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七海「キミが戻る時が」狛枝「ボクが笑う時」

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  1. 1 : : 2014/02/06(木) 21:20:28
    楽しくて苦しくてのリレーssですます!
    始めてのリレーssですますね!しかし合作は2本ヤらしていただいてますので馴れてるかと思いきや全然なれてません!

    なんとお相手は【超高校級のJK】時雨さんです!とってもとっても緊張でありますが頑張りますぞ!
  2. 2 : : 2014/02/06(木) 21:24:01
    期待です期待です。
  3. 3 : : 2014/02/06(木) 21:25:52
    待って超高校級のJKって何www

    というわけで紹介に預かりました超高校級のクズSS作家時雨です!合作は初めてで緊張しますがクズはクズなりに希望の踏み台になれるように頑張ります!
  4. 4 : : 2014/02/06(木) 21:31:46
    お二人のリレー先が全く予想できません!
    期待です!!
  5. 5 : : 2014/02/06(木) 21:53:33
    カムクライズルプロジェクト───

    ───次世代の希望を創り出す…といえば聞こえはいいかもしれないが……


    七海「でもあんなの日向君じゃないよ」

    狛枝「希望の礎になれるなんて羨ましい!そんな重役日向クンなんて相応しくないよ」

    七海「狛枝君歯ァ食いしばってくれないかな」クイックイッ

    狛枝「待って最後まで聞いてよ!あと骨鳴ってないよ」

    狛枝「ボクはね、日向クンはみんなに囲まれて笑っている時こそ彼の希望は一番輝いていると思うんだ。だからこそ彼にはもっと自分の希望を輝かせtカムクラ「黙れ希望厨」

    左右田「ぎにゃああああ!出たあああああ!!」

    カムクラ「たった一片の希望しか持っていないあなたたちがいくら足掻いたところで僕の意志を歪める…ましてや日向創に戻すなど不可能です」

    九頭龍「うるせー!そんなのやってみなきゃ分かんねーだろ!!」

    カムクラ「戯れ言です。実にツマラナイ」

    七海「むー、もう怒った!激おこプンプン丸だよ。こうなったらみんな、絶対元に戻そうね!」

    七海「じゃあトップバッターは君!」ビシッ
  6. 6 : : 2014/02/06(木) 22:37:24
    左右田「え…!俺かよ…!」

    七海「そうだよ!左右田君は日向くんにソウルフレンドとか言ってたじゃん」

    左右田「そうだな…よっし!あの絶望に挑んでやるぜ!」

    カムクラ「トップバッターは君ですか…」

    左右田「そうだ!俺だ!文句あるか!」

    カムクラ「文句は百ほど浮かんできます。第一あなたは油臭い。僕が4番目に嫌いな臭いです」

    左右田「ぐっ!そんなんじゃ折れねえぞ!」

    カムクラ「あとその歯はなんですか。歯医者でやったんですか?人口ですか?正直気持ち悪いですよ。よく今まで生きてこれたもんですね…おぎゃあおぎゃあと産声をあげてる最中に舌を噛み切りそうですが。それでその髪は…」

    左右田「まだ…まだ…!折れねえぞ!」グスン

    九頭龍「おい!あいつもう半泣きだぞ!」

    弐大「しかも趣旨が変わってきとるのう」

    狛枝「【超高校級の毒舌】か…。素晴らしいよ!」ダダダ

    カムクラ「うわっ近寄らないでください…希望が伝染ります」ペシッ

    終里「うーん。よくわかんねえけど希望が嫌いみてえだな!」

    罪木「適当すぎますよぉ!」
  7. 7 : : 2014/02/06(木) 23:10:36
    カムクラ「希望が嫌い?それは違いますよ」

    カムクラ「僕は才能に愛されています。その才能故に生まれた希望なら素晴らしいじゃないですか」

    カムクラ「僕が嫌いなのはその希望に軽々しく触れようとするもの。つまり希望厨…狛枝凪斗です」break!

    左右田「ヤベェ!こいつ何だかんだ言って日向だなやっぱ」

    七海「安定のロンパだね」

    カムクラ「あ、左右田和一下がりなさい。刻まれたくなかったら」

    左右田「刻むってどういうことだよ!!」

    カムクラ「【超高校級の剣道家】の鋭気なら可能ですが」

    左右田「」ダッ

    辺古山「なぜ離れる。奴ならともかく私がそんなことをするか」

    左右田「『するか』って事はやろうと思えば出来るのかよ!!」ヒナンズミ

    辺古山「しかしカムクラとやら、私の才能で無意味な殺生をされては困るな。…相手なら私がしてやるぞ」チャキッ

    九頭龍「ちげーよ落ち着けペコ!!」

    狛枝「辺古山さん戻すんだよ倒しちゃダメだよ竹刀しまって!」

    終里「おっ、バトルのか?そんならオレも混ぜろ!!」

    西園寺「誰かこの脳筋ども止めろ!」
  8. 8 : : 2014/02/07(金) 01:19:19
    これは期待
  9. 9 : : 2014/02/07(金) 19:12:45
    花村「君たち落ち着きなよ…僕はお乳突きたいな!」

    カムクラ「けがらわしい…なにを言ってるんですか…」

    花村「わお!超絶美少年の君が僕に話しかけてくれるのかい?」

    カムクラ「話しかけた訳ではないのですが…」

    花村「ああ…そんな道端の雑草を見るような目で見られると…」

    花村「最高に興奮するよね!」シコシコシコシコ

    カムクラ「僕はそういう趣味はありません…それをしまわないと【超高校級の格闘家】でぶんなぐりますよ」

    花村「もっと!もっと言ってよ!」シコシコシコシコ

    カムクラ「それをどこに向けてるのですか!本格的に殴れたおしますよ!」

    花村「あぁ…!」ドピュルルル

    左右田「あいつ…!顔にかけやがった!」

    カムクラ「許しません…許しません!!」

    花村「希望というものに顔射をしてみたかった。反省はしてない」

    カムクラ「死んでもらいます!」ボカ!!!

    花村「あひいいいん!!」

    K.O!!!

    花村「」

    罪木「みゃ、脈がありませぇぇん!死んでますよぉ!」

    一同「!?」ザワッ
  10. 10 : : 2014/02/07(金) 19:32:19
    殴れたおす→殴り倒す
    です…。誤字は本当にいけませんね…。
  11. 11 : : 2014/02/07(金) 19:53:46
    カムクラ「ほう…オモシロイ。僕をここまで興奮させたのはあなた達が初めてですよ」ゴゴゴ

    左右田「そんな無表情で殺意振りまきながらオモシロイとか説得力ねーよ!!」

    花村「えっ、興奮したって!?」ガバッ

    罪木「そっ、蘇生しましたぁ!」

    カムクラ「あなたはもう退場です」バキャァッ!!

    花村「」チーン

    罪木「あ、やっぱり死にましたぁ」

    弐大「うおおおおおおおおお花村あああああああ!!!貴様許さんぞおおおおおおおおおお!!!!」

    カムクラ「ウルサイですね。今度はあなたですか」

    弐大「ワシの拳を食らわんかい!!」ブンッ

    カムクラ「………………」スッ

    終里「す、すげえ…。あの弐大のおっさんと互角だぞ!」

    弐大「墳ッ!発ッ!勢ッ!」

    カムクラ「…萎えました」バキッ

    弐大「グハァっ!!」ドザァッ

    ソニア「に、弐大さん!!」

    弐大「ほぉ…、お前さんやるのぉ」ムクッ

    カムクラ「…今ので死にませんか。丈夫ですね」

    弐大「しかし参ったな。ワシでも倒せんとなると、武力行使じゃ奴にゃあ敵わんぞ」

    狛枝「そろそろツッコんでもいいかな。倒すの目的じゃないからね!」
  12. 12 : : 2014/02/07(金) 20:14:43
    七海「うーん…。でもカムクラ君柔らかくはなってきてるよね」

    ソニア「あともう一押し…とまではいきませんが確実に戻ってきているのでしょうか?」

    九頭龍「そこは微妙だが…お前ら人が一人死んでんだぞ?軽すぎだろ!」

    花村「なになに?誰が死んだって!?」

    カムクラ「僕の拳を二つ受けてもなお立ちますか…」

    花村「え?受けだって?」

    田中「お前はもうどいていろ…話がすすまん!」

    小泉「ねえねえ、一つ思ったんだけどさ…」

    狛枝「どうしたの?」

    小泉「そのカムクラってやつ…全部の超高校級を持ってるんだよね?」

    カムクラ「当たり前です。僕は才能に愛されているんですから」

    小泉「ちょ、【超高校級の王女】も?」

    全員「ザワ…ザワ…」



  13. 13 : : 2014/02/07(金) 20:43:50
    もしかして、超高校級のアイドルも?
  14. 14 : : 2014/02/07(金) 20:51:08
    左右田「そんなの認めねーぞ!王女はソニアさんオンリーだろ!」

    カムクラ「ええ、ありますよ。王女にアイドル、ギャル…エトセトラ」

    全員(せ、性別を超えた…!!)

    カムクラ「動揺する事でもないでしょう。僕を日向創に戻す話はどうなったのですか」

    ソニア「王女には王女!わたくし、ソニア・ネヴァーマインドが月に変わっておしおきです!」

    狛枝(もうツッコむの止めよう)

    ソニア「日向さん!わたくしと結婚して王となり、共にマカンゴを捕らえる約束、忘れたとは言わせませんよ!!」

    小泉「えええええええ!?け、結婚!!?」

    罪木「はわあああぁっ!?ひ、日向さんは私と結婚してくれるって約束したんですよぉ………」

    澪田「おっと、創ちゃんは唯吹のバンドメンバーっすよ!!」

    澪田「でもイズルちゃんもなかなかイケてるっす!そそり立つモヒカンでロックに決めてほしいっすね☆」

    小泉「で、でもあたしも日向と……」

    終里「ん~。オレも日向は好きだぞ」

    西園寺「日向おにぃはわたしの味方なの~!!」

    七海「私も日向君といっぱい出かける約束した」

    狛枝「ちょ、超高校級の修羅場…!!」

    左右田「チクショウ羨ましい!」

    カムクラ「おい」
  15. 15 : : 2014/02/07(金) 20:57:32
    すいませんマカンゴは捕らえるんじゃなくて倒すんでした
    うろ覚えすいません_| ̄|○
  16. 16 : : 2014/02/07(金) 21:31:52
    カムクラ「大事な事だから二回言いますよ」

    カムクラ「あなたたちは私を日向創に戻すのでは無かったのですか!」

    終里「うーん。そんなのどうでもよくなってきたな!」

    パシン! 部屋中に鳴り響く

    七海「そんなこと言わないで…!終里ちゃんはそんな人じゃないでしょ?」

    西園寺「なにこれー!?デジャヴー?」

    十神「しかし…戻っている『兆し』はあるとはいえ本当に戻るのか?」

    澪田「うーん…微妙っすね…」

    七海「だけど…みんな一人ずつで説得していけばいけるかもしれないよ」

    左右田「おう。最初の作戦もそれで俺が頑張ったんだな!」

    狛枝「アレ…頑張ってたの?」

    左右田「うっせ!うっせ!予想以上に大変なんだぞ!」

    左右田「俺の気持ちを理解するためにも…じゃあお前!行ってみろ!」ビスィ!
  17. 17 : : 2014/02/07(金) 22:01:50
    田中「俺様か?」

