ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

セレス「苗木君、狛枝君、麻雀やりませんか?」

    • Good
    • 0

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2017/08/30(水) 17:13:24

    初投稿です。よろしくお願いします。

    育成計画の話と資料集のイラストにあったやつを参考にして少し拡張した話

    以下注意事項↓

    キャラ崩壊と独自解釈あり
    麻雀もまだまだなので麻雀描写は間違っている部分多いかも(特に点数計算とか)
    他作品に頼った麻雀描写が中心(主に咲とアカギ)
    不定期更新
    足りないところがあれば順次補足します

    それでは始めさせていただきます。
  2. 2 : : 2017/08/30(水) 17:33:41


    仁(私が望んだもの・・・それは変化だった・・・それもすべてをひっくり返すような変化だ・・生まれ変わるほどの・・・!)

    仁(くっ! 今、イーソウはいらない!)タン!

    セレス「学園長それですわ。 ロン、満貫です」

    仁「ううっ!」

    狛枝「やはり、セレスさんは強いねぇ。 流石は超高校級のギャンブラーだ」

    セレス「あらやだ、狛枝君。 ほめても何もでませんわよ。 それに狛枝さんもおやりになるではありませんか」

    狛枝「ははっ、こんなのはただの運、たまたまだよ」

    苗木「・・・・・・(賭け麻雀をしているこの状況で普通に会話できるとかやっぱりこの二人の神経はずば抜けてるよ。 ボクなんか今でも震えが止まらないのに・・・・・・!)

    仁(おまけに賭けたのはお互いの人生・・・! くそっ! どうしてこうなってしまったんだ・・・!)
  3. 3 : : 2017/08/30(水) 17:46:21

    時は三時間前、授業終了直後まで遡る。

    セレス「苗木君、この後何か予定はおありですか?」

    苗木「いや、特にないけど、どうしたの?」

    狛枝「実はさぁ、セレスさんが娯楽室で麻雀セットを見つけたみたいで」

    ~以下育成計画と同じなので省略~

    セレス「というわけで学園長。 私達と一緒に麻雀してくださいませんか?」

    仁「しかし・・・まだ仕事が・・・」

    黄桜「いいじゃん、行って来いよ。 仕事なら俺と天願さんでやっておくからさ」

    天願「そうじゃ、霧切君。 生徒との交流も教師の立派な仕事だ。 それにここで断ってはせっかくきた彼らもかわいそうじゃろう」

    仁「そこまで言うなら・・・わかりました。 黄桜君、天願さん、あとは頼みます」

    黄桜「セレスちゃん、あんまり大負けさせないであげてね」

    セレス「うふふ、そこらへんの節度はわきまえておりますから、安心してくださいな」
  4. 4 : : 2017/08/30(水) 21:28:11


    ~娯楽室~

    セレス「ではルールは

    半荘 25000持ち トリロン、ダブロンは頭跳ね 責任払い 親流れはノーテン時 トビ終了、上がり止めあり 四風連打、四人リーチ続行 焼き鳥なし 順位ウマ、オカなし 
    赤ドラは5(ソウズ) ⑤(ピンズ)五(マンズ)の三つ

    こんなとこでいいですか?」

    狛枝「足りないとこあれば、またあとで作者が言ってくれるそうだから、いいんじゃないかな」

    苗木「狛枝クン、メタいよ・・・」

    仁「では早速順番を決めよう」

    セレス「色々あった結果、

    東、セレス 南、仁 西、狛枝 北、苗木

    になりましたわ」

    苗木「そして始まる・・・命がけの学級裁判! じゃなくて麻雀が!」


    _____________________________

    仁(今思えばこの時からすでに兆候はあった・・・! 私の破滅の兆候が・・・
    _____________________________

    セレス「リーチツモ1000 メンタンピンツモ一本場で2700 リーチツモ対々三暗刻跳満、二本場で6200!」

    苗木「ロンだよ、セレスさん。 七対子ドラ1三本場4100!」

    セレス「苗木君、なかなかやるじゃないですか。 あっ、狛枝君、それロンです。 一通ドラドラ満貫!」

    狛枝「まいったね。 二人とも素晴らしいよ!」タン!

    苗木「それロンだよ、狛枝クン。 メンタンピン5800! 連荘だね」

    セレス「ダブリー一発ツモ満貫一本場2100/4100 ふふ、連荘なんてさせませんわ」

    _____________________________

    仁(こんな感じで徐々に私はゆっくりと殺されていった・・・)

    _____________________________

    仁「以下麻雀の役を列挙させてもらいました」

    セレス「清一色ドラ3」 苗木「タンピン三色一盃口!」
    仁「中ドラ1ツモ!」 セレス「タンヤオドラ8!」
    狛枝「緑一色!」 苗木「リーチ」 仁「ツモドラ1」
    セレス「リーチ対々和」 苗木「リーチ混一嶺上開花!」
    仁「發中混一色」 セレス「ジュンチャン二盃口!」
    苗木「対々和三暗刻三槓子!」 狛枝「清老頭!」
    セレス「ダブ南三色!」 仁「西ドラ5」
    セレス「ダブリー一発二盃口」 苗木「混老北白」
    セレス「清一色タンピン二盃口!」



    苗木「メンタンピンツモドラドラ 跳満だよ!」

    狛枝「苗木クン、安定してるねぇ。 少しうらやましいよ」

    苗木「あははは・・・(狛枝クンが役満しか狙わないから上がれないだけなんじゃ・・・)」

    仁「いやはや、本当に皆大したものだ。 私はみんなの成長が喜ばしいよ」

    セレス「流石に驚きましたわ。 これならもう少し本気を出しても大丈夫そうですわね」

    仁「あれで本気じゃなかった、というのか・・・全く君たちには驚かされるばかりだ・・・」

    セレス「まだまだ時間はありますし、続行しますわよ」

    狛枝「まだまだ皆の希望の輝きを見られるだなんて、ボクはなんてついてるんだ!!」

    _____________________________

    仁(今思えばここでやめておくべきだった。 先の試合でも最下位だった時点で自分と彼らとの実力差は歴然だったというのに)
    _____________________________

    仁「以下第二回麻雀役祭りだよ」

    セレス「対々和三色同刻ドラ3 三暗刻白ダブ東 メンタンピン一盃口」 苗木「ジュンチャン三色メンピンツモ!」
    セレス「一通中ドラ3混一色」 苗木「海底撈月ドラ4」
    セレス「槍槓三色」 狛枝「小四喜!」 セレス「対々ドラ6」
    苗木「リーチ一発七対子ドラ4」 セレス「河底北南ドラ3」
    苗木「ダブリー二盃口」 苗木「メンタンピン」苗木「リーチドラ3」 セレス「發ツモドラ2」 狛枝「四槓子!」


    セレス「ロン、リーチ一発ジュンチャン。 満貫ですわ、学園長」

    仁「はい・・・」

    苗木「これでこの半荘も終わったか・・・トップは相変わらずセレスさんか」

    狛枝「二位は苗木クン、三位はボク、四位は学園長か・・・というかセレスさんが本気出してから焼き鳥状態ですね、先生」

    仁「それだけ君たちがすごいということだ(そろそろ引き上げた方がいいな。 うまく流れを解散させる方向に誘導する!)きりもいいとこだしそろそろ解散s」

    苗木「無理を言ってつきあってもらってるのに申し訳ないです。 何かハンデを付けた方がいいでしょうか、先生?」

    セレス「ならば私たちのリーチはオープンリーチ限定としましょう。 当然1ハンで。 これならよろしいですね、先生?」

    仁「えっ・・・(ちょっと待て! なんだそのいらぬ気づかいは!?)」
  5. 5 : : 2017/08/31(木) 01:05:29

    セレス「よろしいですね?」<●><●>

    仁「・・・・・・はい。(逆らえない・・・! これが超高校級のギャンブラーの気迫だというのか・・・! 恐ろしい奴だ・・・・・・!!)」

    狛枝「さぁ、麻雀を再開させようか・・・!」

    _____________________________

    仁(でもこの時、少しは希望をもっていたんだ。 オープンリーチということはみんなダマでプレイしてくると私はそう思った。
    勿論、不気味なのは変わらないけど精神的なプレッシャーを食らわないという意味ではよかったんだ。 それが甘い考えだと知るのは遅くはなかったが・・・・・・)

    _____________________________

    セレス「リーチ!」三四五六七八⑤⑥⑥⑥456

    仁(④⑤⑦の多面待ち!?)

    セレス「ツモは④なのであがりですわ。 メンタンピン一発ツモ満貫!」

    狛枝「すごぉい、あえてダマで通さないとはすばらしい度胸だね」

    セレス「ツモってしまえば変わりませんし、それにオープンにはオープンなりの戦い方ありますから」

    苗木「そうだとしてもその考えに身を任せられないよ」

    セレス「うふふ、経験積めば誰でもできますわ。 さて続きを始めますわよ」

    仁(だが、そう何回もツモれるはずがない。 こんなことはもう起こらないはずだ!)

