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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

フラン「あれなら…いくら壊しても平気だね♪」(フランチート)

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  1. 1 : : 2018/06/24(日) 18:09:59
    注意


    主な世界観は進撃の巨人であり、東方要素はフランと能力しかありません

    それなのにどっちの知識もにわか程度です

    なので間違っていることがあればその都度教えていただけると幸いです

    フランがなぜか東方キャラの全能力を使いこなせます

    その他ご都合主義の設定がたくさん出てくるかと思われます


    初心者の駄文だと思ってお楽しみください(o*。_。)oペコッ
  2. 2 : : 2018/06/24(日) 18:44:35
    ―昼間でもほとんど日の光が差さない地下街。

    そこに1人の少女が暮らしていた。

    少女の名はフランドール・スカーレット。

    もとは地下街…いや、この世界の住人ではなかった。

    もといた世界での薄暗く、退屈で、あまりに寂しい生活にしびれを切らしたフランは、半ば閉じ込められていた部屋から抜け出し…

    彼女の証する「遊び」のなかで、すべてのあらゆる能力者の力を、血を吸うことで奪ってしまったのだ。

    今まで制御できなかった元来の能力はおろか、奪った能力さえ使いこなせるようになってしまったフランを、誰も手に負えなくなってしまった。

    仕方なく、八雲紫がフランをどこか、まったく遠くの外の世界へ追放することで、フランがもといた世界、
    ――幻想郷は、なんとか形を取り戻した。

    そして、追放された外の世界で、幻想郷への何の未練もないフランは、地下街で退屈な生活を送っていた。

    「はーあ、つまんないの…あの頃となにも変わらないじゃない」

    「ここなら、いくらでも血を吸えるけど…みんな、人形と同じ」

    「地上に行くにしても、つまんないのは変わらないし」

    「なにか面白いことが起こんないかなー」

    そう、独り言をつらつらと並べているときだった。


    ―これまでにない、地下街にまで響くような地響きを感じたのは。
  3. 3 : : 2018/06/24(日) 19:20:21
    地下街で暮らし始めてから、経験したことのない出来事。

    フラン(なんだろう、これ?もしかして、地上でなにか起こってるのかな…!?)

