『大切なものは、君以外に見当たらなくて』　【短編合作】

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1 : 空山零句 : 2015/11/08(日) 22:04:57

はい！こんばんわ！もしここ住人の皆様！
零句です！

近頃過疎ってきた為、新たなスレ作成しました！

唐突ですが、皆さん、「進撃の巨人」でお好きなカップリングってありますでしょうか？

私は、皆さんで盛り上がり、かつ楽しめそうなスレってどんなんだろう・・と考え、こんなものを思いつきました！！

このスレは

もしここの住人でみんなの意見をまとめて、
みんなで、暇なときなど、好きなタイミングで１スレずつ書いていこう！
・・といったいわゆる合作ＳＳを作ろうというスレです！

まず、もしここの皆さんで一つ、意見を言い合って、好きなカップリングを決め、お題を考えます！
（多数決かな？）

・お題を決めたら、もしここ住人のみなさんの好きなタイミングで、好きな時にそのキャラの言いそうなことを考え、書いていく。というのが基本です！

・大事なのは、なるべく原作のキャラ通りに！

・間違えてやってしまうと基本、消せませんので丁寧にかいてください！

※（どうしてもやり直したかったらオーナーの人に非表示にしてもらってください！）

・基本的に１人1日1スレです！

・製作中の際のトーク、質問などは別スレでしてもらえると
見やすくなります！

・最高で約100スレぐらいまでで終わらせていきましょう！

カップリング例　　

（１）王道？なエレミカ！（エレン＆ミカサ）

（２）スレ主大好きエレミナ！（エレン＆ミーナ）

etc.etc,,,

このスレは皆さんの協力が必須です！

よろしくお願いしますね！！

～注意～

皆さん一人ひとり、価値観も好きなカップリングも違います！

そこをよく考えて、お互いに尊重し合いながら、楽しく書いていきましょう！
2 : 空山零句 : 2015/11/08(日) 22:08:24

ってなわけで

まず最初のお題は

言いだしっぺの私が決めさせていただきたいな、と思います！！

※（ここグループスレなのにＳＳ書くなよ・・というのは見逃してください！wwΣ(ﾉ≧ڡ≦)）

では～～最初のお題！！！

行きます！！

パラララッ！！

パラララララララララララ！！！！（ドラム風）
3 : 空山零句 : 2015/11/08(日) 22:14:50

ドン！！！

はい、出た！！

１、『純愛』！！

２、『初恋』！！

３、『｢訓練兵団」時代の話』！！

です！！

ってなわけで！皆さんで好きなカップリング！！

どんどん言ってってくださ～～～い！！

制限時間は今から１時間！

どーぞ！！

（制限勝手に決めんなってのにはもうほんと、スミマセン。許してください。決まらなさそうなんです・・｡ﾟ（´Д｀ﾟ)ﾟ｡）
4 : 空山零句 : 2015/11/08(日) 22:16:19

一人も意見が来られないときはちょっと延長します・・

ご協力」いただけると嬉しいです＾＾
5 : 進撃のMGS : 2015/11/08(日) 22:32:06

１、純愛ですとそうですね･･････やはり王道のエレミカでしょうか。ただし、私は変化球が好きなので、自分では書けないのですが･･････。

２、初恋だとエレアニが好きですね。これまたベタなんですがｗ

３、････････････アルエレ（問題発言）
6 : 空山零句 : 2015/11/08(日) 22:56:43

あ、ＭＧＳさん！
ご意見
有難うございます！

あ、ちなみにさっきの3つのお題は

今回は私が言いだしっぺなのですべて使うということで
ご了承いただけると嬉しいです！

なるほど・・エレミカ、エレアニ・・・アルエレ？

エレミカ　1票

エレアニ　1票

あ、アルエレ　1票

エレミナ　1票

ちなみに私は勝手ながら断然エレミナですww
7 : 空山零句 : 2015/11/08(日) 23:22:45

えっと・・どうしよう

１時間経ちましたが・・・票が・・・分かれてる・・・
8 : 進撃のMGS : 2015/11/08(日) 23:41:37

後は空山さんが選ばれてはどうでしょう？

あ、シチュエーションもね。
9 : 彩羽 : 2015/11/09(月) 01:24:15

１ミーナとエレンの恋愛は純愛イメージってことで*エレミナ*！かな(*´▽｀*)