    左右田「そうだ田中、オメーだぁ!!(さあソニアさんの前で赤っ恥かきやがれ!!)」

    田中「フッ、人間風情がこの俺様を指名とは愚かな…。しかし!」

    田中「日向は『特異点』を持つ俺様の盟友。フハハ、喜べ!この氷の覇王直々にその呪われし魔神の皮、剥がしてやろうぞ!!」

    左右田「うるせーさっさと行けよ!」

    ソニア「左右田和一口を慎みなさい!田中さん、頑張って!」

    左右田「」

    花村「左右田くんドンマイ」ポン

    左右田「オメーに励まされても嬉しくねーっつーの!!」

    田中「…時に日向よ。貴様、何故魂を捧げてまで『力』を欲したのだ?」

    カムクラ「日向創が才能を求めた理由?…愚問ですね」

    カムクラ「才能こそ日向創が求め続けたモノ。それを持つあなた達など、友である以前に羨望の対象です。近くに存在すればするほど楽しくもあり、劣等感を膨らませる要因ともなりえる」

    カムクラ「その劣等感が膨らみ続け、その結果が僕です」

    カムクラ「その僕を否定するなど…あなた達は日向創を手にかけるのと同じ判断を下しているも同意ですよ」

    田中「…なるほど。貴様の気持ちはしかと受け止めた」

    田中「しかしそのために己が脳を切り開き、術を施すとは何事か!!」

    田中「見てみろ、呪われし俺様の邪気腕や濁りきった右目を…」

    田中「生命とは生まれたままの物こそ美しい…。貴様にまだ人の血が通うなら、そうは思わんか?」

    カムクラ「………………」

    左右田(あれ、何か上手くいってないかコレ)

    ソニア「その通りですよ田中さん!…素晴らしい演説です」

    田中「あ、ありがとう…」///

    左右田「おいいいいいいいいい!!!!!」
  18. 18 : : 2014/02/07(金) 22:50:29
    左右田「だー!違う違う!そうじゃなーい!」

    ソニア「何を言ってるんですか?田中さんの演説中です!黙ってください!」

    田中「そうだぞ左右田和一」

    ソニア「今日の田中さんはギャグも人一倍輝いてます!」

    カムクラ「もういいです」

    七海「え?」

    カムクラ「いつまでその馴れ合いを続ける気ですか。僕を日向創に戻すなんて僕にも、君たちにもなにもメリットがないじゃないですか」

    七海「そんなこと…ないよ!」

    七海「確かに君にはメリットはないかもしれない!だけど…私たちは『日向くん』が好きなんだよ!」

    七海「君なんて…キミなんて日向くんじゃないよ!」

    ソニア「ちょ、ちょっと七海さん…」

    カムクラ「もう…いいです…」バタン

    澪田「あー!出て行っちゃったっす!」

    弐大「うーむ…。アイツにも感情というものがあるとは驚きではあるな…」

    終里「うーん。だんだん日向に戻ってるのかもな」

    左右田「それはさっき言ってたじゃなえか!」

    九頭龍「だけどよ…。この計画で一番俺が気負いしてんのはよ…」

    九頭龍「手術の為とはいえ…もう生まれちまった『カムクラの人格を消す』ことにもなるっつーことなんだよな…」
  19. 19 : : 2014/02/07(金) 23:52:56
    カムクライズルとは造られた完璧

    その完璧さを追求するため、余計な思考や趣味、感性に感情、さらに記憶などの人間に必要な要素を撤廃、封印された不安定なイキモノなのだ

    それをさえも消してしまえば…はたして『彼』は何となるのか。


    澪田「はーっ、冬彦ちゃんは何も分かってねーっすね」

    九頭龍「テメーに言われたくねーよ!!」

    澪田「こういうのはなんかこう…ハートに呼びかけるんすよ!」

    九頭龍「そんなテキトーな理論で片付けられる問題じゃねーだろ、これはよ。…もしかしたらオレたちは、日向を取り戻そうとしてとんでもない事をしてんのかもしれねーぞ」

    罪木「す、すいませぇん…。脳をどう弄くればあんな風に変わっちゃうのかはよく分かんないですぅぅ……」

    七海「いいよ、罪木さんのせいじゃない」

    七海「それに澪田さんのロジカルも全部が全部間違ってる訳じゃない…と思うよ?」

    辺古山「しかし…それにしても危険性の高い選択だ。ほとんど賭けだぞ」

    狛枝「賭け…ね」

    弐大「どうしたんじゃあ、狛枝」

    狛枝「ふふっ…。いや、これがギャンブルならむしろチャンスだよ」

    七海「…そっか!」

    西園寺「狛枝おにぃ、気持ち悪い笑顔浮かべてどうしたの?」

    狛枝「西園寺さん…さすがに傷つくよ」アハハ

    狛枝「さあ、改めてみんな!これからキミ達に覚悟してもらうよ」

    狛枝「キミ達は日向クンを取り戻すために、ボクの幸運の礎になる覚悟をね……」


    日向を取り戻すジョーカー。すなわち狛枝凪斗の【超高校級の幸運】


    その幸運のために訪れる不運を受け止める覚悟。───狛枝はそれを問うていた。

    …もちろん返事は決まってる。


    七海「願ったり叶ったり…だよ!」
  20. 20 : : 2014/02/08(土) 03:05:52
    あーー、続きが気になるーw
  21. 21 : : 2014/02/08(土) 11:29:14
    左右田「それなら俺に…考えがある」

    九頭龍「どんなもんだ?言ってみろ」

    左右田「むっちゃ危険な方法だから最終的には狛枝の運頼みになってしまうんだが…」

    狛枝「僕は大丈夫。続けて」

    左右田「さっき澪田が『ハートに呼びかける』って言ってただろ?」

    澪田「確かにいったっす!」

    左右田「そこでだ、本当に心に呼びかけるんだ!」

    七海「それはどういうこと?」

    左右田「俺がアイツの中に入れる装置を作る!」

    弐大「そいつは弩えれぇこと考えたなぁ…!」

    左右田「少し…時間をくれ!」

    七海「分かったよ!みんな左右田君のこと信じてるから…頑張ってね!」

    左右田「おう!ささっと完成させるぜ!」

    ソニア「期待してますよ!頑張ってください!」

    左右田「ソニアさんにそう言ってもらえるなら気合倍増です!頑張りますよ!」

    二週間後………

    左右田「できたぞみんな!アイツの中に直接入れる機械だ!」

    西園寺「なにこの馬鹿でかい機械ー!」

    左右田「ここにヘルメットがついてるだろ?左に1つ。右に2つ」

    小泉「本当だ…なに?これ」

    左右田「左のヘルメットにカムクラを、右にこの中誰か2人につけさせる」

    狛枝「ふむふむ」

    左右田「そうすると…右の二人がカムクラの脳内に運ばれる」

    左右田「行くのは意識を具現化させたバーチャルの二人なんだがなんせ意識を送るから、もしものことがあったらそいつらは永遠アイツの脳内だ」

    左右田「肉体はこっちに残るが意識体があっちにあるからな…」

    澪田「そいつはクレイジーっすね…」

    左右田「できれば全員分入れたかったところだが二人が限界だった…」

    辺古山「いや、これでも十分だと思うぞ。礼を言う。左右田」

    左右田「おう!そんで…誰が行く?」

    みんなの間に沈黙が走る。当然みんな怖い。下手すれば死ぬまで、いや、バーチャルの世界。死ねもしないかもしれない

    七海「私が…行ってもいいかな?」

    七海「最初に戻すと提案したのは私だし、ここは責任持って私が行くよ」

    狛枝「じゃあ僕も行くよ。ここでボクの幸運が活躍するとこだね!」

    左右田「二人とも…サンキューな!」

    九頭龍「ならまずはカムクラを呼び出さねえといけないな」

    弐大「よし!作戦会議じゃあ!」
  22. 22 : : 2014/02/08(土) 13:16:53
    七海「正面突破がいい…と思うよ?」

    左右田「何っでだよ!!」

    七海「だって小細工したところで無意味っぽいし…無理やり火力に頼るのも策略のうち…だよ」

    カムクラ「逃げやしませんよ。むしろ喜んで受けます」

    左右田「だからいきなり出てくんなっつーの!!」

    カムクラ「これでも僕はあなた達を買っているんですよ。僕が待っていたのはこの刺激だ」

    カムクラ「ですがあえて言います。僕の100%だ」

    七海「そんなのやってみなきゃ分かんないよ。これは運ゲだし」

    狛枝「【超高校級の幸運】の力…とくと見せてあげるよ」

    カムクラ「…はぁ。あのですね、同じ【幸運】でも質が違うんですよ」

    カムクラ「例えばあなたの【幸運】は6発中5発弾を込めたロシアンルーレットで生き残るとしましょう」

    カムクラ「僕は6発中6発で生き残ります。絶対に」


    そう言ってカムクラは自ら装置に繋がれた。


    カムクラ「理論で殺せないなら…直接手を下すまでです」
  23. 23 : : 2014/02/08(土) 14:16:33
    七海「じゃあ…私たちもいこうか」

    狛枝「うん。カムクラくんは準備万端らしいしね…」

    終里「頼んだぞ!二人とも!」

    罪木「が、頑張ってくださいねえ!」

    七海「うん!大丈夫!じゃあ行ってくるね!」

    そうして二人は頭に装置をつけた

    狛枝「あのカムクラくんの自信満々さ…すこし気になるけど頑張るよ!」

    小泉「絶対帰ってきてよね!」

    七海「大丈夫大丈夫!じゃあ左右田君。スイッチをおして」

    左右田「お、おう!じゃあスイッチ!オーン!」

    キュウウウウウン!

