因幡のよっちゃん
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- 1 : 2017/10/23(月) 18:12:50 :
- テスト
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- 2 : 2017/10/23(月) 18:52:10 :
- ■武装難民■
麻生副総理「警察か防衛出動か射殺か」
この問いかけ自体は大変大事、ただ防衛出動は適切ではない。海上警備行動か治安出動ならば分かる。
麻生副総理の武装難民に関する発言の問題点は
・防衛出動での対応は困難であり、治安出動か海上警備行動とすべき
・そもそも海流等の影響から、日本に難民が大挙してたどり着けるか分からない
という二点だと個人的に整理していて、それ以外のやりとりは雑音でしかない。
防衛出動というのは武力攻撃事態がトリガーなので、単なる難民がきた場合は、当たり前ながら武力攻撃とは認められない。その難民が武装していても同じ。また国内でテロが起きても、それが北朝鮮の兵士によるもの且つ国家の意思に基づいている/実質的関与が判明するまでは、武力攻撃とは認められない。
国家の関与が不明確なのが工作員による侵害の厄介な点で、一種のグレーゾーン事態ではある。
武装難民が国内でテロなんかをして、しかもそれが国家の意思に基づいていたり、あるいは国家の実質的関与があればそれは武力攻撃に当たり得るし、防衛出動も考慮し得る。ただし、武装難民が入ってきた段階ではそれは無理。だから第一義的には警察活動で対応する他ない。
だから「武装難民とはこんな意味合いだ、だから防衛出動が適切ではないとはいえない」というのは焦点がずれている。問題はそれが武力攻撃かどうか。
昨日の武装難民の話で、「防衛出動ができないと国民を見殺しにすることになる。憲法9条が悪い」という意見を多数頂戴しました。個々に対処するのは大変なのでまとめて言うと、治安出動でも武器は使用できます。(自衛隊法第89・90条)また、憲法9条は関係ありません。
防衛出動じゃなきゃ自衛隊も(時にはなぜか警察も)動けないと思ってる方々が結構いらっしゃるんだなと、頂いたリプ等を見ていて思った。治安出動とか海上警備行動ってそんなにマイナーなのかしら、あと警護出動とか。
武装難民の話で防衛出動や武力攻撃についてかなり勘違いをされている方が多いことが分かった。軍研9月号で書いた話がまさにどんぴしゃですが、武力攻撃というのは「我が国に対する(国または国に準ずる組織による)組織的計画的な武力の行使をいう」わけで、難民が武装しているかどうかではない。
仮に武装した難民がきたからといって、それはその時点では武力攻撃ではなく、彼らが国内で不法行為を働いても、一義的には警察力の範囲で対処する。彼らが軍人か工作員で、彼らの行動に「国国準の実質的関与や意図」がないと、武力攻撃とは認定し難い。
武力攻撃の発生やその発生が明白に切迫している武力攻撃事態が起きないと防衛出動はかからないので、武装難民だけでは自衛隊は防衛出動ではなく治安出動や海上警備行動など公共秩序維持の警察権での対応になる。また当然ながら、武器も使用できる(正当防衛等を除き指揮官の命による)。
一般の警察力では対処できないような場合に自衛隊が治安を維持すべく治安出動があるので、「武装難民が重武装ならばどうするのか」というのは、治安出動とか海上警備行動の話、防衛出動ではなくて。
防衛出動じゃなきゃ自衛隊も(時にはなぜか警察も)動けないと思ってる方々が結構いらっしゃるんだなと、頂いたリプ等を見ていて思った。治安出動とか海上警備行動ってそんなにマイナーなのかしら、あと警護出動とか。
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- 3 : 2017/10/23(月) 19:36:59 :
- ■重要影響事態■
重要影響事態法にしても、我が国周辺という地理的制限を取っ払ったとは言え中核となるのは日米同盟に基づいて行動している米軍・或いは我が国の平和に影響を及ぼす事態において、国連憲章の目的に基づく活動を行っている他国軍が支援対象なわけだから、現実的に考えれば地球の裏側はあり得ない
重要影響事態法のメインな目的は、たぶん周辺事態法だと支援対象が米軍限定で、朝鮮戦争再開時に国連軍への支援が出来ないからこれを是正しようということだろうなあ
国連軍の後方司令部は横田にあり、国連軍指定基地が日本に7つ置かれてるのに支援出来ないというのはさすがにおかしいし
■存立危機事態■
安保法制の集団的自衛権は違憲みたいな主張をされる際は、まずもっていわゆる「限定的な集団的自衛権」と「フルスペックな集団的自衛権」の違いをご理解されてからにしてください(ふんす)。安保法制の集団的自衛権≠反対派の考える集団的自衛権 ということは認識しておかないと話が噛み合わない。
本来なら「フルスペックな集団的自衛権」なんて言葉はかなり独特な言い回しだから使いたくないのだけど、安保法制の集団的自衛権というのは「存立危機事態」という独自の縛りを設けてかなり限定的な集団的自衛権の行使しかできないという話で、野党とかで未だによくご理解されてない方がいるけれど。
国際法上の集団的自衛権の要件は
①武力攻撃の発生
②被害国からの援助要請
③国連への報告
④必要性・均衡性
であって、存立危機事態なんていうのは従来の憲法解釈との整合性から生み出された日本の独自の概念。だから安保法制の集団的自衛権は限定的という至極分かりやすい話。
政府と一部野党等の主張が全く噛み合わないのは、一部野党等がこの辺りを(おそらく故意に)よく理解していないのが原因で、彼らが主張してるのは「フルスペックな集団的自衛権」の話で、日本の独自の集団的自衛権ではない。
つまり日本の集団的自衛権の行使の要件は
①武力攻撃の発生
②被害国からの援助要請
③存立危機事態の認定
④国連への報告
⑤必要性・均衡性
ということ。
存立危機事態→日本は集団的自衛権を行使して武力攻撃を受けている米艦等を防護できるようになる。
重要影響事態→日本は米軍等を後方支援できる。
という感じです
1・そもそも先制的自衛権は国際法上合法
2・存立危機事態は他国に対する武力攻撃であり、先制的自衛権とは全く異なる
>>武力攻撃が我が国に対して発生していないのに、例えば半島有事などで自衛権を行使して、最終的に国民の諸権利を守ることは先制自衛にあたり、これは国際法違反かも知れない(注釈で認める学説もありと記載)とされていました。
なるほど……
そもそも先制的自衛権とは、差し迫った武力攻撃の脅威を、その着手の段階(例えば目標を宣言した上でのミサイル起立)で攻撃することです。他方存立危機事態は、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生して、結果として我が国にも影響が及ぶ事態です。
ですので存立危機事態は集団的自衛権の要件に関する典型的な例であって、先制的自衛権とは話の立場が全く異なります。また先制的自衛権については、要件を満たせば基本的に合法とされています。もし仰られた通りの内容ならば、かなりズレた視点です
いわゆる集団的自衛権には3つの考えがあって、①個別的自衛権の共同行使 ②他国における自国の死活的利益の防衛 ③他国の利益の防衛 なんだけれど、日本の場合は「存立危機事態」の概念からも分かる通り、②の考えを採用しているようだ。
