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ベルトルト「いつだって先に」
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- 1 : 2013/12/23(月) 04:29:49 :
- ベルトルト「君は理解している」
アルミン「それでは1曲目、She lab luck」
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- 2 : 2013/12/23(月) 04:46:03 :
ユミル「さみぃな」
ベルトルト「うん」
ユミル「あー、今日はどうだったんだ。可愛いアニちゃんとは」
ベルトルト「んー、たいして、いつも通りかな」
ユミル「だろうなwwwプププゥwwww」
ベルトルト「笑うがいいさ………やっぱり僕には無理なんだよ」
ユミル「…チッ、おめぇほんっとイライラさせんの得意な。この104期女子名誉表の私が相談のってやってんのに、落ち込んでる思春期ボーイをとびっきりのジョークで元気づけてやってんのにな!!アホらしくなってくるわ」
ベルトルト「ごめん」
ユミル「…………」
ベルトルト「…………」
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- 3 : 2013/12/23(月) 04:56:33 :
ユミル「なあ。…もうやめっか。なぁどうすんだ、どうしたいんだお前は」
ベルトルト「……………」
ユミル「面倒くせぇんだよ。腐っても男だろ、自分自身の事の決断も他人任せか?」
ベルトルト「いや、違うんだ…そうじゃなくて」
ユミル「はっきり言えよ、胸糞悪い。つーか話し相手とか相談なら私じゃくてもいいんじゃねえの。ライナーとか、ライナーとか」
ベルトルト「…………」
ユミル「………ライナーとかな」
ベルトルト「や、すごいライナー推すけど!!」
ユミル「だってwwwwwベルトルさんつったらライナーだろwwwwきっしょwwwwww」
ベルトルト「ひどいよ!確かにライナーは小さいときから友達だったけど…
そっそんなに笑うなよ!ねえやめてwwwwww」
ユミル「お前も笑ってんだろうがwwwww」
ベルトルト「こんなはずではwwwwこんなはずではwwwww」
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- 4 : 2013/12/23(月) 05:12:20 :
ユミル「はぁー!で、どうすんの」
ベルトルト「wwんぐっ…!?んふぅ……」
ユミル「喘ぐなよ」
ベルトルト「ちがっ…!ごめん…
明日は…明日は絶対!!アニとご飯食べるよ…ユミルに良い結果を報告できるように頑張るよ!!」
ユミル「ああ、うん。違くて。別にこういうことすんのさ、私じゃなくてもいいだろ?ライナーとかマルコの方が頼りになると思うけどな」
ベルトルト「いや…女の子のことは女の子に聞いた方がいいかなって」
ユミル「ふぅん…この場合思わず口が滑って本人や周囲の女子にバラしかねないかもしんねーのに」
ベルトルト「でもばれてないよ。ユミルはそんなことしないでしょ」
ユミル「さあなー!!明日いっちゃおっかなー!」
ベルトルト「あはは、やめてくれよ。頼りにしてるんだよ、ほんと」
ユミル「何一つアドバイスしてねーし。会うたび9割暴言吐いてるし」
ベルトルト「1割は?」
ユミル「冗談かな」
ベルトルト「ひどいなぁ」
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- 5 : 2013/12/23(月) 05:35:23 :
ベルトルト「…ユミル、さぁ」
ユミル「おう」
ベルトルト「あー…あの、明日の夜もいいかな」
ユミル「おう…そんな改まって言うことか?おぉい他に言いたいことあんだろぉほれほれぇ」
ベルトルト「ちょっ!くすぐったいって!なんでもないよ!なんでもないから…」
ユミル「あぁん?なんだよつまんねぇなーほんっとつまんねぇわー話聞いてもいっつも同じ内容だし寝る時間減るしクリスタにも怪しまれるしほんと良いことないわー」
ベルトルト「うぅ、ごめんって!ほんと、ユミルには感謝してるから…こんど街で美味しいものご馳走するし!」
ユミル「別にそれはクリスタと行くからいいし。つーかそんな金あんならアニに使えよ」
ベルトルト「ごめん…あの、これからもこんな僕のこと、応援してほしいな…!」
ユミル「…………」
ベルトルト「…あ、だめかな!ごめん、ちょっと調子にのっちゃったかも。ごめん…」
ユミル「お前超謝るよね?なにそれ、癖なの?謝るの癖?ウケる、可哀想。
あと、私はあんたの恋を応援するとは言ってないんだけど?話ぐらい聞いてやるとは言ったけども。」
ベルトルト「あ……」
ユミル「おいおい勘違いかよかわいいな!さすが童貞って感じで、可愛いよォベルトルさん!暗くても顔が赤いのわかるぞ!?身体も少し熱いな!!んはは!」
ベルトルト「うっ…やめ…て、ユミル…」
ユミル「くっははは!!すまんすまん、からかいすぎたな。おもしろくてつい、な!!
なぁ、明日も話そうぜ。結構好きなんだ、この時間。ベルトルさんもなんだかんだ楽しいんだろ?」
ベルトルト「……うん」
ユミル「なあ。この、こんな瞬間。好きだろ」
ベルトルト「…………ははっ」
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- 6 : 2013/12/23(月) 06:20:37 :
また明日な、彼女はそう言って僕の頭をぐしゃぐしゃ撫でて部屋に戻った。
一人寒空の下に残された僕は、彼女との時間を少し振り返る。
もう、気づいてるのかもしれない。
僕はアニとの仲を進展させる気なんかない。以前の恋心は、彼女と出会ってからは無くなってしまった。
もちろんアニのことは気にかかるけれど、そんな色っぽい気持ちは、消えてしまった。
理由が欲しかったんだ、彼女と同じ時間を過ごすことができる理由。
「お前いつもあいつのこと目で追っかけてんな」
「え!!」
「パツキン青眼のゲキマブチャンネー。同系統でもクリスタのほうがマブいわぁ」
「え……」
「えーしか言えねぇのか」
「僕変態じゃないです!!」
めちゃめちゃ変な出会い方だったけど、すごく衝撃的で、なんだか嵐がきたみたいだったなぁ。
初めて話すタイプで、がさつで女子力0だけど、意外と周りを見てて空気を読んでいて、時には自ら汚れ役を買って出るような、そんな彼女の魅力に、DUSKINの掃除機並みの勢いで吸い込まれていった。
好きになっていた。気づいてしまったんだ、僕の、僕自身の気持ちに。
アニを口実に彼女に近づこうという、僕の汚い部分に気づいてしまった。
彼女と会って話していくうちに、もしかしたら、彼女も僕に好意を寄せているのではと何度も浮かれた。
浮かれるたびに彼女に何度も突き落とされた。
どん底まで落ちたら、頼りない蜘蛛の糸をニヤニヤしながら垂らしてくれる彼女がとても愛しかった。その蜘蛛の糸を途中で切られてもね。
ユミル、君は、すべて知ってたのかな。
撫でられた頭がまだぐらぐらする。
世の中、わからないままでいたほうが、居心地がいいものもあるんだけどな、もう、いい加減
ユミル「気づいたら?」
ベルトルト「…気づいた」
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