    胸のあたりからじわじわと湧き上がってくる好奇心と期待に、思わず口角を吊り上げながら、フランは千里眼で地上の様子を見た。

    フラン「――わぁ…!」

    そのとき、フランはこの世界に来て初めて、

    その深紅の瞳を輝かせた。



    ―人類の天敵であるはずの巨人の脅威などすっかり忘れ、平穏であったはずの地上の一部。

    それが今や、阿鼻叫喚と化していた。

    恐怖に泣き叫ぶ子供。

    その子供を背負って必死に逃げる母親。

    予想だにしなかった出来事にただうろたえる兵。

    逃げきれずに命を押しつぶされる人々。

    そして―

    本来、そこにいるはずのない、巨人たち。

    本能のまま、人を喰らい、街を壊し、咆哮をあげる。

    非力な人間を前に、圧倒的な力を見せつける、人間にとって存在することを許されない者達。

    それを見たフランは、

    フラン「ッふふ…あははははは!」

    たった独り、嗤っていた。

    フラン「そっか、そうなんだ…!そうよ…きっと、あれなら…!」

    フラン「あれなら…いくら壊しても平気だね♪」

    絶望に突き落とされた地上の人々とは真逆の、希望に満ちた笑顔を浮かべた吸血鬼は、


    ―その日、地上へ行くことを決めた。
  4. 4 : : 2018/07/01(日) 15:38:30
    フラン「ふふーんーんー♪」

    地上に向かうため、階段を目指したフランは上機嫌に鼻歌を歌っている。

    その気になれば、階段など使わなくとも、今のフランなら飛んで地上へ行ける。

    しかし、フランはそれをしようとしない。なぜなら。

    フラン「うんうん、やっぱり遊ぶのが1番楽しいよねっ」

    そう。

    これはフランにとって遊びでしかないのだ。

    たかが遊びに、能力を最大限利用する必要なんてない。それに、何よりつまらない。

    世には、得難い力を手にせんとする弱者がいるのだから、全てを手にしてもなおその力を使わない強者もいるのは当然だ。

    もちろん、フランは後者である。

    フランからすれば、別に人類が絶滅し、内地やここ地下街が巨人に蹂躙されても構わない。

    ただ、「面白そうだから」という理由だけで、彼女は巨人の敵になることにしたのだ。

    フラン「自分より強いモノに勝ったときの人間の顔、どんなのかなぁ」

    未だ見たことのないモノを見るために、完全に克服した日の光のもとへと行こうと。

    495年間閉ざされてきた世界の扉を、フランはようやく開く。

    それまで、もう少し―

    と。

    フラン「着いた着いたっと。…あれ?」

    階段に着いたフランは、こてん、と首を傾げる。

    階段は閉ざされていて、見張りらしき男が2人、いるだけだった。

    見張り1「あぁ?なんだいじょーちゃん、上に行きてえのか?」

    フラン「うん。でも、どうして上がれないの?」

    見張り2「は?…あぁ、初めて見たのか。あのな、階段を通るには通行料が必要なんだよ。」

    見張り1「つっても、てめーらみてえな地下街のゴミ共にゃぁ到底払えねえ額だけどな」

    フラン「どうしてお金がいるの?」

    見張り2「…変なこと聞くんだな、ガキ。お前が1番よくわかってると思うが、ここにいる輩はロクでもねえクズばっかりだろ?」

    フラン「…うん、そうね」

    見張り1「そんなクズに地上に行かれたら困るからだよ。だから内地の貴族しか払えねえようなアホみてえな額になってるわけだよ」

    フラン「ふぅん…」

    見張り2「ま、そんなわけだ。お前も諦めてここの生活楽しめや。もっとも、地上があんな状況なのにこんなところまで来たお前も随分と―

    そこで、見張り達の言葉は途切れた。

    代わりに聞こえたのは、破裂音。

    フラン「私には関係ないわ。だって―


    これは、ただの遊びでしょ?」

    それだけ言って、肉塊と化したかつて見張りだったモノたちを見下ろした。

    その肉塊の1つを拾い、口へ。

    フラン「あはは、やっぱりおいしい!でも…」

    フラン「地上にはきっと、もっとおいしいモノがあるよね」

    指先についた血を舐めとり、ぬらりと舌なめずりしたフランは、


    ―階段を一歩ずつ、上がっていった。
  5. 5 : : 2018/07/01(日) 16:12:51
    長い、長い階段をようやく上りきり、ついにフランは地上の地を踏む。

    とはいっても、どうやら今は日が沈み、遠くに茜色の光が見えている程度の明るさだった。

    フラン「地上に出たのはいいけど…どうしようかなぁ」

    地上に行こうとはしたが、何をするかほとんど考えていなかったフランは、光と音を操ることで自身の姿を隠し、どうしようかと考え込む。

    フラン「あっそうだ!さっき巨人が入っていったとこ行こっ!」

    そう思い立つや否や、颯爽と飛び立ってしまう。

    思いついたらすぐに行動に移すところは、フランの幼さや可愛らしさがよく出ていると言えるだろう。


    さて。実は、フランがここまで来るのに半日もかかっていない。

    わかりやすい時系列をあげるなら、シガンシナ区を襲われた人々がそこから避難すべく用意された船の、最後の1つに乗ったところだ。

    逃げ遅れた人々の悲痛な懇願や怒声を背に、たった今、ようやく出航したその船に。

    母親を目の前で失った、1人の少年と、その家族と友人が乗っていた。

    そして、フランは、偶然か必然か、その少年を空から見つけた。

    フラン(…?)

    ふと目に入っただけ、景色としてぼやけ、流れていくはずのちっぽけなモノなのに、なぜか視線を逸らせない。

    フラン「……嗚呼、あははは、そっか、そうね!きっと…」

    そして、悟った。

    あの少年は、自分の「運命」なのだ、と。

    あの少年が、自分の運命を変えていくのだと。

    同時に、あの少年の運命は、自分にかかっているのだと。

    そう思うと、彼への興味は止まらない。

    依然自分の姿は隠したまま、フランは今にも船の柵から乗り出さんばかりの少年のもとへ、降下していった。

    フランの「運命」であり、この物語の第二の主人公、


    ―エレン・イェーガーという少年を知るために。
  6. 6 : : 2018/07/01(日) 18:08:51
    ―その日の、その瞬間まで、少年は平和に暮らしていた。

    両親がいて、友人もいた。

    過去に一度事件はあったけれど、それを経て家族が増えた。

    父の背を見て、母と小さな言い合いをして、もう1人の家族と出掛け、友人と壁の外を語り合う。

    巨人の侵入を防ぐため、大きく3つに区切って造られた壁の、外側の端。

    少年―エレン・イェーガーは、そこでの平穏な日々は、永遠に続くと思い込んでいた。

    …いや、忘れていたのだ。

    この世界において、自分は、あまりにも弱すぎることを。

    そして、その弱さが、エレンに強さを欲させるきっかけをつくった。


    突然現れた巨人が壁を破壊し、侵入してきた彼らに成す術もないまま、エレンは何よりも大切なモノを失った。

    それを悔やみ、悲しむ暇もないまま、必死に逃げた。

    エレン「母さん…父さん…」

    巨人の侵入に際し用意され、なんとか無事に乗ることができた避難用の船で、エレンはもう1人の家族―ミカサ・アッカーマンと、友人―アルミン・アルレルトとともに、横並びに座って、ただ茫然と揺られていた。

