このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
マギカは勇者である。
- まどマギ × 未分類
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- 1 : 2018/02/16(金) 02:21:47 :
- やらなきゃって使命感を感じました。やります。
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- 2 : 2018/02/16(金) 02:32:21 :
- 期待です
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- 3 : 2018/02/16(金) 02:40:01 :
- ※わりとちょこちょこ本編から引っ張ってても違う場所がありますが単純に手元に資料なくて記憶を頼りに書いてるからうろ覚えでそうなっているだけです。
それでは本編をお楽しみください
まどか「私にーーそれが出来るの?」
キュウべぇ「もちろんさ。君にはその資格がある」
ほむら「ダメ、まどか!!そいつの言葉にーー」
まどか「ごめんね、ほむらちゃん。私、魔法少女になる」
キュウべぇ「さあ、見せてくれ。きみの魂の輝きを」
また、ダメだった。また、まどかを契約させてしまった。ここまで、ここまで上手くいっていたと思ったのにーーでも、それでも、彼女は最後には魔法少女になることを選んでしまう。彼女はそういう人間だから。
いつも、彼女は自分のことよりも他人の幸せを望む。それが出来る強い子なんだ。
だけどーー私にも意地がある。彼女との約束を果たすまでは、何度でもやり直す。
まだーー私の倒れる場所はここじゃない。
ーーー
銀「これが、人間様の!気合と、根性とぉぉぉ!魂ってやつよぉぉぉぉぉ!!!」
園子「ーーわっしー、あれ!」
須美「銀ー!銀ー!」
園子「ミノさんが全部追っ払ってくれたんだねーー」
勇者。神樹様に見初められた純粋無垢な少女たちだけがなれるという存在。戦うのは覚悟してた。でも、それでもやっぱり、目の前の友達の死を私はまだ受け入れられなかった。
受け入れてしまったら、彼女のことを忘れてしまうーーそんな気がしたからーー
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- 4 : 2018/02/16(金) 03:00:24 :
- ーー
ほむら「……ここは、いったい?」
確かに私は時間移動をした。感覚もある。記憶もある。だけど、だけどやっぱりどこかおかしい。見滝原にこんな大きな橋はないし、それに、その景色ーー
???「う~ど~ん~!!!!」
???「は~な~し~て~お姉ちゃん~!うどんはさっき食べたでしょ~!!」
ほむら(なに…あれ…? う、うどん…?)
風「ダメダメ!!うどん食べなきゃ女子力上がんないのよ~!?」
樹「生活費を大事にしてよ~!!」
ほむら(……そ、そういえばまどかはーー)
風「樹ぃ!ここは四国よ!?うどんの国よ!?うどん食べないと死ぬのよ!?」
樹「うどん食べなかったくらいでしなないから、離してってば~!!!」
ほむら(……いや、なにかの間違いね。きっとそうね。一応、聞いてみて見ようかしら…)
ほむら「すみません」
風「あなた!!うどんは最高よね!?」
ほむら「あ、あのーー」
風「うどん、うどんよ、どっちなの!?!?」
ほむら「う、うどんは最高ですから話を聞いてーー」
樹「ああ、お姉ちゃん錯乱しすぎでどっか行っちゃった…」
ほむら「……」
樹「あの、お姉ちゃんがすいませんでした」
ほむら「い、いえ。別に驚いただけよ…」
樹「それで、なにか聞きたいことがあったんじゃ?」
ほむら「ここは、どこなの?」
樹「四国ですよ?」
ほむら「ごめんなさい…この辺に病院あるかしら?」
樹「ど、どこか悪いんですか!?」
ほむら「いえ、もういいです。ありがとうございました」
ーーおかしい。何かがおかしい。おかしい世界で出会った二人は、何故かーーうどんで錯乱していた。
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- 5 : 2018/02/16(金) 22:20:01 :
- 樹「あ、あの!!私、犬吠埼樹です!!なにか困ったことがあったらーー」
そう言って、彼女と連絡先を交換したのはいいが、……なんだろう、何故か、魔女とは違う、何かが起きようとしている気がする。
だけど、その感覚は、後にほんとうになるーー
私は、近くの本屋に立ち寄り、とりあえず今日の日付を確認することにした。携帯の方は何故かバグが起きて時間がわからなかったりしているし、何かがおかしいのに間違いはないのだけど…
ほむら「新聞…これね」
だけど、見た瞬間に目を疑った。
ほむら「神世紀299年…? ど、どういうこと?」
知らない時代の、知らない場所に来ている。それが、今の私が置かれた状況だったのである。なぜこんなことが起きたのかーー私には到底理解が追いつかない。
??「訳が分からない、という顔をしているね。ほむら」
ほむら「キュウべぇ……あなたは何か知っているの?」
キュウべぇ「もちろんさ。そして、これは僕にとっても都合のいい状況とは言えないね。」
ほむら「協力しろって?」
キュウべぇ「お互いにメリットしかないはずだよ? ほむら。君なら正しい判断が出来るはずだ」
こいつに協力するのは気が乗らない。だけど、今は選択肢に悩んでいる暇なんてない。一刻も早くこんな状況から抜け出して、まどかを救わないと……!
ほむら「……? ど、どうして?」
キュウべぇ「どうやらこの世界では固有魔法は使用に制限が付くらしいね。ほむら、君の場合は時間停止が出来ても時間移動そのものが今の状態では封印されているみたいだ」
ほむら「……とんでもなくやばい状況に置かれているのね」
時間移動ができない。そこで初めて私はこの状況がとんでもなくやばい状況だということに気づいた。
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- 6 : 2018/02/17(土) 16:12:01 :
- ほむら「たしか…」
さっき貰った番号にかけてみる。とりあえず、状況がほんとうに最悪の状況なら、私は家がない状態だ。
樹「あ、もしもし!」
ほむら「あのーー」
樹「あ、さっそくどうしました?」
ほむら「あの、実はーー」
事情を説明すると、心優しく受け入れてくれた。とりあえずは、しばらくは彼女たちと暮らしを共にするのが懸命だろう。だけど、やはりずっと、という訳にもいかないのも事実で、この世界のことがわかるまでは彼女達といることにした。
とりあえずは、電話の時に言われた合流地点へむかう。
ーー
樹「あ、お姉ちゃん、来たよ!」
風「来たわね。さっきは変なところ見せちゃってごめんね~!」
ほむら「いえ、お構いなく」
風「……さて、あんまし外にいるのも寒いし、家で詳しい話をしましょうか」
ほむら「え、さっき電話でーー」
風「とりあえずそこだけは説明するわね。……この世界ではね、四国以外は存在しないのよ」
……それは、いったい何のことだろうか。と、この時の私は理解ができなかった。
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- 7 : 2018/02/19(月) 21:12:13 :
- 彼女たちの家に着き、私はこの世界のことについて説明を受けた。
風「これがこの世界の現状よ」
ほむら「でも、それって――」
風「……樹、ちょっと席を外してくれる?」
樹「え? う、うん」
妹が部屋を出ていくのを見て、しばらくした後、彼女は口を開いた。
風「この世界を守るため、選ばれた人間が勇者となって戦うの。化け物たちとね」
ほむら「それって、今も戦っている人が?」
風「いいえ。一年前、勇者たちの活躍によって化け物たちの進行は一時的とはいえ、収まったと聞いているわ」
ほむら「いずれまた攻めてくるってこと?」
風「ええ」
そんな会話をしている時だった。
キュウベぇ「ほむら! 何か変だ!」
ほむら「な、なに!?」
魔女化――その現象によく似たそれは、似て非なるもの。今までに見た事の無いような景色が広がっていた。
風「う、うそでしょ!? 大赦の調べじゃ今年いっぱいはもつって!!」
ほむら「何かが、起きてる……!」
そう悟った私は、魔法少女へと変身していた。
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- 8 : 2018/02/20(火) 08:38:18 :
- ほむら「なに……あれ……?」
風「え? あ、あなた動けるの!?」
ほむら「……? そうだけど、なぜ?」
風「普通、バーテックスが来た時に起きる樹海化の影響で勇者適性がない人は動けないはずなんだけどな…あなたもしかして?」
ほむら「いえ、勇者なんて知らないわ。私は魔法少女、それだけよ」
そう言い残し、私は化け物、バーテックスに単身挑む。
ほむら(様子を見てから攻撃を仕掛けましょう)
バーテックスに特に動きはなく、ひたすら神樹に向かって進行していた。
ほむら「私には見向きもしないのね。……この世界はよくわからないけど、神樹が無くなれば終わるのなら……!」
バーテックスに対して、私は攻撃を仕掛ける。いつもの魔女のように、銃火器で。
あのサイズと数からして、魔女の使い魔のような類だろう。その程度であれば、いつものサブマシンガンで充分だ。
ーーしかし、見通しが甘いのは私の方だった。
バーテックスに攻撃は直撃したし、私も直撃するのを確かに見た。だけど、ダメージを受けるどころか、こちらに対して進行方向を変え、バーテックスが襲いかかる。
ほむら「つ……! だけど、私には時間停止が……!」
キュウべぇ「ダメだほむら!! この世界の時間は既に止まっている、時間停止は使えないんだ!!」
ほむら「くっ……!」
私の迎撃をうまく避けた一体が目の前にーー
だけど、私が目を瞑るのと、それが起きるのは一瞬で、同時だった。
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- 9 : 2018/02/20(火) 09:03:56 :
- 風「これ以上好きにさせるかー!!」
ほむら「な、なに?!」
犬吠埼……さんだっけ。彼女は魔法少女のようにーー戦える姿になっていた。
手に持っている大剣で、次々と倒していく。私の攻撃と違い、それははっきりとバーテックスを圧倒していた。
ほむら「あれが、勇者……」
風「これでーー最後だぁぁぁ!」
その瞬間に私は、なにかよからぬ気配を察知していた。そして、咄嗟に彼女を止める。
ほむら「待って! そいつを倒してはダメ!」
風「え、ちょっ!? こいつを倒さなきゃ樹海化は解けないのよ!?」
ほむら「わかってる……わかってるけど、この気配……!」
この世界に来てから感じなかったもの。存在しえないと考えていたもの。だけど、インキュベーターがいる以上、それは考えうるものだった。
ほむら「魔女……!!」
そしてそれは姿を表す。魔女は近くに残っていたバーテックスをすべて吸収したのか、その姿はより禍々しくなっていく。
風「なんなのよ、あれ…」
最悪の事態、それはこの世界に来る前に美国織莉子が私に言い残したものだ。いずれあなたは最悪の事態に直面する。その時、イレギュラーはあなたのみを助けるし、滅ぼす存在となるーーと。
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- 10 : 2018/02/20(火) 13:39:43 :
- あれは、本来ならば影の魔女に該当する魔女のはず。だけど、バーテックスを吸収した影響か、その姿に本来の影の魔女としての原型はなかった。そして、原型がないのと共に、魔女だったそれは魔女とバーテックスの特性を併せ持つ、ということが行動から見て取れる。
魔女は、神樹に向かって進行しているのだ。
風「どうすんのよあれ……」
ほむら「今はとりあえずあれを食い止めないと!」
風「え、ええ、そうね!」
二人がかりで進行を止めに入るがーーバーテックスの力を持つ魔女に当然通用する攻撃などなく……
ほむら「今の私たちじゃ……勝てない……」
私と犬吠埼さんが絶望した時に、知っている魔力を感知した。
ほむら「でも、この世界には私以外の魔法少女は!」
キュウべぇ「ほむら。僕がいる時点でそんなに理屈は通らないと思うな」
ほむら「あっ……」
そして、私と犬吠埼さんの間を、弾丸が通り抜けた。そしてその弾丸は、次第に数を増やしていく。
???「よくわからないけれど、今は大人しくしてもらうわよ!」
巴マミ。確かに彼女本人だった。私たちでは無理だけど、もしかすると彼女なら……!
