このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
30日【エレミカ】
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- 1 : 2018/06/28(木) 23:17:18 :
- 最近は本編も暗く、現在私が執筆中のものも暗いので二人をイチャコラさせたいです。
エレミカで30日CPチャレンジします!
注意事項
・エレミカです。苦手な人は見ないでください。
・キャラ崩壊があると思います。
・不快になるようなこと、迷惑行為などはご遠慮ください。
亀更新ですがよろしくお願いします。
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- 2 : 2018/06/28(木) 23:46:06 :
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1.手をつなぐ
エレンと手を繋ぎたい、ふとそう思った。
それにどんな意味があるのか自分でも分からない。
街を歩いていると、前方にカップルが手を繋いで歩いているのが見えた。
彼女の小さく、柔らかそうな手を彼氏が優しく包み込むように繋いでいる。
ミカサ「………」
しかし自分の手を見ても、そこには大きく、女のものとは思えない程傷ついた手しかない。
ミカサ(エレンも…繋ぐならあんな手がいいのだろうか)
時々そんなことを考えてしまう。
けど、これはエレンを守るために努力してきた証でもあるのだ。
今の私は兵士だ。
そんなものを望むべきではない。
エレン「おはよう、ミカサ」
ミカサ「エレン、おはよう」
朝食の乗ったトレーを持ち、互いにあいさつを交わす。
ふと自然に、エレンのトレーを持つ手に視線がいく。
ミカサ(……?)
身長は同じ、力は私の方があるはず。
それなのに、エレンの手は私よりも大きく見える。
ミカサ(人の手は自分の手よりも少し大きく見えるのかな…?)
エレン「何、人の手ジロジロ見てんだ?」
ミカサ「え?あ……何でもない」
エレン「……?」
そんなこと考えている場合ではない。
そう考えても時々、あの日引いてくれた手を懐かしく思ってしまう。
エレン「なぁ、正直に言えよ」
ミカサ「な…何を?」
エレン「本当は何考えてんだ」
ミカサ「だから何も…」
エレン「そんな手ばっか見てても説得力ねーぞ」
ミカサ「!!」
ミカサ(自然に見つめてしまっていた…)
エレン「なんか俺の手についてるか?」
ミカサ「そういうわけでは…ない」
エレン「じゃあなんだよ」
ミカサ「その……エレンの手を、触りたい」
エレン「………は?」
言い方を間違えたと、そう思った時には時すでに遅く。
本当は素直に繋ぎたいと言えば良かった。
それなのに恥ずかしさがそれを許さず、妙にはぐらかした結果がこの通りだ。
ミカサ(気持ち悪いと思われた…)
と思ったが、エレンは気持ち悪がっている様子もなく、私の前に手を差し出してきた。
エレン「なんだよ、ほら」
ミカサ「え…?」
エレン「触りたいんだろ?」
ミカサ「う…うん」
エレンの手にそっと触れる。
ミカサ(やっぱり私より大きい……これが男の人の、エレンの手…)
ミカサ「………」
エレン「………どうだ?」
ミカサ「…え?」
エレン「そんな触って……なんか分かったか?」
ミカサ「その……なぜエレンの手は私より大きいのだろうって…」
エレン「はぁ?そんなの当たり前だろ」
ミカサ「どうして?」
エレン「お前は女で、俺は男だからだ………(手の大きさまで負けてたまるか)」
ミカサ「女……でも、私の手は男みたいで…」
エレン「そんなことないだろ、俺はミカサの手好きだぞ」
ミカサ「え、ええ!?」
そう言ってエレンが指を絡める。
ミカサ(これっていわゆる…恋人繋ぎというやつでは…)
エレン「お前は女なんだからさ、少しは俺に守られてろ」
ミカサ「は、はい」
ジャン「あいつら、何朝からイチャついてんだ」
アルミン「あはは…」
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- 3 : 2018/06/28(木) 23:48:05 :
- 1日目のお題は「手をつなぐ」
エレンは平気でミカサの手とか繋ぎそうなイメージです。
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- 4 : 2018/06/29(金) 07:02:35 :
- 可愛い
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- 5 : 2018/06/29(金) 12:37:24 :
- >>4
そう思っていただけたのなら良かったです!
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- 6 : 2018/06/29(金) 12:38:45 :
2.抱きしめる
俺とミカサの関係は何なのか?
ミカサの答えはいつも決まっている。
「家族」
もちろんそれは正しい答えだ。
だから俺も否定することはない。
だけど…
壁外調査前夜、俺は初めて自分からミカサの部屋を訪れた。
ミカサから俺の部屋に来ることはしょっちゅうだが。
エレン「ミカサ、入ってもいいか?」
ミカサ「エレン?」
俺の声が聞こえて来るなり、扉はすぐに開かれた。
エレン「…ってお前!」
ミカサ「ん?」
エレン「なんでそんな薄着なんだよ!他の人に見られでもしたら…」
ミカサ「でもエレンだけでしょ?」
エレン「………」
こいつはいつもそうだ。
この薄着だって、俺が家族だから見せても問題ないということだろう。
そういう反応が俺は何よりも気にくわない。
ミカサ「エレン怒ってる?」
エレン「別に…怒ってねぇよ」
ミカサ「そう…それよりどうしたの?エレンから私の部屋に来るなんて…」
エレン「それより部屋入れてくれないか?」
ミカサ「あ、ごめんなさい」
ミカサの横をすり抜け部屋へ入って行く。
中はこざっぱりしていて特に目立つものは何もない。
強いて言えば、鍛錬器具がやたら多いということくらいか。
エレン「………」
そこにベッドを見つけ、俺は倒れこむようにそのベッドに横になった。
ミカサ「……エレン、何してるの?」
エレン「疲れたんだ」
ミカサ「それならエレンの部屋に戻った方がいい、私に話があるなら一緒に行くから」
エレン「ここがいい」
自分でも何がしたいのか、ミカサの言うことは頑なに否定した。
いつも俺の後ばかりついて来るくせに、時折俺に指図する。
エレン(そうやって姉や母親気取って…)
苛立つ。
だが、この関係が無くなったら無くなったできっと寂しいのだと思う。
エレン「ミカサの匂いがする…」
ミカサ「え、エレン?」
エレン「お前までいなくなったら……嫌だ」
ミカサ「大丈夫、いなくなったりしない」
エレン「そんなの分からないだろ、いくらお前が強くても壁外はそんなに甘い世界じゃない」
なぜミカサを調査兵団に連れてきてしまったのだろう。
あの時、配属兵科を決める時にもっと否定していれば。
エレン「…ミカサ」
ベッドから立ち上がり、ミカサを抱きしめる。
強く、離れてしまわないように。
ミカサ「エレン……ダメ」
エレン「…どうして」
ミカサ「あなたと……離れられなくなってしまう」
エレン「離れなければいいだろ、ずっと…このまま」
ミカサ「でも…」
エレン「分かってる、本当はお前と逃げ出したい!安全な内地に暮らして、戦いなんてせず平凡に暮らして……家族になって」
ミカサ「………」
エレン「でも俺たちは……戦わなくちゃいけないんだよな」
この残酷な世界で、最も大切な人を守るために。
エレン「だから明日……絶対に生きて帰るぞ」
ミカサ「うん」
全身で伝わってくるミカサの温もりはまるで、俺を優しく包み込んでくれるように生きる勇気をくれる。
ミカサ「その……エレン」
エレン「ん?」
ミカサ「とても良いところ申し訳ないのだけれど……そろそろ離してもらえるだろうか」
エレン「あ、ああ……すまん」
エレン(嫌だったのか…?)
ミカサ(これ以上エレンに抱きしめられたままでは壁外に行く前に心臓が持たない…)
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- 7 : 2018/06/29(金) 12:44:23 :
- 2日目のお題は「抱きしめる」
家族愛と恋愛が入り混じった感じが、私の中のエレミカです。
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- 8 : 2018/06/29(金) 22:35:25 :
- 次は何かなぁ?WAKWAK
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- 9 : 2018/07/01(日) 01:07:58 :
- >>8
ワクワクに応えられるようがんばります!
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- 10 : 2018/07/01(日) 01:47:11 :
3.ゲームをする/映画を見る
ミカサ「エレン、これで映画を見てみたい」
エレン「これは…VRゴーグル?」
ミカサ「見るのはこの映画」
そう言って取り出したのは、大人でも逃げ出す程と話題になったホラー映画だった。
エレン(こいつ正気か…?)