２ベルトルトの初恋の相手はアニだと思って*ベルアニ*！

３なんかイメージしちゃったのとかなり好きなcpで*ライアニ*！

時間過ぎちゃったけど一応、ね（*・ｖ・*）
10 : 空山零句 : 2015/11/09(月) 07:00:50

(/ω＼*)・・いや～寝てしまいました・・

すいませぬ・・・

>>8
なるほど・・
わかりました！

>>9
ううん大丈夫＾＾
意見が少なかったから大歓迎だよ！

エレミナ、ベルアニ、ライアニ・・

じゃあ結果発表ってことで行きますか！！
11 : 空山零句 : 2015/11/09(月) 07:12:36

【結果発表】ﾄﾞﾄﾞﾝ

皆さんの意見をまとめました！
ご協力ありがとうございました！＾＾

♔1位　エレミナ　2票

　2位　エレミカ　1票

（同率）エレアニ　1票
　　
　　　　アルエレ　1票

　　　　ベルアニ　1票

　　　　ライアニ　1票

　

ってなわけで！

じゃあ今回のお題！決定いたしました！

ドンッ！！
12 : 空山零句 : 2015/11/09(月) 07:28:37

『エレン×ミーナ』

【お題】

『純愛』で『初恋』の二人の『訓練兵団時代のお話』。

【条件】

原作キャラ　最高大体100スレ以内　過度なキャラ崩壊禁止　

オリキャラは無し　

【登場人物】

エレン，ミーナ，104期のメンバー（自由）

【注意】

・次回のスレよりＳＳ作成開始です！

・一人一日１スレでお願い致します。

・１スレだけなら基本どれだけ長く考えてくださってもＯＫです！

・なるべくアニメ、原作などに近いキャラ構成をお願いします。
（過度なキャラ崩壊は禁止でお願いします(＞人＜;)）

・なお、ルール説明及び、質問、雑談などは別スレにてお願い致します！雑談が始まってしまった場合は非表示にしてしまいますのでご了承ください！

・なお、設定などを別スレで意見を出し合って決めるのもOKです！

では、皆で楽しみながらバトンタッチ風にやっていきましょう！！＾＾

よろしくお願い致します！
13 : 空山零句 : 2015/11/09(月) 08:28:28

ではまずは、また言いだしっぺの私から・・（＾＾；）

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

進撃の巨人　attack on titan

『大切なものは、君以外に見当たらなくて』　【短編】

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　－849－

　　　　　　　　　　　　　 12月

―――――――――
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―――――
――――
――
―

ハァァ・・・

思わずそっと、息を吐く。

すると、白く・・息が見えて　冷たく澄んだ空気上へと消える。

時刻は午前３時。無論、深夜。

季節は12月の真冬である。この時期、トロスト区には雪が降り、

壁の中に住む人々にとっては、少々過ごすのが辛い時期となる。

今日・・・というにはまだ日も昇っていない今の時間帯は、

特に冷え込みが激しい。

そんな最中、ミーナ・カロライナは、母に贈ってもらったマフラ

ーを首に巻き、普段着の長袖のシャツの上に３枚もの上着を着て

―――「訓練兵団」の宿舎の外へ、音を立てぬよう抜け出してい

た。

ミーナ「ハァァ・・・寒ぅ・・」

ミーナ「・・バレたらやばいなぁ、これ」

「訓練兵団」では本来、この時間帯で宿舎の外に出ること

は、規則により許されてはいない。教官に見つかってしまえば恐

らくただでは済まないだろう。

しかし、彼女には・・そんな規則を破ってでも。

守らなければならない、ある「約束」があった。

ミーナ「・・・エレン・・待ってて・・！」

同期の訓練兵。

立体起動装置訓練で、彼女と同じ班員でありその班の班長でも

ある訓練兵。

訓練兵が月に一度行う壁上固定砲整備でも、同じ班員である訓練

兵。

そして。

彼女の―――初恋の相手でもある、訓練兵。

エレン・イェーガーとした「約束」の為に。

―――――――――
―――――――
―――――
――――
――
―

事の次第は、数時間前へと遡る。
14 : 進撃のMGS : 2015/11/09(月) 15:13:37

「はぁっ！？」

「だから、せっかくだから、夜を二人っきりで過ごしたいんだって！」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿やっぱりというか、エレンは最初は怪訝な顔をした。

私たちが密かに付き合いだしてから数ヶ月。

勿論エレンは二人きりの時は優しかったが、普段はハンナと一緒にいるフランツのように優しくはなかった。

むしろ、赤の他人とは言わないけれど、素っ気ないといった言葉が似合うほどだった。

『もう、どうして普段はそんなに素っ気ないの？』

私は膨れてエレンに聞いたことがある。
するとエレンは、こんな返事をしてきた。

『俺は確かに、お前の恋人だけど、それ以前に俺は････････････一人の兵士だ。』

『！！』

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿エレンは他人にも厳しいところがあるが、それ以上に自分に厳しかった。

