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不二咲「夢を見るんだぁ」苗木「…夢?」

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  1. 1 : : 2014/02/08(土) 21:41:53
    不二咲君のSS
    ふと思い付いたから書いてみた。
    なお、ずっとシリアスの模様。




    不二咲「苗木君、僕は最近夢を見るんだぁ」

    苗木「どんな夢なの?」

    不二咲「うーん、うまく言えないんだけど…」
  2. 2 : : 2014/02/08(土) 22:23:40
    不二咲「気付いたら、目の前に知らない人が縛られてそのままロケットに乗っちゃうんだ。僕は干渉出来ないんだけど…」

    苗木「…」ゴクン

    不二咲「その人は暫くして地球に戻って来るんだけど…その地球は誰も住んでいない無人の星になっていた…ていう夢だったんだよ」

    苗木「一体なにを暗示しているんだ?」

    不二咲「…分からない、でもまた夢をみたら話を聞いてくれる?苗木君」

    苗木「ボクで良ければいつでもいいよ。ボクらは仲間なんだから相談くらい遠慮しないで」

    不二咲「うん、ありがとぉ」

  3. 3 : : 2014/02/08(土) 23:38:07
    ー次の日

    不二咲「苗木君、また夢を見たみたい」

    苗木「ボクに聞かせてくれる?」

    不二咲「えーとぉ、今度は沢山の人がいるんだけど…その中の1人が首輪を付けられて連れてかれるんだ…」

    苗木「それって何処なの?」

    不二咲「わからないけど…日本じゃないと思う。それでその人は沢山の人に囲まれて食べ物を投げつけられるんだ…」

    苗木「その後はどうなるの?」

    不二咲「…その後は、皆に連れてかれて…色々あった挙句、骨だけになるんだ」

    苗木「…まさかカニ」

    不二咲「苗木君の言いたいことはわかるよ。とにかくグロいことになったんだぁ…ボクは干渉出来ないから黙って見てるしか…ぐすん」

    苗木「なんか嫌なこと話させてごめん」

    不二咲「いいよぉ。僕、苗木君になら辛い事や夢の話を打ち明けれるから…だから明日ももし夢を見たら話を聞いてくれる?」

    苗木「…うん、辛い事もなんでも話聞くよ!約束ね!」

    不二咲「うん、また明日ねぇ!」
  4. 4 : : 2014/02/09(日) 00:19:37
    ー次の日

    不二咲「また、よくわからない夢を見たよぉ」

    苗木「一体どんな夢なの?」

    不二咲「夢の中は遊園地でね、ジェットコースターの前にいたんだ。1人の人が乗って、その人の前に子どもが乗るんだけど…途中で子どもが転落しちゃうんだ」

    苗木「その子どもは無事だったの!?」

    不二咲「うん、無傷だったんだぁ。ホッとしてジェットコースターに乗っている人を見たら…」ブルブル

    苗木「大丈夫?不二咲さん」

    不二咲「…うん、落ち着いたから話すね。ジェットコースターに乗った人は…そのままジェットコースターごと氷みたいに溶けちゃって…こ、怖かったよぉ」

    苗木「大丈夫、夢だよ。ボクはここにいて不二咲さんもここにいる。心に溜めるよりも話した方がずっと楽になる。どう?話す前より楽になった?」

    不二咲「うん、ありがとぉ…苗木君は優しいな。また明日もお話するね」

    苗木「うん、また明日」

  5. 5 : : 2014/02/09(日) 08:59:23
    不二咲「苗木君…夢の話していいかなぁ」

    苗木「うん、聞かせてよ」

    不二咲「異国が舞台の夢だったんだけど…とても綺麗な人が宮殿に多くの人達を集めて暮らしているんだぁ…その人達は何を言われても反抗せずにその綺麗な人に尽くすんだ」

    苗木「…凄いね」

    不二咲「でもね、ある日嫌気がさした1人の使いは何の躊躇もなく宮殿を放火したんだよ」

    苗木「…うん」

    不二咲「宮殿は燃え尽きずに済んだんだけど中にいた人放火した人皆皆…生命活動を終えていたんだ。…どうして僕は何も出来ずに夢の中にいるんだろう?」

    苗木「…一切干渉出来ない夢か…ボクも不二咲さんみたいな夢を見たら耐えられるだろうか…?」

    不二咲「…大丈夫、きっと苗木君なら…」

    苗木「?不二咲さん?」

    不二咲「ううん、なんでもないよ。お話聞いてくれてありがとう。また明日ね!」

    苗木「…何て言ったんだろう?」
  6. 6 : : 2014/02/09(日) 14:22:32
    ー次の日

    苗木「不二咲さん?」

    不二咲「…あ、苗木君」

    苗木「一体どうしたの!?顔色悪いよ?」

    不二咲「う、うん…また例の夢の話なんだけど…今度はある研究者に作られたロボなんだ…」

    苗木「無理に話さなくても…」

    不二咲「そのロボは最初は心がなくて質問に応答するくらいのことしか出来なかったんだけど、ある日、それ以上の事が出来るようになったんだぁ」

    苗木「…」

    不二咲「始めの内は研究者も喜んでいたんだけど、日に日に研究者はロボのことを嫉妬して、羨んで、怖くなって壊しちゃったんだ。やっぱりボクは見る事しか出来なくて…」

    苗木「不二咲さん、夢と現実を混同しちゃ駄目だよ!今、ここにいる世界は間違いなく現実じゃないか!」

    不二咲「本当に…そうなのかなぁ」

    苗木「え?」

    不二咲「じゃあこの際言っちゃうけど…僕は…男なんだぁ」

    苗木「…え?」

    不二咲「…ほら、苗木君も夢だと疑った。それと同じだよぉ」

    苗木「…ごめん。不二咲さ…不二咲クンの良さは相手の心を自分のことのように感じることだったね。優しいし」

    不二咲「…こっちこそごめんねぇ、怒っちゃって…また明日もお話していいよね…?」

    苗木「うん、約束したから。また明日」
  7. 7 : : 2014/02/09(日) 19:27:49
    不二咲「また夢を見たよぉ」

    苗木「ひょっとしてまたグロい系?」

    不二咲「うん、人によってはね。あるペアの人がいたんだけど、片方の人は孤独な人を気にした。孤独な人は気にせず危険な場所を探った」

    苗木「…うん」

    不二咲「始めは特に変わりはなかったんだ。けれど一緒に過ごす内に2人の仲は少しずつ縮まった」

    苗木「…?」

    不二咲「けれど2人は他の人を大切に考えるあまり、気持ちは一気に加速してすれ違い大切な人をなくしたんだ。」

    苗木「…それだけ?」

    不二咲「…うん、それだけ」

    苗木「なんか今までよりグロくなかったな…」

    不二咲「うん、僕にとってはグロくなかったよ」

    苗木「…??」

    不二咲「苗木君大丈夫?」

    苗木「え、あーうん大丈夫。一体本当にどういった意味が」

    不二咲「また明日話すね。」

    苗木「うん、また明日…」首傾げ
  8. 8 : : 2014/02/09(日) 22:30:23
    ー次の日

    苗木「不二咲君、夢はどうだった?」

    不二咲「うーんとねぇ、どんな事にも自分のやりたい事をやってく人がいたんだ。人柄は良くて真面目で…」

    苗木「それで?」

    不二咲「その人はやりたい事をやって夢を掴んだんだぁ…けど」

    苗木「…けど?」

    不二咲「その人は夢を掴んだその日に殺されちゃったんだよ」

    苗木「…どうして何だ」

    不二咲「どうして…かぁ。僕には余り分からないけど、きっとその人のやり方を心良く思ってなかった人がいたんだろうねぇ」

    苗木「なんで不二咲君は平気な顔をしていられるんだ?」

    不二咲「どうしてって言われても…夢だと割り切ろうって思えたのは苗木君のおかげなんだよ。」

    苗木「そうだね…今のはボクらしくなかったよ。」

    不二咲「うん、苗木君大丈夫?疲れてるなら休んだ方がいいよ」

    苗木「うん、そうするね」
  9. 9 : : 2014/02/09(日) 23:36:28
    ー次の日

    不二咲「苗木君、体調の方はどう?」

    苗木「うん、なんとか」

    不二咲「良かったぁ…夢の話し聞く?」

    苗木「聞こうかな…」

    不二咲「ある1人の人がいた。最初は期待されていなくて周りから興味を持たれていなかったんだぁ」

    苗木「それって他に期待されてる人物がいたからだよね?」

    不二咲「うん、そうだねぇ。そしてその人は周りを踏み台にして目指すべく道へ進んで行ったんだ。」

    苗木「…ボクじゃ考えられないな」

    不二咲「けれどその人はたったあるミスで川底へ突き飛ばされて、流されたんだ。マスコミには馬鹿にされ、お金は底を付いて最後は川の水に浸かったまま身体は冷えてその人は2度と目を開くことはなかったんだ。」

    苗木「…何ていうか、実際にありそうで怖いよ」

    不二咲「そうだね…僕は現実的な夢を見たんだぁ…」

    苗木「話してくれてありがとう。…少し横になるね」

    不二咲「うん」
  10. 10 : : 2014/02/10(月) 09:28:59
    ー次の日

    苗木「なんか今日は調子がいい気がする…不二咲クンの夢の話を聞きに行こうかな」

    不二咲「うぅ…うーん」

    苗木(うなされている…?そんなに怖い夢でも見てるのかな?)

    不二咲「だめ…だよ……僕なんかを…」

    苗木「不二咲クン!不二咲クン!?」

    不二咲「…うぅん…なえ、ぎくん?」

    苗木「大丈夫!?不二咲クン」

    不二咲「あ、うん…」

    苗木「悪夢でも見たの?」

    不二咲「ごめんねぇ、昨日は強がっちゃったけど…やっぱり怖いや」

    苗木「うん、聞いてるこっちが怖いんだもん。不二咲クンの方がもっと怖いよね」

    不二咲「うん…でも苗木君を見てると何だか安心するんだぁ」

    苗木「えっと…どんな夢だった?」

    不二咲「ええとね…ある1人の人が人間関係でうまくいかなくなるんだぁ。」

    苗木(いきなり暗い始まり!?)

    不二咲「ある日、家にいたその人はふとした拍子であるものをみたんだ」

    苗木「あるものって?」

    不二咲「うーん、はっきりとは憶えてないけど、その人にとっては衝撃を受けたんだろうね。目が夢中になってたよ。」

    不二咲「そんなある日にその人は宇宙人にキャトられてしまうんだよ」

    苗木「え、宇宙人?」

    不二咲「けど、そんな時に助けてくれようとした人はいたんだ」

    苗木「どうなったの?」

    不二咲「けど失敗してキャトられた人は落ちて打ち所が悪くて亡くなっちゃった」

    苗木「そっか…また干渉出来なくて寝言を言ってたのか」

    不二咲「き、聞かれてたの!?恥ずかしいな…ねぇ、苗木君」

    苗木「何不二咲君?」

    不二咲「次からは一緒に寝ちゃダメかな?」

    苗木「ええと…うん、構わないよ」

    不二咲「やったあ!約束だよぉ」
  11. 11 : : 2014/02/10(月) 15:25:37
    ー次の日

    不二咲「苗木君…またグロい夢を見たよぉ」

    苗木「聞かせてよ」

    不二咲「あるところに1人のトレジャーハンターがいました。その人はお金がなく、手に入れた宝を換金して過ごす毎日だったよぉ」

    苗木「なんかファンタジーだね」

    不二咲「そんなある日、その人は大きな洞窟に入って宝を探したのはいいけれど落盤で来た道を塞がれちゃうんだ。」

    苗木「ツイてないね…」

    不二咲「その人は後先を考えずに宝の場所に到着したよ」

    苗木「…」

    不二咲「そしたらねぇ、そこには宝箱が3つあったんだ」

    苗木「」ドキドキ

    不二咲「1つ目には食べ物が入っていて、2つ目には武器、そして3つ目の宝箱には価値ある宝物が沢山入ってたんだ」

    苗木「うん、それで?」

    不二咲「その人はその宝箱に近寄ったんだ…他の宝箱よりも5倍くらい大きい宝箱にね。その人は宝箱の中に顔を覗かせた瞬間、宝箱はパタンとそれが当たり前かのように閉まったんだぁ…」

    苗木「…うっ…つまりそのまま…」

    不二咲「うん…」

    苗木「例えそれが夢だとしても…残酷過ぎるよ」

    不二咲「…うん、そうだねぇ…僕はいつまで残酷な夢を見続けるんだろう」

    苗木「僕にはわからない。もちろん、不二咲クンにもわからない…けど、人が寝るのが当たり前のように夢を見るのも当たり前。怖い夢があれば楽しい夢もある。…でもボク達は悪夢なんかに負けちゃダメだ!」

    不二咲「苗木君…そうだね。僕は悪夢なんかに負けないよ」
  12. 12 : : 2014/02/10(月) 18:47:06
    ー次の日

    不二咲「あ、苗木君…今日は調子どう?」

    苗木「うーん、普通かな」

    不二咲「僕、また夢を見たよ」

    苗木「今回で11回目だね」

    不二咲「しかもどれも気分があまりよくない夢だしねぇ」

    苗木「それで内容の方は?」

    不二咲「苗木君すっかり気になってるね」

    苗木「ははは、言われてみれば確かに」

    不二咲「ある1人の人がいてその人は自然が好きだったんだ。ある時は木登り、ある時は穴掘り、またある時は川で遊んだり…」

    苗木「元気一杯だね、その人」

    不二咲「うん、そうだねぇ。でもある日、その人は大切な物を川に流しちゃうんだ。その人は走りに走った。でも川の流れは、その人の足よりも速くて…やっと追い付いた場所は海のど真ん中だったんだぁ。」

    苗木「そこまで!?」

    不二咲「その人は身体が疲れながらも大切な物を拾う為にどんどん進んで…渦潮に巻き込まれて…」

    苗木「巻き込まれて…?」

    不二咲「…その後は、言いづらいんだけど…その人は大切な物を拾えたけど…また落としてそのまま…」

    苗木「…なんで不二咲クンばかりこんな夢を!」

    不二咲「苗木君、怒ってくれるのは嬉しいけど…僕はいつもの前向きな苗木が見たいなぁ」

    苗木「ごめん、けど…ボクも不二咲クンには笑っててほしいな」
  13. 13 : : 2014/02/11(火) 13:07:12
    ー次の日

    不二咲「夢を見たよぉ!」

    苗木「あ、そうなの?」

    不二咲「ある人型のクッキーが2つあったんだ。1つは綺麗な形で味付けもバッチリなクッキー。もう1つは少し見栄えは悪いけど見ようによっては2つに見えなくもないクッキー。」

    苗木「人ではないんだね。でも、人型?」

    不二咲「その見栄えの悪いクッキーは、まるで生きているかのように人の目にはわからないくらい綺麗なクッキーに近づいて行った。けどね、可哀想なことに…」

    苗木「…何?」

    不二咲「近付き過ぎたばかりに、跳んできたボールによってぺちゃんこになったんだって…」

    苗木「人型…ぺちゃんこ…」ブルブル

    不二咲「苗木君大丈夫!?」

    苗木「…ごめん、ちょっと休むね。」

    不二咲「わかったよぉ、お大事にねぇ。」

  14. 14 : : 2014/02/11(火) 16:53:44
    不二咲「…苗木君、苦しませてごめんなさい。…けど、もう少しもう少しだからねぇ」

    不二咲クンのその言葉を最後に、ボクの意識は暗闇に沈んだ。

    ーーーーー
    ーーー


    不二咲「あーあ、苗木君に嫌われちゃったかな…」

    アルタ『わからない…でもぉ、そろそろ知った方がいいと思うんだ。逃げちゃダメなんだよ』

    アルタ『いつかは知らないと…』
  15. 15 : : 2014/02/11(火) 21:44:55
    苗木「ここは一体…?」

    気が付くとボクは暗闇の中にいた。

    そこには色々な映像がモニターのように並んでいる。

    その中には、家族の映像やクラスの皆の映像なんかがあった。

    クラスの皆で楽しくお喋りしたり、授業を受けたり…

    家族とは、4人揃ってご飯を食べたり、旅行に行ったり…

    これはいつの記憶だ?

    これは夢なのか?

    ここは何処なのか?