    ものすごい大音響と共にカムクラ、狛枝、七海の三人はゆっくりと目を閉じた



    七海「う…ん…」

    七海は起き上がった

    七海「ここが…日向君の中なのかな?」

    おどろおどろしい霧のようなものが周りに漂っている

    七海「あ!狛枝君!おきておきて!」ユサユサ

    狛枝「ああ…七海さん!おはよう!」

    七海「おはよう。無事に辿り着けたようだよ」

    狛枝「じゃあここが日向君の中ってことかな?」

    狛枝は感じた。この中の雰囲気。今の日向は心の底から絶望しきっているということを。
  24. 24 : : 2014/02/08(土) 16:01:04
    カムクラ「待ってましたよ」

    七海「さ、日向君を出してくれないかな?」

    狛枝「ボク達が用があるのは彼だからさ」

    カムクラ「ええ、もちろん」グイッ


    カムクラは手にした鎖を引く。


    七海「日向君!」


    ジャラリと重苦しい音と共に現れたのは、口を塞がれ、手足を拘束され、首輪をはめ、虚ろな瞳からただ涙を流す日向。

    虚無に捕らわれたといった様子。

    …一言で言えば、別人。


    七海「日向君!私だよ!七海だよ!」

    狛枝「日向クン!!」

    日向「な、な、み…。こまえ、だ……」


    おぼろげながらも返事が聞こえる。


    カムクラ「おっと、感動の再会には早いですよ」

    カムクラ「これから僕とゲームです。もちろんクソみたいな運ゲーですよ。…あなた達にぴったりだ」

    七海「クソゲー!望むところだよ!」フンス

    カムクラ「じゃ、ルールですね」


    カムクラは人差し指を立てる


    カムクラ「難しいことではありません。僕を殺して鎖を断ち、日向創を救いなさい」

    七海「それ運ゲーってか格ゲー…だと思うよ?」

    狛枝「相手が【超高校級の希望】っていうのはクソゲーだけど」

    カムクラ「もちろん真っ向ではあなた達に勝ち目はないでしょう。…だからこそハンデが必要だ」


    そう言って、カムクラはカードをバラまいた。


    カムクラ「…引きなさい。それがハンデです」
  25. 25 : : 2014/02/08(土) 19:49:10
    カムクラ「ルールはこうです。あなたたち二人に二枚のカードを引いてもらいます」

    カムクラ「一枚目には『〜を』や、『〜の』などの接続にあたる文字が書いてあります」

    カムクラ「そして二枚目には『〜になる』、『〜する』などの、結果にあたる文字が書いてあります」

    カムクラ「さあ引いてください…。命運を賭けるギャンブルゲームです」

    狛枝「じゃあ僕から引かせて頂くよ」

    そうして狛枝はカードを引こうとする。しかし狛枝は人生初めてこの手のことで緊張していた。なんせ相手は造られた完璧。『カムクライズル』だ。

    それにここは彼のホームグラウンド。どんなことが起こってもおかしくない。

    狛枝「………」パラ

    そこで狛枝が引いた1枚目のカードが…

    七海「『自分が』だね…」

    狛枝「うん。躊躇っても仕方ないから次を引くよ」

    そして狛枝は二枚目のカードを引く
  26. 26 : : 2014/02/08(土) 22:11:41
    狛枝「『武器を得る』…!」

    狛枝の手に一振りのナイフが現れる。


    七海「当たりだね!じゃあ次は私の番」


    そう言って七海は一気に2枚手に取った。


    七海「ここは相手を状態異常に出来ると嬉しいよねぇ」

    そう言ってめくられた1枚目。


    七海「『カムクライズルが』…ふむふむ、いい感じ」

    七海「2枚目…えっ?」


    2枚目をめくった七海の表情が凍りついた。


    狛枝「…七海さん?」

    カムクラ「見せなさい七海千秋。効果が反映されません」

    七海「…イヤ」

    狛枝「何で?ボク達が不利になる事なの?」

    七海「違うよ。でもイヤ」

    カムクラ「早くしてください。そのカードがめくられない事には話になりません」

    七海「………………」スッ


    七海は複雑な顔でカードを掲げた。


    カムクラ「へぇ……」


    カードのハンデを理解したカムクラの腕がボロボロと崩れ落ちる。


    狛枝「『腕が消滅する』……」
  27. 27 : : 2014/02/08(土) 23:08:24
    狛枝「うーん…。僕に当たってたら危なかったね…」

    カムクラ「いいじゃないですか。それならそれで江ノ島盾子の腕を取り付けるのでしょう」

    狛枝「?それはなんのことかな?」

    カムクラ「いや…別の話です」

    七海「ちょっとまってよ…キミは腕が無くなったのになんでそんな平然としてるのかな?」

    カムクラ「これくらいが…丁度いいハンデじゃないですか」

    カムクラ「このくらいないと戦いは実にツマラナイものになってしまいます…。何故なら僕は…」

    カムクラ「才能に愛されてるんですから」

    七海「うーん…。狂ってる。としかいいようがないね」

    カムクラ「なんならもう一回引きます?」

    狛枝「え?いいの?」

    カムクラ「ええ…。キミは武器を持ってる。僕には腕がない」

    カムクラ「もっとハンデがあった方がオモシロクなるじゃないですか!」

    七海「うーん。じゃあ引かせてもらうよ」

    七海は躊躇うことなくカードを引いた

    狛枝「そこは僕が引くべきだったんじゃないかな?」

    狛枝の声をよそに引いたそのカードは…

    七海「『自分が』」

    狛枝「ここで被りか…」

    カムクラ「当然です。被りも入れてありますよ」

    七海「じゃあ二枚目いくよ」

    被りがあるというなら腕の消滅もあり得るというもの。その事実に胸を鳴らせ引いたカードは…

    七海「」バチーン!!!

    狛枝「ちょっと!いきなりカードを床に叩きつけないでよ!」

    狛枝がとっさに駆けつけ拾い上げたカードに記されていた文字は…

    狛枝「『貧乳になる』?」

    七海「うう…」

    カムクラ「フフフ…」

    狛枝「コレ僕が引いてたらどうなったの?ねえ」
  28. 28 : : 2014/02/09(日) 12:29:07
    カムクラ「さあ、準備は出来ました。これから僕は日向創を連れて逃げます。あなた達は鎖を断ち切る、そして僕を殺す。難しいことではないでしょう?」

    狛枝「それで、制限時間は?」

    カムクラ「もちろん無制限ですよ。強いて言うならあなた達が諦めるまでだ」


    重ねられるハンデ。これだけの好条件が揃えられているのだ、負けるわけにはいかない。

    七海「むー」スカスカ

    狛枝「七海さんいつまでふてくされてるの?」

    七海「…だって」

    カムクラ「ではカウントダウンですね。10秒数えなさい」

    狛枝「オーケー。10…9…8…7…」


    もう七海は放っておくとしてカウントダウンを始める狛枝。

    その間にカムクラは鎖を咥え、グイッと日向を肩まで持ち上げるという離れ業を見せる。

    狛枝「6…5…4…3…」

    カムクラ「………………」


    カウントダウンの間、相手は逃げる気はないらしい。…何のためにさせているんだか。

    ───なら存分に利用させてもらわないとね。


    狛枝「2!」ブンッ


    狛枝はカウント2でナイフを振るう。

    それは奇襲であったはずだが…


    カムクラ「予測通り。ツマラナイ人だ」スカッ

    狛枝「奇襲すら予測の上か…。あはっ、参ったな」


    まあ奇襲が予測されることも予測の内だ。


    狛枝「存分に卑怯な手は使わせてもらうよ」

    七海「…むー」
  29. 29 : : 2014/02/09(日) 20:34:49
    カムクラ「まあいいでしょう」

    狛枝「じゃあ、バトルスタートだ!」タタタ

    二人は同時に走り出す。

    日向「ふぅふぁは!」

    カムクラの走る速さは超高校級。その走る時に生まれる風圧を無防備な日向はモロに浴びているのだ。当然苦しい。

    七海「ひ、日向君!」タタタ

    膨れていた七海も日向のこんな姿を見せられては黙っていられず走り出す

    カムクラ「その程度の速さで僕に追いつけるとでも思ってるんですか?」タタタ

    狛枝「追いつけないなんて分かってるよ。おおよそ今の君は【超高校級の陸上部】かな?」タタタ

    カムクラ「どの才能を使ってるかなんてドウイデモイイ。大事なのは結果です」タタタ

    狛枝「まあ…そうだね」タタタ

    ここで狛枝はある事に気づく

    狛枝「ねえ…さっきから走り続けてるのに全然疲れないんだけど?」

    カムクラ「当たり前です。ここには『体力』などの無駄な概念は取り除かれてますから」

    狛枝「ああ、そう」

    まあこのくらいの答えは予想できていた。何故ならここは「全ての余計なものを切り捨てられた」日向の脳内なのだから………
  30. 30 : : 2014/02/09(日) 21:18:48

    ただし、体力が減らないというのはこちらに多大なデメリットがある。


    カムクラ「………………」バッ

    狛枝「あっ」


    何の前触れもなくカムクラが後方に跳ね、そのまま後ろに駆け出す。


    七海「うわっ!」


    更に七海を飛び越え、霧の中に姿を消した。

    狛枝「七海さん。どうやら単純な追いかけっこじゃボクらに勝ち目はないよ」


    あちらは体力が減らない上に人間離れしたパフォーマンスを見せる。

    分が悪いのは明らかだ。


    七海「うーん、困ったね。ああいうスピードタイプは普通、ディフェンスが弱いんだけど、カムクラ君はチートキャラだし」


    両腕がなくてもバランスは崩さず、あれだけ乱暴な動きでも、肩の日向を落とさない。

    …まさしくチートだ。


    狛枝「こうなったらハメ技を見つけるしかないね」

    七海「任せてっ!狛枝君、しばらく引きつけといてよ。その間にシステムの都合とかカムクラ君のステータス的な穴を見つけるからさ」

    狛枝「彼にステータスの穴なんてあるか疑わしいけどね……」

    七海「なかったら裏技でもバグ技でも探すよ。絶対日向君は助けてみせる!」


    ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇


    カムクラ「追って来ませんね」


    カムクラは立ち止まり、顧みる。


    カムクラ「まあ作戦会議というところでしょうかねえ」

    日向「………………」

    カムクラ「心配は要りませんよ、僕は彼らには負けませんから。彼らを無事に帰す手立てもあります。…それで良いでしょう、日向創」

    日向「…ああ、頼む」
  31. 31 : : 2014/02/09(日) 23:11:13
    カムクラ「それにしても…あなたが狛枝凪斗と七海千秋に救って欲しくないなんて言うとは思いませんでした」

    まあそんなこと言っても日向創の思想なんてお見通しですが

    日向「ああ…俺の気持ち、俺の心がないとしても、俺が…俺の体が【超高校級の希望】になれてるわけだろ?」

    カムクラ「ええ」

    日向「そんな状態…誰にも見下されたりしない体を…!」

    日向「捨てられるわけないよな?」タラー

    その時の日向創の目は、涙を流し、「絶望」の文字しかない目でした。
  32. 32 : : 2014/02/09(日) 23:12:06
    ちゃんとログインできてたはずなのに何故か名無しになっていました!すいません!
  33. 33 : : 2014/02/10(月) 01:02:14
    狛枝「おーい、隠れるのはずるいんじゃないかい?」

    カムクラ「隠れたりなんてしませんよ。あなた達も作戦会議する時間が必要だったでしょう」

    狛枝「…まあね」


    狛枝はそう言うとナイフを構える。


    狛枝「さて、こういうバトルみたいなのは苦手なんだけど…せめて自分の身くらい守らなきゃね」

    カムクラ「…僕はあなた達に手を出したりしませんよ。それが日向創の願いですから」

    狛枝「…日向クンの?」

    カムクラ「…そうでしょう?創」

    日向「…ああ、イズル」


    相変わらず肩に乗せられたままの日向が口を開く。


    日向「狛枝、七海。お前らのことは好きだぞ。…だからこそ帰ってくれないか?」

    狛枝「何言ってるの日向クン……」

    日向「俺はやっと才能を手に入れた。ずっと夢だったんだ。やっと胸を張れる自分になれたんだよ」

    狛枝「でも、もうキミは日向クンじゃない……それでも良かったの?」

    日向「そりゃ…。確かに俺が俺じゃなくなるのは怖いさ」

    日向「だから…お前らが帰った後、俺は寝る。後はイズルに全部任せるよ」

    カムクラ「ええ、もちr七海「だが断るっ!」

    日向「!!…七海……」

    七海「元ネタと使い方違うとか聞かないよ!…日向君、私そんなの嫌。帰って来てよ…!」

    日向「七海、帰ってくれよ。頼むからさ……」

    七海「嫌なものは嫌だよ」プクー

    カムクラ「…やれやれ。仕方ありませんね」


    カムクラは七海をすっと見据える。


    カムクラ「痛い目には遭わせません。でも帰ってもらいますよ」
  34. 34 : : 2014/02/10(月) 20:15:31
    七海「日向君がいない世界なんて…私はいや」

    日向「七海…そう言わないでくれよ…」

    七海「私は嫌だ…!」

    そうして七海は狛枝からナイフをひったくり…

    狛枝「ちょ、七海さん!」

    七海「嫌だ…」グサ

    七海は喉元にナイフを突き刺した!

