このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
【ロンパ&ドラゴンズ】序章:霧の竜
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- 1 : 2014/01/04(土) 12:47:40 :
- *ダンガンロンパのキャラクターを借りてのオリジナルストーリーです。
*タイトル詐欺注意
*擬竜化注意
*厨二注意
※まずは筆者の厨二に付き合っていただきますご了承下さいm(_ _)m
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- 2 : 2014/01/04(土) 12:50:44 :
─── 遥か昔
【古い竜】は自らの分身である小さな竜たちと、自らを敬い尊ぶ人間を造った。
小さな竜は古い竜の無限の能力の中から2つの力を授かり、人間と共存することを宿命づけられ
人間は古い竜と自然を畏れ奉りながら、小さな竜たちと共に生きてきた。
古い竜はやがて全ての力を使い果たし、自らの番を【竜守りの娘】に託して長い眠りについた。
しかし古い竜は眠ってもなお姿を変え、人と竜の世を見守っている。
そして人が畏れ奉ることを忘れたとき、古い竜は再び目覚め、人の世を終わらせる滅びの雨を降らせるという……
◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇
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- 3 : 2014/01/04(土) 12:53:48 :
- 【用語解説】
※古い竜…すべての竜と人間の創造主
◆正しい名前は不明。伝承の中の神とも言うべき存在。
◆誕生の地は希望ヶ峰の里と呼ばれ、【古竜の遺跡】(コリュウノイセキ)という場所に魂が眠っていると伝えられている。
※小さな竜…古い竜の生み出した存在。古い竜より2つの力を自由に操る能力を授かっている(まれに能力を持たない代わりに、ウロコや体の作りが独特の進化を遂げている竜もいる)
◆竜の分類法は2つあり
移動手段
*翼を持ち、空を飛翔する【飛竜】(ヒリュウ)
*強靭な脚力で地を駆ける【走竜】(ソウリュウ)
*砂地や水中を自在に泳ぐ【泳竜】(エイリュウ)
ウロコの形状
*剣のように鋭く、触れた敵を切り裂く【鋭鱗種】(エイリンシュ)
*岩のように固く、物理的なダメージや炎に強い【岩鱗種】(ガンリンシュ)
*毛のように柔らかく、温度変化に強い【毛鱗種】(モウリンシュ)
がある。
◆小さな竜たちは人と誓約を結ぶことで、パートナーとして共に暮らす。
◆また、知能が高く、テレパシーで人と意志を交わすことも可能。
※人間…古い竜の生み出した存在。自然や古い竜を崇める存在であったが、近年では技術発達で恩恵の念を忘れかけている者も多い
◆人間には純粋な存在である純血と、竜と人間のハーフである竜人がいる。
◆竜人は古い竜より1つの力を操る能力を授かっているが、人でも竜でもないために差別されることがある。
◆竜守りの娘の一族も竜人であり、すべてをまどろみに導く《睡魔》を操る能力を受け継いでいく。
◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇
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- 4 : 2014/01/04(土) 12:55:25 :
- 【希望ヶ峰の里】
ー 古い竜の生誕地 ー
=市場=
舞園「おはようございます!不二咲さん、頼まれた薬草持ってきました」
◆舞園 さやか…純血
誓約竜:苗木 誠
*里の看板娘として有名な少女。集落の外れで誓約竜である苗木の能力を生かして薬草を育て、市場で卸して生計を立てている。
不二咲「あ、舞園さんいつもありがとう。苗木くんは元気?」
◆不二咲 千尋…純血
誓約竜:大和田 紋土
*里の市場のオーナーで、広い市場をコンピュータで管理している。七海とは義兄妹関係。パートナーは自由奔放で市場にいることは少ない。
舞園「はい!そこで七海さんや日向さんと話してますよ」
不二咲「ええっ、もう千秋ちゃんが起きてるの!?」
七海「むー、失礼な。だって今日は朝から来訪者のせいで大騒ぎじゃんか」
不二咲「あ、千秋ちゃん聞こえてたの…」
不二咲の視線の先には、竜人の少女…七海と2頭の竜がいた。
1頭は深緑色のウロコに覆われている。両腕は翼で尾は長く、大きなトゲが生えていた。
もう1頭は茶色いウロコに植物が根を張っていて、4足歩行で控えめに歩いてくる。
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- 5 : 2014/01/04(土) 12:57:28 :
- 七海「これでも竜守りの娘なんだよ。聞こえてるよ」
◆七海 千秋…竜人
誓約竜:日向 創
*先祖代々、竜守りの命を継いできた少女でかなりのゲーマー。すべてをまどろみに導く《睡魔》を操る。…からか寝ぼけてることがよくある。
日向『いや、それは関係ないと思うぞ……』
◆日向 創…飛竜・鋭鱗種
誓約者:七海 千秋
