐったいような、あったかい気持ちで見つめる。

    店内は冷房が効いていて涼しいはずなのに、私の身体は火照っていた。







    ミーナ「ああ、いーなあ!あの2人、かなりいい感じだと思わない?」

    アルミン「う、うん。そうだね…」


    ああ、もう!

    エレンは順調にアニとコミュニケーションをとってると言うのに、僕は何やってんだろう…

    さっきからずっと、ミーナの話に相槌を打つことしか出来てない。



    ミーナ「ねえねえ。あの2人、買い物が終わったらどこに行くと思う?」

    アルミン「え?うーん…」


    考えるふりをしながら、皿の中にまだ沢山残っているカルボナーラをフォークに巻きつける。



    ミーナ「…ねえ、さっきからずっとそんな調子だけど、もしかして楽しくない?」

    アルミン「そ、そんなことないよ!!」


    慌てて否定するも、ミーナの表情はそれっきり曇ってしまった。

    うう…どうしよう。





    2組の男女の気持ちの差は、天と地ほど開いていた。


    >> 店員さん、お次お願いします☻
  139. 139 : : 2014/02/26(水) 18:34:59
    ミュージカルってどんなもの、程度は知っていた。けどさ、それしか知らなかったんだな。
    こんなにすごいものなのかよ!

    圧倒的な歌声!キレのあるダンス!
    セリフの一言一言が、ハッキリと耳に、胸に…心に飛び込んでくる。
    役者の一挙手一投足が、キャラクターの心情を物語る。無駄な動きはひとつもない。

    厳密には映画化したミュージカル。
    仕立てであって本物ではない。

    舞台とは、毎回が失敗の許されない、一発勝負。

    一体、舞台役者の心境って、どんなもんなんだ!

    ……!



    …力の入ったそのこぶし…いま、どんな気持ちなんだろう?
    大好きなミュージカル。多少、映画向けに仕立て直されてるところが惜しい、というか勿体無いけど、やっぱり素敵。

    今私が感じているもの、あなたは感じてるのかな?

    見上げると、真剣な顔でスクリーンの端から端へ、大きな瞳が右往左往している。



    ー楽しんでくれてるかな?

    …きゅっ

    あ。


    ーいつの間にやら私はエレンと手を繋いでた。

    ふふ、暗いっていいな。私、今きっと顔が赤いのだろうけど、エレンは気づかないよね。
    ああ、もう終わっちゃう…ずっと終わらない物語ならいいのに。

    エンドロールが役者、演出、協力、提供、そして監督と名を映す。
    いつかはアニも…そして俺もそこに名を連ねる。絶対だ!

    力いっぱいこぶしを握りしめた時、ふと気付いた。
    俺、アニと手を繋いでる。

    やべえ、いつから?俺、図々しく何を…!

    慌てた俺の視線が、アニの瞳を捉えた。

    …笑ってくれてる。嫌じゃないのか?




    ーへへ、最高の気分だ。





    場所は移り、そこは公園。一組の男女が歩いていた。


    ああ、ごめんね。僕はこういう場面で何をしたらいいかわからない。
    今君がなにを思っているか、わかっていても何もできないよ。

    「もう、今日は私ばっかり喋って、私ばっかり買い物して。」

    うう、やっぱり怒っているよね。

    「罰として、今度は二人で楽しめることをしよう!」

    うん、後悔してるよ。僕は君には不釣り合………

    アルミン「え?」

    ミーナ「だぁかぁら!私ばっかり楽しんじゃ不公平でしょ!」

    そう言って膨れる君。


    アルミン「僕、ちゃんとエスコートできなくて、君が怒ってるとばかり…」


    そう伝えると、愛くるしい表情で言ったんだ。

    ミーナ「何を言う!男女平等の世の中、女だけを楽しませるのがデートなんて古い‼︎私はアルミンと二人で楽しみたいの!」


    あはは、敵わないなぁ…。そんな君が本当に…大好きだよ。
  140. 140 : : 2014/02/26(水) 21:08:46

    映画が終わり人々が外へ出ていく


    エレン「わ、わりぃ!つい興奮しすぎてっ」アセ

    アニ「いいよ別に」クスッ


    この笑い方に何度胸をドキドキさせられただろうか


    アニ「楽しんでくれたみたいでよかった」

    あぁ、最高だった


    アニ「お手洗いいってくるから悪いけど待っててくれない?」


    エレン「わかった」



    ふと視線が自然に向いた

    アクセサリーショップ…みたいだな、ちょっとみてみようかな


    好奇心で店に入ってみた。


    中には時計、インテリア、香水、など結構色んな物があるようだ


    そして何気なくネックレスのコーナーを見ていた


    すると、俺の目を奪った物があった。


    この色…アニの瞳と同じ色…綺麗だ





    アニ「ごめん、待たせたね。」

    アニ「暗くなってきたし…そろそろ帰ろうか」


    本当はもっと、ずっと一緒にいたい。
    正直言うとまだ一緒にいたいって言葉に期待してた…


    エレン「そうだな、家まで送るよ!」


    アニ「ありがと」

    期待…してたんだけどな…




    帰り道、二人は無言のままアニの家に向かっていた


    やばい…何か話題作らねぇと!…


    焦れば焦るほど言葉が出てこない。そんな考えをしているうちについてしまった


    アニ「今日はありがとね」


    心なしか寂しげな表情をしているのは気のせいだろうか…


    エレン「礼を言うのはこっちだよ!買い物、付き合ってくれてありがとな!」



    …。



    また沈黙。



    今渡さなきゃいつ渡すんだよっ…


    エレン「アニ!これ、今日のお礼に受け取ってくれ!」

    俺は包装してもらった箱を出した


    アニ「そんな礼なんていいよ、寧ろ付き合ってもらったのは私だし…」


    エレン「いいからいいから!」

    俺は促すようにアニの手に箱をのせた


    この綺麗な手を見ると食事の時を思い出して少し顔が赤くなる、夜で良かった…


    アニ「開けていい?」

    エレン「うん」


    アニは箱を丁寧にあけ、中身を出して月明かりに照らしてこう言った…
  141. 141 : : 2014/02/26(水) 23:58:48
    アニ「綺麗...」





    俺がアニに渡したものは、
    サファイアのネックレスだ
    種類はスターサファイアというもので
    かなり貴重な代物らしい
    しかし大きさは小指の爪ほど
    で大きいとはいえないものだった





    アニ「・・・」


    エレン「き、気に入らなかったか?」


    アニ「そんなこと...ない」


    アニ「・・・」



    アニはしばらくその
    月明かりに照らされたサファイアを
    じっと...見ていた




    アニ「ホントに...ありがとうこんな凄いの...宝物にする」


    エレン「いや、それほどでもないって」


    アニ「それほどだから言ったの」


    エレン「ハハハ...」


    アニ「ねぇ、首にかけてもいいかい?」


    エレン「え?あ、あぁ勿論だ」


    アニ「・・・」スカスカ


    エレン「・・・」


    アニ「難しい...」


    アニ「ごめん、手伝ってくれない?」
  142. 142 : : 2014/02/26(水) 23:59:49
    http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%A2


    まぁ、これを参考に
    してくれ
  143. 143 : : 2014/02/27(木) 10:53:24


    上目遣いでアニは俺におねだりをする。



    ドキ・・・ドキ・・・



    その顔、その仕草、その格好・・・。


    全てが色っぽく、そして愛おしい。



    「あぁ。いいぜ。」


    そう言ってアニの後ろにまわる。





    真っ白な美しいうなじ。


    触れたら溶けてしまうのではないかと思うほどの・・・。



    緊張しているのを悟られないように、ゆっくりと確実にネックレスの紐を手に取り、分かれた紐を二つにする。


    確かに難しい・・・。



    でもあと少し!



    できた!



    その時、うっかり手がアニのうなじに触れる。





    「・・・んっ」


    微かな喘ぎ声。




    ドクン



    ドクン



    ・・・変な気持ちになりそうだ。



    無言で俺はアニの前に戻る。




    顔を真っ赤にして俯くアニ。


    その胸には青い月影によく映えたサファイア。


    その姿は・・・



    「何だか、お姫様みたいだな。」


    恥ずかしげもなく、俺は素直にそう言った。








    ・・・


    お姫様・・・。



    あの日見た夢を思い出す。



    ううん。あれはただの夢。


    ただの夢だから・・・。




    「ありがとう・・・。」


    柄にもなく、素直にお礼を言う。



    「ねぇ・・・エレン。」


    「何だ?」



    「・・・手・・・つないでもいい?」




    「・・・あぁ。」


    エレンも緊張しているのか、おずおずと手を伸ばしてくる。



    あんな夢に振り回されたくない。


    今確かな、この温もりを大事にしたい。


    手放したくない。




    手と手を握りあったとき、泣きそうな気持ちになる。




    合宿はもう目前。


    私たちは、いつかあの映画のエンドロールに刻まれるような人になるのだ。



    どんな壁でも乗り越えていこう。




    言葉のいらない二人だけの世界。


    家がもっと遠くにあればいいのに。


    そう思った








    ・・・



    自分の部屋に戻り、ベッドに横になる。



    アニとのデートは・・・楽しかった。



    アルミンたちはどうなったんだろうか。


    俺たちだけ楽しんでいたのではないかと気がかりになる。



    その矢先。



    俺の携帯電話が音を鳴り出し始めた。
  144. 144 : : 2014/02/27(木) 11:33:44
    すみません、誤字ありです。


    ×「分かれた紐を二つにする」

    〇「分かれた紐を一つにする」

    です。

    申し訳ないです><
  145. 145 : : 2014/02/27(木) 14:38:44
    携帯の画面を見ると、親友の名が表示されていた。
    なんというタイミング…とエレンは、思いながらすぐに携帯を取り、通話ボタンを押しそれを耳にあてる

    「やあ、エレン、今大丈夫かな?」

    「ああ、大丈夫だ」

    その後、俺たちは今日あったことや惚気を日付けが変わるまでお互いにニヤニヤしながら語りあった

    どうやら、ミーナと上手くいったようだ少し安心した
    でも、アルミンとミーナもあのファミレスにいたなんて…恥ずかしい

    明日、ミーナに弄られるな…などと思いながら布団の中に潜り込む。
    最近、考えることが多くなった…
    アニについては、勿論だが、演劇について考えることが多い

    演劇部に入部して、思い知らされたことが幾つかある
    一つは、アニの演技力だ…
    そして、俺の演技力のなさだ…
    その理由は、台詞が棒読みらしい…
    このままでは、秋のコンクールの出演メンバーになれないだけでなく、ずっと裏方かもしれない。
    これでは、一緒に夢を追いかけるなんて夢のまた夢だ。

    自分の手の平を見る…アニの手の感触や温もりを思い出す。
    いつまでも、一緒に居たい…
    アニの夢を一緒に追いかけたい…
    改めてそう強く思った。
    夏の合宿で出演メンバーが決まる…アニは、当然選ばれるだろう
    俺も頑張らなければ…
    そう、固く決意する

    明日は、秋のコンクールの演目を決めるらしい、そこで出演メンバーの人数が決まり、皆その限られた枠に入ろうと努力する

    気合い入るが不安を拭えない…
    そうこう考えているうちにいつの間にか俺は、深い眠りについたのだった。



    次、お願いします( ´ ▽ ` )ノ
  146. 146 : : 2014/02/27(木) 19:14:32

    エレン「お、アニ!」タッ



    登校中に見つけた人影がアニと気付き、自然と駆け足になっていた


    その様子をすぐさま察知したアニは昨日のことを思い出し、頬を赤く染める



    アニ「エレンかい」フィ


     ああ、昨日のこと思い出して来た…



    エレン「なんだよ、俺じゃ嫌だったか?」



    アニ「違うよ…」


     そんなわけ、ないじゃないか


    アニ「ただね…」チラ


    アニ「ミーナと一緒に学校に行く予定なんだけど」


     ちゃんと意図、伝わったかな



    エレン「ああ、そうなのか」


    エレン「なるほど…じゃあ俺はこっちから行くからな」


     昨日の件で絶対玩ばれるし



    アニ「え、わかったのかい?」


    アニ「意外とバカじゃないんだね」フフッ



    エレン「おい、それは褒めてんのか?それとも…」



    アニ「貶してるに決まってるじゃないか」


    アニ「じゃあね」ヒラヒラ



    エレン「お、おう」


     ま、そうだろうな…


     なんだろう、馬鹿にされてんのに嫌じゃないな


     と言っても、アニだからだろうな


    ーーーー
    ーーー
    ーー


    ~放課後



    「だから、それはダサいって」「そんなことないと思うけど」「ひどいなぁ…」



    ガヤガヤ…



    エレン「なんだよ、騒がしいな」


    エレン「…ああ」


     演目のことか



    アルミン「やぁ、エレン」


    アルミン「今日は大変だったね…」ウツムキ



    エレン「…まぁな」


     昨日の件を振ってくるのはミーナだけだと思ったんだが


    エレン「まさかベルトルトとミカサが…」ゾッ



    アルミン「僕はエレンの顔がペンキで着色されたのかと思ったよ」ハハ



    エレン「それより…演目の話、どうだ?」



    アルミン「それがね…」チラ



    ミカサ「絶対駄目…駄目。そんなの駄目」



    ベルトルト「どこが駄目なのか言ってくれよ!ほら、エレンはどう思う?」ピラ



    そこには演目の候補がビッシリと書かれた、


    まさに"メモ用紙"の役割を使い果たした


    およそボロ雑巾のようなA6サイズの紙が3枚散らされていた


    その中に転がっていた一つのワードに、目が留まる



    エレン「あの、ベルトルト…」


     これって…



    右端の紙を拾い、指を指す



    ベルトルト「ああ、これね」


    ベルトルト「個人的にはベタだと思うんだけど…どうかな?」




    >>次へ
  147. 147 : : 2014/02/27(木) 19:22:00
    僕も参加したいです!いいですか?

    (リレーssのスレタイを見てカオスにしようとしてた自分を殴りたい)
  148. 148 : : 2014/02/27(木) 19:53:26
    >>147 進撃の和人さん

    了解です!
    次の周回のそふとくりぃむ。さんの次でお願いします!


    中間報告!(順番)

    My.Loさん→ゆき→88さん→イェーガーの進撃さん→EreAniさん→submarineさん→店員さん→Aniっちさん→ヤヴァイ兵長さん→シュウさん→ライナー兄貴さん→そふとくりぃむ。さん→進撃の和人さん→以降参加希望者(or最初に戻る)

    まだまだお待ちしますので是非ご参加くださいね〜!
    希望者の方は必ずコメントにてご一報を頂き、了解を得てからご参加下さい!
  149. 149 : : 2014/02/27(木) 20:29:19

    すみません、夏休みですので「~放課後」はミスです!

    脳内で

    ~放課後

    の部分消去お願いします!
  150. 150 : : 2014/02/27(木) 20:32:44


    加えてすみません、ペンキの展開がおかしくなりますね。

    予備校の講習後に演劇部の活動、ということでお願いします
  151. 151 : : 2014/02/27(木) 21:10:41

    さて、状況はまさに二死満塁。ここで打たなきゃ誰が打つ?

    リレーならではの設定のすれ違いが起こっていましたが、これもまた一興ですね!

    では、また私の番なので、ここからお送りします

  152. 152 : : 2014/02/27(木) 21:11:34

    雑多に候補が記された紙の上に転がる1つの演目名

    俺が指し示す先…それは…『ロミオとジュリエット』

    俺が名前を知っている演劇といえば、この程度だ…ははっ、浅はかだな


    「ほら、皆、集合してくれ!演目の決議を取ろう!!」

    「部長の召集だね、ミカサ?」

    「そうね。私達だけで話し合う事ではなかった。反省」


    こつんと小さく頭を叩いて見せるミカサ

    対して、ベルトルトも少し落ち着きを取り戻した様子を見せる


    ワイワイ ガヤガヤ


    「それじゃあ、皆の投票で決めようか」


    皆が各々の希望を書いた紙を部長であるマルコが回収していく


    「…開封結果を言うよ?上位は――――の3つだから、これから審議を重ねて――――」




    討論を重ねて、ようやく1つの答えに辿り着いたけど…あいつも熱っぽく語っていたね

    …決定した演目は、『ロミオとジュリエット』か。定番だね。私も文句はない

    向上心の高いあいつなら、きっとあの役を目指すだろね。なら私が目指す役は、勿論…


    「あれあれ?アニちゃんのこの表情は、もしや主演女優を狙っているのかなぁ?」


    …出たね、ミーナ。アンタのそのニタニタした顔。さて、どう言い訳してやろうか


    「…アンタ、演劇部でもないのに、夏休みに毎日のように顔を出さなくてもいいんだよ?」

    「折角の夏休みなんだし、どこか遊びに行ったらどうなんだい?」


    とりあえず、話を逸らしてみようか…さて、どうする?


    「えぇぇ、折角、アニの上手な演技が見られるのに、それを逃す手はないよ!」

    「それに、もう私は存分に夏休みを満喫してまぁーす!」


    なんだい、その笑顔は?何か良い事でもあったのかい?デートとか?

    そんな私の心の声は、決して口から出る事はない…アンタの惚気話は長いからね


    「まぁ、アニが狙う役は把握済みだから、この際、何だっていいけどね」


    随分と言ってくれるね…でも、アンタの想像通りだよ、きっと


    「それより、アニ!その綺麗なネックレスはどうしたのかなぁ?」


    また、にやけた面を…この子に正直に言うと、きっと面倒なことになるからね…


    「…お守りさ。ちょっと貰ってね」

    「へぇ、そうか、そうかぁ♪」


    いい加減、その口元引き締めなよ。だらしないよ?…言わないけど

    でも、アンタが浮かべるその笑みも…きっと、私をからかう事が出来た事だけが原因じゃないよね?


    「それじゃあ、演目も決まった事だし、合宿、そしてコンクールまで一直線だよ!」

    「「「おぉぉーーー!!」」」


    部長のマルコの一声と共に、部員達の気合の入った声が轟く

    私も油断していられないね――――

  153. 153 : : 2014/02/27(木) 21:12:29

    合宿が明日に控えている事とは無関係に、今日も演劇部員達は己の技術を磨く為に切磋琢磨している

    …私もそんな中の1人。私が練習しているのは、ただ1つの役…それは、ジュリエット

    自分でも信じられないくらいに演技に没頭していた事に気が付き、休憩を挟む


    …最近、とても演技が上手く出来るようになったと実感できる

    私もある程度、実力を持っている事は自負していたけど…それとは少し違う感覚

    …このサファイアが、私の首に掛かるようになってからだよね?

    エレン…アンタの気持ちが…今の私の『全て』を…『演技』を支えてくれているんだよね?


    「アニ、今の台詞はとても上手だった。私も見習いたい」

    「ありがと、ミカサ」

    「その首元で光り輝く宝石もとても素敵」

    「これは…私の大切なお守りなんだよ。演劇の時は必ず身に着けているのさ」


    だから…私はその期待に応えて…精一杯の気持ちを込めて、目の前の演技に取り組むだけ

    もう…私1人で舞台をやっているわけじゃない…

    エレンが、ミカサが、ベルトルトが、ミーナだって…皆がいる

    これがある限り…エレン、アンタがずっと傍にいる気がするから…私は頑張れる――――




    …アニは最近、益々気合が入っていて…演技力が凄いな

    アニと共にプロの舞台に立つ。その壮大な夢の為の第一歩…それが“役者として”のコンクール出場

    目的をはっきりさせるんだ…どんな大きさだろうと、常に目標を持ち続けるんだ!


    「エレン、また棒読みになっていたよ?」

    「あっ、すまねぇ、ベルトルト。感情を込めて演技しないとな!」

    「…僕達は、その役になりきるんだ。演技するんじゃなくて、その役だと錯覚するくらいに」

    「…そっか。アドバイスくれて、ありがとな!」


    今の俺に足りないものは、『経験値』

    舞台への気持ち…そして、夢の実現に対する気持ちは、誰にも負ける気はない!

    だから、その欠点を短期間で補う為にも…技術を盗むしか…道は残されていないんだ!!

    アニ、待っていてくれ。すぐには無理でも…必ずお前の高みに追いつくから――――




    目標を持って物事に取り組むと、後になって、ふと気付く事もある

    その瞬間こそ長く感じるけど…時間は瞬く間に過ぎ去っていくという事

    だから、時間は大切に使わなければいけない事も




    …夜が明ける。今日から1週間、夏合宿が始まる


    「…さぁーて、気合入れて行くか!!」


    不安と期待が入り交じる気持ちを自慢の声で一蹴し、俺は学校へ足を向かわせ始めた


    「…でも、楽しみだ♪」


    …期待の方が…寧ろ、大きいかもな。ははっ!――――




    >>To ゆきさん 

  154. 154 : : 2014/02/27(木) 21:12:49

    【Point】

    ・アニは演劇をする時に、サファイアのネックレスをお守り代わりにし始めた

    ・エレンは自分に足りないものを自覚し始めた

    ・ミーナは演劇部員ではないが、アニの様子を見にきたり、お手伝いをしている
    >>109, >>110の時点で学校の一室でミーナやクラスメイトと居る描写がありましたが、
    夏休み中という事もあり、解釈の仕方が曖昧だったので、ここでミーナの立場を明確化しました)

    ・次回、遂に夏休み後半戦である合宿編スタート!!
    (また私が場面を纏めてしまって、申し訳ない!)
  155. 155 : : 2014/02/27(木) 21:16:51
    皆様!今週ピアノの練習がすごくありましてですね、皆様の作品が見れないのです…
    ですが、ずっと応援し続けていますので、今後ともよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ノ
  156. 156 : : 2014/02/27(木) 22:28:21
    >>えりさん
    練習は必ず力になります!!頑張って下さい!!
    現ピアノ、エレクトーン講師より♪(*^^*)
  157. 157 : : 2014/02/28(金) 07:45:18
    >>155 えりさん

    ほほぅ、ピアノですか!
    練習の方、頑張って下さいね(`・∀・´)

    私達一同、そのようなありがたいコメントを頂き、非常に嬉しく思う次第ですよー♪
    これからも是非とも、応援宜しくお願いしますね(・∀・`*)
  158. 158 : : 2014/02/28(金) 07:45:40

    ――― 学校から出発すること二時間・・・



    アニ「あんたの持ってるそのお菓子、頂戴するね・・・」ヒョイ

    エレン「あ!勝手に取るなよな、アニ!」

    アニ「いいじゃないか、ケチな男は嫌われるよ?」

    ベルトルト「そんな事より早くこっちからカード取ってくれないかな、エレン」

    エレン「ん?・・・あぁ!悪ぃ悪ぃ!」

    ミカサ「エレン。ベルトルトの手札の右から二番目がババ・・・」

    ベルトルト「ちょっとミカサ、バラさないでよね?!」アセアセ

    エレン「へへっ、悪いなベルトルト!」スッ


    エレン「・・・って、思いっきり俺にジョーカーきたじゃねーか?!」

    ベルトルト「ふふっ。ミカサ、ナイスアシストだよ」クスクス

    ミカサ「ベルトルトこそ、いい演技だった」クスクス

    アニ「見事に騙されたね、あんた・・・」クスッ

    エレン「くっそー!二人してハメやがって!!」



    俺たちは移動中のバスの車内、定番のババ抜きに興じながら目的地に着くまでの時間を過ごしていた。


    普段ならここまで盛り上がる事もないのだけれど、こうした機会ならではの雰囲気と言うものだろう。

    俺たちは存分に遠足気分に浸っていた。


    これから先、8月12日までの一週間。

    都会の喧騒から離れた大自然の中で、俺達はフルマラソンまで含む過酷なトレーニングをこなさなければならない。


    ――― それがどれだけ大変なものなのか?

    俺には知る由もない。


    けど。この合宿を通して自分に足りない何かを、

    演劇部に入ってから初めて掲げた目標を、


    俺はこの手で・・・必ず掴んでみせる!



    騒がしい車内、頂上を目指して走り続けるバスに揺られながら、

    心に宿した熱き思いを、俺は静かに燃やし続けていた。
  159. 159 : : 2014/02/28(金) 07:46:29

    山頂付近まで到達すると、そこにはいくつかの旅館と温泉が立ち並ぶ温泉街となっていた。


    浴衣に身を包んで外を散歩している観光客。

    安っぽいメニューばかりが並んでいる屋台の数々。

    至る所から沸き立つ真っ白な湯気。

    窓の隙間から入ってきたのであろう温泉街特有の硫黄の匂いが鼻につく。



    点々と建っている旅館のその一角、

    周囲の旅館と比べるといささか見劣りのする、少し古ぼけた感じの旅館の前に俺達のバスは停車した。


    マルコ「さぁ、みんな!順に降りて行ってねー!」


    部長のマルコに促され、次々と降りて行く部員達。



    バスから降りると相変わらずの熱気と蝉の声、

    そして今日から稽古に指導を付けてくれるOBの先輩方が出迎えてくれた。



    >>次へ
  160. 160 : : 2014/02/28(金) 09:29:00
    バスを降りると、マルコがOBの一人と談笑しているのが見えた

    アニが俺の服の裾をツンツンと引っ張る

    「どうした、アニ?」
    俺が後ろを振り返ると、何時に無く目を輝かせたアニが、顔を紅潮させていた

    「あの人…マルコと話している人…。ナナバさんって言うんだ。すでに活躍してる実力派の舞台女優。まさか合宿にあんな人がわざわざ来てくれるなんて…」

    アニは先輩…ナナバさんに驚きと憧憬が入り交じったような、熱い眼差しを向けていた

    背の高い、凛とした佇まいの美しい女性
    薫りたつような色気と優しげな眼差し
    大人の女性

    全ての女性が欲しがっている物を、全て手にしているような人だ

    「確かに、あの人は他の先輩方とは何かが違うな…」
    俺は小さな声で呟くように言った

    アニは美しい人差し指を口元に当てる
    「しー、エレン声大きい…。でも、これはチャンスかもしれない…ナナバさんに演技指導をして貰えるなんて…」

    アニの熱の籠った眼差しが、俺に向けられた
    俺はゆっくり頷く

    「ああ、チャンスだよな…俺も、やるぞ、やってやる…!」

    アニのやる気が、俺にも火をつけた



    旅館の小さな演芸場に、部員全員が整列していた

    古びてはいるが、きちんと舞台が設置されており、演劇の練習にはうってつけだ

    マルコは、OB先輩の紹介をしていた
    やはりナナバさんの時は、部員ほぼ全員が興奮のあまりざわついていた

    「アニ…あの人は凄い人なの…?」
    ミカサが隣にいるアニに訝しげに訊ねていた

    「ああ、有名な舞台女優なんだよ、ミカサ」
    アニはちらりとミカサを見て言った

    「へえ…確かに綺麗な人…」
    ミカサは目を細めて先輩に視線を送った

    「秋のコンクールだけど、演目は先日発表した通り、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』だ」

    マルコが先輩の紹介を終え、話を仕切り直した

    「各役は、合宿中の演技指導などを先輩方に見て頂いた上で、各自の適正に応じた役をやってもらう事になる」

    「勿論、全員がコンクールで舞台に立てる訳ではないんだ…控えに回って貰う人も出てくるだろう…でも、どれも重要な役割だ」

    「皆にはまずはレギュラーを目指して頑張って取り組んで貰いたい。では、この後部屋に戻って着替えた後、練習を開始するよ?では解散!!」

    マルコの話が終わり、皆各々やる気を見せながら、演技場を後にした
  161. 161 : : 2014/02/28(金) 19:09:33
    http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=41921366

    例のパーカーワンピアニを描いてみました、見たい方はURL直接入力でどうぞ!
  162. 162 : : 2014/02/28(金) 19:36:02
    やっぱりみなさん上手いな…

    俺こういうの書いたことないんだよな…マジで一度も…

    でも精一杯がんばります!よろしくお願いします!!
  163. 163 : : 2014/02/28(金) 21:00:01

    ジリジリと太陽が街を焼く。
    私は焼かれたくないからファミレスに避難中。
    あ、1人じゃないよ?
    ある可愛い系の男の子とデートしてます。



    ミーナ「暑いね~」


    アルミン「そうだね」



    夏になれば誰しもが口にする言葉。
    そんなありきたりな会話をしながらアイスティーを喉に流し込む。
    キンキンに冷えたそれは火照った身体を中から冷やすには最適なものだと思う。
    アイスティーである必要は皆無ですが。



    アルミン「今頃、エレン達は練習かな?」



    因みに彼はレモンティー。



    ミーナ「予定通りなら今から練習だよ~」



    アニちゃんの冊子が間違ってないならね。
    フルマラソンと書かれてたのには驚かされました。



    アルミン「熱中症とかなったりしないかな……」



    優しい彼の心配性な部分が出現。



    ミーナ「大丈夫だよ。マルコもいるし、そんなことにはならないって」


    アルミン「……そうだね」



    と言いつつも気になる様子。
    私も人のこと言えないんだけどね。



    ミーナ「(さて、どうしたものか……)」ウーム



    2人で楽しもうって言ったのに、お互いアニ達の心配してるってけっこう重傷。



    アルミン「……ダメだね。せっかく遊んでるのにエレン達のことばっかり考えてたら」



    どうやら同じことを考えてたみたい。
    以心伝心ってやつかな?