存立危機事態が先制的自衛権だという主張の根拠がよく分からないが、少なくともこの存立危機事態は、先述したように集団的自衛権の典型的な例であって、自国への差し迫った武力攻撃の脅威を着手の段階で攻撃する先制的自衛権とは、話が全く異なる。
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- 4 : 2017/10/23(月) 20:24:49 :
- ■グレーゾーン事態■
>尖閣沖 接続水域で中国当局の船13隻を確認 | NHKニュース
2016-08 の記事より。
今回中国側は数押しできてるし、これから同様の動きを続ける可能性が高い。もし漁船に工作員が乗り込み、それを今回のように海警が護衛してきたら海保では対応できない。
数押しで漁船を繰り出し、さらに海警がそれを取り囲む形で現れれば、海保では対処しきれず、尖閣諸島への上陸を許す可能性が高い。かといって急迫不正の侵害とも言えず自衛権は行使しがたい、まさしくグレーゾーン事態となる可能性もある。
政府としてはこれに対して海上警備行動も辞さないという強い態度を示す必要も検討すべきだ、でなければ海保の枠を超えた事態への即応は難しい
>海上警備行動だって言って自衛隊を出したら「軍が出てきた」の口実になりかねない故に、基本海保に任せないといけなそうなのがまた……。それともそれを承知して自衛隊を出すか、でも、その覚悟が日本にあるかどうか……。
それは国際社会に対して日本側の立場をいかに周知させておけるかにかかります、つまり対中のみならず国際社会に対する外交が問われます。覚悟を持ってもらわねば困りますが、あくまで最後の手段ですので。
グレーゾーン事態への対処、とくに離島が不法占拠されたなんて事態は、下手に自衛隊を動かして事態を拡大させると向こう側から事態をエスカレーションさせたと言われるし、かといって警察力では無理という事態となればやはり自衛隊に頼るしかない苦しみ。
SBUをグレーゾーン事態で出動させる場合、相手が船舶じゃ無くて単に島嶼部の作戦の場合は治安出動。海自だから海上警備行動というのは間違い。
グレーゾーン事態ってよく勘違いされるけど、厳密にはそんな事態はないのよね。つまり武装集団が島を占拠したとしても、その段階ではその武装集団の主体や意図がはっきりしないから防衛出動か治安出動かが分からないという話で事態が明らかになればどっちかハッキリするし、それまでがグレーゾーンと。
だから事態が明らかになってきて、これが我が国に対する組織的・計画的な攻撃へと発展すれば、その瞬間からグレーゾーン事態が終了して武力攻撃事態になって防衛出動がかかると。
グレーゾーン事態は要約すると「武力攻撃に至らない侵害」で、離島におけるグレーゾーンが1番注目されてるが、これは武装漁民など一見して国家主体による侵略か私人による犯罪行為かがハッキリしない事態だから、グレーゾーンとされる。空母いぶきの場合はなかなか難しい
空母いぶきの場合、侵害の主体は中国軍なんでそこはハッキリしてる。しかしこれが「我が国に対する組織的・計画的な武力の行使」かが判然としない、つまり中国軍の独断専行かもしれないというシナリオにしてるあたり、極めて面白い。
だからこれは何方かと言えばグレーゾーンはグレーゾーンでも「平時における米艦防護」に近い想定になってる。平時における米艦防護は、相手が国家主体であっても、その意図が不明でしかも誤射の可能性があるため、グレーゾーンにあたるとされてる。
グレーゾーン事態=離島防衛だけみたいなイメージの方もいるけど、防衛白書にあるグレーゾーン事態ってもっと広い概念だったりする。纏めると「国と国同士が領土・経済等の意見を異にする問題について、どちらか一方が武力攻撃に至らない範囲で現状変更を試みる、純然たる平時でも有事でもない事態。
グレーゾーン事態のキーワードは二つで
①主体が不明確
②意図が不明確
つまり、敵が国国準なのかテロリストなのか、またその意図はなんなのか。これが分からないなら武力攻撃と判断することができない。クリミアの事件なんてこの典型だったわけで。
つまり現在進行形では事態の中身がよく分からないから「グレーゾーン事態」という言葉を使うに過ぎず、事態が明るみになれば犯罪者集団による「組織的な犯罪」か、あるいは軍隊による「侵略」かのいずれかしかない。
日本におけるグレーゾーン事態と海外におけるGray Zone conflictって少し差異がある概念かもしれない。基本的な部分はもちろん同じなんだけど、後者の方が少し幅広い手段を想定している気がする。
日本におけるグレーゾーン事態って「純然たる平時とも有事とも言えない武力攻撃に至らない侵害」と換言できて、いわゆるGray Zone conflictも「平和と戦争の間のどこかにある概念」という感じだが、後者はその種類に外交的/経済的圧力や非/軍事的活動までも含むようだ。
島嶼部への侵害はGray Zone conflictとも相通ずるが、米艦に対する攻撃等は恐らくは被らない部分。
武器使用による米艦防護をグレーゾーン事態に入れるか入れないかはちょっと微妙。
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- 5 : 2017/10/23(月) 20:59:45 :
- グレーゾーン事態は「相手の主体と意図がハッキリしない侵害」で、グレーゾーンコンフリクトは「外交的・経済的圧力から戦争に至らない程度の軍事力行使までを含めた現状変更」とそれぞれ纏められる。だからグレーゾーンコンフリクトにグレーゾーン事態が含まれているというのが正しい。
>名無し整備兵
>これは尖閣周辺の漁船もそうですね。海上民兵であろうとなかろうと、入ってきた段階では判断できない。
>もっと言えば、「武力を行使したから」でもないんですよね。それが国家意思とは無関係に(そういう建前でも)個人が勝手にやったことならただのテロであって、一義的には警察(海保)のお仕事です。
>んでもって、もしある国が「本当にやる気」だったとしても、(成功していないなら)最初の段階では絶対否認するのは分かりきっていることなので、結局「最初(からしばらく)の対応」は警察(海保)がやらざるを得ないことになります。
全く同感です。相手の意図にせよ主体にせよ、日本が調べて確実な証拠を見つけるまでは、警察力による対応にならざるを得ないですし、個人的にはその警察力の部分を厚くしていくのが良いのだろうなと。
>そうなると、予算的には厳しいことになるのでしょうが…。海保にはうまくやって欲しいところです。
■武力攻撃事態■
我が国が自衛権を発動する要件に「武力攻撃の発生」があるが、これは我が国に対する武力攻撃が発生した場合ではなく、我が国に対する武力攻撃に着手した段階で武力攻撃と認められる、というのが政府の解釈だ。
つまり相手がミサイル発射を準備し、かつそれが我が国を攻撃することを目的としているのが明白ならば、それは武力攻撃に該当し、残り二つの個別的自衛権の発動要件(他に適当な手段がない・必要最小限度の実力行使)を満たせば、これを攻撃できる、つまり先制攻撃が可能となる。
敵が我が国にミサイルを発射したのが武力攻撃の着手ではないんですよね、敵が我が国を狙う意図を明らかにして準備を始めた段階が武力攻撃の着手という
武力攻撃の判定を政府が行うということですが、従来からの政府の立場からすると、
①ミサイルが発射された
②我が国を目標としているとしか考えれない
③敵の我が国を攻撃する意図が明白である
場合は、武力攻撃に認定されるだろうと思います。
