この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
おたまじゃくし
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- 1 : 2017/12/09(土) 19:02:06 :
- おたまじゃくしをあんまりよく見たことないです
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- 2 : 2017/12/09(土) 19:04:49 :
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雨に濡れた髪
雨に濡れた制服
それらを身にまとった京子は「なんだか最近忙しそう」と言った。
「両親が離婚したんだよ」
「父さんが浮気して」
スクールバッグからタオルを取り出そうとした彼女の手が止まる。
俺と京子の乗る電車のヘッドライトが、もうすぐそこで光っていた。
「電車、ギリギリだったな」
駅のホームに響くアナウンス。
それと、駅員の冷静な声。
『黄色い線までお下がりください』
傍らにいる京子を見ると、彼女は雨水を染み込ませるようにして髪にタオルを当てていた。
雫がポタリと京子の髪から滴り落ちたのと、それと同時に彼女は言った。
「カエル」
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- 3 : 2017/12/09(土) 21:30:41 :
”カエル”
と聞いて真っ先に俺が視界に捉えようとしたのは京子がスクバに付けているストラップだった。
「カエルってそれのこと?」
京子の誕生日にプレゼントしたカエルのストラップ。
何か買ってやる、と意気込んだ俺と京子の二人で入った雑貨店に売られていた、アマガエルをデフォルメ化したストラップ。
不機嫌な顔で俺を見つめていたソイツは、お世辞にも可愛いとは言い難いカエルだった。
今日もあの時と変わらない。
何がそんなに気に入らないのだろうか。
「違う、そこ」
京子がそう言ってハッとする。
「見て」
彼女が指差した先に見えたのは
ホームに到着しようとする電車の先頭と、線路に飛び込もうとするアマガエルだった。
「あ」という間にはもう、電車は俺と京子の前を通過し、アマガエルはどこかに消えていた。
電車が停車する時の、車輪と線路とが擦れ合う音がホームに響く。
あまりこの音は得意じゃない。
「死んだのかな」
と彼女は言った。
電車のドアが開き、その付近に降車したい人と乗車したい人が集まってホームが一気に騒がしくなる。
京子は乗るよ、と言って俺の前を歩き出す。
ふと彼女のスクバに目をやると
さっきまでただ不機嫌なだけに見えたストラップが、何かを訴えた気に俺を見ていた。
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- 4 : 2017/12/09(土) 21:34:13 :
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