ssnote

x

新規登録する

このスレッドの編集には編集パスワードが必要です。

表示するレスにはチェックしを、表示しないレスはチェックを外してください。

▼一番下へ

  1. 1 : : 2013/10/09(水) 20:30:11

    前前前作:アニ「碧の目と南十字星」
    http://www.ssnote.net/archives/466

    前前作:エレン「2つ目の太陽」
    http://www.ssnote.net/archives/508

    前作:アニ「君と紅茶と石炭袋」
    http://www.ssnote.net/archives/618

    この転生バージョンです


    時は現代。
    高校生として生きているアニとエレンの物語。

    (日本的な設定なのに名前がエレンっていうのは突っ込まないで(゜Д゜)Σ)
  2. 2 : : 2013/10/09(水) 20:33:39
    見ているぞ(☆。☆)
  3. 3 : : 2013/10/09(水) 20:39:28
    待ってまーす
  4. 4 : : 2013/10/09(水) 20:39:32


    アニ(・・・)

    アニ(あぁ・・・眠い)

    アニ(もう、昼か)

    アニ(・・・)

    アニ(起きるか)


    アニはベッドから降りて床に足をつける。窓から降り注ぐ光はアニのこがね色の髪を輝かせた。

    アニ(着替えよ)

    寝起きの目をこすりながらアニは着替えを探る。床に散らかった雑誌や服をかき分け、今日着る服をやっとこさ見つけ出した。
    シャツのボタンを留めながら、今日もまた変わらぬ一日が始まったことを憂う。

    アニ(ごはん、食べよ)

    アニは部屋のドアを開け階段を下り、リビングに入った。アニにとっては慣れっこであったが、そこには人の姿はない。

    アニ(たしか・・・昨日の夕食の残りのサラダがあったはず)

    アニ(後は味噌汁でも作るか)

    手慣れた手つきで鍋に火をかけ湯を沸かす。10ほどたって食欲をそそる良い香りが立ち上ってきた。
    出来上がった味噌汁とあまりもののサラダと冷えたご飯を机に運ぶ。

    アニ「いただきます」

    一人ぼっちで食べる食事も、アニはもう慣れっこであった。




  5. 5 : : 2013/10/09(水) 20:40:10
    (っ`・ω・´)っフレーッ!フレーッ!(o`・ω・´)oガンバ!!
  6. 6 : : 2013/10/09(水) 20:40:17
    >>2
    >>3

    あざす

    今回は今までと書き方を変えてみたいと思います
  7. 7 : : 2013/10/09(水) 20:45:17

    アニ「・・・ごちそう様」

    アニは目の前のからの食器に向かって両手を合わせる。まったく、一人きりの食事になんだってこんな儀式が必要なのだろうか。アニはよくそう思ったものであったが、今となっては習慣となっていて特に気にすることはなくなっていた。

    シャー

    食器を水で流す音が響く。アニは表情を変えずにスポンジに洗剤をつけ、食べ終わった茶碗を洗う。

    アニ「終わった」

    アニ「さて、今日は何をしようか」


    時計の針は午後1時を指している。


    ふつうの高校生であればこの時間、学校へ行き昼食を食べたり授業を受けたりしているだろう。アニは16歳。高校2年生だ。

    それなのにアニは学校へ行くそぶりも見せない。


    アニ「・・・街にでも行くか」


    アニは玄関の扉を開け、外に出る。ちゃんと鍵をかけたことを確認して歩き出した。



  8. 8 : : 2013/10/09(水) 20:53:49

    アニはふつうの16歳ではない。学校へ行っていない、ということを含めなくてもだ。学校に行かないというのは不良にはよくある傾向だ。アニは断じて不良ではない・・・とはいいがたいが、少なくとも見知らぬ人からカツアゲをしたり、自ら暴力をふるうといったことはしない。見かけはただのか弱い乙女だ。

    スマホをいじりながら電車に乗る。都心まではそう遠くはかからない。

    アニは特にすることもなくスマホをいじる。しかし、アニのアドレス帳には誰の名前も入っていない。


    アニ(人が少ないな。まあ、ひるだから当たり前か)



    アニは電車を降り改札口へ向かう。行先は決まっていない。どこぞの大型ショッピングモールをぶらぶらするか、興味もない映画を見るか、選択肢はいくらでもあった。

    アニ(もう10月っていうのにこの暑さはなんだろうねいったい)

    アニ(まったく、シャツの上にセーターなんて着てくるんじゃなかったよ)

    アニは内心ぼやきながら人ごみに交じって歩き始めた。
  9. 9 : : 2013/10/09(水) 20:58:14

    14歳までのアニはいたって普通の女子学生であった。

    社交的ではないにしても、別段冷たいわけでもない。

    多少愛想はなかったかもしれないが、話しかけられれば答えるし友達も少なくはなかった。

    学校には毎日行き、仲の良い友達と食事をとり、たまにこの年に相応のガールズトークなるものに参加したりしていた。

    幼馴染のライナーとベルトルトやクラスメイトのコニーやサシャ、普通に楽しい学校生活を送っていた。


    あの日までは。


  10. 10 : : 2013/10/09(水) 21:01:13
    …………
  11. 11 : : 2013/10/09(水) 21:02:02
    アニ......
  12. 12 : : 2013/10/09(水) 21:02:55
    >>アレンさん あざす
    いつも、SS参考にさせてもらってます


    ウィンドウショッピングを終えたアニは特に行くところもなくぶらぶらと歩いていた。アニは暑いのが苦手だ。彼女は日光を避けるため人通りの少ない裏路地へ入った。

    平日の昼に裏路地にいる者の相場は知れている。売れないミュージシャン、インチキな占い師。

    そして不良だ。

    案の定、彼女が踏み入れた場所にもヤツらはいた。

    アニ(めんどくさ)

    アニはそんな彼らに目もくれず素通りをしようとした。が、彼らは同意見ではなかったらしい。人相の悪そうな2人組が声をかけてきた。

  13. 13 : : 2013/10/09(水) 21:14:41

    不良1「なあ姉ちゃん。かわいい顔してるじゃないの」

    2「ちょっとおれらと遊んで行こうぜ」

    アニはため息をつきながら振り返る。本人はそんなことは思ってもいないのだが、彼女の顔立ちはとても美しかった。透き通るほどの白い肌にやわらかい金髪、そして空を映したような蒼い目をしていた。

    アニ「アンタら、人に見つかったらまずいことになるんじゃないの?」

    1「大丈夫だって。ここには人は来ねえよ」

    2「それに、な。遊ぶのはここじゃなくてホテルに行ってからだし」

    1「ハハ八っ!ちげえねえ!」

    不良からしてみれば、160センチにも満たない(見た目には)華奢な女の子が何をしようと自分たちの敵ではないと思っているのだろう。大声を出されたって2り係で取り押さえれば何の問題もない。そのあとはホテルに連れ込んで、やりたいことやっておさらばだ、と。

    たしかにその論理は間違っていない。

    ただ、一つ欠点があるとすれば

    それはアニが普通の女の子ではないことだ。


    アニ「分かった。3秒数えてやるから、そのうちに逃げ出しな」

    1「え~~?何言ってんの?」

    アニ「3」

    2「お前、自分がどんな状況かわかってねえみたいだな!」

    アニ「2」

    1「じゃ、とりあえずついてきてもらおうか」

    アニ「1」

    2「ほらほら、行くぜ」

    アニ「・・・」


    アニ「フッ!!」


    バコン!!金属バッドで電信柱をぶん殴ったような鈍い音とともに、不良の首めがけてアニの足が飛んだ。

    1「ッ!!カハッ!!!」

    蹴りを淹れられた不良はその場に崩れ落ちた。それを呆然と見ていたもうひとりは、自分がアニの腕につかまれていることに築くのに数秒かかった。

    2「!なっ・・・」

    アニは左手で不良の手首を持ち、右手で顎を抑え、右足で思い切り不良を蹴り上げた。


    ドスッという音とともに頭から地面にひっくり返った不良は気絶して、その無様な態勢を立て直すことすらできなかった。


    アニ「次はもっとか弱い乙女に声をかけるんだね」


    伸びた二人を後にしてアニは歩き出した。
  14. 14 : : 2013/10/09(水) 21:16:36
    あ………ありがとうございます(^^♪

    僕なんかので参考になりますか?
  15. 15 : : 2013/10/09(水) 21:27:12
    アニエレですか?
  16. 16 : : 2013/10/09(水) 21:36:45
    >>アレンさん
    僕のSSにコメントをくださる方のSSはほとんど読んでます!
    アレンさんの中だと「アニの夢」が僕は好きです\(^o^)/


    アニ(はぁ)

    アニ(またやってしまった・・・)

    アニ(痛っ)

    アニの右足は捻挫をしたかのように青くなっていた。

    アニ(そりゃ、この体だからか・・・)

    アニ(・・・)

    アニ(なんで・・・なんで)

  17. 17 : : 2013/10/09(水) 21:37:36



    あの日もそうだった。

    学校からの帰り道、ライナーとベルトルトと別れて家に帰る途中、寄り道がしたくなったのだ。

    なぜその日に限ってそんなことを思ったのかはわからない。しかしそれも運命というものなのだろう。

    本屋により、いつもは買わない雑誌を買い、家に帰ろうとした。

    ちょうど、ライナーの家の前を通りすぎる時だった。


    「君、かわいいね。今からおれらと遊びにいかないかい?」

  18. 18 : : 2013/10/09(水) 21:37:43


    見知らぬ2人組に声をかけられた。

    アニ「いや、いいです。急いでるんで」

    早足にその場を去ろうとした。しかし

    「いいからさぁ~!ほら、おれらと一緒に行こうって」

    「いや、ここでもいいんじゃね?暗いし、誰も見てねえよ」

    「それもそうだな。じゃあ、ここでやるか」


    突然彼らに押さえつけられ、制服をつかまれた。

    これは、まずい。直感でわかった。とっさに大声を出そうとしたが、口を押えられた。生まれてこの方護身術なんてならたことのない身だ。どうしようもなかった。

    「へぇーいい体してんじゃないの」

    「や、やめて」

    服の中に汚い手が忍び込んでくる。アニは気が狂いそうだった。

    「た、助けて!」

    「そんなかすれ声で叫んでも誰も来ねえよ!」

    恐怖のあまり、アニの声はその役割を果たしてなかった。体をつかまれ、道路にうつぶせで抑え込まれた。もう助からない。そう思った時


    アニの頭に電撃が走った


    この光景は・・・どこかで見たことがある。自分がいつも見ているよりも高いところから、同じように抑え込まれ地面を見たことが。


    その瞬間、アニの体が勝手に動いていた。


    無理やり反転し、押さえつけていたものの首に自分の足をかけ、そのまま相手の頭を道路にたたきつけた。生まれてこの方、運動などに興味を持ったことのない女性にしてはその力は異常だった。即死だった。

    その光景を見ていたもうひとりは恐怖を覚え逃げ出そうとした。しかしアニは、その腕をとり自分がされたのと同じように相手を地面に組み伏せた。そして、相手が起き上がらなくなるまで道路に頭をたたきつけた。


    「おい・・・アニ、何してんだ?」


    見上げると、ライナーが立っていた。その姿を見てアニは正気に戻った。そして、自分が殺した2人の男を見た。


    「大丈夫か?アニ?」


    ライナーの言葉に、アニは震えだした。そして、逃げ出した。


    「アニ!おい!アニ!」


    後ろから追いかけてくるライナーの声を無視し、家へと走った。

    家に入ったアニは、血まみれの制服を破り捨て、風呂に入って体をこすった。こすってもこすってもアニの手からはその感触は消えなかった。


    思い出してしまったのだ。

    前世に生きた

    アニ・レオンハートを



  19. 19 : : 2013/10/09(水) 21:45:31

    その日からアニは変わってしまった。

    今、この世界で生きているアニ・レオンハートと

    前世に生きたアニ・レオンハートの2人が存在した。


    巨人として、人類を滅亡させるために生きた前世で、アニはたくさんの人を殺した。あの世の中は、生きるか死ぬかの世界。強いものは生き残り、弱い者は死ぬ。わかりやすいほど残酷な世界だった。

    だからと言ってアニがそのことに何の疑問を覚えなかったわけでもない。罪の意識にさいなまれ宿舎でみなが寝静まった後、一人で泣いていた。誰にも心を開かず、一人で生きようとした。