マミ「今は時間が欲しいの! 一気に行くわよ!」
一旦巴マミの攻撃が止まると、1箇所に魔力が集まり、巨大な魔力となった。
マミ「ティロ・フィナーレ!」
巨大な砲台から打ち出されたそれは、影の魔女を倒せずとも、足止めとしては充分すぎる威力だった。
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- 11 : 2018/02/20(火) 22:43:50 :
- マミ「ダメね……倒せるの? あれ」
風「ねえ、魔女ってあなたたちじゃないと倒せないの?」
ほむら「ええ。そのはずよ」
風「だったら、魔法少女と勇者。その力を両立させたらいいんじゃない?」
マミ「……あなた、武器を貸して」
風「持てないと思うけど」
マミ「大丈夫、魔力をまとわせるだけだから」
ほむら「理屈的には成立してるけど……」
風「よし、んじゃあ、行ってみますか!!」
マミ「暁美さん、私たちで援護するわよ! あの使い魔モドキを倒せはしなくても、足止めくらいはできるでしょう!」
ほむら「言われなくても……そうするわ……っ!!」
犬吠埼さんを一点集中させるために進路を邪魔する使い魔を倒していく。
使い魔たちは私たちの攻撃を受けると、こちらを見てこちらに向かって進行方向を変えてくる。
風「ありがと、二人とも!! こいつでも――くらええええええええ!」
その渾身の一撃は、さっきまで与えることのなかったダメージを与えている。その感覚が見ている私たちにも伝わった。
風「は、はあ……はあ……」
ほむら「元の世界に戻った……?」
犬吠埼さんの攻撃が終わるのと同時に、樹海化は解けていった。
風「いやあ、ありがとね! 二人とも!」
ほむら「よくないわ。話の続きが残ってるもの。それに――」
マミ「あら。私と肩を並べて戦うのが不服かしら?」
ほむら「いえ。むしろ逆よ。なんであなたなのよ……でもまあ、頼りにしてるわ、巴マミ」
マミ「あ、あら……思ってたより素直なのね、暁美さんって。ふふっ」
風「よし、じゃあ説明しようか。でも、その前にもうこの際樹にも説明するから呼んでくるわ」
ほむら「それって妹さんを巻き込んじゃうんじゃないの?」
風「あの子も勇者適性があるの。だから、どうせいずれ巻き込むのよ」
マミ「でも、妹さんはまだ小学生なのよね? そんな話耐えられるかしら……」
風「大丈夫大丈夫! なんたってあたしの妹だからね~!」
ほむら「ずいぶんと妹を信頼してるのね」
風「……あの子にとっても私にとっても、家族はほかにいないからね」
マミ「……(佐倉さん……あなたもこっちに来ているのなら、いずれ……)」
ほむら「巴マミ。あまりへんな期待をすると裏切られたときになくのはあなたよ」
巴マミ。きっと彼女が真実を知れば、その現実に耐えきれない。いつも、いつもそうだったから――
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- 12 : 2018/02/21(水) 08:51:17 :
- 風「どこまで話したっけ?」
ほむら「神樹様と勇者についてね」
風「おっけー。じゃあ、神樹様についての説明をするわね」
そういうと、彼女はノートを開き、絵を書き始めた。
ほむら(な、なに、この絶望的な……!)
風「神樹様はいわば私たちを救う神様ね。300年前に人類は突如バーテックスに襲われたの。そして、神樹様は私たちに力を貸してくださった。バーテックスに対抗する力、勇者システムと共にね」
マミ「勇者システムって、契約とかは必要なの?」
風「契約? そんなめんどくさいことしないわよ?」
樹「お、お姉ちゃん……多分考えてる契約とは違うものだよ……」
風「で、神樹様と共にもたらされた勇者システムは、神の力を宿していて、だからバーテックスに唯一対抗出来る力として研究されてきたの」
ほむら「なるほど。私たちの攻撃が通用しなかったのはそのためね」
風「うん。それで、勇者になる条件は神樹様に選ばれること。もっとも1度に戦える人数に限りがあるから、本来は適正値の高い子達でグループになるらしいわ」
マミ「まとまっていた方が緊急時に安全だから、ね?」
風「そうそう! いや~話が通じるってやっぱいいわ~!!」
樹「親父くさいよ、お姉ちゃん……」
ほむら「犬吠埼さん、勇者適正値が高いものでグループを作れと言われたの?」
風「言われてないわよ? なんでかしらね。あと、もう1個大事なことも伝えるわね」
マミ「その前に、ちょっと休憩しない?」
ほむら「……巴マミ?」
マミ「あまり堅苦しい話ばっかだとどうも疲れちゃうのよね。犬吠埼さん、ポッド借りていいからしら?」
風「あ、大丈夫ですよ」
樹「なんで急に敬語……?」
風「いやね? 熱が入るとそういうの気にしないじゃない」
樹「なるほど……」
ほむら「巴マミ……なぜ常に紅茶のパックを持ち歩いているの……!!」
マミ「なんでって……戦い終わりの1杯は最高じゃない」
ほむら「確かにいつも飲んでたわね……」
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- 13 : 2018/02/21(水) 23:32:19 :
- お茶を入れているあいだ、私たちは話を続ける。
風「で、魔法少女ってのはなんなの?」
樹「樹海化してなくてもなれるんですよね?」
ほむら「ええ。神樹様の力を使っていないからそうなるわね」
風「あのへんなちんちくりんと契約?とかなんとかするんだっけ?」
ほむら「そう、あのキュウべぇと契約することでこの力を得るの。自分の願いと引き換えに、魔女と戦う宿命を背負ってね」
風「なるほどね…でもよくやるわね、精霊も何もないんでしょ?」
ほむら「そうね…ただ、ソウルジェムが無事ならばなんとでもなるわ」
風「そ、それはそれですごいわね……」
樹「でも、願いってほんとうになんでもいいんですか?」
ほむら「ええ。でも、願いとの代償はやっぱりあるわ」
風「例えば……この世界を変えたいって願いは?」
ほむら「きっと、自分という存在を保てなくなるでしょうね」
樹「そんな……」
風「ま、あくまでそういうことだってことで頭の片隅に入れときましょ!」
ほむら(この子達なら……いや、この世界なら……!)