    日向「七海!!」

    狛枝「七海さん!?」

    肩に乗せられている日向は動けない。狛枝が駆け寄る

    七海「う…うぅ」プシャー

    溢れんばかりの血が飛び出す

    日向「イズル!」

    カムクラ「ええ、大丈夫です。さっきも言ったでしょう。ここには死の概念もないんです」

    狛枝「そう…良かった」

    そして七海は起き上がる。起き上がると同時に染み付いていた血も嘘のように消えていく

    七海「うん…日向君と…カムクラ君と狛枝君?」

    日向「七海!大丈夫か!?」

    七海「日向君は…カムクラ君に担がれてるの?」

    狛枝「そうだよ…。さっきまでのこと覚えてないの?」

    七海「うひい!カム日ごちそうさま!」

    狛枝「!?」
  35. 35 : : 2014/02/10(月) 21:49:09
    七海「説明しよう!カム日とは読んで字のごとくカムクライズル×日向創のBLカップリングであるっ!」

    七海「しかしカムクライズルは存在自体がネタバレであるため狛日に比べるとマイナーかな!もっと増えてもいいのよっ!」

    狛枝「七海さんしっかりしてよ!」ガクガク

    日向「これって……何だ?」

    カムクラ「…恐らく取り込んだのでしょう」

    狛枝「取り込む…?」

    カムクラ「ここは才能溢れる僕の精神世界。体を傷付けた拍子に、ここに漂う才能を取り込んだのかもしれません」

    狛枝「そんな空気感染みたいな才能の開花あっていいと思うの!?」

    カムクラ「良い悪いではなくそうなのです。…何なら試してみてはいかがですか?」

    狛枝「えぇ~。…でもさ」チラッ

    七海「ガタイいいくせに豆腐メンタルな日向君ぐうかわ。犯したい」

    狛枝「…こうなる可能性も否めないんでしょ?」

    カムクラ「…まあ」

    狛枝「はぁ…、でもしょうがないか」スッ


    狛枝はナイフを手首に添える。


    日向「狛枝…!お前どうする気だよ!!」

    狛枝「決まってるだろ?日向クンを助けるんだよ」


    七海がああなったのは、単純に彼女の“運”が悪かったから。


    狛枝「ボクならもっと有益な才能が引けるよ」


    そして狛枝はリストカットした。
  36. 36 : : 2014/02/10(月) 22:33:19
    狛枝「うーん…。特に変化は…」

    狛枝「うう!」

    日向「こ、狛枝ァ!」

    七海「狛枝君の急な変化に焦る日向君萌え。日狛萌え」

    狛枝「と、いいつつもやはり変化はありませんな」

    日向「狛枝?」

    狛枝「日向創殿。変な顔でこっちを見てどうしたんですかな?見つめられると困りますぞ」

    日向「」

    カムクラ「さしずめ、【超高校級の同人作家】でしょうか」

    日向「あれは山田そのまんまじゃないか…」

    カムクラ「僕の腕とナイフの代償が廻っててきたのでしょうかね」

    七海「予想するような口ぶりでも実は全部予測済みのカムクラ君ぐうクール」
  37. 37 : : 2014/02/11(火) 22:46:34
    日向「ははっ…でも狛枝らしいな」

    カムクラ「!!…ハジメ、笑ったのですか?」

    日向「…悪い」

    カムクラ「いえ……」

    七海「ファーッ!!微笑ましいっ!かわええかわええ!!カムクラ君きょとんって!!あざとい!!」

    狛枝(日向創殿の笑顔にカムクライズル殿が反応した…?)

    狛枝「っていうかこの喋り方は面倒くさいですぞ!大して日向創殿を連れて帰るのには向いていない才能ですしっ!!」

    七海「惑う狛枝君…イイネ!!」グッ

    狛枝(あと七海千秋殿がうるさい)


    カムクラ「やり直してはいかがですか。僕は別に構いませんよ」

    日向「俺も…。何か見てるだけで疲れちまう。それに七海がそのままなのも嫌だぞ……」

    狛枝「それは僕も思っていましたぞ」

    狛枝「という訳で七海千秋殿覚悟ぉ!」

    七海「うわなにするやめry」ブシュ


    狛枝は七海にナイフを突き立て、自分も再び手首を切る。


    狛枝「…よっしゃ!【超高校級の体操選手】!アタリだぜ!!」

    七海「クソじゃああああああああああ!!!!!」

    日向「おいいいいいいいいい!!!!!」

    カムクラ「ハジメ、暴れると落ちます」
  38. 38 : : 2014/02/12(水) 19:47:17
    狛枝「しかしなんでその超高校級の能力になると口調も変わるんだろうな?」

    七海「それはワシにも分かりかねるぞ…」

    カムクラ「まあ、今のハジメの脳内ですし…」

    狛枝「日向の脳内ならなんでもありなのかよ!」

    七海「しかしそれに助けられてるこもも多々あるぞ」

    狛枝「うーん。七海のおばちゃんが弐大のおっさんの口調だとなんか違和感あんぞ」

    七海「それはお主も変わったことはないぞ?」

    狛枝「姿が見えたもんなら可愛いんだろうけどな…どうも活字だと」ザシュ

    七海「ちょ、やめんかああああい!!」

    狛枝「さあ…どうなるんだ!?」

    日向「き、気になるな…!」ワクワク

    カムクラ「ハジメ…」

    日向「すまん…」
  39. 39 : : 2014/02/12(水) 23:37:43
    七海「俺の占いは3割当たる!」

    日向「何で七海ばっかりハズレなんだよ!」

    カムクラ「あれだけ言っておきながらなんですけどタイクツしてきました…殺ってイイですか」

    狛枝「待て待て待て待て」

    日向「それだけは絶対ダメだ」

    カムクラ「…冗談ですよ。冗談」

    狛枝「オメーが言うと冗談に聞こえねーんだよ!!」ブンッ!

    カムクラ「おっと」ヒョイ


    2度目の奇襲。またしてもかわされる。


    カムクラ「ズルい人だ……」

    狛枝「なんとでも言えっ!!」

    七海「狛枝っち、こういうのはちょっとしたタネで劇的に変わるんだべ!どうだ、今なら安くで…」

    狛枝「うるせえ!」バキッ

    七海「あひん!」バタッ

    日向「狛枝テメー許さん!!!」

    狛枝「わ、悪りぃ…。つい葉隠のつもりでブン殴っちまった」

    カムクラ「創……」


    冷ややかさという熱を持ったカムクラの視線に、日向ははっと口をつぐむ。


    カムクラ「…どうやらあなた達の存在が創を変えようとしているようです。これは本格的に駆除が必要だ」スッ

    日向「い、イズル……」

    カムクラ「黙ってなさい」

    狛枝「マズい…来るか!?」

    狛枝(あと七海どうしよう)

    七海「」チーン
  40. 40 : : 2014/02/13(木) 19:38:31
    カムクラ「では、【超高校級のダンサー】を使って…」

    狛枝「くっ!なにしてくるんだ…!」

    日向「やめろ…やめてくれ!こいつらだけは…!!」

    カムクラ「マイムマイムを踊ります」

    狛枝「マイムマイムゥ?」

    日向「ふざけないでくれ!イズル!」

    カムクラ「マーイマーイマーイマーイ!!」

    狛枝「」ビクッ

    日向「」ビクッ

    カムクラ「マイムベッソッスン!!」

    狛枝「な、なんだあれ!?」

    日向「イズル…?」

    カムクラ「マーイマーイマーイマーイ!」

    狛枝「まだ続けんのか!」

    日向(なにを考えてるんだ…?)


    そして10週後…


    カムクラ「マイムベッソッスン!」

    狛枝「くぁ…!これずっと見せられてるとハートにダメージくるぞ…!」

    日向「これが…超高校級のダンサーの能力か!」

    カムクラ「マーイマーイマーイマーイ!」

    狛枝「もう…やめてくれ…」

    カムクラ「マイムベッソッスン!」

    狛枝「ぅぅ…」バタッ

    日向「こ、狛枝!!!」

    七海「」チーン
  41. 41 : : 2014/02/13(木) 22:44:15
    カムクラ「これでいいでしょう?傷付けずして倒しましたので」

    日向「え?…あ、ああ……」

    カムクラ「…創」

    日向「何だイズ…おわっ!?」ドサッ

    カムクラ「生き生きとしていましたね、あのとき」


    肩から振り下ろした日向を冷たい声と視線でさいなめるカムクラ。


    カムクラ「今更戻りたい…なんて許されないのですよ?」

    日向「…分かってる」





    ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇





    九頭龍「クソッ…狛枝も七海も倒れちまったか……」

    辺古山「確かにアレの破壊力は凄まじかったですね……」

    色々耐えきれなかった面々「」チーン


    日向の精神世界で繰り広げられた激闘(?)はすべて機械からモニタリングされていた。


    九頭龍「このままじゃ俺達は日向を失ってシメーだ…。どうすりゃいいんだ…!?」

    ???「」ピクッ
  42. 42 : : 2014/02/14(金) 19:59:23
    花村「」ピクッ

    九頭龍「おお…?花村。起きたか」

    花村「うん。だけど僕はカムクラ君のダンスで気絶したわけじゃないよ」

    辺古山「では、なにで気絶していたというんだ?」

    花村「彼の情熱的なダンスがオカズだと出る量もすごくて…」

    九頭龍「分かった。やめろ」

    花村「あぁ…あれを思い出すとまた…」ムクムクッ

    辺古山「や、やめろと言ってるだろう!」

    花村「いいよ!恥じらう辺古山さんいいよ!」シコシコ

    九頭龍「ペコ、切っていいぞ」

    辺古山「分かりました坊ちゃん」スパァ!!

