【Ut4m4r0】「幸運の代償」
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- 1 : 2024/09/08(日) 05:05:53 :
- 作者:Ut4m4r0
作者URL:http://www.ssnote.net/users/yuta588
作品名:「幸運の代償」
作品URL:http://www.ssnote.net/archives/20341
カテゴリ:ダンガンロンパ
タグ:狛枝
2014/12/30時点
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- 2 : 2024/09/08(日) 05:08:43 :
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1 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:31:00
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どうも、みなさん
夏は楽しんでいますか?
今回のSSはベリーショートなSSです
そして第3回目の超高校生級のSS作家との恋愛作品です
主人公は狛枝
※思いついてすぐ書き始めて
1時間もかからずに終わったため 急展開 ですご了承ください
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2 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:31:21
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遠ざかる意識の中 ボクは その手を 離した
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3 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:31:50
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「ふぅ・・・」
シャワーを浴び湯船につかる
この世には色々な幸福がある
男女同士の交際を幸福と感じる人もいる
巨額の富を幸福と感じる人
今、僕がしているように湯船につかることを幸福と感じる人
それぞれだ
どんな人でも幸福と言うものに対して希望を持っている
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4 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:32:04
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ボクはそんな希望を見るのが好きだ
そしてボクは幸福に近い存在 つまり才能を持っている人達が通う高校に通っている
ボク自身に才能など無い
寧ろ 人並みのことを人並みにできる もしくは人並みにもできない
そんなゴミのような人間
でも、この高校の幸運というシステムによって僕は入学を許された
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5 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:32:22
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クラスメイトの皆はそれぞれ超高校級という才能を持っている
ボクは自分の幸運ってものを信じている
それは話すと長くなるから話したくはないけれどボクの幸運は代償として不幸を払わなければならない
自らの命を助ける為に 両親を犠牲にした
何てひどい話だ って思うかもしれないけれど 僕にその幸運は制御できない
よくある話だと悪霊の類なのかもしれない
そして、その不幸は先払いなのか後払いなのか決まってもいない
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6 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:32:35
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何の才能もない上に ボクはこのような人生を歩んでいる
世間からは希望ヶ峰学園に入学した幸運の持ち主だなんて言っている
実際ボクもその通りだと思う
でも、世間は知らない 不幸を支払う幸運なんてのは結局は何の役にも立たないってことを
「そろそろ・・・出ようかな」
浴槽から足をだしたときだった
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7 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:32:47
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ツルンッ
「え?」
ガシャーン
「いてててて・・・」
そしてボクの幸運は払った不幸の大きさで決まるらしい
「安眠できるってことなのかな」
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8 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:33:09
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ガラガラガラ
教室のドアを開く
クラスの皆は一応僕の方に目を向けてくれるがそれも一瞬
また、それぞれが行動を始める
それもこれもボクが悪いんだけどね・・・
ボクが希望を欲するあまりみんなに不快な思いをさせてしまったせい
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9 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:33:32
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席に着き隣の席の生徒に声をかける
「おはよう」
多分、いつも通り返ってこないだろうけど
ボクに挨拶を返すのは石丸 清多夏クンくらいだからね
「・・・おはよう」
ほら返ってこな・・・・・ あれ?