    自分が握り殺した人や蹴り殺した人の顔にうなされたこともあった。


    そして・・・つかまったのだった。


    何より不幸だったのは、現在のアニの周りには前世でアニの周りに生きていた人がたくさんいたということだった。104期の訓練兵のコニーやサシャ、ジャンやクリスタやユミル、同じ巨人として人類滅亡をたくらんだライナーやベルトルトは幼馴染であった。

    どうして、こんなにも世界は残酷なのだろうか。

    アニはこの時代に生まれた自分を呪った。

  20. 20 : : 2013/10/09(水) 21:52:56

    アニ(・・・あっつ)

    相変わらず10月とは思えない暑さだ。もうすぐ4時になるのにもかかわらず気温は高いままだった。今日は、ウインドウショッピングにゲーセン、軽く本屋によって雑誌を見た後、一人で喫茶店に来ていた。

    頼んだコーヒーを飲みながら、これからのことを考えていた。


    アニ(今日は父さんは出張とか言ってたな)

    アニは父子家庭である。幼いころから母親がいないことに周りからは同情もされたこともしばしばだったが、アニにとってはそんなことはどうでもよいことだった。

    父はアニに多くの愛情を注いでくれた。アニもそれで幸せだった。一緒に川へ遊びに行ったり、遊園地には何度も行った。

    しかし、あの日以来、アニは父親を避けるようになっていた。

    今のアニの父は前の父とは違い、痩せていて、柔和な顔つきだった。そんな父はアニに避けられるようになっても、変わらず接しようとしてくれている。

    アニは何よりそれがつらかった。

  21. 21 : : 2013/10/09(水) 22:02:37

    アニは今、喫茶店に入ってきた一人の男を見ていた。

    よくは思い出せないが、どこかで会ったことがあるような・・・

    アニ(誰だっけ?)

    アニ(中学の友達かな。わかんないや)

    アニは、彼を見つめた。

    不意に、彼はこちらを向いた。アニは目をそらす暇もなくその目を見た。


    心臓が止まったかのようだった。


    その黒髪は無造作にはねていた。

    その少し日に焼けた肌はあの頃と変わっていなかった。

    その目は輝いていた。


    その、碧の目は。


    彼はエレン・イェーガーだった。

    戦士としての任務を果たそうとして、アニがつかまった人物。
    いつも格闘訓練で懲りずに突っかかってきた男。一緒に野原に座って星空を見たこともあった。

    そして、前世でのアニの想い人。


    アニ(あ、あいつが・・・どうして)


    アニはうろたえた。が、すぐにそんな必要はないことに気付いた。エレンが前世の記憶を持っていなければ、私はただの他人だ。そう思って、コーヒーを飲みほし席を立った。
    これ以上彼を見たくなかったからだ。

    会計をすまして店のドアに手をかけたときだった。


    「久しぶりだな。アニ」

  22. 22 : : 2013/10/09(水) 22:05:48
    良いですねぇ(☆∀☆)
  23. 23 : : 2013/10/09(水) 22:44:47
    期待!ウキウキ
  24. 24 : : 2013/10/09(水) 22:46:42

    アニ「っ!」

    アニの思考回路が停止する。

    エレン「こんなとこで何してんだ?」

    アニ「あ、あ、」

    エレン「ん?」

    アニ「アンタ!なんでここにいるの!?」

    エレン「それ、今おれが言ったことだな」

    エレン「まあ、突っ立っててもなんだし、座れよ」

    アニ「っ・・・」


    今会計を済ませたとこなんだけど・・・という言葉は出てこなかった。エレンと出会った。そして呼び止められた。おそらくエレンは前世の出来事を覚えているだろう。そのショックでアニの頭は正常に働いていなかった。


    エレン「お前、何飲む?」

    アニ「」

    エレン「まったく、しょうがねえな」

    エレン「すいません。これと、これください」


    カシコマリマシター


    エレン「おいアニ。そろそろなんか話せよ」

    アニ「・・・」

    アニ「ねえアンタ、」

    アニ「アンタの、名前は?」

    エレン「おれの名前?」

    エレン「さっきの反応からして忘れたわけじゃないだろう?」

    エレン「ま、おれはエレン・イェーガーだ」

    アニ(ああ、ほんとにこいつはエレンなんだ)

    アニ(ちっとも変ってないじゃないか)

    エレン「そんで、今更だけどお前はアニ・レオンハートってことでいいんだよな」

    アニ「・・・ああ。そうだよ」

    アニ「何でアンタがこの世界にいるの?」

    エレン「生まれ変わったんだろ。人って何回も生まれて死ぬってことを繰り返すらしいからな」


    アニの頭は正常になりつつあった。しかし、それとともに別の恐怖が襲ってきた。


    アニ「じゃあ、前世の事は覚えてるの?」

    エレン「・・・ああ」


    恐れていたことが起こった。

    私は前世で、こいつの前からたくさんの命を奪った。エレンを捕まえるときに周りにいた兵士、調査兵団の兵団員。エレンの母は巨人に食われた。その原因は、私だ。私がおびき寄せた巨人によってエレンのハハハ死んだ。

    私は今ここでこいつに殺されても文句は言えない。

    そう思うと、体が震え始めた

  25. 25 : : 2013/10/09(水) 22:58:19
    おぉ、いいね
  26. 26 : : 2013/10/09(水) 22:58:46

    エレン「アニ?」

    アニ「あ、あんたは」

    アニ「私の事嫌いじゃないの?」ブルブル

    アニ「ま、前の世界で・・・」

    アニ「前世でアンタから大切なものを奪いまくった」

    アニ「この女型の巨人が憎くないの?」

    エレン「・・・」

    アニ「い、今の私はアンタに堂々と顔向けできない・・・」

    アニ「アンタに合わせる顔なんてない!」

    アニ「今すぐここからいなくなるから・・・」ポロ・・・

    アニ「だから私の事は忘れてよ!!」


    アニはそう叫んで席を立った。が、足が進まなかった。

    振り返るとエレンがアニの手を握っていた。


    エレン「とりあえずお前、落ち着けって」

    エレン「こんな店の中で叫んだら目立っちまうだろ」

    エレン「座れよ」


    そういってエレンは、アニを席に押し戻した。

    アニ「うう・・・」

    エレン「お前はほんとに泣き虫だな」

    アニ「・・・」

    エレン「まったく・・・お、来た来た」

    そういうとエレンは、ウエイトレスから2つのカップを受け取った。

    エレン「ほらよ」

    アニ「・・・紅茶?」

    エレン「ああ。なんかな、お前の顔見たら無性に飲みたくなって」

    エレン「なんでだろうな」

    アニ「・・・さぁ」

    アニ「・・・アンタ、本当に」

    エレン「黙れよ。今はいいからさ」

    アニ「っ」

    エレン「口を開くのはこの紅茶を飲み干してからな」

    エレンはそういうと自分のカップにミルクと砂糖を開けた。アニもそれにならってミルクを入れた。

    一口、また一口と紅茶を口に含むごとに高ぶっていたアニの気持ちはだんだんと安らいできた。目の前にいるエレンも、紅茶を飲みながら窓の外を見つめていた。

    アニ「・・・おいしかった」

    エレン「おう、それはよかった」


    飲み干したカップを置き、話したアニの声は彼女自身でも驚くほど落ち着いていた。

    アニ「それで・・・」

    エレン「おまえ、見たところ学校行ってねえよな」

    話し出そうとしたアニを遮ってエレンが言った。

    アニ「・・・ああ。いろいろと事情があるのさ」

    エレン「そうか。ところでこの後は暇か?」

    アニ「ああ。何もすることはないしね。家に帰らなくても平気さ」

    エレン「じゃあ、ちょっと一緒に来いよ」

    アニ「なんだい、色気づいて。どこぞのホテルにお誘いかい?」

    エレン「はは。そんなことしねえよ」

    エレン「ま、ついて来いって」
  27. 27 : : 2013/10/09(水) 23:38:33

    学校で話考えてきて
    また明日投下します\(^o^)/

  28. 28 : : 2013/10/09(水) 23:43:24
    これは深い…
  29. 29 : : 2013/10/09(水) 23:58:09
    これはアニ神さんや死に急ぎ野郎さんに引けを取らない良ss(≧∇≦)
  30. 30 : : 2013/10/10(木) 00:18:06
    皆様コメントありがとうございます!!
    そしてもっとコメントください←

    明日書くと言ってましたが少し考えました



    エレンは後ろを振り返らずに歩いていた。アニがエレンについていくためには、少し小走りにならなければならなかった。何しろ、アニの身長は154センチ、エレンの身長は170センチほどあったからだ。

    アニ「ちょっと待ちなよ」

    アニ「アンタ、歩くの早すぎ」

    エレン「ん?そうか?悪い悪い」

    エレンはそういうと少し立ち止まってアニが息を整えるのを待った。


    アニ(まったくこいつは)

    アニ(いつからこんな気配りができるようになったんだい)


    こんな状況でありながらも、アニはそんなことを思わずにはいられなかった。前世のこいつは私に本気で殴り掛かってきたっけ・・・
    そんなやつに気を使われたり、お茶をおごられたりするなんてね


    アニが、飲んだ紅茶の支払いをしようとしたとき

    エレン「いいよ。おれが誘ったんだし、おれが出す」

    と言ってエレンが会計を済ませてくれたのだ。

    「おい、エレン。彼女か?」

    エレン「違いますよ、グンタさん」

    喫茶店のマスターとエレンは知り合いだったらしく、短い会話をして店を出ていた。


    エレン「よし、行くか」

    アニの息が整うのを待ったエレンが言った。

    アニ「ちょっと待ってよ。私、まだどこに行くか聞いてないんだけど」

    エレン「あ、そっか。えーっととりあえずおれが寝泊まりしてるところに誘おうと思ってな」

    アニ「なんだい。家にお誘いなんてやっぱり体目当てじゃないか」

    アニは不機嫌そうに言った。高校に行かず、半分不良のような振る舞いをしているとはいえ、アニはそんじょそこらの男どもに体を売ったことはなかった。

    だから、こうやって何の気なしにつれて行かれるのが馬鹿らしく感じた。

    エレン「あー、体目当てじゃねえよ。それに家でもねえ」

    アニ「?」

    エレン「おれもいろいろあってな」

    エレン「親公認の家出ってやつだ」

    アニ「・・・」

    こいつもこいつで複雑な事情があるんだな・・・。

    アニは彼の後ろ姿を見ながらそう思った。
  31. 31 : : 2013/10/10(木) 00:48:33
    このシリーズ大好きだ!
    続きが気になるぜぇ!!!
  32. 32 : : 2013/10/10(木) 02:19:23
    うおおおお!!気になるウウウ!!
  33. 33 : : 2013/10/10(木) 03:08:04
    支援
  34. 34 : : 2013/10/10(木) 16:25:41
    支援
  35. 35 : : 2013/10/10(木) 20:10:04

    エレンとアニはしばらく無言で歩いた。しばらくするとにぎやかだった人だかりはいなくなり、住宅街のような所へ来ていた。しばらくして

    エレン「アニ、腹減ってないか?」

    アニ「さっき食べたから大丈夫だよ」

    エレン「そっか。じゃあ待っててくれないか?」

    アニ「ふん」

    エレンはコンビニの中へと入っていった。


    しばらくして出てきたエレンの手にはコーヒーとじゃがりこが入っていた。

    アニ「ずいぶんとアンバランスだね。アンタが食べるの?」

    エレン「いいや、ちょいとわけありでな」

    ハハハ、と笑うエレンに呆れながらもアニは黙ってエレンについて歩いた。


    エレンはちょうど道路の角に建っている周りより少し大きな建物の前で立ち止まった。

    エレン「ここだ。まあ、入れよ」

    この外観からしてホテルとか、そんないやらしい場所じゃないな。と思いながらアニは敷居をまたいだ。

    アニ「ここは・・・」

    建物の中に入ったアニは、その場所が何に使われているのかを理解するのに少し時間がかかった。そこは広い部屋で、天井からはサンドバッグやクッションなどがぶら下がり、真ん中には四角いリングがあった。

