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【ノリ】江ノ島「ちょっとしたゲームをしよう」

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  1. 1 : : 2024/08/27(火) 16:23:34
    作者:ノリ

    作品名:江ノ島「ちょっとしたゲームをしよう」
    カテゴリ:ダンガンロンパ
    タグ:霧切,舞園

    2016/10/29時点
    ページビュー:1521
    コメント数:50
    Good:3
    Twitter:0
  2. 2 : : 2024/08/27(火) 16:24:55
    ーーーーーーーーーーーーーーーーー
    1 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:32:26
    ーーーーーーーーーーーーーーーーー
    チーム
    コトダ
    マツリ

    チ!ム!コ!
    イェース!チムコ!

    中堅戦です!
    ジャンルはアクションで、キーワードは「ぬいぐるみ」です!

    射精バーサク所属です!
    そんな感じの勢いで頑張ります!


    次レスから本編です!


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    2 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:33:13
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー






    苗木「ゲーム?」


    江ノ島「ジャンジャジャーン!」


    苗木「……いや、何それ」


    江ノ島「反応薄っ」


    苗木「唐突すぎて誰も追いつけないから…」



    ここは私立希望ヶ峰学園。


    政府公認の、才能溢れる生徒をスカウトして集め、そして才能を育ててゆく希望に満ちた学園。


    ボクは苗木誠。


    【超高校級の幸運】として希望ヶ峰学園にスカウトされた、くじ運が良かっただけの普通の学生だ。



    江ノ島「理解が及んでいない頭の足りてない苗木クンに分かるように説明すると、これは銃です」


    苗木「それは見れば分かるよ…」



    今ボクの眼の前で銃を見せびらかしているのは、江ノ島盾子さん。


    【超高校級のギャル】で、全国の女子高生の憧れの的だ。


    そんな人とボクみたいな普通な人間が、普通に会話してるんだから、おかしなことこの上ないんだけど…。



    江ノ島「はぁーん、まさか苗木クンは本物の拳銃を見たことがないな?」


    苗木「普通の人間なら見たことないでしょ…
    江ノ島さん普通じゃなさすぎるから…」


    江ノ島「うぷぷ、まあそれは置いといてだ」


    苗木「置いとくんだ」


    江ノ島「この銃、ただの銃じゃあないのです」


    苗木「薄々察してはいたけど」


    江ノ島「まず、弾は入りません」


    苗木「え?」


    江ノ島「その代わりに、レーザーが出ます」


    苗木「怖くないそれ?」


    江ノ島「ただし、このレーザーに殺傷能力はありません」


    苗木「ないの?」


    江ノ島「無いです…同じことを何度も言わせないでください…」


    苗木「え…ごめん…」


    江ノ島「そしてそしてぇ!」



    ジャキッ‼︎



    と。銃を構える音がした。


    まあもちろん、江ノ島さんがボクに銃口を向けてるんだけど。



    苗木「この銃で死なないって分かってても、銃向けられたらいい気分じゃないね…」


    江ノ島「んな余裕ぶっこいいてていいのかァ、苗木ィ!?」


    苗木「え、だって死なないんだから別に…」



    温度差。


    ボクに危機感が足りてなさすぎるのか?



    江ノ島「耳の穴かっぽじってよぉーく聞けよ苗木クン?
    この銃の醍醐味はねぇ…」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    3 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:33:36
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー












    江ノ島「人間にこのレーザーを当てると、その人はぬいぐるみになってしまうのです♡」








  3. 3 : : 2024/08/27(火) 16:26:08
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    4 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:34:03
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    そのレーザーは既にボクに向けて放たれていた。


    江ノ島さんとの距離はさほどなかった。


    レーザーの飛距離は分からないけど、まあつまり…


    江ノ島さんが放ったレーザーは見事ボクに命中した。


    ……で。



    苗木「あばばばばばばばばばばば」



    バリバリと音を立てながら、ボクは雷に覆われた。


    いや、ホントはどうなってるか分かんないけど…。


    とりあえず、その時点で意識は完全に途絶えた。


    ボクは意識を失った。


    だからそこから先はわからない。


    これから何が起こるのか、ボクには知る術なんてない。




    ーーーーー




    ポンッ、っていう表現が1番しっくりきた。


    そんな音と共に、苗木君は本当にぬいぐるみになってしまった。



    舞園「うそ…」


    葉隠「いやいやいやいやいやいや」



    信じられない、という風だった。


    体育館は一気にざわついた。


    でも、モニターに映し出されていたあの映像はきっと本物なんだろうと思う。


    直感的に。だってエスパーだし。


    嘘、冗談。


    けど、エスパーじゃなくとも次の展開は容易く読めた。



    舞園「あの銃が今私たちの手元にひとつずつあるってことは…」


    霧切「玄関や窓が馬鹿みたいに厳重に封鎖されてたのを考えると、そういう事でしょうね」


    大和田「つまりどーゆーコトだよ?」



    江ノ島「オマエラには今からデスゲームをしてもらいます!」


    と、さっきまで別の教室にいたはずの江ノ島さんが威勢良く大和田君の問いに答えた。



    大和田「デスゲームだァ?」


    江ノ島「まあ死なないからデスゲームではないけど…」

  4. 4 : : 2024/08/27(火) 16:27:35
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    5 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:34:27
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    江ノ島「ルールは簡単!
    アタシを含めて14人、今この体育館にいるじゃん?」



    今、この体育館には私含めて14人いる。


    希望ヶ峰学園78期生が。


    でも…苗木君を数えないとしても1人足りない…



    山田「苗木誠殿はさっき江ノ島盾子殿の手によってぬいぐるみにされたからいいとしても、戦刃むくろ殿はどこに…」


    セレス「『ぬいぐるみにされた』って時点で果てしなくよくない気はしますけど」


    朝日奈「でもそうだよ!
    戦刃ちゃんは!?」


    江ノ島「ああ、残念な我が姉には試し撃ちの犠牲になってもらったわ」


    舞園「え、じゃあ今戦刃さんは…」


    江ノ島「うぷぷ、ここだよここ」



    江ノ島さんはどこからか、戦刃さんの姿をした可愛らしいぬいぐるみを取り出した。



    舞園「かわいい…」


    朝日奈「かわいい!」



    じゃなくて!



    舞園「戦刃さんの所在は分かりましたけど…
    これから何をさせるつもりですか?」


    江ノ島「自分を除く13人の中から、誰か3人をぬいぐるみにできたらここから出したげる」


    桑田「はぁ!?」


    舞園「…」



    それで「デスゲーム」か…


    死なないにしても、数が減るということに変わりはないし…



    霧切「…つまり、人のまま出られるのは4人ってことかしら?」


    江ノ島「そーゆーことになるかな?」


    霧切「そう…」


    十神「……ああ、そういうことか」



    霧切さんと十神君は何か得心したような素振りをしていた。

    私にはチンプンカンプンだ。



    セレス「わたくしからも一つ質問を」


    江ノ島「どぞ?」


    セレス「ぬいぐるみを既に所持している人がぬいぐるみにされた場合、その人が所持していたぬいぐるみの所有権はどこへ行くのでしょう?」


    江ノ島「もちろん、ぬいぐるみ所持者をぬいぐるみにした人に行くよ」


    セレス「なるほど…
    ではもうひとつ」


    江ノ島「なに?」


    セレス「つまりあなたは主催者ではなく、参加者…ということですね?」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    6 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:34:58
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    大神「…なんだと?」


    山田「いやしかし…
    口ぶりからして明らかに江ノ島盾子殿が企てた風な気が…」


    十神「あいつはいつでも『仕掛ける側』でいたいだけだ…
    そう装って、誰も気づかなければそのまま『主催者』でいるつもりだったんだろう」


    舞園「そっか…
    主催者が参加者を既にぬいぐるみにしているのはおかしいですもんね…」


    霧切「それに、苗木君と戦刃さんを頭数に入れないと何人かあぶれるし」


    舞園「あれ?でもそれって…」


    セレス「そう、江ノ島さんをぬいぐるみにできれば、脱出可能というわけです」


    桑田「え、そうなのか!?」


    葉隠「なんか分からんがそうっぽいべ!」


    石丸「いやしかし…不公平ではないか?
    江ノ島くんだけ先に動いていたということだろう?」


    不二咲「そうだね…
    僕たちはそもそも状況を把握すらできてなかったわけだし…」


    江ノ島「アンタら甘ちゃんすぎない?
    苗木レベルで甘々じゃね?」


    石丸「ど、どういうことかね!」


    江ノ島「これは希望ヶ峰学園毎年恒例のレクリエーション!
    情報はどこにでも転がってたじゃねぇかよオイオイ!」


    舞園「き、希望ヶ峰学園主催!?」


    江ノ島「ちなみに、アタシは親切なパイセン方からご教授承ったってわけよ」


    石丸「うぐぅっ…僕の情報収集不足だったのか…!」


    大和田「おいおい泣くなよ兄弟…
    希望ヶ峰学園主催ってんなら、ただの遊びだろ?
    だったらちゃちゃっと済ましちまえばいいだろ」


    舞園「そうですよね…」


    江ノ島「と、言うと思ったよ残念な我がクラスメイト共」


    腐川「な…なによ…!」


    江ノ島「まあここからはパピーから説明あると思うからパピーよろしく」



    すると、先ほどまで別の教室が映し出されていたモニターにある人物が映った。



    仁『誰がパピーだ江ノ島君』



    学園長。


    希望ヶ峰学園・学園長 霧切仁。


    パピーはパピーでも、江ノ島さんのじゃなくて…



    霧切「私のパピーじゃない!」


    仁『響子落ち着きなさい』

  5. 6 : : 2024/08/27(火) 16:30:36
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    7 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:35:34
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    仁『まあ、ルールに関しては江ノ島君から説明があった通りだ』


