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ソードアート・オンライン-if the Sinon-

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  1. 1 : : 2018/12/29(土) 00:47:37

    キリトとシノンのカップリングを受け付けない方は、ブラウザバック推奨です。


    シノンがアインクラッド初期から登場する世界。
    幾多の苦難を乗り越え、少年少女は惹かれ合う。


    第1層からのスタートなので、シノンは遠距離武器を持っていません。


    これらの内容に賛同してくれる方は応援よろしくお願いします。
  2. 3 : : 2018/12/29(土) 01:36:53

    ソードアート・オンラインがサービス開始されてから空に浮かんだ赤黒いオーブを纏った巨人から、このゲームがデスゲームと化した事を伝えられたあと、キリトという名の少年は、傍らにボーッと立ち尽くすクラインと呼ばれる青年の手を引いて裏路地に入る。

    キリト「よく聞け、俺はすぐに次の村へ向かう。お前も一緒に来い。」

    クライン「え…?」

    キリト「アイツの言葉が全部本当なら、この世界で生き残っていくためにはひたすら自分を強化しなくちゃならない。」

    キリト「VRMMORPGが供給するリソース、つまり、俺たちが得られる金や経験値は限られている。」

    ウィンドウで開いた第1層の全体マップを開いて、淡々とこのゲームのシステムを説明していく。

    クライン「何言って…」

    キリト「始まりの街周辺のフィールドはすぐに狩り尽くされるだろう。効率よく稼ぐには今のうちに次の村を拠点にした方がいい。」

    クライン「おい…」

    キリト「俺は道も危険なポイントも全部知ってるから、レベル1でも安全にたどり着ける。」

    そう言いきってウィンドウを閉じる。

    目の前にいるクラインは浮かない顔をする。

    クライン「でも、でもよ…俺は…他のゲームでダチだったやつと徹夜で並んでこのソフトを買ったんだ…」

    クラインは必死な顔でキリトに向き直る。

    クライン「アイツら、始まりの街の広場にいるはずなんだ…置いては行けねぇ。」

    そういったクラインは真剣に、だがどこか申し訳なさそうな顔をする。

    キリトは視界の端に見えるステータスバーを見る。そこには緑色のHPバーに 250/250 Lv:1と補足されている。

    キリト(クラインだけなら…だがあと2人…いや、1人増えたら…)

    そう、正直守りきれる自信がない。
    ただでさえ自分を守りきりるので精一杯なのに。

    クライン「悪ぃ…おめぇにこれ以上世話になるわけにはいかねぇよな…だから、気にしねーで次の村へ行ってくれ。」

    キリト「…」

    クライン「俺だって前のゲームじゃ、ギルドの頭はってたからな。おめぇに教わったテクでなんとかしてみせらぁ。」

    親指を立ててこう言うのだ。

    キリト「そっか…なら、ここで別れよう。何かあったら、メッセージ飛ばしてくれ…」

    クライン「おう!」

    キリト「じゃ…またなクライン…」

    そそくさと後ろを向いてキリトは立ち去ろうとする。

    クライン「…キリト。あ…」

    キリト「…」コツ…コツ…

    クライン「…おい、キリトよぉ、おめぇ、ホントは案外かわいい顔してやがんな。」

    キリト「…」

    彼が言っているのは、現実の顔だ。チュートリアルで配布された手鏡によって、自身で設定したアバターから、強制的に現実世界の顔にされてしまったのだ。

    クライン「結構好みだぜ。」

    キリト「!…お前もその野武士面の方が10倍似合ってるよ!」

    そう言い捨てて十数歩走ったあと、もう一度クラインのいたところを振り返ってみる。

    しかし、すでに彼はもう仲間の場所へと向かっていた。

    キリト「!…くっ…!」

    走り出す。
    裏路地を抜け、街を出ても走りを止めず。
    草原に入り、道に立ちはだかる1匹の狼型モンスター。

    キリト「うあぁぁぁぁッ!!」(俺は…俺は…生き延びてみせるッ!!)

    担いだ剣に帯びるソードスキルと呼ばれる技のパワーの青い剣筋が、夕陽の中狼を横に切り裂く。
    力の限り踏み出し続けながら切り伏せる。

    キリト(この世界でッ!!)


    キリト「うああああぁぁぁぁぁッッ!!」




  3. 4 : : 2018/12/30(日) 22:35:32

    アインクラッド第1層 ホルンカの村



    デスゲームが始まってから2回目の朝が来てしまった。1日たってもゲームの中とは、もうこれが現実だと改めて実感させられているようで。
    新しい拠点としていち早く来たこの村にもちらほらプレイヤーが見えるが、顔に落胆の色を浮かべている。


    キリト(ここにいるのはβテスト経験者か…はたまた勘のいいやつか…)

    そんなことを考えていると、視界に見慣れた人影が見える。

    キリト「情報を売ってくれ、アルゴ。」

    アルゴと呼ばれた人物は腕を組んでニヤリと笑う。

    アルゴ「どんな情報が欲しいんだイ、キー坊。ま、βテスト時の情報くらいしか、今はネタがないけどナ。」

    キリト「構わない。とりあえず、この村に俺達の他に何人いる。だいたいでいい。できれば具体的に。」

    アルゴ「1000コル。」

    アルゴはそう言って、またニヤリと笑う。

    キリト「おいおい、ぼったくりか?人数を知りたいだけだぞ。」

    アルゴ「キー坊が知りたいのは【βテスター】の情報だロ?まぁ…1000はウソだが、その半分は貰わないとナ。」

    キリト「はぁ…最序盤は金銭的にキツいんだがなぁ…」チャリン

    アルゴ「ニャフフ♪毎度あリ♪じゃあ情報言うゾ。一回しか言わないから聞き漏らすなヨ。」

    キリト「はいはい、情報屋のアルゴさん。」

    アルゴはニコニコしていた顔から真剣な顔に切り替わる。

    アルゴ「人数はさっき確認した分では16人だナ。まぁ、その全員がキー坊レベルかっていうと半分以下になるガ…」

    キリト「詳細の部分に関しては曖昧だな。情報屋の名が泣くんじゃないか?」

    アルゴ「【βテスト時の】キー坊って事だヨ。理解したかイ?」

    キリト「…まぁな…」

    アルゴ「昨日パーティー組んだ感じだとβテストの時よりも数段プレイヤースキルが上がってる感じがしたゾ。」

    キリト「HPが全損したら本当に死ぬって分かったら、そうなって当然だよ。アルゴも守らなきゃいけないと思ってたしな。」

    アルゴ「ニャハハ、嬉しいこと言ってくれるじゃないカ、オネーサンは嬉しいゾ♪」

    本当に嬉しそうにケラケラと笑う。

    キリト「情報ありがとうな。じゃあ、俺は装備の新調に向かわなきゃいけないから…
    「待て、キー坊。」

    アルゴが食いぎみに引き止める。


    アルゴ「もう一個、あるんだガ…買わないかイ?キー坊も知っていて損はなイ。」

    キリト「…何コルだ。」

    アルゴ「+200コルだヨ。」

    キリト「はぁ…結局1000とあまり大差ないじゃないか…分かったよ、買った。」チャリン


    アルゴ「ニャフフ♪毎度あリ♪じゃあ…聞き漏らすなヨ。」


  4. 5 : : 2018/12/31(月) 02:35:17

    ホルンカの村から15分ほどの草原


    キリト「せぇい!」ズバッ

    「ピギィィッ!!」バシャァンッ

    猪型のモンスターが悲鳴を上げてポリゴンとなって崩れていく。

    キリト「はぁ…βじゃこんなに長くなかったけどな…」スタスタ

    現在行っているクエストの場所がβテストとズレているのだ。

    キリト「ったく、クエストの場所もアルゴに聞いとくんだった…」


    そのあと5分ほど歩くと目標を見つける。
    視界に入るのは食人植物とでも言うのだろうか。ウツボカズラに牙が生え揃った大きな口をつけたモンスターが大量に。数的に10体以上いるだろうか。

    キリト(ポップしている量は変わってないみたいだが…中心に集まりすぎてないか?)