さらに「武力攻撃が発生した」段階というのは、ミサイルが日本に落ちて来た段階ではなく、敵がミサイル発射を準備している段階(着手)で、この場合敵が我が国を狙っているという意図を明確に示していれば、武力攻撃が発生したという事になります。
朝鮮半島有事と安保法制の兼ね合い
・弾道ミサイル警戒中の米艦防護
→武力攻撃ならば「集団的自衛権」、散発的で主体や意図が不明なグレーゾーンならば「武器等防護のための武器使用」
・韓国での邦人保護
→韓国が安全を確保している地域で、韓国側の合意があれば防衛大臣の命令で可能。
集団的自衛権には要件があって
①武力攻撃を受け
②他国に救援要請をし
③他国がそれに応え
④事態の推移を国連に報告する
これを満たさないと集団的自衛権とは見なされない。だから現状北朝鮮に対する先制攻撃が集団的自衛権になることはない。
米軍基地にミサイルが落ちてくる場合、これが武力攻撃と見なされれば米軍は個別的自衛権で迎撃しますが、そう見なされない場合は正当防衛である「ユニットセルフディフェンス」という権利で迎撃するのだと思います。
武力攻撃と見なされるかは、攻撃の意図が明確かどうか、あるいは規模が大きいかどうかなどで判断されます。またユニットセルフディフェンスは、米軍部隊が武力攻撃と見なされない攻撃にさらされた場合に、隊員の生命を守るために部隊指揮官に与えられた権利・義務です。
また、米軍基地に落ちて来ないと判断された場合は、日本に対する武力攻撃と判断されれば集団的自衛権の行使で米軍が迎撃、ないし自衛隊が防衛出動により個別的自衛権で迎撃、あるいは武力攻撃と見なされなければ警察権の行使としての破壊措置命令で迎撃するはずです。
拙い解説で大変恐縮です。はい、日本に対する武力攻撃と判断されれば日米安保条約に基づく集団的自衛権の行使として米軍は迎撃可能です
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- 6 : 2017/10/23(月) 21:38:10 :
- ■武力攻撃事態 2■
実は非常に難しい内容です。米軍基地に対する弾道ミサイル攻撃には次のふた通りが考えられます。
①明らかに在日米軍基地・日本を狙ってミサイルが撃たれた
②ミサイルを撃たれたが、在日米軍基地や日本を狙ったか判然としない
①の場合、これは北朝鮮による日本への武力攻撃と判断できるので、日本は防衛出動による個別的自衛権の行使として、米軍も日米安保条約により日本を防衛する集団的自衛権の行使としてこのミサイルを迎撃できます。
しかし②の場合、北朝鮮の攻撃が突発的になされたりして北朝鮮の意図が不明確な場合、これを武力攻撃と認定するのは困難で、この場合は自衛権ではなく米軍の部隊指揮官が部下の生命を守る措置である「ユニットセルフディフェンス」を行使して迎撃すると思われます。
ユニットセルフディフェンスは米軍部隊に対する攻撃だが、米国に対する攻撃とは認定し難い「その場での交戦」において、部隊指揮官が部下の「正当防衛の権利」を集約して行使するものです。ですので米軍基地に対する突発的攻撃はこちらで説明可能かと思います。
また、米軍基地に落ちて来ないとしても、日本政府の要請でミサイルを迎撃出来るかについては、日本に対する武力攻撃と認定された場合には、大統領か国防長官の命令により日米安保条約に基づく集団的自衛権の行使としてミサイルを迎撃できます。
また日本も、北朝鮮のミサイルを迎撃する根拠は個別的自衛権だけではなく、警察権の行使である「破壊措置命令」というものが現在常時発令されています。これは武力攻撃と判断できない突発的なミサイル攻撃に対応するものです。
ちなみに今自衛隊に常時発令されている「破壊措置命令」というのは、北朝鮮がミサイルを発射しても突発的・散発的な発射の場合は、これが日本に対する武力攻撃とは認定できないので、自衛権ではなく警察権の行使に基づく正当防衛としてミサイルを迎撃するものです。なので、よく破壊措置命令を自衛権の行使と勘違いされる方がいますが、破壊措置命令は警察権の行使です。
日本て国際的に見ると「武力の行使と武器の使用の区別」とか「武力攻撃に至らない侵害への対処」に関しては世界的にもリードしてるのよね。特に安保法制の議論に関しては世界的にもかなり進んだものがあった。
だから米艦防護なんかについて「それプラクティスあるんですか?」と聞かれれば普通は「ありません」と答えるほかないのだけど、つまり日本がこの分野で色々やることがプラクティスになり得ることもある。
日本の集団的自衛権の行使の要件は
①武力攻撃の発生
②被害国からの援助要請
③存立危機事態の認定
④国連への報告
⑤必要性・均衡性
ということ。
なんか自衛隊は北朝鮮のミサイルを迎撃しろという声が聞かれたので、今発令中の破壊措置命令がどのような法律かを以前まとめたこちらを紹介しつつ、それが法律面からも装備面からも不可能という話を。
まず、北朝鮮のミサイルを自衛隊が迎撃できる場合は2通り。
1・ミサイル試験中になんらかの不具合で我が国に落下してきた場合
2・北朝鮮が我が国を明確に狙ってミサイルを発射してきた場合
1の場合、自衛隊法第82条の3に基づく「武器の使用」で対応する。2の場合は、自衛隊法第88条に基づく「武力の行使」で対応する。なぜ法律が異なるかといえば、1は日本を攻撃する意図が相手側にないと判断されるため、これを武力攻撃と認定できないため。2は明らかに武力攻撃となる。
それで、現在北朝鮮は日本の領域にミサイルを落としてはおらず、また人命財産等に被害が出ていない。破壊措置命令は人命財産の被害を防ぐのが目的であり、公海上に落ちるミサイルを落とすことは自衛隊は法律上出来ない。
また、自衛隊は現在イージス艦にSM-3ブロック1Aを搭載しているが、通常の軌道を描く弾道ミサイルならばいざ知らず、現在北朝鮮は長射程のミサイルを高く打ち上げるロフテッド軌道で試験している。これでは到達高度が高すぎてSM-3の最高高度(約500km)をはるかに上回り、迎撃は困難だ。
破壊措置命令というのは分かりやすく言えば「北朝鮮が明確に日本を狙ったとは思えない状況で不意にミサイルが日本に落ちてきた場合の対処法」で、北朝鮮による武力攻撃がない場合(平時)のミサイル迎撃の根拠法。あとは防衛出動に要するタイムラグをスキップする策でもある。
日本の武力攻撃の考えというのは、我が国を狙っていると表明した上でミサイル発射が準備されている段階を、武力攻撃への「着手」とみなして、これを自衛権の行使のラインの1つとみなしている。しかし、単なるミサイル発射準備では意図が不明確で、おそれはあるものの武力攻撃とは認定されない。
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- 7 : 2017/10/23(月) 22:07:33 :
- ■武力攻撃事態 3■
「おそれ」の段階では先制攻撃(おそらくは予防的自衛というより先回り自衛)にあたるので、この段階では攻撃できないというのが日本政府の解釈。
ちょうど防衛出動という単語が出たから書くけれど、防衛出動って「防衛出動≠武力の行使」だという点を認識されていない方がたまにおられるよぬ。防衛出動は「武力攻撃事態」でかかり、これには武力攻撃の発生に加えて武力攻撃が切迫している事態も含まれるから、この場合は武力の行使はまだ出来ない。
>防衛出動=武器を持って出動
武力行使=武器をぶっ放す
防衛出動して一発も撃たずに終了≠武力行使
という理解でOKですかね
仰る通りです。