    記憶や夢ばかりの映像、この後…この後が分かれば…

    その先は絶望?希望?それとも…

    ーーーーー
    ーーー


    不二咲「うーん、やっぱり全部を思い出すにはまだ時間が掛かるのかな?」

    アルタ『そうみたい…ご主人タマ、もう少し夢の話をすればきっと…』

    不二咲「うん、思い出してくれるよね?今までの事」
  16. 16 : : 2014/02/12(水) 14:26:40
    苗木「…うぅ」

    不二咲「あ、気が付いたみたいだね!よかったぁ」

    苗木「ここは…現実か」

    不二咲「何いってるの?苗木君、ここは現実」

    苗木「ねえ不二咲クン、また夢の話をしてくれるかな?」

    不二咲「いいけど、どうして?」

    苗木「ボクは大切なことを忘れてしまっているから…かもしれない」

    不二咲「それじゃあ、こんな夢の話はどうかな?」

    不二咲「あるところに2人の天使がいました。2人はとても強くて他の天使たちは敵いません。2人は負け無しでした。」

    苗木「うん、それで?」

    不二咲「ところがある日、片方の天使は重症を負ってしまい、闘うことが出来なくなってしまいます。もう片方の天使は怪我の治りが早くなる薬を下界に採りに行きましたが、途中で事故に遭ってしまい2人は2度と会うことはなかったのでした。ーっていう感じの夢だったんだぁ。」

    苗木「…」

    不二咲「何かわかった?」

    苗木「今すぐにはわからない…けど、もう一度寝たら分かるかもしれないんだ」

    不二咲「また寝ちゃうの?」

    苗木「大丈夫、次に目を覚ましたら何もかも思い出してるから」

    不二咲「うん、その時を待ってるね」

  17. 17 : : 2014/02/12(水) 17:10:01
    またあの暗闇の空間に来た。

    色々なモニターの映像が映る中、ある映像が一際目立った。

    ボクが見たのはツインテールの女子高生の顔がコロコロ変わっているところだった。

    なんとも現実味のない映像だ。アニメやゲームの世界じゃあるまいし。

    もうひとつの映像を見た。

    ヘンテコなぬいぐるみがボタンを押すと、縛られた男がロケットに乗って宇宙へ旅をする映像だった。飛ぶところまで行ったロケットは地上に不時着し、中は骨だけだった。

    他にも映像はあったが見覚えのないものだらけだ。

    ボールで蜂の巣にされた映像、化学反応でプラスチックと固形物にされた映像、火炙りにされ車にぶつかる映像、オブジェにされた映像、ぺしゃんこにされた映像…どれも気分の悪くなる映像ばかりだった。

    苗木(きっと記憶があったボクが見たものだろう。)

    そしてボクは…ある1つの映像で全て思い出す事になる。

    苗木「…これは」

    シャワールームに壁に寄っかかっている女の子…女の子?ボクはこれを見た憶えがある。忘れる筈もない…ボクはあれを見て気絶したのだから。

    そうだ、ボクは舞園さんを助けられなかったんだ。

    ーいや、待てよ?これはちがう。確かボクの記憶では…

    確かー


  18. 18 : : 2014/02/13(木) 17:46:07
    もうひとつ死体があった筈だ。

    何故なら…何故な…ら…?

    ーーーーー
    ーーー


    ボクは希望ケ峰学園にやって来た。
    抽選で選ばれたけど期待や希望がボクの中に広がっていた。けど、一歩踏み出した後、ボクはずっと後に後悔するのだ。

    目覚めると教室にいて寝てて…体育館で皆と会って…そしたらぬいぐるみが!?

    苗木(どうして忘れてたんだ?)

    クラスメイトはちゃんと15人いて…あれ?黒髪のショートヘアの女の子っていたかな?

    モノクマ「オマエラはこの学園で一生を過ごすのです。」

    セレス「嫌ですわ」

    舞園「困ります」

    モノクマ「それがいやならコロシアイをするんだね」

    そう言ってモノクマは皆に卒業ルールを説明した。

    それは人を殺す事で学園から出られる…という残酷な提案に過ぎなかったからだ。
  19. 19 : : 2014/02/14(金) 12:01:47

    その言葉を聞いて大和田クンは…

    大和田「さっきから聞いてりゃふざけたこと抜かしやがって、テメーをぶん殴る!」

    モノクマに暴力を奮おうとした。

    危険にいち早く気付いた彼女、霧切さんは、大和田クンに伝えようとしたが、戦刃さんがうっかり霧切さんを押してしまったことで大和田クンと霧切さんは重症になった。

    2人して保健室行き、戦刃さんが手当て出来るらしく、戦刃さんに任せる事にしたのだけど…結構容態は酷いらしい。

  20. 20 : : 2014/02/14(金) 12:08:07
    所々惜しいところもありますが、面白いです。
  21. 21 : : 2014/02/16(日) 10:20:35
    >>20さん、ありがとうございます。やっぱり難しいですね。でも、スローペースでも頑張ります。



    2人が治るまで他の人は学園内の探索になった訳だけど…2階は行けず、玄関ホールは変化なし…といった状況だった。

    苗木(それでボクはランドリーとトラッシュルームへ行くと…希望ケ峰の案内図を手に入れた。)

    他の皆は、寄宿舎や教室、犯人について、学校エリアの1階を調べてくれたみたいだ。舞園さんは食堂を調べてたらしい。

    十神「犯人については何もわからなかった」

    石丸「それだけかね?」

    十神「お前も寄宿舎を調べて大した事はわからなかっただろ?」

    石丸「だが、ネームプレートとかが…」

    朝日奈「それは皆知ってるよ。私達は…とはいっても私とさくらちゃんだけだけど、玄関ホールの鉄板はさくらちゃんの力でも開かなかったよ。」

    大神「だが、2階に続くシャッターを見付けた。上の階があるらしいな」

    朝日奈「今は行けないみたい」

    桑田「オレと葉隠と不二咲は廊下や教室の窓の鉄板を調べたんだぜ」

    葉隠「びくともしなかったな。どーなってんだべ!」

    不二咲「廊下の窓もダメだったよぉ」

    桑田「あと、オレと葉隠は部屋が隣だから試しに声が届くかやってみたけど全然届かねえの」

    不二咲「隣なのに届かなかったんだ…」

    石丸「それで、セレス君達はどうだったのだ?」

    セレス「あら、私はそういうことはしない主義ですの」

    山田「僕も動き回るのはちょっと…この体型ですので」

    腐川「あたしは誘われなかったから、体育館に残ってたのよ…山田は寧ろ急かせか動いて働くべきだわ」

    山田「なんですとー!」

    あまり仲良くないみたいだ…

  22. 22 : : 2014/02/16(日) 15:43:33
    次はボクの番だ!

    苗木「ボクは希望ケ峰学園の見取り図を見付けて来たよ」

    石丸「それは一体何処で…」

    苗木「重要なのはそこじゃないんだ」

    セレス「これって本当に希望ケ峰学園の見取り図なんですの?」

    苗木「きっとそうだよ…この図では鉄板とかされてないみたいだけど、ここが希望ケ峰学園であることは間違いないと思う。」

    十神「恐らく、改築工事でもしたのだろう」

    朝日奈「何の為に?」

    十神「自分で考えるんだな」

    朝日奈「十神のケチ!」

    舞園「そろそろ私の話をしていいでしょうか?」

    苗木「うん、いいよ舞園さん」

    舞園「ここの食堂には奥の厨房に冷蔵庫があって、中には食材が沢山ありました。ですから食べ物の心配はいりません」

    山田「それって何日くらい持ちますかね?」

    腐川「あんたは海苔でもパリパリ食べてなさいよ」

    山田「あのぉ…それでは腹は膨れませんぞ」

    舞園「心配ないです!毎日追加される…とモノクマさんが言ってました。」

    不二咲「会ったのぉ…?」

    舞園「はい、冷蔵庫を調べてたら出てきて教えてくれたんです。また何処かへ行ってしまいましたけど」

    不二咲「怖いのか怖くないのか微妙だね…」

  23. 23 : : 2014/02/17(月) 14:26:39
    セレス「これではっきりしましたね。」

    腐川「何がよ…」

    セレス「ここから出るには、校則に従う他ない…ということです。」

    腐川「そんなの言わないでよ…わ、分かりきったことを…」

    桑田「どうすりゃ出られんだよ!」

    十神「くくっ…そんなもの分かりきってるじゃないか…ここから出るなら人殺しをする、それだけだ」

  24. 24 : : 2014/02/17(月) 14:49:18

    不二咲「人殺しをするって…そんなの…」

    十神「出来ないか…なら、俺がやろうか?」

    不二咲「冗談でもだめだよぉ!」

    十神「なに?」

    不二咲「これはゲームなんかじゃないんだよ…怪我人も出てるし、人の命がかかっているんだよ?仲間同士で殺し合うなんて…そんなの…そんなの絶対だめだよぉ!」

    十神「仲間同士?そんな事誰が決めた?」

    不二咲「…え?」

    十神「俺達は仲間同士なんかじゃない、むしろその逆の蹴落とし合う競争相手だ。もちろんお前もな」

    不二咲「で、でも…」

    十神「でもだと?お前は俺の言葉に肯定してればいい」

    不二咲「えっと…」

    十神「言いたい事があるならいえ、言えないなら黙ってろ!」

    不二咲「……じゃあこの際だからはっきり言うよ」

    朝日奈「不二咲ちゃん?」

    不二咲「僕は十神君を絶対に許さない!どんな事をやっても絶対に話し合いで解決するんだ!そうすれば人は分かり合える筈だから!」

    十神「ふん、綺麗事を…そんな事絶対あり得ん」

  25. 25 : : 2014/02/18(火) 14:38:08

    辺りが気まずくなった。そんな中、話を切り出したのは彼女だった。

    セレス「話が終わったなら、私から提案があるのですが…」

    苗木「何かな?言ってみてよ」

    セレス「十神君がああ言ってしまった以上、平和な学園生活は望めません。ですが…せめて夜時間は個室から出ないというのはどうでしょう?魅力的な提案と思いません?」

    十神「ハンデか…ふん、まあいいだろう。精々死なないように頑張るんだな」

    朝日奈「何あれ…絶対誰かに殺されるよ」

    大神「朝日奈よ、あまり物騒な事を言うな」

    朝日奈「…ごめん」

  26. 26 : : 2014/02/19(水) 11:15:30

    皆が気まずく感じている中…舞園さんはボクに話しかけてきた

    舞園「苗木君、話があるので移動しませんか?」

    苗木「いいけど…食堂はそろそろ閉まるよ。他の人もちらほら個室に戻っていくし」

    舞園「じゃあ歩きながらお話しましょう」

    そう言って舞園さんはボクに話をした。同じ中学だった事や、ボクが憶えてないことまで舞園さんは話してくれた。

    苗木「舞園さんとまた会えるなんて思っても見なかったよ」

    舞園「そうですね…もっと違う場所で再開してたらロマンチックなんですけどね」

    苗木「うん、そうだね」

    あっという間に個室の前だ

    舞園「では苗木君、また明日」

    苗木「うん、また明日」

    舞園さんがドアを完全に閉めきるのを見届けて、ボクは水とおにぎりを持って保健室へと向かった。


  27. 27 : : 2014/02/20(木) 12:08:26


    ー保健室

    霧切さんと大和田君の容態はどうなんだろう?

    ガラッ

    戦刃「苗木君どうしたの?」

    苗木「うわぁっ!ご、ごめん」

    戦刃「脅かしちゃったならごめんなさい。」

    苗木「いや、いいよ。ボクも考え事に夢中だったし…あ、これ差し入れだよ」

    戦刃「…そっか、ありがとう」

    軍人っていうからもっと怖いイメージを想像してたけど…全く違うな

    戦刃「えっと…霧切さんと大和田君の様子を見に来たんだよね?」

    苗木「うん、そうだけど…」

    戦刃「致命傷はないみたいだけど、2人共まだ意識が回復してないよ。」

    苗木「えっと…戦刃さんは大丈夫なの?」

    戦刃「え、私?」

    苗木「うん、個室以外の就寝は禁止だって…」

    戦刃「大丈夫だよ、軍に所属してた時は2日とか寝れない時があったし、モノクマに特別に許可されたから」

    苗木「それは良かったよ」

    モノクマは何故、特別に戦刃さんだけ保健室での就寝を許可したか…きっと医療に詳しいのが戦刃さんだけ、だからだろう。

  28. 28 : : 2014/02/21(金) 11:07:09

    苗木「2人の様子見ていいかな?」

    戦刃「本来なら面会は出来ないけど…苗木君なら大丈夫かな」

    そういって戦刃さんは2人に会わせてくれた。

    霧切さん、才能はまだ教えて貰えてないけど…体育館の時のあの行動。あれは相当凄い才能なんだと思う。でないとあんなこと瞬時に言えない。

    彼女の身体はモノクマの爆発で受けた火傷がところどころ見える。

    大和田君は…特徴的なリーゼントがなくなっていた。そりゃそうか、あんなに爆発の近くにいたから当たり前か。服もボロボロでもう着れそうにない。身体中ほぼ包帯だった。

    戦刃「命に別状なくてよかった。でも完治するにはまだ時間はかかるよ。」

    苗木「どれくらいで治るかな?」

    戦刃「最低でも3週間はかかるかな」

    苗木「そっか…ごめん、治療の邪魔しちゃったね。」

    戦刃「ううん、気分転換になったよ」

    苗木「それならよかった。じゃあ失礼するね!」

    そう言ってボクは個室に戻った
  29. 29 : : 2014/02/22(土) 14:27:30

    よく考えてみたら自分の部屋をちゃんと調べてないや。
    えーと、男子には工具セット女子には裁縫セットか…うん、必要ないから引き出しに閉まっておこう。

    モニターの横にあるドアは確かシャワールームだっけ?

    苗木「あれ、シャワールームが開かない?」ガチャガチャ

    モノクマ「あ、ごっめーん!説明し忘れてたよ。ボクってばうっかり…」

    苗木「何の用だよ」

    モノクマ「まあそう怒らないでよ」

    どうやら建付けと開け方を教えに来たらしい。

    モノクマ「でも苗木クンって不運だね?こんな個室に当たるなんて…幸運じゃないじゃーん!」

    そう言ってモノクマは引っ込んだ。

    なんか…どっと疲れた。もう寝よう。

    戦刃「…おにぎり美味しい」

  30. 30 : : 2014/02/24(月) 08:32:13
    ーモノクマ劇場

    モノクマ「やあ、ボクはモノクマ。実はシリアスばかりじゃ締まりがないから(非)日常編くらいは入れようと思う。というより、入れざるを得なくなったよ。じゃあそういう事だから!」モノクマ劇場でした


    ー次の日

    ふぁ…夢じゃない

    コロシアイ学園生活は夢なんかじゃ

    ピンポーン

    うん…こんな早くに誰だろう?

