このスレッドの編集には編集パスワードが必要です。 表示するレスにはチェックしを、表示しないレスはチェックを外してください。 全てのレスを表示する 全てのレスを非表示にする ▼一番下へ 1 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:13:55 住宅街からほんの15分ほど歩いた山の中にある空き家 いつからそこにあるのか 誰が住んでいんたかも 分からないその館には お化けが出るという噂があった 2 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:15:29 雪乃「ここがその噂の館ね」八幡「確かに不気味っちゃ不気味だな」由比ヶ浜「や、やっぱり調査とかやめない?危ないよ」雪乃「とはいえ平塚先生からの依頼ですもの。途中で投げ出すのも悪いわ」そう、今俺たちは平塚先生からの依頼でこの噂の館の調査に来ていた 3 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:16:57 由比ヶ浜「ヒ、ヒッキー....」八幡「俺も帰りたいが今引き返したら間違いなく平塚先生の鉄拳が飛んでくるからな。帰るに帰れん」由比ヶ浜「うぅ、、、」そんな中、聞きたくない声が飛び込んで来た 4 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:24:03 陽乃「ひゃはろーー!!」八幡「え?雪ノ下さん?」雪乃「姉さん!?どうしてここに?何の用かしら?」陽乃「雪乃ちゃんたちが楽s…危ない所に行くって聞いて心配になって飛んで来たんだよー」八幡「今明らかに楽しそうっt」陽乃「何かな比企谷くん?」ニッコリ八幡「何でも御座いません」 5 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:25:52 由比ヶ浜「えと、平塚先生から聞いてきたんですか?」陽乃「そだよー!静ちゃんから雪乃ちゃん達が噂の館の調査に行くって聞いてね。楽しそうだけど、ちょっと心配でね」八幡「確かにここ最近、興味本位で中に入る奴が増えてきてるみたいなんすよね。」由比ヶ浜「それで行方不明になった生徒も何人かいるって…。」陽乃「ふむふむなるほど、それで静ちゃんにこの館の調査を頼まれたんだね?」 6 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:27:45 八幡「まぁ正式には生徒から平塚先生へ直接調査依頼があったみたいですけどね。先生は時間がないから俺達が代わりにって感じです」雪乃「分かったなら、姉さんは帰って頂戴」陽乃「え?なんで?私も行くに決まってるじゃない」雪乃「だからこれは遊びじゃ…」八幡「やめとけ雪ノ下。この人は言い出したら何が何でも引かない人だ。諦めろ。それに心配してくれてるってのは恐らく、本当だ」雪乃「…はぁ…、分かったわ。では行きましょう」 7 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:30:11 陽乃「比企谷くん、ありがとね」ボソボソ八幡「いえ、別に」ボソボソなんだかんだ、いい姉なのかもしれないな由比ヶ浜「うぅ、やっぱ怖いね。何かあったらヒッキー助けてね?」八幡「え、嫌だけど?俺が命を懸けて守るのは戸塚だけって決めてるし」由比ヶ浜「ヒッキーほんと最低っ!」陽乃「早く行くよー!」八幡「ほら、行くぞ」由比ヶ浜「う、うん…」 8 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:32:57 館の扉前八幡「ん?扉空いてんぞ。誰か先に入ってんじゃねぇか?」雪乃「そのようね。私たちも入りましょう」館の中1F八幡「中は思ったより綺麗だな」由比ヶ浜「あ、あそこ誰かいるよ」どうやらやはり先客がいたみたいだちょっと話を聞いてみるか 9 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:33:46 八幡「あ、あのー」たけし「うわぁぁっ?!」えー、話しかけただけでこんなに驚かれるとかいつ以来だよあ、昨日以来だったわ卓郎「おいおい、たけしビビり過ぎだろ」美香「確かに死んだ魚に後ろから話しかけられたらビックリするだろうけどさ、それでも大袈裟よ」 10 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:34:25 死んだ魚って何?死んだ魚の目とは言われるけど俺本体は魚じゃないからね!…じゃないよね?雪乃「いきなりこちらの魚が驚かせてしまってごめんなさい」魚でした卓郎「いや、こっちのたけしがビビりなだけだ。気にしないでくれ。あ、俺の名前は卓郎。んでこいつが」美香「美香よ。よろしく。」たけし「あ、たけしです。」 11 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:35:15 なるほどこいつらは3人でこの館に来たわけかリーダー格が卓郎とかいう奴だろうなうん、イケメンだし納得さて、こっちも自己紹介しないとな八幡「えっと、俺の名前は比企谷八幡だ」雪ノ下「私は雪ノ下雪乃よ」由比ヶ浜「由比ヶ浜結衣です」陽乃「私は雪ノ下陽乃。雪乃ちゃんのお姉さんでーす」 12 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:36:32 卓郎「改めてよろしくな」一通り自己紹介が終わり互いに館に来た理由について話しあう事になった 13 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:37:17 館1F卓郎「なるほど、あんた達はこの館について調査に来た訳か」八幡「あぁ、そっちは?」卓郎「俺らも似たようなもんだ。噂の真偽を確かめるってのと、まぁ肝試しみたいなもんかな」美香「ほら、ここってお化けが出るって言われてんじゃん?」由比ヶ浜「あ、それ聞いたことあるかも。逃げ帰ってきた友達が青いお化けが出るって…」陽乃「青いお化け?」美香「はい、まぁ噂が誇張してるだけかもしれないですけど」 14 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:38:26 雪乃「お化け、ね。はっきり言ってくだらないわね」八幡「俺も同意だが、それでも行方不明者が出てんだ。何か関係あるかも知れねぇな」雪乃「………否定はできないわね」陽乃「まぁまぁ二人とも、それをハッキリさせるために調査に来たんでしょ?調査する前から決めつけても何も解決しないよ?」八幡「たしかに雪ノ下さんの言う通りだな」卓郎「そうと決まれば調査開s」パリーンッ!!一同「!!」 15 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:39:35 たけし「い、いまの…」由比ヶ浜「何かが、割れた音…?」美香「誰か、いるのかな?」たけし「か、帰ろうぜ?なぁ卓郎」卓郎「ったく、まだなんも調べてねぇだろうが」たけし「で、でも」卓郎「ちっ、ならてめぇだけで帰りゃいいだろ」たけし「う、うん」 16 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:41:53 そう言ってたけしは扉の前まで行ったのだが、おかしな事に扉の前で立ち尽くしたままだ怪訝に思った卓郎が声をかける卓郎「何してんだたけし。帰るならさっさと帰れよ」たけし「そ、それがさ、卓郎。扉…開かないんだ…」卓郎「はぁ?ふざけんなっ」そういって卓郎が扉に手を伸ばすガチャガチャッ卓郎「あ、開かねぇ。マジかよ、これ」この時、確かに全員が戦慄した 17 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:50:58 美香「私達、閉じ込められたの、かな」卓郎グループの美香が泣きそうな声で尋ねるだが誰も返事をしないただ重苦しい空気が漂う八幡「(…このままジッとしてても変化は起きないだろうな。何か、何かきっかけは…)」そうだ、一つだけある 18 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:52:29 八幡「さっき、何かが割れた音したよな?俺、ちょっと見てくるわ」雪乃「比企谷くん?!き、危険よ!」由比ヶ浜「そうだよヒッキー!何言ってるの!?」八幡「いやでもこのまま何もしないって訳には行かないだろ」陽乃「でもこの状況で単独行動は…」八幡「何が割れた俺なのか、それを確かめに行くだけですよ。すぐに戻ってきますから」 19 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:53:04 美香「ちょっと、あ、あんた、怖くないの?」八幡「ん、怖いな。でも他の誰かにこんな役目を押し付けるわけにもいかんだろ」美香「…………」八幡「それに何かあっても一人の方が気兼ね無く逃げれるしな。」むしろステルスヒッキー発動中は認識すらされないレベルだしお化けにも気づかれないかもな八幡「んじゃ、行ってくるわ」由比ヶ浜「気を付けてねヒッキー」八幡「おう、何かあったらすぐ戻るし、お前らも気をつけろよ」そうして俺はその場を後にした 20 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:54:13 廊下八幡「(確か、こっちの方から聞こえてきたはずだよな)」突き当たりまでに幾つか部屋があったがすべて鍵がかかっていた八幡「(入れる部屋が一つもないまま突き当たりまで来ちまったけど…ここは空いてんのか?)」突き当たりの部屋の扉に手を伸ばすガチャッ八幡「(お、空いてるみたいだな)」 21 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:55:00 中に入るとそこはキッチンのような造りをした部屋だった八幡が周りを見渡すと皿の破片が落ちてあった八幡「(さっきのは皿が割れた音だったのか)」何が割れた音なのかそれを説明するために俺は皿の破片をポケットにしまった 22 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:39:22 さっさと皿の破片を見せて皆を安心させようと八幡は早足で皆のいる場所へ戻るしかし、皆がさっきまでいた場所に戻るとそこには誰もいなくなっていた 23 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:41:27 八幡「(え!!??いやいや!いなくなっていた、じゃねぇぇぇ?!)」まさか皆で俺を置いて帰ったのか?とそんな考えが頭をよぎる八幡「(初対面で俺を置いてけぼりにするとか何その無駄なチームワーク)」八幡は軽くショックを受けながら自分もさっさと帰ろうと館の入り口の扉を開けようとしたガチャガチャッ八幡「(?!)」が、扉にはしっかり鍵がかかっていた 24 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:42:15 八幡「(どういう事だ…?鍵がかかってるって事は、まだ皆この中にいるってことだよな)」冷静になって考えれば、八幡が単独行動をしようとした時の雪ノ下達の反応は演技などではなかったたとえ卓郎達が勝手に調査へ行くと言い出しても、彼女達は八幡を待っていたはずだ館から出ていないのなら考えられるのは一つしかないここから離れなければいけない何か、が起きたのだ 25 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:43:19 この時、ふと八幡は由比ヶ浜の言っていた[青いお化け]の事を思い出したそして焦燥に駆られるお化けなんて非科学的だそんな事は分かっている分かっているが考えれば考えるほど、この状況に焦る八幡「とにかく、誰か見つけて話を聞かないと…」八幡は二階へ向かった 26 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:47:36 部屋を一つずつ確認するがやはり鍵がかかっている部屋ばかりだ八幡(どこか空いてる部屋はねぇのか…)八幡は当てもなく扉を一つずつ確認していくそしてガチャッ八幡「開いたっ」鍵のかかっていない部屋を見つけた 27 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:48:19 しかしその部屋には誰もいなかった八幡「(誰かいると思ったんだがな…。まぁいいか、なにか手掛かりを探すか)」ガタッ八幡「!」クローゼットの中から音がするそして八幡がクローゼットを開けるとそこにはガタガタガタガタガタガタガタガタひたすら震えているたけしがいた 28 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:50:10 八幡「たけし、くん?」たけし「」ガタガタガタガタ八幡「なぁ、一体何があったんだ?」たけし「」ガタガタガタガタもはや会話ができる状態ではなかった 29 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:52:06 八幡「(一体何が起きてんだ?こんなになるなんて普通あり得ねぇぞ)」たけし「あっ…ぉ……に」ガタガタガタガタ八幡「え?」たけしが何かを言おうとしている八幡「もう一回言ってくれ」そして、たけしが震えながら必死に紡ぎ出した言葉はたけし「あ、おお…に」【あおおに】だった 30 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:52:47 たけしはその一言を言うとまたクローゼットに閉じこもったただクローゼットを閉める前にクローゼットの中にあったという鍵を八幡に渡した八幡はそれを受け取ると「ありがとう」それだけ言ってその場から去った八幡「(鍵が手に入ったのは良いがどこの鍵だこれ?)」八幡が歩いていると、奥の方の部屋で音がした 31 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:01:26 ガチャッそっと扉を開けるするとそこには美香がうずくまっていた八幡「美香さん、だったっけか?」八幡が声をかけると美香は驚いた様子で顔を上げた美香「あ、あんたは…っ。無事、だったんだ。良かった…本当に、良かった…」美香は何かに怯えていたようだが八幡の顔を見ると心底安堵したような表情を見せた 32 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:02:13 八幡も美香が無事なのを確認するとホッとしたが悠長な事を言ってられない状況に変わりない八幡は何が起きてるのかを理解すべく美香に尋ねる八幡「美香さん…だっけか?悪い、何があったのか詳しく教えてくれ、頼む」美香「う、うん」 33 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:04:23 回想たけし「あいつ1人で行くなんて凄いよな」美香「あんたみたいなビビリには絶対無理でしょうね」たけし「うっ」由比ヶ浜「ヒッキーほんとに大丈夫かなぁ…」雪乃「大丈夫よ由比ヶ浜さん。彼はああ見えて、いえ、見た目通りゾンビなのだからお化けとも仲良くできるわ、安心して」由比ヶ浜「ゆきのんそれ安心できないよ?!」陽乃「(雪乃ちゃんもやっぱり心配なんだね)」 34 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:43:44 美香「…あんた達って、仲良いんだね」由比ヶ浜「え?うん、だって友達だもん!」雪乃「まぁあの男は違うけれど」美香「え、違うの?」雪乃「彼は友達も恋人もいない正真正銘のぼっちよ。仲良しの人間なんて存在しないわ」美香「へぇ、けっこう格好いいし人気あると思ったんだけどね、目死んでるけど」雪乃「っ?!か、格好いい?彼が?それはあり得ないわよ美香さん」由比ヶ浜「それはないって美香さん!ヒッキーとかまじヒッキーだし格好いいとこなんてないよ!」陽乃「2人ともそれ比企谷くん本人が聞いたら多分泣くよ?」美香「ははは…」 35 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:46:05 美香が苦笑いをしていると卓郎が異変に気付いたのか皆に呼びかける卓郎「おい、なんか…音しないか?」一同「え?」