    霧切「それ以外に何かあるってこと?……ですか」


    仁『見事学園を脱出できた人に対してのプレゼント…まあ言うなれば副賞を用意させてもらってるよ』


    セレス「…お城」


    仁『そんな大層なものじゃないよ…』


    江ノ島「学園長がトロいからアタシが言うけど、【1週間ペア旅券】なんだわ副賞」


    霧切「……なんですって?」


    仁『分かりやすく反応するなって小さい頃に教えただろう…
    つまり、意中の相手と1週間、どんな国でも行ってらっしゃいってことだよ』


    舞園「…!!!」


    なるほど。これは勝たなくてはならない。


    これは…うん、勝たなきゃ。



    霧切「…あら?
    舞園さん、さっきまでお遊びって言ってなかったかしら?」


    舞園「うふふ、そんなこと言いましたっけ?」



    とりあえずコイツは私がぬいぐるみにしてあげなきゃいけないな…


    苗木くんとのランデブーは私のものです!



    葉隠「そんな副賞じゃやる気でらんぞ」


    山田「あまりそそりませんな」


    江ノ島「一生春が来ない勢どうすんの?」


    仁『うーん…
    じゃあ副賞変更して、なんでも好きなもの1つプレゼントとかでどう?
    お城でもいいよ』


    セレス「っしゃあやるぞテメェらぁ!!!」


    葉隠・桑田・山田「っしゃああああ!!!!」


    舞園「…!」



    つまり苗木くんのDTが私のものに…!?



    霧切「なんてこと考えてるのよ枕園さん」


    舞園「私のバージンは苗木くんのためにありますから
    …じゃなくてあなた本当にエスパーか何かですか?」


    霧切「霧切響子、探偵よ」


    舞園「知ってます」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    8 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:36:03
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    仁『ああそうそう、あとぬいぐるみに関してなんだけど…』


    江ノ島「ノンノンノンノン学園長!
    それはシークレットの方が楽しくなりそうじゃん?」


    仁『これはさすがに不公平な気がするんだけど…』


    十神「なんだ、早く言え」


    江ノ島「まあヒントだけあげると、銃をよーく見てみなってことかな?
    あとぬいぐるみ?」


    そう言われてもう一度よく銃を見てみたけど、特に変わったところは見受けられなかった。


    山田「何度見てもただの銃だし、ぬいぐるみに至っては手元に無いのですがそれは」


    江ノ島「だぁってろブーデー」


    山田「ブヒィ!?」



    情報を得られなかったのは私だけかもって思ってたけど、そんな事なかったみたい。



    江ノ島「そいじゃそろそろ始めましょうかねぇ…うぷぷぷぷ…」


    仁『仕方ないな…
    じゃあ10秒後、学園のどこかにランダムで転送されるから』



    え?



    腐川「て…転送って…」


    仁『10、9、8、7、6…』


    桑田「え、待て待て待て始まんのかよ!?」


    石丸「こ、心の準備がっ!」


    仁『5、4、3、2、1…』



    仁『それじゃあ、スタート!』





    ーーーーー暗転。


  6. 7 : : 2024/08/27(火) 16:32:11
    ーーーーーーーーーーーーーーーーー
    9 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:36:20
    ーーーーーーーーーーーーーーーーー

    …ここは?


    薬品のにおいが充満している。


    そうか、ここは化学室か…



    大神「…」



    しかし、本当に『転送』された。


    希望ヶ峰学園の技術力には心底驚かされる…


    ……。


    ふと、薬品棚に陳列しているプロテインに目がいったが…



    大神「…プロテインを飲んでいる段ではない、な」


    まずは化学室から出て、周辺に人間がいるかを探らねばなるまい。


    そして、戦闘のリスクも考えておかねば…



    大神「戦闘…か」



    右手に持った銃を確かめながら、呟く。


    この銃を使うのであれば、それは自分に対してではない。


    我は化学室を後にした。


    ドアを閉め、辺りに意識を集中させる。


    ……。


    周りには誰もいないようだ。


    だが、この階に転送されたのが我のみというのは考えづらい。


    参加者は14人もいるのだ。


    欲しいものがある、というわけではないが…


    我は強くあらねばならない。


    ならば、勝つしかなかろう。



    大神「手当たり次第に人間を探すか…」



    何かあった時、広い部屋であった方が助かる。


    まずは音楽室に行くか…


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    10 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:36:39
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    我は音楽室に向かうため、角を曲がる。


    すると見えてくるのは音楽室の扉…。


    ……ではなかった。



    舞園「…大神さん」



    舞園が音楽室から出てくる所だった。



    大神「舞園…」


    舞園「大神さんもこの階に?」


    大神「ああ…我は化学室に転送された」


    舞園「そうだったんですか…」


    大神「…?」



    何だ?


    舞園がやけに芝居くさい気がする…



    舞園「…あの、1つ聞きたいんですけど」


    大神「なんだ?」


    舞園「私たちが転送されてから、大体どのぐらい経ったか分かりますか?」


    大神「そうだな…
    周囲を警戒しながらここまで来たから…およそ10分ほどではないか?」


    舞園「そうですか!
    ありがとうございます!」



    …どういうことだ?


    舞園は我をぬいぐるみに変えようとしていない?


    何故…



    舞園「それじゃあ、私は他の部屋に誰がいるか探してきますね!」


    大神「あ、ああ…気をつけるのだぞ…」


    舞園「大丈夫です!」



    そして舞園は我を横切り、駆け足でどこの部屋へ向かった。


    その時、舞園の腰に赤髪の人型ぬいぐるみが見えたが…


    ……それが芝居くさいと感じた原因か。


    ならば我は、我に挑む者のみを討とう。


    自分から誰かを狙うことはせぬ。


    本気で勝とうとしている他の奴らに失礼だしな。



    大神「…」



    しばらく音楽室にいるか。



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    11 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:37:02
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ーーーーー


    舞園「ふぅ…怖かった…」



    腰に下げてた桑田くんのぬいぐるみ、バレてないならいいんだけど…


    …それにしても、どうして桑田くんは私が音楽室にいるって分かってたんだろう?


    まさか本気でストーカー…


    いや、まさかね。


    だって、転送先は恐らくランダムだし…



    何て考えてるうちに、私は学園長室にたどり着いた。


    流石にここは開けられないけど…




    ガチャッ…




    舞園「………えっ」


    霧切「…あら、舞園さん」



    学園長室の扉は開き、中から探偵がひょこっと顔を出した…



    舞園「…ッ!」



    私は銃を構え、そして放つ。



    バリバリバリッ‼︎



    と、音を立ててレーザーが放たれる。


    …だけど、霧切さんにレーザーは当たらなかった。



    舞園「外した…!」



    とっさのことで照準を定められなかった…


    レーザーは学園長室のドアに当たり、そして霧散。


    特に驚いた様子もなく、霧切さんは顔だけを出したまま呟いた。




    霧切「……好戦的ね?」


    舞園「あなただからですよ…!」


    霧切「そう…」


  7. 8 : : 2024/08/27(火) 16:34:03
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    12 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:37:41
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    奇襲に失敗した私が次にとる行動は…



    舞園「逃げるが勝ちです!」


    霧切「そう言うと思ったわ…!」



    私は学園長室に背を向ける。


    視認できないけど、霧切さんが追いかけてくるのは分かった。


    …つまり。



    バリバリバリッ‼︎



    舞園「ッ!」



    レーザーが私の足元や廊下の側面に当たり、そして霧散。

    何度も私にむけてレーザーが放たれてゆく。



    霧切「『下手な鉄砲数撃ちゃ当たる』」


    舞園「あなたにしては雑ですね!?」


    霧切「走りながら照準定めようったって、ただの探偵の私には無理難題だもの」


    舞園「まあそうかもですけど…!」



    正直、霧切さんと体力勝負で負けるとは思ってない。


    歌って踊るアイドルが、体力で並の女子高生に劣るわけがない。


    だからこのまま振り切ってしまうこともできるけど…



    舞園「…」



    まださほど時間は経っていない。


    もしかしたらまだ、大神さんは音楽室にいるかもしれない!