    ガチャリ

    苗木「舞園さん!?」

    舞園「苗木君おはようございます!」

    苗木「おはよう」

    舞園「あの…朝ご飯を食べたら探してほしい物があるんです」

    苗木「探してほしい物?」

    舞園「はい!詳しくは食べてからにしましょう」

    ボクは挨拶もそこそこにして朝食を終えた。

    苗木「それで、探し物って何かな?」

    舞園「えっと…ここでは話し辛いので場所を変えましょう」

    ー学校エリア1階

    舞園「ここまで来れば…では話しますね」

    苗木「うん」

    舞園「実は私…護身用の武器を探しているんです」

    苗木「なんで…?」

    舞園「だって、何が起こるか分からないじゃないですか!十神君がどういう行動をとるかわかりませんし…裁縫セットは役に立たなさそうですし不安です。」

    苗木「そうだよね、女の子なら無理もないか。」

    護身用の武器か…そういえば体育館前にそれらしき物が飾ってあったぞ。

    舞園「体育館前ですね。早速行きましょう!」

    苗木「え、ちょっと待ってよ!」

  31. 31 : : 2014/02/25(火) 11:29:50

    ー体育館前ホール

    舞園「苗木君が言ってた護身用の武器ってこれですか?」

    苗木「うん、そうだよ」

    体育館前に置いてあったのは金箔の模擬刀だった。

    舞園「触ると金箔が付いちゃいますね…」

    苗木「これはやめよっか」

    ペタペタ付いちゃうし…

    舞園「いえ、何かに包んで苗木君が持っててください!きっと何かの役に立つ筈です」

    そう言って舞園さんは包む物を渡してくれた

    苗木「こうなったらボクが舞園さんを守るよ!」

    舞園「いいんですか?だったら武器なんていらないですね」

    さて、時間が余った…どうしよう

    舞園「そうですね、ではまたお話しましょうか…でも話す話題が…」

    苗木「別にボクは黙って一緒にのんびりするのもありだと思うな…ってあれ?ボク声に出してた?」

    舞園「声に出てませんよ。私はエスパーですから」

    苗木「冗談だよね?」

    舞園「そう思ってもらってもいいですよ」

    冗談に聞こえない…

  32. 32 : : 2014/02/26(水) 12:06:02

    舞園「とは言っても、何を話しましょうか……苗木君は夢ってありますか?」

    苗木「夢?うーん、今は考え中かな…舞園さんはどんな夢なの?」

    舞園「私ですか?私は…幼い頃からアイドルに憧れてました。ウチは父子家庭で…お父さんは毎日、夜遅くまで働いてて私はいつもお留守番でした。少し寂しかったんですけど、そんな時はテレビで活躍してるアイドルを見てました…お姫様みたいで可愛くて歌も踊りも上手で…何よりあの笑顔…あの笑顔を見てると、私の寂しさなんて、いつの間にか吹っ飛んでいました。だから…いつか私も皆を勇気づけられるアイドルになりたいって…そう思うようになったんです。」

    苗木「舞園さんはさ…凄いよね、子供の頃からの夢を叶えるんだからさ」

    ボクなんか、何も決めてないよ

    舞園「凄いんですかね…?私は夢を叶える為になんでもやってきたんですよ?嫌なことも含めて…。夢は追い続ければいつか叶う…その為にはずっと夢を見続けなくちゃいけない…悪夢だろうと寝ても覚めても…あの世界では少しでも気を緩めたら、たちまち置いてかれるんです…息継ぎなしで水中をずっと泳ぎ続けなきゃいけない…そんな感じの世界なんです。」

    苗木「楽しくないの?」

    舞園「いえ、楽しいですよ!でも…だから怖いんです。今は本当に毎日すっごく楽しいんです!同じグループの仲間はステキでみんないい友達で、ライバルで…昔からずっと一緒にやってきた大切な仲間たちなんです。」

    舞園「皆がいなかったら今の私はいなかったと思います。皆と一緒に夢を叶えて、仕事して今は幸せです。だからこそ…この幸せが、夢がなくなったらどうなるんだろう…いつか世間にあきられて…忘れられて…私がこの学園に来た理由はそこからなんです。ここを卒業したら間違いなく成功を手に出来るんですよね。そしたら…私は大切なグループの仲間とずっと活躍を続けられるじゃないですか、そう思って来た…のに…こんな場所で閉じ込められて…出れないなんて…仲間も待っているのに…こうしている間に…忘れられていく…私が…仲間が…消えていく…こんなことしている余裕はないのに!」

    ボクは初めて彼女の心の叫びを聞いた。ボクに出来ることは…

    苗木「ねえ、舞園さん…お腹空かない?きっとお腹空いてるから元気出ないんだと思う」

    舞園「そうですね…でしたら私がラー油を作ります!」

    ラー油!?

    舞園「はい、ラー油は得意料理なんですよ」

    そう言っている舞園さんの笑顔はなんか…他所行きの笑顔だった。

    そして、ボクらは食堂へと足を運んだ。

  33. 33 : : 2014/02/27(木) 11:31:19
    舞園さんとお昼を食べた後、ボクは自分の個室へと戻った。

    苗木「…ふう」

    それにしても、ボクの部屋に金箔の模擬刀…浮いてる、合わないよ。

    誰かと話そうと思って部屋から出ると十神クンと出くわした。

    十神「フン、苗木か…ちょうどいい。貴様に言っておくことがある。」

    十神クンの言いたいこと…?

    十神「皆にも伝えろ!緊急時以外は俺に話し掛けるなよ。殺されたくなかったらな…クク」

    そう言って十神クンは、あっという間に個室へと入ってしまった。


    十神クン…今単独行動するのは危険な気が…

  34. 34 : : 2014/02/28(金) 10:48:45

    そのまま1階に行くと不二咲さんに会った。

    不二咲「あ、苗木君だぁ。ちょうど良かった…僕とお話しようよ」

    そう言って不二咲さんは部屋に入れてくれた。

    苗木「不二咲さんはプログラマーなのは知ってたけど…星を観るのも好きなんだね」

    不二咲「うん、そうだよぉ…星を観てるとね、なんだかとっても安心するんだぁ」

    そう言って不二咲さんは壁に貼ってある宇宙のポスターを見た。

    ボクも不二咲さんにつられてポスターを見た。実物ではなくても星の美しさは変わらない…そう、変わらない安心感。

  35. 35 : : 2014/03/01(土) 09:46:25

    不二咲「でも、残念だなあ…鉄板が塞いでいるから天体観測も出来ないよ」

    苗木「それは残念だなあ…ボクも最近ちゃんと星を観てないし」

    不二咲「あ、じゃあもし僕達皆がここから出れたら一緒に天体観測しようよ!今の時期はどんな星や星座が観れるかな?」

    そう言っている不二咲さんの目は楽しそうにキラキラ輝いていた。

    苗木「うーん、多分今は3月か4月かな?」

    不二咲「じゃあ、乙女座や春の大三角系が観れるねえ」

    そんな姿を見てると、ますますここから出なきゃ!という気になる…いや、出なきゃいけないんだ!

    苗木「不二咲さん、皆で外に出よう!」

    不二咲「うん、約束だよ!」

    それから十神クンの伝言を伝えた後、しばらく星の話をして盛り上がった。

  36. 36 : : 2014/03/03(月) 09:29:54

    苗木(すっかり話込んじゃったな…もう、夜だし食堂へ行こう)

    食堂へ行くと、戦刃さんの姿が見えた。

    苗木「戦刃さーん!」

    戦刃「あ、苗木君」

    苗木「2人の容態はどうかな?」

    戦刃「うーん、まだ意識が戻ってないよ。けど、私がなんとか頑張る!」

    戦刃さんはやる気充分だ。

    苗木「夜ご飯食べに来たの?」

    戦刃「うん、あ…苗木君」

    苗木「…何かな?」

    戦刃「昨日のおにぎりと水おいしかった、ごちそうさま。だから今日は私が作ってあげる番」

    苗木「いや、いいよ。昨日は食堂に見掛けなかったし、もしかしたらと思って持って来たけど…戦刃さんに悪いよ」

    戦刃「ダメ、私が作りたいから作るの!苗木君は座ってて」

    そう言って戦刃さんは厨房へと向かった。

    苗木(大丈夫かな…?)

    なんか、少し不安になった。

  37. 37 : : 2014/03/04(火) 00:18:48

    苗木(ん?これは…)

    よく見るとテーブルにナイフが置いてあった。

    苗木(誰のだろう?)

    そう思って確認するとそこには『戦刃』という文字が書かれていた。軍人らしいな…

    でも、テーブルに置いていって危ないな…

    どうやら皆は晩ご飯をとっくに済ませているらしい…まさにこの空間はボクと戦刃さんだけだった。

    モノクマ「ねえねえ、さっきからナイフを見つめてるみたいだけど…」

    苗木「うわあっ!脅かすなよモノクマ!!」

    モノクマ「いやー、退屈だったんだよねぇ。皆、コロシアイ始めないし…でも、変わりに苗木クンの驚いた顔が見れました!」

    苗木「どっか行けよ」

    モノクマ「しょぼーん、ボクはいらないぬいぐるみなんですね…でも、戦刃さんの料理をあまり期待しない方がいいよ」

    苗木「どういう意味だよ!」

    モノクマ「いやね、ボクは戦刃さんの料理を見たことがあるんだけど…はっきり言わせてもらうと、残念なんだよね」

    苗木「何でそんなこと知ってんだよ!」

    モノクマ「そりゃあ君達が…おっとうっかり、口を滑らすとこだったよ。」

    モノクマ「だってボクは学園長だし、戦刃さんが作るとこ知ってるのは当然じゃーん!」

    苗木「なんか怪しい…)はいはい、モノクマはどっか行ってよ」

    モノクマ「ボクはもっと苗木クンと話したかったけど…戦刃さんの残念料理が出来たらから退散するよ…ばいならー」

  38. 38 : : 2014/03/04(火) 06:09:51
    モノクマが去った後、戦刃さんはすぐに来た。

    戦刃「さっき誰かいたの?」

    苗木「うん、モノクマが」

    戦刃「なんだモノクマ…ってモノクマ!?」

    苗木「どうかしたの?」

    戦刃「じ…モノクマは何か言ってなかった?」ワタワタ

    苗木「コロシアイが起きなくて退屈だって言ってたけど…」

    料理のことは黙っておこう。

    戦刃「ふーん、モノクマらしいね。」

    苗木「そういえば…はい、戦刃さんのナイフ」

    戦刃「あれ?いつのまに…!?」

    苗木「いや、さっきテーブルに置きっぱなしだったよ」

    戦刃「ありがとう、よかった苗木君が言ってくれて」

    苗木「それって大事な物?」

    戦刃「いつも肌身離さず持っているんだけどたまに置いちゃうんだ」

    苗木「あはは…気を付けてね」

    戦刃「うん、気を付けるね。あ、ほら私が作ったカレー食べて。冷めちゃうから」

    そこには…カレーがあった

    苗木「え、これ戦刃さんが作ったの?」

    戦刃「うん、頑張ったんだ!」

    そこには…大きい人参や星の形をしたジャガイモが入っていた。

    苗木「あ、うん頂きます」

    味の方は普通においしかった。モノクマが言ってた残念とは何だったんだろう…そう思いながらボクは個室へと戦刃さんは保健室へと戻った。

    ボクは朝の舞園さんとの会話を思い出していた…彼女が不安になっているのがわかっているのに、それを共有出来なかったからかもしれない。
    そして十神クン…は大丈夫だろうか?

    そして不二咲さん、彼女との約束は実現したい…そう思っていたら、いつの間にか寝てしまっていた。

  39. 39 : : 2014/03/05(水) 02:33:49
    2のネタバレありますか?
    すごく読みたいけどネタバレが怖くて読めない
  40. 40 : : 2014/03/05(水) 08:15:43
    >>39さん、2のネタバレは書かないので安心して下さい。その代わり1はネタバレですが…


    ーモノクマ劇場

    モノクマ「再びモノクマだよ。えっとね、これ何時終わるのか検討も付かない長さになっているんだけど…終わらせれるかな。いや、ちゃんと終わらせる気はあるけど…中身が残念になってなければいいな」以上、モノクマ劇場でした。


    ボクはふと目が覚めた。

    モノクマ『オマエラ朝です!7時です 起床時間ですよー さーて、今日もはりきっていきましょう!』

    このアナウンスを聞く羽目になるとは…不快だな。

    とりあえずボクは朝食をとる為に食堂へ向かった。

    どうやら珍しく桑田クンがいたみたいだ。

    桑田「よーっす苗木!あんまり眠れてねーみたいだな」

    苗木「まあ、うん…こんな状況だと落ち着いて眠れなくて…」

    桑田「あーわかる。けどよ、寝れる時に睡眠とらねーといざという時に頭も体も働かないぜ!」

    苗木「うん、そうだよね」

    桑田「んなことより、俺さ…野球なんてやめてミュージシャンになろうと思ってんだけど、お前舞園ちゃんと知り合いなんだろ?紹介してくれよ!」

    それは自分から声を掛けるべきじゃ…

    苗木「自分から声掛けた方がいいと思うよ」

    桑田「んだよそれ!ノリ悪いなーそれがモテる男の余裕か!」

    苗木「それは違うよ!」

    桑田クンが騒ぎ始めたので刺激させないように言葉を選びながら話した。

  41. 41 : : 2014/03/06(木) 08:42:15
    さて、朝食も済ませたし今日はどう過ごそうか…。

    昨日の服を洗う為にボクは洗濯物を持ってランドリーへ行くことにした。

    そこには洗濯が終わるまで待っている、葉隠クンと戦刃さんと朝日奈さんだった。

    葉隠「うむ、やっぱり待っている間水晶玉磨きだべ!」

    朝日奈「それどうみてもガラス玉だよ!」

    葉隠「んだとぉ!これはな、かの有名なナポレオンやチンギスハーンが使ったとされる…」ペラペラ

    朝日奈「あーはいはい」

    苗木「戦刃さんは何やってるの?」

    戦刃「ナイフの手入れだよ。時間が空いてる時に必ずやっているんだ!」

    なんか表情が生き生きしてる…

    戦刃「軍にいた時は毎日欠かさずやっていて、何かあった時の為に備えていたんだ!」

    苗木「そうなんだね」

    その光景がすぐに思い浮かぶよ…。

  42. 42 : : 2014/03/07(金) 10:37:09

    戦刃さんとナイフ談義…とはいっても戦刃さんが一方的に話していると、突然悲鳴があがった。

    朝日奈「きゃあっ!今あそこに茶色い虫が…」

    葉隠「俺に任せとけって!この雑誌で…」

    朝日奈「葉隠、いいからそのガラス玉貸して!」

    葉隠「これは水晶玉だっての!」

    シュッ

    ボクらの横を何かが通った気がした…。

    音がした方を向くと、壁に虫とナイフが深々と刺さっていた。

    朝日奈「…」

    葉隠「…う、うわ」

    朝日奈「す、凄いよ戦刃ちゃん!びっくりしちゃったよ」

    戦刃「す、すごいのかな?」

    苗木「うん、ボクたちには無理かな」

    戦刃「そうなんだ…えへへ」

    戦刃さんは嬉しそうだ。

    葉隠「…は、ええ!?」

    葉隠クンは混乱しているみたいだ。

  43. 43 : : 2014/03/07(金) 14:47:18

    モノクマ「大変だ大変だー!」

    すると突然モノクマが現れた。

    朝日奈「うわあ…せっかくの雰囲気が台無し」

    朝日奈さんがあからさまに嫌そうな顔をしている。

    苗木「何が大変なんだよ」

    モノクマ「霧切さんと大和田クンが大変なんだよ!」

    苗木「どうせお前が何かやったんだろ!」

    モノクマ「はにゃ?何かって何さ!ボクがせっかく親切に教えてやったのに…」

    苗木「どうせ混乱させるために…」

    戦刃「落ち着いて苗木君、今はモノクマと話すよりも保健室へ向かうのが先だよ!」

    苗木「でも…」

    モノクマ「さっすが戦刃さんわかってるぅー。じゃ、任せたよ」ピョイン

    そう言ってモノクマは引っ込んだ。

    戦刃「私は保健室へ行ってくるね!」

    苗木「あ、ボクも行くよ!」

    朝日奈「あたしも!ほら、葉隠も!」

    葉隠「な、何でオレまで…!」

    そうしてボクらは保健室へ急いだ。

    ランドリーに誰かが入っていったのも気付かずに…

  44. 44 : : 2014/03/08(土) 02:12:38

    ー保健室

    ガララッ

    苗木「霧切さん!大和田クン!?」

    ボクたちが扉を開けてベッドを確認すると…

    霧切「…い、つ…熱い熱い熱い…」

    大和田「あ…き…に…兄貴ッ」

    2人とも、うなされていた。

    朝日奈「こ、こういう時って一体どうするんだっけ?!」

    葉隠「こうなったらオレのインスピレーションで…」

    苗木(た、確かこういう時は手を握って落ち着かせれば…)

    戦刃「こうすれば大丈夫だよ!」

    そう言って声を掛ける前に戦刃さんは2人に手刀を浴びせたのだった。

    苗木「…い、戦刃さん…今のは…」

    戦刃「こうすれば誰でも静かになる技なんだって!」

    …結局その後、心配だけど戦刃さんに2人を任せることにした。

    朝日奈さんと葉隠クンは洗濯が終わるまで購買室前で話していたのだった。
  45. 45 : : 2014/03/08(土) 23:56:54

    ランドリーに戻ると…

    不二咲「あ、苗木君…そこに虫が…」

    不二咲さんの視線の先には床に仰向けになっている虫がいた。

    あれ、ナイフは戦刃さんが回収したのかな?

    苗木「えっと、朝日奈さんが虫に驚いて騒いでいたから戦刃さんが…」

    不二咲「そっかぁ…それなら仕方ないのかな」

    苗木「不二咲さんはここで何してたの?」

    不二咲「洗濯だよ!終わったみたいだね」

    そう言って不二咲さんは洗濯物を取り出して…え?

    不二咲「も、もしかして…苗木君、見ちゃった?」

    苗木「うん、でもボク忘れるから!」

    不二咲「…忘れなくてもいいよ、いつかはバレると思ってたから…」

    苗木「え?」

    不二咲「苗木君、聞いてほしいことがあるんだ!」

    苗木「聞いてほしいこと?」

    不二咲「うん…僕はね、実は…男なんだ」

    苗木「お、男…?」

    ボクより身長低いし、見た感じだと女の子に見えたけど男!?