ズシン ズシン確かに音が聞こえる 36 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:52:57 陽乃「向こうの扉から聞こえるわね」たけし「何かが近づいてきてるんじゃ、、」雪乃「皆立って!すぐに動ける準備をしておいて!」雪乃の判断は正しかった皆が息を呑んだ次の瞬間ばんっ突然扉が開いた 37 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:56:28 勢いよく開かれた扉から出てきたのはブルーベリーの様な色をした2mは優に超える怪物だった怪物の頭は歪に膨らみ顔の半分以上を黒い目が覆っていた怪物の姿を確認したと同時に一目散に全員が走り出した 38 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:35:55 美香「そこから先はあまり憶えてないの。他の人の事を気にする余裕なんて無かったから」八幡「そりゃ、そうだろうな」八幡はようやく理解した皆が姿を消した理由たけしが怯えていた理由たけしの言っていた[あおおに]とは何かを八幡がしばらく考え事をしているとガチャッ後ろから、扉の開ける音がした 39 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:36:53 八幡「…っ?!」バッ八幡「…あ、お前は…」美香「卓郎っ」卓郎「お前らも生きてたかっ!美香!それに、ひき…ヒキガエルくん?」台無しだな八幡「まぁこの際気にしてられん。それより無事だったんだな」卓郎「あぁ、マジで焦ったけどな。あんなのが実在するなんて思って無かったしよ」八幡「俺はまだ見てねぇが、嘘じゃないのは分かったよ」美香「これからどうしよう」 40 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:37:46 八幡「とりあえず美香さんは卓郎と一緒に行動してくれ。俺はこの鍵の使える部屋を探す」美香「部屋を探すって、あいつが徘徊してるのよ?!」八幡「百も承知だ。でも何もしなければ結局皆死ぬ。ならやるしかねぇだろ」卓郎「そう、か」八幡「そうだ。んじゃ俺は行く。卓郎も美香さんも気を付けろよ」美香「美香」八幡「は?」美香「美香って呼んで」八幡「いや、何言って」美香「呼んで?お願いだから…」八幡「お、おう。気を付けろよ美香」(そんな顔されて断れっかよ)美香「死なないでね八幡」八幡「そっちこそ生き延びろよ」名前を覚えられていたことに少し喜びを感じた八幡だった 41 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:38:54 廊下八幡「適当に鍵穴にさしてくしかねぇか」そういって八幡は一階に降り本当に手当たり次第に鍵穴に鍵をさしていくガチリッ八幡「え、ビンゴッ!」ガチャッ八幡が鍵を開けて入った部屋は図書室?のような部屋だった八幡「本ばっか置いてあんな…。ん?」机の上の鍵を見つけた八幡「これもどっかに通じる鍵、みたいだな。」手を伸ばし鍵をつかみ取る 42 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:40:13 ズンッ鍵を取ったのと同時に部屋全体が激しく揺れたそして同時に書棚の陰から巨大な人影が出現した八幡「なっ!?」室内の照明が巨大な人影の姿をあらわにする歪に膨れ上がった頭部顔の半分以上を覆い尽くす巨大な目そしてブルーベリーのような青い肌八幡「ホントに、あおおに…みたいだな。」対峙している八幡の全身が震えるこいつが何者かは分からないだが捕まれば殺されるそれさえ分かれば恐怖するには充分だった 43 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:41:02 ダッ青鬼より先に八幡が出口へ疾駆するが、青鬼は見た目に反して俊敏な動きで八幡に迫る八幡「(くっそ、巨体のくせに動きが鈍くねぇ)」八幡もそれなりに体力には自信があったが青鬼は予想以上だった 44 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:41:51 ガシッ青鬼が八幡の左腕を掴む八幡(くっ、ここまでかっ)青鬼がニタァ、と大きな口を開くそしてザシュッ鮮血が飛び散る 45 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:42:38 しかしそれは八幡の物ではない八幡「まさか、こんな形で役に立つとはな」八幡の右手には皿の破片が握られていたそしてその破片の一閃は見事に青鬼の左目を潰すのに成功していた青鬼が怯んだ隙に八幡はまた走り出す青鬼は追ってくる様子は無かった 46 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:45:43 館二階・???由比ヶ浜「ゆきのん、皆大丈夫かな」雪乃「分からないわ。けれど、私達はここにいれば取り敢えずは安全よ」たけし「卓郎たちも無事かなぁ」今雪乃達がいるのは、たけしが隠れていたクローゼットのある部屋だそしてその部屋のクローゼットの裏に隠し扉があるのを雪乃が見つけたのだ隠し扉の先は狭い通りになっていて突き当たりに新しい扉があったしかしその扉は案の定鍵がかかっていた 47 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:46:32 雪乃「この先の扉が開いていたら、脱出の大きな糸口になっていたかもしれないのにね」由比ヶ浜「残念だね…。でもここにいれば怪物からは襲われる心配はないんだよね?」雪乃「ええ」怪物が扉から入ってきたらクローゼットの裏の隠し扉に逃げ込めばいいだけだ隠し扉の大きさからして怪物は入ってこれないからだそれに狭い隠し扉側から襲ってくる心配もないここにいる限り怪物に襲われて殺される事はないしかし、それはその場凌ぎでしかないのも事実である 48 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:47:35 たけし「でも雪ノ下さん、隠し扉なんてよく気付きましたね」雪乃「クローゼット付近の床に擦った跡があったから気になって少し確認してみただけよ」由比ヶ浜「ゆきのんすごーい!」雪乃「でもね、ここは絶対の安全が保証される代わりに、あの先の扉が開かない限り、脱出の糸口を見つける事も不可能なのよ」 49 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:48:21 由比ヶ浜「でも仕方ないよ。ゆきのん体力ないんだもん。出て行って見つかったらそれだけで…」雪乃「ほんと、自分の不甲斐なさに腹が立つわ」由比ヶ浜「ゆきのん…。ヒッキーを信じよ?ヒッキーならなんとかしてくれるよ!いつだってヒッキーは私達を救ってくれたもん!」雪乃「…そうね。彼なら、比企谷くんならこんな状況でも私達を…。信じましょう、彼を」由比ヶ浜「うん!」雪乃「私達も、ここでなにかできないか、考えましょう」 50 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:49:35 廊下八幡は青鬼から逃げ切り美香達のいる部屋へ向かった青鬼に掴まれた左腕が痛むが骨は折れてはいないようだそして部屋に着くが、そこには卓郎と美香の姿はなかった 51 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:50:11 八幡「(あいつらも何か手掛かりを探しにいったのか…?)」八幡は心配になったが卓郎みたいなしっかりした奴が一緒なら美香も安全だろうそう自分を納得させただがこの時八幡は気づいていなかったいつも通りの八幡なら気づけた事が八幡は知らなかったこの考えが見当外れだという事にそしてそれが惨劇を引き起こす事になることも 52 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:51:04 渡り廊下美香「ねぇ、卓郎。やっぱり部屋でジッとしてた方が良かったんじゃ」卓郎「んな事言っても、あいつだけに任せてもいられないだろ」美香「そ、そうよね」といっても鍵が空いてる部屋は全然なく闇雲に歩き回っているため非常に危険な状態である 53 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:51:50 卓郎「これからどうするか…」美香「まず、やっぱりたけしとか他の人を見つけるべきなんじゃない?」卓郎「そうだな」卓郎が同意してまた歩き出す美香「ねぇあの扉、すこし開いてるわ」卓郎「本当だな。行くか」卓郎がそっと扉を開ける 54 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:52:41 卓郎「?何にもないな」その部屋には人はおろか家具も椅子くらいしか置いていなかった床にはノートが散乱しおもちゃのボールなども転がっていた美香はドライバーを見つけると気休めにポケットに入れた美香「この部屋に手掛かりはなさそうね」卓郎「だな。戻るか」そう言って卓郎が部屋から出ようと扉を開けるそしてそこにはあの怪物が立っていた 55 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:53:49 怪物のやたらと大きな片方の黒目の中には、呆然とたたずむ卓郎と美香の姿が映り込んでいる何故かもう片方の目からは血が流れていたがそれが余計に気持ち悪さを引き立たせていた美香は必死で自分を奮い立たせた美香「……なんなの、これ?」そしてようやく言葉が漏れた美香「なんなの、これ?」同じ台詞を繰り返すが、卓郎からの返答はない 56 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:54:39 怪物が低くうなった卓郎「美香」卓郎の囁きが耳に届く卓郎「悪く思うなよ」……え?その言葉の真意を確かめる暇もなく、美香は激しく腕を振り払われた 57 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:56:45 突然の事で美香はその場に尻餅をつく怪物の視線が美香に向けられたその隙を狙って卓郎は怪物の横をすり抜けその場から走り去る美香「卓郎!」呼び止めたが返事はない。すぐに足音は聞こえなくなった美香は床に座り込んだまま、呆然と虚空を見上げる美香が裏切られた悔しさや怒りよりも先に感じたのは寂しさだった 58 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:57:34 怪物がゆっくりとこちらへ近づいてくる美香は座り込んだまま、じりじりと後ずさった卓郎に裏切られ、生きることを諦めようとした美香の頭に一つの声が蘇る「そっちこそ生き延びろよ」彼のあの一言が再び美香を奮い立たせるイヤだ。死にたくないまだ死ねない美香はドライバーを握りしめ、尖った先端を怪物へと向けた 59 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:58:28 美香「来ないで!」ありったけの大声を張り上げる「それ以上近づいたら刺すわよ!」怪物を睨みつけたまま、ゆっくり立ち上がる扉までの距離はわずか数メートルだが、その前には怪物がたちはだかっている 60 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:59:26 この状態で扉に向かって駆け出すのは自殺行為ださぁ、どうする?美香は頭をフル回転させるにらめっこに飽きたのか、怪物がついに右足を動かした 61 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:00:10 もうダメだと覚悟したその時グラッ怪物がわずかにバランスを崩した片目が見えていないため、床にあったボールに気づかなかったのだ 62 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:52:14 今だ!美香は駆け出した美香「元陸上選手を舐めないで!」そう叫びながら、廊下へ飛び出ーーーいや、飛び出す事はできなかった途方もない力で左脚を引っ張られ部屋の中へ引き戻されたからだ怪物がしっかりと美香の左脚を掴んでいた美香「離してよ!」美香は怪物の手の甲にドライバーを突き立てる突然の反撃に驚いたのだろう怪物の力が緩んだ美香は素早く左脚を引き抜くとすぐに立ち上がろうとした 63 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:53:20 しかし突然、視界から怪物が消え失せた同時に美香の身体が宙に浮かび上がるなにが起こったのか把握する前に、右手の先に激しい痛みが走ったどうやら怪物は彼女の指に食らいついたらしい美香「イヤ……やめて」美香はかすれた声をだした美香「お願い…助けて」彼女の願いを聞きいれてくれたのか、怪物の口から右手が離れたそのまま勢いよく床に叩きつけられる 64 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:54:07 美香は噛まれた右手に目をやり、悲鳴をあげた美香「いやぁぁああぁあああっ!!」人差し指と薬指の第二関節から先がどこにも見当たらない。突き出した骨の周りから血が溢れ出す怪物は命乞いする美香を助けたわけではない齧ったおやつがただこぼれ落ちただけだったのだ 65 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:54:42 美香「返して……あたしの指を返してよ…」怪物はゆっくりこちらに顔を向けるそしてまたこちらへ近づいてくる無理だ。こんな化け物に勝てるはずがない美香が諦め、怪物が美香に手を伸ばしたその時激しい轟音と共に怪物の身体が横に揺れ、美香は物凄い力で引っ張られた 66 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:56:23 何が起きたのか、美香はまだハッキリとは理解できていないただ分かるのは、目の前にいる少年が自分の手を引いて助けてくれたということだけだが今はそれだけ分かれば美香には充分だったどれくらい走っただろう怪物の姿は見えなくなっていた美香「八…幡」ハァハァ八幡「ここまでくりゃ、ひとまずは、安心だろう」ハァハァ八幡達は元いた部屋にまた戻ってきていた 67 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:58:29 美香「ねぇ、どうして八幡があそこに?」八幡「どうしてって、お前のすげぇ悲鳴が聞こえてきたからな。何かあったのかと思って」美香「助けに、来てくれたの?」八幡「まぁ…そういう事になんのかな」八幡から話を聞き美香はあの時何が起きたのかを理解した美香が怪物に掴まる直前に悲鳴を聞いて駆けつけた八幡が部屋にあった椅子で怪物の頭を殴つけその隙に美香の手を引いてその場から逃げることに成功したらしい 68 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:59:01 八幡「それより卓郎は…」どうした?と聞く前に美香が八幡に抱きつき胸に顔をうずめた八幡「ちょっ?!おい何して…っ」美香「お願い…お願いだから少しだけこうしていさせて?」八幡「…」どうやら美香は泣いているようだった 69 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:59:39 八幡「落ち着いたか?」美香「うん、ごめんね」八幡「!」八幡は美香が涙を拭いているその時、美香の指がなくなっていることに気づいた八幡「お前、その指…」美香「う、うん。あの怪物にね。でももう血もおさまってきてるし、大丈夫」八幡「…すまん」美香「どうして八幡が謝るのよ。八幡がいなかったら、あたし死んでた。だから凄く感謝してるの」そう言って美香はニッコリ笑った。その後八幡は卓郎が何をしたのかを美香から聞いた 70 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:01:14 誰しも自分が一番可愛い自分が助かるためなら簡単に他人を裏切るそれは卓郎も例外でないことは普段の八幡なら気づくことがでかたはずだったそれに気づけなかったのは極限状態の中、自分を優先し他の事に気が回らなかった八幡の怠惰のせいだそんな事を考えていると美香「八幡?」