    エレン「ここがおれの住んでる場所だ」

    エレン「いろいろあってな。ある人にお世話になってる」

    アニ「ある、人?」

    アニが自分の考えをまとめられないうちにエレンが叫んだ。

    エレン「帰りました。あと、友達連れてきました」


    ??「友達ぃ?どうせお前が連れてくるなんてろくなやつじゃねえだろ」

    エレン「そんなことないですって」

    暗がりから姿を現した人を目にした兄は、背筋に冷たいものを感じた。かつて、巨人だったアニの体を刻みまくったただ一人の人物。巨人かという力を以てしてもアニに恐怖を植え付けた人物。


    「何だ・・・お前か」


    前世での人類最強の兵士


    リヴァイが立っていた。



  36. 36 : : 2013/10/10(木) 20:24:46

    アニ「っ!!」

    まったく今日は心臓に負担がかかる日だ。なんだってこんなに自分に恨みを持った人ばかりに会うのだろう。エレンだってこうやって連れてきたのは私を確実に処理するためかもしれない・・・。ああ、怖い。逃げたい。

    アニの体は知らぬうちにまた震えだしていた。

    エレン「ん?お前寒いのか?」

    エレンはそんなアニの気持ちは知らず、震えだしたアニを見て言った。

    アニ「わ、私、かえ・・・る」

    アニはそれだけオン言葉を必死に絞り出すと、踵を返して入口へと向かおうとした。

    エレン「な、ちょっと待てって」

    再びエレンがアニを止めようとする。アニはその手を振りほどいて走り出そうとした。その時

    リヴァイ「エレン、お前はもうちょっと人の気持ちってのをわかるようになれ」

    冷めた声が響いた

    エレンはアニをつかんだ手を放した。アニはその声に立ち止まり、リヴァイを見た。

    リヴァイ「大体今ので状況は分かった」

    リヴァイ「お前がこの娘を連れてきたってことは」

    リヴァイ「大方、こいつにも前世の記憶があるんだろ。」

    リヴァイ「どうせお前の事だから、有無を言わずここまで連れてきたんだろうが・・・」

    リヴァイ「こっちのほうはおれを見て震えてやがる」

    リヴァイ「まだこの世界で見た、おれとお前の事をよく理解できてないんだろ」

    リヴァイ「前世でのこいつの振る舞いを考えればなおさらだ」


    淡々と話すリヴァイの目からは何も感情を読み取れなかった。
  37. 37 : : 2013/10/10(木) 20:43:08

    エレン「それじゃ・・・どうすればいいでしょうか」

    リヴァイ「知るか。お前が決めろ」

    リヴァイ「とにかく、女を連れてきて座らせもしねえってのは、紳士の恥だ。2階の空き部屋貸してやる」


    アニは2人の会話をただ聞いていた。


    エレン「ありがとうございます。あ、頼まれてたもの買ってきました」

    そういってエレンはコーヒーとじゃがりこをリヴァイに手渡した

    リヴァイ「ああ、手間とらせた。あと、今日はどうせそいつの面倒見なきゃならねんだから練習はなしだ」

    リヴァイはそれだけ言うと奥の暗がりに消えて行った。その姿が消えるまでエレンは立っていた。


    エレン「さ、2階に行くか」

    アニ「ちょ、ちょっと待ってよ。なんであの人が住んでるところにアンタがいるの。それになんで私がお世話になる感じになってるわけ?」

    アニは混乱しながらも、ここから離れる理由を探し出そうと言葉を吐いた。

    エレン「ま、とにかく来いって」

    ああ・・・
    こいつにややこしい説明は意味ないんだったな。

    アニはあきらめ気味にエレンについて階段を上った。
  38. 38 : : 2013/10/10(木) 20:46:57
    良いぞ良いぞ(*´Д`*)
  39. 39 : : 2013/10/10(木) 21:04:04

    エレンが扉を開けた部屋は、フローリングできれいな部屋だった。6畳といったところだろうか。一つしかない窓からは夕日の赤い光が差し込んでいる。そんなに広くない部屋にソファとテレビが置いてある。普段は使っていないのだろう、ごみ箱には何も入っていなかった。しかし、塵ひとつ落ちていないのはどういうわけか。アニは首を傾げた。


    エレン「ここ、普段は使わねんだけどな。リヴァイさんがしょっちゅう掃除してるんだ」

    あのチビ・・・潔癖症なのか。似合わない。

    アニは内心思った。

    エレン「まあ、座れよ」

    喫茶店でそうしたように、エレンはソファにアニを誘った。
    アニはソファに座り、一息ついた。

    しばらくの沈黙が続いた後、それを初めに破ったのはエレンだった。

    エレン「で?おれはどうしたらいい?」

    アニ「はあ?そんなの私が聞きたいよ」

    こいつは、やっぱり馬鹿だ。アニはそう確信した。


    アニ「・・・ここはどこなの」

    エレンに任せても話は進みそうにない。そう思ってアニは口を開いた。

    エレン「ここはキックボクシングジムだよ。リヴァイさんに世話になってるんだ」

    エレン「さっき言ったけど、おれにもいろいろあってさ。拾ってもらったんだ」

    アニ「アンタ、家出中じゃなかったの?」

    エレン「親公認って言ったろ。親もおれがここにいることは知ってるんだ」

    アニ「なのに連れ戻そうともしないわけ?」

    エレン「ん~それはちょっと説明が難しいんだな」

    そこを説明しなよ。アニは心の中でエレンに突っ込みを入れた。

    こいつからはこれ以上満足できることは聞けそうにないな。

    アニはあきらめ顔で窓を眺めた。


    エレン「ところで、お前はなんでおれのことがわかったんだ?」

    不意にエレンが口を開く。
    その質問は氷のナイフのようにアニの心を貫いた。
    抑えていた恐怖が再びあふれ出したかのようだった。


    エレン「アニ?」

    エレンがアニの顔を覗き込むと、アニはそっぽを向いた。

    だが、アニの蒼い目から流れる二筋の涙をエレンは見逃さなかった。
  40. 40 : : 2013/10/10(木) 21:17:18

    エレン「ご、ごめんなアニ!なんか悪いこと言ったか?」

    今ばかりはアニはエレンの鈍感な心を呪った。
    忘れたくても忘れられない忌まわしい記憶。

    アニ「アンタ・・・最低だよ」

    アニは涙声で声を絞った。

    アニは顔を手にうずめ、肩を震わせていた。

    窓の明かりがアニの髪を赤く染め上げていた。


    アニは自分が泣いているのもわかっていた。それを一番見られたくないやつに見られているのもわかっていた。しかし、どうしようもなかった。アニの心の鎖はかたく、ほどくことができなかった。

    アニ(なんで私は今まで生きてきたんだ)

    アニ(もっと早く決心がついていれば)

    アニ(こいつと会うこともなく死んでいたのに・・・)

    アニはさめざめと泣き続けていた。



    不意に、優しい手がアニの頭を包んだ。
    アニは驚いて顔をあげた。

    そこには、困ったような顔をしてこちらを見ながらアニを抱きしめているエレンの姿があった。

    エレン「ごめんな。なんでか分からないけど、こうしたらアニが落ち着くと思ってさ」


    アニはうつむきながら思った。

    そういえば、昔もこんなことがあったな。私が泣きそうだったとき、こいつがこうやって抱きしめてくれたっけ・・・

    なんだ・・・やっぱりアンタ

    変わってないじゃないか


    不器用で鈍感で乙女心なんてさっぱりわかってなかったアンタだけど、こんな優しいところは変わってないね。あ、少しは乙女心が分かるようになったんだっけ?


    アニは自分が落ち着いていくのを感じた。激しかった動悸は穏やかになり、涙はうっすりと引いていった。


    エレン「落ち着いたか?」

    アニ「・・・うん」

    アニはエレンの腕の中で呟いた。

    エレン「よかった。まだ目、赤いけどな」

    アニ「うるさい」

    エレン「はは」

    アニ「ふふ」

    アニはエレンの腕の中で微笑んだ。


    アニ「あのさ、少し話聞いてよ」

    エレン「ああ、いいぞ」

    エレン「おれができることならなんだってやってやる」

    アニ「ありがと」

  41. 41 : : 2013/10/10(木) 21:27:58

    アニ「私は・・・2年前まで普通の女の子だった」

    アニ「普通に中学に行って普通に友達もいて、それなりに楽しかったよ」

    アニ「でもある日、2人の暴漢に襲われたんだ」

    アニ「その時、思い出しちゃったんだ」

    アニ「体が勝手に動いて、気づいたら」

    アニ「私は人を殺してた」

    アニ「それから私は生きるのが怖くなって」

    アニ「ずっと一人だったんだ」

    アニ「なんでだろうね」

    アニ「アンタにこんなこと話しても何の得にもならないのにさ」

    アニ「・・・」

    アニは話し終えるとまたうつむいた。

    エレンは黙ってアニの髪を見ていた。日はさっきよりも沈み、電気をつけてない部屋は薄暗かった。

    エレン「・・・そりゃ、大変だったな」

    アニ「なんかほかに言うことはないのかい」

    エレン「おれにはアニの気持ちはわかんないからさ」

    エレン「何も言えねえよ」


    変わってない。

    あの時もそういわれたっけ。


    エレン「だから、もしアニが何かしてほしいことあったら」

    エレン「おれがしてやるよ」

    アニ「・・・そう。じゃあ」

    アニ「もう少し、このままでいて」

    エレン「分かった」


    アニは抱きしめているエレンの手の間からこっそり目をぬぐった。

    アニの目からはまた涙が流れていた。

    日は沈み、部屋は濃い紫色になっていた。


  42. 42 : : 2013/10/10(木) 21:46:49

    リヴァイが部屋のドアをたたいたのはしばらくたってからだった。

    夕飯の支度はエレンの役目だったらしく、「さっさとしろ」の一言だけを残して降りて行った。

    立ち上がったエレンは、アニの声も聞かずに「今日は泊まっていくだろ?」と言って立ち去った。アニはもともと否定する気はなかったので、再びソファに座り込み部屋の明かりとテレビをつけた。壁の時計は6時半を指していた。民放のニュースを見ながらアニはただ座っていた。

    それから約30分後

    「おーい、できたぞー。降りて来いよー」

    というエレンの声に、アニは重い腰をあげ階段を下りて行った。

    アニがはいった部屋はさっきいた部屋よりもだいぶ広く、10人ほどが座れそうな長テーブルがあり、キッチンもあった。

    どうやら、ここには案外多くの人間が通っているらしい。そういえばさっきニュースを見ているときに、下からバンバンと音がしてたっけ。
    テーブルにはリヴァイのほかに、見知らぬ男や女が座っていた。全員がアニやエレンより年上らしく、エレンは作った料理をテーブルにいそいそと運んでいた。

    エレン「ナナバさん、コンロの火を消してもらっていいですか」

    ナナバ「ああ。わかった」

    金髪でショートの女性が立ち上がってキッチンへ入った。その時、アニと目があった。

    ナナバ「ああ、君か。エレンが言ってた子っていうのは」

    彼女はアニがいることに特に驚きを示していないようだった。アニはちょっと面喰って、その穏やかな目を見た。

    ナナバ「みんな、エレンの彼女が来たよ」

  43. 43 : : 2013/10/10(木) 21:46:59

    エレン「ちょっ!彼女じゃないですって!」

    すぐに否定したエレンを内心恨めしく思いながらアニは机のほうへ近づいた。

    ミケ「ほう・・・エレンもなかなかやるな」

    ゲルガー「そうだな。こんなにかわいい子を連れ込んで」

    ハンジ「ほんとだぁあ!かーわいいねぇ!」

    誰も、アニがいることに驚きを見せない。やはり、エレンかリヴァイから話を聞いているのだろう。どうすればいいかわからず突っ立っていると

    エレン「心配すんなって。ここにお前を傷つけたりする悪い人はいねえから」

    エレンの言葉に、内心安心しながらアニは一番端の席に着いた。


    エレン「ちょ、ミケさん!そんな鼻をひくつかせないでください!」

    ハンジ「ねぇーリヴァイ?今度ここでタランチュラ飼っちゃダメかなぁ?」

    リヴァイ「そんな汚いものを持ち込むんじゃねえ」


    前言撤回だ。悪い人はいないかもしれないが、変人は多いみたいだ。
  44. 44 : : 2013/10/10(木) 21:51:52

    皆様コメントありがとうございます!!

