れんさの研究室
168
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- 1 : 2014/10/16(木) 17:45:33 :
- 特に何もしないよ!俺がメモに使ったり、下書きに使ったりするだけだよ!
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- 2 : 2014/10/16(木) 18:17:47 :
- 世界観・ストーリー
時は未来、度重なる人口爆発により世界人口は120億を超え、地球は飽和状態となった。この事態に対処するため、人の死は人工知能に管理されるようになる。そんな中ホープ・オースティンは一人、反乱を仕掛けるが敗北、腕を失ってしまう。気を失い、目が覚めると、そこは反乱軍の支部であった。そこで新たな腕(力)を手に入れたホープは、3年後、再び強大な敵へと挑む!!
時代:2061年~2064年
ホープ・オースティン
親友の死をきっかけに、人の死が管理されていることに反感を覚え、反乱を起こすも敗北。腕を失ってしまう。その後反乱軍に入隊。反乱軍にて人工的な腕(力)を手に入れ、分隊長となる。主人公。
ルーク・オルブライト
ホープと同時期に反乱軍に入隊。反乱軍にてCQCの能力を開花させる。ホープの分隊に所属。
アーヴィン・バザルゲット
研究者。人工知能を作り出した主要人物の一人。現在では米国にて人工知能を用いた戦車を開発。
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- 3 : 2014/10/16(木) 18:22:24 :
- 世界観・ストーリーの所が映画の予告みたいになってる...
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- 4 : 2014/10/16(木) 18:55:54 :
- [プロローグ]
ーーーーーーーーーーー時は、2061年
数人の人物によって、人工知能まで開発され、世の中は機械主体の時代となっていった。
度重なる人口爆発によって、世界人口は120億人を突破。
地球は飽和状態になってしまった...
そんな事態を打破するため、国連の理事会が取った策は......
[人工知能による、死の管理]
つまり、人口が一定の値を超えると、人工知能によって[処分]される人間が決められ、処分対象になった者は後日、殺処分される、というわけだ。
人工知能から、不要と見なされれば、その人物にもう後はない。
こうすることで社会の不利益にならないよう、合理的に人の死をコントロールし、人口を抑制している、というのがこの世界の現状である。
しかし、この政策は一般市民には知られていない。
何故なら、この政策は一般市民には伝えられていなく、[処分]も秘密裏に行われているからだ。
このようなことが知れれば、人々が反乱を起こす可能性があるからだろう。
処分が決定された人間にだけ通知が届き、裏でコッソリと殺害する。
そして遺族等には事故死や行方不明等で片付けてしまう。
それが何度も繰り返され、何度も隠し通されてきた。
この政策で殺された人々が一体何人いるのか、もう理事会の人間にもわからない。
毎日のように処分が行われているのだから当たり前だろう。
今も何処かで、人々が殺されているのかもしれない...
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- 5 : 2014/10/16(木) 18:57:43 :
- プロローグ長っ!!?
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- 6 : 2014/10/16(木) 19:52:34 :
ーーーーーーーポクポクポクポクポクポクチーンポクポク......
周りには木魚と鈴の音がこだましている......
ホープ・オースティンは葬儀場に立ち尽くしていた。
(くそっ......なんであいつが......)
見送る相手は、彼の親友、アデル・ベイカーである。
葬儀場には誰かのすすり泣く声も聞こえる。
そんな声にもらい泣きしそうになりながらも、ホープは親友に別れの言葉を述べる。
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- 7 : 2014/10/16(木) 20:03:43 :
- (事故死...か...)
と、ホープは警察官から聞いた死因を反芻する。
ホープは事故死、という死因に違和感を覚えたいた。
(最近、事故多すぎないか?)
そんな違和感が解消されることもなく、葬儀は進んでいく......
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- 8 : 2014/10/16(木) 21:33:12 :
- 設定すげぇ…
頑張っ!
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- 9 : 2014/10/16(木) 21:38:00 :
- >>8 Thank you!
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- 10 : 2014/10/16(木) 22:18:10 :
- 葬儀が終わり、帰路についても違和感は払拭されない。
(そういえば親父も事故死、だったっけ...)
そんな事を思いだしてしまい、さらに違和感は募っていく。
(交通ルール守らない人多くなってきてるもんな~)
などと適当に結論付け、違和感から逃れようとするが、それもうまくいかない。
そうこうしている間に、家に着いた。
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- 11 : 2014/10/16(木) 22:24:51 :
- 家の中は気が滅入るほど静寂に包まれていた。
まあ、独り暮らしなのだから、当たり前といえば当たり前だが......
それでもホープには、いつもの何倍も静かに、この世界に自分以外存在しているかわからなくなるほど静かに感じられた。
それが、親友を失ったための孤独感なのか、違和感に対する不安感なのかは、彼自信にもわからなかった。
「...寝るか。」
この微妙な感じから逃れたいと思ったのか、彼は早々に寝床についた。
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- 12 : 2014/10/16(木) 22:45:36 :
- それから何時間経っただろうか...
(...寝れん...)
ホープは未だに、妙な違和感から逃れられていなかった。
(ネットでも見るか...)
そんな風に思い立ち、パソコンを立ち上げ、インターネットに繋ぐ。
(さて...何を見ようか...)
等と、画面をスクロールしていたホープだったが...
ピタッと、ある記事のところでスクロールが止まった。
(一年間に世界で起こった事故の件数?)
半分興味本意で、もう半分は違和感から逃れたい気持ちで記事を開く。
瞬間、
画面の中に膨大な量の事故のデータが表示された。
本来なら得ることのできないハズのデータが、画面一杯に羅列している。
誰かが警察から盗んだのだと思われるそのデータには、おおよそ、5億人もの人が記録されていた。
(な、なんだよ、コレ...)
震える手で画面をスクロールする。
(おかしい...一年間でこんなに多くの人が...事故に......?)
次の瞬間、ホープはほぼ反射的に走り出していた。
目的地は親友、アベルの家。
(何かッ......何か手がかりがあるかもしれないッ!)
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- 13 : 2014/10/16(木) 23:14:42 :
- 5億じゃ少ないか...
てか寝ぼけて変な文になってる...
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- 14 : 2014/10/17(金) 22:03:47 :
- てか最後の三行は展開早すぎてボツだな。
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- 15 : 2014/10/17(金) 22:05:37 :
- パソコンだと現代感があるな...
大気中にデータが表示されることにしよう。
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- 16 : 2014/10/18(土) 21:54:54 :
- >>12 書き直し
それから何時間経っただろうか...
(...寝れん...)
ホープは未だに、妙な違和感から逃れられていなかった。
(ネットでも見るか...)
ホープは立ち上がり、手を前に出す。
すると、大気中に画面が写し出された。
(さて...何を見ようか...)
等と、掲示板の画面をスクロールしていたホープだったが...
ピタッと、ある記事のところでスクロールが止まった。
(一年間に世界で起こった事故の件数?)
半分興味本意で、もう半分は違和感から逃れたい気持ちで記事を開く。
瞬間、
画面の中に膨大な量のデータが表示された。
恐らくどこかの誰かが、ハッキングして盗んできたと思われるそのデータは、実に20億もの事故を記録していた。
(なんだよ...コレ...)
ホープは震える手で画面をスクロールする。
とてつもない不安感に押し潰されそうになりながら...
これ以上近づいてはならない真実の片鱗に、触れようとしていることさえ気づかずに...
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- 17 : 2014/10/18(土) 21:56:17 :
- ハッキングして盗んできたと→ハッキングして盗んできたのだと
だな。
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- 18 : 2014/10/18(土) 22:17:29 :
- ーーーーーーー
ホープは、朝の日差しの眩しさに目を覚ました。
あの日からもう3日も経っていた。
結局、彼はあの後すぐに寝た。
そうでもして気を紛らわせないと、心が潰されそうだったから。
(...なんだったんだ、あれは...)
未だにあの不安感は拭われなかった。
そして彼は決心する。
(...このままじゃ埒があかない。なんとしても、アベル、いや、世界中全ての事故の真相を解き明かしてやる!)
あの謎を解き明かすことを。
(まずはアベルの家にでも行くか。何か手がかりがあるかも知れないし。)
ホープは歩き出した。
たったひとり、この世界の真実を掴む為に。
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- 19 : 2014/10/18(土) 22:18:20 :
- ヤバい、家を出た描写がない。
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- 20 : 2014/10/18(土) 22:24:20 :
- >>18 書き直し
ーーーーーーー
ホープは、朝の日差しの眩しさに目を覚ました。
あの日からもう3日も経っていた。
結局、彼はあの後すぐに寝た。
そうでもして気を紛らわせないと、心が潰されそうだったから。
未だにあの不安感は拭われていなかった。
しかし、この3日間で、ホープは決心した。
(...このままじゃ埒があかない。なんとしても、アベル、いや、世界中全ての事故の真相を解き明かしてやる!)
と。
ホープは家を出た。
(まずはアベルの家にでも行くか。何か手がかりがあるかも知れないし。)
ホープは歩き出した。
たったひとり、この世界の真実を掴む為に。
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- 21 : 2014/10/18(土) 22:26:53 :
- 最後から二行目、
ホープは→彼は だな。
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- 22 : 2014/10/18(土) 23:05:08 :
- ーーーーーーーー
アデル・ベイカー様
おめでとうございます。
あなたは晴れて、<不要物>と見なされました。
なんの話だかわからないでしょう。
まあ、当たり前なのですが。
では、事情を説明します。
まず、この地球が飽和状態になってしまっているのは知っていますね?
もう7年くらい前からずっと飽和状態なのですが、
何故、この飽和状態で人口増加がストップしたのだと思いますか?
だってそうでしょう。
このまま人口増加が進んで世界中で食糧難。食糧を求めて世界中で戦争勃発し、世界が大打撃を受ける。
それが普通のシナリオのはずでしょう。
では何故人口増加が止まったか。
答えは簡単。
世界政府が人工知能を用いて人口をコントロールしているから、なんですよ。
つまり、人工知能が世界に不要な人間を計算で導きだし、その<不要物>を<処分>する。
こうすることで人口増加を抑制していたという訳なんです。
ご理解いただけましたか?
さて、では本題に入りたいと思います。
...あなたは<不要物>と見なされたので、とっとと<処分>されてください。
というわけで、9月23日 0時0分、カリアティード聖堂の前に来てください。
あ、もちろん拒否権はありませんよ?