美香が怪訝そうに八幡の顔を覗き込む 71 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:06:09 八幡「え、あぁ…」美香「どうしたの?」八幡「いや、俺がもっとしっかりしとけばって」美香「何言ってるのよ!この指の事は八幡のせいじゃないってば。だから気に病まないで?」八幡「…そうは言っても」美香「八幡!八幡はあたしの命の恩人なの!だから…そんな顔しないで…」八幡「…そっか。美香、ありがとうな。これからは、できる限りお前を助けられるようにするから…」美香「ふふ、ありがと八幡。今のあたしには八幡しかいないの。だから、信じてるね」八幡「あぁ。とりあえずその怪我の応急処置をしよう」そういって八幡は部屋にあった救急箱の蓋を開けた 72 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:11:15 ???八幡が図書室で鍵を見つけたりと調査している時、陽乃も同じように館の調査をしていた陽乃は青い怪物とすでに4回も遭遇していたしかし最初以外はいずれも遠くから先に発見できていたため逃げ切る事は容易だっただがやはり怪物は遠くから見ただけも神経を削られるらしく流石の陽乃にも疲労の色が見えていたこれも誰かが側にいれば幾分かは気が楽になるのだろうが不運にも陽乃は今のところ誰とも会う事ができていなかったしかしそんな中でも陽乃はしっかりと脱出の手掛かりを集めていた 73 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:24:53 一つ目はこの館の地図を発見したことだ地図を見ると屋根裏部屋から外に通じるルートが存在することが判明したつまり屋根裏部屋に辿り着く事が出来れば脱出できるのだ次に陽乃は風呂場で二階応接室の鍵を入手し応接室に向かい、応接室でピアノの鍵盤に記された暗号を確認した陽乃「(この暗号から四ケタの数字を導き出せたけど…この数字の使い道が分からないなぁ)」陽乃は考えながらも暗号の使えそうな部屋を探すが結局見つけられなかった陽乃「やっぱ誰かと合流して情報を共有しないとダメそうね」陽乃は八幡と合流することを決め、八幡を探す 74 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:27:22 書斎八幡「ここは…書斎か。ってことはこの鍵は書斎の鍵みたいだな」美香「ふぅ、何の鍵か分かって一歩前進ね」八幡「あぁ」八幡は美香の指に包帯を巻いて応急処置をした後美香と共にまた調査を再開し八幡の持っていた鍵が書斎の鍵である事が判明したのである 75 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:28:08 美香「あの怪物に遭遇しなかったのは幸運だったわね」八幡「だな。にしてもこの部屋、手掛かりになりそうなのは…この金庫くらいか」八幡の目線の先にあるのは古びた金庫だ美香「でも手掛かりって言っても、金庫の番号分からないと意味ないわよ?」八幡「適当に数字打ち込むとか?」美香「そんなことしてる間に皆死ぬわよ」八幡「そりゃそうだ」 76 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:31:33 八幡「(だがどうする…ノーヒントで開けるのは非現実的だな。ならやっぱり…)」美香「八幡?」八幡「あぁ、悪りぃ。考え事してた」美香「なにか思いついた?」八幡「雪ノ下さんと合流しようと思う」美香「どっちの?」八幡「姉の方だ。恐らくだが妹の方は由比ヶ浜と一緒にいるだろう。んであいつは体力が無いからな、2人でどっかに隠れてる可能性が高い」美香「へぇ…」八幡「姉の方は逆に調査している可能性の方が高いだろう。何か掴んでるかも知れない」あくまでこれはただの八幡の推測だが八幡は確信に近いものを感じていた 77 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:33:05 美香「あの子達の事、よく理解してるのね」八幡「同じ部活メンバーだからな」美香「本当に…」それだけ?美香はその先を口にできなかった八幡「さて、そろそろ行くぞ。モタモタしてらんねぇしな」美香「うん」 78 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:33:37 廊下陽乃「比企谷くんどこにいるのかなー」のんびり振る舞っているようで陽乃も内心はビクビクしていたあの怪物が頭から離れないのだ今までは遠くから見つけられていたが目の前に急に現れたら…そう考えると不安で仕方がなかった早く比企谷くんに会いたいその気持ちだけが時間が流れていくにつれ大きくなっていく 79 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:35:22 そんな時陽乃「!」陽乃は見てしまった怪物が奥の通路を歩いているのを見つからないように陽乃は息を殺す汗が頬を伝うどのくらいの時間が過ぎただろう数分だったかもしれないし、数秒だったかもしれないそう錯覚するほど陽乃は緊張状態にあったどうやら気づかれなかったのだろう怪物は何もなかったかのように通り過ぎていった陽乃「…ふぅ」その時、安心した陽乃の前に人影がヌッと現れた 80 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:36:30 陽乃「いっ.....!!」モガモガ八幡「しーっ!大声出さないで下さいっ!俺ですから」ボソボソ陽乃「ぷはっ。ひ、比企谷くん......」八幡「やっと見つけました」陽乃「それは私の台詞だよ」八幡「まぁ、とりあえずついて来て下さい。美香も待ってるんで」陽乃「......うん。(美香?これは後でゆっくり話聞かないといけなそうね)」 81 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:39:07 書斎美香「おかえり八幡。大丈夫だった?」八幡「おう。雪ノ下さんと無事合流できだぞ」陽乃「あれ?ここ、鍵かかってなかったっけ?」八幡「図書室で見つけた鍵で開いたんですよ」陽乃「なるほどね…」八幡「雪ノ下さん、何か手掛かり見つけました?」陽乃「あ、うん。この館の地図を手にいれたよ」八幡「ホントですか!さっそく見せてもらってもいいですか?」陽乃「うん、いいよ!」 82 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:40:17 美香「なるほど…屋根裏部屋までいければ出れるってことよね」八幡「そうなるな。地図をみるとこの書斎の奥が和室、和室の階段をのぼれば屋根裏部屋繋がってるわけだな」美香「もしかして私達出られるんじゃない?」八幡「いや、どっちにしろこの金庫のロックが解けねぇ限り手詰まりだろ」陽乃「金庫?」八幡「はい、これですよ。四ケタの数字を打ち込まないといけないんですけど手掛かりがなくて」陽乃「あーーーっ!ごめんね比企谷くん!」八幡「え?」 83 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:41:21 陽乃「応接室で暗号解いてたの私すっかり忘れてたよー!」八幡「暗号って?」陽乃「ピアノの鍵盤に暗号があってね、それを解いたら四ケタの数字が出てきたの」八幡「それって!」美香「ってことは、パスワード分かるんですか!?」陽乃「うん!任せといて!」そういって雪ノ下さんは金庫に四ケタの数字を打ち込む 84 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:45:13 ピーッ陽乃「あ、開いたよっ」八幡「鍵が二つも入ってるな」美香「とりあえずこの部屋の奥の扉試してみましょう」ガチリ八幡「やっぱここの鍵みたいだな」陽乃「さ、いこっか」 85 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:47:33 和室書斎の扉を抜けると和室が広がっていた美香「けっこう広いわね」八幡「…」陽乃「比企谷くん?」八幡「おかしいな」陽乃「何が?……!」周りを見回すと陽乃も気づいた美香「え?ちょっと、何がおかしいのよ!?」どうやら美香は気づいていないらしい 86 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:52:20 八幡「よく見てみろよ。地図に描いてあるはずのもんがねぇだろ」美香「あるはずのもの……」美香も和室を見渡す美香「あっ…」言われて美香も気づく美香「階段が…ない?」そう、この部屋にはあるべき屋根裏部屋へ続く階段がなかったのだ 87 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:56:31 八幡「くそ、どうなってんだよ」陽乃「う〜ん、おかしいね。ここに階段があるはずなんだけど…」しかしそこに階段はなく壁があるだけだ美香「ここまできたのに」引き戻そうかと考えた時ガシャァァン何かが壊された音が館内に響く 88 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:57:29 八幡「なん、だ?」陽乃「皆!急いでバリケードを作って!やつかもしれない!」陽乃の切羽詰まった声を聞いて八幡も我にかえる音がしたのは書斎の方だたとえそれがあの怪物の仕業でなかったとしても先手を打たなければならないそれが勘違いであっても用心はするに越したことはないのだ 89 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:58:59 三人で急いでその場にある机や椅子を扉の前に配置し、ガムテープで固定するそしてそれから間も無くガンッ ガンッという扉を叩く轟音が響くやはり怪物がここに迫っているらしかったマズイこんなものすぐに破られる八幡は頭をフル回転させてこの場を切り抜ける策を考える 90 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:00:16 どうすればいい、なにをすればいい?!八幡は焦りを押し殺し冷静に考えようとするがすればするほど焦りは大きくなるガンッ ガンガンッ八幡がモタモタしている間もあの怪物は御構い無しに迫ってきている陽乃も何か策を考えているようだが八幡同様焦りが先走りして考えがまとまらない八幡「くそっ、くそっ、くそ!!」焦りが苛立ちに変わるその時、八幡を穏やかな空気が包む 91 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:01:18 八幡「え?」美香「八幡、落ち着いて。」八幡「美香…」美香は八幡を抱きしめ頭を胸に抱き寄せた美香「八幡は、あたしを守ってくれるんでしょ?」八幡「…」美香「あたし、信じてるから。あたしには八幡しかいないの。だから、あなたと生きてここを出たいの」八幡は目が覚める八幡「そうだな。生きてここからでるんだ。」 92 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:02:37 ガンガンッ ガンガンッバリケードが破られるのはもうすぐだしかし八幡はさっきより遥かに冷静になっていたそして考える地図を見る限り、屋根裏部屋に繋がってるのはこの部屋からだけだったはずだそして金庫にあったもう一つの鍵は間違いなく、この部屋から屋根裏部屋に行くための扉の鍵だならば必ずこの部屋にあるはずだ屋根裏部屋に続く道が 93 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:05:16 八幡が本来階段があるべき場所の壁をもう一度じっくり調べてみる八幡「!」八幡「(ここだけ壁の材質が違う?他の部分は石なのにここだけまるで…)」八幡はポケットに入っていた皿の破片を取り出し八幡「一か八かだっ」ザクッ思い切り壁に突き刺し引き裂いた 94 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:07:42 一同「!」美香「これは、隠し階段?」八幡「みたいだな。まさか隠し階段になってるとは思わなかったが…。よし行くぞ、時間がない」そして三人は階段を駆け上がる 95 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:11:49 屋根裏部屋八幡「ここが屋根裏部屋か」陽乃「あれ?地図だとドアが一つなのに、二つあるよ?」美香「本当ね」八幡「ん?この部屋にも地図が置いてあんぞ」陽乃「ほんとだ…。それに、私の地図と微妙に違うわ」確かに二つの地図には違いがあったこの部屋の地図と陽乃の地図との違いそれはこの部屋に繋がってる部屋が和室ともう一つあることだったそして八幡は気付くそのもう一つの部屋というのがたけしくんがいた部屋だという事が 96 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:13:46 八幡「この部屋は、たけしくんがいた部屋とも繋がってるんだ」美香「たけしがいた部屋?」八幡「あぁ、間違いない。」八幡は数秒考え、そして一つの答えを出した 97 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:16:51 八幡「美香と雪ノ下さんは、先にこの部屋から外に出て下さい。俺は他の皆をこの部屋に連れて後から脱出します」美香「な、何言ってるのよ!」美香が驚いたような声を出す八幡「いや、他の奴等見捨ててはいけないだろ」美香「そ、それだったら私もついて行くわ!」八幡「お前こそ何言ってんだ!別に先に出とけって言ってるだけだろ。俺も皆連れてすぐ行くんだし」 98 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:18:24 美香「ふざけないで!それでまた館内に戻って、あいつにつかまったらどうするのよ!」八幡「でも」美香「それでつかまってあんたが死んだらあたし…あたし生きていけないよ」美香が大粒の涙をこぼす八幡「美香…それでも俺は」陽乃「ダメだよ比企谷くん。皆引くつもりないんだから」八幡「まさか、雪ノ下さんまで来るつもりですか?」陽乃「むしろ私がここに残るって言うつもりだったんだよ。比企谷くんに先に言われちゃったけどね」八幡「…」 99 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:19:31 陽乃「私だって雪乃ちゃん達を見捨てたりしたくない。結局皆同じなんだよ」八幡「(そうだよな。皆を助けたいって思うのは俺だけじゃない。当たり前だ)」八幡「戻るのは、危険ですよ」美香・陽乃「百も承知(だ)よ」まったく、せっかく逃げ切れたのにもったいないことをするなぁま、俺も同じか八幡「んじゃ行きますか」美香「うん」 100 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:20:11 陽乃「あ、比企谷くん。あとね、これ」八幡「え?」そういって陽乃は八幡に鍵を渡した八幡「これは?」陽乃「この部屋の壁にかかってたの。多分マスターキーよ。これで玄関の鍵も開けれるはずだよ」八幡「なるほど、これがあれば屋根裏部屋と玄関、二つの出口を開放できるのか」ズンッ館内にまた響く足音 101 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:21:41 八幡「ちっ、どうやらバリケード越えてきたみたいだな」美香「急ごう」八幡「!…悪りぃ、ちょっと先に行ってくれ」美香「どうしたの?」八幡「ちょっと、な」陽乃「詳しくは聞かないけど、後ろからスカート覗いたりした、分かってるよね?」八幡「しませんよ?!」美香「八幡最低…」八幡「しねぇっつってんだろ!?」2人はたけしのいた部屋に続く隠し通路へ先に入っていったそして八幡は…???「」 102 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:22:53 たけし部屋雪乃「外が騒がしいわね」由比ヶ浜「あの怪物、かなぁ」たけし「うぅ…」雪乃「比企谷くんも姉さんも無事かしら」由比ヶ浜「ヒッk」ドガシャァァァッ由比ヶ浜「」ビクッたけし「うぁぁ、な、何が起きてんだ」雪乃「(比企谷くん…)」 103 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:23:33 ガチャッ一同「!!」陽乃「お、ひゃっはろー!雪乃ちゃん達も揃ってるじゃん」美香「八幡ほんとにパンツ見てない?!」