このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
黒衣の魔導剣士と黒髪の皇女〜魔族侵攻篇〜
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- 1 : 2022/12/18(日) 19:52:21 :
- フリーダ・レイスという新たな王が誕生してから、少しずつ平和へと歩み進めたエルディア王国。
フリーダ皇女の命によって魔導士は軒並み一つの組織に統合、「国民を守る為の組織」と認識を改めさせた。
それと引き換えに、エレン・イェーガーは“王族護衛隊”とそれに密接な関係にある“隠密機動”を創設。
エレン、マリー、そしてヒストリア、彼ら三人は皇女たるフリーダの護衛として、エルヴィンら幹部達にその旨を報せた。
それに伴って、王都ミットラスは厳重な結界を用いて視覚を遮断した後、遥か上空へと王都ごと打ち上げた。
マリー「よくこんな事を考え付いたわね。それもこれも全部、隠密機動の元となった所からのリスペクト?」
エレン「まぁ、そんな所だ。奴らの狙いが俺だけとも限らない。それに、あいつが死んじまえば国は終わりだ。だったら、そうならない為に俺やフリーダを王都ごと隠してしまえばいい」
吹雪「この期間で随分変わられましたね」
エレン「こんな状況でも無ければ…こうはなって無いだろうな」
マリー「ふーん?つまりは、私達の仕事は王都の守護…王国の守護は“下”に居る魔導士達に任せるって割り切ったワケだ?」
エレン「これ以上の最善策は無い。恐らくな」
マリー「あんたがそう言うなら、私から言う事は無いわ。皇女を除けば私達の上はあんたなんだしね」
エレン「…………苦労をかける」
マリー「別に……」
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- 2 : 2022/12/21(水) 01:19:34 :
- 魔族の侵攻がいつ起こるのかという不確定要素を抱えたまま、数年の歳月が経過した。
精神を患い、少しづつではあるが着実に回復をしていた彼女も……。
サリア「お兄さん、聞いて欲しい事があるの…!」
エレン「………何だ」
サリア「私、“王族護衛隊”の試験に合格したっ!」
エレン「それは褒めてやりたい事だ」
サリア「だよね…!」
エレン「こんな状況じゃ無かったらな」
改めて説明すると。
齢にして12~3程だったサリアという少女は、この数年を以て16歳になった。
そんな彼女は、エレンと離れ離れになるのを拒絶したのか…王族護衛隊への入隊をする為に、マリー監修の元で特訓を行った。
そして今日、正式に王族護衛隊の一員……それも強力な能力からか、何か偉業をして見せたのか、王族護衛隊の“副隊長”という地位に飛び級したらしい。
それを本人の口よりもマリーから聞いていたエレンは褒めてやりたいと、祝いたいと思っていた。
彼女が、蛇のように絡み付いて来なければの話なのだが…。
エレン「いったい何処で道を間違えたのやら……」
サリア「えへへ…。お兄さん、好きだよ。大好き…」
エレン「あの純粋無垢なお前は何処へ……」
この数年で一番変わったのは何処かと、そう問われればエレンは即答で“表情”と“抱き着き方”と答えるだろう。
かつての彼女は、柔らかく微笑み、まるで妹のように小さな両手で目一杯抱き着いてきた可愛らしい少女だったのだが…。
サリア「お兄さん…大好き。お兄さんも、抱き締めて良いんだよ?」
このように、スラッとした両腕を首に絡めて正面から抱き着き、女が魅せる笑みをするようになった。
もっと言ってしまえば、彼の首筋に顔を埋めて匂いを嗅ぎ、膝の上で自身の腰を前後に揺らしている。
自身のイメージと反対方向に育ってしまった、妖艶に笑う少女を相手にエレンは頭を抱える。
エレン「俺はお前をそんな変態に育てた覚えは無い」
サリア「お兄さんへの“愛”が止まらないの…。それに、こんな事するのはお兄さんにだけだよ」
エレン「何年か前までは恥じらいのある可愛い奴だったのに……」
サリア「ああっ、お兄さん…!そうやって途方に暮れる表情もカッコいいよっ!夜のごはんが捗るよ…!」
恍惚とした表情でエレンを見つめる彼女は、「はぁ、はぁ…っ」と息を荒くして興奮している様子。
本当に……彼女は何処で道を間違ってしまったのだろうか…?
