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  1. 1 : : 2019/03/22(金) 22:37:30
    キャラクター紹介


    ガバイト(シェイド)
    懸賞金・無し ドラゴン・地面タイプ
    強さに憧れてクロスブレイドの入隊を希望したガバイト。日々誰よりも鍛錬を積み、実力を高めてはいるが未だにガブリアスに進化出来ずに悩んでいる。
    世界でも数件しか確認されていない剣術「天剣」の使い手であり、本人は自覚こそないもののギランも「いずれは世界の頂点に立てる奴」と言わせた。


    バシャーモ(ヒット)
    元懸賞金6億2400万円 格闘・炎タイプ
    クロスブレイドのリーダーであり、チームの最高戦力の1人。武器の扱いに長けており、数年前は殺し屋として恐れられていた。常に冷静だがたまに天然っぷりを見せるが、その強さ故にチームメイトからは絶大な信頼を寄せられている。
    足技が基本的な攻撃方法で「依頼者に血の付いた手を見せない」という自分の誓いで手を使って攻撃はしない。本気の時は使うらしい。

    クリムガン(ジード)
    懸賞金4億円・ドラゴンタイプ
    クロスブレイドの副リーダー、2番目の最高戦力。凄まじいほどの馬鹿力で相手を叩き潰す豪腕クリムガン。肉弾戦では百戦錬磨の実力者で、バトルコロシアムでは50戦50勝無敗という記録を残している。常に喧嘩っ早く、シェイドをスパー相手にする事がよくある。口が悪く、チームの不良と言われているが実力のある者は「愛のムチ」としてキツイ発言をする事もよくある。


    リザードン(コロナ)
    懸賞金8000万円・飛行・炎タイプ
    チーム唯一のメスのリザードンで、シェイドと同じ部屋で生活する事になる。常に明るく、シェイドを弟のように可愛がっている。元々人間に酷い目に遭わされた過去があり、あまり人間に対していい思いを持っていないが、無益な殺生や弱い者いじめを強烈に嫌う。優しいお姉さん感のある彼女だか実力は本物でシェイドを軽く押さえつける程の強さを持つ。飛行能力もホークと同格とされている。(速さならホークの方が上)
  2. 2 : : 2019/03/22(金) 23:01:11
    キャラクター紹介2
    ジュカイン(マッハ)
    懸賞金580万円・草タイプ
    シェイドと同年代で、クロスブレイドに推薦で入隊したジュカイン。性格は優しく、シェイドの強さを誰よりも早く認めて親友のように慕っている。チーム内に兄のルークがいるが、性格は全く違う。小柄な体格だが、身体能力はズバ抜けており、そのトリッキーな動きで相手を混乱させて攻撃するスタイルを主体とする戦い方をする。
    ルークの強さに憧れて同じチームに入隊したが、その実力差で少し挫折する事もあったが周りの批判を気にせずに鍛錬を積むシェイドに奮起されて再び兄の背中を追うことを決心する。

    ジュカイン(ルーク)
    懸賞金3億9450万円
    左目に大きな傷があるジュカインで、マッハの兄。驚異的なスピードを誇り、鍛え上げられた身体で壁や天井も自由自在に飛び回る事ができる。大切な弟を守るためにチームに来たが、マッハも入隊した事であえて厳しく接して自分の強さを知られないようにしている。
    かつてバトルコロシアムでギランと死闘を繰り広げ、左目に巨大な傷を付けられて敗北し、ギランを強く恨んでいる。
  3. 3 : : 2019/03/23(土) 08:35:39
    キャラクター紹介3
    ウォーグル(ホーク)
    懸賞金1億800万・飛行タイプ
    チーム内で最も飛行能力が高い1人。力も強く、岩を持ち上げて上空から投げ落としたり荒々しい一面を見せるが根は優しい人物であり、傷を負ったシェイドを乗せて運んだり、技の実践相手になってやったりと後輩思いの先輩である。
    必殺技のブレイブバードは音速を超える速度にまで加速し、相手の体を貫く事もできる。






