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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

2つのドライバー

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  1. 1 : : 2017/08/26(土) 22:22:15
    死因は心臓麻痺、そうなった原因は俺がFBIの捜査官だったからだ。
    FBIの捜査官であることと心臓麻痺がどう関係あるか?
    全ての説明は「キラ」の二文字で説明がつくだろう。
    そう、俺はキラに殺されたのだ。

    と、そこまでは自分でも把握しているのだが、果たしてここはどこなのだろう。
    …あの世にしては随分おざなりな出来だ。
    何せここには何も無い、ただただ延々と闇が覆う重力すらない空間なのだから。

    体の感覚はある、といっても生前とはどことなく違うが、自分の体であれば触れることも可能だ。
    …といっても自分以外なにも存在していなくては確かめようもないが。

    …さて、どうしようか。
    キラをどうにかしたかったが、死んでしまってはどうしようもない。
    そのことは諦めるとして、ずっとここにいるというのは何とも…

    俺は少しでも動けないかと体をばたつかせた。

    …動いているのか動いてないのかも、何も見えなくては分からない。
    それでも諦める訳には行かないので必死に体を動かした。
    唯一、疲労がないことだけが救いだった。
  2. 2 : : 2017/08/26(土) 22:27:58
    そうして体を動かしていると、向こうにぼやっと光が見えた。
    俺はその方向に向かったが、それで気づいた。

    少し、少しだが確実に俺は動いていた。
    すると急に気力が戻って、俺はそこまでの道のりを全力でばたつかせた。
    途中途中動きを変えた結果、平泳ぎのような動きが一番早いことに気づき、途中からは平泳ぎで向かった。

    そうしてたどり着いた先には…小さな、といっても30cm程はある穴があった。

    俺はそれを広げて外に行こうとしたが、その穴、見えるだけで触れないのである。
    俺は落胆してそこで座り込む…といっても下がないのでその態勢をとっていた。
    見えてるものもよく分からない景色で、俺はどうしようもない、やるせない気になった。

    そのうちに俺は生前に残した色々なことが気になって、その事を頭に浮かべていた。

    するとどうだろう、そのことについての現在の様子が、その小穴に映し出されたではないか。
  3. 3 : : 2017/08/26(土) 22:29:47
    その小穴から除き、俺はキラの正体、殺人の方法など、様々なことを覚えた。

    元から教育されていた日本語は、その過程の中で完璧なものとなった。

    俺は向こうの世界でいうところの6年の時を過ごしていた。
  4. 4 : : 2017/08/26(土) 22:33:34
    今の俺は俗に言う…オタクになっていた。

    きっかけは仮面ライダーという作品だ。

    撮影などのクオリティ自体は低いものの、見ていて童心を揺さぶられた。

    それからは小穴を使って全ての作品に目を通した。
    今年のライダーはディケイド、最初こそなんだこりゃと思っていたが、始まってみると意外と面白く、ハマる。

    俺は今日も小穴から、全国のディケイドを付けている誰かのテレビを覗くのだった…




    「仮面ライダー、好きなんですか?」

    「ああはい、そうなんですよ」




    …え?
  5. 5 : : 2017/08/26(土) 22:48:23
    明らかに違う、これは小穴から聞こえる「音」ではなく…
    明確に俺に向けられた、「声」だ。

    「え?あ、あの…誰ですか?」
    「神です」
    「えぇ…じゃあ…イエス様?」

    とりあえずそれが出てきた、お国柄。

    「残念ながらキリスト教の神ではありません…クリスチャンでした?」
    「えぇまぁ一応…」
    「私は天照です、知ってます?」

    天照と言えば…日本の最高神だったか。

    「すみません…一応存じておりますが、少ししか…」
    「あっ、いえいえ。全然いいんですよ。
    人間が勝手に争っているだけで、それぞれの神は仲がいいんです。」
    「あっ、そうなんですね…」