    ミーナ「よし!それじゃあ楽しいことかんがえよっか!」


    アルミン「そうだね。これからどこ行きたい?」


    ミーナ「遠いところ!」



    脊髄反射で返答をする。
    つまり何も考えてないってこと。



    アルミン「うーん、旅行ってこと?」



    私のアバウトな発言を彼が具体化してくれる。
    これはけっこう定番の流れだったり。



    ミーナ「いいねそれ!どこ行こっか?」



    冗談半分に言ってみる。



    アルミン「………だったら一カ所今の僕たちにぴったりの場所があるよ」


    ミーナ「どこ?」


    アルミン「ミーナも気にならない?山頂付近にある温泉」


    ミーナ「……とっても気になるかも」



    だって気になり過ぎてちょっと困ってたもんね。
    さすがアルミン。
    こんなに早く解決してくれるとは。
  164. 164 : : 2014/02/28(金) 21:07:48
    更新キタアァァァァァァァァ
  165. 165 : : 2014/02/28(金) 21:13:52
    山頂付近にある温泉

    僕にとっての

    ミーナにとっての

    大事な親友が今…夢のために

    頑張ってる…



    アルミン「まぁ…正直ね」

    ミーナ「あの二人が気になるし」

    アルミン「デートも…できるし」

    ミーナ「うん!早く行こ?」



    遠くにデートもできる
    そして親友達を見ることができる
    問題と言えば
    どうやって…



    ミーナ「ところで…どうやって行く?」

    アルミン「そうだね…」

    ミーナ「自転車とか絶対にやだよ!」

    アルミン「大丈夫…僕も嫌だから」



    ミーナのそんな可愛い発言を聞いて
    笑ってしまう

    ミーナも笑ってくれる
    そんな時間が楽しくて仕方ない




    アルミン「そうだね…バスで行こ?」

    ミーナ「あるかな?」

    アルミン「とりあえず…調べよ?」

    ミーナ「うん!」



    向こうに言ったらゲーセンとか
    そう言った遊ぶ場所はないけど…


    ミーナも僕もやっぱり

    気になるんだよね

    そんな優しいミーナを僕は

    きっと好きになったんだと思う



    アルミン「ちょっと待ってね」

    ミーナ「待ってるよ!ずっと!」



    ずっと…その言葉で少しだけ
    ドキッとしてしまって

    手に持ってるスマホの画面より
    ミーナを見つめたくなった…
  166. 166 : : 2014/02/28(金) 21:26:10
    ウォォォォォッォオ!流石だあぁぁぁあ
  167. 167 : : 2014/02/28(金) 22:20:17



    エレン「いやあ。ナナバさん、流石だったな。」

    アニ「演劇始めて間もないあんたも、ナナバさんのすごさが分かるんだ。」

    エレン「し、失礼だなあ!分かるよ!」




    2人で笑いながら、演技場を後にする。

    携帯をチェックすると、アルミンから連絡が入っていた。



    エレン「…!!」

    アニ「どうしたの?驚いた顔して。」

    エレン「アルミンとミーナのやつ、夏休みだからって旅行でここの近くに来るらしいぜ。」

    アニ「…ったく、あの2人。よほど私たちのことが大好きみたいだね。」


    そう言いながらも、アニはなんだか嬉しそうに見える。

    俺はアルミンに返信すると、アニの後を追った。










    ???「すっごぉ〜い!どうやったらぁ、ナナバさんみたいに素敵な女優さんになれるんですかぁ?」


    やけに鼻にかかる声が聞こえてそちらに目をやると、ナナバさんに誰かが話しかけている。

    熱っぽい目をナナバさんに向けて、カールかかったセミロングの髪をしきりに触っている。

    …ヒッチだ。


    去年彼女は控えで、私は役を貰えた。

    その頃から私のことを目の敵にしていて、なにかと張り合ってくる。

    …今年もきっと、あの役を狙ってくるんだろうな。



    ヒッチと目が合うと、彼女は私にニヤリと笑って隣のナナバさんに言った。


    ヒッチ「わたしぃ、今年は主役を狙おうと思ってるんですぅ。だからナナバさん、ご指導よろしくお願いしますねっ!」


    そういうとまたこちらに視線を向けて、去って行った。



    これは、宣戦布告ととっていいのかしら。

    …まあ、受けて立つけどね。



    エレン「わりぃ!待たせたな…って、アニ?」

    アニ「…なんでもない、早く調理場に行こう。カレー作りが始まっちゃう。」


    不思議そうなエレンを引っ張って、私はその場を立ち去った。





    >>店員さん、お次お願いします☻!



  168. 168 : : 2014/02/28(金) 23:02:52
    88様、ゆき様、応援ありがとうございます!身に余るほどの光栄でございます>_<
    まさかの楽譜渡されてから一週間という期間でやらなければならなくてですね…けれども頑張って伴奏やりとげます!
    皆様の続き楽しみで仕方ないです♪
  169. 169 : : 2014/02/28(金) 23:19:10
    続き楽しみだなぁ
  170. 170 : : 2014/02/28(金) 23:27:22
    ゲルガー「さあ、調理班は行きな!」

    アニ「ふふ、あんたも調理班でよかったね」

    エレン「どういうことだ?」

    アニ「恒例行事なんだ、始まるよ?」

    ゲルガー「よし、一人ずつ、外郎売りの暗唱始めるぞ!俺も鬼じゃねぇ、20分暗記の時間をやろう!始めるぞ!」

    ー外郎売り?

    初めて聞く単語に、思わずアニに返答を求める。

    アニ「昔の行商の謳い文句だよ。舞台で通る腹式発声作りと滑舌作りの定番さ」

    そう言ってアニは、真剣な眼差しを向ける。

    懸命に芋の皮を剥きながら、耳を傾けていると、暗唱が始まった。

    マルコ「拙者、親方と申すは…」

    なるほどな。喉薬としてのハッカの効き目を、その口でよどみなく証明するのか。

    マルコ「さて、この薬、第一の奇妙には、 舌のまわることが、銭ゴマがはだしで逃げる。 ひょっとしたがまわり出すと、矢も盾もたまらぬじゃ。そりゃそら、そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ。…」

    …え?

    アニ「手が止まってるよ?」

    クスクスと笑うアニがいたずらっぽく俺を見る。

    マルコ「…京のなま鱈奈良なま学鰹、ちょと四、五貫目、 お茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ、茶立ちょ、 青竹茶せんでお茶ちゃと立ちゃ。 来るは来るは何が来る、高野の山のおこけら小僧。 狸百匹、箸百膳、天目百杯、棒八百本。 武具、馬具、ぶぐ、ばぐ、三ぶぐばぐ、合わせて武具、馬具、六ぶぐばぐ。 」


    今回ばかりはアニにばかり気を向けていられなかった。とんでもない文章を、暗記、暗唱。それをよどみなくするマルコは流石なのか…それともみんな出来るのか…。

    よほど俺の顔が不安に満ちていたのだろう。救いの一言が降ってきた。


    「大丈夫、マルコがちゃんとしてるだけでほとんどの奴は言えないよ。でも、言えるに越したことはないし、あんたがやる気なら…付き合うよ」

    顔を上げると、いつもより、幾分柔らかい表情をしたアニがいた。



    ふふ…エレンが真剣に、演劇の世界を知ろうとしてくれている。こんなに嬉しいことがあるだろうか。

    ーあなたなら大丈夫。私も一緒に頑張るからね。


    鍋からは香ばしいタマネギの香り。さあ、私たちも仕事をしなきゃ。



    …結局、カレーができるまでに暗唱できたのは六人、合格はマルコ一人。

    ナナバ「私たちの時も少なかったけど…一人は恥ずかしいなぁ、今日のご飯はお情けだね」

    笑ってはいるけれど、きっと呆れているのだろう。整った顔立ちから複雑な心境が伺えた。

    ヒッチ「せんばぁい、私、何がダメなんですかぁ?」グスッ

    いかにもな涙を浮かべ、先輩に意見を求めるヒッチ。確かに暗唱自体はできていたみたいだ。


    ナナバ「そうだね、アニ、暗唱してごらん?」

    アニ「…え?」

    いきなり振られたアニは、いささか驚いているようだったが…さすがの対応だ。

    アニ「はい。」スクッ…

    そう言って諳んじ始めた彼女の暗唱。

    俺は…きっと俳優、エレン・イェーガーとして、生涯女優アニ・レオンハートを追いかけることになる。

    そう断言できる、見事なものだった。

    ナナバ「わかる?あなたは読むための外郎売り。でも、アニは売るための外郎売り。同じ言葉でも、全くの別物なの」

    マルコ「ナナバ先輩、アニの事、なぜ知っていたんですか?」

    ナナバ「ああ、去年の発表を見てたから…。アニなら間違いなく、これくらいのレベルにいると思ってたの。」

    何故か自分のことのように誇らしくなった俺の顔は、誰から見てもにやけていただろう。


    そして、もう一人の当事者は、これでもかというほどの鋭い視線を、彼女に向けていた。
  171. 171 : : 2014/02/28(金) 23:47:11
    Aniっちさん、よろしくお願いします( ̄▽ ̄)
  172. 172 : : 2014/03/01(土) 21:36:20
    食事が終わり、各々が荷物の整理や明日へ向けての練習をしている。もちろんアニもだ。


    俺はあの外部売り、とかいうもののせいで頭がパンクしそうだった。情けねぇ…



    気分を変えるために俺は外へ向かった。


    「やっぱり暑いな…」


    山頂といえどやはり暑いものは暑い

    俺はそこから少し遠ざかり明けた場所にでた。



    おっ、ここ練習に良さそうだ!


    時間があるときはここで自主連するのもいいかもな



    俺…あんなの覚えられるかな?…




    正直自信がない…


    小さい頃から運動は得意だった、だから体力は問題ないと思う。

    けど、勉強の方は…ちょっと、な…





    「あんたそこでなーにしてんの?」



    この声と、しゃべり方は覚えている。



    「ただの気分だけど」


    一人になりたい気分だったから少し冷たげに言った。



    そう、といいつつちょっと離れた場所に座った


    一人にしてくれよ、と内心思ったが口には出さなかった


    「あんたさぁ、私の練習相手になってくんない?」


    「何の?」


    「あのほら、外部売り」

    「あんたも覚えられてないでしょ」


    「失礼だな、まぁ確かにそうだけど…」


    「じゃ、決定ね!また明日ここに来てね!よろしくぅ」


    と、だけ言い残し彼女は戻っていった。


    確かに練習は必要だ、アニもほぼ言えてたしな…


    早くアニに追い付きたい。改めてそう思った。



    明日から本格的な練習が始まるのか…頑張ろう!


    そう強く誓い、俺は部屋と戻った。
  173. 173 : : 2014/03/01(土) 23:27:03
    部屋へ戻った俺は
    布団に横になり、
    しばらく考えた



    エレン「・・・」



    俺は常々思う...
    たいして上手くもないくせに
    アニに追いつくなんて...いや、
    こんなの通過点だ!
    俺は上手くなって絶対に...!
    ........絶対に...なんだろう
    俺はアニに追いついた後は
    どうする気でいたんだろう...
    たしかにアニとの共演という
    夢はある、だがその後の、
    共演してプロになった後には
    なにをする?
    そんな考えが不意に
    頭のなかに過る





    エレン「プロという夢はある...」


    エレン「考えても仕方ないか...とりあえず今は外部売りを完璧にしないと!」




    気づけば俺は
    とてもさっきまで考え事を
    していたのかと思うくらい
    深い眠りについた

  174. 174 : : 2014/03/02(日) 13:23:10

    「ふぅ・・・。」

    水で濡らしたタオルで顔を拭く。

    本格的な練習は明日から。



    だけど、あのナナバさんが参加してくださっていること。

    マルコを始め部員の士気が高いこともあり、自然と寝る前の稽古に身が入る。


    それに・・・

    初めて外部売りを見たエレンの驚きの表情。


    外部売りを諳んじた私がナナバさんから褒められるのを見たエレンの嬉しそうな顔。


    無理やり私が演劇の世界に誘った形になったけど・・・。


    あいつと・・・エレンと一緒に合宿に来れて良かった。



    タオルで両頬を抑えながら微笑む。

    顔が火照っているから、冷たいタオルが心地よい。



    でも、そういえば・・・

    はたと気づく。


    夕食後からエレンの姿を見ていない。


    自分の稽古に意識が向かっていたというのもあるが・・・。

    どこに行ったのだろう。


    辺りを見渡す。




    「・・・。」

    嫌な奴を見てしまった。


    蛇のような笑みを浮かべたヒッチが私の後ろに立っていた。



    「あんたでも、そんな笑顔見せるんだ。」


    「・・・。」


    「外部売りの暗唱。流石じゃん?」


    「・・・。」


    「ナナバ先輩もほめてくれていたし、さぞ誇らしいだろうね。」



    「・・・。」

    「・・・あんた、何しにきたの。」



    「別にぃ?ちょっと涼みにきただけぇ。」



    何をニタニタ笑っているのか。

    気持ち悪い・・・。


    「特に用がないなら先に帰るよ。」


    そう言ってヒッチの横を通り過ぎようとする。



    「・・・エレンっていうんだっけ?あの演劇のド素人みたいな奴。」


    ピタッ


    立ち止まって、ほんのわずかに顔をヒッチの方に向ける。


    「演劇のイロハどころか、有名な作品すら知らなそうだよね。

    一体誰が連れてきたんだろうね?」


    怒りの目をヒッチに向ける。

    「でもさぁ、意識だけは高いよね。それに・・・」


    口元が緩む。


    「顔だって悪くないし。私は結構、好みだなぁ。」


    「・・・。」


    私は思わず俯く。



    「私もさぁ、外部売り得意じゃないからさ。でも、あんたに負けたくないから、さっきまで二人っきりで練習してきたんだよ。」


    「明日の約束もとりつけちゃった。」


    「私と練習している時のエレン、すごく楽しそうに笑っていたし。」



    エレンの笑顔・・・

    胸が・・・痛くなる。



    「今年の合宿は楽しいことになりそうだね。」


    ひとしきり喋った後に、ヒッチはほくそ笑んだ。


    ・・・私は、何も言わずに立ち去った。



    「アニぃ。お・や・す・み。」


    背中に浴びせられた言葉。


    私には魔女の呪文のように思えた。


    ・・・


    ・・・



    ピピピピピ


    チチチチチ



    合宿初日の朝を迎える。


    今日から本格的な合宿が始まる。


    そう思うと自然と気持ちが引き締まる。



    顔を洗いに廊下に出る。


    すると金色の長い髪をおろした、背の小さい女の子がトボトボ歩いている。


    思わず顔がほころぶ。


    アニ!


    そう声掛けようとした時だった。
  175. 175 : : 2014/03/02(日) 22:53:03
    「エレンく〜ん、おはよ〜♪」

    声のする方を見ると愛想の良い笑顔で手を振る少し天然のパーマがかかった髪の女の子が立っていた
    その女の子は、演劇部男子にウケがいい(ようなことをベルトルトから聞いた)たしか…ヒッチという名前の女の子だった

    「あ、あぁ、おはよう…えっとヒッチだったよな?」

    「んっもー、ひっどいな〜」

    「エレン君が入ってそろそろ4ヶ月ぐらい経つよね?」

    「あ、あぁ」

    「それなら、『だったよな?』じゃなくて、きちんと名前、覚えててほしいな〜」

    「わ、悪い…」

    「まあ、一度も喋ったことないからしょうがないか」

    頬を膨らませながら近づいてきた女の子は、俺の目の前にくると可愛らしい仕草で微笑みながら指で胸をつついてきた

    「それより、俺に何か用か?」

    「用がないと挨拶しちゃいけないの?」

    ヒッチは、唇を尖らせながらそう言う

    「わ、悪い…初めて話かけられたから何か用があるのかと思ったんだ」

    「まあ、用は、あるんだけどね〜」

    しどろもどろしている俺を尻目に悪戯する子供のように笑ったヒッチは、そう言った

    「あるのかよ!」

    思わずツッコミをいれてしまった

    「アハハ、良いツッコミだね〜♪」

    「お、おう…ハハ、お前面白いな」

    二人の笑い声が朝の廊下に響いた

    「それで、用って何だ?」



    中途半端ですが次、お願いします( ´ ▽ ` )ノ
  176. 176 : : 2014/03/02(日) 23:05:45
    submarineさんとヒッチに対する表現は、違いますがアニとエレンの視点の違いを出したかったからです。
    今回、話があまり進んでませんが次の人よろしくです。
  177. 177 : : 2014/03/02(日) 23:41:51


    ミーナ「やっとついたねー!」


    ミーナ「カレー作りに間に合わなかったのは残念だったけど…」



    アルミン「ははは…無茶言わないでよ、しかもそれ昨日の夜じゃ」



    ミーナ「冗談、冗談!」


    ミーナ「ささ、さっさと合流しよ?」




    アルミン「それもいいけど、ちょっと待って」


    アルミン「長距離移動で疲れちゃったし…温泉入ろっか」



    そう言いながら振り返る


    と、そこにはタイミング悪くも



    エレン「!アルミン、それにミーナ…今着いたのか?」



    アルミン「…………。」


     エレン、空気読んでよ…



    エレン「て言うかここまで付いて来るか?」


    エレン「バスは2本しかねえだろ…」



    ミーナ「うん、バスが来なくて2時間も待ったんだから」



    アルミン「時刻表と1時間50分もずれてたからね」


     途中まですごい渋滞だったよ、ほんと



    ミーナ「それはそうと…アニは?」



    エレン「今は………」



    次々と脳裏をよぎる言葉の数に迷い


    押し黙る



     なんて言ったらいいんだよ…


    エレン「それより…さ、せっかく来たことだし」


    エレン「そうだ、温泉入れよ!な、アルミン」


    エレン「ミーナもそんなに時間かかったなら疲れただろ?」


     俺は、ずるいな


     楽な道に逃げて…



    アルミン「できれば…せっかくだしアニに会いたいけど」


    アルミン「エレンの言う通り疲れてることだし、お言葉に甘えようかな」



    ミーナ「そうだね、行こー!」チラ


     …なにかあったんだろうけど、ここは黙るべきかな


     アルミンも気付いてるだろうし、合わせた方が良さそう


     だけどエレン、アニを泣かせるようなことをしたら…私が怒っちゃうからね



    エレン「ああ」


     付き合いの長いお前らのことだ


     お見通しなんだろうけど


     …今回は助け船は出さないでくれ


    エレン「俺がケジメつけなきゃいけないことだから…」ボソ


     こんなんで練習に身が入るかな


     いや、きっとアニだって同じだ


     だったら、俺がさっさと解決してやんないとな…


    ーーーーー
    ーーー



    ナナバ「はい、今日はいきなりロミオとジュリエットを練習するわけではなく…」


    ナナバ「愛しの人に浮気相手がいた、と言う設定で演技をしてもらうね」



    アニ「!」ドキッ



    ナナバ「まぁ…昨日外部売りで優秀だった二人が主演でやってもらうのが妥当かな」



    アニ「は、はい!」



    反射的に勢い良く返事をする



     複雑な心境


     マルコが相手…と言うのもそうだけど


     今の状況が私にとっては…大袈裟だけど、似てるから…かな


    アニ「はぁ…」


     エレンは今頃ヒッチと外部売り練習か…


     気まずいから、ちょうど良かったって言ったらなんだけど


     やっぱり寂しい


    アニ「なんであんなこと、言っちゃったんだろ」ハァ


     嫌われたかなぁ…






    >>次へ
  178. 178 : : 2014/03/03(月) 16:57:45
    こんな大勢の人が参加して、ストーリーの展開が纏まってるってすごいですね
    普段は全然違う作風のものを書いていて慣れない人もいるだろうに、違和感がほとんどないです
    続き楽しみに待ってます
  179. 179 : : 2014/03/03(月) 17:12:53
    あ、次俺か。頑張りますw
  180. 180 : : 2014/03/03(月) 19:09:30
    >>168 えりさん

    いつも応援のコメント、ありがとうございます!
    ピアノの演奏の方、上手にこなせるようになりましたでしょうか?
    これからも皆様の更新、楽しみにして下さいね!

    >>178 プッチンプリンさん

    ホントに皆さんいろいろな作品を書いてらっしゃるのにまとまりが出ていて凄いですよね!
    しかしその中にもちゃんと個性は出ているのでそれも見比べてみてください♪
    私も周りに合わせられるような書き方をしっかりと勉強しないと、です!ヽ(*`ェ´*)ノ
  181. 181 : : 2014/03/03(月) 19:11:43
    凄い進んでた!?

    皆さんお上手だから作品全体に纏まりがつくのかな?
    頑張って下さい!!
  182. 182 : : 2014/03/03(月) 22:52:36
    エレン「あいつまだかな…」

    約束通り来てみたが、やはり早すぎたか?

    ……そういえばアニ…怒ってたな…

    次あったらなんて言えばいいんだよ…

    エレン「アニの気持ちも考えずに勝手に行動してごめん!」

    とかか?

    「なにがアニだって?」

    エレン「っ!?」クルッ

    声に気付き振り返ると、そこには不気味な笑みを浮かべた…

    なんだっけ……そうヒッチだったな…

    エレン「なんでもねぇよ…」

    ヒッチ「ふ~ん」ニヤニヤ

    なんだよ…その笑顔…

    言いたいことがあるなら言えよ!!…俺が言えてないんだけどな…

    エレン「とりあえず練習始めるぞ」

    ま、練習しながら考えるとするか…

    >>次へ
  183. 183 : : 2014/03/03(月) 22:53:31
    短い&駄文ですみません!時間がないのでこうさせていただきました!

    次はがんばります!
  184. 184 : : 2014/03/05(水) 00:43:55


    合宿2日目の稽古場

    私の頭の中は、今朝の出来事で支配されていた


    ――――――――
    ――――
    ――


    「…はぁ」


    朝から溜息

    私は一晩中、昨晩のこの子の言葉が呪いのように心に刺さっていた

    そんな私の足取りは重く、『とぼとぼ』と形容するに相応《ふさわ》しかっただろうね

    アンタは、そんな私の隙《すき》を見逃せなかったんだね

    今…アンタにだけは会いたくなかった


    「アハハ、良いツッコミだね~♪」

    「お、おう…ハハ、お前面白いな。それで、用って何だ?」


    何も知らないアンタも朝から良い声だね…それを演技でやりなっていうんだよ…はぁ

    演技が下手な事へのあてつけのつもりで、心の中で呟《つぶや》いてみる…小さいね、私


    「ほら、昨日の夜に言ったでしょぉ?一緒に練習しようって!」

    「この後の自由練習で、“昨日のあの場所”に“2人”で行こうって言ってるのさ?」


    わざとらしく、こちらへ視線を送るあの子

    その表情は、煽情《せんじょう》の表れ

    でも、この時の私は冷静じゃなかった

    募る不安と苛つきをどこかにぶつけたくて…でも、最も向けたらダメな方向へ向けていた


    「そうだ!アニも俺達と一緒に…」


    そんな…私の気持ちに気付いてくれないこいつに向けて…言葉は既に放たれていた


    「なんだ。下手な者同士、ちょうどいいじゃないか」

    「精々、ついて来られるように、練習でも何でも勝手に“2人で”すれば?」


    あの子だけへの…あてつけのつもりだったのに…私は…刃の向ける向きを間違えた


    「アニ…お前、何言っているんだよ!俺だって、ずっと頑張ってきて…」

    「ふんっ、役を獲れなければ…何の意味もないさ」

    「あんた…ふっ」


    そんなエレンの言葉まで否定して…本当に何をしてしまったんだろうね…私

    ヒッチ…アンタのその表面上の悔しそうな顔…その奥に潜《ひそ》む表情が私には分かる

    分かっていても…もうどうする事も出来なかった…私は…アンタに負けた


    「アニ…ちょっと待ってくれよ!」

    「…知らないね。アンタなんて」


    私は耐えきれず、その場を後にした

    端から見れば、役者上での勝者と敗者

    だけど…本当に負けたのは…私の方

    なんで…こうなったんだろう――――


    ――
    ――――
    ――――――――


    こうやって、今朝の会話を何度も思い出す

    あれから時間は1時間程度しか経っていないのに、後悔の念は積もるばかり――――




    それにしても、今回の稽古の設定…思わず心の中で驚いたよ

    反射的に声が上ずってしまったのも…仕方のない事さ

    愛しの人…浮気…エレン…

    私の心は…正体の掴めない靄《もや》に掛かっていた

  185. 185 : : 2014/03/05(水) 00:44:25

    「それじゃあ、アニ、マルコ。役を演じて?」

    「…はい」

    「はい!」


    ナナバさんの指導の元、私達の稽古が始まった

    マルコの気迫のこもった返事とは裏腹に、私は小さく返事をして頷くのみ

    今、あいつ…“あの子”と練習しているんだろうね…もやもやする


    『君はどうして僕を裏切ったんだい?』

    『私は貴方を騙したわけじゃない…ただ…ただ…はぁ』

    「...?」


    また、言葉が詰まってしまった…今日で何回目だろう?


    「…どうしたの、アニ?昨日と全く出来が違うじゃない」

    「体調でも悪いのかい?」

    「…すみません」


    集中できていない…ずっとミスを繰り返している…折角のナナバさんの指導なのに

    マルコもそんな私の様子を見て、訝《いぶか》しく思って心配しているんだろうね



    「ほら、役を獲るんでしょ?しっかりしなよ!」

    「…はい」

    「時間は限られているんだよ?なら、やる事やらなきゃね!」


    2人は私の心情を知ってか知らずか、励ましの言葉を掛けてくれる…けど…私は――――




    へっへっへ…あの娘…ざまぁみろってんだ

    どうせ今頃は、ろくに集中できずにミスを重ねてる頃だろうね…いい気味さ

    去年、私から役を掠め取った屈辱…忘れていないんだからね?


    「…さて、この薬、第一の奇妙には…だめだ。また忘れちまった」

    「ほらほら、しっかり?その後の言葉はさ…」


    …さて、私はこの馬鹿をどう料理してやろうか

    私は暫くの間は、懇切丁寧に協力するふりして、落とす所でとことん落とす準備を――――




    …何、やってるんだよ、俺

    この合宿が終わったら、役割も決まっちまうっていうのに…時間が無いんだ

    ずっともやもやが心から離れねぇ…けど、それを振り払う方法も分からねぇ


    「…京のなま鱈奈良なま学鰹…くそっ、またかっ!」

    「落ち着きなよぉ。苛ついても覚えられないって」


    思わず地面に拳をぶつけた

    そんな苛ついた俺を見て不敵な笑みを浮かべるこいつ

    その真意に気付けるはずもなく、午前が過ぎていった――――




    午後の稽古は、全員での発声練習

    偶にあいつと目が合うも、どちらからともなく、その視線を逸らす

    …その度に、私の心に棘《とげ》が刺さった

    その棘を…不安を振り払う為に、今日1日で何回、この頭を振っただろうね

    午後の練習も…過ぎてしまった――――



    …2日目の今日は…全然ダメだった

    夜。旅館の部屋で、俺は1人考えていた

    1秒たりとも無駄に出来ないこの状況下…俺は決断した

    アニの気持ちを察せなかった俺の過《あやま》ちだ

    今朝の誤解を解く為に、俺は彼女の元へ向かった

    きっと彼女は、あそこにいる――――

  186. 186 : : 2014/03/05(水) 00:57:58


    To ゆきさん

  187. 187 : : 2014/03/05(水) 22:01:39
    いえいえ!こう、応援のコメントをすることしか私にはできませんが、喜んで頂けて本当に嬉しいです(*^^*) ピアノは、はい!うまくいきました!気にかけてもらって、ありがとうございます(≧∇≦)もちろんですとも!これからも楽しみにしていますっ!(`_´)ゞ
  188. 188 : : 2014/03/06(木) 06:53:13
    >>181 朧月さん

    応援、ありがとうございます♪
    そうですねぇ、皆さん実力のある方々ばかりだと思いますので!
    これからもっといい作品になっていくと思いますね!
    私も一緒に書くのも、読ませて頂くのもとても楽しいですよ〜(๑′ᴗ‵๑)

    >>187 えりさん

    応援のコメント程嬉しいものはないですよ!
    皆さんも同じ気持ちだと思います(。ゝ∀・)b
    ピアノの演奏、よかったですね!
    これからも頑張ってくださいね!
    私達も読者の方々に喜んで頂けるよう頑張りますので٩(◦`꒳´◦)۶

    さて、私の番ですね(汗)
    足を引っ張らないよう頑張ります!><;
  189. 189 : : 2014/03/06(木) 06:53:24

    俺は静まり返った廊下を一人、歩いていた。


    昼間に通った時はここまでみんなの元気な声が聞こえてきたが、今はその名残すら無い程に静けさに満ちている。



    ――― けど。


    間違いなくこの先にアニはいる。






    午後の発声練習の時、俺は何度もアニの事を目で追っていた。


    あいつは練習中もずっと浮かない顔をしていた。




    その表情が悲しみからなのか、怒りからなのかは未だに分からないが、

    ただ、あの様子からアニが稽古に打ち込めていなかったという事だけは分かった。






    昨日、憧れの先輩を目の前にして目を輝かせていたアニ。



    アルミンとミーナの二人が遊びに来ると知って、密かに嬉しそうにしていたアニ。



    外郎売りのお披露目に目を丸くしていた俺に、優しく微笑んでくれていたアニ。




    そんなお前があんなにつまらなそうにしているのを目の当たりにして、鈍感でいられる程俺は馬鹿じゃない。

    少なくとも原因の一端は俺にあるんだろう。




    そしてもう一つ理由があるとすればやはりあのヒッチの事だろう。



    昨日から今日の正午にかけての時間、ヒッチと行動を共にしてみてある事を思い出した。


    昨日、アルミンへメールを返した後にアニが見つめていた先・・・

    その時は気づかなかったが、その先にあったのが確かあいつのカールのかかった薄茶色の後ろ髪だった。


    もしかすると、あの二人の間には何か【深い因縁】のようなものがあるのかもしれないな・・・







    ――― そうこうしている内に、俺は目的の場所の前まで来た。



    目的の場所・・・

    それは稽古場として利用させてもらっているこの大広間だ。



    両開きの大きな扉に俺は手を掛ける。

    まるで俺を威圧するかのように重みを帯びたその扉を、力を込めてそっと開く。




    少し開けた隙間から、闇に包まれた空間にほんの少しの明かりが点いているのが見えた。


    そして聞き覚えのある声が、中から聞こえてくる。




    俺は確信した、







    ――― やっぱりアニはここにいる。




    俺は最小限のスペースを開け、気付かれないように中へと入る。
  190. 190 : : 2014/03/06(木) 06:54:23

    暗い部屋の中。

    ステージの照明だけが儚げな彼女の横顔を照らす。


    まるで舞台上で自身にスポットライトが当たっているかのように、一人で稽古を続けているアニ。





    いつだったか。

    夏休み前に俺のせいで気まずい思いをさせてしまった時も、

    アニはああして一人になれる場所でトレーニングをしていたのを覚えている。



    ただ、いま彼女がしているのはあの時のような発声練習ではなく、本格的な演技の練習だった。

    演じているのはもちろん秋のコンクールに向けた『ロミオとジュリエット』。


    その中でも有名なワンシーンに差し掛かるところだった。










    ――― ここから先は大人達の時間、私はもう眠るわ。




    ――― お願い、お母様にはばあやから伝えておいて。




    ――― ええ、お休みばあや。









    台本を片手に、必死にジュリエットになりきるアニ。


    静かな空間に、透き通るような彼女の声が響き渡る。


    声も感情も押し殺しているいつものアニの姿はそこに無かった。


    何かを振り払うかのような、熱の入ったアニの演技。


    俺は思わず息を飲んで見守る・・・






    そのひとつひとつの台詞に。



    一挙手一投足に。



    俺は先程まで抱いていた焦燥感をも忘れて、ただただ目を奪われる。





    そして次に込み上げてくるのは先程とは違った意味での焦り。




    追いかけようとしている女性(ヒト)はすぐそこにいるのに、

    その舞台上で肩を並べるにはあまりにも遠過ぎる存在である・・・



    そんな風に思わずにはいられなかった。










    ――― ロミオ・・・


    ――― ロミオ・・・


    ――― あなたはどうしてロミオなの?