    βではかなり広めの草原に散り散りにポップしていたはずだ。

    モンスターの名前はリトル・ネペント。頭の上の触手に花が咲いている、【花付き】と呼ばれるのが今回のターゲットだ。

    キリト(パッと見た感じはいないみたいだが…)

    キリト(クソ…真ん中にいて少し見辛いが、【実付き】はいるみたいだな…)

    【実付き】というのは、花ではなく大きく膨らんだ実がついているネペントだ。

    コイツを倒してしまうと他のネペントを大量ポップさせてしまう。つまり、倒す必要のない大量のネペントに一瞬で囲まれてしまうのだ。

    キリト(アイツらが適当にバラけるまで待ってみるか?)

    そんなことを考えてる時に事は起きた。

    【実付き】が勢いよくポリゴンとなって弾けたのだ。

    キリト「っな?!」

    それと同時に倍近いネペントがポップする。
    自分の横にも1体。

    キリト(クッソ、誰か戦ってたから中心に集まってたのか!)

    背中の鞘から片手剣を抜き、横のネペントをソードスキルで斬りつける。

    「キシャアァァ…」バシャァン

    キリト(【スラント】で一撃ならッ!!)

    モンスター討伐の報酬も確認せず、ネペントが密集する集団に向かう。

    ネペントの間から人影が見える。

    同じ片手剣使いのようで、剣の扱いは悪くないようだが、HPゲージが黄色まで落ちている。

    キリト(これで間に合えッ!!)

