希望ヶ峰学園の日常
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- 1 : 2018/06/25(月) 22:59:12 :
- ここは、希望ヶ峰学園。
希望溢れる才能を持つ高校生が通う学校。
通うと言っても、寮生活だが…。
しかし、その希望の高校生の日常は、意外と普通だったりする。
僕は『超高校級の幸運』として、この学園に入学することになった苗木誠だ。
数多の志望者の中から抽選で選ばれただけの普通の高校生。
苗木「上手くやってけるかなぁ…」
ついつい独り言を発してしまうのは、それ程までに「彼ら」に実績があるからだ。
超名家の御曹司や全国を沸かすアイドルがいる。そんな人たちと仲良くなれるか心配だ…
まあ、くよくよ言っていても始まらない。前向きなのが僕の唯一の取り柄だからな。
〜体育館〜
???「これで全員だね!」
一同「…」
???1「じゃ、始めようか!」
一同「待て待て待て待て!!」
苗木(なんでヌイグルミが喋ってるんだ!?)
苗木(いや、大事なのはそこじゃないな)
???2「…学園長はどうした?」
???1「学園長ってそんなに大事?」
???2「俺は貧相なヌイグルミがあって学園長がいない理由を聞いてるんだ」
???1「ボクは貧相なヌイグルミじゃないよ!モノクマだよ!」
苗木(モノクマ?こいつ名前があるのか?)
モノクマ「学園長は今忙しいんだ。だからその代わりだよ」
???2「…フン。ならさっさと始めろ」
モノクマ「横暴だなぁ、十神君は」
苗木(この人は十神クンっていうのか)
…にしても、超高校級って肩書き通り、一般人とはオーラが違うなぁ。
急に心配になってきたぞ…
僕はここでやっていけるのか…?
〜1日目-僕は苗木〜
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- 2 : 2018/06/25(月) 23:26:33 :
- そして、入学式を終えた僕たちは自己紹介をすることにした。
苗木「じゃあ、誰からしようか?」
???3「ま、仕切ってるお前からでいんじゃね?」
苗木「僕から?僕は苗木誠。超高校級の幸運として入学したんだ」
???4「幸運かぁ…」
???5「超高校級の幸運っつったら、毎年抽選で選ばれるやつだべ?」
???6「苗木君は普通の人と考えて良さそうですわね」
苗木「僕も普通の人が多いことを願うよ…」
???7「なら、次は僕がいかせてもらおう!」
???7「僕は超高校級の風紀委員、石丸清多夏だ!」
石丸「生徒の模範であるべき僕は普通の人だと思うぞ!」
???8「確かに、ふつーにウザそうだねー」
石丸「何っ!」
???8「あ、私、江ノ島盾子ね。よろしくー」
???9「あ、わ、私…戦刃むくろ…」
江ノ島「うわっ!何おんなじタイミングで挨拶してんの!本当に残念だわ!」
戦刃「あっ、ごめん…」
???3「まあ良いじゃねーか。そこまで重要じゃねーだろ」
???3「俺、桑田怜音。よろしくな!」
???10「何よ!そのチャラチャラした空気!とても嫌いだわ!」
桑田「なんだ初対面に向かって!辛辣か!」
???10「べ、別に発言くらいはいいでしょ…?それも許可が必要なの…!?」
???5「なんなんだ、この女。すげー怖いべ」
???4「この女って失礼でしょ!なんて名前なの?」
???10「腐川冬子よ…」
???4「腐川ちゃんね!よろしく!」
腐川「…」
???5「…関わるのはやめとくべ」
???4「ていうか、あんたさっきから何なの?ポッキーみたいな頭がチラチラ視界に入ってイライラするの!」
???5「俺は超高校級の占い師、葉隠廉比呂だべ!」
葉隠「ついでにあんたの名前も聞いとくべ」
???4「私?私は朝比奈葵!スイマーだよ!みんなよろしくねー!」
苗木(というか、この人達…)
苗木(超高校級と思って、怖がってたけど、意外と普通だなぁ)
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- 3 : 2018/06/26(火) 23:16:23 :
???11「我も自己紹介をいいか?」
???11「我は大神さくら。超高校級の格闘家だ」
葉隠「その見た目で大神か…。オーガって呼んでもいいか?」
大神「どうとでも呼べ」
???12「大神さんは強そうだなぁ」
大神「そうか?熱心に特訓をすれば、自ずとこうなる」
???12「僕は不二咲千尋っていうんだぁ…。よろしくねぇ」
大神「あぁ、よろしくな」
十神「おいおい、いつまで自己紹介をしているつもりだ?」
十神「自己紹介をしてないやつはさっさと済ませろ」
???6「…そういう貴方から名乗ってはどうです?」
十神「俺は十神白夜だ」
???6「十神君…ですか。私はセレスティア・ルーデンベルクといいます。以後お見知り置きを」
葉隠「そりゃ偽名だろ」