拒否なんかしたら...そうですね、あなたの家族に夜道を歩くときは気をつけて、とでも言っておきますか。
では。あなたが約束通り来てくれると願っています。
だってこれは<不要物>のあなたが、世界に貢献できるチャンスなのだから___
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- 23 : 2014/10/19(日) 00:02:50 :
- ホープがアデルの住んでいたアパートでこの文書を見つけたのは、家を出てから6時間ほど経ったあとだった。
もっとも、その内の3時間は、アパートの大家さんに入れてもらえるよう交渉していたのだが。
(............)
ホープは暫く唖然としていた。
「くそっ...」
ホープは小さく吐き捨てると、アデルの家を出ていく。
後ろで大家が何か文句を言っていた気がするが...最早どうでもよい。
(じゃあ、親父も......政府の...奴らに...)
なんとも言えぬ怒りが込み上げてくる。
それは人を殺して平気な顔をしている政府の人間に向けられたものか、
それとも、近くの人間を失っておきながら、世界の現状に気づかずに平和に暮らしてきた自分に向けられたものか...
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- 24 : 2014/10/19(日) 00:03:56 :
- 1話の分量ってどれくらいだろう?
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- 25 : 2014/10/19(日) 07:35:51 :
- 国連が世界政府になってる...
次からは世界政府の設定でいこう(笑
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- 26 : 2014/10/19(日) 22:52:35 :
- 一話20レス以上
頑張ってるね!
清書見たけどおもしろかったよ!
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- 27 : 2014/10/19(日) 22:55:21 :
- 人気作者から言われるって嬉しいな...
ありがとう!そっちも頑張って!
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- 28 : 2014/10/19(日) 23:01:55 :
- そろそろこっち進めるか...清書が既に追い付きそう(笑
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- 29 : 2014/10/19(日) 23:33:22 :
- (あれは...マーシャ?)
ホープは帰る途中、友人のマーシャ・アンクティルを見かけた。
話かけようとも思ったが、誰かを待っているようなのでそれはやめておく。
そもそも、今話かけて明るく話せる気もしなかった。
彼氏でも待ってるのかな、などと適当に推測するホープだったが...
次の瞬間、
突如、彼の視界に入ってきたトラックは、マーシャを撥ね飛ばし、そのまま視界から消えていった。
「マーシャァァァァァァァァァァ!!」
彼は思わず叫んだ。
そして駆け寄る。
彼女の着ていた明るい色のワンピースは、もう既に赤く染まっていた。
救急車のサイレンが聞こえてくる。
どうやら近くを偶然通りかかったようだ。
彼女は大急ぎで運ばれて行く。
ホープはただそれを茫然と見つめることしかできなかった。
プツッ_______
彼の中で、何かが切れる音がした。
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- 30 : 2014/10/19(日) 23:33:50 :
- 繋がりが変だな...
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- 31 : 2014/10/19(日) 23:36:51 :
- >>29 書き直し
(あれは...マーシャ?)
ホープは帰る途中、友人のマーシャ・アンクティルを見かけた。
話かけようとも思ったが、誰かを待っているようなのでそれはやめておく。
そもそも、今話かけて明るく話せる気もしなかった。
彼氏でも待ってるのかな、などと適当に推測するホープだったが...
次の瞬間、
突如、彼の視界に入ってきたトラックは、マーシャを撥ね飛ばし、そのまま視界から消えていった。
彼女の体が宙を舞い、10Mほど先に落下する。
「マーシャァァァァァァァァァァ!!」
彼は思わず叫んだ。
そして駆け寄る。
彼女の着ていた明るい色のワンピースは、もう既に赤く染まっていた。
救急車のサイレンが聞こえてくる。
どうやら近くを偶然通りかかったようだ。
彼女は大急ぎで運ばれて行く。
ホープはただそれを茫然と見つめることしかできなかった。
プツッ_______
彼の中で、何かが切れる音がした。
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- 32 : 2014/10/20(月) 17:35:59 :
- ーーーーーーーーーーーーー
チリンチリン...
鈴の音が鳴る。
ここは下町の武器屋だ。
なかなか品揃えがよく、一部のギャングにはかなり定評があるらしい。
「いらっしゃい」
立派な髭を持ち、かっぷくのいい主人が野太い声で言う。
ホープは持っている金を全て出し、言った。
「この金で買えるだけ武器を売ってくれ...」
主人は驚いたような目で彼を見ると、
「お兄さん...相当黒いものを見てきたようだね...反乱でも起こすつもりか?」
「.........................」
ホープは何も言えなかった。
主人は少し間を空けると、
「まあいい。金があるんならあんたは客だ」
主人はそう言うと、店の奥へと入っていった。
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- 33 : 2014/10/20(月) 22:04:34 :
- 「そうだな...だったらAR_258はどうだ?殺傷能力は高くないが、かなりの連射速度を持っている」
などと、よくわからない説明を受けながら、ホープは武器屋を回っていた
「なんでもいい...とにかく殺せれば...」
主人はそうかい、などと適当に相づちを打ったあと棚からひとつの武器を取り出す
「じゃあこれだ。M_256。一発で複数の弾を発射するグレネードランチャーと考えてくれればいい。ま、その分威力は落ちるがな」
「じゃあそれと...さっき見せてくれた、AR...278だっけ?それをくれ。あと、弾をたくさん頼む」
「258な。わかった。ちょっと待ってろ」
主人はそういって店のさらに奥へ行くと、何か小包を持ってきた
中には幾つかの手榴弾が入っていた
「餞別だ。貰ってくれ。......俺もこの国に絶望して堕ちた身だからな。お前みたいな奴は放っておけないのよ。ま、生きて帰ってこれたら、一杯付き合ってくれ」
「おっさん...ありがとう...」
ホープは礼を言うと店を出た
もう後戻りは、できない
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- 34 : 2014/10/20(月) 22:27:29 :
- ーーーーーーーーーー
ホープは武器を隠し持って、バスに乗っていた。
バスの行き先は、世界政府のマドリード支部だ。
本当は本部のあるアメリカに行きたかったのだが......
空港の金属探知機を突破する手立てが思い付かなかったので仕方なく、という感じだ。
(...よし)
ホープは深く深呼吸する。
バスが停留所に着いた。
彼はバスを降りると、支部の入口へ向かって歩き出した。
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- 35 : 2014/10/20(月) 22:37:07 :
- ホープが入口をくぐると、早速何人かの黒服に囲まれた。
「ここに何しに来た。ここは一般人の入る場所ではない。そうそうに立ち去りたまえ。」
黒服の一人が言う。
黒服の人数は6人。
ホープは一呼吸おくと、銃を抜きこう言った。
「何をしに来たか? 決まってんだろ! この腐りきった政府を粛清しに来たんだよッ!!!」
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- 36 : 2014/10/20(月) 22:48:26 :
- あと少しで1話完結ぅ!!
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- 37 : 2014/10/21(火) 17:08:46 :
- 引き金を引く。
それと同時に、小規模な爆発が複数起こり、黒服達をまとめて吹き飛ばした。
近くにいたホープも巻き込まれて吹き飛んだのだが...
「............。」
ホープはただ前に進む。
たったひとつの、目的のために。
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- 38 : 2014/10/21(火) 19:55:48 :
- 最後2行変えよう...
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- 39 : 2014/10/21(火) 20:05:55 :
- >>37 書き直し+続き
引き金を引く。
それと同時に、小規模な爆発が複数起こり、黒服達をまとめて吹き飛ばした。
近くにいたホープも巻き込まれて多少吹き飛んだのだが...
「............」
ホープは立ち上がり、本搭に向かって走りだした。
周りの建物から、黒服がぞろぞろ出てくる。
ホープは建物に向かって、ショットガンを発砲する。
放たれた銃弾は建物を爆破させ、無数の瓦礫をとばす。
それらは、一気に黒服へ降りそそいだ。
黒服たちは瓦礫を潰され、悲鳴をあげる。
ホープはそんな彼らの前を横切り、支部の本搭に入っていく。
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- 40 : 2014/10/21(火) 20:06:57 :
- これ戦闘入る前に支部の構造さらっと説明するべきだな...
急に本搭とか言われても困るわw
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- 41 : 2014/10/21(火) 21:41:28 :
- 本搭の中はいやに静かだった。
外の騒ぎに気づいていないのだろうか。
まあ、完全防音なので気づかないのも無理はないのだが...
「確かこの時間は会議中だったな...会議室は何処だ?」
ホープは取り敢えず右に曲がる。
すると、また複数の黒服がいた。
黒服は彼の姿を見るや否や拳銃を抜こうとする...
が、もう遅い。
黒服が銃を抜いた頃には、ホープは引き金を引いていた。
爆音と同時に黒服は吹き飛び、そのまま絶命した。
その数秒後、声が聞こえた。
「おい!あそこに銃を持った男がいるぞ!!」
ホープがゆっくり振り返ると、そこには数十人の男がいた。
ホープは銃口を彼らに向ける。
それと同時に、男たちは「ヒッ!」、と声をあげる。
ホープはゆっくりと口を開く。
「お前らの所為で...あいつはッ!!アベルはッ!!」
彼は強く奥歯を噛み締める。
自分の力で、歯が砕けそうになるほどに。
彼は引き金に指をかけた。
その時、一人の男が言った。
「すまなかった!!」
ホープの動きが止まる。
「お前の怒りはもっともだ。あの政策を知ってしまったんだろう? だが、仕方なかった。金ならいくらでも払う。だからどうか、許してくれんか...?」
「そんなに命が惜しいか...?」
その言葉に、男はビクッゥとした。
「所詮は誰かの命を犠牲に、永らえてきた命だろう? それの何が惜しいんだ」
男は黙ってしまう。
「今更謝ったってもう遅い。死んでしまった人はもう戻って来ないんだ。だから今度は、お前らが死んで償え!!」
ホープは今度こそ引き金を引こうとする。
しかし、次の瞬間、彼の左腕に激痛がはしった。
-
- 42 : 2014/10/21(火) 21:42:22 :
- あ、一個文が抜けてる!!
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- 43 : 2014/10/21(火) 21:44:04 :
- >>41 書き直し
本搭の中はいやに静かだった。
外の騒ぎに気づいていないのだろうか。
まあ、完全防音なので気づかないのも無理はないのだが...
「確かこの時間は会議中だったな...会議室は何処だ?」
ホープは取り敢えず右に曲がる。
すると、また複数の黒服がいた。
黒服は彼の姿を見るや否や拳銃を抜こうとする...