    敵キャラクター
    キリキザン(ギラン)
    懸賞金7億円・鋼・悪タイプ
    長年バトルコロシアムのチャンピオンに君臨し、ヒットを唯一撃破した実力者。2年前にバトルコロシアムで虐殺行為を行い、チャンピオンの名誉剥奪、永久追放されだ。今は名前すら知らない人も多いが、それは政府の手によって名前を隠蔽されているからである。あまりにも活動が無いため政府は既に死んでいると思っていたが、実は社会の裏に溶け込んで生き物を殺し、自分の実力以上の相手を探していた。血を見るのが一番の趣味で相手を痛めつけながら着実に命を狙う危険な攻撃方法で相手をじわじわと追い詰める。ヒットの蹴りを食らった右腕の刃の一部が少し欠けているのが特徴。


    マニューラ(メア)
    懸賞金5億1000万円・悪・氷タイプ
    ギランの右腕として暗躍しているメスのマニューラ。冷気を纏った鋭い爪で相手を切り裂くと同時に相手の体を一瞬にして凍りつかせる特殊能力を持つ。普段は浮かれた女子高生のような性格をしているが、相手を殺すときは全く躊躇わない危険な性格をしている。
    任務中にシェイドと遭遇し、一度は襲いかかるがシェイドの潜在能力を察知し、退散すると同時に一目惚れした。シェイドを自分のものにしたいという強い執着心を持つようになり、シェイドを狙う。
  4. 4 : : 2019/03/23(土) 08:47:37
    敵キャラクター紹介2
    ゾロアーク(レイズ)
    懸賞金無し・悪タイプ。
    メスのゾロアークで戦闘時には顔を隠すチタン製フェイスマスクを付けている。クロスブレイドのチームを強く恨んでおり、過去彼らに何かを奪われたと語るが本人の記憶が思い出せず、日々苦悩している。シャドークローで相手を切り刻む残虐性を持つ一方、瀕死の相手に攻撃するのを少し躊躇うような姿も見せる。
    過去人間社会にうまく馴染めずにトレーナーに捨てられ、保健所で凄まじい程の拷問を受けた過去を持ち、そこはコロナと似たような一面もある。


    ルギア(シャドー)
    懸賞金無し・エスパー・飛行タイプ
    伝説のポケモンである一方、裏では「人喰い」の異名持つ危険人物。表は非常に優しいが、連れ去った相手を残虐拷問、捕食するといういわゆるサイコパスという者。ホークを狙い、あと少しで捕食する所をシェイドに妨害されて失敗に終わるが、今度はシェイドに狙いを付けて捕食することに成功する。
    体内で窒息死させる寸前でシェイドに暴れられ、内臓に深いダメージを負うが消化液でシェイドにも重いダメージを与えた。
  5. 5 : : 2019/03/23(土) 22:37:20
    強くなりてェ…………