    花村「冷徹な瞳で僕に剣を振りかざす辺古山さんいいよ!」シコシコ

    九頭龍「こいつ…!切られて真っ二つになってもなお…!!」
  43. 43 : : 2014/02/14(金) 22:03:24
    カムクラ「そんな所で茶番を繰り広げてないでさっさとこの二人を帰しなさい」

    九頭龍「うおっ、話しかけて来やがった……」

    カムクラ「僕はずっと試聴されていることは知ってましたよ」

    九頭龍(知っててやったのかよアレ……)

    カムクラ「あなた達も見たでしょう?あれが創の本心です。分かったら大人しく引いてください」


    カムクラはちらりと足元に倒れている狛枝を踏みつける。


    日向「イズル!」

    カムクラ「僕だって嫌ですよ。でもこの二人が従ってくれないのなら実力行使だって僕はいとわない」

    九頭龍「待てっ!分かった、分かったよ……。今から左右田起こすからちっと待っとけや」

    日向「えっ…?」

    九頭龍「もう日向を無理やり引きずり出すのは止めるから、狛枝と七海には手ェ出さないでくれ」

    九頭龍「それでいいんだろ…日向」

    日向「え…、あ、ああ……」


    日向(あれ…。なんだこの気持ち)

    日向(見捨てられたっていう虚脱感…?)

    日向(見捨てられたって何だよ…俺が自分で言ったんじゃないかよ……クソッ!!)

    カムクラ「………………」
  44. 44 : : 2014/02/15(土) 00:11:21
    日向(イズルのままでいたいという気持ちが俺の本心なのか?)

    日向(仲間を捨ててまで辿り着かないといけない事実なのか?)

    日向 「俺には…分からない…」

    カムクラ「創…気持ちが揺らいできたしたか…」

    日向「え、あ、ああ…」

    カムクラ「また『なんの特徴も普通の高校生』に戻るんですね」

    日向「や、めてくれ…」

    カムクラ「得れもしない才能に憧れ、嘲笑われる毎日に戻るんですね」

    日向「やめろ…やめろ…」

    カムクラ「信頼できる仲間なんて居ない。ましてやなんの才能もない自分なんて信じられるわけがない」

    日向「……」

    カムクラ「そんな日常を…また繰り返すんですね」

    カムクラ「実にクダラナイ…」

    九頭龍「日向…」
  45. 45 : : 2014/02/15(土) 18:38:58
    日向(俺は…どうしたいんだ?)

    日向(分からない……)

    日向(分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない……!!!)

    カムクラ「困惑してますね。対策を知ったうえで分からないと言う……。創はズルイ人間だ」

    日向「俺が…答えを……?」

    カムクラ「答えは僕…カムクライズルになることなんですよ」

    日向「お前になる…?」

    カムクラ「ええ」スッ


    そう言ってカムクラは膝を折り、日向に何か耳打った。


    九頭龍「何話してやがんだ…?」

    辺古山「ぼっちゃん、皆が起きたようですよ」

    左右田「オイ今どーいう状況だ!?」

    九頭龍「…負けだよ。オレらのな……」

    辺古山「狛枝も七海も皆のように倒された…。それに、日向は帰ることなど望んでいなかったんd日向「それは違うぞっ!!」

    一同「「「!?」」」


    モニタ越しに77期生達が見たのは、カムクラに向かい怒鳴る日向だった。
  46. 46 : : 2014/02/16(日) 01:52:15
    日向「俺は…そんなことを思ってなんかいない!」

    カムクラ「創…」

    日向「俺は…出たい!この俺から出たい!昔に戻りたい!仲間の所に…!行きたい!」

    カムクラ「ついに…自分からそう願ってくれましたね…。創がそう思うなら今すぐにでも戻れますよ」

    日向「それは…どういうことだ?」

    カムクラ「創は少し前、ボクのままでありたいと望んだ。ボクは創の脳をいじられ作られた存在」

    カムクラ「創の中でしか生きられない存在なんですよ」

    日向「……」

    カムクラ「創がボクのままで在りたいと願うならそれを突き通せるように尽くすだけ。突き通す際に邪魔なものを排除してでも」

    日向「そうだったのか…」

    カムクラ「それを突き通す際に邪魔なものには、創の中途半端な気持ちも含みます」

    カムクラ「ボクのままでありたくないという気持ちは当初の気持ちに反します」

    カムクラ「そう…しっかりと意思表示をされるまで、その気持ちを排除しようとしなければならないのですよ」

    カムクラ「不要な感情を取り除かれたボクがどう思おうと…」

    カムクラ「ボクは創が強く思ったことをサポートするまでです」

    日向「イズル……」
  47. 47 : : 2014/02/16(日) 15:02:32
    カムクラ「…なんて言うとでも思ったんですか?」


    カムクラは日向のこめかみを鋭く蹴り抜いた。

    日向「ぐあっ!!」ドシャ

    カムクラ「まさか、自分を殺そうとする奴を肯定するなんて…少なくとも今の僕は出来ません」

    カムクラ「あなたのような劣悪品が世界中を埋め尽くし、進化を妨げる。だからこそ淘汰が必要だ…と、僕は『先生方』から教わってきました」ミシッ

    日向「がっ…!」


    更に腹部を踏みつけ、徐々に力を込めていく。

    【超高校級の陸上部】を始め、足を酷使するスポーツにも長けたカムクライズルの脚力は言うまでもないだろう。

    手足を縛られた「劣悪品」の日向は抗う術もない。


    カムクラ「さあ、すべて僕に預けなさい。それであなたを犠牲に、あの二人は助かるんだ」

    カムクラ「それとも抵抗して惨めに殺された後…あの連中が追ってきてくれる方がよろしいでしょうか」

    カムクラ「決めるのはあなただ。創」


    理不尽な問い。苦しくて苦しくて、冷静になんてなれない。


    罪木「日向さぁぁん!!」

    終里「日向ァ!!」

    弐大「ぐううっ…!ワシらにはこれを黙って見てるしか出来ることはないのか…!?」


    モニタ越しに悔しさに顔を歪ませる77期生の面々。
  48. 48 : : 2014/02/16(日) 15:03:45


    カムクラ「カウントダウンだ、創。10…9…8…7……」

    日向(クソッ…!コイツには勝てないのかよっ……!?)

    カムクラ「6…5…4…3…」

    日向(もう…コイツの言いなりになるしか……)

    狛枝「日向クン!!」バッ!

    カムクラ「にっ…!!?」グシュッ


    背後からカムクラの喉元を貫いたのは、狛枝のナイフ。

    カウント2の奇襲は、今度こそ成功した。


    狛枝「キミがボク達のために諦める?止めてよ、予備学科に気遣われるなんて想像するだけで気持ち悪い!!」

    日向「狛枝、このやろ……!ははっ……」

    七海「日向くん、だいじょぶ?」

    日向「七海、戻ったのか……」

    七海「うん。あれは思わぬクリティカルヒットだったからね、ステ異常もぶっ飛ばすぐらいには」

    日向「…言えてる」クスクス

    カムクラ「狛枝ァァァ……!!!」


    両腕もなく、油断した状態での奇襲に、カムクラは立ち上がる。

    いつもの無機質さは感じられない。苛立ちが瞳に揺らぎ、声音に滲む。


    カムクラ「皆殺しです…一人残さず狩り尽くします……」


    造られた希望の化け物は、あくまで静かに獲物を睨みつけた。
  49. 49 : : 2014/02/16(日) 20:21:51
    カムクラ「この世から…一匹残らず…駆逐してやります!!」グォォォ

    その希望の化け物は狛枝に襲いかかる

    しかし……

    狛枝「ほっ」ヒョイ

    狛枝はカムクラのキックを避け、空中で大回転を見せた

    七海・日向「おお〜」パチパチ

    狛枝「忘れたの?僕は今【超高校級の体操部】も兼ね備えてるんだよ?僕なんかが二つの才能を持とうなんておこがましい話だけど…」

    カムクラ「クッ!」

    いつもの冷静さがカムクラにあればそんなことなどしっかり記憶していて、そよ体操部に対応した攻撃をしかけていただろう

    しかし…

    七海「狛枝くん!もっと技はある?」

    狛枝「なんだかこんなこともできるよ」ペタン

    狛枝はこういう形になる



    ー | ー
    ー ー

    七海「おおお!それ股痛くないの!?」フンスー

    狛枝「なんだか体が柔らかくなってるみたいだよ」

    カムクラ「………」

    この和気藹々としたムード。狛枝たちの悪ふざけがさらにカムクラを憤怒させる
  50. 50 : : 2014/02/17(月) 00:37:14
    七海「狛枝くんナイフプリーズ。私も戦える超高校級にジョブチェンしたいよ」

    狛枝「いいよ。はい」


    ポイッと放られたナイフは七海の腕の中に収まる。


    七海「えいっ」ブシュッ

    日向「うわっ!?…もうちょっと躊躇えよ……」

    七海「めんご。…でも当たりみたいだよ?」

    七海「とうっ」ピョーン

    カムクラ「!?」バッ


    七海の跳躍は常人離れしていた。

    手にしたナイフを縦横無尽に振り回し、身を引くカムクラを追跡する。


    カムクラ「フェアバーン・システム…!【超高校級の軍人】ですか……」

    七海「軍式格闘術の名前は知らないけど…カムクラくんが言うんならそうだろうね」


    七海が引き当てたのは後輩である78期生…戦刃むくろの【超高校級の軍人】

    才能のある人材溢れる希望ヶ峰学園のなかでも5本の指には確実に入る猛者だ。


    カムクラ「なら…僕も対等に相手してあげますよ」


    カムクラは身を折り、七海のナイフをかわす。

    そしてそのままがら空きとなった胴を蹴り上げようとした、が


    狛枝「それっ!」

    カムクラ「ぐっ!!」


    狛枝は容赦なく死角から攻め立てる。

    こうなっては大人しく身を引くしかない。


    カムクラ「ハァーッ…ハァーッ……」

    狛枝「形勢逆転かな?」

    カムクラ「形勢逆転…?ツマラナイ冗談はよしなさい希望厨……」

    カムクラ「もうあなた達を軽んじるのは止めます。僕の全力で相手してあげますよ」


    その言葉が指す次なる才能は

    霊長類最強の名を欲しいままにする少女…希望ヶ峰学園78期生、大神さくらの【超高校級の格闘家】
  51. 51 : : 2014/02/17(月) 23:49:50
    カムクラ「本気を…だしますよ」グォッ

    カムクラは日向と七海に襲いかかる

    狛枝「うおっと!」ピョーン

    七海「危ない!」ヒョイ

    二人は各々の才能に合わせた避け方をする

    狛枝「も、ものすごい速さのキックだね!」

    カムクラ「まだまだいきますよ!」

    七海「あの速さの攻撃がまだくるの…」

    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    九頭龍「や、やべえぞみんな…!」

    終里「あいつすげえ強えな!」

    弐大「うむ…。しかし一見対等のようで狛枝たちは避けることしかできてないぞ…」

    辺古山「確かにそうだな…」

    ソニア「もしこの戦いが長期戦化してしまったら…」

    九頭龍「二人は…負けちまう…」
  52. 52 : : 2014/02/18(火) 00:17:11

    防戦一方

    シンプルな現状。


    狛枝「くっ……」

    七海「いてて。お尻打っちゃった」

    カムクラ「避けてばかり…それではいつか捕まってしまいますよ?」


    余裕の態度でカムクラは呼びかける。


    疲れのないこの世界では永遠に避け続けるのは一見難しいことには考えられないが……


    狛枝「でも、これじゃ勝てない」

    七海「むー…」


    諦めないかぎりチャンスはあるが、それだけでは勝利は遠い。


    狛枝「作戦……」

    カムクラ「何も仕掛けてきませんか。なら僕から」ダッ


    カムクラのタックルをさっきと同じようにかわした。


    七海「危ない!」


    しかし七海が警告する。

    【超高校級の軍人】として保持する動体視力は誰よりも早くカムクラの狙いに気付いたのだが、間に合わなかった。


    カムクラ「捕まえましたよ?」


    そう言ったカムクラが捕らえたのは狛枝でも七海でもない敵。


    日向「あっ…がっ……!!」
  53. 53 : : 2014/02/18(火) 20:09:26
    七海「日向君!」

    日向「」

    狛枝「ああ!気絶しちゃったよ!」ユサユサ

    カムクラ「あ…気絶してしまいましたか」

    七海「大丈夫ー?日向君ー?」ペチンペチン

    日向「」

    狛枝「ダメだよそんなんじゃ…。目覚めさせたいならもっとこう」パチン!!!

