君と共に
- 進撃の巨人
- 1041
- 25
-
- 1 : 2021/09/13(月) 22:51:49 :
- 今回はちょっと小説っぽくしてみます。
読みづらいかもしれないですがよろしくお願いいたします!
-
- 2 : 2021/09/13(月) 22:59:41 :
- ねぇ、君は覚えているかな?私達が初めて交わした言葉を
あれは訓練兵になってから3ヶ月が過ぎた日の朝
まだ朝日が出ていない早朝
私は1人で小川を眺めていた
エレン 「何してんだよ」
っと彼は私に声を掛けてきた
エレンの事だから自主練だろうか、汗が首筋を伝わってくのが見えた
クリスタ 「川を眺めてるの」
エレン 「へぇ」
そこで会話は終わった
私はエレンと喋った事もなく、訓練で班が一緒になった事があるくらいでこれといった関わりはなかった
エレン 「...そんな顔すんだな」
クリスタ 「えっ?」
エレン 「その顔の方がよっぽど可愛いよ」
クリスタ 「なっ///」
何を言ってるんだ彼は、私を落としにきてるの?
だがエレンは巨人にしか興味のない死に急ぎ野郎だ
そんな感情はないはず
クリスタ 「ど、どういう意味?」
エレン 「そのまんまだよ」
クリスタ 「えっ?」
エレン 「...前のお前は自分を犠牲にして誰かの為にいい事をする。正直それ気持ち悪かった。その時の作り笑顔も」
エレンは全部気づいていた
確かに私がミスをするとちゃんと叱ってくれる
他の人みたいに クリスタだから や 天使だからね
っと言ったことも言わずに彼は私に真正面から向き合って怒ってくれた
-
- 3 : 2021/09/13(月) 23:38:59 :
- エレン 「そのありのままの自分の方が俺は好きだよ」
クリスタ 「な、なに落としにきてるの?」
エレン 「何も落としてねぇーよ」
はぁ、どこまで鈍感なのだか、それとも単なるバカなのか、どちらにせよエレンは私を落としに来てるのではないと確信した
そんなやり取りをしていると太陽が山から顔を出てきた
川の水面に反射する光、その光に照らされている彼を見ると胸がドキッとした
何故か彼の真っ直ぐと小川を見るその目が輝いてみえた
その日から日常が変わった
エレンともよく喋るようになり、訓練にも励むことができた
もちろん、ありのままの自分をさらけ出しながら
クリスタ 「ねぇ、エレン」
エレン 「ん?なんだよ」
クリスタ 「私の秘密知りたい?」
エレン 「はっ?何言ってんだよ」
状況が理解出来ていないのか、それとも何故俺に秘密を?っと考えているのだろうか
どちらにせよエレンは困惑した顔をしていた
クリスタ 「...本当の姿を隠す理由」
エレンになら言ってもいいかなと思った
ううん、知って欲しかった
もっと私のことを知って欲しい
何時しか私はエレンを好きになっていた
エレン 「...無理に言う必要ねぇよ」
クリスタ 「えっ?」
エレン 「言いたくねぇなら言わなくてもいいぜ」
クリスタ 「ううん、私は知って欲しいの」
エレン 「おう、そうか」
笑顔で答えた彼の真っ直ぐな顔を眺めるとドキドキしてしまう
いつも以上に鼓動が激しかった
私は全て話した
王家の事も、自分の立場も、知っていること全部を話した
でもエレンは全て受け止めてくれた
ユミルにも言ったことなかったのにな
そんな事を思っていると
エレン 「...お前の親は...今どこで何してんだ?」
クリスタ 「...分からない、せめて私を救うために名前を変えて訓練兵にした。居場所なんて分からないよ」
少し考えた素振りを見せるとすぐにかれはこう言った
エレン 「寂しかったら言えよ?」
クリスタ 「えっ?」
エレン 「だってお前この事誰にも話せてなかったんだろ?」
クリスタ 「う、うん」
エレン 「今まで誰にも言えなかった苦しさと寂しさ、俺も半分受け取る」
こんなロマンチックな事を言える事にびっくりしたが
それ以上に嬉しさで頭と心がいっぱいだった
もう1人で辛い思いをしなくていいんだ
もう1人で抱え込まなくていいんだ
私は嬉しさのあまりに泣いてしまった
エレンの胸の中で
男の人ってこんなにも暖かいんだ
訓練してるからかな?それともエレンだから?
そんなことはどうでもいいや
今はもうちょっとだけ...
エレン 「なぁアルミン」
アルミン 「ん?」
エレン 「俺、調査兵団なれっかな」
エレンがこんな事をいうのは珍しかった
いつも巨人を倒す事ばかり夢を見て調査兵団に憧れていた少年がこんな事をいうなんて
それもそうだ、もうすぐ訓練兵団も卒業し、それぞれの兵団に就くことになる
調査兵団もそれなりの実力があり、巨人に対抗する力を持っていなければすぐに死んでしまう
エレンはまだ巨人と実践をしたことがない
もちろん他の同期も同じだ
いざ戦うとなるとどう戦い、急所を狙うか判断が難しくなる
アルミン 「エレンなら大丈夫だよ。訓練兵の中でもトップの方に居るからね」
エレン 「でもよーあんなほっそいブレードでほんとに削げんのかよ」
アルミン 「あはははっ確かにね」
エレン 「ま、そんな事はどうでもいいや、取り敢えず早く巨人と戦いてぇ」
アルミン 「は、早まらないでよ...」
訓練兵の生活もあとわずか
残された訓練はあと1つ
それは過酷な雪山の訓練だった
この訓練では毎年死者が出るほどに厳しい訓練だった
かといってこの訓練を受けなくても一応は卒業できる
ただし評価点数には原点をされてしまう
キース 「貴様らも知っている通りにこの訓練では7組に別れて貰い、それぞれゴールを目指してもらう」
エレン 「なんだそんだけかよ」
アルミン 「ちょ、エレン豪雪の中2日もかけて歩くコースだよ?!」
エレン 「えっ、そんなきついのか」
知らなかった訳では無いがここまで厳しいとは思いもよらなかった
クリスタ 「ねぇエレン」
エレン 「んお、どうした?」
クリスタ 「私エレンと同じ班がいい」
アルミン 「」
エレン 「別にいいけど班決められるのか?」
クリスタ 「分からない、だけどもし決められるのであれば一緒の班がいい」
私は思い切った行動に出てみた
これも大きな一歩だ自分から誘わないとね
ただ同じ班になったとしても訓練中にお喋りの時間があるかな?
私はそんな事を思いながら教官の話も聞かずにのうのうと考えていた
-
- 4 : 2022/02/08(火) 05:28:32 :
- アルミン 「ね、ねぇエレン」
エレン 「ん?なんだよ」
アルミン 「聞きたいことがあるんだけど」
エレン 「なんかあったか?」
アルミン 「あったといえばあったけど」
就寝時間にアルミンが話しかけてくるのは珍しかった
周りを見るともうみんなすっかり寝ていた
アルミン 「クリスタと仲良いの?」
ライナー 「zzz」ピクッ
エレン 「は?なんだよそれ」
アルミン 「い、いや今日の雪山の訓練説明の時に一緒に班にならないかって誘われてたじゃないか」
確かに誘われてたが特別深い意味はないだろう
だが、なんでそんな事を聞いてくるんだと心の中で思った
エレン 「なんだよそんな事か。別に一緒の班になるくらいいいだろ」
アルミン 「そこもちょっと問題だけど、問題はそこじゃないんだよ」
なんの事だがさっぱり分からないがとりあえず何が問題なのか聞いてみた
エレン 「なんかまずいのか?」
アルミン 「雪山の訓練は班が長官の指名制、もしくは能力のバランスが取れた班になるように構成されているんだ」
エレン 「あ、そうなのか、じゃあ明日ヒストリアに伝えておくわ」
アルミン 「うん分かったよ................ん?」
エレン 「ん?まだなんかあるか?」
自分が何を行ってしまったのかも理解をしていないのだろうか、口が滑ってクリスタの事を本名で言ってしまっていた
クリスタの事は秘密だと約束したのにも関わらず無意識のうちに言葉に出してしまっていた
アルミン 「今なんて言った?」
エレン 「だからヒストリアに伝えておく................って」
アルミン 「ヒストリア...?クリスタじゃなくて?」
エレン 「あ、あああ間違えて知らない人の名前出しちゃった、寝ぼけてんな俺」
エレンは嘘をつくと耳が赤くなる癖があった
暗くてよく見えないが耳の色が少し変わった気がした
アルミン 「そ、そうなんだねびっくりたよ」
エレン 「お、おうじゃ、じゃあ寝るわおやすみ」ボフッ
エレンは自分を隠すように毛布に潜った
エレンが人の名前を間違える事なんて今までに1度もなかった
尚更怪しいと思ったがあえて手を引くことにした
キース 「今日集まってもらったのは他でもない。来週控えている雪山の訓練についてだ」
ザワザワ ザワザワ
キース 「班はこちらが決めておいた。順番に呼んでいくからしっかりと聞いていろ」
1班 アニ ジャン コニー
2班 ベルトルト ユミル ダズ
3班 ミカサ アルミン ミーナ
4班 トーマス ハンナ ライナー
5班 ナック ミリウス マルコ
6班 フランツ サムエル トム
7班 エレン クリスタ
キース 「7班は人数合わせの為、2人班だがくたばぬ様に」
キース 「以上だ。座学の授業に迎え」
組み合わせは大体能力かバラけるように作ってあるのだろうかみんな散らばっていた
104期で雪山の訓練を受けるのはこのメンバーだけで後は卒業に向けてひたすら訓練をする
しかし、同じ班になるなんて想ってもいなかった
私が足を引っ張らないようにできるかな
あ、強がらなくてもいいのか
少しだけ甘えても...