    それを利用する!



    霧切「あら?この方向…
    音楽室に逃げ込むつもり?」


    舞園「さあどうでしょうね…!」



    言いながら、音楽室までの廊下の一本道を駆け抜ける。



    霧切「いやどう考えてもそうでしょう?」



    霧切さんの『下手な鉄砲』は止むことはなく、私の足元で霧散を繰り返す。


    コツを掴んできたのか、どうも狙いが定まってきているように思った。


    このままじゃ…!


    レーザーが当たらないことと、中に大神さんがいることを祈りつつ、私は勢いよく音楽室のドアを開けた。



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    13 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:38:01
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    勢いよく開いたドアの向こう、その先にーーー。




    大神「…む?」



    彼女はいた。



    舞園「大神さん助けてください!」


    大神「な!?」


    霧切「なるほどそういうことね…」



    これで無理な射撃はできないはず…!



    舞園「霧切さんに襲われちゃって…」


    大神「そうか…
    …では我はこの部屋から出るとしよう」


    舞園「え!?」



    そんな…どうして!


    大神さんがいないんじゃ、こんな開けた所に来た意味が無くなっちゃう!



    大神「霧切は『本気で勝利を掴もうとしている』のだろう?
    そして舞園、お主も」


    舞園「それは…」


    大神「腰に下げているぬいぐるみ、それを見れば本気だということは伺える」


    舞園「…気づいてたんですね」


    大神「我がここにいるのはお主らにとって邪魔でしかない…
    どこか別の場所に移るさ」


    舞園「そう…ですか…」


    大神「すまんな、舞園…」


    舞園「ええ、私の方こそごめんなさい…」


    霧切「…」



    大神さんは私の横を過ぎ、そして音楽室から出ようとドアの方へと歩を進めてゆく。


    その先には霧切さん。


    ……。



    舞園「…そう、その通りです……
    私は『本気』なんです」


    霧切「ッ!
    大神さーーー」








    舞園「だから、ごめんなさい」







    バチィッ‼︎



    大神「ぬうううううううっ!?」



    バリバリと音を立てながら、レーザーが大神さんを包んだ。


    もちろん撃ったのは…私。



    舞園「私は勝たなきゃいけないんです!
    あなたに…!」


    霧切「…っ!」



    そしてしばらくして、ポンッという音とともに、大神さんは手のひらサイズのぬいぐるみとなった。


    静かにぬいぐるみに近づき、私はそれを右手で拾い上げる。


    桑田くん同様に、持ち合わせのストラップを頭の上にある輪っかに通して腰に下げた。


    …あと1人。



    舞園「…あなたを撃って、私が勝ちます」


    霧切「いいえ、私があなたを撃って、私が勝つわ」

  8. 9 : : 2024/08/27(火) 16:37:22
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    14 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:38:22
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    お互いに銃を構え、微動だにしない。


    引き金を引けば、恐らく勝負は決するだろう。


    そのぐらい、私たちの距離は近かった。



    舞園「…」


    霧切「…」



    先に動いたのは…


    私。



    舞園「……ッ!」



    バリバリバリッ‼︎


    大袈裟な音と共にレーザーが放たれる。



    霧切「っ!」



    霧切さんはレーザーをよく見ながら間一髪でそれを回避、そして私に向けてレーザーを放つ。


    けど。



    霧切「…ッ!」



    既にそこに私はいない。


    バチィッ、という音を立てながらレーザーは床を焼いた。



    霧切さんが私から視線を外した瞬間、私は元いた場所から少しずれていた。


    私が元いた場所にレーザーを放っても、当然私に当たるわけがない。


    そしてーーー。



    舞園「ああああああ!!!!」



    一気に詰め寄る!狙いはゼロ距離での射撃!



    霧切「…」



    霧切さんとの距離を数える単位がmからcmなってほんの少し、霧切さんは不敵に笑った。




    霧切「ええ、貴方ならそうすると思ってた」





    彼女は既にレーザーを放とうとしていた。


    銃口はブレることなく、私に向けて。



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    15 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:38:43
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    舞園「そんな…っ!」



    私の視界にレーザーが迫ってくる。


    完全に読まれていた。


    床に1度レーザーを撃ちこんだのは、多分私の策に嵌ったと錯覚させるため…!



    霧切「チェックメイトよ、さようなら舞園さん」


    舞園「…ああああああ!!!!!」


    霧切「!?」



    負けたくない!負けたくない!負けたくない!


    少なくともこの人には!この人だけには!


    私の願いを叶える為とか、そんな事じゃない!


    私だけがそう思ってるかもしれないけど…!


    霧切さんは私の…!



    霧切「まだ諦めないのね…
    流石私のライバル…と言ったところかしら?」


    舞園「…!」



    そっか…やっぱりあなたも…



    パキュッ


    と、音がした。


    偶然だった。


    腰に下げてた桑田君のぬいぐるみに、私の持ってた銃が当たったのは偶然だった。




    ズザァッ!!!





    舞園「あれ?」



    気づけば、私はヘッドスライディングをしていた。


    自分でも理解できなかった。


    そもそも、ヘッドスライディングなんて私の発想になかった。


    けど、そのお陰でレーザーを回避できた。



    霧切「…え?」



    突然の事すぎて、私も霧切さんも頭が追いつかない。


    私ですら追いついてないのだから、霧切さんも当然理解できないだろう。


    「まさかスライディングするとは」なんてことも考えてすらなさそうだ。


    霧切さんは以前、足元の私をポカンとした顔で見つめているだけ。


    私は何とか状況を整理しようと試みる。



    舞園「…!」



    いやいやいや整理する前に!



    舞園「チェックメイトです!」


    霧切「あっ」



    バチィッ‼︎


    目の前にあった霧切さんの足首に、ゼロ距離で撃ち込んだ。



    霧切「あああああっ!!!!」



    先刻の大神さんのように、バリバリと音を立てながら稲妻が霧切さんを包む。



    舞園「これで3人です!」


    霧切「…!
    あなたその銃…!
    なるほど…父が言おうとしてたことってこれのこと…」


    舞園「え…?」



    ポンっ!


    そして霧切さんはぬいぐるみになった。


    あっけなく、私は脱出の権利を手に入れた。

  9. 10 : : 2024/08/27(火) 16:39:29
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    16 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:39:05
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    立ち上がって、今度こそ状況を整理することを試みる。



    舞園「…」



    霧切さんがぬいぐるみになる直前に言ってた言葉…


    私の銃に変化があった?


    そう思った私は手に持っている銃に視線を移す。



    舞園「…!」



    銃の左側面、そこに電子文字で『クワタ レオン』と表示されていた。



    舞園「どうして桑田君の名前が!?」



    咄嗟に腰にあるはずのぬいぐるみを確認する。



    すると、そこには大神さんのぬいぐるみしか無かった。



    舞園「え!?なんで!?」



    落ち着け私…落ち着け…


    そうだ、「父が言おうとしてたこと」とも霧切さんは言ってた…


    じゃあこれは、学園長が言いかけてたぬいぐるみに関することに関係してるってこと?



    舞園「…?」



    分からない…どうしてこんな事が…


    ヘッドスライディングをした事と、この事は関係してーーー



    舞園「……る」



    ヘッドスライディングって聞いて、思いつくのは野球。


    野球なんてした事ない私が急にヘッドスライディングなんてできたのは、この事が関係してると断言できる。


    つまり、これは【超高校級の野球選手】の才能。


    桑田君の才能…



    舞園「…あ」



    よく見ると、『クワタ レオン』と書かれた右下に、小さく『ハズス』と表示されている。


    私はその文字を押した。



    まず、『クワタ レオン』の文字が消えた。


    次に、銃口から粒子が弾けた。



    舞園「きゃっ!?」



    びっくりして銃を床に落としてしまう。


    弾けた粒子は空中で集まると、桑田君のぬいぐるみを形作ってゆき、


    そして床に落ちた。



    舞園「…」



    つまり、銃とぬいぐるみのもう1つの秘密って…



    舞園「…ぬいぐるみにした人の才能を使える?」


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    17 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:39:27
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    そこまで至って、急にアナウンスが聞こえた。



    仁『えー、舞園さやか君!
    おめでとう、まずは響子のぬいぐるみを拾いなさい』


    舞園「あ、ありがとうございます…」



    答えながら、私は少し先にある霧切さんのぬいぐるみを拾い上げた。


    ぬいぐるみになっても、彼女は凛々しい表情をしている。


    私にはできない表情を。



    仁『条件を満たしたようだし、とりあえず他が・・揃うまで自室で休んでいてくれ』


    舞園「…他?」



    他ってどういうこと?