    読んだ方は是非コメント残していただけると嬉しいです\(^o^)/

    まだまだ続くので、飽きずにみまもってやってください
  45. 45 : : 2013/10/10(木) 21:57:21

    アニ(案外うまいもんだ)

    エレンが作った料理を食べながらアニは思った。

    アニ(こいつはこんなに器用な奴だったっけ?)

    夕飯はすき焼きだった。

    ハンジが卵がないと食べない!と駄々をこねたので、エレンが猛スピードでコンビニから買ってきて、やっとこさ食事にありつけたのだった。

    アニ「これ、あんたが作ったの?」

    エレン「ああ。まあな」

    エレン「飯を作るのは慣れてるんだ」

    アニ「そうなんだ。おいしいよ」

    エレン「お?ほんとか?うれしいな」

    少し照れたようにほほをかくエレンを見ながらアニは、少し満足してまた食べ始めた。

    リヴァイ「エレン。おまえは明日何をするんだ?」

    エレン「んーそうですね。明日は土曜日ですし、特にすることないです」

    リヴァイ「そうか。おれは明日用事があって出かける。お前もどこか行くときはちゃんと鍵をかけて行け」

    エレン「りょうかいです」

    ハンジ「へぇ~どこ行くの?リヴァイ?まさかっデート!?」

    リヴァイ「口を閉じろクソメガネ。汚い」

    ナナバ「ハンジ、おかわりあるよ」

    ハンジ「ナナバァ!!愛してるよぉおおお!」

    ゲルガー「じゃあ、おれもおかわりもらおうかな」

    ナナバ「アンタの分はない」

    ゲルガー「なんでだよ!?あんまりじゃねえか!」

    ミケ「・・・」モグモグ


    ワーワーギャーギャー


    アニはこんなにぎやかな食卓は久しぶりだった。
  46. 46 : : 2013/10/10(木) 22:46:17

    また明日書きます\(^o^)/
  47. 47 : : 2013/10/10(木) 22:50:55
    期待
  48. 48 : : 2013/10/10(木) 22:52:13
    待ってる(`・ω・´)
  49. 49 : : 2013/10/11(金) 00:24:13
    期待
  50. 50 : : 2013/10/11(金) 00:38:16
    待てない
  51. 51 : : 2013/10/11(金) 20:38:52


    にぎやかな食事が終わり、エレンは食器を片づけ始めた。何もしないのも悪いと思い、アニもエレンを手伝った。
    食器を洗いながらアニはみんなの話を聞いていた。

    ハンジ「みんなー今日はお風呂どうするー?」

    ゲルガー「おれはいいっす。家に帰って入るんで」

    ミケ「おれもだ」

    ナナバ「私もいいかな。でもみんなの分の洗濯だけやって帰るよ」

    リヴァイ「すまねえな」

    ナナバ「いやいや」

    ハンジ「そーだ!今日はアニちゃんがいるんだ!ねぇ、一緒にお風呂入らない?」

    ハンジはエロ親父そのものの顔でアニに迫ってきた。さすがのアニも少々恐怖を覚えたらしく

    アニ「い、いえ。結構です」

    と、後ずさりながら答えた。

    残念だなぁと言いながらハンジはお茶を飲み干した。

    ナナバ「そっか。アニちゃんの服洗わないといけないし、アニちゃんは最初にお風呂に入ってよ」

    リヴァイ「それもそうだな。おいエレン」

    エレン「りょうかいです」

    名前を呼ばれただけで意思が伝わるのか。お前らは超能力者かと思いながらアニはエレンに何事かと聞いた。

    エレン「ああ、風呂の準備しろってことだよ」

    とエレンは答えた。
    悪いけど後の片づけは任されてくれるか?と言って、タオルで手を拭きながら聞いてきたエレンに、アニはいいよ、と言ってスポンジに洗剤を足した。

  52. 52 : : 2013/10/11(金) 20:38:57

    食器を洗い終わり、テーブルを拭き終わったころ、食事をとった者たちは帰路につくらしく支度をしていた。

    ミケ「明日はリヴァイはいないんだったな。合鍵は玄関の植木鉢の下に置いといてくれ」

    リヴァイ「分かった。帰る時は返しとけよ」

    ゲルガー「リヴァイさん、お疲れ様です」

    ハンジ「明後日あたりにまた来るよ」

    ジャージのチャックを閉めながら、席を立つ。

    ミケ「じゃあ」

    ゲルガー「おやすみなさい」

    ハンジ「おやすみー」

    玄関から声が聞こえる。リヴァイもそれに

    リヴァイ「おう」

    と返事をした。

    エレン「お疲れ様でした!」

    風呂の支度が終わったのか、エレンもやってきて大声であいさつをしていた。

    エレン「みんなこのジムの先輩なんだ。ここにきて練習して、たまに飯を食っていくんだ」

    アニ「そうなんだ」

    そういえばアニの父もプロレスやらボクシングが好きだったなぁと思いながらアニは玄関のほうを見つめた。

    エレンは食べたばかりだというのに、床に手をついて腕立て伏せをしていた。こいつはどれだけトレーニングが好きなんだろうか。蹴っ飛ばしてやりたい気持ちを抑えながらアニは洗濯物の話をするためにナナバのもとへ向かった。
  53. 53 : : 2013/10/11(金) 20:54:17
    支援♪
  54. 54 : : 2013/10/11(金) 20:57:42




    ここの風呂はなかなか快適だった。リヴァイの潔癖症がココにも行き届いているらしく、風呂のタイルはピカピカで黒ずみひとつなかった。ジャグジーつきの浴槽にのんびりつかりながら、アニは今日の事を考えていた。

    アニ(今日はどんだ日だったな)

    アニ(街をぶらついてたら)

    アニ(不良に襲われるわ、あいつに出会うわ)

    アニ(しまいにはそのまま連れてかれて夕飯をごちそうされるなんて)

    アニ(はぁ、私ここにいて大丈夫なのかな)

    アニ「あーあ」

    アニはため息をつきながらそのきれいな白い足でジャグジーの泡をすくった。


    アニは当然のごとく着替えを持っているわけがなかったので、ナナバが急いで洗ってくれるらしい。

    ナナバ「シャツとかは大丈夫だと思うけど、下着は洗っとくよ。乾燥機に入れとくから、お風呂からあがったら乾燥機からとってね。」

    だから、ゆっくり使ってくれていいからね。エレンやリヴァイには乾燥機に触らないように言っとくから、と言ってナナバはいそいそと洗濯物をまとめていた。

    エレンが私の下着を見てどんな反応をするのかな、なんて変な想像をしてアニは自分で吹き出しそうになった。なんで私はそんなこと考えてるんだ。


    アニの髪はしなやかだ。そして案外長い。普段は後ろでまとめているが、ほどけばその髪先は肩よりも少し下まで落ちる。アニは金色の髪にシャンプーをしながら、目に泡がはいらないようにしっかりと目を閉じていた。

    髪を体を洗い終わって再び浴槽につかる。ここの風呂には浴槽の横の壁に窓がついていたので、そこから外を見ることができた。とはいっても建物の周りには塀があるので周りの景色は見えず、暗い庭先からコオロギの声が聞こえていた。

  55. 55 : : 2013/10/11(金) 21:42:59

    テレビをつけると、画面には9時のニュース文字が光っていた。スーパーでの万引きや、秋にしては暑すぎる気候についての報道を見ながらアニはソファに座った。


    風呂から出た後、エレンやリヴァイのいるリビングに戻るとエレンは疲れたのか床に大の字になって寝ていた。リヴァイはエレンが買ってきていたコーヒーを飲みつつじゃがりこをむさぼっていた。
    バランス悪すぎだろ、と心の中で突っ込みながらエレンを起こした。
    「お風呂あがったよ」とエレンの顔を覗き込むと、一瞬目をしばたかせて「お、おう。そうか」と言って顔を赤くした。
    どうしたんだろ?


    2階の部屋に上がるときにエレンがくれたスポーツドリンクを飲みながらアニは金曜日の夜の映画劇場にチャンネルを変えた。今日はどうやら恋愛映画らしい。
    こんな甘ったるい物語なんて、と思いながらもアニは画面から目を離さなかった。
  56. 56 : : 2013/10/11(金) 21:43:05


    どれだけ時間が経っただろう。ドアをノックする音が聞こえたとき、アニは目を覚ました。どうやらテレビを見ている間にウトウトしてしまっていたらしい。10時半を時計の針がさしていた。振り向くと扉のわきにエレンが立っていた

    エレン「悪い、寝てたか?でもソファで寝ると体痛くなるぞ」

    アニ「別にかまわないよ」

    エレン「ちょっと待ってろ。布団持ってくるから」

    そういってエレンは奥の部屋に歩いて行った。
    しばらくして布団を抱えたエレンがやってきた。

    エレン「これ、おれの布団なんだけどさ。ちゃんと干してるし清潔だから今日はこれで寝ろよ」

    アニ「そんなことしたらアンタの寝る場所がなくなっちゃうじゃないか」

    エレン「平気だって。おれは床で寝りゃいいんだ」

    まったくこいつは・・・と思いながらアニにふとある考えが浮かんだ。

    仮にもエレンは前世でアニの敵だった。しかし、同時に想い人でもあった。ともに星を見た夜、本当はしてほしかったことがあった。生まれ変わった今となっては、アニとエレンは赤の他人であったが、一晩だけくらい構わないだろう。
    アニは息を吸い込んで言った。

    アニ「じゃあ・・・この部屋のソファで寝なよ。床で寝るよりもやわらかいだろ?」

    エレン「なっ!?何言ってんだよ!おれは男だぞ?」

    アニ「大丈夫だって。襲われたら叩きのめすから」

    エレン「そういう問題じゃなくてなぁ・・・」

    アニ「いいからいいから」

    そういってエレンの手を引っ張り、ソファに座らせた。
    何やってんだ私、という思いもあったが言ってしまったものは仕方ないと思い直した。

    いいじゃないか。自分の願いさえかなえられなかった前世へのプレゼントっていうことで。

    今のアニにとってエレンはどんな存在かはわからなかった。何しろ、今日であったばかりなのだから。しかし、半日を共に過ごしただけでもアニはエレンにある種の感情を抱いていた。

    考えると心が痛くなるような、もやもやするような。

    この感情がなんだかは、アニはまだ知らなかった。


  57. 57 : : 2013/10/11(金) 22:01:51

    歯を磨いたアニは、布団に横になった。
    エレンもソファに横になってアニのほうを見た。

    エレン「アニ、明日お前どうするんだ?」

    アニ「決めてないよ。アンタに連れられてここまで来たんだし。とりあえず家に帰るよ」

    エレン「そうか」

    エレン「じゃあさ、家に帰る前にどこか出かけないか?」

    アニの心臓の鼓動が少し早くなった。こいつとお出かけ?そんなの・・・悪く、ないかも
    内心そう思ったアニだったが、それをエレンに悟られてはまずいと思い

    アニ「まあ、つきあってやってもいいけど」

    と興味がなさそうな声を出した。

    エレン「そっか。じゃあ決まりだな」

    それだけ言うとエレンは目を閉じた。
    疲れていたのだろうか、数分も立たないうちにエレンは寝息を立てていた。

    月明かりに照らされたエレンの顔は、アニが覚えていたそれと変わっていなかった。アニは窓の外の月を見て、ひそかにはにかんだ。

    アニ「おやすみ、エレン」

    そして、寝息を立てているエレンの頭を撫で、布団にもぐりこんで目を閉じた。
  58. 58 : : 2013/10/11(金) 23:19:59


    翌朝、目を覚ますとすでに窓から太陽の光が差し込んでいた。眠い目をこすりながら時計を見ると10時であった。よく寝たな、と思いながらエレンのいるソファのほうを見ると、もぬけの殻だった。

    アニ(一緒に出掛けるって言ったのにどこ行ったんだい)

    そう思いながら立ち上がり、大きく伸びをして顔を洗いに階段を下りて行った。

    冷たい水で顔をすすぐと少し目が覚めた。寝癖のついた頭をかきむしりながら歯を磨く。すると、バンバンと音がしているのに気付いた。

    口をゆすいでその音をたどると、ジムの中でサンドバッグと格闘しているエレンがいた。エレンはサンドバッグにけりを打ち込んでいたが、しばらくしてアニが自分wお見つめているのに気が付いた。