隣の席を見る
隣にはノートパソコンに文字を打ち込んでいる女子生徒
ノートパソコンの画面から目を離さないものの僕に挨拶を返してくれた
彼女は超高校級のSS作家
彼女の書くSSはアニメの二次創作だったりオリジナルだったりとジャンルは違うものの
全て大ヒットとなり映画化やコミックマーケット等では莫大な収益を得る
そんな彼女から挨拶を返してもらえた
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10 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:33:51
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嬉しくて小躍りしそうになるが やめておこう あんまりみんなの言う奇行に走ると
次が無いような気がしたから
「・・・・何?」
そんなことを考えているといつの間にかボクの顔を見つめる彼女の姿があった
ドキッと高まる胸
話してもらえたことの嬉しさもあるけど、違った感情もあった
「いや、特にないよ・・・ボクみたいなゴミのような人間に挨拶を返してくれるなんて嬉しいよ」
彼女は少し不思議そうな顔をした
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11 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:34:02
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「んー・・・挨拶は普通返すものじゃないかな?」
「一応毎日してるんだけどさ・・・今日初めて返してもらえたから・・・」
その一言で彼女はハッとした表情で立ち上がる
ボクよりも低い身長だが座っている僕よりは大きい
「あの・・・普段ヘッドホンしてるから聞こえなかったの・・・本当にごめんなさい」
そうか、今日はヘッドホンを忘れたということなんだね
昨日の浴場での出来事を思い出す
そうか、これがボクの幸運なんだ・・・
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12 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:34:16
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それからボクが彼女に恋愛感情を持つまでに時間はかからなかった
何をしていても
どこにいても
彼女のことが気になる
部屋で1人でいる今も彼女のことを考えてしまう
彼女と幸せな家庭を築き上げたい
いままで、そんなこと微塵も思わなかったのに
そんなことまで思ってしまっていた
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- 4 : 2024/09/08(日) 05:13:08 :
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13 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:34:32
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でも・・・・
僕の希望が叶えられたとして
その幸運に対する不幸はどのようなものなのだろう・・・
ボク自身の死なら構わない
でも、彼女が死ぬようなことがあってはならない
ボクはひたすら悩み
1つの結論に至った
それは、彼女と関わらないこと
遠くから見守ること
それは、ボクにとって辛い選択になったが
彼女がいつも通りに過ごせるならば・・・
それが今のボクにできる精一杯
彼女の幸せを求め
自分の恋愛を捨てる
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14 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:34:44
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いままでどんな不幸にも耐えてきた
どんなことだって
なんだって
でも、なんでだろう・・・涙が溢れて止まらない
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15 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:34:59
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翌日になり
登校した時 ある異変を感じた
外から2階の窓ガラスに赤い塗料が塗られている
まるで血のような赤い色
校舎に入ると先ほどの窓ガラスに塗られていたものが血だということが理解できた
何故なら ボクの足元には男子生徒の死体があったからだ・・・
何が起こっているのかもわからないまま教室に向かう
ガラガラッ
誰もいない教室
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16 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:35:12
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そして教室の窓から外を見る
そこにあったのは絶望
言葉に表しがたいほどの絶望だった
そしてボクの脳内に1人の女性が思い浮かぶ
彼女は・・・彼女は無事なのだろうか
確か彼女は学園にある寮に暮らしているはず
ボクは全力疾走でそこに向かった
外が絶望の世界だったとしても
希望が無かったとしても彼女さえいてくれたら・・・・
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- 5 : 2024/09/08(日) 05:14:05 :
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17 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:35:28
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寮に着いた
そして彼女の名前が書かれたプレートを探す
「どこだ・・・どこなんだ・・・」
息が上がっても・・・足がつったとしてもボクは進み続けた
そして、彼女の部屋を見つけた
ドアが完全に壊されていて 部屋の中も・・・
荒らされていた
彼女がいることは無く そして、彼女の遺体を見ることも無かった
パソコンから漏れる明かりだけが部屋を照らし出す
「どこに・・・」
がむしゃらに探せばボクの幸運なら探せるかもしれない
そう思い
部屋を出ようとして立ち止まる
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18 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:36:18
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「・・・・パソコン」
デスクトップ画面を覗き込む
そこには1つだけファイルがあった
狛枝クン
と書かれたファイル
そのファイルをクリックして中を見ると