    誰もが一度はそう思ったことがあるだろう。
    だが、奴だけは力への執念が違った。












    「畜生…畜生ッ……!」

    全身ボロボロになった1匹のガバイトが森の中を足を引きずりながら歩いていた。

    「母さん………!」

    口からは血が流れ、腕は内出血を起こして腫れている。

    だが、迷い込んだこの森は食物連鎖が激しく、レベル45の彼とは違い周りのポケモンは全てがレベル70以上の非常に危険度が高い森だった。

    そんな事はつゆ知らずガバイトは切り株に座り込んだ。冷たい雨が全身を濡らし、体温を奪っていく。

    「もう何日飯食ってないかな……」

    腹減り過ぎて眠くなってきた……最後くらい暖かい場所で休みたかったぜ………












    目を覚ますと、体の上に毛布がかけられていた。

    「目を覚ましたか」

    振り向くとそこにはバシャーモが立っていた。

    「ずいぶん衰弱していたなお前、あんな森で何も持たずに何してたんだ」

    「あ、ありがとう…ございます」

    「お礼なんかいらない、俺達の使命はどんな命をも救う事だ」

    「あなたは…一体……?」

    「……俺の名はヒット、元殺し屋だ」

    「こ、殺し屋!?」

    「フッ……古い話さ…ほら、これ飲め」

    ヒットが差し出したのは深緑色のトロリとした液体が入ったコップ。

    「げっ…何これ」

    「トワの葉を煎じて煮詰めた薬だ、お前の体には十分過ぎるくらいの回復が望めるぞ」

    「うぅ……でもパッと見モンスターのゲ○みたいな……」

    「グズグズ言わないでさっさと飲め」

    ヒットはガバイトの口を開けると強引に薬を喉に流し込んだ。

    「んげほっ、げほっ!気管に入ったら危ねぇだろ!」

    「元気あるじゃねぇかよ、俺はもう行くぞ」

    「行くって……何処に?」

    「基地にだ」

    「基地?」

    「強い者が世界を救うために結集したチームの基地さ、世界政府の連中が建てたモンさ」

    「つ、強い者達が結集したチーム……」

    「さて、これからは気を付けて生活しろよ」

    ヒットが背を向けて歩き出した時だった。

    「待ってくれ!」

    「ん?」

    「俺を……俺も連れて行ってくれないか?」

    「何だって?」

    「俺もそのチームに入って強くなりたいんだ!」

    「フッ、お前がチームに?最終進化もしてないお前がか?」

    「うっ…………」

    「とにかく、変な妄想はよせ。チームなんかろくな事…」

    「関係ないですよ」

    「あ?」

    「俺は……もう誰にも負けたくない……俺は、今の俺を超えたい!もっともっと強くなってみんなから頼りにされたい!」

    「自己満足や名誉目的ならやめた方がいいぞ」

    「名誉なんかいらない…!」

    「!」

    「俺は…………さらなる高みを目指して全てを超えたい……勿論…アンタらも全員超えて!!」

    「……………お前、名前は?」

    「し、シェイド」












    迷いのカケラすら無ぇな…











    「分かった、付いて来い」

    シェイドはヒットを追いかけて朝日へと向かって行った

  6. 6 : : 2019/03/23(土) 22:38:17
    1章・伝説の片鱗
  7. 7 : : 2019/04/01(月) 07:38:17
    期待DEATH☆
  8. 8 : : 2019/04/20(土) 22:34:00
    1時間ほど歩くと、森の中の小さな池にたどり着いた。

    「こ、ここが入り口か?」

    「ああそうだ。おい、入団希望者だぜ」

    「ヒット隊長ですね、了解です」

    木に付いている拡声器から声がすると、池の真ん中から銀色の扉が現れた。

    「さぁ、ここからはお前の実力次第だ。俺のお墨付き貰ったんだから安心しな」

    「え、俺だけが行くのかよ?」

    「当たり前だろ、お前入団希望者だろ?」

    「ま、まぁ一応……」

    「よし、行ってこい、ちゃんと俺が審査してやるからよ」

    「わ、分かった。約束だぞ?」

    「おう」













    シェイドは恐る恐る扉を開けると、そこは地下に続くエレベーターだった。

    「すげぇな…」

    エレベーターに乗って地下へ降りること数分、扉が開くとそこは屈強なポケモン達がたくさんいた。

    「うぉぉぉぉぉ……!すっげぇ広さ……!」

    サッカーコート5面分はある広さのフィールドが窓の外から見える。

    「てか……周りの奴ら迫力がすげぇな…」

    確かに周りのポケモンはシェイドと違い最終進化もしており、見た目もイカつい。


    場違い感ヤバい


    シェイドが思わず息を飲んだ時だった。



    「君も希望者?」

    「え?」

    不意に声をかけられ、思わず身構えたが振り返るとそこには不思議そうに覗き込むジュカインがいた。

    「すごい緊張してるっぽいから声かけてみたんだ、僕マッハ、君は?」

    「お、俺はシェイドだ」

    「それにしても……シェイド君強そう」

    「え?」

    「正直言うと周りの奴らより強そうに見えるよ、他の人達も絶対カバイトだからってナメてるし」

    「そ、そんなことないと思うぜ…?」

    「とにかく、2人で一緒に合格しよう!」

    「ああ!」

    シェイドとマッハはガッチリと握手を交わした。

  9. 9 : : 2019/04/20(土) 23:03:09
    「世界平和維持組織、クロスブレイドへ入隊希望の皆さん、我々の組織に入隊希望誠にありがとうございます。これより、入隊に向けて実戦形式のバトルによる審査を行います。本日集まっていただいた合計人数は50人、この中で2人が合格となり、入隊決定となります。審査はクロスブレイドのメンバー全員によるものになります。また、試合は30分の一本勝負、どちらかが戦闘不能になるまで行います。また、道具の使用は1回だけとします。ただし、メガストーンや脱出装置などの使用は禁止します」