>「ロンドンはロサンゼルスより北朝鮮に近い」とのロジックで英軍が有事の米軍支援を準備中、との報道。かつてのフォークランド紛争で遠方へ派兵した教訓から、先回りして展開する可能性も。
似たような話ではないですが、NATO条約第5条に基づき、米国が北朝鮮から武力攻撃を受けた場合にNATO加盟国が北朝鮮に対処するのか?という話もたまに聞かれますよね。
NATO事務総長の北朝鮮に関する話を取り上げていただけましたが、NATOがどのような対応をとるかについては、まずカナダや米国に対する武力攻撃に対して北大西洋条約第5条に基づく集団的自衛権の行使が許可されます。実際に2001年の米同時多発テロに対して、第5条が適用されました。
アフガン攻撃の際には、NATOはアフガンに派遣されるために手薄になる米本土のAWACS戦力を鑑みた米本土へのAWACS派遣、中東へのNATO常設艦隊派遣、さらに個々の国ではアフガンに特殊部隊を派遣した例もあります。北朝鮮に対してもこのような措置に近いものがとられるのではないでしょうか
■防衛出動■
なんか自衛隊は武力の行使が出来ないのを安倍政権で覆そうとしてるみたいな珍説を耳にしたが、現状でも防衛出動なら武力の行使が認められてるんだよなあ
以下・武力攻撃事態法
ただし、同号に掲げる防衛出動を命ずる旨の記載は、特に緊急の必要があり事前に国会の承認を得るいとまがない場合でなければ、することができない。
安保法案は戦争法案だ!というなら防衛出動を定めた自衛隊法はなんなんすかね
何度も言うけども安保法案が戦争法案ならじゃあ防衛出動を定めた自衛隊法はなんなんすかね
自衛隊法第76条の『防衛出動』です。ただし、これを行う場合には、内閣総理大臣は国会で承認を得なければなりません。もし国会で承認を得られない場合は、ただひたすらゴジラの行動をウォッチするだけです」
これは明らかな間違い
確かに防衛出動は原則国会承認が必要だが、それを得る暇がない場合は事後承認でもいける。そんなことも知らない統幕勤務経験のある1佐とはまた……笑えないよ
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- 8 : 2017/10/23(月) 22:29:15 :
- ■機雷掃海■
機雷掃海ならば中東よりも寧ろ朝鮮戦争再開における半島有事での機雷掃海の方が自衛隊としては可能性が高い気はする。
米海軍も半島有事の際の機雷掃海は自衛隊が頼りだと言っているわけだし
自衛隊の能力で突出しているのは空自による領空防衛能力・海自による対潜戦・潜水艦戦能力と機雷掃海能力
逆にそれ以外は平均的かそれ以下の能力しかない
とくに戦力投射能力は皆無に近い
LCSの主要なミッションであるはずの機雷掃海に使う無人掃海器具が全くモノにならないというのはちょっと……
武装は貧弱で機雷掃海も出来ないが速度だけ出る沿海域向けの艦ねぇ……
たしか去年のリムパックでは特殊部隊の海上拠点としてヘリ運用重視でいくんやみたいな運用方針が固まったらしいが、それLCSでやる必要あるのかいなていう
派兵できないんだよなあ、他国領域での武力行使は原則できないって安保法制の議論で散々出たでしょうに
超例外として機雷掃海の話があったが侵略とかの類ではない
朝鮮戦争再開時とか米中衝突時の日本による当該地域での機雷掃海について、ゼミの国際法の教授と思いの外話が盛り上がったけれど、あれはなかなか難しい立ち位置になりそうな想定になりそうである
朝鮮戦争再開時とか米中衝突時の日本による当該地域での機雷掃海について、ゼミの国際法の教授と思いの外話が盛り上がったけれど、あれはなかなか難しい立ち位置になりそうな想定になりそうである
・朝鮮半島周辺の機雷掃海
→機雷を掃海しなければ我が国の存立が脅かされると判断された場合のみ、停戦前でも集団的自衛権の行使として例外的に可能。
安保法制が半島有事を意識した可能性が高いという話はとある筋から聞き及んだけど、この機雷掃海なんてホルムズ海峡を例としてとりあげこそすれ実際は半島有事なんだろうなあというのをひしひし感じるところがある。ただホルムズ海峡の例に与野党が固執したから話がややこしくなったけど
安保法制って何を目的にしていたかって、結局は朝鮮半島有事な訳で。例えばホルムズ海峡の例を持ち出したせいで話がこじれた機雷掃海だって、おそらくあれは朝鮮半島周辺の話も気にしていた感がある
ただ個人的には、機雷掃海艇を多目的艦に近い形で運用したいとなったときに、掃海ヘリをセットで運用できたりミッション区画をとれたりするトリマラン式は有用に思えますが、ミサイル艇とくっつける必要があるのかなという気は覚えました。
あと安保法制で散々もめた集団的自衛権による機雷掃海の話、あれはもう論理破綻しておくびにも出せない状況というのは知られていない気もする。どう論理破綻したかはいつか書ける場所があれば詳しく書きたいが。
機雷掃海の法的問題として、オイルプラットホーム事件を見ればわかる通りそもそも触雷しただけでは自衛権を行使できない。明確にその国の軍艦を狙って機雷を敷設したなら別だが、その立証は難しい。集団的自衛権ならば武力攻撃の発生と援助要請が必要になるが、機雷掃海ではこれがネックとだけ
日本とインドは、来年の日米印共同で行うマラバール演習のさらなる内容の強化や、対潜哨戒機の連携強化や機雷掃海訓練の実施など、中国の海洋進出を念頭に置いた安全保障面での連携強化で合意した。また来年には、小野寺防衛相が訪印する
昨日だか、朝鮮半島有事に関しては日本は当事者ではない的な趣旨の発言も見られたけど、そもそも国連軍の後方司令部と作戦基地があって、場合によっては存立危機事態にも該当し得るわけで、それはかなり言い過ぎではと思った。海自による機雷掃海なんかも話としては出てくるわけで
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- 9 : 2017/10/23(月) 22:33:24 :
- ■在外邦人■
平成28年度在外邦人等保護措置訓練について
今年もこれが行われる季節かぁ、去年はブッシュマスター等による輸送がメインだったが、今年は暴徒対処やバリケード対処があるらしい。在外邦人等保護では武器の使用も可能だが、そこまではないだろう
ちなみに邦人保護措置は後者の「任務遂行型武器使用」、つまり邦人保護という任務を遂行するにあたり、指定された部隊のみがこの任にあたりつつ武器を使用できる。これは駆け付け警護やグレーゾーン事態の米艦防護でも同じ
在外邦人等の「生命若しくは身体の防護又はその職務を妨害する行為の排除のためやむを得ない必要があると認める相当の理由があるとき」(自衛隊法第94条の5)は武器が使えるという、いわゆる任務遂行型武器使用が可能。
今年の在外邦人等保護措置訓練は先の邦人救出訓練とあまり変わらない内容になるのでは、これにブッシュマスターが加わる感じで暴徒対処なら武器使用を想定した展示は多分しない、というか国内事情で見せられない部分だろうし
朝鮮半島有事と安保法制の兼ね合い
・弾道ミサイル警戒中の米艦防護
→武力攻撃ならば「集団的自衛権」、散発的で主体や意図が不明なグレーゾーンならば「武器等防護のための武器使用」
・韓国での邦人保護
→韓国が安全を確保している地域で、韓国側の合意があれば防衛大臣の命令で可能。
邦人保護には当事国政府の同意が必要だから、朝鮮半島ならば韓国政府の同意が要る。これは自衛隊という事実上の軍隊が他国に越境するわけだから、当たり前の規定。また、戦闘行為がない場所でというのは憲法上の問題を回避するための規定。
□半島情勢で注目 邦人保護措置とは□