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- 3 : 2022/12/22(木) 14:09:44 :
- エレン・イェーガー
“予言の子”として良くも悪くも有名な男。
「イェーガー」一族の歴代最強にして最後の生き残り
紅い色味を帯びた黒髪と、夜を照らす月の様な金色の瞳が特徴。
非常に落ち着いた性格。
父母の教えや過去の経験から物事を考えて行動する。
“王族護衛隊”の隊長となって以降、理想や甘さといったモノは極力考えない様にしている。
扱える元素力は「炎」、「氷」、「雷」の三つ。
「炎」の元素力
対集団戦、敵との一騎討ち…どちらの状況下においても凄まじい火力で焼き払う純粋な直接攻撃に扱う事が多い。
「長時間使い続ければ、周囲の水分が徐々に失われる」という何処かで聞き覚えのあるデメリットを抱えている為に、短期決着でのみ使用する。
「氷」の元素力
汎用性が高く、攻防どちらも優れている。
氷結分身や超高密度の氷壁、止血
刀を介して氷の礫を牽制として投擲したり、対象の足元から刹那の間に巨大な氷柱を作るといった本人の技量が色濃く影響している。
また、「大気中の水分」に自身の魔力を触れさせる事で“凍結”させているので、実質「全ての水」は彼の支配下にある。
「雷」の元素力
攻撃性能がずば抜けている事が特筆されがちだが、彼はこの力を身体性能の向上や移動用に扱う事が多い。
「雷霆」を身に纏う事で筋力の活性化を図る。
それは握力であり腕力であり、脚力であり跳躍力である。
これを利用した彼の歩法は誰が言ったか、
「一筋の稲光」である。
また、刀に少量の「雷」を流す事で引力を発生させて手元に引き寄せたり、刀を投げ付けて移動用の楔として感知をすり抜けて移動する応用技があるようだ。
そんな彼が愛用するのが、幼い頃より心身を共にした刀である。
彼女の名は二つ存在している。
一つは、“桜吹雪”
一つは、“紅桜”
“桜吹雪”というのは、彼女の基本能力。
「吹き荒ぶ雪は桜花の刃の如く」という詠唱の後、
刀身が桜の花びらを模した刃に変化する事で、対象の全方位から攻撃を仕掛ける事が出来る。
また、自身の損傷と引き換えにその刃を掴み放射する「桜花刹刃」という技があるが、エレンがそれを使った試しは無いという。
“紅桜”というのは、彼女本来の能力。
薄紅色の刀身を、生き血を啜った様な真紅色に染め上げるという一見何も変わっていないように思えるが、実際は刀を握る右手では無く左手の動きによってその真相が明かされる。
殺し合いにまで発展したというマリーのみ、その能力を見た事があるという。
交友関係者から見たエレン・イェーガー
愛刀曰く、「内に秘めているだけで、その心は温かく心地良い……。しかし、誰よりも“愛情”を大切にするマスターの心は、冷たい氷で固めなければならない程に酷く脆い。少しでも衝撃を与えてしまえば簡単に砕け散ってしまう。それ程までに、“親の死”というのは、マスターの心に深く根強い傷痕を遺してしまったのです」
フリーダ曰く、「少し容赦の無い物言いをするけど、ちゃんと彼を“理解”すれば、その意味が分かる。人思いで優しい…私の旦那様だよ」
ヒストリア曰く、「エレンは強者でありながら弱者の事を分かってあげられる珍しい人。けど、エレンの考えや気持ちに“理解”を示す人は……ほとんど居ない。ある意味、エレンは弱者なんだよ」
マリー曰く、「他の連中はあいつに対して羨望の眼差しを向けるけど、あいつからしてみれば…そいつらの方が余っ程羨ましく思うでしょうね。あいつの眼を見れば分かるわ。一度失った奴程、他者へのそういった感情は募るもんなのよ……」
サリア曰く、「お兄さんは、言わないだけで誰よりも“愛”や“幸福”を欲しがっています。私はその恩返しを一生をかけてするつもりです。一度壊れた私にそうしてくれたように……。お兄さんは私にとっての神様なんです。そんな優しい人を傷付けようとするなら…私はその人達を未来永劫…転生しても尚、呪い続けます」
リヴァイ曰く、「“孤独に生きる”。それがどんなにキツい事なのか……エレン以上に知ってる奴は居ねぇよ。嫉妬に塗れた心でアイツを見る事自体が間違ってるんだよ。エレンの周りに皇女含め女が集まるのは、アイツが併せ持つカリスマ性に他ならねぇ。あの眼を見れば誰だってそうなる。アレを見ちまったが最後、“本能は鎖に繋がれ引き寄せられる”。いずれ男共も知る事になる。エレン・イェーガーという、神をも魅了させた男の本質を…」
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- 4 : 2022/12/22(木) 15:05:10 :