    条件を満たしたんだから、ゲーム終了なんじゃ…



    仁『まあとにかく、自室に転送するから』


    舞園「え、ちょ…」


    仁『またその時になったらアナウンスさせてもらうよ』


    舞園「待ってください!
    その時ってなんですか!?」


    仁『そうだな…
    平たく言うと第2回戦、かな?』


    舞園「え?」


    仁『それじゃあ、少し休みなさい』


    舞園「ま、待っーーー」



    ーーー暗転。









    次に気づくと私は自室にいた。


    舞園「…」


    第2回戦。


    つまり、これは勝ち抜けってこと?


    脱出条件を満たした4人で、更にまた争うってこと…?



    舞園「うーん…」



    考えても仕方がない!寝よう!


    正直疲れたし…


    ベッドに寝転ぶと、驚くほどはやく瞼が重くなる。



    舞園「おやすみなさい…」



    呟いて、重い瞼をおろす。


    意識が沈むのにさほど時間はかからなかった。







  10. 11 : : 2024/08/27(火) 16:40:24
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    18 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:39:55
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    ーーーーーーー



    江ノ島「さーてさてさてさて…」



    …食堂か。


    まあ、電子生徒手帳の件はわざと伏せてあるっぽいし、よっぽどの事がない限りは誰もここに来ないでしょ…



    江ノ島「…」



    私は手持ち無沙汰に銃を眺める。


    今、この銃には才能が2つ宿っている。


    【超高校級の軍人】と【超高校級の幸運】


    今からの戦闘でどっちかの才能を使う場面が来るとは思えないけど……まあ。


    強いて言うなら【超高校級の軍人】は使うかもしんないか?


    少なくとも【超高校級の幸運】はないな。


    苗木のアレは【幸運】ってより【不幸】って感じだし…うぷぷぷぷ…



    江ノ島「……待てよ?」



    今のアタシにとっての【不幸】は、ここでゆっくりできないこと。


    つまり、ここに誰かが来ること。


    しかも大神なんかが来たら超不幸じゃない?


    座ってるだけじゃ飽きちゃうし、試しに使ってみるか…



    江ノ島「…」ピッ



    銃の側面にあるディスプレイの左半分を占める『ナエギ マコト』の名前をタップ。


    画面全体に『ナエギ マコト』の名前が表示されたのを確認して、アタシは飲み物を取りに行った。



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    19 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:40:17
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    水を一杯飲んで、少し息を吐き出して食堂に戻る。


    するとそこには…



    葉隠「だべ?」



    葉隠。


    ここで。葉隠。葉隠?



    江ノ島「…はあ」



    確かに【不幸】だわこりゃ。


    アタシにとって本当に【不幸】なのは、誰かが来てゆっくりできないこと。


    そして更に【不幸】が降りかかるとしたら、誰かが来た所でそいつが絶望的に弱いこと。


    大神あたりが来てたら、アタシは逆に【幸運】だった。


    だって、それだと楽しいから。


    それがなんと…


    葉隠。


    …葉隠?



    江ノ島「いーやいやいやいやいやいや」


    葉隠「な、なんだべいきなり!」


    江ノ島「ここで葉隠は無いです…」


    葉隠「はぁ!?失礼だぞ!」


    江ノ島「いやアンタさ、アタシに勝てると思ってるわけ?」


    葉隠「勝てるかはしらんが、江ノ島っちをぬいぐるみにできたら学園から出られんだろ?」


    江ノ島「…ああ、うん」



    なんだ…こいつそんな事覚えてたのか。



    葉隠「だったら俺は勝ああああつ!!!!」


    江ノ島「はいはい威勢だけ威勢だけ」



    撃った。



    バチィッ‼︎



    葉隠「ああああああああああああああ」



    胸部に命中したレーザーが葉隠の全身を包み込み…


    …ポンッと音を立ててぬいぐるみになった葉隠。


    葉隠…あーあー…


    終わっちった。



    江ノ島「あー…絶望的につまんない…」



    想像以上に【不幸】すぎる。


    苗木の才能ヤベェな…


    これでレクリエーション終わり?マジで?


    葉隠撃ってそれで?



    仁『いいや、終わりではないよ』
  11. 12 : : 2024/08/27(火) 16:41:25
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    20 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:41:52
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    江ノ島「ん?学園長?
    …あー、スピーカーからか」


    仁『君は集め終えるのが早かったな…』


    江ノ島「先取りしてたし?
    …で、終わりじゃないってのは?」


    仁『ぬいぐるみを3体集めた人たちで、また第2回戦をしてもらおうと思ってね』


    江ノ島「なるほどねー?」


    仁『そっちで勝ち抜いた子に、好きなものをプレゼントしてあげるという形で』


    江ノ島「そっちが本番か…」



    こっちを『予選』とすると、勝ち抜いた人間はそれなりにできるってことになる…


    アタシ含めた4人で、またお楽しみってんなら…



    江ノ島「なるほどね?
    せっかく先取りして狙われやすくしたけど、まあそういうことなら仕方ないね」


    仁『それでは、少し休んでいなさい
    自室に転送するから』


    江ノ島「いやいいよいいよ、すぐ近くだし」


    仁『そうか?
    じゃあ、葉隠君のぬいぐるみはきちんと拾って行ってくれよ?
    ぬいぐるみがパスみたいなものだから』


    江ノ島「はいはいりょーかいりょーかい…」



    すぐ近くにあった葉隠のぬいぐるみを拾い上げ、アタシは食堂を後にした。


    誰が勝ち残るんだろう…


    …まあ、誰が相手でも負ける気はしないけど。


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    21 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:42:26
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    ーーーーーーー


    ゲームが始まってすぐ、オレは武道場に飛ばされた。


    それで、出てすぐに桑田を見つけたんだが…



    大和田「…チッ」



    桑田のやつ…見つけたと思ったら急に消えやがった…


    なんだありゃ?魔法か?


    …まあいいか。


    とりあえず、他に誰かいねぇか探すか。


    ……。



    大和田「…欲しいもの、か」



    俺は何を求めるだろう。


    やっぱ…強さか?



    大和田「ま、んなもん貰えねェだろうけど」




    山田「ああ貰えない!
    何故なら僕にぬいぐるみにされるから!」



    廊下を曲がろうとした時、勢いよく教室のドアが開いた…



    大和田「んなッ!?」



    山田!?


    コイツ…教室の中で隠れて待ち伏せしてやがったのか!?



    山田「大和田紋士殿!
    大人しくぬいぐるみになっていただきたい!」


    大和田「チィッ!」



    バリバリと音を立てて放たれたレーザーを、オレは咄嗟に体をひねって避ける。


    そして、右手に持っていた銃を構えた。



    山田「ぐぅっ…避けられた…!」


    大和田「おい山田ァ…?」


    山田「ひっ!?」


    大和田「オレを狙ったっつーことはよォ、覚悟できてんだろうなテメェ…?」


    山田「ギャアーーーーッ!!!!」



    怒りに任せ、無造作に何発かかましてみる。


    山田の野郎が叫び散らしながら教室に逃げ込む。


    ご丁寧に閉められた扉に、狙いも定めてないレーザーが命中した。



    大和田「ンのヤロォ…!」



    オレは乱暴に教室のドアを開けた。

  12. 13 : : 2024/08/27(火) 16:42:24
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    22 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:42:47
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    大和田「山田テメェ出てきやがれゴラァッ!!!」


    ……。



    大和田「…アァ?」



    山田がいない?


    どういう事だ?


    さっきこの教室に入ったよな?


    綺麗に揃ってねぇ机もそれを物語ってるし。


    つまり?