    だが、この霧切の予想は外れることになる。

    それも当然、なんせ霧切が相手にしているのはギャンブラーと『幸運』が二人。

    『そう何回』も起こりえないことを起こしてしまう怪物である。

    しかもこの後さらなる不運が霧切に降り注ぐことになる

    狛枝「リーチ!」 111③③③六六六西西⑦⑦

    仁(四暗刻オープンリーチ!? そんな馬鹿な!?)

    苗木「リーチ!」 二三四五六七七九九九白白白

    仁(こっちも!? 一四七八待ち・・・! いや、待て慌てるな。 特に狛枝君の方は振り込んでも役満にはならない)

    だがしかし、霧切の思いとは裏腹に霧切のもとには次々とロン牌が流れ込む

    仁(気が付けば私の手牌はこれだ。 一四八八西西北東234⑥⑨
    なぜこうも上がり牌ばかりが・・・! おかげで私の手は総崩れ・・・! ちくしょう!)

    そして次に引いた南をツモ切り・・・しかしそれを狙い打たれてしまう・・・!

    セレス「ロン、七対子一本場で2700」

    仁(しまった! 狛枝君と苗木君ばかりに目が行ってセレス君に対する警戒が薄れていた・・・!)

    そう、セレスが口火を切ったおかげで苗木も狛枝もリーチし始める

    通常わからない上がり牌がわかってしまうこと、それに混ざってダマで上がられること、異なる二つの事象に霧切は翻弄される

    この時を境に霧切の何かが崩れ始めた・・・!

    セレス「リーチ」 苗木「リーチ」

    仁(彼らの上がり牌を七つも持っている・・・! 残ったのは狛枝君だが、彼は役満しか狙わないからそう当たることはないはず!)タン! ⑧

    狛枝「カン!⑧⑧⑧⑧ さらにカン!5555 さらにカン!西西西西 さらにカン!白白白白 そして嶺上ツモは二で、最後のこの牌も二。 よって大明槓の四槓子で学園長の責任払いだね」

    仁「うわあああああああああ!!!!!!!!!」

    負ける・・・!

    セレス「リーチツモタンヤオ」 
    苗木「リーチ海底撈月ダブ東ドラ1」

    負ける・・・!!

    苗木「ロン、三色ピンフドラ1」
    セレス「ロン、対々和三暗刻」
    狛枝「今度こそはリーチツモ四暗刻!」

    負け続ける・・・!!!

    セレス「リーチ!」国士無双一待ち
    狛枝「リーチ!」純正九連宝燈
    苗木「リーチ!」小三元四暗刻白単騎待ち

    仁「うわはあああああ!!!」一二三二三四四五五六七八九白

    終わった・・・!
  6. 6 : : 2017/08/31(木) 01:47:59

    セレス「うーん、何がいけないのでしょうか?」

    苗木「わからないよ、というかここまで来たらもう帰してあげた方がいいんじゃ・・・」

    狛枝「それは違うよ!ネットリ ボク達の才能の成果を図るには採点者もまた平等な戦いを制さなければいけないんだ! つまり学園長はまだ勤めを果たし切れていないよ」

    苗木(この人、鬼か!?)

    セレス「こうなったら最後の手段ですわ・・・賭けましょう・・・!」

    苗木「え!? でも賭け事は今回なしなんじゃ・・・!」

    セレス「私はギャンブラー。 やはり何か賭けていないと本当の意味で本気は出せないようですわ。 それに学園長も、何か賭けていれば覚醒するかもしれませんし」

    苗木「(この人も鬼か!? 精神ズタボロの人から金さえも奪う気なのか!? そんなことはさせない!) セレスさん、流石にそれはまずいよ! 今の学園長を見てよ! あんな状態でまともな麻雀が打てるわけがない!」

    セレス「極限状況は凡夫を天才に変えますわ。 それになにも彼だけに賭けさせようというのではありません。 私達もかけるのですわ」

    苗木「えええええええ!? なんでボク達まで!?」

    セレス「そうでなければ不公平ですから。 それにあなた達も何か賭けることによって幸運力があがるかもしれませんわよ?」

    狛枝「素晴らしいよ! 超高校級のギャンブラーたるセレスさんの本気を間近でみられるだなんて! 早速だけどボクは何を賭ければいいかな?」

    セレス「これから先一生の収入を賭けていただきますわ。 そして私は処女を賭けさていただきます、幸いにも私以外は全員男性なので。 それも一夜限りではなく一生ですわ」

    苗木「二人とも何を言ってるの!? なにもそんな重いものを賭けなくても!」

    セレス「これだけ重くした理由は、軽くては学園長の覚醒に繋がらないと思ったからですわ。 なので先生には希望ヶ峰学園長としての全てを賭けていただきますわ」

    苗木「そんな・・・!?」

    セレス「さて、苗木君は何を賭けたいですか?」<●><●>

    苗木「・・・(こうなったセレスさんは絶対に止まらない! 表面上は学園長のためと言っているが、本当はボク達と本気のギャンブルがしたかったんだ! そのためにここまで用意周到に舞台を作り上げた・・・こうなったらもうボクも腹をくくるしかない!)分かった、ボクはボクの全てを賭けよう」

    セレス「苗木君の全てとはどういう意味ですか・・・?」

    苗木「そのままの意味だよ。 命、人生、財産、権利、その他もろもろ含めたボクの全てを賭ける!!」

    セレス「正気ですか? 私としては構いませんが、負ければ苗木君の人生はここでおわりですわよ?」

    苗木「大丈夫だよ、セレスさん。 賭けたものが大きい方が緊張感が出るし、何より『狂気の沙汰ほど面白い・・・!』っていつもセレスさん言ってるじゃないか。 そしてボクが一位になってこの取り決めを反故にさせてもらう!」

    狛枝「あははははははははははは!!!! 素晴らしいよ! 苗木クンの勝ちへの執念と希望!! その希望がどんな輝きを魅せるかワクワクするなぁ」

    セレス「わかりましたわ。 では先生もそれでよろしいですね?」

    仁「うーん、えっ? どういうこと?」

    セレス「かくかくしかじか」

    仁「(気絶している間にとんでもないことになってる!? 聞いてなかったから断れ・・・そうな雰囲気じゃない。 必ず死ぬと分かるこの勝負、うけるしかないというのか・・・)ううううう・・・・・・よろしくお願いします・・・!!」ポタポタ

    セレス「まぁ、泣くほど喜んでいただいて大変うれしいですわ。 では始めましょうか。 超高校級の麻雀を!!」
  7. 7 : : 2017/08/31(木) 08:30:25
    でもたえk・・・じゃなかったセレスさんの奴隷にならなってみたいかも
  8. 8 : : 2017/08/31(木) 13:21:07

    セレス「ただ、ルール少し変更しましょう。 具体的には半荘でなく一荘戦にして六回勝負、そして持ち点を30000にしてやりましょう。 皆さんの人生がかかっている分、チャンスは多い方がいいですから」

    そして始まった・・・超高校級三人を相手にした、究極の麻雀が・・・!

    セレス「リーチ!」②②③③④④④⑥⑥⑥東東東

    まず最初に流れをつかんだのはセレス。 といってもこれは当たり前のことである。

    ギャンブラーである彼女にとってこの程度のリスクは今まで何度も負ってきた、大したことのないもの。

    自分以外の三人に莫大なものを賭けさせるために釣り合いそうな値段を言ったに過ぎない。

    むしろただのお遊戯から賭け事に持ち込まれてしまったことで、この場は彼女に支配されているといっても過言ではなかった。

    セレス「ツモは⑤なのであがりです。 リーチ一発ツモダブ東混一色一盃口、倍満ですわ」

    その後もセレスの快進撃が続く・・・!

    狛枝「リーチ!」
    セレス「それです、ロン!白一本場で1300」
    苗木「学園長、それロンだ!」
    セレス「苗木君、頭跳ねです、三色ドラドラ二本場、鳴きが入ったので6400ですわ」
    仁「リーチ!」
    セレス「ポン!」
    仁「一発消しか・・・ツモは、外れか」タン!
    セレス「ロン!一通混一色三本場6700!」
    仁「うっ・・(上がり牌を引かされた・・!)

    気が付けばセレスは八連荘、最も今回は八連荘役満のルールを採用していないので役には関係ない。

    それでもセレス以外が誰も上がれないという点でセレスが優位に立っているのは間違いないことだった。

    セレス「ダブリーツモ八本場2800!」

    狛枝「わお、これが超高校級のギャンブラーの本気なんだね! 素晴らしいよ!」

    セレス「ほめるのは結構ですが、あなたたちにも上がっていただきませんと、せっかく一荘あるのに東一局で終わってしまいますわよ?」

    苗木「それができたら、苦労はしないよ・・・」

    狛枝「そう焦らないでよ、セレスさん。 そろそろ来そうな感じがするからさ」

    セレス「その言葉、信じさせていただきますわよ? 再開させますか」

    だが、やはりセレスの勢いは止まらない。 だが、十二本場になってついにそれは来た。

    セレス「ダブルリーチ!」2333345⑨⑨⑨中中中

    仁(くっ、いつものことながら、よくこうもダブリーとか出せるものだ・・・)タン!