    さらっと人類の歩んだ歴史の愚かさを証明してくれたな。

    「あ、それで…なんの御用で?」
    「それが…あの…DEATHNOTEでしたっけ。あなたの死因。」
    「はい、どうもそう見たいです」
    「あれで殺されると色々な手続きが面倒になるんですね。」
    「はぁ…」
    「私の父の元妻にあたる…」
    「それ母親じゃだめなんです?」
    「色々複雑で…」
    「そうですか」
    「伊邪那美が、黄泉に送る…」
    「黄泉!?」
    「あぁ、そこまでは知りませんでしたか。」
    「はい…」

    「簡潔に言えば、日本で死ぬと黄泉に行きます。」
    「生前の宗教は?」
    「関係ないです。」
    「関係ない」
    「ないです。」
    「関係ない?」
    「ないです。」

    マジか、神様ってえぐいな。
    まぁ実在しただけマシかな。

    「でー…ここが黄泉?」
    「あっいえ、それが例外で。」
    「例外?」
    「申し上げにくいんですけど…手続きが面倒なので、
    天国、地獄、煉獄、黄泉…どこにも属さない場所に伊邪那美がとりあえず送ったみたいなんですね?」
    「えっ」
    「それで…」
    「忘れられたと。」
    「はい…」
    「マジか…」

    知りたくなかったな。
  6. 6 : : 2017/08/26(土) 23:07:40
    「俺は6年間忘れられてたんですね。」
    「はい。」
    「まぁ…この穴あるだけマシなんですけど。」
    「あぁ、その穴はアレですね、魔人ブウが気合で開けたやつですね。」
    「え!?」
    「まぁそれは置いといて…」
    「いやちょっと」

    魔人ブウと言えば、確かドラゴンボールのラスボスだ。
    実在したの!?

    「それでお詫びと言ってはなんですけど。」
    「あっ、マジで置いとくんですね」
    「願い事叶えてあげます。」
    「えっ!いいんですか」

    何にしようかなー…

    「物でもいいですよ、DEATHNOTE欲しいとか…」
    「それ神様が言っていいやつなんです!?」
    「あぁ、別に何とも思わないので…拳銃と何か違いますか?」

    やっぱり神様には勝てないな…色々。

    「でも…いいです。DEATHNOTEは…ちょっと」
    「そうですか?」
    「まず使い道ないし…この穴から見える人殺しても…」
    「いえ、転生先でですよ。」
    「えっ」
    「あっ」

    転生?聞いてないんですけど…

    「言ってませんでしたね。」
    「はい」

    一番大事な事だと思う。やっぱり親子なのでは?

    「あなたは転生できます、期限きたので」
    「あぁ…6年経てば転生できると?」
    「いえ、期限は1年ですね」
    「残りの5年は?」
    「お、オマケ…みたいな」
    「つまり無駄だったと。」
    「まぁ…」

    まぁ忘れてたって時点でお察しなんだけど…な。

    「はぁ…」
    「すみませんね、本当に。」
    「いえ、平気です。」
    「じゃあ…どうします?DEATHNOTEいらないとなると…」
    「いや、DEATHNOTEいらなくても色々あるでしょ!」
    「色々…というと?」
    「5000兆円欲しい!とか…」
    「おぉ…」
    「なんです?」
    「それ2017年に流行るやつですよ、凄いですね。」
    「マジですか」
    「すると…7歳ですね。ギリギリネット環境手に入るんでは?先にあのフォント作ってしまえばあなたが流行の発端ですよ。」
    「神様なんかこすいですね」
    「えっ、酷い。」
    「え?なんかすみません…」

    「で、何か欲しいとか欲しいとかなりたいとかあります?」
    「超絶美少女になりたいですね」
    「わーお…かつての真面目かつ優秀なFBI捜査官の面影、跡形もありませんね。」
    「いわないどいて…」
    「分かりました、それ一つ目ですね。」
    「あれ、何個なんです?」
    「7個です、ドラゴンボール…まぁ、日本っぽく。」