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- 14 : 2018/02/22(木) 22:17:57 :
- 樹「あの、魔法少女と勇者システムを同時に使ったらどうなるんですか?」
キュウべぇ「それは僕が説明するよ!」
風「出たわね、ちんちくりん!」
マミ「ちんちくりんじゃないわよ。その子はキュウべぇ。私たちに奇跡を与える存在よ」
風「じゃあ、あんたと契約すれば誰でもなれるの?」
キュウべぇ「それは少し違うな。魔法少女にも素質はあるからね。でも、素質があるならどんな願いだって叶えてあげられるよ!」
ほむら「この子達だけは契約させられないわ。諦めなさい、キュウべぇ」
キュウべぇ「分かってるさ。いくら僕でも神に逆らったらどうなるかわからないからね」
樹「あ、そう言えばキュウべぇさんは神樹様からお告げを受けられるんですよね?」
キュウべぇ「間接的とはいえ、僕をこちらに呼んだのは神樹だ。コンタクトを取るのは容易いことさ!」
マミ「だけど、もし魔法少女になるならよく考えて。自分の願いと引き換えに、永久に戦う使命を課されるの。それって、普通は耐えれるものじゃないもの」
巴マミ。彼女は、私の思っている以上に強い。だからこそ、誰よりも繊細な心を持っている。だけど、もしこの世界で彼女が心のあり所を見つけられるなら、この世界ではきっと彼女の独壇場になる。
さっきも、彼女の咄嗟の判断と、犬吠埼さんの発想がなければ全滅していた。
巴マミと犬吠埼風……この二人がお互いに信頼できるようになったのなら……
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- 15 : 2018/02/23(金) 22:53:36 :
- 風「樹。多分、次にバーテックスがきたらあなたも本格的に勇者になることになると思う」
樹「私は大丈夫だよ。ひとりじゃ無理だけど……お姉ちゃんと一緒なら、私、なんだってできる気がする」
風「樹……」
ほむら「戦いは容赦ないわ。きっと、私は状況次第ではあなた達に非道な判断をする。……犬吠埼さんはそれでも大丈夫かしら?」
風「その時はその時。覚悟してても辛いもの。今はまだ……覚悟が必要な時じゃないと思う」
マミ「だけど、元々グループにする予定だった子達が現状離れている以上、よからぬ状況になってもおかしくないわ。……私も経験した。人間同士の殺し合いを。あなた達は耐えられる?」
風「戦う理由があるなら、話合いだって出来る……私よりずっと長く戦ってる二人には甘いって言われるかもしれないけど、犠牲を必要としない道だってあると思う」
ほむら「ええ……きっと、きっとあるはずね……(……真実とはいえ、魔法少女は犠牲の上に成り立ってる。それだけは……伝えてはいけない。そんな気がする)」
ーーー
あれか、半年の月日が経過した。バーテックスはしばらく姿を表さず、もうすぐ春を迎えようとしていた。
友奈「東郷さん!!今年も同じクラスだね!」
東郷「友奈ちゃん、もう新しくなってから二週間たったよ?」
友奈「えへへ、嬉しくてつい」
東郷「友奈ちゃんったら」
さやか「いやぁ~! 今日も朝からお熱いですな~! うんうん、さやかちゃんを気にせずもっと楽しんでくれたまえ~!!」
まどか「さ、さやかちゃん、それはそれで失礼だよ……」
友奈「それにしても、バーテックス、あれから現れないね」
東郷「そうだね……半年前は友奈ちゃんに戦わせちゃったけど、次に現れたら私も戦う」
友奈「東郷さん……でも、大丈夫?」
東郷「?」
友奈「足が動かないなら……」
東郷「大赦の人達がそこは安心しろって言ってたから大丈夫だと思う。でも、できる範囲で友奈ちゃんをサポートするから」
さやか「安心してよ。いざとなったらあたし達も覚悟を決めるからさ!」
まどか「うん。キュウべぇがその為に居てくれるんだもんね」
キュウべぇ「そうだね、いざとなったら覚悟を決めてくれ。その時は僕が君たちを魔法少女にしてあげる」
さやか「キュウべぇも大変だねぇ、色々とこの世界でも見て回ってるんでしょ?」
キュウべぇ「そうだね。この世界でも素質のある子は沢山いるみたいだ」
私とさやかちゃんは、半年前にこちらの世界に飛ばされてきました。キュウべぇは、神樹様の導きだって言うけれど……でも、この世界では勇者と呼ばれる人達がみんなを守ってます。
半年前も、その勇者の結城友奈と出会って、守られました。
いざと言う時は……私も、戦わないといけないのかな……?
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- 16 : 2018/02/24(土) 21:53:19 :
- さやか「まどか。はやくマミさんたちと合流したいね」
まどか「うん」
キュウべぇ「それは無理だね」
まどか「キュウべぇ?」
キュウべぇ「彼女たちは今、ほかの勇者達のところにいる。だけど、その勇者達は君たちに襲いかかるだろうね」
友奈「え……?」
キュウべぇ「神樹様から与えられる力は変身者が少ないほど恩恵を得やすくなる。だったら、ほかの勇者に手をかけてまで力を得るのは充分な理由ではないかな?」
まどか「う、うそ……じゃあ、マミさんやほむらちゃんとも戦わないといけないの……?」
キュウべぇ「その時はその時だね」
キュウべぇによって、私たちはまた、混乱の渦へ突入することとなる。
ーーこの、インキュベーターの手のひらの上で。
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- 17 : 2018/02/25(日) 02:41:31 :
- 友奈「この感じ……」
東郷「友奈ちゃん」
友奈「うん。倒さなきゃ……バーテックスを……!」
まどか「さやかちゃん。マミさんたちも……」
さやか「あたし達はそっちを担当しないとね!」
まどか「うん……」
バーテックス。久々の襲来だったのですが……私たちは、その強さに改めて恐怖と絶望を覚えるのでした。
友奈「効かない……でも、でも!! 諦めない!」
東郷「友奈ちゃん!! あまり前に出すぎないで!!」
友奈「でも!」
友奈さんと東郷さんが苦戦を強いられてる中、彼女たちは現れました。
???「はぁー、こんなのに手こずるなんてあんたらほんとに勇者?」
???「あれがほんとに勇者? 神樹様も目がないわね」
彼女たちは私たちの前に現れると、次々と敵を倒していきました。
そしてーー
杏子「ちょっとちょっと、いくらなんでもあんたら弱すぎない?」
友奈「よ、弱い……!?」
東郷「いきなりなんなんですか!? あなた達は!」
夏凜「私は三好夏凜。この子は佐倉杏子。私が勇者、この子が魔法少女。まあ、でもあんた達みたいなウスノロより、私や杏子みたいな完成型に任せた方がみんな安心するわ。大人しく指くわえて私たちの活躍を見てる事ね」
さやか「なによ! さっきから! 言いたいように言って!」
杏子「はぁ? 思ったこと言って何が悪いのさ。この世界では勇者っての人類の希望なんだろ? あんた達がそんなんじゃ任せられないでて言ってんのわかんない?」
まどか「でも、同じ勇者同士なんだよ……? なにも、同じ勇者同士で……」
夏凜「用済みだって言ってんのよ。世界も神樹様も私たち二人がいれば安全なんだから大人しくしてなさい!」
彼女たちは、確かに強かったです……でも、それでも、やっぱりみんな仲良くできる方法って……ないのかな……?
-
- 18 : 2018/02/26(月) 18:51:13 :
- 結界が解けた後、私たちは杏子ちゃん達を探しましたが、既にそこに姿はありませんでした。きっと、私たちと話すことはない。そういうことなのかな、とそう思うしかないのでした……
友奈「……東郷さんはどう思った?」
東郷「あの二人、確かに強いことに変わりはないわ」
友奈「だよね……何とかして協力出来たりしないかな?」
東郷「多分、今の二人を説得するのは無理だと思う……」
さやか「……ねえ、まどか。マミさん達を見た?」
まとか「ううん……」
友奈「まどかちゃん達も合流出来なかったみたいだし……」
東郷「私たちだって勇者なのに変わりはない。そして、勇者がお互いに戦うなんて神樹様が許すはずがない……!」
キュウべぇ「果たしてそうかな?」
東郷「何か知ってるの?」
キュウべぇ「僕は知らないさ。でも、きっとさっきの二人は知ってるんだろうね」
友奈「でも、とても会話できる様子じゃなかったよ?」
キュウべぇ「彼女達なりのプライドもあるだろうね。今は二人に認められるくらい強くなる。それしかないんじゃないかな?」
さやか「でも、そんなの無理じゃないの?」
キュウべぇ「そうだね。杏子も三好夏凜も君たちとは実践や鍛錬の量が違う。だからこそ、それをしなくてもなんとかなる方法を取るしかないんじゃないかな?」
さやか「それって……」
キュウべぇ「まどか。本当に彼女たちに協力を求めたいなら、僕と契約してよ!」
まどか「で、でも………」
東郷「彼女の力はここで使っていいものじゃない。それは私が感じただけだけど、きっとここで契約したら後悔する……と思う」
さやか「なにもまどかが今すぐ契約したらいいってもんじゃないしさ。キュウべぇもそんなに焦らせないでよ」
キュウべぇ「そうだね。悪かった」
まどか「ううん……でも、その時が来たら私は契約する。だから、その時まで……」
キュウべぇ「大丈夫だよ。君は恐らくどんな不可能な願いも叶えられる。だからこそ、ゆっくり考えた方がいいかもね」
さやか「あ、そうだ。勇者システムって特別な力があるって……」
東郷「満開のこと?」
さやか「うん。あれを使ったらなんとかなるんじゃない?」
東郷「なんとかは……なるだろうけど、やっぱり使ってみないと満開がどういうものなのかってよく分からないから……」
友奈「大丈夫!! なせば大抵なんとかなる、だよ、みんな!」
まどか「友奈ちゃんは大丈夫なの?」
友奈「大丈夫ってなにが?」
まどか「だって、仲間同士で戦うんだよ……?」
友奈「大丈夫だよ、あの子達も私たちと同じ。だったらきっと仲良くなれるよ!」
東郷「友奈ちゃんらしいね」
でも、この時はまさか、三つ巴の争いになるとは……思ってもいませんでした。
-
- 19 : 2018/02/26(月) 19:25:01 :
- タイトル『マドカは勇者である』じゃなくて『鹿目まどかは勇者である』の方が良くね?