    ついさきほど、目の前で失った、最愛の母たるカルラと、行方がわからない父のグリシャを気にかけながら。

    エレン「母さん…ッ」

    ミカサ、アルミン「エレン…」

    最後まで、くだらない言い合いしかしてこなかった。

    本当に言いたいことが言えなった。

    母を失ったショックに耐えられないエレンに、2人はかける言葉も見つけられないまま、真ん中に座るエレンに身を寄せるしかなかった。

    しばらくそうしていると。

    エレンが突然、意を決したように勢いよく立ち上がった。

    そして、勢いをそのままに力強く歩み、船の柵を思い切りつかむ。

    驚いているだけだった2人も、急いでエレンに追いつく。

    アルミン「エレン、どうしたの…?」

    おずおずと話しかける友人の声も聞こえず、故郷を蹂躙する巨人を刺すように睨みつけ、

    エレン「……してやる…」

    ミカサ「…?」

    エレン「駆逐してやる…この世から…一匹残らず…!」

    乾いた血がこびりついた鉛のように、重く、呟くというよりも吐き出すように言葉を落とす。

    アルミン「…エレン……」

    ミカサ「……っ」

    それに、かける言葉が見つからないミカサとアルミン。

    それに構わず、エレンは、この日を一生忘れず、巨人を一匹残らず駆逐する、と、固く誓った。

    2人も、同時にそう誓った。


    ―かつて夢見た壁の外で、終わることのない平穏を手にするために。
  7. 7 : : 2018/07/10(火) 23:45:42
    ※今回から頑張ってキャラの台詞量を増そうと思います。



    ―自分の運命たるエレンの決意を、景色に溶け込みながら目の当たりにしたフランは、

    フラン「…ふふっ」

    楽しそうにくすりと笑い、

    フラン「あの人たちについて行けば、面白いことがあるかも!」

    フラン「どのみち運命なんだし、せっかくだから楽しまなきゃ」

    フラン「私も、調査兵団っていうのに入る!」

    ―誰にも聞こえない声で、高らかに宣言した。
  8. 8 : : 2018/07/22(日) 22:26:05
    ―人類が壁の中でようやく手にした平穏に、終わりを告げようと巨人が侵入した。

    その悲劇から、はや5年。

    フラン「エレン、やっと訓練兵になれる年になったんだ」

    フラン「なんだかすごく長く感じたなぁ」

    少なくとも495年は生きてきたフランにとって、5年など数日感覚のはず。
    しかし、

    フラン「早く過ぎてほしいって思うほど時間が長く感じるって、本当だったんだ」

    フラン「…ふふっ、やっぱり楽しいな」

    そう、独り呟いた後、エレン達の声が聴こえてきた。

    尤も、それは姿も音も遮断したフランに向けられたものではないのだが。

    エレン「やっとだ…俺達も訓練兵になれる!」

    アルミン「僕はあんまり自信がないけど…それでも、できることを頑張りたいな」

    ミカサ「アルミン、そんなに卑下することはない。これから鍛えられればいい」

    アルミン「そうだね!」

    エレン「みんなで調査兵団に入って、…巨人を駆逐するんだ」

    ミカサ「ええ、私たちがそばにいれば、何だってできる」



    フラン「ふぅん…」

    まだ15歳の少年少女の誓いを見て、フランは無感動に感嘆する。

    フランからすれば、軽く手を握るだけで、全ての巨人が塵と化すのだから、大袈裟としか思えない。

    フラン「ま、いっか。面白そうだし、」

    フラン「…運命なんだし、ね」

    運命。
    自分の姉だった吸血鬼の能力に深く関わるものであるからか、フランの頭には彼女の面影が現れる。
    名前は、レミリア・スカーレット。

    フラン「忘れようなんて思わないし、できないけど」

    それでも。

    フラン「もう、邪魔はしないでね。…お姉様」

    ずっと遠い世界にいるであろうレミリアに、そっと零した言葉。

    無垢で、無知で、無責任だったあの頃とは、もう違うから。

    フラン「私、もう大丈夫よ。お姉様がさせたくなかったこと、もうしないもん」

    もう、人間は殺さない。

    流れ行くいくつもの世界を眺めながら、こっそりと心に住みついた誓い。

    それでも、フランはフランで。

    フラン「でも…あれなら、巨人ならいいでしょ?この世界の悪なら、いいでしょ?」

    後悔こそすれど、反省など微塵もしていなかったのだから。

    フラン「あ、…私も!」

    気がつけば訓練所へと歩み出していたエレン達を追い、フランも飛び出した。

    ―どこからか聞こえてきた、心から安堵したようなため息に、聞こえないふりをして。
  9. 9 : : 2018/09/06(木) 17:26:40
    最高

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