が、もう遅い。
黒服が銃を抜いた頃には、ホープは引き金を引いていた。
爆音と同時に黒服は吹き飛び、そのまま絶命した。
その数秒後、声が聞こえた。
「おい!あそこに銃を持った男がいるぞ!!」
ホープがゆっくり振り返ると、そこには数十人の男がいた。
まあ、本搭のなかで銃声が聞こえたら、集まってくるのも当然だろう。
ホープは銃口を彼らに向ける。
それと同時に、男たちは「ヒッ!」、と声をあげる。
ホープはゆっくりと口を開く。
「お前らの所為で...あいつはッ!!アベルはッ!!」
彼は強く奥歯を噛み締める。
自分の力で、歯が砕けそうになるほどに。
彼は引き金に指をかけた。
その時、一人の男が言った。
「すまなかった!!」
ホープの動きが止まる。
「お前の怒りはもっともだ。あの政策を知ってしまったんだろう? だが、仕方なかった。金ならいくらでも払う。だからどうか、許してくれんか...?」
「そんなに命が惜しいか...?」
その言葉に、男はビクッゥとした。
「所詮は誰かの命を犠牲に、永らえてきた命だろう? それの何が惜しいんだ」
男は黙ってしまう。
「今更謝ったってもう遅い。死んでしまった人はもう戻って来ないんだ。だから今度は、お前らが死んで償え!!」
ホープは今度こそ引き金を引こうとする。
しかし、次の瞬間、彼の左腕に激痛がはしった。
-
- 44 : 2014/10/21(火) 22:11:10 :
- 「ぐうぅ...」
腕が射抜かれていた。
焼けるような痛みに、ホープは思わず呻き声をあげる。
声が聞こえた。
「おいおい、なんだこりゃあ? ひでぇ有り様だ。」
声がした方を振り向くと、そこには機械兵をつれた30歳程の男がいた。
「なんだお前は...」
ホープは傷口を押さえながら問う。
「ん? 俺か? 俺はアーヴィン・バザルゲット、天才科学者だ。」
「ハッ!! 全く天才には見えないね。」
ホープは毒づく。
「お前結構傷つくこと言うね。これでも俺はあの<人工知能>を作ったんだぜ?」
「ッ!?」
男の口から述べられた言葉に、ホープは驚愕する。
だが、すぐに銃を構え、こう言う。
「そうか。じゃあお前も、死んで償え。」
ホープは迷うことなく引き金を引いた。
銃声が響く。
しかし、アーヴィンが倒れることはなかった。
彼についていた機兵の一つが、盾となったからだ。
「へぇ、拡散型のグレネードランチャーか。いいもん持ってるねぇ?」
と、アーヴィンは軽い調子で言う。
「チッ!!」
ホープはもう一度引き金を引こうとする。
だが、彼の手によって引き金が引かれることはなかった。
機兵によって、腕を失ったのだから...
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- 45 : 2014/10/21(火) 22:31:10 :
- 鮮血が飛ぶ。
「うぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
例えようのない痛みに、ホープは悶絶する。
しかし、そうしている間に機兵は2撃目を浴びせようとする。
どうやら、敵と認識されたらしい。
ホープは、2撃目を転がって避けると、外へ飛び出した。
「こんなとこで...死んでたまるかッ!!」
彼は走りだした。
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- 46 : 2014/10/21(火) 22:55:40 :
- あと4レスで完結しそうO(・▽・)O
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- 47 : 2014/10/21(火) 23:28:43 :
- プレゼント上げよう
っ感謝の気持ちと頑張れの応援
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- 48 : 2014/10/21(火) 23:30:04 :
- 地味にうれすぃww
1話って1から考えるとすげぇ長いなw
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- 49 : 2014/10/21(火) 23:30:52 :
- だよねw
2話からポンポン進むねw
-
- 50 : 2014/10/21(火) 23:32:37 :
- それはわかるww
ただでさえ遅筆なのに...
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- 51 : 2014/10/21(火) 23:33:46 :
- 思いつきで進めれば早いw
-
- 52 : 2014/10/21(火) 23:34:34 :
- 思い付きでやると後々矛盾や致命的なミスに気づく...
-
- 53 : 2014/10/21(火) 23:36:38 :
- 編集でなんとかしちゃえぇ!←
下書きは思いつきで進めて、本番はガチ勢になるw
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- 54 : 2014/10/21(火) 23:37:43 :
- 下書きだけめっちゃ考えて、本番は考えなしにペタペタする←
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- 55 : 2014/10/21(火) 23:39:09 :
- 本番でやりなさいよww
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- 56 : 2014/10/21(火) 23:40:58 :
- いや、ちゃんとさらっと流し読みしてから投下するよ?
てか下書きを修正し始めると終わらないww
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- 57 : 2014/10/21(火) 23:43:13 :
- 終わるよいつかはww
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- 58 : 2014/10/21(火) 23:44:33 :
- 『いつかは』←
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- 59 : 2014/10/21(火) 23:45:44 :
- いつか(5日)は終わる!
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- 60 : 2014/10/21(火) 23:46:55 :
- うまい
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- 61 : 2014/10/21(火) 23:48:45 :
- ありがとうww
-
- 62 : 2014/10/21(火) 23:50:52 :
- 取り敢えず(こっちは)落ちる
-
- 63 : 2014/10/21(火) 23:51:52 :
- 了解w
-
- 64 : 2014/10/22(水) 17:26:24 :
- 今日で...終わらせる!!(無理な気がするなんて言えない
-
- 65 : 2014/10/22(水) 17:37:40 :
- 後方から機械の駆動音が聞こえる。
振り返ると、機兵たちがすごいスピードで迫ってきていた。
彼らはホープに銃口を向けながら狙いをさだめている。
「くそっ」
ホープは、餞別に貰った手榴弾をばらまき、振り切ろうとする。
が、その威力では彼らの動きを阻害するに至らなかった。
「チィッ!!装甲固すぎんだろ!!」
ホープは舌打ちをしながら走る。
「あった...!門だ!」
門に向かって走る。
そして外に飛び出る。
しかしその時、無数の機兵が彼に向かって発砲していた。
体中を痛みが駆け巡る。
しかしそれでも彼は走り続けた。
生き延びて、いつか必ず報いるために。
-
- 66 : 2014/10/22(水) 17:57:53 :
- 門を出ても、機兵たちは追いかけてくる。
「ハァッ...ハァッ...」
ホープにも、疲れが見えはじめてきた。
(ここから西に、いりくんだ森があったはずだ... そこに逃げ込む!)
本来なら彼は、倒れていてもおかしくない状況だった。
左腕からは滝のように血が流れ、先程の銃撃でさらに負傷。
下手をすれば出血多量で死ぬ可能性もある。
そんな状況で彼を支えているのは...
執念。
ただそれだけが彼を支え、突き動かしている。
彼は全力で走る。
後ろで銃声が響き、体に痛みがはしる。
それでも彼は、ただただ走り続ける。
-
- 67 : 2014/10/22(水) 21:43:51 :
- 森についても、機兵は追ってきていた。
「くそっ...しつけぇ!!」
ホープは手榴弾をばらまく。
それでもやはり、機兵の動きは止まらない。
「くそぉ!」
とにかく逃げる。
そろそろ走りはじめて30分経っただろうか...
ついに、機兵の砲弾がホープを襲った。
まともにくらい、吹き飛ばされたホープは近くの崖を転がり落ちる。
「うわあぁぁぁぁぁ!!」
-
- 68 : 2014/10/22(水) 21:56:00 :
- 落ちたところは、崖から13M程の所だった。
枯れ葉がクッションとなり、助かったらしい。
機兵が上から見下ろしている。
やがて殺すのは無理だと判断したのか、彼らは去っていった。
(へへ...ラッキー...)
ホープは安堵した。
それと同時に、
(はやくここから離れないと...)
と、思い立ち上がろうとするが...
力が入らない。
「あ...れ?」
もう一度立ち上がろうとするが、やはり力が入らない。
「おか...しいな...」
やがて意識も朦朧としてきた。
視界がぼんやりとしている。
(まさか...俺死ぬ...のか? あの機兵たちも、俺が勝手に死ぬって判断して...?)
もうほとんど前が見えない。
薄れゆく意識の中で、彼は言った。
「アデル...親父...ごめん...仇...打てなかった......」
そしてホープは、静かに目を閉じた。
-
- 69 : 2014/10/22(水) 22:05:33 :
- ーーーーーーーーーー
ホープは薄暗い光の中で目を覚ました。
「あれ...?」
彼は困惑の表情を浮かべた。
「生きてる... もしかして、夢...?」
彼は自分の腕を見る。
彼の腕は切断されていた。
(夢じゃない... じゃあ、ここは?)
「おっ、起きたか!」
困惑する彼に、声がかけられた。
彼が声のした方を向くと、そこには金髪ボサボサヘアーで、いいかげんな服装の男が立っていた。
「ここは...?」
と、ホープが問うと男は
「ここは反乱軍の支部だ」
と答えた。
「反乱軍...?」
-
- 70 : 2014/10/22(水) 22:05:35 :
- ホープぅぅぅぅぅぅ!!!
-
- 71 : 2014/10/22(水) 22:40:25 :
- 妹にPC奪われた件
仕切り直し
-
- 72 : 2014/10/22(水) 22:47:47 :
- ーーーーーーーーーー
ホープは薄暗い光の中で目を覚ました。
「あれ...?」
彼は困惑の表情を浮かべた。
「生きてる... もしかして、夢...?」
彼は自分の腕を見る。
彼の腕は切断されていた。
(夢じゃない... じゃあ、ここは?)
「おっ、起きたか!」
困惑する彼に、声がかけられた。
彼が声のした方を向くと、そこには金髪ボサボサヘアーで、いいかげんな服装の男が立っていた。
「ここは...?」
と、ホープが問うと男は
「ここは反乱軍の支部だ」
と答えた。
「反乱軍...?」
「あぁ、お前もこの世界で行われてる政策は知ってんだろ?」
「ああ......」
「ここにはその事実を知ってしまい、世界政府を恨む連中が集まる。ここにいるやつはみーんな、世界政府の粛清を目指しているわけだ。お前もそうだろ?」
「ああ...まあ...」
「だよなぁ、じゃなきゃ一人であんな反乱起こさねぇよな? なら、お前は今日から仲間だ。一緒に世直ししようじゃねぇか」
「え...?」
事態を理解しきれないホープに、男はさらにたたみかける。
「歓迎するぜ。ホープ・オースティン」
1話ーーー完ーーー
-
- 73 : 2014/10/22(水) 22:48:35 :
- 一気に清書だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
-
- 74 : 2014/10/22(水) 22:48:54 :
- の、前に風呂入るか...