    不二咲「や、やっぱり僕って気持ち悪いよね…?」

    不二咲さん…不二咲クンは泣きそうだった。

    苗木「い、いや違うって!ちょっと驚いただけだよ!」

    不二咲「ほんと…?良かったぁ」

    苗木「あと、納得したよ」

    不二咲「納得…?」

    苗木「どうして男子ばかり話しているのかな?とか思ってたから」

    不二咲「そっかぁ苗木君は僕のことそんな風に思ってたんだ…でも、皆にはこの事内緒にしてね?」

    今回のことで不二咲クンのことが分かった気がする…これが仲間との絆なのかもしれない。

    そうしてボクは不二咲クンとしばらく話したあと、洗濯物を干してから食堂で昼食を食べた。

  46. 46 : : 2014/03/10(月) 10:18:44


    それで食べ終わったところなんだけど…

    朝日奈「さくらちゃん!このあと紅茶を飲もうよ!」

    大神「うむ、そうだな朝日奈…」

    セレス「あら、それならロイヤルミルクティーにしませんこと?朝日奈さん淹れて下さる?」

    朝日奈「あ、だったらセレスちゃんも一緒に淹れよ!ほら早く!」

    セレス「ちょっと、私は別に…」

    舞園「ほらほら、行きましょうセレスさん!」

    セレス「こ、こら!離しやがれー!!」


    山田「石丸清多夏殿!これなんてどうです?」

    石丸「ダメだぞ山田君!僕らは勉強する為にこの学園に来たのだろう?」

    葉隠「つっても、授業なんてねーぞ」

    腐川「あ、あんたたち…バカじゃないの?今のこの状況分かってんの?」

    不二咲「石丸君、こうして皆と過ごすのも勉強の一貫だよ!」

    石丸「む、そうなのか?」

    初日に比べて皆が打ち解けている気がする…

  47. 47 : : 2014/03/12(水) 10:42:22
    十神クンと仲良く出来ればな…

    ボクは保健室へと向かった。

    ー保健室


    ガララッ

    苗木「戦刃さん?」

    戦刃「何?苗木君?」

    苗木「あ、朝の状態から2人の様子が気になっているんだけど…」

    戦刃「寝言でうなされてたこと?それは熱が下がらないと何とも言えないよ」

    苗木「熱もあるの!?」

    戦刃「うん、さっき計ったら37.5度あったよ」

    苗木「それって大丈夫だよね?モノクマに何かされたとか…ないよね?」

    戦刃「…それはわからないけど…私がちゃんと治すから!」

    苗木「うん、任せたよ戦刃さん」

    そう言ってボクは保健室から出た。
  48. 48 : : 2014/03/12(水) 10:43:17

    ー戦刃視点

    苗木君が出たところで私は盾子ちゃんを呼ぶことにした。

    戦刃「盾子ちゃん!」

    するとモノクマが出て来た。

    モノクマ「ジュンコーちゃん?誰それ?ボクはそんな人知らないよ!ボクはモノクマなの!…それで、戦刃さん何か用なの?」

    呼んで否定しながら出て来るあたり、盾子ちゃんらしい。

    戦刃「私が洗濯してる間に霧切さんと大和田君に何かした?」

    モノクマ「その質問は難しいなぁ…2人の熱の原因はボクのせいであってボクのせいじゃないからなー」

    戦刃「…どういうこと?」

    モノクマ「つまりね、ボクが爆発したのが原因だけど…2人を怪我させた要因は残姉でもあるってこと。あーあ、あそこで戦刃さんがドジしなければ2人とも無事だったのに…まあ、これはこれで面白くなって来たんだけどね」

    戦刃「…私のせいか…どうすればいいんだろう」

    モノクマ「そんなの簡単だよ!キミが明日、ボクの指示通りに従ってくれれば悩む必要はないよ!もちろん、やってくれるよね?お姉ちゃん」

    盾子ちゃんはズルい。そんな事言われたら私…

    戦刃「…分かった」

    従う他ない

    モノクマ「じゃあおさらいするよ」

    そして、モノクマによる明日の計画を聞いた。

    モノクマ「ちゃんと指示通りに従ってね!戦刃さんってば結構ドジだから」ピョイン

    そして、モノクマは引っ込んだ。

    ああ、明日でこの(非)日常が終わるんだ。私はちゃんと盾子ちゃんを喜ばせてあげられるかな…これでよかったのかな?いや…

    戦刃「今は2人に集中しよう。苗木君と約束したから。」

    そして私は2人の治療に専念する…これは私の使命。私に出来ること。

    ー戦刃視点 終了

  49. 49 : : 2014/03/13(木) 11:12:25


    ボクは保健室から出た後、体育館の方から音がしたのに気付いた。

    誰かいるみたいだ…

    気になって体育館の方へ行って見ることにした。

    苗木「…」

    するとそこには…

    桑田「ちくしょー!野球やりてえ…何でバレーボールとバスケットボールがあって野球ボールがねえんだよ!アホ!!」

    壁に向かってボールを投げている桑田クンの姿があった。

    桑田「バットもミットもねえ!やってられるかよ!」

    そして更に壁にボールをぶつけるする桑田クン…

    桑田「…な、苗木?ま、まさか俺のこと殺しに来た訳じゃねーよな?」

    桑田クンは警戒してるみたいだ

    苗木「そういう訳じゃないよ。体育館から音がしたから気になって来たんだよ。」

    桑田「な、なんだよ…脅かすなよな…ハハ」

    第一、ボクは平凡な高校生だ。人殺しなんてする訳ない

    桑田「…そういや、苗木には言っとかねーといけねーことがある。」

    苗木「どんなこと?」

    桑田「朝の時、ミュージシャンになりてえとか言ったけどよ…オレやっぱ野球やりてーんだわ」

    苗木「だから さっきあんなにボールを投げてたんだね。」

    桑田「聞いてたのかよ…なんかカッコ悪いな、オレ」

    苗木「カッコ悪くないよ!だったら、次はボクとボールの投げ合いしない?」

    桑田「はあ?苗木と…お前、オレのボール受け止められんのか!?」

    苗木「…わからないけど、桑田クンが投げてくれるならやる!」

    そして、身体中ボロボロになって食堂へと足を運んだボクはご飯を食べて、個室へ入ってベッドに横になった。

    あっという間に1日が終わってしまった。
    一体…いつになったらボクたちは、この学園から出られるのだろうか?そう思いながらいつの間にか眠りについた。



    ーモノクマ劇場

    モノクマ「3たび登場モノクマだよ!ボクは夢を見た後、いつも思うんだけど…実際の景色と夢の中の景色って微妙に違うんだね!まあ、だから何だって話だけどね!」以上、モノクマ劇場でした!
  50. 50 : : 2014/03/14(金) 09:18:43
    モノクマ『オマエラおはようございます!朝です!7時になりました!起床時間ですよー、さーて今日もはりきっていきましょう!』

    モノクマの不快な声で起こされ、ボクはゆっくり体を起こした。

    苗木「なんか今日も眠れなかったな…日に日に疲れが溜まってくような…」

    すると、突然来客を知らせるチャイムが鳴った。

    石丸「おはよう苗木君!ちょっといいかね?」

    そう言うと石丸クンはずかずかと入ってきた。

    苗木「どうしたの石丸クン?」

    石丸「僕はひと晩中考えていたのだ…どうすれば皆と協力してここから出られるか…やっぱり皆が1つにならなければなるまい!…そこで毎朝起床後に、皆で朝食を共にしようと思う。だから今から食堂へ集まってくれたまえ!僕はこれから皆に知らせて来る!」

    そう言うと石丸クンは出て行ってしまった。

    とにかく食堂へ行けばいいんだけど…戦刃さんや怪我人はともかく、十神クンは来るかなぁ…?

    …そして食堂へ向かった。しばらくしてほぼ全員が集まった。


  51. 51 : : 2014/03/15(土) 10:18:29

    石丸「よしっ!皆集まったみたいだな」

    桑田「おいイインチョ!戦刃と怪我してる奴、あと十神が来てねーよ」

    石丸「すまない桑田君…十神君は1人で食べたいそうだ」

    山田「なんとぼっち飯ですか…」

    腐川「あ、あたしの方を見て言わないでく、くれるかしら…」

    なんでこの2人隣の席なんだろう…

    セレス「まあ、とにかく…戦刃さんが来れないのは分かっていたので…石丸君、話を続けてくださいな」

    石丸「了解した!では朝食会を始めるぞ!諸君、集まってくれてありがとう!」

    桑田「断ったのにムリに連れてきたのオメーじゃん」

    石丸「さっきも話したと思うが…ここから脱出する為には、僕らが互いに協力するのが必要不可欠だ!その一歩として、信頼を築く為の朝食会を開催することと相成った!これからは朝の起床放送後、この食堂に集まるよう、よろしく頼むぞ!では、早速…朝食を頂こう!」

    腐川「他人と食事…?初めてね…き、緊張するわ…」

    桑田「久しぶりですらねーのな…」


  52. 52 : : 2014/03/16(日) 12:09:58

    葉隠「結局あれから手掛かり掴んだ奴いねえか?」

    ボクらは黙ってしまった。

    葉隠「なっはっは!冗談だべ気にすんなって!」

    桑田「今、この場で言う冗談じゃねーっての!」

    朝日奈「それで手掛かりは何もないの?」

    セレス「犯人ならきっとモノクマを操っている異常な方ですわ」

    石丸「それはもっともだ!」

    何だこれ?

    不二咲「…ねえ」

    舞園「何ですか、不二咲さん」

    不二咲「異常といえば、犯人って例の殺人鬼…じゃないよね?」

    苗木「例の殺人鬼って、心当たりでもあるの?」

    不二咲「心当たりというか…ひょっとしたら程度なんだけど…」

    石丸「問題は程度ではない!発言を許可するぞ!」

    不二咲「じゃあ言うね…皆は"ジェノサイダー翔"って知ってる?」

    苗木「それってテレビやニュースで話題の連続殺人犯!?」

    腐川「…確か、猟奇的で残忍な手口でさ、殺人を起こす殺人鬼ね。げ、現場には被害者のち、血で“チミドロフィーバー"の血文字を残すと、通り魔ねきっと…」

    腐川さんがそんなこと知ってるなんて意外だな…

    不二咲「それでネット上であげられたあだ名は"ジェノサイダー翔"なんだって」

    葉隠「噂では数千人もの犠牲者が出るって話だべ」

    セレス「それは話を飛躍し過ぎですわ…せいぜい数十人程度でしょう…それでも異常ですが」

    腐川「…」

    不二咲「とにかく常軌を逸した殺人鬼らしいんだ…」

    山田「そんなど変態な殺人鬼なら、こんなこと仕組んだとしても不思議じゃ有りませんな」

    不二咲「でも確証はないよ…ただの推論だから…」


  53. 53 : : 2014/03/17(月) 07:50:53


    桑田「つーか、そんなヤツが犯人なら、ものっそいクリミナルな問題じゃね?」

    朝日奈「大丈夫だよ!もうすぐ助けも来るんだし」

    腐川「は?助け…?」

    朝日奈「だって、私たちがここに閉じ込められてから4日目なんだよ!急に連絡の取れなくなった私達を心配して、そろそろ警察も動き出す頃じゃない?」

    ??「ダハハハハハハッ!!」

    すると、突然不快な笑い声が食堂内に響いた

    モノクマ「オマエラ警察なんか当てにしちゃってー」

    大神「出たな…!」

    モノクマ「オマエラ…警察の役割なんてね…ただの引き立て役だよ。悪の組織やダークヒーローのね。あいつらがやられることで悪役が引き立つのさ。そんなに出たけりゃユー殺しちゃいなよ!」

    葉隠「あっはっは、大した芝居だべ」

    朝日奈「葉隠まだ言ってんの?」

    セレス「あら、連続殺人鬼さんじゃありませんか」

    モノクマ「うぷぷ…そう思っとけば?…それで話は戻すけど、コロシアイ学園生活が開始して4日目、怪我人はいるのにまだ、誰かを殺すような奴は現れないね!オマエラ、ゆとり世代のくせにガッツあるなー。でもボク的にちょっと退屈です」

    苗木「人を殺すなんて…ボクらは…」

    モノクマ「ピコリーン、閃いたクマ!場所も人も環境もミステリー要素も揃っているのに、なんか殺人が起きないと思ったら…すっかり足りないものが一つあったね!」

    苗木「なんだよ…」

    モノクマ「…もちろん"動機"だよ!うぷぷ…簡単!だったらボクがみんなに"動機"をプレゼントすればいいんだもんね」

    朝日奈「プレゼント…ふざけてんの?」

    モノクマ「ま、そんなことよりさ、オマエラに見せたい物があるんだ!オマエラに見せたいのは、ちょっとした映像だよ…18禁とかアブノーマルじゃないから安心してね」

    苗木(安心できるかよ!)


  54. 54 : : 2014/03/18(火) 07:46:26



    舞園「ちょっとした映像って…?」

    モノクマ「学園の外の映像だよ!」

    苗木「学園の外の…なんの映像だよ…」

    モノクマ「そいつぁ、見てからのお楽しみですぜぇダンナ。なんでも学園内のある場所に行けば、ある映像が見られるんですぜ!」

    舞園「でしたら確認しましょう」

    セレス「お待ち下さい、その前に聞かせて下さる?あなたは連続殺人鬼ではないとして…何者ですの?どうしてこんな事をなさるのです?あなたは私たちに何をさせたいのですか?」

    モノクマ「ボクがオマエラに…させたい事?ああ、それはね…絶望…それだけだよ。ま、後のことは自分達で突き止めなよ…ボクは止めないし。さーて、楽しませてもーらおっと」ピョイン

    舞園「行っちゃいましたね…それに今回も何も聞けず終いで…」

    セレス「そうでしょうか?いいこと聞けましたわ。突き止めるのは自由、モノクマは止めないみたいですわよ」

    大神「されど…学園の外の映像とは…気に掛かるな…」


  55. 55 : : 2014/03/19(水) 08:54:49


    石丸「よし、ではここは…」

    石丸クンはぐるりと食堂内を見回したかと思うと…

    石丸「苗木君、少し調べてきてはくれないだろうか?」

    ボクに声を掛けて来た

    苗木「えっボクが?」

    石丸「君が1番扉の近くにいるからだ!」

    石丸クンに指名されたら仕方ない

    苗木「わかった、行ってくるよ」

    石丸「ああ、任せたぞ苗木君!」

    舞園「だったら私も行きます。一人では危険ですから」

    石丸「舞園君もか…では2人とも頼んだぞ!何かあったら助けを呼びたまえ!そしたら皆で駆け付けるぞ!」

    そしてボクは舞園さんと食堂を後にした。

    舞園「石丸君、はりきってましたね…」

    苗木「まあ、石丸クンらしいよね」

    はりきり過ぎだけど…

    舞園「それで、モノクマさんが言ってたある場所ってどこですかね?」

    苗木「恐らく、視聴覚室だと思う」

    舞園「では行きましょう苗木君!」


  56. 56 : : 2014/03/20(木) 10:13:38

    ー視聴覚室

    視聴覚室に入ると机の上に段ボールが置いてあった。

    段ボール箱の中にDVD?