    大和田「…この教室にいやがるってことか」



    この教室のどこかに山田が隠れやがった、そう考えるのが1番自然だ。



    大和田「さぁーて山田ァ?
    かくれんぼといこうじゃねぇか?」



    ガシャンッ‼︎



    近くにあった机を乱暴に蹴り上げた。


    机はバウンドしながらオレの元を遠ざかる。


    ……反応なし。


    つっても、教室に隠れられる場所なんて限られてるだろ…


    掃除用具入れてるロッカー…


    …いや入れねぇだろアイツは。



    大和田「いやまさか教卓の下に潜り込んでるなんてベタな展開は…」



    呟きながら教卓の下を確認した。



    山田「」



    いた。



    大和田「見つけたぞ山田ァ…?」


    山田「あ、あはははは…
    大和田紋士殿…血気盛んですな?
    おおお落ち着かれては…?」


    大和田「誰のせいだと思ってんだゴラァァアッ!!!?」


    山田「ぶ、ぶひいいいいいっ!!!」



    本日何度目かの怒号が、学園に響いた。







    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    23 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:43:12
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    《生物室》





    セレス「…」



    あら、舞園さんと霧切さんが学園長室前で鉢合わせしてしまったようですね。


    ……。


    そう言えば、さっき桑田君が舞園さん目当てに音楽室にワープしてましたっけ…


    すぐに舞園さんにぬいぐるみにされたようですが。



    セレス「…」



    葉隠君の反応が消えた…


    食堂に先に江ノ島さんが居たから、つまりそういう事でしょう…


    1番抜けは江ノ島さんですか…


    江ノ島さんをぬいぐるみにできていればそれで終わりだったのですが…


    まあ仕方ありませんわね…



    セレス「…」



    …あら?大神さんの反応が消えてしまいました。


    意外ですわね…


    これは…2番抜けは舞園さんでしょうか?



    セレス「…」




    山田テメェ出てきやがれゴラァッ!!!




    セレス「ひゃっ!」ビクッ



    ………。


    いきなり大きな声出されたら怖いじゃないですか…


    えーと…


    ああ、山田君と大和田君がこの階にいるのですね…


  13. 14 : : 2024/08/27(火) 16:43:31
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    24 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:43:59
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    大和田「よぉし、じゃあサヨナラだ山田」


    山田「ぐぬぬぬぬ…!」



    いや…まだ策はある…!


    僕は負けられないんだ…ッ!



    山田「諦めないぞ!僕は!」


    大和田「ガッ!?」



    勢いよく教卓から飛び出し、大和田紋士殿にタックルを決める。


    でも、脂肪の塊でしかない僕のタックルなんて、大和田紋士殿にとっては蚊みたいなものだった。



    大和田「……テメェ、本格的に殺されてぇのか?あ?」


    山田「ぼ、僕は…!僕は勝つんだ!」



    震えながら銃口を大和田紋士殿へと向ける。



    大和田「んだよ…そうまでして勝ちてぇ理由ってのはよ?なんだ?」



    大和田紋士殿も、僕と同様に銃を構える。


    僕がそうまでして勝ちたい理由…それは…



    山田「…世界に数個しか出回っていないフィギュアがあるんです」


    大和田「…は?」


    山田「僕はそれが欲しい…!
    お城でもプレゼントしてくれるなら、フィギュア1つなんて大したことないはずだから」



    大和田「んだよそれ…」


    山田「確かに、大和田紋士殿にとっては呆れるような理由かもしれません…」


    大和田「…」


    山田「けどッ!
    …けど、僕にとっては本気になる理由なんです」


    大和田「はっ…そうかよ…」


    山田「だから勝ちます!僕は!」


    大和田「上等じゃねェかやってみやがれこのクソオタクが!」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    25 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:44:32
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    山田「うわあああああああっ!!!!」



    バチッ、と音を立ててレーザーが放たれる。


    震えた手で撃ったレーザーは当然、大和田紋士殿に命中することはなく…



    バチィッ‼︎



    大和田紋士殿の足元で儚く消えた。



    大和田「やる気あんのかテメェ!!!
    フィギュアが欲しいんだろ!?」



    バチィッ‼︎



    山田「ヒィッ!?」



    今僕の横をレーザーが通った…?


    なんて躊躇いのない…!



    山田「くっ…!
    まだだ…まだまだ!」



    僕は乱雑に置かれた机の方へ走り出した。


    なるべく低姿勢で動いて、レーザーが当たらないように…!



    大和田「んな小細工通用すると思ってんのか!?」



    大和田紋士殿はその場から動くことなく、絶え間なくレーザーを放つ。


    しかし、それは僕に当たることはなく、机や椅子を焦がしてゆくだけだった。



    大和田「…チィッ!
    めんどっちぃんだよ!ちょこまか動きやがって!」


    山田「さっきと言ってることが矛盾しておられますが!?」



    この作戦は効果的だ!


    これなら絶対にレーザーは当たらない!



    大和田「イライラさせやがって…!」


    山田「ふふふ…!
    当てられるものなら当ててみては?」


    大和田「てんめェェエ…!」



    …あ、でもこれ僕から攻撃しづらいな。



    大和田「ああもうクソッ!
    やけっぱちだ!」



    大和田紋士殿の攻撃は数を減らすどころかむしろ増えてゆき、コソコソ隠れているだけじゃいずれレーザーに当たることぐらい容易に想像させた。



    山田「くそぉ…やっぱり効果的じゃない!」


  14. 15 : : 2024/08/27(火) 16:44:31
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    6 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:44:58
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    こんな防戦一方じゃダメだ!


    攻撃は最大の防御!


    隙を見て攻撃へ転じなければ…!



    大和田「ああクソクソクソクソッ!」



    バチバチバチバチバチバチィッ‼︎‼︎‼︎



    至る所にレーザーが当たる。


    焦げ付く。


    その1つ1つが僕の勇気を嘲笑う。


    …。


    だけど!



    山田「情けないことなんて言ってられないんだよ!」



    僕は立ち上がった!


    コソコソ逃げずに!


    堂々と!


    そして構える!銃を!


    暴走族へ向けて!



    大和田「やっと狙いやすくなったなァ!?」


    山田「いっけぇぇぇえ!!!!」



    撃ったのは同時だった。


    ただ、大和田紋士殿の手元はブレてなくて、僕の手元はブレブレだった。


    世界がスローになってゆく。


    流れる時間が、遅く。



    やがて音が教室に響いた。



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    27 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:45:23
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    バチィッ!!!


    という音。


    焦げる僕の足元の床。


    レーザーに飲み込まれる、大和田紋士殿。



    大和田「んなッ!?
    ぐあああああッ!!!!!」



    バリバリバリッ、という大げさな音と大和田紋士殿の叫びが教室を包む。


    状況を呑み込めないままでいる僕は、ただその光景を眺めていた。




    ーーーやがて。



    ポンッ!


    そして大和田紋士殿はぬいぐるみになった。



    山田「…は、はは?」


    山田「勝った?勝ったのか?」


    山田「やった…?」


    山田「あははははは!!!!
    やった!僕は勝った!
    大和田紋士殿に!」


    山田「ああ待っててねぶー子!
    僕が必ず迎えに行くからね!」


    山田「…やった」



    これでやっと1人目…


    こんなのをあと2回もしなきゃいけないのか…?


    いや、弱音はダメだ!


    僕は勝つんだ…勝つ…!



    山田「大和田紋士殿に勝ったんだ!
    この調子でーーー」






    セレス「ざぁーんねんでしたぁぁぁあ!!!」



    バチッ‼︎



    頭に衝撃が走った。


    次に体全体に電撃が走った。



    山田「せ、セレス殿…!?
    な、なぜぇっあっあああああ!!!!」




    ポンッ!




    セレス「うふふ…
    山田君、ご苦労様でした」



  15. 16 : : 2024/08/27(火) 16:45:38
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    28 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:45:46
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    さて、これで三体ぬいぐるみを揃えましたが。


    まさかあんなにアッサリ十神くんをぬいぐるみにできるとは…


    というか、まさか書庫で書物読み漁っているとは…


    まあ財閥の御曹司が欲するものなんて、学園で支給できるとも思えませんし。



    セレス「近くに他の生徒はいない…ようですわね」



    さて、これからどうしましょうか…



    仁『おめでとう、セレス君」


    セレス「あら学園長、スピーカー越しに何のご用でしょう?」



    まあ、ゲームについてだとは思いますが。



    仁『どうやらぬいぐるみを規定数取得したみたいだから、自室に転送しようと思ってね』


    セレス「自室に…?
    外に出られるのではないのですか?」


    仁『まあそこらへんは少しね…」


    セレス「少し?」



    先ほどから引っかかりますわね…



    仁『とにかく、自室で少し休んでいなさい』


    セレス「はあ…」


    仁『それにしても、ワープを使った戦略、とても見事だったよ』


    セレス「うふふ、ありがとうございます
    …電子生徒手帳のワープ機能、あれは全員に申し上げなくてよろしかったのですか?」


    仁『あらかじめ言っておくとあまり勝負が面白くなくなるからね』


    セレス「なるほど…
    気づいた人だけの特権、というわけですね」


    仁『そんなところだ
    …さて、そろそろ転送するよ?』


    セレス「はい、よろしくお願いしますわ」


    仁『じゃあ、2回戦頑張って』



    そんな声と共に、わたくしは自室へ送られました。


    2回戦…なるほど。


    そういうことですか…


    でしたら、最後の1人が決まるまでくつろいでおきますかね…。



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    29 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:46:16
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    ーーーーーーー



    《情報処理室》



    不二咲「…よし、できた」



    銃と電子生徒手帳の無線接続、問題なし。


    あと残ってるのは…


    朝日奈さん、腐川さん、石丸君か…


    よし、行こう。



    不二咲「問題なく動けばいいんだけど…」





    ーーーーーーー


  16. 17 : : 2024/08/27(火) 16:46:39
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    30 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:46:41
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    舞園「……ん」



    よく寝た…


    …今何時かな?