それに、付き合いだして分かったことだが、時々エレンの金色の瞳のうちに、暗い黒炎の影が差すことがある。

復讐――――――――強烈なまでの負の感情に、エレンは支配されている。

せめて、一緒にいる時くらい、そのことを忘れてほしかった。
だから、私は雪の積もる深夜に、お気に入りの場所に行きたかった。

何故なら今日は････････････
15 : 彩羽 : 2015/11/29(日) 22:58:09

ガチャッ

古びた木製の扉を開ける・・・

＿＿床に一人、身を縮めながら震えている少年

エレン・イェーガーが

　　　　　その音に反応し・・・ゆっくりと金色の瞳を向ける

頬は寒さでかほんのりと赤くなっていて
　　　　　　　　　　　　　　　　　　白い息を吐く

「ミー・・・ナ・・・・・・？」

・・・ギュッ

エレンの姿に見惚れてると・・・

＿＿＿＿＿＿抱きつかれた

「エ・・・エレン・・・・・・？」

彼の体はやや冷たかった

　　　　　　どれほど私を待ってくれていたのだろう？

「遅い・・・温めて・・・」

耳元で囁かれる・・・

ﾄｸﾝ…　　　　

　　　　　ﾄｸﾝ…

お互いの鼓動が交わるように感じた・・・

顔は見えないけれど

　　　　　　私の顔も見られていないと願いたい

きっと真っ赤だから・・・
16 : 進撃のMGS : 2015/11/30(月) 16:54:49

私とエレンはしばらく抱き合っていた。

お互いの呼吸を確かめ合うように、
お互いの鼓動を確かめ合うように、
お互いの温もりを確かめ合うかのように･･････

ややあって、エレンが耳元で囁く。

その声は、普段のぶっきらぼうな彼からは聞いたことがないほど甘いものだった。

「･･････お前を、待ってた、ミーナ。」

「ごめん･･････待たせちゃったね。」

「気にすることは、ねえよ、別に、寒く、なかったわけじゃ、ねえし。」

････････････少しぎこちなかったりもするのだが。

（えっと･･････この後はどうすりゃいいんだっ！？）

さて、当のエレンの頭の中は黒くなったり白くなったりていた。

◇◇◇◇◇

数日前。

『すまねぇ！　アルミンッ！　どうしたらいいか教えてくれッ！！』

『そう、君がねえ･･････。』

勿論（といってもいいものか）、女の子からお誘いを受けた経験のないエレンは困惑しきっていた。

その為、エレンは親友であるアルミンにこっそりと相談を持ち掛けたのだ。

『茶化さないで教えてくれよ！』

『そんなこと言われたって、僕には無理だよ。』

『！！　そんな･･････。』

パコーンとフライパンで頭を殴られたかのような衝撃がエレンを貫く。
普段気の強いエレンがまるで子犬のような目で見つめてくるのは中々面白かったが、親友の頼みだ。無碍には出来ないだろう。

『いい、エレン。こういうことには、正解がないんだ。』

『正解が･･････ない！？』

『うん、逆に言えば、君が思った通りのことをすればそれが正解だ･･････。』

『よく分からねえよ！』

『つまりだよ、君はミーナのことをどう思っているんだい？』

『え、ま、そ、そりゃそれは･･････だな･･････。』

アタフタするエレンをアルミンはニヤニヤしながら見つめていた。

『全く君は分かりやすいよね。』

『アルミン！　俺は本気で聞いてんだぞ！？』

『その意気だよ、エレン！　くよくよ悩んでるなんて君らしくない。思ったことをそのまま伝えるんだ。』

アルミンの答えに、エレンは狐につままれたように静かになった。
ややあってアルミンが沈黙に耐えきれなくなって笑い始め、エレンもつられて笑い出した。

『くくく、だよな･･････わりいな、女々しいこと聞いちまってよ。』

『ふふ････････････上手くいくことを祈ってるよ、エレン。』

『おうッ！』

◇◇◇◇◇

（さて、あん時は何でもできる気がしたんだが、さて、この状況････････････どうしよう！？）
17 : 喰撃 : 2015/12/21(月) 00:33:09