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- 20 : 2018/02/27(火) 23:54:40 :
- >>19
マギカはマギカシリーズ通称としての部分、勇者であるも同様の理由からこのタイトルに落ち着いています。鹿目まどかは勇者であるにしてしまうと、主役がまどかになってしまう都合上、そこは仕方ありませんでした
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- 21 : 2018/02/28(水) 00:30:21 :
- マミ「暁美さん。あなたはこれからこの世界について調べるのよね?」
ほむら「ええ。そのつもりよ」
マミ「なら、彼女たちも言っていた大赦に行ってみるべきじゃないかしら?」
風「なっ!? 本気で言ってる!?」
マミ「ええ。だって、それが一番手っ取り早いじゃない?」
杏子「無駄だぜ、マミ」
マミ「佐倉さん…!?」
風「佐倉杏子! 何しに来たのよ!」
マミ「あなた彼女を知ってるの?」
風「知ってるも何も、大赦からの使者が来る時彼女も一緒にいたわ。確か、新しい可能性を示す存在、とかなんだかで…」
樹「お姉ちゃん…あの人怖い…」
杏子「あんたらが大赦に行ったところで無駄足さ。中にすら入れてもらえず門前払いのおちさ」
マミ「あら? それはわからないじゃない」
杏子「実際あたしがこの世界に来た時門前払いを食らったさ」
マミ「あなたと私じゃ反応が違うかもよ?」
杏子「そりゃあ言うだけ無駄さ。鹿目まどかも美樹さやかも大赦に殴り込もうとして失敗してる。誰が言っても同じ反応さ」
キュウべぇ「それはわからないよ、杏子」
ほむら「あなたまた何か知ってるようね」
キュウべぇ「それはそうさ。僕は神樹と記憶を共有しているからね!」
風「嘘でしょあんた!?」
キュウべぇ「まどかと共にいる東郷美森は大赦側の人間へのカウンターとして充分な程に切り札になるだろうね」
ほむら「なら、その子達と合流して…」
杏子「無駄さ。今頃あたしの仲間がそれを阻止してるさ」
ほむら「…!」
樹「でも、その子達も勇者なんですのね?」
杏子「ああ。そうさ。だからこそ合わせる訳には行かないさ」
風「あんたら…! 何が目的なのよ!」
杏子「目的? そんなんないさ。ただ、あんたらみたいな半人前が気に食わないのさ」
ほむら「私の知っているあなたはそこまで強気じゃなかったはずだけど」
杏子「はぁ? あんたとはそんなに交流ないだろ?」
ほむら「それもそうね」
キュウべぇ「仕方ないね。こればっかりは」
ほむら「キュウべぇ、この辺で消えなさい」
キュウべぇ「まったく。君はいつもそうだね」
-
- 22 : 2018/02/28(水) 09:15:35 :
- ほむら「…? ちょっと待って。キュウべぇ、あなたが持ってるそれは?」
キュウべぇ「これかい? 君たち以前の勇者が残した御記さ」
風「ちょっと待って。それって大赦の中でもかなり重要な機密よね? なんであんたが…」
キュウべぇ「そりゃそうさ。これはあくまで複製品。本物は大赦にあるよ」
杏子「はぁ!? ちょっと待て!! そいつは聞いてないよ!」
キュウべぇ「言ってないからね!」
樹「でも、それには何が書いてあるんですか…?」
キュウべぇ「気になるかい?」
マミ「…とりあえずそれを置いていきなさい。キュウべぇ」
キュウべぇ「やれやれ。マミにすら警戒されているとは。仕方ない。今日はこの辺にしておくよ。杏子もそろそろ戻った方がいい気がするよ?」
杏子「…ちっ、じゃあな。ま、近いうちに戦うだろうけどね」
ほむら「…では観てみましょう」
風「うん…」
私たちは、以前戦った勇者が残したという、御記。日記のページを開いたーー
-
- 23 : 2018/02/28(水) 21:14:32 :
- ーー
勇者御記には、よく見ると目を凝らさないと取れないほどのサイズに切り込まれた紙が仕掛けられていた。そしてーー
ここに勇者について記す。後にこれを見る者がいるとすれば、恐らく私たちの後継者である勇者だろう。まず、この日記は私たちの活動を書いたものである。そして、この日記に挟んでいるこの紙には、ここにかけなかった物を伝える。勇者システム、私たちはこれに精霊のシステムを追加した。だがーー私たちが出来たのは、ほんとにごくごく一部の基礎的な設計部分。あとの部分は、大赦によって開発されただろう。
だが、大事なのはそこではない。このシステムはーー絶対的な力の代償が存在する。私たちの代では、切り札と呼んでいた。使う度に、精神が精霊に近くなっていく。言わば、自我が無くなっていき、暴走する。…西暦の勇者である、郡千景もその1人である。
私たちは、多くを失った。だからこそ、失わないためのシステムを作り出した。この精霊システムによって、勇者は最強の防御を使えるようになるだろう。…これで、バーテックスの攻撃は通用しない。
そしてーー満開。これは、力を解放することでーー
挟まっていた紙は、そこで終わった。筆圧を見る限り、恐らく書いている途中で絶命したと思われる。
風「…この仕組み、多分大赦の検閲から守るためのものだと思う。その証拠に、少しだけ精霊が反応したわ」
ほむら「精霊バリアのことはわかった…でも、満開については…」
樹「でも、ここまでして隠し通したっていうことは、満開に何かあるってことですよね?」
マミ「それについては私も同じ考えよ。迂闊に使えないでしょうね。西暦の人たちの言っていた、まさに切り札。それが満開」
風「でも、西暦の勇者については色々と記述があったけど、郡千景なんて名前は出てこなかったわよ…?」
マミ「多分、それこそ大赦の検閲じゃないかしら?」
樹「じゃあ…郡千景さんになにかあったってこと?」
風「これに関してはこれ以外の資料が全て全滅してる。これ以上は調べようがないわね…」
勇者の残したと言われる御記。そこに書かれていたのは、西暦の勇者が最後の力で守り抜いた勇者システムの概要と、西暦の勇者についてが書いてあった。だけど、私たちの必要とした、満開についての記述はーーなかった。
-
- 24 : 2018/03/01(木) 22:49:42 :
- ーー
キュウべぇ「本当にいいのかい? 彼女たちにヒントを与えて」
???「いいも何も、きっとあの子達はいずれたどり着くよ。私は、あくまでそれに近づく手助けをしているだけ」
キュウべぇ「まあ、それもそうだね」
???「それに、彼女たちなら私が出来なかったこと、出来るはずだから」
キュウべぇ「それは何故だい?」
???「私たちと違って彼女たちは使命感で勇者をやってないはずだよ。だからこそ、最後の最後で自分もみんなも救えるはずだから」
キュウべぇ「そうなのかい?」
???「賭けてるんだよ、私は。この世界の運命を、彼女たちに」
キュウべぇ「でも、どうして東郷美森にはあまり情報を渡さないんだい? 彼女に渡すのが1番手っ取り早いはずなのに」
???「彼女の記憶は確かに無くなってるだろうけど、あくまでそれは記憶。彼女の心には、きっとまだあの頃の思いがあるはずだから」
キュウべぇ「それは僕たちには理解できないな」
???「当たり前だよ。あなた達には心がないじゃない」
キュウべぇ「そんなものがあっても邪魔になるだけだからね」
???「あなたの価値観は私たちにはわからない。それはきっとあなたも同じ。だからこそ、お互いの存在を求め合う。そうやって世界のバランスを保とうとする…だけど、この世界ではそもそもそのバランスが崩れかけてる。私にはもう何も出来ないから。だからあの子達に賭けてるんだ」
キュウべぇ「まあ、思い通りに行けばいいけどね」
???「なるよ。きっと」
キュウべぇ「まあいいや。こうしている間にも契約を求めている子が居るはずだからね。僕は行くよ、園子」
園子「うん。必要になったら私もきっとあなたに頼ると思う。それしか、道が残されてないんだからね」
-
- 25 : 2018/03/02(金) 20:32:44 :
- ーー
友奈「あれ? 東郷さん?」
東郷「ご、ごめん……何故だか急に体調が……」
まどか「あ、あの、ここは?」
キュウべぇ「ここは歴代勇者が祀られている墓だよ」
さやか「は、はぁ!?」
友奈「でも、どうしてそんな場所で東郷さんが?」
東郷「三ノ輪……何故……? この名前、見ていると安心する……」
さやか「きっと東郷にとって大事な人……とか?」
友奈「でも、それくらいの人ならどうして何も覚えてないの?」
東郷「……違う、覚えてないんじゃない……これは、そもそも記憶がないのよ」
まどか「と、東郷さん!?」
東郷「ねえ、キュウべぇ。あなたなら何かわかるでしょう?」
キュウべぇ「流石東郷美森だね……まあ、少なくともこれは神樹が手助けをして君に信託を寄越したんだろうね。余計なことをするよ、あれは」
さやか「じゃあ、本当に東郷にとって大事な人、ってこと?」
キュウべぇ「さあ……? そこら辺の話は彼女に聞くといいよ」
東郷「彼女……?」
???「久しぶりだね~わっし~」
まどか「え……えっ?!」
友奈「どうしてベッドがこんな所に!?」
東郷「……私は彼女のことを知っているはずだった、そういうこと?」
キュウべぇ「ああ。その通りさ」
園子「今は東郷美森……だよね?」
東郷「え、ええ……」
園子「あの子の名前を見て何かを感じている今のあなたなら、私とあの子がどういう存在なのか。きっと答えまでたどり着いているはずだよ」
東郷「でも、確信になるには何かが足りないっ! あとちょっと、あとちょっとなのに……!!」
園子「……あなたたちには多分この力が必要だから私はそれを伝えに来たんだ~」
さやか「でも、見た感じ相当無理してるみたいじゃん? あんた……」
園子「これくらい、わっしーの為になるなら何ともないよ~」
東郷「さっきから言っているわっしー。それが私の中から消えた記憶のヒントなのよね?」
園子「そう。鷲尾須美。それが、ヒントでもあって答えでもある」
友奈「ね、ねえ、東郷さん? どういう……」