    舞園「そうみたいですね、しかも…ラベルにみんなの名前が貼ってあります」

    苗木「モノクマの言ってた映像って多分これの事だよ…」

    舞園「私、皆さんを呼んで来ますね」

    そう言って舞園さんはみんなを呼びに食堂へ向かった。

    ボクは彼女を追わずに目の前のDVDをとって再生してみた。

    そこにはボクの家族が映っていた。
    見た感じは応援メッセージ…だけどモノクマがそれで終わらせるはずがない。

    今おかれている状況が普通の高校生活だったら照れくさく感じてたに違いない。

    次の瞬間、映ったのは家の中と、ボロボロのソファーに割れたガラス…そして、家族の姿が消えた映像だった。

    その後に出た"続きは卒業の後で"という文字を見て…

    苗木「どういうことだよ…どうして皆がっ!?」

    恐怖や怒りが全身からマグマのように沸き上がって…

    苗木「くっそおおぉぉぉッ!!」

    爆発した。


  57. 57 : : 2014/03/21(金) 16:19:52


    早くここから出て皆の無事を確認して、それからそれから…

    当然の反応といえば当然だった。ボクはこの怒りを抑えるのに精一杯だったのだ。

    舞園「苗木…君?どうしたんですか?皆の無事って…?」

    気付けばドアの前には、ボクに困惑の眼差しを向けているみんな(とはいっても霧切さんと大和田クンはいない)の姿があった。

    朝日奈「な、何かあったの…?」

    ボクは無言で教壇の上にある段ボールを指差した

    桑田「モノクマが言ってた映像って…これかよ」

    石丸「ここに…何が映っているのだ?」

    一斉にDVDを取った彼らは早足で各々の映像を見始めた。

    そんな彼らの顔色が変わるのに時間はかからなかった。

    山田「な、何ですとー!?」

    朝日奈「こ、これ…本物じゃないよね…?ねつ造…だよね?」

    桑田「ハハッんな訳…ねーって」

    腐川「いや…いやぁぁ!ここから出してぇぇッ!」

    その反応を見て分かった。きっとボクと似たような映像だったに違いない。

    もう誰も恐怖と混乱を隠そうとしなかった。


  58. 58 : : 2014/03/21(金) 21:56:06


    でも、彼だけは別だったらしい。

    十神「なるほどな…ふん、バカバカしい!これが奴の動機か」

    それは数日の間、姿を見せなかった十神クンだった。

    セレス「これが動機の意味ですか…殺し合いを起こさせるきっかけ…まさに黒幕らしいやり方ですわね」

    山田「黒幕らしい…?」

    セレス「見えない裏切りの恐怖を利用して均衡状態を崩そうとしているのです」

    腐川「今のあたしたちってことね…口では協力なんて言いつつ…心の中では…誰かが裏切る恐怖に怯えてる…」

    石丸「だ、だが…変な気だけは起こすんじゃないぞ!」

    桑田「…んな事言って、オメーこそみんなを油断させた隙を考えてんじゃ…」

    十神「まあ、ありえなくはないな」

    石丸「な、なんだとっ!?」

    大神「その争いこそが黒幕の狙いなのだとわからんのか?」

    不二咲「そ、そうだよ!冷静にならなきゃ!」

    戦刃「じゃあみんなでお互いに話し合ってみる?話した方が楽にはなれると思うよ」

    皆が皆同じような映像を見せられたのか…?
    確かに気にはなるけど…


  59. 59 : : 2014/03/23(日) 10:49:46


    苗木「ねえ、舞園さん…」

    舞園「……」

    苗木「舞園さんはどんな映像を見せられたの?」

    舞園「……」

    腐川「さっさと言いなさいよ…」

    舞園「…」

    苗木「舞園…さん?」

    舞園さんは何故か様子がおかしかった。
    何かに怯えているような…恐れているような…そんな感じだった。

    ボクは、その舞園さんの肩にそっと手を…

    舞園「…やめて!」

    ボクの手を振り解き、彼女は走り出した。

    朝日奈「舞園ちゃん!?」

    十神「ほっとけ」

    苗木「ほ、ほっとけないよ!ボク探してくる!」

    腐川「ら、ラブコメなんて…あ、あたしは知らないわよ」

    戦刃「今のは無責任じゃないかな?」

    朝日奈「あたしも心配だよ」

    不二咲「探した方がいいよねぇ」

    セレス「では、お好きなように…全員の足並みを揃えずともよいはずですわ。私も好きなようにしますので…ごきげんよう」

    皆バラバラだ…でも、今はそんなこと気にしてる場合じゃない…舞園さんを探しに行かないと…

    十神クンが何かを話しているのをよそに、ボクは視聴覚室を飛び出した。


  60. 60 : : 2014/03/24(月) 09:25:08


    まずは体育館ホールへ行ってみた。

    すると、戦刃さんがいた。

    戦刃「ねえ、苗木君は他の人の映像気になった?」

    苗木「まあ、そう聞かれたら…気になるけど」

    戦刃「そうだよね、気にならないはずないよね」

    苗木「戦刃さんは、自分の言う気ある?」

    戦刃「苗木君になら言ってもいいよ」

    皆には言わないんだな。

    舞園さん探しに外へ出ると朝日奈さんと出会した。

    朝日奈「舞園ちゃん…どこに行ったんだろう…?それに…さっきの映像、よく出来てたね…本物かと思ったよ…ねつ造、だよね…?偽物に決まってる…よね?」

    苗木「ボクもそう思いたいけど…」

    もし、本物だとしたら…ボクの家族は、家族は…これ以上考えるのはよそう…

    朝日奈さんとは別れて玄関ホールを覗くと…桑田クンがいた。

    桑田「言わねーぞ!」

    苗木「え…?」

    桑田「ぜってー言わねーからな!いい子ぶって口割らせようとしてんだろ!そうはいかねーぞ!その手に乗るかよ!っくしょう!あんなのどこで手に入れたんだよぉ!?」

    そう言って桑田クンは壁を思い切り叩いていた。

    ボクはそっとその場から去った。


  61. 61 : : 2014/03/25(火) 12:00:59


    その後、ボクは1-Aの教室に入った。

    そこに…舞園さんがいた。誰もいない教室の片隅に。
    椅子に腰掛け、膝の上で組んだ手にぼんやりとした視線を落としていた。
    泣いているようにも怒っているようにも見えたけど、表情なんてなかった。そこに表情と呼べるものなんてなにもなかったんだ。

    苗木「ま、舞園さん大丈夫…?」

    舞園「はい、大丈夫…な訳ないじゃないですか…私たちが何をしたっていうの…?どうしてこんな酷いことを…出して!今すぐここから出してよ!」

    苗木「舞園さん!落ち着いて!!」

    ボクは暴れる彼女の両肩を掴んだ。

    舞園「…ッ!?」

    苗木「気持ちはわかる…ボクだって自分の家族に何かあったらって思うと…心配で気になるよ…でも、こんな時こそ冷静にならなきゃ!ボクらの冷静な判断を奪うことこそが黒幕の狙いなんだ…大体あんな映像でっち上げだよ!だってあんなことになったら…あんなことになったら今頃警察だって大騒ぎしてるはずだよ!…そうでしょ?」

    舞園「…」

    苗木「だから…冷静になろ?冷静にならなきゃダメなんだ…」

    半ば自分に言い聞かせたような言葉だった。

    脳裏に焼き付いた映像を払うかのようにその言葉を連呼した。

    冷静になれ…冷静に…


  62. 62 : : 2014/03/26(水) 08:37:40


    苗木「きっと皆で協力すれば逃げ道くらい見つかるはずだよ。もしかしたらその前に助けが来るかもしれないし…」

    舞園「でも、もしも逃げ道なんてなかったら…?助けなんて来なかったら…?」

    苗木「そ、その時はボクがキミをここから出して見せるよ!どんなことをしてでも!」

    …とそこでボクの言葉は途切れてしまった。

    一瞬、自分の身に何が起こったのかわからなかったけど…

    苗木「舞園…さん?」

    舞園「お願い…助けて苗木君」

    彼女の声は小さく震えていた。

    舞園「どうしてこんなことに…殺すとか殺されるとか…そんなのもう…堪えられないっ!!」

    苗木「舞園さん…」

    舞園「…」

    そこでようやく舞園さんはボクの胸から顔を上げると…大きな濡れた目をボクに向けた。

    舞園「さっきの言葉、信じてもいいですか?」

    苗木「え…?」

    舞園「苗木君が私をここから出してくれるって言葉…どんなことをしても出すって…」

    苗木「も、もちろんだよ…!」

    舞園「信じられるのは苗木君だけなんです…だから、お願い…苗木君だけは、どんなことがあっても…私の味方でいて…」

    苗木「え…あ、当たり前じゃないか!何があってもボクたちは味方同士!だって舞園さんは…クラスメイトでボクの大事な仲間なんだから!」

    舞園「苗木君、ありがとう…。そう言ってくれると、私頑張れちゃいそうです…苗木君と一緒なら、そんな気持ちになるんです。だって私は苗木君の大事な仲間ですもんね!」

    そこにはいつもの見慣れた笑顔が戻っていた。


  63. 63 : : 2014/03/27(木) 08:10:03


    まだぎこちない笑顔だったけど、さっきよりだいぶマシだった。

    モノクマ「たってますね!」

    舞園「きゃあっ!」

    すると、突然モノクマが乱入してきた…

    モノクマ「苗木クン、あんな所やこんな所がたっちゃってますね!」

    苗木「たってるって何がだよ!」

    モノクマ「とぼけちゃってー、言わずと知れたフラグが!」

    苗木「あっち行けよ!邪魔だよ!」

    モノクマ「おこなの…?ひょっとして苗木クン激おこ…?やだぁ、ボクも混ぜてよー」

    苗木「だったら聞かせろ!さっきの映像って…」

    モノクマ「ハアハア…出ちゃう…ボクの真っ白な中綿と小綿が!!」

    なんだよそれ!ボクは全力でモノクマにパンチを繰り出したが…

    モノクマ「残念でした、ハーズレ!また明日ー!」

    モノクマに避けられて、しかも…

    苗木「逃げられた…」

    舞園「なんだったんですかね、今の…」

    苗木「ただの嫌がらせだよ…」

    舞園「とりあえず、帰りましょうか…」

    苗木「そうだね…」

    いい感じの雰囲気を邪魔されたボクは舞園さんと一緒に寄宿舎エリアへと戻った。


  64. 64 : : 2014/03/27(木) 17:14:44


    寄宿舎へと戻ったボクと舞園さんは…

    苗木「舞園さん…ちょっと休んでいた方がいいよ。まだ顔色もよくないし…」

    舞園さんの部屋の前まで歩いていた。

    舞園「ごめんなさい、気を使ってもらって…じゃあ、そうさせてもらいますね」

    小さなお辞儀をして彼女は部屋の中へと消えていった。

    残されたボクは、他のみんなに舞園さんの無事を伝えた。

    朝日奈「良かったー、舞園ちゃん見つかったんだね」

    苗木「うん、でも…まだ顔色がよくないみたい」

    不二咲「そっかぁ、早く良くなって明日一緒に朝食食べたいね」

    苗木「うん、そうだね…」

    まだ心配だな…

    戦刃「…これで安心できる」

    苗木「そうだね、今日のところは…」

    戦刃さんと話していると、石丸クンが声をかけてきた。

    石丸「な、苗木君…」

    苗木「どうしたの石丸クン…?」

    石丸「明日は十神クンも朝食会に参加するらしい…」

    戦刃「あ、私も明日は参加するね」

    石丸「ああ、了解したぞ…」

    苗木「…どうして十神クンが急に…?」

    石丸「…わからないが、始終笑みが絶えなかったぞ」

    十神クンの行動の意図がよくわからないけど…明日は全員揃うみたいだ。

    苗木「うん、わかった。伝えてくれてありがとう、石丸クン!」

    石丸「いや、これぐらいは風紀委員として当たり前のことだ!」


  65. 65 : : 2014/03/28(金) 11:58:36


    そしてボクは、しばらく残っているみんなと話した後…いったん自分の部屋へ戻ることにした。
    妙な映像を見せられたせいで混乱した思考を少しでも落ち着かせる必要があったからだ。

    苗木(まったく…何なんだよ…問題だらけだ…何が1番…問題なんだ?ここから出られないこと?さっき見せられた映像…?モノクマ…?黒幕の目的…?それともボクたち自身?ああ、ここから出たい…でも人は殺せない。皆はどうなんだ…?それが1番問題だ……出たい、出て確かめたい…出なくちゃ…………………………)

    ピンポーン

    苗木(…ん?)

    目を開けたボクはまず、時計を確認した。

    苗木「10時近く…いつの間にか寝てたのか…」

    もうすぐで夜時間…それなのに…

    苗木「…誰かが来た?」


  66. 66 : : 2014/03/29(土) 09:57:46


    ドアを開けると、そこには舞園さんが立っていた。

    舞園「ごめんなさい、こんな夜遅くに…」

    …舞園さん!?

    苗木「ま、舞園さん…こんな時間にどうしたの?」

    ボクはそこで舞園さんの肩が震えているのに気が付いた。

    苗木「何か…あったの?」

    舞園「ごめんなさい…ちょっと変な事があって…」

    苗木「へ、変なことって?」

    舞園「さっき…部屋で横になっていたら…急に…部屋のドアがガタガタ揺れて…」

    それは肺から絞り出したような声で…聞いてるこっちも緊張した。

    舞園「誰かが無理矢理…ドアを開けようとしたみたいで…鍵は掛けていたので開きはしなかったんですけど…その揺れは…次第に酷くなって…私は怖くなってじっとしてたんです…」

    苗木「そ、それでどうしたの!?」

    舞園「しばらくしたら収まりました。後で恐る恐るドアを開けてみたんですけど…誰もいませんでした」

    苗木「誰かが…ドアを開けようと…?でも…誰がそんなことを?」

    舞園「皆を疑いたくないんですけど…少し心配で…もし、夜時間の間にあんなことがあったらどうしようって…」

    苗木「だ、大丈夫だよ…夜時間は外出禁止だし…」

    舞園「でも、ただの口約束ですよ?もし約束を破る人がいたら…」

    苗木「じゃ、じゃあさ…今晩はボクの部屋で泊ればいいんじゃないかな?そうすれば怖くないよ?」

    舞園「え…!?」

    苗木「校則では『就寝は個室で』としか書かれてなかったよね?誰がどの個室で寝ろとまでは書いていなかった訳だし」

    舞園「でも、一つの部屋に2人きりというのは…」

    苗木「あ…!ご、ごめんッ!気付かなかったよ!!ホントだよ!気付かなかっただけで決して、やましい気持ちとかはないから!」

    舞園「いえ…私も…嫌とかそういう訳じゃないんですけど……もしよかったら一晩だけ部屋を交換しませんか?」

    苗木「部屋の…交換…?それで…舞園さんが安心するならボクは構わないけど…でも…舞園さんがボクの部屋に入るのはともかく…ボクが、舞園さんの部屋に入ったりして、大丈夫なの?色んな問題とか…」

    舞園「それは大丈夫です。私、苗木君のこと信用してますから…」

    苗木「そ、それならいいんだけど…」


  67. 67 : : 2014/03/29(土) 18:33:16


    キーン、コーン…カーン、コーン

    モノクマ『えー校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより"夜時間"になりまーす。ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』プツン

    舞園「大変…夜時間になっちゃいましたね」

    苗木「じゃあ、部屋を交換するってことで…ボクは舞園さんの部屋に行くから…」

    おっと、部屋を交換するならお互いの鍵も交換しておかないと…

    舞園「…そうですね。お互いの鍵も交換しておきましょう」

    苗木「また!?」

    舞園「だって私、エスパーですから…」

    苗木「…あれ?冗談です…ってのはないの?」

    舞園「冗談じゃ…なかったりして」

    舞園さんの顔には…笑顔らしいものが戻っていた。よかった…少しは落ち着いたみたいだ…

    苗木「じゃあ…部屋の交換をしよっか」

    舞園「はい、そうですね」

    お互いの鍵を交換し合い、ボクが再び舞園さんの顔に視線を戻すと…今度は心配そうな表情があった。

    舞園「…苗木君、気を付けて下さいね。誰か来ても絶対にドアを開けちゃだめですよ」

    苗木「うん、わかってる。舞園さんも…誰か来ても絶対にドアを開けちゃダメだよ」

    舞園「苗木君だとしても絶対開けません。でないと、部屋を交換した意味がないですもんね」

    そしてボクは念の為にシャワールームの建付けが悪いことと…ドアを開けるコツを舞園さんに教えた。

    舞園「でも、夜時間は、しゃわーの水は出ませんよ?」

    苗木「あ、そうだったね…」

    舞園「ですが朝起きたら使わせてもらうかもしれません…ありがとうございます」

    苗木「じゃあ、ボクはそろそろ行くよ。舞園さん…また明日…」

    舞園「あ、さっきの話ですけど…」

    苗木「ん…?」

    舞園「エスパーは冗談です。ホントはただの勘なんですよ」

    苗木「うん、わかってるよ…」

    舞園「…おやすみなさい。また、明日…」

    舞園さんの笑顔に見送られ、ボクは自分の部屋を後にした。
    廊下へ出たボクは、すぐに辺りを見回し、誰もいないことを確認して舞園さんの部屋へと入った。


  68. 68 : : 2014/03/30(日) 14:49:33


    舞園さんの部屋に入ると、ボクの部屋とあまり変わらなかった。

    ふと、シャワールームの方を見た…鍵が付いているみたいだけど…流石に入るのは…

    何気なくゴミ箱を覗くと…中には視聴覚室で配られたDVDが入っていた。気になるけど…彼女が話してくれるまで待つべきだな。

    そして、机の引き出しには裁縫セットが入っていた。その隣には人体急所マップもある…これが裁縫セットと人体急所マップか…使う人なんかいるのか?

    あんまり部屋を見るのも悪いし、そろそろ寝よう…ゆっくりベッドに体を預けて…ボクは寝た…幸せの気分で…



    ふと、ボクの意識が覚醒した。突然トイレに行きたくなったからだ…

    ボクは仕方なく、トイレに行こうとシャワールームのドアを開けて………そこで視界がグニャグニャにな………っ……た…………?