https://ameblo.jp/j260434d/entry-12265123021.html
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- 10 : 2017/10/23(月) 23:03:58 :
- ■米艦防護■
私は今回の集団的自衛権容認で一番の収穫は米艦防護が出来るようになった点で、これは再三現場から要請があり、実際米艦防護が出来ずにちょっとした問題が起きましたから
個別の事例を挙げれば米艦防護は集団的がないとできませんし、一番問題なのは個別的を拡大解釈してなんでも個別的でやってしまうことなんですよね
集団的自衛権議論の中のいわゆる米艦防護について反対派は「米艦を攻撃する国などない」と主張する。
これについては反論する価値もないいちゃもんに過ぎないので無視するとして、自衛艦が米艦を防護する状況とはどのようなもであろうか。また防護するのは米艦だけに留まるのか(続く)
米艦防護については過去様々な答弁が繰り広げられたが、まとめると「自衛艦が米艦を専ら防護することはないが、我が国への武力攻撃下において活動する米艦は防護できる」という感じだろうか。しかし問題は我が国への武力攻撃に至っていない段階での米艦防護だ。
2009年4月に北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えて北海道沖合いの公海上に展開した米海軍イージス艦に対してロシアの偵察機が接近を繰り返した。
これに対して横田の米軍司令部から防衛省に追い払って欲しい旨の要請が来たが、集団的自衛権にあたると決断にはなかなか踏み切れなかった。
結果約1時間後に苦し紛れの対領空侵犯措置という形で旭川の空自F-15にたいしてスクランブルがかかったが、しびれを切らした米軍は三沢からF-16を発進させていた。
さて、米艦防護を情報共有という観点から見てみるとまた違った背景が見えてくる。
弾道ミサイル警戒中の米艦と自衛艦がCEC・NIFC-CA・EoR・LoRによって巡航ミサイルや弾道ミサイルを迎撃することになる日はそう遠くはないと思う、しかしこれには集団的自衛権が密接に絡んでくることになる。
こういった現実論を国会論戦では期待したい。
報ステでは国会承認を得る暇があるに決まってるだろということを言うが、米艦防護やミサイル防衛でそんな暇あるわけないんだよなあ。野党も例外なき国会承認をと熱弁を振るうが、BMD任務や米艦防護をやらなければならないとなったときにいちいち国会承認なんかできるわけないだろ……
米艦防護というと対空戦闘ばかり注目されるが、米軍にとって海自の対艦ミサイル戦力もかなり心強いだろうなあ
米艦は近年対艦ミサイルを艦載してないから
米艦防護は現在我が国に対して実際に攻撃が加えられた際には個別的自衛権に含まれて対応可能とされているが、もともとどういうニュアンスで説明されたかというと、我が国有事にあって米軍を攻撃する敵は我が国にとっても敵なのでその敵を攻撃したら結果的に米艦防護になるという感じ
すごい回りくどい
いわゆる今回の安保法制での集団的自衛権の話は北朝鮮からの弾道ミサイル防衛とそれに付随する米艦防護の話がほぼメイン
ユニットセルフディフェンス」についてゼミの先生とお話したのだけど、なかなか興味深い話になった
個人的には米艦防護の良い例になるかなと思っていたら、外務省はもうこの単語を使用厳禁にしてるとか
ユニットの意味的に海自の指揮下に米海軍が入っていないといけないらしく、これは問題だと。
とりあえず米艦防護なんて非現実的論者は、なぜ海自があきづき型を作り米海軍がMMSPを開発したのかを考えよう
南シナ海での米艦防護はあまり現実味がない。やるとすればいわゆる重要影響事態だが、この場合相手は中国という「国または国に準ずる組織」だし、ましてや武力行使の一体化を防ぐロジックとして「現に戦闘が行われている場所」では実施できない
ユニットセルフディフェンスをゼミ発表でやるのだけど、国内での議論が少なすぎてなかなか……
ユニットセルフディフェンスは国際法上
①国家的自衛
②個人の正当防衛の集合
③部隊固有の正当防衛
にあたるという3つの学説が存在してるが、我が国の場合は②・③のいずれかにあたる(①は集団的自衛権の説明と齟齬を生じるため)
ニットセルフディフェンスの「ユニット」という単語も曲者で、例えばオランダのROEの場合ユニットはその場に居合わせた部隊限定で、後から駆け付けてきた部隊はユニットに含まれないという。そこで我が国の場合、米艦防護のような場面はどうなるか
陸上のユニットならば地理的条件に制限を設けやすい、しかし海上のユニットの場合CECのようなデータリンクで繋がったアセット同士をユニットとすると、地理的条件による制限は設けにくい
もし仮に、平時の米艦防護をユニットセルフディフェンスで説明する場合、どこからどこまでがユニットなのかが個別の事例で大きく異なってくる
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- 11 : 2017/10/23(月) 23:17:48 :
- ■米艦防護 2■
正直な話、ユニットセルフディフェンスで米艦防護を説明する場合、NIFC-CAを絡めないと色々と厄介なんですよね……
NIFC-CAで連接されたアセット同士ならば、ユニットセルフディフェンスにおいて重要なユニット性が一応説明できるというのが1番のポイントだと個人的には思っています
その点は過去の国会論戦でも集団的自衛権と絡めて説明されていましたね、しかもグレーゾーンでの米艦防護の場合ではさらにその同一性が求めらますし、NIFC-CAは極めて重要だと思います
平時における米艦防護はグレーゾーンに分類されてるけれど、あれは要は奇襲攻撃を受けたけどこれが武力攻撃かハッキリしないから自衛権で対処するわけにいかないんで武器等防護規定を持ってきてるという。
だから事態が明らかになってきて、これが我が国に対する組織的・計画的な攻撃へと発展すれば、その瞬間からグレーゾーン事態が終了して武力攻撃事態になって防衛出動がかかると
ここで一番の問題点、というか誰かここに触れたかすら怪しいけど、たとえば平時の米艦防護で日米のイージス艦がCECによりリンクされていて、米艦に対する攻撃を日本のイージス艦が捉えた場合、米艦側がこのデータに基づいて迎撃した場合の話
集団的自衛権の話で、たとえばフジテレビの能勢伸之解説員の著書「東アジアの軍事情勢はこれからどうなるのか」などでは詳しく触れられたけど、これはあくまで米艦防護を武力行使で行う際の話
グレーゾーンでは先述の通り武器使用での対処となる
じゃあ平時において、CEC経由で海自のイージス艦から送られたミサイルの情報をもとに、米艦が迎撃した場合には、この海自から米艦への情報提供は法的にはどう解釈されるのかという
これをものすごく広範な解釈として、ユニットセルフディフェンスの一環として説明できるかは分からない、つまり情報提供が武器使用と同等なのか、あるいは米艦からの防護要請があって情報を提供したのかなどきわめてややこしい
先述の能勢解説員著書「東アジアの軍事情勢はこれからどうなるのか」では、集団的自衛権とデータリンクの関係の考察にとどまっているけど、グレーゾーンにおいてデータリンクがどんな扱いを受けるのかは我が国ではまだまだ未開拓な分野な気もする
安保法制で定められた外国軍隊への武器等防護規定拡大、政府の説明だと重要影響事態でも適用できるらしいんだけど...