- フリーダ・レイス
先代国王、ロッド・レイスを打ち倒し、エルディア王国を新しい時代へと導く皇女。
ストレートに伸びた漆黒のロングヘアーと、夜空の様に綺麗な青い瞳を持つ。
物腰柔らかで、穏やかな性格。
誰に対しても平等に優しく、善良な心を持って接する事から、国民からは「女神様」、「美しき女神」などと呼ばれている。
幼い頃に街を散策していたところ、人身売買を行う取引人に目を付けられ、一心不乱に逃げ回り、遠く離れた“シガンシナ区域”にて、エレンと出逢う。
彼女はこれを「運命」と信じて疑った事は一度も無く、現在に至るまで紆余曲折あったが、彼の伴侶として相応しくなる為に、嫌いな執務も頑張っている様子。
彼女の自業自得と言えばそうなるが、“とある一件”で自身の僅かなマゾヒスト性を自覚する事になる。
扱える元素力は「氷」
全高20m程の大氷壁や、降り注ぐ雨粒を凍結させて弾丸の様に飛ばす等、エレン程では無いが技量は高い。
エレンの等身大モデルを作成して飾ったり、
彼の形を覚えてしまったが故にデ○○ドを作って楽しんだり、変な方向に暴走する悪癖が最近よく目立つとメイドからの口コミが殺到している。
交友関係者から見たフリーダ・レイス
エレン曰く、「無自覚で嫉妬を煽る天才、周囲からの評価に無頓着、危機管理能力の無さ、無防備……。言い出したらキリが無いな。…良い所?ダメだダメだ、教えてたまるかよ。アイツは俺の女だ、分かったか?ジャン坊」
ヒストリア曰く、「ハッキリ言って“恋愛弱者”、正妻の地位を確立しておきながらまるで独占欲が無い。そのくせ、変に拗らせてメンヘラになるから手に負えない。こんな異母姉を貰ってくれたエレンには凄く感謝してる。後でエレンにマッサージしてこようかな、割と際どいやつ」
マリー曰く、「なんて言うか…初心よね。何で私に相談とかしてくるのかしらね…?その内“あの子に寝取られる”って忠告しとこうかしら」
サリア曰く、「私が乗り越えるべき、最強にして最大の壁です。今は皇女様に釘付けの視線を、その内私だけのモノにして見せます!…あっ、お兄さん!お願い事があるんです!今日の夜、私の事ベッドの上で啼かせて─ぁだぁっ!?」
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- 5 : 2022/12/22(木) 18:25:56 :
- エルヴィン「これは……父上の」
エルヴィンが偶然見つけた一冊の本。
そこには、魔族が初めて人類に姿を現した時の文献が記しされていた。
エルヴィン「五百年前…?百年前では無かったのか」
エルヴィン「これは──ッ!?」
突如、黒紫色の魔力で形成された巨大な剣が飛んできた。
キース「かは…っ!」
その剣に腹を貫かれた、キースと共に……。
エルヴィン「キースさんッ!?」
「“岩のキース”…予想よりも脆弱。……エルヴィン・スミスだな。予言通り、我ら“魔族”はお前達人類を支配する。彼はその為の前金とでも言おうか」
「宣戦布告は済んだ。後は“陛下”や“大罪”達の仕事」
エルヴィン「待てっ…!」
エルヴィンの叫びは、無駄にこだまするだけだった。
・・・・・・・・・・。
「な、何だ奴らはっ!」
「いったいどこから侵入したっ!?」
突然の事で理解に及ばない魔導士達が見上げた先。
そこには、“魔”があった。
キュクロ「慄け、魔導士共……。これより、我ら“魔族”が──お前達を粛清する」
シャルル「目的は“エレン・イェーガー”と“フリーダ・レイス”……奴ら二人を上から引き摺り降ろしなさい。殺戮対象は魔導士のみ、ただの人間への殺戮行為は陛下による粛清よ。いいわね」
アンヘル「さぁ………戦おうか」
突然の魔族による侵攻、数年続いた幻の平和に現を抜かしていた多くの魔導士は、理解に及ばないその頭で、襲い来る魔獣の波に抗わんとしていた。
エレンがこの日の為に、準備をして来たように、魔族の王であるアンヘルもまた、この日の為に準備をした。
アンヘル「まずは……“大罪”の働きを期待しよう。それから、梟の名を騙る“クルーガー”に会いに行く。お前達には私が不在の間、彼らの指揮を託そう」
キュクロ「お任せを…」
シャルル「陛下の仰せのままに…」
・・・・・・・・・・・。
「悪ぃな、魔導士は全員皆殺しってご通達なんだ。邪魔するってんなら殺すぜ」
「な、何だこの禍々しい魔力はっ?!」
「魔獣なんかと比較するなっ!臆せば死ぬぞ!」
「怯むなっ!相手は一人だ、四方八方から取り囲み…一気に畳み掛けるのだっ!」
「幾ら束になって来ようと……」
直後──半径5mにも及ぶ巨大な炎柱が爆発と共に立ち上がる。
巻き込まれた魔導士の全員が焼死、“憤怒の炎”の前で……彼を苛つかせる事は自殺行為に等しいものだ。