八幡「見てません。ほんとに見てません」雪乃「姉さん、比企谷くん…っ」由比ヶ浜「ヒッキー!!」たけし「み、美香」八幡「よぅ、なんとか無事みたいだな」 104 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:24:10 雪乃「えぇ、あなたに心配されるまでもないわ。でもどうやってここに?」八幡「屋根裏部屋がここの部屋と繋がってたんだ」雪乃「つまりあの扉の先は屋根裏部屋だったのね」八幡「ま、ここに皆集まってたのは運が良かった。屋根裏部屋から外に通じるルートがある。」由比ヶ浜「ヒッキーそれほんと!?」八幡「あぁ、この通路越えれば外に出られる」たけし「や、やったぁ!」八幡「んじゃ、いくぞ」六人は屋根裏部屋に向かった 105 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:26:43 屋根裏部屋八幡「これは…」屋根裏部屋はついさっき見た景色とは一変してまるで廃墟のようになっていた陽乃「さっきの音、まさかあの怪物が…」美香「外に続く扉が壊されてる…」由比ヶ浜「どうするの…?」八幡「…まだここにマスターキーがある。玄関から出る事は可能だ」雪乃「それしか手はないみたいね」 106 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:27:16 しかし危険だあの怪物、もしかしたら知性があるのかもしれないただ怒り狂って扉を破壊したのか狙って扉を破壊したのかそれは分からないが、知性があるとしたら玄関付近に潜んでる可能性もある八幡「とはいえ、行くしかねぇよな」 107 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:28:39 玄関付近の廊下陽乃「見たところあの怪物はいないわね」雪乃「でも油断は禁物よ」美香「あいつ、あの巨体に反して凄く俊敏だから気をつけて」ゆっくりと六人は玄関に近づく八幡「雪ノ下さん、これを」ボソボソ陽乃「マスターキー?なんで私に?」ボソボソ八幡「この中じゃ一番足早いでしょう」ボソボソ陽乃「比企谷くんの方が早いと思うけど?」ボソボソ八幡「俺は一番後ろにいますから。せめて、しんがりくらいは俺に任せて下さいよ」ボソボソ陽乃「でも…」 108 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:31:20 八幡「雪ノ下さんにしか頼めないんです」陽乃「そ、そっか」八幡「お願い、できますか?」陽乃「…いいよ。でも、その代わり」八幡「?」陽乃「お願いだから死なないでね」八幡「…はい」そして六人は玄関が見える所まで来た 109 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:31:56 陽乃「じゃあ、そろそろいくよ」陽乃の一言で皆が気を引き締めるそして陽乃の合図で全員が走り出すそれと後ろの扉からブルーベリー色の怪物が現れたのはほぼ同時だった 110 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:32:35 怪物が現れた瞬間全員が恐怖に襲われるが陽乃だけは怯まず前だけを見て全力で走ったそして鍵を開け扉を開ける陽乃「さぁ皆!!こっちよ!!」陽乃の声で全員がまた前に向き直したけし、由比ヶ浜に続き雪ノ下も扉の外へ出るこのペースなら全員逃げ切れるそう八幡が安心した瞬間ヴォオヴォオオオオオオオオオオオ耳を塞ぎたくなるような怪物の咆哮が館内に轟く 111 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:33:46 八幡「……っ?!」耳が麻痺したような錯覚すら覚える美香「あっ」ガッ美香が咆哮に気を取られ転倒する八幡「くっ」美香と出口まではもう目と鼻の先だここで美香を死なせるわけにはいかない八幡「うっおおおおお」八幡は美香の手を掴むと強引に出口の方へ放り投げた 112 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:34:26 そしてその一瞬の隙をつき、怪物は八幡の左腕を掴んだこれで八幡以外の五人は脱出に成功した美香「八幡!!!」雪乃・陽乃「比企谷くん!!」由比ヶ浜「ヒッキーーーーー!」美香達が悲鳴にも似た声で八幡を呼ぶしかし、その声は虚しくボギュッ八幡「…っがぁあ、ああああああ!」八幡の掴まれていた左腕の骨が砕ける音と八幡の悲鳴に掻き消された 113 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:35:29 それを見ていた全員が青ざめた顔をしている中でも美香と由比ヶ浜は涙を流していた八幡が力なくうな垂れる怪物は抵抗をやめた八幡を見るとニタァと笑い大きな口を開けた怪物の顔が八幡に近づくだがその時笑っていたのは怪物だけではなかった 114 : 藍香 : 2014/01/20(月) 21:37:23 支援 115 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:38:00 八幡「ったく、遅ぇよバカ」八幡が不敵に笑うすると卓郎「うおおおおおおおおおっ!!」ビチャビチャッ玄関の影に身を潜めていた卓郎がボトルの中に入っていた液体を怪物にぶちまける怪物も突然の事に動きが止まるそしてその一瞬の隙をついて卓郎はもっていたマッチに火をつけたそして卓郎・八幡「俺達の勝ちだ」怪物を中心に爆発が起きる 116 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:40:39 八幡と卓郎が爆風によって館の外へ飛ばされる2人が外に飛ばされたのと同時に館の入口の扉は再び閉まるあれで怪物が死んだかは分からないが無事全員脱出には成功した八幡「いっ、てぇぇ」卓郎「爆風ってあんなに強いのかよ、舐めてたぜ」陽乃・雪乃「比企谷くん!」由比ヶ浜「ヒッキー!」たけし「卓郎っ」美香「八幡!」少ししてから皆が八幡と卓郎の元へと駆け寄る 117 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:41:39 由比ヶ浜「ヒッキー!ヒッキー!良かった…えぐっ、良かったぁぁ」八幡「お、おう」由比ヶ浜はずっと泣いていた俺の無事を心から安堵してくれているようだった 118 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:51:58 雪乃「比企谷くん…比企谷くん…うぅ、うあぁぁ、ぁああ」雪ノ下は俺の胸に抱きついて来ると、人目を気にせず泣き出した普段なら他の人には絶対見せないであろう子供のような泣き顔をしていた雪乃「死んだら…っ、どうするつもりだったのよぉ…」ポカポカ雪ノ下が俺の胸の前で何度も腕を振り下ろす八幡「いてて…わ、悪かったよ」こんなにも雪ノ下が心配してくれてるとはハッキリ言って予想外だった八幡「ありがとな、雪ノ下」雪ノ下はまだ泣いているのか、返事はなかった 119 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:53:11 陽乃「比企谷くん…」八幡「雪ノ下さん…」まさか雪ノ下さんまで、、、陽乃「雪乃ちゃん泣かせたら許さないって私言ったよね?」八幡「((((;゚Д゚)))))))」おぅふそんなに現実甘くないようだ陽乃「私も…心配したんだからね」八幡「え?」陽乃「だから約束。今後は、雪乃ちゃんだけじゃなく、私も泣かせるような事…しないでね?」そう言った雪ノ下さんの目にも涙が溜まっていた八幡「…すみません」今の俺にはそれしか言えなかった 120 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:00:02 美香「八幡」美香がむすっとした顔で近づいてくるその表情は安堵と怒りとが混ざっているようだった八幡「美香?」スッ八幡「ちょっ、おい美香?」美香「」美香は無言のまま俺に抱きついて来たそしてしばらくして口を開けた美香「八幡、あたしを助けてくれたのは、嬉しかった。けど、自分をもっと大切にして」八幡「…」 121 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:00:23 美香「八幡が犠牲になって生き延びたってあたし、きっと耐えられないよ。」美香は静かに泣いていた美香「あたし、これからもずっと八幡と一緒にいたい。だから、だから危険な事しないで。お願いだから…」八幡「…分かったよ。悪かった」美香はしばらく泣き続けた 122 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:00:41 たけし「卓郎、大丈夫かよ」卓郎「あぁ、あいつに比べりゃな」たけし「あいつと、何かあったのか」卓郎「…まぁな」 123 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:01:22 回想屋根裏部屋八幡「そこにいるんだろ。出て来いよ」卓郎「…気づいてたのか」八幡「ついさっきだけどな。何してんだ」卓郎「たまたまお前等を見つけてな、それで後をつけてきただけだ」八幡「そうか」 124 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:02:02 卓郎「美香、生き延びてたんだな。お前が助けたのか?」八幡「あぁ」卓郎「その…悪かったな」八幡「馬鹿か、謝るなら俺じゃねぇだろ」卓郎「そう、だな」八幡「どうしてあんな事をしたんだ?」卓郎「あの時は無我夢中で、どうかしてたんだ。美香には本当に悪いと思ってる」八幡「なら自分で会って直接言うんだな」 125 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:04:04 卓郎「そうしたいのは山々だが、それは…できないかもな」八幡「…死ぬつもりか?」卓郎「……なんで…そう思った?」八幡「さぁな、なんでだろうな。それで、お前何考えてんだ?」卓郎「さっき、ガソリンとマッチを見つけた。それで」八幡「あの怪物を倒すってか?無理だって自分でも気づいてるだろ」卓郎「…っ」 126 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:05:26 八幡「奴はああ見えて凄く俊敏だ。対峙したらそんな隙なんてない。」卓郎「不意打ちなら」八幡「あれが隙を見せるのは、獲物に気を取られている間だけだろうな。また誰かを犠牲にするつもりかよ」卓郎「…」八幡「美香を見捨てたのは許される事じゃねぇけどな、勝手な自己満足で死ぬのはもっと許されねぇぞ」卓郎「ならどうすれば…」八幡「自分で考えろ。ただ逃げはすんな。無様でも自分としっかり向き合え。どれだけ惨めでもな」 127 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:11:24 卓郎「…そうだな。なら一つ俺の作戦に乗ってくれないか?」八幡「作戦?」卓郎「あぁ、さっきのお前達の話を聞いて思いついたんだ。俺なりのせめてもの贖罪だ。あの怪物に一矢報いてやる」八幡「それで…勝算はあるのか?」卓郎「賭けになるが、ある。それでも乗ってくれるか?」八幡「…分かった、乗ってやる。それに…」卓郎「?」八幡「俺も、やられっぱなしは好きじゃない」 128 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:14:02 卓郎「んで、本当はあの時全員が逃げ切った後、後ろから隙だからけの怪物に一発ぶち込んで俺も扉から出る予定だったんだかな。」たけし「そんな事が」卓郎「あいつがつかまったのは予想外だったが、まぁ結果オーライだろ」美香「結果オーライじゃないわよ」 129 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:19:13 卓郎「!…美香……」重たい空気が漂う卓郎「……その、なんだ。すまなかった」美香「許すわけないでしょ。あんたはあたしを殺そうとしたのよ?」卓郎「…あぁ。それは本当に悪かったと思ってる…」美香「謝ったって絶対に許すつもりはないわ」卓郎「…」 130 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:19:41 美香「って、本当なら言うつもりだったわ」卓郎「え?」美香「でも、あんたは八幡を助けてくれた。あんたがいなかったら、八幡は間違いなく死んでいたわ」卓郎「…」美香「だからあんたにはムカついてるけど、感謝もしてる」卓郎「美香…」美香「八幡を助けてくれてありがと。これで、あたしを置き去りにしていったのは、チャラにしてあげるわ」卓郎「…美香、ありがとな」美香「ふん、わ、分かったらさっさと皆のとこ行くわよ」卓郎「あぁ、そうだな」たけし「ま、待ってくれよぉ」卓郎「おら、行くぞたけし」この時、三人はいつも通りの三人グループへと戻っていた 131 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:20:42 八幡「話は済んだか?」美香「うん、ありがと」八幡「俺は何もしてないがな」美香「ううん、ちゃんと話し合えって、言ってくれたでしょ」八幡「いや、それは普通だろ」 132 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:21:52 美香「それでも感謝してるのっ」ダキッ八幡「おい!わ、分かったから離れろって」美香「やーだ!」八幡「お、おい」美香「言ったでしょ?側にいてって」八幡「…ったく。わぁったよ」美香「ふふ、八幡だーい好きっ」こうして俺達の館の調査は幕を閉じ、街に戻る事になったただ帰り道、ひたすら周りからの視線が痛かったのは言うまでもなかった 133 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:22:41 その後平塚先生は八幡達から話を聞き、八幡の怪我の様子からあの館が危険であると判断し学校に報告学校側も危険と見なし総武高校全校集会であの館への立ち入り禁止を決めたしかし総武高校の生徒の立ち入りがなくなっただけで町内ではいまだに面白半分であの館に忍び込む人間が後を絶たないその人達がどうなったかを知る者は誰もいないただ今も尚、あの館の噂を八幡は耳にする青いお化けが出る、と完 134 : 納豆丸@我が道を行く漢 : 2014/01/20(月) 22:27:17 乙良スレだった 135 : 六 : 2014/01/20(月) 23:04:14 感想ありがとうございますっo(^▽^)o 136 : 名無し : 2014/01/21(火) 17:58:15 美香って人可愛いな見たことないけど 137 : 名無しさん : 2014/02/14(金) 04:10:44 これは本ネタ使ってるのか? 138 : レオン : 2014/02/16(日) 20:15:57 いいねーおもしろいよー 139 : てにをは : 2014/04/22(火) 00:35:29 乙乙 140 : あるま@だ再誕 : 2014/08/18(月) 05:28:13 良スレでした。美香わいい 141 : ひろし : 2014/11/23(日) 17:24:23 これは青鬼復讐編を少し真似したのかな 142 : あtFKcvvOATw : 2014/11/24(月) 15:10:21 あ 143 : 名無しさん : 2015/07/16(木) 17:11:35 うまいな 144 : 名無しさん : 2015/07/17(金) 22:29:18 乙。ひろしは出なかったな 145 : 名無しさん : 2016/10/20(木) 21:37:19 ひろし「解せぬ」 148 : 名無しの@くん8ITHowjP1w : 2017/01/21(土) 06:24:39 最近アプリ出てたな 149 : 名無しさん : 2020/09/28(月) 11:20:37 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険 http://www.ssnote.net/archives/80410 恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団 http://www.ssnote.net/archives/86931 害悪ユーザーカグラ http://www.ssnote.net/archives/78041 害悪ユーザースルメ わたあめ http://www.ssnote.net/archives/78042 害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル) http://www.ssnote.net/archives/80906 害悪ユーザー提督、にゃる、墓場 http://www.ssnote.net/archives/81672 害悪ユーザー墓場、提督の別アカ http://www.ssnote.net/archives/81774 害悪ユーザー筋力 http://www.ssnote.net/archives/84057 害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪 http://www.ssnote.net/archives/85091 害悪ユーザー空山 http://www.ssnote.net/archives/81038 【キャロル様教団】 http://www.ssnote.net/archives/86972 何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか?? コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ? http://www.ssnote.net/archives/86986 ▲一番上へ 編集パスワード スレッド投稿時に設定した編集パスワードを入力してください。