エレン「嫌だ」
ミカサ「どうして?」
エレン「なんでこんなのVRゴーグル着けて見なくちゃいけねぇんだよ」
ミカサ「その方が怖いと思って」
エレン「だから何でこれ以上怖くする必要があるんだよ」
ミカサ「エレン……もしかして怖いの?」
エレン「普通に見ればいいだろ!」
内心、超怖い。
だがこんなことをミカサの前で言うのは激しく抵抗がある。
俺がこの世で最も嫌っていることは、ミカサに馬鹿にされること、見下されることだ。
ミカサ「お願い」
エレン「絶対に嫌だ、一人でやれ」
ミカサ「エレンとがいい」
エレン「ゴーグル着けたら二人で見る意味がないだろ!」
ミカサ「意味ある」
こういう時のミカサは頑固だ。
こうなってしまっては絶対に譲ろうとしない。
エレン「はぁ…」
またかと思いながら、俺はミカサを抱き寄せる。
ミカサ「エレン…?」
そして耳元で囁く。
エレン「ゴーグル着けたら、お前の顔が見えないだろ?」
ミカサ「え、ええエレン?」
エレン「映画なんかよりも、俺は1秒でも長くミカサを見つめていたい」
ミカサ「そ、そんな…こと」
エレン「だから…な?ゴーグルなんていらねぇよ」
ミカサ「うん」
エレン(堕ちたな…)
ミカサは納得したようにVRゲームをしまった。
こうして俺の心の安寧は保たれた。
と思ったが…
映画が始まって10分。
ミカサ「エレン!エレン!」
エレン「………………………」
そんなことは無かった。
__________________________
ミカサ「これしたい」
エレン「イヤホンガンガン伝言ゲーム?」
ミカサ「うん」
大音量で音楽が流れるイヤホンを付け、相手が言っていることを伝えていくゲームらしいが。
今回は二人きりなので、相手が言っていることを当てるということにした。
エレン「うわ、こんなデカイ音が流れるイヤホン付けるのか…」
ミカサ「最初は私が付ける」
そう言ってミカサは平然とイヤホンで両耳を塞ぐ。
エレン(結構平気そうだな…)
エレン「ミカサ、もう始めていいか?」
ミカサ「………?」
エレン「おーい」
エレン(マジで聞こえてないな…)
そう思い、ミカサの片耳のイヤホンを無理やり外す。
ミカサ「!!」
エレン「始めていいか?」
ミカサ「あ、うん」
再び両耳をイヤホンで塞いだミカサに対し、言葉を投げかける。
エレン「おはよう」
ミカサ「……あおう?」
エレン「お・は・よ・う!」
ミカサ「あ……おはよう」
指で正解を示す丸を作る。
嬉しかったのか、ミカサの表情には笑みが浮かんでいる。
エレン(この調子じゃ本当に全く聞こえなさそうだな…)
そこで俺は何を思ったのか、次の言葉を発する。
エレン「ミカサが好きだ」
ミカサ「…??」
控えめに言っただけ、ミカサも全く分からないという表情をみせる。
エレン(あと一回だけ…)
エレン「ミカサが、好きだ」
ミカサ「かさが……すしだ?」
エレン(さすがに分からないか…)
これ以上はもうやめよう、そう思った時、俺は背後からある者の視線を感じてしまった。
アルミン「あ、続けてどうぞ〜」
エレン「アルミンんんんんんっ!!!」
ミカサ「???」
俺は逃げるアルミンを追い、部屋にはただ訳が分からないといった風に、ミカサが一人イヤホンを両耳に座っていた。
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- 11 : 2018/07/01(日) 01:51:56 :
- 3日目のお題は「ゲームをする/映画を見る」
ミカサが怯えるのが本望ですが、やはりどちらかと言えばエレンの方がビビりそうなイメージが…。
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- 12 : 2018/07/05(木) 20:32:59 :
- 可愛い
期待です!
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- 13 : 2018/07/06(金) 15:08:46 :
- >>12
こちらにも来ていただいてありがとうございます!
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- 14 : 2018/07/07(土) 00:49:42 :
4.デートに行く
華やかな街、中央広場、噴水前。
私はそこで、彼を待っていた。
ここで落ち合うと約束していた時間は既に10分を過ぎていた。
ミカサ(遅い…)
10分なんて大した時間じゃない、普段の私ならそう考えるだろう。
しかし、今だけは過ぎて行く時間が惜しい。
ミカサ(約束、忘れたとか…)
など、先程から妙な不安に襲われる。
私の周りにも、噴水の前で相手を待つ女性はたくさんいる。
しかも来る相手はほとんどが男性で、手を組んだり、出合い頭にキスをしたりと皆恋人同士のようだ。
ミカサ(羨ましい…)
なんて思ったりしない。
私と彼は、家族なのだから。
エレン「ミカサ!」
ミカサ「!」
待ち侘びていた彼の声に、思わず胸が高鳴る。
エレン「悪い、待たせたか?」
ミカサ「ううん、私も少し前に来たばかり」
エレン「そ、そうか…」
ミカサ(………?)
エレンからいつもと違う香りがする。
髪型もなんだか少しだけ違うように見える。
ミカサ「エレン、何かいつもと違う?」
エレン「そうか?いつも通りだろ」
ミカサ「………」
なぜこんなにも今日のエレンには違和感を感じるのだろう。
今日はエレンが計画を立ててくれた。
誘ってくれたのもエレンだ。
ミカサ(あの時は驚いた……エレンから誘ってくれるなんて…)
数分歩いて私たちが着いたのは、小さなパン屋。
エレン「ここだ」
ミカサ「ここからもいい香りがする…」
エレン「ああ、ここのパン屋は絶品だぞ」
ミカサ「エレンは食べたことがあるの?」
エレン「まぁな」
エレンが店の呼び鈴を鳴らすと、店員さんが顔を出してくる。
店員「いらっしゃい!……って君は」
エレン「あ…この前はどうも」
店員「やっぱりそうか!この前も食べに来てくれたね……って、ん?」
ミカサ「……?」
店員から妙な視線を感じる。
店員「前も女の子と来てたのに、次は別の女の子かい?」
エレン「ちょ…!」
ミカサ「え、エレン…?」
そうだったのか。
エレンは前に別の女の子と来たところを、今度は私と回っているだけだったのか。
ミカサ「………」
エレン「おい、ミカサ?」
泣くのを必死に我慢する。
別にいいじゃないか、エレンが他の女の子と遊んでいようが。
私はただの家族なのだから。
店員「あーあ、女の子を泣かしちゃって」
エレン「誰のせいだと……そもそも、前のやつはそんなんじゃないですから!」
店員「そう?結構仲良く見えたけどなぁ…」
エレン「あいつはただの友達です、本命は……こいつですから」
ミカサ「え…?」
店員「へー…それなら大事にしないとねぇ」
エレン「当たり前ですよ」
ミカサ「え?え?」
エレンは何を言っているのだろう?
本命だとか、なんとか…
店員「ほら、彼女さんにはサービス」
ミカサ「か、彼女???」
頼んだものとは別にもう一つのパンを貰う。
店員「幸せになりなさいね」
ミカサ「は、はい」
この時、私はよく分からず返事をしてしまった。
ミカサ「エレン、さっきのって…?」
パン屋を離れてから、私は先程のエレンの言葉について聞いた。
エレン「…察しろよな」
ミカサ「だって本当に分からないから…」
エレン「お前わざとか?」
ミカサ「そんなこと…」
エレンの言葉の意味は本当に分からない。
もしかしたら、エレンの口から直接聞きたかっただけかもしれないが。
エレン「ほら、帰るぞ」
ミカサ「…うん」
今はまだ分からなくていい、そう思えた。
後日、兵舎にて様々な真相が明らかとなった。
昨日のエレンの香りについて、アルミンがお気に入りの香水を貸したからとのこと。
髪型については、ジャンが髪のセットの仕方をエレンに聞かれ、伝授したと。
しかし、エレンはまだまだ実力不足だとジャンは言っていた。
昨日はそれに時間を取られていたのだろうか。
パン屋についてはサシャが知っていた。
エレンにオススメを聞かれ、自分も食べたいからと付いていったらしい。
私が知らないところで、エレンは私のためにこんなにも努力をしてくれていたのだ。
ミカサ「エレン、ありがとう…」
エレン「……どういたしまして」
横からでも分かるくらい、エレンの顔は真っ赤だ。
ミカサ(感謝されることに慣れてないからかな…)
エレン(全部バレた……恥ずい…)
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- 15 : 2018/07/07(土) 00:52:21 :
- 4日目のお題は「デートに行く」
エレンはどんなことも、ミカサの見えないところで必死に努力していそうです。
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- 16 : 2018/07/07(土) 04:22:29 :
- めっちゃ可愛い!エレミカ大好き!
期待です!
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- 17 : 2018/07/08(日) 23:44:04 :
- >>16
ありがとうございます!
嬉しいです!