サタン「俺ら魔族の前じゃ無意味なんだよ」
・・・・・・・・・・。
ジャン「おい、何で……何でお前らがそっちの側に居るんだよっ!?」
ミーナ「どうしてなの…“アニ”?」
アニ「……………」
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- 6 : 2022/12/24(土) 04:41:21 :
- マリー「どうやら“始まった”みたいよ。今頃、下では奴らによる蹂躙が行われてるでしょうね」
エレン「言われなくても分かる。多くの魔力が“消えていく”…」
マリー「ソレを感じても尚、“降りる”気は無いのね」
エレン「そうだ。今の俺達は“隠密機動”じゃない。“王族護衛隊”だ」
マリー「今のあんた……最高に好きよ。あんたのそういう眼が見たかったのよ。それが見れただけで充分。手筈通り、色々と準備しておくわね」
エレン「………頼む」
魔導士と魔族による全面戦争。
強大な魔族の力に一介の魔導士は刹那の間にその灯火を消されゆく。
この数年で力を付けた優秀な魔導士でさえ…圧倒的力量差に恐怖し、戦意を失う。
しかし、ふとした時に感じるのだ。
氷の様に冷たくはあるが、内に秘めたその熱を…。
マリー「エレンッ!!」
エレン「何だ…そんな慌てて」
マリー「フリーダ 、勝手に降りてったわッ!!」
エレン「─────は?」
・・・・・・・・・・・。
アンヘル「貴様自ら姿を現すとは…“フリーダ・レイス”」
フリーダ「…………」
アンヘル「何故自ら来たかはさておき、手間が省けたのもまた事実…。まずは貴様から、その命を貰うとしよう」
ごめんね…エレン。
私は、貴方みたいに冷酷になれない。
国を、私を慕ってくれる皆を見殺しにしてしまったら……私は絶対に私を許せなくなる。
だから、今だけは……私のわがままを許して。
フリーダ「貴方が諸悪の根源なら、手加減する必要も無いわね。“破劫の皇女”…この名を捨てた覚えは無いわ」
キュクロ「……凄まじい殺気っ」
シャルル「……っ!(何?この、心の奥底から凍える様な感覚は…ッ!)」
アンヘル「面白い…!」
誰が予想したか、国の主である皇女フリーダ、そして魔族の王であるアンヘル。
二つの王の闘いが繰り広げられるなど、誰が予想出来ようか。
あのエレン・イェーガーでさえ、この展開は予想していなかった。
最早これは、この戦争の勝敗を決める闘いと言って良いだろう。
溢れ出る冷気は仲間を鼓舞する魔力となって周囲に漂う。
ハンジ「あはは……これは、私もふざけてる場合じゃなさそうだ」
それを感じる者達全員が感化される。
「死にたくなければ戦え」と。
エルヴィン「参ったな……。皇女の魔力が国中に木霊している。まるで昔の彼女に叱られてるように感じてしまうな……」
───“この程度で怖気付く様な腑抜け”と思った覚えは無いと……!
リヴァイ「あのお転婆娘…後でエレンに絞められても知らねぇぞ」
ファーラン「けど、そのおかげか……仲間の指士気が上がってきた」
イザベル「いよいよ反撃開始だなっ!!」
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- 7 : 2022/12/28(水) 23:20:13 :
- アンヘル「しかし、分からぬな。何故、自らここへ来た…?貴様のしている事は“自殺行為”に等しいものだ」
フリーダ「貴方に教える義理は無いわ。言ったところで、理解出来る理由 でも無い」
アンヘル「……まぁ良い、どの道同じ事だ。貴様の命を貰い、強制的に奴を引き摺り降ろしてやろう」
フリーダ「そう……。出来るといいわね」
“破劫の皇女”……。
そう呼ばれたのは、彼女が魔導士となって間も無い頃。
とある依頼を受けた事がその起源である。
『「代価」と引き換えに力を手に入れる』という謎の物質を闇ルートで生産、取り引きをしている施設へと向かったフリーダ。
慎重に調査を行った結果……。
その物質は、魔導士と遜色無い力を手に入れる代わり、“寿命や精神を「代価」”とする物だった。
非人道的な物質を生産し、弱き者の心を踏み躙るその行為に感情を爆発させたフリーダは、その施設に存在した人間、機械、建物、その全てを“時間”ごと凍結させて破壊した。
「劫」とは、極めて長い宇宙論的な時間の単位として使われる事が多い。
故に、「破劫」の皇女。
「時間」という概念ごと凍結させて破壊した皇女として、彼女はその異名を背負った。
キュクロ「……(冷えるな。眼の中の水分すら凍りそうな程に、周辺が冷え始めている。これが、“破劫の皇女”…奴の力だというのか?)」
シャルル「互角…いえ、僅かに陛下が優勢…かしら?」
フリーダ「……ッ!」
アンヘル「───ハァッ!」
フリーダ「チッ…!」