エレン 「同じ班だったな」
クリスタ 「わ!?エ、エレン?!」
エレン 「なんだよ幽霊でも見たみたいに」
クリスタ 「ご、ごめんビックリしちゃって」
エレン 「ま、2人だけだし頑張ろうな」
クリスタ 「うん、もし辛くなったら助けてよね?」
エレン 「なんだよそれ自分で頑張れよ」
クリスタ 「エレンは女の子との接し方を最初に学んだ方がいいよ」
エレン 「は?なんだよそれ、おいちょっと待て」
アルミン 「やっぱり何かある...」
ライナー 「そうだな」
アルミン 「ライナー?!」
ライナー 「けしからんが、クリスタが幸せなら …」クッ
確かにあのクリスタはいつにもまして幸せそうだった
何か心の中の物が解放されたみたいに
雪山の訓練の当日
キース 「少し休んでおけ。ここがスタート地点となる」
キース 「ここを起点に1周するようにコースが設計されてあるが、道のりは過酷だ」
ジャン 「15kmもあんのかよ …」
コニー 「15kmってどれくらいだ?」
サシャ 「途中、食事はできるんでしょうか」
ガヤガヤ ザワザワ
緊張しているのか皆それぞれ慎重に準備をしている
準備をしている途中に私に不安が襲ってきた
エレンに迷惑に思われないか、足手まといだと思われないか
そんな事しか頭によぎらなくなった
-
- 5 : 2022/02/08(火) 06:07:26 :
- エレン 「準備できたか?」
クリスタ 「あ、エレン。うんんまだ」
エレン 「荷物半分かせよ」
クリスタ 「え、何をしてるの?」
エレン 「俺が半分持ってやる」
クリスタ 「で、でも!!それじゃあ訓練にならないよ」
エレン 「この訓練は筋力や体力を競う訓練じゃねぇ」
クリスタ 「え?」
私はてっきりこの訓練で身体を鍛える訓練だと思っていた
だから細心の注意をはらい、ストレッチなど良くしておいてあったのだった
エレン 「この訓練は班の統率力、折れない精神力、そしてペアとの信頼を築くためだ」
クリスタ 「そうだったんだ...」
エレン 「俺はお前と一緒に成し遂げたい、お前とこの訓練を終えたいから」
なんでこう恥ずかしい事をさらって言えるのだろう
そんな事言われたらもう取り返しのつかない事になるよ?
私はちょっぴりと訓練が楽しみに思えてきた
キース 「では各班コーススタート位置につけ」
キース 「最後に7班の2人、お前らは少し困難なコースだが頑張るように」
エレン 「はっ!」
クリスタ 「はっ!」
キース 「では初め!!」
スタートして10分くらいがたった
雪に足を取られて正直結構キツい
エレンはペースを合わせてくれているのかちょくちょく私の方を見てくれている
エレン 「結構きついな」
クリスタ 「うん」
エレン 「まぁゆっくり行こうぜ、去年は時間制限あったらしいけど今年はなくなったらしいぜ」
クリスタ 「そうなんだ、じゃあゆっくり行こ」
エレン 「おう」
半分は来たのかな?
もうほぼ限界に近づいてきていた
休憩を取りたいけれど、取れる場所も無いくらいの猛吹雪で、とにかく雪が多すぎる
クリスタ 「はぁはぁ」
エレン 「大丈夫か?」
クリスタ 「ちょっと、、休憩」
エレン 「そこで待ってろ」
クリスタ 「?」
エレンは森の中に何かを見つけてそこに向かって歩いていた
今みるとエレンの太ももの位置まで雪があった
エレン 「薪を持ってきた。枯れているから火はすぐつくと思うぜ」
クリスタ 「ありがとう」
カチッ ボワァ
エレン 「お、ついた」
クリスタ 「暖かい」
エレン 「だな」
エレン 「やっと半分ってとこか」
もう出発して4時間はたったのだろうか、ようやく半分に差し掛かった所だった
だが難関はここらからで1つ山を超えることになるらしい
エレン 「一応念の為水を飲んでおけよ」
クリスタ 「う、うんありがとう」
エレン 「この後は上りで足がダメになるかもしれない。体力を少しでも残せておけるようにしておくぞ」
クリスタ 「凄いねエレンなんでも知ってる感じで」
エレン 「アルミンとよく遊んでたからな。多少の知識はついてる」
クリスタ「ねぇエレンは卒業したら何になるの?」
エレン 「...調査兵団だよ」
クリスタ 「え?」
エレン 「とにかく巨人をぶっ殺したい」
エレンの目は下を向いていてよく分からなかったけどまっすぐで少し怒りがこもった感じがした
お母さんが巨人に殺されちゃったんだっけ...
クリスタ 「...殺したあとはどうするの?」
エレン 「え?」
クリスタ 「巨人を全て殺したとしてどうするの?」
エレン 「...」
クリスタ 「調査兵団に行くのはいいと思う。けど、私はエレンに長生きをして欲しい」
エレン 「ありがとうな」
エレンは不自然な笑顔を見せた
少しお喋りがすぎたので出発することにした
ここからほとんどが無言でただひたすらに歩き続けた
だがここで
ゴゴゴゴ
エレン 「なんの音だ?」
クリスタ 「分からない」
とてつもなく嫌な予感がした
エレン 「上だ!雪崩だ!」
クリスタ 「え...」
私は動けなかった
足が震えて、足がもう持たなくて
ああ、死ぬのかな
ここで終わりなのかな
エレンありがとうね
私、エレンに全部話せて良かった
エレンが希望を与えてくれて良かった
だからエレン好きだよ
エレン 「クリ...ヒストリア!!!」ギュッ
ヒストリア 「え??」
エレン 「捕まってろ!」
ゴゴゴゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴゴ
ヒストリア 「...んー」
ここはどこだろう
真っ暗だった
あ、そうだ私達雪崩に巻き込まれたんだった
ヒストリア 「あ!エレンは?」
ギュッーーー
ヒストリア 「エレン?」
エレン 「」
ヒストリア 「エレン!!」
エレン 「」
雪の中で身動きが取れない
エレンが私を守るように抱きしめている
呼吸もやっとできるくらいのスペースを作ってくれている
-
- 6 : 2022/02/09(水) 11:46:18 :
- 私は焦ってしまっていた
このままじゃエレンが死んじゃうかもしれない
そう思った私は最後の力を振り絞って足を動かした
案外浅い場所にいたのか、足が外にでた
ヒストリア 「くっ」
もう体力もほぼない
でも、エレンが...
そう思っていた瞬間だった
エレン 「だ、大丈夫か」
ヒストリア 「エレン??!」
エレン 「大丈夫そうだな...」
エレンは頭から血を流していた
出血が酷いのか意識がもうろうとし、顔が青ざめていた
ヒストリア 「エレン、血が...」
エレン 「んなもん大丈夫だ」
ヒストリア 「まって今外に出すから」
私はエレンを思いっきりひっぱり外に出した
辺り一面を見ると凄く深い谷のような場所にいた
ヒストリア 「どうしてかばったりしたの?」
エレン 「...」
ヒストリア 「エレンが怪我しちゃ意味ないよ」
エレン 「...」
ヒストリア 「エレン?」
エレン 「...」
ヒストリア 「エレン?!」
まずい
意識が無くなっている
呼吸もしてない
だけど出血があって心臓マッサージが出来ない
仕方ない
ヒストリア 「ごめんねエレン」
私はエレンに人口呼吸をした
その瞬間だった
ビリッ
エレン 「はっ」
ヒストリア 「エレン?!」
エレン 「くっっ...」
物凄い顔をしていた
まるで何か酷い夢を見たような顔だった
ヒストリア 「エ、エレン...?」
エレン 「ああ、大丈夫だ」
ヒストリア 「え、エレン額の怪我が...」
エレン 「ああ、これか。気にすんな」
エレンは人が変わったように私に冷たい口調でそう言った
でもそれ以上に額の怪我が完治している事に私は大きな疑問を持っていた
それからというもの、私達は何事もなかったかのように歩き続けた
結局到着したのは出発して次の日になっていた
最後に到着した班で、教官やみんなに雪崩に巻き込まれた事を報告した
そんな中エレンは外に立ち、1人で空を眺めていた
アルミン 「大丈夫だったの?」
エレン 「...まぁな」
アルミン 「そっか。クリスタと何かあった?」
エレン 「...いや特には」
アルミン 「なんか元気ないなって。僕に話せる事があるならなんでも言ってね」
エレン 「...ああ」
エレン 「なぁアルミン」
アルミン 「ん?」
エレン 「始祖ユミルは何を望んでいたんだと思う?」
アルミン 「始祖ユミルってあの座学で出てきた神話の話の?」
エレン 「...ああ」
アルミン 「んーー」
アルミン 「誰かに"愛の呪縛"から解放して欲しかったんじゃないかな」
エレン 「"愛の呪縛"」
アルミン 「うん、最愛の夫から奴隷扱いされていて自由に行動が出来なかったからそこから解放して欲しかったんじゃないかな」
エレン 「見えてても見えないものもあるんだな」
アルミン 「え?」
エレン 「いやなんでもない」
アルミン 「これは僕なりの見解だけどね。解放して欲しいというより、解放されるヒントが欲しかったんだと思うよ」
外でエレンとアルミンが話しているのが見えた
しかしどちらの顔も真剣であの間に入れる余裕なんてなかった
アルミン 「そろそろ戻ろ?外は冷えるよ」
エレン 「俺はもう少しいるよ」
アルミン 「分かった、早めに戻るんだよ」
エレンが1人になったので話しかけに行くことにした
でも何から話せばいいのかな
エレン 「来いよヒストリア」
あれ?バレてたのかなあ
割とうまく隠れていたはずなんだけど
ヒストリア 「ば、バレたかぁ」
エレン 「今から言う事」
ヒストリア 「え?」
エレン 「信じてくれるか?」
エレンの顔はいつにも増して真剣だった
この顔は本気の顔だ
ヒストリア 「う、うん」
エレン 「まず...