    役になりきり、悲痛にも似た声で愛しい人の名前を呼び掛ける。


    心の底から、素晴らしい演技だと思った。





    ――― けれど俺はその表情から、


    『演技以上に、何か心に留めている想いがあるのではないか』


    ・・・と、そう感じていた。





    その正体を知る為に。



    アニの気持ちを晴らす為に。





    ――― 俺はここに来たんだ。
  191. 191 : : 2014/03/06(木) 06:55:38

    ・・・だけれど。


    切り出すタイミングというのは中々に難しい。



    それはいつかのように俺が弱気になっているからではなく、

    アニの熱の入った演技を目の当たりにしているからだ。


    そして俺自身、その演技に魅了された観客の一人になってしまっているという事だ。




    早くアニの誤解を解きたいと焦る気持ちとは裏腹に、永遠に彼女の演技を見続けていたいと熱望する気持ちも本当だ。


    そんな矛盾した気持ちに支配され、すっかり動けないでいる。




    やがて暗がりに向けて伸ばされていたスラリとしたアニの片腕が、ゆっくりと降ろされる。


    一瞬、何か思い詰めるような顔をしたかと思えば、アニはまた直ぐに台本を手に取り次の演技に移る。


    俺も釣られるようにして部屋の脇に置きっ放しにされた台本を手に取る。

    暗がりの中、ステージの照明だけを頼りにアニが演じている場面を探す。








    ――― さっき私に語りかけた優しい言葉・・・


    ――― あの愛の台詞が本当なら、名前はロミオでもいい・・・


    ――― せめてモンタギューという肩書きを捨てて・・・










    パラパラッ...




    『第二幕:キャピュレット家、裏庭のバルコニーのシーン』


    ・・・多分ここらへんだな。


    目的のページまであと一息、というところだろう。







    パラッ...





    アニ「誰っ!そこに居るのは!」






    ――― ビクッ!


    いきなり大きな声を浴びせられ、思わず台本を手から落とす。

    それはバサバサと音を立てて床に広がった。


    俺は慌てて掻き集める。






    アニ「えっ・・・?」

    アニ「だ、誰かいるの・・・?」



    一方アニは、予想外の反応をしていた。






    ――― 『誰かいるの?』って。


    お前は俺がいるのを知ってて叫んだんじゃ・・・?






    そう思った俺だったが。



    広がった台本、

    照明にぼんやりと照らされたその1ページに答えは書いていた。







    『ジュリエット:誰!そこに居るのは。』







    かくして、


    俺とアニはジュリエットの導きによって、月夜の密会を果たす事ができたようだ。






    >>次へ
  192. 192 : : 2014/03/06(木) 07:25:22
    うわー面白い
    皆さんの描写がすごく丁寧なのでイメージしやすいですね
    1人で黙々とトレーニングするアニと、ニタニタ笑う悪役っぽいヒッチの対比も素敵です
    あーもう早く続きが読みたいです(笑)

  193. 193 : : 2014/03/06(木) 08:41:08
    「誰!?そこにいるのは!?」
    アニの緊迫感のある台詞回し

    辺りが静寂に包まれる―


    小さなスポットライトに照らされたアニの口が、繊細に言葉を紡ぎだす


    「風のいたずら、おどかさないで

    今夜は月があんなに綺麗

    でも月の女神、あなたは残酷…

    人の運命をもてあそんで、こんなひどい演出をほどこして…」


    アニの引き込まれるような、ジュリエットの切ない言葉の連なり

    台本とアニの姿とを交互に視線で追いながら、息をのむ


    「私は何だか魂が抜けたようになって…馬鹿みたい、一人でバルコニーから、あなたに話し掛けている」


    ため息にも似た吐息が、アニの…ジュリエットの口からもれる
    その吐息に弾かれる様に、俺は台本を硬く握りしめた

    「お休みなさい、月の女神セレーネー。
    私の願いを気まぐれに聞いてくれるなら、どうかロミオをここに連れてきて…」


    アニが踵を返し、俺に背中を見せたその瞬間…


    「ジュリエット、待ってくれ!!」

    俺は舞台の真下まで駆け寄り、叫んだ


    「…誰っ!!」

    アニが振り返る

    まるで、ステージのスポットライトが月明かりのように…

    月夜の密会が、ここに再現されようとしていた―


    「話があるんだ!部屋には戻らないで!」


    俺は台本を頭に思い浮かべながら、懸命に言葉を発した

    アニは俺に視線を向けて、フッと笑みを漏らす

    「ロミオ…その台詞は、そんなに力を入れて言っては駄目だよ。ふふ…」

    ステージの月明かりに照らされて、アニはまさに月夜のセレーネーの様に、静かな艶やかな表情を見せた

    そして、俺にしなやかでほっそりした腕を伸ばす

    「ロミオ、こっちへおいで?」

    俺は弾かれる様に、その手をとった



    「アニ…練習の邪魔をしてすまん」

    俺はステージの上で、アニに頭を下げた
    そんな俺の言葉に、アニは首を傾げる

    「別に、邪魔なんかじゃないよ」

    ふうっと息を漏らし、その場に腰を下ろすアニ

    俺も隣に腰を下ろした

    アニが台本に視線を這わせている

    その横顔は、本当に月の女神の様に幻想的なまでに繊細で、美しかった


    「アニ、話があるんだ」

    俺は真摯な視線をアニに向けた

    「ああ、さっきあんた言ったもんね…話があるんだ!!部屋には戻らないで!ってね」

    ふふふ、と艶やかに笑ったアニ

    「やっぱり下手か…」

    がっくり肩を落とし、俯いた俺の背中を、ぽんと叩くアニ

    「当たり前だろ、いきなり出来るような場面じゃないんだ。まだまだ練習しなくちゃね」

    アニはまた、ぽんぽんと背中を叩いた

    「…俺は、間に合うかな。俺は…ロミオがやりたいんだ、アニ」

    俺は、熱の籠った眼差しをアニに向けた

    アニは、優しげなブルーの瞳を俺に向ける

    「間に合うさ。わたしも、負けないから…絶対に」

    そのアニの表情は、決意に満ち溢れていた

    俺は、そのアニの表情に引き込まれるかのように、顔を近づける


    アニは驚いた様に、瞳を大きく見開いたが、やがてゆっくり閉じられた

    ほんの一瞬だけ、アニの唇に、自分の唇を重ねた

  194. 194 : : 2014/03/06(木) 22:36:33

    エレン「……!!!」バッ!


    アニ「……」フイッ



    お……俺は今、何をした?
    アニと、また……“キス”したのか?



    エレン「あ……えっと、その…ご、ごm」
    アニ「謝らないで」


    エレン「……え?」


    アニ「謝らなくて……いいから」



    アニは俺の方を見ることなく、
    自分の意思を伝えてくる。



    アニ「……」


    エレン「………」



    稽古場の中は、静寂に包まれた。
    しかし、何も聞こえないわけじゃない。
    その元凶は、俺の心臓。
    ドックドックと荒々しく、その運動をより活発にしていく。
    それと連動し、俺が頬を紅潮させているのは言うまでもない。



    エレン「……」



    さっきの俺の行動を引き金に、アニとの間に妙な空気が生まれた。
    アニも、その雰囲気を感じ取ったのか、俯いたまま俺の顔を見ようとはしない。



    エレン「……あ、アニ?」


    アニ「…なに?」


    エレン「俺、ちょっと水飲んでくる」


    アニ「……うん」



    俺は耐えきれず、のどの渇きを理由に稽古場の出入り口へ向かう。
    勢いを増した血流のせいで火照った体を水で冷やすのにもいいかもしれない。
    そんなことを考えつつ、ドアに手をかける。



    アニ「エレン!!」



    刹那、アニの透き通った声が稽古場の中を反響する。



    エレン「な、なんだ?」


    アニ「……私も行く」



    そう言って立ち上がり、こっちに歩いてきた。
    アニはそばまで来るとドアを開け、
    足早に水飲み場を目指している。
    俺はその速度に合わせて、隣を歩く。













    アニ「………」スタスタスタ‥



    胸騒ぎがした。
    また、エレンが遠くに行ってしまうような、嫌な感じ。



    アニ「(……キス、したんだよね)」



    ───嬉しかった。


    朝に広げてしまったエレンとの距離を無くすことができた気がしたから。
    近くに、あなたを感じられたから。


    だから、謝られたくなかった。
    私の気持ちを、言葉にはできなくても、分かってほしかったから。



    ヒッチ「あ、エレンく~ん!」タッタッタ


    アニ「!!」



    暗い通路をヒッチが走ってくる。
    高くなっていた体温が徐々に下がっていくのを感じる。



    エレン「……ヒッチ?」


    ヒッチ「あれぇ?どうしてアニがエレンくんと一緒にいるの?」


    アニ「………」


    エレン「それは俺が」
    ヒッチ『下手な者同士、ちょうどいいじゃないか』


    アニ「!!?」


    ヒッチ『精々、ついて来られるように、練習でも何でも勝手に“2人で”すれば?』



    ヒッチは私が朝2人に向けて言い放ったことを復唱してくる。
    私は朝の自分の言葉を鮮明に思い出し、先程、エレンを呼び止めたときに感じた不安がまとわりつく。



    ヒッチ「そう言って突き放したのはアニでしょ?行こ、エレンくん」グイッ


    エレン「ちょ、おい!」



    彼女は強引にエレンと腕を組み、この場を離れようとする。


    ───ダメ。


    ───行かないで。


    ───私のそばにいて。


    私の想いは、言葉になってくれない。

    言葉では、あなたに伝えられない。


    ───だったら・・・!



    アニ「」ギュッ


    エレン「!?………あ、アニ?」



    言葉が出ないなら、行動で示すしかない。
    私は、ヒッチとは反対側の腕を掴んだ。
    いや、抱え込んだという表現が正しいかもしれない。



    ヒッチ「アニ、離してよ。エレンくん困ってるじゃない」


    アニ「……いや」


    ヒッチ「さっき私が言ったこと忘れたの?邪魔しないでよ」


    アニ「あれは、あんたが……」


    ヒッチ「私がなに?」



    ここで言わなかったら、またエレンがヒッチと行ってしまう。


    ───そんなのはいや!


    アニ「……あんたが、エレンを盗ったから!」



    私の想いは言葉になり、大気を辿って2人の耳に届けられた。
    ようやく出てきたそれは、嘘や偽りのない、私の本音をそのままに乗せていた。
  195. 195 : : 2014/03/06(木) 23:08:35
    アニ…今…あれ?
    俺は勘違い…聞き間違いなんか…

    エレン「アニ…」

    ヒッチが掴んでる手を泣かば強引に
    引き離してしまった

    ヒッチ「ちょっと~エレン君?」


    小馬鹿にしてるようなヒッチの呼び声が聞こえなかった訳じゃない


    けど…



    エレン「アニ…今さ…」


    聞き間違いなんかしてない
    勘違い何かじゃない…その確信がほしくて

    無意識にアニに抱え込まれた
    手に自分の手を置いた…

    きっと俺は単純で…
    頭で考えて行動ができない人間…


    エレン「アニ!俺は…」


    上手く言葉に出すことができない
    何て言えばいいんだ
    あの告白もしないで…
    付き合ってもない時にキスした時から
    ずっと…ずっと好きだった事を
    アニに伝えたい…上手く言葉がでない



    アニ「…」



    アニが俯いて…
    今の自分の言葉で照れてるのかな…

    自惚れるなって言われるかもしれない

    けど…アニがヒッチに言った
    言葉の意味が俺の聞き間違いなんかじゃなくて…勘違いでもないなら…


    男の俺はアニのその言葉に
    しっかり答えたい


    演劇という夢も大事だ
    アニと一緒に
    ロミオとジュリエットの役を…
    ロミオの役をもらいたい…


    だけどさ…

    今はそんな夢よりも…

    大好きなお前にさ


    伝えたい


    自分の素直な本当の気持ち


    演劇は大事だよ
    アニの大事な夢であり
    俺自身の大事な夢だ


    ヒッチが凄くばつの悪そうな顔で
    俺たちの事を睨んでる



    でも言ってしまった



    エレン「俺は!!」


    アニお前が大好きなんだ!!



    暗い通路に響く自分の声
    とても大きくて
    今思えば恥ずかしいと思う
    ヒッチは驚いてる…そして何かを
    考えてるような顔で睨んでる


    エレン「アニ…俺は…本気だよ」


    嘘なんかじゃない

    本当の素直な自分の

    変えることもできない

    諦めることもできない

    どんな酷いことを辛いことを

    言われても変わらなかった

    俺の気持ち…


    アニはどう思ってる?
    ゆっくりと
    自分の気持ちを全て言いきった
    大好きな女の子
    アニ・レオンハートを見つめた

  196. 196 : : 2014/03/07(金) 00:26:31





    「っははははははははは!!!」


    夜の静寂を切り裂くような、甲高い笑い声。

    ヒッチがお腹を抱えて、俺たちを見て笑っている。



    ヒッチ「何を言い出すのかと思ったら、うっける〜!普通こんなときに告るぅ?ないわ〜あっははははは!!」

    ヒッチ「…あんたたち、今のナナバさんに見てもらいなよぉ!きっと褒めてもらえると思うよ!ほんと最高だわぁ〜あーお腹痛い!」



    その後も馬鹿みたいに笑い続けるヒッチ。

    …こいつ、こんな奴だったのか。

    外郎売りを一緒に練習した時とは、まるで別人だと思った。


    一発殴ってやろうと思って、アニを掴んでいた手を離してヒッチに向き直ろうとしたその時。





    俺より一瞬早く、アニが動いた。






    パン!



    乾いた音がして、ヒッチの高笑いが止まる。



    アニが俺の手を振り払って、悪魔のように笑うヒッチの頬に平手打ちをくらわせた。

    静かだけど、物言わぬ怒りがアニから伝わってくる。

    それはまるで、青く燃える炎のようだった。








    アニ「…あんた、それでも役者?」



    一瞬の静寂の後、頬を抑えるヒッチに向けてアニが言い放つ。



    アニ「役の本気の想いを心から表現する。そして、その人になる。それが役者だろう?あんたは今エレンの本気の想いを足蹴にしたばかりでなく、笑った。嘲笑った。しかも大声でね。」

    アニ「私はそんなやつにいい演技が出来るとは思えない。同じ役者として恥ずかしいよ、ヒッチ。」

    ヒッチ「…っ!」



    涙目になって廊下を走って去って行くヒッチの後ろ姿を、俺たちは黙って眺めていた。



    エレン「あ、あの…」

    アニ「なに?」

    エレン「…ありがとな。」

    アニ「…べつに。」




    そう言うと、アニは俺に背を向けて歩き出す。



    エレン「あっ、あのさ!!!」



    月明かりの中で振り向いたアニの碧の瞳には、眩しいくらいの光が宿っている。



    エレン「…返事、待ってるから!!!」



    俺がそう叫ぶと、アニは口元に微かに笑みを浮かべて、何も言わずに去って行った。


    俺にはあの時の廊下が、ブロードウェイへと続くアニのスターへの道のりに見えた。







    next→店員さん
    よろしくお願いします。

  197. 197 : : 2014/03/07(金) 02:44:55
    ー悔しい!

    なんであいつがいい思いばかりして‼︎私はいつも悔しいばかり‼︎

    布団に入っても一向に睡魔が迎えに来てくれない。
    嫉妬?違う、あんな奴に嫉妬なんかするもんか!

    悔しい! 悔しい‼︎ 悔しいっ‼︎

    昔から、要領はいい方だった。
    黙っていても、私が可愛いから、誰かがどうにかしてくれる。
    自分でやったらだいたい一番、なんとでもなるものよ。

    だから、本気で何かをするのは苦手。
    やらなくたってできちゃうし?一生懸命やってる奴って暑苦しいじゃん?

    それが去年、その暑苦しいやつに一番を奪われた。
    私は私のやり方で、一番を取り返す!そう思ってきたのに…。

    涙が出てきた。
    いいわよ、本気でやってやる!見てなさいよ。



    ナナバ「さあ、役作りは出来てるよね?」

    ナナバ「まだ配役は決めてないんだ、全員、ロミオとジュリエットを獲る気で来て。いいね?」

    ーどくん

    ナナバ「今日は有名な第二幕、キャピュレット家、裏庭のバルコニーのシーンの台詞を指導するから。もう覚えてるよね?」

    ーどくん、どくん、どくん


    ナナバ「次、ヒッチ!」


    「はい!」

    『…ロミオ、ロミオ、あなたはどうしてロミオなの。』

    なんでここであいつのことがちらつくのか…分からないけど集中できる。

    『さっき私に語りかけた優しい言葉、あの愛の台詞が本当なら…名前はロミオでもいい、せめてモンタギューという肩書きを捨てて…』



    ーどくん、どくん

    ーその痛ましいまでの表情に、僕は衝撃を受ける。

    「……え?」


    僕は長く、彼女の演技を見てきた。

    彼女は何処か他人行儀で要領が良くて、うまいんだけれど客観的。
    それが僕の、ヒッチの評価。

    それがどうだ。この合宿で心の変化があったのだろうか。驚くほど艶っぽい、彼女の演技に魅せられた。


    ーこれは…!

    思わず顔を見合わせたナナバ先輩も、笑みを浮かべていた。
  198. 198 : : 2014/03/07(金) 02:58:41
    ーお前、本気になるとこんなすごいのかよ…!

    正直驚かされながらも、俺の心はもう次に向いていた。


    「次!エレン!」

    「はい」

    アニ、見ていてくれよ…!

    昨日アニが去ってから、俺は少し考え事をしていた。

    『役の本気の想いを心から表現する。そして、その人になる。それが役者』

    ーアニは確かに、そう言った。

    俺は、役者を勘違いしていたのかもしれない。



    …アニ。ありがとう。
    男として、役者として、俺はお前に惚れてしまったよ。


    これまでになく、満たされた気持ちが、余裕を与えてくれた。


    …そうか、今やっているロミオも、外郎売りも同じだ。

    暗記して、正確に感情を再現するロボットになろうとしたってできるわけがない。まして、そんな演技で人が感動するはずが…ないよな。

    舞台の完成系として、俳優が役になり切れば、この言葉が出てきて当然。それが役作りであり、その道標が台本だったんだ。

    ー役の本気の思いを、心から。


    やってやろうじゃないか…!

    何回言おうにも詰まっていた外郎売りが、スラスラとめどなく流れ出た。

    ーーーー
    ーーー
    ーー



    何かに隠れるエレン。そう、一つ何かをつかんだんだね…!

    僕はそれを見ただけで、彼の成長を感じられる。なんといっても、入ったばかりの素人だ。
    正直まだ役は獲れないだろう。けど、どこまで伸びてくれるか楽しみだ。

    『……!』ガタッ!

    『ジュリエット!待ってくれ!』

    すっと伸びる手の先。
    引き止めたい!つなぎとめたい…!体は口より物語る。

    『話がある!部屋には戻らないで…』

    手の動き…目の動き…その先には小柄な可憐な女性。目の前に、まるで理想の女性がいるかのようなエレンの動き。目線に語り。

    ナナバ先輩、笑っていますね。


    『ジュリエット…大好きなあなたが名前を呼んでくれた』

    愛しい誰かを見つめる彼の瞳に、僕はまた、驚きと感動を覚えていた。

    大トリのアニの演技力は、やっぱりこの部では抜けている、圧倒的だと思う。

    でも僕は、自分の壁を破ったヒッチにも、荒削りながらも爆発的に成長するエレンにも新しい風を感じていた。

    …この部はきっと、すごいものになる。僕も絶対、負けないよ!

  199. 199 : : 2014/03/07(金) 03:00:17
    Aniっちさん、あとはよろしくお願いします!
  200. 200 : : 2014/03/07(金) 15:00:26
    マルコ「とりあえず今日はこのくらいだね!明日また練習していくよ!」




    全員でナナバさんにお礼を言い、今日の練習が終わった。



    緊張の糸が切れたのか、俺は近くにあったイスに腰かけた

    すると…


    アニ「さっきの演技中々の物だったよ」


    エレン「アニに誉めてもらえるなんて嬉しいよ」

    言葉では表せないくらいにな。


    エレン「あいつも…本気になってるな」


    アニ「ヒッチのことかい?」


    エレン「あぁ。」



    最初に見た時とは比較にならない。
    あいつもやっと本気で役を狙いにきたか……


    アニ「私も…」


    エレン「えっ?」


    アニ「私も、負けないから」


    エレン「一緒に…がんばろうぜっ!」


    俺たちそう、誓った。




    アニ「そういえばさ…」


    エレン「なんだ?」

    俺はペットボトルを口に当て、アニの言葉に耳を傾けた


    アニ「さっきの演技の時…なんでずっと私を見てたんだい?」


    ぶぅー!


    アニ「ちょっとエレンっ!」


    不意討ちすぎる

    俺は見事に吹いた。


    アニ「いきなりどうしたんだい?」

    アニはタオルで俺の服を拭きながらそう言った。


    エレン「げほっ、げほっ!き、気にしないでくれっ!」


    アニ「ふふっ!」


    今日また、アニの笑顔を見ることができた。

    周りの人たちも笑ってる。


    この雰囲気、結構好きだ。これが幸せてっやつかな?



  201. 201 : : 2014/03/07(金) 15:01:05
    変な繋ぎですいません!
    次の方、よろしくお願いしますっ
  202. 202 : : 2014/03/07(金) 18:11:54
    ヤヴァイ兵長さんが都合により一時的に参加できなくなるそうなので、

    Aniっちさん→シュウさん

    の順番でリレーを進めさせて頂きます。

    お戻りになり次第、再度Aniっちさん→ヤヴァイ兵長さんの順に戻します。
  203. 203 : : 2014/03/07(金) 18:45:07
    >>192 プッチンプリンさん

    私同じ気持ちですね〜(。ゝ∀・)b
    自分の順が終わると他の皆さんの投稿が心待ちになりますよ〜♪w

    ホントに最近の皆さんのレベルがまた一段と高くなりまして、着いて行くのにヒィヒィ言ってますね(汗)
  204. 204 : : 2014/03/08(土) 10:25:40



    まるで何か祝福するかのような雰囲気。


    嬉しさと恥ずかしさが相まって、思わず俺も照れ笑いをしてしまう。


    アニも曲げた人差し指を唇につけて優しく微笑んでいる。





    ふと・・・


    アニが小悪魔的な目線をこちらに向ける。



    そう思っている内に、アニはすうっと会場を出ていく。



    「え・・・?ア、アニ!ちょっと待てよ!」


    思わず俺はアニの後を追ってしまった。








    外は満天の星空。


    月が煌々と輝いている。



    アニはそこで立ち止まり、俺に背を向けていた。




    「アニ・・・いったい・・・。」





    俺がここまで話したとき、アニが突然俺にこう尋ねてきた。



    「・・・ねぇ、エレン。あんたはさ・・・、たとえば神様に祈るとき、何と何を合わせる?」





    「え?・・・そりゃあ・・・こうやって掌と掌を・・・。」




    「そうだろうね。」



    アニがくるりと振り返り、俺と向き合う。




    「・・・昔、エルサレムに巡礼する人たちは、神と接するために聖職者と掌と掌を合わせていたんだって。


     彼らはそれを”神との接吻”と表現したらしいわ。」



    「ねぇ、エレン。その接吻を、言葉通りに巡礼者が行った場合、その聖職者はどんな罪をその唇からもらうのかしら。

     
     そして、その罪は一体どうすればその巡礼者に返すことができるのかしら。」





    ・・・言っている意味が分からない。


    アニは俺に、何が言いたいのだろうか。




    「アニ・・・何を・・・」



    「エレン。初めてロミオがジュリエットに会ったあの仮面舞踏会。あの時ロミオは何て言ったか憶えてる?」



    二人が偶然出会い、そして一目で恋に落ちる場面。


    あの時ロミオは・・・初めてジュリエットと接吻をしてこう言った。




    「さ、『さぁこれで、私の唇の罪は浄められました。あなたの唇のおかげで・・・』。」



    「『では、その拭われた罪とやらは、私の唇が背負うのですね・・・』。」


    そう言ってアニは頬を赤く染め俯く。





    ・・・!


    アニの意図を汲み取る。





    俺はアニに近寄り、


    「『それはなんという優しいお咎めでしょう。もう一度、私にその罪をお返しください』。」


    そう言って俺はアニの華奢な両肩に手をかけ、互いに唇を重ねた。




    夜風が二人の間を流れる。



    長い長い口づけ。



    唇が別れると、アニは顔を真っ赤にして俺と目を合わせようとしない。




    「・・・ごめんね、エレン。急に変なことを言って・・・。」


    「でもね・・・。私、このシーンをやってみたかったんだ・・・。私の、一番大事な人と・・・。」



    照れながら俺を上目遣いで見つめる。





    「・・・それが、あなたに対する私の返事。」



    そう言って扉まで駆けていく。





    「セリフ。もっと抑揚をつけるんだよ!じゃあまた食堂でね。」







    勢いよく扉を閉めたアニの表情はとても嬉しそうで、いつもの大人びた雰囲気ではなく、純粋な子供のような笑顔だった。


    俺はその場で立ち尽くし、その余韻を体全体で噛み締めていた。





    コト・・・



    ・・・何やら音がした。


    しかし俺はさして気にもとめずに食堂に向かった。









    ・・・



    「なによ・・・あんなの。餓鬼臭くてバカバカしい・・・。」


    壁に背をつけながら悪態を垂れる。



    「羨ましく・・・羨ましくなんか、ないんだから・・・。」


    「私は・・・。あんたに・・・勝ってみせる。」




    そう呟いて食堂に向かうヒッチの姿を見ながら、


    「・・・”緑色の目”をあの子は宿してる。時には力に、時には毒に・・・。アニ、あなたの努力と才能は素晴らしい。だけど、あの子の力も素晴らしい。」



    「浮ついていると、いつの間にか足元をすくわれるよ。」


    と、この麗しい女優は憂いた目で夜空を見上げた。






    ・・・ ・・・



    ・・・




    食堂でのひと時。



    俺の前にはアルミンとミーナが座っている。



    そしておもむろに、




    「それで、二人は結局どうなったの?」


    とミーナが直接的に尋ねてきた。



  205. 205 : : 2014/03/08(土) 14:04:14
    「え!?何が?」

    「トボけてもダメだよ〜アルミンから聞いたんだから♪」

    ミーナがニヤニヤしながら両肘(りょうひじ)を机につけ両手に顎を乗せ、足をバタバタさせていた
    まるで、悪戯をしている子供ようだ

    ミーナが尋ねてきたのは、俺とアニについてらしい…
    アニに告白した日、自分の部屋に戻った俺は、アルミンに告白したことを話した。
    色々、相談に乗ってもらった一番の親友には言っておきたかったからだ。
    その時に『ミーナには、言うな』と口止めしたはずなのだが……
    俺は、こうなることが目に見えていたから『言うな』と言ったのに…
    ミーナの隣で顔を背け滝のように汗が出ている親友を睨む

    「ご、ゴメン!エレン!!ミーナにしつこく聞かれて…」

    視線に気付いたアルミンは、そう弁明した

    「…まあ、別にいいけどよ〜」

    「で、で、どうなのよ〜」

    騒がしい食事(主にミーナ)だったが気の置ける友達とこんな風に雑談するのは、なんとも居心地の良い気分になった
    そんな食事の最中に俺は、後ろから肩を叩かれる
    振り向くとヒッチがバツの悪そうな顔で立っていた

    「昨日は、ゴメンね…笑ったりなんかして……」

    「別にそんなこと気にしてねぇよ」

    正直言って怒っていた…でも、今日の演技やさっきの謝罪を見て聞いて少なからずヒッチの中で何かが変わった気がした
    その姿を見て『許さない』と、言えなくなってしまった

    「他に何か用か?」

    「ただ、それだけ…食事の最中にゴメン」

    ヒッチは、そう言うとその場を去ろうとする

    …………………………………………………

    食堂に入るとエレンとその友達が笑う姿が目に入る…

    羨ましい……

    私には、友達がいない…本当に友達がいないというわけではないが、ああやって気の置ける友達が一人もいない……
    私の友達は表面上では、良くしていても裏では、友達の悪口を言う奴らが多かった
    もちろん私の悪口も言われているだろう
    そんなの友達でないに等しい…

    エレンたちを見ると、羨ましくなってしまう…それをぶち壊したくもなる

    そして、昨日のアニの言葉が頭をよぎった

    【役の本気の想いを心から表現する。そして、その人になる。それが役者だろう?あんたは今エレンの本気の想いを足蹴にしたばかりでなく、笑った。嘲笑った。しかも大声でね】

    【私はそんなやつにいい演技が出来るとは思えない。同じ役者として恥ずかしいよ、ヒッチ】

    何故か、自分がしたことへの後悔の念が心の中に広がる

    ……!!