    狛枝「あれ? おかしいな?」
    苗木「どうしたの、狛枝クン?」

    狛枝「いや、なんかね、上がってしまっているみたいなんだ」
    セレス「まさか地和・・・ですか!?」

    狛枝「そう、それだ! というわけでボクの上がりかな?」

    セレス「ここで役満を出すあたりさすがは狛枝君ですわね」

    苗木「9200/17200か、でもトップのセレスさんにはまだ届いてないね」

    狛枝「まぁね、では続きを始めるよ」

    この狛枝の奇跡の役満によりセレスに傾いていた流れが少しずつ
    別れてゆく。

    セレスの優勢は変わらなかったが、苗木と狛枝が上がれるようになってきたのだ。

    順調に点棒を回復する二人とは対照的に霧切は一人沈んでいく。

    無理もない、自身の立場を賭けるという異常な状況で自分より格上の存在と戦う。

    この状況で勝ち進むという方が無理なのだ。 結局この一荘は霧切のトビで終了し、

    セレス+39  仁-45  狛枝-20   苗木+26
    となった。

    そして始まる二回戦。 霧切の不調は変わらない、変わるわけがない・・・!

    苗木「学園長ロンです」
    セレス「ロンですわ、学園長」
    苗木「ロン(ry」





    狛枝「ロン!四暗刻単騎でダブル役満だよ、学園長」
    仁「あああ・・・あああああああああああ・・・・!!!」

    結局二回戦もトビで終了

    結果 セレス+22 仁-86 狛枝+46 苗木+18
  9. 9 : : 2017/08/31(木) 17:16:42

    そして三回戦でもまるで力が及ばずに連敗する。

    現在・・・西三局・・・


    仁(追い詰められた・・・もう振れない! これなら・・通る・・・!!)タン!

    苗木「ロン! 七対子ドラ3 満貫!」

    仁「うっ(まだだ、きっと何とかなる、いや何とかするんだ! 何とか・・・!)」

    ・・・・・・西四局・・・・・・

    中西北①②⑤三五六4899
    仁(泣きたくなるような配牌だ・・・でもここで負ければもう終わる・・・! 頼む、来てくれ・・・頼む・・!!)

    西、九、6

    仁(来ない・・! 変えてくれ、誰でもいい!! この淀んだ空気・・流れを変えてくれ・・・!! 誰でもいい・・天才でも・・凡人でも・・・!!)

    ガチャ、

    苗木「おや、誰だろう?」

    カムクラ「・・・・・・」ビシャビシャ

    セレス「誰でもいいですけど、今は私達が貸し切りにしておりますの。 申し訳ないけど出て行ってもらっていいですか?」

    仁「いや、待ってくれ。 彼は有志で学園の業務を手助けしてくれる人なんだ。 きっと黄桜あたりが私に伝えたい事があってよこしてきたんだ」

    狛枝「なら、仕方ないね。 少し休憩しようか」

    セレス「そうですわね。 では苗木君、ロイヤルミルクティーを持ってきてください」

    苗木「なんとなく、そういわれる気はしてたから、いつでも作れるように道具は容易してきたよ」

    仁(そんな事情はなかった。 ただ、間が欲しかった・・・流れを変えるきっかけを・・・・・・それにしても彼、どこかで見たことある気がするが、思い出せない。 そういう才能の持ち主なのだろうか・・・)

    勝負・・・再開・・・!

    結局西四局は流れ、北一局に突入。

    そしてその十四巡目、ついにチャンスが訪れる・・・!

    中中12399一二三②③⑤ 中
    仁(来た・・・! ⑤を切って、高めの①が来れば中三色チャンタドラ1、跳満も狙える! セレス君はリーチをしていて上がり牌がわかっている。 ⑤はロン牌じゃない)

    仁(狛枝君の幸運の特徴から考えてあと二巡はあがれないはず。 問題は対面の苗木君、彼はダマで通してきている。 さっきからツモ切りが多いことを考えるとすでにテンパっているのは間違いない・・!)

    仁(⑤を切りたいのはやまやまだがかなり危ない・・・! ②なら現物だ・・ここは無理できない・・安手になるが、今は早く上がりが欲しい・・・!)

    カムクラ「ツマラナイ・・・死ねば助かるのに・・・」

    仁「っ!? ・・・君、麻雀がわかるのかい?」

    カムクラ「ゲーム系の才能はありますが、麻雀の才能は組み込まれていません。 むしろ、今初めてそのゲームが麻雀と知りましたよ」

    仁「なら・・どうして・・!」

    カムクラ「気配が死んでいました。 背中に勝とうという強さがありません。 ただ助かろうとしている・・・博打で負けが込んだものが最後に陥る思考回路です。 あなたはただ怯えているだけです」

    仁「うっ・・・(確かに彼の言う通りだ、私は負けを積み重ねることで勝ちへの希望を失っていた・・! この手がどうして②切りなんだ・・・! 私はかつて霧切家から逃げてここへきてしまった・・! ここでも逃げるわけにはいかない・・! 今やっているのは博打・・・どうせ死ぬなら、強く打って・・・死ね!!)」ドン!!

    仁(通った・・・!)

    実はこの時、霧切の予想に反して狛枝が②単騎の四暗刻でテンパっていた。

    霧切が②で逃げていれば振り込んでいた・・運命のいたずら・・・

    狛枝(あれ、そろそろ出ると思ったんだけど・・・まぁいいや・・・次のツモは・・①か。 切り替えてもいいけどボクの勘ではこのままの方がいいかな?)タン!

    仁「ロン!!! 中三色チャンタドラ1跳満!!」

    セレス&狛枝&苗木「!?」

    この時より勝負の振り子はゆっくり・・・霧切へと振り始めた・・・!
  10. 10 : : 2017/08/31(木) 22:55:12

    そして北二局が始まる、その直前に霧切はあることを彼に頼み込んでいた。

    仁「なぁ、君。 よかったら次の局から私の代わりにプレイしてもらえないか。 感じるんだ・・・君から・・勝負するものに不可欠な熱とツキと気・・・! 君なら死線を超えられる・・・!!」

    カムクラ「・・・ツマラナイ」

    仁「えっ?」

    カムクラ「いや、今のは貴方に対する客観的な感想です。 気にしないでください。 そしてその提案を受けるにはいいですが、条件というか、注意点があります」

    仁「なんだい、それは?」

    カムクラ「今から十五分後に人が来ます。 最初に来た人たちを三分程、ドアの前で釘付けにしてください」

    仁「どういうことだ、まるで意味がわからんぞ!」

    カムクラ「わかる必要はありません。 とにかくそれだけ頭に入れておいてください」

    仁「・・・わかった、そうしよう」

    そして彼らに提案を持ちかける。

    仁「みんな、少し聞いてくれ。 次の局からは彼を代わりに卓に着けたいんだが・・・問題ないかい?」

    セレス「代打ちですか・・・」

    仁「左右田。 今まで打ってきて正直、役不足なのを私は感じている。 でも彼ならうまくやれるはずだ」

    苗木「いいんじゃないかな。 学園長の職員かつ、学園長の知り合いなら立派にボクたちの才能の成果を見極められると思うよ」

    狛枝「ボクも賛成かな。 その彼、なんだかとても強そうだしね」

    セレス「・・皆さんがいいなら私もそれに従いましょう。 それでお名前は?」

    カムクラ「カムクライズル・・・そう呼ばれています」

    仁「!?(カムクライズル・・だと!? そうか、道理で見たことがあるわけだ。 そして麻雀の才能も・・・待てよ? さっき彼はないと言っていたような・・・)」

    カムクラ(その説明は後でしますよ)

    仁(こいつ・・直接脳内に・・・!)

    カムクラ(それくらいの才能は持っていますから・・・では、さっき言ったことは忘れないでください)

    仁(いや、でもルールとかわかるのか・・・!?)

    カムクラ(あなたの対局中にルールブックを読みました、この展開が予想できたので。 ではもう始まるので失礼します)

    そして北二局が始まる

    当然といえば当然だが、彼の麻雀の才能はまだわからない・・・

    セレス(打ちまわしからでも強さの度合いは図れますけど、流石に一回目では分析材料がなくてどうしようもありませんわね。 今はテンパイですけど、ダマで通しましょう)

    だが、ことが起きたのは十巡目。

    カムクラ「・・・」⑥⑥⑥四七88白白發發中中

    仁(来た・・大三元のタネ、白發中の対子・・・! これをものにすれば・・・!)

    がしかし・・
    狛枝「・・」タン! 中
    一枚目の中、これをカムクラは見送る・・・!

    仁(何!?)

    続いて捨てられたのは・・・白と發・・が、これもカムクラは動かない・・・!

    そして・・

    セレス「・・・」タン! 中

    二枚目の中も見逃す・・・!

    仁(駄目だ、この手は鳴かなくては・・! ルールブックを見たなら大三元は知っているはずなのに・・・なぜ・・・!?)