私は理解するのに大分時間がかかった
何?エレンが?始祖の力を使って?
マーレが?王家の血を引く者?
地鳴らし?
もう訳わかんなくなってきた
未来が見える?
エレン 「だよな」
ヒストリア 「え?」
エレン 「俺も最初知った時頭が追いついてなかった」
ヒストリア 「その、エレンは巨人になれるってこと?」
エレン 「ああ、9つの巨人の1つのな」
ヒストリア 「私と接触した事で記憶が?」
エレン 「ああ、多分な」
エレンがこれから何を企んでいるのか
これからどんな行動をするのか
全て聞いた
ヒストリア 「そんな!!」
エレン 「...お前達が何より大切だからな」
ヒストリア 「でも!わざと悪役にならなくても!」
エレン 「こうするしかないんだ」
全て予知しているエレンを止めることは今の私には不可能だった
-
- 7 : 2022/02/11(金) 03:19:32 :
- どうしたらエレンを救えるかな
どうしたら未来を変えられるかな
私に何かできることはないか
考えれば考えるほど頭が混乱してきちゃう
だめだだめだ
ヒストリアは1回寝る事にし
次の日に考えることにした
エレン 「ライナー、ベルトルト、アニ」
ライナー 「お、どうしたエレン」
ベルトルト 「どうしたの?」
アニ 「何?」
エレン 「...話があるんだ」
未来は変えられない
分かっている
俺が見た記憶では...
でもやってみるしかない
エレン 「俺が始祖の力を手に入れた」
ライベルアニ 「!!?」
エレン 「まて」
エレン 「お前らに力を貸してほしい」
ライナー 「おい!まて」
ベルトルト 「エレン!なぜ君が巨人のことを!?」
アニ 「あんたいつから気づいてたのさ?!」
3人は物凄い剣幕で俺に押し寄せてきた
もちろん物理的な意味でも
この未来は見た事がない
まだ希望がある
エレン 「...俺はお前らといつまでも一緒に居たかった。だがその夢も終わりだな」
ライナー 「...」
ベルトルト 「...」
アニ 「...私達はもう敵ってことになるけど、覚悟は出来てる?」
ライナーとベルトルトは少し悲しげに下を向いていた
彼らもこんな事はやりたくなかっただろう
だがアニだけは真っ直ぐと俺を見つめていた
エレン 「正直俺は今お前らと戦う気は無い」
アニ 「はっ?」
エレン 「アニ、お前だけはめげないよな。いっつもそうだ」
アニ 「やる気?」ビリッ
エレン 「待てよ」
エレン 「ここで力を使っていいのか?」
アニ 「...ちっ」
ライナー 「エレン、何が目的なんだ」
ライナーは未だ信じられないような顔をしている
それもそうだ
急に俺が始祖の力を手に入れた
なんて言われるんだもんな
マーレ側からしたら恐怖でしかない
エレン 「言ったろ?俺はお前らと一緒に過ごしたいと」
ベルトルト 「君が何を言っているか分からないよ」
エレン 「...ベルトルト、俺が見た記憶だとお前はアルミンに食われる」
ベルトルト 「なっ」
エレン 「だが俺はそうさせたくねぇ」
ベルトルト 「...」
エレン 「アニ、お前は俺に負けて地下牢で過ごすことになる」
エレン 「それでもいいのか」
ベルトルト 「い、いくら未来が見えるって言ってもほんとにそうなるとは限らないだろ?!」
エレン 「...未来も過去も現在も俺の中では同時にある」
エレン 「これは運命なんだよ」
エレン 「だが俺は変えたい。その運命をなんとしてでも覆したい」
ただ一身に思いを伝えた
パラディ島やマーレ、それぞれが幸せに過ごせる未来を築きたい
ただそれだけなんだ
アニ 「...それで協力って?」
エレン 「ジーク」
ライナー 「えっ」
ベルトルト 「...」
エレン 「この島に連れてこい」
ライナー 「...連れてきてどうする」
エレン 「力を使う。始祖ユミルに会うんだよ」
ライナー 「何故だ俺は全く分からないぞ...
ベルトルト 「ああ...」
アニ 「その始祖ユミルにあって何すんだい?」
確かにこれからの記憶はまだない
って言う事は本当に変えられるのかもしれない
エレン 「全てのエルディア人の自由を創る」
アニ 「あんたさっきから言ってる意味が分からないよ」
エレン 「...だろうな」
ライナー 「...俺らはどうすればいい」
ベルトルト 「エレンのお母さんを...」
エレン 「気にするな」
ライナーやベルトルト、アニは状況を理解していないようだった
当たり前だ俺の言ってることやろうとしてる事はめちゃくちゃだ
ただ、"自由"になりたいだけなんだ
ヒストリア 「あ、エレン」
エレン 「よう」
ヒストリア 「...あれから色々考えたんだけど」
エレン 「別に大丈夫だ」
自分自身何をやりたいのかどうしたらいいのか
それすらもハッキリしていなかった
ただ、記憶にバグが生じているのは確かだ
本来俺は勲章授与式で全てが見える事になる
だが今回ヒストリアと早めの接触によって
記憶を戻している
これも未来の俺の仕業だろうか
何にせよ色々とおかしくなっている
だがこの機会で全てがやり直せるのかもしれない
ヒストリア 「エレン?」
エレン 「...ああわりぃ考え事してた」
ヒストリア 「私もエレンが救ってくれたように私もエレンの力になるから」
エレン 「ありがとう」
ヒストリア 「だからこれから先のことは一緒に考えよう」
エレン 「それ告白か?」
ヒストリア 「あ、ち、違うよ!ただみんなの大事な未来の事だから!///」
-
- 8 : 2022/02/11(金) 23:34:25 :
- キース 「今日でお前らも卒業だ」
キース 「首席のミカサに追いつけるように皆一同これからも頑張りたまえ」
今日で長かった訓練兵生活もこれで終わりだ
これからみんなそれぞれの役職に着くことになる
そんな中、エレンは今後どんな未来が訪れるか考えてるのであった
本来、見えるはずの未来が濁って見えなくなっている
これは力なのかはたまた未来の俺の仕業なのか
もう訳の分からないことになっている
クリスタ 「ふふっみんなおめでとう!」
ライナー 「うぉー!これで俺も卒業だあ!」
コニー 「ライナー俺も負けてないぜ?」
ワイワイ ガヤガヤ
エレン 「...ヒストリアのやつ猫かぶってやがる」
ミカサ 「エレン?」
エレン 「なんだよ」
真剣な顔で呼ばれたので少しびっくりした
ミカサ 「最近何かおかしい」
エレン 「そうか?別に普通だよ。ただ調査兵団で早死にしなければいいなと思ってよ」
エレンがおかしいのは周りも気づいていた
1人で居ることが多くなり、また口数も減った事から
以前とは異なった性格に変わっていた
ミカサ 「何かあれば話して欲しい」
エレン 「大丈夫だ。ヒストリアに話しているから」
ミカサ 「ヒストリア!?誰?」
エレン 「あ、いや違、」
クリスタ 「エレンちょっと来てくれない?」
タイミングがいいのか悪いのかどっちか分からないが取り敢えずミカサから離れる事ができて良かった
ヒストリア 「ヒストリアは2人の内緒なのは知ってるよね?」
エレン 「あ、ああわりぃ」
ため息をついたヒストリアは階段に腰を下ろして空を見上げた
ヒストリア 「...綺麗だね」
エレン 「...ああ」
しばらく無言が続いた
いつもならヒストリアから会話を振ってくるはずだったが今日は違った
エレン 「...もう終わりにしたい」
ヒストリア 「え?」
エレン 「できればもう...」
下を向いているのでエレンの表情は見れなかったが
泣いているようにも見えた
そんな時、私の体は不意にエレンを抱きしめていた
ヒストリア 「...ねぇ、1人でやれない事もあるんだよ?私も一緒に考えるから。私も一緒に未来を歩むから。だからいつもみたいに笑っていて情熱的なエレンを見せてよ」
エレン 「ライナーやベルトルト、アニも救いたい。みんな救いたいんだ。ただみんなを救いたいだけなんだ!!」
子供見たいに泣き叫ぶエレンだった
そこからエレンの心情と本当に救いたいという思いも全て伝わってきた
しばらく抱き合っていたが気づいたらエレンは寝てしまっていた本当に子供のようだった
ヒストリア 「...ふふっ」ナデナデ
アルミン 「...何、してるの?」
クリスタ 「あ、アルミン?!」
アルミン 「エレンの声が聞こえて来たけど...」
クリスタ 「あ、えっとち、違うの私はただエレンの愚痴を聞いてただけ」アセアセ
取り乱してしまったが
エレンの事は誰にも言えなかった
アルミン 「い、いやまだ何も言ってないんだけど...」
クリスタ 「あっっご、ごめん」
アルミン 「それにしてもエレンがクリスタに愚痴を言うなんてね」
クリスタ 「わ、私が聞いてあげるよって言ったらね?」
アルミン 「ってかエレンは寝てるんだね」アハハ
クリスタ 「そうね、ちょっと可愛い」フフッ
アルミン 「クリスタはさエレンの事が好きなの?」
突然の事に私はびっくりしてしまった
なんせド直球に聞いてくるものでデリカシーの欠片もなかった
ただ、アルミンは冷やかしとかそういうのじゃなくなんかこう真剣に聞いて来る感じがした
クリスタ 「...エレンはね私にとってヒーローだったの」
アルミン 「ヒーロー?」
クリスタ 「詳しくは言えないんだけど、本当の私を認めてくれた。クリスタ レンズじゃない。私を」
アルミンは分かっていなそうな顔をしていた
でも、少し笑っていた
アルミン 「エレンはモテるね」
クリスタ 「え?」
アルミン 「ミカサもそうだけと、クリスタにミーナに」
クリスタ 「え、ミーナもなの?」
アルミン 「あ、知らなかったんだ?これ言ってよかったのかな」アハハ
私だけにあんなあんな対応をしていた訳じゃないのかな
そう考えた途端に少し心が締め付けられた
これが恋ってやつなのかな?
