僕のヒーローアカデミア alter side 影に居た者の物語
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- 1 : 2018/12/30(日) 17:12:46 :
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この物語は、
ヒーローに焦がれ、
憧れた
孤独な少年の物語である...
僕のヒーローアカデミア
alter side
影に居た者の物語
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- 2 : 2018/12/30(日) 17:38:59 :
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『もう大丈夫だ。何故って?
私が来た!』
静寂が広がり殺風景な部屋の中で
テレビの音だけがこだまする。
それを見つめる一人の子供。
これはその子供の辿る
世の影の物語である。
第一話
平和の象徴の裏側に
世界はいつしか変わった。
超常が日常に、虚構 がリアル に。
何時だったかに
発光する子供が産まれて以来、
次々と能力を持つ超人は増え続け
いつしかその力は個性と呼ばれ
世の中は”超人社会”となった。
”ヒーロー”、そして”ヴィラン”。
そう呼ばれる者達が脚光を浴び、
善と悪がいかにも二分された様に見える今
そうではない”影”も、
また幾つか生まれていた。
太平洋上 海上プラント
座標 特定不能 時刻 不明
とある場所にて、彼は居た。
彼の名は狂操 広気。
何故年端もいかない彼が
洋上のプラントに居るかと言うと...
”その個性があまりにも強大なため”
である。
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- 3 : 2018/12/30(日) 18:01:52 :
- まずは彼の持つ個性、
その説明から始めよう。
彼の個性は ”狂気” 。
その特性は偏に言ってしまうなら
『人をどのようにも狂わせられる力』
その一点に尽きるのだ。
最初の事件は
彼が生まれた時の事。
彼は生まれた直後産声を上げる事なく
目を見開き黙ったままだった。
慌てた医師が彼を叩こうとした
そう、”その時である”
赤黒い静電気の様な波が、
周囲数メートル圏内に走ったと思えば
医師は”いきなり叫んで倒れた。”
いや、医師”だけ”ではない。
その周りの”看護師も泣き叫び”、
”広気の母親は気を失った”
そして周りの診察室でも同様の事が起こり
ただ一人赤子だけが
”静かに眠っていた”というのだ。
後の検証で分かったのは
産まれて数秒足らずの”彼”が
個性を発動した、そうそれだけで。
”大の大人達が一瞬で正気を失った”
あまりの異様な事態に
警察や医師は勿論、国家、
そしてこれを知った者達は
”皆、目を見開いて恐れた”
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- 4 : 2018/12/30(日) 18:17:39 :
- そして、それと同時期に
ある計画も立てられていた。
通称 ヘイヴン作成計画。
それは、あまりにも強すぎる力や
制御が難しいと判断された力を持つ
超人達。即ち強すぎる”力を”
”避難所 ”に逃がす。
そういった物だった。
当初は倫理観や人権、あらゆる問題が
ヘイヴンの設立に至って立ち塞がったが
上記の彼、狂操 広気の事件を受け
各国家及び”国連”すらも即座に承認。
こうしてヘイヴンが設立されると共に
その収容者第一号として
彼は今も太平洋上のプラントで
収容されている。
とはいえ、当初は広気の両親は
ヘイヴンへの収容を拒否し、
監視の目を受けてでも
彼を育てようと試みた。
だが、あまりにも強すぎる力と同時に
狂操 広気という人間は
凄まじい思考能力をも持っており
監視要員の敵意を”常に感じていた”
そして、当然身を守ろうと
”何度も個性を発動した”
それにより両親も気を病み
ついにはヘイヴンに彼は
改めて収容されたのだ。
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- 5 : 2018/12/30(日) 18:39:11 :
- そして現在。
人に愛される事を知る事もなく、
ただ一人で毎日の様な実験と
常にある監視の目。
そして、非情な管理者の思惑を感じ
毎日を苦痛に感じていた。
とはいえ
幸い、彼は個性をほぼ完璧に制御し
不用意には発動する事はなく。
また、その持ち前の思考能力もあってか
幼く、何より劣悪な環境にも関わらず
とても優しい子として育っていた。
そんな彼が初めてテレビを見て
外界の様子を知る。
ニュースでは火の手が上がるなか
”平和の象徴”即ち”オールマイト”が
人を笑って救う。
そう、彼はここで初めて”希望を得た”。
叶う筈の無い事と何処かで解っていても
やはり年相応と言うべきか
”ヒーロー”に憧れ、また
何時か自分を”救ってくれるのでは”と
思ったのだった。
一方でオールマイトは...