    日向「」

    狛枝「ああ…頬が赤くなっちゃったけどまだ起きないね」

    七海「じゃあ狛枝君のアドバイスを元に…」ズドン!!!

    日向「ガフッ!」

    狛枝「お!?」

    日向「」

    七海「一瞬蘇ったね」

    狛枝「じゃあ僕行くよ!」ヒュードッストボーン!!!!

    日向「ぐはぁ!!」

    カムクラ「やめなさい…創が死にますよ」
  54. 54 : : 2014/02/18(火) 21:14:38
    狛枝「止めろって?日向クン殺そうとしといてよく言うよ」

    七海「何か私達が殺しちゃいけない理由でもあるのかな?」

    カムクラ「…失言でした」


    カムクラはハッと口元を押さえる。


    七海「これはナイスヒントの予感!」

    カムクラ「創を返しなさい」バッ


    飛びかかるカムクラを軽くかわす2人。


    狛枝「ははっ、ボクはやっぱりツイてるよ」

    日向「う…ん?」パチッ

    狛枝「あ、日向クンおはよう」

    日向「おはよう…じゃねーよ!今どういう状況だ!?」

    七海「ん~。ここは一時撤退かな~」

    狛枝「そうだね。日向クンのことゆっくりじっくり調べたいし」ネットリ

    日向「すげー嫌な響きだったぞ!?」

    七海「問答無用!撤退~」タタタッ

    日向「問答無用の意味分かってないだろ!!」

    カムクラ「渡しません…!」


    カムクラは日向を繋ぐ鎖を引っ張るが


    狛枝「ゴメン。鎖はさっき切っちゃったんだ。ネットリっていう擬音に紛れて」

    日向「せこい!」

    カムクラ「くっ…!」

    狛枝「後はキミを殺すだけ」ダッ

    カムクラ「逃がしません」


    追いかけっこが始まった。
  55. 55 : : 2014/02/19(水) 21:52:36
    七海「に、逃げろ〜!」ダダダ

    2分後

    カムクラ「捕まえました」ガシッ

    狛枝「あっ…捕まっちゃったか…」

    七海「うーん…。私たちの才能だと足の速さ専門じゃないもんね…」

    狛枝「いかしかたなし、だよ」

    日向「それにしても呆気なさすぎるぞ…」

    狛枝「それには僕に秘策があるからだよ」ボロン

    七海「さっき言ってたやつだね!イけ!狛枝砲!」

    狛枝「希望!希望!希望!」ムクムクッ

    日向「お、おいおい…」

    狛枝「ダメだ!希望だけじゃ足りないないよ!七海さん!」シナシナ

    七海「苦肉の策だね…しょうがない」スルスル

    日向「おい!七海がどうして服を脱ぐんだ!」

    狛枝「超高校級のパイズリを見せてもらうんだよ」

    カムクラ「クダラナイ…あなたたちの計画は失敗ですよ」

    日向「何故だ!七海は88cmもあるんだぞ!」

    カムクラ「ハンデ、忘れたんですか?」

    七海「あ」ヒンニュー

    狛枝「あ…」
  56. 56 : : 2014/02/20(木) 09:20:01
    フリーダムすぎるwww
  57. 57 : : 2014/02/20(木) 19:12:38
    七海「どうりで動きやすいはずだよ」フクヲキル

    狛枝「うーん、どうしたものかな」

    日向「取りあえず服着ろ馬鹿!!」

    狛枝「やだなぁ日向クン。ボクが脱いだのは下だけだよ」

    日向「何でも良いからとにかく着ろっ!!」


    またも訪れる気の抜けたムード。


    カムクラ(ワケが分かりません……)


    今まではこんな光景なんて「ツマラナイ」の一言で片付けられたろうに、あの3人だと無性にイライラする。


    ここまで感情を揺さぶられるなんて…いつぶりだろうか。


    カムクラ「………………」


    だからこそつい恐れてしまう。


    カムクラ「あなた達は危険だ……」ボソッ


    そう呟いて、日向を奪還しようと飛び付く。


    狛枝「よっと!」


    日向を抱え、それを避ける狛枝。


    狛枝「七海さんパス!」ポイッ

    七海「ヘイ!」ガシッ

    日向「どわっ!お前ら人をボールみたいに受け渡すなよ!」

    狛枝「あ、逆お姫様だっこ」

    七海「なんか…照れるね」

    日向「俺が恥ずかしくて発火しそうだっつーの!!」
  58. 58 : : 2014/02/20(木) 20:46:08
    狛枝「え、日向君!本当に顔から火が出てるよ!」

    日向「え、ちょ」ブワアアアア

    七海「うわあ!危ないよ!」ドサッ

    火山のように燃え盛る日向は七海により床に打ち付けられる

    日向「痛いだろ!なにも投げなくても!」ブワアアアア

    狛枝「うわあ…。すごい火だよ!これはまさに【超高校級のフェイスファイヤー】だね!」

    日向「でもこの火は尋常じゃないぞ…。向きとか操れないし」

    火が日向の上空をクルクルと回っていたその時

    七海「あ、カムクラ君!危ないよ!」

    日向の業火はカムクラに襲いかかる

    日向の顔から火が吹き出るなんて、そんなこと思ってもみないカムクラはただ唖然としていた


    カムクラ「っあ!あああああ!」

    火は直撃し、カムクラは熱さに身悶える
  59. 59 : : 2014/02/22(土) 15:00:05

    カムクラ(ワカラナイっ…どうして僕が……!!)


    我が身を食らい尽くさんばかりの勢いで全身をなめる炎に、カムクラはただただ困惑するしかなかった。

    いや、今までのカムクラなら予測出来ないことに驚喜するのが妥当だろう。

    それでもカムクラはただただ困惑していた。

    カムクラ(なんだ…僕はただ……)


    怖かった。

    予測出来るとツマラナイなどとぬかしておいて、いざ出来ないとそこに何の興奮もない。

    ツマラナイの反対はタノシイなんかでは無いことに、彼は初めて気が付き…


    カムクラ「っ……!!」


    ───改めて消失の危機に絶望した。


    ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇


    七海「何コレ……」


    この光景にはのんびり者の七海もぽかんとするよりない。

    狛枝「どうする?日向クン」

    日向「ど、どうするって……」

    狛枝「生かすも殺すもキミ次第だよ。…まあ生かしたらまたキミを殺しにかかるだろうけど……」

    日向「……………」


    ニヤニヤとこちらを見る狛枝。


    日向「ったく…ブレないなお前はよ……」


    そんなこと、頭の良いお前ならとっくに分かってるだろ?
  60. 60 : : 2014/02/24(月) 17:00:19
    面白いです
    期待です
  61. 61 : : 2014/02/24(月) 22:46:14
    今まで俺を殺しにかかってきてヤツを…生かせるわけないだろ

    日向「狛枝、ナイフ」

    狛枝「やっぱりね、はい」ニヤニヤ

    日向「おう、さんきゅ」パシ

    七海「ちょ、ちょっと…二人とも?」

    日向「七海…止めるなよ」

    日向は行動停止のカムクラに向けてナイフを振り上げ…

    七海「ちょっちょっとまってよ!」

    ザシュッ

    カムクラ「ガフッ!ガァ!」プシャー

    ナイフの切り口から大量の血が飛び出る

    日向「ハハッ…アハッハッハ!」

    狛枝「これが君が導き出した未来なんだねえ!希望に満ち溢れてるよ!」

    七海「二人とも…?どうしちゃったの…?」
  62. 62 : : 2014/02/26(水) 22:54:39

    ビーッ!! ビーッ!!


    左右田「狛枝、七海!悪ィ、緊急事態だ!!」

    七海「どうしたの、左右田くん!さっきから2人の様子がおかしいんだけど……」

    左右田「何かよく分かんねーけど…ウイルスみてーなモンだ!早く脱出しねーと汚染されちまう!」

    七海「ひ、日向くんは…日向くんはどうなるの?」

    左右田「それは……」

    ???『うぷぷ、心配なら無用だよ』

    七海「!!」

    七海「その声…!!」

    左右田「七海、どうかしたのか?」

    七海(みんなには聞こえてないのか……)

    ???『絶望は伝染するんだよ。っていうかカムクライズル及び予備学科の日向クンを連れてかれちゃ参っちゃうよ《未来機関》さん?』

    七海「うーん…やっぱり失敗だったのかな……」

    左右田「だからさっきからどうしたんだよ!?」


    七海は左右田の声を無視して『外』に呼びかけた。


    七海「プログラムに異常発生。ウイルス侵入の模様。プログラムのスキャン及び保護、ウイルスのデリートを開始します。残り3時間…進行状況1%……」
  63. 63 : : 2014/02/28(金) 19:34:13
    ーーーーーーーーーーーーーー