正直気づいていた
でも、わざと気づいていない振りをしていた
クリスタ 「あ、あ、そ、そろそろ部屋に戻らないと」
アルミン 「そうだね。明日はトロスト区で砲台の整備だよね」
クリスタ 「うん、あ、エレンどうする?」
アルミン 「...一緒に寝てみたら?」
クリスタ 「ちょ///アルミン!?///」
-
- 9 : 2022/02/13(日) 00:39:34 :
- 太陽がカーテンから日を指している
その眩しい光に目覚めた
昨日エレンの本心が聞けて少し嬉しかった
何よりもエレンが私だけに話してくれたのがとても嬉しかった
布団から出ようとした時だった
ぎゅっと誰かに抱きしめられているのが分かった
昨日エレンはそのまま眠りについてしまい何故か女子寮に運び何故か私のベッドで寝ることになった
みんなまだ寝ているだろうから今のうちにとエレンを起こそうとした
ヒストリア 「エ、エレン?」
エレン 「...スゥーー」
ヒストリア 「もうみんなに誤解されても知らないよーだー 」
それでもエレンは起きそうになかった
その寝ている姿はまるで無邪気な子供に見えた
ミカサ 「...何をしているの」
クリスタ 「!?」ギクッ
ユミル 「おいおい朝から何事だよ」
みんなが続々と起きてきた
私のベッドの周りにはすでに人だかりができていた
クリスタ 「まぁ、ちょっと色々あって」
ミカサ 「色々?その色々とやらを聞かせて欲しい」
クリスタ 「えっと...」
エレン 「なんだよ、朝からうるせぇな」
クリスタ 「え、エレン?」
エレン 「おう、おはよう」
ミカサ 「なんでこんな女と寝たの?」
エレン 「いや俺にも記憶がねぇーよ」
エレンは女子から色々と質問攻めにあっていた
エレンは女子からの信頼度も高く鈍感で天然な性格から人気度が高かった
憧れから好きの感情に移る人も居たという
エレン 「おいお前らうるせぇーぞ」
エレンはそういって何事もなかったかのように部屋を出ていった
朝食はあまり好きじゃない
これは訓練兵みんなが思っている事だろう
昨日で私たち訓練兵の生活も幕を閉じた
これから5日間、固定法の整備や各区の見回りがある
これといった訓練をしないがもう兵団に入る準備を各々始めていた
エレン (予定通りにベルトルト達は攻めてくるのか?)
エレン (攻めてくるか来ないかで今後が決まる)
ヒストリア 「エレン?」
エレン (アニやライナー達は決して楽観視している訳じゃない。逆に危機感を感じて俺を全力で取りに来るだろう)
ヒストリア 「エレン!!」
エレン 「な、なんだよ」
また考え事をしていたのだろう
最近1人で居ることも多くなり、前のように自主練もしていないようだった
正直、昔のエレンの方好きだ
だけど、今のエレンも昔のエレンがあって存在する
そう考えると今のエレンもどんどん好きになっていく
ヒストリア 「また考え事?」
エレン 「まぁな、ライナー達がどう来るか」
ヒストリア 「...もし攻めて来たらどうするの?」
エレン 「...こっちも全力で止めに入るよ」
ヒストリア 「そう、なんだ」
エレン 「お前らが大事だからな」
エレンは本当に仲間を大事に思っている
その上で自ら行動をしようとしている
とてもじゃないが私には無理だ
ヒストリア 「今日、攻めてくるんだよね?」
エレン 「記憶だとな。だが俺がこの前奴らに事情を話したからそれで奴らの動きが変わるかどうかだ」
ヒストリア 「ねぇ、私はいつ死ぬって分かる?」
エレン 「さあな、俺よりは長生きしてたぞ」
ヒストリア 「そう、なんだ」
少し残念だった
エレンより長生きして他に誰に私の心を打ち明ければいいのか
エレン 「てかもう行かないとな」
ヒストリア 「あ、うん」
エレン 「もしかしたらこれが最後の会話になるかもな」
ヒストリア 「え?」
エレン 「いやなんでもない。じゃあな」
"最後の会話"しばらくこの言葉が頭によぎっていた
もしこれが仮に本当だとしたら私の気持ち伝えたかったな
街の巡回中、ふとユミルがこんな事を言ってきた
ユミル 「お前さ、エレンとできてんのか?」
クリスタ 「え?どういうこと?」
ユミル 「いや今日の朝もそうだけどさ、昨日の夜も一緒にいたし、たびたび話してるの見るんだが」
クリスタ 「で、できてはないよ。ただお互い本音を言い合える仲なのかな」
ユミル 「ふーん。お前、エレンの事好きだろ」
クリスタ 「な、なんで?」
ユミル 「見りゃわかるよ」
クリスタ 「あははっバレてたか」
ユミル 「だが死に急ぎ野郎はなんとも思ってなさそうだな」
クリスタ 「うっ言い方きついよォ」
確かにそうだ
そもそもエレンは恋愛とかに興味無さそうだし
した事もなさそう
身近にミカサという存在がいてもなお家族と言っているし恋愛に対して関心がなかった
ユミル 「ま、本音言い合えるならいつかはあるかもな」
クリスタ 「そ、そうかな?」
ユミル 「まあ、まずその作り笑顔をどうにかすればな」
-
- 10 : 2022/02/13(日) 01:28:08 :
- ユミル、気づいてたんだ
私の作り笑顔に気づいたのはこれで2人目だった
エレンの時とは違って本当の友達が出来たようにかんじた
クリスタ 「気づいてたんだね」
ユミル 「お前が偽名を使ってるって言うのもな」
クリスタ 「え?」
ユミル 「いやエレンと話してる時は違う呼び方で呼ばれてたし。それに私の昔居た街で有名な王家の子供だったからな」
クリスタ 「なんか参っちゃうなぁ。エレンにもユミルにもバレちゃうなんて」
本当は参ってなんかいなかった
正直心の中はすごい嬉しかったし何より気づいて貰えたことが嬉しかった
ユミル 「そんで教えろよ。お前の本名って奴」
ヒストリア 「もう知ってるんじゃないの?」
ユミル 「お前の口から聞きたい」
ヒストリア 「私はねヒストリア レイスっていうの」ポロポロ
ユミル 「なんで泣いてんだよ」
ヒストリア 「凄い嬉しくて...」ポロポロ
これからは作り笑顔じゃない本当の笑顔を見せることが出来る
そう考えただけで涙が止まらなかった
エレン、ユミルありがとう
その時だった
物凄い雷の音と共にトロスト区の門が破られていた
それと同時に雷が3回なった
まさかと思い私は腰に着けていた立体機動装置で少し屋根の高い家に昇った
目を疑った
鎧の巨人と女型の巨人、そしてエレンらしき巨人が睨み合っていた
すると、女型の巨人が物凄い勢いでエレンに突撃した
エレンはすかさず交し足をかけ転ばせた
鎧の巨人も戦いに加わり2対1で戦っている
しかしエレンが押しているように私は見えた
するとまた雷がなった
なんと超大型巨人が壁内に、しかもエレンのすぐ近くに出現した
上半身だけ出現し、腕をのばしエレンを吹き飛ばした
戦いを見るのに夢中だったが、ユミルからの呼びかけに我に返った
ユミル 「おい!ヒストリア!ここは危ない、取り敢えず本部に戻るぞ!」
ヒストリア 「う、うん」
本部に戻る途中も目が話せなかった
エレンは必死に私達のために1人で戦っている
ユミル 「何が何だかわかんねぇーけどなんで鎧と超大型がいるんだよ」
ヒストリア 「...」
ユミル 「...何か知ってんだな」
ヒストリア 「い、いやその」
ユミル 「今はいい!とにかく急いで本部いくぞ」
移動中も地響きが凄い伝わってきた
エレン達周辺はもう更地になっており
空からは瓦礫や火花が飛んできている
鎧はすでに倒れているのが見えた
エレンは女型と交戦をしていた
超大型巨人もエレンに敗れたのかうなじらへんに瓦礫のような物が刺さっていた
エレンは確かに格闘術の成績は5本の指に入るくらいトップだったからそれなりには出来ると思う
しかし、格闘術成績トップのアニが敵でありエレンもそうとう手を焼いているのが分かる
するとエレンの巨人が頭を思いっきり吹き飛ばされたのが見えた
エレンの巨人は地面に倒れたが
ふたたび雷と共に現れた
私はエレンの強さとその脅威に立ち向かう姿がすごいと思っていた
ユミル 「ひでぇありさまだな」
ヒストリア 「本部に着いたはいいけどどうしたら?」
キッツ 「状況は見ての通りだ!理解しかねない状況だが巨人共が戦っている!それもあの5年前の惨劇を繰り広げた巨人共だ!今この状況下で我々ができることは敗れらた門から入ってくる巨人の討伐だ!訓練兵を卒業してまもないがここで頑張ってもらおう」
駐屯兵団の前衛部隊はほぼ壊滅したとの連絡もあり
巨人の恐ろしさを知った
そして何よりもエレンがまさにみんなより先に巨人と戦っていること
それが何よりも心配だった
アルミンやミカサが必死にエレンを探し、
コニーやジャンはライナー達を探していた
トロスト区は半分は壊滅的状況で先程まで続いていたエレン達の戦いもすでに終わっていた
エレンは3人に勝利し大岩を持ち上げ穴を塞いだ
一連の流れを見ていた駐屯兵の先輩方や上官、104期訓練兵、そしてアルミンとミカサ
みんなが巨人の正体について知った
今、エレンと駐屯兵団との口論が続いている
みんなバケモノを見たような顔をしていた
エレンはみんなから罵声を浴びさせられ、今にも殺されそうになっている
私は居てもたっても居られなくなり口論の真っ只中に突っ込んだ
プシュー
ット
エレン 「ヒストリア?!」
キッツ 「な、何者だ!?」
ヒストリア 「わ、私は...」(もう言っちゃえ)
ヒストリア 「第104期訓練兵ヒストリア レイスです!!」
エレン 「お、おい」