-
- 75 : 2014/10/23(木) 16:41:13 :
- よし!!2話に入ろう。
-
- 76 : 2014/10/23(木) 17:02:19 :
- ーーーーーーーザッザッザッ...
足音が響く。
アーヴィン・バザルゲットは森の中を機兵たちとともに歩いていた。
目的は先の反乱者、ホープ・オースティンの回収である。
しかし、いくら探しても彼は見つからない。
痺れを切らしたアーヴィンは
「おいおい... ホントにここなのかよ?」
と、機兵たちに問う。
「ハイ。アノ反逆者ハ、我ラノ砲撃ヲ受ケ、コノ地点ニ落下シマシタ。彼ノ状態カラ見テ、ココカラ離レルコトハ不可能デショウ」
機兵の一人が無機質な音声で答える。
「...てことは、誰かがここから連れてったってことかよ。あー...嫌な予感しかしねぇ...」
アーヴィンは気だるそうな声で言う。
「嫌ナ予感、ト言ウト?」
「反乱軍の奴等が関わってるんじゃないかと思ってな。だとしたら、ホントにめんどうだ」
彼は溜め息を吐く。
「ホントにめんどくせぇ... なぁ、エドガー。お前もそう思うだろ?」
そう言うと、彼は歩き出す。
「行くぞ。居ないもんを探してもしょうがない。居なかったって報告して、早く帰ろうぜ?」
彼は軽い調子で言った。
しかし、その目だけは何処か殺気を孕んでいた。
-
- 77 : 2014/10/26(日) 15:55:42 :
- ーーーーーーーーーー
「ハァ!?」
ベッド以外何もない部屋に、ホープの声がこだまする。
「どうした。変な声出して」
「どうしたって... あんたが変なこと言い出すから...」
「え... 変なこと言ったか? お前を歓迎するって言っただけだぞ?」
エドガーはきょとんとした顔でホープを見る。
「歓迎するって... 反乱軍にか!? 何で俺がそんな物騒な組織に...」
「何言ってんだ。一人で反乱起こす方が物騒じゃねぇか」
「うぐぅ!?」
核心を突かれ、彼は言葉につまる。
「け、けど俺が入る理由なんてねぇじゃねぇか。第一、俺はあんたを信用できない」
「ははっ、まあそうだろうなぁ。けど、お前を一人でどうするつもりだ」
「一人でもなんとかできる... 実際一人でもあそこまで検討できたんだ... もっと修行すれば...」
「ムリムリ。お前が殺してきたのは、平和で鈍りきった黒服たちだろ? 本物はあんなのの比じゃねぇぞ」
必死に弁解しようとするが、それも遮られる。
「ああもううっさい! とにかく入らn」
「あーあー。誰かさんを森から運んで来るの疲れたなー。重かったなー」
急にエドガーは妙な棒読みで恩を売ろうとしてくる。
「てめっ... 恩を売りやがって!!」
閑散とした部屋の中で、こんな話が小一時間も続いた。
-
- 78 : 2014/10/26(日) 22:16:36 :
- 「あー、もうわかった!仮入軍だからな!!」
____結局、ホープが反乱軍に仮入軍する、という形で話は決着した。
お互いがお互い、譲歩しあったというわけだ。
「おうおう、仮入軍な。ま、すぐに入軍したくなるさ。単純なお前のことだし」
「なんだと!!」
ホープはまたも噛みつきにかかる。
見てわかる通り、この二人の相性は最悪のようだ。
「もういいから噛みついてくるな。はやく皆にお前を紹介しなきゃだろ。新しい仲間なんだから」
「だから仲間じゃね...」
「あーもううるさいうるさーい」
もう一度噛みつこうとしたホープだったが...
今度は出鼻を挫かれた。
口論では勝てないと悟ったのか、彼はエドガーにおとなしくついていった。
-
- 79 : 2014/10/26(日) 22:46:37 :
- エドガーについて行きたどり着いた場所は_____
とても反乱軍の支部とは思えない賑わいであった。
「なんだここ...!」
驚きの色を隠せないホープをよそに、エドガーは収集をかける。
「おいてめぇら!集まりやがれぃ!!」
爆発音。
比喩表現抜きでそのような声であった。
(うるさっ... どんな喉してるんだよ...)
などと、ホープが適当に考えている間に、人がわらわら集まってきた。
「リーダー、一体なんのご用で?」
彼らのうちの一人、ドレスを着た女性が問うた。
「いやな、新しい仲間ができたもんだから紹介しようと思って...」
いやだから仲間じゃねぇよ!
と、思ったホープだったが口論では負けるので黙っておく。
すると、
「「「「「「だーっはっはっはっはっ!!!!!!!!!」」」」」」
一同が一斉に爆笑しだした。
「新しい仲間ができたから紹介って... 転校生かよ! 相も変わらず、リーダーのギャグはキレッキレだねぇ!!」
彼らの内の一人が言う。
それに対し、エドガーも
「そうだろぉ。」
などと言って笑い合っている。
(なんだよコレ... イメージと全然違うぞ...?)
そこでやっとエドガーが本題に入る。
「まあとにかく、今日このホープ・オースティンクンが入軍したわけだ。入ったばっかだから色々教えてやれよ?」
その一言に、さらに周りは爆笑する。
「だから転校生かっての!! ヒィー、腹痛ぇ」
いや何が面白いんだよ!!と、困惑するホープにやっと助け船が出される。
「まあ、なんだ。よろしくな!」
彼らの一人が言う。
そこは雑だな、と思ったがもう触れないでおこう、とホープは決める。
(取り敢えず、今のでわかったことがある......)
(......反乱軍馬鹿だ...)
-
- 80 : 2014/10/27(月) 08:44:58 :
- A Brief Restで行こう
-
- 81 : 2014/10/27(月) 09:07:31 :
- 「なんだ... 反乱軍馬鹿だ、とでも思ったか?」
エドガーが問う。
(なんだよこいつ! 読心術でも持ってんのか!?)
「いや、別にそんなこと思ってねぇよ...」
と、見え見えな嘘をつく。
それを聞いたエドガーは
「お前、わかりやすいな」
と言った。
やはり嘘は一瞬で見破られたらしい。
......このやり取りが終わった辺りで、やっと周囲の笑いが途絶えた。
するとエドガーはまたもや爆発音を発する。
「さあこれで終わりだぁ!! てめぇら戻っていいぞ!!」
その言葉を聞き、彼らは各々の席へ戻っていった。
-
- 82 : 2014/10/27(月) 09:10:37 :
- 何か展開変だな...
-
- 83 : 2014/10/27(月) 09:14:01 :
- >>81 書き直し
「なんだ... 反乱軍馬鹿だ、とでも思ったか?」
ホープの顔を見て、エドガーが問う。
(なんだよこいつ! 読心術でも持ってんのか!?)
「いや、別にそんなこと思ってねぇよ...」
と、見え見えな嘘をつく。
...が、
それを聞いたエドガーは
「お前、わかりやすいな」
と言った。
やはり嘘は一瞬で見破られたらしい。
......このやり取りが終わった辺りで、やっと周囲の笑いが途絶えた。
するとエドガーはまたもや爆発音を発する。
「さあこれで終わりだぁ!! てめぇら戻っていいぞ!!」
その言葉を聞き、彼らは各々の席へ戻っていった。
-
- 84 : 2014/10/29(水) 23:18:25 :
- ーーーーーーーーーー
あの後は特に何もなく、そのままホープは床についた。
...が
(やべぇ... 寝すぎて無駄に早く起きちまった...)
ご覧の有り様である。
(さっきカレンダー見たらあの日から4日経ってたよ!? 3日も俺は寝込んでたのか!?)
などと困惑しながら、仕方なく支部の中を見て回ることにする。
-
- 85 : 2014/10/29(水) 23:29:22 :
- それからいくらか経った頃だろうか。
(ここ何処!? ヤバい迷ったかな!? てか何ここ暗い怖い! 一人で冒険しなきゃよかった...)
先日世界政府の支部で暴れた奴とは思えない所業である。
(てか何でこここんなに広いし深いの!?今自分がどの辺りにいるかさえわからないよ!?)
もとが馬鹿なので、緊張感が抜けた瞬間これだ。
などと、ホープが思索していると、前から人影が近づいて来た。
それに気づいたホープは前方へ視線を向ける。
そこにいたのは先程の紹介(?)の時も見かけた、ドレスの女性であった。
-
- 86 : 2014/11/01(土) 21:51:09 :
- 「あんたは...」
ホープはゆっくりと顔をあげ、問う。
それに対し、女性は答える。
「私? 私はローダ。ローダ・ベイツよ。」
「ローダ...さんですか」
ホープの言葉に対し、彼女は即座に突っ込みをいれる。
「あら... 別に敬語じゃなくていいのよ。何? そんなに私がおばさんに見えるの?」
ローダはじろ目でホープを睨む。
ホープはその目にしどろもどろしながら
「い、いやぁ、まさか... ね、ねえお、お姉さん?」
と、誤魔化そうとするが、最早自白しているようなものである。
-
- 87 : 2014/11/01(土) 21:58:43 :
- そんなホープの様子を見て彼女は「クスッ」と笑うと本題に入る。
「...で、なんでこんな所にいるの?」
その問いかけにホープは顔を赤くしながら
「え... いや、その......道に迷ってしまって...」
と、答えた。
「ふぅん... まあここもかなり広いしねぇ...」
ローダは興味なさげに言う。
その態度にホープは
(なんでそんな興味なさそうなんだよ! 聞いてきたのそっちだろ!?)