    剣を肩の高さに構え、ライトエフェクトが立ち上がるのを確認する。

    序盤の下段突進技、【レイジスパイク】。

    ネペントを2体ほど貫通して群れに穴を開ける。

    キリト「おいッ!!無事か!!」

    囲まれていたのは同年代くらいのショートカットの少女だった。

    「えっ、ちょっ、?」

    キリト「とりあえずここから逃げるぞ!この数は無理だ!」

    「え、えぇ。分かったわ。」

    キリト「とにかくこっちに!今群れに穴を…なっ?!」

    さっき自力で開けたはずの穴は他のネペントですぐに埋められてしまったようだ。

    キリト「クソッ、君!後ろは任せるからな!」

    「できるか分からないけど…了解!」

    キリト「はぁぁッ!」

    右から横にかけて水平に斬りつける。
    単発水平斬り【ホリゾンタル】。

    ギリギリ2体目に引っ掛かり1体が消滅、2体目のHPの2/3を削る。

    キリト「まだまだぁッ!!!」

    続けて振り切った左側からもう一度【ホリゾンタル】を発動する。

    「「「ギシャアァァァッ」」」パリンッ パリンッ パリンッ

    今度は途中まで削った1体と、重なった2体を倒す。そこで包囲に穴が開く。

    キリト「今だッ!!俺の手を掴め!!」

    「え…ちょっと、急すぎ…
    キリト「ちょっと失礼するよ!」ガシッ

    少女の手首を強引に掴んで向き直る。

    「なっ!?何を…」

    キリト「せぇいッ!!」

    包囲の穴に向かってレイジスパイクを打つ。
    ソードスキルの推進力を使えば、突進で抜けられると思ったがどうやらハズレではなかったらしい。

    「ッ!!すごい…」

    手を引かれながら少女は呟く。

    ソードスキルが終わると同時に叫ぶ。

    キリト「走れぇッ!!」

    「はい!」

    ネペント達のヘイトが切れる距離まで二人は走り続けた。

  5. 6 : : 2019/01/01(火) 00:57:55

    「まさか助かるなんて…」

    キリト「同感だよ。あれを突破できるとは…君は相当な強運だな。」

    逃げた先の草原に二人はへたり込む。
    視界の隅にはターゲットの外れたネペント達がわらわらと蠢いている。

    「…とりあえず、ありがとう。あんな数が湧いた時は流石に死を覚悟したわ…」

    キリト「その割には落ち着いた対応だったと思うぜ。」

    「…そう、ありがとう、あの…」

    キリト「ん?あぁ、そういえば自己紹介もまだだったな、俺はキリト。えーと…」

    「私はシノン。そのままシノンって呼んでくれて構わないわ。」

    キリト「オーケー、聞きたい事はたくさんあるけど…ここじゃなんだし、一度村に戻らないか?周りには非アクティブのモンスターしか見えないけど、何があるか分からない。」

    シノン「非アクティブって?」

    キリト「こっちから仕掛けない限り、危害は加えてこないモンスターのことさ。」

    シノン「なるほど。うん、私も賛成。」

    キリト「よし、じゃあモンスターが襲ってきた時は協力頼むな。」

    シノン「えぇ、了解。」


  6. 7 : : 2019/01/01(火) 01:34:57

    数回蜂型のモンスター、【ワーカーワスプ】2〜3匹の群れと戦っただけで、苦もなく村に着いたのだが…



    ホルンカの村



    キリト「シノン…さん、もしかしてソードスキルはご存知でらっしゃらない?」

    シノン「シノンでいいって。さっきキリトが使ってた必殺技みたいなやつ?」

    キリト「はぁ…まさかソードスキル無しでネペントの群れに一人で突っ込んで行ってたとは…大した度胸だよ…」

    シノン「助けてくれたのは感謝してる。でもそんなに呆れなくても…」

    キリト「それがどれだけ危ない事だったか分かってないなシノン。」

    シノン「うぐ…」

    キリト「まぁでも、君が無事で良かった。結果オーライだ。」

    シノン「えぇ、ありがとう。」

    キリト「とりあえずどこか店に入らないか?腹減っちゃって。」グ~

    シノン「フフッ、はいはい。」
  7. 8 : : 2019/01/01(火) 02:47:47

    キリト「お、あそこ良くないか?」

    シノン「え、店に入るってこの世界、黒パン以外に食べ物があるの?」

    キリト「当たり前だろ。毎日黒パンだけじゃ味気ないからな。たまにはこういう店も…」

    シノン「私、あまりお金持ってないんだけど…」

    キリト「安心してくれ、第1層の普通の店で一人分多く払えるくらいは稼いでるよ。」

    そう、昨日までの狩りとさっきのネペント達でかなり稼げているのだ。それでもアルゴの情報料は一つで1000コルの場合があるからわりと痛いのだが。

    キリト「5000コルちょいか。うん、全然余裕。」

    ウィンドウを開いて所持金を確認する。一人前500コル程度なので一人ぐらい増えても払えなくない。

    シノン「ちょっと、悪いわよ。私は遠慮しとくわ。」

    キリト「いいって。気にしないで奢られてくれ。」

    シノン「もう…分かった、いつか必ず返すわ。」

    キリト「はは、それじゃ「奢り」じゃなくなるだろ。まぁ、了解。期待してる。」ギィッ


    入店するとすぐに視界に入るところに見慣れた顔がある以外は客はいなかったが…


    アルゴ「やぁ、キー坊。ちゃんと助けられたみたいだナ。」

    キリト「アルゴ…忘れてたが手伝ってくれても良かったんじゃないか?」

    アルゴ「おんやぁ?話を聞くなりすぐ行っちゃったじゃないカ~」ニヒヒ

    キリト「あくまで予想だったからすごく急いだわけではないんだがな…」

    シノン「えと…キリトもアルゴさんと知り合いなの?」

    アルゴ「アルゴでいいヨ。実はシーちゃんよりも前にオレっち達は深~い仲なんだヨ。」

    キリト「おぉい、アルゴ?誤解を生むからその言い方はやめてほしいんだが…」

    アルゴ「ニャフフ♪キー坊はイジりがいがあるなア♪」

    シノン「あの…」

    キリト「あぁ、すまない。あまり広めてほしくはないんだけど…実は俺達は…βテスターってやつなんだ。」

    シノン「なるほどね、キリトの動きがものすごく滑らかな理由が分かったわ。で、アルゴさんがβテストの時の情報を活かして情報屋をやってるってことね。」

    アルゴ「そういうことサ。まぁ、その話は食事でもしながら話そうじゃないカ。」

    キリト「そうそう、早く注文しようぜ。」ググ~

    シノン「もう…」
  8. 9 : : 2019/01/07(月) 03:09:48

    ウェイターNPC「お待たせ致しました。こちらAランチでございます。」


    運ばれて来た3人前の皿の上にはクリームソースらしきものがかけられた魚料理だった。


    キリト「さて、コイツはβの時とは違うのかな?」


    アルゴ「旨かったゾ。」ニヤニヤ


    キリト「おい、なんで言うんだよ。」


    シノン「えっと…いただきます…」カチャ


    キリト「おう、遠慮なく食ってくれ。」


    シノン「…はむっ」


    シノンが魚を切って口に運ぶところを二人で見つめる。すると、


    シノン「…!!」ポロ…


    シノンの目から涙がひとつ落ちる。


    キリト「え?!どうしたんだシノン!」


    シノン「え?…何が?」


    キリト「いや、お前泣いて…」


    シノン「え?…あれ、私…泣いてた…」ポロ…ポロ…


    ひとりでに止めどなく溢れてくるようだ。


    シノン「そっか…なんかね、この世界に閉じ込められて3日目だけどさ、まだどうやって生き残っていくか、全然分からないんだ…」


    キリト「…」


    シノン「正直ゲームもあまりやったことない私が、なんで唐突にSAOをやろうっておもったのか…」


    アルゴ「シーちゃん…」


    シノンはポツポツと話続ける。


    シノン「私、あまり自分自身が好きじゃなくて…そんな時にね、完全な仮想世界を実現したっていうSAOを知ったの。現実とは違う姿で現実とは全く違うこの世界なら私を受け入れる事が出来るかと思って徹夜して並んだわ。」


    キリト「シノン…」


    シノン「そしたらデスゲームになっちゃって…私は真っ先に死ぬだろうって思った。何も知らないんだもの。でも、せっかくこの世界にいるのなら、この世界の理の中で死のうって思ってた。自分が持ってる力で敵わないのならそれでいいかなって。」


    キリト「おい…シノン。」


    シノン「だから剣を持ってひたすら草原を走ったの。無茶なのは私でも分かってた。でも私がどこで死のうと他の人には関係無いものね。誰にも私を責める事はできないはずだわ。」


    キリト「シノン!」


    シノン「でも…助けてもらった。」


    キリト「へ?」


    シノン「あのモンスターから逃げられたし、こうやって食事もさせてもらってる。この料理を食べたら、生きてるっていう実感して…そしたら止まらなくなっちゃって…やっぱり私…死にたくないなぁ…」


    キリト「当たり前だろ。ここはゲームだけど、もうひとつの現実なんだ。俺達は生きてるんだよ、この世界で。だから…全力で立ち向かわないとな…先へ踏み出さないと。」


    ふと、天井…いや、この先に待つであろう残り99層を見上げる。


    アルゴ「キー坊。カッコいいこと言って、お前今確実に攻略の難易度を上げたんじゃないのカ?」ニヤニヤ


    キリト「は?どういうことだ?」


    アルゴ「いんや。自分で分かるようにならないといけないなぁと思ってナ。」ニシシ

  9. 10 : : 2019/01/07(月) 03:41:42
    キリシノは好きやな。期待やで~
  10. 11 : : 2019/01/07(月) 03:45:27

    アルゴの冗談を聞きながら食事を終える。


    アルゴ「そういえばキー坊。例のアイテムは取れたのカ?」


    キリト「それがさっき確認したんだが、やっぱり落ちてなくてな。」


    シノン「例のアイテム?」


    アルゴ「剣を手に入れるために必要なアイテムサ。【植物種の胚珠】っていうアイテムを依頼主に届けると剣を貰えるっていうクエストサ。」


    キリト「で、それを手に入れるためにさっきの草原に行ってたんだ。」


    アルゴ「いや、キー坊はシーちゃんが心配で心配で慌ててあの草原に走ったんだヨ。」


    キリト「なッ?!アルゴ、適当な事を言うなよ!」


    シノン「へー…私を…」ジトーッ


    キリト「勘違いしないでくれシノン。俺は剣が欲しくてだな、」


    シノン「じゃあ、私を助けたのはあくまで剣のためって事ね。」


    キリト「おぉい、シノンさん?今度はまた違う方向に勘違いをなされている気がするのですが…」


    アルゴ「ニャハハ、キー坊も大変だなァ。」


    キリト「おい、誰のせいだと…」


    シノン「その【植物種の胚珠】っていうのは草原で拾えるの?」


    アルゴ「いんや、リトルネペントっていうモンスターからドロップするんダ。」


    キリト「ネペントの【花付き】を倒すとドロップする。ちなみに【実付き】を倒すとネペント達が大量に出現しちゃうんだ。囲まれていたのはそのせいだと思う。」


    シノン「本当にすみませんでした…」


    キリト「いやいや、いいんだよ。結果生き残れたし、経験値もある程度稼げたしな。全然大丈夫。」


    アルゴ「お姫様を助けられたしナ。キー坊。」


    キリト「…もう勘弁してくれ…」


    シノン「それでそのアイテムはどうやって確認するの?」


    キリト「こうやってメインメニューを開くと、itemって欄があると思うんだけど…」シャラン


    試しに右手でメインメニューを開いてみせる。


    シノン「こう…あ、開いた。アイテム…アイテム…これか。」シャラン…ピッ


    シノン「えーっと…あっ、これ?」カラカラカラ…ピッ


    キリト「どれどれ?…なに?!アルゴ!見てくれ!」


    アルゴ「んー?…なっ?!!コイツは!!はっ!」


    アルゴは慌てて店内を見渡す。


    キリト「何やってんだ?」


    アルゴ「バカ、こんな貴重な情報、簡単に広めてたまるカ。それに詳しい入手方法も分かんないもの、知られても困るんだヨ。それにしても、【植物種の巨大な胚珠】…カ。これを依頼主に渡せば通常とは違う特典が付いた報酬になるかもしれないゾ。」