セレス「…何か言いましたか?」ゴゴゴゴ
葉隠「な、何でもねぇべ…」
???13「下手にふっかけるな。なるべく争いは避けろ」
葉隠「いかにも争いが好きそうなカッコのやつに言われたかねぇべ!」
???13「んだと、コラァ!!」
???14「言ったそばからですな」
???13「なんだテメェ!」
???14「拙者は超高校級の同人作家、山田一二三という者です!」
???13「俺は大和田紋土だ。よろしくなぁ」ゴゴゴゴゴ
山田「これが殺気か…ちびりそうですな」
桑田「頑張れよブーデー…」
苗木「えぇーっと、もう全員自己紹介したかな?」
桑田「おいおい、一番大事な人を忘れてねぇか苗木くんよぉ」
苗木「?誰のこと?」
桑田「アポッ!舞園ちゃんに決まってるじゃねーか!」
舞園「完全に喋るタイミングを失ってました…」
舞園「でも、これから3年間、よろしくお願いします!」
桑田「うっし!これで全員か!」
十神「おい、女。忘れられてるがいいのか?」
???15「えぇ。私のことを知ってもらう必要はないわ」
苗木「あ、ごめん!君の名前を教えてくれないかな?」
???15「…霧切響子よ」
桑田「今度こそ全員終わったな!」
モノクマ「…ようやく終わったの?」
苗木「モノクマっ!?なんで此処に?」
モノクマ「なんで此処に、ってさぁ…」
モノクマ「オマエラの自己紹介が終わるのを待ってたんだよ!全くもう…うんざりしちゃうよ」
石丸「なぜ君は待っていたんだ?」
モノクマ「業務連絡だよ。オマエラに1人一つずつ部屋が与えられてるから、そこに荷物をまとめな」
苗木(ついに今日から超高校級の学校生活が始まるのか…)
苗木(ぃよぉおし!気合い入れていくぞ!)
朝比奈「苗木、何ニヤニヤしてるの?」
苗木「あっ、何でもないです」
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- 4 : 2018/06/28(木) 21:13:40 :
2日目〜彼女は霧切〜
この希望ヶ峰学園での生活2日目。僕らは朝7:30に食堂に集まる約束をしていた。
苗木「お早う、みんな」
石丸「苗木君!24秒の遅刻だぞ!」
大和田「いいだろ、委員長。そんぐれぇよぉ」
大神「急ぐ用もないからな」
石丸「むむむ…」
朝比奈「まあ、じっくり待とうよ」
石丸「…そうだな!気負っていても仕方がない!」
〜30分後〜
桑田「…」
桑田「…だぁぁぁ!!あいつらが遅すぎる!」
葉隠「桑田っちが来たのは5分前くらいだけどな」
桑田「しかも、遅れてるのが十神なのがなんか許せん!」
山田「というか、十神白哉殿は来ない気がしますけどね」
セレス「私達だけで先に食べてしまいますか?」
舞園「そうですね」
桑田「十神の事だから、どうせ勝手に食ってんだろ」
苗木「じゃあ、僕たちだけで食べちゃおうか」
そして、朝食。
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- 5 : 2018/06/28(木) 22:42:24 :
- 苗木「いやぁ美味しかったね」
舞園「食材が新鮮でしたね」
朝比奈「何より、朝からドーナツが食べれるよ〜!」
大和田「あんたはここに来る前から年がら年中食ってそうだけどな」
朝比奈「そーゆー細かいことはいーの!」
江ノ島「で、この後どうすんの?今日は授業ないから一日中暇っしょ?」
葉隠「だべ」
セレス「でしたら、これから自由行動で宜しいですわね?」
苗木「うん、そうだね」
石丸「では、解散!!」
ザワザワ ガヤガヤ
誰と話そうか迷ったが、5分くらいしてから話しかけた。
苗木「ねぇ、霧切さん。少し時間いいかな?」
霧切「…」
苗木「だめ…かな?」
霧切「…別にいいわよ」
苗木「ありがとう!」
それから、僕と霧切さんは図書室に移動した。
苗木「なんで図書室なんかに行ったんすかね?」
霧切「…さぁ」
苗木「…」
霧切「…」
苗木「…あ、あのさぁ、霧切さんの才能って何なの?」
霧切「…言う必要はあるかしら?」
苗木「いや、嫌だったらいいんだけどさ」
苗木「霧切さんについて興味があるんだ」
苗木「昨日、人との絡みも全然なかったし」
霧切「それは知らないわ」
霧切「言いたくないから、言わなくていいかしら?」
苗木「うん。強要する必要はないからね」
苗木「…」
霧切「…」
苗木(ぐっ…気まずいっ…)
苗木「き、霧切さんってさ、本とか読むの?」
霧切「…まあ」
苗木「どんな本を読んだりするの?」
霧切「アガサ・クリスティとかかしら」
苗木「ミステリーかぁ…」
苗木「僕も時々読むよ。面白いよね!」
苗木「意外な人が犯人だったりね!」
霧切「犯人は読んでると大体わかるわ」
苗木「えぇ!?すごいなぁ!」
霧切「状況をしっかり見ると、少しずつ見えてくるはずよ」
苗木(それでもわかんない気がするけどなぁ)
初めは怖い人かなと思ったけど、人と触れ合うのが苦手なだけなのかな?