ボクと一人の女性との恋愛が書かれていたSSだった
主人公の女性は自分に自信のない高校生
そんな高校生が隣の席のボクに恋をするというお話
それを読んでいるうちに
その女の子が彼女であることがわかった
さらには、日記のように1日1日書いてある
「これって・・・」
そう、あの時の挨拶の話
それから、ずっと彼女の作品は続いていた
最後の日にちとなってしまった昨日の話で
主人公は決心する
自分の思いを告げようと必至で悩み告白しよう決心したのだ
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19 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:36:33
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その話が終わった後数行書かれていた文があった
『狛枝クンと会えて本当に良かった、見てくれてないかもしれないけれど
そして迷惑かもしれないけれど
これが私の気持ちです
狛枝クン・・・もう会えないと思うけど今までありがとう
今まで書いたSSよりも
どんな物語よりも
美しい世界をありがとう』
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20 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:36:48
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「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
涙が止まらずに溢れていく
ボクは彼女のことを想い遠ざけようとした
彼女がボクなんかのことを好きでいるはずないと思っていた
でも、彼女はこんなボクを見ていてくれた
そして好意を抱いてくれた
なのに・・・なのに・・・
「あんまりだ・・・こんなのって・・・あんまりだよ・・・」
彼女と両想いになる幸福の代償に
ボクは彼女を失ってしまった
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- 6 : 2024/09/08(日) 05:14:59 :
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21 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:36:59
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画面が暗くなる
ノートパソコンのバッテリーが無くなったのだろう
そして・・・ボクの心の中も暗くなっていく
絶望に飲まれるように・・・・・・・・・・
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22 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:37:20
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「そうだったんだね・・・」
ガムテープで口を塞いでいるためその声が外に漏れることは無かったが
ボクはすべてを思い出した
体中の切り傷が痛みを発しながら
彼女のことを思い出した
もう少し・・・もう少しだけ 彼女のことを想っていたい
ドン ドン と
ドアが叩かれる音がする
そして 僕の周りに火が着く
彼女のことを思い出せた
それだけでいい・・・
刺激臭がする
「さようなら・・・ありがとう」
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23 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:37:35
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目を覚ました
きっとここは俗に言うあの世ってところなんだろうね
何だろう、ボクの周りを覆っている半透明のガラス製?それともアクリルかな?
ボクは体に付けられているコードを引きちぎり
外に出ようとそれを押した
思った以上にあっけなく開いたそれは
どうやらカプセルだったようだ
全てのカプセルを確認しても中には何も入っていない
ボクは腕を組み考えた
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24 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:37:51
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「あれ・・・」
腕・・・ボクの左腕・・・
左腕は無くなってたはず
ボクは左腕を見て気が付く
義手だった
そしてそのその義手の薬指には希望ヶ峰学園の指輪がはめられていた
ボクはその一室から出て
他の部屋を探した
そして1つだけ明かりがついている部屋を見つけ
その部屋に入った
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- 7 : 2024/09/08(日) 05:15:53 :
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25 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:38:11
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そこには何やらパソコンに向かい一人で文字を打ち込む女性
左手薬指には僕と同じ指輪がはめられている
ボクが入ってきたことに気が付いたのだろう女性が振り向いた
「・・・・・・嘘」
彼女だった
恋しくてたまらない彼女がいた
そして彼女もボクを見つめ驚いた顔をする
彼女の姿がぼやける
熱いものが頬を伝う
今までの不幸はこの幸福の為にあったんだね
「おはよう」
END
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26 : Ut4m4r0 : 2014/07/24(木) 16:41:09
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ありがとうございました。
意気揚々と書いてみたものの途中で僕の無力さに打ちひしがれそうになりました
この超高校級のSS作家のお話は全員分書こうかなと思っていた僕でしたが
無理そうですねww諦めます
それでは読んでくださった方ありがとうございました!
それでは、まだ書きあがっていない作品の続きを書きます
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27 : ナナミィ : 2014/07/24(木) 23:30:52
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乙
いい話だね
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- 8 : 2024/09/08(日) 05:15:58 :
- 【終】
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