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- 18 : 2018/07/12(木) 00:09:27 :
5.キスをする
エレン「はぁ?キスはどんな味だって?」
年頃の男子が集まる訓練兵団、こんな会話は日常茶飯事だ。
しかし、女子に全く興味を示さない俺がまさかこんな質問をされるとは思いもしなかった。
ライナー「お前、いつもミカサと一緒にいるだろ?キスの一回や二回、したことあんだろ?」
エレン「何言ってんだ…?」
コニー「初めてのキスはレモンの味とか言うけど、実際どうなんだよ?」
エレン「まず何で俺がキスしたことある前提で話が進んでるんだ?」
実際、俺にはキスの経験などない。
ライナーも俺とミカサの関係をどうやら勘違いしているらしい。
エレン「俺とミカサはただの家族だ、そんなことしねぇよ」
そう言い切ると二人は「つまんねぇ…」などブツブツ言いながら去っていった。
エレン「たく…」
アルミン「二人はいつもくっついているから、周りには勘違いされているんだよね」
エレン「勘違いねぇ…」
確かに勘違いだ。
俺とミカサは付き合っちゃいない。
けど、もしミカサが他の誰かと付き合ったら、そいつとキスをしたら、そう考えると自分が嫌だというのは分かる。
訓練後、夕食の時間。
今日の夕食は久々の肉で、兵団の皆は歓声を上げている。
それでもいつも通り、俺とミカサは隣同士で夕食を食べている。
ただ、内心はいつも通りとはいかなかった。
エレン「………」
ミカサ「………」
気づけば俺は無意識にミカサの唇を見つめてしまっている。
肉の油のせいか、艶めかしく光る唇が何度も俺の目を奪う。
ミカサ「エレン…?」
エレン「なんだよ」
ミカサ「私の顔に何かついているだろうか?」
エレン「いや、何も」
ミカサ「そ、そう…」
エレン「ミカサ」
ミカサ「な、何?」
エレン「この後二人きりになれねぇか?」
ミカサ「!!」
アルミン「!?」
ジャン「!!!?」
ミカサ「もちろん、大丈夫!」
エレン「そうか」
アルミン(いきなり何を言いだすんだ今日のエレンは…)
ジャン(二人きり…!?)
ミカサを呼び出したのは人気の無い兵舎裏。
ハンナとフランツがよく、「ここなら二人きりになれる!」とか言っていた。
ミカサ「エレン、何か私に話が?」
エレン「いや…」
ミカサ「隠すことはない、私はエレンが望むならどんなことでも力になる」
その言葉に、俺の中の何かが吹っ切れた。
ミカサの肩を思い切り掴み、顔の距離を詰める。
ミカサ「え、エレン…?」
エレン「………」
本当はここでキスをしてやろうと思った。
だが…
エレン(さすがに無理だ…)
エレン「キス…」
ミカサ「え…?」
エレン「キスが…したい」
ミカサ「!!」
無理矢理にでもキスしてやろうと思っていたものは、か弱い確認の言葉となってしまった。
エレン(情けねぇ…)
ミカサは顔を真っ赤にしながら、目は合わせずに口を開く。
ミカサ「……いいよ、エレンなら」
エレン「本当にいいのか?」
ミカサ「…うん」
瞳を閉じたミカサの唇に、俺は自分のをそっと重ねる。
ミカサ「ん…」
その見た目以上の柔らかさ、気持ち良さに俺の理性は崩壊し、無理矢理に舌をミカサの口内へと侵入させる。
ミカサ「んん…!ん……はぁ…」
やっと解放されたミカサは必死に息を整えているようだった。
ミカサ「今のは……恋人がするキス…」
エレン「…そうだな」
ミカサ「!!そんなことしたら…」
エレン「嫌だったか?」
その質問にミカサは思い切り首を横に振る。
エレン(嬉しそうな顔しやがって…)
ミカサ「でも…」
エレン「ん?」
ミカサ「エレンにキスをされると自分を制御できなくなる……のが嫌」
エレン「………」
嫌って言われたらやりたくなるのが人間ってもんだよな?
当分はやめられそうにない。
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- 19 : 2018/07/12(木) 00:10:49 :
- 5日目のお題は「キスをする」
初々しいファーストキスを目標にしたかったのについやってしまいました…。
-
- 20 : 2018/07/12(木) 01:01:02 :
- 期待
いきなりアカウントがお亡くなりになった
~( ~´・ω・`)~まじショック
だいぶ前にコメント送ったかふぇ((o(。 >ω<。)o))です
-
- 21 : 2018/07/14(土) 00:57:57 :
- >>20
お久しぶりです!
それは災難でしたね…
期待ありがとうございます!
-
- 22 : 2018/07/14(土) 22:53:29 :
- 期待しまくりですよ!…どうしたらアカウント戻るの…(´。・д人)シクシク…
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- 23 : 2018/07/14(土) 23:39:04 :
- 期待期待期待期待期待しかない!
-
- 25 : 2018/07/18(水) 23:15:12 :
6.衣装交換
ミカサ「ない…」
それに気づいたのは朝のこと。
服を入れている棚の中に自分の物が一切無く、寧ろエレンの服がどっさいと詰まっていた。
ミカサ(まさか洗濯物を間違えるなんて…)
エレンの服を洗濯するのはいつも私の仕事だ。(決してやましい気持ちなどない)
その時に自分のものもまとめて洗濯し、その後各々まとめたものをそれぞれの棚に仕舞うようにしている。
洗濯をしたのは昨日、その時にエレンの服を全てこちらの棚に入れてしまったのだろう。
ミカサ(マフラーも無いしこんなことがあるだろうか………いや無い、きっと誰かの都合で入れ替えられたに違いない)
取り敢えず、寝巻きのまま外へ出るわけにも行かないので私はエレンの服を身に纏い部屋を出た。
エレン「………」
ミカサ「………」
「おいおい…どういうことだ?」
「やべぇぞあの二人…」
周りがざわつくのも気にせず二人は席に着く。
アルミン「あの……エレン?」
エレン「どうしたよアルミン?」
アルミン「どうして今日はエレンがミカサのマフラーを巻いているのかな」
エレン「どうしてって……今日は冷えるしたまにはいいだろ?」
アルミン「えー……ミカサはいいの?」
ミカサ「全身をエレンのぬくもりで包まれている……マフラーが無くても今日は大丈夫」
アルミン「どうしちゃったんだ僕の幼馴染は…」
ミカサ「………」
私だけでなく、エレンも話を合わせてくれているのには訳がある。
朝食前
エレン「おいミカサ!!」
ミカサ「!!な…何?エレン」
私がエレンの服を着て部屋を出て行こうとしたと同時に、エレンが私の部屋に飛び込んできた。
私の服を着て。
エレン「お前これどういうことだよ?」
ミカサ「どういうことって?」
エレン「惚けるなよ、何で俺の棚にミカサの服しか入ってないんだよ」
ミカサ「それは私が間違ってしまった…ごめんなさい」
素直に謝ったのが効いたのか、エレンもしょうがないといった風に納得してくれた。
どこか不満げな顔はしているが。
ミカサ「そんなに嫌なら着替えよう…」
エレン「…は?」
そう言っておもむろに服を脱ぎ出す。
エレン「ちょっと待て!ここで着替えるつもりか!?」
ミカサ「時間がないでしょ?」
エレン「だからって男の前でこんな…」
ミカサ「だって、エレンじゃない」
エレン「っ!」
そこで何を怒ったのか、エレンは私が脱いだシャツを乱暴に被せた。
ミカサ「え…エレン?」
エレン「お前、今日はそれ着てろよ」
ミカサ「え…?いいの?」
エレン「着たかったのかよ…」
ミカサ「うん、だってエレンのぬくもりを感じられる…」
エレン「そうか、じゃあマフラーは今日はお預けな」
ミカサ「え、ええ!?」
エレン「俺も、たまにはミカサのぬくもり感じてみたいんだよ」
ミカサ「!」
その時、顔が熱くなっていくのが分かった。
ミカサ(私…恥ずかしいこと言ってた?)
エレン「とにかく行くぞ、時間が無いからな」
ミカサ「うん…」
私は嬉しくてたまらなかった。
こんな気持ち、きっと家族同士でしか感じられない。
エレン「それよりお前の服、意外とキツイんだよな…」
ミカサ「身長は同じだけど…」
そこで何を思ったのか、エレンは私の腹回りに腕を回し、抱きしめるような形になる。
ミカサ「え、エレン?何をしているの?」
エレン「いや…ミカサって結構細いよなって…」
ミカサ「そ、そう…?」
エレン「どうやったらこんな引き締まった筋肉を作れるんだ…?」
ミカサ「く、くすぐったい…」
エレンが私の腹回りを撫で回すように触れる。
気づいたら、私は耳まで真っ赤にして倒れていた。
エレン「お、おい!ミカサ!?」
ミカサ「いい…人生だった…」
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- 26 : 2018/07/18(水) 23:16:30 :
- 6日目のお題は「衣装交換」
これはイラストがないと難しいですよね。マフラーを巻いているエレン、見てみたいです!
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- 27 : 2018/07/25(水) 00:11:18 :
7.コスプレ
エレン「なぁお前…ミカサ?だよな」
朝、俺の目の前に現れたミカサはいつもと全てが違っていた。
青と白の綺麗なドレスを見に纏い、頭にはリボン、両手には重そうなカバンを持っている。
ミカサ「違う、今の私は自動手記人形…」
エレン「いやいや!それ知ってるぞ!何だっけ…ヴァイオレット…」
ミカサ「エヴァーガーデン」
エレン「それだ!…って何でそんな格好してるんだよ」
ミカサ「違う、だから私はヴァイオレット…」
エレン「どこからどう見たってミカサだろ」
ミカサ「………」
ミカサが不服そうに頬を膨らます。
本当に、なぜミカサはこんなことをしているのだろう。
エレン(そういえば…)
前にミカサの部屋に珍しく本が置かれていたのを思い出す。
その本が確か、この作品だった気がする。
エレン「さてはお前…コスプレか?」
ミカサ「っ!」
エレン「やっぱりな、お前本とかに影響されやすいもんな」
ミカサ「そ、そんなことない!たまたま今回読んだ本の主人公がなんとなく私に似ていると思って…」
エレン「似てるって例えば?」
ミカサ「性格というか雰囲気とか…強いところ、あと好きな人に一途なところ…」
最後の方は声が小さくあまり聞こえなかったが、とにかくミカサが主人公に親近感を覚えたことは分かった。
エレン(でも、なんでコスプレ…?)