適用要件の一つである「我が国の防衛に資する活動に現に従事している部隊」という点を考えると、重要影響事態って難しくないかしら
一つは、重要影響事態が起こっている地域に武力の行使を前提に展開している外国軍隊、そしてもう一つは、我が国に飛んでくるかもしれない弾道ミサイル等を公海上で警戒している外国軍隊
仮に武器等防護規定を用いるならば、後者の場合しかありえない
前者の場合、重要影響事態に際して自衛隊が実施する後方支援は可能だが、後方支援を受けている米艦艇は当該地域での武力の行使を前提に展開した部隊の可能性が高い(但し現に戦闘は行われていない)
つまり空母打撃群や両用即応群であり、重要影響事態に際して戦闘に参加することが当たり前に想定される部隊だ。これらを武器等防護規定により自衛隊が防護することは極めて難しく不可能に近い、なぜなら先述の通り彼らは我が国の防衛に資する活動はしていないためだ
そこでもう一つのパターン、重要影響事態に際して公海上で弾道ミサイル等を警戒している外国軍隊はどうだろうか
彼らは我が国に飛来するかもしれない弾道ミサイル等を警戒し、かつ海自とも連携していることが想定される
我が国を防衛する活動に現に従事していると当然考えられ、かつユニットセルフディフェンスの考えに照らした場合のユニット性も、海自との連携による説明できる。つまり重要影響事態でも米艦防護は可能だが、極めて限定的な場合に限られると解すべき
米艦防護についてもう一点、武器等防護規定による米艦防護と集団的自衛権の行使による米艦防護は全然意味合いが違うので、あの野党の批判はあたらない
米艦防護みたいな事例が実際にあるか?というと実は米海軍は色々想定した訓練をしている
たとえば昨年末にイギリス沖で米海軍は駆逐艦ロスが弾道ミサイル標的を迎撃する一方、接近した巡航ミサイル標的を駆逐艦ザ・サリヴァンズで迎撃するという演習を実施している、これを米海軍はIAMDと呼称した
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- 12 : 2017/10/23(月) 23:31:06 :
- 米艦防護についても、我が国への武力攻撃後ならば個別的自衛権に分類され、NIFC-CAにせよ例外ではない
エアシーバトル(現在はJAM-GC)における敵からの奇襲的弾道ミサイル・巡航ミサイル攻撃防衛にも、米軍に加えて自衛隊も加わることになる
>米駆逐艦メイソンに対してイエメン方向からミサイル攻撃、ミサイルは海に落ちて命中せず
安保法制で政府がグレーゾーン事態として分類した平時の米艦防護って、まさしくこんな事態な訳ですよ
安保法制では電話閣議で海上警備行動の確認が取れる態勢にしましたし、即座に繋がらない閣僚は事後承認という形にしております
海自によるインド洋での補給活動にイージス艦が参加した理由に、日本がシーレーンを断固として守るという意志を海外に示すためというのと、もう一つアメリカのディエゴガルシアにある基地を守るためという側面があったらしい。ちなみにこれは米側が頼んだのではなく日本側が何となく察したかららしい
>イージス艦が「日米同盟」の象徴的艦艇ってのも有りますが。インド洋派遣が当初「護衛隊群司令」が指揮官で必然的に群司令部を乗せますんで、それらの幕僚スタッフを無理なく収容し指揮通信が出来るのはDDHかイージス艦だけだったので(続)
>そのため艦艇のローテーにイージス艦を加えることでヤリクリを容易にする面が有ります。後に指揮官を隊司令にランクを落としたのでDDの単艦にまで減りましたが……
安保法制議論は米艦防護ばっかりとりあげるもんだから誤解があるが、あれ正しくは合衆国軍隊「等」防護だから、もちろん韓国海軍なんかのアセット防護も視野に入れてるのよね
武器使用によるアセット防護と集団的自衛権はごっちゃにされやすいので整理すると、外見上はたしかに似通っているが武器使用は平時における「武力攻撃に至らない侵害」への対処であり、集団的自衛権は武力攻撃に対する対処。
よく勘違いされがちだが、平時の米艦防護は集団的自衛権の行使ではなく武器の使用なので、相手は基本非国家主体。
ちなみに、平時からの米艦防護で想定される相手は「テロリスト」である、冗談みたいだが本当の話。日本海にテロリストなんかいるかよ。ただ、本当の目的は北朝鮮なんかが「奇襲的・突発的」に米艦を攻撃してきた事態への対処、つまり国相手だが武力攻撃に当たらない侵害への対処というわけだ。
平時からの米艦防護について注意しなければならないのは、誰でも米艦を護れるわけではない点。
これは任務遂行の為の武器使用だから、予め任務を付与された部隊なんかでないといけない。これ実は駆け付け警護と同じ。
ちなみに、政府がこの米艦防護についてなかなか渋ってたのは、多分この米艦防護の国際法上の根拠が明確には見いだせなかったからというのも一因なんだと思う。実際政府は当初ユニットセルフディフェンスという概念を持ち出したが、これが実は曲者だった。結論から言えば、政府は説明を諦めた。
>これが有事で尚且つ存立危機事態が認定されれば、集団的自衛権の行使として自衛隊は行動できるのでしょうか?