フリーダの手操、目配せのみで氷槍や氷波…氷塊が降り注ぐ。
しかし、アンヘルの刀剣一振りで無に帰る。
状況はシャルルの見立て通り…アンヘルの優勢だ。
アンヘル「攻め方が大雑把に見えるな。余程、周りの仲間に気を取られているようだな」
フリーダ「………」
アンヘル「やはり貴様では力及ばない。エレン・イェーガーであれば、互角にやり合えたであろうな」
フリーダ「私は、エレン程冷酷にはなれない。ただそれだけ…。それの有無で国の未来が左右するなら、とっくにエルディアは破滅の一途を辿るでしょうね」
アンヘル「ふむ。貴様には無いものを、奴が持っている……という事か。尚更、退く訳にはいかないな」
フリーダ「そろそろ、話して貰おうかな。どうしてエレンを狙うのか……」
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- 8 : 2022/12/31(土) 02:53:55 :
- エルディア王国の各地で戦闘が起きている最中、男は一人…傍観していた。
ジーク「やれやれ…。どうして皇女とやらはわざわざ出て来ちゃったのかね〜。大人しく王宮でどっしりと構えておけばいいってのに」
“ジーク・イェーガー”。
エレン・イェーガーの異母兄にして…予言を隠蔽、改竄した存在。
ジーク「しかしまぁ、陛下からしてみれば不幸中の幸いって所か。もし、エレンと皇女さんが二人一緒に来てしまえば……それこそ“勝ち目が無い”」
ジーク「“破劫の皇女”とは…概念そのものを凍結させた初代レイスの女皇陛下……神である彼女の「転生者」の事を表す」
ジーク「一方…エレン は、女皇陛下に歯向かう者へ「死を齎した」とされる“始祖イェーガー”の「転生者」だ」
女神そのものである女皇陛下と、神ノ剣として女皇陛下に仇なす者へ死を齎した始祖イェーガー。
その転生者たるフリーダ・レイスとエレン・イェーガー。
形は違えど見れば見る程、二人は彼らの生き写し。
それを改めて実感するジークは静かに笑った。
ジーク「全ては女神と始祖の魂を目覚めさせ、彼等が作りたかった本当のエルディア王国を実現させる為の物語。アンヘル…あんたはその中の登場人物でしかないのさ」
国中に広まっていた予言は“紛い物”。
遺された本当の予言は以下の通りだ。
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女神の魂と始祖の魂が相見えし時
魔を…国の闇を全て浄化し振り払う
その果てに、二人が求めた国が誕生す
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ジーク「女神と始祖の転生者が出逢い目覚めた時、二人が求めた国の実現の為、魔族を…国を蝕む病を浄化し振り払う。俺はその手助けをしてるだけ」
同じ父を持ち、違い母を持つジーク。
彼の願いは……後にも先にも“ただ一つ”
ジーク「弟が望んだ国の姿ってのを…見てみたいんだ。それに……直接じゃなくても、甥っ子は見たいもんだろ?エレンは幸せになるべき存在だ。俺の命に変えても、必ずお前を護ってやる」
──だから、今は嬢ちゃんを信じてやれ。
そうして、彼は闇の中へ溶け込んだ。
・・・・・・・・・・・・。
ミーナ「どうして答えてくれないの!?答えてくれたっていいじゃん!私達、友達でしょ!?」
アニ「…………」
ミカサ「もういい。あなた達に何の経緯があって、どうして目の前に立っているかどうかはどうでもいい。“あなた達は私達の敵”、それだけで充分」
アニ「………今回ばかりはアンタと気が合うね。私達に話し合いは出来ない。今私ができる事は、アンタ達の息の根を止める事だけ……」
──刹那。
風が凝縮し生成されたミカサの刃と、クリスタルの様な結晶に覆われたアニの腕がぶつかり、甲高い音を響かせた。
ミカサ「今日こそ、あの時付けられなかった決着を付ける!」
アニ「ふんっ。やれるものならやってみなっ…!」
ミーナ・カロライナという少女は、完全に状況を理解出来て居なかった。
突然現れた謎の敵、次々と起こる爆発や轟音、劈くように耳に刺さる仲間達の悲鳴。
そして……魔導士の制服を捨て、黒い外套に身を包む……三人の友人。
ライナー、ベルトルト、そして………。
親友とも呼べた……アニ・レオンハート。
ミーナ「分かんないよ……何も…」
かつて競い合っていた仲間を敵とみなし刃を向けるミカサも、理由を話さずこちらに牙を向けるアニも…。
いったい何を考えているのか…ミーナには分からなかった。
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- 9 : 2023/01/02(月) 23:42:49 :
- 数多の魔力が“消えていく”。
