このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
裏のヒロイン
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- 1 : 2019/01/31(木) 15:03:00 :
- 「今日はありがとうございましたー!以上オレンジガールズでした!」
「それでは!次のアーティストさんにバトンタッチしまーすっ!」
私は精一杯の笑顔を客席に見せ、メンバーとともに舞台袖へ。
色とりどりに光るペンライトは、明るくとてもきれいだった。
比喩するのなら、それは雪原。
明るく眩しい、北の雪原。
雪というものは自然独特の顔を見せてくれる。
時に優しく溶けて言ったり、時に激しく降り積もったり。
時に―――-‐
二つの意味で、人の心を奪ったり。
声援が聞こえなくなると同時に、私は自分に戻る。
あぁ、何でこんな仕事続けてるんだろう…
なぜ客から見た私たちは綺麗で、妖艶で、華やかで。
なぜこちらの人間になると、腐って、地味で、汚いのだろう。
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- 2 : 2019/01/31(木) 15:10:47 :
- 「ふー、おつかれー」
同僚が一声私たちに声をかけてきた。
労いの言葉をかけはするが、本当に疲れるのはここからだということをみんなは知っている。
だから、この先の言葉は誰も発さない。
マネージャーの下に集まり、指示を煽る。
今日はこの後バラエティ番組への出演。
CMの撮影。
モデル撮影会。
各々予定が入っているようだ。
・・
「んでもってわたしちゃん、君は…残業ね?」
「…はい」
同僚の声が耳に入る。
可愛そうだよね、予定ない子には毎回こんなことさせるなんて―
そろそろ脱退しようかな―
そう、思っていることは皆同じ。
憧れを抱いて入ってきた頃の私たちはもういない。
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- 4 : 2019/01/31(木) 15:20:20 :
- マネージャーに連れられて、今日の会場の一角にある部屋の前に案内される。
「ははっ!俺にもっと権力があれば、お前らをこんな目に合わせる事なかったのになっ……!」
プルプル震えている彼の目には大粒の涙が浮かんでいた。
もう…そんな顔しないで下さいよ…
そう言いたくなったが、口を噤む。
私なんかに同情されたところで、彼の罪悪感が膨らむだけだ。
大きく首を横に振り、目の前のドアをノックした。
コンコンッ
「…お疲れ様です、オレンジガールズの私です」
・・・・
「今日もレッスン、よろしくおねがいしますっ!」
すすり泣くマネージャーの声が後ろから聞こえた。
私はその音とは反対側に足を運んだ。
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- 5 : 2019/01/31(木) 15:21:33 :
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- 6 : 2019/01/31(木) 15:36:14 :
- 「う~ん、いい舌の使い方になってきたじゃないか!」
「う゛…あ、ありがとうごふぐっ…ます…」
そんなの本心じゃない。
こんないい年したおっさんの竿なんて触りたくもない。
そんな重いとは反対に、私は口に頬張り続ける。
「そんなにおいしいのかい?うれしいねぇ!」
そんなことない、今すぐに噛み千切ってこのジジイを殺してやりたい。
汚い。
臭い。
吐きそう。
死にたい…
死にたい…
「はい…とてもおいしいですっ!」
口から出るのはマイナスの方向に動かす言葉だった。
「そうかい!ならもっとおいしいもん飲ませてやるからなぁ!」
乱暴に髪をつかまれ、奥まで肉棒を突っ込まれる。
あぁ、そうか…
今日ここで歌えたのも、誰かがこんなことしてくれたからなのか…
それなのに平然とした顔でお疲れだなんて…
強引に揺さ振られる頭部で、そんなことを考える余裕があるのだろうか。
いや、実際あるのだからこうして言葉が出てくるのだろう。
やはりここは地味で、汚くて…
腐ってる。
口内の最奥に熱いものを感じる。
大きくむせ返って、口から吐き出される。
まだ注ぐ途中だった液が顔にかかる。
「おやぁ?悪い子だねぇ、零しちゃうだなんて…」
じりじりと詰め寄る男性相手に、私は何も行動できなかった。
「お仕置きが必要じゃないかな?」
あぁ、もうどうにでもなれ。
どうせもう汚れた身体なんだ。
これ以上汚れたって構わないだろう。
私は考えるのをやめ、身体を委ねた。
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- 7 : 2019/01/31(木) 15:38:18 :
- fin
この作品はフィクションであり、実際の個人、団体、事件、業界などには一切関係ありません。
枕なんておそらく少ないでしょうが、新たなジャンルに挑戦したいなと思い書かせていただきました。
拙い表現もあったでしょうが、ここまで見てくださりありがとうございました。
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