*特別な能力は持っていないが、尾がムチのように発達し、何度でも生え替わるトゲを飛ばして攻撃。常に七海を守るように寄り添っている。
苗木誠『でも、来訪者って竜だよね。旅の竜が里に来たのはずいぶん久しぶりだし』
◆苗木 誠…走竜・岩鱗種
誓約者:舞園 さやか
*偉大な母なる《大地》と大自然の象徴《新緑》の力を操る。ひなたぼっこが好きで、ウロコの植物が光合成を行うので、周りの空気は澄んでいる。
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- 6 : 2014/01/04(土) 12:59:39 :
- 舞園「旅の竜?」
不二咲「ずっと北の大陸から旅してきたらしいよ。今、【竜狩りギルド】にいるみたいだし、会いに行ってみるといいんじゃないかなぁ」
竜狩りギルドとは人と竜の暮らしを脅かす野生の竜を討伐する依頼を集める施設である。
ここの依頼で生計を立てる竜や人間のハンターも多い。
舞園「へえ…、じゃあ後で行ってみます」
苗木『日向クンと七海さんはどうするの?』
七海「…日向クンはどうしたい?」
日向『七海に任せるよ。俺は七海に従うから』
七海「そっか。じゃあ行こう!ギルドに最新のゲームの筐体入ったらしいし」ハアハア
日向『…【竜守りの娘】がゲーマーって知ったら、古い竜はどう思うんだろうな』
苗木『あはは…』
舞園「でも、私あまり竜狩りギルドに行ったことがなくて……」
不二咲「そっかぁ…。薬草の卸しはいつもここでやってるから、直接ギルドに赴くことはほとんどないんだね」
七海「それなら案内してあげるよ。オーナーのセレスさんとは知り合いでしょ?なら大丈夫」
舞園「すいません、ありがとうございます!」
不二咲「あ、千秋ちゃん。ギルドに行くなら花村くんに食材を持って行ってよ」
七海「うぃーっす。…日向くん、お願いね」
日向『ああ、分かった』
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- 7 : 2014/01/04(土) 13:01:34 :
- =竜狩りギルド=
ザワザワ ザワザワ
大和田『おお、七海!…に舞園か』
◆大和田 紋土…走竜・鋭鱗種
誓約者:不二咲 千尋
*特殊な能力は持たず、常にケンカスタイルの問題児ならぬ問題竜。ギルドのハンターの中でも優秀で、石丸とのタッグは有名。
石丸「薬草売りの君がここに来るのは珍しいな。何か問題でも起きたのかね?」
◆石丸 清多夏…純血
誓約竜:なし
*自称、里の風紀委員長で、大和田とタッグを組み、里の秩序を乱す野生の竜を討伐するハンター。拳1つで勇ましく竜に立ち向かう。
七海「ゲームゲーム!!」
日向『それより花村に食材届けるのが先だろ!』
七海「ちぇっ、はーい」
舞園「私たち、旅の竜に会いに来たんですよ」
大和田『ああ、あの白いヤツか』
石丸「彼ならセレス君や山田君と話しているから、奥に行けば会えると思うぞ」
苗木『そっか、ありがとう2人とも!』
大和田『おう。いいってことよ!』
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- 8 : 2014/01/04(土) 13:02:55 :
- 七海「奥か~…。ぐぅ」
日向『おい、背中に乗ったとたん寝るのは止めろよ。案内してやれって』
七海「う~ん…そういえばそうだった」
ワイワイ ガヤガヤ ギャハハハ!! ガチャン
舞園も七海も自分のパートナーの背に乗ってギルド内を進んでいく。
ギルド内は竜たちが行き交っても余裕があるほど広く、熱気に満ちていた。
盛り場や掲示板、銭湯、食堂のテーブルが並んでいて、そこに老若男女、雄竜雌竜問わず、ハンターや従業員がせわしなく各々の時間を過ごしている。
舞園「凄いですね…圧倒されちゃいます」
七海「なんたって里の中からも外からも人や竜が集まってくる場所だからね」
苗木『セレスさんと山田クンがここを全部仕切ってるのか……』
日向『まずは近場の、花村の食堂に行くからな』
七海「ゲームぅ~……」
日向『後で!』
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- 9 : 2014/01/04(土) 13:05:09 :
- =食堂=
花村「…うん。頼んだ食材は全部あるね、ありがとう!」
◆花村 輝々…純血
誓約竜:なし
*ギルドお付きの料理人でかなりの腕前の持ち主。ただ、男女も雄竜雌竜も問わずに下ネタを連発して気を引こうとするので、けっこう殴られている。
花村「それにしても里の看板娘の舞園さんと対面出来るなんて光栄だよ!何か食べていかない!?」
日向『…俺のときみたいにヘンな薬盛るのはナシだぞ?』
花村「もうイヤだなぁ日向クン!あれは事故だよ事故!!」
舞園(何があったんでしょう……)
苗木『…そういえば花村クン、キミも旅の竜を見たの?』
花村「ああ、見たよ見たよ!…北の大陸から来ただけあって、ふさふさした白くて綺麗な雄竜だったな……」
七海「ほえ…白いウロコとは珍しいね」
舞園「この里の竜にはいませんよね。がぜん興味が湧いてきました!」
日向『それじゃあ行くか』
花村「えっ、もう行っちゃうの?日向クンったら放置プレイgベシィ!!