    コンコン・・・

    狛枝「また、誰か来たのかな? 今日は千客万来だねぇ」

    仁「(・・・!『十五分後に人が来ますから、最初の人を三分釘付けにしてください・・・』まさかこのことか・・!?) 私が応対しよう。 誰ですか?」

    研究員「おや、学園長。 なぜここに?」
    仁「ちょっと生徒たちと交流を深めていてね。 そちらこそこんなとこに何の用です?」

    研究員「いや、実は例のプロジェクトの被験体が抜け出したみたいで・・先程監視に当たっていた職員の催眠術を直してから必死に捜索しているとこです」

    仁「そうか、でも残念ながらここには来ていないよ」

    研究員「いや、もしかしたら学園長の意識をすり抜けてこちらにいるかもしれない。 虱潰しに探しているのでぜひとも入らせてください。 数分でおわります」

    仁「いや、しかし・・・(注意点ってこういうことか! 今彼を連れ去られては私の人生が・・・!) 本当にいないんだ、私を信じてくれ!」

    研究員「なぜ断る必要があるんです・・? もしかして匿っていらっしゃるんですか・・? だとしたらすぐに引き渡してください!」

    仁「いや、だから・・・その・・! 何というか・・・!! 少し落ち着くんだ君!!」

    研究員「焦っているのはあなたのは法では?」

    仁「だから・・だから・・・だからぁ!!!!」

    黄桜「あれ・・どうしたんだよ、仁。 そんな馬鹿みたいに叫んで」

    天願「廊下に響き渡っておるぞ」

    仁「黄桜に・・・天願さん・・・!?」













  11. 11 : : 2017/09/04(月) 00:10:39

    研究員「ちょうどよかった。 黄桜さんと天願さんも学園長の説得に協力してくれませんか?」

    天願「説得とはどういうことじゃ?」

    研究員「かくかくしかじか」

    黄桜「なるほどねぇ。 いいじゃん、仁。 調べさせてあげなよ」

    仁「いや・・・だからな・・・(おい! 公一、お前までそっち側に回るな! 頼むから気づいてくれ、私の真意に!! スカウトマンの観察眼があるお前ならわかるだろう? 頼む・・・!)」

    黄桜(うおい! 仁の奴、すげえ怖い顔してんな・・・響子ちゃん顔負けの『にらみつける』だぜ。 やっぱり親子って似るもんだなぁ・・・仁の親父さんの不比等さんも目つき怖いし)

    天願「・・・(哀れじゃな、霧切君。 君の表情が必死過ぎて恐らく無関係な事にまで黄桜君は考えを及ばせておる。 ここはわしが助け舟を出すか・・)わかった。 君の代わりにわしが調べに行こう。 それならどうじゃ、霧切君?」

    霧切「えっ・・・?」
    天願「だめか?」

    霧切「いえ、ただ突然のことで驚いただけです。 むしろ天願さんなら生徒にも好かれていますし、適任だと思います!(うおおおおおおお!!!!!! 流石は天願さんだ!! アハハハハ、天願さんのファインプレーだよ!!!)」

    研究員「そういわれましても・・・評議委員は我々に直接調べるようにと言っておりまして・・・」

    天願「評議委員の事なら心配いらん。 わしの名を出せば多めに見てくれるじゃろう。 何ならわしが今連絡して説得しようか?」

    研究員「・・・わかりました、そこまで言うのでしたら天願さん、お願いします」

    天願「うむ、では少し待っていてくれ。 黄桜君、霧切君、こっちに来たまえ」

    黄桜「(今思えば、霧切家にも悪いことしたなぁ。 つらい時の逃げ場所は必要とはいえ、そのまま逃げ場所に仁を取り込んじゃったからなぁ・・・でも俺がいなくても仁は家を飛び出しただろうし、その場合はアラサーのホームレス・・・)うーん、複雑だなぁ・・・」

    仁「おい、公一! 何ぼけっとしてんだ! 早くこっちにこい!(天願さんが作った、このチャンスつぶすわけにはいかない!!)」

    黄桜「うお! すまん、なんの話だっけ・・?」

    天願「それをこれから霧切君に説明してもらうとこじゃ」ヒソヒソ

    仁「かくかくしかじか」ヒソヒソ

    黄桜「仁・・これだけは言っておくよ・・・ばかなの・・?」ヒソヒソ

    仁「仕方なかったんだ! 才能ない連中は才能あるやつには勝てないんだよ! 私が父さんや響子に勝てないように!! 私が父さんや響子に勝てないように!!!!」

    黄桜「悪かったから、そんな大きな声で叫ぶなよ。 気づかれるぞ」ヒソヒソ
    仁「すまん・・どうも色々あって余裕を失ってるようだ」ヒソヒソ

    天願「しかし、本当にカムクライズルがいるとはな」ヒソヒソ

    仁「とにかくお願いします、天願さん。 いなかったと報告してもらえませんか・・・?」ヒソヒソ

    天願「わかっておる。 今君に学園長をやめられては君を推薦したわしや黄桜君の責任にもなるからな。 それに苗木君ならともかく、セレス君や狛枝君が学園長になっては何をしでかすかわかったものではないしの」ヒソヒソ

    黄桜「特に狛枝君はそうだね・・・ちさちゃんの愚痴の大半が狛枝君の問題行動の話だし。 史上最強の不良生徒と言ってたよ」ヒソヒソ

    仁「評議委員とかなり似たような思想してるから彼ら受けはいいだろうなぁ」ヒソヒソ

    天願「話が脱線しておるぞ。 とにかく中に入らせてくれんか、そうでなきゃ始まらんしの」

    仁「すいません、二人ともどうぞおはいりください」
  12. 12 : : 2017/09/04(月) 01:39:55

    ガチャ

    苗木「学園長が戻ってきたのかな・・?」

    黄桜「悪いね、みんな邪魔するよ」

    セレス「あら、黄桜先生に天願さん? どうしたんですの?」

    天願「仕事が片付いたのでな、どうせなら君たちの勝負を見学しようと思ってきたのじゃ」

    狛枝「なるほどね。 先生たちにも見てもらえるだとはなんて素晴らしいんだ!」

    黄桜「あと、セレスちゃん。 あんまり、学園長を追い詰めないでほしいって言ったよね?」

    セレス「申し訳ありません、思いの外学園長が強かったもので。 私もつい本気を出さずにはいられませんでしたわ」

    黄桜「おまけに賭けまで始めるとはね・・・まぁ、君の才能に免じて今回は見逃すけどこれからは気を付けてよ?」

    セレス「うふふふ、肝に銘じておきますわ」

    天願「いたた、少しおなかの調子が悪いようじゃ。 来た早々ですまんが少し席を外させてもらうぞ(それでは、研究員を追い返してくるぞ)」

    仁「それは、大変です。 勝負は長いので体調が戻ったらまた来てください(お願いします!)」

    ガチャ

    カムクラ「さぁ、早く再開させましょう。 苗木君、あなたの番です」

    苗木「あっ、ごめん。 今・・行くよ・・・・!!」


    黄桜「あれがカムクライズルかぁ・・・なかなかの貫禄だね」

    仁「本当、私もその名を聞いた時は驚いたよ。 でも今回は厳しいかもしれない」

    黄桜「何言ってんのwww この手牌で厳しいってどんな状況だよwwww」

    仁「えっ? あの七対子どまりの手じゃ厳しいだろ?」

    黄桜「ん? 仁、手牌見てないの? 七対子どころかえげつないことになってるけど・・・」

    仁「え・・・?」

    カムクラ「・・・」白白白發發發中中中⑥⑥⑥四

    仁(なっ・・!! 大三元四暗刻四単騎待ち・・・! どういうことだ・・?)

    黄桜「流石に仁も驚いたようだね」

    仁「いや、そうじゃない。 奴の手牌・・さっきとまるで違う・・・!」

    黄桜「え・・・? まさか・・河から抜いたってこと・・・?」

    仁「ああ・・それも恐らく・・私が応対して戻ってきて・・・みんなが会話している間に・・・!」

    黄桜「いや・・・いくらなんでも・・そんな馬鹿な・・・! だってあのセレスちゃんがサマを見逃すっていうのかい?」

    仁「一回で全てやりきったわけじゃない。 私が部屋の出入り・・・会話中・・天願さんの退出・・・機会は複数回あった・・・わけてやったんだ・・・!」

    黄桜「なるほど・・・大した奴だ・・・あっ! 見ろ、仁!」
    仁「ん?」

    狛枝「・・・」タン! 四

    カムクラ「ロンです。 大三元四暗刻四単騎待ち、私の親の二本場で144600です」

    セレス「!?(そんな馬鹿な・・さっきまで河には中が二つあったはず・・・なるほど・・・そういうことですか・・!!)」

    狛枝「わお! まさかボクが役満を食らうとは思わなかったよ」

    セレス(ここでイカサマの疑いをかけても水掛け論になるだけ・・! あなたがそういうプレイングをお望みなら、私も答えなければいけませんわね・・!)