ヒストリア 「皆さんはエレンがこの世の敵に見えるのですか!?」
無駄な事だと分かっているけど、私は無我夢中に訴えかけた
エレンの存在とそのあり方、価値を
-
- 11 : 2022/02/13(日) 23:58:23 :
- キッツ 「何を言っている彼は残虐で非番な巨人に違いない!」
キッツ 「彼が人類の味方である保証がどこにあると言うのだ!」
ヒストリア 「あなたも周りの兵士も見てたでしょう!彼が勇敢にも巨人に立ち向かう姿を!そして何より大岩を持ち上げ穴を塞いだ事、この事から彼が人類の味方だと断言できるじゃないですか!!」
言ってやった。私の思ってる事全て
だか考えることを放棄している彼に伝わったのだろうか
私の発言でエレンの生死が決まるのであれば私は全力を尽くしてエレンを救う
周りの兵士の反応は様々だった
確かにと共感する兵士もいれば、そうでない人もいる
一番の問題は彼だ
彼自身に人類の味方だと証明する必要がある
その彼が固い頭で考えなければならない
キッツ 「えーーい黙れ!!」
エレン 「ヒストリアもういい」
ヒストリア 「で、でも!このままだとエレンは」
エレン 「俺はここから単独で行動する。ライナー達が回復するのも時間の問題だ」
ヒストリア 「じゃあ私も連れてって」
エレン 「はぁ?お前何言って」
ヒストリア 「エレン私嬉しかった。あなたに本当の自分を見つけてもらって」
こんな時に言う事じゃないのは分かっている
でももしかしたら本当にこれが最後の会話かもしれなかった
蒸気でエレンの姿は少ししか見えないけど
彼の体つきは確認できた
それだけで嬉しかった。彼が生きているだけでも
???「まて」
キッツ 「!?」
???「ご苦労だった。ここからは調査兵団が受け持つ」
「おい、エルヴィン団長だ」 「今日は壁外調査じゃなかったのか?」 「調査兵団が受け持つだと?」
リヴァイ 「これはどういう状況だ」
エルヴィン 「どういう状況にせよ、まずは彼の身柄の拘束だ」
そこからエレンは調査兵団に連れていかれた
それと同時にライナーやベルトルト、アニも身柄を拘束された
私は何度もエレンに会いに行った
もちろん顔を見ることすらも出来なかったが
エルヴィン 「話は聞いた。君は巨人化する事が可能なのかね」
エレン 「...はい」
リヴァイ「チッ、そのしけた面を何とかしろエレン」
エレン 「俺がその気になればここなんて余裕で抜け出せるんですよ」
リヴァイ 「だってよエルヴィン」
エルヴィン 「君には調査兵団として人類の活躍に貢献して頂きたい」
エレン 「それはできません」
エルヴィン 「なんだと?」
本来の目的はみんなが幸せである世界
ここからは俺が単独で行動し、ジークに合わなければならない
しかしどうやってジークに会いに行くかだ
まだパラディ島の巨人を駆除した訳ではない
巨人が俺の進行に支障をきたすに違いない
エレン 「俺が知っている事、人類に何が起こっているのか全てお話致します。」
リヴァイ 「ほう...」
エレン 「その代わり、俺をここから解き放ち、ライナー達の身柄を俺に渡させてください」
エルヴィン 「その知っている事、という物に嘘偽りの無い事を証明できるのか?」
証明、確かに証明するのは難しい話であった
第一エルヴィン団長達にとっては俺は初対面であり
信用できないのは無理もない状況だ
そんな中で嘘偽りがないという証明をするのは難しすぎる
エレン 「10日間だけ、猶予をください」
エルヴィン 「その間君はどこへ?」
エレン 「シガンシナ区にある俺の家の地下室です。そこに人類に起こりうるすべでのことが記述されています」
リヴァイ 「チッ、今まで死んで行った部下は無駄だったって事か。このクソガキの家の地下室に全て記されてるとはな」
エルヴィン 「分かった。君を信じよう」
リヴァイ 「おい、エルヴィン。こんな奴を信じるのか?嘘にまみれた情報だったらどうすんだ?」
エルヴィン 「私の直感では彼が嘘を言っているようには見えない」
リヴァイ 「...クッ、分かったエルヴィン、お前の直感を信じよう」
よしこれで自由になれる
そうすればやるべき事は2つ
1つ目はシガンシナ区にいき、俺の家の地下室に行く事
2つ目はライナー達と共にマーレに行き、ジークと接触の後、全てのエルディア人の自由を創る事
簡単だ
記憶がある今の俺は無敵だ
だがその前に...
エルヴィン 「10日間でその証明する物を持ってこい。そうしたら金輪際エレンの身柄は自由と処す」
エレン 「ありがとうございます。シガンシナ区までは馬で行きます。その代わり護衛など要りません。1人で行きます」
リヴァイ 「逃げたら、てめぇーのその汚ぇ面を蹴り飛ばしてやる」
エレン 「変わってませんね...」
リヴァイ 「あ?ゔ...」
エルヴィン 「どうした?」
-
- 12 : 2022/02/14(月) 00:33:16 :
- リヴァイ 「い、いや大丈夫だ。急に頭が...」チッ
エルヴィン 「大丈夫なら問題ないが」
エレン 「それと1つ、彼ら...ライナーブラウン等は巨人化する事ができます」
リヴァイ 「それは知っている」
エレン 「地下深いところで、常に腕を切った状態で拘束しておいて下さい」
エルヴィン 「分かった。では10日間の内に証明出来るものを」
エレン 「はい、分かりました」
俺はまずヒストリアに会いに行くことにした
勇気を振り絞り、本当の名を明かし俺を全力で庇ってくれた
まずは感謝を伝えに行こう
ヒストリア 「大丈夫、かな」
アルミン 「信じよう。僕も何が起こっているか分からない状況だけど取り敢えず無事を祈ろう」
ミカサ 「エレン...」
ジャン 「全く分からねぇ...人間が巨人なれるだと?」
コニー 「ライナーもベルトルトも見つからねぇしもう訳わかんねぇよ」
みんな酷く混乱していた
私でさえ混乱をしているんだ無理もない
一刻でも早くエレンの安否が知りたかった
でもきっと彼なら生きてるだろう
エルヴィン 「失礼すまない」
アルミン 「エ、エルヴィン団長?!」
一同 「?!」
エルヴィン 「ヒストリア レイスは居るか」
ヒストリア 「わ、私であります」
私が呼ばれた理由はなんとなく分かっていた
エレンから聞いていたと言うのもあるけどまさかこんな早く来るとは
エルヴィン 「君にはこの世界を治める女王となってもらう。我々はクーデターを企て、偽物の王から王冠を奪った。だが兵団がトップでは民衆は従わない。正当な王位継承者が偽物から王冠を奪った、という物語が必要なんだ」
エルヴィン 「突然の事ですまないが君には退役してもらい女王となってもらう」
予想以上複雑でひっくりした
確かに今まで偽物の王がこの国を治めていたが流石に辻褄が合わないと判断したんだろう...
なら私が出来ること、私にしか出来ないことをやってやろうじゃないか
ヒストリア 「分かりました...」
一同 「もう何が何だかわかんねぇ...」
ーーーー
(作者です。理解は少し難しいと思いますがこの辺は本編道理だと思ってください)
リヴァイ (作者、てめぇーの脳内は快適か?)
作者 (グハッ)
ーーーー
ヒストリア 「ですが、一つだけお願いがあります」
エルヴィン 「なんだね」
ヒストリア 「エレンに合わせてください!」
私は女王になるなどもうどうでも良かった
とにかくエレンに会いたい一心で言った
無理だと分かっている
だけど、もし、もし会えるならこの気持ちを伝えたい
エルヴィン 「許可する、がエレンは既に単独行動に移っている」
ヒストリア 「ええ?」
エルヴィン 「と、いっても10日間という猶予を与えたが。もう出発しているだろう」
そんな、せっかく会えると思っていたのに
エレンはなんでいつも一人で行くんだろう...
”頼って欲しい”そうじゃないただエレン、君と共にこの世界を見たいの
アルミン 「ヒストリア気持ちはよく分かる僕も会いたいよ。けど、今君がすべき事をしよう。僕達も全力でエレンを守るから」
ミカサ 「エレンは簡単に死んだりはしない。何故ならエレンは強い」
ジャン 「あいつの粘り強さには誰も勝てやしねぇ、そんなそこらの連中になんか負けたりしねぇよ」
コニー 「ああみんなの言う通りだぜ」
サシャ 「そうですよ!エレンもきっと美味しい料理食べて強くなってるはずです!」
ヒストリア 「みんな!」ポロポロ
ユミル 「っつーー訳だヒストリア。お前は女王になってこの国を治めてくれ」
みんなありがとう
みんなが居ると私はなんだが勇気が湧いてきた
こんな事1度もなかった
みんなに必要とされているのがなんだかとっても嬉しくなった
ーー女王祭壇式ーー
「この国の真の王、ヒストリア レイス様だ!!」
「うぉーーー!」 「頑張ってくれよ!」
「頼りにしてるぜ!」
「若いのに凄いな!」
ヒストリア 「!!!」
ーーー
「ヒストリア様こちらの部屋をお使い下さい」
ヒストリア 「ありがとう。今日は休んでいいよ」
「ありがとうございます。ではごゆっくり」
ヒストリア 「みんな私を必要としてくれてる...」
ヒストリア 「私、エレンにも必要とされたい、な」
コンコン
ヒストリア 「??どうぞ」
エレン 「よぉ」
ヒストリア 「え!?!エレン?!」
-
- 13 : 2022/02/14(月) 00:37:45 :
- ヒストリア 「エレンに会わせてください!」
に訂正致します
コニー (こんなミスするなんて俺より馬鹿なんじゃないか?)