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八幡「まぁ正式には生徒から平塚先生へ直接調査依頼があったみたいですけどね。先生は時間がないから俺達が代わりにって感じです」雪乃「分かったなら、姉さんは帰って頂戴」陽乃「え?なんで?私も行くに決まってるじゃない」雪乃「だからこれは遊びじゃ…」八幡「やめとけ雪ノ下。この人は言い出したら何が何でも引かない人だ。諦めろ。それに心配してくれてるってのは恐らく、本当だ」雪乃「…はぁ…、分かったわ。では行きましょう」 7 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:30:11 陽乃「比企谷くん、ありがとね」ボソボソ八幡「いえ、別に」ボソボソなんだかんだ、いい姉なのかもしれないな由比ヶ浜「うぅ、やっぱ怖いね。何かあったらヒッキー助けてね?」八幡「え、嫌だけど?俺が命を懸けて守るのは戸塚だけって決めてるし」由比ヶ浜「ヒッキーほんと最低っ!」陽乃「早く行くよー!」八幡「ほら、行くぞ」由比ヶ浜「う、うん…」 8 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:32:57 館の扉前八幡「ん?扉空いてんぞ。誰か先に入ってんじゃねぇか?」雪乃「そのようね。私たちも入りましょう」館の中1F八幡「中は思ったより綺麗だな」由比ヶ浜「あ、あそこ誰かいるよ」どうやらやはり先客がいたみたいだちょっと話を聞いてみるか 9 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:33:46 八幡「あ、あのー」たけし「うわぁぁっ?!」えー、話しかけただけでこんなに驚かれるとかいつ以来だよあ、昨日以来だったわ卓郎「おいおい、たけしビビり過ぎだろ」美香「確かに死んだ魚に後ろから話しかけられたらビックリするだろうけどさ、それでも大袈裟よ」 10 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:34:25 死んだ魚って何?死んだ魚の目とは言われるけど俺本体は魚じゃないからね!…じゃないよね?雪乃「いきなりこちらの魚が驚かせてしまってごめんなさい」魚でした卓郎「いや、こっちのたけしがビビりなだけだ。気にしないでくれ。あ、俺の名前は卓郎。んでこいつが」美香「美香よ。よろしく。」たけし「あ、たけしです。」 11 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:35:15 なるほどこいつらは3人でこの館に来たわけかリーダー格が卓郎とかいう奴だろうなうん、イケメンだし納得さて、こっちも自己紹介しないとな八幡「えっと、俺の名前は比企谷八幡だ」雪ノ下「私は雪ノ下雪乃よ」由比ヶ浜「由比ヶ浜結衣です」陽乃「私は雪ノ下陽乃。雪乃ちゃんのお姉さんでーす」 12 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:36:32 卓郎「改めてよろしくな」一通り自己紹介が終わり互いに館に来た理由について話しあう事になった 13 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:37:17 館1F卓郎「なるほど、あんた達はこの館について調査に来た訳か」八幡「あぁ、そっちは?」卓郎「俺らも似たようなもんだ。噂の真偽を確かめるってのと、まぁ肝試しみたいなもんかな」美香「ほら、ここってお化けが出るって言われてんじゃん?」由比ヶ浜「あ、それ聞いたことあるかも。逃げ帰ってきた友達が青いお化けが出るって…」陽乃「青いお化け?」美香「はい、まぁ噂が誇張してるだけかもしれないですけど」 14 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:38:26 雪乃「お化け、ね。はっきり言ってくだらないわね」八幡「俺も同意だが、それでも行方不明者が出てんだ。何か関係あるかも知れねぇな」雪乃「………否定はできないわね」陽乃「まぁまぁ二人とも、それをハッキリさせるために調査に来たんでしょ?調査する前から決めつけても何も解決しないよ?」八幡「たしかに雪ノ下さんの言う通りだな」卓郎「そうと決まれば調査開s」パリーンッ!!一同「!!」 15 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:39:35 たけし「い、いまの…」由比ヶ浜「何かが、割れた音…?」美香「誰か、いるのかな?」たけし「か、帰ろうぜ?なぁ卓郎」卓郎「ったく、まだなんも調べてねぇだろうが」たけし「で、でも」卓郎「ちっ、ならてめぇだけで帰りゃいいだろ」たけし「う、うん」 16 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:41:53 そう言ってたけしは扉の前まで行ったのだが、おかしな事に扉の前で立ち尽くしたままだ怪訝に思った卓郎が声をかける卓郎「何してんだたけし。帰るならさっさと帰れよ」たけし「そ、それがさ、卓郎。扉…開かないんだ…」卓郎「はぁ?ふざけんなっ」そういって卓郎が扉に手を伸ばすガチャガチャッ卓郎「あ、開かねぇ。マジかよ、これ」この時、確かに全員が戦慄した 17 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:50:58 美香「私達、閉じ込められたの、かな」卓郎グループの美香が泣きそうな声で尋ねるだが誰も返事をしないただ重苦しい空気が漂う八幡「(…このままジッとしてても変化は起きないだろうな。何か、何かきっかけは…)」そうだ、一つだけある 18 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:52:29 八幡「さっき、何かが割れた音したよな?俺、ちょっと見てくるわ」雪乃「比企谷くん?!き、危険よ!」由比ヶ浜「そうだよヒッキー!何言ってるの!?」八幡「いやでもこのまま何もしないって訳には行かないだろ」陽乃「でもこの状況で単独行動は…」八幡「何が割れた俺なのか、それを確かめに行くだけですよ。すぐに戻ってきますから」 19 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:53:04 美香「ちょっと、あ、あんた、怖くないの?」八幡「ん、怖いな。でも他の誰かにこんな役目を押し付けるわけにもいかんだろ」美香「…………」八幡「それに何かあっても一人の方が気兼ね無く逃げれるしな。」むしろステルスヒッキー発動中は認識すらされないレベルだしお化けにも気づかれないかもな八幡「んじゃ、行ってくるわ」由比ヶ浜「気を付けてねヒッキー」八幡「おう、何かあったらすぐ戻るし、お前らも気をつけろよ」そうして俺はその場を後にした 20 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:54:13 廊下八幡「(確か、こっちの方から聞こえてきたはずだよな)」突き当たりまでに幾つか部屋があったがすべて鍵がかかっていた八幡「(入れる部屋が一つもないまま突き当たりまで来ちまったけど…ここは空いてんのか?)」突き当たりの部屋の扉に手を伸ばすガチャッ八幡「(お、空いてるみたいだな)」 21 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 01:55:00 中に入るとそこはキッチンのような造りをした部屋だった八幡が周りを見渡すと皿の破片が落ちてあった八幡「(さっきのは皿が割れた音だったのか)」何が割れた音なのかそれを説明するために俺は皿の破片をポケットにしまった 22 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:39:22 さっさと皿の破片を見せて皆を安心させようと八幡は早足で皆のいる場所へ戻るしかし、皆がさっきまでいた場所に戻るとそこには誰もいなくなっていた 23 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:41:27 八幡「(え!!??いやいや!いなくなっていた、じゃねぇぇぇ?!)」まさか皆で俺を置いて帰ったのか?とそんな考えが頭をよぎる八幡「(初対面で俺を置いてけぼりにするとか何その無駄なチームワーク)」八幡は軽くショックを受けながら自分もさっさと帰ろうと館の入り口の扉を開けようとしたガチャガチャッ八幡「(?!)」が、扉にはしっかり鍵がかかっていた 24 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:42:15 八幡「(どういう事だ…?鍵がかかってるって事は、まだ皆この中にいるってことだよな)」冷静になって考えれば、八幡が単独行動をしようとした時の雪ノ下達の反応は演技などではなかったたとえ卓郎達が勝手に調査へ行くと言い出しても、彼女達は八幡を待っていたはずだ館から出ていないのなら考えられるのは一つしかないここから離れなければいけない何か、が起きたのだ 25 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:43:19 この時、ふと八幡は由比ヶ浜の言っていた[青いお化け]の事を思い出したそして焦燥に駆られるお化けなんて非科学的だそんな事は分かっている分かっているが考えれば考えるほど、この状況に焦る八幡「とにかく、誰か見つけて話を聞かないと…」八幡は二階へ向かった 26 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:47:36 部屋を一つずつ確認するがやはり鍵がかかっている部屋ばかりだ八幡(どこか空いてる部屋はねぇのか…)八幡は当てもなく扉を一つずつ確認していくそしてガチャッ八幡「開いたっ」鍵のかかっていない部屋を見つけた 27 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:48:19 しかしその部屋には誰もいなかった八幡「(誰かいると思ったんだがな…。まぁいいか、なにか手掛かりを探すか)」ガタッ八幡「!」クローゼットの中から音がするそして八幡がクローゼットを開けるとそこにはガタガタガタガタガタガタガタガタひたすら震えているたけしがいた 28 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:50:10 八幡「たけし、くん?」たけし「」ガタガタガタガタ八幡「なぁ、一体何があったんだ?」たけし「」ガタガタガタガタもはや会話ができる状態ではなかった 29 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:52:06 八幡「(一体何が起きてんだ?こんなになるなんて普通あり得ねぇぞ)」たけし「あっ…ぉ……に」ガタガタガタガタ八幡「え?」たけしが何かを言おうとしている八幡「もう一回言ってくれ」そして、たけしが震えながら必死に紡ぎ出した言葉はたけし「あ、おお…に」【あおおに】だった 30 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 13:52:47 たけしはその一言を言うとまたクローゼットに閉じこもったただクローゼットを閉める前にクローゼットの中にあったという鍵を八幡に渡した八幡はそれを受け取ると「ありがとう」それだけ言ってその場から去った八幡「(鍵が手に入ったのは良いがどこの鍵だこれ?)」八幡が歩いていると、奥の方の部屋で音がした 31 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:01:26 ガチャッそっと扉を開けるするとそこには美香がうずくまっていた八幡「美香さん、だったっけか?」八幡が声をかけると美香は驚いた様子で顔を上げた美香「あ、あんたは…っ。無事、だったんだ。良かった…本当に、良かった…」美香は何かに怯えていたようだが八幡の顔を見ると心底安堵したような表情を見せた 32 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:02:13 八幡も美香が無事なのを確認するとホッとしたが悠長な事を言ってられない状況に変わりない八幡は何が起きてるのかを理解すべく美香に尋ねる八幡「美香さん…だっけか?悪い、何があったのか詳しく教えてくれ、頼む」美香「う、うん」 33 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:04:23 回想たけし「あいつ1人で行くなんて凄いよな」美香「あんたみたいなビビリには絶対無理でしょうね」たけし「うっ」由比ヶ浜「ヒッキーほんとに大丈夫かなぁ…」雪乃「大丈夫よ由比ヶ浜さん。彼はああ見えて、いえ、見た目通りゾンビなのだからお化けとも仲良くできるわ、安心して」由比ヶ浜「ゆきのんそれ安心できないよ?!」陽乃「(雪乃ちゃんもやっぱり心配なんだね)」 34 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:43:44 美香「…あんた達って、仲良いんだね」由比ヶ浜「え?うん、だって友達だもん!」雪乃「まぁあの男は違うけれど」美香「え、違うの?」雪乃「彼は友達も恋人もいない正真正銘のぼっちよ。仲良しの人間なんて存在しないわ」美香「へぇ、けっこう格好いいし人気あると思ったんだけどね、目死んでるけど」雪乃「っ?!か、格好いい?彼が?それはあり得ないわよ美香さん」由比ヶ浜「それはないって美香さん!ヒッキーとかまじヒッキーだし格好いいとこなんてないよ!」陽乃「2人ともそれ比企谷くん本人が聞いたら多分泣くよ?」美香「ははは…」 35 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:46:05 美香が苦笑いをしていると卓郎が異変に気付いたのか皆に呼びかける卓郎「おい、なんか…音しないか?」一同「え?」ズシン ズシン確かに音が聞こえる 36 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:52:57 陽乃「向こうの扉から聞こえるわね」たけし「何かが近づいてきてるんじゃ、、」雪乃「皆立って!すぐに動ける準備をしておいて!」雪乃の判断は正しかった皆が息を呑んだ次の瞬間ばんっ突然扉が開いた 37 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 14:56:28 勢いよく開かれた扉から出てきたのはブルーベリーの様な色をした2mは優に超える怪物だった怪物の頭は歪に膨らみ顔の半分以上を黒い目が覆っていた怪物の姿を確認したと同時に一目散に全員が走り出した 38 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:35:55 美香「そこから先はあまり憶えてないの。