    天照さんはドヤ顔で言った。

    「あれ?ドラゴンボールってボールを7個あつめるだけで叶えられる願い一つじゃありませんでした?」
    「そうでしたっけ?」
    「絶対そうですよ」
    「わー…神様は恥ずかしいです…」
    「可愛い」
    「ありがとう」
  7. 7 : : 2017/08/26(土) 23:14:34
    「でもまぁ、言ってしまったので7個でいいですよ。」
    「ありがとうございます。」
    「二つ目は転生先で所持金5000兆円、でよろしいですね?」
    「よろしくないですね。」
    「えっ」

    そんな改造コードみたいな言い方でとんでもないこと言わないで…

    「そもそもそんな大金を生まれながらに持ってるってどういうことですか。」
    「あぁ確かに…では5000兆円入った通帳を握って生まれてくるというのは?」
    「不自然過ぎる」
    「まぁそうですよね…」
    「当たり前です」
    「では未知の鉱石で体を作って、その価値5000兆円というのは?」
    「それ自分の体売らないと5000兆円手に入らないじゃないですか」
    「そうですね…」
    「ポケットから常に万札が出てきて、その総額5000兆円というのは?」
    「人前でうっかり出したら変な人に連れてかれます」
    「うぅ…難しいですね」

    神様意外とアホなのでは。

    「そもそもあれ願いじゃなくて例えですから」
    「あっ、そうでしたね。」
    「2番目の願いは…そうですね、IQ600で。」
    「本郷猛ですか?」
    「通ですねー」
    「日本の作品は網羅してますから、5900年まで」
    「すっげ」
  8. 8 : : 2017/08/26(土) 23:29:47
    「次は」
    「素の身体をいじって下さい」
    「詳細どうぞ」
    「パンチ力身長190cm、体重90kg、パンチ力4t、キック力8t、ジャンプ力20m、100mを5秒で。」
    「平成基本フォームの平均的なスペックですね。」
    「そうですね。」
    「じゃあ4つ目どうぞ。」
    「なんだろ…うーん」
    「なんでもいいですよ」
    「うーん…じゃあ、デフォで五感をライジングペガサスくらいにしてください。」
    「えっ」
    「なんですか?」
    「きついと思いますよ…」
    「あっ…確かにそうですね、なしにできます?」
    「全然OKです。」
    「どうも…」

    とするとなんだろう…
    …あれだ。

    「ディケイドライバーください。」
    「了解です、5つ目は?」
    「ディエンドライバーください。」
    「はぁはぁ。6つ目は?」
    「これから登場するものも含めた、全カードをください。」
    「その三つまとめて一つでいいですよ。」
    「神様やっさし」
    「ありがとう」
  9. 9 : : 2017/08/26(土) 23:33:45
    「では…5つ目をどうぞ。」
    「MPを999にしてください。」
    「はい、MPを…2から999っと…」
    「え?」
    「何でしょう。」
    「人間MPあるんですか?もともと。」
    「ありますよ、使い道ないだけで。」
    「へー…」

    意外や意外。

    「あ、ちなみに」
    「何でしょう。」
    「僕の賢さっていくつです?」
    「600です」
    「そんなに単純なの!?」
    「はい、つまり平均値が100くらいあります」
    「そうだったのか…」
    「どうしました?IQ999にしたくなりました?」
    「え、いいんすか」
    「OKです。」
    「神様大好き」
    「えへへ…」
  10. 10 : : 2017/08/26(土) 23:41:59
    「6つ目は?」
    「ドラクエの全魔法使えるようにしてください。」
    「はい、了解です。作品によって仕様が違う魔法はどうします?」
    「一番強いやつをそれぞれ。」
    「分かりました。」

    神様優しすぎるな、こんなに優しいなら生前にも助けて頂きたかった。

    「では…最後ですね、7つ目をどうぞ。」
    「はい。」

    これはもう…最初から決まっていた。
    そして最後に言おうと思っていた。

    「あなたといつでも意思疎通が可能なようにしてください。」
    「えっ。」
    「あ、ダメですか?」
    「いえ…その、5000兆円じゃないんだなって。」
    「そんな大金いりませんよ」
    「そうですか。」
    「はい」
    「さっきのは、全然構わないですよ。」
    「あ、ありがとうございます。」