ここからどうしたら良いのか、そうあたふたと考えているエレンを見ていると───そうだった、これがエレンという人だったね。

そう思った。

「フフッ」

「な、何が可笑しいんだよ」

「いやね、エレンらしいなと思って」

「俺らしいって何だよ」

「いいのいいの。気にしないで」

「ははっ、何だよそれ」

さっきまでの雰囲気とはうって変わって、2人して無邪気に笑っていた。

あの中々良い感じだった雰囲気は無くなってしまったけれど、今はこのままでいい。

いや、私はこうなる事を願っていたのかもしれない。

こんな風に自分を曝け出し合いながら、笑っていられる、そんな関係を───

私と彼だからこそ分かり合える笑み。

世間から言わせれば笑うことなんかに意味があるわけ無いと思うかもしれない。

けれどそんなどうでも良いことだとしても、私にとっては大切で、分かり合える一つの点。

その点の一つ一つが、私と彼を繋げてくれる。

「ねえエレン」

「何だよ」

「大好き」

「唐突だなオイ。まあ、なんだ…俺も───」

私は我慢出来なくなって、彼の唇を奪っていた。

そして強く抱き締めた。

「ホント、お前っていつも唐突だよな」

「気にしない気にしない♪」

「たくっ…」

彼も応えるように、強く抱き締めてくれた。

そしてまた唇を重ねる。

この時間が

ずっと続けば良いのに─────
18 : 空山零句 : 2015/12/22(火) 02:29:53

この時間がずっと続いてくれるのなら

いったいどんなにいいんだろう。

私は、ただ　あなたと一緒にいたい。

エレン。私ね？

本当は　知っているの。

エレンが　普段、どんなに

意地を張って、頑張っているのかを。

普段、『兵士』として――どれだけ強くなろうとしてるのかを。

でも。

本当は　

それが、全部

どうしようもないくらいに

ただ強がってるだけなんだってことを。

私は知ってる。

エレンが、ずっと　
　

本当は泣き虫なのに　歯を食いしばりながら　

涙を　こらえながら

「独りぼっち」で　戦い続けているのだということを。

こんな私にでも　支えられるかな。

支えたいの。

頑張り過ぎないでほしい。

単純にただ、笑っていてほしい。

だって　エレンは、私に生きる「希望」をくれた。

だから。だから・・・私は・・・

「ねぇ、エレン？」

「ん？何だよ」

「そ、その・・・」

「ち、近いよ？」

「・・あ、あぁ、そうだな。悪ぃ」

「・・・・・・・・・」

私はまた頬を膨らませる。

・・・少しは乙女心というものをエレンには勉強してほしい。

「・・・何だよ。なんか前にも同じ顔を見たぞ」

「だって、少しは乙女心っていうものを少しはエレンにはわかってほしいんだもん。」

あ、声に出てた。

・・とんでもない無茶振りをしてる、これ。