花村の言葉を遮って、日向のムチのような尾が花村の顔面に直撃した。
日向『次ヘンなこと言ったらトゲ立てるからな!?』フシャー!!
七海「はいはい、日向くんウロコ逆立てないで落ち着こうね~」ポンポン
苗木『な、なかなか個性的な人たちが揃ってるね……』
舞園「ふふっ、本当ですね」
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- 10 : 2014/01/04(土) 13:08:13 :
- さらに歩くこと数分
=オーナーの座席前=
セレス「あら、舞園さんに苗木くん。竜守りの娘さんに忠竜さんも、大勢でいらっしゃいましたね」
◆セレスティア・ルーデンベルク…純血
誓約竜:山田 一二三
*竜狩りギルドのオーナーでありギャンブラー。圧倒的女王様気質で、その迫力とムチのコンボで猛る竜をも黙らせる、一流のハンターでもある。
日向『忠竜って…ヘンなあだ名付けるなよ』
山田『しかし日向 創殿を最もよく表している言葉だと思いますぞ!』
◆山田 一二三…走竜・毛鱗種
誓約者:セレスティア・ルーデンベルク
*特に能力はないが、尾がハンマーのように発達している。ぼてっとした体型の竜で、常にセレスを背に乗せて運んでいることから『女王様のイス』と呼ばれたりも。
舞園「セレスさん、お久しぶりです」
セレス「ええ、お久しぶり。あなたたちの作る薬草は質が良くて重宝してますわ」
苗木『セレスさんにそう言ってもらえると、こっちも嬉しくなるよ!』
七海「…んで、こっちが旅の竜さんかな?」
七海が見つめる先には花村から聞いたとおり、ふさふさで白いウロコを持った4足の飛竜がいた。
???『わあ!竜守りの娘に里の看板娘に同時に遭遇出来るなんて幸運だなぁ!』
狛枝『初めまして、ボクは狛枝 凪斗。どうかよろしくね』
◆狛枝 凪斗…飛竜・毛鱗種
誓約者:なし
*北の大陸【フロストフット】からやってきた、噂好きな旅の竜。物質を腐敗させる《瘴気》と腐敗物を焼き尽くす《火炎》を操る。
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- 11 : 2014/01/04(土) 13:10:29 :
- 苗木『苗木 誠です』
日向『日向 創だ』
狛枝『うんうん、苗木クンに日向クンか。よろしく!』
白い竜は満足げに頷く。
狛枝『そうそう。竜守りの娘さんに訊きたいんだけど、君は【霧の竜】の噂は聞いたことがあるかい?』
七海「霧の竜?…知らないなぁ」
狛枝『そうか…。霧を引き連れてあちこちを飛び回る美しい雌竜らしいんだ』
舞園「へえ…、ぜひ会ってみたいですね!」
狛枝『うーん、それは止めておいた方がいいかも』
日向『ん?何でだよ』
狛枝『…なんでも、その霧の竜は別名【滅びの竜】って呼ばれてるみたいでね……』
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- 12 : 2014/01/04(土) 16:14:15 :
- 日向の能力は中の人繋がりですか(笑)
楽しみにしてます!
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- 13 : 2014/01/04(土) 17:22:24 :
- >>12
日向はリオレウス+ナルガクルガのイメージですね。竜たちはモンハンやポケモン等の造形がモデルです。
頑張ります!
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- 14 : 2014/01/04(土) 17:22:35 :
- セレス「滅びの竜…ですか?」
狛枝『その竜はかなり凶暴で、テレパシーも交わそうとせずに人間や竜を攻撃したりするらしいんだ』
山田『よほど人間嫌いなんでしょうねぇ…』
狛枝『それだけじゃない。その竜がやってきた土地は霧に覆われて、その霧が晴れるころにはその地は壊滅状態になるって』
日向『ひどいな……』
舞園「どうしてそんなことをするんでしょう?」
狛枝『それを知りたくても本人が話してくれないからね…。被害を受けた土地の周辺のギルドでは、いくつも討伐隊が結成されているみたいだよ』
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- 15 : 2014/01/04(土) 19:10:48 :
霧の竜……フェアリーテイルのアクノロギアみたいな奴だな(´Д`)
(知らなかったらすいません)
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- 16 : 2014/01/04(土) 19:12:22 :
肝心の台詞を忘れてた!
内容がオリジナルティがあって滅茶苦茶面白いです!
頑張ってください(* ̄∇ ̄)ノ
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- 17 : 2014/01/04(土) 19:25:05 :
- 新作ですか!