    キリト「なるほどな。良かったなシノン。めちゃくちゃラッキーじゃないか。今持ってるのも片手剣みたいだし、大幅な強化に繋がるかもしれないぞ。」


    アルゴ「ん?キー坊、欲しくないのカ?」


    キリト「バカ野郎、これはシノンの戦利品だ。ここで俺が欲しがるのはおかしいだろ。」


    シノン「キリト。」


    キリト「うん?」


    シノン「キリトはこのアイテムが欲しいのよね?」


    キリト「だからそれはシノンの…「キリト。」


    シノンが話を遮る。


    シノン「取引きしない?」


    キリト「はい?」


    シノン「取引きよ取引き。このアイテムを譲る代わりに…」


    キリト「…」


    シノン「私に…剣を教えて。」

  11. 12 : : 2019/01/07(月) 03:53:17

    >>10推しがシノンなんです。なのでSAOver.があったらいいなと思いまして書いてます。
    引き続き読んでいただければ幸いです。
  12. 13 : : 2019/01/07(月) 04:13:28
    アリゼレーションが出るまではシノン推しだったけど、今はアリスかな。面白いんで見ていきますよー
  13. 14 : : 2019/01/07(月) 09:37:27

    >>13アニメ、作画も主題歌も神ですよね。
    小説、ファントムバレットまでしか読んでないんですが、アニメを見てアリシゼーションも読んでみようって思えるほど良いアニメです!

    ありがとうございます!とても励みになります!
  14. 15 : : 2019/01/08(火) 00:22:42

    第1層 ホルンカ村近くの森林地帯


    すでに5日目の昼、木に擬態して人を襲うモンスター、【トレント】の討伐クエストの場所を目指して二人組が攻略をしていた。


    キリト「シノン!スイッチ!」


    シノン「せぇぁぁッ!!」ズバッ


    キリトが【クレストビースト】という頭に角の生えた虎型のモンスターの攻撃を弾き、シノンは剣をライトエフェクトで光らせ、スイッチで追撃をする。


    片手剣系統のソードスキル、【シャープネイル】。切り上げに始まり横に薙ぎ払い、切り下ろしに終わる3連撃。序盤ではわりと強力な部類のソードスキルである。


    「ガァァッ…」パリンッ


    クレストビーストが悲鳴を上げながら弾けたのを最後に戦闘は終了し、二人の前に報酬画面が出る。


    シノン「よし、レベルアップ。」


    シノンの報酬画面にはドロップしたアイテムと一緒にLevel up↑の表示が出る。


    キリト「お疲れ様。お、レベルアップしたのか。」


    シノン「そっちこそ。キリトのサポートのおかげでガンガン上がってるわ。今のでレベルは9ね。」


    キリト「いや、シノンのゲームセンスの良さには驚かせられるよ。ゲームをやったことがないとは思えない良い動きだと思う。」


    実際、シノンは出会った時に3~4体分のネペント撃破の報酬がアイテムストレージに入っていた。ということは、囲まれた中、ソードスキル無しの我流で剣を振り、ネペント数匹を葬っていたのだ。


    シノン「そう言ってくれるのはありがたいけど、あなたには敵わないわよ。」ハァ…


    シノン(ううん、敵わないんじゃない。追いつける気がしないの。モンスター、というよりこの世界に向き合っているキリトは…とてつもなく必死な表情をしている。誰にも辿り着けない場所にも届きそうなくらいに。)


    キリト「シノン?急にボーッとして…どうしたんだ?」


    シノン「え?あぁ、いや…何でもないの。…さて、攻略を進めましょ?」


    キリト「おう!トレントの住処はもう少しだ。気を引き締めてかかろうぜ。」


    シノン「えぇ。」


    腰の巻いたベルトに付属している鞘に剣を納める。


    今ではすっかり馴染んだ【アニールブレード】。これは本当だったらキリトの手だけに渡るものだった。


    やはりキリトに助けられたあの日は私にとってとても幸運な日だったのだろう。


    2日前…


    【植物種の巨大な胚珠】
    より大きく綺麗な花を持つネペントが地中や動物から養分を得る事でネペントの中で稀に生成される希少な胚珠。手に入れるのは困難だが、その胚珠はあらゆる万病をもたちどころに治す効果があると言われている。


    といった長い説明の付いたアイテムを、偶然ゲットできていた。


    これを譲る事を取引きに剣を教えてもらおうと思ったのだが、最初から教えるつもりだったと断られ受け取ってもらえず、仕方なく私がクエストを起動して依頼主に渡したところ、


    依頼主「この大きな胚珠は!昔、夫が私のために取ってきてくれた胚珠!これなら普通の胚珠よりもよく効く薬がたくさん作れます!お礼にうちの家宝を持っていって下さい!」


    突然メニューが開き、


    Quest clear!

    GET!
    NEW!!アニールブレード


    といったようなアナウンスが出てきた。


    シノン「ありがとうございます。」


    依頼主「あ、お待ちになって、旅の方。こちらを。」


    キリト「ん?クエストが終了したのに会話が継続してるぞ。」


    するとメニューにこんなアナウンスが。


    Quest clear Bonus!

    GET!
    NEW!!家宝の設計図


    シノン「何?これ。」


    依頼主「その設計図をこの家の裏手にある工房に持っていって下さい。必ずあなた方の力になりましょう。」


    キリト「あなた方?俺も含まれてるのか?」


    シノン「そう…みたいね。」


    それから私達は言われた通りに工房に向かった。
  15. 16 : : 2019/01/10(木) 01:11:52

    シノン「随分と胡散臭い工房ね。」


    工房の看板は錆と汚れで見辛くなっており、壁にはツタがはっていた。


    キリト「こういう店にこそ掘り出し物なんかがある場合が多いんだよ。」


    シノン「そうだとしても、一人では入りたくないわね。」


    キリト「ま、まぁとにかく入ってみようぜ。せっかく紹介されたんだしさ。」


    そう言って店に入るキリトの後を追う。


    シノン「へぇ…意外ね。」


    店の中はきれいに掃除され、30はあろう数の様々な剣が壁に掛けられていた。


    キリト「…」ガチャ


    キリトが壁から1本の片手剣を取ると右手だけでは持てなかったようで、慌てて左手で支える。


    シノン「その剣、そんなに重いの?結構細身に見えるけど。」


    キリト「俺もそれが気になって。」シャラン


    シノン「?」


    キリトが剣をタップしてメニューを開くと、どうやら剣のステータスが表示されたようだ。


    キリト「やっぱりな。STR要求値が異常に高い。今の俺のステータスの倍だ。」


    メニューを閉じて両手で壁に掛け直しながら言う。


    シノン「STR要求値って?」


    キリト「俺達プレイヤー以外に色んなアイテムにもステータスが設定されているんだ。その内のSTR値は簡単に言うと筋力みたいなもんなんだよ。要するに、俺のSTR値がこの剣の要求値を越えてないと十分に使えないってことさ。」


