歯車
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- 1 : 2017/09/08(金) 19:04:03 :
- ダンガンロンパシリーズのネタバレがあります。
自己解釈がたくさんあります。
短編のはず
暗い
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- 2 : 2017/09/08(金) 19:22:02 :
- 希望のために絶望を背負ったあの日からごまかしていた症状は再発してしまっていた。悪性リンパ腫のステージ3で、その上…前頭側頭型認知症を併発している、正確には中枢神経系原発悪性リンパ腫でないかと未来機関の職員が言っていたがそんなことはどうでも良い。
彼にとってそれはただの幸運でしかなかった。
彼の持つ才能は彼が認識したものに対して強制的に贈られる多くの場合望まれないギフト、つまり超自然的な幸運であり超自然の減少だ。大抵の人が持つ幸運の量は大差ないにもかかわらずだ、彼は幸運という水面に石を投じる。
狛枝や苗木といった幸運を持つものはまだ良い、持たざる者に対してその石やその余波は損害を与える。
家族やペット、友達。そして自分だけは特をする。そんなことに嫌気が指していた。
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- 3 : 2017/09/08(金) 19:29:01 :
- そういえば自分だけが得をしてしまったことを悔いているのならこんな幸運総量すらめちゃくちゃだなと自嘲する、まあすべて手遅れだ。
友達も仲間もできたけれど彼はそれを壊してしまうだろうと知っていた。
さあ最後にミーミルの泉にいしを投じよう、片目だけでは足りないだろう、私の意識を、ミームを、思考を与えねばならない。
植物状態だ、泉を荒らしてきた私が地盤となって幹となって支えねばならない。
なあ、そうだろう?
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- 4 : 2017/09/08(金) 19:36:23 :
- そう彼は言い切った、まるで探偵が犯人の悪行を言い当てていくような言い方で、探偵に自分がやった悪行を言い当てられてしまったような顔で。
「そんなこと、俺がうれしくないぞ・・・」
彼は狛枝よりも暗い顔をして言った。
きっと彼を止められないんだろうと、望まない結末は避けられないんだろうと直感しているかだら。
まぁ安心してくれ、僕は死なないよ幸運は僕を行かせ続ける。きっとそうだね体を動かさないまま不健康なことはもうしない、ブルーラムも飲まない・・・ここは笑うところだったよ。
「笑う気はないよ」
そうか、、優しいだね君は。
永遠に生き続けるかも知れない、そして僕は歯車になるんだ。
世界の。
銅像なんて必要ない、偶像も崇拝も無意味だと思い知った。
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- 5 : 2017/09/08(金) 19:42:18 :
- 僕の意識がなくなり、外見上、あるいは機械にに依存しないと死を迎える体になったころ、僕の精神と幸運は散逸しているんだ。
遍在して偏在している。偏っているし濃淡はある、でも境目はない。
世界の守護者になるんだ、なんて言ったらバカみたいかな、あの時
みたいで痛々しいって思うかな。
「こまえ」
答えはいらないよ、と強く言い切って弱々しい言霊を言弾で撃ち落とす。それはお互いにとって疵になる。メリットもなくしたくないよ。
さて、と もし僕の前意識だけでも残っていたら、、君たちをささやかに幸福にするよ。まだ絶望が残る世界だけど希望は不滅だとすくなくとも最後まで思えるくらいには。
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- 6 : 2017/09/08(金) 19:49:36 :
- 治療は無駄だよ、治療しても今の技術じゃたすからない、この荒廃した世界が復興して医学がまた進歩し直す頃には不可逆的な脳損傷が起きてる、病気は治せても物理的な破壊を修復することはこんなんだろうし。
だから、君にお願いがあるんだ。
僕を生かせほしい、この世界で僕を生かせ続けるのはこんなんだと思うけど。効果なんてわからないし、もしかすると僕の自己満足なのかもしれない・・・。
でも君にお願いするよ。僕が一番迷惑をかけたのは君だと思うから。
「そん」
そんなことない・・・とか言おうとすることはわかってる。
君は優しいだね、やっぱり。
最後に才能なんてなくても良いって思えて良かったよ。才能のない人はたいてい僕に関わるとろくな目に合わないって経験から辛く当たっていたんだろうな・・・いまこうして病気を患っている間周りに不幸をあまりばらまかなくなった。
こうしてしれたのも君のおかげなのかな。
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- 7 : 2017/09/08(金) 19:49:50 :
・・・
ありがとう、僕のともだちになってくれて
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- 8 : 2017/09/08(金) 19:51:00 :
- 彼は救われない物語だなぁと思った。悲しさを大きく上回る超自然への虚無。
彼が病院に向かってもなお。そこに立ち尽くしていた。
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