    「意外と神様、フリーなんですね。」
    「最高神って意外と暇ですよ。向こうのゼウスさんとかもそうです。」
    「へぇ…」

    改めて考えると、凄い話だ。

    「最後に、転生先ですが。」
    「はい。」
    「どんな世界がいいですか?」
    「じゃあ…あなた好みの世界で。」
    「え、それでいいんですか。」
    「気が合いそうなので。」
    「ありがとう」
  11. 11 : : 2017/08/26(土) 23:48:20
    「それじゃあ送りますね。」
    「待って」
    「何でしょう」
    「さっきのいつでも意思疎通可能って言いましたけど…」
    「やっぱりあれなしでいいです。とかいいます!?」(泣)
    「いえ、仕様を聞きたいなって。」
    「あなたの脳内に私が現れます。」
    「脳内に?」
    「はい、仕様としては、脳内に真っ白の世界がありまして」
    「はい」
    「そこにあなたと私がいます。」
    「はい」
    「お話できます」
    「はい」
    「あと…実はイメージ通りに世界の見た目を変えられます。」
    「というと?」
    「マイクラみたいにです」
    「マイクラ?」
    「あぁ、まだないんだった…」
    「つまりイメージ通りの世界観であなたと二人きり?」
    「そうですね」
    「最高です、他のいらないくらい最高」
    「えっ」///
    「あっ…」
  12. 12 : : 2017/08/26(土) 23:49:40
    「じゃあいってらっしゃい、また転生後のあなたの脳内で合いましょう。」
    「はい。(ぶっ飛んでるなぁ…)」

    俺は転生された。それも特にエフェクトもなく、ぱっと変わる感じだった。
  13. 13 : : 2017/08/26(土) 23:55:43
    「…」

    ここどこ。なんか赤い、全体的に赤い、そして暗い。
    俺は早速イメージを膨らませる。

    「あっ、ここかな?」

    するとすぐに真っ白な世界に到達した。

    「あっ、神様」
    「はい、どうも。」
    「あの…あそこはどこですか?」
    「あなたの母親の胎内ですが」
    「あっ、そっから!?」
    「?はい。」

    うおー…生まれるまでが暇すぎる。

    「じゃあ出産までお話しましょう。」
    「あと3ヵ月かかりますよ。」
    「全然平気です、天照さんとお話してたらあっという間ですよ。それに…」
    「それに?」
    「世界の姿を変えられるなら、ここでデートでもしましょうよ」
    「それは…はい!いいですね!」
    「良かった良かった」

    俺は天照さんと脳内生活を三ヶ月送った。
  14. 14 : : 2017/08/26(土) 23:57:53
    アニメの世界を模倣して、気に食わないところを改変したり、ゲームの世界を自ら楽しんだり…
    そんなことをしていると、3ヵ月というのは本当に、あっという間に過ぎたのだった。

    「いよいよ今日ですね。」
    「じゃあ…産まれてきます」
    「いってらっしゃい 」

    俺は2010年10月10日、産まれた。
  15. 15 : : 2017/08/27(日) 00:02:14
    「大変だ!産声を挙げてない!」

    しまった、あげ忘れた。
    しかし呼吸は出来ている、どうしようか。

    「アー、アー」
    「もう喃語を!?」

    なんだこれ、声帯が未発達でうまく喋れる気がしないぞ。

    「ダイジョウブ、コキュウデキテル」
    「しっ、しゃっ、」


    「「「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!」」」
  16. 16 : : 2017/08/27(日) 00:08:11
    「マッテ、オドロカナイデ」
    「キェェェェェェアァァァァァァ!!マタシャァベッタァァァァァァァ!!」