と思ったが、わざわざまた空気を悪くするのもなんなので、そこには触れないでおく。
-
- 88 : 2014/11/02(日) 08:20:22 :
- 「..............」
「...............」
二人の間に気まずい沈黙が流れる。
「そ、そういえばローダさn...ローダは何で反乱軍に?」
沈黙に耐えれなくなったホープは、純粋に疑問に思ったことを訊ねる。
と、同時にホープは選択を失敗した、とも思った。
反乱軍に入った理由なんて暗い過去を進んで話してくれる人がいるだろうか。
悲しい過去を思い出させてしまうだけではないか、と。
そんなホープの心配を他所に、彼女はゆっくり語り始めた。
-
- 89 : 2014/11/03(月) 16:00:54 :
- 「人工知能の死の管理。それは知ってるでしょ?」
「ああ... 俺もそのくちで反乱起こした奴だからな」
「あれって世界の不利益にならない用に殺す人を決めてるって言うけど、誰しもが不利益を被らない演算結果なんてでると思う?」
その言葉を聞き、ホープはおや?と思った。
確かに、全ての人が被害を被らないなんて、いくらなんでも無理なのではないか。
「そう。あれって結局政府や主要国家、政府が敵に回したくない国が不利益を受けないだけで、実際は結構...」
そこで彼女は一旦話を区切る。
束の間の静寂が訪れた...
そしてまた、彼女はゆっくり口を開く。
-
- 90 : 2014/11/03(月) 21:32:31 :
- 「私はね、後発発展途上国で生まれたの」
後発発展途上国______発展途上国の中でも鉱山資源に乏しく、開発の進んでいない国のことである。
「そこでもね、例の死の管理は行われてるんだけど...」
彼女は少し溜めてから
「労働人口が減りすぎて、子供でさえ苦役をしなかればならたくなっちゃって...」
「..................」
ホープは黙って彼女の話を聞く。
「ある日、苦役に堪えられなくなって......弟が死んだわ」
彼女の口から、悲しい過去が語られた。
-
- 91 : 2014/11/04(火) 18:45:18 :
- 最後が気にくわないYo!
-
- 92 : 2014/11/04(火) 19:01:57 :
- 「え...?」
ホープは愕然とする。
そんなことも気にせず、ローダは続ける。
「それに、たくさんの子供たちが苦しんでるのも見てきた... 私はその事態に対して、何もしない政府が憎かった... だから反乱軍に入ったの」
彼女は話終えるとふぅっと息を吐く。
「そうか... 聞いてしまってすまない...」
「ま、人工知能の死の管理のことを知ったのは、そのあとなんだけどね」
彼女はわずかに微笑む。
そしてホープの後方を眺めると
「あなたたち... いつまで隠れてるの? 出てきなさいな」
と言った。
すると...
ホープの後方の柱から複数の男たちが出てきた。
-
- 93 : 2014/11/04(火) 21:55:55 :
- 「あなたたち... 人の話を盗み聞きなんて、趣味が悪いんじゃない? ...で、そこで何してたの?」
ローダは強気な口調で問う。
それに対しエドガーはニヤニヤしながら答えた。
「いやぁ... やけに早い時間からホープ君がウロウロしてるからつけてたんだよ... なぁ皆」
「なっ......」
それを聞き、ホープは赤面する。
それもそうだろう。
半端じゃない馬鹿っぷりが露呈したのだから。
-
- 94 : 2014/11/04(火) 22:15:01 :
- 「いや~ 面白かったぜぇ。めっちゃテンパってるんだもん! おいちゃんと録画できてる?」
「ばっちりっす!!」
などと、彼らはニヤニヤしながら笑いあっている。
「てめぇら!! 今すぐ消せ!! マジでお前らブッ飛ばすぞ!!」
ホープは赤面しながら大声を張り上げる。
「いやですぅー。 こんな貴重な映像、消しちまったら勿体ねぇだろ。 それに、交渉材料にもなるしな」
「てめっ...」
ホープがもう一度大声を張り上げようとしたところで、エドガーの持っていたビデオカメラが何者かにひったくられた。
ローダだ。
彼女は流れるような動作でデータを消すと、カメラをエドガーに返す。
「ああっ!! おい何で消しちまうんだよ!! いい交渉材料だったのにぃ!!」
「そこらへんでやめておきなさいな。 まだ夜中なんだし。 ほら、皆も部屋に戻りなさい」
ローダがそう言うと、彼らは去っていった。
最も、エドガーだけはなにやらブツブツ言いながらその場に残ったのだが...
-
- 95 : 2014/11/06(木) 12:18:30 :
- 静寂が訪れた...
そこで、ホープはあることに気づく。
(あれ? やべぇ道聞くの忘れた... どうしよう... こいつに聞くのも癪だしな...)
彼は、ブツブツ言っているエドガーを横目で見る。
その目線に気づいたエドガーは
「なんだ? 反乱軍入る気になったか?」
と、問う。
それに対し
「い、いや別に」
と、ホープが答えると、エドガーは適当に相づちを打ってまたブツブツ言い出した。
-
- 96 : 2014/11/06(木) 13:22:59 :
- 「なぁ...」
三分ほど経ったところで、エドガーが口を開いた。
「あいつの話、聞いたんだろ?」
あいつというのは、恐らくローダのことだろう。
「ああ...」
ホープは答える。
「どう思った?」
「どう思ったって... 俺は復讐の為だけに戦った。けど、彼女は違って... 言葉にできねぇけど、とにかく私怨の為だけに戦ってるんじゃなくて、世界の不正を正す為に戦ってる... そう感じた」
「ここにいる奴は皆、誇れる過去なんか持っちゃいねぇさ。 けどあいつらはその過去と決別し、新しい未来を作るために戦ってる。その意志だけは皆一緒だ。 俺たちなら、必ず新しい未来を作れる。 俺はそう思ってるんだ。」
「そうか...」
薄暗い廊下に、彼らの声だけが響いていた...
-
- 97 : 2014/11/06(木) 13:27:42 :
- あと4レスくらいかな...
-
- 98 : 2014/11/06(木) 15:13:43 :
- ーーーーーーーーーー
「ふあぁ...」
ホープは騒がしい物音に目を覚ました。
(てか、もう夕方じゃねぇか...)
結局、あの後は自力で自分の部屋に辿り着き、布団に入ったのだが...
そのときにはもう既に9時になっていた。
彼は目を擦りながら、食堂の扉を開ける。
すると________________
昨日と同じように、とても反乱軍の支部とは思えない賑わいであった。
「はは... 毎日のようにこの賑わいなのかよ...」
ホープは半ば呆れつつ食堂に入っていく。
-
- 99 : 2014/11/06(木) 15:27:23 :
- 「おぅ!! ホープ!! こっち来い!!」
ホープが声のした方を見ると、そこにはエドガーが座っていた。
「なんだよ...」
「まあ、座れ座れ」
エドガーは強引にホープを自分の隣に座らせる。
どうやら少し酔っているらしい。
「いつもこんなことやっているんだな...」
「ん、あぁ。 楽しい方がいいじゃねぇか」
「そうか... あ、そうだ。俺反乱軍入るから」
「そうかそうか... え?」
エドガーは気の抜けたような声を出す。
-
- 100 : 2014/11/06(木) 15:46:54 :
- 「なんだよ... 反乱軍入るって言っただけだろ?」
「え... いや... え? それは嬉しいんだが... なんで急に?」
「あんた昨日言ってたろ? 反乱軍なら必ず新しい未来が作れる、って。俺もそう思った。それだけだ」
ホープははっきりと答える。
「それに... その未来も見てみたいしな!」
彼は微笑んだ。
「そうか... じゃあ改めて、歓迎するぜ、ホープ・オースティン」
エドガーは手を差し出す。
「...ああ」
ホープもそれに応じた。
外ではいつの間にか、月が輝いていた。
-
- 101 : 2014/11/06(木) 15:47:09 :
- 終わりぃ!!
-
- 102 : 2014/11/08(土) 20:09:36 :
- さて... 三話に行くか
-
- 103 : 2014/11/08(土) 20:22:24 :
- (さてと... ここでいいのか?)
ホープは町外れの研究所に来ていた。
しかしホープはここに来た理由を知らない。
半ば強引に来させられたという形だ。
(てか、研究所って思いっきり敵地じゃね? ホントに大丈夫かよ...)
彼は少々警戒しながら入り口に向かう。
(あ、そういえば久しぶりに外に出たな...)
などと適当に考え、不安感を拭おうとしていると、ふいに扉が開きメガネをかけた男が出てきた。
-
- 104 : 2014/11/08(土) 20:30:16 :
- 「っ...!」
ホープは反射的に身構える。
しかし、男はホープを見ると
「あぁ!! 貴方がホープ君ですね!! 待ってましたよ。ささ、どうぞ中へ!!」
と言って、ホープを研究所の中に引きずりこんだ。
-
- 105 : 2014/11/09(日) 22:57:07 :
- 三話プロローグ書いてねぇじゃねぇかぁぁぁぁ!!!
-
- 106 : 2014/11/09(日) 23:20:23 :
- 紺碧の空に眩い月が浮かんでいる。
エドガーは窓からそれを眺めながら酒を飲んでいた。
「さて... ここからどうするか... 政府と一線交えるとなると、あいつも出てくるだろうしなぁ... めんどくせぇ...」
そう言うと、彼は一気にグラスの酒を飲み干す。
「ふぅ......」
彼は大きく息を吐いた。
(そういえば、ホープ君おつかいちゃんと行けたかなぁ... 方向音痴を絵にしたようなやつだしな... 敵の本拠地に行ってるかも知れんぞ)
などと考えていると、廊下の方から足音が聞こえてきた。
エドガーはそちらの方に目線を移す。
足音の正体はローダであった。
「こんな時間に酒なんて珍しいのね ...一体どうしたの?」
彼女はエドガーに問いかける。
エドガーは空を見上げ、答える。
「ああ... 大嫌いな奴を思い出していたんだよ。 政府の犬に成り下がった、天才科学者をな......」
その口調は、どこか殺気を孕んでいた。
-
- 107 : 2014/11/09(日) 23:20:50 :
- >>106を一番最初に入れる、と
-
- 108 : 2014/11/10(月) 17:33:40 :
- >>104から
-
- 109 : 2014/11/10(月) 17:57:00 :
- ーーーーーーーーーー
ホープは研究所の会議室のような場所に連れてこられた。
「ささ、どうぞどうぞ座ってください!!」
男は、やたら高いテンションで椅子を引く。
(この人ずっとこのテンションなのか...? 疲れそうだな...)