まあ、どっちにしろ危険な人じゃなさそうだ。
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- 6 : 2018/06/28(木) 23:03:07 :
〜3日目-放課後占い屋〜
今日から授業が始まる。一体どんな授業をやるのかと思ったが、あまり特別なこともせず、普通に放課後になった。
戦刃「あっという間だ…」
腐川「なんだか拍子抜けだったわね…」
桑田「気負って損したぜ」
石丸「中学時代にやっている範囲だったな!」
江ノ島「そりゃ、あんたが進みすぎてるんでしょ?」
大和田「まあ、チャチャっと寮に戻ろうぜ」
苗木「うん、そうだね」
???「ちょっと待ったぁ!」
十神「なんだ、俺の貴重な時間を割く程の意味のあることをしてくれるんだろうな?葉隠」
葉隠「勿論だべ!」
苗木「これから何をするの?」
葉隠「これから、俺がお前らを占ってやんべ!」
十神「…おい、帰っていいか?」
葉隠「ま、待つべ!今日占えば、入学キャンペーンで半額にしてやんぜ?」
十神「占いなぞに頼ってたまるか。俺は戻るぞ」
腐川「わ、私も戻ります、白夜さまぁ…」
十神「なんだお前。すごい臭い」
腐川「そんなぁ…」
腐川「でも、嬉しいのはなんでなのぉ…?」
葉隠「被虐体質だべ」
葉隠「って!そんな事より、俺の占いを受けたい奴はいねぇか?」
朝比奈「はーいはーい!私占ってよ!」
大神「いいのか、朝比奈よ。何か嫌な予感がするぞ」
不二咲「がんばってねぇ」
葉隠「んんんんんんんん…」
葉隠「朝比奈っち、あと5分くらいで何処か怪我するぞ」
朝比奈「え?な、何それ?」
朝比奈「本当に当たるの?」
葉隠「勿論だべ!俺の占いは3割当たる!」
苗木(その命中率は高いのか?低いのか?)
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- 7 : 2018/06/30(土) 22:57:44 :
- 今まで「朝比奈」表記でしたけど「朝日奈」でした。
葉隠「さぁさ!他に占って欲しいやつはいねぇか?」
桑田「次、俺を占ってくれよ」
桑田「恋愛面で頼むわ!」
葉隠「あぁ、じゃあ早速いくべ!」
葉隠「むむむむむむむむ…」
葉隠「あ、次誰かに言い寄られる時、絶対騙されるべ」
桑田「なんでだ!?何やってんだ未来の俺!」
桑田「てかさ、本当に当たんのか?」
葉隠「さっきも言ったが…」
江ノ島「俺の占いは3割当たるー!っでしょ?」
江ノ島「すげーうさんくさいんですけどぉ」
葉隠「だったら占ってやろうか?」
江ノ島「別にいいわよ」
葉隠「むむむむむむむむ…」
江ノ島(別にいいって拒絶の意味だったんだけど…)
葉隠「はっ…!?まさか…」
江ノ島「なになになに?何があったの?」
葉隠「いや、これを言うのはやめとく事にするべ」
江ノ島「えぇぇ、なんでよー」
苗木「まあまあ、いいじゃん。次、僕を占ってよ」
葉隠「…あ、あー、今日はこの辺にしとこうかなー…なんて…」
朝日奈「どうしたの葉隠?都合が悪くなった?」
葉隠「お、俺は巻き込まれるわけにはいかーーん!!」
朝日奈「あぁ!葉隠!何処行くの!」
不二咲「どうしちゃったんだろうねぇ」
苗木「あれ?不二咲さん、その手に持ってるものは何?」
不二咲「モノクマから貰ったんだぁ」
苗木「黒い球体だね…」
苗木「何かカチカチ鳴ってない?」
不二咲「この球体から鳴ってるねぇ」
苗木(ま、まさか…!?)
