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見える心

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  1. 1 : : 2017/07/18(火) 22:06:59
    『チームコトダ祭り』に飛び入りで参加しております、ゲリラチーム『暴風雨』でございます。力不足ではありますが、精一杯やっていきます!


    ・チームとメンバー

    『奴隷と愉快な仲間たち』
    Deさん (チームリーダー)
    あげぴよさん
    カラミティさん
    シャガルT督さん
    影さん

    『皆殺し』
    タオさん (チームリーダー)
    ノエルさん
    ししゃもんさん
    ライネルさん
    スカイさん

    『真山田組〜追放される空〜』
    ベータさん (チームリーダー)
    風邪は不治の病さん
    Ut4m4r0さん
    たけのこまんじゅうさん
    フレンさん


    副将戦
    ジャンルは「日常」、
    キーワードは「疑心暗鬼」です。


    そこまで長くもないです。ではどうぞ!
  2. 2 : : 2017/07/18(火) 22:07:48


    僕には、鬼が見える。

    ちなみに今はここにいない。

    …やっぱり。信じないとはわかってたよ。


    え?なんで何も言ってないのにわかるかって?


    それはさ…




    「たった今、君が僕を疑ったために鬼が現れたからさ」




    …そんな顔しないでよ。別にこの君に見えない鬼からの危害はないんだから。




    少なくとも、''君にとっては''ね。






    なんで…なんで僕はこんなものが見えてしまうんだろう。

    幻影だって、分かってるんだ。分かってるけど、怖いんだよ。見えない君にはわからないだろうね。












    ───『疑心暗鬼』が目に見えることの恐ろしさが、さ。
  3. 3 : : 2017/07/18(火) 22:09:09
    僕は探偵という職業柄、人を疑わねばならなかった。それが僕の仕事だった。

    僕は人を糾弾するのは好きじゃないし、疑うことなど一ミリも好きになれなかった。



    それにそうすることで犯人から憎まれるのは、あの憎しみの目で見られるのは、何度経験しても寒気がする。


    しかし僕は真実を突きつけねばならなかった。それが探偵の仕事だから。




    依頼を遂げ、真実を暴いてもまだ解決はしないのがこれまで多くあった。


    加害者の家族や友人が、根拠もない反論をし、最後まで足掻く。


    被害者やその取り巻きは嫌悪感をあらわにし、早く償え、終わりにしろと吐き捨てる。

    ーーーーーーーー

    他に犯人はいるはずだ。

    いや、そいつで間違いない。

    なぜそんなことを言う。むしろお前が犯人ではないのか。

    何言ってるんだ。加害者の見方をした時点でお前もその仲間入りだ。

    ふざけるな。この血も涙もない、恩も忘れるクソ野郎が。

    そいつに受けた恩なんざあるものか。知ったことか、もう聞きたくない。探偵さん、早く何とかしてください。


    ーーーーーーーー







    ああ……辞めてくれよ。


    何故僕がこんなことを聞いてなきゃいけないんだ。


    毎回毎回、毎度毎度毎度本当に!


    こんな疑心暗鬼を、人間のこんな醜いところを見ていたくない。嫌だ、怖い!




    僕は繰り返されるその光景についに耐えられなくなり、ギュッと目を閉じた。







    叔父さんが当事者をなだめている間、僕は薄く、そっと、よくよくゆっくり目を開けてみた。


    瞬間、薄く開けた目は勢いよく見開かれた。








    鬼だ。鬼がいる。

    背丈に250cmほどの、赤、青、黒、茶…色々な鬼が、この場にいる。


    角が1本だったり2本だったり、牙があったり鼻がでかかったり、特徴の違う様々な鬼がここにいる。



    なんだ。なんなんだこの光景は。

    ほかの人には見えていないのか?こんなにも生々しく、そして威圧感たっぷりに佇むこれが?



    僕にはとても信じられなかった。それほどにリアルにここにいたのだ。




    暫くして問題が解決すると、たった今見つめていた赤鬼は砂が風にさらわれるように消えていった。

    続いてどんどんと、鬼は消えていく。



    ついに何もなくなった。加害者本人を残し、怒りの目線を交わしつつ、ほかの人たちは分かれていった。




    「…何だったんだ、今の」



    これが、僕が初めて『疑心暗鬼』を目にした時だった。
  4. 4 : : 2017/07/18(火) 22:10:47
    それから暫くは、時たま見える恐ろしい形相の鬼を見かけるようになった。




    ある時はファミリーレストランで。


    ある時は交差点で。









    そしてまたある時は、学校で。


    ~~~~~~~~~
    「大事な話がある。決していい話ではないが、よく聞いてくれ」



    普段陽気な先生の、珍しく真面目で、怒りを含んだ顔。


    ただならぬ雰囲気に、クラス中の空気が凍りつき、ふざけていた生徒は黙って、全員が耳を傾けた。



    「……昨日、瀬田が提出する予定だった美術の絵画が盗まれた。何か見たり聞いたりしたものはいないか?もしかしたらこのクラスだけではないかもしれない。他のクラスかもしれないし、他学年かもしれない。どんな情報でもいい。ここで話してくれ」