ミカサ「と、とにかく!私は今日からヴァイオレットになる」
エレン「いや、やめとけって…恥ずかしいだろ」
ミカサ「嫌だ」
エレン「はぁ…」
頑なに断るミカサに思わずため息を吐く。
エレン「何でそこまでして…」
ミカサ「………」
エレン「お前がそんなに意地張るなんて珍しいからさ」
ミカサ「…私も強くなりたい、そして彼女のように優しく、美しい存在でいたい」
エレン「……そうか」
これはミカサなりの自信の付け方だったのかもしれない。
憧れの人の真似をすると、自分自身にも自信が付くと聞いたこともある。
ミカサは、彼女になりたいのだ。
エレン(それなら仕方ない…)
そう思いたかったが、
エレン「俺は死なないからな!?」
ミカサ「え?何でエレンが死ぬの?」
エレン「いやだって、本でもほら…あの人」
そこで、その本の主人公の想い人が既に死んでいるという内容について思い出させる。
エレン「…な?だからお前がヴァイオレットになったら…さ」
ミカサ「それは分かったけど、それでは私の想い人がエレンということになってしまうのだけど…」
エレン「え?違うのか…?」
ミカサ「ち、違わ……ないけど」
顔を真っ赤にしながら、ミカサはカタコトと喋る。
ミカサ「それに、それだとエレンも私のことを愛していることになる…」
エレン「は、はぁ!?」
ミカサ「そういうことでいいの?」
エレン「そ、それは…」
なんとも言えない雰囲気になってしまったこの場をどうにかしようと、話を根本に戻すことにした。
エレン「とにかく俺は死なないし、お前はもうその格好やめろ」
ミカサ「う…」
エレン「そのドレスもいいけどさ、普段のミカサの方が俺は好きだぞ…」
ミカサ「分かった、やめよう!」
エレン(単純だ…)
こうして無事、他の皆にミカサのコスプレ姿を晒されることは無くなった。
俺も同じ本を前に読んだことはあった。
確かに、この作品の二人は何処と無く俺たちに似通った部分があるように感じた。
エレン(愛してる、とか言ったら死んじまいそうだな…)
-
- 28 : 2018/07/25(水) 00:14:46 :
- 7日目のお題は「コスプレ」
中の人繋がりで書かせていただきました!しかし、それ関係なく素晴らしい作品なので、見たことない人は機会があれば是非見てみて下さい!
お題作品
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
-
- 29 : 2018/07/29(日) 00:14:13 :
8.買い物
9.友達とみんなで遊ぶ
#前編
※舞台は現代です
クリスタ「すっごく残念!」
ミカサ「な…何が?」
今日は同じ高校の友達とショッピングモールへ来ている。
が、なぜかクリスタに会って一言目がそれだった。
サシャ「そうですね、勿体ないです」
ミカサ「さっきから何の話をしているの?」
クリスタ「ミカサの服装のことだよ!」
ミカサ「服装?」
そう言われ改めて自分の服装を見直してみる。
動きやすいジャージ一式。
ミカサ(やはりこれに尽きる)
クリスタ「全っ然ダメ!!」
ミカサ「ええ…」
サシャ「大体どうして休日にジャージなんて着るんですか?」
ミカサ「動きやすいし……襲われた時にすぐ対処できる」
サシャ「ミカサは一体何を想定しているんですか…」
クリスタ「とにかくこんなんじゃエレンに嫌われちゃうよ?」
ミカサ「う…」
クリスタ「このままじゃ納得いかない…ミカサ付いて来て!」
そのまま私は店の中に引っ張られ、着せ替え人形のようにいくつもの服を着させられた。
クリスタ「ミカサ可愛い!」
サシャ「さっきのミカサとは大違いです!」
ミカサ「うう…」
結局決まったのは、私にはとても似合わないであろう明るい色のヒラヒラとした服に膝までしかないスカート、動きにくい踵の高い靴。
ミカサ(これじゃまともに走ることもできない…)
クリスタ「これをエレンが見たらきっと喜ぶよ!」
ミカサ「なんでエレン?」
クリスタ「だってエレンとミカサって恋人みたいなものでしょ?」
ミカサ「恋人…」
その言葉は私たちには相応しくない。
私がエレンに好意を抱いていても、エレンにとって私は幼い頃から一緒にいる兄妹のようなもの。
ミカサ「そんなんじゃないよ…」
クリスタ「またそんなこと言って……でもエレンには見せるからね」
ミカサ「ええ!?」
クリスタ「だって呼んだもん」
ミカサ「呼ん…だ?」
そういってクリスタは携帯を取り出し、電話をかけ始める。
スピーカーをオンにし、携帯から相手の声が聞こえてくる。
エレン『もしもし、クリスタ?』
ミカサ「エレン…!」
エレン『ん?今ミカサの…』
クリスタ「エレン、今どこにいるの?」
エレン『今は一階にいるけど…』
クリスタ「じゃあ一階の入り口前に集合ね」
エレン『あ、おい…』
エレンが何かを言いかける前にクリスタは電話を切る。
ミカサ「今エレンが何か言いかけたようだけど…」
クリスタ「会えば分かるって、ほら行こ!」
ミカサ「う、うん…」
一階の入り口前に着くと、そこには学校の時とは全く違う姿のエレンがいた。
ミカサ(エレンもやっぱりオシャレを…)
クリスタ「お待たせー」
エレン「やっと来たな…さっきは電話切りやがって」
クリスタ「ごめんごめん!」
エレン「面白いものがあるって言うから来たのに…」
クリスタ「そうそう、じゃじゃーん!」
ミカサ「あ…」
クリスタにエレンの前まで押し出される。
エレン「さっきの声、やっぱりミカサだったか…!というかその格好…」
ミカサ「あまり見ないでほしい…」
恥ずかしさのあまりに、顔を手で隠す。
クリスタ「どう、エレン?」
エレン「どうって……なんつーか動きにくそうだな」
クリスタ「…………え?」
ミカサ「…!」
エレン「そんな格好して、もし誰かに襲われでもしたらどうすんだよ」
ミカサ「だよね!」
クリスタ「………」
サシャ「………」
この時の二人は、「そういえばこの二人はこんなんだったわ…」と思い出していたことだろう。
クリスタ「とにかく!ここからは二人で買い物でもしてきて」
エレン「は?お前らはどうするんだよ」
サシャ「私とクリスタはこれから用事があるので…」
クリスタ「あとは二人でごゆっくり!」
二人はそう言い残し、足早に店から去っていった。
ミカサ「用事があるなんて言っていなかったのに…」
エレン(あからさまな嘘だな……でも)
エレン「じゃあ仕方ないから二人で回るか」
ミカサ「え?いいの…?」
エレン「?なんでだよ」
ミカサ「だって二人きりだし…今こんな服で似合わないし…」
エレン「俺は十分可愛いと思うぞ?」
ミカサ「え……ええ??」
エレン「とにかく行こうぜ!」
ミカサ「う、うん」
エレンが今、何を考えているかは分からないけど、
ミカサ(今は楽しもう…)
-
- 30 : 2018/07/29(日) 00:15:01 :
- 8日目、9日目のお題は同時進行としました。
#後半へと続きます!
-
- 31 : 2018/07/30(月) 23:34:12 :
#後半
二人の間に妙な緊張感が漂う。
そこへスイーツの甘い香りが私たちの鼻をくすぐる。
エレン「腹減ったな…」
ミカサ「私も…」
エレン「そうだ…俺前から行きたい店があるんだ、付き合ってくれないか?」
ミカサ「もちろん、付き合う」
エレンに連れてかれ、着いたのは学生には少々洒落たスイーツ店。
ミカサ「…ここ?」
エレン「ああ、ここではお前としか食べれないスイーツがあってさ」
ミカサ「私としか…?」
その言葉を理解しないまま、エレンは店の中へと入っていく。
店員「お客様、お二人様ですか?」
エレン「はい」
店員「こちらの席へどうぞ」
席へ着くなり、エレンはメニューを開き目的のものを探す。
私もメニューを開くと、ある限定スイーツが目に入った。
ミカサ(カップル限定スイーツ…?)
