このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
Fate/prototype
- Fate
- 2264
- 11
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- 1 : 2018/03/28(水) 02:22:01 :
- もしも、遠坂凛がアーサー・ペンドラゴン[プロトタイプ]を召喚していたらというお話。
もしも千の世界があったとして、一つや二つの世界にしかこの展開は存在しない、そんなお話。
故にこの世界での主人公は衛宮士郎ではなく、遠坂凛。彼女がこの世界を変えていく。
*まったくのオリジナル展開。苦手な人はブラウザバック推奨。また、にわかかもしれないのでそこは皆様方の広い心で許してやってください。
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- 2 : 2018/03/28(水) 02:29:08 :
- 朝、遠坂凛は目覚める。否、目覚めさせられる。けたたましく鳴り響く目覚まし時計によって。
「うるさいわね…」
そう言って彼女は目覚まし時計を投げる。物理法則に従い直線的な軌道を描き、壁にぶつかる。そして、落ちる。
だが目覚まし時計がその音を止めることはなかった。
「こっちは昨日徹夜してるのよ…」
だが鳴り止まない目覚めし時計に痺れを切らした彼女は
「んもぅ!分かったわよ!」
正直に布団から出てアラームを止める。
彼女の一日が、運命を変える一日が、始まる。
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- 3 : 2018/03/28(水) 02:57:16 :
- 靴音を鳴らしながら、いつも通う学校への道を行く。それにしても人が少ない。いつもこの時間ならある程度は登校しているはずなのに。
そんなことを考えながらも、別段気にする様子もなく、足を運ぶ。
校門を通り、校舎に向かう。だが、体育館の横の自販機の人影が見えた。
「おー、遠坂」
そうして声をかけてきたのは弓道部部長の美綴であった。
「今朝は一段と早いのね」
早い?ふと疑問に思い、大きな時計を見ると、いつも登校してきている時間の1時間は早かった。
「あー、やっちゃったなぁ」
「ん?何が?」
小声で呟いたのがどうやら聞こえたらしい。それよりも、これはつまり、家の時計がズレていたのだ。そして思い当たる節は一つ。
「ううん、なんでもないわよ。おはよう美綴さん」
「おはよう、遠坂。そーだ、早いからこれあげる」
そう言って、黄色いコーヒー缶が遠坂凛の手の中へ綺麗な放物線を描く。
「これ甘いやつじゃない」
「まぁ、あたしからの厚意なんだから素直に受けとんな」
「ありがとう、じゃあ私はこれで」
「えー、道場は見ないのか?」
「見たところで私には何もわからないもの」
「ちぇー」
そんな会話を済まし、校舎へと再び足を運ぶ。
靴を履き替え、階段を登り、教室へと向かう。
「あら、おはよう衛宮くん」
「あぁ、おはよう」
そう言って通り過ぎると
「遠坂って、朝早いんだな」
と後ろから聞こえてくるが、挨拶は済ましたし、言うこともなくそのまま教室へと入っていった。
********************
夕方、授業も終わり、いつも通り家へ帰ってきた。
が、今日は少しだけ忙しい。
師匠であり、今回の聖杯戦争の監督役の言峰綺礼からの電話があった。
その旨は聖杯戦争に控えてサーヴァントを召喚しろとのことだ。
「分かってるわよ」
そう言って、彼女は準備に勤しむ。
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- 4 : 2018/03/28(水) 03:18:49 :
- 地下室で召喚に必要なスペースを作り、触媒となる宝石を用意する。
時間は2時。波長は良好。
「私の魔力がピークになる二時に召喚すれば、最優のクラス、セイバーを引き当てることができるはず!」
そして、お守りがわりに学生鞄からペンダントを取り出す。昨日徹夜して父の暗号を解き、やっとこさの思いで得たペンダントだ。そばに置いておいて害はないだろう。
と、そこに黄色のコーヒー缶が目につく。
「あ、これ今日飲まなかったやつだ」
そう言い、何かを忘れている感覚におそわれる。
ちらりと時計を見る。
「時計、時計、時計………」
そう、遠坂家の時計は全て1時間早いのだ。
つまり今は午前二時ではなく、午前一時。
「危ない、危ない、てっきりミスるとこだったわ。とはいえあと1時間、気長に待ちましょう」
********************
「さ、切り替えて、波長良好、時間良し!」
深呼吸をして、宝石を握る。そして、魔法陣の上に立ち
「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 祖には我が大師シュバインオーグ。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
詠唱を始めると、宝石が液体になり、魔法陣へと垂れていく。そしてそれらが広がり、部屋を青の明かりに染めていく。
みたせ みたせ みたせ みたせ みたせ
「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する!」
光が激しく輝きを放ち、視界を遮る。瞬間、とてつもない風圧と魔力を感じる。
「サーヴァントセイバー、ここに参上した」
「君が僕のマスターなのかい?」
そう言って顕現したのは、セイバークラスのサーヴァントであった。
「すごい……」
一瞬呆気にとられるが、気を取り直す。聖杯戦争に参加する以上。いや、サーヴァントを呼び起こした以上、遠坂凛はマスターなのだ。
「えぇ、私が貴方のマスターよ。よろしくね」
「あぁ、君のような人がマスターなら、僕も本望だよ。必ずや、願いを叶えよう」