作者 (グハッ)
-
- 14 : 2022/02/15(火) 02:30:53 :
- エレンが私の部屋を尋ねてきた
その姿は傷だらけで服には血が滲んでいた
誰かと戦ったのだろうか
もしくは巨人だろうか
でも、そんな事はどうでも良かったくらいにエレンに会えた事が嬉しかった
ヒストリア 「だ、大丈夫なの?!」
エレン 「まぁ、な」
ヒストリア 「いっ、1回シャワーを浴びよう」
エレン 「おう、ありがとう」
今1枚向こうのドアではエレンがシャワーを浴びている
上がるのを待てずにドア越しで話す事にした
ヒストリア 「ねぇ、エレン何があったの?」
エレン 「...ライナー達が予定どおりに攻めてきやがった」
ヒストリア 「それでライナー達はどうしたの?」
エレン 「あいつらは調査兵団に引き取られた。そして俺は人類の謎について調査兵団に情報を引き渡す。それと共にライナー達をつれマーレに行きジークと接触する」
エレンはもうすでに先の事も決めていた
ジークに接触して始祖の力を使い、エルディア人の自由を願うという
私は1人で行ってしまうエレンをなんとか止めようと頑張った
ヒストリア 「私、エレンに言ったよね?エレンにも幸せになって欲しいって」
エレン 「そう、だな」
ヒストリア 「どうしても行かなければならないの?」
ヒストリア 「ライナー達を倒しただけじゃダメなの?」
必死に必死に止めようと頑張った
でもえれんはもう手の内を決め、マーレに行く事を深く決定づけていた
それは調査兵団も承認している事で、エレン単独でいや
組織全体がそれを決定づけていた
私の私情でどうこうできるものでないと分かっていた
エレン 「...ライナー達を倒した事が敵の脅威となりマーレ側も攻撃を企ててくるだろう」
エレン 「だが、俺はマーレと争う気はない。寧ろマーレとは友好な関係を築きあげて行きたいと思っている。その為にはやはり全エルディア人の自由が必要であり、その巨人となる体をどうにかしなくてはならない」
ヒストリア 「...」
エレンがここまでもう作戦をたてているとは思わなかった
先の事をしっかり考え私たちを救うと共に他国との友好な関係を築き上げるというのだ
こんな器用な事が出来るのだろうか
もしこれが駄目だったとしたらエレンはどうする?
記憶の中の事とまた同じ事を繰り広げるの?
ヒストリア 「エレン」
エレン 「なんだ」バタン
ヒストリア 「ちょ、///服きてよ」
エレン 「ああすまない」
いつの間にかエレンの体は仕上がっていた
隠れて筋トレでもしていたのだろうか、はたまた戦いをするうちについていったのか
どちらにせよ男らしい体つきになってきていた
ヒストリア 「...女王として命令するね」
エレン 「...」
ヒストリア 「必ず生きて帰ってきて」
エレン 「それだけか?」
ヒストリア 「それだけで十分だよ」
エレン 「なぁ、ヒストリア」
ヒストリア 「何??」
エレン 「やっぱ怖ぇーな」
ヒストリア 「えっ?」
ここまで強気でいたエレンだが
本音が溢れたのだろうか、自信がなさげになっている
救えるという保証がないという恐怖か
それともマーレ側に行くのが怖いのか
エレン 「この、腐った残酷な世界を知るほど俺は怖くなっていく」
ヒストリア 「え?」
エレン 「マーレは...俺を受け付けないだろう」
ヒストリア 「...」
エレンの言っている意味がわからなかった
もちろんエレンの考えている事も
確かにマーレにとってエレンは恐怖でしかないのだろう
私達が超大型や鎧を思うように
だがエレンはマーレに攻撃した訳では無い
そこまで憎まれる存在なのだろうか
いや根本的にパラディ島にいるエルディア人という存在から嫌われてしまうだろう
そして何より始祖の力を持ち、地ならしを起こせるという力を持っているとなるといくら攻撃の意を見せずとも
マーレ側はエレンを殺すだろう
ヒストリア 「と、とにかく私に話してくれてありがとう。何より無事で良かったよ」
エレン 「...なぁ、ヒストリア」
ヒストリア 「うん?」
エレン 「また、一緒に寝ないか?」
ヒストリア 「え///う、うんいいよ」
ただ単に鈍感なのかそれともそういう意図があって言ったのか変わったエレンを見て思うと分からなかった
エレン 「じゃあ、また後でくるよ」
ヒストリア 「ま、待って!」
エレン 「ん?もう色々準備をしないと」
ヒストリア 「お願い、もう寝よ?」
私達はベッドに入りエレンの胸の中で眠る事にした
中々眠れないでいたが途中エレンが思いっきり抱き締めてきたのでびっくりしたと同時に安心して眠ってしまった
-
- 15 : 2022/02/16(水) 02:56:57 :
- 誰だろう
うるさい。朝から大きな声を上げて何かを喋っている
外だろうか、それとも皇居の中だろうか
誰かしら、いや大人数で喋っているのが分かる
ヒストリア 「うう...」
太陽が眩しかった
起き上がろうとするとギュッと誰かに抱きしめられているのが分かった
昨日エレンと寝た事をすっかり忘れてしまっていた
エレンと寝たのはこれで2回目だっけ
ヒストリア 「///」
エレン 「起きたのか」
ヒストリア 「う、うん」
エレン 「てっきり朝になったら俺が居なくなってたっていうオチを予想してたろ」
ヒストリア 「ちょ、ちょっとだけね」
確かに今日エレンは地下室の書物を手に入れた後ライナー達を連れ敵陣に潜り込む
それも隠密に行動するのではなく堂々と表から
最近1人で行動しがちなエレンは朝になったらすぐ居なくなると思っていた
エレン 「一応調査兵団なんだからな、作戦くらい立ててからいくよ」
エレン 「それにヒストリアとも話をしたかったしな」
ヒストリア 「そ、そうなんだね///」
エレン 「女王が赤くなってどうすんだよ」
ヒストリア 「し、仕方ないでしょ!!」
エレン 「...必ず」
ヒストリア 「え?」
エレン 「必ず帰ってくるから」
その瞳には何が写っているのか
その瞳は何処を見ているのか
まだ私はエレンを全て知れていなかった
コンコン ガチャ
アルミン 「や、やぁ」
ヒストリア 「ア、アルミン?!」
アルミン 「エレンがここに居ると聞いてね...」
エレン 「...よお」
アルミン 「うん、久々だねエレン」
エレン 「それで何の用だ」
ミカサ 「...な、なぜエレンがここに?」
朝からうるさかったのはみんなだった
何時にもましてどこか落ち着きのないミカサ
エレンが私の部屋に居た事がそんなに嫌だったのだろうか
だけど、私は初めてミカサに勝った気がした
エレン 「別にどこに居ようとお前には関係ないだろ」
ミカサ 「...」
アルミン 「エレンもミカサもいいから...」
ジャン 「なんかほんのちょっと前に戻った気分だな」
コニー 「確かに訓練兵の時もこんなやり取りをしてたな」
みんなが言うにエレンの見送りに来たという
みんな頭が混乱しているだろうが、何かをエレンに聞く事もなかった
ジャン 「...ヒストリア聞いちゃいねぇーと思うが、この後は全兵団と緊急会議がある」
ヒストリア 「...」
アルミン 「...恐らく壁中人類の未来、また世界の事についての話し合い。すでに新聞には書かれているそうだ」
でもどうして?その情報はどこから?
まさかエレンが?