    気がつくと私は居ても立っても居られずエレンの傍に駆け寄り、そしてエレンの肩を叩いた…謝るために

    …………………………………………………


    「待てよヒッチ」

    私はその言葉を聞き立ち止まる

    「お前、一人なのか?一人なら折角、仲直りしたんだから、一緒に食おうぜ」ニコッ

    思いがけない一言だった…けれど、私にとって大切な暖かい言葉だった
    まるで、心の鎖がほどけるようだった

    そして、何故かエレンの笑顔を見て一瞬、ドキッとしてしまった…

    顔が赤くなるのが分かった

    返事の代わりに頷くと、エレンの隣が空いていたのでそこに腰を掛ける

    二人の友達にエレンが何か言っているのが聞こえる。おそらく私を紹介しているのだろう。しかし私は、考え事で耳に入ってこなかった

    エレンには、アニがいる…それは、わかっている……けれど、胸の高鳴りが収まらなのはなんでだろう……まさかね

    >>次の人
  206. 206 : : 2014/03/08(土) 14:09:45
    自分でも馬鹿なこと書いたな〜と思いましたがエレヒッチという新しい可能性を感じたので、こんな風に書きました^_^
    まあ、エレンとアニはもう付き合ってしまった?んですが……
    兎に角、次の人頑張ってくださいm(_ _)m
  207. 207 : : 2014/03/08(土) 23:36:16


    ミーナ「で、で、どうなのよ〜」


     エレン、根こそぎ吐くまで部屋に戻らないんだから



    他愛のなく、平凡な会話


    いつもと同じ、変わらない風景


    そこへ新しい風が吹く



    トン トン



    エレンの肩を叩く


    エレンは振り返るべくして振り返る



    ヒッチ「昨日は、ゴメンね…笑ったりなんかして……」



     …誰だろう


     きっとアルミンも知らない人だね


     だって…そのだらしなく開けっ放しの口


     いっそバッタでもぶちこみたい



    「別にそんなこと気にしてねぇよ」


    「他に何か用か?」



    ヒッチ「ただ、それだけ…食事の最中にゴメン」



    アルミン「…何かあったみたいだね」



    ミーナ「うん…」


     まったく、エレンはトラブルメーカーという名が相応しいね


     …解決したならいいけど



    「待てよヒッチ」


    「お前、一人なのか?一人なら折角、仲直りしたんだから、一緒に食おうぜ」



    ヒッチ「!」ドキ


    ヒッチ「本当に、いいの?ありがと…」カァァ



    ドクン…ドクン…



    微かに鼓動が速くなる


    緊張しているわけでもなく、それは当然…


    顔が仄かに赤みを帯び、恥ずかしげに俯く



    ミーナ「…あれ?」


     どこかで見覚えのある表情…とても近い日に


     赤く染まった顔、まるであの時のアニ



    ミーナ「ははん…そういうことね…」ニヤニヤ


     私の隣が空いてるのにわざわざエレンの隣に…ふふ


     アニには悪いけど、面白いことになりそう



    「あいつはヒッチって言って…演劇部のメンバーだ」


    「昨日、一昨日と外部売りの練習を一緒に頑張った仲間だ…仲良くしてやってくれ」



    アルミン「うん、エレンがそう言うなら…」



    ミーナ「へぇ…ヒッチっていうんだね」ジー


    ミーナ「よ・ろ・し・く」ニヤニヤ



    ヒッチ「!」ピク


     な、なんなのあいつぅ…


     でも…エレンの友達なんだから、仲良く…仲良く…


    ヒッチ「よ、よろしくぅ…」


     声が裏返った…私らしくもない



    ミーナ「うんうん、よろしく!じゃあ女子部屋に戻ろっか!」



    「あ、そういえばお前ら…部屋はどうすんだ?」



    アルミン「うん、今ミーナが言ったように…部屋は演劇部の人達と同じ部屋に寝させてもらうことになったから」


    アルミン「だから…僕はエレンと一緒に寝ることになるね」



    「本当か!久しぶりだな…いつ以来だ?一緒に寝るなんて」



    ミーナ「はいはい、あとは二人でどうぞ話し合ってください」


    ミーナ「そういうことだからヒッチ、戻ろっか?」ニヤニヤ


     エレンの尋問…邪魔されたからね


     代償はその身で味わってもらうとしますか





    >>次へ
  208. 208 : : 2014/03/08(土) 23:39:21

    すみません、日本語おかしかったです。訂正



    × 代償はその身で味わってもらうとしますか


    ○ 代償はその身で払ってもらうとしますか


    に脳内補正お願いします!申し訳ありません
  209. 209 : : 2014/03/09(日) 20:08:05
    遅くなってすみません!頑張ります
  210. 210 : : 2014/03/09(日) 20:31:48
    ~男子部屋~

    ガチャ

    アルミン「…お、まだ誰も来てないみたいだね!」

    エレン「あぁ、そうだな」

    アルミン…少し嬉しそうに言いやがった…

    きっと俺に何か聞きたいんだろうな…

    ま、誰かいるよりはマシか…



    アルミン「で、エレン?聞きたいんだけど…」

    エレン「お、おう」

    やっぱり…か…

    アルミンのことだから誤魔化しもきかねぇしな…


    ……仕方ない、こうなったらあらいざらい話してやるよ…



    アルミン「あの…ヒッチが謝ってたのは…どういうことかな?」

    エレン「あぁ…あれはだな…」

    はいーっ!予想通りーっ!


    アルミン「うん。なになに?」

    エレン「あぁ、えっと…」

    エレン「お、俺さ、告白したじゃん?」

    アルミン「うん。」

    エレン「実はその時、ヒッチ居たんだよね…」

    アルミン「えぇっ!?……それで?」ニコッ


    えぇっ!?とか驚きながらの

    この笑顔…、めっちゃ楽しそうじゃん…


    エレン「で、そのことをヒッチが大声で笑ったからさ…」

    エレン「きっと、反省したんだろ…」

    アルミン「ふ~ん。」


    大声で笑う…?

    そんなイメージなかったけどなぁ…

    そんな人なのか…

    ま、話は終わったし、切り上げようかな…


    アルミン「じゃあ、ちょっと早いけど、寝ようか?」

    エレン「え?…あ…えっと…」

    そうだ…!

    せっかくだし、ちょっと気になったこと聞いてみるか!



    エレン「あのさ…、気になるんだけど…」

    アルミン「え?」

    エレン「ヒッチさ…元はあんなんじゃなかったんだよな…」

    エレン「でも、俺を嘲笑った」

    アルミン「う、うん…」

    エレン「俺はあれが素だとは思えねぇんだ…」

    エレン「…どう思う?」

    アルミン「あー…」

    ったく…エレンは本当に鈍感だなぁ…

    …でもこれで、ヒッチがエレンに気を持ってるということが露わになったな…


    >>次へ
  211. 211 : : 2014/03/09(日) 20:32:39
    中途半端ですが、お願いします!
  212. 212 : : 2014/03/11(火) 00:49:05

    エレンは相変わらず鈍感だね。いや、あの様子だけで気付く方も自意識過剰というべきか

    エレンにも精神面の成長が顕《あらわ》れ始めたって事でいいのかな?

    ヒッチ、彼女の挙動を訝《いぶか》しむ様子を見せるようになった事がその根拠だ

    仕方ない。エレンはまだ頭の中で状況が整理できていないようだから、僕が少し手助けを…


    「昨晩の告白も加えて、君からは逐次、報告や相談を受けていたからね。僕が整理するよ」

    「おう、よろしく頼む。まだ少し混乱していてな。アルミンに相談するのは、癖なんだ」


    そうやって、僕を頼ってくれるのは何よりも嬉しいよ?エレン…


    「まず、1日目の午後、君はヒッチに次の日の練習を取り付けられたんだよね?」

    「あぁ、そうだったな。あの時はまだ好意的だったんだけど…」


    その時は少なくとも、彼女が君に好意を抱いていたわけじゃない

    寧ろ、君達2人の関係に干渉しようとして近づいたはずだ


    「そして、2日目の朝に君達は口論になった」

    「そうだったな。あの時は、アニがどうして怒ったのか分からなかった」

    「でも、今はちゃんとわかっているんだろう?」

    「…勿論だ。俺だっていつまでもガキでいるつもりはねぇよ」


    そう…ここでの悶着が…エレンを精神的に成長させるきっかけになったんだよね


    「その夜に稽古場でアニを見つけた君は、2度目のキスをした」

    「その時は俺も…何をしたのか理解するのに時間が掛かったよ」


    軽い笑い声をあげる様子を見るに、少しは落ち着いているみたいだ


    「稽古場を出た後、待ち構えていたヒッチと口論になり…君は咄嗟にアニに告白をした」

    「…抑えられなかったんだ…どうしても…伝えたくて」


    いいや。その気持ちは決して間違いじゃないよ?


    「それを嘲笑ったヒッチを…アニが平手打ちしたんだ」

    「そんな事が…」

    「で、今日になって、あいつの演技に対する真剣さが見違えるようになってな」

    「ただ…その他にも要因はあるのかもしれないけどね?」


    少しだけ、口元を上げてにやけて見せる…エレン、ぽかんとしているね


    「気持ちを改めた以外に、あの性悪が治る事なんてあるのか?」


    それは、彼女が君に“気を持ち始めた”可能性が高いって事だよ?

    ただし、今僕の口からそれを君に伝える事は、きっと許されないだろう


    「でも、僕がそれを教えちゃうのは、フェアじゃないからね?」

    「フェア?」

    「内緒だよ」

    「うーん…」


    それはきっと、“彼女”が代わりにしてくれていると思うよ

    …さっき、食堂でもヒッチに絡んでいたからね…そう…ミーナが今頃――――

  213. 213 : : 2014/03/11(火) 00:49:48

    先に部屋に戻った私は、ずっと布団に潜っていた

    あいつには先に食堂へ行くように言ったけど、私は即座に夕食を済ませて部屋に戻った

    だって…あいつと顔を合わせられないと直感したから


    「……」


    あんなキスの後で…冷静に居られる訳がないじゃないか

    私は篭る…布団に篭る…今は誰も話し掛けないで…


    「アーッニ!」


    でも、やっぱりアンタはそんな私の都合もお構いなしだね…


    「実はここにおりますは、アニの宿敵ヒッチちゃん!」


    なんだい、あの子も一緒に来たんだね…でも、ここからは出られないよ…無理


    「ほら、早く出てこないとアニが困る事、暴露しちゃうよ?」


    今更、あんたに何を言われたって驚く私じゃないさ。好きなだけ言えばいい…


    「例えば…ヒッチちゃんがエレンに気を持っちゃった…なんて言ったら?」


    前言撤回。思わず布団を跳ね除けてしまったよ


    「え!?ちょ、ちょっと、あんた!!」


    この子も動揺している…まさか、本当に?

    確かめずには、居られなかった


    「あ、あんた…本当に?」

    「や、やぁねぇ…そんな訳ないじゃない…あはは」


    この子の少し無理をしている笑顔が、寧ろ私の心を不安にする


    「本当かなぁ?さっきは食堂で頬を染めていたのにぃ?」


    女の子が男に向かって頬を染める

    身に覚えのあるその仕草に、私は共感を覚える


    「だ、だから違うってば!だ、誰があんな下手くそな奴のことなんか!!」


    むっ、あいつの悪口だけは許さないよ


    「あいつは確かにまだ下手だけど、いつか絶対に“あの役”を獲って…」


    自分では冷静を装うも、正直に私の心は映し出される…また余計な事を口走ってしまった


    「まさか、エレンが本気でロミオの役を獲りにいく理由って…あんたの為に?」

    「そっか、そっかぁ。へぇ、あの鈍感王子がそこまでアニにお熱とはねぇ」


    ヒッチにも勘付かれ、ミーナはにやけ顔を止めない…穴があったら入りたいよ


    「いやぁ、これから益々、戦いが白熱しそうでミーナちゃんは楽しみだなぁ」

    「2人とも頑張ってね!演劇の主演も…恋の好敵手《ライバル》も」


    その言葉を受けた私とヒッチは、その場で立ち尽くした


    「それじゃあ、ミーナちゃんはお肌の健康の為にさっさと寝まーっす!」


    私達がそれぞれの布団に入る事が出来たのは…更に後の事――――




    明け方。もやもやして眠れない私は布団で丸くなっていた

    寝息のみの静まり返ったこの部屋に、あの元気な声が響き渡る


    「朝だぞーっ!起きろーっ!!」


    早朝から誰よりも早くミーナが声を上げる

    合宿4日目の朝は、騒々しく始まりそうだね――――




    >>To ゆきさん


  214. 214 : : 2014/03/11(火) 08:12:47
    ――― 合宿四日目。

    ちょうど折り返しにあたる日だ。



    俺はガシガシと乱暴に寝癖を直しながら身体を起こした。


    生真面目な親友の心遣いもあって、起床予定よりほんの少し早めに目を覚ました。

    視界もいつも以上に良好だ、!




    こんな時まで体調管理を怠らないなんて・・・

    ホントお前らしいよ、アルミン。ハハッ




    ――― パサッ



    俺は隣の布団で子供のような寝姿をしている親友の布団を、そっと直す。




    ・・・遠くで犬神家のモノマネしているあれはベルトルトか?

    無駄に長い脚してるからわかりやすいな。ケラケラ




    マルコはマルコで、布団に皺の一つも付けずに寝ている。

    なんつーか・・・これもらしいよな。フフッ




    俺は早朝ならではの光景を満喫していた。



    ――― だが。

    そう、うかうかもしてられない



    今日を含めた残り四日間。

    俺に限らず全ての部員が己の持てる演技力、熱意を込めて稽古に取り掛かるだろう。


    そしてその結果から、帰宅する12日の朝には配役を言い渡され、それ以外の人間は大道具などの裏方に回される事になる。



    まだ遠足気分だった部員達も、本格的にロミオとジュリエットの演技の練習に入った昨日の稽古以降は顔付きが一変している。

    万に一つも気が抜けない状況だ・・・





    そう考えると、演劇というものに対して素人中の素人の俺は圧倒的に不利な状況下にあると言えるだろう。




    ――― けど、俺は決して諦めない。


    アニのいるあの高みまで上り詰めるまで、絶対に・・・!


    アニと二人で、

    『ロミオとジュリエット』の主演を勝ち取ってみせる!





    ――― パンッ!


    その気持ちを両の手に込めて、俺は景気付けにと思い切り両頬を叩いた。



    軽く紅みを帯びた頬がチリチリと焼き付く。

    四日目の朝も清々しいくらいに眩しい日が差していた・・・







    >>次へ
  215. 215 : : 2014/03/11(火) 09:07:53
    朝練はもっぱら、ランニングやストレッチや筋トレ等の基礎体力強化から始まる

    演劇と言えば、表情や声や動きが重要視されがちだが、その全てを支える根底にあるものが、この基礎体力である

    まずはランニングで汗を流す
    実はこのランニングは体力作りだけではなく、呼吸の強化にもかなり効果的である

    ランニングの後は筋トレだ
    無論筋力作りも、舞台でアクションをしたり、歌ったり踊ったり、台詞を言ったりする全てに通づる

    アニはゆっくり息をしながら、腹筋運動に勤しんでいた

    「ふぅー、ふぅー」

    腹筋をしながら息をする事で、呼吸法をしっかりと確立する事ができる

    因みにアニは華奢に見えるが、実はよく体が鍛えられており、全身がしなやかな筋肉に覆われていた

    その辺りは、演劇に対するアニの努力の結晶の賜物である

    そんなアニの横に、どさっと座り、ストレッチをし始めた

    「おはよ、アニ」

    ふわふわした柔らかいクリーム色の髪を、少し乱してアニの顔を探るように見たのは…

    「おはよう、ヒッチ」

    アニの演劇のライバルであり、どうやら恋のライバルにも浮上してきた、ヒッチであった

    アニとは正反対で、今までは才能と、持ち前の要領の良さだけで主役などのいいとこ取りをしてきたヒッチは、ここにきてあらゆる練習メニューに本気で取り組む様になっていた

    天才が、本気を出し始めたと言っても過言ではあるまい

    「あのさ、昨日の事だけど…」

    ヒッチは少し言いづらそうに言葉を濁した

    「ん、何?」

    アニは腹筋からストレッチに移行しながら顔をヒッチに向けた

    ヒッチの顔は少し紅潮し、流した汗が髪の毛を顔に張り付かせていた

    その様子はとても、美しく輝いている様に、アニには見えた

    「よく考えたんだけどさ、やっぱり私、あいつの事、気になってるんだ」

    「…そう」

    アニは素っ気ない態度で返事をしたが、内心穏やかではなかった
    ヒッチが演劇に前向きになったのは、目に見えて明らかだ

    彼女が本気を出せば、自分だって食われるかもしれない、そんな気になるほどの存在であった

    「最初はさ、抜け駆けしようとしたんだけど…止めた。あんたとは堂々と勝負したいんだよね」

    ヒッチの顔に、強い決意の色が浮かんだ
    ヒッチは、アニに右手を差し出した

    「だからさ、まあ、恋も演劇もライバルになっちゃったわけだけど、よろしくね、アニ」

    アニはそんなヒッチの様子に、一瞬面食らったが、目を閉じてふう、と息をつき、気持ちを落ち着けた

    「よろしくね、ヒッチ」
    そう言って右手をのばし、ヒッチの手をしっかり握ったのであった
  216. 216 : : 2014/03/11(火) 22:35:18
    これはもう展開が読めませんねっ!いつどこで何が起こるかハラハラしながら 皆様の更新待ってますねψ(`∇´)ψ
  217. 217 : : 2014/03/11(火) 22:41:14

    エレン「なぁ、ベルトルトは?」


    俺は軽く屈伸をしながら、隣にいるマルコにベルトルトの所在を聞いてみる。
    今いないのもそうだが、なんだか今日の朝以外見た記憶がないのだ。
    背がデカいから目立つはずなんだけどな。


    マルコ「彼にはランニングをしてもらってるよ」グッグッ


    開脚をしながら答える。
    因みに180°の開脚だ。
    マルコすげぇな。


    エレン「アイツまだ走ってんのかよ」


    マルコ「ベルトルトはすぐにバテるからね。今までの練習もほとんどランニングだったよ」グッグッ


    だから合宿来てから見てなかったのか。


    エレン「1人で走ってんのか~。やるなぁ」ノビー


    マルコ「1人じゃないよ」


    おっと、仲間がいたのか。
    ベルトルト並みに体力ない奴……。


    エレン「アルミンとか?」


    マルコ「アルミンは演劇部じゃないでしょ」


    エレン「あ、そうだったな」


    あいつ合宿にまでついてくるから錯覚しちまったじゃねぇか。
    よし、今度一緒に走らせてやろう。
    ってかフルマラソンに付き合わせよう。
    告白のことミーナに言った罰だ。


    エレン「で、誰が一緒に走ってんだ?」


    マルコ「ミカサだよ」


    エレン「は?」


    あいつ何してんだよ。
    体力めちゃくちゃあるだろ。


    エレン「何でミカサ?」


    マルコ「さすがにベルトルト1人で走らせるのも気が引けてね。誰か一緒に走らないか聞いてみたんだよ。そしたらミカサがするって言ったから」


    エレン「……へぇ」


    ベルトルトとミカサ……。
    変な組み合わせだな。


    マルコ「エレン、体動かして」


    エレン「っと、そうだったな」アセアセ


    マルコ「僕が少し手伝ってあげよう」スッ


    エレン「へ!?」


    あの、マルコさん。
    俺はあなたみたく体が柔らかくないんで、
    あんまり気合い入れてしないでくださいね?



    マルコ「ほら、もっと足開く!」グイッ


    エレン「ムリムリムリ!ほんっとーにそれ以上は無理!!」


    マルコ「はいはい。じゃあ体重かけていくよ」ググググ


    マルコ、頼むから俺の話を聞いてくれよ……。










    マルコ「よし、朝練はもういいかな」


    エレン「」


    マルコ「エレン、早く起きて。午後の練習の説明するんだから」


    何かもう、体が痛い。
    ストレッチってこんなに過酷なもんだっけ?


    マルコ「先に行ってるから、早く起きて来てね」スタスタスタ




    エレン「……」


    よし、起きよう。
    むなしくなってきた。


    スタスタスタ


    エレン「(ん?誰か来た?)」


    ヒッチ「なぁにしてるの~?」


    エレン「……ちょっと休憩」


    ヒッチ「ふぅん。早く行かないと遅れちゃうよ?」


    まぁ、もう起きる予定だったし。


    エレン「そうだな」ムクッ


    ヒッチ「ん」スッ


    エレン「なに?」


    ヒッチ「手、貸したげる」


    エレン「お、サンキュ」ギュッ


    ヒッチ「……///」カァー


    謎の赤面。
    恥ずかしいなら手なんて出さなきゃいいのに。


    エレン「よっと」グイッ


    ヒッチ「え?」グラァ


    エレン「は?」


    ドテン!


    エレン「いってぇ……」


    腰を強打した。
    理由は手を差し出したヒッチが全く力を入れてなかったからだ。


    ヒッチ「ご、ごめん!」バッ


    エレン「(近!?)」


    当然だがヒッチは俺の上に倒れ込んでる。
    よって、顔を上げると距離はゼロに近いわけで。


    ヒッチ「!?/////」


    ヒッチは急速に顔が真っ赤になるわけで。
    まぁ人のことを言える立場でもありませんが。


    エレン「えっと……とりあえず、退いてくんない?///」


    ヒッチ「あ、うん///」スッ


    エレン「じゃあ、行こうか//」スクッ


    ヒッチ「そだね///」


    ものすごく今逃げ出したい。
    それこそ全力疾走で。


    あ、ベルトルト今何してんのかな?


    エレン「なぁ、ベルトルトって奴知らね?」


    ヒッチ「……あのエレンと一緒に入部してきた背の高い人?」


    エレン「そう、そいつ」


    ヒッチ「さっきそこ走ってたよ」


    エレン「さっき?」


    ヒッチ「うん。エレンが寝てたとき」


    ホントにさっきだな。
    ってかまだ走り続けてんのかよ。


    エレン「ベルトルト1人だけだったか?」


    ヒッチ「えーっとねぇ、自転車漕いでる人がいたかな」


    エレン「自転車?」


    ヒッチ「自転車」


    こらミカサ。
    何サボってんだよ。
    ベルトルトかわいそうだろ。
  218. 218 : : 2014/03/11(火) 23:09:36
    炎天下の中を自転車を漕ぐ女の子と…




    ミカサ「ほら…頑張る」

    ベルトルト「ねぇ?」ハァハァ


    一緒にランニングをしてくれると
    言っていたから一緒に走ると思ってた


    ベルトルト「何で自転車?」ハァハァハァ


    体力がないから
    凄く辛い

    走りながら話すのはとても辛い
    僕は体力がないから尚更…


    ミカサ「…」

    ベルトルト「無視!?」ハァハァ

    ミカサ「頑張ってほしい」

    ベルトルト「そ…そうだね」ハァハァ

    ミカサ「このままではエレンの足手まとい…」

    ベルトルト「…」


    自転車を漕ぎながら言うミカサの
    その言葉には…僕の思いもある…

    アニの夢を小さいときから知っていたから

    そして演劇部に入った理由も
    アニの夢を応援すること…


    ベルトルト「ごめん!頑張るね!」

    ミカサ「!」


    ゆっくり走っていたけど
    走るスピードを上げていく


    ミカサ「…」


    無言で自転車を漕いでるミカサが
    少しだけ笑って言った

    ミカサ「倒れないでほしい」クス

    ベルトルト「うん!」ハァハァ

    足が重くなってきたけど
    アニもエレンも頑張ってる

    ベルトルト「頑張ろうね?」ハァハァ


    息を切らしながら

    ミカサに言った


    ミカサ「もちろん」


    暑くて頭がクラクラするけど…

    少しでも頑張ろうと思う

    足手まといは嫌だからね


    他の皆は何してるかな…
  219. 219 : : 2014/03/11(火) 23:57:38






    マルコ「…では、今日の練習の流れを簡単に説明します。」



    部員全員の前に立って仰々しく話し始めるマルコの声を、静かに聞く。

    ランニングから帰ってきたばかりのベルトルトの息が上がっているのが見えた。その隣にはミカサがいる。

    …あいつらも頑張ってるんだから、俺も頑張らなくちゃな。



    マルコ「午前中の残りの時間は、発声の基礎練習。それが終わり次第、各自セリフ読みの稽古に移ってください。」

    マルコ「…そして午後からは、ナナバさんたちにセリフと演技をチェックしてもらって、それをもとに仮の役決めをします。」



    辺りがざわつく。

    仮の、役決め…?

    なんだそりゃあ、聞いてない。



    エレン「おいアニ、仮の役決めって…」



    隣にいるアニにそう聞きかけて口を閉じる。

    アニも俺と同じ、驚きの表情を浮かべていたからだ。




    ナナバ「…これは私から話をしようかな。」



    そう言って、マルコの後ろに控えていたナナバさんが前に出た。

    その一挙一動全てがなめらかで美しい。




    ナナバ「昨年まではこの合宿の最終日に役を決めて、そのまま本番に向けて練習をしてもらってたけど、今年から少し変えさせてもらったんだ。」

    ナナバ「今の段階で一度仮に役を決めて、それをもとに残りの日数は練習してもう。」

    ナナバ「そして最終日に、改めて最終決定の役決めを行う。仮に決まった人がそのままその役につくこともあるだろうし、勿論その逆もあるということを忘れないでね。」

    ナナバ「…何故このようなシステムにしたのかというと、今の段階ではまだどの役に誰が適しているのか、私たちOBにも分からないんだ。だから一度ここまでのみんなの取り組みを見て仮で役をつけて、残りの日数でその適性を見る。その結果、今まで通り最終日に配役を決定しようってことになったんだ。」

    ナナバ「フルマラソンが控えてたりして大変だと思うんだけど、…劇をより良いものにするためだから、よろしくね。」

    ナナバ「…じゃあ午後、楽しみにしてるよ。」



    そう言うとナナバさんは、ふわりと俺たちに笑顔をみせた。

    俺たちはというと、一言も発することが出来なかった。




    …仮の、役決め。

    隣に座っているアニをちらりと見やる。




    …そりゃあ、今すぐには難しいかもしれない。

    俺は演劇初心者で、アニたちみたいに感情を込めてセリフを読むこともままならない。

    けど、本当に役が決定するまであと4日もあるんだ。

    あと4日で、俺はみんなを超えてみせる。


    ぐっと拳を握る。



    …最後にロミオを演じるのは、この俺だ。



    焦茶色の髪の奥のエレンの瞳は、闘志に燃えていた。









    仮の、役決め。

    少し離れたところに座っているエレンとアニをちらりと見やる。


    …わたしは去年、あんたに負けた。

    だからといって、今年も負けるなんて思わないでね、アニ。


    ぐっと拳を握る。



    …最後にジュリエットを演じるのは、このわたしよ。



    カールした髪から覗くヒッチの瞳は、闘志に燃えていた。










    仮の、役決め。

    少し離れたところに座っているヒッチをちらりと見やる。


    最近の彼女を見て思っていた。

    …ヒッチが本気を出したら、わたしは負けるかも知れない。

    だけど、わたしは絶対に負けない。


    ぐっと拳を握る。


    …最後にジュリエットを演じるのは、このわたしよ。



    綺麗に整えられた金髪から覗くアニの瞳は、闘志に燃えていた。




    >>店員さん、よろしくお願いします☻

  220. 220 : : 2014/03/12(水) 20:08:47
    「きたよー!」

    「ペトラ先輩!ありがとうございます!」

    「あ!ペトラじゃない!来たんだね!」

    「ナナバ先輩⁉︎うそっ!」



    ん?あれは…ペトラ先輩か?

    確か、受験の関係で後半だけ参加の先輩がいるってマルコが言ってたもんな。

    可愛い先輩だけど、俺はあまり話したことがなくてよく知らないんだよな。


    ペトラ「それで?私は劇には出ないし、さっきメールで読んだ審査員でいいのね?」

    マルコ「はい、よろしくお願いします!」


    ダズ「マジかよ…ペトラ先輩、可愛いけど…」

    さっきまでセリフの打ち合わせをしていたダズが急に怯え始めた…。


    マルコ「よしみんな集合!始めるよー!」

    マルコ「やり方はこう。任意の場面を選んでもらっていい。場面の宣告をして、相手役は男子はナナバ先輩。女子はゲルガー先輩」

    ナナバ「私たちOBとOGは相手役に集中させてもらうね」

    ゲルガー「現段階での講評は、ここまでの四日間を見ていなくて一番客観できるペトラにもらえ。ペトラの演技力はみんな知っての通りだからな?」

    ペトラ「私の意見だけでは決めないから安心してね!マルコと三年生、OBOGの相違で決めるから」ニコッ

    マルコ「あはは…」



    さて、こうして始まった仮役決めだが…

    「だめ。あなたロミオ舐めてるの?」

    「ジュリエットはロミオにある前はどんな性格だったと思って演技してる?役作りってわかる?」

    ー壮絶を極めた。


    もちろんアニでも…

    「ジュリエットはキャピュレット家の大切な大切な娘なの。ただの不幸な女の子としてかわいそうでひとくくりの演技しないでよね」

    …すごく高い次元ではあるが、ズタボロに言われている。


    もちろんヒッチだって…

    「あのさ、叫べばいいってもんじゃないでしょ?前に比べれば幾分マシかもしれないけど…演技舐めてない?ロミオが好きで好きで…でも言ってはいけない恋で…パンクしそうになったパンパンのところから絞り出した悲鳴がそれなの?」

    …うわぁぁぁぁ…ヒッチ泣いちまったよ…。



    アニー!助けてくれェェェ!

    ちらっと見たアニの瞳もうるんでいる。


    「次!エレン!」

    アニ、そんな目で見るなよ!処刑されるわけじゃ…あるか。よーし、逝ってきます!