    シノン「なるほど…」


    キリト「倍以上ってことは普通だったらもっと上の層で売ってあるはずの代物だ…」


    シノン「…」


    シノン「あ、キリト。」


    店の奥から一人の男が出てくる。
    それと同時に二人のメニューにクエストログが更新される。


    シノン「工房の店主に話を聞く…か。」


    キリト「話しかけてみるか。あの、すみません。」


    店主「なんだお前ら。今、注文は受け付けてねぇぞ。」


    シノン「今は?」


    キリト「良ければ理由を聞かせてもらってもいいですか?」


    店主「どこの誰とも知らんやつに話すつもりはねぇんだ、分かったら帰った帰った。」


    キリト「えぇ…。」


    シノン「…あっ、キリト。これじゃない?」


    胚珠の依頼主にもらった設計図をオブジェクト化してみる。それと同時にまたクエストログが更新される。


    店主「…お前さん、その設計図見せてみろ。」


    シノン「はい。」


    キリト「…なるほどね、設計図を見せないと進行しないわけか。」


    店主「ほぅ、本物か。分かった…注文は聞いてやる。ただし、こちらにも条件がある。」


    キリト「聞きましょう。」


    店主「この村の外れにある森林地帯にトレントが住み着いちまってな。ソイツのせいで剣の素材になる鉱石と武器を研ぐための砥石が取りに行けなくなっちまった。そのトレントを倒して鉱石と砥石を持ってきてくるなら、設計図に書いてある武器を打ってやろう。」ピコン


    シノン「ログが更新したわ。西の森林のトレントを倒して素材を入手する…ですって。」


    キリト「分かりました、俺達が取ってきましょう。」


    会話が終わり、店主は店の奥に戻っていく。


    キリト「よし、トレント討伐に向かおう。βではなかったクエストだ。難易度が高い場合があるし、十分にレベル上げしながら進もう。」


    シノン「了解。じゃあ行きましょ。」
  16. 17 : : 2019/01/15(火) 14:16:55

    キリト「あれだな。」


    バキバキと音をたてながらゆっくりと同じ場所を往復する木がひとつ。


    シノン「トレントってあんなに動くのね…私てっきり、ジッと擬態してるモンスターかと思ってた。」


    キリト「動きは鈍いだろうけど攻撃力は高いだろうな。隙をしっかり見極めないと…」


    シノン「どうするの?」


    キリト「まずは二人で違う角度からレイジスパイクで突っ込む。そしたらまずは距離を取ろう。攻撃パターンが分かるまではひたすら回避と防御だ。」


    シノン「了解。任せるわ。」


    キリト「アイツが次に振り向いたら後ろから行こう。」


    シノン「えぇ…」


    キリト「よし…」シャキン


    剣を抜き腰を落として構える。


    キリト・シノン「せぇいッ!!」


    二人のレイジスパイクがヒットすると同時にゆっくりとトレントがこちらを向く。相手のHPバーは2本。防御力はそうでもなさそうだが…


    トレント「ヴォォォッ!!」ブンッ


    キリト「うおッ!!」


    シノン「きゃッ!!」


    シノンがトレントの横薙ぎを食らう。
    中々の攻撃力がありそうな一撃。


    キリト「シノンッ!!」


    数メートル後方に吹き飛ばされたシノンに駆け寄る。


    シノン「…平気よ。気にしないで。」


    シノンのHPは1/5ほど減っていた。


    キリト「…いけるか?」


    シノン「えぇ。回復したら戻るわ。」


    キリト「了解。それまで引き付ける。」ダッ


    トレント「ヴォォォ…」ブンッ


    キリト「はぁぁッ!!」


    トレントの縦殴りをかわし、ソードスキルを放つ。


    上から縦斬りの後にそのまま縦に斬り上げる片手剣二連撃、【バーチカル・アーク】。
    トレントの足の付け根辺りにヒットする。


    トレント「ヴォォォッ!?」ズズゥゥン…



    トレントのバランスが崩れ、手の形に生えた枝でかろうじて身体を支えている。


    キリト(よし…ダウンだ。)