    ガチャ

    天願「おお、どうだ勝負の調子は?」

    仁「今、カムクラ君が三倍役満を出して終わったところです」

    天願「ほう、して結果は?」

    仁「これです」

    セレス+19  カムクラ+136  狛枝-171  苗木+16

    天願「ほう、これはすごいのう。 一発逆転ではないか」

    黄桜「といっても今までの負けが重なってる分、総合的にはあまり高くないんだけどね」

    カムクラ「問題ありませんよ・・これから私が勝つのは決まっていますから」

    黄桜「おつかれだねぇ、カムクラ君」

    カムクラ「大したことはありませんよ。 私の予想では夜九時前には決着が着きます」

    天願「本当にすごい才能だな。 ところで霧切君からの話で聞きたいことg・・」

    カムクラ「麻雀の才能がない理由は話すと長いし、機密情報なのであなた方にはまだ教えるべきではないんですが・・・いいですよ。 僕の予想ではあなた方には明日伝えられる情報なので、予習のようなものだと思って聞いてください」

    仁「ん・・そうか。 では頼むよ」

    カムクラ「現在、あなた方が持っている資料にはカムクライズルプロジェクトは既に終結しあとは私の観察だけするというような内容が書いてありますが、それは違います」

    天願「何が違うのかね?」

    カムクラ「それはあなた方の資料は『カムクライズル』が一人であることを想定されて作られた資料ということです」

    黄桜「カムクライズルが一人じゃないってどういうこと?」

    カムクラ「つまり、あなた方の資料では『希望創生計画』となっていますが、研究チームは『希望量産計画』と呼んでいるということです」

    仁&黄桜&天願「!?」
  13. 13 : : 2017/09/04(月) 17:08:32
    言い忘れていましたがV3組は78期生扱いです(1-B)
    あと江ノ島さんはカムクラと御手洗君と接触した後です
    育成計画らしく平和(ピンフではない)にいきたいのでトワイライト事件や体育館爆☆殺事件は起きてない設定です
    絶望編でいうと6話と7話の中間をイメージしてます。


    仁「量産ということは・・・まさか・・!」

    カムクラ「そのまさかです。 研究チームと評議委員は『カムクライズル』を量産する。 つまり予備学科全てに手術を施す腹づもりです」

    天願「予備学科の生徒がみなカムクライズルになるというのか・・!」

    カムクラ「はい。 そして才能を得た予備学科の卒業生を様々な国や企業に斡旋し、大量のカムクライズル達を使って文字通り世界を掌握するのが評議委員の狙いですね」

    黄桜「なるほど、有能な人材を人工的に作り出すノウハウを持っているのが希望ヶ峰学園だけとすれば、どんな金を払ってでも入学させたいと皆思うよなぁ」

    天願「文字通り入学すれば成功は当たり前。 すべての人に等しく希望を与えるというわけじゃな。 誰もが希望になれる、希望ヶ峰学園の校訓通りじゃ」

    仁「いや・・待て・・! だとすれば本科の生徒はどうなる!? 予備学科がみなとんでもない天才になったら本科の生徒に意味はなくなってしまうんじゃ・・?」

    カムクラ「よくわかってるじゃないですか。 あなたの言う通り、本科生の存在意義は僕らの登場によってなくなってしまいます」

    仁「そんな・・・!?」

    カムクラ「正確には一つだけ意味はあります。 学園に才能のデータを残してくれるということですね。 僕らの才能は卒業生の才能をもとに組み込まれますから」

    カムクラ「ようは使い捨てですよ。 音楽プレイヤーみたいなもので、どんなにいい曲が入っているCDも、音楽プレイヤーに取り込むために楽曲さえ提供してくれれば、もう意味はないということです」

    仁「それじゃあ・・生徒のみんなは・・・響子は・・どうなる・・・!?」

    カムクラ「同じ質問を繰り返すとは馬鹿ですか? 何度も言っているように本科生のみんなは才能のデータさえくれれば、もうどうでもいいということです。 それは現役生だけでなく卒業生も同じことですが」

    天願「卒業生のみんながいる位置にカムクラ君をすげ替えればいいということか・・・」

    カムクラ「そうです。 ただ、厳密には本科生も無価値になるわけではありません」

    仁「なんだって!?」

    カムクラ「彼らも僕と同じ手術を受ければ同じことですから」

    黄桜「いずれにしろ、『超高校級の希望』の名を持たぬものは無意味になるんだね?」

    天願「なるほどのう、だが肝心の質問に答えておらんではないか。 今は評議委員の壮大な野望を聞いただけじゃぞ?」

    カムクラ「せめて希望と言ってあげてほしいですね、希望ヶ峰の職員なんですから・・・そして麻雀の才能がない理由は僕が被験体一号だからですよ」

    黄桜「よくわからないな・・確かに日向君が最初の被験者だけど、それがどう関係するんだい?」

    仁「なるほど・・・所謂プロトタイプって言いたいんだろう?」

    カムクラ「そうです。 手術の手順はどうなるのか・・実際に手術をしたらどうなるのか・・問題はないのか・・どこまで才能を詰め込めるのか・・・こういったことを知るために、僕にはすべての才能は入れられていません」

    カムクラ「現在ある才能、78期分の生徒の中で汎用性が高いものを中心に入れられています。 なので『ゲーマー』や『ギャンブラー』の才能はあっても『雀士』の才能がないのはそういうことです」

    天願「なるほど・・ではこれから先は君よりも優れたカムクライズルが生まれるということか」

    カムクラ「まぁ、僕でも200ほどの才能は持っていますけどね」
  14. 14 : : 2017/09/04(月) 17:54:56

    仁「じゃあやがて本科の枠はなくなるということかね?」

    カムクラ「本科の枠がなくなるというよりは予備学科が本科になるというのが正しいです。 僕の予想では・・このままいけば85期生が最後の本科卒業生になるでしょうね」

    カムクラ(もっとも今は彼女の方が手が早いので本当はこのままいくと78期が最後の卒業生でしょうね)

    黄桜「人類総江ノ島化計画ならぬ、人類総カムクラ化計画か・・・想像もつかないね」

    天願「何で78期の江ノ島君の名がいまでてくるんじゃ?」

    黄桜「いや、なんか言った方がいい気がして・・」

    カムクラ「今日のような話を明日、研究チームが予算拡大の申請書類を携えて、しに来ると思います」

    仁「そうか・・・最後に一つだけ聞かしてくれ」

    カムクラ「なんですか?」

    仁「みんながカムクライズルになったら・・世界はどうなってる・・?」

    カムクラ「予想はたっていますが・・それを教える気はありませんし、はっきり言ってどうでもいいです」

    仁「何故だね・・?」

    カムクラ「プロトタイプの僕ですら簡単に見切れるようなツマラナイ世界です・・そんなものに興味はありません・・では少し失礼します・・やっておきたい事があるので」

    ガチャ

    黄桜「ふううぅぅ。 いやー、かなり疲れたね」

    天願「無理もない、あんな話を聞かされればな。 それにしても評議委員め、わしらの予想をはるかに超えておぞましいのう」

    仁「全くだ・・しかし、皮肉にもそれで予備学科関連の問題は解決してしまうな・・才能さえ手に入れば彼らは何も言わないだろうし」

    天願「まぁ、カムクライズルになって個性を破壊されるわけじゃから、そもそも怒ることも泣くこともせんじゃろうが」

    黄桜「それにしても予備じゃなくて本物を使い捨てるだなんてね。 色々と倒錯してるねぇ・・それで仁、大丈夫か?」

    仁「なにがだ?」

    黄桜「響子ちゃんの事だよ・・・お前を追っかけてここに来たのに、最終的にはまたしてもお前が彼女を捨てることになっちまうだろ?」

    仁「別に大した問題じゃないさ・・・彼女は元々私をそういう人間だと思ってるし、それにそんなやわには出来てないよ」

    黄桜「・・・そうか。 お前がそれでいいならこちらが言うことは何もない。 ただ、後悔だけはしないようにしろよ」

    仁「・・・・肝に銘じておくよ」

    ガチャ

    カムクラ「・・・」

    天願「おお、カムクラ君戻ってきたか。 みな、すでに準備できておるようじゃぞ?」

    カムクラ「申し訳ありません。 では始めましょうか」

    セレス「いえいえ、構いませんわ。 四回戦・・・始めましょうか・・・!」

    仁「そういえば、私たちとんでもない内容を生徒のいるとこで話していたんじゃ・・!」

    カムクラ(心配しなくても僕の才能で彼らには聞こえていないから安心してください)