有事ならば自衛権です、ですので政府は平時から使える概念を求めたのです。
政府が平時からの米艦防護について、国際法上の根拠として持ち出してきたのがユニットセルフディフェンスだった
ユニットセルフディフェンス(以下USD)とは「部隊に対する外部からの侵害に対し、部隊の防衛のために必要な措置をとること」(第186回国会 岸田外務大臣答弁)しかしこれが曲者だった。
そもそも安保法制議論当時、日本ではUSDなどという単語は全く知られていなかったし、今でもそれは大して変わらない。そんな中で政府は、おそらく外務省などを通してこの概念を輸入してきた。(ちなみに国会にこの単語を最初に持ち込んだのは、知る限りだと佐藤正久議員だった)
政府は平時から米艦防護を実施すべく、集団的自衛権とは別の概念を必要としていた。集団的自衛権は相手からの武力攻撃を要件とする、しかし平時の突発的な攻撃は、武力攻撃の認定が難しい。そこで集団的自衛権では対処できない事態に対する新たな概念が必要となった、それがUSD
USDを政府は「他国部隊を、自衛権とは別に防護可能な概念」程度に認識していたことだろう、つまりまさにうってつけの概念だと。幸か不幸か、日本では全く未知の概念であったため、与党協議会でこれが説明されると、あの石破茂氏ですらびっくりという反応であった
一方USDについて、国際的には三つの考え方がある。
一つ目は、単なる自衛権である。二つ目は、部隊の隊員が有する正当防衛の権利を、部隊単位で行使するものである。三つ目は、部隊が有する固有の権利である。
実質二つ目と三つ目は、正当防衛の権利が根幹であり、あまり違いはない。
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- 13 : 2017/10/23(月) 23:39:58 :
- ■米艦防護 4■
政府がなにより興味を示したのは、イタリアのサンレモにある人道法国際研究所が編纂した「サンレモROEハンドブック」の、「適用できるROEによる許可された場合には、他国の部隊や個人にも適用し得る」という部分だったと推察される、これぞまさしく探し求めていたものだと。これが落とし穴だった。
政府は平時からの米艦防護について、もともとあった自衛隊法第95条「武器等防護のための武器使用」に「合衆国軍隊等の武器等防護」規定を追加することで法整備を実施した。問題は、これが任務遂行型武器使用であったことだ。任務遂行型武器使用は、予め受けた任務を遂行するために武器を使用するもの。
そもそもユニットセルフディフェンスは政府の考えでは正当防衛の権利、日本語的には「自己保存型武器使用」となる。対して米艦防護は「任務遂行型武器使用」である、つまり辻褄が合わなくなることに政府、特に外務省が気づいた。実際ここを突く論文も発表されている。
自己保存型は、あくまで自己が攻撃を受けた際の極めて受動的な武器使用である。対して任務遂行型は、自己が攻撃を受けていなくとも、そこに駆けつけることも可能な武器使用である。この両概念の差が、政府のUSDに対する認識を改めさせた。
政府はUSDという単語を用いず、新たに米艦防護を「国際慣習法上の権利」として説明した。しかしその根拠を求められた際の政府の説明は、先述したサンレモROEハンドブックに依拠する形をとっており、政府は詳しい説明を避けざるを得ない。しかし幸運にも、野党は違憲論争にシフトしてしまった。
野党の下らない違憲論争シフトにより、安保法制最大の目的と言ってもあまり過言はないであろう韓国防衛についても、やはり議論は全くなされなかった。マスコミが用いる「米艦防護」という単語は事実の一面のみを照らしているに過ぎない、実際には「米艦等防護」である、米艦のみが対象なのではない
安保法制は、周辺事態法以来日本が直面した朝鮮半島有事を特に意識したものであり、平成日本の総決算的な法整備であった。真新しいものはほぼ無いとも言える。
言うなれば、日本がずっと抱えていた宿題をやっと片付けたに過ぎない。
平時からの米艦防護は平時から有事の間を埋めるものだと思ってる。最初は武器等防護で対処しつつ、さすがに武力攻撃と認めざるを得ない場合になったら集団的自衛権にスイッチする感じで。
個人的に気になるのは、米艦防護について集団的自衛権ではなく、米艦防護の為の武器使用の話が出てる点。
つまり集団的自衛権を行使する要件が満たされてない、武力攻撃が生起していない段階での想定もやると。
これについては前から言ってるが国際法上なかなかアクロバティックなやり方をしてる。
武器使用による米艦防護は
・米側から要請がある
・他に適当な手段がない
・防衛大臣が必要性を認めた場合
・正当防衛または緊急避難の場合以外は人に危害を加えてはならない
・敵が攻撃をやめたり米艦が破壊された場合は、直ちに武器使用を止めねばならない
という厳しい要件がある。
一応国際法的、ないし国内法的には先進的なやり方ではありますね、米艦防護は以前より格段にはっきり行えるようになったというのが正しい見方かと思います。
>昔は、武器使用要件は正当防衛及び緊急避難でしたからね…
指揮官が迷わず判断できるようになった事は良い事です。
しかしながら、因幡様のブログによるとまだまだ問題があるのでは?
これは日本固有というより、世界的に見ても今議論されてる最先端の分野なので、日本が先行してる面もあります。USDもそうですがグレーゾーン固有の対象の不明確さを考えると、安保法制の米艦防護はなかなか良かったとは思います。USDについては、政府は使用を諦めました
>USDの概念は、自衛権や指揮権などの問題で憲法に抵触する可能性が極めて高いのですね。政府が部隊防護を法制化を諦めた理由が良く分かりました。
もう一点、政府がUSDを諦めた理由は、USDは正当防衛(自己保存型)に基づくというのがだいたいの解釈なんですが、武器等防護は正当防衛ではなくて任務遂行型武器使用で、両者は法的に全く別物だった、というのが大きいですね。
USDは部隊構成員が個々人で持ってる自然権的な権利(正当防衛)を指揮官がまとめて行使する、ないし部隊固有の権利として正当防衛のような権利があり、それを指揮官が行使する、と考えられているんです。ただ学説は纏まってはいないのですが。
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- 14 : 2017/10/23(月) 23:51:18 :
- ■米艦防護 5■
民主党議員が「米艦防護は世界中いつでもできるように安保法制でなってしまった」とか言っていたが、これ森本敏氏も指摘された通り全くの間違いで、「我が国の防衛に資する活動に現に従事する米軍等」にしか米艦防護は出来ない
でしかもこれを含めて辻元議員の間違いを森本敏氏が指摘すると、辻元議員は「だといいんですけどね」と。だといいんですけどねじゃなくて全く間違っている主張をされているのに、そんな自覚すらないのね
朝鮮半島有事と安保法制の兼ね合い
・弾道ミサイル警戒中の米艦防護
→武力攻撃ならば「集団的自衛権」、散発的で主体や意図が不明なグレーゾーンならば「武器等防護のための武器使用」
・韓国での邦人保護
→韓国が安全を確保している地域で、韓国側の合意があれば防衛大臣の命令で可能。
・朝鮮半島周辺の機雷掃海
→機雷を掃海しなければ我が国の存立が脅かされると判断された場合のみ、停戦前でも集団的自衛権の行使として例外的に可能。
・重要影響事態に際して行われる対応措置(後方支援活動等)
→「現に戦闘行為が行われている現場」以外の場所において後方支援等を実施可能
自衛隊関連で覚えておくと便利なのは
「自己保存型武器使用」→たとえ相手が国・国準でも武器を使用できる、いわゆる「正当防衛」。
「任務遂行型武器使用」→正当防衛の範囲を逸脱するため、憲法上の制約から相手が国・国準以外(テロリスト等)でしか武器を使用できない。
ちなみに邦人保護措置は後者の「任務遂行型武器使用」、つまり邦人保護という任務を遂行するにあたり、指定された部隊のみがこの任にあたりつつ武器を使用できる。これは駆け付け警護やグレーゾーン事態の米艦防護でも同じ。
あと「現に戦闘行為が起きていない」というのは、国・国準同士が撃ちあったり物を壊しあったりしていないという意味なので、たとえ相手が戦車を持ち出そうがそれがテロリスト等ならば戦闘行為とはいえない。