    エレン「世ようアニ。起きたか」

    そういってエレンは肩にかけたタオルで汗を拭き、こちらを向いた。

    エレン「悪いな。うるさかったか?」

    アニ「いいや。そうでもなかったよ」

    エレン「そうか。あ、お前の朝飯はテーブルの上においてるから食っておいてくれ。おれはシャワーを浴びてくる」

    アニ「分かった」


    アニがリビングへ行くと、机の上にはサンドイッチと紅茶が置いてあった。エレンがコンビニから買ってきてくれたのだろう。アニの好みを知ってか知らずか、アニの好きな卵サンドがあった。
    アニは椅子に座ってサンドイッチをほおばった。
    空腹に勝る調味料はないとは言ったもので、少なからず空腹だったアニにそれはとてもごちそうに感じた。

    アニ(・・・おいし)

    アニはミルクティーを一口飲んで部屋を見渡した。

    昨日はナナバにジャージを借りて、アニはそれで寝た。ナナバには「リビングの端にでも置いといて」と言われていたので、あとで自分の服を乾燥機からとった後に畳もうと思った。

  59. 59 : : 2013/10/12(土) 00:27:34

    朝食と着替えを終え、リビングに戻ったアニは棚に置いてあった雑誌を手に取った。一目見てそれがアニの求める者ではないことは明らかだった。

    アニ「全部スポーツ雑誌じゃないか・・・」

    ぱらぱらとめくってみるとところどころにマーカーが引いてあり、ゲルガーやミケなどの名前が載っていた。このジムは小ささの割に弱くはないらしい。準決勝や決勝まで進んでいるときもあった。

    しかし、エレンの名前はなかった。

    アニ(こっちの世界でも負けてばっかりなんだろうな)

    そんなことを思いながらアニは雑誌を棚に戻した。


    エレン「悪い、待たせたな」

    アニ「ん、いや、大丈夫だよ」

    エレン「それじゃ、どっか行くか」

    アニ「どっかって、決まってないのかい」

    エレン「まあな」

    エレンは申し訳なさそうに頭をかく。まったく、女の子を誘っといて行先も決めてないなんて、とアニはため息をつく

    エレン「まあ、とりあえず一つ用事があるんだ」

    アニ「用事?」

    エレン「まあ、そんな大したことじゃないんだけどな」

    アニ「そう・・・」

    エレン「とりあえず、行くか」

    アニ「そうだね。どこ行くかわかんないけど」

    エレン「言うなって」


    エレンはジムの扉に鍵をかけ、植木鉢の下に置いた。そういやミケって人が来るって言ってたっけ。そんなことを思いながらアニは10月にしては強い日差しの中に踏み出した。
  60. 60 : : 2013/10/12(土) 00:28:19

    また明日かきます\(^o^)/

    これから物語は終盤に入ります!!

    コメントなどいただけたら嬉しいです

  61. 61 : : 2013/10/12(土) 00:33:44
    今までみてきたSSで
    1番先が楽しみな作品かも
  62. 62 : : 2013/10/12(土) 01:22:34
    めっちゃ楽しみ
  63. 63 : : 2013/10/12(土) 02:47:17
    支援
  64. 64 : : 2013/10/12(土) 18:19:27

    エレンとアニは昨日であったカフェに入った。

    特に理由はないのだが、強いてあげるなら日差しが強いということとエレンが飲み物を飲みたがったということだろう。
    エレンはアイスティーを頼んだ。「おれだけ頼むのも間抜けじゃないか」ということで、アニもアイスコーヒーを頼んだ。

    土曜日の午前中ということで窓の外の人通りも多かった。

    エレン「なあ、この後先に用事済ませていいか?」

    アニ「いいよ。でも、なんなの?」

    エレン「まあ、ここで言っちまってもいいんだがお楽しみとしてとっておこう」

    アニ「大したことないんじゃなかったの?」

    エレン「実際そうかもしれねぇ」

    アニはコーヒーを一口すすった。砂糖は入れたはずなのにアニは苦く感じた。砂糖を加えているところをエレンに見られるのは何か癪だったので、エレンが窓のほうを見た隙にエレンのわきにあったスティックシュガーを2本取り、一気に自分のカップに入れた。

    アニ(・・・甘すぎ)

    さっそく砂糖の入れすぎを後悔した。


    昨日のようにエレンが会計を済ませると言ってくれたので、アニは先に店から出て外で待っていた。

    アニは店先に咲いたうす紫色の花が揺れるのを見ていた。頭をもたげるように揺れている花は、なぜだかアニの心をつかんだ。

    エレン「その花、好きなのか?」

    会計を済ませて出てきたエレンがアニに話しかけた。

    アニ「いいや、見てただけだよ」

    エレン「そうか。おれはこの花を見るとなぜか懐かしく感じるんだ」


    アニはふーんと言って花から目をそらし、歩き始めた。
  65. 65 : : 2013/10/12(土) 18:31:56

    エレンとアニは街中にある公園に来ていた。途中、エレンがアイスを食いたくなったと言ってコンビニに入っていった。
    まったく、どれだけ飲んだり食べたりしたら気が済むんだい、とアニは飽きれた。

    エレン「暑いからアイスがうめーな」

    アニ「太るよ」

    エレン「気にしねぇ」

    そりゃ男は気楽でいいだろうさ。まったく、うらやましいよ。

    エレン「ちょっと今から用事済ませてくるからここで待っててくれないか」

    アニ「ここでかい?」

    エレン「ああ。たぶん15分くらいしたら戻ってくるよ。それまでに勝手に帰ったりすんじゃねえぞ」

    アニ「さあ、どうだろうね」


    アンタも逃げんじゃないよ、と言おうとしてアニは口をつぐんだ。違う、逃げてるのはいつも私のほうじゃないか。

    エレン「じゃ、行ってくる」

    そういってエレンは駆け出して行った。


    アニは一人で公園のベンチに腰を下ろしていた。気の陰になっているベンチは心地よい。アニは砂場で遊んでいる小さな子供を見ながらウトウトし始めた。


    「お姉ちゃん、かわいいねぇ」


    生暖かい声が聞こえ、アニははっと目を覚ました。急いで周りを見渡したが、特に怪しい人はいなかった。砂場の子供は消えていた。

    なんだ、よかったと安堵してベンチに座りなおすと今度は

    「や、やめてください!」

    という女性の声が聞こえた。
    その声のほうを向くと、薄暗そうな裏路地に続いていた。



    何がアニをそうさせたのだろうか。
    普段のアニなら面倒なことに巻き込まれるのを恐れてその場から立ち去っていた。


    アニ(嫌だ)

    何が?

    アニ(・・・のが)

    何だって?

    アニ(・・・げるのが)



    アニ「逃げるのは、もう嫌なんだ」



    アニは声のする方に歩き出していた。
  66. 66 : : 2013/10/12(土) 18:43:42

    アニが裏路地に入るとそこには5人くらいの目つきの悪い男たちとおびえているひとりの人間がいた。路地は薄暗く、アニはその人の顔を見ることはできなかったが、先聞いた声からして若い女性だということはわかった。


    男1「姉ちゃん、ちょっと遊ぼうって」

    2「だいじょーぶだって!誰にもばれねえからさ」

    3「まーあ、おれらにぶつかってきたのが悪いんでしょぉ?」

    ??「ぶ、ぶつかってきたのはあなたたちのほうじゃないですか!」

    会話を聞くに、女性は言いがかりをつけられてこの状況に陥ってしまったらしい。まったく、男5人で女1人によってたかるなんて性根が腐ってる。アニはそう思った。


    4「ちげーよ!アンタが前をよく見ないからいけねえんだ!」

    5「とにかく一緒に来いって!」

    これ以上放置しておくのも危険だ。かといって、アニが割って入ったところで勝てる相手ではないだろう。しかし今のアニにはそんなことは関係のないことのように思えた。


    ―――戦わなければ、勝てない―――


    ふと頭の中をよぎった言葉。

    いつどこで聞いたか。そんなのはどうだっていい。
    そんなのわかってる。けれど実際に負け勝負に戦いを挑む人間がどれくらいいるのだろう。多くのものは戦わずに負けていく。それを普通の人とでもいうのだろう。


    だが、あいつは違った。
    あいつは勝てないとわかっていても戦うことをやめなかった。
    相手が誰であっても。

    今はどうかわからない。
    しかしあいつの目の輝きは変わっていなかった。


    昔も、今も。



  67. 67 : : 2013/10/12(土) 19:04:40

    アニ「やめなよ」

    「っ!?」

    男たちはいっせいにアニのほうを振り返った。そして、少しの間の後一斉に笑い始めた。

    1「やめろって?え?」

    2「お嬢ちゃん、何首突っ込んでんの?」

    3「今の状況分かってる?」

    ああ、わかってる。わかりすぎてるさ。
    でもダメなんだ。なんでか知らないけど、あいつに出会って、あいつの目を見て思い出したんだ。
    こんな私を見ても逃げないでいてくれる。なのに私が逃げてちゃ話にならないって。

    4「てかさ、この子もかわいくね?」

    5「そうだな。一緒に連れてこうぜ」

    男たちは笑いながら近づいてきた。


    汚い手が伸びる。その手がもう少しで肩に触れる、というところでアニは右足を鞭のように相手の脛に打ち込んだ。打ち込まれた相手は叫び声をあげて地面に倒れこむ。それを見ていた仲間は表情を変える。
    相手の一人がつかみかかってきた。肩を握った手を持ち、相手の左足を蹴り上げ頭を突き飛ばす。2人目も地面に倒れた。

    しかし、そこまでだった。不意に後ろから羽交い絞めされ、手を押さえつけられ動けなくなってしまった。

    3「てめぇ・・・やってくれたな」

    4「ああ、お前酷いことになるぞ」

    5「ネットに裸の動画ばらまかれるくらいは覚悟しとけよ」


    ああ、もうだめだ。アニは締め上げられながらそう思った。
    一人で飛び込んで何ができた?何が変わった?

    アニ(何もできなかったじゃないか)

    アニ(何も変わらなかった)

    アニ(はっ、馬鹿みたいだねまったく)


    薄れる意識の中でアニは考えるのも面倒になっていた。


    不意に、轟音が鳴り響いた。


  68. 68 : : 2013/10/12(土) 19:36:26

    アニ(うっ)

    アニを締め付けていた腕が緩んだ。その隙にアニは腕から抜け出し、後ろを振り返った。自分を押さえつけていた不良はアニを見ておらず、路地の入口を見ていた。その視線をたどった先にはエレンが立っていた。

    エレン「アニ。ここにいたのか」

    エレンの顔は驚くほど無表情で冷たい声だった。

    横に目をやると3人目の男がうずくまっていた。横にヘルメットが落ちていたところを見ると、エレンがそれを投げたらしい。

    4「お、お前は・・・」

    エレン「悪いな。ちょっと遅くなっちまった」

    エレンはゆっくりと近づいてきた。

    5「お、お前!いつまでも調子乗ってんじゃねえぞ!」

    男はエレンに向かって叫ぶ。が、その顔には恐怖が浮かんでいた。

    エレン「喧嘩はリヴァイさんに止められてるんだ」

    エレンはめんどくさそうにつぶやいた。

    4「このっ!舐めやがって!」

    5「2人でやって負けるはずはねえ!」

    4・5「うぉおおおお!!!」

    2人の男はエレンに殴り掛かった。

    一瞬だった。

    エレンは右から殴りかかってきた男の腕をかいくぐり右ひじを鳩尾に叩き込んだ。その男が倒れるか倒れないかのうちに、左から来た男の顔に上段蹴りを食らわせた。

    エレン「アニ、大丈夫だったか?」

    アニ「アンタ・・・遅いよ」

    エレン「悪かった。じゃ、行くか」

    ??「ちょ、ちょっと待ってください」

    アニとエレンは振り向いた。
    そうだった。そういえば私はこの人を助けるためにここに来たんだった。

    ??「助けていただいて、ありがとうございました」

    そういって彼女は一歩踏み出した。そして差し込んだ光に照らされた彼女の顔を見た。


    その瞬間、アニは心臓を握りつぶされたような気持ちになった。


    肩までの赤茶髪に同じ色の目。色白で華奢なその体。

    アニはその顔を見たことがあった。今よりずっと高いところから彼女の恐怖にひきつった顔を見たことがあった。

    そして、踏みつけた。
    何のためらいもなく。


    エレン「・・・ぺトラさん」



  69. 69 : : 2013/10/12(土) 19:52:46

    アニは泣いていた。

    あの日と同じだった。

    2人の人間を殺した帰り、アニは走りながら泣いていた。

    手を何度も洗った。体を何度もこすった。

    冷たい水を震えるまで浴びた。

    何をしても、張り付いた恐怖と零れ落ちる涙は止まらなかった。


    あの日に戻ったようだった。

    助けた人が、前の世界で殺した人だったなんて。なんでこんな罰を受けなければならないのだろう。逃げないと決めたのに、なんでそれが報われなかったのだろう。アニにはわからなかった。