「...彼が、件の」
「そう、通称”次世代型個性保持者”。
我々の希望にも、最大の敵にも
成り得る強大な力の持ち主だ。
オールフォーワンも恐らく
彼を狙った筈、もしくは現在進行形で
狙っている筈だ。」
とある場所にて旧知の仲の
塚内 直正と共にヘイヴンにいる
狂操に関してを話していた。
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- 6 : 2018/12/30(日) 19:11:37 :
- 「...報告書を読んだが、
彼の精神衛生状態とか健康状態...
大丈夫なのかい?
常に監視カメラが360°ついて、
監視員が五人に暴走時等の等の有事の際は
...プロヒーロー複数による処理...」
「不思議にもそこまで状態は悪くない。
彼の精神鑑定、健康状態のチェックでは
共に異常無し。
とはいえ、ガラス越しにでも
彼を見たが状況は芳しくない。
常に本を読み時々微笑んでいたが、
近くまで行くと気配を感じてか
”酷く怯えていた”様に感じたよ...」
「...管理者、そして環境か...
大人でもキツい実験を毎日...
しかも実質銃を突き付けられたままの生活...
本当に何も出来ないのが心苦しい物だよ...
と、まぁ...
それはさておき本題に移ろうか...」
「彼の個性に関してだね。
検査によるとだが、
公開分だけでも”日々成長し続けている”。
主に効果範囲、強制力...そしてこれは
小耳に挟んだだけだが。
新たな個性の使い方も存在する
...らしい。」
「どういう事だい?塚内君、」
「どうも監視員も疲れていたのか
変なことを口走っていてね。
『これ以上アイツが
”物理的にも強くなるなんて地獄だな”』
と言っていたんだ。
しかし考えてみてくれ。
彼は幼くそれに加え痩せぎみ。
となると訓練された訳でも無い筈だ。
となると後は一つだろう、」
「、彼は個性を使って何らかの
物理的攻撃手段を得た、か...
彼の性格を鑑みても戦闘に関してを
自発的に学ぶ筈は無いと思うが、
そこは大人が何かと
ちょっかいを出したり、或いは
教え込んでしまったと考えると
合点が行く...」
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- 7 : 2019/03/21(木) 01:14:05 :
- そんなノリで憶測や考察を続けていた
オールマイト達の元に一つの連絡が行く。
『緊急事態ですオールマイトさん!
例の”スーパーヴィラン”
”ヴラシス”が出現、
至急、応援頼みます!』
「ッ!分かった、直ぐに私が行く!」
「僕も色々と準備をする。」
「あぁ、では先に行かせて貰うよ!」
こうしてオールマイトが
焦って出動するのも無理はない。
ヴィラン名”ヴラシス”
その男の詳細は一切不明。
凄まじい個性を以て多数のヒーローを
行動不能にさせてきた事実があり、
その正体の片鱗すら未だに
ヒーローと警察は掴めていないという
まさにスーパーヴィランの名に違わぬ
凄まじい存在である為だ。
そして、当の本人”ヴラシス”は
街中で複数のヒーローと
激しい攻防を繰り返していた。
市街地 大通り
「ッ!コイツ、全く炎が効かねぇ!」
「なら遠距離攻撃は!?」
「無理だ!」
「無色の弾みたいなのが飛んできて
此方も掩護出来ません!」
こうして多数のヒーローを相手にしながら
手玉に取るその存在は
笑いながらこう伝える。
『ハッハー!
ヒーローだか何だか知らねぇが
そんなんじゃ俺は止められねぇよ!
ってな訳でもう決めさせて貰...
...ア?、何だ?』
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