そうして、ここに最強の主従関係が出来上がった。
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- 5 : 2018/03/28(水) 04:08:39 :
- 「私は遠坂凛、まぁ見ての通り魔術師よ」
「なら、リンと呼んでも良いかな?可愛い響きだ」
「な、か、可愛いなんて、そんな、ま、まぁ良いけど」
「あはは、実に女の子らしい。さぁ、では僕だね」
「僕は、アーサー王といえば分かるかな」
凛は驚愕した。セイバーを引き当てた時点で幸運であるのに、それに加え、ブリテンの王、アーサー・ペンドラゴンであるのだ。
「ただ、言っておきたいことがあるのは」
「何かしら?」
「僕はこの世界のアーサーでは無いんだ」
そう言われ、凛は手を組んで考える。この世界のアーサーではないとはどういうことなのだと。
そして、一つの結論に至る。
「並行世界、かしら」
太祖シャバイオーグが辿り着いたとされる第二魔法は並行世界の行き来。ならば並行世界も存在するのだ。故に何も疑うことはない。ただ、こちらの世界にどうやってきたのかが少し気になるところだが
「ご名答だ」
「なるほどね、けどまぁ、これ以上は踏み込まないでいておくわ」
「まぁそうしてくれた方が色々飲み込みやすいだろう。なにより、今は聖杯戦争のことを優先しよう。並行世界なんて考えても無駄だ」
「それもそうね」
「じゃあ、今日は疲れたし私は寝るわ。貴方はどうする?私の家を物色しても良いけれど」
「いいや、僕も休むとしよう」
「そう、なら、おやすみなさい」
「あぁ、良い夢を」
********************
時計を見れば10時、そしてこの時計は1時間早いため、現時刻は9時、それでも完璧に遅刻である。
「マスター、学校というのは大丈夫なのかい?」
凛の顔をアーサーが覗き込む。
「ひぁあぁあ!!び、びっくりするわね!」
「驚かせてしまったのなら申し訳ない。そんなつもりはなかったんだけど」
「い、いえ、大丈夫よ」
「なら良いのだけれど、学校はどうするんだい?」
「今日はサボるって街を歩きましょう。案内したげるわ」
「それはありがたい、なら僕は霊体化した方がいいのかな?」
「そうね、そっちの方が楽かな」
「わかった。なら今日一日よろしく頼むよ」
「任せなさい」
そう言って凛は早速支度を始めるのであった
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- 6 : 2018/03/31(土) 20:29:22 :
- 凛がプロトのセイバー引き当てたのか!これからの展開が楽しみ!
アーチャー枠は誰になるんだろう?
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- 7 : 2018/04/01(日) 06:35:10 :
- 「セイバー、街を一望できる所へ行くか、一つずつ巡るか、どっちがいい?」
玄関を出て、霊体化したセイバーに凛が話しかける。
「そうだねぇ、どちらも良いけれど……そうだ、どっちもはダメなのかい?」
「あなたって随分欲張りなのね、けど、良いわ、私もそういうの好きよ。さぁ、なら決まったのだし、行きましょうか!」
そう言って道を歩き出す。
********************
「で、ここが一望できる場所よ」
そう言って高層ビルの上で冬木市を一望する。
彼方は海、そして下を見れば人の営みが。
「なんだか、暖かい場所だ。我が王国ブリテンにもこんな時が…」
そう言って街を見るセイバーの目はとても懐かしそうだった。
「こちらの歴史とは違うだろうし、私はよく分からないけど、そう思うなら私たちでこの街を守りましょう」
「あぁ、全くもってその通りだ。さぁ、明日に備えて今日は帰ろうか」
「そうね、明日ぐらいかしら、残されたアーチャークラスのマスターが決まるのは」
そう言って、凛とセイバーは遠坂家への帰路に着いた。
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- 8 : 2018/04/01(日) 21:59:38 :
- 朝、目覚まし時計によって、凛の目が覚める。
「おはよう、今日は早いね。学校に行くのかい?」
そう言ってセイバーが凛の顔を覗き込む。
「あ、あぁ、うん、セイバー、おはよう」
「あぁ、おはよう。さぁ、紅茶を淹れたよ。支度をしておいで」
そう凛に促す。
「そうね、ちゃちゃっとやってくるわ」
********************
「セイバー、とりあえず今日1日は霊体化して私のそばにいてちょうだい」
凛がそういうと、セイバーは何か納得したように頷く。
「分かった。人目につくところでは何もないだろうけど、万が一があるからね」
「そういうことよ、理解が早くて助かるわ」
そして凛と霊体化したセイバーは玄関を出て行く。
「ところで、あなたの調子はどう?」
『僕のことかい?』
歩きながら会話を交わす。傍から見れば少し変な人だが、朝であるため人が少なく、集まる目線もない。
「あんた以外誰がいるのよ。意外と抜けてるのね」
『あはは、偶に言われるよ。それで、僕の調子だったね』
「えぇ」
『端的に言うなら最高だよ。魔力が尽きる気がしない。これなら僕の宝具も5回ぐらいはいけるような気がするよ』
「あ、あなたの宝具のランクってなんなの?」
『僕のは対城宝具さ。まぁ条件が必要なんだけどね』
「肝心な時に使えないとかはよしてね」
『はは、大体はクリアできるから問題ないさ」
「あ、もう着いたわ。じゃあまた」
『うん、少し黙っていよう』
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- 9 : 2018/04/04(水) 06:52:20 :
- 学校は目前、いつものように歩き出し、門をくぐる。なんの変哲も無いことだ。
だが、遠坂凛は感じ取った。
(結界!?…こんな堂々とする馬鹿が!?)