    黄桜(お、おう・・)
  15. 15 : : 2017/09/05(火) 02:11:20

    カムクラ「四回戦を始める前に一つルールの変更をお願いしてもいいですか?」

    セレス「ルールの変更? なんですの?」

    カムクラ「オープンリーチ縛りをなくすのとこれは僕の事情ですが、僕にも賭けさせてほしいということです」

    苗木「でも、学園長の代打ちだから、すでに賭け金はあるんじゃ・・」

    カムクラ「所詮、学園長は他人ですからいざという時に頑張れない可能性があります。 それをなくすためです」

    セレス「承諾いたしましたわ。 それで何を賭けるんですの?」

    カムクラ「そうですね・・・才能を賭けましょう」

    狛枝「才能を賭ける・・・? ずいぶんと不思議なことを言うねぇ」

    カムクラ「そのまんまの意味ですよ。 僕の才能は他人と才能のやり取りをする才能なんですが、僕が負ければ蓄えてきた才能を全て差し上げます」

    苗木「才能を分け与えるだって・・!? そんなオカルトありえないよ!」

    カムクラ「あり得るかどうかは僕に勝ってから聞いてください。 まぁ、そんな展開は訪れませんが」

    セレス「随分と自信をお持ちなのですね・・わかりましたわ。 あなたの賭け金は『才能』と認めましょう。 元々学園長の賭け金がありますし、多めに見ます」

    カムクラ「ありがとうございます。 左右田、念のため聞いておきますが皆さん、ちゃんと賭け金は支払ってくださいますよね?」

    セレス「もちろんですわ。 超高校級のギャンブラーとしてそこは常にフェアにやっておりますから」

    苗木(・・・!? この人・・・なんて迫力だ・・今の言葉で全身が震えた・・!! なんの感情もないみたいにすごく冷たい人だ・・! もしかしたらボクが勝っても・・)

    狛枝「じゃあ改めて命がけの勝負を始めようよ・・・!!」

    ・・・東一局・・・

    カムクラ「・・・」ゴソッ

    セレス(さてとこのカムクラ君、油断していたとはいえ私相手にイカサマをするほどの実力の持ち主。 私も今まで苗木君たちにサマはちょくちょくかましてきましたが今までよりも本気度を上げてやる必要がありますわね・・)

    仁(さて・・カムクラ君の手牌はどうだろう)

    カムクラ「・・」11二二六六③③⑦⑦西西白

    仁(何・・? すでに聴牌・・だと・・・!? 幸運も入っているだろうが、それにしても恐ろしすぎる・・!)

    セレス「・・」タン!
    カムクラ「・・・」タン!
    仁(流石に地和や人和はそうそうでないか・・ってあれ? リーチをかけないのか・・・? なぜだ・・?)

    何故かダブルリーチをしないカムクラ・・・そんな状況が続いていたが七巡目・・・

    カムクラ「リーチ」タン!
    仁(やっとリーチか・・もっともセレス君が五巡目にリーチしてるから追っかけになるな)

    そして八巡目・・

    セレス「中々来ませんわね・・」タン 白
    カムクラ「ロン! リーチ一発七対子ドラ2跳満です」

    セレス「!? そうですか・・はい」

    黄桜「おお! 現状トップノセレスちゃんから直撃をとった! カムクラ君やるねぇ」

    天願「まだ一局目が終わったばかりじゃぞ。 安心するにはまだ早いわい」

    だがこの後もカムクラは上がり続ける
    苗木「・・」タン カムクラ「ロンです・・白一本場1800」
    狛枝「・・」タン カムクラ「ロン、リーチ一発ドラ3二本場12600」
    カムクラ「リーチ一発ツモドラ1三本場、12900」




    気が付けばカムクラの連荘になっていた・・現在七連荘である。

    カムクラ「・・」ゴソッ

    セレス(おかしい・・カムクラ君のやっているイカサマがわからない・・! それともツモ運がいいだけでしょうか・・? いや、やはりそれはない。 苗木君に狛枝君がいるのにイカサマなしでは連続でいい手は引けてこない・・! 絶対に何かあるはず・・早く見つけなくては・・・!!)

    結局この局もカムクラの上りで終わり・・・八連荘へと突入する・・・!
  16. 16 : : 2017/09/05(火) 16:50:50

    黄桜「それにしてもカムクラ君強いねぇ。 彼らを相手に圧倒してるよ。 幸運は組み込まれているらしいからそのおかげかな?」

    仁「冗談を言うな、公一。 スカウトマンのお前が気づかないわけないだろう。 確実に何かをやっているぞ、あれは・・!」

    黄桜「まぁな。 外部から見ているからトリックは三連荘のあたりで気づいたけどね・・えげつないことするなぁって思っててるけど・・あれ、仁まだわかってないの?」

    仁「7割方わかったが・・まだ全てではない・・」

    天願「それだけでも大したものだ・・おそらく『諜報員』や『詐欺師』の才能を駆使して我々の認識そのものにも干渉している。 そうでなきゃ、セレス君が連荘する前に気づいておるはずじゃからな」


    ・・・東二局八本場・・・

    カムクラ「・・」ゴソッ

    セレス(それにしてもどうして毎回、こうもひどい配牌になるんでしょうか・・さっきから最低でもスーシャンテン以下の手牌しか来ない・・それは多分、他のみんなも同様・・いや、ちょっと待って・・この配牌の悪さが彼のイカサマだとすれば・・・!)

    カムクラ「ダブルリーチ!」

    セレス(今回も彼に上がらせて、そのあと次の勝負で彼の様子を見ましょう・・! 私の予想が正しければ・・彼のイカサマのタイミングはあそこだから・・!)

    カムクラ「ダブリー一発ツモ八本場で6400」

    ・・・東二局九本場・・・

    カムクラ「・・」ゴソッ
    セレス(そこか・・・!)ガシィ!
    カムクラ「!?・・・セレスさん、なんですかこの手は? 僕の左腕を離してください・・!」

    セレス「離すのは構いませんが・・その前に左ポケットの中を見せてくださらない?」

    カムクラ「その行為に何の意味があるというのですか・・?」

    セレス「あなたのイカサマを見破る意味がありますわ。 私の予想ではその左ポケットの中に何か・・おそらく雀卓に干渉するコントローラーのようなものを持っていますわね?」

    カムクラ「・・僕の予想より早かったですね・・いいですよ」

    そしてカムクラの左ポケットから出てきたのは何かのリモコンのようなものだった。

    苗木「これが雀卓に干渉するコントローラー? でもどうやって干渉してるの?」

    カムクラ「ちょっと強めの電気を飛ばして雀卓の混ぜる機能に直接!影響を与えます。」

    カムクラ「小型電気出力装置とでも言いますか、ピカチュウとかが電気機械に影響を及ぼすあんな感じのシーンを思い描いてもらうと分かりやすいかもしれません」

    苗木「そんな漫画みたいなものが作れるというのかい?」

    カムクラ「漫画みたいなものを作っている人があなたの周りにもいると思うのですが・・」

    セレス「確かに不二咲君に左右田先輩なら作れるでしょうね」

    苗木「さりげなく忘れ去られる入間さんェ…」

    狛枝「ずいぶんと小さいねぇ。 あとボタンも一つしかないことを見ると大したことはできないのかな?」

    カムクラ「ボタンの押し加減で三パターンほどの混ぜ方ができますよ。 まぁついさっき作った急造品なので大したことができないのは事実ですね」

    仁(急造品・・! 一体いつの間に・・いや、試合が始まる前に退出していた・・・あの時か・・・)

    セレス「仕組みはどうでもいいですわ。 とにかく、これは没収させていただきますわよ。 今まではともかくこれからは使わさせるわけにはいきませんので」

    カムクラ「そうですね・・では破棄させて頂きます」バキッ

    セレス「よろしいですわ。 それでは始めましょうか」
  17. 17 : : 2017/09/06(水) 00:27:12

    改めて東二局九本場

    セレス(リャンシャンテン・・やはりこれくらいが正常ですわね。 気付かなかったのが不思議なくらいですわ)

    セレス(さてと今までずっとイカサマをしてきたから彼本来の実力がわからない・・それで点差もかなり開いてるとなると・・・まずはあの手でいきますか・・!)

    そして九巡目・・

    カムクラ「リーチ!」

    狛枝「うーん、イカサマなくても強いねぇ、カムクラクン」

    カムクラ「たかが一回の先制リーチで測れないと思いますが?」

    狛枝「それもそうだね」タン!
    苗木「・・」タン!
    セレス「・・・」タン! ⑦
    カムクラ「ロンです。 ひとまずリーチ一発だけですが、裏ドラはどうでしょうか・・」

    セレス「お待ちください、カムクラ君。 フリテンですわよ?」

    カムクラ「ん?」 東北白①四⑦76五

    狛枝「本当だ! こんな見落としをするとは勝ちを焦っていたのかな?」

    カムクラ「どうやら・・そのようですね。 チョンボということで12000点を払いましょう」

    仁「そんな馬鹿な・・・! あのカムクライズルがフリテンなんて初歩的なミスをするわけが・・!」

    天願「なるほど、実に鮮やかな手口じゃのう」

    黄桜「どういうことです? 誰の何が鮮やかなんですか?」

    天願「君も見えておらんかったのか、黄桜君?」

    黄桜「いや、ちょうど酒を飲んでいて見損なったんですよ」

    仁「おい、公一。 前からあれほど勤務中に酒を飲むなと言っているだろう!」

    黄桜「悪かったよ、仁。 そんで天願さん、解説をお願いします」

    天願「カムクラ君が上がった時に手牌を公開する。 次に裏ドラを確認するためにみんな王牌に目が行くじゃろ? その一瞬の隙をついてセレス君が上がり牌を捨て牌の中に仕込んだんじゃよ」

    仁「そんな馬鹿な・・・! 確かに理論上は可能ですけど・・そんなことが可能なんですか・・?」

    天願「あのスピードは並みのものには見切れんじゃろう。 現役生でも大神君や春川君が見切れるかどうか怪しい。 それくらい早くてさりげなく、そして正確な手口じゃった」

    黄桜「そりゃあ、鮮やかなわけだ」

    天願「カムクラ君も多分気づいたじゃろうからセレス君も当分は使わんじゃろう。 しかし今の流れを変えるには有効な手じゃ。 ほれ見てみろ」

    仁「ん?」

    カムクラ「・・・」タン!
    セレス「ロン! 清一色二盃口タンピンドラ1九本場で26700ですわ」

    カムクラ「はい」

    仁「カムクラ君から直撃をとった・・!」

    黄桜「それだけじゃない。 チョンボの点数もとってるから実質36000以上奪った計算になる・・!」

    セレス(うふふふ・・・勿論この手はもう使いません。 ですがこの後も色々やらせてもらいますわよ? 先に仕掛けてきたのはそちらなんですから・・!)

