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「マヤさん!姫始めしましょう!」

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  1. 1 : : 2018/01/01(月) 00:06:08
    あけましておめでとうございます蒼電と言います。
    新年らしいssを書きました
  2. 2 : : 2018/01/01(月) 00:06:33
    31日、大晦日の昼にPastel Palettesのメンバーで軽い打ち上げを行った後帰り道。
    他の方々とは別れて隣にイヴさんが一人。一緒に歩くイヴさんのスタイル抜群の足から歩み出される歩幅は少しだけジブンより大きくてゆっくりと進む中、ジブンのペースに寄り添うように歩く彼女はとても儚く感じ、薫さんの口癖を奪いたくなる。
    雲一つない澄み切った寒空は月明りが輝いて彼女の銀髪は星屑を零した様にきらきら光る。
    自分より少しだけ高いイヴさんの横顔を眺めるために少しだけ上を向いていると急にこちらを向いたイヴさんが言い出した

    「マヤさん!姫始めをしましょう!」

    綺麗な笑顔からとんでもない言葉が飛び出した。



    「日本には仲のいい二人は新年に姫始めをすると聞いたことがあります!私姫始めしてみたいです!」

    突然の発言に驚きながらもイヴさんから訳を聞いたところ教えてもらったらしい……
    誰がこんな知識を教えたのだろう……脳裏をちらつくるんっという効果音が似合う少女に心当たりがあるが、ひとまずそれは置いといて取り敢えずそれがどういう事か教えないといけないといけない。

    「イヴさん、姫始めというのはですねジブン達にはまだ早いというか……」

    説明をしようとすると彼女はジブンの手を両手で握ると胸元に寄せて言う。

    「何でですか?私マヤさんのこと大好きです」

    真っ直ぐな瞳を避けることはできずジブンはさらに紡がれる言葉を聞くしかなかった。

    「私の家に来ませんか?マヤさん」

    そしてそのまま家に向かうのもまた避けられない事だった。

  3. 3 : : 2018/01/01(月) 00:06:59
    ガチャ

    ドアが開く音に怯む。それ程に緊張していた事を気づかされる。

    「マヤさんいらっしゃいです」

    「お、お邪魔します……」

    先にドアを開けて電気を付けたところでイヴさんが招くので恐る恐る静かに入る。
    電気がついてなく、家の中が静かなあたり家族の人は寝ているのだろう。
    それか、初詣に出かけているのかもしれない。

    「イヴさんご家族の方は寝ているのですか?」

    「いえ家族は全員帰省しています」

    「えぇ!?」

    衝撃だった……まさかご家族の方々が帰省してるとは思わなかった。
    それより重要なのは今のこの家にはジブンとイヴさんの二人だけという事である。
    イヴさんは誰もいない家にジブンを呼んだという事実……そして姫始めという言葉……

    思考に色が付き始めた、白く綺麗な肌色が。

    パステルパレットの練習の際彼女に何度かハグをされる。
    初めは只管に驚きと恥ずかしさしかなかったが、暫くすると彼女のぬくもりや体つき、ちらりと覗かれる肌や下着に興奮を覚えるようになった。
    ジブン自身でよくないのは分かっていた。けれど彼女はとても魅力的で日に日に惹かれて行くの感じていた。
    下心が頭を支配するのを抑えながら振り絞るように話を切り出す。

    「イヴさん、姫始めというのはですね……」

    「マヤさん!取り敢えずご飯にしましょう!私お腹ペコペコです!」

    「あ、はいっ」
  4. 4 : : 2018/01/01(月) 00:07:26
    流されてしまった。でも昼の打ち上げから時間もたっている為、お腹もすいて来た
    急ぐ話でもないので後でゆっくり話せばいいだろう。

    「日本では大晦日はそばを食べると聞きました。だから今日の夜ご飯はおそばにします!」

    「いいですね、ジブンもやりますよ」

    台所に二人並ぶ、夫婦の様な雰囲気ににやけそうな顔を照れてるように誤魔化しながら料理を始める。
    イヴさんのエプロン姿は綺麗でとても似合ってる。
    前にお菓子教室がイヴさんのバイト先のつぐみさんの喫茶店であったみたいだが自分もそれに行けばイヴさんと料理できたのかなと悔やまれる……

    「マヤさんどうしました?」

    「あ、いえなんでもないです!」

    「台所でぼうっとするのは危ないですよ。残りは私がやりますからマヤさんは休んでてください」

    「い、いえいえ!ただイヴさんのエプロンをがあまりに似合っていたので……」

    「そんなことないです!マヤさんもとってもステキです!」

    「イヴさんのエプロン姿は本当綺麗で隣にいると見とれちゃうくらいに綺麗ですよ!」

    「――!」

    はっと振り返る。赤面のイヴさんと今までの発言、現状を再認識したことでジブンが何を言っていたのかを気づく。

    「……料理を続けましょうか」

    「はい……」

    顔を逸らして料理の続きを進める。

    食事までの会話は特に何もなくそばとてんぷらが出来上がった


  5. 5 : : 2018/01/01(月) 00:07:48
    「いただきます」

    二人で隣に座り今年最後の食事を始める。

    「てんぷら美味しいですね」

    「そうですね……かき揚げとかさくっとしたこの感じがたまらないです」

    先程のことを少し引きずりながらもなんとか会話を進める。
    テレビには年末特番がやっていて年の終わりを感じさせる。
    恥ずかしいけどこうしてイヴさんと二人で過ごす今はすごく幸せで、交す言葉は少なくとも悪い気はしない来年もこうして二人で過ごせたら……

    「来年の年越しもマヤさんと過ごしたいです」

    声に出てた!?いやそんな事はないイヴさんの事だからこんな言葉を零しただけだろう

    「そうですね来年は皆ですごしたいですね」

    また言ってしまった……ジブンの悪い癖なのだろう。いつかの時もイヴさんに対して気持ちを隠してしまった。

    「……」

  6. 6 : : 2018/01/01(月) 00:08:06
    ……急にイヴさん何か言いたげな表情を見せる。

    「マヤさん、今日する事覚えてますか」

    「あぁ、イヴさん……姫始めというのは……」

    自分から切り出そうとしたがこう降られたのでやや焦りながら姫始めについて説明する

    「私姫始めの事知ってますよ」

    「!?」

    突然の衝撃にそばが勢いよく喉元を通った。少し痛い。

    「どういう事ですか、それって」

    「私、マヤさんと姫始めしたいです」

    椅子から急に詰め寄られる

    「え、でもまだご飯の途中ですしごちそうさまも……」

    慌てて言葉がまとまらない中イヴさん口を塞がられる。

    およそ数十秒けれど体感は何十分のその空間は濃厚で唇が深く触れた後は目の焦点が合わず何も考えられなかった。顔が熱くて、頬が熱くて一番唇が熱い

    ぼうっとした視界の中イヴさんが白い肌色を真っ赤にして言う。

    「ごちそうさまです、そしていただきます。デザートはこれからです!」

    ベッドへと手を引かれ新年にして初めてという姫始めにふさわしい夜となった。

  7. 7 : : 2018/01/01(月) 00:09:11
    ~終わり~
  8. 8 : : 2018/01/01(月) 03:17:33
    新年から素晴らしいssありがとうございます!お疲れ様でした!

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