中には愛する者が居る者達も居るのだろう。
死にゆく仲間を前に激情に囚われる者も居るだろう。
しかし、これは言わば「戦争」だ。
非情になりきれない者ほど、呆気なく死んでいく。
世界は残酷であり地獄だ。
強者は「生」を掴み、弱者は「死」へと落ちていく。
「“生きるも死ぬも皆同じ事”。しかし、私の前に立つ……。それ即ち、死だ」
背中より生えるは…黒く染った六枚の翼。
頭部の両サイドに“魔”の紋様が浮かぶ様に覆っている。
玉座を顕現させた後、脚を組んで座る彼女は“傲慢”そのもの。
ルシファー「“我、堕天の王なり”。頭を垂れよ、跪け……そして、醜く野垂れ死ね」
自身を中心に展開されるサークル状の電撃。
それに触れられた者は皆等しく焼け焦げ、その灯火を消されていく。
ルシファー「……まだ、生きているのか。“人類最強”とやらも、名は伊達では無いという事か。しかし、その傷では動けまい。赤毛の女も、金髪の男も…生きているようだが、既に気を失っている状況」
ルシファー「諦めるといい。貴様達人間如きに、勝利は無い」
あの“人類最強”でさえ、未知なる敵に敗北を喫してしまう。
それだけで、彼らが如何程に強大な力を持つのかが理解出来るだろう。
………蹂躙は終わらない。エレン・イェーガーが地に降るまで…彼らは国を蝕んでいく。
ルシファー「あの男…エレン・イェーガーは必ず私が喰らってやる。見境の無い“色魔”などにくれてやるものか」
彼女はおもむろに上を見る。
そして静かに笑うのだ。
ルシファー「さぁ、どうする。降りて来なければ、貴様の護りたい者とやらは死にゆく運命を辿ってしまうぞ?」
・・・・・・・・・・・。
フリーダ「………」
アンヘル「くっ……!」
フリーダ「あれだけ大口を叩いてた割に、随分と苦しそうね」
アンヘル「貴様っ…!」
フリーダ「私じゃ力不足?そうじゃない、私が女だからと甘く見てただけなんじゃないかしら?こう見えて、私はエルディア王国を統べる皇女。ただの小娘だと思わない事ね」
二人を覆う極寒の空間。
誰にも邪魔される事の無い純白の結界。
その中心で、アンヘルは膝をつく。
アンヘル「こんな、はずでは……」
フリーダ「呼吸すら困難のようね。けど、そんなの些事でしょう?貴方が、魔導士に与えた苦しみは…この程度なんかじゃ収まらないのよ」
──さようなら。“魔の王”
フリーダ「徐々に己の時間が停止していく苦しさを味わいながら死になさい」
・・・・・・・・・・。
時間という概念そのものを凍結させる。
それがフリーダの能力。
極寒の檻に囚われた者は、皆等しく己を形成する細胞から物質、そして時間すら凍り付く。
フリーダ「…………これで、敵の士気はかなり落とせたかしら?」
アンヘル「………不甲斐ないとは、この事…か。力及ばず……“申し訳、ありません”」
フリーダ「……………誰に、謝ってるつもり…なの?」
「アンヘル……さま……」
フリーダ「───ッ!?」
「“偽り”の大罪、フェイクレザー。私が戻るまでの間、よく時間を稼いでくれた」
フリーダ「あ、なたは……今まで何処にいたと言うの!?」
アンヘル「貴様に教えてやる義理も無かろう…」
フリーダ「ぐっ…!?」
アンヘルの拳一つを受け、フリーダは遠くの家屋に吹き飛ばされてしまった。
アンヘル「……フリーダ・レイスに用は無い。我らが目的はエレン・イェーガーただ一人。さぁ……蹂躙せよ。奴を引き摺り降ろすのだ」
キュクロ「陛下……そろそろ刻限です」
シャルル「表世界 における活動限界です。急ぎ魔界 へお戻り下さい」
アンヘル「………そうか(……クルーガーとやらの仕業か?微かに時間を“狂わされた”か?)」
アンヘル率いる魔族の撤退によって、彼等による「侵攻」は一度終わりを迎える。
数え切れない程の仲間の死、住民の家屋への甚大な被害。
そして……ライナー、ベルトルト、アニの離反。
数多くの傷を王国に残された魔導士達は、救護活動及び仲間の火葬を取り急ぎ行った。
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- 10 : 2023/01/03(火) 00:32:56 :
- その後の夜。
リヴァイ、イザベル、ファーランの重傷。
エルヴィンの左腕損失、ハンジの右眼失明。
そして……キース・シャーディスの“死亡”。
彼らの被害は想像を絶する程のものであった。
アルミン「何も……出来なかったッ…アニ達を止める事すら出来ず、その上キース先生までも喪うなんて…!」
ミカサ「アルミン……」
アルミン「………くっ!」
ジャン「アイツらが敵だったなんてな……ったく、情報整理もクソもねぇっつの!」
ミーナ「アニ……」