    ーモノクマ劇場

    モノクマ「やあやあ、また会ったね!ボクは夢について考えるんだけど…よくアニメなんかでは、痛みを感じれば現実だ…なんて言うけどさ、ボクは夢の中で痛覚があったのを憶えてるよ。平衡感覚や物を触った感触もあったのに。これはどういうことなんだろうね?」以上、モノクマ劇場でした!
  69. 69 : : 2014/03/31(月) 18:29:37
    キーン、コーン…カーン、コーン

    モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ〜!さぁて、今日も張り切っていきましょう〜!』プツン

    まだ眠い目を擦りながら、ボクはゆっくりとベッドから体を起こした…舞園さんの部屋で。

    ぐっすり眠れたな…昨日までの疲れもとれたし、頭も妙にスッキリした気分だ。

    苗木「そういえば、朝はみんなで一緒に食べる約束だったな」

    行かないと…

    ボクは舞園さんの部屋を出て、食堂へと向かった。

    ー食堂

    食堂へやってくると、そこにはすでに数人が集まっていた。

    石丸「やあ、おはよう苗木君!聞いてくれ、今朝は僕が1番乗りだったんだぞ!」

    不二咲「ふわぁ…えへへ…おはようございますぅ」

    朝日奈「おっはー!!苗木」

    大神「早いな…」

    苗木「みんな、おはよう」

    最初から揃っている彼らは、"規則正しい高校生"に分類される面々。


  70. 70 : : 2014/04/01(火) 18:23:34


    で、少し遅れてくるのが…

    戦刃「ごめん、2人の様子を診てたら遅れた」

    山田「いやはや、遅れて申し訳ありません。朝のお勤めが思いの外捗ってしまって…」

    多少ルーズな時間感覚…とは言っても戦刃さんは仕方ないか…大半の高校生が、この部類に入るだろう。
    …で、散々人を待たせた挙句、ようやくやってくるのが…

    セレス「みなさん、おはようございます」

    腐川「な、何よ…遅れて悪い?」

    葉隠「寝坊じゃねーぞ!道に迷っただけだべ!実際、バミューダトライアングルの仕業だからな」

    時間はおろか、他人の事さえ気にしない。マイペースな連中だ。
    こうしてボクらは全員そろう…
    いつもならそのはずだが…


    石丸「おや?まだ揃ってないな…?」

    朝日奈「舞園ちゃんと桑田、あと十神が来てないね…」

    十神クンは昨日まで部屋にこもってたから知らないけど…
    桑田クンと舞園さんが来ないのは変だぞ?
    いつも来る2人が来ないなんて…

    モノクマ「みんなどったの?」

    石丸「モノクマ!?いや、この際どうでもいい。舞園君と桑田君を見なかったかね?」

    モノクマ「うぷぷ…ボクがそう簡単に教える訳ないでしょ!心配ならオマエラが確認すればいいじゃーん!」

    あいつはそう言った…

    山田「どうしますかな?お二人…いや、十神白夜殿もいれて捜索します?」

    セレス「いつもならとっくに集まっている舞園さんと桑田君が遅刻…おかしいですわね」

    石丸「朝食の約束を忘れているのか?」

    朝日奈「毎朝来てる舞園ちゃんと桑田が?」

    みんなの会話を聞くにつれ、ボクの中で芽生えた小さな胸騒ぎは…次第に大きく膨らんでいった。


  71. 71 : : 2014/04/02(水) 23:34:36



    苗木「ボ、ボク…ちょっと…様子を見て来る…」

    言い終わってすぐ、皆の返事も待たずにボクは廊下へ飛び出していた。

    ボクが向かった先は…ボクが舞園さんと一晩だけ交換した、自分の部屋…彼女が泊まったはずのボクの部屋…だけどその部屋は…一晩のうちにすっかり変わってしまっていた。

    苗木「なんだよ、これ…!?」

    テーブルはひっくり返り、ベッドは荒らされ、ゴミ箱は倒れ、壁や床は傷跡が付いていて…模擬刀は床に抜いた状態であった。

    …そんな事より舞園さんは!?

    ボクはまだ、調べていないシャワールームへと移動した。

    そして、中を覗き込み…ノゾ……キ……………………………………

    苗木「うわあああぁぁぁっ!」

    自分が叫び声を上げていると気付くのに、しばらく時間が必要だった。

    シャワールーム内の光景はボクのまぶたにしっかり焼き付き…そして……目の前が暗くなって何も見えなくなった。



  72. 72 : : 2014/04/03(木) 18:46:12



    非日常編  イキノリキル


    目を覚ますと、見覚えのある天井だった。そこは毎回利用しているところ…
    体を起こすと今度は顔が見えた。
    なんとなく見覚えのある顔…

    ー食堂

    苗木「…」

    朝日奈「あ、やっと目覚めたよ!苗木、大丈夫?」

    石丸「寝惚けているヒマはないぞ…さっさと起きたまえ!」

    苗木「あ…れ…?」

    葉隠「苗木っち、気ぃ失ってたんだべ。そいつを俺らが運んだんだ」

    大神「あんなことがあったんだ。無理もないがな」

    苗木「あんな…事?」

    すると突然、シャワールームで見た光景がフラッシュバックした。

    壁に寄っかかってお腹から血を流していた舞園さん…

    そのすぐ傍にはトイレの壁に座り込んで顔が俯いている桑田クン…


  73. 73 : : 2014/04/04(金) 19:10:11



    苗木「うう…うううッ…!!」

    朝日奈「苗木…ちょっと大丈夫?」

    苗木「夢じゃ…ない?あ…あれは…夢じゃな…い…?」

    戦刃「あれは現実だよ。舞園さんと桑田君は死んだ」

    戦刃さんは無表情でそう言った。

    苗木「…ッ!?」

    ドロドロと濃い絶望が体内で膨れ上がって、一気に爆発した。
    ボクは飛び起き、そして走り出していた。

    セレス「どちらへ行く気ですか?」

    苗木「決まっているだろ!舞園さんを!桑田クンを!2人を!」

    セレス「…皆さんで散々確かめましたわ。舞園さんと桑田君は間違いなく死んでました」

    苗木「イヤだっ!ボクは行くっ!!」

    石丸「待ちたまえ!苗木君が行ってどうなるというのだね!」

    苗木「じゃあ聞くけど、ここに残ってて意味があるのか!?というか…こんな時にどうして食堂なんかに集まっているんだよッ!仲間が…舞園さんが…桑田クンが…死んだんだぞッ!!」

    死んだ…その言葉を発した瞬間、ボクはようやく実感した…舞園さんは…桑田クンは…死んでしまった。


  74. 74 : : 2014/04/05(土) 19:18:40



    不二咲「僕たちだって、こんな場所にいるのはイヤだよぉ」

    苗木「だったら…どうして…」

    腐川「き、決まってるでしょ…モノクマよ…あ、あいつが集まれって…」

    石丸「…いや、もちろん僕らだって反論したんだ。舞園君と桑田君が大変なことになったのに…何を言っているんだって…!だ、だが…」

    セレス「私が皆さんに提案しましたわ。今はモノクマに従いましょうと…私達は囚われの身ですのよ?無闇に逆らうのは得策ではありません。これ以上犠牲を増やさない為でもあります」

    苗木「何で……あいつの言うことなんか…聞かなきゃなんないんだよ…舞園さんと桑田クンを殺したのも…あいつに決まってるのに…!」

    モノクマ「残念ハズレ!ボクはそんな事しないよっ!」

    タイミングを計ったかのようにモノクマが現れた。


  75. 75 : : 2014/04/06(日) 13:48:30


    モノクマ「ここで桑田クンが生きてたら…『で、出やがったな…』とか言ってくれたんだろうな…」

    苗木「それで、モノクマは一体何の用だよ!」

    モノクマ「あ、そうそう…オマエラが校則違反をしない限り、ボクは自ら手を下したりしません。それは、この学園生活の絶対的な規則なのです!ボクってばクマ1倍ルールにうるさいからさ」

    それを自分で言うのか…

    不二咲「だったら…誰が舞園さんと桑田君を…?」

    モノクマ「オマエラはわかってるクセにっ!2人を殺したのは、ボク以外の誰かにきまってんじゃーん!」

    その言葉に…ボクらは完全に沈黙した。
    舞園さんと桑田クンを殺したのは…ボクらの誰か…?そんなバカな…事が…


  76. 76 : : 2014/04/07(月) 22:19:46



    モノクマ「あり?どったの…?ニワトリが火あぶりされたような顔して?イヤだなぁ、最初に言ったでしょ?オマエラの誰かが、ここから"卒業"する為に、舞園さんと桑田クンを殺しただけだよ!それがルール!悪い事じゃないよ!」

    山田「ウソ…ですよね?」

    苗木「ウソに決まってるっ!あいつが殺したに決まってるじゃないかっ!!」

    モノクマ「いいや…殺したのはオマエラの誰かだよ。それは当の本人がよーく知ってるはずなんだけどね?」

    苗木「え…ッ!?」

    ボクは…思わずみんなの顔を見回していた。
    それは他のみんなも同じだったようで、恐怖と混乱と疑惑の入り混じった視線が、その場で何度も何度も交差した。

    モノクマ「うぷぷ…」

    不二咲「ほんとなのぉ…?」

    石丸「誰が…誰が殺したんだ…っ!」

    大神「全く…信じられん…」

    葉隠「待つんだべ!モノクマの言うことを鵜呑みしちゃいけねー、それはドッキリだべ!」


  77. 77 : : 2014/04/08(火) 22:31:15



    セレス「…静かにして下さる?その前に確認しておくことがあるのですが…私たちの中に殺人者がいるとなると、その方は、ここから卒業できる…そうですわよね?」

    モノクマ「…はにゃにゃ?」

    セレス「すっとぼけてんじゃねーぞ!殺人を犯したヤツが卒業できるってテメーが言ったんだろーが!このクソクマ!!」

    ブチギレたセレスさんにボクらは黙る他なかった。

    モノクマ「う、うぷぷ…うぷぷぷ…ぶひゃひゃひゃひゃ!」

    戦刃「…笑うところじゃないと思う」

    モノクマ「だ、だってさ…セレスさんがブチギレるなんて…うぷぷ」

    セレス「」ギロッ

    モノクマ「はいはい、人を殺しただけで簡単に出られるって?甘い…甘過ぎるッ!そんなの激甘だよ!病気レベルだよ!むしろ…お楽しみの本番はこれからじゃん!」

    苗木「本番…?」

  78. 78 : : 2014/04/09(水) 23:18:44

    モノクマ「では、ここで…!!"『卒業』"に関する補足ルールを説明するよ!"『誰かを殺した者だけが卒業できる』"という点は、以前説明したけど…その時に守らなきゃいけない約束があったの覚えてる?」

    不二咲「た、確か校則の6条目の項目だよね…自分が殺人を犯したクロだと、他の生徒に知られてはいけない…だったよぉ」

    モノクマ「その通り!殺すだけじゃなくて、他の生徒に知られないように殺さなくちゃいけないの!で、その条件がクリアしてるかどうかを査定する為に…一定時間後に"『学級裁判』"を開く事とします!」

    学級…裁判…?

    モノクマ「学級裁判は殺人が起きた数時間後に開催されるよ!学級裁判の場では殺人を犯したクロと…その他の生徒であるシロとの対決が行われるのです!!」

    モノクマ「学級裁判では『身内に潜んだクロは誰か』を議論するよ。結果は裁判の最後に行われる投票によって決定するよ。そこでオマエラが導き出した答えが正解だったら…秩序を乱したクロだけがおしおきとなりますので残った他のメンツは共同生活を続けてね。でも…間違った人物をクロにしたら…クロ以外のシロ全員がおしおきされまーす!その場合は共同生活の終了だよ。これが学級裁判のルールってヤツなのさ」

    山田「あの…さっきから連呼しているおしおきとは…?」

    モノクマ「簡単に言うと…処刑だね」

    山田「処刑ですか、処刑ね処刑…処刑!?」


  79. 79 : : 2014/04/10(木) 12:29:43



    不二咲「処刑って…なんなのぉ?」

    モノクマ「処刑はショ・ケ・イ!!針山にバンジージャンプ!爆薬抱えて火の海へ!その他、酸性の液体一気飲み!ってヤツだよ!」

    石丸「つ、つまり…犯人を当てれば犯人だけが殺され、犯人を当てれなければ僕らに待つのは死!?」

    モノクマ「さっすが風紀委員だね…それにシロアピールもしちゃって…つまり、外の世界でいう裁判員制度だね。犯人を決めるのはオマエラ!でも慎重にだよ?だってオマエラ全員分の命がかかってんだからさ!んじゃ、今のも校則に追加しとくねー。ちゃんと確認するんだよ!」

    戦刃「ねえ、モノクマ…」

    モノクマ「はいはい何かな?戦刃さん」

    戦刃「学級裁判に参加しないのは、ありなのかな?」

    戦刃さんがありえないことを質問した


  80. 80 : : 2014/04/12(土) 00:05:48


    モノクマ「なんと!そんなこと言う生徒には罰として暗くてコワーイ牢屋に閉じ込めちゃうよ…」

    そしたらどうなるか…想像するまでもない。

    戦刃「ふーん、それが聞ければ充分…」

    モノクマ「なになあに?ひょっとしてボクを殺ろうっての?」シュッシュッ

    戦刃「違うよ、校則違反になるし…聞いてみただけだから、話を続けて」

    モノクマ「しょぼーん、テンション下がるなぁ…まぁいっか!ええと、校則は必ず守って下さい!死んで痛い目みても知らないよ!まあ、痛いのが先なんだけどね!」

    学級裁判は強制参加ってことでいいんだよな?


  81. 81 : : 2014/04/12(土) 16:30:18


    モノクマ「さてさて、クロ捜しの捜査にあたって、オマエラにこれを配っておかないとね!これはボクがまとめた死体に関するファイル、その名も…ザ・モノクマファイルなのだ!ま、結局のところオマエラ素人だし、人数少なめでハードモードだし、死体を調べるにも限度があるから…代わりにボクが死亡状況や死因っぽいものをまとめといたよ!んん?そーいうお前はどうやって調べたかって?このプリティなお目々で監視カメラを見てたからバッチリさ!」

    セレス「では、あなたは誰が舞園さんと桑田君を殺したか知ってるんですね?」

    モノクマ「うぷぷ…あったり前じゃーん!じゃなきゃ学級裁判を公正にジャッジできないでしょ?」

    セレス「そうですか…公正にジャッジされるなら安心しましたわ」

    モノクマ「じゃあ…っとその前に!十神クンを早く見つけてあげてね!では捜査を頑張ってちょうだいな!ではでは後ほど学級裁判でお会いしましょう!」

    こうしてモノクマは去っていった。


  82. 82 : : 2014/04/13(日) 20:45:54


    残されたボクらは…混乱、困惑気味だった。

    セレス「皆さん、戸惑っている場合ではありません。時間も限られているみたいなので…一刻も早く裁判の為に情報を集めるのが先ですわ」

    不二咲「そうだねえ…」

    石丸「よし、では誰が犯人なのか突き止めに行こうではないか!」

    大神「その通りだな。捜査を始めよう」

    戦刃「どのみち、逃げ場なんてないからね」

    朝日奈「やるしかないんだね…」

    葉隠「殺されるのはマジで勘弁だべ!」

    やりたくないけど…やるしかない!それが生き残る唯一の術なら、やるしかないんだ!
    それにボクは…どうして舞園さんが殺されなきゃならなかったのか…知らなければいけない。知るのは怖いけど…知らなければいけない気がする。

    でないとボクは"舞園さんの死"に納得いかない…だから…やるしかない!


  83. 83 : : 2014/04/14(月) 22:31:12


    山田「…」

    苗木「…山田クン?」

    山田「あー、食後に見た気分は最悪ですな…」

    腐川「そ、そうよ…あんた見るより気分悪いわ…」

    2人共、顔色がよくないみたいだ。

    不二咲「人が…2人も…」

    不二咲クンは思い出して泣きそうな顔になっている…

    大神「逃げれぬなら…やるしかあるまい」

    葉隠「んん?さっき見たのって…ドッキリじゃないんか!?」

    朝日奈「葉隠まだ、言ってんの?さっき間違いなく見たでしょ?」

    葉隠「服が伸びる!」

    石丸「犯人を当てれば犯人が…外せば僕らが殺される…こんな校則…ふざけている!」

    こんな校則…あっちゃいけないんだ!