エレン 「グリシャ イェーガー。俺の父親の書物の内容を話したんだ」
ミカサ 「おじさんの...」
エレン 「状況が変わった。10日間の猶予を与えられた俺だったが今すぐに敵陣に潜り込む」
エレン 「シガンシナまでは調査兵団が同行することになっている」
エレン 「そこから俺が単独でマーレ側に行く」
ミカサ 「わ、私もいく!」
エレン 「だめだ、こっから俺一人でやる。お前らはこの島で大人しくしていろ」
少し早めにエレンがマーレ側に行く事が決定したらしい
それも、決行は明後日深夜
巨人の動きを警戒しつつ、単独で港まで行くらしい
ヒストリア 「...エレンはなんでそんな単独で行きたがるの?」
ジャン 「そうだよ、おめぇみたいな死に急ぎ野郎が一人で行って帰って来れるわけがねぇだろ」
エレン 「...お前達が何よりも大事だからだ」
一同 「っっ...」
みんな言葉を失っていた
それもそうだあのエレンが顔を赤らめながら大事だと言うんだ
少し気まづい雰囲気になったがすぐにジャンが
ジャン 「ってめぇ何赤くなってやがんだよ気持ちわりぃ」
アルミン 「ふふっそういうジャンはなんだか嬉しそうだけどね」
ジャン 「うっせぇ」
ヒストリア 「と、とにかくエレン...本当に帰ってきてね」
エレン 「...ああ、俺は絶対に帰ってくる」
エレン 「約束だ」
サシャ 「所でそのぉー2人はうふふな関係何でしょうか」
ヒストリア 「ち、違うよ!昨日たまたま...エレン 「ああ」
一同 「え?」
エレン 「あ?何言ってんだよ」
ジャン 「てんめぇ!ミカサだけじゃなくてヒストリアとも!」
エレン 「はぁ?!なんだよやめろよ!」
アルミン 「まぁ、思い当たる事はあるよね。エレンが本音をヒストリアに話してたのも、ヒストリアにしか言ってなかった事もあったみたいだしね」
ミカサ 「」
コニー 「ただ一緒に寝てただけじゃねーのか?」
ヒストリア 「はぁ、もうエレンのバカ///」
-
- 16 : 2022/02/17(木) 02:29:55 :
- エルヴィン 「調査兵団はエレンと共にシガンシナまで行き、シガンシナを奪還した後に我々は撤退し、エレンはライナー達と共に敵陣に潜り込むという事に至りました」
ピクシス 「じゃが、問題はイェーガー家に本当に人類の希望があるかどうかじゃ」
エレン 「必ず、あります」
ピクシス 「...」
エルヴィン 「彼に、人類の全てを託しましょう。彼なら全て成し遂げてくれそうです」
ピクシス 「その根拠は」
エルヴィン 「私の...勘です」
一同 「っっっ!!」ガヤガヤ ワイワイ
まだエレンが巨人か人間か半信半疑の人も多い中行われているこの会議。
憲兵団や駐屯兵団の中にはエレンの存在を認めて居ないものも多くいた
エレン 「ただ、俺が無事に帰ってくる保証はありません」
リヴァイ 「本当は俺達も行きたい所だが、なぜお前は1人で行きたがる」
エレン 「俺には...仲間を犠牲にする覚悟がありません。誰も死なせたくないんです」
仲間を1番に思っていたエレン
だが、いくらその想いが強いとしても1人で敵陣に潜り込むのは自殺行為だった
ピクシス 「君は我々人類の希望の要でもある。あの超大型や鎧を倒し、それゆえ穴も塞いだ。君が入れば人類の存続は可能なのだよ」
確かにエレンがこのままこの壁内を守る事にかければ、この先の安全は保証できる
だがエレンは別の方向に頭を向けていたのであった
エレン 「元々、マーレ国とは戦う気はありません。俺はマーレ国にも幸せになって欲しいんです。話し合いでなんとかするつもりですが、そうも上手くは行かないと思います」
エルヴィン 「そう分かってて乗り込む理由は?」
エレン 「...この壁内人類にもマーレ国にもどちらも争わなくていい世界に書き換えるためです」
エルヴィン 「例の始祖の力というやつか?マーレ側の王家の血を引く巨人と接触する事で世界を変えられると言うのか。なるほど、面白い」
リヴァイ 「ちっ、こんな奴に世界を変えられると思ってねぇが託すしかねぇってか」
ピクシス 「エレンが居ない間、壁の中を守る奴はおるのかね?調査兵団も抜ける中、駐屯兵団と憲兵団だけではとてもじゃないが対処しきれんぞ」
エレン 「それなら、ユミルがこの壁内を守れると思います」
そうユミルも巨人の力を持っているというのだ
聞いた時こそ驚いたがそれ以上に巨人の力が多数ある事に驚いた
ピクシス 「その人物とは誰だね?」
エレン 「俺と同じ104期訓練兵所属の人物です。彼女も巨人の力を持っており、強力な戦力となるでしょう」
ピクシス 「なんと...」
エルヴィン 「君の他にも居たとはね。だが、ここは彼女に託すしかないようだ」
リヴァイ 「どいつもこいつもよく分からねぇな」
ヒストリア女王 「ぶ、無事に帰ってきて下さい」
私は気持ちを抑えきれなかった
一同 「?!」
ヒストリア女王 「これは...命令です」
命令という言葉で濁したが、ほとんどが私情であった
エレン 「...ああ」
あの感情のない返事は無事に帰ってくる保証がないと自分でも分かってての事だろうか
いつものエレンとは自信のない返事だった
ーーー
エレン 「手紙?」
ヒストリア 「うん」
ヒストリア 「エレンが...その時だって思った時に開けてね?」
エレン 「...おう、分かった」
私はエレンに手紙を書いた
内容こそ薄いが私にとっては深い意味を込めたつもりだった
エルヴィン 「では、我々は出発するが壁内の事は頼んだぞ」
ユミル 「は、はい」
ピクシス 「では、お気を付けください」
エルヴィン 「はい、必ずシガンシナを奪還します」
ピクシス 「そして我らの巨人よ。この人類を頼んだぞ」
エレン 「はい」
こうして調査兵団はエレンと共に出発をした
その後ろ姿はどこかかっこよくいつも見ていた調査兵団とは違って見えた
人類の為に命を掛けに行くエレン
その志しが私たち人類にとって大きな希望となり、たちまちエレンの存在を皆が認めるようになってきていた
私は無事に帰ってくる事を必死に祈り
女王としての仕事を行った
ーーー
初めて調査兵団として壁外に足を運んだ
エレンはリヴァイ班に守られながら索敵陣形で1番安全な中央の後方に配置されていた
僕は次列四・伝達の位置に配置されていた
エレンの事は心配だけど僕も僕なりに出来ることをしようと思った
多分ミカサも同じ事を思っているはず
エレンとマーレに行きたがっていたが全力で止められていた
今はエレンを”信じる”これに賭けるしか僕の中にはなかった
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- 17 : 2022/02/17(木) 08:34:57 :
- 期待します!!
てか書くのうますぎます
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- 18 : 2022/02/20(日) 20:58:05 :
- しばらく忙しいので
落ち着いたら書き始めます
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- 20 : 2022/05/05(木) 13:36:19 :
- 期待!続き待ってます!!
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- 21 : 2022/08/18(木) 13:51:38 :
- あれからどのくらい経ったのだろう
妙に巨人には出くわすことなく、順調に陣形が保たれ進んでいる。
もう既に日は落ちかけていて団員の体力もかなり奪われていた。
すると伝達係から中央の後方に集まるよう指示が来た。
中央の後方はエレンがいる場所であり、何かあったんじゃないのかと心配になった。
アルミン 「ミカサ!」
ミカサ 「アルミン!?どうしてここに?」
アルミン 「伝達の人から中央の後方に集まるように指示があったんだ」
ミカサ 「そこは...」
ミカサも気づいていた。
ただ伝達をした人の様子から悪い知らせでは無いことはすぐに分かった。
アルミン 「と、とにかく行ってみよう」
少し不安であったがとにかく急いで向かう事にした
中央の後方あたりに着くと森の入口にテントやら焚き火やら色々と建てられていた。
中にはコニーやサシャの姿、ジャンなど顔見知りな仲間も休憩をしていた。
アルミン 「これはどういう...」
ジャン 「あ、ようアルミンくたばってなかったみたいだな」
アルミン 「う、うん。なんで壁外でどうどうとキャンプを?」
ジャン 「エレンいわく巨人は全て操れるとかなんとかって」
ジャン 「現に壁外調査に出てどの班も巨人と出くわさないなんておかしな話だろ?」
確かにどの班も巨人と出くわしておらず信煙弾も1発も見られなかった。
エレンが巨人を操れるとしたらこの壁の中にも未来は...
今は考えるのをやめよう
アルミン 「エレンはどこ?」
ジャン 「さぁな」
アルミン 「え?」
ジャン 「リヴァイ兵長を押し倒して先を行ったらしいぜ」
アルミン 「あ、あのリヴァイ兵長を??」
ジャン 「あいつのわがままにリヴァイ兵長は耐えられなかったみてぇだな」
エレンがリヴァイ兵長に勝った、と判断するか否か、
エレンが1人で先を行ってしまったこと
元々この壁外調査ではエレンの護衛とエレンの家の地下室の秘密を調べる調査でありエレン本人がいなければ成り立たない事である
リヴァイ 「鍵はもらった」
アルミン 「リ、リヴァイ兵長?」
リヴァイ 「あ?」
アルミン 「あ、あなたの力ならエレンを止められたはずでは...?」
リヴァイ 「...」
リヴァイ 「どうだろうな」
一瞬間があった
この間で僕は全てを悟ることができた。
リヴァイ兵長は止めた訳ではなくエレンの好きなようにさせた事
そしてリヴァイ兵長はエレンに全てを託したこと
もちろん壁外調査に出る前からエレンは沢山の人から人類の希望となり託されてきたであろう
だが、リヴァイ兵長は自分の命を投げ出すかのようにエレンに全てを託した
僕にはそんな風に見えた
エルヴィン 「只今より、あすの朝まで休憩をとる。各自よく休み、シガンシナまでの道の体力を回復するように」
全員 「はっ!!」
ーーーー
ミカサ 「アルミン?」
アルミン 「ん?」
ミカサ 「隣いい?」
アルミン 「いいよ」
珍しくミカサが落ち着いていた
いつもエレンの事になると止まらないミカサが
アルミン 「...今頃エレンは何をしてるのかな」
ミカサ 「さぁ、道に迷ったりしないといいけど」
アルミン 「あはは、そこまで子供じゃないよ」
ミカサ 「エレンは少し変わった」
確かにミカサの言うようにいつからかエレンは変わった
大人になったのか、それとも僕たちが変わったのか
どちらにせよエレンはここ数年で大きく変わってしまった
なんというか1人で行動するようになり、僕たち3人で居ることが少なくなった
アルミン 「エレンが心配?」
ミカサ 「...ええ」