東郷「鷲尾須美。きっと、それは私の記憶から消えた2年間名乗っていた名前。そして、彼女と、三ノ輪という名前の子。その3人は、友達で、何かがあった」
園子「流石だね~わっしーは~」
東郷「でも、三ノ輪という子はこうして墓に祀られている……」
友奈「え……? あっ、本当だ……」
園子「三ノ輪銀。鷲尾須美。そして私、乃木園子……3人は、2年前大橋で勇者をしていた。そしてーー」
東郷「分け合って今も勇者として存在している……」
園子「でもね……ミノさんは、三ノ輪銀は……」
東郷「戦う中で……死んだ」
まどか「そ、そんな!! ど、どうして!!」
園子「簡単な話だよ。当時の勇者システムは神の力に抵抗するのが精一杯だった。言わば、今の勇者システムのプロトタイプ。精霊なんてものはないし、もちろんバーテックスの撃破すら出来なかった……」
東郷(記憶はないのに……話を聞いていると、何故だか……)
園子「そして、バーテックスが三体同時に出現した。……情けないけど、私とわっしーは背後の3体目に気づけなかった」
東郷「そして……たった一人、戦える銀は三体を前になお立ちはだかった」
園子「そう……そして、彼女は英雄としてその石碑に名前を刻まれた」
-
- 26 : 2018/03/02(金) 20:56:26 :
- 園子「そしてここからが今のあなた達に1番必要な部分。3勢力に別れている中で、唯一あなた達だからこそたどり着いた真実ーー」
東郷「……勇者システムの説明書にあった満開ね」
園子「うん。まず、先に言うとね、私の今の状態は満開を繰り返したからなんだ」
まどか「そんな……ひどいよ……」
さやか「それって……もう戻らないんですか?」
園子「戻りたい……よ。私だって。こんなの寂しすぎるもん……」
東郷「強大な力にはそれ相応のリスクがある。そういうことなの……?」
園子「そうだよ。満開をする度、勇者は体の1部を神樹様の供物として捧げていく……そして、戦い続けるために精霊が私たちを死ねないように守る。……そうやって、無理矢理にでも不死身にならないと勇者は戦えなかった」
東郷「そして、その満開と精霊バリアは、三ノ輪銀の死後に実装された……」
園子「……もう、私の手助けは要らないかな? わっしー?」
東郷「ううん……あなたが私をここまで導いてくれた、そして、こうしてまた会えた。そして、この情報を私たちには伝えた時点で、大赦は私たちに全てを伝えざるを得ない……そういうことでしょ? 乃木さん」
園子「はは、乃木さん……か。でも、あなたの想像通りだよ。あなた達の存在は、きっと世界を救うための切り札になる。そう思ったから、誰よりも早くあなた達に伝えたいなって思ったの」
東郷「私たちを戦えなくするために真実を話た……そうじゃないのよね?」
園子「うん。あなたたちならきっとこの真実を知っても耐えられるし、知ったら尚更ほかの勇者と協力するためにこの真実をほかの人にも伝える。そう思ったんだ」
東郷「でも……あなたはそう言うけど、私は……」
園子「そう……だよね。今度は、今こうしている記憶すら無くなるかもしれない。私みたいになるかもしれない……怖くないはずがないよね」
友奈「でも、でも!! それでも、きっと戦い続ければそうならなくていいようになるはずだよ!」
園子「やっぱり、あなたは想像通りなんだね」
友奈「え……?」
園子「これは忠告じゃなくて、約束。結城友奈ちゃん……あなたに、世界の運命を預けたいな」
友奈「そ、そんなこと……急に言われても……」
園子「大丈夫。本当にあなた達がピンチになれば、キュウべぇは最強の切り札をふたつ持ってるからね~」
さやか「それって、まどかでしょ? でも、あとひとつは?」
東郷「でも……その時あなたはもう人じゃなくなるのよ!?」
園子「はは……やっぱり、そう言うよね、わっしーは。……でもね、私は覚悟は出来てるんだ」
東郷「また……そうやって1人で……!」
園子「1人じゃないよ。勇者は、常にたくさんの思いを背負ってる。そして……みんなの笑顔の為に戦う。そしてーー自分の存在を忘れられても、きっとあなたみたいに会いに来てくれる人がいる。それだけでも、私は戦える」
東郷「乃木さん……」
園子「だからね、いざとなれば私はいつでもキュウべぇと契約するよ」
さやか「でも……勇者システムと魔法少女。その両立なんて出来るの? いくらキュウべぇでも無理なんじゃ……」
キュウべぇ「普通は無理だろうね。でも、乃木園子。彼女は桁違いの素質がある。きっと、彼女なら世界の理すら覆す願いだろうと叶えられるだろうね」
まどか「私と……同じ……?」
キュウべぇ「まどかとはそういう点では同じだね。でも、彼女は勇者システムも使いこなせる。満開で失った部分はあくまで神樹の介入によって力を発揮させた上で供物となる。でも、僕たちみたいな外宇宙の存在には対抗手段がない。……ならば、魔法少女の力で供物となった部分を復活させるなんて造作もないだろうね」
まどか「いくらなんでも……無茶苦茶過ぎるんじゃ……」
キュウべぇ「そうだろうね。でも、それくらいの力を持っているんだよ、彼女は。きっと彼女は、神樹に保管されている全ての精霊すら行使出来るだろうね」
さやか「でも、それってもう人間じゃ……」
キュウべぇ「きっと、神の力すら克服する、神すら超える存在になるだろうね」
友奈「そんな……」
キュウべぇの言っていることは、難しくて、私には何が何だか……でも、そうなった時全てが終わる。なんとなくだけど、それだけは私でもわかったのです……
-
- 27 : 2018/03/03(土) 19:56:06 :
- ーー
風「でも、肝心なところが……」
ほむら「大赦の検閲が入った可能性は否定出来ない」
風「え……?」
ほむら「もし、大赦に昔勇者がいたなら?」
風「勇者が1度これを大赦に……?」
マミ「可能性はゼロではないわ。だけど、そんな記録は残ってない」
樹「でも、私たち以前の勇者ってなると……」
風「一年前に存在した3人ね……」
ほむら「その3人の記録は?」
風「残ってないはずよ、確か」
マミ「暁美さん?」
ほむら「もし、今も生きていて記録を見せたら不都合になる……としたら?」
風「それってーー」
ほむら「一年前の勇者は今も生きている。そして、理由があって現在は戦闘に参加してなかったりするとしたら?」
マミ「でもだとしたらなぜ?」
ほむら「真実を知ったら勇者は反乱する。そして、それほどの真実を大赦は隠している」
樹「それって、満開の事ですか?」
ほむら「ええ。そうなるでしょうね」
風「大赦……私たちを、騙してる……?」
ほむら「騙してる、というのは多分違うわね。あなた達が戦えなきゃ世界が滅ぶ。だったら伝えなければいい……キュウべぇと同じ手口よ」
マミ「キュウべぇが、なに?」
ほむら「キュウべぇだって私たちに秘密を隠しているわ」
マミ「それって……」
ほむら「いずれ嫌でも分かるわ」
-
- 28 : 2018/03/04(日) 21:02:20 :
- ーー
東郷(彼女の言葉が本当なら、私たちは……ただの人柱……世界を救うためなら、私たちには死ねってこと……?)
そしてーー私たちは西暦の勇者のこと。……まどか達は神世紀の情報を持って、対峙しようとしていた。
風「……来たわね」
東郷「ええ。来ました」
風「そっちの情報は本当なの?」
東郷「ええ。伝えた通りです」
風「そう……」
東郷「今更私は後に引けない……だから、考えました」
風「……なに?」
東郷「こんな力を持ってまで生きようとするのは間違っている……もう、私たちは普通の人間じゃない」
風「ちょ、な、何言ってるの?」
東郷「流石に乃木さんにこの事実を知らされた時は冷静を装っていましたが……満開をした訳ではないですが……あの子の言葉が本当なら、私は過去に満開を繰り返した。そして、記憶と足を供物として捧げた……」
風「だ、だから何が言いたいのよ!」
東郷「私たちは……世界のために生かされてるんじゃない。世界のを守るための犠牲になるために生かされている。なら!!こんな世界……!」
ほむら「愚かね」
東郷「え……? あなた、いつからそこにーー」
ほむら「これは私の力。時間を止めて近寄ったわ」
東郷「う、嘘……」
ほむら「あなただって気づいてるでしょ? そんなことしたって無駄だって」
東郷「だけど……私には、これしか……」
ほむら「だからよ。そもそも何のために情報を共有することを選んだか、分かるでしょ?」
東郷「……大赦の2人を説得するための力を使うため、少しでも仲間が欲しいから……」
ほむら「ええ。そうよ」
東郷「でも、この力を使えば……」
ほむら「ええ。体のどこかが機能しなくなるわ」
風「でも、あの二人を分からせるには力で分からせるしかない……」
ほむら「……今回は仲介をしてくれたのがあなたをよく知る神官さんだったから言いものの……キュウべぇがこれを2人に伝えない。という可能性が無いわけじゃないわ」
東郷「私たちが協力すると?」
風「そうなれば向こうにとってはまとめて潰せるチャンスだものね……」
ほむら「ええ。だからこそ、あえてあなた達2人だけでこの場を設けることにした。少し手が荒いけど、あえて分断させる。……犬吠埼さんの妹さんはたしかに勇者だけれど、とても人間相手に戦えるはずがない。そのために、結城さんにいざと言う時のために付いてもらってるわ」
風「……ほむらの予想通りなら、もうすぐ2人が攻撃を仕掛けに来る」
東郷「……私は今のうちに狙撃できそうな場所を探して待機します」
風「お願い。ほむら、あんたには手伝ってもらうわよ」
ほむら「ええ。魔法の力が戻った以上、この間のようには行かないわ。2人とも、これを付けてて」
東郷「これは……?」
ほむら「巴マミに作ってもらったリボンよ。基本的に私の魔法はこれをお互いにつけている限り影響を受けないわ」
東郷「でも、それだとあなたの動きが制限されるのでは?」
ほむら「安心して。ちゃんと魔法で繋がっている状態を維持したままにするから」
風「へぇ……魔法少女って便利なのね」
-
- 29 : 2018/03/04(日) 22:03:46 :
- この友奈ちゃんはセミ食べないんか?
