政治のかけら
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- 1 : 2017/08/17(木) 17:39:02 :
- テスト
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- 2 : 2017/08/17(木) 17:39:15 :
- 憲法無効論に関する批判
数は少なくなってきたとはいえ、憲法無効論を唱える者がいるが、これは憲法学の世界では論外として全く取り扱われていない。
現在の今上天皇陛下は、即位時に「さきに、日本国憲法及び皇室典範の定めるところによって皇位を継承しましたが、ここに即位礼正殿の儀を行い、即位を内外に宣明いたします。このときに当り、改めて、御父昭和天皇の六十余年にわたる御在位の間、いかなるときも、国民と苦楽を共にされた御心を心として、常に国民の幸福を願いつつ、日本国憲法を遵守し、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓い、国民の叡智とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。」と儀おことばをお読みになった。天皇陛下は日本国憲法の規定に従って即位なさったこと、日本国憲法を遵守して務めを果たすとおっしゃっていることから、今上天皇が天皇たるゆえんは日本国憲法にある。ここで「日本国憲法は無効である」として帝国憲法に戻せばどうなるか。まず今上天皇は天皇ではなくなる。そして戦後に制定されたあらゆる法律は日本国憲法に従って公布されているので無効となる。帝国憲法にしたがって新たに天皇が即位するには旧皇室典範が必要だが、これは昭和22年に廃止されてしまっている。復活させようにも、帝国憲法下での法整備には天皇が必要であり、帝国憲法最後の天皇は昭和天皇である。したがって、帝国憲法下による国家運営は事実上不可能である。また、戦後にマッカーサー草案を帝国議会と枢密院で審議し、最終決定案を日本国憲法として公布するさいに公式令にしたがって上諭の文章がつけられていることから、帝国憲法と現憲法に法的連続性が認められる。
また、憲法学の常識で言うと、憲法の制定手続きに違法性が認められるからといってその憲法が無効だ、ということにはならない。
憲法学の世界では、違法性を理由に憲法を無効とする学説は存在しない。憲法というものは、所詮革命や内戦、戦争の天下動乱の中、または国家独立直後の混乱期に素人によって作られるのが一般的であり、極めて短時間で完成されるものである。大日本帝国憲法のように、平時において長い時間をかけて作成された憲法は例外中の例外であり、この例一つで憲法学の常識をひっくり返すことはできない。憲法は最高法規であり、違法性を理由に憲法を縛ることはできない。憲法自体を有効か無効かと縛る法規は存在しないからである。内容がどうであれ、または作成時の状況がどうであれ、国家によって憲法として制定、または改正されたものは存在するだけで憲法として有効なのである。
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