    だめだこいつら完全に発狂セットだ。
    しかし俺もやっちまったな…

    このままではニュースで取り上げられたり、挙句どっかの研究機関に…とか、やばい!
    面倒くさいことになる。

    「ラリホーマ!」

    仕方ないので眠りについてもらった。
    そして即、神様に相談。
    三ヶ月の間に大分仲良くなったので、気軽に相談出来る。

    「天照さん!この後どうしよう!」
    「大丈夫です、私が記憶を書き換えます!」
    「サービスすげぇや!」

    結果助かった。
  17. 17 : : 2017/08/27(日) 00:23:05
    「ちなみに確認しておきたいんだけど…この世界の世界観ってどんな感じ?」
    「ネタバレ注意ですよ」
    「じゃあ…基本備考だけ。」
    「了解です、ここは…基本的にあなたの知っている地球です。今のところ。」
    「はぁはぁ」
    「しかし今から13年後…あぁ、これ言ってしまうと…」
    「せっかくの世界が台無しですか?」
    「はい…私の一つの作品なので、順を追って楽しんで頂きたいのです…」
    「じゃあいいや。」
    「!本当ですか」
    「もちろん。」
    「良かったー…」

    確かに好きな作品はただネタバレするより、同じ進行状態で感想を言い合う方が楽しいしな。
    まずネタバレ読んだゲームほどつまらないものはないし。

    「じゃあさ、産まれてきてもしばらくすることないよね。」
    「確かに、まだなにかアクションを起こすのは早すぎますね。なにをしても不自然です。」
    「んー…すると暇だなぁ、赤ちゃんってのは。」
    「それならとりあえず、ディケイドライバーを付けてみては?」
    「ん、分かった。」

    俺は1度現実に意識を戻した。

    「…マダネテルナ」

    俺はディケイドライバーを…って。

    「ドッカラ!?」

    俺はまた、脳内に意識を傾けた。

    「ディケイドライバーどこ!?」
    「お約束のアレですよ。明らかに持ってなかったのに…」
    「どっかから取り出したような動作すると手に握られてるやつ!」
    「それです!」

    俺は再び現実へ。
    そしてその動作をする。
    すると…

    「オォ!ホンモノダ」

    ディケイドライバーが握られていた。
    そしてそれを、腹に…

    「…!」

    俺は脳内に入る。

    「天照さん!へその緒まだ繋がってる!どうしよう!」
    「ライドブッカーを出して!」
    「!?はい!」

    忙しいが、現実に意識を向けまた、どっからか取り出すような動作をしてみた。

    「これか!」

    そして脳内に問いかける。

    「で!?」
    「剣モードにしましょう!」
    「それ変身後しか無理!」
    「あぁ!じゃあディエンドライバー出してください!」
    「撃つの!?」
    「身の安全は保証します!」
    「…」

    ギューン!
  18. 18 : : 2017/08/27(日) 00:38:02
    普通に痛い。

    (これ母親平気なのか!?)
    (念の為ホイミかけときましょう!)
    (そっか!そうだね)

    「ホイミ!」

    母親のあそこから伸びていたものがどこかに消え、ついでに羊水だのも消えた。

    (よし、じゃあ変身といくか!)

    俺は小さい手ではあるが凄まじい握力の為握れているディケイドライバーを腹に巻いた。

    そしてこれまた適当に、どっかからかと言った具合にカードを取り出す。いけた。

    「カメンライド…ディケイド!」

    どこからか流れる音とともに俺は病院で変身した。

    「し、身長高くなった…」
    「あ!声も普通に出る!」

    しかし前世とは違う声だな、それはそうか。

    「じゃあこれいくか。」

    俺はカードを一枚取り出した。

    「カメンライド…クロノス!」

    俺はクロノスに変身した。
    …目的はもちろん。

    「アタックライド…ポーズ!」

    これ。
    よし、これで俺以外動けない。
    ん?なんで2010年時点で知ってるかって?
    そりゃあ神様に聞いたに決まってるだろ。

    「さーて、これで作業が捗るねぇ」

    俺は…
    俺は?