    九頭龍「な、なんだぁ!?どうしちまったんだ!」

    左右田「アレだよ。深刻なエラーが発生しましたってやつだ」

    小泉「それってもしかすると…」

    左右田「おう…。戻ってこれねえかもしれねえ…」

    花村「そそそそれは困るよ!僕のオカズが一気に3人も減るなんて!」

    終里「花村ァ…お前にも深刻なエラーを発生させてやろうかあ?」ポキポキ

    辺古山「やめておけ…。今はそんなことよりあいつらの救済が先決だ」

    弐大「応…。しかし救済と言ってものォ…」

    西園寺「あの七海おねぇがブツブツ言ってるのはなんなのー?なんか気持ち悪いよー」

    ーーーーーーーーーーーーーーー

    七海「残り時間2時間50分…進行状況3%…」

    ーーーーーーーーーーーーーーー

    田中「あれは…新たなる力を手に入れる時の神の玩具に表示されるような言葉に似てるな…」

    左右田「ゲームのアップデートの時だな」

    罪木「七海さんまでおかしくなっちゃったんですかねぇ…?どうなっちゃうんですかぁ!?」
  64. 64 : : 2014/02/28(金) 21:44:46

    カムクラ「分かりましたよ……ここが何なのか」

    ???『さっすがカムクライズルだね。ボクが見初めただけはあるよ』

    カムクラ「見初めた?…貶めたの間違いでしょう、江ノ島盾子。…いえ、今はモノクマと呼ぶべきか」

    モノクマ『うぷぷ。空気が読めるのはいいことだね』


    ぴょこんと現れるモノクマ。


    モノクマ「うぷぷ…。苗木クン達が面白い事してるから邪魔しに来ちゃった」

    カムクラ「?…誰ですかそれ」

    モノクマ「キミは知らなくても大丈夫だよ。それより……」チラッ

    七海「警告。ウイルスの驚異レベル5。システムの再起動が必要です。至急応答を願います」

    ???『千秋ちゃん!』ヴォン


    呼びかけに応えたのはあるデータ。


    カムクラ「【超高校級のプログラマー】不二咲千尋……」

    七海「お兄ちゃん!」
  65. 65 : : 2014/03/01(土) 00:12:14
    アルターエゴ『妙なウイルスが入っちゃってたみたいだねぇ…』

    七海「そうなんだよ」

    アルターエゴ『でもこれで大丈夫だよぉ!』つウイルスバスター2027

    モノクマ「ちっょっとオマエラー!ふざけてもらってちゃ困るよ!」

    アルターエゴ『ふざけてないよ!これを使えばモノクマだってへっちゃらなんだぁ!』

    モノクマ「ふぎぃ!?そんなふざけた玩具で?」

    七海「お兄ちゃんがそういうなら…そうなんだよ」

    カムクラ「理不尽ですね…」
  66. 66 : : 2014/03/01(土) 14:54:17
    左右田「チクショオ…何が起きてやがんだ!?」

    モノクマ「うぷぷ、そんなウイルスバスターなんかじゃボクには勝てないぞ!」ガオー


    モノクマは爪でウイルスバスターを切り裂いた。


    不二咲「ああっ!」パリーン

    モノクマ「アーハッハ!そんな物でボクに勝てると思ったら大間違いだよーっ!」

    モノクマ「ねえねえ、いつまでこんな悪ふざけやってるつもり?早く対応しないと絶望はどんどん広がっちゃうよ?」

    九頭龍「なんだよ…どういう事だよコレ……」

    罪木「うふっ…、うふふふふふふふ……」

    西園寺「何だよゲロブタ変な笑い方しやがって!あんたまで頭おかしくなっちゃったワケー?」

    罪木「私も思い出しましたよぉ…。そうでした、これは……」ガッ

    西園寺「はあ!?触んないでよ!!」


    罪木はゆらりと手を伸ばし、西園寺を捕らえる。そしてポケットから注射器を取り出した。


    罪木「西園寺さんも早く思い出してくださぁい」ユラッ

    西園寺「!!…ちょっ、ふざけんな!!」

    小泉「蜜柑ちゃん!日寄子ちゃん!」


    注射針が西園寺の皮膚に刺さる…と思ったとき


    罪木「ふぇっ!?」シュンッ

    終里「お、おい!消えちまったぞ!」

    弐大「な、なんじゃあ!一体何が起こっとるんじゃあああああああ!!!!」

    花村「これは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だ……」テルテル


    困惑する77期生たち。
    そこに声が響きわたる。


    ???『アルターエゴ!千秋!このままじゃ新世界プログラムが保たない。強制シャットダウンの用意をして!』

    不二咲「分かった!」

    七海「ラジャー!」
  67. 67 : : 2014/03/04(火) 00:01:57
    七海「強制シャットダウンを開始します」

    不二咲「強制シャットウンまでは少し時間がかかるよ」

    ???『かまわない!まずは絶望の侵食を食い止めることが先決!」

    不二咲「了解。シャットダウンの為の処理を開始します」

    ピーピーとけたたましい電子音が響き渡る

    九頭龍「あっちでも変な音がなってやがるぞ!」

    花村「もうなんなんだよおおおお!!」

    七海「処理が完了しました。続けて強制シャットダウンを行います」

    不二咲「強制シャットダウン完了まで残り10分…」

    モノクマ「させるかぁ!」

    モノクマは破竹の勢いで不二咲たちに襲いかかった
  68. 68 : : 2014/03/05(水) 21:33:31

    モノクマの爪が2人に迫る。

    しかし、それを防ぐ者がいた。


    カムクラ「………………」ブンッ

    モノクマ「うわ、あっぶね!」ヒョイ


    無音の蹴りを紙一重でかわすモノクマ。


    モノクマ「ちょっと~お。なんでキミが邪魔しちゃうのかな?」

    カムクラ「決まってる。あなたの思い通りにいくのはツマラナイからですよ」

    モノクマ「やっべ超同意!ボクら親友になれちゃうかも!」

    カムクラ「いいから来なさい」

    モノクマ「ちぇっ。つれないヤツだなあ、相変わらずさ!そのロン毛バッサバサに刈り上げて坊主にしてやんよ!」ガオーッ

    カムクラ「それは嫌なんで抵抗させてもらいます」スッ


    腰を落とし、モノクマがどう飛びかかってきても対処できるようにする。


    ???『カムクラ……』


    そこになんの脈絡もなく降ってくる声。カムクラは声のする方を見上げ、話しかけた。


    カムクラ「勘違いしないでください《狛枝凪斗に似た男》。…別にあなたを助けている訳ではないのですから」

    ???『…そうか。でもありがとう』


    どこか安堵したようなその声に、カムクラは僅かに顔をしかめる。


    不二咲「ファイルをスキャンしています」

    七海「残り時間7分……」


    不二咲と七海はぶつぶつとシステム終了の準備を続けている…
  69. 69 : : 2014/03/11(火) 22:24:30
    カムクラ(残り…7分ですか…)

    カムクラ(流石のボクでもこのモノクマ相手では若干キツイかもしれません…)

    モノクマ「オラオラオラオラ!!余所見してる場合じゃないぞ〜!」

    七海「残り時間…6分…」

    ???『あと少し…あと少しだ…』

    カムクラ「分かってます…6分なんて時間…!」

    モノクマ「スキアリィ!!」

    カムクラ「!?」

    モノクマ「独り言言ってる場合じゃなかったね!」

    モノクマの鋭利な爪がカムクラの髪の毛に襲いかかる

    スパッ!!!

    カムクラ「ッッ!」

    カムクラの髪の毛の一片が切り捨てられた

    モノクマ「次はこんなもんじゃすまないよ〜!一生カツラが必要な頭にしてやるぞー!」ガオー

    カムクラ(一旦引いたほうがいいですね…)ダダダ

    モノクマ「あちょとー!なんで逃げるのさー!」テテテテ

    二回目の「追いかけっこ」がまた始まる
  70. 70 : : 2014/03/12(水) 12:11:16

    カムクラ(単純な追いかけっこなら僕は負けません)


    モノクマはお世辞にも走るのが早いとは言えない。2人の距離はあっという間に広がっていく。


    モノクマ「ぜぇぜぇ…。おのれ~、こうなったら奥の手だ!」

    カムクラ「奥の手ですか」


    何もかも予測済みのカムクラは、垂直に跳ねた。

    そこに伸びたのはもう1人の彼の腕。


    カムクラ「創……」

    日向「カムクラァァ……」


    平々凡々な日向に捕らえられるカムクラではない。

    逆に、着地の瞬間にその腕を蹴り上げ、足を払う。


    日向「あぐっ!」

    カムクラ「…やはりあなたは死んだ方が幸せだ……」

    ???『待てカムクラ!…日向クンをどうするつもりだよ!』


    咎めるような声が降ってくる。

    カムクラは気だるそうに答えた。


    カムクラ「終わりにするんですよ」

    カムクラ「過去は変えられない。創は絶望を乗り越えられない。…それならもういっそ、息絶えてしまった方が幸せだ」

    ???『やめろ!…ボクらには策があるんだ。それさえ上手くいけば日向クンは…』

    カムクラ「記憶を消して…それで?」


    顔さえ見たことのない彼の行動すら予測済み。

    この極限状態で、カムクラは恐ろしいほどに冴えわたっていた。


    カムクラ「そんなの根本的な解決にはなっていません。とても創を思っての行動には見えない」

    ???『………………』

    モノクマ「てやーっ!ボクを忘れてもらっちゃ困るぞー!」ピョーン

    カムクラ「僕はあなたたちに先を見越した計画を立ててほしい」スッ


    話しながらモノクマをかわす。


    カムクラ「それが出来ないのなら…僕は創を殺します」



    不二咲「強制シャットダウン完了まで残り3分……」
  71. 71 : : 2014/03/15(土) 22:23:26
    カムクラ(残り…三分…)

    カムクラ(三分のうちに彼らは判断できるのでしょうか…)

    その時、モノクマの立っていた床がが抜け落ちる

    モノクマ「ちょえっ!あっぶね!」

    不二咲「強制シャットダウンまで残り2分…」

    七海「強制シャットダウンの進行がかなり進みました。この世界になんらかの不具合が起きる場合があります」

    モノクマ「マジカヨー!ちょっとちゃんとしてよー!」

    ここにはいないこの世界の『創造者』にモノクマは投げかける

    カムクラ「…」

    そんな不具合が起きることさえも予測済みのカムクラは動じない

    そんな不具合なんかよりも…

    ???『ボクは…どうすれば…』

    カムクラ「残り30秒になるまでに決められなければ容赦無く…」

    カムクラ「創を殺しますよ」

    ???『……』
  72. 72 : : 2014/03/17(月) 22:42:20
    続きがきになるぅー
  73. 73 : : 2014/03/18(火) 16:26:43
    すごいね、本当に面白い
    SS Note βには珍しくすごい良作だ
  74. 74 : : 2014/03/18(火) 18:34:32

    カムクラ「自分で持ち込んでおきながらなかなかメンドウクサイ相手です……」


    答えない声を無視してカムクラはモノクマへ向かう。


    カムクラ「さあ、あと3分で僕に勝つ見込みはあるんですか?」

    モノクマ「はぁ…絶望だよ……」


    モノクマは大袈裟に肩を落とす。


    モノクマ「またボクが勝っちゃうなんて…絶望的だよねぇ……うぷぷ」

    カムクラ「…は?」


    尋ねようとカムクラが口を開いたとき



    ビーッ!ビーッ!

    ズズズズズ……


    カムクラ「!?」


    響き渡る警報と地響き。そして…


    左右田「カムクラ!盾子様を出し抜こうたぁ、おイタがすぎるんじゃねえのか!?」

    カムクラ「…絶望の侵食、ですか」


    七海「…警告っ!」


    さっきまで機械のアプリケーションのように振る舞っていた七海が、顔をぱっとあげた。


    七海「強制シャットダウンに影響はないけど…ここにいたら左右田くんに消されちゃう」


    のんびり屋の彼女の真剣な表情。

    それがこの緊急事態の危険性を指し示すことは言うまでもないだろう。
  75. 75 : : 2014/03/18(火) 19:18:25
    七海「左右田くんは…仮にもこの世界の『創造者』だから…」

    もうここには「仮にも」の意味が分からない者は居ない

    カムクラ「容易に消すことができる…と」

    七海「うん…。理不尽にいきなり消されるってことはないと思うけど…」

    その時…

    シュン!!!