他の人の事を気にする余裕なんて無かったから」八幡「そりゃ、そうだろうな」八幡はようやく理解した皆が姿を消した理由たけしが怯えていた理由たけしの言っていた[あおおに]とは何かを八幡がしばらく考え事をしているとガチャッ後ろから、扉の開ける音がした 39 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:36:53 八幡「…っ?!」バッ八幡「…あ、お前は…」美香「卓郎っ」卓郎「お前らも生きてたかっ!美香!それに、ひき…ヒキガエルくん?」台無しだな八幡「まぁこの際気にしてられん。それより無事だったんだな」卓郎「あぁ、マジで焦ったけどな。あんなのが実在するなんて思って無かったしよ」八幡「俺はまだ見てねぇが、嘘じゃないのは分かったよ」美香「これからどうしよう」 40 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:37:46 八幡「とりあえず美香さんは卓郎と一緒に行動してくれ。俺はこの鍵の使える部屋を探す」美香「部屋を探すって、あいつが徘徊してるのよ?!」八幡「百も承知だ。でも何もしなければ結局皆死ぬ。ならやるしかねぇだろ」卓郎「そう、か」八幡「そうだ。んじゃ俺は行く。卓郎も美香さんも気を付けろよ」美香「美香」八幡「は?」美香「美香って呼んで」八幡「いや、何言って」美香「呼んで?お願いだから…」八幡「お、おう。気を付けろよ美香」(そんな顔されて断れっかよ)美香「死なないでね八幡」八幡「そっちこそ生き延びろよ」名前を覚えられていたことに少し喜びを感じた八幡だった 41 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:38:54 廊下八幡「適当に鍵穴にさしてくしかねぇか」そういって八幡は一階に降り本当に手当たり次第に鍵穴に鍵をさしていくガチリッ八幡「え、ビンゴッ!」ガチャッ八幡が鍵を開けて入った部屋は図書室?のような部屋だった八幡「本ばっか置いてあんな…。ん?」机の上の鍵を見つけた八幡「これもどっかに通じる鍵、みたいだな。」手を伸ばし鍵をつかみ取る 42 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:40:13 ズンッ鍵を取ったのと同時に部屋全体が激しく揺れたそして同時に書棚の陰から巨大な人影が出現した八幡「なっ!?」室内の照明が巨大な人影の姿をあらわにする歪に膨れ上がった頭部顔の半分以上を覆い尽くす巨大な目そしてブルーベリーのような青い肌八幡「ホントに、あおおに…みたいだな。」対峙している八幡の全身が震えるこいつが何者かは分からないだが捕まれば殺されるそれさえ分かれば恐怖するには充分だった 43 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:41:02 ダッ青鬼より先に八幡が出口へ疾駆するが、青鬼は見た目に反して俊敏な動きで八幡に迫る八幡「(くっそ、巨体のくせに動きが鈍くねぇ)」八幡もそれなりに体力には自信があったが青鬼は予想以上だった 44 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:41:51 ガシッ青鬼が八幡の左腕を掴む八幡(くっ、ここまでかっ)青鬼がニタァ、と大きな口を開くそしてザシュッ鮮血が飛び散る 45 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:42:38 しかしそれは八幡の物ではない八幡「まさか、こんな形で役に立つとはな」八幡の右手には皿の破片が握られていたそしてその破片の一閃は見事に青鬼の左目を潰すのに成功していた青鬼が怯んだ隙に八幡はまた走り出す青鬼は追ってくる様子は無かった 46 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:45:43 館二階・???由比ヶ浜「ゆきのん、皆大丈夫かな」雪乃「分からないわ。けれど、私達はここにいれば取り敢えずは安全よ」たけし「卓郎たちも無事かなぁ」今雪乃達がいるのは、たけしが隠れていたクローゼットのある部屋だそしてその部屋のクローゼットの裏に隠し扉があるのを雪乃が見つけたのだ隠し扉の先は狭い通りになっていて突き当たりに新しい扉があったしかしその扉は案の定鍵がかかっていた 47 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:46:32 雪乃「この先の扉が開いていたら、脱出の大きな糸口になっていたかもしれないのにね」由比ヶ浜「残念だね…。でもここにいれば怪物からは襲われる心配はないんだよね?」雪乃「ええ」怪物が扉から入ってきたらクローゼットの裏の隠し扉に逃げ込めばいいだけだ隠し扉の大きさからして怪物は入ってこれないからだそれに狭い隠し扉側から襲ってくる心配もないここにいる限り怪物に襲われて殺される事はないしかし、それはその場凌ぎでしかないのも事実である 48 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:47:35 たけし「でも雪ノ下さん、隠し扉なんてよく気付きましたね」雪乃「クローゼット付近の床に擦った跡があったから気になって少し確認してみただけよ」由比ヶ浜「ゆきのんすごーい!」雪乃「でもね、ここは絶対の安全が保証される代わりに、あの先の扉が開かない限り、脱出の糸口を見つける事も不可能なのよ」 49 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:48:21 由比ヶ浜「でも仕方ないよ。ゆきのん体力ないんだもん。出て行って見つかったらそれだけで…」雪乃「ほんと、自分の不甲斐なさに腹が立つわ」由比ヶ浜「ゆきのん…。ヒッキーを信じよ?ヒッキーならなんとかしてくれるよ!いつだってヒッキーは私達を救ってくれたもん!」雪乃「…そうね。彼なら、比企谷くんならこんな状況でも私達を…。信じましょう、彼を」由比ヶ浜「うん!」雪乃「私達も、ここでなにかできないか、考えましょう」 50 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:49:35 廊下八幡は青鬼から逃げ切り美香達のいる部屋へ向かった青鬼に掴まれた左腕が痛むが骨は折れてはいないようだそして部屋に着くが、そこには卓郎と美香の姿はなかった 51 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:50:11 八幡「(あいつらも何か手掛かりを探しにいったのか…?)」八幡は心配になったが卓郎みたいなしっかりした奴が一緒なら美香も安全だろうそう自分を納得させただがこの時八幡は気づいていなかったいつも通りの八幡なら気づけた事が八幡は知らなかったこの考えが見当外れだという事にそしてそれが惨劇を引き起こす事になることも 52 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:51:04 渡り廊下美香「ねぇ、卓郎。やっぱり部屋でジッとしてた方が良かったんじゃ」卓郎「んな事言っても、あいつだけに任せてもいられないだろ」美香「そ、そうよね」といっても鍵が空いてる部屋は全然なく闇雲に歩き回っているため非常に危険な状態である 53 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:51:50 卓郎「これからどうするか…」美香「まず、やっぱりたけしとか他の人を見つけるべきなんじゃない?」卓郎「そうだな」卓郎が同意してまた歩き出す美香「ねぇあの扉、すこし開いてるわ」卓郎「本当だな。行くか」卓郎がそっと扉を開ける 54 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:52:41 卓郎「?何にもないな」その部屋には人はおろか家具も椅子くらいしか置いていなかった床にはノートが散乱しおもちゃのボールなども転がっていた美香はドライバーを見つけると気休めにポケットに入れた美香「この部屋に手掛かりはなさそうね」卓郎「だな。戻るか」そう言って卓郎が部屋から出ようと扉を開けるそしてそこにはあの怪物が立っていた 55 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:53:49 怪物のやたらと大きな片方の黒目の中には、呆然とたたずむ卓郎と美香の姿が映り込んでいる何故かもう片方の目からは血が流れていたがそれが余計に気持ち悪さを引き立たせていた美香は必死で自分を奮い立たせた美香「……なんなの、これ?」そしてようやく言葉が漏れた美香「なんなの、これ?」同じ台詞を繰り返すが、卓郎からの返答はない 56 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:54:39 怪物が低くうなった卓郎「美香」卓郎の囁きが耳に届く卓郎「悪く思うなよ」……え?その言葉の真意を確かめる暇もなく、美香は激しく腕を振り払われた 57 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:56:45 突然の事で美香はその場に尻餅をつく怪物の視線が美香に向けられたその隙を狙って卓郎は怪物の横をすり抜けその場から走り去る美香「卓郎!」呼び止めたが返事はない。すぐに足音は聞こえなくなった美香は床に座り込んだまま、呆然と虚空を見上げる美香が裏切られた悔しさや怒りよりも先に感じたのは寂しさだった 58 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:57:34 怪物がゆっくりとこちらへ近づいてくる美香は座り込んだまま、じりじりと後ずさった卓郎に裏切られ、生きることを諦めようとした美香の頭に一つの声が蘇る「そっちこそ生き延びろよ」彼のあの一言が再び美香を奮い立たせるイヤだ。死にたくないまだ死ねない美香はドライバーを握りしめ、尖った先端を怪物へと向けた 59 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:58:28 美香「来ないで!」ありったけの大声を張り上げる「それ以上近づいたら刺すわよ!」怪物を睨みつけたまま、ゆっくり立ち上がる扉までの距離はわずか数メートルだが、その前には怪物がたちはだかっている 60 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 17:59:26 この状態で扉に向かって駆け出すのは自殺行為ださぁ、どうする?美香は頭をフル回転させるにらめっこに飽きたのか、怪物がついに右足を動かした 61 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:00:10 もうダメだと覚悟したその時グラッ怪物がわずかにバランスを崩した片目が見えていないため、床にあったボールに気づかなかったのだ 62 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:52:14 今だ!美香は駆け出した美香「元陸上選手を舐めないで!」そう叫びながら、廊下へ飛び出ーーーいや、飛び出す事はできなかった途方もない力で左脚を引っ張られ部屋の中へ引き戻されたからだ怪物がしっかりと美香の左脚を掴んでいた美香「離してよ!」美香は怪物の手の甲にドライバーを突き立てる突然の反撃に驚いたのだろう怪物の力が緩んだ美香は素早く左脚を引き抜くとすぐに立ち上がろうとした 63 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:53:20 しかし突然、視界から怪物が消え失せた同時に美香の身体が宙に浮かび上がるなにが起こったのか把握する前に、右手の先に激しい痛みが走ったどうやら怪物は彼女の指に食らいついたらしい美香「イヤ……やめて」美香はかすれた声をだした美香「お願い…助けて」彼女の願いを聞きいれてくれたのか、怪物の口から右手が離れたそのまま勢いよく床に叩きつけられる 64 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:54:07 美香は噛まれた右手に目をやり、悲鳴をあげた美香「いやぁぁああぁあああっ!!」人差し指と薬指の第二関節から先がどこにも見当たらない。突き出した骨の周りから血が溢れ出す怪物は命乞いする美香を助けたわけではない齧ったおやつがただこぼれ落ちただけだったのだ 65 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:54:42 美香「返して……あたしの指を返してよ…」怪物はゆっくりこちらに顔を向けるそしてまたこちらへ近づいてくる無理だ。こんな化け物に勝てるはずがない美香が諦め、怪物が美香に手を伸ばしたその時激しい轟音と共に怪物の身体が横に揺れ、美香は物凄い力で引っ張られた 66 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:56:23 何が起きたのか、美香はまだハッキリとは理解できていないただ分かるのは、目の前にいる少年が自分の手を引いて助けてくれたということだけだが今はそれだけ分かれば美香には充分だったどれくらい走っただろう怪物の姿は見えなくなっていた美香「八…幡」ハァハァ八幡「ここまでくりゃ、ひとまずは、安心だろう」ハァハァ八幡達は元いた部屋にまた戻ってきていた 67 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:58:29 美香「ねぇ、どうして八幡があそこに?」八幡「どうしてって、お前のすげぇ悲鳴が聞こえてきたからな。何かあったのかと思って」美香「助けに、来てくれたの?」八幡「まぁ…そういう事になんのかな」八幡から話を聞き美香はあの時何が起きたのかを理解した美香が怪物に掴まる直前に悲鳴を聞いて駆けつけた八幡が部屋にあった椅子で怪物の頭を殴つけその隙に美香の手を引いてその場から逃げることに成功したらしい 68 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:59:01 八幡「それより卓郎は…」どうした?と聞く前に美香が八幡に抱きつき胸に顔をうずめた八幡「ちょっ?!おい何して…っ」美香「お願い…お願いだから少しだけこうしていさせて?」八幡「…」どうやら美香は泣いているようだった 69 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 18:59:39 八幡「落ち着いたか?」美香「うん、ごめんね」八幡「!」八幡は美香が涙を拭いているその時、美香の指がなくなっていることに気づいた八幡「お前、その指…」美香「う、うん。あの怪物にね。でももう血もおさまってきてるし、大丈夫」八幡「…すまん」美香「どうして八幡が謝るのよ。八幡がいなかったら、あたし死んでた。だから凄く感謝してるの」そう言って美香はニッコリ笑った。その後八幡は卓郎が何をしたのかを美香から聞いた 70 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:01:14 誰しも自分が一番可愛い自分が助かるためなら簡単に他人を裏切るそれは卓郎も例外でないことは普段の八幡なら気づくことがでかたはずだったそれに気づけなかったのは極限状態の中、自分を優先し他の事に気が回らなかった八幡の怠惰のせいだそんな事を考えていると美香「八幡?」美香が怪訝そうに八幡の顔を覗き込む 71 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:06:09 八幡「え、あぁ…」美香「どうしたの?」八幡「いや、俺がもっとしっかりしとけばって」美香「何言ってるのよ!この指の事は八幡のせいじゃないってば。だから気に病まないで?」八幡「…そうは言っても」美香「八幡!八幡はあたしの命の恩人なの!だから…そんな顔しないで…」八幡「…そっか。美香、ありがとうな。これからは、できる限りお前を助けられるようにするから…」美香「ふふ、ありがと八幡。今のあたしには八幡しかいないの。だから、信じてるね」八幡「あぁ。とりあえずその怪我の応急処置をしよう」そういって八幡は部屋にあった救急箱の蓋を開けた 72 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:11:15 ???