苗木「不二咲さんっ!早くそれ投げてっ!」
不二咲「えぇっ!?なん…」
ドッカ---ン!!!
苗木「いててて…みんな無事?」
朝日奈「生きてるけど…破片が飛んできたぁ…」
江ノ島「わ、私様に…爆弾など効かない…わ…」
桑田「なんだよ、これ〜…ただ痛てぇし」
不二咲「みんな無事でよかったぁ…」
苗木(葉隠君、もしかして…)
苗木「…見てたな…?」
桑田「…?」
苗木「葉隠君!みていたなっ!」バァァン
葉隠「ふぅぅ、危ねぇ危ねぇ」
葉隠「ま、助かって良かったべ☆」
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- 8 : 2018/07/07(土) 17:39:18 :
〜4日目-Ms.ドリル〜
僕は、ここに入学してからずっと気になっていることがある。それは…
セレス「…」ドリルゥ
セレスさんの頭のドリルだ。
あれ一体いつ使うんだろうか?西洋貴族の真似事かバトル漫画でしか見たことないぞ。
セレス「…どうされましたか?苗木君」
苗木「あっ、いや、何でもないよ…」
…別に特別気になっているわけではない。そんなに気になっていたら我慢できずに聞いている。
ただ、ちょっとだけ気になるのだ。ペットボトルのキャップの下にあるリングの理由くらい些細なのだ(因みに、あれは開封か未開封かを一目で確認するためらしい)。
無理に聞いて面倒ごとになったら嫌だしね。危ない橋は渡らないよ。
セレス「さっきからどうしたんですか?私の顔に何かついてますか?」
苗木「いや、そういう訳じゃないんだ」
セレス「そうですか…」
セレス「何か聞きたいことがあるんですか?」
苗木「?特にないよ?」
セレス「何か聞きたいことがあったら、いつでも聞いて下さい」
苗木「あ、うん」
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- 9 : 2018/07/13(金) 16:08:52 :
- 期待!
&
応援!
-
- 10 : 2018/07/27(金) 21:36:54 :
- 9さんありがとうございます!
苗木「…」
セレス「…」
苗木「…」
すごい気になる!!なんなんだあれ?いつ使うんだ?絶対用途ないよ!完全にアクセサリーだよ!
…という訳にもいかない…なんという生殺し状態…
山田「あのー…セレス殿?」
セレス「…山田君」ゴゴゴゴ
山田「ヒッ」
セレス「…これはロイヤルじゃないミルクティーじゃねーか!ビチグソがぁ!!」ズレッ
ずれたぁぁぁぁ!?!?完璧にコスプレイヤーのそれだぁ!余計に話しづらくなっちまうよ!
セレスさんは僕の視線に気付いたのか、ズレた『それ』を直した。その堂々とした雰囲気に笑わされそうになったのは、また別の話である。
完全に彼女のペース(?)に飲み込まれた僕は彼女にたった一つの質問を発することがとても困難に感じられた。
そんな時、僕の前に救世主が現れた。
桑田「なぁ、セレスー。そのドリルなんだ?」
軽率な発言で馴染みそうな桑田怜音君だ。
セレス「なんだと思いますか?」
桑田「ウィッグ」
馬鹿か、君は!そんな直球のボール投げたら、打ち返すどころかピッチングマシーンで応戦してくるよ!
セレス「…何故…わかったのですの?」
折れたぁぁ!?幾ら何でも折れるのが早すぎるよ!もしかして、この人、アホの子なのか…?
桑田「そりゃあ…ねぇ?」
セレス「それは…?」
桑田「それはズレてたからだ」
桑田君の零距離からの豪速球はセレスさんのメンタルをボコボコにした。
半泣きのセレスさんを尻目に、僕は気まずくなってその場を去った。
ごめん、セレスさん。君を救えなかった。
でも、勘違いしないでほしい。
僕は君を自分の意思で見捨てたんじゃない。擁護の仕方がわからなかっただけなのだ。
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