    カムクラ(・・ツマラナイ・・ですが、想定よりは時間がかかりそうですね)

    苗木「やっと東三局か・・・全くしんどいね」

    狛枝「諦めちゃ駄目だよ、苗木クン。 どんな勝負も最後まで希望を持ち続けた者が勝つんだからさ!」

    セレス「そうですわね、では東三局にまいりましょうか・・・!」
  18. 18 : : 2017/09/12(火) 17:00:49

    ・・・東三局・・・

    カムクラ(当分イカサマをしないでしょうが、警戒を怠っては付け込まれますね・・・探偵、マジシャン、暗殺者、これくらいの才能は使っておきますか・・・)

    セレス(イカサマに対する警戒心が凄まじいですわ・・やはりイカサマは厳しそうですわね・・・となれば正攻法でいきましょう)

    苗木(なんとかセレスさんがカムクラクンの連荘を止めたとはいえ点差が絶望的だ・・あまり卑怯なことはしたくないんだけど・・その手に乗るしかないなぁ・・)

    そして八巡目・・・

    カムクラ「リーチ!」

    苗木(先制リーチ・・! じゃあ機会がきたらいかないとね・・)

    狛枝「さっき手痛い攻撃を食らった割には立ち直り速いねぇ、カムクラクン」

    カムクラ「別に大したことはありません。 また稼ぎ直せばいいだけですから」

    狛枝「その自信・・素晴らしいよ! 君の才能は知らないけど希望に満ち溢れていることだけはよくわかるよ」

    カムクラ「ツマラナイ」

    狛枝「ボクは幸運だからねぇ・・ツマラナイのは仕方ないよ。 苗木クンは別だけどね!」 ④

    苗木「ポン!」 ④④④

    セレス「リーチ! 追っかけさせていただきますわ」 八

    苗木「それもポン!」 八八八

    セレス「私も一発消しを食らいましたか・・残念ですわ」タン!

    カムクラ「よくあることでしょう・・ツマラナイ」3

    セレス「ロン! リーチのみで1000点ですわね」

    カムクラ「はい」

    狛枝「わお! 今度はセレスさんに流れが来ているのかな?」

    セレス「たかが一回ではわからないですわよ? 次行きましょう」

    ・・・東四局・・・

    苗木(ボクが親だからなぁ・・できればあがりたいところだ)

    そして九巡目、苗木に機舞い降りる・・!

    苗木(来た! 一一一999東東東①①白5 白
    ここはダマで通して上がり点棒を回復する! え~と、確かこの時はこう・・だよね)タン! 5

    セレス「・・」タン

    カムクラ(みんな聴牌かイーシャンテンくらいにはいる雰囲気ですね・・狛枝君を除いてですが・・まぁ様子見でいいでしょう)タン!

    狛枝「・・」タン!

    苗木(・・来ないね・・)タン!

    セレス「・・」タン! ①

    苗木「ロン! 混老頭、ダブ東、18000だよ」

    セレス「親に振り込んでしまいましたか・・やりますわね、苗木君」

    苗木「いや、そんな大したことはないよ・・」

    セレス「人の誉め言葉は素直に受け取ることをお勧めしますわよ? では苗木君の連荘ですわね」

    ・・・東四局一本場・・・

    苗木(できれば・・二連荘くらいは狙いたい・・!)

    そして十一巡目・・・

    カムクラ(テンパイですが・・さっきから少し違和感があるんですよね・・今回もリーチはなしでいきましょう)タン!

    さらに十三巡目・・

    狛枝「・・」タン! ④

    セレス「ポンですわ」 ④④④

    カムクラ「・・」 二

    苗木「ロン! タンヤオ対々和ドラ2 12000だ」

    カムクラ「・・はい」

    狛枝「これで苗木君の二連荘だね。 素晴らしいよ」

    苗木「狛枝君・・今までに言った、『素晴らしいよ』の数、覚えてる?」

    狛枝「そんなのどうだっていいよ! 重要なのはこのゲームに勝つかどうかでしょ?」

    カムクラ「・・ツマラナイ・・なんて下手なごまかしなんでしょうか・・・」

    狛枝「ハハッ、そう言われると世話ないね・・」

    セレス「話はそれくらいにして三本場、いきますわよ?」






  19. 19 : : 2017/09/21(木) 14:31:50

    そして西三局・・

    苗木「セレスさん、それだ。 リーチ一発ドラ2で7700だよ」

    セレス「どうやら今回は苗木君に流れが来ているようですわね」

    カムクラ「・・・(今の点数は、
    セレス50700 カムクラ4400 狛枝3600 苗木61300
    そしてこれまでの局でセレスさんと苗木君は互いの振り込みが多い・・つまり、この二人はコンビ打ちをしているとみて間違いないですね・・分析力の才能がなければ気づけないとこでした)」

    カムクラ(しかし残りの局が少ないことを考えれば彼らと真向に立ち向かうのは難しい・・ここはコンビ打ちに軽く牽制を一回いれたあとに再び彼に点棒を差し出してもらいましょうか)

    ・・・西四局・・・

    苗木(駄目だ・・今回の配牌はあまり良くない・・期待できないっていうときは・・確か三秒間を開けて牌を捨てるんだよな)タン!

    セレス(今回はきついですか・・であれば流す方向でいきますわよ・・カムクラさんもオリが多いですから振り込みは期待できないでしょうしね)タン!

    苗木(この局は流すか・・了解したよ)

    セレス(ここは流しても大丈夫・・カムクラ君の様子も大分穏やかになってきましたし、この次辺りから機会が来れば狙っていきますわ・・・!!)

    結局この局は全員ノーテンという形で流れることになり北一局へと突入する

    ・・・北一局一本場・・・

    778888①④⑤二六七東
    セレス(この手を待っていましたわ・・! カムクラ君の警戒が緩んでいる今が好機・・!)

    今、セレスがやろうとしていること・・それはキャタピラと呼ばれるイカサマ・・!
    左手に77を握りこみ、自分の山を前に出すふりをしながら握りこんだ77を送り込んでいく・・・
    溢れた牌は下へ・・余った牌は上へと移動・・丁度キャタピラの回転のように牌を循環させる・・!

    77を目的の場所においてきたら、右端の二枚を持ってきて終了・・この間、二秒弱・・数万回と練習してきた動きだけに澱みはない・・・それに加えてこの時はみな理牌に目がいっている・・まず、見逃される・・・!

    こうして引き入れた二牌に意味はない・・・大切なのは山に置いてきた77である。 ドラ表示牌である・・! また二枚目はカンした時のドラ表示牌・・つまりセレスはこの凡手
    8888①④⑤二六七東12 一瞬にしてドラ8内蔵の怪物手に変化・・!

    セレス(あとは苗木君と組んで私がリーチとカンをして上がり牌をツモるだけですわ・・できればカムクラ君に振り込ませたいですが・・おそらくリーチをしてこないでしょうしね)

    だが、十二巡目・・

    カムクラ「リーチ」タン!

    苗木(リーチしてきた・・! どうする、セレスさん?)タン!

    セレス(どうするもこうするも獲物が自ら来たのに狩らない道理はありませんわ・・! 苗木君、彼を飛ばしますわよ!)タン! ⑧

    苗木「(わかったよ!)ポン!」⑧⑧⑧

    セレス「カン! そしてリーチ!」タン! 5

    苗木「ポン!」555

    仁「なっ! ドラ8だと・・!?」

    黄桜「セレスちゃんの手牌はカンを除くと 
    ①①六七八123④⑤ だから③⑥待ちか」

    天願「そしてカムクラ君は⑥⑥⑥を持っておるからセレス君の上がり牌は実質③に期待することになるわけじゃな」

    黄桜「③はまだ出ていないからチャンスは大ありということだね」

    仁「彼女が引かない可能性もあるだろう・・王牌にある可能性だって・・!」

    天願「いや、あのセレス君の表情を見る限りではカムクラ君が確実に③を引くであろうことを予感しておるようじゃ」

    黄桜「それじゃあ、この一荘はカムクラ君のトビ終了・・?」

    天願「まぁ、あくまで予想だがな・・」

    セレス(ふふふ・・さぁ、あとは上がり牌をひかすだけですわ・・!)