    (ん?そう言えばなにするんだっけ?)
    (説明してませんでしたね、魔進チェイサーにカメンライドできますか?)
    (あ、あれ仮面ライダーなの!?仮面ライダーチェイサーじゃなくて?)
    (はい、魔進のほうです)
    (わ、わかった…)

    「カメンライド…魔進チェイサー!」

    (…で?)
    (重加速のアタックライドをどうぞ。)
    (なんで?)
    (やってみれば分かります)
    (そ、そうか…!)

    「アタックライド…重加速!」

    「あぁ…これ!」

    (分かりました?)
    (うん、自分の感覚で加速度変えられるんだね!)
    (はい!)
    (つまりは…)

    俺は魔進チェイサーの力の限り時を加速させた。
  19. 19 : : 2017/08/27(日) 00:51:30
    「三年進めた…今年で幼稚園に入園か…」
    「はい、そこからは加速なしでいいんじゃないかと」
    「そうだね。」

    俺はとりあえず、加速を解いた。

    「あ…とは言ってもポーズ中か。効果は上書きって感じなんだね。」
    「そうですね、加速をやめればまた、ポーズ中になります。」
    「さて…ここは俺の新しい家?」
    「はい。」

    結構綺麗な家だ…

    「ここはリビングか、自分の部屋って…」
    「まだないですね。」
    「そりゃそっか…3歳だからな。」

    そう言えば、肝心なことを聞き忘れてた。

    「俺の名前は?あと…両親!あと…これまでの生き方、話し方も!」
    「はい、あなたの新しい名前は琴音響奏です。母親は…」
    「はっ!!」

    そう言えば最初の願いが美少女になりたい、なのを忘れていた。
    そっか、声高いのは声変わり前だからじゃなく女だからか。
    産まれた時は"下"に目をやっていなかったし変身していては性別分からないし。

    「どうしました?」
    「いやー…女だってこと忘れてた。」
    「まぁ…脳内は昔の姿のままですし無理もありませんね。」
    「はは、ごめんねせっかく叶えてくれたのに…そっか、あの時はまだIQ999になる前だったから記憶力俺のままだったんだな。」
    「ただのド忘れで記憶力関係ないと思いますよ?
    ちなみに母親の名前は弓、父親の名前は剛矢です。
    あなたはこれまで物静かで年の割に賢く生きてきたことになってます、一人称は私です。」
    「ありがとう、しかし…
    弓にゴーヤ…変な名前だな」

    俺は両親が寝ている部屋で、変身を解いた。

    「…明日が入園式かぁ」

    俺は布団に潜った。
  20. 20 : : 2017/08/27(日) 00:53:19
    そして寝るまえに…気づく。

    「今日が初めての睡眠だけど…寝てる間はどうなの?」
    「ここに来ますね」
    「あ、そうなんだ。」

    安心して眠りについた。

    「やっほー。なんか変な感じだけど。」
    「あはは、そうですね。」

    俺達は相変わらず話を続けた。
  21. 21 : : 2017/08/27(日) 01:04:55
    「じゃあそろそろ…起きるね。」
    「なんかあったらすぐこちらへ。」
    「わかってるよ。」

    俺は目を覚ました。

    すると両隣にいた両親は既に起きていたのか、そこにはいなかった。
    起きてる両親に対面するのはこれが初だ…
    俺は変な気分で起きだして、リビングへ向かった。

    その道中気づく。

    (天照さん、俺この人達のことなんて呼んでたの?)
    (お母さん、お父さんです。進んでますね。)
    (そうだね、俺なんか中1までパパママだったw無理矢理直すの苦労したなぁ)