「は、はぁ・・？何だよそれ」

「・・・・・・」

やっぱりエレンは勉強した方がいいと思う。

というより、勉強させようか。彼女であるこの私がじきじきに。

「！　あぁ、そういや・・だいぶ前の格闘術訓練の時にもアニにも何かそんな感じの事言われたな」

「え、そうなの？いつ？」

「ほら、アレだよ。ミカサとアニがやりあってた・・」

・・そうだ、思い出した！

そう、一か月くらい前に確かアニとミカサが珍しく一緒に戦って

話題になってたアレかな？

結局どっちが勝ったんだったかな。

「あぁ！あの時に？」　

「おぅ、その時にアニにも言われたんだよ」

「『降参なんかしてないで学習しなよ。力の使い方と』」

「『女の子・・特にあの子との話し方を』・・ってな」

「・・・・・・・・・・」

アニさん。まったく理解してなかったみたいですよこの人。

ダメ。このままじゃどんどん話がそれるよこれ。

「と、とにかく・・。エレン！」

「な、何だよ？さっきから」

「・・・も、もっとギュウってして？」

「・・・・・・・」

うん、何言ってるんだろう私。

やばいよ、相当自分でも顔真っ赤かも・・。

「ブフッ・・あっはははは！」

「な、なによぉ！何がおかしいのよ、エレンのバカぁ！！」

―――
――
-

閑話休題。

「ふぅ・・もう、本題からそれちゃったじゃんか。」

「・・いや、半分・・俺関係なくねぇか？」

「関係大有りだよバカ！」

理不尽とはきっと、これのことかも。

我ながら、すんごいひどいこと言ってるよ。本当に。

・・・あれ？そういえば今、何時だろう？

「あ、エレン・・。今時計ある？」

「ん？何でだよ？」

「それは・・・えっと、実はね――――」
19 : 進撃のMGS : 2015/12/22(火) 03:39:49

「･･････エレン、あなたに見せたいものがあるの。」

そうかしこまって言うミーナに、俺は胸がドキリとざわつく感覚を覚えた。
これが･･････好きということなのだと気が付いたのは、というか気が付かされたのはつい最近のことで、この感情をどうすればいいのか、言ってみれば持て余し気味な訳だ。

深々と冷えわたった空に、冴え冴えとした三日月がかかっている。
星々はまるで零れ落ちそうなほどたくさんの輝きを夜空に湛えている。

満開の星空の下、俺たちは人気のない森の中を歩いていくこと数刻。
すると、急に森が開けて、俺たちは湖の前に出た。

湖は夜空の光を受けて、まるでもう一つの夜空がそこにあるかのように輝いていた。

「じっと、星空を見て。」

「ん？　何だよ？」

「いいから。」

ミーナに言われるまま、俺は星空を無心で眺めていた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿そういえばこうやって星空を眺めるなんていつ以来だろうか･･････。