その瞬間、エレンの先程の言葉を思い出す。
ミカサ(……いや、エレンに限ってそんなことは…)
エレン「あ、それそれ!」
ミカサ「え?」
エレン「そのカップル限定スイーツだよ、すみませーん!」
ミカサ「え、エレン!?」
エレンが大声で呼ぶと、店員は駆け足で私たちの元へ向かってくる。
店員「ご注文はお決まりになりましたか?」
エレン「このカップル限定スイーツっていうの、俺たちも食べられますよね?」
店員「お二人は…その…」
エレン「はい、恋人です」
ミカサ「!!」
店員「でしたら問題ありません、ただ今ご用意させていただきます」
店員が去っていった後、エレンは私に対し手を合わせ、頭を下げた。
エレン「すまん!」
ミカサ「ど、どうして謝るの?」
エレン「お前を利用するみたいな感じになっちまって…その…」
ミカサ「私は大丈夫……それよりエレンは嫌じゃないの?」
エレン「は?」
ミカサ「私がその……恋人役なんかで」
エレンはこのスイーツがどうしても食べたくて、たまたま一緒にいた私を使っただけに違いない。
今日はクリスタに呼ばれて来たみたいだし、本当はクリスタみたいな女の子と一緒に来たかったのでは、と考えてしまう。
エレン「…お前が何考えてるか知らないけどさ、俺はミカサ以外の奴とは来るつもりはなかったぞ」
ミカサ「!」
エレン「それに、一度こういうデートみたいなのしてみたかったしな」
ミカサ「でっ…デート??」
エレン「だって今そんな雰囲気だろ?」
エレンはそう言って私に微笑むが、私は顔を合わせることもできない。
ミカサ(こんなの……私が知ってるエレンじゃない!)
きっとエレンの言葉に深い意味などない。
きっと私が勘違いしているだけだ。
ミカサ「え、エレンはもう好きな子とかいるだろうし、でもその子といきなり二人きりは難しいから私は練習相手に最適だったんだよね?ごめんなさい、私勝手に勘違いして…」
エレン「さっきから何ごちゃごちゃ言ってんだ?」
ミカサ「私はただの練習相手…お試し…」
エレン「ミカサ、俺がそんなやつに見えるか?」
ミカサ「そんなことは…」
エレン「ま、ミカサは相手が誰でもいいみたいだけど」
ミカサ「ち、ちが…」
エレン「俺はデートするのも、カップル限定スイーツを一緒に食べるのも、ミカサ限定って付いてるからな」
私は何に怯えていたのだろう。
彼としっかり向き合っていなかったのは私の方だ。
そして私自身にも。
ミカサ(クリスタ、サシャ…ありがとう)
二人で食べた限定スイーツは、私の恋心のようにとても甘く、ちょっぴり苦かった。
一通り買い物(デート)を終えた私は、エレンにある悩みを打ち明けた。
ミカサ「普段の私はこんな綺麗な格好ではない……だからその…」
エレン「いつもはジャージだろ?」
ミカサ「な…なんで知って…!」
エレン「俺はミカサのジャージ姿も好きだぞ?動きやすそうだし」
ミカサ「!!」
エレン「今度はサッカーデートでもするか?」
ミカサ「うん!」
エレン(こっちの方が興味津々な顔してんな…)
エレン「でもそこが可愛い」
ミカサ「え?」
-
- 32 : 2018/07/30(月) 23:36:21 :
- 8日目のお題は「買い物」
9日目のお題は「友達とみんなで遊ぶ」
前後半に分け同時進行としましたが、順序が逆になってしまいました。
でも、久々に現パロエレミカを書けて満足です!
-
- 33 : 2018/08/05(日) 23:22:14 :
- ヴァイオレットエヴーガーデン!!
大好きー!
あ、お久しぶりです!
まだ続きますよね!
期待!
もうこの作品キュンキュンするぅ!
-
- 34 : 2018/08/06(月) 01:04:36 :
- >>33
ありがとうございます!
お久しぶりです!
30までやり切りますよ!
-
- 35 : 2018/08/06(月) 01:42:59 :
- また同時進行です。
10.獣耳
11.着ぐるみを着て
エレン「なんだ…それ」
驚くエレンの指差す先。
そこには猫の耳と尻尾の生えたミカサが立っていた。
ミカサ「分からない、起きたら生えていて…」
エレン「これ取れないのか?」
ミカサ「エレン!引っ張っては…」
ミカサの尻尾を引っ張ってやると、同時にミカサの身体がビクンと跳ねる。
エレン「………」
ミカサ「………」
エレン「もしや、感じて…」
ミカサ「そ、そんなことない!」
エレン「でも今明らかに…」
ミカサ「エレンの変態!」
しかし、これは本当にマズイことになった。
可愛いからこのままでもいい、と言っている場合でもない。
このままではミカサのこんな姿を他の奴らに見られるだけでなく、ミカサの性感帯を晒すことに…
ミカサ「違うと言ってる!」
エレン「な…!心を勝手に読むな!」
エレン(とにかく、どうにかして隠さないと…)
エレン「そうだ!」
ミカサ「な、なに?」
エレン「ミカサ、倉庫行くぞ」
ミカサ「倉庫?」
俺はミカサの手を引き、物置になっている倉庫へ向かう。
調査兵団本部会議室。
今ここでは、俺たち104期とリヴァイ兵長が今後の指針について話し合っている。
そしてもう一人、猫の着ぐるみを着た者が。
リヴァイ「おい、そこの着ぐるみを着ている奴はなんだ」
アルミン「これって前に調査兵団が営業に使ったものだよね?倉庫にしまってあったはずだけど…」
エレン「………」
我ながらいい案だとは思ったのだが、やはり無理だった。
以前調査兵団が使った着ぐるみ、これを使いミカサの耳と尻尾を隠す。
隠れたはいいが、やはり不自然だ。
リヴァイ「お前ミカサなんだろ?さっさとそれを脱げ」
エレン「へ、兵長!」
リヴァイ「なんだ?」
エレン「ミカサは今、その……訳あって着ぐるみを着ていなきゃいけないんです!」
リヴァイ「理由があるならそれを話せ」
エレン「えーと…それは…」
リヴァイ「もういい、俺が取る」
エレン「ま、待ってください!」
リヴァイは着ぐるみに詰め寄り、頭の部分を持ち上げる。
ミカサ「う…」
リヴァイ「なんだこれは…」
ジャン「ミカサに猫の耳が…!」
アルミン「ジャン!鼻血が…」
露わになったミカサの猫耳に、周りは興味津々に見つめる。
エレン(やっちまった…)
リヴァイ「なんだそれは、飾りか?」
ミカサ「あなたには関係ありません、会議を続けてください」
リヴァイ「それも会議に関係ないものだろうが、取らないならそれも取ってやろうか?」
ミカサ「…!」
リヴァイがミカサの耳に手を伸ばす。
俺はそれが兵長だろうと許せなかった。
気が付いた時には、リヴァイ兵長を殴っていた。
エレン「……あ」
リヴァイ「…………おい、エレン」
エレン「は、はい!」
リヴァイ「あと根暗野郎、お前らは頭を冷やしてこい」
兵長の今までに見たことないほどの鋭い目つきに、俺たちは逃げるように部屋を出た。
エレン「はぁ…たく、それ消えないのかよ」
ミカサ「ごめんなさい、エレンまで巻き込んでしまって…」
エレン「いや、あれは俺のせいだし…」
まさか、俺がリヴァイ兵長を殴る日が来るなんて思いもしなかった。
上官であり、俺が一番尊敬する人をだ。
エレン(それをミカサの耳を触らせないがためにやるなんて…)
ミカサ「エレン」
エレン「ん?」
ミカサ「さっきはその……ありがとう」
エレン「…ん」
ミカサ「でも私、耳なら大丈夫」
エレン「そ、そうか」
エレン(そういう問題じゃないんだけどな)
後に発覚したのは、その原因がハンジさんだったということだ。
あの人はどんな魔法を使ったのだろうか。
そのおかげで、リヴァイ兵長には納得してもらえた(殴った件については後で大掃除をやらされたが)。
ミカサの耳と尻尾は無事戻り、ミカサは一応実験の感想をハンジさんに話すことになった。
ハンジ「へぇ…尻尾は感度が高いんだね、興味深い」
ミカサ「…もういいですか?」
ハンジ「で、どうだった?昨夜は」
ミカサ「さ、昨夜とは…?」
ハンジ「全く新しいシチュエーションでやるのもいいもんだろ?」
ミカサ「し、してません!!」
-
- 36 : 2018/08/06(月) 01:46:06 :
- 10日目のお題は「獣耳」
11日目のお題は「着ぐるみを着て」
一つ一つやるより、二つのお題を合わせてやる方が話が広がる気がします!