厨二感あっていいですねw
支援です!
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- 19 : 2014/01/04(土) 21:38:46 :
- 七海「でも、理由もなしにそんなことする竜がいるのかな?」
セレス「しかし、いかなる理由があっても暮らしを脅かす竜を放ってはおけません」
狛枝『うんうん。ここのギルドは一流の訓練施設や診療所もあるし、優秀な写真家やハンターたちの拠点だもの。全力で死守しなきゃ!』
苗木『………………』
舞園「…苗木くん、どうかしたんですか?」
苗木『イヤ…訳も聞かずに悪者扱いしていいのかなって』
日向『別にテレパシーは使ってくれなくても、同じ竜どうしなら会話出来るよな』
狛枝『うーん…、それだとどうなんだろうね』
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- 20 : 2014/01/04(土) 22:06:04 :
- 狛枝『まあ今すぐこの里にやってくる訳ではないし、一応警戒しておいた方がいいかも…って感じかな』
セレス「そうですね、今のうちに有志を募っておきましょう」
山田『久しぶりに忙しくなりそうですな!』
セレス「そうとなれば早速準備に取りかかりましょう。…それでは皆さん、ご機嫌よう」
セレスとセレスを背に乗せた山田は、ギルドのどこかへ行ってしまった。
狛枝『みんなはこれからどうするの?』
七海「よしっ!ゲームだね!もういいよね!!」
狛枝『ははっ、竜守りの娘さんはゲームが好きなのか』
日向『苗木と舞園はどうする?』
舞園「うーん…。もうやることはなくなっちゃったんで、帰りましょうか」
日向『そうか。じゃあな』ノシノシ
七海「じゃあね~」タタタ…
日向と七海も人混みをかき分けて、ゲームコーナーへと進みだす。
狛枝『ふう、ボクも外に出よう。あんまり騒がしいところは好きじゃないんだよね』
舞園「それなら私たちの農園に来ませんか?あそこは外れの方なので人通りも少ないですし」
狛枝『いいの!?…じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな』
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- 21 : 2014/01/04(土) 22:27:24 :
- =【不死山】のふもと:農園=
舞園「じゃあ私、何かお菓子でも持ってきますね!」
狛枝『お構いなく…って言う前に行っちゃったか』
苗木『舞園さんは竜が好きだからね。久しぶりのお客さんではしゃいでるのかも』
狛枝『舞園さんだけじゃなくて、この里の人は竜に友好的だよね。空気や水も綺麗だし気に入ったよ』
苗木『この不死山の植物はあらゆる毒を浄化して、綺麗な空気や土、水に変えてくれるんだ』
狛枝『どうりでボクの汚れた気が浄化されていく訳だよ』
苗木『け、汚れたって……』
狛枝『ボクはすべてを腐らせる《瘴気》を発するからね。あまり一ヶ所には滞在できないんだけど、ここなら大丈夫みたいだ』
苗木『そっか…大変だね』
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- 22 : 2014/01/04(土) 23:11:52 :
- 舞園「さあ、どうぞ。家で作った【ブルーラズストロベリー】のパイです」
狛枝『うーんいい香りだ。いただきます』
苗木『どうかな?』
狛枝『…うん、甘酸っぱくて美味しい!気に入ったよ』
舞園「良かった!ここの植物は環境と苗木くんのおかげで、新鮮で健康にいいんですよ」
狛枝『苗木くんのおかげ?』
苗木『舞園さん…そんな、大袈裟だよ』
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- 23 : 2014/01/05(日) 00:57:50 :
- 舞園「苗木くんはこの山で生まれた竜で、この里一帯の土壌や植物の守り神なんです」
狛枝『へえ、凄いや!まさに希望だよ!』
苗木『だから大袈裟だって!…ボクはただ、《大地》と《新緑》を操るってだけだよ』
狛枝『でも、それって世界のほとんどを支配していると言っても過言じゃないよね!!』
苗木『えっ!?えーっと……もう止めてよ、恥ずかしい!!』
苗木は小さな体をふるふると震わせてその場に座り込む。
苗木『別にみんなが思ってるほど凄い事じゃないよ。攻撃向きの力じゃないから、ハンターとしてもやっていけないし』
舞園「別に強いだけが竜じゃありませんよ?苗木くんみたいに優しい竜もいて良いと思います!」
狛枝『能力が偉大すぎて手を出す気にもなれないし』