しかし、自分と、校内にいるであろうマスター以外はそれを感じ取ることができないため、黙ることしかできない。
それがもどかしく、腹立たしいのだ。
なんの関係もない一般人を巻き込むのが許せないのだ。
*****************
夕日が校舎に差し込み、教室が茜色に染まる。時計の針が指すのは6時前だが、冬の日であるため夜が訪れるのも早い。事実、空は暗くなってきている。
「セイバー、どこにあるかわかるかしら」
『七ヶ所あるね、根源は、屋上かな。けど人が多かったとこにも反応がある。そこから潰していこう。』
「そうね、じゃあ手っ取り早く終わらせましょう!」
そうして一つ目に差し掛かる。しかし
「…性格の悪い。これじゃどうにもできないじゃない。セイバー、あなたは分かる?」
紙に書かれているのはよく分からない文字列。つまり、よくわからない魔術であるのと同義。
『これはルーン魔術というものだね。すまないが僕にもそれしか分からない。ただ封印することくらいはできる』
「マスターとして恥ずかしいけど、頼んだわ」
『あぁ、任された』
そして一つ、二つと潰していく。
最後の屋上。日はすっかり沈み、不気味な雰囲気と寒気だけが肌身を包む。
「これで、最後。にしても、なんでこんなことするのかしら。」
凛は怒りを露わにしてセイバーに問いかける。
『そうだね、魔力量の関係だろう』
「マスターのだけじゃ足りないの!?」
『いや、そうじゃなくて、魔力量は多ければ多い方が良いんだ。だから……』
そう言ってピタリとセイバーの言葉が止まり、霊体化を解く。
「セイバー、一体どうしたの?」
「あぁ、いや、そこでさっきから君の心臓を狙う悪趣味な輩がいてね」
そう言ってセイバーは貯水槽の上を見る。
すると、全身が青く、深紅の槍を持つ長身の男が現れる。
「なんだ、バレちまったか」
「殺気を殺すのが上手なようだね」
「あぁ、お褒めに預かり光栄なこった」
瞬間、消えた。
「マスター、下に降りよう!」
「ええ!」
強化の呪文を唱え、フェンスを越えて下のグラウンドへ飛び降りる。
「セイバー!頼んだわ!」
「あぁ!女の子は丁重にね!」
そう言ってふわりと凛を下ろす。
「逃すかよ!」
朱の槍が凛を目掛けて線を描く。が
「こちらこそ、君を逃すはずがないだろう?」
そう言って刀身の見えない剣で攻撃を防ぐ。
「大船に乗ったつもりで見ていてくれたまえ。初戦は貰ったも同然だよ」
「無茶はしないでね!セイバー!」
そう言って凛は少し遠くへ離れる。
「てめぇ、なにかとさっきから舐めてやがるが、そんな余裕ぶっこいでていいのか?」
「あぁ、隠れて狙う外道にはこれが1番だ」
「それはすまなかったな。なんでもマスターの命令でよ」
「それは気の毒だ。では勝負といこうか」
「あぁ、テメェのその余裕の笑み、即座に引き剥がしてやるよ」
そして、響くのは轟音だけであった。
ランサーの突き、斬る槍を右へ左へといなす。
だがランサーの猛攻は止まらない。攻撃へ転じる暇がないセイバーは防戦一方を強いられる。
「その見事な槍捌き…僕は少々君を甘く見過ぎていた」
「そうかよ!ならそのまま悔いて死ぬんだな!」
そうしてセイバーの心の臓を定めて、一突き。
「だから、本気を出そう!」
霧がかかって見えなかった刀身はその輝きを示し、共に周囲一帯をとてつもない風圧が襲った。
「へぇ、それがテメェの宝具か」
「あぁ、それではここからは真のぶつかり合い」
そう静かに構える。
「あぁ、ならば俺も応えよう。受けるがいい、我が因果逆転の呪いの槍!」
そう言って朱の魔力を纏い、禍々しく槍は輝きを放つ。
そして訪れる静寂。
しかし
ガサッと何者か校舎の中へと走る音がその静寂を破った。
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- 10 : 2018/04/12(木) 16:27:22 :
- ここのランサーはstaynightの奴?
続きを待っています
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- 11 : 2018/07/26(木) 18:51:24 :
- エタらないでぇ(涙)
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