正直、ハンジさんにこんな能力はないと思います…(笑)
-
- 37 : 2018/08/08(水) 22:09:59 :
12.いちゃいちゃする
暑い。
季節は夏、直射日光を避けようと木陰に入ったが、自分に巻きつく"ソレ"が暑さをさらに増す。
エレン「ミカサぁ…」
ミカサ「…なに?」
エレン「暑い」
ミカサ「ならもっと離れるべき…」
今日のエレンはずっとこんな調子だ。
昨日まではなんともなかったが、なぜか今日は私から一向に離れようとしない。
口癖の「駆逐してやる!」も、今では「暑い」になってしまっている。
エレン「お前さ、なんでマフラーつけてないんだよ」
ミカサ「この暑さの中、つけていたら死んでしまう…」
エレン「っ!」
すると突然、エレンが私の服の襟を掴む。
エレン「そんな簡単に死ぬって言うんじゃねぇよ」
ミカサ「これはただの冗談」
エレン「冗談でも言っていいことと悪いことがあるだろ」
ミカサ「………」
今日のエレンは本当に変だ。
ミカサ(部屋に戻ろう…)
そう思って立ち上がった私の手はいつのまにか繋がれていて、あまりに予想外のことだったので私はその場に倒れこむ。
エレン「なんで逃げるんだよ」
ミカサ「逃げては…」
言い訳をしようとした口はエレンの口で塞がれ、その言葉はエレンに届かない。
ミカサ「ん…ふぅ…」
エレン「はぁ……いつもはウザいくらいに俺についてくるのによ、なんでこういう時ばかり逃げるんだよ」
ミカサ「だから、逃げてはいない…」
エレン「マフラーもしてねぇし、お前無防備なんだよ」
ミカサ「私はいつ襲われても対処できるようにしている」
エレン「そういうことじゃない、露出しすぎだ…」
ミカサ「露出…?」
そう言われ、自分の姿を改めて見る。
ミカサ(変わったのは夏になって半袖にしただけ、あと暑いから胸元を少し開けているけど…)
エレン「お前、周りから色々言われてんだぞ」
ミカサ「なにを?」
エレン「俺に愛想尽きたとか、今なら頼めばヤらせてくれるんじゃないかとか」
ミカサ「………」
確かにそんな風に見られているのならこの上なく気持ちが悪い。
ミカサ「心配してくれたの?」
エレン「……ああ」
ミカサ「…嘘」
エレン「はぁ!?なんで嘘になるんだよ!」
ミカサ「だってエレン、自分の宝物を取られた子供のような顔してる」
エレン「なんだよその例え…」
先程まで暑さでいっぱいだった頭の中が、今ではエレンの可愛さで全てが吹き飛んだ。
ミカサ「心配しなくても、私はエレンだけのものだから」
エレン「…そうかよ」
今度は私がエレンに抱きついてみせる。
エレンは嫌がることもなく、私を受け止めてくれた。
エレン「もう愛想尽かれたとか言わせねぇ…」
この時エレンがなにを企んでいたか、私には知る由もなかった。
次の日。
朝食の時間、食堂にてエレンとアルミンと合流する。
ミカサ「おはよう、エレン…アルミン」
アルミン「うん、おはよう」
エレン「おはよう、ミカサ」
挨拶とともに、エレンは私の右頬にキスをする。
ミカサ「え、エレン!?」
それを見ていた他の兵士たちも驚きの声を上げる。
アルミン「な、何やってるの!?こんなところで…」
エレン「ミカサも、ほら」
そう言ってエレンは自分の右頬を指でさす。
私も同じようにしろ、ということだ。
ミカサ(みんなの前で…こんな…)
恥ずかしい気持ちを抑えながら、勢いよく唇をエレンの頬に押し当てる。
ミカサ「お、おはよう…」
エレン「…さて、朝食でも食うか」
ミカサ「うん」
私たちが席へ向かっても、アルミンはまだ状況が分からないと数分の間硬直していた。
これを機に、私に対して不純な噂が立つことは無くなった。
しかし、女子からの質問攻めはその後一ヶ月以上も続き、心が休まることはなかった。
ジャン「いちゃいちゃしてんじゃねーよ羨ましい!!」
-
- 38 : 2018/08/08(水) 22:11:14 :
- 12日目のお題は「いちゃいちゃする」
これが私の最大限のいちゃいちゃです。
いちゃつかせるってすごく難しいですね…。
-
- 39 : 2018/08/11(土) 09:03:54 :
- 色んなシチュエーション(?)があって面白い! 期待!
-
- 40 : 2018/08/11(土) 19:22:28 :
- 期待ですー
ヴァイオレットは可愛いって!
次のお題、学園祭なんてどうですか?
-
- 42 : 2018/08/14(火) 00:05:22 :
13.アイスクリームを食べる(+学園祭)
※8、9日目の続きのようなものです
今日は俺たちが通う高校、進撃高校の学園祭だ。
しかし、うちのクラスは出し物などはせず、その代わりに校内の巡回の係を強制的に任され、憂鬱な気分で過ごしていた。
エレン「つまんね…」
ジャン「しょうがないだろ、俺たちが出し物最後まで決まらなかったのが悪い」
エレン「それはお前がお化け屋敷を拒否したからだろうが!」
ジャン「今時お化け屋敷なんてやるか!俺はメイド喫茶が良かったんだ!」
エレン「はぁ?何考えてんだテメェ…」
アルミン「二人とも落ち着いて!」
巡回中にも関わらず口喧嘩を始める俺たちをアルミンが止める。
アルミンがいないと仕事は一向に進まなそうだ。
アルミン「早く仕事終わらせれば学園祭に参加できるんだから」
エレン「つってもよ…」
俺たちの仕事は巡回だけでない。
案内や資料の整理や人員不足のサポートやら、委員会と同等の仕事をこなさなくてはならない。
エレン(はぁ…)
考えれば考えるほどの憂鬱さに、心の中でため息をつく。
ジャン「そーいや、ミカサのクラスはアイスクリーム出してるらしいな」
エレン「へぇ……ってなんでお前が知ってんだ?」
ジャン「はぁ?逆にお前は知らないのかよ」
エレン「知らねぇよ!あー、お前日頃からミカサのストーカーしてるもんな」
ジャン「ストーカーじゃねぇよ!いつもいつも…」
アルミン「ストーーップ!!」
またもアルミンに止められる。
口を開けば俺たちは喧嘩ばかりだ。
エレン(まぁ今日に関しては俺が突っかかってるだけだが…)
アルミン「アイスクリームといえば、さっき他校の生徒が噂してたよ」
エレン「噂?」
アルミン「うん、何でも長身の美少女が接客をしてるとか…」
エレン「………」
ジャン「長身の…美少女」
アルミン「それ目当てにたくさんの客が集まってるとか…」
エレン「ジャン、ちょっと俺トイレ行ってくるわ」
ジャン「は?おい、待て!」
ジャンの言葉を聞かないまま、俺はミカサのクラスへと直行した。
ミカサ(どうしてこんなことに…)
私は今、なぜか接客をしている。
元々の接客担当はクリスタとサシャの予定だった。
しかし、サシャのつまみ食いで急遽代わりを探すことになった。
ミカサ(なのに、なぜ代わりが私に……それに私が来てから余計に混んでいるような…)
クリスタ「ごめんね、急に頼んで」
ミカサ「大丈夫、だけどどうして私が…それにまたこんな服を…」
クリスタ「前に一緒に買い物に行った時のミカサの写真をみんなに見せたの」
ミカサ「見せ…!?」
見せたというのは恐らく、クリスタに色々な服を着せられた私の写真に違いない。
ミカサ(それをみんなに…!?)
クリスタ「そしたらすごい好評で!みんなも接客担当をミカサにしようって」
ミカサ「………」
何で写真を見せたら私が担当になるのだろうか。
ミカサ(そんなに私の姿が面白かったの…?)
考えたいが、今は目の前の接客で目一杯だ。
次に訪れたのは他校の男子生徒三人組だった。
男子A「あのさ、君名前なんて言うの?」
ミカサ「え…?」
注文を頼むはずの場でのいきなりの質問に、言葉を失う。
男子B「ここの二年生だよね、めっちゃタイプなんだけど!」
ミカサ「あの…注文は?」
男子C「それより番号教えてよ、携帯の」
ミカサ(どうしよう……どうすればいい?)
クリスタは他の仕事で忙しそうだ。
他に頼れるような人もいない。
ミカサ(エレン…!)
咄嗟にその名前を心の中で叫んでいた。
それが届いたのかどうかは分からない。
だが、目の前にはいるはずがない彼の姿があった。
エレン「すいませーん、巡回員の者ですー」
男子A「は?なんだテメェ…」
エレン「だから巡回員ですって、それよりお客さんが注文してくれないと困るんですけど」
男子B「お前に指図される筋合いは…」
エレン「後ろ見てみ」
そう言われ、後ろを見た三人の目には自分たちを恨めしそうに見る客が何十人と映った。
三人はアイスクリームを注文するとそれを受け取り、黙って店を出て行った。
ミカサ「ありがとうエレン…」
エレン「…たまたま巡回してただけだ」
ミカサ「でも、ありがとう」
エレン「……ん」
愛おしい人の隣、私は火照った体を冷ますようにアイスを食べた。
-
- 43 : 2018/08/14(火) 00:07:13 :
- 13日目のお題は「アイスクリームを食べる」です。そこに今回は「学園祭」というお題を追加させていただきました!
学園ものもいつか一つの作品として描きたいです!
-
- 44 : 2018/08/14(火) 21:46:29 :
- 面白いです!
期待です!
-
- 45 : 2018/08/15(水) 00:09:37 :
- >>44
ありがとうございます!
お題も面白かったです!