    というか、寝てからどのぐらい経ったんだろう…



    舞園「…」



    何となくテーブルに目を向けると、そこには私の部屋に不似合いな銃が置かれていた。


    あとぬいぐるみが3つ。



    舞園「…2回戦か」



    多分、今からの戦いで勝てないと欲しいものは手に入らない…


    相手が誰かもわからないし、どうやって勝つか…



    舞園「うーん…」



    仁『えー、今自室にいる生徒諸君、これから体育館にて決勝戦を行う』



    うわ、まだ何も決めてないのに…!



    仁『最低限、銃とぬいぐるみを身につけておくように』


    舞園「…最低限?」


    仁『5分後に体育館に転送するから、それまでに準備を終えておくように』



    ブツッ



    舞園「…」


    準備っていってもする事ないな…


    そもそも、私以外に誰が残ってるのかすら分からないし…


    …だったら作戦立てた所でだよね?



    舞園「…よし、準備体操だけやっておこうかな」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    31 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:47:15
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    セレス「…」



    まさか不二咲君が勝ち抜けるなんて思ってもみませんでした。


    体力バカの朝日奈さんにどうやって勝ったのでしょう?


    つまり、戦略で優位に立ったということでしょうね…



    セレス「…」



    でも、これからの戦いは戦略なんて不必要。


    体育館に転送されるということは、体育館という閉鎖空間で4人で戦うということでしょうから。


    電子生徒手帳のワープも意味をなさない。


    完全に実力で勝負がつくでしょう。



    セレス「…」



    この中で注意すべきは江ノ島さんだけでしょうか?


    あとの2人はノーマークでも問題ないでしょう。


    …いや、舞園さんもそれなりに体力がありますわね。


    となると、マークすべきは江ノ島さんと舞園さん…


    体育館という開けた場所…


    小手先の策じゃ恐らく通用しない…


    さて、どうしましょう…




  17. 18 : : 2024/08/27(火) 16:48:23
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    32 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:47:36
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    江ノ島「…そろそろ5分経つかな?」



    うぷぷ…残ったのは舞園とセレスと…



    江ノ島「…不二咲?」



    マジかどーやって…


    …ああ、銃をイジったのかな多分。


    となると、1番注意しなきゃなんないのは不二咲かな?


    他の2人は運とか頭で勝ち抜いてそうだし…


    銃をイジったってのは『頭を使った』に入るか?


    まあどっちでもいいか。



    江ノ島「…」



    【超高校級の軍人】
    【超高校級の幸運】
    【超高校級の占い師】



    江ノ島「パッとしない!」



    特に【占い師】!


    戦闘において需要がない!全く!


    【幸運】も【不運】みたいなもんだからこれまたやっぱり需要がない!


    唯一使えそうな【軍人】も、どんな恩恵があるか試してない!



    江ノ島「苗木の時に試しとくんだった…
    絶望的なやらかし…」



    まあ、大して問題はないけど。


    つーか無問題。



    江ノ島「うぷぷ…せいぜい楽しませてくれよ…?」



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    33 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:48:12
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




    不二咲「えーと…」



    銃は持ったし、ぬいぐるみは銃の中に取り込んでるし、電子生徒手帳はポケットに入れてるし…


    …よし、準備OK!


    うーん…


    江ノ島さんと舞園さんとセレスさんか…


    勝てるかな…


    いや、僕は勝つ!男の子なんだし!


    それに、新しいPC欲しいし…


    これで勝てたら、少しだけ強くなれるかな?


    …。



    不二咲「はぁ…」



    緊張してきた…落ち着け…


    大丈夫…不意の一撃を放つんだ…


    それで3人ともぬいぐるみにできるはず…


    よし、大丈夫…大丈夫…大丈夫…


    …大丈夫!



    不二咲「僕は強い…強い!」





    仁『それじゃあ、転送するよ』





    唱え終えたのと同時に、僕は体育館へと転送された。





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    34 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:48:49
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    《体育館》




    体育館の四隅に近いところに、それぞれ1人ずつ、内側に向かって直立している。



    江ノ島「うぷぷ…」


    セレス「うふふ…」


    舞園「…」


    不二咲「よーし…」


    仁『それでは、最終戦を執りおこなう』



    やはりスピーカーから、学園長の声が聞こえた。



    舞園「…」



    江ノ島さん、セレスさん、不二咲君…ですか。


    うーん…江ノ島さんがちょっと怖いですね…



    仁『フィールドはこの体育館のみ、最後の1人になるまで頑張ってくれ』


    江ノ島「分かりやすいっちゃ分かりやすいね」


    セレス「つまり、生き残ればよいのでしょう?」


    仁『そういうことだ
    …それじゃあ早速始めようか!
    準備はいいかな?」



    舞園「はい!」


    不二咲「はい…!」


    江ノ島「うぃーす」


    セレス「問題ありませんわ」



    言いながら、私たちは銃を握った。


    …ここまで来たんだから、勝つ!






    仁『最終戦、開始!』




  18. 19 : : 2024/08/27(火) 16:49:57
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    35 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:49:19
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    ドォンッ!!!



    という音がした。


    いや、正確には音は遅れて聞こえてきた。


    音よりもまず、馬鹿みたいにでかいレーザーが既にセレスさんを包んでいた。


    そして遅れて、爆音とバチバチッという音が体育館を支配した。



    不二咲「…」



    音の主は、不二咲君だった。



    舞園「嘘…」


    江ノ島「うーわっ」



    それは射撃じゃなく、砲撃。


    相手を殲滅するための。


    広範囲、高火力、そして高速。


    私たちの銃とはそもそもスペックが違いすぎた。


    …というか。



    舞園「い、いくら【超高校級のプログラマー】だからっておかしくないですか!?」


    不二咲「イジったのはレーザーの出力数値とかだけだよ?」


    舞園「…」



    さっぱり分からない…


    けど、江ノ島さんより注意するべきなのは不二咲くーーー



    舞園「…!」



    後ろに気配を感じた。


    咄嗟に大きくしゃがみこむ。


    頭上をレーザーが通り抜けた。



    江ノ島「…へえ?」


    舞園「ッ!」



    そのままの姿勢で足を払う!



    江ノ島「よっ」



    江ノ島さんは軽々とジャンプでなぎ払いを避けると、そのままバク転で私と距離をとった。



    舞園「人間業じゃないですね…」


    江ノ島「あんたも割とアイドルとは思えない動きしてるけどね」



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    36 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:49:45
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    もちろん、これはぬいぐるみの恩恵。


    多分江ノ島さんも。



    江ノ島「で、誰の才能?」


    舞園「大神さんの才能です」


    江ノ島「なるほど…」


    舞園「江ノ島さんのそれは…戦刃さんのですよね?」


    江ノ島「正解!
    つまり、銃の扱いは心得てるわけよ」



    江ノ島さんがそう言い終わった時、既にレーザーは放たれていた。


    横に転がって回避した後、そのまま江ノ島さんに詰め寄る。



    江ノ島「近づいてどーするつもり?」



    何発も放たれるレーザーをジグザグ走りながら避けつつ、着実に江ノ島さんに近づいていく。


    後少しでゼロ距離という所で、私は銃を打つ準備を整える。



    舞園「…ッ!!!」



    江ノ島さんとの距離がゼロになる。


    江ノ島さんは笑ってた。


    私は江ノ島さんのこめかみに銃口をあてがう。


    江ノ島さんは笑ってる。


    引き金を引いた。


    バチィッ!という音の後、私の銃からレーザーが放たれるのが見えた。


    江ノ島さんは、それをブリッヂでかわした。



    舞園「…!」


    江ノ島「まだまだ甘いよ…っと!」



    反った勢いでそのまま蹴り!?