苗木『だ、だから過大評価すぎるって!!』
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- 24 : 2014/01/05(日) 01:34:22 :
- 同刻
=不死山:上空=
緑の山々と雲海、太陽の光が織りなすコントラストが眩しい絶景の中に、1つの気球が浮かんでいる。
その中にはカメラを肩にかけた少女。その傍を、着物のような美しいウロコと扇のような翼を持つ竜が飛んでいた。
小泉「うん、不死山は異常なし!神木も撮れたし、今日はこの辺で引き上げようかな」
◆小泉 真昼…純血
誓約竜:西園寺 日寄子
*希望ヶ峰の里の写真家であり、周囲の偵察も行う人物。様々な乗り物を乗りこなし、あらゆる視点で物事を観察できるしっかり者である。
西園寺『…ねえ、小泉おねぇ』
◆西園寺 日寄子…飛竜・鋭鱗種
誓約者:小泉 真昼
*里で一番小さな竜で、美しく空を舞う姿(と対照的な毒舌)が有名。吹き荒れる《旋風》と体の自由を奪う《麻痺》を操る力を持つ。
小泉「どうしたの、日寄子ちゃん?」
西園寺『あそこをフラフラ飛んでる竜がいるんだけど…あいつ何なんだろう?』
小泉「えっ、どこどこ?」
西園寺『あっち!東のほう!』
小泉は慌てて双眼鏡を取り出して西園寺が指示したほうを観察するが、竜らしき姿は見当たらない。
小泉「…いないな~。もう地面に降りちゃったのかも」
西園寺『まあ死にかけぽかったし、ほっといても害はないと思うよ?』
小泉「でも、怪我してるなら治療してあげないと……」
西園寺『えぇ~!?それって、あのゲロブタ女のところに行くってこと!?』
小泉「こらっ、そういうこと言わないの。急いで地上に帰ろう!」
西園寺『…はーい』
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- 25 : 2014/01/05(日) 01:51:59 :
- =不死山:最奥地=
苗木『はぁ…。何だか恥ずかしくなって逃げて来ちゃったよ』
苗木『取りあえず昼寝でもしようかな…。起きた後帰ればいいや』
不死山の最奥地は秘境で、めったに人や竜が訪れることはない。
苗木は木々の隙間からこぼれる日溜まりに腰を下ろそうとした
……が、
???「ウウッ……」
苗木『ん?』
何かがうめくような声が聞こえた。
その声がするほうに、苗木は足を進める。
苗木『あっ!キミ、大丈夫!?』
そこには1頭の竜が横たわっていた。
すらりとした体に紫の毛鱗。どうやら、片腕の翼に怪我を負っているらしい。
他にも数え切れないほどの傷があり、息も絶え絶えだ。
???「ウ…、グルルッ……!」ヨロッ
苗木『えっ…?』
にも関わらず、その竜は苗木の気配を感じ取り、よろめきながらも威嚇の唸り声を上げる。
-
- 26 : 2014/01/05(日) 10:59:40 :
- ???『…私に……近付かないで……!!』
???「グオオォォオンッ!!」ガブッ!
紫の竜は牙を剥いて苗木に噛み付く。
苗木『…ボクは岩鱗だから、牙は通らないよ』
苗木『それにキミが吐いてるのは猛毒のブレスか。気化した毒は植物が浄化しちゃうから、これもボクには効かないね』
???「!?」パッ
自分の攻撃が通らないことを知ると、紫の竜は苗木から数歩離れ、再びその身を横たえた。
???『私を…どうするの……?襲って、死肉を…食い荒らすのかしら……?』
苗木『そんなことしないよ!…ほら、傷を見せて』
???『………………』
-
- 27 : 2014/01/05(日) 13:12:49 :
紫……霧切かな(* ̄ ̄)?
-
- 28 : 2014/01/05(日) 17:23:32 :
- 苗木『…うん、これぐらいならウチの里でも……』
???『ダメ!!』
???「オオオオォォン!!」
苗木『わっ!』コテン
???『!!…大丈夫?』
苗木『うん、平気だよ……』
???『ごめんなさい…。でも、もう私には関わらないでほしいの』
紫の竜はそう言ってうなだれた。
苗木『…でも、放っておけないよ』
それでも、苗木は頑としてその場を動こうとしない。
苗木『立てる?…ボクに付いてきて』
???『どこに連れて行く気?』
苗木『この森のずっと奥。静かでいいところがあるんだ』
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- 29 : 2014/01/05(日) 17:24:47 :
- =不死山:神木【古竜の遺跡】=
???『不思議な木ね…。近付くだけで傷が癒されていく』
苗木『この木は竜の生命力を増幅させるエネルギーを持っていて、古竜の遺跡って呼ばれてるんだ』