    「…おはよう、お父さん、お母さん。」
    「おはよう、今日はいつもより早いね。目が覚めちゃった?」

    やはり…変な気分だ。
    前世の俺より若いし、両親。

    「ううん、今日は入園式だから…何か準備とか必要かなと思って。」
    「響奏はえらいなぁ。でも大丈夫だよ。もう少し寝てたら?」

    さらっと普通に話してしまったが…彼らがそれに違和感を感じてない辺り、そう生きてきたらしいな俺は。

    「眠くないし大丈夫、私歯磨きしてくるね。」
    「えらいねー」

    幼女風に話すとか言ってて恥ずかしさしかない!
    俺はどうしようもない気持ちで洗面所へ向かった。

    何故分かったかと言うと、そこら辺は今日の朝までに脳内で確認しておいたのだ。

    俺はそれっぽい歯ブラシを取り出し、歯磨き粉を塗る。
    身長の低い俺が取れた理由は、丁寧に踏み台が置いてあるからだった。

    そしてその時初めて、俺は自分の顔を見た。
  22. 22 : : 2017/08/27(日) 01:22:58
    「か、可愛い…!」

    まごうことなき完全美少女、こんなの見たこともない。

    「やべぇ、ナルシストになりそう…」

    はっ!そう言えば…

    (自分で言ったの忘れてたんだけど、これ成長したら190cm90kgになるの!?)
    (ならないですよー。それはディケイド状態のときだけです)
    (あっ、そうなんだ…ん?でもそうすると…)
    (言いたい事分かります、人間形態でパワーは出ますよ。)
    (可憐な3歳児が20mジャンプするんかぁ)

    俺は息を漏らした。

    「やべっ、歯磨きしてなかった。」

    俺はカメンライドカブト→アタックライドクロックアップで歯磨きをしようと思い、そこで気づいた。

    「変身したら歯磨きできねぇ!」

    仕方が無いので代りに、全力で磨いた。
  23. 23 : : 2017/08/27(日) 01:42:26
    「しかし…綺麗な歯だなぁ」

    (起床後、朝食後、昼食前、昼食後、間食後、夕食後、就寝前の七回…それぞれ5分磨いてましたから…)
    (そりゃ真っ白なわけだ。)

    俺はリビングに戻った。

    「何食べる?」
    「食パンを…(ハムエッグで。コーヒー付けて。)」

    …じゃねぇな。

    「(苺ジャム…)」

    っぽくもないな今世の生き方見るに。

    「…バターで。」
    「はーい。」

    その反応は…OKかな?

    「飲み物は?」

    参った、酒は論外、そして甘いの苦手なんだよなー…でも牛乳は嫌い。
    しかしそこは流石IQ999、一瞬で打開策を考えることが出来た。

    「お父さんがよく飲んでるコーヒー…私も飲んでみたいな。」

    これだ。
    「まだ早いんじゃないかなー」

    なにっ、頭の回転が速いだけだったか?

    「…いや、砂糖とか入れてさ。」
    「ああそっか。じゃあ煎れてあげるよ。」

    まぁ…妥協点かな、ジュースよりかマシだろ。
    後は父さんの腕次第かな、挽いてるっぽいし。

    「お待たせ。」
    「ありがとう、いただきます。」

    俺は早速口にした。
  24. 24 : : 2017/08/27(日) 02:43:14
    「…美味しい。」
    「おおそっか!良かった良かった」

    いや、これは凄いぞ。
    豆はコロンビアだ、単にそれが好みというのもあるが…
    挽き方…挽き方…挽き方うまっ!
    店開けるぜアンタ。

    「今度は砂糖なしで飲んでみたいなー」

    柄になく(?)あどけない感じに微笑んで言った。
    落ちたろ、これは肉親とか関係なく落ちたろ。
    父は娘が可愛いだろ、断れないだろ。

    「…そっかー!でも苦いぞー」

    んん?これはどうなんだろ…
    そう簡単な問題ではないか。

    俺は残りのコーヒーとパンを平らげた。

    「ごちそうさま、美味しかったよ。」

    事実だ。パンの方もうまかった。
    焼き加減を心得ていた。
    一方でバターはもうちょっと厚塗りがよかったかな。

    「ありがとう、それにしても…まだ時間があるね。」

    (そうだ、俺の学習進展状況ってどんなもん?)
    (平仮名と片仮名、アルファベットを覚えてまして、漢字も小学生レベルなら完璧。
    四則演算、47都道府県と主要国の名前と場所、あとほとんどの動物を類ごとに分けられるとか…それくらいでしょうか。)
    (大分めちゃくちゃやったなぁ…まだ3歳だろ?)
    (そうですね…)