    エレンは公園で泣いているアニの隣に座っていた。

    エレンが男たちを殴り倒したのは30分前。それからずっとアニは泣いていた。

    あの女性はエレンが自分の名前を知っていたことに驚きを覚えたが、そのことには触れなかった。そして、再度礼を言って駆け出して行った。

    エレン(びっくりした)

    エレンはそう思った。昨日はアニ、今日はぺトラさん。この頃は因縁の深い人によく会うもんだ。まあ、ぺトラさんは覚えてなかったみたいだけど。

    そうしてアニのほうを見た。アニは変わらず泣いていた。


    その震える肩や華奢な手足を見て
    改めてアニが女の子ということを意識した。


    今日はアニに付き合ってやろう。そう思った。

  70. 70 : : 2013/10/12(土) 20:01:38



    エレンはそのとき6歳だった。

    その日は雨だった。

    車の急ブレーキ音が鳴り響いて驚いて目をあげると

    目の前には車のライトがあった。

    ああ、死ぬんだ。と思ったその時

    横から弾き飛ばされた。

    「――――――」

    一瞬の間の後、轟音と共に先までエレンがいた場所に車が突っ込んでいた。

    その車のボンネットには血が飛び散っていた。

    そして、先までエレンがいた場所には一人の少女が倒れていた。

    少女は二度とその黒髪を掻き揚げてエレンに駆け寄ってくることはなかった。


  71. 71 : : 2013/10/12(土) 20:11:56

    エレンは目をあげた。
    少しウトウトしていたらしい。

    横を見ると、アニは泣き止んでいたが目は真っ赤であった。

    アニ「起きた?」

    エレン「ああ、悪い」

    アニ「私、もう帰るね」

    エレン「そうか」

    エレンはわかっていた。このままアニを帰したら取り返しのなることになると。それはアニの表情を見れば明らかだった。

    だから言った。

    エレン「でも、まだ帰らせねえよ。ちょっと付き合えって」

    アニ「・・・嫌だよ」

    エレン「いいから」

    アニ「ちょっ!」

    エレンはアニを抱き上げ、公園の出口まで歩いて行った。そこには大型バイクが止まっていた。

    アニ「これ、どうしたの」

    エレン「用事があるって言ったろ?リヴァイさんが修理に出してたバイクを取りにきたんだ」

    エレン「どっかに停めてこようかと思ったけど、気が変わった。一緒にドライブしようぜ」

    アニ「ドライブ?アンタ免許持ってんの?」

    エレン「想像に任せる」

    アニ「信用できないね。事故られたらたまったもんじゃない」

    エレン「その時はその時さ。乗れって」

    アニ「うわっ」

    エレンはアニを後ろの席に乗せ、ヘルメットをかぶせた。
    そして、自分もヘルメットをかぶりバイクにまたがった。

    エレン「おれの腰つかんでろ。離すなよ」


    そういって轟音を立てながら道路に進んでいった。


  72. 72 : : 2013/10/12(土) 20:58:04

    ザザー・・・ザザー


    アニとエレンは座っていた。

    アニ「海・・・か。はじめてきたよ」

    エレン「そうだったのか。このご時世、いつでも来れるようになったけどな」

    エレン「壁もない。巨人もいない。ほしいものは手に入る。行きたいところはいける。便利な世の中になったもんだ」

    アニ「そうだね・・・」

    アニ「・・・」

    エレン「・・・」
  73. 73 : : 2013/10/12(土) 20:58:12


    エレン「それにしてもさっきは驚いたな」

    アニはその言葉を聞いて一瞬震えた。そのまま話し続けられるのはつらいと思った。

    エレン「こう・・・知ってる人に立て続けに会うっていうのもよくあることじゃねえな」

    アニ「・・・やめて」

    エレン「懐かしいようなそうでもないような変な気持ちだな」

    アニ「・・・やめて」

    エレン「やっぱりみんなこっちの世界に来てるんだな」

    アニ「やめてええええええええ!!!」


    不意に叫んだアニにエレンは驚いて目を受ける。

    アニ「も、もうやめて・・・」

    アニ「私が・・・私が悪かったから!」

    アニ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・」

    エレン「ご、ごめんな!泣かせるつもりじゃ・・・」

    アニ「もう耐えられない!」

    アニ「あの日からずっとそうだった!」

    アニ「あの日から毎日呪われたように憑かれたようにあの記憶に襲われる!」

    アニ「今の私とは何の関係もないと思いたいのに」

    アニ「記憶はそれを許してくれない!」

    アニ「ずっとずっと私を責め続ける!」

    アニ「今のアニ・レオンハートは」

    アニ「前世のアニ。レオンハートの償いのためにあるんだ!」

    アニ「今の私は自由にいきることなんて許されない!」

    アニ「一生かけて前世の罪を償わなきゃならないんだ!!」


    アニ「嫌だよ!」

    アニ「辛いよ!!」

    アニ「逃げたいよ!!!」

    アニ「でも逃げられないんだ!」

    アニ「蜘蛛の巣みたいに絡みついてくる!」

    アニ「そしてじわじわ引きずり込まれる!」

    アニ「前世で逃げ回って逃げ回って逃げ回った分だけ」

    アニ「この世界で苦しめられる!!」

    アニ「ねえ!なんで私は生まれ変わったの?」

    アニ「償うためだけに生まれたのなら、今の私に生きてる意味はないの?」

    アニ「いないほうがいいんでしょ?」

    アニ「ねえ」

    アニ「私がいなかったら世界はもっと明るかったのかな」

    アニ「前世も今も未来も私が生まれてこなかったらもっと幸せだったのかな」

    アニ「なんで私は!!」

    アニ「私は・・・!」

    アニ「答えてよ!!」

    アニ「・・・エレン」ポロポロ

  74. 74 : : 2013/10/12(土) 20:59:51

    大詰めに来ました

    見てくれてる人はいるんだろうか・・・(T_T)
  75. 75 : : 2013/10/12(土) 21:16:44
    ハーイ
  76. 76 : : 2013/10/12(土) 21:17:14
    見てますよー
  77. 77 : : 2013/10/12(土) 21:25:14

    エレンは泣き崩れたアニをそっと抱いた。

    そして黙って水平線の彼方を見た。

    そこには壁はなかった。

    夕日が沈もうとしていた。


    アニ「アンタはなんで私を許せるの・・・?」


    アニはうつむいたまま震え声でつぶやいた。

    エレンは靴を脱いで足で砂を蹴った。砂は夕日を背に輝いた星のようだった。


    エレン「おれには」

    エレンはぽつりと話し始めた。

    エレン「妹がいたんだ」

    エレン「ミカサって名前のさ」

    アニは驚いて顔をあげた。

    エレン「双子だったんだおれたち」

    エレンの顔は無表情で、しかしどこか悲しげだった。


    エレンはけがの多い子供だった。エレンは前世の記憶を幼いころに思い出していた。飛べるはずもない高さから飛び降りたり、自分より体の大きなものに対しても構わず突っかかっていった。
    保育園にあったジャックと豆の木の巨人が出てくるページを黒く塗りつぶし、2本のカッターナイフでバラバラにした。

    幼い体と前世の記憶が釣り合わず、錯乱することもあった。何度も精神病院につれて行かれた。暴れまわって部屋中のものを壊すこともしばしばだった。

    そんなエレンにミカサはいつもくっついていた。前世でのミカサの想いが通じたらしく、2人は家族として生まれ変わった。しかしミカサは記憶を受け継がなかった。残ったのはエレンへの愛情だけだった。

    エレンはそうやって自分についてくるミカサを煩わしがった。しかし何度突き放そうとしてもそのたびについてきた。ミカサは純粋にエレンが好きだったのだ。

    そして6歳の秋、ミカサは死んだ。

    「エレン・・・」

    それがミカサの最期の言葉だった。エレンは最後にミカサに守られて生き残ったのだった。


    それからのエレンは狂ってしまったかのようだった。

    家を飛び出し、深夜に街を徘徊した。何度も警察に捕まりそうになった。何かを探すように歩き回り、絡んできた不良はみな半殺しにした。自分の手から血が噴き出しても殴り続けた。前世で自分のしたことと、そのせいで死んだ人、ミカサの事が頭を巡った。

    自分も他人も何もかもが許せなかった。

    何も得るものはないとわかっていても、右手の甲を噛み切り続けた。

  78. 78 : : 2013/10/12(土) 21:42:13

    エレン「お前の気持ち、わかんないこともないよ」

    エレンはそういった。

    エレン「おれだって昔はそうだったんだ」

    エレン「でもなあに」

    エレン「お前はもう十分頑張ったんだろ」

    アニ「・・・」

    エレン「お前はさっき、なんで私を許せるのって言ったけどな」

    エレン「エレン・イェーガーは心の中で一生やつらを許さなかった」

    エレン「その一生で充分だろ」

    エレン「あのころはみな生きることに必死だった」

    エレン「今に残ったのは、アニ・レオンハートへの想いだけ」

    エレン「それでいいだろ」


    ずるいじゃないか。
    アニはそう思った。

    被害者のアンタがそこまで言うなら、加害者の私は何も言えなくなるじゃないか。

    エレン「まあ、リヴァイさんに拾ってもらっていろいろと治ってきたんだけどな」

    エレン「だから、あの辺の不良にはよく知られてるってわけだ」

    エレンは話し終わると空を見上げた。

    太陽はとうに沈み、星が空を覆っていた。
  79. 79 : : 2013/10/12(土) 21:42:21


    エレン「ここには石炭袋はないな」

    アニ「そうだね」

    エレン「そのかわりに、ほら」

    エレンは砂の上に落ちているものを拾い上げた。

    アニ「それ、何?」

    エレン「そういや、お前海に来たことないって言ってたな。これ、ガラスだよ。削られて角が丸くなったのがいっぱい落ちてるんだ」

    アニ「・・・ふーん」

    エレン「こうしてみたらガラスもなかなかきれいなんだよな」

    エレンはガラスを掲げた。碧に光るそれは、エレンの目と同じ色だった。

    エレン「ほら、こっちにもある」

    エレンが拾い上げたのはきれいな蒼色のガラスのかけらだった。

    エレン「これ、お前の目と同じ色してるな」

    エレン「きれいだよ」

    まったく、こいつはたまにロマンチストになるもんだ。アニはおかしくなった。

    エレンは2つのガラスを重ねて砂浜に置いた。


    空にはたくさんの星が瞬いていた。
    あの時から今まで変わらずそこにあるのだろうか。

    アニ「・・・あの星」

    エレン「・・・ああ」


    アニ「南十字星だ・・・」

    その星はあの時と変わらない場所で輝いていた。

    エレン「おれたちがこうやって生まれ変わるのを」

    エレン「星はずっと見てたんだろうな」

    エレン「なあ、アニ。おれ、わかったことがあるんだ」

    アニ「・・・私も」


    エレン「おれたちって、『久しぶり』じゃなかったんだな」

    アニ「・・・うん」


    エレン「『初めまして、アニ』」

    アニ「『初めまして、エレン』」

    繋いだ二人の手の上では約束の星が輝き、砂の上では碧と蒼のガラスが光っていた。
  80. 80 : : 2013/10/12(土) 21:45:30
    めっちゃいいですね!こういうの好きです
  81. 81 : : 2013/10/12(土) 21:53:44
    後日談を!
  82. 82 : : 2013/10/12(土) 21:55:46
    もうちょい続きます!