苗木『木の裏側に回ってみて』
???『…中が腐って、大きなうろが出来てるのね』
苗木『ここに古い竜が住んでいたんだ。エネルギーが一番溜まっている空間で、ここにいればどんな傷も一晩で治るよ』
???『そうなの……』
紫の竜は恐る恐る空洞へ足を踏み入れる。
そっと腰を下ろし、表情も次第に険しさが薄れていった。
苗木『このエネルギーは人間には強すぎて毒なんだ。それに、いかなる竜もこの地で争うのはタブー。…だから傷が癒えるまでゆっくり出来るんじゃないかな』
-
- 30 : 2014/01/05(日) 17:27:30 :
- ???『ありがとう。…えっと……』
苗木『ボクは苗木 誠だよ』
???『ありがとう、苗木君』
???『でも、どうして見ず知らずの私にこんなに優しくしてくれるの?』
苗木『さっきも言ったでしょう?そんなに怪我した竜を放っておけないだけだよ』
???『フフ…、優しいのね』
クスクスと、紫の竜は微笑む。
???『私は霧切 響子。…どうか、私と会ったことは里の人に内密にしてもらえないかしら?』
苗木『霧切さんか…。キミがそうしてほしいなら黙っておくよ』
霧切『…何から何まで、本当にありがとう。この恩はいつか必ず返すわ』
苗木『そんな…気にしないで!』
苗木『じゃあボクはもう、ふもとに戻るから。さようなら、霧切さん』
霧切『さようなら、苗木君……』
小走りで去っていく苗木の姿が見えなくなるまで、霧切はずっと見つめていた……。
-
- 31 : 2014/01/05(日) 17:28:41 :
- 霧切『………………』
霧切『…驚いた。世界にはまだ、彼みたいな竜もいるのね』
霧切(私を助けてくれた彼のためにも…里を潰させてはいけない)
霧切『今度こそ、守らないと……』
◆霧切 響子
誓約者:なし
*すべてを覆い隠す《濃霧》と体を内側から侵す《猛毒》を操る。彼女が訪れた地が霧に覆われ、その霧が晴れるころに壊滅することから、霧の竜あるいは滅びの竜と呼ばれている。
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- 32 : 2014/01/05(日) 17:29:46 :
- >>27
霧切『私の正体を言い当てるなんて、雑草さんのクセに生意気ね』
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- 33 : 2014/01/05(日) 18:12:29 :
- 追いついたー
まさか名前使ってもらえるとは思いませんでした!!
ファンタジー好きなんで楽しませて頂きます!!!
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- 34 : 2014/01/05(日) 19:11:44 :
>>32
いやいや、まさか当たるとは思いもしませんでしたよ
(; ̄∇ ̄)ノ
今後も頑張って下さい(* ̄∇ ̄)ノ
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- 36 : 2014/01/05(日) 21:47:28 :
- =不死山のふもと:農園=
舞園「苗木くん、お帰りなさい!」
狛枝『なかなか帰ってこないから心配しt澪田「大変大変大変っすーーー!!」
ソニア『お前ら耳かっぽじって良く聞きやがれです!!』
狛枝の言葉を遮って、パンクな装いの少女とブロンドの美しい竜が降り立つ。
ソニア『先ほど不死山から戻られた小泉さんと西園寺さんが不審な竜を見かけたらしいのですが…』
◆ソニア・ネヴァーマインド…走竜・毛鱗種
誓約者:田中 眼蛇夢
*今は滅んだ【ノヴォセリック王国】からやってきた本物の王女様。空を裂くような《電撃》と闘争心を鎮める《芳香》を操る可憐な竜。
澪田「その竜が、凪斗ちゃんが言ってた滅びの竜かもしれないんす!!」
◆澪田 唯吹
誓約竜:十神 白夜
*里一番のムードメーカーであり情報屋。軽音を心から愛しているが、その独特の歌詞は理性ある生き物ほど怯んでしまう。普通に大声で竜を牽制することも出来る。
-
- 37 : 2014/01/05(日) 21:48:56 :
- 苗木「!?」
狛枝『滅びの竜がここに!?』
舞園「…というか澪田さん、十神さんは……」
澪田「唯吹の白夜ちゃんはもう1頭の白夜ちゃんと鉢合わせしちゃってケンカ中っす!ソニアちゃんに乗せてもらったほうが早いんで置いて来ちゃいました☆」
ソニア『現在、ギルドで九頭龍さんを中心に討伐隊を結成しているみたいですが…ここは山に近いので気をつけて下さいね』
舞園「分かりました。わざわざありがとうございます」
苗木(まさか、霧切さんが……?)