    カムクラ「!?」

    左右田の方向から飛んで来た「物体」にカムクラは反応し、咄嗟に避ける

    左右田「オラオラ!『絶望スパナ』だ!何個でもあるぞ!」

    左右田のポケットに覗ける溢れんばかりのスパナ

    七海「気をつけて!アレに当たると消えちゃうのかも!」

    カムクラ「そうですか…」

    左右田「うり!くらえっ!」

    次は二つ同時にスパナが飛んでくる

    カムクラ「………」シュッシュ

    これも当然のように避ける…が

    不二咲「強制シャットダウンまで残り…2分」

    カムクラ(2分…ですか…)

    この時間となるといつまでも避け続けられるとは限らない…

    カムクラ「これは…仕掛けるしかありませんね」ダダダ

    左右田「ちょ!まてまて!タイム!」
  76. 76 : : 2014/03/19(水) 23:35:49

    ???『ダメだ!止めろ!』


    もちろんそんな制止を受けるカムクラではない。

    遠慮も情けも容赦もなく、カムクラはただただ冷静に左右田を蹴り抜いた。


    左右田「ガッ……!」


    左右田は彼方に吹っ飛ばされ、すぐに視界から消える。


    モノクマ「ありゃ、左右田クン飛んでっちゃったね」

    ???『何てことを…!カムクラ、ここでの現象は例えデータ上の出来事でも……』

    カムクラ「すべてがリアルに反映される。予測出来てますそんな事ぐらい」

    ???『じゃあ何で!?』


    咎めるような声に「偽善者が」と一言愚痴るカムクラ。


    カムクラ「どうせ絶望の残党はこの後殺処分でしょう?早いか遅いかの違いしかない」

    カムクラ「あなたは僕らを庇ったけど、それも失敗。…もうあなたには任せていられません」

    ???『くっ……』


    不二咲「強制シャットダウンまで残り1分……」

    モノクマ「うぷぷ、ラスト30秒だよ。どうすんの?」

    カムクラ「…あなたはどうするんですか」

    モノクマ「いや~、このまま日向クンが絶望の渦中で弾け飛ぶのを待機だよ!」
  77. 77 : : 2014/03/20(木) 20:16:16
    ???「カムクラ、僕は日向君の記憶を消すことにするよ」

    カムクラ「解らない人ですね。さっきも言ったようにそんなこと根本的な解決には…」

    ???「それでもいい!」

    カムクラ「………」

    ???「殺されたりするよりこっちの方が絶対いい!」

    カムクラ「貴方は創の何を知ってるというんですか?」

    ???「クッ!」

    カムクラ「分かったように言ってますが…それが本当に創が望む答えだと思いますか?」

    ???「それは…僕にも分からない…」

    カムクラ「まあいいでしょう…。ほれが貴方の答えならば時間もありませんしこのまま強制シャッドウンを待ちます」

    七海「強制シャッドウンまで残り30秒…」
  78. 78 : : 2014/03/21(金) 05:22:38
    シャッドウn(ry
  79. 79 : : 2014/03/23(日) 23:54:00

    カムクラ「………………」

    モノクマ「うぷぷ、どうすんのカムクライズル?そんな答えで納得しちゃうわけ?」

    モノクマ「あんな苦し紛れな苗木クンの答え、受け入れちゃうの?」

    モノクマ「あーあ!これじゃどのみち日向クン死んじゃうなー!せめてキミの手で楽にしてあげた方がいいんじゃなーい!?」


    そう煽りながら、ちらちらとこちらを伺うモノクマ。


    カムクラ「…そんな手に、引っかかると思ってます?」


    カムクラは冷めていた。

    モノクマの、苦し紛れの抵抗に。


    ???『う~ん、残念だなぁ。完全に騙せてると思ったのにぃ』

    ???『いつから気付いてたの?ボクが本物と入れ替わっていたことに』


    くすくすと嗤う声。

    それは紛れもない『苗木誠』の声だったが、本性はモノクマだ。


    カムクラ「自暴自棄な発言が目立ちだした時からです。…まぁ、なかなかの名演だったと思いますよ」


    「僕の前では無意味でしたけど」と、カムクラはツマラナさそうにつぶやいた。


    カムクラ「さて、どうしましょう」


    カムクラ「本物の答えが聞けないまま、終わってしまいましたね」



    不二咲「強制シャットダウンを開始します」


    ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
  80. 80 : : 2014/03/24(月) 23:21:09
    江ノ島「あ〜あ〜強制シャットダウン成功しちゃったよー」

    江ノ島「まあこんなの暇つぶしにすぎなかったけどね!」

    江ノ島「アハハハハハハハ!!」

    江ノ島「はあ…つっまんない」

    江ノ島「カムクラと日向は残ったようだけど…潰しにいってみるか!」

    江ノ島「絶望の種を〜!撒きましょ〜お〜♪」

    江ノ島「はぁぁぁ……」

    残姉の存在は偉大だったのだ


    ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
  81. 81 : : 2014/03/26(水) 20:51:45

    =未来機関=


    苗木「ああ…。連絡が途絶えたまま、強制シャットダウンが完了しちゃった」


    途絶える前に聞こえたカムクラの声。


    『記憶を消して…それで?』


    苗木(ただ記憶を消すだけじゃ無かったんだけど…、やっぱり無謀すぎるのかな)

    不二咲・七海『苗木くん!』パッ

    苗木「アルターエゴ、七海さん。ありがとう、お疲れ様」

    不二咲『ご、ごめんねぇ。急に苗木くんからの信号が途絶えたのには気付いたんだけど、強制シャットダウンで手一杯で…』

    苗木「大丈夫だよ。結果、問題なく成功してるわけだし」

    苗木(でもどうしよう…。プランは失敗か)


    うーんと深く考え込む苗木。


    苗木(カムクラから日向クンを団結して取り戻す…。上手くいけばこの記憶を上書きしたとき、みんなに絆が生まれると思ったんだけど……)

    七海『ねえねえ苗木くん』

    苗木「ん?…ああ、ゴメンゴメン。なに?」
    七海『前から気になってたんだけどさ、修学旅行って何かな?』


    七海が掲げているのは、ここ『ジャバウォック島』のパンフレット。

    その文のなかに確かに“Schooltrip”(修学旅行)の文字があった。


    七海『スクールが学校で、トリップが旅行だよね?…で、お兄ちゃんに「学校旅行って何?」って聞いたら修学旅行だって言われたから、修学旅行って何?』

    不二咲『千秋ちゃん…。またボクに聞けば良かったでしょ?』

    七海『取りあえず、全ての人と話す!RPGで手詰まったときの基本だよ』ドヤッ

    苗木「はははっ。修学旅行っていうのは、同じクラスや学年の生徒たちが、ある程度離れたところに数日泊まり込みで勉強したり遊んだりする事だよ」

    七海『へえ…、楽しそう!』

    苗木(修学旅行か…。ボクらも普通に希望ヶ峰学園に入れてればみんなで行けたのかな……)

    苗木(もしかしたら記憶が消えてる2年間の間に行ってたのかもしれないけど、楽しいって気持ちが残ってないから何とも言えない……)

    七海『いいねー、修学旅行。ダンジョン開拓の遠征みたいな感じなのかなー』キラキラ

    苗木(七海さんがここまで反応を示すのも珍しい……あっ)

    苗木「そうだ、これならいけるかもしれない!」

    不二咲『えっ、どんな案?』

    苗木「修学旅行だよ。77期生みんなで修学旅行に行ってもらって、絆を深めてもらうんだ」

    苗木「ジャバウォック島のデータは揃ってるし…。七海さんも行ってみたいでしょう?」

    七海『おお!苗木くん太っ鼻!』

    苗木「それを言うなら『太っ腹』だよ!」

    苗木「とにかく、あと必要なのは教師役のアバターとプランの構築だけだ。よし、霧切さんと十神クンに連絡しないと……」

    苗木(ただ、江ノ島……。さっきの強制シャットダウンでデリート出来てればいいけど)

    苗木(ボクらの悲劇を繰り返すことだけは絶対にさせない!)
  82. 82 : : 2014/03/27(木) 10:46:06
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    こうして未来機関となった僕たちは修学旅行のしおり(新世界プログ
    ラム)を組んだんだ

    未来機関のお偉い様方達は絶望の残党は殺してしまおうっていう指向だったから、それに逆らって作っていったのは大変だったけど良い思い出だ

    今は新世界プログラムは僕たちの中で、カムクラ更生のまた違うバージョンの物として、『アイランドモード』なんて言われている

    江ノ島については…僕たちの予想通りモノクマに扮して日向クンたちに襲ってきたけどなんとかモノミが撃退してくれた

    進行はとても上々だからこのままいけばカムクラはきっと日向クンに戻れる

    因みに日向クンがみんなからパンツを貰ってるっていうのは羨ましくもなんともない


    「誠君?いつまで独り言を話してるの?しっかりアイランドモードのアップデートを…」

    「分かったよ響子さん!もうちょっとまっててね!」


    えーオホン。最後に!未来はきっと自分で創れる。希望を持ってその未来を進む事によってなんでもできると僕は思う。

    じゃあまた会える機会があればその時はヨロシクね!希望は前に進むんだ!


    〜希望end〜
  83. 83 : : 2014/03/27(木) 10:59:50
    ついに!ついに!完結です!!僕がだらだらしてたり僕が風邪を引いてたりで毎回僕のところで更新が止まってしまっていて申し訳なかったです!だけどなんとかハッピーエンドを迎えることができてよかったよかったです。

    時雨さん(アザメさん)にも迷惑かけて頭が上がらないんごです!僕の創り出す誤字、矛盾が激しかったですがそれのフォロー助かりました!ありがとうございました!

    ここまで読んでくださった皆様、時雨殿。本当にありがとうございました!
  84. 84 : : 2014/03/27(木) 12:11:01
    どうもアザメ(時雨)です
    スカイさんお疲れ様でした!途中から帳尻あわせで手一杯で私の実力のなさが露見した作品になってしまい、見てくださった方のお目を汚し、またスカイさんにも多大な迷惑をおかけしました。

    ここまで付き合ってくださった皆様、スカイさんに山より高く、海より深い感謝です!ありがとうございました!
  85. 85 : : 2014/03/29(土) 01:46:12
    お疲れさまですー
    おいかけっこの辺り凄く面白かったですw
  86. 86 : : 2014/03/29(土) 02:19:14
    おつかれさまです!凄く面白かったです!!(笑)
  87. 87 : : 2014/03/29(土) 02:27:13
    スカイさん、時雨さん、お疲れ様でした!

    最後までとても面白かったです!
  88. 88 : : 2014/04/04(金) 19:55:29
    お二人方お疲れ様です(≧∇≦)面白かったです!!
  89. 89 : : 2014/09/14(日) 00:42:32
    すげぇええ…

    感動しました!!

    GJです!!!!

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