    長いルール説明を受け、シェイドは戦闘準備を整え始めた。

    「道具って何だよ…俺持ってねぇぞ……!」

    シェイドは困惑してながらも準備体操をして体を温めていた。












    「で、どーよ今年の希望者は」

    モニターを見ながら肉を食べるクリムガンがヒットに尋ねた。

    「そうだなぁ……パッと見推薦者ともう1人以外はいねぇな…」

    「え?もう1人?誰か他に推薦者なんかいたの?」

    隣のリザードンが素早く反応した。

    「ふっ……見れば分かるさ…」

    ヒットは不敵な笑みを浮かべた。











    30分後、シェイドが試合に備えて待っていると、マッハが帰ってきた。

    「僕勝ったよ!」

    「おお!おめでとよ!俺も絶対勝ってくるぜ!」

    「うん、頑張ってね!」


    その頃、別室では………












    「ぐあっ!く、くそ…何だお前……!?」

    全身傷だらけのボーマンダが凍った右脚を引きずりながら何かから逃げている。

    「ん〜…貴方の血は美味しくない……だから責任取って死んでね?」

    「な、何を言って……!」

    壁に鮮血が飛び散った。

    ビチャ……ビチャ……ビチャ……

    水に濡れた床を歩くような音が廊下に響き渡る。

    「次のターゲットは……あの子ね…♪」

    不気味に赤く光る目がシェイドを睨みつけていた……

  10. 10 : : 2019/05/05(日) 20:26:29
    「次、49番、50番。戦闘準備を整えて10分後に戦闘フィールドCに集合して下さい」

    放送が流れるとシェイドは水を飲みながら準備を整える。

    「次の相手聞いた?」

    「え?何か特徴あるのかよ?」

    シェイドとマッハに助言を求めていた。

    「そうだね……確か君の対戦相手はボーマンダのグレンっていう奴だった気がする…だけど君の方が戦闘能力は上の気がするけどね」

    「そ、そうか?ありがとな」

    「とりあえずドラゴンダイブや逆鱗に注意すれば何とかなるんじゃない?」

    「うーん……まぁ俺は本番に強いタイプだからぶっつけ本番でやってやるさ!」

    「な、なんか危なそうだけど…とにかく頑張ってね!」












    シェイドは戦闘フィールドCにやってくると身体を動かして準備を整えていた時だった。

  11. 11 : : 2019/08/11(日) 19:37:45
    「49番が実戦形式試験を棄権した為、50番は臨時の相手を招集しました」

    放送が流れると同時に扉が開かれると、そこにはとんでもない相手がいた。

    「おうガキンチョ、俺が相手だ」

    相手はクロスブレイドの副隊長、最高戦力の一角。

    「じ、ジードかよ……!!」

    不敵な笑みを浮かべるクリムガンは指をポキポキ鳴らしながらシェイドを睨む。

    「それでは、実戦形式スタートです」


    スタートの合図が鳴った。

    「あいつ、終わったな」

    「大体最終進化してない時点で合格は絶望的さ」

    周りの声が聞こえてくるが、シェイドは気にもしていなかった。

    (この人はマジで気を緩ませると一気にやられる…何とか隙を伺って攻撃を……)

    「甘いぜ新人!」

    ジードはとんでもないスピードで突っ込んできた。

    「うぉ!?」

    そのまま右ストレートをシェイドの脇腹を狙って打ってくる。

    (な、なんつースピードだ、ガードを……!)

    咄嗟に左腕で脇腹をガードした、だが、それが裏目に出た。



    ミキィッ……!


    湿った木の枝が折れるような音が響いた。

    「ぐうっ……あ…!」

    そのまま大きく吹っ飛ばされ、力無く地面を転がった。

    「おいおいワンパンで終わりかよ!?もっと楽しませてくれやぁ!!」

    シェイドは激痛に耐えながら必死で立ち上がる。

    (半端ねぇスピードに手抜きのパンチ一発で骨を折るこのパワー……化け物め…!)