    ガッ‼︎



    舞園「うっ…!」



    下から浴びせられた蹴りに、ギリギリ腕での防御が間に合った。


    痛みによろめく。


    江ノ島さんは、またもバク転で私との距離を開けた。



    江ノ島「いいねいいね楽しいよ舞園!」


    舞園「楽しくないですよ…!」



    本心から言った。


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    37 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:50:14
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    江ノ島「…」



    不二咲に動きはないか…


    多分、1発ごとにインターバルがあるんだろう。


    ってことは、舞園をちゃっちゃっとやっちまえば後は楽勝ってことじゃん?



    江ノ島「うぷぷ…」



    私は舞園の方に駆け出した。



    舞園「!?」



    さっき距離をとったのに!?


    みたいな顔してる…うぷぷぷ…


    舞園との距離を詰めながら、不二咲を目の端に捉える。



    不二咲「…」


    江ノ島「…お?」



    銃を構えてる?


    ってことは!



    江ノ島「うぷぷぷぷ…!」


    舞園「…ッ!」



    舞園との距離が後わずかとなった時



    タンッ



    舞園「なっ!?」



    私は飛んだ。


    舞園の頭上を通り過ぎてゆく。


    そしてその時



    不二咲「っ!」



    ドォンッ!!!



    舞園「…!」



    横から砲撃が行われた。



  19. 20 : : 2024/08/27(火) 16:51:07
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    38 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:50:41
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    舞園「っ!」



    不二咲くんは私たち2人を一気に消そうとしてこのタイミングで砲撃を!?


    そして江ノ島さんはそれを読んで跳躍を…!


    そんな事を一気に頭に思い浮かべながら、私は砲撃をかわすべく走った。


    最初から全力の走りを行える才能。


    【超高校級の野球選手】の才能を使った全力の走り。



    舞園「ッ…!」



    ダッ‼︎



    幸い不二咲くんと距離が少し離れていたため、背中ギリギリぐらいでレーザーは過ぎ去って行った。


    それを確認した私は急ブレーキをかけ、不二咲くんを睨んだ。



    舞園「…」


    不二咲「うわぁ、避けるんだ…」


    舞園「ただでさえ江ノ島さん相手にするのも手一杯なのに!
    いきなり撃ってこないでくださいよ!」


    不二咲「そんな事言われても…
    僕だって勝ちたいんだよ!」


    舞園「まあそうでしょうけど…」



    だったらどうしよう?


    江ノ島さんより先に不二咲くんを…



    江ノ島「いやいや無駄話してていいの舞園ちゃん?」


    舞園「ッ!」



    後ろ!?


    不二咲くんとの会話に気を取られて江ノ島さんの現在の行動を把握することを失念してた!


    ヤバい撃たれ…



    江ノ島「えいっ」


    舞園「きゃっ!」


    不二咲「…え?」



    膝カックン?



    舞園「ちょ、うわわわわ!」



    予想外の攻撃にバランスを崩し、あっけなく膝をついてしまった。



    舞園「江ノ島さん…ふざけてるんですか…?」


    江ノ島「いやいやふざけてなんてないよ?」


    舞園「ふざけてないならさっさと私をぬいぐるみにしちゃえばいいじゃないですか!」


    江ノ島「だってそれだとツマンナイじゃん?」


    舞園「舐めてますね私のこと…!」



    姿勢も視線もそのままに、私は後ろへレーザーを放った。


    …まあ、命中はしてないだろうけど。



    江ノ島「いやいやどこ狙ってんの?」


    舞園「ムカつく…!」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    39 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:51:03
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    舞園「ムカつくからやっぱり江ノ島さんからぬいぐるみにします!」



    立ち上がりながら高らかに宣言した。


    後ろにいた江ノ島さんに視線を向けて。



    江ノ島「やれるもんならやってみろよアイドルちゃん?」


    舞園「いいえ、違います!
    『やる』んです!」



    今度は視界に江ノ島さんを捉えた状態でレーザーを放つ。


    江ノ島さんはそれを軽々と避けた後、私に向けてレーザーを放ってきた。



    舞園「っ!」



    それをバックステップでかわし、着地と同時にまた江ノ島さんに射撃…


    しようとしたら、目の前にレーザーが迫っていた。



    舞園「うわっ!」



    反射的にしゃがみ、回避。


    そしてまた江ノ島さんに向けて射撃。


    と同時に江ノ島さんに向けて走り出す。



    江ノ島「ほっ」



    今度のレーザーは、軽くジャンプでかわされた。


    だけど本命は…!



    舞園「だああああああッ!!!」


    江ノ島「何々?
    また正面からのゼロ距離射撃?
    学習能力ないのかな?
    ぶひゃひゃひゃひゃ!」



    そんな事を言いながら江ノ島さんはまたレーザーを放ってきた。


    真っ直ぐ進む私に対して。


    でもこれも予測してた。


    私は、スライディングで江ノ島さんの横を抜けた。



  20. 21 : : 2024/08/27(火) 16:53:52
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    40 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:51:32
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    江ノ島「んな…!」


    横を抜けて、後ろをとった。


    そして放った。



    舞園「チェックメイトです!」



    バリバリバリッ‼︎



    江ノ島「……なーんて」


    目が合った。江ノ島さんと。


    江ノ島さんの顔が、股から覗いていた。


    つまり、読まれていたのは…私。



    江ノ島「チェックメイトだよ、舞園」



    銃口がこちらを向いていた。


    流石にこの距離じゃ避けられ…



    ドォンッ!!!



    舞園「うわっ!」


    江ノ島「…」


    不二咲くんが照準を定めていたんだ…!


    視界が砲撃に染まってゆく。


    舞園「っ!」


    私はそれを、後転した後左側へ飛ぶことで避けた。


    江ノ島さんは、バク転を数回と側転を数回で砲撃をかわした。


    そして。


    江ノ島「…」



    ダッ‼︎



    舞園「え!?」



    江ノ島さんは不二咲くんに向かって走り出した。


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    41 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:51:55
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    不二咲「うわわわわわ!」


    カチッ!カチッ!


    不二咲「うわぁ、撃てない!」


    舞園「…」


    私は江ノ島さんが不二咲君の方へ走ってゆくのを、ポカンと見ていた。


    頭が追いついてなかった。



    江ノ島「邪魔なんだよ不二咲ぃぃい!!!」


    不二咲「ひっ!?」


    いつの間にか江ノ島さんは不二咲君の目の前にいた。


    江ノ島「サヨウナラ」


    バチィッ‼︎



    そして数秒後。


    江ノ島さんの見下ろす先には、銃とぬいぐるみが1つ転がっているだけだった。



    江ノ島「……あとは舞園だけか」



    呟きながら、こちらへ向かって歩いてくる。



    舞園「そんなアッサリ終わらせちゃうんですね?」



    私も、彼方へ向けてゆっくりと歩く。



    江ノ島「だって邪魔だったし?」


    舞園「それは一理ありますけど…」


    江ノ島「だったら文句言うなっつーの」


    舞園「別に文句なんて言ってません!
    アッサリすぎるってだけで!」


    江ノ島「アタシにはそれが文句にしか聞こえないんだよ…」



    そして、向かい合った。


    体育館の中心で。



    江ノ島「そいじゃあ、ホントのホントにラストバトル、始めちゃいますか」


    舞園「あまり気は進みませんけど…
    はい、始めましょう」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    42 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:52:19
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    膠着状態。


    銃を構えることすらせず、ただ向き合っていた。



    舞園「…」


    江ノ島「…」



    どれぐらい時間が経っただろう?


    動いたのは、江ノ島さんだった。



    ジャキッ‼︎



    舞園「っ!」



    江ノ島さんが銃を構えた。



    タンッ



    それを見て反射的に横にステップ。


    着地と同時に、私が数秒前までいた場所をレーザーが通過していった。


    そして私は照準を合わせずに銃を放つ。



    バリバリバリッ‼︎



    江ノ島「よっ」



    江ノ島さんもサイドステップでそれをかわした。



    舞園「ッ!」



    よし!予想してた軌道にいる!


    もう1発!



    バリバリバリバリッ‼︎



    江ノ島「おーっと?」



    着地と同時に、レーザーが江ノ島さんを襲う。


    これは流石に避けーーー



    バッ‼︎



    舞園「くっ…!」



    しゃがんで避けられた!



    江ノ島「オラオラオラァ!!!」



    からの怒涛のレーザーラッシュ!?