などと適当に考えていると、男が
「あぁ、そういえば自己紹介がまだでしたね。私はレオン・スベルディア。あなた方反乱軍の協力者です」
と、名乗った。
そして続けざまに言う。
「今日は“あれ”を取りに来たんですよね? 中々いい性能に仕上がりましたよ~。あとはサイズ合わせるだけですね!」
「あれ...?」
ホープは少し困惑した。
ここに来た理由すら知らされていないため、“あれ”という言葉の意味を理解できなかったからだ。
-
- 110 : 2014/11/10(月) 19:13:27 :
- 「え? もしかして聞いてないんですか!?」
「聞いてないっていうか... 何も聞かされずここに来たから...」
それを聞くと、レオンはため息をつく。
「はぁ... 彼のいい加減さも、ここまで来ると尊敬の域ですね...」
彼というのは、エドガーのことだろう。
ホープはそれを聞き、苦笑いした。
「まあ、いいでしょう。口で言うより見てもらった方が早いですね。ちょっと待っててください」
こういうと、レオンは部屋の外に出ていった。
-
- 111 : 2014/11/10(月) 19:13:44 :
- そういうとだろうが
-
- 112 : 2014/11/10(月) 22:42:07 :
しばらく経ったあと、レオンが金属ケースのような物を持ってきた。
「お待たせしましたー。って、さっき僕が出ていった時と同じ体勢で待機って... 何で無駄な所で真面目なんですか! もっと寛いでくれててよかったのに... ほら、わざわざ最新鋭のマッサージチェアまで運んできたんですよ!?」
彼は部屋の隅にある一つの椅子を指差す。
「何その無駄なサービス精神!! そういうのいいし、ていうか研究所におじゃましてマッサージチェアで寛ぐとか、かなりのレベルの猛者だよ!!?」
「え、エドガーさんはいっつも二時間くらい寛いでいきますよ?」
「あれはあらゆる意味で猛者なんです! あれを反乱軍の指標として見るのやめて!!」
その時、急に扉が開き、女性が入ってきた。
-
- 113 : 2014/11/10(月) 23:35:24 :
- 「あのー、静かにしてもらっていいかしら? 外まで響いてるんだけど...」
非常に柔らかい言い方であったが、その目には冷徹さも感じられた。
「あ...あぁ、ごめんなさい...」
ホープは咄嗟に謝る。
すると、すぐに女性は戻って行った。
「まったく... 君が大声を出すから、怒られてしまったじゃないか」
レオンはあたかもホープの所為であるかのように言う。
「はぁ!? いやあんたがマッサージチェアがどうとか言うからじゃねぇか!!」
ホープは叫ぶ。
「シッ!! 学習能力ないのか君は。次怒らせたら、きっとミドルキックもらうぞ... あぁおっかない」
レオンはその光景を想像したのか、身震いをした。
-
- 114 : 2014/11/10(月) 23:42:54 :
- 「ていうか... 部下に怯える上司ってどうなのよ... あんた仮にもここのトップだろ?」
ホープは問う。
「しょうがないだろう、怖いんだから! 彼女の戦闘力3600ぐらいあるんだよ!?」
「なんの話だよ!?」
「いや... スコウターという戦闘力を計測するものを発明したんだが... それで彼女を見たら3600もあったんだ...! 因みに僕は3な」
「スコウターってあんた... パクったのを自白してるようなもんじゃねぇか...」
ホープは呆れたように言う。
それが気に入らなかったのか、レオンはさらに言い返してくる。
-
- 115 : 2014/11/11(火) 18:38:22 :
- 「いやいやいやいや! パクったのあっちだから! 元ネタこっち!!」
レオンは必死に弁解しようと試みる。
「おいおい... お前怒られるぞ...」
「信じてくれないのか! じゃあもういいよ!」
彼はホープの言葉に拗ねたのか、そっぽを向く。
「............」
「............」
そして無言のまま五分ほどが経った......
-
- 116 : 2014/11/11(火) 22:31:38 :
- 「おい...」
いたたまれなくなったホープは口を開く。
「なんですか」
レオンは応答こそしたものの、口調は荒んでいた。
まだ拗ねているようだ。
「まだ拗ねてんのかよ... ていうかさ、さっきから話が全く進んでないんだけど...」
「......!」
ホープの言葉に、レオンは驚愕とする。
「え、何? 気づいてなかったの?」
「い、いやまさか! これはちょっと御披露目前の催しものというか...」
レオンはなんとか弁明しようとする。
...が
「無理しなくていいぞー」
ホープの一言にねじ伏せられてしまった。
-
- 117 : 2014/11/11(火) 22:51:21 :
- 「くっ... ええそうですよ! 忘れてましたよ! それの何がいけないんですか!!?」
「何開き直ってんだよ... 完全に駄目だろ、時間の無駄じゃんか」
「うぐぅ...」
レオンは言葉に詰まる。
「わかりましたよ。私の敗けです」
「勝ち負けとか、そういう話じゃないだろ...」
「モチベーション的な話ですよ。さ、では御披露目といきましょうか」
そういうと、レオンはケースに手をかけた。
-
- 118 : 2014/11/12(水) 20:31:19 :
- ケースが開く。
中には、鈍く光る腕が入っていた。
「......義手...?」
ホープは反射的に口にだす。
「ええ、そうですよ。貴方用の」
「えっ...?」
ホープは気の抜けたような声をだした。
「どうです素晴らしいでしょう! 何よりすごいのはこの義手がなし得る技でしてね、生体電流を人工的に増大させて体外に放つこともでk...」
「わかったわかった! それはすごいんだけれども... 何で俺に...?」
「何でって... 腕がないからでしょう」
「それはそうなんだけれども!! そんな最新鋭っぽい技術を詰め込んだ武器を素人の俺に使わせていいわけ!!?」
「知りませんよ、そんなこと」
レオンはぶっきらぼうに言った。
どうやら、説明を途中で遮られたことで機嫌が悪いらしい。
-
- 119 : 2014/11/12(水) 20:40:47 :
- 「知りませんって... どうして反乱軍関係者には適当な奴が多いんだ...!」
ホープはよろめく。
まあ仕方ないだろう。
反乱軍に入ってから、ローダくらいしかまともな人を見ていないのだから。
「さ、疑問は解消しましたか? じゃ、説明に戻りますよ?」
レオンは再び、説明に戻ろうとする。
「............」
ホープはうんざりして、黙りこんでしまった。
「沈黙は承諾と受け取りますよ? では......」
レオンは勝手に話を進め、説明に入った。
ここからホープが長時間戦い続けたことは、言うまでもない。
-
- 120 : 2014/11/12(水) 21:53:35 :
- ーーーーーーーーーー
それから六時間ほど経った頃だろうか。
「まあ、こんなもんですかね。説明は以上です」
長ったらしい説明が終了したらしい。
因みに、ホープはというと...
「.....................」
この有り様だ。
-
- 121 : 2014/11/12(水) 21:58:07 :
- 「おーい、ホープさん、大丈夫ですかー」
レオンが呼びかけるが...
「............」
ホープはピクリとも動かない。
「反応がない、ただの屍のようだ」
「............」
と、ギャグをかましてみたもののやはり反応がなかった。
「えぇ... 完全に気を失ってるじゃないですか... しょうがない...」
レオンはそういうと二本の棒を持ってきた。
-
- 122 : 2014/11/12(水) 22:55:54 :
レオンはその棒と電源をコードで繋ぎ、スイッチを入れると、思いっきりホープの体に押し当てた。
瞬間、
ホープの体が激しく痙攣し、その後ぐったりとしてしまった。
どうやら電気を流したらしい。
しかし、ホープは起きない。
「あれぇ... 2000Vじゃ足りなかったかな...?」
レオンは首をひねる。
次の瞬間、ホープがガバァっと起き上がった。
「あ... 生き返った。なんで急に?」
レオンは問う。
「いや当たり前だろ!! 2000Vって聞こえたよ!? そりゃぐったりしてても飛び起きますよ!! 一瞬川の向こうで親父が手を振ってるの見えたからね!!?」
ホープは叫んだ。
「2000Vって言葉で起きるなんて... 犬並みの反応のよさじゃないですか」
と、レオンは謎の棒読みで話をそらそうとする。
「いや音が聞こえたから起きたんじゃないからね!! 死んだらどうしてくれんの!? もう一回言うけど、親父が手を振ってるたよ!!?」
「よかったじゃないですか。感動の再会」
「そんな再会嫌だよ!!」
「まあまあ、一日霊界体験ツアーってことで」
「下手したら体験じゃなくなるよ!? てか川渡りかけたからね!!?」
ホープが叫んだところで、会議室の外から机を強く叩くような音がした。
どうやらまた音が外に響いていたらしい。
-
- 123 : 2014/11/13(木) 17:25:26 :
「............よし、一旦落ち着きましょう。ね?」
レオンはホープを宥める。
「ああ...」
ホープもすぐに静かになった。
それほどあの音は、彼らに恐怖を与えたらしい。
「ところで、いつから気を失っていたんです?」
そこでレオンは、やっと本題に戻る。
「えっと... なんかバルカン砲? のところだったと思う」
「ええぇ... まだ最初の方じゃないですか」
レオンは呆れたような顔を浮かべる。
「しょうがないだろ! 無駄に長いしよくわからないんだから...」
「仕方がないですね... ちょっと待っててください」
レオンはそういって部屋から出ていくと、ある書類を携えて帰ってきた。
-
- 124 : 2014/11/13(木) 17:35:15 :
「紙...?」
ホープは呟く。
「ええ、その腕の説明書みたいな物ですね」
それに対し、ホープは口を開きその言葉を反芻する。
「説明書? 説明書... 説明書!!?」
ホープは唖然とした。
「ちょっ、声が大きい!! また怒られますよ!?」
「いやだって... 説明書って! あんな長い説明聞く必要なかったじゃん!!」
「ホープ君はそんなに長く聞いてないでしょう」
「そういうあげあし取りいいから!!」
などと、ギャーギャー言い合っていると、扉が凄まじい勢いで開いた。
瞬間、二人が土下座へと移行したことは言うまでもない。
-
- 125 : 2014/11/13(木) 17:51:46 :
- ーーーーーーーーーー
長ったらしい説明、及び喧嘩を終え、ホープは入り口まで戻って来ていた。
「うげ... もう日が照ってるどころか真昼じゃねぇか...」
ホープは愕然とする。
「まあまあ、では今日はありがとうございました。結構楽しかったですよ?」
「俺は死にかけたけどな」
その言葉に、二人は笑いあう。
「あ、そうだ。一つ聞きたいことがあったんだけど」
「なんですか?」
ホープは少しためたあと、尋ねた。
「あんたは、何で俺たち反乱軍に協力してくれてんだ? そんなに利益もないだろうに...」
ややあって、レオンは
「ただ、天才的な力を持っていながら、それを弱い人の為に使うことのできない科学者が、気にくわなかっただけですよ」
と、答えた。
「そうか... じゃあありがとな。また... マッサージチェアで寛ぎにでも来るよ」
そういうと、ホープは手を振りながら去っていった。
その腕は、鈍色に輝いていた。
-
- 126 : 2014/11/13(木) 18:17:30 :
- ーーーーーーーーーー
「おっ、戻って来たか」
ホープが支部まで戻ると、エドガーが入り口の前で待っていた。
彼はホープを腕を見ると
「どれどれ... おっ! 中々様になってるじゃない! またまた男あげちゃってー」
と言った。
「何だよ、そのいじり方...」
ホープは呆れたように言った。
「お前... その腕使いこなせるまで、どのくらいかかりそうだ?」
エドガーは問う。
「よくわかんねぇけど... 正直、この重さに慣れるのも時間かかりそうだし、複雑だからな... 早くても二年くらいかかりそうだ」
「そうか... ならちょうどいいな」
エドガーは小さく呟くと言った。
「じゃあ、今から三年で完全に使いこなせるようになってくれ。その時、俺たちは総攻撃を仕掛ける」
「三年? そんなに待ってていいのか?」
「ああ、こっちにもまだまだ準備あるしな」
「そうか... 取り敢えず寝かせてくれ。とてつもなく眠いんだ」
そういうとホープは足早に支部の中に入っていった。
エドガーは空を見上げる。
そして小さく呟いた。
「アーヴィン... 俺たちがお前を倒すのも、そう遠くないぞ」
と。
-
- 127 : 2014/11/17(月) 17:21:29 :
- ーーーーーーーーーコンコン
数回のノックの後、扉が開く。
そして一人の男が入って来て
「分隊長、召集です。至急、本部に向かいます」
と、言った。
「ああ...」
ホープは一言言い、立ち上がった。
「もう三年か... 早いもんだな...」
そう呟くと、ホープはゆっくりと部屋の外に出て行った。
-
- 128 : 2014/11/17(月) 17:21:57 :
- 一発目でミスんじゃねぇよ!!