    アルミン「あはは…みんなすごい落ち込みようだね…」

    ミーナ「そうだよ!こんな美女二人が励ましてるんだぞっ!元気だして!」

    アルミン「ミーナ、僕も女の子カウントしたでしょ!」

    ミーナ「ごっめーん!」



    ミーナ「……ってアルミン!ウケてないよ!」ひそ…

    アルミン「ここは僕に任せて…」ひそひそ…


    アルミン「みんな、ペトラ先輩にコテンパンにされたんだね!」

    エレン「さ…再起不能だぜ…」はぁぁぁぁ…

    アニ「ペトラ先輩がめちゃくちゃ演技力あるだけに…一言も返す余地が……」うる…

    ヒッチ「私…もっと早くに頑張れば…」ぐしゅっ

    ミカサ「……」テーブルにうつ伏せー

    ベルトルト「僕の演技には小学校のお遊戯会の背景の木役すら勿体無いって…」


    アルミン「でもさ、みんなの演技をちゃんと見てくれたからもらえた言葉なんだよ?あと4日で何を直すのか明確じゃないか」

    エレン「…それは確かに…そうだな」ふらっ

    アルミン「しかも、全員ボロボロに言われたということは、誰かが秀でてるってわけじゃないんだ!」

    ベルトルト「そうだね、でもみんながお遊戯会の背景の木以下ってわけじゃないよね…」


    ーしーん。


    エレン「…まあここでくよくよしてもしょうがないよな!もう演技は見てもらえたんだ!」

    アニ「そうだね…仮で役をとっても逃しても」

    ヒッチ「本当の試練は四日後なのよね」

    ミカサ「……。」

    ベルトルト「………?」


    そんなわけで、夕食を食べながら立ち直った俺たちはいよいよ広間に集合した。

    マルコ「…では、仮の役まわりを発表します」

    ーよぉぉぉし、来るなら来い!
  221. 221 : : 2014/03/12(水) 20:10:26
    遅くなりましたがAniっちさん、よろしくお願いします!
  222. 222 : : 2014/03/12(水) 21:26:24
    とうとう発表だ…

    仮とは言え、ここで名前が上がればみんなにリードできるっ!


    マルコ「まずは仮ロミオ役から発表するね!ナナバさん、お願いします」


    ナナバ「仮のロミオ役は…」


    心臓が口からでてきそうだ。

    さぁ、どうたっ?








    ナナバ「エレン、君だ!」


    エレン「ほ、本当ですかっ?!」


    思わず大声で言ってしまった。少し恥ずかしいな///


    まだ辺りはざわついている。



    ナナバ「静かにっ!何故エレンを選んだのか説明するね」

    エレン「…はいっ」


    ナナバ「まず、ペトラの意見…」


    「所々に素人感がにじみでている。」


    舞い上がっていた俺の気持ちの高ぶりが一気に沈んだ。


    「けど、もっと練習をすれば素人感も消えていい演技ができるようになる」


    一応、誉められた…ってことでいいのか?


    ナナバ「ってゆうのがペトラの意見だ!次に私たちの意見。」


    どくん。


    ナナバ「ペトラのいった通り、まだ素人感がある。そんなんじゃ来てくれたお客さんに失礼だ」


    な、何回もいわなくても…


    ナナバ「君の演技には…熱がある」


    ナナバ「確かに他のみんなも感情をこめてやってくれていた」


    ナナバ「だけど、それとはまた違う何か…ちゃんと道が見えてるってゆうか…」


    ナナバ「うまく言葉にできないけどそんな意見が私たちから出たよ!」


    エレン「あ、ありがとうございますっ!」


    まだ心臓の鼓動が速い。


    ちらりとアニを見る、そこには優しく微笑んでいるアニの姿があった。

    そして、口だけを開き…






    「お、め、で、と」




    確かにそう、言ってくれた。

    これも全部アニのお陰だよ!!俺はアニに微笑み返した。





    ナナバ「次にジュリエットの発表をする!」


    また辺りは静寂に包まれた




    >>シュウさんお願いします!
  223. 223 : : 2014/03/13(木) 10:14:39
    ドクン・・・ドクン・・・


    おさまりかけた鼓動がまた速くなっていく。




    女性陣の多くが目をつむり、自分の名前が呼ばれるのを今か今かと待っている。


    アニも当然その一人で、静かに佇んでいながらも緊張の色を漂わせたその顔は、えも言われぬほど美しかった。





    ・・・何気なく俺はヒッチの方を見る。



    彼女は目こそつむっていないが、やはり緊張の色は隠しきれておらず、ナナバさんから目を背けて俯いていた。





    不意に、ヒッチが俺の方に目を向ける。



    何故だか分からないけど、俺の鼓動が一瞬だけ強くなった。






    「・・・ジュリエットの役は・・・。」




    ドクン・・・




    ドクン・・・




    ・・・










    「・・・・・・ヒッチ。」





    ・・・水を打ったような静寂。



    その静けさを噛み締めるように間を置いて、





    「・・・はい!」


    ヒッチは威勢良く返事をした。








    ぱち・・・



    ぱち・・・ぱち・・・ぱち・・・



    パチパチパチ




    自然と拍手が沸き起こる。



    受容の証。



    ヒッチの実力は、なんだかんだ言いつつも、部員たちの間で認められていた、ということだろう。

    俺の時と比べて、みんなの動揺が少ないのがその証拠と言っていい。






    「仮のジュリエット役にヒッチが選ばれた理由だけど」



    手を軽くあげて、拍手を静めながらナナバ先輩が話し出す。



    「切なさを湛えた心からの悲鳴をあげる演技については、昨年から演劇部にいる割にはとても幼稚で、ただ叫んでいるだけのように聞こえる。」


    「しかし、それは昨年までの上っ面の演技ではなく、心の中にある熱情をまだうまく表現できていないだけのこと。彼女の演技にはエレンと同様に熱がある。」


    「合宿前までの彼女にはなかった必死さ、というものが伝わってきた。その心境の変化と伸びしろに期待しての決定よ。ぺトラと私たちも同意見だわ。」



    一同が納得していた。



    最初は、俺もヒッチに対してあまりよくない印象を抱いていたが、目の前で演技を見たときは正直その上手さに驚いたし、昨日から演技に対する真剣さも見て取れた。


    ・・・アルミンはその理由を話すのはフェアじゃないと言っていたが・・・。





    ふいに、熱っぽい視線を感じ、その方を向く。




    ヒッチが俺の方を見ていた。



    そして俺の方に歩み寄り、



    「・・・よ、よろしく。」


    と硬直した右手を差し出した。



    「お、おう。こちらこそよろしく。」

    俺もそれに応える。


    その時、今朝のちょっとした”アクシデント”が蘇る。



    俺もヒッチも頬を染めてしまった。




    主人公の二人の仮役が決まったあとは、淡々と周りの配役を読み上げられた。



    マルコはティボルト役を、ダズはマキューシオ役を、そして僧ロレンス役にはベルトルトが抜擢された。



    「ロミオとティボルトとマキューシオの斬り合いの場面については、マルコを中心に練習すること。」


    ナナバ先輩がそう言った。





    「よろしくな、マルコ!」



    俺は心から信頼を置く、マルコにそう呼びかける。






    「・・・よろしくね。」



    マルコは一言、そう応えた。


    その時、俺は言い知れぬ違和感を覚えた。

    いつものあの温和で大人の雰囲気をもったそれではない。


    どこか冷たい、距離を感じさせる、そんな雰囲気だった。





    そして、何より気がかりだったのはアニの配役だった。


    一人一人配役が当てられていく。



    しかし、最後までアニの名前が呼ばれることはなかった。


  224. 224 : : 2014/03/13(木) 14:28:48
    選ばれた部員は、仮配役の台本を渡されその後、解散の指示が出て部員達が散り散りに自分の部屋へ戻っていった。
    俺は、心配ですぐにアニの側に駆け寄った
    皆も心配していた。アニがこれまで、どんなに努力したのか見てきた。そして、アニの演技力を誰もが認めていた。
    当然、何かの仮配役にも選ばれるだろうと思っていた。
    しかし、選ばれなかった
    駆け寄るとアニが落ち込んでいると思い励まそうと思ったのか女の子達が群がっていた。

    だけど、思ってた以上にアニは明るく振る舞っていた。それを見て安心したのか自分の部屋に戻っていく人たちもいた。

    しかし俺にはアニが無理に明るく振る舞っているように見えた




    すみませんm(_ _)m短くて…今年、県外の大学に受かって一人暮らしをするためその準備が忙しくなかなか書けないと思いますですから自分の順番を抜かしてください。
    落ち着いたら、また参加させてください
  225. 225 : : 2014/03/13(木) 15:14:28
    >ライナー兄貴さん

    了解しました!
    私も引越しですので、一緒に頑張りましょうね♪
    時間が出来たらまた是非とも声をかけてください!

    それと、もしよければこのリレーの発端となったグループにいらしてみませんか?(∩´∀`)∩
    強制はしませんが、みんなでリレーの展開について感想を述べたり楽しく会話などしておりますのでよければ〜!

    >216 えりさん

    いつもありがとうございます(๑′ᴗ‵๑)
    ホントに読めない展開になってきましたね!
    私ももうすぐ自分の番なので、いろんな意味でドキドキですよ〜ヽ(´・∀・`)w
  226. 226 : : 2014/03/14(金) 17:10:43


    ―五日目



    今日から自分の役に向けての練習が始まる


    各々の言い渡された仮の役に甘んじて



    エレン「ナ…ナナバさんが!?」



    ナナバ「うん、ロミオは重要な役だからね…」


    ナナバ「ロミオとジュリエットは直接教えることにしたよ」



    エレン「あ…ありがとうございます!」


     続けてヒッチも頭を下げる


     俺ら本役決めまで一緒に練習だからな



    ナナバ「とりあえず…覚えやすい、かつさまざまな感情が入り交じるシーンを合わせてみようか…」


    ナナバ「…ここのシーンとか、どうかな」



    エレン「…わかりました」


    ーーーー
    ーーー
    ーー



    ヒッチ「もう行ってしまうの? 朝はまだよ」



    エレン「行かなくては、いたら殺される」



    ヒッチ「朝の光ではないわ、本当よ、マンチュアまでの道を照らしてくれる流星よ。だからまだ行かないで」



    エレン「捕らえられて殺されてもいい! 僕も行きたくはない、死よ来い、ジュリエットの望みだ、話をしよう、まだ朝は来ないから」



    ヒッチ「朝よ、もう朝よ。早く行って、明るくなるわ」



    エレン「明るさと共に、ふたりの心は暗くなる……」



    ナナバ「…うん、最初よりはかなりよくなったと思うよ」



    エレン「なんだか…全体的に詩的で難しいですね」


    エレン「そこが良さなんでしょうけど」



    ナナバ「まぁ、シェイクスピアだからね」


    ナナバ「さ、時間は限られている…午後は私はキューシオ役を見に行くよ」


    ナナバ「それにエレンは斬り合いの場面を練習しなければ…ね」



    エレン「はい、ありがとうございました」




    >>次へ
  227. 227 : : 2014/03/14(金) 17:53:37
    ゆきさん、グループに参加したいんですが…上のURLのどれから入れば、良いですか?
  228. 228 : : 2014/03/14(金) 18:16:38
    >227 ライナー兄貴さん

    URL、上から二番目になります!
    不安でしたら私の名前をクリック(orタップ)してユーザーページに飛んで頂ければプロフに書いてます!
  229. 229 : : 2014/03/15(土) 01:23:43
    やっと追いつきました!
    みなさん、とっても書き方が上手で私も見習いたいです。

    これからエレンとアニがどうなっていくのか、とっても楽しみです(*^ω^*)

    皆さん頑張ってください!
    応援してます!
  230. 230 : : 2014/03/17(月) 22:43:07
    皆さん凄いです
    応援してます
  231. 231 : : 2014/03/18(火) 15:42:11
    ゆきさん、主要な登場人物がほぼ固まったので、ミーナ・ヒッチ・マルコを追加しても問題ないと思います。それで丁度8人ですね
  232. 232 : : 2014/03/18(火) 17:35:38
    進撃の和人さんが忙しさから投稿が困難との事でしたので、進撃の和人さんが戻られるまでは順番を、

    そふとくりぃむ。さん→進撃の和人さん

    から

    そふとくりぃむ。さん→My.Loさん

    とさせて頂きます!ご了承下さいませ、!


    >229 葉月さん

    ここまで読んで下さりありがとうございます♪
    ですがまだまだ物語はこれからと言ったところだと思うので、引き続き楽しみにして下さると嬉しいですかね(๑′ᴗ‵๑)

    >230 ヤヴァイ兵長さん

    ヤヴァイ兵長さんも頑張ってくださいね!
    グループのメンバー一同、応援しておりますよ〜(・∀・`*)

    >My.Loさん

    了解しました!
    そのように編集しておきますね〜!
  233. 233 : : 2014/03/19(水) 23:46:32

    ちょっと嵐を起こす...予定((((っ・ω・)っ

    和人さんも抜けてしまって出番が早まったから、作成に時間が掛かりました。

    これから行きますよ?準備はいいですか?

    ルシ◯ェル「そんな装備で大丈夫か?」

  234. 234 : : 2014/03/19(水) 23:47:33

    「はーい!今日の稽古はここまで」


    ナナバの拍手を合図に5日目の稽古が終了した


    「「「ありがとうございましたぁ!!」」」


    お礼の気持ちをその声の大きさに表す

    エレン、ヒッチ、マルコ、ベルトルトなどの仮役達の声は一際大きい


    今日も疲れたけど、今は稽古が楽しくて仕方がない!

    仮とはいえ、主役を演じている事も気合いに関係しているはずだ


    「エレン、お疲れ。アンタ、スジが良くなってきたじゃない」

    「おう、ヒッチも真剣な様が伝わってくるぞ」


    ヒッチとも、今ではこうして談笑出来るくらいに良好な関係になった…奇跡だな


    「私、お腹空いたよ。早く晩御飯に行かない?」

    「そうだな。アニも誘って…」




    ――――その切磋琢磨する様子を見つめる1人の少女


    エレン…役も貰って、益々勢いづいているね…対して私は…

    ヒッチの実力も私は認めてはいるけど…やっぱり悔しい事には変わりないよ


    「アニ!今日は一緒に、晩飯食わないのか?」

    「あっ…っ!」

    「おいっ、どこ行くんだよ!?」

    「待ちなよ、エレン…今は追わない方が」


    また…咄嗟に走り出してしまった…ごめん、エレン

    今の私は、アンタ達に嫉妬して…こうして遠目で見ているしか…出来ないんだよ…ごめん




    何だったんだ?アニの奴…どうして突然、逃げるように走り出して…

    それに、ヒッチも何か訳知りみたいに、俺の事を引き留めて…


    「あぁー、ごめんね?今はアニの事…そっとしておいてあげて欲しいんだ」

    「…アニは、役が取れなかった事を悔しがっているのか?」

    「まぁ…そんな所だろうね…他にもあるだろうけど」

    「…最後、何て言ったんだ?」

    「ううん、何でも。アンタは今、本番で役を獲る事に集中しなよ?」


    そう言って、ヒッチは誤魔化すかのように笑顔を見せるけど…俺はアニの事が気になって仕方がない




    ――――そんな3人の様子を見つめる人物もまた…そこにいた…マルコだ

    正確には…ある1人の事を見つめていた


    「……」


    エレン…この気持ちが醜い物だという事は分かっている

    でも…僕は君に対するこの嫉妬の気持ちをこのまま隠すのは至難だ

    僕は、この春から部長の責務を引き継いだ


    2年生は受験の関係もあって、春のコンクールを最後に引退し裏方に回る人が大多数となる

    だから…この秋のコンクールだって、僕にとっては残り少ないチャンスなんだ


    ここまで努力を積み上げてきたんだ。演劇に対する気持ちだって誰にも負けるつもりはない

    だから…そのロミオの役は、絶対に僕が欲しいんだ!!


    「……」


    それに…彼女の事も…まだずっと気になったままだ


    「…アニ」

  235. 235 : : 2014/03/19(水) 23:48:29


    おっと、いけない!思わず気持ちが口から漏れてしまった…誰にも聞かれていないよね!?

    …君が幽霊部員になってしまってからは、すっかり話す機会が減ってしまった

    教室で君に話しかける話題も精々、部活へ来るように催促するくらい


    「そして、エレン。そこに君が現れたんだ」


    けれど、そんな君が再び部に真剣に取り組み始めたのも…エレンのおかげなんだよね?

    エレン…君は、僕から全てを奪い去るつもりなのかい?

    アニは、既にエレンに気持ちを向けている…それなら…それなら僕は…


    「演劇だけは、君に負ける訳にはいかないんだ!」


    最後の最後、心に巣食う「負けたくない」と思う気持ちは、言葉となって空を切った


    「……」


    近くの物陰に潜む1つの影は、その場を立ち去った――――




    所変わって、宿舎内の通路では明るい話が交わっていた


    「あっ、ベルトルト!ちょっと待って」

    「何ですか。ナナバさん?」


    体力作りと稽古漬けでクタクタだから、早く部屋に戻りたいんだけどなぁ


    「そんな疲れた顔しない!明るい話だよ?」

    「明るい話…ですか?」

    「そっ!君、体力強化が実を結び始めたのか発声や演技が向上したよ?」

    「あっ、ありがとうございます!」


    あのナナバさんに褒めて貰えるなら、本当にそうだと思える


    「元々、素質は持っていたみたいだね。修練を積めば、きっと本決めもいけるさ」

    「はい、頑張ります!」

    「話はそれだけだからさ?おやすみぃ~」

    「明日もよろしくお願いします!」


    …よかった!あの辛いランニングも意味があったんだ!早速、報告しなきゃ!!




    アニは、どこへ行ったのだろうか?

    彼女が落ち込む時に向かいそうな所…きっとあそこかも


    「…アニ、見つけた」

    「…ミカサ」

    「隣、いい?」

    「…好きにしなよ」


    予想通り。落ち込んでいる事は、声の印象で一目瞭然…ので、友達として励ます!


    「エレンはちゃんとアニの事を見ている」

    「え?」

    「ので、アニは演劇に集中して?」

    「あっ、いや…その…」


    元々、私は口下手。余計な事を口走ってしまう前に、本題だけ伝えてさっさと去るべき


    「ちょっと、ミカサ、どこ行くのさ?」

    「私が長く居ても、きっと邪魔になる…ので、退散するまでの事」


    流石に、先ほどの“心の叫び”まで彼女に伝えるのは、無粋というものだろう

    人の恋路を邪魔する資格は、私には無い




    ミカサ、何だったんだろう?

    とりあえず、戻らないとね


    「あっ、アニ」


    宿舎へ向けて歩く道中、またもあいつと遭遇した


    「…エレン」


    どうしてこうも、天命は私に試練を与えたがるんだろうね――――


    >>To ゆきさん

  236. 236 : : 2014/03/19(水) 23:48:43

    【Point】

    ・アニとヒッチは部員達からその実力を認められるようになった

    ・エレンとヒッチの中は、稽古の中でも良好に!

    ・演劇部2年生は、“基本的に”春のコンクールを最後に引退し、裏方に回ることが定例(例外有)。春先、2年生でマルコが部長を務めている事が、その例である

    ・ベルトルさんには素質があった!
  237. 237 : : 2014/03/20(木) 21:25:14
    これはほんとに展開が読めませんねぇ〜
    ベルトルトはアニのことが好きなんですかね? 話はどんどん広がって、見るのが全然飽きません! これからも頑張って下さい!
  238. 238 : : 2014/03/23(日) 04:28:26

    二日目の夜の事を思い出し、俺はまた人気の無い夜の稽古場へと足を運んでいた。

    アニは、きっとまたあそこにいる。




    ――― 会ったら何を話そうか?


    ――― どうしたらアニを元気付けられるだろうか?


    そんな事を考えながら先日と同じ通路を歩いていると、向こうから誰かがやってきた。


    その人物は・・・


    エレン「――― あっ、アニ。」


    アニ「・・・エレン」


    力の無い瞳を向けて、アニは俺の名前を呟く。


    また逃げられるんじゃないかって心配してたけど、もうそんな気力すら無い程に憔悴しきっている様子だった。


    そんなアニの姿を目の前にして、俺の前向きな態度は何処かへと消えてしまった。






    ――― 演劇にあれだけ真摯な態度でいたアニ。



    そのアニが、主役どころか脇役にすら選ばれなかった。


    今のアニの心中は決して穏やかなモノではないだろうな・・・



    そんな状態のアニに、俺は何て言葉を掛けてやればいいんだろうか。

    頭の中で必死に考えを巡らせる。









    アニ「私さ・・・」



    そんな風に考えていると、俺よりも先にアニが口を開いた。



    アニ「馬鹿・・・みたいだよね」

    エレン「・・・アニ?」



    顔を逸らし、俯きながらそう漏らす。




    アニ「アンタに偉そうに『女優になりたい』なんて語って・・・」


    アニ「一緒に夢まで追わせてる張本人の私がさ。」



    アニ「部のコンクールの役にすら選ばれないで・・・」



    アニ「アンタやヒッチ、他のみんなが楽しそうに稽古してるの見て・・・醜く嫉妬なんかしてさ・・・」



    アニ「ホントにみっともない・・・笑い物、だよね・・・」アハハ



    渇いた笑いを浮かべるアニ。


    昨日も心配してくれた女子部員達に、無理をした様子で笑顔を向けていたのを思い出す。




    アニ「アンタも・・・」


    アニ「笑ってくれて、いいんだよ・・・エレン?」フッ




    アニ「絶対に負けないって言ったのに・・・」



    アニ「あんたと二人で主役を取りたいって、そう思っていたのに・・・」




    アニ「アンタも頑張ったら、もっと良くなるよなんて偉そうに言ってさ・・・」



    アニ「思い上がった発言をしていたのは・・・私の方だったんだよね・・・」





    エレン「アニ・・・」




    堰き止められていた気持ちが溢れ出したのか、次から次へと言葉を吐き捨てる。



    アニは悔しそうな表情で、グッと唇を噛み締めている。

    握り締めた拳が小刻みに震えているのが分かった。
  239. 239 : : 2014/03/23(日) 04:30:36

    エレン「・・・落ち着けよアニ。」



    一息吐いてから、俺はアニに声をかけた。




    いつもとは違う。

    溢れそうになる感情を抑えるのに必死なアニの様子を見て、こっちが冷静でいてやらなければと考え。

    俺は一言ずつ、アニへと言葉を紡いだ。




    エレン「少なくとも、俺はそんな風に思った事なんかない・・・」


    エレン「入部してからお前と過ごすようになってからさ。」

    エレン「俺は前よりももっと、お前の事をたくさん目で追うようになってた・・・」


    アニ「・・・」



    アニはただジッと俺を見つめていた。








    エレン「――― だから。」



    エレン「お前が陰で、人一倍努力しているのを知っている・・・」




    演劇部に入って初めてお前の演技を見た時、


    俺は『アニは俺達と違って天才的な演劇の才能を持ってるんだ』って。

    そう思っていたんだ。







    ――― だけど本当は。




    人目に付かないあの場所で、一人きりで何度も何度も発声練習をしていた。




    夜の稽古場で、何度も何度もジュリエットを熱演していた。






    ――― 誰の目をも惹きつけるお前の演技力の裏には・・・



    ――― 誰の目にも届く事の無いお前の努力が潜んでいたんだって分かった・・・






    ――― そんな必死なお前の姿を、



    ――― 俺は誰よりもたくさん知ってるぞ、アニ?








    エレン「――― だから。」






    エレン「そんなお前の本気の想いを、俺は笑ったりなんかしない・・・!」


    エレン「絶対にな、!」



    アニ「エレン・・・」







    ――― 潤んだ瞳を向けて俺を見つめるアニ。



    その瞳からは、微かだが光が戻っている様子が伺える。

    ほんの少しだけホッとした俺は、柔らかく微笑み返した。





    エレン「それに・・・」








    エレン「まだ役が本格的に決まった訳じゃないだろ?」


    エレン「それなのに・・・今諦めちまってどうするんだよ、アニ?」


    アニ「!」



    俺の言葉にハッとした様子で目を見開くアニ。



    エレン「俺だって。まだ実際のところ、本番でロミオを演じさせてもらえるかわからない状況だしな・・・」


    エレン「だからさ・・・仮の役に選ばれた俺も、選ばれなかったお前も。」

    エレン「今はまだ立ち止まっちゃダメなんだと思う・・・」


    アニ「・・・」




    エレン「・・・頑張るんだろ?」


    エレン「俺とアニ・・・二人でさ!」



    俺はより一層力強い瞳をアニへと向け、想いの全てを伝えた。






    アニ「エレン・・・」






    全てを聞き届けたアニはまた、下を向いて俯く。


    そして左手で強引にゴシゴシと顔面をこすった後、口を開いた。




    アニ「そう・・・そう、だよね。」




    アニ「私はこんなところで、立ち止まってなんかいられない・・・」



    エレン「アニ・・・!」




    アニ「まだ終わってなんかない・・・」


    アニ「まだ諦める訳には・・・いかないんだ・・・!」






    ――― そう言ってアニは、勢い良く顔を上げた。





    アニ「ねぇ、エレン」




    真っ赤な目と鼻を見せながら、

    けれどもどこか決意に満ちた表情で。


    俺と真っ直ぐに向き合った。





    アニ「――― 絶対に2人で・・・主役を取ろうね!」






    俺の答えは決まっている。



    エレン「ああ!もちろんだ!」



    そう返すと、アニはただ満足そうに笑った。



  240. 240 : : 2014/03/23(日) 04:32:46


    ――― それから一時間くらい経ったのだろうか?


    元気を取り戻したアニは、落ち込んでいた分の時間を取り戻すかのように稽古に打ち込んでいた。




    ――― ただ。


    前回とは違って、今回は俺と二人での練習だった。



    もちろん、ナナバさんやヒッチと一緒の稽古も自分の実力を伸ばすいい機会だったけど。




    ――― なんだろうな・・・


    上手く言い表せないけど、やっぱりアニと二人でする練習は俺にとって格別なものだった。




    一通り『ロミオとジュリエット』を演じ終わり、俺達はステージの淵に腰掛けて談笑していた。


    アニ「アンタ、随分と良くなったね・・・やっぱりナナバさんの指導は勉強になるかい?」

    エレン「そうだな。やっぱりプロの話は凄く為になるって感じがするな!」

    アニ「ふふっ、そうかい。アンタがやる気一杯だと、私も負けてられないって気になるね・・・」クス



    アニもすっかり笑顔を取り戻したようで、俺は安心していた。







    アニ「さて、それじゃあそろそろ寝ようか」

    アニ「明日はいよいよフルマラソンの日だし、早めに寝ておかないと後がしんどいからね・・・」

    エレン「ああ。そういえば、いよいよ明日なんだな・・・」



    すっかり演技の練習ばかりに熱が入っていたせいか、その存在を忘れていたな・・・


    エレン「・・・まぁ、お互い頑張ろうぜ!アニ!」

    アニ「ああ、そのつもりさ」フフッ



    アニ「それじゃあ・・・おやすみ、エレン」

    エレン「おう、おやすみ!アニ!」



    アニは小さく手を振りながら、稽古場を後にした。






    さて・・・

    俺も部屋に戻るかな・・・








    ――― そう思った矢先、




    「いやぁ。素晴らしかったよ、二人とも」パチパチ






    ――― 別の方から、拍手と共に声を掛けられる。






    暗がりからヌッと姿を現したのは・・・



    今日俺に付きっ切りで指導してくれた、癖のある金色のショートヘアの人物。






    ――― ナナバさんだった。

  241. 241 : : 2014/03/23(日) 04:35:48

    エレン「ナ、ナナバさん?!」


    思わず間抜けな声が出た。


    ナナバ「あはは。びっくりしたかい、エレン?」クスクス


    ナナバ「ちょっと忘れ物を取りに来たら、誰かが稽古しているのを見掛けてしまってね!」

    ナナバ「あまりにも熱心だったから、思わず最後まで見守ってしまったよ」アハハ


    大先輩を前に硬直している俺とは対照的に、饒舌に語るナナバさん。




    ナナバ「そう硬くなるなって、エレン!」ポン


    いつの間にかそばに来ていたらしいナナバさんに肩を叩かれる。

    そんなに親しげに触られても、余計に緊張するだけなのですが・・・



    心の中でそう呟く。






    ナナバ「――― ところでエレン。」




    しかし俺の背後まで足を運んだところで、ナナバさんの口調は一転する。




    エレン「・・・なんでしょうか?」


    釣られるように真面目なトーンで返事をした。



    ナナバ「君の先程までの演技を見せてもらったのだけれど・・・」

    エレン「・・・はい」




    ――― 思わず身構えてしまう。




    ナナバ「とても自然体で、君の熱意の全てが伝わってくる。そんな感じがして悪くなかったよ・・・」ニコ



    しかしナナバさんの口から出たのは予想外の言葉だった。

    その表情の柔らかさからも、それが本音であると十分に伺えた。






    ナナバ「けどね・・・」



    ナナバさんは続ける。






    ナナバ「劇っていうのはいつでも。相手役が誰になるかなんて分からないんだ・・・」

    エレン「・・・?」



    ナナバさんの言葉の意味がイマイチ出来ていなかった俺。




    ――― けれど、








    ナナバ「だから次は・・・」


    ナナバ「それを・・・しっかりと『演じる』んだよ?いいね?」フフッ







    ――― その一言で、全てを理解した。

    同時に、急激に顔に熱が集まるのを感じる。



    そんな俺の様子を見て、クスクスとまたナナバさんは笑った。






    ――― だが、

    ナナバさんの言う事は尤もだ・・・


    今のままでは、まだまだ俺には足りないものが存在している。

    それを7日目の夜までに、何とか克服しないとな・・・



    エレン「ご指摘下さり、ありがとうございます・・・!」


    俺はナナバさんに深々と頭を下げた。


    ナナバ「そんなに畏まらなくてもいいよ、今は自由時間で稽古の時間じゃないんだ」ハハッ


    ナナバさんは相変わらずの様子で笑顔を向けてくれた。



    エレン「・・・」




    そんな優しそうなナナバさんの笑顔を見て、


    俺はつい、ふと疑問に思った事を口にしてしまった・・・





    エレン「あの・・・」



    ナナバ「ん?なんだい?」







    エレン「――― なんでアニは、役の仮決定に名前が・・・?」




    初日にあれだけアニを認めていたナナバさん。

    ついさっき、優しげな笑顔でアドバイスをくれたナナバさん。




    そんな彼女が、

    実力不足という理由でアニに役を与えなかったとは、到底思えなかった・・・


    ――― だとすると、一体?