    結局アニはその日もジムにお世話になることになった。ジムについたのは夜の10時くらいだった。リビングに入るとミケが水を飲んでいた。エレンがリヴァイに「遅れてすいません!」というとリヴァイはエレンに一発蹴りをいれ、そのまま自分の部屋に引き上げていった。
    よほど強烈だったらしく、エレンは両手と両膝を地面につけて悶えていた。それを見たアニは吹き出しそうになった。

    アニは畳んで部屋の隅に置いていたナナバのジャージを持って風呂に向かった。まさか、今日もこれを使うことになるとは・・・

    風呂から上がると、アドレスが一つも入ってないはずのスマホに着信履歴があった。訝しく思ってかけなおすと父の声が聞こえてきた

    「どこ行ったんだ?」

    「ちょっと、知り合いの家に泊めてもらってるんだ」

    「そうか。心配したよ」

    安堵したような父の声を聴き、アニは少し申し訳ない気持ちになった。

    「心配しないで、父さん。明日は帰るから。おやすみ」

    そういってアニは電話を切った。

    アニの心はあたたかかった。
  83. 83 : : 2013/10/12(土) 22:34:01

    しばらくしてエレンが部屋のドアを叩いた。
    「入っていいよ」というとエレンが救急箱を持って入ってきた。

    アニ「どうしたの」

    エレン「お前、足怪我してるだろ。今日見ててなんとなくわかったよ」

    スポーツやってるだけあるんだな、アニは感心した。

    エレン「足出してみろって」

    アニは素直に足を出した。アニの足首は青く腫れていた。エレンはそこを冷やし、テーピングを巻いた。

    エレン「これくらいなら大丈夫だな。明日にはよくなると思うぜ」

    アニ「ありがと」

    アニはソファに座った。エレンも隣に座った。


    不意にエレンのスマホが鳴った。
    エレンは「悪い」と言って電話に出た。

    「おう、元気か」

    「ああ、おれはいつも通り大丈夫だって」

    「分かってる。お前も気をつけろよ」

    「わかった。近々一回帰るから」

    「おやすみ。ミカサ」

    最期の一言にアニははじかれたようにエレンを見た。

    アニの視線にエレンは答えた。

    エレン「ああ。実は、おれが10歳の時に妹がもう一人生まれたんだ」

    その妹はミカサの命日と同じ日に生まれた。その黒髪の女の子に何らかの縁を感じた両親はその子を「ミカサ」と名付けた。その名の通りミカサは、彼女の亡き姉に似ていった。黒い髪に黒い目、エレンについて回るところさえそっくりだった。

    姉の事でエレンと両親の間には決定的な溝ができてしまっていたが、妹のミカサの存在で両社は互いに寄り添おうとし始めた。やはり気を遣わなければならないのはしんどいことであったが、ミカサの事を思うと我慢はできた。

    それで公認の家出状態か。アニは納得した。

    エレン「つくづく恵まれてるな、おれ」

    そういってエレンはスマホをいじり、アニに見せた。

    エレン「そして、お前もな」

    アニはエレンのスマホを覗き込んだ。そして驚いて声を上げた

    アニ「こ、これは!?」


  84. 84 : : 2013/10/12(土) 23:00:39
    from:ライナー
    Re:
    ――――――――――
    エレン!
    ありがとな!

    あいつ、全部自分で背負い込んじまう
    癖があるからさ

    これからはおれたちも協力できるな!



    from:ベルトルト
    Re:
    ――――――――――
    アニの事ありがとう!

    やっぱり僕たちだけだったら
    アニに嫌な思いをさせるかもしれないと思って・・・

    本当にありがとう!

    今度遊びに行こうね^^




    アニ「な、なんでライナーとベルトルトが?」

    エレン「ああ、おれがまだ悪かったころにな、街で出会ったことがあるんだ」

    エレン「出会った瞬間すぐ喧嘩になったよ」

    エレン「それから何度も喧嘩をしてな」

    エレン「あるとき、気持ちいいって思ったんだ」

    エレン「ほら、巨人化っていうハンデがない分対等に戦えるだろ?」

    エレン「おれが倒れこんでたらライナーがジュースを買ってきてこう言ったんだ」

    エレン「『これからも喧嘩しような』ってな」

    エレン「笑っちまうだろ?」

    エレン「それから仲良くなったんだ」

    アニ「・・・そうなんだ」


    エレン「まあ、あいつらにも記憶があったんだな」

    エレン「あいつらはお前につらい思いをさせたくなくて黙ってたんだろ」

    エレン「お前の事を大切に思ってるやつはいっぱいいるんだぜ?」

    エレン「だから、大丈夫だって」

    アニ「・・・うん」
  85. 85 : : 2013/10/12(土) 23:00:59


    アニ「ところで」

    アニ「今日はどこで寝る?」

    エレン「え?」

    エレンは顔を赤くする。その様子にアニはちょっぴり満足して答えを待った。

    エレン「まあ・・・せっかくだしな。今日はここで寝てやるよ」

    アニ「ん、よろしい」

    アニ「ただし」

    アニはそういって布団にもぐり、エレンのほうを向いた。

    アニ「今夜は私の隣で寝ること」

    エレン「ええええええ!?」

    リヴァイ「うるせぇぞ!エレン!!」

    飛んできたリヴァイの声にエレンはすいません!と叫ぶ。

    アニはエレンをじっと見た。

    エレン「・・・降参だ」

    そういってエレンはアニの隣に入った。すかさずアニはエレンに抱き着いた。

    エレン「ちょ、何するんだよ」

    アニ「ふふん。逃げたらだめだよ」

    エレン「逃げねえよ」

    アニ「よろしい」

    エレン「・・・」

    アニ「・・・」


    アニ「ねぇ、エレン」

    エレン「なんだ?アニ」

    アニ「あったかい」

    エレン「そうだな」



    アニ「あの夜言ったこと、もう一回言いたいんだ」

    エレン「ん。」

    アニ「私は」

    アニ「アンタを愛してる」

    エレン「おれも」

    エレン「お前を愛してる」

    アニ「ふふっ。生きるって、いいことだね」

    エレン「そうだろ」


    2人の間の距離は0になっていた

    あの時と今はつながっているのだろうか

    たとえそうだとしてもそうでないとしても

    二人は振り返らないだろう


    その意味を教えてくれたのはあの碧色の目

    受け止めたのは蒼色の目

    2つのガラスが寄り添ったように

    これから待つ未来に

    二人は口づけを交わした




  86. 86 : : 2013/10/12(土) 23:01:57

    終了です!!
    いやー長かった!!

    あと、少しエピローグを書くつもりです\(^o^)/

    (プロローグがなかったのは突っ込まないお約束)

    ここまで見てくださってありがとうございました!!

    コメント残していただけると嬉しいです\(^o^)/
  87. 87 : : 2013/10/12(土) 23:04:19
    エピローグ待っとるぞ!
  88. 88 : : 2013/10/13(日) 00:54:38
    凄すぎ!
    これからも、エレアニを書いてくれたら嬉しいです(o ̄∇ ̄)/
  89. 89 : : 2013/10/13(日) 01:12:01
    クッソ良い話じゃねーか。゚(゚´Д`゚)゚。
  90. 90 : : 2013/10/13(日) 01:18:04
    良い
  91. 91 : : 2013/10/13(日) 07:04:18
    なにこれ………………























    良すぎだろぉ!!!!!
  92. 92 : : 2013/10/13(日) 17:55:51
    皆様ありがとうございます!!
    エレアニ大好きです\(^o^)/

    どんなのがよいかリクエストがあれば答えさせていただきたいと思います!


    では、エピローグ
  93. 93 : : 2013/10/13(日) 18:05:46

    一週間後アニは高校の職員室にいた。

    今日からアニは高校に通うことになったのだった。

    エレン曰く

    エレン「お前、友達作ったほうがいいよ」

    とのことで、いつもならそんな言葉に耳を傾けることはないアニであったが、何しろ大好きな彼からの言葉だったのでむげにはできなかった。
    途中入学ということで、試験や何やらがあると思っていたが中学の時の成績がよかったアニは、元中学からのお墨付きを得て面接だけで合格できたのだった。

    先生の後ろについて、自分の過ごすクラスに向かう。

    アニ(・・・だいじょうぶかな)

    アニは内心心配だった。これまでの日々の事や、連絡をしあう友達が一人もいないということはやはり重要な問題に思えた。


    アニ(あ、でもエレンのアドはもらったんだった)

    空だったアドレス帳には2つの名前が載っていた。
    一つは、父さん。
    そしてもう一つはエレンのものだった。

    エレン「どうせこれからも会うだろ。アドくらい交換しとこうぜ」

    エレンはそういって自分のアドを教えてきた。

    アニ「しょうがないな」

    といいながらも内心ガッツポーズをしてアニはエレンのアドレスを登録したのだった。


    そんなことを考えているうちに2年4組の教室の前にやってきた。

    「私が先にレオンハートさんを紹介するから、呼ばれたら入ってきてね」

    そういって先生は教室の中へ入っていった。

    「ホームルーム始めるよー」

    先生の声が響き、生徒が次々と席に座る音が聞こえた。

    朝の連絡、日直の係からの伝達の後、先生は口を開いた。

    「さて、今日からこのクラスに新しい仲間が増えました」

    アニ(『仲間、か』)

    前のアニにとっては何の意味も持たない言葉だったが、エレンと出会ったアニにとってそれはとてもとても大切なものだった。

    アニ(エレンは彼氏だけどね)

    「どうぞ、入ってください」

    先生の声を聞き、アニは教室の扉を開けた。
  94. 94 : : 2013/10/13(日) 18:26:03

    いつも通りの教室、いつも通りのみんな。
    そしていつも通りの担任の先生のホームルーム。
    何から何までいつもと同じだった。

    「今日の一時間目はなんだ?」

    「たしか数学だったはずだよ。宿題も出てたし」

    「あれ?そんなのあったっけ?覚えてないな。おれが天才だからかな」

    「今日で宿題忘れ50回目じゃねえか」

    「おなかへりましたぁ~」

    「ちょっとぉ、まだホームルームも終わってないじゃない」

    「ほっとけよそんなあんパン女」

    「ちょっ!あんパン女ってなんですか!」


    いつもと変わらない、そんな日常だった。

    ホームルームが終わると思った時、先生が口を開いた。

    「さて、今日からこのクラスに新しい仲間が増えました」


    みんなの目がふと、先生を見る。机にうつぶせていたものや、本を読んでいたもの、早弁をしようとしていた女子生徒も顔をあげる。

    「どうぞ、入ってください」


    身長はそれほど高くなく、きれいな金髪を後ろでまとめた端麗な女子生徒が教壇の横に立った。一瞬の沈黙の後


    「アニィイイイイイイイ!!!!!」

    教室のいたるところから叫び声が上がった。

    ライナー「お前っ!一言も高校に入るなんて言ってくれなかったじゃないか!」

    ベルトルト「っていうか、2年ぶりくらいにあった気がするよ!変わってないなぁ!」

    コニー「おおおおお!アニィ!久しぶりだな!」

    ジャン「ずいぶんと久しぶりじゃねえか」

    サシャ「アニじゃないですか!!お久しぶりです!」

    クリスタ「アニィイイ!!アニに会えなくてさびしかったんだからね!」

    ユミル「おいおい、クリスタちゃんには私がいるだろ。・・・久しぶりだな、アニ」


    アニの周りには瞬く間に人だかりができた。

    「はいはい!静かにして!」

    アニは少しざわざわが収まって口を開いた。

    「アニ・レオンハートです。今日、この高校に入学しました。みなさん仲良くしてください。・・・得意技は回し蹴りです」ニコッ

    その笑顔にアニの事を知らなかった男子たちは顔を赤らめた。

    「今日からみんなの仲間だからね!仲良くするように!それではホームルームは終了」

    そういって先生は教室を出て行った。
  95. 95 : : 2013/10/13(日) 18:33:49
    まだ続きある感じですか? あるなら超期待!!
  96. 96 : : 2013/10/13(日) 18:37:31