    舞園「そんな姿勢で撃てるとかおかしいです!」


    江ノ島「だぁからこれお姉ちゃんの才能だって!」



    迫ってくるレーザーを紙一重で避けながら、徐々に距離を詰めてゆく。


    依然、レーザーの猛攻は衰えてもくれない。



    江ノ島「大神の才能使ってるからってそんなに避けれるのおかしくね?」


    舞園「使ってるのは桑田君の才能もです!」



    しっかりとレーザーを目で捉えながら、ジリジリと詰め寄る。



    江ノ島「はぁーんなるほど?
    併用してるってわけだ?」


    舞園「っぽいですね…」



    そして、確実にレーザーが当たる距離まで近づく。



    江ノ島さんはバックステップで私との距離をとった。


    もちろん、レーザーの猛攻はそのまま。


    また近づかなきゃ…!



    舞園「もう!離れないでくださいよ!
    撃てないじゃないですか!」


    江ノ島「いやいやそう言われて離れない奴多分いないって」


  21. 22 : : 2024/08/27(火) 16:54:54
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    43 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:53:42
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    だったら、今度はすぐに距離を詰めて射撃する!



    江ノ島「これならどうよ!?」




    バリバリバリバリバリバリバリバリッ‼︎‼︎‼︎




    さっきよりも断然不規則!


    けど、見切れないわけじゃない!



    舞園「ふっ!」



    避けて駆ける、避けて駆けるを繰り返す。


    そしてすぐに距離は詰まった。



    江ノ島「うわお、おはやい到着で」


    舞園「今度こそ終わりです…!」



    私は今日何度目か、江ノ島さんに銃を向けた。


    この距離なら絶対に…!



    江ノ島「ノンノンノン、甘いよ甘い」



    パンッ‼︎



    舞園「いっつ…!?」


    右手に激痛が走り、銃を落としてしまった。


    江ノ島さんに右手を蹴り上げられたと知ったのは、銃が地面に落ちたその瞬間だった。



    舞園「…!」



    咄嗟に銃を拾おうとしたけど、銃を江ノ島さんに蹴られ、銃は遠くへ滑っていった。



    舞園「くっ…!」


    江ノ島「うぷぷぷぷ…!
    さあチェックメイトだよ舞園?」



    たったそれだけだった。


    けど、私は負けを悟った。



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    44 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:54:05
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    舞園「…ッ」


    江ノ島「さあさあ追い詰められちゃたな舞園ちゃ〜ん?」



    一歩一歩、ゆっくりと私に近づいてくる。


    江ノ島さんが。


    敗北が。



    江ノ島「あれぇ?
    さっきまでの威勢はどうしたのかな?」



    私は成す術もなく、ただ座り込んだまま後ずさりするだけ。


    銃を蹴飛ばされた方向とは、真逆に進んでゆく。


    銃を拾えそうにもない。



    舞園「…」


    江ノ島「ぶひゃひゃひゃひゃ!!!!
    絶望してんねぇ舞園ちゃぁん!?」



    この距離で、姿勢からレーザーを回避して銃を取りに行くのは不可能。


    だって、銃を持ってないと才能は発動できないから。


    今の私はただのアイドル。



    江ノ島「いやあここまで綺麗に勝っちゃうと申し訳ないね?
    別に欲しいものもないし」



    ジリジリと詰め寄られる。


    銃口は私に向いたまま。


    確実に、着実に。


    ーーーと。


    突然、江ノ島さんが立ち止まった。



    江ノ島「…飽きた」



    舞園「え…?」


  22. 23 : : 2024/08/27(火) 16:56:23
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    45 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:54:30
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    江ノ島「こうやって舞園を追い詰めるのに飽きちゃったよ」


    舞園「…」



    ああ、いよいよか…


    惜しいところまでいったのにな…


    悔しいな…



    江ノ島「いやいや泣くなよ舞園ちゃん?
    アタシ相手によくやったって?ね?」


    舞園「うるさいです…」


    江ノ島「声に覇気がなさすぎじゃね?」


    舞園「…」



    黙り込むしかなかった。


    何を言われても、言い返せなかった。


    素直に、認めるしかなかった。



    江ノ島「まあそんなことどーでもいいか」


    舞園「…」


    江ノ島「それじゃ、お疲れ」



    そして引き金が引かれる。


    私は負けーーー





    コツンッ





    舞園「……!!!」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    46 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:55:41
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    バリバリバリバリッ‼︎



    ほぼゼロ距離からの射撃。


    目の前はすぐにレーザーで埋め尽くされた。



    ……けど!



    舞園「うわああああああああ!!!!!」


    江ノ島「あっ…それ不二咲の…」




    私は引き金を引いた。







    ドォンッ!!!!!







    江ノ島さんが放ったレーザーをかき消して、砲撃は真っ直ぐと突き進んだ。


    江ノ島さんは、多分笑ってた。




    舞園「はぁ…はぁ…はぁ…」



    砲撃が消え去り、江ノ島さんのぬいぐるみが床に落ちて、そして。





    仁『勝者、舞園さやか!!!』




    その言葉でやっと実感した。




    舞園「………勝った」




    私は、勝った。


    こうして、こんな感じで。


    こんなにあっけなく。


    レクリエーションは幕を閉じた。



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    47 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:56:07
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ーーーーーーー



    結局、私たちの戦いはバーチャルの世界で行われてたらしい。


    転送やら何やらできたのも、現実じゃなかったから…とか。


    私はそこらへん詳しくないから分からないけど。


    みんなはぬいぐるみにされた時点で目が覚める仕組みになってたみたいで、レクリエーションの様子をずっと見てたみたいだ。


    苗木君に見られてたってことになるけど…


    ちょっと恥ずかしいな…



    仁「さて、舞園さやか君」


    舞園「はい!」


    仁「何でも好きなものをプレゼントしよう」


    舞園「うーん、そうですね…」


    朝日奈「ドーナツ1年分とか!」


    大神「プロテイン1年分も捨て難いな」


    苗木「いやいや、これは舞園さんが決めることなんだし…」


    霧切「そうよ…
    みんなが欲しいものを言ってどうするの?」


    山田「いやしかし、そう言いたくなるのも分からいでもないでしょう?
    何でも好きなものプレゼントって…
    夢が広がっちゃいますぞ」


    セレス「お城…お城…お城…うふっ…うふふ…」


    不二咲「せ、セレスさんごめんね?」


    セレス「謝られると余計に惨めに思っちゃうからやめてください」


    大和田「そうだぞ不二咲!
    オメェはセレスに勝ったんだからよ、堂々としてりゃいいんだよ!」


    石丸「はっはっはっ!
    その通りだぞ不二咲くん!」


    十神「…」


    腐川「あ…あの…白夜様は欲しいものとか…」


    十神「消えろ」


    腐川「は、はひぃ!!!」


    戦刃「…」


    江ノ島「拗ねんなよお姉ちゃん…」


    戦刃「だって盾子ちゃん真っ先に私のこと…もう…」


    江ノ島「あーもう!うるせぇ!」


    葉隠「単純にお金とかでどうだべ?」


    桑田「それか彼氏とか?」


    舞園「うーん…」


    仁「決まったかい?」


    舞園「…はい、決めました!」


    全員「おおっ!」


    舞園「【1週間ペア旅行券】ください!」


    江ノ島「はぁ!?」


    霧切「舞園さん…まさか相手は…!」


    苗木「え?なんで霧切さんそんなに怒ってるの?」


    舞園「いやいや、旅行の相手は霧切さんですよ?」


    霧切「え?」


    朝日奈「てっきり苗木だと思ってた!」


    舞園「たまにはライバル同士…ね?」


    霧切「はぁ…全く…
    あなたって人は本当…」


    仁「それじゃあ、舞園君には【1週間ペア旅行券】をプレゼントするよ!」


    舞園「ありがとうございます!」


    仁「これにて、レクリエーション終了!
    各自、しっかり休養を取ってまた明日から才能を磨くように!」


  23. 24 : : 2024/08/27(火) 16:57:41
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    48 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:56:44
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー








    舞園「…で、どこの国に行きます?」


    霧切「そうね…あまり海外に興味はなのよね…」


    舞園「私、国内でもアリかなって思ってます!
    なんなら霧切さんの家に1週間旅行してもいいかなって」


    霧切「それはちょっと趣旨が変わって…」


    舞園「あはは…ですよね…」


    霧切「…いや、ちょっと待って」


    舞園「え?」


    霧切「苗木君の家に1週間旅行に行くっていうのはどうかしら?」


    舞園「それです」






    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    49 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:56:53
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    おわり


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    50 : ノリ : 2016/07/18(月) 00:59:15
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    はーい!
    射精バーサクでした!
    おわり!

    チムコはまだまだ続きます!
    詳しくは「チームコトダ祭り!」というグループをご一読ください!(遅い)

    去ります!バイバイ!
    またいつか会いましょう!


  24. 25 : : 2024/08/27(火) 16:57:51
    【終】

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