-
- 129 : 2014/11/20(木) 18:47:48 :
- タイトルコール
-
- 130 : 2014/11/20(木) 18:52:34 :
- ホープが義手を手に入れてから三年が経ち、彼は元の支部の頭兼分隊長になっていた。
そして今日、ついに攻撃を仕掛けるのだ。
ホープは支部を出て、一息つくと、
「よし、行くか」
と言って、歩き出した。
-
- 131 : 2014/11/22(土) 08:28:18 :
- ーーーーーーーーーー
反乱軍の移動には、最新鋭のステルス機能を装備した飛行船を用いる。
基本的に、森などひっそりした場所にステルスを展開したまま隠しておくのだが......
「おい...... ないぞ......」
ホープたちは愕然としていた。
というのも、飛行船を隠しておいた場所に飛行船がなかったからだ。
「おい!? どうすんだよ!!? 誰だ最後に隠したやつ!!」
ホープは叫び声を発する。
それに対し、部下たちは苦笑いを浮かべる。
「いやいや...... それはホープさんでしょう!! いっつも、ホープさんが隠してるんじゃないですか!!?」
「うぐっ......」
ホープは言葉に詰まった。
相変わらずの馬鹿っぷりである。
-
- 132 : 2014/11/22(土) 20:28:55 :
- 「あ......」
そこで一人の部下が口を開いた。
それに対し、ホープは首を捻り、問う。
「どうしたディック?」
ディックと呼ばれたその男は、半ば申し訳なさそうにホープの持っている地図を指差す。
「あの...... その地図、上下反対じゃないですか......?」
「え......?」
その言葉に、ホープは地図を見返す。
「本当だ...... よく見ると、地名とか逆さまになってる!」
それに対し、部下たちが「はぁ!!?」と、声を荒げたのは言うまでもない。
-
- 133 : 2014/11/22(土) 20:38:27 :
「ちょっとちょっとちょっとぉ!しっかりしてくれなきゃ困りますよぉ、分隊長!!」
周りの部下たちは、わざとらしくホープを囃し立てる。
「うるせぇ! お前ら、俺は仮にも分隊長なんだぞ! 上司だぞ!」
ホープは激昂するが、周囲の嫌なざわめきはおさまらない。
「この野郎......」
ホープは、そう呟くと手を前に差し出した。
瞬間、周囲のどよめきが消え、一同が蜘蛛の子を散らすようにホープから離れた。
「お前ら、いい加減にしろ」
ホープはやや冷たい口調でいう。
「すっ、すみませんでしたぁぁ!」
それに対し、周りの者共は即座に土下座へと移行した。
......のだが、
ホープは
「なんてな」
と、軽い口調で言うと、
「早く行くぞー」
と言って、森の中を歩いていった。
-
- 134 : 2014/11/22(土) 20:46:10 :
- ーーーーーーーーーー
「あったぞ......」
そんなこんなで、ホープの一団はなんとか飛行船に辿り着いた。
「うわっ、結構埃たまってんなー。乗るの何年ぶりだ?」
「八ヶ月ぶりくらいじゃないですか?」
「もうそんな経ったの!?」
などと、適当に会話を交わしながら、ホープたちは飛行船へ入っていった。
-
- 135 : 2014/11/22(土) 20:59:21 :
- ーーーーーーーーーー
「ふぅ......」
ホープは飛行船内のソファに腰かけると、深く息を吐く。
(さてと...... ここから結構かかるんだよな...... めんどくせぇ)
ホープたちのいるマドリードから、召集命令のあったセオール支部まではおおよそ八時間ほどかかる。
飛行船としては、トップクラスの速さだと言えるだろう。
しかし、その時間がホープには非常に退屈であるようだった。
飛行船のなかを見ると、既に各々が自由に過ごしていた。
-
- 136 : 2014/11/22(土) 21:06:58 :
大きな駆動音とともに、体に浮遊感を感じた。
ホープが窓の外を見ると、飛行船が動き始めていた。
「出発か......」
ホープは小さく呟く。
少しずつ地面が小さくなっていく。
周囲から「おぉー!!」という歓声が聞こえた。
「おいおい...... もう何回も乗ってるだろうが......」
と、ホープは一度ツッコミを入れると、もう一度窓の外に視線を戻した。
見ると、そこはもう十分な高度で、真っ白な雲がどんどん視界の後方へと消えていった。
-
- 137 : 2014/11/22(土) 21:17:25 :
- Outbreak of War
-
- 138 : 2014/11/23(日) 00:19:02 :
- ランク335 >>429
-
- 139 : 2014/11/23(日) 15:41:46 :
ーーーーーーーーーー
あたりには金属が揺れる音が鳴り響いている。
デイック・ブランは飛行船の貨物室の中にいた。
貨物室には、多くの銃火器類がおいてある。
つまり、
(ここを爆発させれば、飛行船に大きな損害を与えられる)
ディックは一つの箱からC4を取り出す。
仕組みは現在の物と同じだが、威力はおよそ8倍という代物だ。
ディックはそれを流れるように取り付けると、次は無線機を取り出した。
-
- 140 : 2014/11/23(日) 15:58:59 :
ディックはチャンネルを合わせると、無線機を口にあてる。
「飛行船に爆弾設置完了しました」
すると無線機から、割れたような声が聞こえた。
『ごくろう。しかし、それは最終手段だ。あくまでも最初は“腕”の暗殺を狙え』
「了解」
『期待しているぞ』
通信先の相手は『フフ』と少し笑うと、無線の通信を切った。
-
- 141 : 2014/11/23(日) 16:14:10 :
「ふう......」
ディックは通信を終えると、立ち上がった。
そして、
「さて、ちゃっちゃと終わらせて、報酬を頂くか」
と呟き、貨物室の入り口に向かって歩き出した。
-
- 142 : 2014/11/23(日) 16:23:12 :
「いた......!」
ディックは食堂の一角にホープを見つけた。
「......すぅ......すぅ......」
ホープは、どうやら寝ているらしい。
食堂には、彼ら以外の人間はいない。
そこには、ホープの規則正しい寝息だけがこだましていた。
-
- 143 : 2014/11/23(日) 16:47:16 :
「ふうっ......」
ディックは深く息を吐くと、ナイフを取り出す。
そして少しずつ歩き出した。
二人の間は、およそ15メートルほどだろうか。
ディックは少しずつ距離を詰めていく。
「はぁっ...... はぁっ......」
呼吸が乱れ、心臓の鼓動が加速する。
ディックは、どうにか平静を保ちながら、震える足を前に進める。
(あと5メートル...... 4、3、2、1......)
そして、震える手を出し首に向かってナイフを構える。
瞬間、
扉が開き、大勢の人が入って来た。
-
- 144 : 2014/11/23(日) 17:10:02 :
「っ!!」
ディックは調理場に逃げようとする。
が、調理場からも人が入って来た。
ディックははっとして、時計を見る。
【12:30】
(しまった...! 昼食の時間か!!)
ディックは、観念して食堂に立ち尽くしていた。
-
- 145 : 2014/11/24(月) 10:07:11 :
「ふぁあ......」
周りの物音にホープが起きてしまった。
その事実にディックは密かに舌打ちをする。
...が、彼はすぐに思考を切り替える。
(一先ず、怪しまれずに人混みに紛れる!!)
ゆっくりと動き、周りの動きに順応しようとしたその時、
「待てよ」
一人の兵士が口を開いた。
ディックの鼓動がさらに加速する。
ディックは体から、嫌な汗が吹き出るのを感じた。
-
- 146 : 2014/11/24(月) 16:19:06 :
「なんですか?」
ディックは平静を装い、応答する。
「なんだよ...... お前の持ってるナイフ...... 狩猟とかに使うやつじゃねぇか」
「あぁ、これは趣味でして...... どうです、この美しいきっさk」
「それにお前、飛行船乗ってすぐに貨物室に向かってたよな。何してたんだよ」
ディックはどうにか話をそらそうとしたが、それは阻止される。
二人の会話に食堂内がどよめきはじめた。
-
- 147 : 2014/11/24(月) 16:43:18 :
(チッ...... めんどくさい。“腕” を人質にとってずらかるか......)