八幡が図書室で鍵を見つけたりと調査している時、陽乃も同じように館の調査をしていた陽乃は青い怪物とすでに4回も遭遇していたしかし最初以外はいずれも遠くから先に発見できていたため逃げ切る事は容易だっただがやはり怪物は遠くから見ただけも神経を削られるらしく流石の陽乃にも疲労の色が見えていたこれも誰かが側にいれば幾分かは気が楽になるのだろうが不運にも陽乃は今のところ誰とも会う事ができていなかったしかしそんな中でも陽乃はしっかりと脱出の手掛かりを集めていた 73 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:24:53 一つ目はこの館の地図を発見したことだ地図を見ると屋根裏部屋から外に通じるルートが存在することが判明したつまり屋根裏部屋に辿り着く事が出来れば脱出できるのだ次に陽乃は風呂場で二階応接室の鍵を入手し応接室に向かい、応接室でピアノの鍵盤に記された暗号を確認した陽乃「(この暗号から四ケタの数字を導き出せたけど…この数字の使い道が分からないなぁ)」陽乃は考えながらも暗号の使えそうな部屋を探すが結局見つけられなかった陽乃「やっぱ誰かと合流して情報を共有しないとダメそうね」陽乃は八幡と合流することを決め、八幡を探す 74 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:27:22 書斎八幡「ここは…書斎か。ってことはこの鍵は書斎の鍵みたいだな」美香「ふぅ、何の鍵か分かって一歩前進ね」八幡「あぁ」八幡は美香の指に包帯を巻いて応急処置をした後美香と共にまた調査を再開し八幡の持っていた鍵が書斎の鍵である事が判明したのである 75 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:28:08 美香「あの怪物に遭遇しなかったのは幸運だったわね」八幡「だな。にしてもこの部屋、手掛かりになりそうなのは…この金庫くらいか」八幡の目線の先にあるのは古びた金庫だ美香「でも手掛かりって言っても、金庫の番号分からないと意味ないわよ?」八幡「適当に数字打ち込むとか?」美香「そんなことしてる間に皆死ぬわよ」八幡「そりゃそうだ」 76 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:31:33 八幡「(だがどうする…ノーヒントで開けるのは非現実的だな。ならやっぱり…)」美香「八幡?」八幡「あぁ、悪りぃ。考え事してた」美香「なにか思いついた?」八幡「雪ノ下さんと合流しようと思う」美香「どっちの?」八幡「姉の方だ。恐らくだが妹の方は由比ヶ浜と一緒にいるだろう。んであいつは体力が無いからな、2人でどっかに隠れてる可能性が高い」美香「へぇ…」八幡「姉の方は逆に調査している可能性の方が高いだろう。何か掴んでるかも知れない」あくまでこれはただの八幡の推測だが八幡は確信に近いものを感じていた 77 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:33:05 美香「あの子達の事、よく理解してるのね」八幡「同じ部活メンバーだからな」美香「本当に…」それだけ?美香はその先を口にできなかった八幡「さて、そろそろ行くぞ。モタモタしてらんねぇしな」美香「うん」 78 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:33:37 廊下陽乃「比企谷くんどこにいるのかなー」のんびり振る舞っているようで陽乃も内心はビクビクしていたあの怪物が頭から離れないのだ今までは遠くから見つけられていたが目の前に急に現れたら…そう考えると不安で仕方がなかった早く比企谷くんに会いたいその気持ちだけが時間が流れていくにつれ大きくなっていく 79 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:35:22 そんな時陽乃「!」陽乃は見てしまった怪物が奥の通路を歩いているのを見つからないように陽乃は息を殺す汗が頬を伝うどのくらいの時間が過ぎただろう数分だったかもしれないし、数秒だったかもしれないそう錯覚するほど陽乃は緊張状態にあったどうやら気づかれなかったのだろう怪物は何もなかったかのように通り過ぎていった陽乃「…ふぅ」その時、安心した陽乃の前に人影がヌッと現れた 80 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:36:30 陽乃「いっ.....!!」モガモガ八幡「しーっ!大声出さないで下さいっ!俺ですから」ボソボソ陽乃「ぷはっ。ひ、比企谷くん......」八幡「やっと見つけました」陽乃「それは私の台詞だよ」八幡「まぁ、とりあえずついて来て下さい。美香も待ってるんで」陽乃「......うん。(美香?これは後でゆっくり話聞かないといけなそうね)」 81 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:39:07 書斎美香「おかえり八幡。大丈夫だった?」八幡「おう。雪ノ下さんと無事合流できだぞ」陽乃「あれ?ここ、鍵かかってなかったっけ?」八幡「図書室で見つけた鍵で開いたんですよ」陽乃「なるほどね…」八幡「雪ノ下さん、何か手掛かり見つけました?」陽乃「あ、うん。この館の地図を手にいれたよ」八幡「ホントですか!さっそく見せてもらってもいいですか?」陽乃「うん、いいよ!」 82 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:40:17 美香「なるほど…屋根裏部屋までいければ出れるってことよね」八幡「そうなるな。地図をみるとこの書斎の奥が和室、和室の階段をのぼれば屋根裏部屋繋がってるわけだな」美香「もしかして私達出られるんじゃない?」八幡「いや、どっちにしろこの金庫のロックが解けねぇ限り手詰まりだろ」陽乃「金庫?」八幡「はい、これですよ。四ケタの数字を打ち込まないといけないんですけど手掛かりがなくて」陽乃「あーーーっ!ごめんね比企谷くん!」八幡「え?」 83 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:41:21 陽乃「応接室で暗号解いてたの私すっかり忘れてたよー!」八幡「暗号って?」陽乃「ピアノの鍵盤に暗号があってね、それを解いたら四ケタの数字が出てきたの」八幡「それって!」美香「ってことは、パスワード分かるんですか!?」陽乃「うん!任せといて!」そういって雪ノ下さんは金庫に四ケタの数字を打ち込む 84 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:45:13 ピーッ陽乃「あ、開いたよっ」八幡「鍵が二つも入ってるな」美香「とりあえずこの部屋の奥の扉試してみましょう」ガチリ八幡「やっぱここの鍵みたいだな」陽乃「さ、いこっか」 85 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:47:33 和室書斎の扉を抜けると和室が広がっていた美香「けっこう広いわね」八幡「…」陽乃「比企谷くん?」八幡「おかしいな」陽乃「何が?……!」周りを見回すと陽乃も気づいた美香「え?ちょっと、何がおかしいのよ!?」どうやら美香は気づいていないらしい 86 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:52:20 八幡「よく見てみろよ。地図に描いてあるはずのもんがねぇだろ」美香「あるはずのもの……」美香も和室を見渡す美香「あっ…」言われて美香も気づく美香「階段が…ない?」そう、この部屋にはあるべき屋根裏部屋へ続く階段がなかったのだ 87 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:56:31 八幡「くそ、どうなってんだよ」陽乃「う〜ん、おかしいね。ここに階段があるはずなんだけど…」しかしそこに階段はなく壁があるだけだ美香「ここまできたのに」引き戻そうかと考えた時ガシャァァン何かが壊された音が館内に響く 88 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:57:29 八幡「なん、だ?」陽乃「皆!急いでバリケードを作って!やつかもしれない!」陽乃の切羽詰まった声を聞いて八幡も我にかえる音がしたのは書斎の方だたとえそれがあの怪物の仕業でなかったとしても先手を打たなければならないそれが勘違いであっても用心はするに越したことはないのだ 89 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 20:58:59 三人で急いでその場にある机や椅子を扉の前に配置し、ガムテープで固定するそしてそれから間も無くガンッ ガンッという扉を叩く轟音が響くやはり怪物がここに迫っているらしかったマズイこんなものすぐに破られる八幡は頭をフル回転させてこの場を切り抜ける策を考える 90 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:00:16 どうすればいい、なにをすればいい?!八幡は焦りを押し殺し冷静に考えようとするがすればするほど焦りは大きくなるガンッ ガンガンッ八幡がモタモタしている間もあの怪物は御構い無しに迫ってきている陽乃も何か策を考えているようだが八幡同様焦りが先走りして考えがまとまらない八幡「くそっ、くそっ、くそ!!」焦りが苛立ちに変わるその時、八幡を穏やかな空気が包む 91 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:01:18 八幡「え?」美香「八幡、落ち着いて。」八幡「美香…」美香は八幡を抱きしめ頭を胸に抱き寄せた美香「八幡は、あたしを守ってくれるんでしょ?」八幡「…」美香「あたし、信じてるから。あたしには八幡しかいないの。だから、あなたと生きてここを出たいの」八幡は目が覚める八幡「そうだな。生きてここからでるんだ。」 92 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:02:37 ガンガンッ ガンガンッバリケードが破られるのはもうすぐだしかし八幡はさっきより遥かに冷静になっていたそして考える地図を見る限り、屋根裏部屋に繋がってるのはこの部屋からだけだったはずだそして金庫にあったもう一つの鍵は間違いなく、この部屋から屋根裏部屋に行くための扉の鍵だならば必ずこの部屋にあるはずだ屋根裏部屋に続く道が 93 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:05:16 八幡が本来階段があるべき場所の壁をもう一度じっくり調べてみる八幡「!」八幡「(ここだけ壁の材質が違う?他の部分は石なのにここだけまるで…)」八幡はポケットに入っていた皿の破片を取り出し八幡「一か八かだっ」ザクッ思い切り壁に突き刺し引き裂いた 94 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:07:42 一同「!」美香「これは、隠し階段?」八幡「みたいだな。まさか隠し階段になってるとは思わなかったが…。よし行くぞ、時間がない」そして三人は階段を駆け上がる 95 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:11:49 屋根裏部屋八幡「ここが屋根裏部屋か」陽乃「あれ?地図だとドアが一つなのに、二つあるよ?」美香「本当ね」八幡「ん?この部屋にも地図が置いてあんぞ」陽乃「ほんとだ…。それに、私の地図と微妙に違うわ」確かに二つの地図には違いがあったこの部屋の地図と陽乃の地図との違いそれはこの部屋に繋がってる部屋が和室ともう一つあることだったそして八幡は気付くそのもう一つの部屋というのがたけしくんがいた部屋だという事が 96 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:13:46 八幡「この部屋は、たけしくんがいた部屋とも繋がってるんだ」美香「たけしがいた部屋?」八幡「あぁ、間違いない。」八幡は数秒考え、そして一つの答えを出した 97 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:16:51 八幡「美香と雪ノ下さんは、先にこの部屋から外に出て下さい。俺は他の皆をこの部屋に連れて後から脱出します」美香「な、何言ってるのよ!」美香が驚いたような声を出す八幡「いや、他の奴等見捨ててはいけないだろ」美香「そ、それだったら私もついて行くわ!」八幡「お前こそ何言ってんだ!別に先に出とけって言ってるだけだろ。俺も皆連れてすぐ行くんだし」 98 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:18:24 美香「ふざけないで!それでまた館内に戻って、あいつにつかまったらどうするのよ!」八幡「でも」美香「それでつかまってあんたが死んだらあたし…あたし生きていけないよ」美香が大粒の涙をこぼす八幡「美香…それでも俺は」陽乃「ダメだよ比企谷くん。皆引くつもりないんだから」八幡「まさか、雪ノ下さんまで来るつもりですか?」陽乃「むしろ私がここに残るって言うつもりだったんだよ。比企谷くんに先に言われちゃったけどね」八幡「…」 99 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:19:31 陽乃「私だって雪乃ちゃん達を見捨てたりしたくない。結局皆同じなんだよ」八幡「(そうだよな。皆を助けたいって思うのは俺だけじゃない。当たり前だ)」八幡「戻るのは、危険ですよ」美香・陽乃「百も承知(だ)よ」まったく、せっかく逃げ切れたのにもったいないことをするなぁま、俺も同じか八幡「んじゃ行きますか」美香「うん」 100 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:20:11 陽乃「あ、比企谷くん。あとね、これ」八幡「え?」そういって陽乃は八幡に鍵を渡した八幡「これは?」陽乃「この部屋の壁にかかってたの。多分マスターキーよ。これで玄関の鍵も開けれるはずだよ」八幡「なるほど、これがあれば屋根裏部屋と玄関、二つの出口を開放できるのか」ズンッ館内にまた響く足音 101 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:21:41 八幡「ちっ、どうやらバリケード越えてきたみたいだな」美香「急ごう」八幡「!…悪りぃ、ちょっと先に行ってくれ」美香「どうしたの?」八幡「ちょっと、な」陽乃「詳しくは聞かないけど、後ろからスカート覗いたりした、分かってるよね?」八幡「しませんよ?!」美香「八幡最低…」八幡「しねぇっつってんだろ!?」2人はたけしのいた部屋に続く隠し通路へ先に入っていったそして八幡は…???「」 102 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:22:53 たけし部屋雪乃「外が騒がしいわね」由比ヶ浜「あの怪物、かなぁ」たけし「うぅ…」雪乃「比企谷くんも姉さんも無事かしら」由比ヶ浜「ヒッk」ドガシャァァァッ由比ヶ浜「」ビクッたけし「うぁぁ、な、何が起きてんだ」雪乃「(比企谷くん…)」 103 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:23:33 ガチャッ一同「!!」陽乃「お、ひゃっはろー!雪乃ちゃん達も揃ってるじゃん」美香「八幡ほんとにパンツ見てない?!」八幡「見てません。ほんとに見てません」雪乃「姉さん、比企谷くん…っ」由比ヶ浜「ヒッキー!!」たけし「み、美香」八幡「よぅ、なんとか無事みたいだな」 104 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:24:10 雪乃「えぇ、あなたに心配されるまでもないわ。でもどうやってここに?」八幡「屋根裏部屋がここの部屋と繋がってたんだ」雪乃「つまりあの扉の先は屋根裏部屋だったのね」八幡「ま、ここに皆集まってたのは運が良かった。屋根裏部屋から外に通じるルートがある。」由比ヶ浜「ヒッキーそれほんと!?」八幡「あぁ、この通路越えれば外に出られる」たけし「や、やったぁ!」