    その疑問に、ほんの少しだけ間を空けてからナナバさんは答えた。




    ナナバ「・・・アニは、この部の中では誰よりも、」



    ナナバ「発声の仕方も、繊細な動きも、感情の込め方も、表情の作り込みも・・・そして舞台に立った時の緊張感も。」

    ナナバ「何もかもを知っていると思うんだ、」







    ナナバ「――― ただ。」


    ナナバ「一つを除いてね・・・」




  242. 242 : : 2014/03/23(日) 04:36:02

    ――― 六日目の朝。



    ――― 演劇部名物のフルマラソンの日だ。



    とはいえそんなに長い距離を確保できる場所もなく、

    単に温泉街に申し訳程度に設置されている運動場の外周を、フルマラソンと同じ距離だけ走らされるという地味なイベントだ・・・



    結局、答えを聞くことが出来ないままナナバさんとの会話を終えた俺は。

    昨日の事を考えながら、ストレッチなどをしてマラソンへと備える。



    周りの奴らを見ると、去年の惨状を何も知らない一年生。
    (俺も似たようなモノだが)

    やる前からげんなりとている二年の奴ら。

    そしてここぞとばかりにやる気に満ち溢れているスポーツバカに分かれている。



    ベルトルトは気逃れしているのか、いつも以上に存在感が無くなっている気がしないでもない。


    ミカサは相変わらずの無表情だが、たぶん余裕綽々で一位を掻っ攫うんだろうな。


    ヒッチはダルそうにはしているものの、その眼差しはゴールを見据えているかのように力強いものだった。


    アニは涼し気に柔軟体操などをして、スタートに向けて準備万端の様子だ。


    アルミンとミーナも俺が無理矢理にでも付き合わせてやろうと思ったけど、どうやら二人は先輩達とサポートに回るらしい。

    日陰になったテントの下でニコニコとこちらを眺めている。



    周りの面々の様子を確認していると、割合近い場所に居たマルコと目が合った。







    ――― だが、






    その表情はいつもの朗らかな様子ではなく。




    静かに闘争心を燃やしているような、


    そんな真っ直ぐな瞳だった。










    >>次へ
  243. 243 : : 2014/03/23(日) 04:39:20
    4つで済むところを失敗して5つになっちゃいました、てへぺろー(汗)
    どちらにせよ投稿数多くて申し訳ない!><
    88さん、繋ぎをよろしくお願いします!

    >237 えりさん

    その辺りも後々どうなるんでしょうねぇ〜♪
    楽しみですね(๑′ᴗ‵๑)

    いつも温かいコメントをして下さりありがとうございます!
    みんなで頑張ります!٩(◦`꒳´◦)۶
  244. 244 : : 2014/03/23(日) 09:27:30
    ついに、全員がスタートラインに立つ

    現在早朝 7時前…

    走りなれた人でも4、5時間は掛かるフルマラソンを、この暑い夏の陽気の中、何人が完走出来るのだろうか

    「さあ、皆しっかり呼吸法を意識して、自分のペースで走りきるんだよ!?完走目指して頑張れ!!」

    ナナバの澄んだ声が、部員達を鼓舞するかの様に掛けられた

    緊張と興奮で色めき立つ部員の中、冷静に前を見据えているのは…

    静かに闘志を燃やしているような瞳のミカサと―

    ブルーの一見冷たく見える瞳に、熱く燃えるような青い炎を宿した、アニであった

    「よし、では行くぞ!?よーい…スタート!!」

    ゲルガーのよく通るスタートの合図と共に、各々不安や闘志や興奮を抱えながら、果てしなく遠いゴールに向けて走り始めた


    最初の5周位までは、そんなにも差はなかったが、10周を過ぎた辺りから、明らかに身体能力の差が現れ始めた

    ミカサが全く息を乱すことなく、断トツでトップをキープする

    そして、見た目では順位が分からなくなる状況が訪れる―そう、周回遅れになる部員が出始めたのである

    「…ベルトルト…呼吸法、忘れたの?あれほど一緒に…練習した、でしょう?」

    周回遅れになったベルトルトの横に並び、静かに言葉を発するミカサ

    「…はあはあ…」

    ベルトルトは、すでに話す事すらままならない状況だった

    だが、ミカサに視線を移動させ、フッと一瞬笑顔になって、頷いた

    「…そう、そう…私も頑張る…ので、ベルトルトも、負けるな…」

    ミカサはそう言うと、またペースを元に戻した

    ベルトルトの死んだような表情に、生気が蘇った様に見えた
  245. 245 : : 2014/03/23(日) 16:59:31
    ベルトルトには申し訳ないけど、いつも以上に存在感がない所に笑っちゃいましたw

    皆様が書くssは神様Levelですよぉ!
    アニが主役になれますように!
  246. 246 : : 2014/03/24(月) 12:45:58

    エレン「はぁ、はぁ」


    ……‥長い。

    “足が棒のようだ”ってよく言ったもんだよな。

    自分のものじゃなくなってきたみたいだ。


    エレン「(……あと、何周だ?)」


    というか今何周した?

    15週くらいか?

    確か一周が1㌔弱だから、全部で約40週で……あと25週くらいあるのか?


    マルコ「何を、考えて、るんだい?」ハッ、ハッ


    少し前を走っていたところを、ペースを落とし横に並んでから話しかけてくる。


    エレン「別に」ハッ、ハッ


    流石に俺も辛い。

    走りながら喋ると体力の消耗は激しくなる。

    そのため、素っ気ない返事しか返せない状況だ。


    マルコ「止めた方が、いいよ」ハッ、ハッ


    エレン「何を?」ハッ、ハッ


    マルコ「考え事」ハッ、ハッ


    エレン「なんで?」ハッ、ハッ


    マルコ「余計、長く、感じるよ」ハッ、ハッ


    あ、そういえば聞いたことあるな。

    余計なことを考えるよりも、ただ無心で走ることに集中するとあっという間に終わってたりするって。


    エレン「それは、どうも」ハッ、ハッ


    マルコ「うん」ハッ、ハッ


    簡潔に挨拶をしてまた自分のペースに戻っていった。

    それについて行こうと思ったが、他人のペースに釣られるのは良くないと町内マラソンの時どっかの会長っぽい人が言ってたので止めた。

    決して逃げるための理由じゃない。


    エレン「(……説得力ゼロかな)」ハッ、ハッ





    冬とは、言わずと知れたマラソンの季節。

    それのマラソンを半年ほど先取りしたこの練習メニュー。


    ミーナ「皆スゴいね~。こんなに暑いのに、フルマラソンなんて」


    アルミン「ホントだよ。熱中症でも死んじゃうことだってあるのに」


    まぁ、今までそんなことになってたりしないから続いてるんだろうけどね。


    ナナバ「心配かい?」


    ミーナ「あ、ナナバ先輩」


    アルミン「それはまぁ、心配ですよ」


    特にベルトルト。

    あの高身長はその体積に見合った質量を一歩踏みしめる毎に脚へのしかかっていく。


    ナナバ「そうだよね。私も気になる子がちらほらいるよ」


    ミーナ「ベルトルトですか?」  


    ナナバ「うん、その子も心配かな」


    どうやら満場一致でヤバそうに見えるらしい。

    良かったね、注目の的じゃないか。


    アルミン「注目されすぎてニュースにでもなったら事だけど」


    ミーナ「なんのこと?」


    アルミン「ん?……あ、何でもないよ」


    ペトラ「ナァナバ~、ナナ♪」ダキッ


    なんだが変なテンションとリズムを引き連れてやってきた。

    今のを走っている部員に聞かせるとペースが乱れること間違いなしだ。


    ナナバ「ペトラ、その呼び方私好きじゃないよ?」


    ペトラ「いいじゃ~ん、今くらいは!……それより後輩!ちゃんと皆のこと見てるかい?」


    うーん、ペトラさんはこういう人なのか。


    アルミン「はい、それなりには」


    ペトラ「堅いな~。もっとフレンドリーでもいいんだよ~?」


    だって、エレンから聞いたあなたの人物像とかけ離れてるんですから、仕方ないじゃないですか。


    ペトラ「今年は要注意な子が多いから大変なんだよね~」


    アルミン「やっぱりそうですか」


    ミーナ「でも何すればいいのか……」


    ナナバ「あ、それじゃあ伝言でも頼もうかな」


    ペトラ「それいい!流石ナナバn」
    ナナバ「止めなさい」ペシッ


    仲いいな~、この2人。


    ペトラ「それでは!今走ってきてるあの子に伝言お願い!」ビシッ


    ミーナ「えーっと、エレンですか?」


    ペトラ「うん。ピッチ崩れまくってるし、ストライドもバラバラだからちゃんと自分のリズム持ちなさいってね」


    ピッチとは、足の回転数、まぁ動かす早さだね。

    ストライドは歩幅。

    ボルトは一歩で2㍍進むよ。

    つまり化け物だね。


    ナナバ「あと、アルミンはそのちょっと前にいるマルコに、オーバーペースになってるよってお願い」


    アルミン「わかりました」


    オーバーペースはニュアンスで理解してほしい。

    僕も良くはわからないからね。

    でもとりあえず、エレンがマルコを無理に追いかけてるのとは少し違うのかな?
  247. 247 : : 2014/03/24(月) 14:31:02

    暑いな…マジで足が重い…


    エレン「はぁ…はぁ」


    運動は好きだよ、体育でもバスケやサッカー他にも得意なスポーツはあるけど…


    エレン「(ただ走ってる…それが一番…辛いよな)」ハァハァ


    マルコに言われた通りに考え事は…


    エレン「(わかってるつもり…けど…)」ハァハァ


    色々と考えちゃうんだよな…アニの事も…自分の事も…


    エレーーーン!!!!!


    こんな時に…何だよ…


    エレン「なん…だ?」ハァハァハァ


    ミーナ「え~と!ピッチが崩れてる!ストライドが…バラバラだからちゃんと自分のリズム持ちなさい!」


    エレン「はぁ…はぁはぁ…」


    何だよ…その専門用語は…


    ミーナ「by!!ペトラせんぱーい!!」


    エレン「はぁ…はぁ」


    ミーナ「足を動かす早さとか気を付けてね!自分のリズムで!!」


    あぁ…そう言うことね…


    エレン「おう!ニッ」ハァハァ


    ミーナ「(アニが惚れるわけだね)」


    ミーナ「(アルミンには勝てないけどね!)」


    エレン「はぁ…はぁ」

    よし!自分のペースで…


    ミーナ「アニも頑張ってるし…良いところ見せるチャンス…」ボソ


    エレン「はぁ…はぁ…」


    リズムが崩れるわ!!
    まぁ…確かに頑張るけどな…


    ミーナ「おー良い感じ?」


    走って行くエレンを見届けて
    皆の所に戻ろうとしたら
    何周か皆から遅れてる…身長の大きい男の子が息を切らして走ってる姿が見えたから…


    ミーナ「ベルトルトも頑張ってね!」


    疲れきった顔で、息をはぁはぁ言いながら頑張って走ってるベルトルトに!私の黄色い声援をおくってあげた!!


    ベルトルト「あ…あり…ありが…と」ハァハァハァハァ


    ミーナ「うん!」


    ミーナ「…ちょっと疲れた…」ハァハァ


    皆凄いね…私は伝言を伝える為に少しだけ走っただけで疲れたよ?


    ミーナ「(アルミンも頑張って!)」
  248. 248 : : 2014/03/24(月) 23:32:31




    アルミン「おーい、マルコ!」



    僕の呼びかけに、マルコがくるりとこちらを振り向く。

    その表情を見る限り、僅かではあるがまだ余裕があるようだ。

    そんなマルコに走り寄り、ナナバさんからの伝言を伝える。



    アルミン「ナナバさんから伝言で、少しオーバーペース気味になってるよって。暑いから、残りも気をつけてね。」

    マルコ「ありがとう、アルミン。頑張るよ。」



    爽やかにそう答えると、マルコはにこりと笑顔をみせた。

    …さすが演劇部部長、他の人とは違うな。

    僕はその様子に安心して、マルコから離れた。












    …オーバーペース気味、か。

    一定のリズムで脚を動かしながら、今言われた言葉を頭の中で反芻する。

    少しペースを落とそうかと思ったが、後ろを走っているエレンのことを思い出して思いとどまる。

    …部長としてのプライドが、彼に差を縮められることを拒んだ。




    体力はまだ余裕があるし、もう少し今のペースをキープして、それからどうするか考えよう。

    そのまま淡々と前へ進んでいく。

    走り始めた頃は周囲の景色を眺めながら走っていたが、同じところを何度も周回している今、それらにはもはや見飽きていた。




    角を曲がって直線の見晴らしの良いコースになると、少し前を誰かが走っているのが目に入った。

    金髪を後ろで一つに括り、伸ばした前髪が風に揺れている。

    …アニだ。

    マルコは少しペースをあげて、その背中を追った。








    >>店員さん、よろしくお願いします(* 'ω')ノ




  249. 249 : : 2014/03/25(火) 01:40:51
    ーはっはっふっふっ…

    リズミカルに呼吸を取れていても、足が思うように進まない。

    いつものランニングより距離が長いだけ…いつもと同じだ。

    歯車が噛み合わない時ほど、ルーティンは丁寧に。そう勉強した。

    大丈夫、わたしは平常…己にひたすら言い聞かせ、重い足を前へ前へ。

    エレンはどこだろう…。見えるところにいないと、すぐにでも置き去りにされるのではないか。

    エレンの演技は日増しに凄みを増している。たった数日で…あんなにも…私は何をして来たの?

    自分が一切成長していないと思えるほど、駆け足で進むヒッチにも、もはや恐怖を感じる。

    終わりの見えない孤独なレースを続けていると、絶望が顔をちらつかせる。

    ー嫌だよ…。私を置いていかないで!

    ー大丈夫。わたしは平常。

    またそう言い聞かせ、わたしはまた一歩また一歩と、足を出し続ける。

    ー私には、これしかないのだから。

    そう言い聞かせ、また歩を進めるアニから二週後方に、やはり金髪をたなびかせ、前へ前へと進むヒッチがいた。

    ーはあ、脇腹痛い…もう足も上がんないよ…。

    うそぉ!ミカサまた来たの?

    もう4,5回くらい抜かれてるんじゃない?

    はは、私、バカみたいに汗もよだれも垂らしちゃって…かっこ悪いよね。

    でも…走るのがダサく感じて仮病で休んだ去年の私にさ、それに、私を受け入れてくれたあいつらに…胸を張りたいじゃない!

    確かに、ミカサには何周も、エレンにもアニにもずーっと遅れをとって、私の後ろはいつも裏方のおサボり連中と、ベルトルトしかいない。…それでもさ。私はこの合宿で変わる。何が何でもね。

    ーあと5キロ。アルミンの声を聞いて、私の足取りは力を取り戻す。

    え?ミカサ、もうゴールしたの?

    ……なんだかんだ言って…ゴールできるんじゃない?私。

    ランナーズハイというやつであろうか、部員の中で遅れてはいても、ヒッチは最後まで、歩を止めることはなかった。




    ーオイオイ、あと5キロっつったか?

    正直、面食らってガタガタではあったが、やってみたらなんとかなるもんだ。…でもよ。カッコは…つけたいよな?

    後のことは気にしない。全ての力を使い果たしてスパートをかける。

    ーわかってる。これは俺の安っぽい意地だ。どうしても、負けられない奴がいる。

    アニ!お前とは対等でいたいんだ。

    演技じゃどうやってもまだ敵わねえんだから…意地だけは負けられねえ。

    ただただがむしゃらにペースを上げる。

    アニともう一人。俺が負けちゃいけねえ奴がいる。

    ーマルコ。

    明確な敵愾心を感じてから、マルコの態度は微妙に変わった。

    初心者でなく、演者としての対抗心。そう思うと、嬉しくもあり、負けられないと思うわけだ。

    アニ…アニ!よし、いけるぞ!

    愛しい人と肩を並べて勇気付けられた俺はさらにペースを上げた。……が。

    最後の最後まで、マルコの前にだけは、出ることができなかった。
  250. 250 : : 2014/03/27(木) 16:29:18
    はぁ はぁ はぁ…





    死ぬかと思ったぜ…けど…








    走りきった、んだな…






    もはや足に力が入るわけでもなくその場に大の字で横たわった。



    俺、やったよ!

    心の中でアニに語りかけた。



    ただ、ひとつだけ…






    マルコを抜けなかった。


    自分の本気で挑んだけど抜けなかった。

    悔しい…。




    「抜かれるかと思ったよ…」ハァハァ



    息をあらげながらマルコが話しかけてきた



    「全力で走ったんだがな…」


    苦しながらも答える…






    「僕だって…負けるわけにはいかないから」


    マルコのその目には競争心が見えた。



    「お疲れ様」


    それだけ言い残し去っていった。





    俺はあの言葉を一生忘れないだろう…

    あの目。

    あの言葉を。




    これからまた強くならなきゃいけないな…



    そうだ、アニはどこにいるんだろう?

    アニに会うため、立ち上がった。アニに会いに行く。

    不思議と足が軽いような気がする


    よし!


    息を整え終わり、また自分に葛をいれ、アニを探しに歩き始めた。
  251. 251 : : 2014/03/28(金) 01:01:39


    ほんの数刻前まで、俺はアニと肩を並べて走っていた。


    なのにもうアニの姿は見えない。



    次々とゴールし終えて、崩れ落ちる仲間たちをよそに、きょろきょろと落ち着きのない様子でアニを探す。





    長く辛いマラソン。



    それだけじゃない。




    外部売り。


    セリフ憶え。


    感情の表現。



    先輩からの厳しい叱咤・・・。



    ・・・全てが俺にとって、初めてで新鮮で、不慣れなものだった。



    それでも頑張ってこれたのは・・・



    途中で諦めずにここまで出来たのは・・・









    他でもない。




    アニ・・・



    お前がいたからだ。





    お前のあの笑顔が見たかったから。



    一緒にこの喜びを分かち合いたかったから。



    だからここまで頑張れたんだ。





    それなのに・・・どこにいるんだよ・・・。










    整いかけた息がまた荒くなる。



    夏の日差しが容赦なく照り差し、汗が地面に消えていく。



    唾すら飲めない。







    水・・・水が飲みたい。



    そう思った時、ふと顔が上がる。





    ・・・



    ・・・あそこなら。





    一縷の希望。


    それにすがり、その場所へ走る。









    一人の女の子の後ろ姿が目に飛び込んでくる。




    一瞬、心が躍る。




    でも、すぐにそれが誤りだと分かった。







    「ごほっ・・・ごほっ・・・。」


    ぜぇぜぇと苦しそうな息をして、蛇口を握り締めているその姿は、アニのそれではなかった。






    「・・・ヒッチ。」




    落胆と、心ばかりの慰めをこめてそう呟く。




    俺たちの後ろを周回遅れで走っていた彼女は、今しがたゴールをしたのだろう。



    会話もろくにできないのが見て取れるほど、憔悴しきっていた。






    それに・・・





    ヒュー・・・ヒュー・・・



    明らかにいつもとは違う呼吸音が聞こえる。





    とっさに俺はヒッチの傍に駆け寄り、


    「大丈夫か?しっかりしろよ。」



    そう言いながら、ヒッチを肩に寄りかけ、背中をさすった。







    ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・






    弱々しくも、正常な息をヒッチは取り戻していく。




    「・・・ンクッ・・・。ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・。」


    唾を飲み込めるようになり、息が整い始める。




    ほっと安堵の息を吐いた俺は、



    「・・・もう、大丈夫そうだな。あんまり無理はするなよ。」


    そう言って立ち去ろうとした。











    ・・・。




    何が起きたのか・・・分からなかった。



    気がついた時には、ヒッチが後ろから手をまわし、俺の背中に自分の額を押し当てていた。




    背中に熱が伝わってくる・・・。




    俺はどうしていいか分からず、ただただ、足から根が生えたように突っ立っている。




    「・・・エレン。」


    弱々しく俺の名前を呼ぶ。



    「辛かったけど、ここまでできた・・・。」


    「なんてお礼を言っていいか分からない。」



    「・・・ありがとう。」



    そう言って、頬を俺の背中につけ、胸にまわした腕の力がぎゅっと強くなる。






    いつもとまるで様子の違う、女の子の姿。


    そのいじらしさに、顔が紅潮していくのを感じる。





    俺は・・・誰にもこの光景を見られていないことを、切に・・・切に願った。
  252. 252 : : 2014/03/31(月) 05:27:28
    はぁ…はぁ…はぁー

    キツい…

    私は、エレンより早く走り終えた。
    息を整えるため少し歩いた(ジョギングをした)…所謂、クールダウンをした。

    クールダウンとは、息を整えるだけでなく乳酸などの疲労物質を取り除き、全身の疲労回復を早める効果がある整理運動のことを言う。また、ジョギングだけでなくストレッチも効果がある

    クールダウンを兼ねて私は、エレンを探す…
    グランドには走り終えた人が仰向けに倒れている人や膝に手をつき必死で呼吸を整えている人で混雑していた
    エレンも、もう走り終えているはずだ
    私は、キョロキョロしながら大切な人を探した。

    エレンのおかげで完走できた

    昔の私ならやる前に諦めていた…

    あんたがいたから…あんたがどんなに苦しくても諦めない姿が私に力を与えてくれる何事にも諦めない力を勇気を…

    そして、ひとこと言いたい

    『ありがとう』って

    この気持ちを早く伝えるために…一緒に喜びを分かち合うために…エレンを探す

    ーーーーーーー
    ーーーーー
    ーー


    ごほっ…ごほっ…

    走り終えた私は、走り終えた達成感よりも先に喉の渇きが襲ってきた。
    そして一息もつかず一刻でも早く喉の渇きを潤すために水飲み場にやって来た私は、蛇口をおもいっきり捻り水を出す
    この暑さのせいか最初はお湯みたいに熱かったがすぐに冷たい水に変わっていった

    それを口いっぱいに含み飲み込む…

    冷たい水が全身に行き渡り染み込んでいくまるでカラカラの大地が水を吸収するかのように…

    喉の渇きが潤い蛇口を締める

    ヒュー…ヒュー…

    喉の渇きは潤ったがいっこうに息が整わなかった。
    どこからか穴が空いていて、そこから空気が抜けるような感覚だ…苦しい

    「大丈夫か?しっかりしろよ」

    ドクン…

    一瞬、心臓が高鳴る…エレンだ

    息を整えるので必死で返答したいが返答することができない

    しかし、私の心の中ではある感情が湧き出ていた

    『嬉しい』

    エレンが私のことを心配してくれているそれが何よりも嬉しかったが…

    しだいに恥ずかしい、情けないなどの感情が全身を駆け巡る

    そうこう考えていると背中と肩に違和感を感じた。どいやらエレンが寄り添って背中をさすっているようだ。

    はぁ…はぁ…

    しばらくすると、しだいに呼吸が整ってきた

    「ふー」

    「もう、大丈夫そうだな。あんまり無理するなよ」

    そう言って立ち去るエレンに私は、無意識に後ろから抱きつく

    「…エレン」

    心から色々な感情が湧き出してくる

    「辛かったけど、ここまでできた」

    「なんて言ったらいいのか分からないけど…」

    「……ありがとう」

    私は、さらに力を入れて抱きついた

    私、やっぱりエレンのことが…



    そんな二人の姿を静観する一人の少女がいた…そして、二人とは反対方向に向かって歩き出す。金色の髪をなびかせながらその顔には一筋の涙が流れていた。



    誠にすみませんでしたm(_ _)m
    すっかり忘れていました…
    次は、遅れないように努力します!
    次の人よろしくお願いします( ´ ▽ ` )ノ
  253. 253 : : 2014/04/01(火) 06:05:03
    この周回からそふとくりぃむさんの次に依頼の錬金術師さんが参加します!
    よろしくお願いしますね(・∀・`*)
  254. 254 : : 2014/04/01(火) 06:07:49
    >245 えりさん

    いつもありがとうございます♪
    神レベルだなんて言ってもらえて嬉しいですよ〜(・∀・`*)
    でもホントにみなさん一人一人実力を持った方々ばかりですので、自信を持ってこのリレーをお届けするのですよ!w
  255. 255 : : 2014/04/02(水) 22:14:44

    「アニ…」

     会いたい

     今すぐあいつに会いたい

     そう、思っていたのに

     半端な俺だから、あいつを困らせちまう

     心は決まっていた

     なのに…ヒッチを受け入れた

     なにやってんだ…ほんと


    思想を巡らせ額に手を当てる

    すると


    「エレン、大丈夫?頭痛いの?」


    隣で歩調を合わせて歩くヒッチが声をかける


    「ああ、大丈夫だ。ちょっと考えごとをな…」


    「……もしかして…」


    ピタリ、歩みを止める

    時間差でエレンが振り向こうとした

    しかし、


    「アニの…こと?」


    振り返ろうとする身体がなにかに引っ掛かった気がした

    なにか、心の黒いモノに


    「………」


    長い沈黙が訪れた

    二人にはそう感じただろう

    実際には10秒もなかったはずなのに


    「とりあえず…宿に戻ろうぜ」

    「俺はもう眠いんだよ…」

     またごまかした


    「…うん」


    「早く行こうぜ…」

     時々自分でも嫌になる


    無意識に手を握ってしまっていた

    正確には腕を掴んでる状態なのだが

    好意を寄せている人間に手を引っ張られて"それ"を諦められる者がいるだろうか


    少し歩いたところで時刻が落ちていき

    夕焼けが背景を彩る


    「ねえエレン…」

     アニのことが好きなのは知ってる

     でも…

    「私、諦めないから」


    「……」

     結局こうだ

     アニだけでなく

     ヒッチも困らせてるなんて…最低だな、俺

     だったら男としての責任を果たす

     最低なら最低なりに…気持ちをハッキリしたい

    「そういえばヒッチ」

     まだ聞いてなかったな…


    「ん…?」




    『アニがどこにいるか知ってるか?』

  256. 256 : : 2014/04/02(水) 22:15:55
    すみません、上は自分です。

    ログインし忘れました。
  257. 257 : : 2014/04/03(木) 00:03:01
    お気に入り登録させていただきました…参加はしませんが、楽しませてもらいます!
  258. 258 : : 2014/04/03(木) 00:06:51
    参加したいです!
  259. 259 : : 2014/04/03(木) 00:40:16
    ――――――――――
    ――――――――
    ――――――
    ――――


    私は走り終わった後、エレンを探していた

    エレンに会いたい、その一心で探した

    けれどエレンは中々見つからなかった、だから私は一途の望みを懸けてあの場所へと向かった

    行ってみるとそこにはエレンがいた

    私はエレンに声をかけようとした…その時、


    「…エレン」


    ヒッチがエレンに抱きついた


    「えっ…」


    私はその光景に目を疑った…

    何故ならヒッチがエレンに抱きついていたのだから

    私はその二人の光景を見るだけで何も出来なかった

    それは二人の雰囲気を壊したくなかったから

    けれどそれとは別にヒッチに対して嫌悪感を抱いた

    ヒッチとは劇のライバルでもあり、恋のライバルだ

    だからヒッチの邪魔はしたくない。でも、それでもエレンが取られてしまうのではないかと思う自分もいた

    私はその気持ちを押し殺して二人に気づかれぬ様に去った


    目に一筋の涙を流しながら…


    アニ「うっ…ぐす…」ポロポロ


    ――――――――――
    ――――――――
    ――――――
    ――――

    エレン「アニが何処にいるか知っているか?」

    エレンはヒッチに尋ねた

    ヒッチ「うぅん…私は見てないよ…」

    エレン「そっか…」

    ヒッチは知らないと言ったがヒッチはアニが自分達を見ていた事に気付いていた

    そして泣いて去っていった事も

    しかし彼女はエレンには伝えなかった

    今、エレンにその事を伝えるとエレンは責任を感じてしまうかもしれない

    そう感じたからである

    エレン「アニは一体何処にいるんだ?」

    エレンはそんなことも露知らずアニを探そうとしていた

    ヒッチ「入れ違いにでもなったんじゃない?」

    ズキンと心の奥痛みを感じた

    ヒッチはこんなにも嘘をつくのがキツイと思った事は今までないだろう

    ヒッチ「探した所を探してみたらいるかもしれないよ」

    エレン「それもそうだな、ヒッチありがとな」

    ズキン…彼の純粋なお礼の言葉が突き刺さる…

    エレン「それじゃあ探しいってくる」タッタッタッ

    ヒッチ「あっ…」

    エレンはそう言ってヒッチの元を去った

    一人になったヒッチは一人でため息をついた

    果たして本当に伝えなくて良かったのだろうか…

    そんな事が何度も頭を過る

    そしてヒッチはポツリと小さな声で喋った


    「アニ、ゴメンね…」

    と……

  260. 260 : : 2014/04/03(木) 02:24:16
    >257 ユキーロさん

    ややや!お気に入り登録ありがとうございます!
    私達、参加者一同、たくさんの方々からご支援のお言葉など頂き、ホントに嬉しく思いますよ〜♪(๑′ᴗ‵๑)

    >258 るーいさん

    あ、わかりました!
    ちょっとばかり待ってください!
    錬金術師さんの次に書く事になるとおもいますが、その前にこの周回から次の執筆者であるミロさんの前に入れられるかどうか早々に判断致しますので!
  261. 261 : : 2014/04/03(木) 02:31:04
    >258 るーいさん

    ミロさんから許可を頂いておきました!
    ので、この周回から投稿下さるようお願いします!