昔はアルミンやミカサとよく星を眺めていたのに、それも今では遠い昔のことのように感じられた。

そんな俺の気持ちを察したのか、ミーナはそっと、俺に寄り添ってきた。
何か言おうとして、それでも言葉に出来ないので、俺はミーナをそっと抱き寄せた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿触れあった箇所が熱い。

ここに確かに愛する女性(ミーナ)がいる。

気持ちで、
肌で、

俺は、ミーナの存在の大きさを、愛おしさを、改めて実感していた。
20 : 空山零句 : 2015/12/31(木) 01:30:08

「…もう、３年くらいまともに見てなかった。」

「――――こんな…綺麗な星空なんて」

エレンは呟く。

白い息を、そっと吐きながら。

私の右手を…優しく、握り締めながら。

「…………そっか。」

「――――よかった。」

私は…小さな、強い風でも吹けばたちまち

かき消えてしまいそうな…エレンのその小さな呟きに、気づけば

安堵の声を漏らしていた。

ずっと。ずっと。

私は……私だけの、この「秘密の場所」で

この人と一緒に･･･今にも星が落ちてきそうな、この美しい星空

を、この湖を見たいと、そう願っていた。

こんな残酷な世界で、ただ一人。

巡り逢えた―――この人と、一緒に。

ようやく、願いが叶った。

「なぁ、ミーナ」

「なぁに？」

「俺さ――――」

「お前を失うのが、怖ぇんだ」

エレンはそう言って、俯く。

悲しそうな表情をしている。

ただ、それだけはわかる。

だって、エレンが俯く時は――――

大抵、悲しそうな表情をしていたから。

エレンは――――私の事を想って

そんな表情をしてくれている。

素直に、嬉しい。私の胸も、密かに高鳴ったように感じた。

今まで皆の前では、決してそんな顔は見せてくれなかったから

余計に――――

でも、私はエレンに

そんな悲しそうな表情なんて、してて欲しくない。

「エレン」

「･・･ん？なんだよ･･･」

「って･・･ぶッ!?」

私はエレンのほっぺたを、そっとつまみあげる。

―――やわらかい。そして、暖かい。

頬が、かすかに染まってるように見えた。

「な、何だよ?オイ･･･」

「エレン」

「･・･ミー･･･ナ？」

「私は、いつもそばにいるよ」

「――――え」

「私はエレンのこと―――大好き。」

そう、大好き。

この世界で、誰よりも。

何よりも、あなたのことを―――――

「大好きで、愛してる。」

「･･･････」

「だから」

「エレンの前からいなくなったりなんて、しないよ？」

だから――――

「お願い。エレン」

「笑って？」
21 : 進撃のMGS : 2016/01/04(月) 23:05:22

こんな時、どんな顔して笑ったらいいんだろうな･･････。

その時ふと、水面に浮かぶ自分の顔が目に映った。
なんて悲しい顔をしているんだろうと、我ながら思う。

自分は決して綺麗な人間ではない。

巨人を殺して回りたいほど憎んでいるし、
幼い頃には人を････････････殺している。

そんな俺にも、夢はある。
俺の親友から贈られた、宝石のように大切な、夢。

俺は夢のためにこれからも訓練を続けるのだろうし、巨人を殺すための技術を身に付けるのだろう。
そして、夢をかなえるその時に、果たしてミーナは････････････

俺の側に、いてくれるのだろうか。

「････････････エレン？」

ふと、頬を伝う熱いものに俺は気が付いた。

「え、ああ。ご、ごめ･･････。」

らしくなく動揺するエレンに対し、ミーナは控えめながらも、優しく気遣うような笑顔を浮かべている。

そうだ、この笑顔だ。
俺はこの笑顔に、包み込んでくれるような優しさに、魅せられたのだ。

「なあミーナ。」

「？　どうしたの、エレン？」

「いつかお前を････････････連れてってやるよ。」

「えっ？　連れていくって、どこに？」

「その時が来たら、教えてやるよ。」

そう言って俺は二カっと笑って見せた。

心の底から、
溢れんばかりの笑顔が、自然に････････････

「そんなこと言わないで、教えてよ！」

「おいおい、楽しみは後に取っておけよ。」

「もう、エレンのイジワル！！」

星空の元、笑い合う二人。
その零れ落ちそうな満開の星空から、流れ星がひと筋、静かに流れ落ちた。
22 : 空山零句 : 2016/01/05(火) 18:51:58