-
- 30 : 2018/03/05(月) 07:36:14 :
そういう事やったら『鹿目まどかは勇者である マギカの章』とか『結城友奈は勇者である 魔法少女の章』とか、それっぽいタイトルになると思うけどな(((^_^;)
-
- 31 : 2018/03/05(月) 15:48:54 :
- ほむら「来たわよ。こっちの準備は出来てるわ」
風「こっちもおっけー。東郷さんは?」
東郷「犬吠埼さん、暁美さん。こちらもおっけーです」
杏子「なんだよなんだよ。既に戦う気満々じゃん。いいねいいねぇ!」
夏凜「あんまし1人で盛り上がらないで。杏子だって目的はわかってるでしょ」
杏子「わかってるさ。ちゃんと金を渡してくれてる以上、あたしだって仕事はする。あんたこそ足引っ張んじゃねぇぞ?」
夏凜「誰に向かって言ってるのーーよ!」
そして、戦闘は開始されたーー
風「実力で叶わない敵に真っ向から立ち向かう……それじゃあ歯が立たないからね!! あんた達にはーーちょっと驚いてもらうわよ!」
杏子&夏凜「!?」
ほむら「……これで大丈夫。私が触れるわけではないから、あなたが攻撃しても動けるようになる、ってことは無いはずよ」
風「まあ、それもそうだけどそうしちゃうと正直死なない程度、って加減がこの大剣じゃ難しいのよね……」
ほむら「それもそうね。東郷さん、いつでも大丈夫?」
東郷「はい。既に撃ち込んでいます」
ほむら「あら、優秀ね」
東郷「だけど、いいんですか?」
ほむら「大丈夫。魔法少女は傷の回復程度ならデフォルトだし、勇者にはバリアがある。あくまで牽制よ」
東郷「でも、その牽制で余計に狙われるように……なんてことは……」
ほむら「実力じゃなくて、こっちが有利な魔法を使える。そうなれば少なくとも話は出来ると思うわ。もしそれが無ければただの猿。その時はその時よ」
風「上手くいくと……いいけどね」
カチッ。その音と共に時間は再び動き出す。
杏子「ちょっとちょっと、なにがどうなってんのさ……」
夏凜「……魔法少女はこの場にあなただけ。あなたの仕業?」
ほむら「あら、ちゃんと考えられるだけの頭があって助かるわ」
杏子「てめぇ!喧嘩売ってんのか!?」
夏凜「落ち着きなさい! 今みたいなことをされる以上、迂闊に手を出さない方がいいわ」
杏子「ちっ……」
夏凜「で、本気で倒す気ならわざわざ狙って急所外したような攻撃をするはずがない。目的は何?」
ほむら「簡単よ。これ以上私たちを狙わない……それか、私たちの仲間になる。その二択を選ばせるため」
杏子「へぇ……その話を素直に受け入れるとでも?」
ほむら「もちろん思ってないわ」
夏凜「私たちにも訳あってあんた達を狙ってるの。素直に聞くわけには行かないわ」
風「その目的ってなんなのよ」
杏子「教えると思うか? 普通」
ほむら「……そろそろね」
夏凜「なんのこと……?」
マミ「あらあら、随分と手こずってるのね、佐倉さん」
杏子「マミ……! あんた今までどこに!!」
マミ「決まってるじゃない。あなた達を助けに言ってたのよ」
夏凜「は……?何言って……」
杏子(?)「やっと見つけたぞ……そろそろこっちも我慢の限界なんだ。付き合ってもらうよ、変化の魔女!!」
風「は、な、何言ってーー」
ほむら「要するに、今まで私たちを狙っていた2人は本物じゃない。魔女。そういうことよ」
変化の魔女「なぜわかった!」
マミ「これに気づいたのは私たちじゃないわ。神官さんのおかげよ」
変化の魔女「神官……?」
東郷「安芸先生……協力感謝します」
変化の魔女「くっ、まさか大赦内に知り合いがいたとはな……だが、バーテックスと融合した私たち魔女を倒す方法は貴様らはまだ知らない!」
風「そうとも限らないわよ。……少なくとも、私も、東郷さんも既に決心は付いてる」
変化の魔女「決心……? だが、いくら決心していても、実際に満開すればお前達は情緒不安定になる! それこそが満開に隠されたもうひとつの効果だからな!!」
夏凜「本来は存在しないはずの満開のもうひとつの裏機能。満開を使う度、精神が不安定になっていく。それでも、戦う術が無いよりかはましよ!」
変化の魔女「……そうか。ならば、苦しめ。永久の生き地獄をな」
そう言い残し、魔女は本来の姿に化けた。
-
- 32 : 2018/03/07(水) 14:42:40 :
- 魔女の出現とともに、戦闘が開始されるーー
マミ「佐倉さん達、あなた達は半年くらいあそこで拘束されてたみたいだけど、やれる?」
杏子「やれるもなにも、あんたならあたしの力知ってるだろ、マミ!」
夏凜「完成型勇者たるもの……こんなんで根をあげてたらあの子達に顔向けできないわ!!」
マミ「気合十分ね……それじゃあ、みんな! 仕掛けるわよ!」
ーー戦力として充実してるこちらは、数の上では有利だがーー
東郷「……なに、動きが……一人一人を別々で狙っている……?」
風「樹と結城さんはお休みだけど、その分あたしらが頑張る!」
樹(?)「本当に……? 結局、お姉ちゃんは自分の目的のためだけに私を巻き込んだんでしょう?」
風「樹……!?」
樹(?)「知ってるよ? お母さん達を殺したバーテックスへの復讐のためだけに勇者になる覚悟をしたって」
風「そ、それは……」
樹(?)「巻き込まれて、こんなに危ない目に私が合ってるのに?」
風「……違う」
樹(?)「何が違うの?」
風「樹はね、言ってくれたのよ……! お姉ちゃんと一緒に戦えるなら何も怖くないよってね!!」
魔女「ちっ!」
風「あんたなんかの幻にあたしは囚われない!!」
魔女「ぐっ!」
風「これで、終わりだァァァ!」
魔女「!!」
風「た、倒した……よ、よかった……」
-
- 33 : 2018/03/09(金) 10:22:04 :
- マミ「あら、また偽物に化けて楽しいかしら?」
杏子(?)「さぁねぇ。でも、あの時あたしを意地でも止めてりゃこんなことにはなってないはずだぜ?」
マミ「あら? 私と一緒にいたらあなたもダメになる。そう判断しただけよ?」
杏子(?)「当時のあんたが考えそうとは思わないけど!」
マミ「惜しいわね……今の攻撃、佐倉さんなら確実にあてに来てるわ!!」
魔女「!!!」
マミ「……全員分の精神攻撃ね。みんな、こいつに負けないで……!」
東郷「……!! 友奈ちゃん!!」
友奈(?)「そうだよ、東郷さん」
東郷「でも、結界には来てないんじゃなかったの?」
友奈(?)「うん。結界になった時にそのまま来ちゃったんだ~!」
東郷「……そう」
友奈(?)「え? と、東郷さん……?」
東郷「ごめんね……でも、本物の友奈ちゃんなら反応できるから!!」
魔女「!!!」
東郷「やばい女。って思ったでしょ? 友奈ちゃんを真似するならもっと完璧にやらないと私は騙せない!」
魔女「くっ……!」
-
- 34 : 2018/03/09(金) 20:25:46 :
- ほむら「あら、私には化けないの?」
魔女「お、お前は……」
ほむら「何かしら?」
魔女「な、なんだ、この記憶の量は!?!?!」
ほむら「時間歩行者……とでも言っておきましょうか」
魔女「くっ!!」
魔女本体が少し動いた。
ほむら「東郷さん!!」
東郷「はいっ!!!」
彼女の狙撃を直前に止める。弾丸は神速になた後、時間制止で一度止まる。
ほむら「……魔力を乗せて……リリース」
魔女「!?!?!?!」
風「風穴があいたわ!! 今ならどちらか一方だけの攻撃で大丈夫なはず!!」
マミ「犬吠埼さん、暁美さん、離れて!!」
ほむら「犬吠埼さん、捕まって!」
風「く、拾って!!」
ほむら「と……どいた……!」
そして撤退するために時間を止め、ある程度の距離で魔法を解除する。
マミ「ティロ・フィナーレ!!!」
その破壊力の前に、魔女は燃え尽きた。
ほむら「さすが巴マミ……一撃一撃がさすがの威力ね」
マミ「あら。褒めても何も出ないわよ?」
風「で、そこで力尽きてる二人は?」
夏凜「ち、力尽きてなんか……」
杏子「まあ、元々幻惑はあたしの魔法だからね。通用させる方が難しいさ」
三好夏凜と佐倉杏子。二人は今まで魔女によって監禁されていた。そして、助かった今、彼女は私たちに協力してくれると約束してくれた。
-
- 35 : 2018/03/10(土) 19:22:36 :
- 夏凜「改めて、助けていただきありがとうございます。巴さん」
マミ「あら、マミでいいのよ? 三好さん」
夏凜「で、でも……年齢的にも目上の人だし……」
友奈「大丈夫だよ、夏凜ちゃん!! 年上って前に仲間なんだから!」
夏凜「仲間……」
杏子「そうそう。マミだって名前呼ばれるだけでデレデレだぞ? 呼び捨てにしてりゃ面倒見てくれるさ」