    リレーの順番(中間報告)

    My.Loさん→ゆき→88さん→イェーガーの進撃さん→EreAniさん→submarineさん→店員さん→Aniっちさん→シュウさん→ライナー兄貴さん→そふとくりぃむ。さん→錬金術師さん→るーいさん→以降参加希望者(or最初に戻る)
  262. 262 : : 2014/04/03(木) 02:40:45
    >>そふとくりぃむ。さん
    今回から遥かに執筆力の向上が見受けられました。
    改行や1字開けなど、凝っている部分も多いですし、なにより表現が上手です!
    君は、これからも伸びる!ε======((((っ・ω・)っ


    >>錬金君
    一巡目ご苦労様。どうしても不足しがちになるヒッチの心の葛藤を痛みとして表現していて、大変GJだったよ!(。ゝ∀・)b
    これからも期待♪


    >>るーいさん
    貴方の名前は偶にお見かけしておりました。
    プレッシャーを掛けるつもりではありませんが、活躍に期待しております!(っ`・ω・´)っフレーッ!フレーッ!
  263. 263 : : 2014/04/03(木) 11:51:45
    まってください!?
    プレッシャーありすぎてもうこれ笑うしかありませんよ…本当に…アハハハハハ…
    みなさんの名に恥じぬよう精一杯やらさせていただきますが、もしもお目汚しになった場合は本当にごめんなさいっ!がんばります!
  264. 264 : : 2014/04/03(木) 12:49:29
    るーいちゃん、そんな力入れずにリラックスですよー!なんてったって次はミロさんだから、だいたいなんとかしてくれますよw
    …とかいいつつ、自分の番はガクブルしてるけどw
  265. 265 : : 2014/04/03(木) 15:02:26

    その夜
    私はいつものように大広間にいた

    今日一日、なにも手が付かず
    ただただ時間が過ぎていくだけだった
    私は何をしているんだろう

    二人で、主役になろうって決めたのに
    二人でこの夢を追いかけようって…
    エレン…


    気付けば、窓辺で月明かりをネックレスのサファイア越しに眺めていた
    青白く光る月
    遠くから私達を照らしている


    ふと、あの夢のことを思い出した
    あれが現実になってしまったの?
    いや、もっと悪い形で現実になってしまった

    あいつは、エレンは
    もう戻ってきてくれない
    私の手の届かない…

    あの、月のようだ



    その時

    手からネックレスが滑り落ちた


    永遠に思えた、その時間


    カシャン、と音がその静寂を破った


    サファイアが欠けた

    エレンから貰った、大切なネックレスが



    欠けた




    足に力が入らない

    震えるようにして膝から崩れた

    唯一、エレンと繋がっていたものが

    私が壊した

    私が、この手で壊した


    視界がぼんやりとしている
    やっと掴んだ幸せは一瞬にして消え去った

    欠けたサファイアを持ち上げる
    落とさないよう
    壊さないよう

    そっと…

    美しく寂しく月明かりと共に輝くサファイア
    アニの心に触れたような色だ
    サファイアを抱きしめ
    アニは
    哀しみに泣いた
  266. 266 : : 2014/04/03(木) 15:02:58
    ミロさんよろしくお願いします
    力尽きました
  267. 267 : : 2014/04/03(木) 19:13:33
    やっべぇ…レベルが上がってきてる…(笑)恐い…自分の番が恐い…(笑)まぁ、頑張りけどね(笑)
  268. 268 : : 2014/04/03(木) 19:19:10
    参加したいです!お願いしますm(__)m
  269. 269 : : 2014/04/03(木) 20:06:25
    >>266 るーいさん
    ..OK!内容は大変GJでした!(。ゝ∀・)b
    良いタスキを貰った点前、私が失敗するわけにはいきませんね


    >>268 いちごさん
    ゆきさんに代わり、私が返答をしますね(・∀・`*)
    (ゆきさんと個別にお話をした結果、この場限り私が代理を務めます)
    結論から言うと、『参加はOK』です。いちごさんは次の周のるーいさんの次に執筆を行ってください。

    この次はひとまず私がリレーを繋ぎます。この1周の間にいちごさんはリレーSSを最初から読み直し、大前提と流れをおおよそ把握するよう努めてもらえますか?

    そして、私が個人的にこのリレーSSのフラグや出来事等を時系列に沿ってまとめた「あらすじまとめスレ」があるので、そちらもなるべく目を通していただければと存じます。
    http://www.ssnote.net/groups/68/archives/11

    このスレに関しては、参加者の皆様にもストーリー上の細かな設定を確認して、高度な内容の正確性・緻密性の構築にご協力いただければと存じます。何卒、よろしくお願いします。
  270. 270 : : 2014/04/03(木) 21:17:33
    >>269
    ミロさんありがとう!
    では、私の順番が回ってくるまでに設定や流れを理解して、皆さんの足を引っ張ることのないよう努めます!
  271. 271 : : 2014/04/03(木) 21:43:43
    >>269
    ありがとうございます!!!!!!!!!!!!
  272. 272 : : 2014/04/08(火) 23:12:49




       
  273. 273 : : 2014/04/08(火) 23:12:55


    チチチチ…



    「…朝か」



    気怠《けだる》い身体を起こす一人の少年



    「今日は…そうか。合宿7日目だったな…2回目の自炊の日だ」



    スタスタスタ



    宿舎の通路に、パタパタと足音が小さく響き渡る

    まだ朝早い時間の為、この合宿で疲労を困憊《こんぱい》させている部員達を労《ねぎら》っての配慮だ

    いつものハードな稽古のみならず、フルマラソンという地獄を味わった部員達である

    その疲労は計り知れないだろう。皆がまだ泥のように眠りこけている



    「…昨日は、あいつが言った事…真剣に考えていたら…そこまで眠れなかったな」



    彼は、昨晩の出来事を反芻《はんすう》していた

    ずっと彼の家族として、傍に居てくれた…彼女との会話を――――






    『アニの奴…どこにいったんだ?』



    宿舎内を探し回るも、目的の人物は一向に見当たらない

    ここで、彼が大広間を探さなかった理由は、深層心理に合った



    『アニに…嫌われたくない…本当は、今会いたくない…俺の心が弱いから』



    彼の心の中に、愛しの人物を憚《はばか》る所以《ゆえん》。それは、『迷い』だった

    …昨日のマラソン後、ヒッチに抱き付かれ、心が揺らいだ…それが彼に迷いを生んだ



    『ヒッチは、何を考えて俺にああしたのか…いや、そんなの…分からないはずも…』



    思わず拳に力が入り、手入れを怠《おこた》った少し長めの爪が皮膚から血を引きずり出す

    自分の選択に対する悔しさと確信を持てない事への歯痒さ…その想いが血となって、指先を滴りつつある

    そんな折に、図らずも彼の指針となったのは、『家族』



    『…エレン。おはよう』

    『…ミカサ…おう』



    こんなぶっきらぼうな返事も、家族だからこそ言える…心を許している証拠である



    『…迷っているの?』

    『…なんで…そう思うんだ?』



    彼女は、唐突に彼の核心を突く…その漆黒の瞳は、彼の僅《わず》かな動揺を見逃さない



    『別に…どうにもエレンは、心に落ち着きがない…それもいつもの事だけれど』

    『…なんでも知っている口ぶりだな…相変わらず』



    彼女に対抗する事が無意味な事は、幼少期から既に分かっている

    だが、彼が心の動揺を隠さんとするには、減らず口を叩く他、手段が無かったのである



    『…アニは、エレンよりも演劇を取る』

    『…っ!?』



    こればかりは、表面的な動揺を隠そうとする方が難儀である



    『エレンがアニの本質を理解してあげない限り…二人の道は交わらない』

    『……』

    『ただ、アドバイスできるのは、それだけ。エレンが“初めに立てた誓い”を思い出して?』

    『俺の…誓い』

    『それじゃあ、私は先に行くから…お昼には自炊もあるし』

    『あっ、ミカサ…』



    彼女の真意は、彼にアニの本質を気付かせる事

    そして、彼にもまた一念発起した時の想いを再認識させる事

    その為には、言葉の数は不要だった――――






    「俺が…意識を変えないといけないんだよな!」



    彼はこの一夜で、再び精神的成長を果たしていた――――


  274. 274 : : 2014/04/08(火) 23:16:39


    ―――――――― 


    「…よしっ!」



    ここにも一人、この日に闘志を燃やす女の子…アニだ。



    「まずは…エレンに謝らないと!」



    謝るのは、昨日の事故…否、悲愴《ひそう》が生んだ悲劇

    消沈しかけていた彼女へ助け舟を出したのは、幼馴染み…ベルトルト



    「でも…あいつにあんな事まで聞いたのは…恥ずかしかったかも…失敗したよ」



    クスリと軽い微笑みを浮かべ、昨日の出来事を反芻する

    …考えている事は、どうも似通っているようである

    彼女もまた、助けを乞うていた



    「でも、私もすぐにあの大広間に逃げ込むように向かう癖も…治した方がいいのかもね」



    彼女が大広間でサファイアのネックレスを壊した事への傷心

    途方に暮れる彼女に、彼はこれまで彼女を応援し続けてきた力を発揮した――――






    ガシャン



    『あっ!?』



    それが落ちていく間は、悠久の様にすら感じられた

    だが時間は無情にも、彼女のその手の中へ宝物を納める事は許さなかった



    『そんな…エレンに貰ったのに…初めて…エレンから…うぅ…』



    月は天を仰ぎ、その輝く光をこのステージへ注ぎ込む

    その光が蒼き宝石を美しく照らすも、傍に膝をつける彼女の雫《しずく》を美しく照らすことはない

    哀しみの色は…必ずしも悲劇的な美しさを生むわけではない

    彼女の心にあるものは、嫉妬と後悔



    『私…どうしたらいいの?…役も貰えず…エレンまで…失いつつある』

    『…アニ、泣いているの?』

    『…ッ!…アンタかい、ベルトルト』

    『ごめん。君が泣いているところを見るつもりは…』



    そんな事は、彼の事をよく知るアニにとっては、疑う余地のない当たり前の事だった



    『…ごめん。みっともないところ見せて』

    『…僕は君の事を応援し続けるって約束したんだ…相談には乗るよ?』

    『……』

    『……』



    流れる沈黙…二人がとりわけ言葉を交わさずとも、互いの事が理解できる事もまた…互いが分かっている



    『…ねぇ』

    『なんだい?』



    沈黙を破ったのは、彼女の方

    彼女の中には、1つの疑問が浮かんでいた

  275. 275 : : 2014/04/08(火) 23:17:14


    『アンタって…まだ私の事…好きだったり…するのかい?』

    『……』



    彼女が訪ねた事は、端から見れば突拍子もない事

    だが、彼は冷静に答える



    『…こういう言い方は、失礼かもしれないけど…もうそういう好きじゃないよ?』

    『…そうかい』



    彼女の言葉が少ないのは、隣の彼への『逃避』ではない



    『僕は君の事を諦めると同時に、君の夢を応援する立場へ移ったんだ』

    『…お人好し』



    ベルトルトは、一度アニに告白をした事があった

    中学生の時、彼は持てる情熱を言葉と行動として彼女へ示した

    結果は伴わなかった…彼女は、夢を追う枷《かせ》は不要と感じていた

    だが、今の彼女は違う。“エレンと共に夢を掴みたい!”と真摯《しんし》に考えている



    『アニは今…心に陰《かげ》りがあるね』

    『…壊してしまったんだ。これ』

    『あぁ…そうだったんだ』

    『…私、どうしたらいいのか分からないの』



    必死に首を振り、床に垂れた涙が僅かながらに月明かりを反射させる



    『アニは今、とても焦っているようだから…こういう時にこそ、地に根を生やすべきだと僕は思うよ』

    『地に根を生やす?』

    『上へ伸びる事が出来ないと感じた時は、下に強い根を生やす!…って誰かが言っていた』

    『誰かって…誰さ…全く、調子が良いね』



    などと言いつつも、元気つけようとしてくれた事

    更に漠然としながらも方向性を見つめ直す助言への感謝の気持ちを微笑みとして返す



    『…そうだよね。ここで焦っても仕方がないよ!』

    『うん。アニはそうやって、笑顔で居て?』

    『…気恥ずかしいよ、ふふっ』

    『…ごめん。言った手前、僕も恥ずかしいから、ははっ』



    彼女の中から…靄《もや》が晴れたと感じた瞬間だった

    完全には払拭しきれずとも、こうして月の光を灯す事ができた

    彼女の立ち直りもまた…すぐ手前にある



    『それじゃあ、私は明日になったら、素直にエレンに謝る事にするよ』

    『うん。それを話のきっかけにして、また仲直りしたらどう?』

    『…ありがとう。ベルトルト』

    『…名前で呼んでくれたの…久しぶりだね』

    『…そうだっけ?』

    『おやすみ、アニ』



    また照れる前にさよならを言いきり、足早に去っていった彼

    またも大広間に一人佇《たたず》む彼女は、決意を新たにした――――






    彼女の眼は、この日の快晴の空を象徴したかのように蒼く煌めいている



    「…エレンを探さないとね」

    「それと今日のお昼は…あいつの為に…ハンバーグも作ってやらないとね!」



    こうしてまた1人、新たな兆しを胸に秘め、朝を迎える――――

  276. 276 : : 2014/04/08(火) 23:17:57


    ――――――――


    『…はぁ』



    溜息をついていたのは、先ほど“彼”を後ろから抱き付いた“彼女”



    『私…あいつに…』



    この合宿中の彼女の心情の変遷は、とてもめまぐるしいものであった

    嫉妬を重ねてきた好敵手《ライバル》に勝たんとし、本気で演劇に向き合う姿勢を見せた事

    そして、そのきっかけを作ったのは図らずも、最近そのライバルについて回っていた金魚の糞

    そして…その“彼”に恋慕を抱き始めている自分自身への動揺、更には情動



    『アニに…悪い事しちゃったなぁ』



    一方で、罪悪感にも苛まれていた

    彼が気持ちを向ける先も理解していた

    しかし、興味を抱いてからというもの、その壁を越えようと試みる自身もまたそこにいた



    『な~にが悪い事なの?』

    『ミーナっ!?』

    『どうしたの、ヒッチちゃん?そんなに慌てたりして』

    『な、なんでも…ないよ』



    そんな折、現れた“天敵”

    ヒッチはミーナの前ではペースを乱されてしまう事に苦手意識を抱いていた

    この時も自身の言動から真意を読み取られるのではないかと緊張する



    『…まっ!話してみなよ?友達なんだし、相談なら乗るよ?』

    『うん…え?アンタ今、友達って?』

    『ん、今更?そんなの当たり前じゃん!』

    『…そうだね。じゃあ…少しの間、聞いてもらっていい?』



    友達…自分がこれまで、最も不要で鬱陶しいものだと感じていたソレ

    友達だと認めてくれるミーナに、ヒッチは思わず心を溶かす

    彼女は先ほどの事、そして自身が感じている事の経緯を話す

    普段は茶化すばかりの彼女が、ただ頷きながら真剣な眼差しで見つめ続ける

    その様子に安心したのか、ヒッチは想いのほどを、そして悩みを打ち明ける



    『…ヒッチちゃんの好きなようにすればいいんじゃない?』

    『へっ?』



    意外な返答が返ってきた

    アニの友達のこの子なら、きっとアニの肩を持つと思っていただけに、ヒッチは呆然とした



    『だって、ヒッチちゃんがエレンの事を好きになったんなら、それはトコトン!向かっていくべきだし!!』

    『い、いや…私は…別にそんな…』

    『照れるなって!もうバレバレだから♪』

    『うぅ~…やっぱり…』



    やっぱり、アンタに相談するべきじゃなかったのかも…

    そう言い掛けたが、その先の言葉が紡がれる事はなかった

    その先が発せられるのを封じたのは、ミーナの言葉であった



    『エレンを横取りされたらアニは怒るかもしれないけど…』

    『……』

    『…手を抜かれるのは、もっと怒ると思うけどなぁ?』

    『……!』

    『…ね?本気出したって、いいって事だよ!』

    『本気…』

    『あっ、もう寝なきゃね!お肌の敵、お肌の敵♪』

    『…あ、ありがと』



    そう言って布団へ潜り込むミーナ

    ヒッチは届くか分からないような、か細い声でお礼を言った

    だが、しかし…



    『…うん!おやすみ!!』

    『…...!』



    …彼女には、ちゃんと聞こえていた

    最後までペースを乱され続けるヒッチであった――――






    「…へへっ!本気を出すって言うのも…やっぱり悪くないかも♪」



    少しだけ意地の悪そうな笑みを浮かべながら、彼女は足を進める

    ライバルの彼女が…そして、気持ちを向ける彼がいるその場所へ――――


  277. 277 : : 2014/04/08(火) 23:18:32


    ―――――――― 


    ここにも1人。悩みと憂いを抱える4人目の人物…演劇部部長のマルコ

    彼に助けの手を差し伸べる相談役は…誰だろうか…すぐ傍にいた



    『マルコ、最近、溜息が多いね』

    『…あぁ、アルミン…今日は特に疲れてね』



    そう言いながら、布団に倒れ込むマルコ

    対してフルマラソンに参加しなかったアルミンは、体力に余裕があるという印象だ



    『やっぱり、配役の事かい?』

    『…それもあるけど』

    『…他に何か悩みの要素があるの?』

    『……』

    『…無理には聞かないけど』

    『…僕は、自分の感情が醜くて仕方がないんだ』



    彼が吐き出した言葉は、漠然ながらも、その心の内の全てを表現するものであった

    彼は、己の中で次第に大きくなっていたソレを忌み嫌っていた

    だが、彼が自信の手でそれを取り除くことは、この合宿の間も出来なかった



    『僕は、ずっと主役を目指して…部長としての責務も果たしてきた…これまで…ずっと』

    『うん。その頑張りは常々聞いているよ』

    『でも今は…その夢を…“彼”に奪われようとしている』

    『…エレンの事だね』



    続けて、吐き出していく



    『確かに彼の実力は未熟だけど、その努力は僕も目を見張るものがある』

    『それがエレンの長所だから』

    『その熱意が認められて、彼は仮役の主演に抜擢された』

    『エレンも意気揚々と話してくれたよ』



    次第に彼の口調は重くなる



    『…その彼に“役を奪われる”と錯覚するほど…醜い感情を抱いているんだ』

    『……』

    『僕は…僕自身が情けなくて仕方がないんだ』

    『……』



    アルミンは黙って受け入れる

    そして、言葉を模索する



    『今の僕は…役者なのかな?』

    『…マルコ。もう一度、君の持っていた夢を見つめ直そう!』

    『今の僕は…やはり曇っているように見えるかい?』

    『そうだね。心に迷いが生じているみたいだよ?』



    マルコは、想いを寄せていたアニのことは一切、語らなかった

    だが、彼の重々しい口調には、単に主役に抜擢されなかったこと以外にも含みを持っている

    そう…直感的にアルミンは感じ取っていた



    『だから、こんな僕がマルコにアドバイスできる事言えば…』

    『…うん。そうだよね。気持ちを入れ直さないとっ!!』



    アルミンが語った意見は率直なもの

    あえて言及するまでもない、彼が本来持っていた夢…その一点を見つめる事

    結果は後からついてくる。だから、今は必死に夢を追い続ける事だと――――






    「僕の見つめるべき夢…その先に全ての答えがある!」

    「だから…この醜い感情は…もう捨てよう」



    朝の廊下を歩く彼の後ろ姿は、肩の荷が下りたように見えた――――


  278. 278 : : 2014/04/08(火) 23:22:48
    流石だね、ミロちゃん…(゜ロ゜)
  279. 279 : : 2014/04/08(火) 23:28:22
    >>278
    いちごちゃん早いね。流石だ!((((っ・ω・)っ

    そんな唖然とした顔しなくても(笑)
  280. 280 : : 2014/04/08(火) 23:39:09
    (°Д°)スゴー
  281. 281 : : 2014/04/08(火) 23:49:41
    >>280
    でもね、私はるーいさんの方が凄い文才を持っていると思うよ?(本当に)

    そふとくりぃむ。さんの成長も目を見張るものだったけど、るーいさんの年齢でのそのポテンシャルは文学ジャンルでの将来有望だね☆
  282. 282 : : 2014/04/09(水) 00:29:42
    ここまで読ませてもらいました!
    アニが主役を取ることができるのか。
    また、エレンをめぐるアニとヒッチの恋のバトルもこれからどうなっていくのか楽しみです!

    これからも頑張って下さいね!
    応援してます(`・ω・´)
  283. 283 : : 2014/04/09(水) 23:37:25
    >>282
    葉月さん!ヾ(〃゚ω゚)ノ☆

    私は新しい作風に苦戦しながらだったから心配でもあったんだよ。
    ゆきさんのフォローの仕方に乞うご期待だね!(。ゝ∀・)b
  284. 284 : : 2014/04/10(木) 00:04:32
    流石としか言いようがない…同じ夢に
  285. 285 : : 2014/04/10(木) 00:04:57
    >>284
    同じ夢には無視して下さい!
  286. 286 : : 2014/04/12(土) 16:05:19
    みんな頑張って下さい‼︎
  287. 287 : : 2014/04/12(土) 16:46:27
    >>286 クリアニ命さん
    こっちにも顔を出してくれたんだね。皆への応援よろしく!|・ω・*)チラ
  288. 288 : : 2014/04/13(日) 11:18:48
    >ミロさん

    コメントへのご対応、ありがとうございました!><
    忙しいという事もありましたが、色々とフォローして下さり本当に感謝しておりますヽ(´・∀・`)

    新しく参加して下さったるーいさん!
    次から参加して下さるいちごさん!

    早速次の一巡を始めますので、お二方ともどうぞよろしくお願いしますね!

    >葉月さん
    >クリスタ・アニ命さん

    応援のコメント、ありがとうございます♪
    私も作品の質を落とさぬよう、ミロさんの後手として頑張らせて頂きますね!(汗)
  289. 289 : : 2014/04/13(日) 11:20:33


    ――― さて。

    先ずはこの眠たそうな顔を何とかしないとな・・・



    俺の足は自然と洗面所へと向かっていた。


    六日目の疲労と昨晩の出来事もあっていつも以上に疲れた顔をしている事だろう。

    今日は稽古の最終日。

    流石にそんなみっともない表情で稽古に臨む訳にはいかない。

    たかが身嗜みのチェックと言えど、いつも以上に気に掛けるに越した事はない。


    何でもいい、ほんの些細な事でも。

    出来るだけの事をしよう・・・




    ――― 今日を精一杯頑張って、


    ――― 絶対に役に選ばれてみせる・・・!




    そう心の中で叫びながら、ゆっくりと目的の場所へと足を運ぶと、

    そこには既に先客がいた。



    その片割れ、

    俺の幼馴染が俺の存在に気付いたのかこちらを見てニコリと笑う。


    アルミン「やぁ、エレン!おはよう!」

    マルコ「エレンか、早いね。おはよう」


    アルミンに続いて一緒にいたマルコも挨拶をしてきた。

    その表情は、昨日のような闘争心に満ちたものではなかった。


    エレン「おはよう二人とも。フルマラソンの後だって言うのにお前らも早いな・・・」


    そのギャップに戸惑いながらも、いつも通り挨拶を返した。


    マルコ「ははっ、去年も同じ事してるし、普段から鍛えてるからね」ハハッ

    アルミン「僕はそもそも走ってないしね」アハハ


    昨日のあの目は一体どこへ行ったのやら・・・

    安心したような、それでいてなんだか落ち着かないような気分で一杯になった。



    アルミン「・・・じゃあ、僕は先に部屋に戻るから!」

    エレン「へ・・・?お、おう」


    そんな風に考えている折、俺の幼馴染はこの場から退場する旨を伝えてきた。


    マルコ「うん、分かった。僕も歯を磨いたら戻るよ」

    アルミン「うん!それじゃあね、エレン、マルコ!」タッタッタッタ...


    駆け足で部屋へと戻るアルミンを見送り、

    俺とマルコはその場に二人きりになった。




    エレン「・・・」


    アルミンの背中を黙って見つめていると・・・



    マルコ「・・・エレン。」


    不意にマルコが話し掛けてきた。



    エレン「ん?・・・な、何だよ?」


    せっかくマルコが話しかけてくれたのに、

    昨日の事を思い出したのか、一瞬だけ言葉に詰まってしまった。


    そんな俺とは対照的に、まったく気にもしていないという様子でマルコは語り出した。


    マルコ「今日はいよいよ稽古の最終日だね・・・」

    マルコ「今年は例年とは違う形で稽古をしてきたけど、明日の朝にはこれまでの様子を踏まえて配役が言い渡される筈だ」

    マルコ「――― だからね。まだ誰がどの役に選ばれるか分からないけど・・・」


    マルコ「今日一日も気を抜かずに頑張って欲しい」

    エレン「マルコ・・・?」





    ―――『 頑張って欲しい』


    意外な言葉を投げ掛けられ、俺はただ頭に疑問符を浮かべてマルコを見ていた。


    昨日のあの目・・・

    アレは間違いなく俺に対して敵対的なモノだった筈だ。


    そんなマルコから、激励の一言を送られるとは思ってもいなかった。


    マルコ「ふふっ・・・意外って顔をしているね」


    そんな様子の俺に、マルコは続ける。


    マルコ「エレン・・・」


    マルコ「僕は確かに。君がロミオ役に仮決定した事に対して嫉妬し、敵対心さえ芽生えていたんだ・・・」

    エレン「・・・」


    マルコ「そりゃあもちろん、今だってその気持ちが完全に払拭された訳じゃないさ」ハハッ


    申し訳なさそうに頬を掻きながら、マルコはそう語った。



    マルコ「――― けどね、」


    マルコ「先輩達と一緒で。君の演技にかける情熱は、確かに目を見張るところがあると僕も思うんだ」

    マルコ「それは、君のまだまだ不足しがちな演技力を有り余って補う程に・・・ね、!」ニコ


    エレン「マルコ・・・」


    きっと心の底から認めてくれているのだろう。

    マルコは真っ直ぐな笑顔を向けて俺に想いを伝えてくれた。


    そして次に、その決意に満ちたような眼差しを向けて、マルコは最後の言葉を紡いだ。



    マルコ「――― だから僕は。」

    マルコ「もちろん、まだ部長として黙って勝ちを譲る気は無いけど、!」



    マルコ「だけど、何よりも・・・」





    マルコ「――― 演劇部の部長として・・・!」

    マルコ「――― 観ている人達に、僕達の最高の舞台を、笑顔や感動を届ける為に・・・!」



    マルコ「君のその熱意を、演劇というものに向けて注いで欲しいんだ!」


    エレン「・・・」




  290. 290 : : 2014/04/13(日) 11:21:30



    ――― マルコ。





    お前は凄い奴だ・・・



    目先の目標だけじゃなく、しっかりとその先にある舞台の事を考えてるなんてな・・・





    ――― 『俺に足りないもの』


    何だか分かった気がするよ。





    俺は演劇を通してアニの事ばかりしか見えてなかったけど・・・


    それだけじゃ多分、

    アニと一緒の夢を追い続けるなんて出来ないんだろうな・・・






    俺がアニに示した気持ち、







    ――― アニと一緒に、


    ――― プロの道を目指す。










    ナナバさん、マルコ・・・そしてアニ。


    みんなが見据えている情景と、俺が追っている目先の目標には大きな差異があるんだ。







    エレン「・・・マルコ」


    マルコ「なんだい?」


    エレン「お前の熱意、すげー伝わったよ・・・」

    マルコ「それは良かった」ハハッ

    エレン「ああ、だから。」




    ――― だから。


    俺もその気持ちに、精一杯応えてやりたい。



    エレン「絶対に、いい舞台になるよう頑張ろうぜ!」




    エレン「もちろん俺も今日一日・・・いや、この先もずっと」


    エレン「演劇ってものに、今まで以上に真っ直ぐに向き合って頑張ろうと思う・・・!」


    エレン「・・・お前にも、他の奴にも負けないくらいな!」



    今度は俺が、ありのままの気持ちをマルコに伝えた。


    それを聞いたマルコも、ニヤリと笑うと、


    マルコ「ふふ。望むところだよエレン!」


    同じように、闘争心に燃える瞳を向けてきた。



    合宿七日目にして芽生えた新たな友情を確かめるように、

    俺とマルコは互いに突き出した拳を、コツンと軽くぶつけ合った。







    ・・・









    ――― キュッ。


    俺は洗面所の蛇口を締めると、近くのタオルでゴシゴシと顔を拭いた。


    マルコが立ち去ったほんの少し後、

    俺はひと通りの身嗜みを整え終えた。





    ナナバさんが教えてくれた、役を演じるという事。



    マルコが掲げている、最高の舞台にするという目標。




    それらを思い出しながら、鏡の中の自分と向き合っていた。


    そうしていると、ふと視界の先に誰かが映り込んだ。



    俺は咄嗟に振り返り、すぐさまその人物の名を口にした。




    エレン「・・・アニ?」


    アニ「おはよう、エレン」



    やや眠たそうな目付きで、最愛のその人物はこちらを見つめていた。








    >次へ
  291. 291 : : 2014/04/13(日) 16:01:23
    「おはよう、アニ。早いな…ってか、お前はいつも一番に起きてたか…」

    寝起きなのだろうか、まだ気だるげな感じのアニは、柔らかな笑みを浮かべて言葉を発する

    「ああ、練習最終日だから、もっと早く起きるつもりだったのに…今日はエレンに負けちゃったね」

    そう言うと、アニはエレンの隣で、パシャパシャと顔を洗い始めた

    エレンは何となく、その横顔を見つめていた

    何時もと少し、雰囲気が違う気がする

    それが何なのかはわからなかったが…


    エレンがそう思っていると、アニがタオルで顔を拭いてから、エレンに向き直った

    瑞々しく滑らかな白い頬が、ほんのり紅潮していて、得も言われぬ美しさを醸し出している


    だが、何故か表情を曇らせるアニ

    「エレン、あのさ…謝らなきゃならないことが、あるんだ…」

    ブルーの瞳が、少し暗い光を灯している様に見えた


    「ん?どうした、アニ?」

    エレンは突然表情を曇らせたアニに、心配そうな顔を向けた

    「あのさ…エレンがくれた、ペンダント…落としてしまって…欠けちゃったんだ…」

    アニは、首にかけていたペンダントを胸元から取り出し、エレンに指し示した

    「…お、本当だな、端っこが欠けちまってるな」

    エレンはまじまじと、そのペンダントを手にとって眺めた

    「ごめんね…折角買ってくれたのに…」

    アニは深いため息をつき、うなだれた


    「…でもよ…アニ、ほら見ろよ」

    エレンは何かに気がついたかの様に、アニにサファイヤが見えるように持ち上げた


    「ほら、星は見えてるぞ。綺麗なまんまだ」

    エレンは嬉しそうに、顔を綻ばせた


    「星…」

    確かにサファイヤは欠けていた

    だが、その中央部分で光輝く星の形のシラーは、はっきりブルーの中に存在していた


    「俺はさ…アニがきっと、この間劇場で見たような舞台に立って、スターになって欲しいと思って、それを選んだんだ。だから、それがたとえ欠けていたとしても、いいんだ」

    「私が、星…」

    アニは、欠けたスターサファイヤを握りしめて呟くように言った

    「そうだぜ!?ちなみに俺も星になる予定だから、よろしくな!!」

    エレンはそう言って、アニの背中をぽん、と叩いた

    「……あは、あはは」

    アニは突然笑い始めた

    「な、なんだよアニ…笑わなくていいだろ…?俺もお前と同じ舞台に立ちたいんだからな…?本気で…」

    エレンは憮然とした

    それを見たアニが、笑いながら首を振る

    「エレン、違うんだ…私が笑ったのはさ…星になるって、死ぬみたいじゃないか…あはは!私は死なないよ…あは」

    「ち、違う!!舞台のスターになるっていう意味で…」

    しどろもどろになるエレンに、アニはふんわりと腕を回した

    「…わかってるよ、エレン…一緒に目指そう…まずは、今日全力で、悔いの無いように…頑張ろう」

    アニはエレンの耳元で、そう呟くのだった
  292. 292 : : 2014/04/17(木) 22:39:56


    アルミン「(……マルコ、ちゃんと言えたかな?)」



    部屋に戻る道すがら、要らない心配をする。

    ──マルコなら大丈夫。

    自分ではそう分かっていても気になってしまうのは僕の性分というものなのだろう。



    ミーナ「アールミン♪」バッ


    アルミン「うわぁ!!?」ビクッ



    心臓が跳ね上がる。
    危うく真後ろに転倒しかけるも、決して良くはない(むしろ悪い)運動神経を駆使してこれを堪える。



    ミーナ「だいじょーぶ?」


    アルミン「う、うん。もうちょっと普通に登場してくれたらよかったけど」



    鳴り止まない鼓動。
    先程の僕の不注意(ということにする)によるものも大きいだろうが、自分の想い人がこんなに近くにいて平生でいられるほどできた人間ではない。