笑った。

エレンが・・・笑ってくれた。

私の、大好きな笑顔を―――見せてくれた。

よかった――――

私は、心の中が、またそっと･･･暖かくなるのを

感じていた。感じられた･･･。

エレンが教えてくれた･･･『お互いに想い合えること』の

幸せを･・･また、感じる事ができた。

これは、わがままに、なってしまうかな？

でも、できることなら･･･

エレンの言葉で、直接聴きたい。

エレンの想いを。

さっきの、返事を――――

「―――ねぇ、エレン？」

「ん？」

「さっきの―――返事、教えて･･･欲しいな？」

「･･･！」

エレンはまた、私を見つめる。

私も、見つめ返す。

「･・･」

目が合うと、未だに少し･･･気恥ずかしい。

普段ならそらしてしまう。

でも、今は。今だけは。

ずっと―――この瞬間が、続いてほしい。

「そう、だな」

「･･･え？なぁに？」

「･･････」

「――――俺は」

「この世界で一番、大切なものはお前以外に見当たらねぇよ」

頬を赤らめて、エレンは私にそう言った。

そして。

「俺も、お前の事」

「大好きだ」

「―――愛してる」

少年は―――

否。

その無限に広がる、世界の『自由』を求める狩人は――――

少女に、そっと･･･呟いた。

俺にとって、何よりも願う事は。

お前が生きていてくれることだ。

お前が生きていてさえくれれば、俺はもう

たとえ全てを無くしても――――

失うものなんてない、と。

だから、二人で一緒に生きてゆこう。

二人で同じ夢を見て、まっすぐに

威風堂々と、生きてゆこう。

ずっとお前だけを。

愛しているから――――と･･･。

世界は、愛によって動かされている。

それは、その二人が･･･ほんの少しだが　証明していた。

満開の星空は、二人の少女と少年を祝福するかのように。

星を散らし、再び粉雪を降らせる。

星空は広がる。

鳥籠のような壁を越えて――――無限に、広がり続ける。

いつしか――少年を支えた『願い』は

彼の最愛の少女の約束へと、繋がる事だろう。

たとえ、どんなにこの世界が

理不尽で。

無慈悲で。

そして、残酷であったとしても。

必ず、繋がるはずである。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

『大切なものは、君以外に見当たらなくて』

fin.
23 : 空山零句 : 2016/01/05(火) 19:20:39

失礼ながら、わたくし・・空山　零句が最後を担当させて頂きました。

・・・

文章力が欠片も等しい文で、この一つの素晴らしい作品の最後を迎えさせてしまったこと、真に申し訳ございません・・・！！

自分などがこの作品の最後をかいてよかったのか。

未だに疑問に感じます。

ご不満な方は申していただければ自分の書かせて頂いたスレは遠慮なく消去いたしますのでいつでも申してください・・・

この作品を書くにいたって、お力を貸していただいた

進撃のＭＧＳ　様

雛莉華　様

喰撃　様

皆様のおかげで、この作品は無事に終わりを迎えることが出来ました。
（・・ワタクシが勝手に終わらせてしまったのですが・・すみません）

本当に感謝をしています。

ありがとうございました。

また近日、この企画を行いますので

どうかその時は快く参加をして頂けると嬉しく思います。

本当に、ありがとうございました！

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作成者情報

空山零句

@okskymonten

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『大切なものは、君以外に見当たらなくて』 【短編合作】

『大切なものは、君以外に見当たらなくて』　【短編合作】