ジャン 「どーせあいつのしぶとさにマーレの連中共も苦労してんだろうよ」
アルミン 「ジャン...」
ジャン 「実際、アニやライナーを倒してんだ。あいつなら大丈夫だろ」
敵国に1人で潜入をはたし交渉しに行くと言ったエレンだが
話し合いで全てが解決する訳では無いことはもちろんみんな承知だった
だからこそエレン1人で行くのを全力で止めたはずだったが
戦力にもならない僕たちではかける言葉もなかった
意地っ張りで負けず嫌いなエレンならきっと大丈夫だろうと心の中では思っているが実際は心配で仕方がなかった。
ミカサ 「明日に備えて寝よう。明日は私たちの...」
アルミン 「うん...ちゃんと見ておこう」
明日でシガンシナにいける
なんとも言えない雰囲気が僕とミカサにはあった
エレンの事はエレンに全てを託したんだ
僕たちは祈るしかない
そしてシガンシナに行ってこの世界の秘密を知ろう
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- 22 : 2022/08/19(金) 05:01:22 :
- 期待
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- 23 : 2022/08/23(火) 03:02:16 :
??? 「ったく悪い商売してんなぁここは」
??? 「そういうのはよしなってジャン」
ジャン 「ふん、そう思ってんだろ?アルミン」カキカキ
アルミン 「思ってないよ」
伸びた髭をかきながらケラケラとするジャン
エレンが失踪して4年がたった。
今も足取りを掴めていない状況で
マーレ国に侵入をし、捜査を続ける調査兵団だが、マーレ国の軍にエレンが言っていた巨人の力を持つ兵士はいなさそうに見えた
シガンシナを取り返し、パラディ島も平和を保ちつつある
脅威であるマーレ国との戦争を避けるためエレン1人で僕達よりも4年も早く潜入し戦っている
戦っているといっても実際どうぶつかり合っているのか分からない所である
アルミン 「そろそろいくよジャン」
ジャン 「...そうだな」
アルミン 「次の街で調査を進めよう」
調査と言いつつも1つも手がかりを掴めていないのが現状だ
広い土地で1人の人物を探すのは困難であるがエレンは今やパラディ島の英雄となり、戦火を救った大いなる巨人として敬われている
巨人に囚われていた生活はなくなり、女王であるヒストリアの力もありパラディ島はひとつの国として様々な物を発展させていった
ジャン 「...奴が死んでるとしたr」
アルミン 「ジャン!!」
ジャン 「...」
アルミン 「...」
ーーーー
ヒストリア 「...」
コンコン
ヒストリア 「...どうぞ」
ユミル 「...」
ヒストリア 「ユミル?」
何もない高貴なこの建物にユミルが押し掛けてくるのは珍しい事だった
ユミルは進議会という新しく出来た組織の副長をやっている
その組織では主に兵の構成や憲兵団、駐屯兵団と協力して人選を行う仕事をしている
実際巨人の力を持つユミルは多くの貴族の護衛などもこなしてきている
ユミル 「久しぶりだな」
ヒストリア 「うん、仕事の方はどう?」
ユミル 「退屈で仕方ねぇな」
ヒストリア 「もう、しっかりやってよね?」
ユミル 「...まだエレン事引きずってるのか?」
ヒストリア 「待ってるの」
ユミル 「...」
待つ
私にはこれしかなかった
調査兵団からエレンが失踪したと聞かされた時
エレンの死が頭に浮かんだ
いつも1人で行動してたエレンの事だからいつかこうなると予想は大体ついていた
ヒストリア 「ねぇ、調査兵団からは何も聞いてない?」
ユミル 「...エレンはさ一応死んだという扱いになってるんだ」
ヒストリア 「え?」
ユミル 「アルミンとかその辺の連中は諦めず乗り込んでまで探してるけどな」
ヒストリア 「エレンは...エレンは死んでないよ!!!」
そう信じるしか今は出来なかった
そう今までは
ーーーー
ーーー
ーー
ー
ジーク 「しかしここまでこっぴどくみんなやられちゃうとねぇ」
ピーク 「...」
ライナー 「...」
ポルコ 「...」
ベルトルト 「...」
アニ 「...」
エレン 「おい、いつまで待たせるんだ」
ジーク 「あーごめんごめん」
なんとか戦士であるやつは沈めたがジークだけはやっぱりしぶとかった
ジーク 「エレンがここまでしてやる理由を知りたいんだよねぇ」
俺には仲間と過ごした日々、過去も未来も存在してかけがえのない時間がそこにある
そんな時間、日々を奪うような争いはしたくない
そして誰も死なせたくない
全員が生きて幸せな日々であって欲しいんだ
ジーク 「取り敢えず落ち着いて話をしよう」
エレン 「最初からそのつもりなんだよ。こいつらがそれでも仕掛けてくるからこうなるんだろうが」
エレン 「俺は...
ジーク 「ふふっはっはっはっはっ!」
エレン 「何がおかしい」
ジーク 「いやぁ子供のような願いとはなぁ」
エレン 「...兄さん、あんたにも幸せになって欲しい」
ジーク 「...」
ー
ーー
ーーー
ーーーー
訓練兵のとき眺めてたこの小川
何年経っても変わらず景色がとても綺麗だった
今になっては巨人に対抗する兵士の育成ではなく人間に対抗する兵士の育成を行っている訓練所
護衛 「お時間です行きましょう」
ヒストリア 「...もう少しまってちょうだい」
護衛 「分かりました」
この小川を見るとエレンを思い出す
エレンに可愛いって言われた所だっけ?
そんなこともあったなと思い出す
今エレンはどこで何をしているのか
考えただけで涙が出てきた
すると
??? 「お前はやっぱ笑ってた方が可愛いよ」
ヒストリア 「え?」
聞き覚えのある声だった
声のする方に目をやるとそこには大人になって大きくなった、、、、、
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- 24 : 2022/08/23(火) 03:03:27 :
- ログインするの忘れてた投稿してしまいましたが気にしないで下さい
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- 25 : 2024/10/06(日) 18:02:53 :
- ヒストリア 「えっ?」
エレン 「久しぶりだな」
信じ難い出来事だった。調査兵団が4年もかけて探してきた人間がここに居ること、そして死人として扱われてきた重要人物がここにいるのだから
でも私はそれ以上にエレンに会えたことが嬉しかった。髪や髭は伸び切って以前のエレンからかけ離れた存在だった。服は破れ体はボロボロのように見える。一体どんな困難を乗り越えてきたのだろうか
ヒストリア 「ど、どうしたの!?体もそんなにボロボロで今までどこで何をしてたの!?」
エレン 「...まぁ、まて」
ヒストリア 「4年も、待ったんだよ?」
エレン 「すまなかったな。お前には散々な目に合わせたな」
エレン 「...終わったよ。全てが」
ヒストリア 「...えっ?」
"終わった"その言葉をどう捉えればいいのだろうか
エレンが望む世界が出来たのか、変えられない運命をたどる世界ができたのか、その一言では情報が不十分だった。
でもエレンがここにいるってことは少なくとも自分が悪役になり、死ぬのを避け平和な終わり方をしたのだと思っていた
だが...
エレン 「...始祖ユミルはこう言った」
"願わくばおのれの肉体と魂を私に授けよ
すればそなたの願い受け付けようぞ"
エレン 「...つまり全員が幸せに平和に暮らす手段は俺の肉体と魂を始祖ユミルにさずけるしかない」
ヒストリア 「そ、そんな」
思い出した。誰かの記憶でこんな会話をしてるのを見た
これは私達だったの?神様は酷いな
私にこんな運命をもたらすなんて
私だけじゃない
1番はエレンの運命。覆すことの出来ない運命にそって生きることしかできないエレンが一番の苦痛を感じてるはず。多分エレンはここまで自分の運命をねじ曲げて何度も何度も色々試してきたのだろう。
それも自分自身の為ではなく、いつも心の中にいる仲間のために
私にはそんな覚悟は無い。
仲間全員のために自分が犠牲になるなんて到底できることでは無い。
エレン 「...俺はもう一度始祖の力を使いこの世界に終止符を打つ」
ヒストリア 「そ、それってエレン自身が犠牲になって世界を変えるってこと?」
エレン 「...ああ、もうこうするしかないんだ」
ヒストリア 「...嫌だよ、私は嫌だよ?せっかく久しぶりに会えてもう終わったのかと思ったらまたお別れなんて」
エレン 「...誰かが、この地獄を終わらせるしかないんだ」
ヒストリア 「エレンじゃないとだめなの!?エレンが全てをやらないといけないの?」
エレン「...」
ヒストリア 「エレン、私は貴方のことを愛してる。あの時この小川でくれた言葉で私は救われた。私は私で生きてていいって思えるようになった。エレンは私の希望、私の全てなの」グスッ
ヒストリア 「...私にはエレンにも幸せになって欲しい」
エレン 「...俺は皆に幸せになって欲しい。本当は俺だってそこに居たい。みんなともっと生きたかった」
エレン 「死にたくない...」
ヒストリア 「エレン...」
それがエレンの本音だった。それもそうだエレン1人にパラディ島の未来を背負われ期待をされ全てを託されここまできている。
パラディ島がここまで一切の被害をおわずに平和で居られているのも全てエレンのお陰。全ての巨人の進行も止み、座標を手に入れたエレンはまさにパラディ島の希望であり他国からの脅威の存在であった。
そんなエレンには一切の幸せもなく、多分ゆっくり休む暇もなく今までいたのだろう
ヒストリア 「...今まで辛かったよね。私たちのために全てを背負わせてしまってごめんね」
エレン 「...」
ヒストリア 「...」
??? 「さて、時間はないよー」
ヒストリア 「!?」
ジーク 「ん?これが言ってたエレンの」
エレン 「...」
ヒストリア 「だ、誰ですか?」
ジーク 「こんにちはヒストリアちゃん。俺はエレンのお兄ちゃんだ」
ヒストリア 「あ、あなたが」
エレン 「...ヒストリア」
エレン 「...俺もお前を愛してる。唯一お前に色々話せることが出来たしなによりお前の言葉に何度も救われた」
ヒストリア 「手紙見てくれたんだね」
エレン 「...本当はもっと生きてお前と生涯を共にしてみたかったよ」
ヒストリア 「エレン///でもまだ手段はあるはず!」
エレン 「...もう、いいんだここまでで。俺はお前と喋れたことお前と話せたことで俺の幸せは十分だった」
ヒストリア 「待ってエレン」
エレン 「...ヒストリアお前を愛してる。ありがとう」ビリッ
ヒストリア 「エレン!!!」
その瞬間目の前が真っ白になった
見た事のない景色が広がっていった
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