コニー「俺、馬鹿だから…何でこんな事になってんのか分かんねぇけど…アイツらずっと、俺達を騙してたって事か?」
サシャ「……信じられませんよ。あんなに頼りにされていたのに…まさか敵だったなんて」
ユミル「…………ミカサも言ってただろ。どんな意図であれ、アイツらは敵なんだ。いつまでも引き摺んなよ」
アルミン「沢山の仲間が殺された…僕らより強い人なんて沢山居たのに、そんな人達でさえ、殺されてしまった……」
ミカサ「リヴァイ班長が重傷を負うほどに強い敵……私達のような魔導士に、勝てるだろうか」
実戦経験が少なく、次々と襲い掛かる理解不能な出来事の連続だったのか…彼らは想像よりも疲弊している様子であった。
そこへ、右目に眼帯を着けたハンジと、左腕を失ったエルヴィンがやって来た。
ハンジ「そんな辛気臭い顔してたら、今頃シャーディス教官のゲンコツ喰らってるだろうねぇ」
エルヴィン「あぁ、容易に想像出来る」
アルミン「ハンジさん…どうしてここへ?」
ハンジ「どうして私達がここへ来たかは…着いてきてからのお楽しみって事で」
エルヴィン「早速向かおうか。“王族護衛隊”のお出ましだ」
・・・・・・・・・。
日が昇り始めた翌朝、アルミンを含めた彼らはエルヴィンとハンジ同伴の下で、とある場所へ連れてこられた。
ザックレー「ん?君達も来たのか?」
エルヴィン「えぇ。彼らに、護衛隊の面々と会わせておこうかと」
アルミン「あ、あの……ここ、元々王宮があった場所…ですよね?」
ハンジ「聞きたい事は、山ほど“彼ら”が教えてくれる。ほら、そろそろ来るよ」
遥か上空より垂直落下して来るのは、どう見ても10m前後はある丸い柱のようなモノだ。
やがて、「ドォォーンッ!!!」という轟音と共に砂埃が舞う。
ジャン「な、何だ…こりゃ」
エルヴィン「“王族護衛隊”専用の、昇降式の乗り物だよ」
アルミン「あの、先程から気になってたんですけど…“王族護衛隊”って?」
ハンジ「フリーダ皇女及び、王宮の守護を任された者達で構成された組織だよ。その構成員はたったの四人」
ミカサ「四人…隊員などは居ないんですか?」
ハンジ「うん。隊員は居ない。隊長が一人、副隊長が三人。彼ら四人の総力は……」
───エルディア王国の魔導士やその他諸々の兵士全軍以上。
煙が晴れると共に、彼らはその全貌を見せた。
エレン・イェーガー、マリー・エレノアール、ヒストリア・レイス、サリア。
アルミン達がよく知る彼らが、地上へ降りてきた。
サリア「お久しぶりですね、魔導士さん方!毎日ご飯食べて、出す物出して寝てますか!?」
マリー「久しぶりに降りて来てみれば…何よ、その顔。まるで信じられないモノを見るような目をしてるけど?」
ヒストリア「きっと、私達が出てきて驚いてるんだよ。まぁ、それはそうだよね。誰かと思ったら、よく知る私達が来たんだから…ああやって息をするのも忘れるくらいビックリするよ」
エレン「…………」
「「「は、ハァーーッ!?」」」
-
- 11 : 2023/01/08(日) 12:31:28 :
- 目を見開き、口をポカンと開けたアルミン達をよそに、エレンは質問攻めに遭う前に本題に入る。
エレン「積もる話もあるだろうが、それは後にしよう。今は他にやるべき事がある」
ハンジ「それで…。いったいどんな要件で来られたのかな?“王族護衛隊隊長”殿?」
エレン「今回は、あんた達魔導士を立て直しに来た」
そこで、ようやく正気を取り戻したと言えるであろうジャンが口を挟む。
ジャン「説明も無しに勝手に消えた挙句、国の一大事に姿も現さなかった奴らが何言ってんだ。ふざけんなよっ!!」
エレン「………」
ジャン「おいッ!──」
まるで無関心を表すような態度に怒りを示すジャンだが、いつの間にか背後を取っていたマリーによって地に抑え付けられてしまう。
マリー「うっさいわね。アンタはまだ自分とあいつを同等の人間だと思ってるみたいだけど、立場が違うのよ。アンタは国を護る魔導士で、あいつは王宮を…皇女を護る魔導士。立場を弁えなさい」
ジャン「なっ…!?」
マリー「それに、アンタ達の仕事は“エルディア王国”の守護でしょ?今回は奇跡的に、国民への被害が無かったから良かったけど、次はそうとは限らないのよ。魔導士になった以上…命を捨てる覚悟を持ちなさい」
エレン「……はぁ。その辺にしとけ。今回は相手が悪すぎる。あの、リヴァイさんですら負けたんだ。その辺に居る魔導士じゃ相手にならんだろうよ」
エレン「そんな事よりも、さっさと事を済ませるぞ」
ヒストリア「連行対象の三人なら、既に確保済みだよ」
彼女の背後には、リヴァイ、ファーラン、イザベルの三人が水の檻に包まれていた。
ハンジ「いやぁ、困っちゃうなぁ。勝手に救護室へ入られちゃうと……。それに、今の彼らは危うい状況だ。最優先で回復させないといけないんだ」