    シノン「スイッチ!!」ダンッ


    シノンが後ろから勢いよく飛び出し、ソードスキルで斬りつける。


    シノンの放った【シャープネイル】で身体を支えていたトレントの腕が吹き飛んだ。


    トレントは完全にバランスを崩して倒れこむ。
    普通のダウンより時間が長い大ダウンを取る。


    キリト「ナイスシノン!このまま叩きこむぞ!」



    シノン「言われなくても!!」



    キリト・シノン「せあぁぁッ!!」

  17. 18 : : 2019/01/16(水) 01:45:45

    戦闘開始から30分は経過した時、トレントはようやく地面に崩れ落ちた。


    トレント「ヴゥ…ヴァァァ…!!」バリィン


    キリト「はぁ…はぁ…」


    シノン「倒した…みたいね…」


    congratulation!
    Sinon Level up! 9→10
    Kirito Level up! 11→12


    二人のメニューにレベルアップの画面が出る。


    キリト「しんどかった…」バタ…


    剣も納めずに仰向けに倒れこむ。


    シノン「トレントのHPゲージが赤になった途端、急に連続で殴ってきた時は結構焦ったわね。」キュポッ、コク…コク…


    回復ポーションで黄色まで落ちた体力を最大まで戻す。



    キリト「中ボスクラスだから行動変化は無いと思ってたけど…今後は注意しないと…」グビッ


    キリトがポーションを一気に飲み干すと立ち上がる。


    キリト「さて、日も暮れてきたし、素材取って村に戻ろうか。」


    シノン「そうね。お疲れ様。」
  18. 19 : : 2019/01/16(水) 09:51:10

    キリト「お、これじゃないか?」


    周囲を数分探し回っていると、岩場に点々と濃い群青色の鉱石らしき物が見える。


    シノン「へぇ、結構大きいのね。綺麗。」


    鉱石1つで50~60cmはありそうだ。


    キリト「納品数は1個か。」ガシ


    キリト「…」


    シノン「どうしたの?」


    キリト「ふぬ!ぬぬぬぬぬ…!!」グイッ



    どうやら素手では硬すぎて取れないようだ。



    キリト「くそ…試す価値はあるか?」シャキン


    シノン「え?まさか…」


    キリト「はぁッ!!」ブンッ


    ガキィィッ
    バキンッ


    キリト「うぉっ!?」


    鉱石の根本に向かって剣を振り下ろすが、剣が真っ二つに折れてしまった。


    シノン「…バカなの?」


    キリト「いけると思ったんだがなぁ…」パリンッ


    キリトの持っていた剣がポリゴンの粒子になって弾ける。


    シノン「でも、いけそうね。」


    見ると鉱石の根本は思ったより切り込みが入っていた。


    シノン「初期武器でこれなら…」シャキン


    キリト「おいおい、アニールブレードまで折れたらどうすんだよ。」


    シノン「その時はその時、よッ」ブンッ


    ガキィィィン


    さっきより大きな金属音が響くのと同時に、鉱石が宙を舞う。


    シノン「やった!」


    キリト「…剣の方は大丈夫か?」


    シノン「折れてはいないみたいだけど…」


    アニールブレードのメニューを開くと、耐久値が半分近くまで落ちていた。


    キリト「ここら辺のモンスターじゃ耐久値が減らないアニールブレードが…」


    シノン「まぁ、結果オーライじゃない?帰ったら整備すればいいし。」ヒョイッ


    シノンは採掘できた鉱石を拾う。


    シノン「【イマージライト鉱石】?イマジンを文字ってるのかしら…」


    キリト「またβにないアイテムか。アルゴが喜ぶんじゃないか?」


    シノン「結構な額になりそうね。」


    キリト「よっしゃ、あとは砥石だけだな。砥石も近くに落ちてるはずだからさっと取って帰ろうぜ。」

  19. 20 : : 2019/01/16(水) 09:52:29

    登場するアイテムやストーリーはオリジナルの物が多いです。ご了承くださいませ。
  20. 21 : : 2019/02/01(金) 22:10:19

    取れた鉱石と砥石を持って村の工房に戻る。


    店主「へぇ、本当に持って帰ってくるとはな。」


    キリト「腕には自信があるんでね。」


    手に入れた鉱石を店主に手渡す。


    店主「結構な大きさだな。これなら槍くらいは作れる。」


    キリト「槍?」


    店主「今すぐ作り始めれるが…明日の朝までかかりそうだな。それで良いならどっかで時間潰してな。」


    シノン「分かりました。よろしくお願いします。」


    店主は店の奥に戻っていく。


    キリト「槍…まぁ…シノンが良いなら。」


    シノン「あれだけ苦労したんだもの。それなりに良い武器ができるはず。」


    キリト「朝まで待つしかないか。ま、気長に待とーぜ。」


    キリトはさっさと工房の外に出ていく。


    外はすっかり夜になってしまっていた。


    アルゴ「無事クエストから戻ったんだナ、お二人さン。」


    シノン「アルゴ。」


    キリト「結構良い情報が入ったぜ。」


    アルゴ「おー、是非とも売ってほしいもんダ。」


    キリト「良い宿の情報と交換だ。」


    アルゴ「…広場の東にシャワー付きの良ーい宿があるヨ。」


    キリト「へぇ、じゃあそこに…「シャワー!?」


    アルゴ「シーちゃん?」


    キリト「えらい食い付きだな。」


    シノン「アルゴ!案内して!!」


  21. 22 : : 2019/02/04(月) 01:12:24

    アルゴ「確かに知らない情報ばかりダ。」


    キリト「どれもβテストになかったものだけど…」


    アルゴ「それもMMORPGの醍醐味だって言いたいんだロ?まったく、こっちは新しい情報をまとめるのにも苦労してるっていうのニ。」


    キリト「まぁまぁ、ネタが増えるのは良いことだろ?」


    アルゴ「はぁ…多すぎるって言ってるんだヨ。これはキー坊にも手伝ってもらわないとナ。」


    キリト「お、お手柔らかに頼むよ…」ハハハ…


    アルゴ「ところでキー坊。」ススス


    アルゴがとてもスムーズな動きで隣に座り込む。


    キリト「なんだよ、不気味な笑みを浮かべて…」


    アルゴ「そっちの進展はどうだったのかなぁと思ってナ。」


    キリト「そっち?なんだ、ハッキリ言えよ。」


    アルゴ「いんや?シーちゃんと3日も二人きりだったんだロ?オネーサンの知らないところで、あ~んなコトやこ~んなコトをしててもおかしくないじゃないかなぁ、と思ってナ?」ニヤニヤ


    キリト「な?!別に怪しいことは何もしてないからなッ!?」


    アルゴ「ン?オネーサンは別に【怪しい】なんて一言も言ってないゾ?」


    キリト「アルゴ…お前…」


    アルゴ「その慌てようはァ?まさに【怪しい】ナァ?」ニヤニヤ


    そんなことをしてる間にシノンがシャワーを浴び終わったようで、シャワールームから出てくる。


    シノン「…二人とも、なんでそんなに睨み合ってるの?」


    アルゴ「別に睨み合ってなんかないゾ?大事な話の途中だっただけだからナ。」ニヤニヤ


    シノン「そう?私、席外そうか?」


    キリト「いやいやいやいや、別にそんなことないから、ここにいてくれ!」


    アルゴ「ざーんねん。この話はまた今度だナ、キー坊?」


    キリト「勘弁してくれ…」


    シノン「?」
  22. 23 : : 2019/02/06(水) 18:14:07

    次の日、完成した武器を取りに行くために朝早くから支度をしていた。


    シノン「ふぅ、準備終わり。キリトは終わったかしら。」


    隣のキリトの泊まっている部屋に向かおうと自室を出ると廊下にアルゴが待っていた。


    アルゴ「おはよう、シーちゃん。」


    シノン「おはようアルゴ。」


    アルゴ「昨日はよく眠れたかイ?」


    シノン「気持ちいいシャワーも浴びれたし。うん、よく眠れたわ。」


    アルゴ「そりゃ良かっタ。オレっちもこの宿を教えた甲斐があるってもんダ。でも、ホントに良かったのカ?」


    シノン「え?」


    アルゴ「いや、あんなに貴重な情報を結構な量…隠すこともできたのニ。」


    シノン「それは…アルゴには隠し通せる気がしないもの。」


    アルゴ「ニャハハ、褒め言葉として受け取っておくヨ。」


    シノン「あとは、こんなにいい宿を紹介してもらったし、それにアルゴがいなかったら私は始まりの町の外で死んでいたと思う。あの日、路地裏でアルゴに出会えたことはアインクラッドに立ってから初めての幸運だったの。」


    アルゴ「シーちゃん…」


    シノン「今生きていられるのはアルゴのおかげなの。とても感謝してる。それこそ、このくらいの情報を売ったくらいでは返しきれないほどの。だから気にしないで。」


    アルゴ「面と向かって言われちゃうと、恥ずかしいナ…でも、それはオレっちだけじゃないと思うゾ。」


    シノン「どういうこと?」


    アルゴ「オレっちはこのSAOがどういうものか、追加チュートリアルをしただけだからナ。フィールドで死にそうになってたシーちゃんをカッコよく助けたわけでもなイ。」


    シノン「それはそうだけど…アルゴには…「だから!」


    アルゴ「その先は隣の部屋でまだ寝ぼけているであろう剣士さんに言ってあげなヨ。」


    シノン「へ?」


    アルゴ「シーちゃんがこの村にキー坊と無事に戻ってこれたあの日、オレっちはキー坊に【腕のいいビギナーの女の子が、強くなるために草原に向かった】って伝えただけサ。感謝するなら、その後回復ポーションの補充もせずに真っ先に草原に向かったキー坊にしなさいネ。」