-
- 46 : 2018/08/17(金) 20:47:49 :
- やっぱりこのSSすき
-
- 47 : 2018/08/17(金) 20:48:09 :
- エレミカはやっぱり進撃の中で王道だよねぇ
-
- 49 : 2018/08/18(土) 17:33:39 :
14.性転換
※できてる前提です。
エレン「どうなってんだコレ!?」
朝起きたら、俺の身体にはあるはずのものがなく、ないはずのものが存在した。
エレン(こ、これって……女の…)
恐る恐る自分の胸部へと手を近づけていく。
その時、大きな音を立て扉を開けて部屋に侵入してきた者がいた。
ミカサ「エレン!朝起きたら…私の股間にこんなものが!」
その侵入者は部屋に入って来るなりズボンを下ろし、中を俺に見せてくる。
そこには、ミカサにはないはずのものがぶら下がっていた。
エレン「お、おま…そんなもん見せつけてくるな!」
ミカサ「エレン、なぜ私のここにエレンと同じようなペニ…」
エレン「それを口にするな!あと見せつけないで早く仕舞え!」
ミカサ「嫌なの?」
エレン「嫌に決まってるだろ!」
ミカサ「でもエレンはいつも私に…」
エレン「そういうことは言わなくていい!」
なんとかミカサはそれをしまう。
なぜか残念そうにしていたが。
エレン(朝からいろいろ叫び疲れた…)
ミカサ「よく見れば、エレンの胸が…」
エレン「ああ、俺も朝起きたらこんな姿に…」
ミカサ「じゃあ下も?」
エレン「そうだ」
それを聞いたミカサは俺の胸部や股間部をじぃと見つめる。
エレン「…なんだよ」
ミカサ「じゃあ、エレンのそこにも私のこれが入るってこと?」
エレン「は、はぁ!?」
ミカサ「だって…」
エレン「そんなことはいいから!とにかく戻す方法考えるぞ!」
ミカサ「うん…」
そこから何時間も考えたが、一向に解決策は思いつかなかった。
他の人に相談しようにも、こんな姿を他人に見せるなどごめんだ。
エレン「どうしてこんなことに…」
ミカサ「ねぇ、エレン」
ミカサ「私がこのまま、男の姿のままだったら…エレンは嫌?」
エレン「は?なんでそんな質問…」
ミカサ「教えて」
エレン「………」
ミカサと正面から向き合う。
男の姿をしているミカサは、性別が変わっただけあっていつもより逞しく見える。
エレン(けど…やっぱり綺麗なんだよな)
性別が変わろうとなんだろうと、俺のミカサへの気持ちが変わることはない。
この関係も、だけど…
エレン「嫌だ」
ミカサ「………」
悲しそうに俯くミカサ。
その頭を俺は優しく撫でる。
エレン「お前が例え生まれた時から男でも、今みたいな性格は変わらないんだろうな」
ミカサ「エレン?」
エレン「お前がどんな姿だって、俺のお前への気持ちは変わらないさ」
ミカサ「!」
エレン「けど、俺はミカサを守りたい」
ミカサを抱きしめる。
いつもより大きい体、平らな胸部に違和感を覚えるが。
エレン(か、硬ぇ…)
ミカサ「それは、男として?」
エレン「そうだ」
エレン「お前がとかじゃなくて、俺が戻りたいんだ」
ミカサ「それなら私も戻らないと…」
エレン「もちろん戻って欲しいけど、お前が男だとしても俺の気持ちは変わらないぞ」
ミカサ「女じゃないと……エレンと結婚できないでしょ?」
エレン「…ああ、そうだったな」
話し合っていたら、俺たちはいつのまにか眠りについていた。
朝起きれば、俺たちの身体は元の姿に戻っていた。
隣で眠るミカサの姿を見て、やはりこのままがいいと改めて感じた。
エレン「………」
ミカサの胸部にそっと手を寄せる。
膨らんだそれに触れると、その柔らかさが手のひら全体に伝わっていく。
エレン(やっぱこうじゃなきゃな…)
ミカサ「…エレン、何をしているの?」
エレン「!ミカサ、起きて…」
ミカサ「なんで私の胸を…」
エレン「そ、そう!身体がちゃんと戻ったかどうか確認していたんだ!」
ミカサはしばらく考えてから、納得したように頷く。
エレン(な、納得してくれたか…?)
ミカサ「じゃあ私もエレンのを確認する」
エレン「お、おいミカサ!?待て!ズボンを下ろすなぁ!!」
-
- 50 : 2018/08/18(土) 17:38:38 :
- 14日目のお題は「性転換」
最後、二人は一つベッドの上で戯れています。
その後何をしたかはご想像にお任せします。
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- 51 : 2018/08/18(土) 19:30:54 :
- ムフフフ…
期待です!
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- 52 : 2018/08/20(月) 17:04:43 :
- >>51
ムフフ…
ありがとうございます!
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- 53 : 2018/08/20(月) 17:54:07 :
15.いつもと違う服で
コンコン、とドアをノックする音が響く。
ドアを開け、入ってきたのは執事服を見にまとった一人の男。
エレン「失礼致します、ミカサお嬢様」
男は紅茶の入ったカップを丁寧に持ち上げ、目の前のテーブルの上に音を立てることなく置く。
エレン「紅茶が出来上がりましたのでお持ちいたしました」
ミカサ「ありがとう」
エレン「どうぞごゆっくり」
感謝の言葉とは裏腹に、私の態度は冷たいものだ。
執事なんぞに優しくしてはいけない。
常に私が高尚な人間であるということを示さなくてはいけないのだ。
ミカサ(でも無理!ああエレン……なんてカッコイイの)
私の心は既に彼に支配されていた。
エレン「お嬢様!お洋服に紅茶が…」
ミカサ「え…」
気づくと私の口元から紅茶が垂れ流れており、胸元に紅茶が溢れてしまっていた。
ミカサ(しまった、エレンのことを考えていたから…)
エレン「こちらのハンカチをお使いください」
エレンからハンカチを差し出されるが、私はそれを拒絶する。
ミカサ「……いて」
エレン「お嬢様?」
ミカサ「エレンが……拭いて」
エレン「しかしお嬢様…」
ミカサ「これは命令、早く」
エレン「…かしこまりました」
自分で言っといてなんだが、自分でもなんてことを言ってしまったのだろうと思う。
紅茶で濡れたのは私の胸部、エレンが拭くことを拒んだ理由は明白だ。
ミカサ(私の身体を…エレンが)
心臓の鼓動が高鳴っていくのが分かる。
エレン「では、失礼します」
エレンは恐る恐るといったふうにハンカチを服に添える。
やがてエレンが服を拭き始める。
その顔に動揺は見られず、無心にただ私の命令に従っているように見える。
ミカサ(私はこんなにも緊張しているのに、エレンは眉一つ動かさない…)
それがとても悔しかった。
エレンにとって、私はそういう対象では無いのだろう。
エレン「お嬢様、いかがなさいましたか?」
ミカサ「え?」
エレンに言われ、初めて私が泣いていることに気づく。
ミカサ(な、なんで…)
エレン「私のせいで…」
ミカサ「ち、違う!これはその…」
エレン「………」
紅茶で汚れてしまったハンカチを見て、エレンは仕方ないと手で私の涙をすくう。
ミカサ「!」
エレン「お嬢様は泣き虫ですね」
ミカサ「そんなこと…!」
エレン「そこまで私のことを想ってくださっていたとは、とても嬉しいです」
ミカサ「え…え?」
ミカサ(なんで気づいて…)
エレン「実はこのことは以前から知っていました、しかし立場上…気づいていないフリをするのが最善かと」
ミカサ「じゃあどうして今になって?」
エレン「お嬢様から私に胸元を拭かせたり、それを見て泣いてしまったり…」
エレン「もう限界です」
そう言ってエレンは私にキスをする。
強引なようで、とても優しいキス。
ミカサ「エレンもずっと、私のことを想ってくれていたの?」
エレン「はい、いつかお嬢様と結ばれる日をお待ちしておりました」
ミカサ「嬉しい…」
立場なんて関係ない。
他の人がなんと言おうと、私はこの人を好きになってしまったのだから。
ミカサ「ミカサって、呼んで」
エレン「ミカサ」
ミカサ「エレン…」
ジャン「あいつら何やってんだ?」
ここは訓練兵団兵舎、その中の食堂になる。
アルミン「あー…二人はよく、ああやって色んなシチュエーションを楽しんでいるんだよ」
ジャン「………」
ミカサ「エレンの執事姿、とてもカッコよかった」
エレン「ミカサのお嬢様も板についてたぞ」
ミカサ「そんなこと…」
エレン「なぁ、次はナース服とか着てみたらどうだ?」
ミカサ「え、エレンが望むなら…」
ジャン「………」
ジャン(もうこの二人にはついていけん…)
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- 54 : 2018/08/20(月) 17:56:29 :
- 15日目のお題は「いつもと違う服で」
今回の二人は実際の執事でもお嬢様でもなんでもない、普通の兵士です。
服を着替えてシチュエーションを楽しんでいるだけでした!
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- 55 : 2018/08/21(火) 21:44:28 :
- 期待デェェェェェェェス!
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- 56 : 2018/08/21(火) 23:23:41 :
- >>55
ありがとうございますッ!
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- 57 : 2018/08/24(金) 01:30:48 :
- 顔がニヤついてしまうww
期待です!
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- 63 : 2018/08/25(土) 01:33:58 :
16.添い寝
日が落ちてから、外では雨が降り始めていた。
地面を叩くように鳴る雨音に、俺は寝付けないでいた。
エレン(ミカサは、大丈夫か…?)