八幡「んじゃ、いくぞ」六人は屋根裏部屋に向かった 105 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:26:43 屋根裏部屋八幡「これは…」屋根裏部屋はついさっき見た景色とは一変してまるで廃墟のようになっていた陽乃「さっきの音、まさかあの怪物が…」美香「外に続く扉が壊されてる…」由比ヶ浜「どうするの…?」八幡「…まだここにマスターキーがある。玄関から出る事は可能だ」雪乃「それしか手はないみたいね」 106 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:27:16 しかし危険だあの怪物、もしかしたら知性があるのかもしれないただ怒り狂って扉を破壊したのか狙って扉を破壊したのかそれは分からないが、知性があるとしたら玄関付近に潜んでる可能性もある八幡「とはいえ、行くしかねぇよな」 107 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:28:39 玄関付近の廊下陽乃「見たところあの怪物はいないわね」雪乃「でも油断は禁物よ」美香「あいつ、あの巨体に反して凄く俊敏だから気をつけて」ゆっくりと六人は玄関に近づく八幡「雪ノ下さん、これを」ボソボソ陽乃「マスターキー?なんで私に?」ボソボソ八幡「この中じゃ一番足早いでしょう」ボソボソ陽乃「比企谷くんの方が早いと思うけど?」ボソボソ八幡「俺は一番後ろにいますから。せめて、しんがりくらいは俺に任せて下さいよ」ボソボソ陽乃「でも…」 108 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:31:20 八幡「雪ノ下さんにしか頼めないんです」陽乃「そ、そっか」八幡「お願い、できますか?」陽乃「…いいよ。でも、その代わり」八幡「?」陽乃「お願いだから死なないでね」八幡「…はい」そして六人は玄関が見える所まで来た 109 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:31:56 陽乃「じゃあ、そろそろいくよ」陽乃の一言で皆が気を引き締めるそして陽乃の合図で全員が走り出すそれと後ろの扉からブルーベリー色の怪物が現れたのはほぼ同時だった 110 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:32:35 怪物が現れた瞬間全員が恐怖に襲われるが陽乃だけは怯まず前だけを見て全力で走ったそして鍵を開け扉を開ける陽乃「さぁ皆!!こっちよ!!」陽乃の声で全員がまた前に向き直したけし、由比ヶ浜に続き雪ノ下も扉の外へ出るこのペースなら全員逃げ切れるそう八幡が安心した瞬間ヴォオヴォオオオオオオオオオオオ耳を塞ぎたくなるような怪物の咆哮が館内に轟く 111 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:33:46 八幡「……っ?!」耳が麻痺したような錯覚すら覚える美香「あっ」ガッ美香が咆哮に気を取られ転倒する八幡「くっ」美香と出口まではもう目と鼻の先だここで美香を死なせるわけにはいかない八幡「うっおおおおお」八幡は美香の手を掴むと強引に出口の方へ放り投げた 112 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:34:26 そしてその一瞬の隙をつき、怪物は八幡の左腕を掴んだこれで八幡以外の五人は脱出に成功した美香「八幡!!!」雪乃・陽乃「比企谷くん!!」由比ヶ浜「ヒッキーーーーー!」美香達が悲鳴にも似た声で八幡を呼ぶしかし、その声は虚しくボギュッ八幡「…っがぁあ、ああああああ!」八幡の掴まれていた左腕の骨が砕ける音と八幡の悲鳴に掻き消された 113 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:35:29 それを見ていた全員が青ざめた顔をしている中でも美香と由比ヶ浜は涙を流していた八幡が力なくうな垂れる怪物は抵抗をやめた八幡を見るとニタァと笑い大きな口を開けた怪物の顔が八幡に近づくだがその時笑っていたのは怪物だけではなかった 114 : 藍香 : 2014/01/20(月) 21:37:23 支援 115 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:38:00 八幡「ったく、遅ぇよバカ」八幡が不敵に笑うすると卓郎「うおおおおおおおおおっ!!」ビチャビチャッ玄関の影に身を潜めていた卓郎がボトルの中に入っていた液体を怪物にぶちまける怪物も突然の事に動きが止まるそしてその一瞬の隙をついて卓郎はもっていたマッチに火をつけたそして卓郎・八幡「俺達の勝ちだ」怪物を中心に爆発が起きる 116 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:40:39 八幡と卓郎が爆風によって館の外へ飛ばされる2人が外に飛ばされたのと同時に館の入口の扉は再び閉まるあれで怪物が死んだかは分からないが無事全員脱出には成功した八幡「いっ、てぇぇ」卓郎「爆風ってあんなに強いのかよ、舐めてたぜ」陽乃・雪乃「比企谷くん!」由比ヶ浜「ヒッキー!」たけし「卓郎っ」美香「八幡!」少ししてから皆が八幡と卓郎の元へと駆け寄る 117 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:41:39 由比ヶ浜「ヒッキー!ヒッキー!良かった…えぐっ、良かったぁぁ」八幡「お、おう」由比ヶ浜はずっと泣いていた俺の無事を心から安堵してくれているようだった 118 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:51:58 雪乃「比企谷くん…比企谷くん…うぅ、うあぁぁ、ぁああ」雪ノ下は俺の胸に抱きついて来ると、人目を気にせず泣き出した普段なら他の人には絶対見せないであろう子供のような泣き顔をしていた雪乃「死んだら…っ、どうするつもりだったのよぉ…」ポカポカ雪ノ下が俺の胸の前で何度も腕を振り下ろす八幡「いてて…わ、悪かったよ」こんなにも雪ノ下が心配してくれてるとはハッキリ言って予想外だった八幡「ありがとな、雪ノ下」雪ノ下はまだ泣いているのか、返事はなかった 119 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 21:53:11 陽乃「比企谷くん…」八幡「雪ノ下さん…」まさか雪ノ下さんまで、、、陽乃「雪乃ちゃん泣かせたら許さないって私言ったよね?」八幡「((((;゚Д゚)))))))」おぅふそんなに現実甘くないようだ陽乃「私も…心配したんだからね」八幡「え?」陽乃「だから約束。今後は、雪乃ちゃんだけじゃなく、私も泣かせるような事…しないでね?」そう言った雪ノ下さんの目にも涙が溜まっていた八幡「…すみません」今の俺にはそれしか言えなかった 120 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:00:02 美香「八幡」美香がむすっとした顔で近づいてくるその表情は安堵と怒りとが混ざっているようだった八幡「美香?」スッ八幡「ちょっ、おい美香?」美香「」美香は無言のまま俺に抱きついて来たそしてしばらくして口を開けた美香「八幡、あたしを助けてくれたのは、嬉しかった。けど、自分をもっと大切にして」八幡「…」 121 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:00:23 美香「八幡が犠牲になって生き延びたってあたし、きっと耐えられないよ。」美香は静かに泣いていた美香「あたし、これからもずっと八幡と一緒にいたい。だから、だから危険な事しないで。お願いだから…」八幡「…分かったよ。悪かった」美香はしばらく泣き続けた 122 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:00:41 たけし「卓郎、大丈夫かよ」卓郎「あぁ、あいつに比べりゃな」たけし「あいつと、何かあったのか」卓郎「…まぁな」 123 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:01:22 回想屋根裏部屋八幡「そこにいるんだろ。出て来いよ」卓郎「…気づいてたのか」八幡「ついさっきだけどな。何してんだ」卓郎「たまたまお前等を見つけてな、それで後をつけてきただけだ」八幡「そうか」 124 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:02:02 卓郎「美香、生き延びてたんだな。お前が助けたのか?」八幡「あぁ」卓郎「その…悪かったな」八幡「馬鹿か、謝るなら俺じゃねぇだろ」卓郎「そう、だな」八幡「どうしてあんな事をしたんだ?」卓郎「あの時は無我夢中で、どうかしてたんだ。美香には本当に悪いと思ってる」八幡「なら自分で会って直接言うんだな」 125 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:04:04 卓郎「そうしたいのは山々だが、それは…できないかもな」八幡「…死ぬつもりか?」卓郎「……なんで…そう思った?」八幡「さぁな、なんでだろうな。それで、お前何考えてんだ?」卓郎「さっき、ガソリンとマッチを見つけた。それで」八幡「あの怪物を倒すってか?無理だって自分でも気づいてるだろ」卓郎「…っ」 126 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:05:26 八幡「奴はああ見えて凄く俊敏だ。対峙したらそんな隙なんてない。」卓郎「不意打ちなら」八幡「あれが隙を見せるのは、獲物に気を取られている間だけだろうな。また誰かを犠牲にするつもりかよ」卓郎「…」八幡「美香を見捨てたのは許される事じゃねぇけどな、勝手な自己満足で死ぬのはもっと許されねぇぞ」卓郎「ならどうすれば…」八幡「自分で考えろ。ただ逃げはすんな。無様でも自分としっかり向き合え。どれだけ惨めでもな」 127 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:11:24 卓郎「…そうだな。なら一つ俺の作戦に乗ってくれないか?」八幡「作戦?」卓郎「あぁ、さっきのお前達の話を聞いて思いついたんだ。俺なりのせめてもの贖罪だ。あの怪物に一矢報いてやる」八幡「それで…勝算はあるのか?」卓郎「賭けになるが、ある。それでも乗ってくれるか?」八幡「…分かった、乗ってやる。それに…」卓郎「?」八幡「俺も、やられっぱなしは好きじゃない」 128 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:14:02 卓郎「んで、本当はあの時全員が逃げ切った後、後ろから隙だからけの怪物に一発ぶち込んで俺も扉から出る予定だったんだかな。」たけし「そんな事が」卓郎「あいつがつかまったのは予想外だったが、まぁ結果オーライだろ」美香「結果オーライじゃないわよ」 129 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:19:13 卓郎「!…美香……」重たい空気が漂う卓郎「……その、なんだ。すまなかった」美香「許すわけないでしょ。あんたはあたしを殺そうとしたのよ?」卓郎「…あぁ。それは本当に悪かったと思ってる…」美香「謝ったって絶対に許すつもりはないわ」卓郎「…」 130 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:19:41 美香「って、本当なら言うつもりだったわ」卓郎「え?」美香「でも、あんたは八幡を助けてくれた。あんたがいなかったら、八幡は間違いなく死んでいたわ」卓郎「…」美香「だからあんたにはムカついてるけど、感謝もしてる」卓郎「美香…」美香「八幡を助けてくれてありがと。これで、あたしを置き去りにしていったのは、チャラにしてあげるわ」卓郎「…美香、ありがとな」美香「ふん、わ、分かったらさっさと皆のとこ行くわよ」卓郎「あぁ、そうだな」たけし「ま、待ってくれよぉ」卓郎「おら、行くぞたけし」この時、三人はいつも通りの三人グループへと戻っていた 131 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:20:42 八幡「話は済んだか?」美香「うん、ありがと」八幡「俺は何もしてないがな」美香「ううん、ちゃんと話し合えって、言ってくれたでしょ」八幡「いや、それは普通だろ」 132 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:21:52 美香「それでも感謝してるのっ」ダキッ八幡「おい!わ、分かったから離れろって」美香「やーだ!」八幡「お、おい」美香「言ったでしょ?側にいてって」八幡「…ったく。わぁったよ」美香「ふふ、八幡だーい好きっ」こうして俺達の館の調査は幕を閉じ、街に戻る事になったただ帰り道、ひたすら周りからの視線が痛かったのは言うまでもなかった 133 : 六cUSuAHTH/k : 2014/01/20(月) 22:22:41 その後平塚先生は八幡達から話を聞き、八幡の怪我の様子からあの館が危険であると判断し学校に報告学校側も危険と見なし総武高校全校集会であの館への立ち入り禁止を決めたしかし総武高校の生徒の立ち入りがなくなっただけで町内ではいまだに面白半分であの館に忍び込む人間が後を絶たないその人達がどうなったかを知る者は誰もいないただ今も尚、あの館の噂を八幡は耳にする青いお化けが出る、と完 134 : 納豆丸@我が道を行く漢 : 2014/01/20(月) 22:27:17 乙良スレだった 135 : 六 : 2014/01/20(月) 23:04:14 感想ありがとうございますっo(^▽^)o 136 : 名無し : 2014/01/21(火) 17:58:15 美香って人可愛いな見たことないけど 137 : 名無しさん : 2014/02/14(金) 04:10:44 これは本ネタ使ってるのか? 138 : レオン : 2014/02/16(日) 20:15:57 いいねーおもしろいよー 139 : てにをは : 2014/04/22(火) 00:35:29 乙乙 140 : あるま@だ再誕 : 2014/08/18(月) 05:28:13 良スレでした。美香わいい 141 : ひろし : 2014/11/23(日) 17:24:23 これは青鬼復讐編を少し真似したのかな 142 : あtFKcvvOATw : 2014/11/24(月) 15:10:21 あ 143 : 名無しさん : 2015/07/16(木) 17:11:35 うまいな 144 : 名無しさん : 2015/07/17(金) 22:29:18 乙。ひろしは出なかったな 145 : 名無しさん : 2016/10/20(木) 21:37:19 ひろし「解せぬ」 148 : 名無しの@くん8ITHowjP1w : 2017/01/21(土) 06:24:39 最近アプリ出てたな 149 : 名無しさん : 2020/09/28(月) 11:20:37 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険 http://www.ssnote.net/archives/80410 恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団 http://www.ssnote.net/archives/86931 害悪ユーザーカグラ http://www.ssnote.net/archives/78041 害悪ユーザースルメ わたあめ http://www.ssnote.net/archives/78042 害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル) http://www.ssnote.net/archives/80906 害悪ユーザー提督、にゃる、墓場 http://www.ssnote.net/archives/81672 害悪ユーザー墓場、提督の別アカ http://www.ssnote.net/archives/81774 害悪ユーザー筋力 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