  84. 84 : : 2014/04/15(火) 22:58:50


    セレス「あら…?うふふ…気付いてしまいましたわ…」

    朝日奈「気付いたって何?セレスちゃん」

    セレス「先程配られたモノクマファイルに目を通したのですが…とても簡単で妙なことに気付いたのです」

    不二咲「え…?なんの事ぉ?」

    セレス「ご覧になって…舞園さんと桑田くんの死亡現場は…『苗木誠の個室』となってますわよ」

    朝日奈「あ…ホントだ!」

    山田「じゃあ!もしかしてっ!!」

    みんなの視線が、一斉にボクへと向けられた。

    苗木「ちょ、ちょっと待ってよ!ボクは一晩だけ…舞園さんと部屋を交換しただけなんだ…彼女が怯えてたから…」

    腐川「ウソ臭いわね…し、真実だけ言いなさいよ…!」

    みんなの目付きは…さっきとは明らかに変わっていた。
    疑惑と恐怖の眼差し…つまり、ボクが疑われてる…!?


  85. 85 : : 2014/04/16(水) 19:40:36



    セレス「大丈夫です。まだ決まった訳ではありませんし」

    そう言われてもな…

    戦刃「それで、舞園さんと桑田君殺しの捜査を始める前に…現場の保全はどうする?」

    苗木「現場の保全?」

    石丸「確か…現場が荒らされない為の"見張り役"だな!犯人の証拠隠滅もあり得るからな!」

    大神「だったら我がやろう。あまり捜査とかに詳しくないからな」

    朝日奈「じゃあ、現場はさくらちゃんに任せて…」

    セレス「お待ちになって下さい。1人で見張りだと不安じゃありませんこと?」

    朝日奈「どうして!?」

    セレス「大神さんが犯人だったらという仮定での判断ですが?見張り役でしたら、いくらでも証拠隠滅できますし」

    朝日奈「ヒドいよ!セレスちゃん!」


  86. 86 : : 2014/04/17(木) 23:05:14


    葉隠「んじゃ、ここは…年長者のオレに任せろ!」

    山田「葉隠康比呂殿と大神さくら殿の2Pプレイ…葉隠康比呂殿が些か不安な気もしますが…まあいいでしょう!」

    葉隠「何なんだべ!」

    大神「捜査できない我らの為に…貴様らはしっかり頼むぞ」

    朝日奈「こ、怖いけど…やってみるよ…」

    戦刃「話し合いはいいよね?そろそろ捜査を始めよう。ここからは別行動だよ。正しい答えに辿り着く為に頑張って手掛かりを集めよう。間違った答えを出してしまったら…言わなくても分かるよね?」

    山田「い、言わなくてもいいです」

    戦刃「…いいの?それじゃあ頑張ろう」

    戦刃さんはそう言うと、食堂を後にした。


  87. 87 : : 2014/04/19(土) 21:38:48
    矛盾訂正の為、暫く投稿休止します。
    投稿再開は来週辺りを予定してます。





    セレス「私も行きますか…うふふ」

    戦刃さんに続くように、セレスさんもボクらの前から去っていく。

    葉隠「あーオレとオーガは見張り役だべ…急がねえと」

    大神「ああ、そうだな…」

    そして葉隠クンと大神さんも足早に走り去っていった。

    朝日奈「でもさあ…刑事でも探偵でもないのに殺人の捜査なんて…何すればいいんだろ?」

    腐川「べ、別に…何もしなくていいじゃない…舞園さやかと桑田怜恩を殺した犯人なんて…わかりきってるし…」

    苗木「それってまさか…」

    腐川「あんたのことよ…」

    苗木「だから…ボクは違うって…!」

    腐川「寄らないでよ!しっしっ!」

    朝日奈「とにかくやろうよ…苗木が犯人って決まった訳ではないんだし…」

    山田「そうですな…調べるだけ調べましょう」

    腐川「あ、あたしは…捜査しようにもできないけど…」

    石丸「どうしてだね?」

    腐川「血が…苦手なのよ。見ると…倒れるの」

    石丸「む、そうなのか…失礼した!」

    山田「では、そろそろ行きますか」

    その声を合図に、全員がぞろぞろと出ていく

    苗木「ちょっと待って、行っちゃう前にボクの話しを…!」

    ほとんどの人がボクに疑いの視線を向けたまま…

    …皆ボクが犯人だと思っているのか?

    どうして…そうなるんだよ…そんな訳ない…

    苗木「どうしてボクが舞園さんと桑田クンを殺さなきゃならないんだよ!」

    なんとか…しないと…!
    このままじゃ、皆…処刑に…

    そんな事になってたまるか!
    モノクマの思い通りにさせない!

    だったらボクが犯人を見つけてみせる!
    舞園さんと桑田クンを殺した犯人を…!!
  88. 88 : : 2014/04/26(土) 15:19:27
         捜査開始


    まずは、さっき配られたモノクマファイルに目を通そう…

    被害者は舞園さやかと桑田怜恩…死亡時刻は、2人とも午前1時半頃。
    死体発見現場となったのは、寄宿舎エリアにある苗木誠の個室。
    被害者は、シャワールームとトイレで死亡していた。

    舞園さやかの致命傷は刃物で刺された腹部の傷。その他、右手首に打撃痕あり。
    打撃痕にある右手首は、骨折している模様。

    桑田怜恩の致命傷は、後頭部の打撃による多量出血。
    その他、首に手の跡があり、窒息死の恐れもあり。

    これを元に…捜査を進めていくしかないのか…
    ん?次のページの空欄は一体何だ…?
    まあいいや…

    苗木「なんとかして…突き止めないと…ボクやみんなが生き残る為に…そして、舞園さんや桑田クンの為にも…絶対に2人が殺された理由を突き止めるんだ!」

    コトダマ『モノクマファイル1-1』
    コトダマ『モノクマファイル1-2』

    を手に入れた


  89. 89 : : 2014/04/27(日) 13:30:28


    よし、食堂を出よう。

    食堂を出ると思わぬ人物がそこに待っていた。

    不二咲「あの、さ…僕は苗木君を信じてみようと思うんだぁ」

    苗木「不二咲クン…」

    不二咲「だからさ、とにかく苗木君の部屋に行って調べようよ」

    苗木「うん、そうじゃなきゃ何も始まらないもんね」

    こうしてボクと不二咲クンはボクの個室へと向かった。舞園さんと桑田クンの死体があるはずのボクの部屋へと…

    苗木(まずは、この部屋の状況を調べてみよう…そうすれば何か分かるかもしれないし…)

    不二咲「あ、見て苗木君!苗木君の名前が付いた鍵が落ちてるよぉ!」

    苗木「ほんとだ…」

    確かこれって…

    舞園『…そうですね。お互いの鍵も交換しておきましょう』

    部屋を交換した時に鍵も交換したんだ…

    不二咲「どうしてこんな所に苗木君の鍵があるんだろう…?」

    苗木「…それは後でまとめて話すよ。不二咲さん」

    不二咲「う、うん…」


  90. 90 : : 2014/04/28(月) 22:08:07


    苗木「そういえば…犯人はどうやってこの部屋に入ったんだろう?」

    不二咲「うーん、ピッキング…とか?」

    鍵の掛け忘れ?それも違うな…

    苗木「確か、皆の個室にはピッキング防止加工されているらしいよ」

    不二咲「そっかあ…じゃあ無理だよねぇ…」

    苗木『舞園さんも…誰か来ても絶対にドアを開けちゃダメだよ』

    舞園『苗木君だとしても絶対開けません。でないと、部屋を交換した意味がないですもんね』

    そう言ってた彼女が、鍵の掛け忘れや、自分からドアを開けたとは考えられない。

    苗木「じゃあ、落とした鍵が盗まれたとか…?」

    不二咲「舞園さんは鍵を落としたりしないと思うよぉ」

    そうだよな…

    だとすると、部屋を交換した後、舞園さんはそのまま部屋に残っていたんだ。
    怯えてた彼女が出歩くはずがない…つまり鍵が盗まれた機会もなかったはずだ…
    だったら犯人はどうやって…?

    コトダマ『部屋の交換について』を手に入れた。


  91. 91 : : 2014/04/29(火) 13:21:59


    引き出しの中には工具セットが入っている…もちろん、未開封のままだ。

    不二咲「苗木君も開けてないんだねぇ…」

    苗木「まあ、使う機会なんてこれからもないだろうし…というより、これを使うシチュエーションなんてあるのかな?」

    葉隠「苗木っちもそう思うんか?」

    苗木「葉隠クンも使ってないの?」

    葉隠「占いに必要ねーしな!それに他の皆も使ってないらしいぞ!昨日くらいにその話になって…男子は全員使ってないって言ってたべ!当たりめーだな」

    コトダマ『工具セット』を手に入れた。

    不二咲「それって本当なのぉ?」

    葉隠「そうだっての!」

    不二咲「…じゃあ、シャワールーム近くに置いてある工具セットは何なのぉ…?」

    葉隠「ななな、何だこりゃあぁー!?」

    そこには開封済みの工具セットが置いてあった。
    男子の誰かが使ったに違いない…恐らく大和田クン以外の誰かだ。
    後で皆の部屋を調べてみる必要があるな…。

    コトダマ『開封済みの工具セット』を手に入れた。


  92. 92 : : 2014/04/30(水) 20:44:50



    あれ?この粘着テープクリーナー…いつの間にかテープの残量がかなり減っている。
    ボクの部屋が汚れているのを見て、舞園さんが掃除したのかな?

    不二咲「それにしても…ベッドや床、それに壁が傷だらけだねぇ…」

    苗木「ひょっとして…争った形跡ってヤツかも…」

    不二咲「あ、争い…」

    この部屋では、確実に"争い事"があったはずだ。

    苗木「クソ…隣の部屋にいたボクが気付いていれば…!」

    不二咲「…」

    大神「それは無理な話だ」

    苗・不「「…えっ?」」

    大神「前に聞かなかったか?この個室は完全防音になっている。つまり…隣の部屋で何があろうとも、それに気付く事は不可能。あるいは、これもモノクマの策略かもしれん。殺人が起きるのにうってつけの環境自体が…」

    苗木「…」

    コトダマ『争った形跡』を手に入れた。


  93. 93 : : 2014/05/02(金) 21:51:30
    なんか…色々と戸惑ってます;

    これから慣れていけばいいよね?

    ーーー



    これって…ボクが護身用に持ち帰ってきた金箔の模擬刀だ。
    これが事件に使われたってことか?

    不二咲「あれぇ?これ体育館ホールで見たことあるよぉ!昨日はなかったみたいだけど…」

    苗木「それは…ボクがそこから持ち帰ったからね」

    不二咲「そうだったんだぁ」

    あれは…

    不二咲「刀から抜かれて鞘だけになってるねぇ…」

    これも事件に使われたってことだよな?

    苗木「あれ…?」

    鞘に傷があるな…刃物か何かで斬りつけられたような傷だ…

    苗木「どうして…鞘なんかに斬りつけられた傷が?」

    不二咲「変だねぇ…本来なら刀は抜いて使う物なんだけど…」

    模擬刀で襲い掛かるくらいなら抜くはず…鞘は重いしジャマだし、
    争いの中で抜ける心配もある…なのに、どうしてこの鞘に刃物の傷が?

    コトダマ『金箔の模擬刀(鞘)』を手に入れた。

    苗木「これって…」

    ボクが護身用に持ち帰った金箔の模擬刀だ。これも事件に使われたみたいだ。

    不二咲「抜き身の状態だね…」

    刀身を見るのは初めてだ…やっぱり金箔でコーティングされてたんだな…

    不二咲「刃の所と持ち手の柄の部分が剥げてるねぇ」

    苗木「うん、特に"柄の部分"は塗装の剥がれが激しいみたい。確か触れただけで金箔が付いちゃうんだ」

    不二咲「付かないように気を付けるねぇ…」

    コトダマ『金箔の模擬刀(抜き身)』を手に入れた


  94. 94 : : 2014/05/06(火) 01:24:17


    葉隠「見張りをしてたら閃いちまったぞ!」

    苗木「…何が?」

    葉隠「きっと犯人は証拠隠滅の為にどこかのゴミ箱に物を捨てたんだべ!オレの占いは3割当たる!」

    不二咲「それってトラッシュルームなのかなあ?」

    葉隠「んー、オレの占いによると…トラッシュルームではないと出たぞ!マッシュルームの先制ほうしだべ!」

    トラッシュルームではない、か…でも3割だしなあ…まあいいや

    苗木「大神さんも…ボクが犯人だと思っているの?」

    大神「我には判断がつかない。我は従うだけだ。貴様らが出した結論にな…」

    苗木「そっか…」

    不二咲「僕は苗木君のこと信じてるから!」

    苗木「ありがとう、不二咲さん」


  95. 95 : : 2014/05/06(火) 19:52:15


    メモ帳は関係ないよな…

    苗木「あのさ、戦刃さん…」

    ボクは、現場で捜査している?彼女にそっと声を掛けてみた…

    戦刃「な、なに…?苗木君」

    苗木「驚かしてごめん…何やってるの?」

    戦刃「私なりに捜査してるんだ…」

    不二咲「何か分かったの…?」

    戦刃「うーん、私は刑事でも探偵でもないから詳しく知らないけど…苗木君の部屋って綺麗だね」

    苗木「綺麗…なのかな?」

    殺風景なだけだと思うんだけどな

    戦刃「…そうかな?苗木君って普段掃除する?」

    苗木「週一かな…」

    不二咲「僕も大体それくらいだねぇ」

    皆も週に1回はすると思うけど…これって普通だよね?

    戦刃「ここを掃除したのはいつ?」

    苗木「…まだしてないかも」

    戦刃「…全くゴミが落ちてないよね」

    不二咲「ほんとだぁ…」

    苗木「じゃあ、ひょっとしたら犯人がテープクリーナーを使ったのか?」

    戦刃「…そうかもね」


  96. 96 : : 2014/05/07(水) 22:19:55



    戦刃「それにしてもこの部屋ちょっとおかしいね」

    苗木「おかしいって…どこが?」

    戦刃「苗木君の工具セットは使われてないのに、ここに開封済みの工具セットがある…ドライバーが使われたみたいだけど」

    苗木「ドライバーが!?」

    戦刃「うん、手掛りになりそうだね」

    コトダマ『苗木の部屋の掃除状況』を手に入れた

    コトダマ『開封済みの工具セット』の情報を追加した

    不二咲「ねえ、苗木君…」

    苗木「どうしたの?不二咲さん」

    不二咲「僕も苗木君と一緒にシャワールームを見てもいいかな?」

    苗木「うん、いいけど…あまり無理はしないでね?」

    不二咲「分かったよぉ…苗木君もね」

    シャワールーム…この…向こうに…

    ………

    ダメだ…弱気になっちゃダメだ!不二咲クンもいるし…立ち止まってるヒマなんてないんだ…!

    必死で自分に言い聞かせて、ボクは不二咲クンとシャワールームへと足を踏み入れた。


  97. 97 : : 2014/05/08(木) 20:40:44


    そこには、夢でも錯覚でもなく…変わり果てた彼女と…桑田クンが存在していた。

    苗木「舞園さん…桑田クン…」

    涙や吐き気、いろんなものがボクを襲った だけど…怯んでいられない…

    どうして舞園さんや桑田クンが殺されなければならなかったのか…ボクはその真相を…解き明かさないと!

    倒れそうなボクの背中を支えてくれたのは、そんな決意と…不二咲クンの存在だった。

    正直、見てられないくらい辛い…

    苗木「けど、そんな事…言ってる場合じゃない!」

    不二咲「苗木君…」

    ボクは手元のモノクマファイルを元に、舞園さんの死体状況の確認を始めた。

    苗木「お腹に刃物が刺さってる…これが致命傷か…」

    不二咲「この刃物ってどこから持ってきたんだろう…?」


  98. 98 : : 2014/05/10(土) 00:46:28


    ボクは刃物をよく調べてみた…

    持ち手には『戦刃』という文字が彫ってある。

    これって…!?