澪田「っていうか、その竜見かけてないっすか?目撃情報あると助かるって冬彦ちゃん言ってたっす!」
狛枝『苗木クン、どう?』
苗木(…彼女には黙ってるって約束したしな)
苗木「ううん、見かけてないよ」
-
- 38 : 2014/01/05(日) 21:50:19 :
- 同刻
=竜狩りギルド=
九頭竜「…っつーワケだ。そこでお前ら少数精鋭を集めた討伐隊を結成した」
◆九頭竜 冬彦…純血
誓約竜:辺古山 ペコ
*希望ヶ峰の里で代々ハンターをしてきた九頭龍組の次期頭領。幼いころに拾った竜の辺古山と共に、数え切れないほどの竜を狩ってきた。
九頭龍「けどヤツは古竜の遺跡周辺に潜伏してるらしいから、人間の俺は参加できねえ。悪りぃが頼むぜ」
辺古山『お任せください。ぼっちゃん』
◆辺古山 ペコ…走竜・鋭鱗種
誓約者:九頭龍 冬彦
*幼いころから九頭龍に仕え続ける竜。特に能力はないが、両腕のウロコが刀のように変形しており、これで標的を斬りつける。
西園寺『言っとくけど、小泉おねぇにお願いされたんだから協力してやるんだからね!』
日向『何か作戦はないのか?』
九頭龍「今から話す。あんま大声で話せねぇからよく聞いておいてくれや」
-
- 39 : 2014/01/05(日) 23:25:38 :
- ……………………………………
……………………………
………………
…
夜
=不死山:神木【古竜の遺跡】=
苗木(やっぱり……見過ごせない)
苗木『霧切さん、霧切さん』
霧切『…苗木くん?』
昼間と同じうろの中で眠る霧切に、苗木はそっと声をかけた。
霧切『こんな夜中にどうしたの?私は平気よ』
苗木『…キミが滅びの竜って、本当?』
滅びの竜、という単語を聞いたとたん、霧切の肩が僅かに跳ねる。
霧切『…あなたの仲間がそう言ったなら、本当よ』
苗木『そんな…!ねえ、キミはどうして……』
霧切『余計な詮索はしないで。私から話せる事はないわ』
苗木『でも……』
霧切『帰ってちょうだい。私に近づくのは危険よ』
苗木『ねえ聞いて、霧切さん』
霧切『…何?』
苗木『里でキミを狩るための討伐隊が結成されたんだ。ここにいたら危ないよ』
-
- 40 : 2014/01/05(日) 23:28:31 :
- 霧切『…なんでそんなことを……』
苗木『とにかく逃げて。今なら気付かれずに飛び立てるかもしれない』
霧切『…本当にお人好しね』
霧切『でも、ありがとう。あなたには感謝しきれない』
苗木『さあ、急いで』
急かす苗木を見下ろしながら、霧切はゆるゆると首を振る。
霧切『…あなたは帰って。まだ少し翼が痛むからもう少し休んでから出発するわ』
苗木『…分かった。気をつけてね』
苗木は2度目の別れを告げて、ふもとへ帰っていった。
苗木(これで、大丈夫…だよな)
-
- 41 : 2014/01/06(月) 07:37:47 :
- 霧切『…思ったよりかなり早く感知されてしまったわね』
霧切(それにしても苗木君……)
霧切『……もう、良いかしら』
霧切は両腕の翼をゆっくりと広げる。
少し動かして痛みが無いことを確認すると、そっとうろから這い出した。
霧切『大丈夫ね』
そして、何の合図もなしに空へ飛び立った。
ビュオオオオオ……
霧切(風が強い……)バサッ
彼女の毛鱗がたなびいたとき
唐突に『それ』は始まった。
-
- 42 : 2014/01/06(月) 07:39:18 :
- 日向「グオオオオオォォン!!」バサッ
霧切「!!?」
ドガッ!!
空に舞い上がった霧切の体躯に、重い衝撃が走る。
西園寺『でっかい遠吠えとかしてるから奇襲失敗してるじゃん!日向おにぃの馬鹿っ!』
日向『す、すまん…ついクセで』
霧切(彼らは村の竜!?…もう追っ手が来ていたのね)
日向『西園寺!神木から離すぞ!!』
西園寺『分かってるよ!』
日向の言葉に応えた西園寺は、扇の翼を広げて力を込め始めた。
西園寺「グウウゥゥン!!」
ビュオオオオオオオオオ!!!
霧切(なんて強い風…!!)
荒れ狂う風に押されて、少しずつ霧切の体は後退していく。
-
- 43 : 2014/01/06(月) 07:41:13 :
- 霧切(悪いけど…少し反撃させてもらうわ)
霧切「クオン!」
霧切は西園寺の生み出す乱気流から逃れるために、さらに上空に舞い上がる。
が
十神『考えが単調すぎる…愚民め』
霧切「!!」
思わず声が聞こえた方を見ると、反射速度を遥かに超える速さで、光が衝突した。
霧切(くっ…!)
日向『よしっ、本当の奇襲攻撃大成功!』
西園寺『やったね太ってないほうの豚足ちゃん!』
十神『あんな肥満竜と一緒にするな。まったく…』ブツブツ
◆十神 白夜…飛竜・鋭鱗種
誓約者:腐川 冬子
*直視した者の視覚を奪う《閃光》と凄まじい力を秘めた《彗星》の力を操る。全体的に優秀なステータスの持ち主で、総合的な実力なら里一番の竜。
-
- 44 : 2014/01/06(月) 07:42:50 :
- 霧切(やられた…何も見えない…!!)
ビシィッ!