    「何も出来ねぇまま終われるかよ!!」

    シェイドは「切り裂く」でジードに斬りかかる。

    だが


    「んんー、弱っちいなぁルーキー」

    大木をも切断する自慢の「切り裂く」が、ジードの頭に軽く跳ね返された。

    「か、硬って…」

    「終わりだ」

    ジードはシェイドの首を掴むと、そのまま渾身の力で地面に頭から叩きつけた。


    「ゲホッ…………!」


    脳が揺さぶられ、シェイドの意識が遠くなる。視界が白くなり、とうとう幻を見始めた。
  12. 12 : : 2019/08/11(日) 19:55:52
    ときのほうこうズドーーン!



    ちゃん、ちゃん!
  13. 13 : : 2019/08/12(月) 08:29:52
    誰よりも進化するのが遅く、同じ歳のカバイト達が次々にガブリアスへと進化する中、シェイドだけはガブリアスのままだった。

    周りに置いていかれる中、シェイドの母だけはいつも優しくこう言った。

    「誰だっていつかは必ず成長するのよ、だからあなたは胸を張って生きなさい」

    だが、シェイドの母は2年前、人間の手によって捕らえられ、何処かへと連れて行かれた。


    「母さん!!母さん!!!」

    ギガイアスに足で押しつぶされながら必死に叫んだ。

    「必ず戻ってくるからね…その時まで必死に生きて……!」


    母の弱々しい最期の声がシェイドにははっきりと聞こえていた。












    「おいヒット、こいつどうするんだよ?」

    「フッ、流石にあのバカ相手には勝てなかったか…医療班を呼んで奴の手当てを…」

    その時だった。


    ジードの尻尾に何かが捕まった。


    「ま、まだ……終わって…ねぇぞ…!」

    頭から大量の血を流しながら、鬼のような形相でジードを睨むシェイドがいたのだ。

    「そのダメージでなんで立ち上がれる…普通は脳が揺れたら意識障害でまともに動けないはず…」

    「や、やり残したことがあるんだ…!」

    両腕の「切り裂く」が次第に青い色のエネルギーに変わっていく。

    「せめて1発……あんたに浴びせてやるんだよ!!」


    地面を蹴り、「ドラゴンクロー」を一閃させた。



    衝撃波が辺りを襲い、フィールドは砂煙に包まれた。


    だが無情にもドラゴンクローは空振りに終わった。

    (だ、ダメだこりゃ……勝てねぇわ…)

    力無く地面に倒れたシェイドをジードは驚いた顔で見つめていた。


    「こ、コイツ……なんだ今の…」

    岩のように硬いはずのジードの頰には、小さな切り傷が出来ていた
  14. 14 : : 2019/09/08(日) 21:06:08
    「………………う」

    強い光でシェイドは目を覚ました。

    「おい、目ぇ覚ましたぞ!」

    周りを見渡すと、ヒットやジードの他にも沢山のポケモン達がいた。

    「よう、お目覚めかルーキー君」

    ヒットはシェイドの頭を豪快に撫でた。

    「そ、そうか……俺負けちまったのか……」

    「ああ、お前の完敗だ」

    「………………だが、俺はお前が持っているその能力に目をつけた」

    「え?」



    無自覚か…………



    ヒットは笑みを浮かべた。

    「お前は俺に会った時に強くなりたいって言ったよな、なぜお前はそこまで強さを求める?」

    「………俺はガキの頃から弱かった…誰も守れなかった…家族も……友達も……これ以上俺は大切な人を失いたくない、失うなら死んだ方がマシだ」

    「いいか、俺達の戦闘につまらない正義感はいらないんだ。半端な覚悟の奴があればチームの歯車が狂って崩壊する。お前はこれからもっと苦しく辛い事が起こるだろう。それを乗り越える精神力がないとここでは何も出来ないぞ」

    「覚悟はとっくに決まってるさ……ジードと戦う時から既に死ぬ覚悟は出来てる!!」

    「…………迷いなし、か」

    ヒットは立ち上がった。




    「合格だ、今日からお前は俺達のメンバーだ」

    「え?」

    「ついでに、こいつもお前と一緒に入隊だ、仲良くしろよ」

    「合格おめでとう!これからは一緒の仲間だね」

    「お前は確か……マッハだっけ…?」

    「そうだよシェイド君、よろしく!」

    「そういう事で、今日からここで生活するぞ、シェイドは708号室、マッハは710号室だ。中にお前らの面倒を見る奴らがいる、仲良くしろよ」




    こうして、シェイド達の新たな生活が始まる。

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