    シノン「そう、だったんだ…」


    アルゴ「じゃあ、オレっちは今日も情報収集しなきゃいけないから、先に出発するヨ。」


    ドンドンドン!!
    アルゴが荒々しくキリトの部屋のドアを叩く。


    アルゴ「おい、キー坊!!いつまで寝てんだヨ!!女の子を待たせちゃいけないって、オネーサンが前教えただロ!!」


    キリト「ウゥ…アト…ゴフン…」


    部屋の中からは呻くようなキリトの声が小さく聞こえる。


    アルゴ「ニヒヒ、シーちゃん。キー坊と仲良くしてやってくれヨ。」


    それだけ言ってそそくさと宿を出ていってしまった。


    あの日キリトはたまたま見かけただけだと言っていたが、私の事を聞いて助けに来てくれていた。


    現実世界では手を差しのべてくれる人がいないこの私を。


    シノン「なによ。ホントのこと言ってくれれば良かったのに。」


    改めてキリトの部屋のドアを開け放つ。


    シノン「キリト!さっさと起きなさいよ!」バンッ


    キリト「おはよう……シノン…朝…早いんだな…」


    シノン「何言ってるの、アンタが遅いの。ほら、今日も攻略に行くんでしょ!」


    キリト「待ってくれよ…シノン…ずいぶんテンション高いな…」


    シノン「いいから!モタモタしてると置いてくわよ!」


    キリト「分かったって。今準備するから。」


    私はこの日初めて、もう一つの現実を受け入れることができたのだと思う。


  23. 24 : : 2019/03/01(金) 23:20:22

    店主「来たかい。ほれ、受け取りな。」


    店主の手には2m近い槍が握られていた。
    刃渡り30~40cm程の両刃であり、アニールブレードを短くしたような見た目である。
    しかしその刀身はアニールブレードよりも鮮やかな青みを帯びていた。


    槍のSTR要求値をシノンが上回っていたようで、重さを感じさせない持ち方をする。


    シノン「綺麗…」


    店主「ソイツはその昔、この村の英雄が使っていた槍だ。英雄が戦死してからはこの店の店主が代々作成方法を受け継ぐんだが…先代のジィさんが設計図を失くしやがってな。困ってたところにアンタらが来たってわけだ。」ピコン


    クエスト更新のサウンドが鳴る。


    キリト「お、クエストクリアみたいだな。」


    店主「設計図は俺が預かるが、トレントを退治してくれた礼だ。ソイツはアンタが使ってやってくれ。」


    それだけ言うと店主はまた店の奥へ引っ込んでいく。


    シノン「…」


    シノンはまだ槍に見とれている。


    キリト「さて、クエストクリアしたわけだけど…どうだろうシノン。」


    シノン「え?」


    キリト「新しい武器、早速使ってみないか?」


    シノン「私もそう思ってたところ。」


    キリト「よっしゃ、じゃあ今日からまた攻略再開だ!!」



  24. 25 : : 2019/03/11(月) 22:21:28

    ─2022年12月2日 第一層・トールバーナ─


    ゲームが始まってから一ヶ月が過ぎ、その間に二千人が死んだ。


    だが、まだ誰も第一層を突破できていない。
    βテスターの俺でさえ、シノンとパーティーを組んでいてもボスの部屋にすらたどり着けていなかった。


    そして今日、ようやく第一層ボス攻略会議が行われる。










    10分ほど前───


    シノン「あ…まずい、アルゴと待ち合わせしてたの忘れてた…」


    キリト「…先行ってるから、アルゴのとこ行ってこいよ。」


    シノン「ごめんなさい、終わったらすぐ向かうから!」


    タッタッタッ…


    キリト「…さて、じゃあボス攻略会議とやらに向かいますかね。」


    会議の予定の場所に着くとすでに結構な数のプレイヤーが集まっていた。


    キリト(…見知ったβテスターはいないみたいだな…)


    見たところ集まっているほとんどのプレイヤーの身に付けている装備が店売りの物だった。酷いもので胸当てすら着けていない者もいるみたいだ。


    フロアボスとはいえ、まだ第一層であり、今後挑まなければいけない上層のボスに比べれば高が知れている。だが…


    キリト(油断はできねーよな…前みたいにβテスト時とは違う内容かもしれないし…)


    そう考えると攻略に向かうためのこの集団は不安が残る。


    シノン「お待たせキリト。」


    キリト「おぉ、シノン。終わったのか?」


    シノン「えぇ。会議は…まだ始まってないみたいね。じゃあ行きましょ?」


    キリト「おぉ、そうだな。」


  25. 26 : : 2022/01/18(火) 00:08:07
    「はーい、それじゃあそろそろ始めさせてもらいまーす!」

    「今日は俺の呼びかけに応じてくれてありがとう!俺はディアベル!職業は、気持ち的にナイトやってます!」

    ハハハハ
    ジョブシステムナンテネーダロー

    ディアベルと名乗った青い長髪の青年は軽い冗談を飛ばす。それに呼応するように周りからありきたりなツッコミが入る。ディアベルという男はこういった場に慣れているようだ。

    ディアベル「...今日、俺たちのパーティがあの塔の最上階でボスの部屋を発見した。」

    オォ...
    マジカヨ...

    真剣な顔つきに変わるディアベルの発言にどよめきが起きる。

    ディアベル「俺たちはボスを倒し、第二層に到達して、このデスゲームもいつかきっとクリアできるってことを。はじまりの街で待っている皆んなに伝えなくちゃならない!それが!今この場にいる俺たちの義務なんだ!そうだろ!皆んな!」

    パチパチパチ
    ヒューヒュー
    ソウダヨクイッタ‼︎

    キリト(情にアツい男なんだな...こういう士気はどんな物事でも必要だ...)


    周囲のプレイヤー達も盛り上げようと拍手や口笛を鳴らす。


    ディアベル「オッケー、ありがとう!それじゃあ早速だけど、攻略会議を始めたいと思う!まずは...6人のパーティを組んでみてくれ!」

    キリト「...げっ」

    ディアベル「フロアボスは単なるパーティじゃ対抗できない!パーティを束ねた、レイドを作るんだ!」

    ジャアオレガリーダーヤッチャウヨ
    ガヤガヤ
    ワイワイ

    キリト「うわ、あぁ...」

    周囲はどんどんパーティが組まれていく。こういう時に積極的になれないのは非常に辛い。

    キリト(ヤバいヤバいヤバい、1人だけ余るとか笑えないにも程があるぞ!)

    シノン「ちょっと。キリト聞いてる?」

    キリト「はいぃ!なんでしょう!」

    シノン「何にそんなにビクついてるのよ。そんなに大声で喋ってないでしょ。引き続き、私とパーティ組みましょうよって言ったの。」

    キリト「へ?...あぁ、そうか。すでにシノンとパーティ組んでたんだった...」

    シノン「急にどうしたのよ。1ヶ月も私と組んでおいて、今更パーティ解消なんてするつもり?」

    キリト「いやいやいや!めっそうもごさいません!是非よろしくお願いします!」

    シノン「何をそんなにかしこまってるのよ、変なの。」

    キリト「理由は分かっていただいていない方が精神衛生上、非常に助かります...」

    シノン「?」
       「あ、そんなことよりキリト、あっち。」

    キリト「ん?どうしたんだ?」

    シノンが控えめに指をさした方向を見てみる。
  26. 27 : : 2022/01/18(火) 00:36:00
    俺たち2人とは少し離れたとこに座る赤いローブの人物が視界に入る。

    シノン「あの人、誰とも組めてないみたいだし、声かけてみましょう?」

    キリト「あぁ、俺は構わないよ。」

    シノンからの提案に了承し、2人で赤ローブに話しかける。

    シノン「ねぇ、ちょっといいかしら。」

    「...」

    シノン「嫌じゃなかったらでいいんだけど、私達と組まない?」

    「...」

    赤いローブの子は顔だけをこちらに向けて何かを伝えようとする。

    キリト「アンタもあぶれたのか?」

    シノン「ちょっとキリト、何言ってるの?」

    「あぶれてない。周りがみんな、お仲間どうしみたいだったから遠慮しただけ。」

    キリト「ソロプレイヤーか。なら俺たちと組まないか?」

    シノン「ハァ...なんでそんなにデリカシーのない言葉を吐けるのかしら...それに私と同じことを2度言わなくても...」

    キリト「すまないシノン。謝るからその冷たい目をやめてください...」

    シノン「まぁいいわ...。ボスは1人じゃ攻略できないってあのディアベルって人も言ってたじゃない?だから今回だけの暫定で構わないから...ね?」

    「...」コクン

    赤ローブの子は頷き、了承を得られたようだ。

    キリト「じゃあ...」シャラン ピッピッ

    目の前の赤ローブの子にパーティ申請を飛ばす。

    その後キリトとシノン、2人の視界の端に赤ローブの子のアバター名が表示される。

    キリト・シノン(Asuna...)