    ミーナ「今日、最終日だね!」


    アルミン「う、うん。エレン達の配役が決まる日だったよね」


    ミーナ「やっぱり気になる?」


    アルミン「まぁね」



    少し落ち着きを取り戻してきた僕の心臓。
    最近は一緒にいることが多く、多少は耐性が付いてきたということだろう。



    ミーナ「それじゃあ、今日も演劇部のお手伝い?」


    アルミン「まぁ、そばで見てるだけってのもなんだかアレだし、僕もヒマだし」


    ミーナ「何か別の予定があったら、そっち優先?」



    この数日間かなりの時間を一緒に過ごしてきたが、未だにミーナの行動や発言の意味を完全に理解できたことはない。
    突拍子もないことをいつもしてくるのだ。



    アルミン「そうだね」


    ミーナ「じゃあさ……デート、しよ?」ニコッ


    アルミン「!!???/////」カァー



    数倍速になって帰ってきた鼓動。
    今までに経験をしたことがないほどに速いリズムで脈打ち、血流を加速させる。



    ミーナ「最後の日くらい楽しもうよ。ね?」


    アルミン「………///」コクリ



    声が出てきてくれない。
    今度ボイストレーニングでもして鍛えておこうと考えてるあたり、僕の頭がショートしてしまっていることが確認できる。



    ミーナ「1時間くらい経ったら、玄関付近に集合!また後でね♪」



    時間と場所を指定して機嫌良さげに去っていくミーナ。
    紅潮していると思われる顔の赤みが引くのを待つために立ち尽くしている僕。
    エレン達には悪いが、どうやら演劇部のことを考えている余裕は無いらしい。
  293. 293 : : 2014/04/18(金) 10:08:55

    ミーナ「~♪」


    期限が良いからかな?つい、口笛を吹きながら歩いてたら…

    ネックレスを握り締めてる親友がいたから…


    ミーナ「アニ!!」ギュウ


    後ろから抱きついてやったら…


    アニ「み、ミーナかい!?」


    ミーナ「ミーナです!あれ?1人なの?」


    アニ「さっきまでエレンもいたよ…」


    ミーナ「どこに行ったの!?」


    私の親友を1人ぼっちにして、いったい何がしたいの!?


    アニ「トイレだよ…」


    ミーナ「あ、なるほどね!」


    安心したよ?でも不安にそうにしてるね?アルミンと約束した時間まで、まだまだ時間があるからね!


    ミーナ「アニ…不安なの?」


    アニ「別に…」


    分かりやすいな…可愛いけどね?少しは甘えても良いのにね

    演劇の役が決まるから不安なのは分かるけどね、そんは顔してると…


    ミーナ「そんな不安そうな顔も可愛いけどね?」


    アニ「は?」


    ミーナ「可愛いけど、幸せが逃げちゃうよ?笑え!!」


    アニ「あんたねぇ」クス


    合宿の大事な日にこんな事を言っても良いのか分からないけどさ…


    ミーナ「ねぇ、アニ?」


    アニ「なんだい?」


    アニにとって大事な夢のためだから、我慢することも大事かもしれないけどさ…


    ミーナ「合宿が終わるじゃん?」


    アニ「そうだね?」


    ミーナ「エレンをデートに誘ってみたら?」


    考え込んじゃったね…
    演劇の大事な日に言うことじゃないと思うけどね


    ヒッチの味方をしないわけじゃないけど



    親友のアニには恋愛の方も頑張ってほしいんだよね


    ミーナ「決めるのはアニだからね!大事な日に変なこと言ってごめんね!」


    アニ「うん、大丈夫だよ?」


    ミーナ「それじゃあ、私は今日アルミンとデートしてくるから!!」


    アニ「頑張ってね」クス


    アニが笑ったのを確認してから、小走りで部屋に化粧をしに向かった。

  294. 294 : : 2014/04/21(月) 18:30:23




    ミーナ「お待たせ!…遅くなってごめんね?」

    アルミン「う、ううん!僕も今来たところだよ。」

    ミーナ「ほんと?よかった!さ、行こ行こっ!」



    まるで恋人同士のようなやり取りをして、ミーナが僕の手を引く。

    それに心臓がすかさず反応して、ドキンと大きな音をたてた。

    彼女はそのまま僕の手を離さず、僕たちは手を繋いだまま温泉街を歩く。



    ミーナ「アルミン見て見て!温泉饅頭!美味しそうだねぇ。」

    ミーナ「あっ、人形焼も売ってる!いい匂い〜」

    ミーナ「わあ、お漬物が沢山!ねえアルミン、これお爺ちゃんのお土産にしたら、喜ぶんじゃない?」



    いろいろな店に次々と目を奪われていくミーナを、相槌を打ちながら見つめる僕。

    映し出すものをくるくると変える彼女の大きな瞳は、まるで万華鏡のようだ。

    …出来ることなら、ずうっと見つめていたい。



    ミーナ「あっ、ねえあれ!足湯だって!」



    ミーナの指差した先には『足湯』の看板と、日本家屋のような佇まいの施設。

    そう言えばせっかく温泉地に来てるのに、それらしいことを全くしてないな。



    アルミン「…行ってみる?」

    ミーナ「!!うん、行く行くっ!」



    僕の言葉に一層目を輝かせるミーナ。

    そんな彼女の手を今度は僕が引く。

    受付を済ませて案内されたのは、見晴らしの良い浴場だった。



    ミーナ「うわあ!」

    アルミン「すごいね…」



    湯けむりの上がる源泉や、立ち並ぶ趣のある旅館の数々。

    今通って来た商店も、全て眼下に一望出来る。

    その景色に目を奪われながら脛くらいまでのお湯に脚を浸けると、温かさが全身にじんわりと伝わってきた。

    ほのかに漂う硫黄の香りも心地良い。



    ミーナ「…気持ちいいね。」



    そういうミーナの顔は、足湯で温まったせいか少し頬が桃色に染まっていて、いつもとはまた違った艶やかさを醸し出していた。

    自分の顔が赤くなるのを感じて下を向くと、ミーナの鈴を転がすような笑い声が聞こえた。



    ミーナ「アルミン、顔真っ赤!あはは!」

    アルミン「だ、だって…」



    …君があまりにも可愛いせいだ。

    そんな気持ちを胸に黙ってミーナの手を握ると、彼女も照れたように黙って俯く。




    ミーナ「…みんな、何してるかなあ。」

    アルミン「そうだね…」



    目の前に広がる絶景の中に、僕たちと演劇部が泊まっている宿舎も見える。

    僕たちは手を繋いだまま、運命の日を迎えた友人たちに思いを馳せた。


  295. 295 : : 2014/04/21(月) 18:32:14




    ーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ーーーーーーーーーーーー
    ーーーーーー






    「…ペトラはどう思う?」



    廊下を歩いていると、そんな声が聞こえてきてふと立ち止まる。

    辺りを見回すと、中庭でナナバさんとペトラさんが話をしているのが見えた。



    ペトラ「私は仮役のままで問題ないかと思います。特にエレンは…彼のこの合宿での成長には目を見張るものがありましたから。」

    ナナバ「そうだね、彼はこの合宿で1番伸びたんじゃないかな。…ヒッチについてはどう思う?」



    すかさず身を屈めて、開いている窓から聞こえる会話に聞き耳を立てる。

    …本役決めの話だ。

    私の名前がナナバさんの口から飛び出して、思わずごくりと唾を飲んだ。



    ペトラ「ヒッチも元々の素質が良かった分、役をつけたことでさらに芝居に意欲的になったと思うし、表現力にも磨きがかかったと思います。」

    ナナバ「それはわたしも同意見だな。…でも、役を外されたアニの努力と成長も素晴らしいものだったと思うけど?」

    ペトラ「アニは素晴らしい役者です。深みのある演技をしますし…しかし、今のヒッチはそんな彼女をも凌駕するのではないかと思います。あくまで私個人の意見ですが…」

    ナナバ「そう、ありがとう。後で改めてOBOGを集めて話し合うつもりだけど、あなたの意見も参考にさせてもらうよ。」

    ペトラ「わかりました、ありがとうございます。」



    2人が去った後も、動悸はしばらく治まらなかった。

    私の努力を、私の本気を、2人はちゃんと見ててくれたんだ。



    『…ね?本気出したって、いいって事だよ!』



    昨夜ミーナに言われた言葉が頭に蘇る。


    …本気を出すって悪くないどころか、超いいじゃん!

    後はミーナの言う通り、恋愛にも本気で挑むのみ。

    私はさらに固い決意を持って、稽古場へと歩を進める。

    窓から差し込む光が、まるで私に当てられるスポットライトのように思えた。
















    投稿が遅くなりましてすみませんでした(´+ω+`)

    いつも読んでくださっているみなさま、本当にありがとうございます。
    みなさまに個別に返信ができなくて申し訳ありませんが、いただいたコメントは全て拝読しております。
    ゆきさん、My.Loさんもも仰ってらっしゃる通り、執筆者一同とても励みになっています。これからもご支援いただけましたら幸いです。よろしくお願いします。

    では店員さん、お次お願いいたします!


  296. 296 : : 2014/04/23(水) 13:20:18
    「最後の稽古、アニ、何か吹っ切れたみたいだったな」

    「…そうかもね。だとしたら、あんたにも感謝しなきゃ」

    ようやく元の通りに話せるようになり、安堵もつかの間。今度は俺に、例のイベントが近づいてきた。

    エレン「アニは二回目の自炊も、作る側なんだな?」

    アニ「ふふ、去年腕前を買われたからね」

    そう言って、鼻歌交じりに調理場へと歩を進めるアニ。

    その優雅な一歩一歩の足取りからは、昨日までの焦燥は感じられなかった。


    アニ「あ。」

    急に立ち止まり、振り返るアニ。

    エレン「どうしたんだ?」

    アニ「覚悟しておいてね?」

    エレン「…ん?」

    美しく頬を染めて、そう言い残し、また踵を返し、去っていくアニ。



    「覚悟しておいてね?」


    謎の置き土産に混乱しつつ、食堂へと向かうと、ゲルガーさんの元へ向かうのだった。


    ーーーーーーーー
    ーーーー


    さて。

    きっと今のエレンなら、外郎売りはどうにでもなる。



    私は、ここでできることをする。驚かす宣言までしてしまったし。もう逃げられないね。


    一度目の自炊の後に、ちゃんと許可はもらっておいた。


    『二度目の自炊はカレーから変えたい?んー…いいと思うよ!メニューは任せていいのかな?』


    こういう時のマルコは、気さくに融通を利かせてくれる。演技では頑固さが抜けないのにね。


    さて、お肉屋さんで用意した、牛8豚2の合挽き肉に、パン粉と卵、塩胡椒に牛乳。隠し味にケチャップをちょっとだけ。

    白っぽく粘り気が出るまで、温めないように氷を敷いて…。


    ーちゃっちゃっ

    ボウルを回しながらこねるたびに、リズミカルに音が響く。


    きっと、昨日まで私だったら、こんなに楽しく作れなかっただろう。

    外さないと決めた胸元の星が、私を後押ししてくれる。
  297. 297 : : 2014/04/23(水) 13:23:10
    「アニ、手際がいい…」

    そう言って横から覗き込むミカサの手元は、どう見てもうまく進行していない様だった。


    「ミカサ、あんたが食べてもらいたい人は、どんな人?」

    「…大らかで、不器用で、でもとても繊細で…」

    ほんのり頬を染める、可愛い乙女。

    ふふ、あいつにも恩返し…できるかな?


    「ミカサ、ハンバーグは成型以外は難しくないよ。冷やしてれば時間をかけても構わないから、真ん中にまとめて上から潰す様に、力を抜いて指の根っこで混ぜてみなよ」


    「力を抜いて、指の根っこで…」


    ゆっくり、でも確実に混ぜていくミカサ。


    「失敗しても大丈夫、あんたの想い人は大らかなんでしょう?」

    「…でも、美味しく食べてもらいたいから」

    「それは…そうだね。だから落ち着いて丁寧に作るんでしょ」


    そうなんだ、慌てることはない。私も一緒だ。

    ミカサへの一言一言が、今の自分に向けての言葉。

    役に選ばれないかもしれない。エレンと離れてしまうかもしれない。

    そんな焦りが、私の視野を遮っていた。

    困った時ほど、根を張ろう。


    「…さあ、ここが一番難しいところだよ。叩いて空気を抜く…」

    パンパンと両の手の間を往復する、ハンバーグのタネ。

    「ここで空気が残ると、焼いてる時に割れてしまうよ」

    息を飲むミカサにもう一回アドバイス。

    「優しく…優しく」

    「優しく、優しく…!」


    「ミカサ、力まないで。笑ってやってみよう」

    「…笑顔…!」


    何この可愛い生き物。



    さて、私もエレンに、ちょっと仕掛けを…ね。

    私だけの、隠し味。

    あいつの好物と、私の気持ち。そっとタネに込めて、フライパンに載せてみた。


    私たちと対角線のテーブルで、やっぱり肉を混ぜるヒッチと視線が交錯する。

    ヒッチは何を考えて、作っているんだろう。

    コンロからじゅうじゅう、ぱちぱち楽しげに響き、食欲をそそる香りが広がる。

    きっと今なら、そこらの鉄人にも負けない料理が作れそうだね。

    白いお皿に、アスパラとハンバーグ、目玉焼き。ソースは肉汁にケチャップと中濃ソースでバランスをとって。

    あとは、食べてもらうだけだ。


    …びっくりしてもらえるかな?
  298. 298 : : 2014/04/23(水) 13:24:07
    お待たせしました!
    Aniっちさん、後をおねがいします!
  299. 299 : : 2014/04/24(木) 20:58:02
    特製のハンバーグをのせたお皿を持ち、エレンの元へ…


    どんな反応をしてくれるか楽しみだなっ!




    が、今自分の瞳に写っているのはいつかの日に見たような、エレンとヒッチの姿だった。






    けど…もう前の私じゃない!私は変わったんだ!



    前の私なら、一緒にいる二人の姿を見ただけで逃げ出してしまっただろう。


    けど、今は違うからっ!!



    自信に満ち溢れたその瞳には、蒼き竜が唸るように舞っているようだった。







    アニ「エレン!」


    エレン「よっ、アニ!」


    アニ「ヒッチも一緒なんだね」


    ヒッチ「私も…ハンバーグ作ったからエレンに食べてもらいたくてさ!」


    アニ「そうなんだ、ならもうお腹いっぱいか…」


    少しエレンに意地悪してやった///



    エレン「全然大丈夫だそ!今日腹ペコペコなんだよ!」ニコッ



    アニ「そ、そうかい///」


    予想外の反応に自分のしたことが無性に恥ずかしくなった



    ヒッチ「で、どう?私の手作りハンバーグのお味は?」


    エレン「すげーうまいよ!何個でも食べれそうだ!」


    ヒッチ「そ、そう!よかったよ///」



    エレン「アニのもくれよっ!」


    アニ「はい、召し上がれ」コトッ












  300. 300 : : 2014/04/24(木) 21:11:54
    アニのハンバーグか…おいそうだな!






    エレン「いただきまーす!」




    はしで半分に割った瞬間、肉汁と共に白くとろーんと中から溢れでてきた。



    エレン「アニ!これって…」




    アニ「エレンのハンバーグだけ…チーズ入り///」


    エレン「あ、ありがとな!///」


    アニの瞳を見ながら聞いた俺に恥らしく答える姿をみて、正直やばかった。


    恥ずかしさを隠すために気持ちで勢いよくハンバーグとご飯を口に運ぶ



    案の定…




    エレン「げほっ!げほっ!」


    アニ「ちょっと!大丈夫?」


    アニが優しく背中をさすってくれる。


    俺…やっぱりアニの事が好きだ…





    せきもおさまり、アニに礼を言いながらようやく平常心を保てた


    エレン「アニ、ほんとにありがとな!」


    アニ「どうしたんだい、急に改まって?」クスッ


    エレン「いやさ、なんか急に言いたくなっただけだよ!」ハハッ


    アニ「変なの」フフッ












    ヒッチ「やっぱり…アニには敵わないかな…」


    ヒッチ「けど、なんでだろ…」


    ヒッチ「前の私なら頭にくる、うざい、とかそんな言葉で終わらしてたのに」


    ヒッチ「悔しい…なのにアニに負けるのは仕方ないって思う……敵わないって…」


    ヒッチ「でも、まだあきらめないっ!」
  301. 301 : : 2014/04/24(木) 22:09:43

    私までハンバーグ食べたくなって来ました…!

    このSSは神レベルですね。
    最後どうなるのか楽しみです!
    ちょーーー期待!!!
  302. 302 : : 2014/04/26(土) 10:28:16





    「・・・あきらめない。優しく・・・やさしく・・・。」



    奥からポツリと聞こえてくるその言葉に、思わず振り返る。



    自分の言葉を聞かれたのかと思いドキっとしたが、そうではなかった。



    ミカサが不慣れな、でも一生懸命な手つきでハンバーグを焼いていた。


    ヘラを持ってひっくり返そうとしている。





    驚かせないようにそっと近づき、フライパンを覗き込む。



    形はとても綺麗で、焼き加減も丁度良い。


    だから、今ここでひっくり返すのが一番なのだが・・・。




    「形、崩れるかもしれないのが怖い?」




    「・・・。」



    コクン


    ミカサは黙って頷く。



    「今焼いている面がしっかり焼けているから、ひっくり返しても壊れないよ。それでも怖いなら、フライパンのヘリを使うと・・・。」



    そう言いながら、コロンとひっくり返す。



    「ね?難しくないよ。」





    「うん。綺麗に焼けてる。」

    「ヒッチ。ありがとう。」




    「こんなのお礼言われるものでもないよ。あともう少しで皆来るから、それまで頑張ろうね!」





    ミカサとこうして話すことはあまり無かったから、どこかお互いぎこちない。


    それでも、この1週間一緒の屋根の下で過ごした”仲間”だからこうして話すことができている。







    仲間。





    ・・・仲間か。





    我に返り、わたわたと食事の準備の続きに戻るエレンとアニを見ながらそんなことを考える。



    1年目には、こんなこと考えなかったし、むしろ煩わしいと思っていた。





    でも、こうして調理をしていて・・・


    エレンに私の作ったご飯を食べさせて・・・


    アニのこと凄いなって思って・・・


    ミカサのこと手伝って・・・






    手を動かしながらこう思う。








    こういうのって・・・悪くない。








    朝の練習が終わった部員たちが食堂に入ってくる。



    疲れも残っているようだけど、机に並ぶ食事を見て皆顔がほころんでいく。




    マルコの号令に合わせて、食事を始める。


    先輩も後輩も含めて、とても楽しそうな笑顔が飛び交う。






    できれば、ミーナとアルミンも一緒に食べて欲しかったけど・・・。


    ちらりと窓の外を見る。





    この空の下で、あの二人は楽しくしているのだろう。








    ・・・この食事の場では、誰も口に出さないけど・・・



    今日の夜には配役が決まる。



    「仮」何かじゃない。





    あの空に星が輝く頃には・・・



    私たちは、こうやって笑っていられるだろうか・・・。







    ふと、ナナバさんと目が合う。




    ふっ・・・と微笑む。


    物悲しさを湛えた微笑み。






    朝食の時間が終わるのが、とても怖かった。







    仮役のままで今日は最後の通しを行う。


    合宿の成果を示すとき。



    良くも悪くも今日が合宿の最後の日。






    悔いの残らない日にしたい。







    「はい!では皆さん、手を合わせてください!・・・ごちそうさまでした!」





    「「ごちそうさまでした!!」」





    その声は、いつもの朝の声よりもずっとずっと威勢よく、そして・・・どこか悲痛な音を含んでいた。


  303. 303 : : 2014/04/26(土) 13:02:58
    朝食を食べ終わった後、俺達の最後の練習が始まった。
    皆、それぞれ今まで培ってきた技術、思いを全てぶつけた…
    今日の夜、役決めがある。

    『主役になれないかもしれないだが、なれる可能性が1%あるのなら諦めたくない!』

    『後悔したくない!後悔するのならとことんやり切って後悔したい!』

    皆、そんな思いで練習に打ち込んだ

    刻は過ぎていく

    あと、数時間で運命の時がやってくる

    一秒時計の針が進むにつれ、焦りや不安が大きな波となって押し寄せてくる。いっそのこと時間が止まってくれたら良いのにそう強く思う



    しかし、刻は止まらない



    カチッ…

    そして、また一秒…運命の時間に近づいていく


    空が真紅に染まり辺りを紅く照らしているが少し陰りを帯ていた

    その中、パンッパンッ!と手を叩く音が聞こえてきた

    「ハイ!お疲れ様!!皆、よく頑張ったね」

    「ちょっと早いけど役の発表をするから円を描くように座ってー!」

    ナナバさんとペトラさんの透き通った声が響き渡る…

    この合図で最後の練習、合宿が終わりを告げたそして…
    いよいよ、役決め発表が…波乱の幕が上がった。

    >>続く


    今から、出掛けるので続きは19時頃書きたいと思います。
  304. 304 : : 2014/04/26(土) 16:36:15
    思ってたよりも用事が早く終わったので投稿したいと思います!
  305. 305 : : 2014/04/26(土) 17:10:08
    丸い円の中に二人の女性が立っていた
    ナナバさんとペトラさんだ

    その内の一人、ナナバさんは薄い一枚の紙を片手に持っていたそれが演劇での役が書いてあるのだと誰もが緊張した面持ちで今か今かと発表を待っていた

    そして、ナナバさんの口がゆっくり動く

    「よし、皆集まったね」

    「まずは、八日間お疲れ様。初めての人も初めてじゃない人もこの八日間の合宿はどうだったかな?」

    「初めての人は、始めキツイと感じたかもしれないけど今は達成感とその充実感で一杯だと思う」

    「しかし、ここで満足してはいけないよ」

    「ここで学んだことを磨いてより成長させて欲しい」

    「そして…もし、躓いたり挫けそうになったらこの八日間のことを思い出してほしい」

    「必ず、君達の助けになると思う」

    「「「ハイ!!」」」

    ナナバさんの言葉は俺の心に強く響いた
    この八日間でたくさんのことを学びそして、その一つ一つが俺を確実に成長させてくれた。ありがとうございます!

    「次に初めてじゃない人は、前回と比べてどうだったかな?」

    「成長した部分、新しく学んだ部分があったと思う」

    「当然、君達もそんな部分をもっと成長させて欲しいと思っている」

    「そして最後に…君達が立派な役者になることを期待している」

    「ペトラは、何か言いたいことある?」

    「む〜」

    「ない!」

    少し頬を膨らませながらペトラは言った
    どうやら、言いたかったこと全部ナナバさんに言われて拗ねているようだ。

    「ハ、ハハ…まあ、いいや」

    そんなペトラを見てナナバさんは苦笑いを浮かべたがすぐに顔が引き締った

    「さて、今から発表するよ」

    「先に言っておくけど、今回の配役についてなんだけど…決めるのが難しかった特にロミオ役…」

    「皆、本当に素晴らしかったよ」

    次第に心臓の音が大きくなっていく
    唾を呑み込む音が聞こえてくるぐらい静寂に静まり返る


    「まずは、主役のロミオ、ジュリエット役から…」

    皆、目をつぶりナナバさんが薄い一枚の紙に書かれている名前を読み上げる瞬間を待った


    「マルコ、アニ、君達にやってもらうよ」


    それは、当然と言うべきか意外と言うべきか…?逆にそれが皆を困惑させた

    いや、困惑させた理由は他にあるかもしれない。あえて挙げるならば、それはエレンの存在だ

    最近のエレンの上達ぶりには目を見張るものがあったそれは、誰の目から見ても歴然としていたからだ

    仮とは言え主役に大抜擢されたその実力と役に対する情熱には誰もが認めており、密かに今回の主役にはエレンが選ばれるかもしれない
    そんな噂が流れていた

    そして、そんな空気の中でも役決めは着々と進められた

    ーーーーー
    ーーー


    役決めの発表が終わり皆、帰り支度をしていた
    今、時計の針は20時ちょうどを差していた
    ここを出発するのは21時頃、そこから二時間かけて学校に戻りそこで解散の予定だ

    今日は、満月だ…

    星空の下で一人の少年が佇んでいる(たたず)

    澄み切った蝉の唄声が辺りを包む

    そして、清々しい風が髪を少しなびかせるその風は眼から溢れた涙を遠くに運んでいった…しかし、その眼差しは強い光を帯びていた。

    「次こそ俺は…待っていてくれアニ、すぐに追いつくからな!」

    そうつぶやくと涙を拭い、その場所を離れた。


    まだ、夏は終わっていない…残り少ないがもっともっと上手くなってやる


    こうして、長かった合宿の幕が静かに閉じた


    【第2部・合宿編〜END〜】


    勝手に終わりにしてしまったことを謝ります。m(_ _)m
    エレン達の配役は皆さんにお任せします(丸投げしてすみませんm(_ _)m)
    良ければユキさん、次スレよろしくお願いします!
  306. 306 : : 2014/04/26(土) 17:11:12
    そふとくりぃむさん次よろしくです
  307. 307 : : 2014/04/26(土) 17:41:10
    衝撃的な展開でした!!!

    すごく面白いです。
    これからどうなるのか期待!
  308. 308 : : 2014/04/26(土) 20:32:38
    やっとここまで読みきれた…ハァハァ

    みなさんの今後の発想に期待します!
  309. 309 : : 2014/04/26(土) 20:52:16
    >>ライナー兄貴さん

    締めくくりご苦労様でした!
    私個人的には、ちゃんと「第2部END」を入れてくれたので、要望が叶って、ある意味満足です(笑)

    エレンの決意と挫折と共に終わりを迎えるラブコメらしい、いい表現が見受けられGJでした(๑>◡<๑)


    >>ゆきさん
    私もライナー兄貴さんと同意見で、ようやく長い第二部が終わったので、次スレへ移行しましょう♪

    メンバーも減ったり増えたりで、私も良くわからなくなっている節があるので、ヤヴァイ兵長に関しては

    『Aniっちさん→(ヤヴァイ兵長)→シュウさん→』

    のように、仕様しておいてくださると助かります(´+ω+`)

    それと私はなるべく近日中に、あらすじまとめの更新に努めます
  310. 310 : : 2014/04/26(土) 21:55:32
    了解しました、次スレ、明日までに作りますね!
    少々お待ち下されば〜(๑′ᴗ‵๑)
  311. 311 : : 2014/04/26(土) 23:40:06
    追いついたぁ、期待の雪なだれだよ
  312. 312 : : 2014/04/27(日) 03:28:46
    次スレ作成しました!

    http://www.ssnote.net/archives/15500
  313. 313 : : 2014/04/27(日) 03:32:21
    >アロマさん
    >赤点コンビさん
    >クリスタ・アニ命さん

    応援、期待のコメント、ありがとうございます!
    次のスレを作成致しましたので、引き続き応援下さるようお願いしますね(๑′ᴗ‵๑)
  314. 314 : : 2014/04/29(火) 19:53:17

    【更新のお知らせ】

    リレーSSの第2部『夏合宿編』の終了に伴い、

    エレン「同じ夢に向かって」【リレーSS】 あらすじまとめ(第一稿)[http://www.ssnote.net/groups/68/archives/11]

    を合宿終了時点まで更新しました。
    参加者の皆さまは、各自内容の確認をお願いします。誤植・間違いがございましたから、ご指摘ください。

▲一番上へ

このスレッドは書き込みが制限されています。
スレッド作成者が書き込みを許可していないため、書き込むことができません。

著者情報
cutkeen

ゆき@引退予定(後編とリレー頑張る!)

@cutkeen

「進撃の巨人」カテゴリの人気記事
「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
「進撃の巨人」SSの交流広場
進撃の巨人 交流広場