ふと昔のことを思い出す。
雨の中、父親に半ば無理やり連れて行かれた患者のアッカーマンさんの家。
そこで目にした悲惨な二人の姿。
俺が刺し、殺した強盗。
あの日、俺たちは初めて人を殺した。いや、人などではなかった。
ミカサ「…エレン」
エレン「ミカサか」
案の定というべきか、ミカサが恐る恐る扉を開き俺の部屋へやってきた。
エレン「お前も寝付けないのか?」
ミカサ「雨音が、うるさい」
エレン「とりあえずこっちこいよ」
ミカサ「うん…」
先程の俺と同様、ミカサもあの日のことを思い出したのだろう。
灯りを持つ手がわずかに震えている。
ミカサ「…お邪魔します」
エレン「どうぞ」
ミカサは嬉しそうに布団の中に潜り込む。
ミカサ「それにしても、エレンもこんな時間まで起きているなんて珍しい」
エレン「そうか?」
ミカサ「うん、エレンも…思い出した?」
エレン「少しな」
ミカサ「そう…」
それを聞いたミカサはどこか嬉しそうだった。
残酷な過去とはいえ、アルミンも知らない俺たち二人だけが共有している秘密ともいえる。
ミカサ「エレン、くっついてもいい?」
エレン「なんでだよ」
ミカサ「布団に入るだけじゃまだ寒い…」
エレン「…わかったよ」
ミカサ「!ありがとう」
もぞもぞと身体を動かし、ミカサが俺の背中に触れる。
ミカサ「エレンの体、あったかい…」
エレン「お前、マフラーもしてるのによく暑くないよな」
ミカサ「エレンは暑い?」
エレン「別に」
ミカサ「良かった」
素直に暑いと言ってしまえば、ミカサは遠慮して離れてしまうだろう。
今はミカサのことを思って、それだけは避けたい。
エレン「そのマフラー、もうボロボロなのによく着けてられるな」
ミカサ「これは、私にとって宝物だから」
エレン「宝物、ね」
ミカサ「エレンが初めて私にくれたものだから」
エレン(大げさなやつだ…)
けど、あの時のミカサからすればかけがえのないものだったのだと思える。
ミカサ「それに、私にはもう一つの宝物がある」
エレン「意外だな、何が宝物なんだ?」
ミカサ「エレン」
エレン「は?」
ミカサ「私の、もう一つの宝物」
予想外の言葉になんと返せばいいか分からなくなる。
エレン(そんな風に思われてたのか)
けど、俺なんかあの時、ミカサを一度助けただけだ。
俺は何度、ミカサに助けられたか。
エレン「…宝物なんて言われるほどじゃねぇよ、俺は」
ミカサ「そんなことない!」
エレン「!」
いきなりのミカサの張り上げた声に驚く。
ミカサ「エレンは私を救ってくれた、私に生き方を教えてくれた…」
エレン「運が良かっただけだ」
ミカサ「エレンは優しい、いつだって私たちを守ってくれる」
ミカサ「初陣で私が諦めた時も、大砲を打たれた時も、ハンネスさんが…死んでしまった後も」
エレン「それは全て、巨人の力のおかげだ」
エレン「俺自身は何も、できないままで…」
いつのまにか俺が弱音を吐いてしまっている。
元はミカサから俺の元へ来たのに。
エレン(俺は、お前みたいに強くはなれない)
ミカサ「力なんて関係ない、私が憧れているのは…エレンのその強い意志」
エレン「!」
ミカサ「みんながエレンに期待をしているのはただ巨人の力があるからじゃない」
ミカサ「エレンが巨人に打ち勝つことのできる、強い意志の持ち主だと知っているから」
エレン「ミカサ…」
ミカサ「エレンは人類の希望で、私の希望なんだよ」
エレン「………」
いつのまにか、心の中にあった不安は消え去っていた。
代わりに、あたたかな何かが体を満たしていくのが分かる。
外で鳴り響く雨音が、今では優しくささやくように聞こえる。
エレン「ありがとな、ミカサ」
ミカサ「ううん、私もエレンのことを話していたら安心できた」
エレン「そうか」
その後、互いに安心した俺たちは眠りについていた。
知らぬ間に握られていた手を握り返す。
離してしまわないように。
エレン(なってみせるよ、本当の…希望に)
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- 64 : 2018/08/25(土) 01:36:45 :
- 16日目のお題は「添い寝」
時でいうと原作50話の後くらいです。
自信のないエレンをミカサが慰めるなんてことが本当にあったらいいです!
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- 65 : 2018/08/25(土) 01:44:02 :
- あのミカサの笑顔はやばかった(〃▽〃)
本当にあったらいいですね!
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- 66 : 2018/08/25(土) 05:12:49 :
- >>65
あの場面は何度見ても感動します!
これがなかったらエレンも立ち直れないんじゃないですかね??
細かく指摘すると51話中間辺りでした!
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- 67 : 2018/08/25(土) 10:39:24 :
- ミカサかわいいよミカサ…
期待です!
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- 68 : 2018/08/26(日) 04:00:46 :
- >>66
あの場面を見る度、私のエレミカ脳内妄想が繰り広げられていますww
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- 70 : 2018/08/27(月) 18:10:33 :
- お久しぶり!
師匠!
いやー、新作から完結作 読んできたけどエレミカのイチャつき最高!(笑)
これからもお体に気を付けて頑張って下さい! (`・∀・´)♭
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- 71 : 2018/08/28(火) 00:09:48 :
- >>70
お久しぶり!!
読んできてくれたんですね!ありがとうございます!
そちらもお気を付けて( ´ ▽ ` )ノ
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- 72 : 2018/09/08(土) 03:09:26 :
- だいぶ忙しくなってしまったので、こちらの作品はここで一度切らせていただきます。
申し訳ありません…。
時間でき次第後編を上げるつもりです!
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- 73 : 2019/04/03(水) 21:52:57 :
- 続きを楽しみに待っています!
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- 74 : 2019/04/05(金) 01:23:33 :
- >>73
こんなところまでありがとうございます!
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- 75 : 2019/04/05(金) 01:58:54 :
17.寝起き・朝の支度
※夫婦・現代設定
ミカサ「エレン、起きなさい…!」
エレン「んん…」
朝、ミカサは俺の部屋に入ってくると窓のカーテンを開き、かかっている布団を取り、俺の体を両手で思い切り揺する。
見慣れた光景、これがうちの朝の日課だ。
エレン「…ん、おはよう…ミカサ」
ミカサ「やっと起きた、早く支度して……って、エレン!」
エレン「なんだよ?」
起き上がりミカサの身体を抱きしめると、ミカサは怒ったように俺の名前を呼ぶ。
これもいつものこと。
ミカサ「早く支度しないと、仕事に遅刻する」
エレン「…まだ時間はある」
ミカサ「そう言っていつもギリギリになって、慌てるのはどこの誰?」
エレン「………」
黙って目を逸らすと、それを追うようにミカサが睨む。
諦めて重い身体を持ち上げ、俺は洗面台へと向かった。
仕事用のスーツを身につけ、香ばしいトーストの香りが漂うリビングに向かい、椅子に腰をかける。
ミカサ「エレン、すっきりした?あ、ここ寝癖ついてる…」
エレン「ん?ありがとな…」
ミカサ「ネクタイが曲がっている」
エレン「ありがとな」
ミカサ「エレンは私がいないとダメ」
エレン「そうだな」
このやり取りだって日課だ。
毎日のようにミカサに身の回りの世話をしてもらい、助けてもらってる。
エレン(本当にミカサがいないとダメだな…)
結婚して数年、ミカサの存在は俺にとってどんどん大きくなるばかりだ。
新婚でもないし、こんなことを言えるような歳でもないが、俺は今もミカサに恋をしてる。
彼女が、愛おしくて仕方ない。
エレン(ミカサは、どう思っているんだ?)
ミカサ「どうしたの?エレン」
エレン「…いや、何でもない」
ミカサ「そう?」
見ていたことがバレていたことに恥ずかしさを覚え、誤魔化すようにまた目を逸らす。
ミカサ「エレンは大人になっても、エレンのままだ」
エレン「ん?当たり前だろ…」
ミカサ「あの頃のまま、ということだ」
エレン「あの頃?」
ミカサ「ううん、何でもない」
エレン「なんだよ、気になるだろ!」
ミカサ「エレンだってさっきは何も言ってくれなかった」
エレン「それとこれは別だろ…」
振り回される俺に、ミカサは思わず微笑む。
つられて俺も、自然に笑みがこぼれた。
エレン「それじゃあ、行ってきます」
ミカサ「うん、いってらっしゃい」
そう言ったはずなのに、俺たちは一向に動く気配がない。
ミカサは我慢ならないと身を前に出したが、その前に俺がミカサの唇に自らのを重ねた。
結婚して数年、これには未だに慣れない。
ミカサ「んっ…エレン…」
エレン「ミカサ…」
お互い顔を真っ赤に染め、目を合わせられず俯く。
途端に俺は走り出し、職場へと向かった。
結婚して数年、"俺たち"はまだ恋をしてる。
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- 76 : 2019/04/05(金) 02:01:27 :
- 17日目のお題は「寝起き・朝の支度」
結婚してから数年をキーワードに、もう慣れたはずの夫婦がまだ互いに恋をしているという初々しい感じがふたりらしいだろうなと思い書きました!
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- 77 : 2019/04/05(金) 02:31:43 :
- 期待です!
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- 78 : 2019/06/21(金) 20:44:47 :
- 期待
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- 79 : 2021/05/19(水) 17:18:34 :
- 期待
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