    不二咲「どうしたの?苗木く…!こ、これって…戦刃さんのなのぉ…;」

    苗木「うん、間違いなく戦刃さんのだよ…」

    まだクロだと決まった訳ではないけど…

    コトダマ『モノクマファイル1-1』の情報を追加した

    苗木「次は…モノクマファイルによると、舞園さんは右手首を骨折しているらしいんだ…」

    不二咲「骨折…してるのぉ…?」

    不二咲クンは泣きそうな顔をしている

    苗木「…確かめてみるよ」


  99. 99 : : 2014/05/11(日) 12:44:20



    舞園さんの右手首を確かめると…骨折していた。

    右手首に腫れと出血があるみたいだ…
    でも、この腫れた部分…何か光っているな…

    苗木「右手首の腫れに…そこに付着している光っている物…」

    不二咲「ちょっと…気になるね…」

    他に気になるのは…

    苗木「あれ?舞園さんの左手…人差し指だけ血がついてる…」

    不二咲「両手の手の平は綺麗なのに変だねぇ…」

    コトダマ『舞園の手首』を手に入れた

    不二咲「致命傷が腹部の刺し傷なら…骨折はそれより前ってことになるのかなぁ?」

    苗木「死んだ後に骨折する理由はない…」

    とすると、この傷って…争いの時に負った傷なのかも…

    犯人が部屋で舞園さんに襲い掛かって…そして、舞園さんの手首を骨折させた…その後、舞園さんはシャワールームに追い詰められて…刃物によって致命傷を負った。


  100. 100 : : 2014/05/12(月) 20:49:06



    苗木「…」

    不二咲「…」

    ボクは舞園さんの背中越しに、後ろの壁を覗き込んだ。

    そこには…

    苗木「えっ…!?」

    不二咲「ど、どうしたのぉ…?」

    『0+0>1bw』と書かれた血文字…

    これって…舞園さんが残したのか?

    不二咲「でも…消した後に書かれたみたいだねぇ」

    舞園さんはこんな暗号を書いて遺してくれた…でも、何がなんだかさっぱりだ…けど、消された跡があるって事は…犯人が書いたものなのか…?

    はっきりいってお手上げだ。こういう時は数字に強い不二咲クンに聞いてみよう

    苗木「不二咲クンは確か数字に強いんだよね?何か分かる?」

    不二咲「うーん…数字だけならともかく、アルファベットも混じってるから何とも言えないよぉ、ごめんねぇ」

    不二咲クンでも分からない…か

    苗木「いや、謝らなくてもいいよ…次は桑田クンを調べてみよう」

    ボクと不二咲クンは桑田クンの所へ行き、モノクマファイルを元に桑田クンの死体状況の確認をした。


  101. 101 : : 2014/05/12(月) 20:50:07
    >>100コメ突破おめでと‼︎
  102. 102 : : 2014/05/13(火) 22:34:22
    名無しさんありがとうございます!
    100いったのか…





    苗木「桑田クンの後頭部の打撃が致命傷か…」

    不二咲「ちょっと待ってよ苗木君!首にある手の痕が死因かもしれないんだよぉ」

    苗木「うーん、今は分からないから他を探そうよ不二咲クン」

    不二咲「そうだったね…時間も限られてるし」

    他に気になるところは…

    苗木「右手の平に金箔と血が付いてる…」

    不二咲「え…それじゃあ…!」

    苗木「極めつけは、シャツの袖とTシャツに付着した血…これが重要な手掛かりになるはずだ!」

    コトダマ『右手の平に付いた金箔と血』
    コトダマ『血塗れの服と袖』を手に入れた

    うーん、これくらいだな…

    不二咲「もうここには調べることはなさそうだねぇ」

    苗木「じゃあ、そろそろ出ようか」

    ボクと不二咲クンはシャワールームから出た


  103. 103 : : 2014/05/14(水) 23:16:58


    シャワールームから出ると、戦刃さんが話し掛けて来た

    戦刃「苗木君は見付けたみたいだね。シャワールームの血文字…あれはダイイングメッセージだよ」

    苗木「血文字を見ることになるなんて…でも血文字はどういう意味なんだろう…?」

    戦刃「舞園さんが残したってことはわかるよね…消された後に書いたみたいだけど」

    苗木(ほんとに舞園さんが遺したものなんだろうか…?)

    コトダマ『ダイイングメッセージ』を手に入れた

    戦刃「苗木君に聞きたいことがあるんだ。あのシャワールーム、ドアが壊れているみたいだけど…どうして?」

    不二咲「え、壊れているのぉ?」

    壊れている…?

    苗木「もしかして建付け?」

    戦刃「建付け…?」

    苗木「ボクの部屋のシャワールームだけ、建付けが悪いってモノクマに言われたんだ」

    コトダマ『シャワールームの建付け』

    戦刃「シャワールームの建付けかぁ…私が言ってるのはドアノブの故障の事だよ」

    苗木「ドアノブ…?」


  104. 104 : : 2014/05/19(月) 07:55:24


    ボクは戦刃さんにそう言われて、捜査で初めてドアノブを見た

    すると…?

    苗木「ドアノブが…外れかかってる!?」

    不二咲「きっと…誰かが工具セットを使って外したんだろうねぇ」

    つまり、誰かが意図的に外したんだな…一体何の為に!?

    苗木「ちょっと待ってよ、ボクの部屋のドアに鍵なんてない筈だよ」

    戦刃「だよね…鍵掛かるのは女子の部屋だけみたいだし。それに、わざわざ螺子を外すなんて…結構なタイムロスだよ。ここが戦場なら命がいくつあっても助かりはしないよ」

    不二咲「苗木君は、このこと(建付け)他の誰かに話した?」

    苗木「舞園さんだけだけど…」

    戦刃「えっと…つまり昨日の時点で知ってたのは苗木くんと舞園さんだけ…」

    苗木「何か分かったの…?」

    戦刃「…恐らく」

    苗木「教えてはくれないよね?」

    戦刃「苗木くん…これは自分で調べた方がいいよ。じゃないと納得できないと思うから」

    苗木「うん、分かったよ」

    そして戦刃さんはボクの部屋から立ち去った。

    コトダマ『シャワールームのドアノブ』を手に入れた


  105. 105 : : 2014/05/21(水) 20:59:51



    なんだか、ごちゃごちゃして分かんなくなってきた…
    ボクも、この部屋は一通り調べたし…

    不二咲「ねえ、苗木君…」

    苗木「どうしたの?不二咲さん」

    不二咲「さっきの鍵の話なんだけど…」

    苗木「あ、じゃあ食堂で待ってて!ボク、どうしても調べなきゃいけないことがあるから」

    不二咲「うん、じゃあ食堂で待ってるねぇ」

    そう言うと、不二咲クンは食堂へ向かって行った。

    さて、ボクは…舞園さんが持ってたDVDを取りに行こう…話はその後だ!

    ボクは自分の部屋から出てドアを閉めようとした時…ネームプレートが入れ替わっていることに気付いた。
    あれ?ここのドアはボクの部屋のドアだよな?どうして舞園さんのネームプレートが…誰かが意図的に入れ替えた?何のために?

    コトダマ『個室のネームプレート』を手に入れた


  106. 106 : : 2014/05/23(金) 22:22:19


    そしてそのまま舞園さんの部屋に入った。

    苗木「…舞園さん」

    ボクがあの時、部屋の交換なんてしなければ こんな事態にはならなかったのかもしれない…

    暗い気持ちになっちゃダメだ!
    ボクは人よりも少し前向きなのが取り柄なんだ…だから、後悔とかは裁判が終わってからゆっくり考えていこう…

    確かこの辺りに…

    苗木「あった、舞園さんに配られたDVD」

    これを見た後に舞園さんは急に取り乱して…一体何が映ってたんだ…?

    苗木「ごめん、舞園さん…借りるね」

    そしてボクは食堂で待っている不二咲クンの元へと向かった。
  107. 107 : : 2014/05/26(月) 21:52:25



    不二咲「ずいぶん早かったねぇ」

    苗木「うん、探し物はすぐ見つかったからね」

    不二咲「見つかったなら安心だね…それで、そろそろ気になってること聞いていいかな?」

    苗木「うん、ボクは構わないよ」

    不二咲「どうして苗木君の鍵が苗木君の部屋にあったの?皆は肌身離さず持ち歩いている筈だよ?」

    苗木「それは…」

    ボクは不二咲クンに昨日の夜の出来事を思い出せるだけ話した。

    苗木「…という訳なんだ」

    暫くの沈黙が続いた後…不二咲クンは…


  108. 108 : : 2014/05/29(木) 00:27:07


    不二咲「苗木君の部屋に鍵が落ちていた訳は分かったよ。2人をそのぉ、殺してないということも」

    それを聞いてボクは安心した。

    不二咲「でも、それだとしても…どうして舞園さんは桑田君を部屋に入れたんだろう?」

    苗木「分からないよ…でも、舞園さんと約束したんだ!お互いに誰も部屋に入れないって…なのに」

    なのに何で舞園さんが殺されているんだよ!

    不二咲「ひょっとしたら…何か開けざるを得ない理由があったのかもしれないね」

    開けざるを得ない理由か…

    舞園『苗木君だけは、どんなことがあっても…私の味方でいて…』

    やっぱりDVDを見るしかないみたいだ…

    不二咲「さてと…いつまでも此処に居る訳にも行かないし、開封済みの工具セットが誰の物なのか一緒に調べようよ!」

    苗木「調べるって…どうやって?」

    確かピッキングは無理だって説明したはずだけど…

  109. 109 : : 2014/06/01(日) 00:26:03

    不二咲「もちろんモノクマに頼んで部屋の鍵を開けて貰うよぉ!」

    苗木「確かにモノクマなら開けれそうだけど…いいのかな?」

    不二咲「いいんじゃないのかなぁ?」

    ビヨヨーン

    モノクマ「もっちろん!不二咲クンの言う通りだよ!」

    不二咲「!?」

    苗木「…来ると思った」

    モノクマ「んもう、反応薄いなー。やっぱり次からは葉隠クンか朝日奈さんを弄ろっと。それでボクに何か用?」

    苗木「実は調べたいことがあるから男子の部屋を開けてほしいんだ」

    モノクマ「男子の部屋かあ…ズバリ、2人はそういう関係ってことニョロ!アブノーマルな趣味をお持ちですね!やらしー」

    苗木「ふざけないで開けろよ!」

    モノクマ「もー、せっかちだなぁ。そんなイライラしてるからカルシウム不足で身長が伸びないんだよ?」

    …誰のせいだよ

    不二咲「お願いだよモノクマ…ひょっとしたら手掛かりがあるかもしれないんだよぉ」

    モノクマ「うーん、お願いされちゃあしょうがないなぁ…だったらこの鍵渡しとくよ」ポイッ

    苗木「うわっ!?」

    不二咲「何処が開くの?」

    モノクマ「2度も言わないよ…これは特注だよ!なんと、男子の部屋しか開かないからね?」

    そう言い終わると、モノクマはボクらが話し掛ける前に消えた。

    『男子個室専用の鍵』を手に入れた。

  110. 110 : : 2014/06/14(土) 15:04:25

    不二咲「僕、モノクマの性別が分かったかも」

    苗木「そんな事どうでもいいよ!早く調べよう」

    不二咲「うん、それじゃあ一番近い石丸君の部屋を開けようか」

    ガチャリ

    苗木「うーん、何というか…想像通りの部屋だね」

    不二咲「それにしても、石丸君は何処へいったんだろう?」

    苗木「ひょっとしたらこの階には居ないのかも…」

    それにしても、授業なんてないのに凄い量の教科書だな…ってこんな事してる場合じゃないよな?

    不二咲「あ、工具セットはちゃんと引き出しに入ってるみたいだよ」

    ちゃんと確認してみると…

    苗木「本当だ。開けた痕跡も見当たらないみたいだ」

    不二咲「石丸ではないみたいだね」

    ボクらは石丸クンの部屋を出て、他の人の部屋に入って工具セットを探すという事を繰り返した

    大和田クンの部屋は、モノクマがそもそも本人に部屋の鍵を渡してないからボクらも入っていない

    そして何も進展がないまま桑田クンの部屋に入った

  111. 111 : : 2014/07/02(水) 22:59:32

    不二咲「何か部屋がごちゃごちゃしてるねぇ」

    ワイシャツが散らかってるんだけど…

    不二咲「なんていうか…桑田君らしい部屋だよねぇ」

    そう言われてみれば、そんな感じのイメージが…っと、こんな事している場合じゃないや。

    ボクは気持ちを切り替えて、桑田クンの工具セットが入っているであろう引き出しを見ると…

    苗木「開けっ放し!?」

    そこには、あるであろう工具セットの姿はなく、ただ空っぽになった何もない引き出しが存在しているだけだったー

    それを意味する答えはただ一つ…

    苗木「ボクの部屋の床に置いてあった開封済の工具セットは…桑田クンの!?」

    不二咲「じゃ、じゃあ舞園さんを殺したのって…!」

    桑田クン!?

    いや、待てよ…仮に舞園さんを殺したとして、一体誰が桑田クンを殺したんだよ!謎が深まるばかりだ…

    不二咲「苗木君、工具セットのことも分かったからここから出よう…時間もどれだけあるかわからないし」

    苗木「そうだね…ここから出よう!」

    ボクと不二咲クンが部屋から出ると…
  112. 112 : : 2014/07/08(火) 22:11:13

    モノクマ「うぷぷ…どうだい?人の部屋に勝手に上がった気分は?」

    苗木「っ!?」

    不二咲「モノクマ!?」

    モノクマ「その反応おもしろーうっぷっぷ」

    モノクマが天井に張り付いていた…

    苗木「何しに来たんだよ!」

    モノクマ「何しに?いやいや、それくらいわかるはずだよね?これってお約束的な展開だしねー」クルクルスタッ

    不二咲「それってさっきの鍵の事ぉ?」

    モノクマ「ズバリその通り!なんて察しのいい生徒なんだ。思わずお腹が張っちゃうね」エッヘン

    お腹を張ってどうすんだよ…

    苗木「なあモノクマ」

    モノクマ「なんなのさ?」

    苗木「お前はさっき後で会おうとか言ってたけど、ここに居て大丈夫なのか?」

    モノクマ「あーうん、今は休憩中だからね。そんな時もあるもんさ」

    不二咲「何か誤魔化そうとしてない?」

    モノクマ「してないよ!どうせ後で分かる事だし、そんな事よりこんな所で立ち話してていいの?」

    不二咲「立ち話って…」

    苗木「話し掛けてきたのはモノクマだろ!」

    モノクマ「はいはい、2/1歩譲ってそれでいいよ。でもさ、まだ調べてない所とかあったりするんじゃない?」

    調べてない所…?

    モノクマ「オマエラ寄宿舎エリアは調べておいて、他の場所を調べないなんて…こんなのマップというシステムが無意味じゃないか!」

    システム?モノクマは何を言ってるんだ?

    モノクマ「ま、つまり…捜査を徹底しろってこと!ボクからは以上!」ピョイン

    そう言ってモノクマはいつの間にか取った鍵を持って消えた

  113. 113 : : 2014/07/13(日) 13:31:47
    ボクらが寄宿舎を離れようと歩いていると誰かに呼び止められた

    葉隠「よう、苗木っちに不二咲っち!」

    苗木「は、葉隠クン!?見張りはどうしたの…?」

    すると、葉隠クンは困ったように…

    葉隠「あー見張りなら山田っちに任せて来たぞ」

    不二咲「ひょっとして何か捜し物なのぉ?」

    葉隠「あー…実はだな…昨日、ランドリーに水晶玉を置いて行っちまったんだけども、見つからねーんだ…あああぁ…もう終いだべえぇぇ…」

    水晶玉がなくなったのか…今回の事件との関係性は…一応、いれておこうかな

    苗木「だ、大丈夫だよ葉隠クン!きっとすぐに見つかるよ!」

    葉隠「そうだといいんだけども…」

    不二咲「そんなに心配なら、僕たちが1階の方を探してみるよぉ」

    苗木「うん、そうだね…だから葉隠クンは2階を探しておいて」

    葉隠「うう…」

    苗木「は、葉隠クン…大丈夫?」

    葉隠「オレは嬉しい…だから2人には友情割引で占い価格を2%安くしとくぞ!」

    苗木「それは別にしなくていいから…」

    葉隠「そうか?そんじゃ、1階は任せたぞ!」

    そういうと葉隠クンはトラッシュルームへ向かった

  114. 114 : : 2014/07/19(土) 18:54:01

    不二咲「僕たちは1階へ行こう。苗木君に話したいこともあるし…」

    苗木「話したいこと?」

    不二咲「うん、歩きながら話そう」

    そう言うと不二咲クンは先に前へ歩き出す…こんな状況で不二咲クンがどんな気持ちでいるか、ボクはわかっているつもりだ。

    きっと無理して明るく振舞っているんだと思う

    苗木「ここって外部の情報を知る事が出来ないから外の状況とか分かんないよね」

    不二咲「そうだよね…唯一の情報がモノクマからもらったものだとしても信じたくないよね」

    苗木「うん…ここは学園だから何処かにパソコンとか置いてあっても可笑しくないとおもうんだけど…」

    不二咲「パソコンがあれば…もっと皆の役に立てるのにぃ」

    そうだよな…なんといっても"超高校級のプログラマー"なんだもんな

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mimu1436

もこもこ◎ひつじ(真夏仕様)

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