そう決めると、ディックはホープのもとへ駆け出す。
そして瞬く間に後ろに回り込み、首にナイフをあてがる。
「めんどくせえ...... ホントは“腕” だけを使えなくしたかったんだが...... 悪いけど人質になってもらうぞ」
ディックは勝ったと確信していた。
が、周りの人々は焦りの色を全く見せない。
それどころか、同情するような目で、ディックを見ている。
「なっ、なんだその目は!!」
ディックは声を荒らげる。
しかし、次の瞬間彼は向けられた視線の意味を理解した。
何故なら、彼の体が宙を舞ったからだ。
-
- 148 : 2014/11/24(月) 17:02:44 :
- クオリティーたけぇなオイ
-
- 149 : 2014/11/24(月) 17:03:11 :
- オイ
-
- 150 : 2014/11/24(月) 17:13:07 :
- センキューオイ
-
- 151 : 2014/11/24(月) 17:14:31 :
- いえすオイ
-
- 152 : 2014/11/24(月) 17:14:51 :
- 何だこれオイ
-
- 153 : 2014/11/24(月) 17:31:00 :
「ぐはっ......」
地面に体が落下し、肺から空気が吐き出される。
「はぁっ...... はぁっ......」
どうにか呼吸を整えようとするが、それもうまくいかない。
そんな中でなんとか顔をあげると、そこにはホープが立っていた。
(ちっ...... 仕方がない...... 最終手段だ)
そう思い、ディックは飛行船の出入口へと駆ける。
そして扉を抉じ開けた。
瞬間、気圧差によって空気が外に流れだし、それによって全員の体制が崩れた。
ホープは扉に吸い込まれそうになりながら、柱を掴み、なんとか体制を立て直す。
そんな中でディックの声がこだまする。
「はぁ...... まさかてこずるとは...... まあいい、よく聞け。今からこの飛行船を爆破する。おとなしく殺されてればよかったものを。まあ、せいぜい検討を祈るよ」
そしてディックは扉から、落ちていった。
「くそっ!!」
ホープは床を殴る。
そして、ディックの言葉を思いだし叫ぶ。
「皆!! 飛び降りろ!! 爆発するぞ!!」
それを聞き一同が一斉に駆け出す。
次の瞬間、
飛行船が爆発し、ホープの体が大空に投げ出された。
-
- 154 : 2014/11/24(月) 18:21:46 :
どんどん気圧が大きくなっていき、耳に激痛が走る。
下を見ると、真っ青な海であった。
「ちっ!!」
ホープはポケットから小さな袋を取りだし、紐を引く。
すると袋が膨らみ、巨大なパラシュート状のものになった。
それをベルトに固定し、体制を立て直す。
そこでやっと、落下速度が減速した。
「ふう......」
ホープは安堵の声を漏らす。
が、安心したのも束の間、風が大きく吹き荒れ、再び体制が崩れた。
落下のスピードが大きくなり、そのまま海面に叩きつけられる。
ホープはもがいて海面に上がろうとするが、パラシュートが体に絡まってうまく身動きが取れない。
やがてどちらが上なのか、方向感覚もなくなってきた。
ホープの意識が薄れていく。
次の瞬間、ホープは何者かに引っ張られるような感覚とともに、意識を失った。
-
- 155 : 2014/11/25(火) 18:10:57 :
ーーーーーーーーーー
ホープは薄暗い部屋の中で目を覚ました。
(また生きてた...... か。同じような光景を三年前も見た気がするぞ)
ホープは自嘲気味に笑う。
そしてベッドから出ようとする。
が、
「っ!」
体に痛みが走り、動けなかった。
(あっれーおっかしいぞぉ。三年前はもっと重症だったのにな......てか、コナン君の真似してる場合じゃねえだろ)
などとホープが思索していると、ふい扉が開いた。
-
- 156 : 2014/11/25(火) 20:20:48 :
「もう起きたのか。相変わらずえげつない生命力だねぇ」
入ってきた筋骨隆々な男は、見た目に反して軽めなくちょうで言った。
ホープはそちらに視線を移しながら言う。
「やっぱりお前か、モーガン。で、ここは何処だ?」
その問いに対し、モーガンと呼ばれたその男は笑いながら答える。
「ここはうちの潜水艇の中だよ。うちの軍は、移動に潜水艇を使ってるんだ。で、ホープの軍は遠泳でもしていたのかな?」
モーガンはニヤニヤとしながらホープに詰め寄る。
「馬鹿言え! うちの軍にスパイが潜んでてな、飛行船爆発させられたんだよ」
「スパイってマジかよ!? じゃあ、今回の総攻撃も......?」
「あぁ、恐らくばれてる」
-
- 157 : 2014/11/25(火) 20:27:15 :
「それはマズイな......」
「ああ......」
「......」
「......」
ここで二人の間に沈黙が流れる。
何故か? その理由は......
「......何がヤバいんだ?」
「それ俺も思ってた」
要は二人とも馬鹿なのだ。
-
- 158 : 2014/11/25(火) 20:46:05 :
「ま、何がヤバいのかは後でエドガーに聞くとして。俺の部下は無事なのか?」
ホープは忘れかけていたことを問う。
「ああ、それに関しては平気だぜ。全員回収しといた」
その一言にホープは安堵した。
「そうか......」
その時、潜水艇が大きく揺れた。
「おっ! 着いたっぽいな。降りる準備してくれ」
モーガンは呼び掛ける。
が、ホープは動かない。
モーガンが首を傾げると、ホープが気まずそうな顔で言った。
「......すまん、海面に打ち付けられた時に骨折したのかわからねえけど身体中が痛くて動けねえ」
「マジか...... しょうがねえ、担いでいってやるよ」
そう言うとモーガンはホープを軽々持ち上げる。
「すまんな......」
そしてそのまま部屋を出て言った。
-
- 159 : 2014/11/27(木) 00:26:29 :
ーーーーーーーーーー
「おぉ!! 長旅ごくろーさん」
エドガーの明るい声が聞こえた。
ホープが前方を見ると、エドガーが支部の前に立っていた。
「もう着いたのか。早すぎやしねえか? まだ上陸してからそんな経ってねえぞ」
ホープは不思議そうに声をあげる。
「そりゃそうだろ。潜水艇の方が飛行船より隠しやすいからな。支部の近くにも停めとけるんだよ...... 多分」
モーガンが答えると、ホープは合点がいったような顔をした。
「ところで、なんでお前ら一緒なんだ?」
馬鹿二人の会話に、エドガーが割って入る。
その言葉にホープは思い出したように言う。
「そうそう! うちの軍にスパイがいてな、飛行船が爆弾で木っ端微塵に......」
-
- 160 : 2014/11/27(木) 00:49:18 :
「へぇ...... そうか」
予想とは裏腹に、エドガーは対して驚いていないようだった。
その反応にホープたちは首を傾げる。
それを見てエドガーは笑った。
「スパイなんて大したことねえだろ。作戦がバレて対策たてられるなら、その上からねじ伏せるだけだ」
エドガーはきっぱりと言った
しかしそこで、
「「「..................」」」
謎の沈黙が訪れた。
ややあって、ホープが静寂を破る。
「おい...... 決め顔してないで話を進めろ」
ホープは呆れながら言った。
「ええ!? シャッターチャンスだったのに!」
「いや誰も待ってねえよ」
「何!? ......まあいい。スパイに関しては問題ないとして...... 厄介なのは兵器だろ。今回相手にするワレス・マクドウォールは超合金の開発をしている」
エドガーは説明に入る......が、
「「............?」」
馬鹿二人には理解できないようだ。
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- 161 : 2014/11/27(木) 07:11:33 :
「はぁ......」
エドガーは呆れ顔を浮かべる。
そして簡潔にこう述べた。
「要は硬いんだよ」
「なるほど」
異常なまでに簡単な説明に、さすがの馬鹿二人も理解したらしい。
「......それってどのくらい硬いんだ?」
ホープはふと思った疑問を問う。
「多分相当硬いぞ。ホープの腕でも破壊できん」
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- 162 : 2014/11/27(木) 19:30:52 :
「えっ!? それって相当ヤバくね?」
ホープは驚嘆の声をあげる。
が、またもやエドガーはそんなに焦っていないようだ。
「問題ねえよ。こっちには奥の手があるしな」
「奥の手?」
モーガンが問うと、エドガーは笑いながら答える。
「別に、科学の力を持ってるのは敵だけじゃねえってこった。まあ全員集まったら説明してやるから焦るなって」
そう言うとエドガーはそのまま去っていった。
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- 163 : 2014/11/27(木) 20:27:38 :
それから五時間ほど経った後......
「今から説明するから静かにしろ~」
全軍が揃ったようだ。
「ふあぁ...... やっとかよ......」
ホープとモーガンは欠伸をしながら席につく。
そこにはホープとモーガンの他に、二名の分隊長が座っていた。
それを見て、ホープは首を傾げる。
「ちょっ、ちょっと待ってくれ!」
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- 164 : 2014/11/27(木) 21:02:49 :
「なんだよ。トイレか? いってらっしゃいホープ君」
エドガーは呆れたように言う。
「いや違ぇからな! 何で5人しかいないんだって話だよ!!」
「そりゃ皆をだす訳にもいかねぇだろ。この人数で充分と判断しただけだ」
エドガーは自信満々に言い切る。
そこで端に座っている長髪の男が口を開く。
「私としましては、確かになかなか不安ですね...... この総攻撃が失敗すれば、このセオール支部の場所がバレる恐れもありますし...... あ、申し遅れました。私、この支部の長のニール・シガンと申します」
「まあ確かにな。けど、負けねえから大丈夫だ」
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- 165 : 2014/11/27(木) 21:08:40 :
- いわかーん
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- 166 : 2014/11/27(木) 21:16:31 :
- まあいいか
進めよう
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- 167 : 2014/11/28(金) 07:11:36 :
エドガーが得意気に言うと、ホープたちも頷く。
「じゃあもういいか? 作戦の説明するぞ~」
エドガーは説明に入る。
この後馬鹿二人が居眠りしたというのは、また別の話......
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- 168 : 2014/11/28(金) 07:21:56 :
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辺りがざわついている。
ホープたちは支部の食堂の中にいた。
周りには部下たちが並んでいた。
いわゆる、決起集会と言うわけだ。
全員が集まったところで、エドガーが爆発音を発する。
それに対し、一同は一斉に視線をそちらへ向ける。
それからゆっくりと、エドガーは口を開いた。
「あれから三年が経った...... 今の俺たちには力がある!! 偽物の平和に満足してる糞野郎どもに、一杯食わしてやろうぜ!!」
その言葉に一同が呼応する。
「さて...... いくぞぉぉ!!! 野郎共ぉ!!」
その言葉とともに全員が支部を飛び出した。
戦いが、始まる______________________
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