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夢ニ堕チル

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  1. 1 : : 2019/04/06(土) 01:14:27
    この世界は何時の日からだらうか、

    気が付けば狂気の沙汰も生易しい

    黒い泥の如し人々の”夢”に呑まれた。


    その中では、誰しもが願いを叶え続けられる。

         誰しも夢にまでみた事を

      毎日、毎時、毎分、毎秒に至るまで

     自分から止めてくれ、と願うまで

    或いは、ソレに呑まれて身が滅ぶまで。


    そんな、一見すれば天国の様な世界で
    唯一自分には、何も起こらなかったから

    ...否、


      ”自分だけが、その以前に。
         少しばかり人でなくなっていた、
                      故に”

    只一人、黒い泥に呑まれる世界を
    自分だけが認識出来ていた。

    此れは、その手記とでも呼ぶべき
    物なのだらう。
  2. 2 : : 2019/04/06(土) 02:22:27
    先ず、この悪夢が始まった
          その前日まで遡ろうと思ふ。


    その日は、冬の終わりとでも言えよう
       晴れきった寒空だった、と
            記憶している。


    とはいえ、景色は窓越しから
    見た物である。


    そして、窓が有ると言うのならやはり
    其所は部屋だった。

    それも”窓一つだけが設けられた、
         隔離室とでも言うべき
          白塗りの簡素な部屋。”


    ソコに自分が居る理由は...

     記憶が些か曖昧に為っているも、

      思い出す事が出来た。


    ”自分の身に人智を越えた力が宿ったから”

    ”それ故に、人でなくなったとされたから”

    ”そして、その事実が恐れられていたから”

    そんな事だった。



    でも、やがて訪れる黒い夢の様な世界で

    山の様に溢れた超人、神、魔王etc.etc.

    その中でこの力は小さく、そして

    意味の無い物に思える程に

    本当に些細な物だと、今では思う。


    さて、立ち返ってかの晩冬の一日に戻ろう。

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著者情報
garubatoronasux

マクータなturret

@garubatoronasux

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