ヒストリア「だからこそ上に連れていくんですよ、ハンジさん。傷は完治させる事は可能でしょうけど、傷みきった魔力までは治せない。彼らの技術では足りないんです」
エレン「そして、アルミン…それからミカサ。お前達を上に連れていく」
ミカサ「私達を…?」
アルミン「ちょ、ちょっと待ってよ!僕達の傷こそ、少し休むだけで治るはずだよ!」
エレン「最後まで話を聞け。お前達、特にミカサ。お前にとっては凄く重要な事だ」
ミカサ「……王宮に行けば、私は強くなれるだろうか?」
エレン「強くなれるかどうかはお前次第だ。だが…お前の、“アッカーマン”の能力を引き出す事は出来る」
アルミン「“アッカーマン”の、能力…?」
ミカサ「………分かった。それで、アニを倒せる力が手に入るなら……連れて行って欲しい」
マリー「決まりね」
そうして、エレン達は瞬く間に王宮への昇って行った。
これは、エレン本人が考えた魔族に対抗する為に必要な1つの手段である。
彼の言う“アッカーマン”の能力とは何なのか。
自身の名にも関わってくる秘められた謎を抱えながら、ミカサは幼馴染のアルミンと共に王宮へと連れられた。
-
- 12 : 2023/01/26(木) 04:41:11 :
- サリア「着きましたよ、ここが王宮です!」
アルミン「ここが、今の王宮…」
ミカサ「以前の面影が、まるで無い?」
彼らが見た王宮。
それは、以前目にした王宮とはもはや全くの別物と化していた。
王宮と言うよりも離殿と言う方が正しいかもしれない。
それほどまでに、彼…エレン・イェーガーは彼の場所を参考に取り入れたのだろうか。
ヒストリア「見える?大きな四つの離殿と、更に奥にある建造物が。これが今の王宮の姿だよ」
アルミン「こ、これだけのモノをどうやって……」
マリー「色々とあんのよ、色々とね」
ヒストリア「帰ったらみんなに自慢するといいよ。今の王宮を見たのは二人がはじめて。それに、本来王宮は関係者以外は立ち入る事が許されない神聖な場所。ここに来れる事自体が、超レアなんだよ」
エレン「………話は済んだか?なら、後は前に話した通りにやれ。俺はしばらく籠る」
マリー「………本当に、やるのね?」
エレン「あぁ。やるべき事が終わったら、俺の所へ来い。まぁ、それまでは存分に満喫するといい」
・・・・・・・・・・・・。
今にも『カッポーン!』と桶の音が響くのが聞こえそうな程の場所。
アルミン「って!!何なのさこれはっ!?」
ヒストリア「何って…見て分からない?ちょっとした温泉だよ」
アルミン「そういう事を言ってるんじゃなくて!どうして二人と一緒に温泉に浸かってるのかって事だよ!」
声を張り上げてそうツッコんだのはアルミンだ。
隣で静かに瞼を閉じて湯に浸かるミカサと違って、現状に対して酷く慌てているようだ。
ヒストリア「そういうのはどうでもいいでしょ。別に減るもんじゃないし。だって、二人は将来結婚するんでしょ?なら問題ないよ、ねぇミカサ?」
ミカサ「ヒストリアの言う通り。それに、アルミンの身体は小さい頃からよく見てきた。今更恥ずかしがる必要は無い」
アルミン「どこからツッコんでいいのか分からない……──ん?」
アルミンの視線の先には……。
力無く意識を失い、湯の中に沈むリヴァイら三人の姿。
アルミン「ちょっと!?死にかけてるんだよ!?沈めてどうするの?!」
ヒストリア「あれ、もしかして覚えてないの?前にエレンにやった事と同じ事をしてるんだけど……」
以前…というのはエレンがロッドの手によって死の淵に追いやられた時の話である。
その時、ヒストリアはウンディーネの能力を用いてエレンの傷の修復、血の補充から傷んだ魔力の交換まで、治療に必要な事をやってのけたのだ。
それを間近で見ているはずのアルミンには説明は不要だと考えていたヒストリアだが、改めてそのままを伝えた。
ヒストリア「だから、静かに浸かってなよ。二人の傷くらいなら…一日もあれば全快するよ」
・・・・・・・・・・・。
一方その頃。
エレン「お前、何したか分かってんのか…!?」
フリーダ「うっ、それは……」
エレン「…………心配させやがって…」
フリーダ「……へ?」
エレン「〜〜ッ!!何でもねぇよっ!!」
フリーダ「……………ごめんね、心配かけて」
エレン「…………分かりゃいいんだよ。少ししたらサリアが飯を持ってくるはずだ。それ食ったら寝とけ、いいな?」
フリーダ「うん。ありがとう」
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黒衣の剣士と黒髪の女魔導士 シリーズ
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