武器等防護のための武器使用は「集団的自衛権の行使」による米艦防護ではなくて、「警察権の行使」による米艦防護。つまり相手がテロリストとか「国または国に準ずる組織」を対象としている。だからいわゆる「グレーゾーン事態」対処。
武器使用による米艦防護はまだまだ国内での知名度が低い内容ですので、これを機に知名度がグッと上がることを願っています。これはそれだけ重要な規定です。
つまり
平時〜グレーゾンにかけての米艦防護・武器等防護のための武器使用
有事・個別的又は集団的自衛権の行使
という感じで、まさに切れ目のない対応を可能にしたのが平和安全法制における米艦防護規定です。
実はこの武器等防護のための武器使用による米艦防護を新設した理由の1つに、現場の自衛官の負担を減らすということが挙げられます。実は安保法制以前の米艦の論理というのは、「自衛隊が専ら米艦を守ることはしないが、自身を守ろうとした結果米艦も守れた」というものでした。
つまり自衛隊が自身を防護するために飛んできたミサイルを撃ち落とした結果、米艦も守れてしまったということはあり得るという認識だったわけです。これはあまりにも現場に責任を押し付けすぎだという観点も含めて、今回安保法制で武器使用による米艦防護を可能にしたわけです。
政府は米艦防護を「ユニットセルフディフェンス」という考えで説明しようとしました。ユニットセルフディフェンスは部隊指揮官が部下の持つ正当防衛の権利を集約し、武力攻撃に至らない侵害に際して指揮官の命令により正当防衛の権利を行使するというものです。
実はこれは米軍などのROEにも書かれている概念ですが、日本では全く知られていませんでした。なぜ米艦防護にこれが注目されたかというと、実はユニットセルフは他国軍部隊にまで拡大し得るという考えが米国などであり、これならば米艦防護もできるだろうと考えたわけです。
しかし政府は米艦防護を「防衛力低下を防ぐために装備品を守る」内容の自衛隊法第95条で整備しました。つまり国内法的には「防衛力低下を防ぐ」という目的に対してユニットセルフディフェンスは「隊員の生命を守る」という風に目的がズレてしまいました。
さらにユニットセルフディフェンスは「部隊指揮官の権利」です。これでいくと米軍は「自衛隊の指揮下」にあることになってしまいます。つまりこれでは砂川判決に照らして米軍は憲法違反の存在になってしまうわけです。そこで政府は慌てて説明を転換し、「国際慣習法上の権利」と修正しました。
つまりこの武器等防護のための武器使用による米艦防護は、国際法上最新鋭の考え方と捉えられます。つまり、今後の国家実行の積み重ねを日本が始めることになるわけです。
-
- 15 : 2017/10/24(火) 00:01:35 :
- ■米艦防護 6■
従来の自衛隊による米艦防護の論理はどうだったかというと
・自衛隊が米艦艇を防護することはない
・しかしながら、自衛隊が自身を守る過程で「結果的に」防護してしまうことはあり得る
という、つまり現場への負担が極めて大きく、また不明瞭な論理でした。
今回安保法制においてこの米艦防護はあまり細かく注目されていませんでしたが、実は自衛隊の現場の負担を減らす重要な法整備でした。
安保法制で「米艦防護」と言われるけどある意味これは正しくなくて、正しくは「合衆国軍隊等防護」。何が言いたいかというと、防護対象は米艦艇に限られていないという話で、「我が国の防衛に資する活動に現に従事している艦艇」が対象だから、もちろん英海軍の艦艇も守れる
今朝のテレ朝のモーニングショー見ていて呆れたのは、米艦防護を憲法9条と関連づけて話していたこと。よく理解されていないのだろうが、平時の米艦防護は憲法9条は全く関係ない。それは「武力行使」の論理であって、「武器使用」は全く別の論理。自衛隊=即憲法9条というのは酷い誤解だ。
平時の米艦防護は「警察権」の話であって、憲法9条が関わるのは有事の米艦防護である「個別的・集団的自衛権」の方。ここをごっちゃにするから議論がおかしくなってる。ちなみに「弾道ミサイル破壊措置命令」や「対領空侵犯措置」も警察権の話。
米艦防護は基本的に集団的自衛権の話なのだが、何故警察権の行使としての「武器使用による米艦防護」が出てきたかといえば、これはそもそも米艦防護が議論として出てきた背景が関係していると思う。
米艦防護が出てきたのは米軍のアフガン攻撃に伴う海自のインド洋派遣の時で、この際米艦が攻撃された際に海自護衛艦がこれを防護できるかが議論された。しかし当時の判断として、海自護衛艦が「専ら米艦を防護することは出来ないが、自艦を護って結果的に米艦を防護することはあり得る」とされた。
この当時、米艦を攻撃する相手はテロリストが想定され、結果的に米艦防護も警察権的な話に流れていった感はある。ただし、安保法制における米艦防護が警察権の行使も含んでいるのは、相手が国国準でも米艦に対する「攻撃意図」が判然としない場合もあり得るからといのがデカイ。
まあぶっちゃけ根本的な理由は現在の憲法上の制約から「存立危機事態」なんて至極めんどくさい概念を集団的自衛権行使のために押し付けられて、このままでは集団的自衛権で米艦防護をするハードルが許容範囲を超えて使い物にならないんで、「武器使用による米艦防護」というとりあえずの策を作ったと。
イージス艦が攻撃されることが即存立危機事態というのは厳しいから、まず警察権の行使で米艦防護をして、事態がより深刻化した段階で存立危機事態と認めて集団的自衛権の行使に切り替える、というのが現在の憲法下における最大限の努力だったという話だ。
本当に存立危機事態なんて異様にハードル高いものを整備せざるを得なくて、大変だったと思うよ。
みんな米艦防護ってイージス艦しか想定しないけど、補給艦はもちろんミサイル追跡艦のハワードOローレンゼンとかも全然対象だからぬ。
イージス艦を対象とした米艦防護の現実性みたいな話をしてて、現職の方からは意外な理由で現実性薄いという話が聞けた。今色々やってて調べてるが多分これは議論に上ったことすらなかったと思う。
目に見える部分は別にしても、法律云々をやっていると、9条とそれから派生してきた政府答弁や認識なんかがかなりメンドくさいなあと感じることはあります。「存立危機事態」なんてこの典型例みたいなものだとは思います。
結局従来の憲法解釈に基づいて存立危機事態なんて至極めんどくさいものを作らざるを得なくなった結果、集団的自衛権の高すぎるハードルに対応して武器等防護による武器使用を持ち出して米艦防護の柔軟性を持たさざるを得なくなったわけで。
別に安保法制、というか安倍政権になっても憲法解釈の根幹部分は何ら変わってないわけで。集団的自衛権で事実上の解釈改憲云々言う方はちょっと論外ですけれど。
存立危機事態なんて集団的自衛権に対する我が国独自の縛りで、これめちゃくちゃめんどくさいわけですよ。
-
- 16 : 2017/10/24(火) 00:05:42 :
- ■米艦防護 7■
内容があまりにも酷すぎて萎えた。論旨は「武力による威嚇を行う米艦を防護するのは憲法違反」というものだが、もう少し整理された方がよいのでは?
憲法9条並びに国連憲章2条4項にある「武力による威嚇」というのは、「現実にはまだ武力を行使していないが、自国の主張・要求を受け入れなければ、武力を行使する意思・態度を示して相手国を威嚇すること」で、演習は「技量の向上」が目的だから、これは全く重ならない。
これはもう国会で何度も出て来ている話だし、日本政府の考えは上記の通りだから、憲法違反というのはハッキリ言って不勉強としか。
こうした事前集積船や機動揚陸プラットフォームも、状況によっては米艦防護の対象になるんですよぬ。
米海軍のBMD艦を他国軍が防護するというのは、平和安全法制の国会議論で反対派が「現実的ではない」とか言っていたシナリオなんだけれど、現実はこういう連携が重要になっていくのよぬ。
平和安全法制における集団的自衛権とか他国軍の武器等防護規定新設の1番大きな意義は「法律に則って堂々と他国軍防護/共同防護が出来るようになったこと」で、今までの付け焼き刃的な法解釈や米艦を文字通り身を呈して守る必要がなくなったこと。
従来の米艦防護は
・日本有事に際して来援する米艦の防護(個別的自衛権)
・洋上補給中等、自衛艦と米艦の距離が非常に近い場合に、自衛艦を防護した結果として米艦も防護(武器等防護)
・米艦と攻撃側の間に自衛艦が割って入り、自艦に対する攻撃と解して反撃
という感じだったから。
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