マミ「あら? そういうこと言うなら佐倉さんは今日のご飯無しね」
杏子「は、はぁ!? ふざけんなよ、マミ!」
東郷「今のは佐倉さんが悪いわ」
まどか「うん、杏子ちゃんが悪いよ……」
杏子「ぐっ……」
夏凜「そう言えば、みんな中学生なのよね?」
風「そうよ。あー、でも樹はまだ小学生ね」
東郷「小学生でも戦えるなら戦うしか道がない……それでも戦うことを選んだ樹ちゃんは立派な勇者ですね」
風「わかる!? いやぁ、そこまで褒められるなんてねぇ、後でうどんでも奢ってあげるわ!」
さやか「いやいや、自分が褒められたわけじゃないでしょ……」
まどか「でも、やっぱり家族が褒められると自分も嬉しいっていうの、わかるかも」
さやか「たつやのこと?」
まどか「うん」
マミ「家族……か」
杏子「な、なんでこっち見てんだよマミ」
マミ「あなたも大事な私の家族みたいなものよ、佐倉さん」
友奈「お、おお……これが……」
東郷「ダメよ、友奈ちゃんにはまだ早いわ……!!」
さやか「いやいや、早いも何も見つめてるだけでしょ」
まどか「あ、あはは……」(乃木園子ちゃん……あれ以来何もしてこない……嫌な感じがする……)
園子「……そろそろかな」
キュウべぇ「おや? いいのかい?」
園子「うん。そろそろ敵側も仕掛けてくると思うよ。これだけの人数の勇者と魔法少女が手を組んで黙ってるほど、敵だって甘くないはずだからね」
キュウべぇ「それもそうか」
-
- 36 : 2018/03/12(月) 00:07:48 :
- 風「え? な、なに?」
ほむら「この揺れは……まさか!?」
マミ「この世界にも存在しているの!?」
杏子「お、おいほむら! どうすんだあれ!!」
樹「あれも……魔女なんですか……?」
???「あれはもう魔女じゃないよ」
友奈「の、乃木ちゃん!?」
園子「えへへ、ごめんね。こうなった時の切り札として私が存在してたんだ~びっくりさせてごめんね」
東郷「でも、戦えるの、それで!?」
園子「大丈夫だよ。ねえ、キュウべぇ?」
キュウべぇ「ああ。大丈夫さ」
園子「私の願いは、ミノさんともう一度戦うこと」
キュウべぇ「君の願いは果たされた」
ほむら「ま、まっーー」
園子「大丈夫。きっと誰も私を倒せない。神樹様と魔法少女システム。これが融合した時、お互いのシステムのデメリットが無くなるんだよ」
ほむら「それってーー」
園子「そう。魔女かも散華も存在しない、ほんとうに神に近い存在……」
友奈「で、でも!! それってもう人間じゃーー」
園子「人間じゃない……か。魔法少女は既に人間じゃない。そうだよね、キュウべぇ?」
キュウべぇ「そうだよ。君たちの本体はソウルジェムだからね!」
マミ「そ、それって……私たち、ゾンビと同じじゃない!!」
園子「ゾンビ……それも違うよ、巴さん。人ならざる力を持つものは人として存在してはいけない。それが、古代からのルール。私たちは、勇者でも魔法少女でも無いーー英雄になろうとしてる」
マミ「英雄……」
園子「さあ、みんな。ミノさんが来るよ!!」
??「あれ……あたし、どうして……」
東郷「ぎ……ん……?」
銀「お、お前須美か!?」
東郷「ぎん…ぎん……本当に、銀なのね……!」
銀「須美!! 園子!! それと……?」
友奈「あ、私たち4人はあなた達の後輩勇者、もう片方の5人は魔法少女です!!」
夏凜「……三ノ輪銀。偉大なる先代勇者……」
-
- 37 : 2018/03/12(月) 21:11:30 :
- 銀「っと、そんなことしてる場合じゃないんだよな? 園子」
園子「うん。ミノさん、端末は一旦預かるよ」
銀「そっか。この時代だと勇者システムも強くなってるのか~」
園子「うん。そして……ミノさんはもう死なせない」
銀「ありがとな、園子」
園子「わっしー、それと巴さん。ミノさんを大赦まで援護して!」
東郷「でも、それじゃあ遠距離が!」
マミ「大丈夫。撤退しながら援護しましょう」
東郷「……はい」
銀「大丈夫だよ、須美……じゃなかった。東郷……? でいいのか?」
東郷「須美でいいのよ、銀」
銀「そっか。それじゃあ、しっかり援護してくれよな!」
園子「みんな、ミノさんが戻ってくるまでにあれを少しでも削っておくよ!!」
ほむら「戦力としては勇者4人、魔法少女2人……ただでさえワルプルギスには少ない数を減らしたのには、理由が?」
園子「……ミノさんはきっとこの戦いの終了と同時に元の場所に帰る。そうだよね、キュウべぇ
ぇ」
キュウべぇ「ああ。もう一度一緒に戦いたい、としか言われてないからね」
園子「それって、魔法少女になったらなくなるデメリットでしょ?」
キュウべぇ「な!! 馬鹿か君は!! 君でさえギリギリ理性を保てるほどふたつのシステムの併用は厳しいんだぞ!? 彼女を殺す気かい!?」
園子「大丈夫。彼女はそれに相応しい子だから」
友奈「でも、賭けるには危険すぎるんじゃないの……?」
園子「ミノさんはね~精霊バリアなしで三体も倒しちゃうくらい強いんだ~。きっと、満開と魔法少女システムがあればなんとかなるよ~」
ほむら「今はそれしかない。やるわよ」(ここまでまどかと美樹さやかは契約しないでこれた……あとは、あとはあいつを……!!)
杏子「なあ、ほむら。あいつって普通の攻撃は通じないんだよな?」
ほむら「ええ、そうだけど」
杏子「魔法少女のパワーでも勇者のパワーでも、合わせても勝てない……それって倒せないんじゃないか?」
園子「完全すぎる力は、ちょっとした事で崩れんもんさ~きっと攻撃し続ければ倒す方法が見つかるよ~!」
夏凜「今は乃木さんの勘を信じましょう? 彼女だって先代勇者……そして、全ての始まりである乃木若葉の子孫なのよ。きっと、大丈夫」
園子「その通りだよ~!! それじゃあ……みんなで私を援護してね! いくよ!!」
友奈「す、すごい……あれが乃木さんの満開……!」
-
- 38 : 2018/03/13(火) 20:35:44 :
- 園子「行くよ行くよー!!」
夏凜「なにやってんの! 私たちで乃木さんを援護。ぼうっとしない!!」
友奈「あ、ご、ごめん!!」
ほむら「だけど……やはり厳しいのに代わりは……!!」
???「この人数で手も足も出ない? 笑わせないで! そんなのが勇者なんて私は認めない!!」
夏凜「なっ……!? あんたは!?」
芽吹「……ありがとう、キュウべぇ。私に戦う力を与えてくれて」
キュウべぇ「君には勇者になれる道も魔法少女になれる道もあった。それなのにこの選択で良かったのかい?」
芽吹「今は……大赦の勇者にならない。その覚悟を貫ける力が欲しかった。だからこそ……この道を選んだの」
夏凜「芽吹……」
芽吹「三好さん。あなたの実力はその程度じゃないはずよ」
夏凜「わかってるわよ、でも……!」
芽吹「あなたと私は同じ力を目指して戦った間柄……私に合わせられない、なんて言わせないわよ」
園子「ミノさんの後継者候補で、にぼっしーと最後まで争った楠さんだ~! 力を、貸してくれるの?」
芽吹「ええ。大赦の勇者にこそならないと決めましたが、だからといって大赦の勇者の手助けをしないとは決めてないので。……今私は、色んな経験をして、勇者として問題ないものを得ました。三好さん、あなたの大事なものって?」
夏凜「……まだこの子達とはあまり話したりも出来てない。だけど、最初は無能だって、ぼんくらだって思ってた。だけど、変化の魔女の戦いを通して彼女達の思いを知った……だからこそ、今は彼女達を仲間だと、同じ勇者だと誇りに思ってるわ」
芽吹「……やっぱり、私たちは、似たもの同士、なのかもね」
風「ほらほら、言い出しっぺがサボらない! 一人増えたのが心強いのに変わりはないわ! 楠さん、やれる!?」
芽吹「問題ないです! むしろ……この力を試したくてうずうずすらしているくらいには……!!」
-
- 39 : 2018/03/14(水) 21:04:25 :
- 芽吹「はぁぁぁぁぁ!! もってけぇぇぇぇ!!」
夏凜「……!! 隙を見せたわね、魔女!」
風「!! バリアが少し柔らかく!?」
園子「どんなに硬いバリアだろうと、一点に攻撃を当て続ければいつか綻びが生じる! みんな、攻略法が見えてきたよ!」
ほむら「1点攻撃なら私に任せて……!」
風「でもどれだけ攻撃したらいいか分からない……やれるの?」
ほむら「私の全てを注ぎ込む。佐倉さん、時間停止が解除されたらすぐに私にグリーフシードを使って。じゃないとこの状況が酷くなる」
杏子「分かってる。やれるうちに早くやれ!!」
ほむら「ありがとう……」
マシンガン、爆弾、ロケットランチャー。まさに私の使えるものを全て使った総攻撃。倒せなくとも……!