    生徒たちが次々と席を立つ中、アニはまだみんなに囲まれていた。


    アニ「しばらくだったね」

    サシャ「これからはまたアニと一緒にお昼御飯が食べられますね!」

    ジャン「お前は人のおかず食うんじゃねえよ」

    コニー「いやー、アニがいねえと鬼ごっこに張り合いがねえんだよ!」

    クリスタ「アニ!困ったことがあったらなんでも聞いてね!大体の事はユミルが引き受けてくれるから!」

    ユミル「(堕天使)」

    アニ「みんな、ありがと」



    ライナー「知らなったぜ!まったく」

    ベルトルト「本当に驚いたよ!」

    アニ「アンタら・・・」

    アニ「ちょっと屈んで」

    アニの身長では二人の耳には届かず、ライナーとベルトルトは屈んでアニからの言葉を待った。

    だが、次の瞬間、二人の鳩尾にはアニの脚が食いび込んでいた。

    クリスタ「な、何するの!アニ」


    ライナー「」チーン

    ベルトルト「」チーン

    アニ「ちょっとした、ごあいさつさ」

    ユミル「そろそろ教室移動するか」

    ジャン「そうだな」

    サシャ「ではアニ、先に行ってますね」

    アニ「うん。私も追いつくから」

    アニはみんなの背中を見送った。

    そして足元に倒れている二人の大男を見下ろした。5歳くらいまではアニのほうが高かったというのに、今では30センチでは足りないくらいに引き離されてしまった。だからこうして見下ろすというのはなんとなく気分がよかった。
  97. 97 : : 2013/10/13(日) 19:16:08

    アニ「二人とも早く起きなよ」

    ライナー「・・・いてて」

    ベルトルト「・・・うぅ」

    アニ「さて?」

    アニは立ち上がった二人に迫った。身長は届かないが、にこにこしながらこぶしを鳴らすアニはなかなか迫力があった。ライナーとベルトルトは無意識に後ずさりをした。

    アニ「なんでずっと黙ってたのかな?」

    こぶしがパキパキと鳴る。ライナーとベルトルトは目を合わせた。

    おれたち、今日が命日かもしれないな。ああ、僕もそんな気がするよ。

    アニ「昔は週に一回はうちに来てたのに、なんで最近は来なくなったのかな?」

    アニの蒼い目にのぞきこまれ、ライナーとベルトルトは観念した。

    ライナー「その・・・記憶を取戻しちまったんだったら、おれたちと会うだけで・・・な」

    ベルトルト「うん・・・アニを苦しめるかもしれないと思って・・・」

    ライナー「ただでさえ、お前は傷つきやすいんだ。それ以上お前が傷つくのを見たくなかったんだ」

    ベルトルト「僕たちは記憶が戻ったのが早かったんだ。だから、アニにはずっと黙ってたんだけど・・・」

    ライナー「すまなかった」

    ベルトルト「ごめんね、アニ」

    ライナーとベルトルトは申し訳なさそうにうつむく。

    アニはそんな二人に抱き着いた。
    蹴り飛ばされると思っていた二人は驚いた。

    アニ「何さ!二人して!」

    アニ「前世とは違って仲良くしちゃいけない理由なんてないんだから!」

    アニ「一緒にいてくれたってよかったじゃないか!」

    アニ「私たちは幼馴染でしょ!」

    アニ「どれだけ寂しかったことか!」ポロポロ

    アニ「この筋肉巨人とのっぽ巨人!」グズグズ

    アニは二人に抱き着いたまま顔をうずめ、涙を流した。ライナーとベルトルトは申し訳なさそうにアニの頭を撫でた。

    ライナー「ごめんな。もう絶対一人にはさせない」

    ベルトルト「約束するよ」

    アニ「・・・絶対だからね」ヒック

    三人はその場で抱き合った。


    アニ「まあ、気を遣ってくれたことは感謝するよ」

    アニは言った。

    アニ「エレンと出会ってそれが分かったし」

    アニはそういって少しほほを染めた。

    ライナー「あいつもなかなかやるよな」

    ベルトルト「そうだよね。このアニを彼女にするなんて」

    アニ「もう一度蹴られたいのかい?」

    ベルトルト「遠慮しとくよ」

    ライナー「幸せにしてもらえよ」

    アニ「・・・うん」
  98. 98 : : 2013/10/13(日) 19:16:15


    ライナー「ところで、アニ」

    アニ「なんだい」

    ライナー「さっき倒れていた時に見えたんだが」

    ライナー「お前、今日は白いパンツなんだな!」

    アニ「」

    ベルトルト「ちょ、ライナー?」

    ライナー「何言ってんだ、お前も見てただろ。薄目してたじゃねえか」

    ベルトルト「ああああああ!!!」

    アニ「・・・二人とも」


    アニ「死にたいみたいだね?」ニコッ

    ライナー「」シンダフリ

    ベルトルト「」シンダフリ

    アニ「・・・と、言いたいところだけど、今日は許してあげるよ」

    ライナー「お、おお!」

    アニ「ただし」

    ベルトルト「ただし?」

    アニ「私とエレンの最高のデートプランを立てるのに協力する子こと」

    ライベル「・・・協力させていただきます」

    アニ「よろしい」

    アニ「じゃ、そろそろいこっか。授業に遅れちゃうよ」

    アニ「ね。頼れる、お・に・い・ちゃ・ん」ボソッ

    ライベル(天使)


    駆け出すアニにあわててついていくライナーとベルトルト。

    駆け込んだ教室には、コニーやサシャ、ジャン、ユミルにクリスタが待っている。

    近いうちにはまたエレンと会うこともできるだろう。

    リヴァイやミカサにも会うかもしれない。

    そういえばナナバさんにお礼言わないと、あ、ハンジさんやゲルガーさんやミケさんにもお世話になったな。


    アニの蒼い瞳には希望が輝いている

    これから始まる、アニ・レオンハートとしての新しい人生

    その先に待つものは何かわからないが

    今の私なら大丈夫

    そう思ってアニは席に着いた




  99. 99 : : 2013/10/13(日) 19:18:17
    エピローグ終了です!

    長々と見ていただき本当にありがとうございました\(^o^)/

    読み返してみると、誤字脱字ばかりで大変恥ずかしい・・・

    もっと上達するように努力します!!


    感想や、次のSSのリクエストなどのコメント待ってます!!
  100. 100 : : 2013/10/13(日) 19:32:56
    おお!

    面白かった(●´ω`●)
  101. 101 : : 2013/10/13(日) 19:42:48
    乙ー!!

    マジ最高のSSだった!
    次回作楽しみに待ってるぜ!
  102. 102 : : 2013/10/13(日) 19:44:13
    またエレアニ書いてください!
  103. 103 : : 2013/10/13(日) 20:21:55
    このSSはすごい!
    ほんまおもしろかった!
    乙です!
  104. 104 : : 2013/10/13(日) 21:15:22
    よかったですよ(´艸`*)

    ただ、なぜか自分は途中の「じゃがりこ」の文字で盛大に吹き出しました(笑)

    着眼点がおかしいとよく言われます


    お疲れ様でした<m(__)m>
  105. 105 : : 2013/10/13(日) 21:26:28
    いやー素晴らしいw
    しかしナナバって女だっけ?ww
  106. 106 : : 2013/10/13(日) 21:46:47
    ナナバは公式でも女だよ
  107. 107 : : 2013/10/13(日) 21:51:44
    もしかしてpixivでも似たような作品がありましたが、同じ作者の方ですか(≧∇≦)?
  108. 108 : : 2013/10/13(日) 21:56:34
    ぐっひょっ!!
  109. 109 : : 2013/10/13(日) 21:57:44
    続編が見たい
  110. 110 : : 2013/10/13(日) 22:07:49
    良すぎ泣いたww
  111. 111 : : 2013/10/13(日) 22:19:14
    エレアニ好きとしてとても良いssだったと思います。ただPixivで見たことあるネタで、同じ作者さんだったらいいのですが....
  112. 112 : : 2013/10/13(日) 23:14:31
    最高としか言いようがなぃですΣ(OωO )
    次回、楽しみにしてもよろしぃでしょぅか???
  113. 113 : : 2013/10/13(日) 23:24:31
    マジで神
  114. 114 : : 2013/10/14(月) 00:34:46
    いままでの読んできたSSで一番良かったかも!
    乙です!
  115. 115 : : 2013/10/14(月) 00:46:42
    なにミカサ殺してんだ!
  116. 116 : : 2013/10/14(月) 01:20:03
    ミカサの再誕の件で泣いてしまいました。

    全体を通して、振り返ると感動の余り言葉が出てきません。

    「碧の目と南十字星」からずっと真剣に読ませていただいていたので、完結したようでホッといています。

    私が読んてきた中でもトップクラスの感動話でした。ありがとうございました!
  117. 117 : : 2013/10/14(月) 01:20:42
    最高でした!!
    続きが早くみたいな!
  118. 118 : : 2013/10/14(月) 01:46:44

    最高すぎる!

    やっぱエレアニ最高だわ!

    次回作も期待してます!
  119. 119 : : 2013/10/14(月) 07:09:07
    あなた…神ですね!
    すごいおもしろかった!!
  120. 120 : : 2013/10/14(月) 07:09:57
    エレアニ最強!
  121. 121 : : 2013/10/14(月) 08:02:05
    続編希望です!
  122. 122 : : 2013/10/14(月) 08:03:12
    ここから続編するの……ムズくないですかね?
  123. 123 : : 2013/10/14(月) 09:37:47
    エレンとアニのデートが
    みたいなぁ~♪
  124. 124 : : 2013/10/14(月) 13:46:13
    リヴァペトみてみたい!
  125. 125 : : 2013/10/14(月) 14:27:35

    全然作風が違う新しいの書きました

    エレン「結婚しよ」アニ「やだ」
    http://www.ssnote.net/archives/1024
  126. 126 : : 2013/10/14(月) 15:15:32
    pixivで星の呼び名と星の行方で相当泣かせてもらったので作者の方が同一の方なんだろうなと思い、読ませてもらいました。
  127. 127 : : 2013/10/14(月) 19:32:54
    新しい!!めっちゃ良かったです!!
  128. 128 : : 2013/10/14(月) 23:34:08
    おもしろかった!!
  129. 129 : : 2013/10/15(火) 00:16:30
    素晴らしすぎる
  130. 130 : : 2013/10/15(火) 10:13:37
    感動!続編期待!
  131. 131 : : 2013/10/16(水) 00:03:54
    このSSは素晴らしいε-(´∀`)
  132. 132 : : 2013/10/16(水) 00:46:56
    ヤヴァイ・・・最高
           感動
  133. 133 : : 2013/10/16(水) 22:05:23

    また懲りずに新しいの書いた。


    アルミン「ねぇ、アニ」アニ「ん?」
    http://www.ssnote.net/archives/1164
  134. 134 : : 2013/10/17(木) 12:22:58
    おおおお!
  135. 135 : : 2013/10/20(日) 19:47:50

    すこしシリアスなもの、書き始めた

    ひまわりと海

    http://www.ssnote.net/archives/1328
  136. 136 : : 2013/10/20(日) 19:50:20
    またエレアニで書いてほしいです!
  137. 137 : : 2013/10/22(火) 23:26:16
    なんかめからなみだがでてきたぞ
    らいなーもべるとるともいいやつだな
    こにーかっこいいやっぱてんさいだ
  138. 138 : : 2013/10/23(水) 17:25:23
    世界観が良すぎる…!!
  139. 139 : : 2013/11/08(金) 01:47:49
    感動しました…!
  140. 140 : : 2013/12/17(火) 22:23:53
    capricoさんの作品をみたらカプりつけ!!
  141. 141 : : 2013/12/25(水) 12:52:35
    全日本が泣いた!!www
  142. 142 : : 2014/02/18(火) 14:08:01
    あなたこそssの神。
  143. 143 : : 2014/02/18(火) 18:28:27
    何なんだろうこの言葉にできない感情…
  144. 144 : : 2014/02/19(水) 00:22:01
    めちゃくちゃ感動した
    同郷三人組には幸せになってもらいたい、、、
  145. 145 : : 2014/03/10(月) 11:17:40
    今までのssのなかで一番感動した!
  146. 146 : : 2014/03/24(月) 13:20:07
    俺のコメント発見!
    2回目だけど感動した!!
  147. 147 : : 2014/03/24(月) 13:49:24
    >>たかし
  148. 148 : : 2014/04/08(火) 23:26:03
    最後の3人が抱き合うところはサイコーだった。
    なぜか涙が…
  149. 149 : : 2020/10/11(日) 11:09:32
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

    http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=53

    http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=56

▲一番上へ

編集パスワード

スレッド投稿時に設定した編集パスワードを入力してください。