  27. 28 : : 2022/01/18(火) 22:33:30
    ディアベル「よーし、そろそろ組み終わったかな?」

    ディアベルが全体を見渡し、グループごとに座る位置が変わった様子を見る。

    キリト(...シノンがいなかったらアスナって人とも組めてなかったかもしれないな...)

    悲しい想像をしているのも他所に、ディアベルが話を続ける。

    ディアベル「よし。じゃあ...「ちょお、待ってんかー!」

    話を再開しようとしたディアベルを遮り、広場に男の声が響く。

    声の主は勢いよく広場の壇上から駆け降りてきてディアベルの横に並ぶ。

    「ワイはキバオウってもんや。ボスと闘う前に、言わせてもらいたい事がある。」

    キリト「ん?」

    キバオウと名乗った特徴的な髪型の男は広場の檀に座る自分達に向けて続けて話し出す。

    キバオウ「こん中に、今まで死んでいった2000人に、詫びいれなアカン奴がおるはずや!」

    ドヨドヨ
    ドウイウコトダ

    キリト(ッ...)

    シノン「?キリト...?」

    ディアベル「キバオウさん。君の言う「奴ら」とはつまり、元βテスターの人達のこと...かな。」

    キバオウ「決まってるやないか!β上がり共は!こんクソゲームが始まったその日に。ビギナーを見捨てて消えよった!奴らは旨い狩場やらボロいクエストを独り占めして、じぶん等だけポンポン強なって、そのあともずーーっと知らんぷりや。」

    キバオウ「こん中にもおるはずやで!β上がりの奴らが!」

    キバオウ「ソイツらに土下座さして、貯め込んだ金やアイテムを吐き出してもらわな!パーティメンバーとして命は預けられんし、預かれん!」

    キリト「ッッッ...!!」

    言葉にならない息が口から漏れる。

    シノン「なんて言い方...!βテスターが悪いわけじゃないのに...!アンタとなんかパーティ組むのも願い下げよ...!」

    おそらく隣に座っている自分とアスナ以外には聞こえていないくらいの声量だが、シノンは明らかに怒っている。

    シノン「キリト、気にしちゃダメよ。あのイガグリ頭...ガツンと言ってやらないと...「発言いいか。」

    キリト・シノン「?」

    シノンが立ちあがろうとしたところで誰かが不穏な空気を遮った。


    手を上げ立ち上がったのは日本人ではなさそうに見える、高身長のスキンヘッドの男。背中に斧を背負い、かなりの体格だ。スタスタと広場に降りていく。

    キバオウ「ぬお...」

    キバオウは男の雰囲気に少し気圧され、一歩下がる。

    男はキバオウの前に立ち、名乗り始める。

    「俺の名前はエギルだ。キバオウさん、アンタの言いたいことはつまり。」

    エギル「元βテスターが面倒を見なかったからビギナーがたくさん死んだ。その責任を取って謝罪、賠償しろとということだな?」

    キバオウ「そ、そうや。」

    エギル「このガイドブック、アンタも貰っただろ?道具屋で無料配布してるからな。」スッ

    キリト「あ...」

    エギルが取り出したのは見覚えのある、というより自分もシノンも現にストレージに入ってるものだった。

    キバオウ「もろたで。それがなんや!」

    エギル「...配布していたのは、元βテスター達だ。」

    ナンダッテ
    マジデ
    ガヤガヤガヤガヤ

    キバオウ「ッ...!」

    エギルが壇上に向き直る。

    エギル「いいか。情報は誰にでも手に入れられたんだ。なのにたくさんのプレイヤーが死んだ。その失敗を踏まえて、俺達はどうボスに挑むべきなのか。それがこの場で論議されると、俺は思っていたんだがな。」

    キリト「...」

    エギルは再度キバオウに静かに向き直る。

    エギル「...」

    キバオウ「フンッ」クルッ

    キバオウは罰が悪そうに黙って1番近い壇上にドカっと座る。

    どうやら一悶着起こったテスターへの不満の種は取り払われたようだ。


    ディアベル「よし...じゃあ再開していいかな。」


    キリト(あのエギルと言った男がいなかったら非常にマズい雰囲気のまま、話は進まなかっただろうな。)

    シノン「まったく。どこにでもああいう人はいるものね。エギルさんに感謝するべきよ。」

    キリト(シノンが降りて行かなくて本当に良かった...)

    どうなっていたか分かったもんじゃない。間違いなく口だけでは終わらなそうではある。
  28. 29 : : 2022/01/18(火) 23:10:56
    ディアベル「ボスの情報だが、実は先ほど例のガイドブックの最新版が配布された。」

    オォ

    ディアベル「それによると、ボスの名前はイルファング・ザ・コボルドロード。それとルイン・コボルドセンチネルという取り巻きがいる。」

    ナルホド
    ガヤガヤ

    ディアベル「ボスの武器は、斧とバックラー。4段あるHPバーの最後の1段が赤くなると、曲刀カテゴリのタルワールに武器を持ち変え攻撃パターンも変わる、ということだ。」

    オォ、スゲージャンジョウホウヤー
    ガヤガヤ

    キリト(ボスはβと同じ...何か変わる要素があるとすれば、HPの多さ...?それとも攻撃力か?)

    ディアベル「攻略会議は以上だ!最後に、アイテム分配についてだが、金は全員で自動均等割。経験値はモンスターを倒したパーティのもの。アイテムはゲットした人のものとする。異存はないかな。」

    オウヨ!
    ヤッテヤロウゼ!

    ディアベル「よし!明日は朝10時に出発する!では解散!」


    ヨシ、ニュウネンニジュンビスルカー
    シッカリヤスマナイトナー


    攻略会議が終わり、それぞれの動きに戻っていく。

    キバオウ「ディアベルはん、さっきはスマンかった...」



    キバオウは先程の一悶着についてディアベルとエギルに謝っているようだ。雰囲気からすると平和に解決できそうである。


    シノン「キリト、私達も行きましょ。アルゴにもお礼を言わないとね。」

    キリト「ああ。?あれ、アスナ...さんは?」

    シノン「それが、私も話しかけようとしたんだけど、さっさと行っちゃったのよ。明日までに大体どういう動きするかとかも話したかったのに。」

    キリト「そうか、まぁボス戦に参加するってことは今日1日はこの村周辺にいるだろうし、そのうちまた見かけるんじゃないか?」スッ

    シノン「運良く会えるといいけどね。」スタスタ









    ディアベル「...」チラッ



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