    「そうだ、幼稚園には何を着ていくの?」
    「んー?もう着てみたいの?」
    「(あー…)うん。」
    「ちょっと待っててね。」

    そして初めて両親が部屋から居なくなった。
    そうだ、今のうちにあれをやっておこう。

    (近所の探索、しといた方がいいよね?)
    (そうですね、あなたの賢さならあまりに知らないのも不自然です。)

    俺はミラーワールドに入り、尚且つクロックアップでスピーディーに探索をした。

    「しかしここ…高級住宅街ってやつだな。うん。」

    両親は、仕事はなにをしてるんだろうか…

    (母親は専業主婦、父親は医者ですね。しかも経営者です。)
    (マジか、前世の俺も給料悪くはなかったが多分負けたな。)

    俺は近辺の探索を済ませたので帰ってきた。

    「わぁ、それがそう?」
    「そうだよ。」

    お飾りじゃないな、ガチのヤツだ。
    生地と縫いで分かる。
    あれはあのとき補佐したあの人のレベル…
    って、そんなことはどうでもいいか。

    「綺麗な服だね。」
    「早速着てみるといいよ」

    両親に勧められて着用する。
    いくら可愛いとはいえ、3歳児の、更に自分の半裸には興奮しないな。安心した。
    しかしこれが天照さんくらいの年に…いや、10歳の超えてきたらやばいかもしれない。
    いや、さすがにその頃には目もなれてるか?

    「わー、可愛い!」

    俺が幼いのもあるし、流れ的に仕方ないのだがどうしても褒め方がテンプレートだよな。
    いや、悪くはないんだけど。

    「ありがとう、私楽しみだな、入園式。」
    「そっかそっか」

    しかし自由は効かないよなぁ
  25. 25 : : 2017/08/27(日) 02:48:10
    幼稚園では様々なことを経験した。
    全てが新しかった。
    街を歩くときの目線の低さも、周りの人々、大人達の対応も。
    いや、それらは初めてと言うよりは、とっくに忘れていった感覚と言うべきか。

    こう言っては汚いが、子供は単純なので上手く操れば可愛くてもいじめを受けたりはしない。
    丁度いい具合に男子を利用して平和な園児生活を送ったのだった。
  26. 26 : : 2017/08/27(日) 02:48:34
    当たり前だが、仮面ライダーの力を使う機会は訪れなかった。
  27. 27 : : 2017/08/28(月) 07:40:48
    「なにも死ぬわけじゃないんだからそんなに泣かなくても…」

    卒園式の率直な感想だった。

    周りの子供達(今は俺も同い年だが)は、男女関係なくこの世の終わりのように喚いて…まぁ、それも微笑ましいと言えば微笑ましいか。
    それに全員泣いているわけでもないようだ、そう考えるとこの段階で、ある程度の人格は既に形成されているわけだな…

    (…キラはどんな子供だったんだろう。)

    あれだけ世の悪を憎むなんて、1体何があったのか?
    両親でも殺され…いや、バリ生きてたよな。
    まぁ父親は死んだみたいだったが、それも奴がキラになってしばらく後のことみたいだったし…

    (…こんどハイパークロックアップで見てみるか。)

    俺はそんな事を考えながら、思い出のアルバムを歌い上げたのだった。

    …しかし俺の性格からか、他の親と違い両親は特に何も感じていないようだ…なんかそれも、あれだな。
  28. 28 : : 2023/08/02(水) 13:40:30
    http://www.ssnote.net/archives/90995
    ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
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    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
    sex_shitai
    toyama3190

    oppai_jirou
    catlinlove

    sukebe_erotarou
    errenlove

    cherryboy
    momoyamanaoki
    16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ちょっと時間あったから3つだけ作った

    unko_chinchin
    shoheikingdom

    mikasatosex
    unko

    pantie_ero_sex
    unko

    http://www.ssnote.net/archives/90992
    アカウントの譲渡について
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654

    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

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