    カムクラ「おっと・・すいません、山の一部を崩してしましました。 戻しますね」ジャラッ
  20. 20 : : 2017/09/26(火) 17:30:18

    セレス(まさか・・ばれた・・!? いや、そうだとしてもリーチをした彼にはもう打てる手はないはず・・③が予定通り彼の次の次のツモ牌なのも変わっていませんし・・作戦続行ですわ・・!!) タン!

    カムクラ「・・」タン!

    狛枝「・・」タン!

    苗木(ツモは・・⑥か。 えっとセレスさんの上がり牌は通しのサインを見る限りでは①④⑦待ちだね。 カムクラ君の捨て牌も見ても当たり牌である確率は低い・・ボクも聴牌を崩したくないし・・ここはツモ切りで大丈夫だな・・)タン! ⑥

    セレス「ッ!?」ガタ!

    カムクラ「どうかしましたか・・? もしかしてそれが上がり牌ですか・・?」

    セレス「(何で・・!? 苗木君がそれを・・!? いや、今は宣言をしないと・・!!) そうですわ、裏ドラは乗らないのでリーチドラ8、倍満で一本場なので24300ですわ」

    苗木(そんな・・!? 何で・・? サインを見ても①④⑦のはずなのに・・! セレスさんがボクをはめたのか・・それとも・・)

    狛枝「苗木クン、親倍満に振り込んでショックなのはわかるけど早く点棒をセレスさんに渡してあげなよ」

    苗木「・・あ、ごめんセレスさん。 はい」

    セレス「ありがとうございます。 左右田、少し疲れてしまったので休憩をお願いしてもよろしいですか・・?」

    カムクラ「構いませんよ」

    セレス「では少し失礼しますわ・・」ガチャ

    苗木「・・ボクもちょっとトイレに・・」ガチャ

    仁「よし、やったぞ! なんとかドラ8を切り抜けた! 助かった・・!」

    天願「霧切君、助かったという言い方は適切ではないな。 この場合は敵を上手く嵌めたというのが正解じゃ」

    仁「嵌めた? 嵌めようとしていたのはセレス君と苗木君では?」

    黄桜「それは違うぜ、仁。 いや、別にセレスちゃんたちがコンビ打ちをしていたのは間違ってないんだけど今回の振り込みはカムクラ君が狙って起こしたのさ」

    仁「カムクラ君が狙って・・? どういうことだ、説明しろ公一!!」

    天願「セレス君がリーチをした後にカムクラ君が山を崩したのは覚えておるか?」

    仁「はい・・でもあれは結局元の位置に戻しただけですよね?」

    黄桜「いや、そうじゃない、カムクラ君はこの時二つのイカサマを仕掛けていたんだ」

    仁「二つのイカサマ・・?」

    天願「一つは自分の手牌の中にあった⑥を苗木君の元々のツモ牌と入れ替えたということじゃ。 おそらくセレス君の待ちを完全に読み切っていたのじゃろう。 そしてそれを次の次に引くこともな」

    仁「手牌とツモ牌のすり替え・・! 確かに彼の目の前に山はありましたし可能ではありますね。 してもう一つのイカサマとは・・?」

    黄桜「さっきのすり替えは全て右手でやったことなんだけど、今度は左手でセレスちゃんの河をいじったんだ。 といっても抜いたりしたわけじゃなくてリーチの時に捨てた牌の位置をずらしただけなんだけど」

    仁「牌の位置をずらす・・? それに何の意味が・・?」

    黄桜「通しのサインの意味を変えるためさ。 この試合でコンビ打ちをするにあたってセレスさんと苗木君は通しのサインを何パターンも用意して使い分けていたんだ。 そしてさっきの局の時は自分の上がり牌のスジをリーチした時に捨てる牌の位置で知らせていたんだよ」

    仁「そういうことか・・つまり、本来は③⑥⑨の位置にあった捨て牌をそうでない位置にずらしたということか・・!」

    黄桜「そうだよ、山を崩したことでみんなの注意をセレスちゃんの捨て牌から逃がしたことも一役買ってるんだ・・最もこれ以外の通しのサインは俺は見抜けなかったからなぁ、実はこれ以外の通しは解説できないんだけどね」

    天願「セレス君たちが使用した通しの中でも最も簡単なサインだったからな。 まぁ、カムクラ君は全ての対策法を思いついていたじゃろうが・・」

    黄桜「おっ、二人が戻ってきたぜ」

    セレス「お待たせしましたわ」

    苗木「ごめんね、手間かけさせちゃって」

    狛枝「構わないよ、長丁場の勝負だからリッラクスの時間も必要だしね。 ほら、緊張してるときは深呼吸、深呼吸」

    カムクラ「それでは勝負を再開させましょうかね、二人とも」ギロッ

    セレス「そうですわね(やはり私たちが手を組んでいること、そして通しを時々行っていることがばれているようですわね)」

    苗木(セレスさんは当分は様子を見ると言っていた。 だから今度は嵌められることはないはずだけど・・!)
  21. 21 : : 2017/09/27(水) 15:18:55

    ・・・北一局二本場・・・・

    セレス(いくら通しがばれたとはいえこの一荘は残りの局も少ない・・! 全力で逃げ切りますわ・・!) タン!

    カムクラ「・・・!!」タン!


    黄桜「流石のカムクラ君でもここからの逆転勝ちは無理だよねぇ。 まぁ苗木君は倒せそうだから、よくて二位かな」

    天願「勝負はまだ始まったばかりじゃ。 どうなるかはわからんぞ」

    仁(カムクライズルから何か嫌な雰囲気がするな・・・何かを狙っているのはわかるが・・何をするつもりだ・・?)

    そして九巡目になってカムクラの狙いがはっきりする・・!

    カムクラ「・・」 白白白中中中發發發北北北西

    仁「大三元字一色四暗刻西単騎待ちだと・・!?」

    天願「おそらくイカサマありきじゃろうが・・全くわからんかった・・!」

    黄桜「確かに四倍役満なら逆転トップだけど・・既に西は河に3つ出てるんだぜ。 どうする気なんだ・・?」

    だが十二巡目・・

    カムクラ「おっと、白が来たので暗槓させてもらいます」白白白白

    苗木(白のカン・・!? 確かに河に三元牌が出てないとは思っていたけど、まさかカムクラ君は大三元をそろえているのか・・?)

    カムクラ「それでは嶺上牌をいただきますね・・」カツン

    黄桜(ん? なんだ今の音・・?)

    セレス(今のカムクラさんの手つき・・なにかおかしかったような・・?)

    カムクラ「ふむ・・せっかくの嶺上牌ですが・・必要はないですね・・」 ⑦

    狛枝「ではボクのターン、ドロー! なんてね。 ツモは・・これか・・これはいいや」 西

    黄桜&仁&天願「!?」

    カムクラ「ロンです! 大三元字一色四暗刻単騎二本場で128600ですね」

    狛枝「さっきは三倍だったのに今度は四倍か・・・どうも君が来てからはついてないねぇ・・はい」

    セレス(なるほど・・さっき嶺上牌をとるときに嶺上牌と捨て牌の西、そして狛枝君のツモ牌をすりかえたのですね・・! いつもの彼なら音を出すというミスしないはずですが・・流石に二連続のすり替えはフォローしきれないということですか・・)

    苗木「この試合は狛枝君のトビで終了だね」

    セレス+46 カムクラ+102 狛枝-155 苗木+7

    仁「君は本当にえげつないな、カムクラ君」

    カムクラ「・・まぁツマラナイ相手ですしね」

    天願「しかし、どうしてさっきから狛枝君を狙い撃ちにしておるんじゃ?」

    カムクラ「一番狙いやすいからです・・セレスさんに真向勝負を挑むのは少々面倒なので・・・苗木君はいわゆる普通の打ち方をしてくるので狙ってもツマラナイ・・それに彼の幸運はまだ分析しきれていないので」

    カムクラ「その点、狛枝君は後で何を起こしてくれるのかがわかっているし、役満ばかり狙う彼の打ち方は非常に狙いやすい。 彼の幸運も僕の幸運とイカサマテクニックがあれば問題ありません」

    仁「あの幸運をも恐れないとは・・流石は超高校級の希望だな・・」

    カムクラ「彼に限らずツマラナイ人ばかりですけどね・・安心してください。 この勝負、夜時間になる前には終わりますから・・・」

    苗木「それでセレスさん、改めてどうするの? コンビ打ちはなしにしとく・・?」

    セレス「そうしたいのはやまやまですが・・あまり認めたくないですけど彼の実力はけた違いですわ・・私一人ではとても無理です」

    苗木「そんな・・セレスさんよりも強いだなんて・・! どうする?狛枝クンにも声かけてみる・・?」

    セレス「彼の幸運の特性上、こういう細かい調整には向かないといったのをお忘れですか? 通しのサインを変えてまた二人で挑みますわよ・・!」

    苗木「わかったよ」

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

著者情報
meshima2

あわわ

@meshima2

「ダンガンロンパ 」カテゴリの最新記事
「ダンガンロンパ 」SSの交流広場
【sn公式】ダンガンロンパ交流広場