霧切「アアアッ!!」
そこに日向の強靭でしなやかなムチの尾と、西園寺の風による強襲が重なる。
霧切は安全地帯である神木の周辺から、じわじわと引き離されていく。
西園寺『これでもくらえ!』ガブッ
霧切(!?…感覚、が……)
追い討ちをかけるような麻痺状態。
ドスッ!
霧切「グアアアアン!!」
さらに日向の尾のトゲが脚を貫く。
霧切(ダメ…意識が……)
限界だった。
霧切の体は、森の中へ落ちていく……
-
- 45 : 2014/01/06(月) 09:20:45 :
- 乙です
何時までも待ってます
支援!
-
- 46 : 2014/01/06(月) 14:08:46 :
- >>45
うわあああありがとうございます!そう言ってもらえると嬉しいです!
-
- 47 : 2014/01/06(月) 14:08:54 :
この戦いを、不本意ながらも地上で観戦している竜がいた。
苗木『霧切さん!!』
苗木(クソッ、間に合わなかったか!!)
墜落していく霧切の姿を追いながら、森を駆けていく。
苗木「クアアアアアアッ!!」
ズズズズズ……
苗木が吠えると、森の植物だけでなく山自体が揺れ、不気味な地鳴りを立てた。
辺古山『!?』
辺古山『これは…山が怒りに震えているのか……?』
-
- 48 : 2014/01/06(月) 14:10:39 :
- 苗木「アアアアアアアッ!!」
その咆哮に森の植物が応える。
ツル状の植物やツタが絡まり合って大きな網を形成し、霧切の体を受け止めた。
苗木『霧切さん、大丈夫!?』
返事はない。小さく呼吸音が聞こえるのが唯一の救いだろうか。
辺古山『やはり君か』
苗木『辺古山さん…』
西園寺『あれ~?チビの苗木おにぃじゃん!』
日向『苗木!?どうしてここに……』
苗木『西園寺さんに、日向クンもか……』
見知った顔が次々と地面に降り立ってくる。
十神『貴様…なぜ滅びの竜の名を知っているんだ?』
苗木『十神クン!…それは……』
十神『フン、聞かんでも分かる。昼間に事情も知らずに助けたんだろう』
十神『あるいは、ほだされたか…』
-
- 49 : 2014/01/06(月) 14:11:35 :
- 辺古山『苗木、滅びの竜を渡してくれ』
日向『大丈夫だ。連れていくだけで殺したりはしないよ』
苗木『…それなら……』
植物は霧切をそっと降ろすと、再び森の木々の隙間を縫って引っ込んでいく。
西園寺『あ~あ、こんなヤツから話なんて聞けるのかな~』
十神『話さないなら殺す。…それだけだ』
苗木『十神クン!』
十神『何だ、なにかいけないことでもあるのか?』
辺古山『止めろ、十神。この不死山で苗木と戦って勝てる者などいない』
十神『…チッ!』
十神は忌々しそうに舌打ちをすると、苗木に背を向ける。
苗木『………………』
山も、苗木が冷静になるのと同時に静まっていった。
-
- 50 : 2014/01/06(月) 14:13:22 :
- 十神『気に食わんな』
辺古山『苗木は《大地》と《新緑》を操る。地上にいる限り、我々は常に苗木にペースを握られているんだ』
辺古山『森で奴に勝てるとするなら、…それこそ古い竜ぐらいだろう』
十神『古い竜など伝承の中の存在に過ぎん。単なるおとぎ話だ』
十神『里にはこんなおとぎ話を信じていyる者が多すぎる…。だから一向に古臭い歴史を打ち破れないんだよ』
???『信仰の薄れ…人だけでなく竜までもが竜を傷付ける時代……』
???『……滅びの雨が降る日は…近い』
日向『………………』ピクッ
日向『…気のせいか』
- to be connected -
-
- 51 : 2014/01/06(月) 14:20:43 :
- ※特に誰も気にしてないと思うけどプロフの乗せ忘れ
◆霧切 響子…飛竜・毛鱗種
◆澪田 唯吹…純血
-
- 52 : 2014/01/06(月) 23:18:54 :
- 楽しいですねー!最高ですねー!!
ちなみにボクもパズドラ未経験者ですww
-
- 53 : 2014/01/07(火) 00:23:02 :
- >>52
自分も楽しいです!
おお、ナカーマヾ○´∀`)人(´∀`●ノでしたかw
-
- 54 : 2014/01/07(火) 00:24:44 :
- 一章:http://www.ssnote.net/archives/7111
あと今更ですけど>>50に誤打ありますねすいません
-
- 55 : 2023/07/09(日) 19:58:57 :
- http://www.ssnote.net/archives/90995
●トロのフリーアカウント(^ω^)●
http://www.ssnote.net/archives/90991
http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
sex_shitai
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16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
ちょっと時間あったから3つだけ作った
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http://www.ssnote.net/archives/90992
アカウントの譲渡について
http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654
36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな
22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。
46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね
52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑
89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ
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