ほむら「……くっ!」
杏子「受け取れほむら!」
ほむら「感謝するわ……」
杏子「にしてもよ……冗談じゃないぜ……」
園子「流石にみんな消耗が激しいか……」
まどか「私が……!」
さやか「いや、私が!」
「うおおおお! くらえええええ!!」
園子「ミノさん!!」
-
- 40 : 2018/03/15(木) 23:47:07 :
- 銀「園子、どうすればいい!?」
園子「うん。まどかちゃん!!」
まどか「は、はい!!」
園子「意識をあの魔女を倒すことに集中して!!」
まどか「え……!?」
園子「いいから!!」
まどか「は、はい!」
風「……? よく分からないけど、鹿目さんを守護して! 私とほむら、マミさん! 三好さん、佐倉さんは樹と一緒にお願い!!」
東郷「わ、私は!!」
風「東郷さんと結城さんは小型の相当を頼める!? 装備的にも怖まりの効く広範囲型はあなたたちだけなの!」
友奈&東郷「はい!」
園子「……やっぱり。これだけ、あの子はあなたのために……」
銀「その、なんなんだ? 園子。この子の力って言ってたけど……」
園子「まどかちゃん。あなたには今、ワルプルギスの夜が持ちうる全ての力……因果律があなたにも何故か繋がっているの。だから……あなただけの持つその因果律。それそのものを力にしてワルプルギスの夜にぶつける。そうすれば、きっとあれを倒せる」
まどか「因果律……?」
銀「あんまし難しい顔すんなよ。よくわからないけどさ、きっと鹿目さん……だよね? 鹿目さんのことを思ってくれている誰かがいるからその力を得た。そう考えた方が気が楽だからさ! そうしてみたらいいんじゃないかな?」
まどか「私の……ために……それって……」
ほむら(くっ、ワルプルギスの夜……何故、何故なの!? 私が時間を移動すればするほど、倒せなくなっていく……!)
風「ほむら!! ダメ!!」
まどか「ほ……ほむらちゃん!?」
ほむら「くっ……私は……こんなところで……!」
園子「まどかちゃん!! 意識を集中させて!!」
まどか「でも、でも……! こんなのやっぱり……!!」
園子「彼女は探してるんだよ。あなたと一緒に過ごせる時間を」
まどか「私……と……?」
-
- 41 : 2018/03/16(金) 08:43:40 :
- 園子「……よし! これでもう大丈夫!」
まどか「でも、因果律を誰かが持っていくなんて出来るんですか……?」
園子「今の私は神樹様と魔法少女……その両方。だから、どんな不可能でも出来ちゃうんだ~」
銀「園子! バリアは任せた! とどめはあたしがやる!」
園子「おっけ~!! いっくよ~!!」
乃木園子のその満開による一撃はーーそれまで一切動じることのなかったワルプルギスの夜に、確かに焦りという文字を浮かべさせた。
風「す、すごい……って、そうじゃない!」
東郷「援護します!」
遠距離からの援護を受けながら、三ノ輪銀はワルプルギスの夜に近づいていく。
銀「よくも好き勝手やってくれたなぁ…! だけど、もう終わりだ!!」
その背後から忍び寄るワルプルギスの夜の攻撃はーー
友奈「はぁぁぁぁ!! 危なかったね! 三ノ輪さん!」
銀「そっか……後ろ狙われて……ありがとうございます。結城さん」
友奈「友奈でいいよっ! それより……早くしないと!」
銀「園子曰く、あそこの部分をーー」
そうして、作戦を伝えていき、そしてーー
銀「ありがとう……みんな。これで、ほんとに終わりだァァァァァ!!」
その一撃はーーワルプルギスの夜を粉砕した。
-
- 42 : 2018/03/18(日) 15:35:22 :
- 東郷「たお……した……?」
園子「うん。倒したんだよ、私たちの力で」
銀「そっか……」
東郷「銀……?」
銀「ちゃんとお別れ言ってなかったもんな」
東郷「銀!? 何を言ってーー」
園子「ミノさんはね……私の願いで生き返ったわけじゃないんだ」
東郷「え……?」
園子「神樹様がほんとに危ない……そうなった時の守護者として、今のミノさんがいたんだよ」
東郷「脅威が去ったから……もう……?」
銀「なんか、騙したみたいでごめんな……須美」
東郷「ううん……いいの、またあなたと話せた……それだけで、私は……」
銀「園子。須美。今度こそ……お別れみたいだな」
園子「ミノさん……私たち、ずっとーー友達だよ」
銀「あたしも同じ気持ちだよ……ずっと友達。何があってもーー」
東郷「これでほんとに……終わったのね……」
園子「うん。ほら、私たちの勇者の力がーー」
東郷「私たちのお役目も……終わり……?」
園子「みたいだね」
風「終わった……の?」
ほむら「倒した……? ついに……?」
風「ええ!? ほむら、あんた体がーー」
ほむら「……どうやら元の世界に帰れるみたいね」
風「そっか……元の世界でも頑張りなよ!ほむら!」
ほむら「……うん。あなたも、妹さんと、新しく出来た仲間と……」
風「任せなさい。何があっても大丈夫!」
樹「ほむらさん。少しだったけど、楽しかったです!」
ほむら「樹ちゃん……ええ。私もよ」
風「行っちゃったか……」
樹「だね」
風「ねぇ、樹も来年からうちの中学でしょ? そこでさーー」
樹「それとってもいい考え! 私も手伝うよ、お姉ちゃん!」
夏凜「……あんた、もう帰るみたいね」
杏子「みたいだな~」
夏凜「しっかりと向こうでも頑張りなさいよ」
杏子「はぁ? 頑張るのなんて当たり前じゃん? そっちこそ。憧れてたもの、手に入れたんだろ? だったら。何がなんでも守りなよ、それを」
夏凜「あんたこそ。本当は憧れてたもの、好きなんでしょ?」
杏子「はぁ!? べ、別にマミの事なんて!!」
夏凜「誰も巴さんの話なんてしてないわよ?」
杏子「はぁぁぁぁ!?!? 覚えてろ!! いつか必ず!!」
夏凜「ふふ、冗談よ」
杏子「……まあ、頑張りなよ、これからもさ」
夏凜「ええ。……じゃあね」
芽吹「別れ、済んだの?」
夏凜「ええ。もう大丈夫」
芽吹「……ねぇ、三好さん」
夏凜「なに? 楠さん」
芽吹「今大赦から連絡があってさ……」
夏凜「……? そ、それって!!」
芽吹「……あなたを讃州中学に派遣します。これから、お役目もない平和な日常を送りなさい、って……」
夏凜「……あなたと、同級生、か」
芽吹「まあ、ぼさっとしてたらいつでもあなたを倒しますけど」
夏凜「ま、負けないわよ、あんたには!!」
芽吹「どうだか?」
夏凜「負けない!!」
友奈「そっか。鹿目さん、帰るんだ」
まどか「うん。もう帰らなきゃいけないみたい」
友奈「お別れか~楽しかったんだけどな」
さやか「あたし達は帰るけど、友奈には新しい仲間が出来たんだから大丈夫だよ!」
友奈「うん。そうだよね……ありがとう!」
まどか&さやか「じゃあ、またね!」
友奈「……ありがとう。二人とも」
マミ「……私は!?!?」
風「あなた達にぴったりの部活があるわ!!」
友奈「? なんですか、風先輩?」
風「それはねーー」
樹「勇者部です!!」
風「ちょっと樹!?!!?」
夏凜「なんなのよ、その安易なネーミングは……」
風「これでも真面目に考えたのよ!?」
芽吹「勇者部……かっこいい」
夏凜「ちょっとメブ!?」
東郷「ふふ、勇者部だって、そのっち」
園子「おお~なんだかとってもいい感じがするね~!」
ほむら「まどか……私は……」
まどか「大丈夫だよ、ほむらちゃん。もう……無理しなくていいんだよ?」
ほむら「……そっか。私はーー」
-
- 43 : 2018/03/19(月) 01:58:46 :
- 本編は完結ですが、後日談や、追加できるシーンの追加などを今後も引き続きこちらで行っていきます。
-
- 44 : 2018/03/22(木) 22:06:44 :
- 後日談。これは、私乃木園子が記した勇者御記。そして、ここに書いてあるのは、全て事実。これはーー勇者が本当に勇者になる話である。
東郷「…? あれ?」
友奈「どうしたの? 東郷さん」
東郷「ここに私の端末、おいてたはずなの」
友奈「見てないよ?」
東郷「私の気のせいかしら…」
鹿目さんたち魔法少女と別れてはや1年がたとうとしていた。
あの一件以来、私たちが勇者に変身することはなく、本当の意味で平穏が訪れていた……
友奈「そういえば、そのちゃんと風先輩知らない?」
東郷「風先輩とそのっちなら大赦に言ってるわ」
友奈「大赦に?」
変わったことが1つ。大赦は、公の組織としてひとつの形を確立していた。
そして、今まで勇者がしていたことを全面的に公表した。そして、世間の反応は案の定、大赦への不満。
それでも、大赦への不満は、そのっちや芽吹さんたちのおかげで和らいだ。
それのお陰もあってか、今は大赦さまざまな事業で安定した仕事ができていると言う。
風「どうするか……乃木?あんたは?」
園子「どうもこうも楽しそうだからワクワクしてきちゃった~!!」
風「なんでノリノリなのよ!」
園子「ご先祖さまの役やりたいでーす!」
風「もうやること決まっちゃった!?」
園子「風先輩、勇者のことを伝えるいい機会だと思うんだ~それに、街の人も今のままだと勇者の応援どころか批判ばっかりだと思うよ~」
風「それも……そうね」
園子「だからやろう!」
風「んー、仕方ない……みんなの意見も聞くわよ、そこは文句言わないでね、乃木」
園子「やったぁぁぁぁ!!」
風「相変わらずのテンションね……」
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