    美術部の女子の瀬田という人物の絵が、どうやら盗まれたらしい。


    彼女はかなり絵を描くのがうまく、ノートに書いた落書きでさえ芸術的に見えるほどだった。


    例の絵も、見るとそこはかとなくエネルギーと勇気を感じさせる、勢いと生気に満ちた素晴らしい作品だった。



    入賞どころか、美術展で特賞、一等賞を獲っても申し分ないものであった。






    盗まれてもおかしくないくらいに。




    (昨日盗まれたと気づいたのは、提出しようとして絵の保管所…第2美術室か。に、近づいたからだな。昨日の完全下校時刻は保護者会があったために4時。部活動はそのため停止、運動部は喜んですぐに帰ったことだろう。だとしたら文化部だ。違和感なく美術室の鍵を借りられるのは、やっぱり美術部だよな。だとしたらかなり限られてくる。盗作して得するのは美術部くらいだし。となると、僕達1年からは瀬田さんを除いた6名、2年は4名、3年は10名の計20名に絞られる。うん、聞き取りをしていけば誰かしら情報を知ってる人がいるかもしれないな。それに、犯人自体がボロを出すかもしれない)



    いつもの通り、素早く考えを巡らせてあらかた人物を絞っていく。



    よし、早速先生に言って活動許可をもらおう。





    そう考えていた時だった。



    「お、俺……昨日、最原が放課後ちょっと教室に残ってるの見たぞ。みんなが帰ってる中、グズグズ残ってた…。も、もしかしたらその後、絵を盗んだかもしれない…よな?」


    「…!!?」




    唐突に疑いをかけられ、僕は驚きに身体を固くした。



    「お、俺も見た!」

    「私も!私も昨日残ってるの、尻目に見たよ…と、思う。確証はないんだけど」

    「え、嘘。マジで?」

    「他に残ってる人もいたんじゃない?」

    「いや、このクラスにはいなかったと思う。僕は最原の一つ前位にかえったから」


    「え…じゃあ、ガチめなん?」

    「待てよ!まだ決まってないだろ!」

    「そうだよ!最原の他にも、隣のクラスとか残ってる人いたじゃん!」

    「いや…でもさ」

    「うん、クラスのやつに起きたことだし、やっぱクラスのやつが一番可能性高くね?」

    「だ、だよな!やっぱ最原が犯人じゃん!」

    「だから待てって!」



    周りがザワザワどころではない騒ぎになっている中、最原の意識はどこか遠くに置き去りになり、腹の辺りから氷を落とされたように冷たさが広がっていった。





    僕が疑いをかけられている。僕が犯人にされかけている。僕が皆の対立の中心にいる。僕が…僕が──



    いつも通り冷静に反論すればいいだけなのに、何故か出来なかった。頭が混乱して、どうしようもなかった。







    カッと見開かれた目は、どこも見ていなかった。


    嫌な汗が額を流れ落ちる。


    どうしよう。


    どうすればいい。


    どうすれば───







    「おい、最原。なんとか言えよ!!なんでお前は何も言わないんだ!!!」




    はっとして弾かれたように、僕は顔を上げる。















    その目線の先には。














    クラスの人数、40人分の鬼が、人間と合わせて160個の目が、こちらを一斉に見つめている、その光景があった。
  5. 5 : : 2017/07/18(火) 22:12:11
    「…っあ…あぁ……ッ!」




    血の気の引いた顔の中の、情けなく開いた口から、言葉にならない言葉をあげた。



    ひたすらに。ただひたすらに恐ろしかった。


    目の前にひしめく大量の鬼。疑いをかける、冷たい人間の目。責め立てるような激しいこの雰囲気。






    全てが僕に向けられたものだった。




    僕が恐怖に顔をひきつらせ、瞬きもできずにいる中、怒号や、擁護しつつも疑いの混じる声、様々な悪態や心配そうな声、様々な言葉が投げかけられる。

    しかし、どれ一つとして聞き取ることが出来ない。





    ただ呆然と、みんなの顔と姿形がバラバラの鬼とを眺めるばかりだ。




    それでも一際大きな声は、嫌でも耳に入ってきた。





    「何も言わないってことは、認めるってことなんだろ!!お前が犯人なんだ!なぁ、おい、最原ァ!!?」


    黒い鬼が、言葉に合わせて金棒を振り上げた。


    「うわああああああああアアアアアアッ!?」


    頭に振り下ろされた幻想の金棒で、確かな痛みを感じたと思った時、僕の口からはただ叫び声が上がるだけであった。










    この場にいることが耐えられなかった。人の目を、鬼の姿を、『疑心暗鬼』を目にすることがもう無理だった。





    そしてそれを理解した僕の意識は、ゆっくりと薄らいでいき……


















    それから停止した。






















    気がついたら家にいた。



    そこにはいつも自分のベッドから見る、天井があるだけだった。
  6. 6 : : 2017/07/18(火) 22:13:07

    「終一」

    部屋の戸の外から叔父さんの声が聞こえた。


    「…学校には行く気は無いのか?何があったんだ。俺でよければ、教えてくれないか?」


    心配してくれているようだ。

    しかし学校に行こうとは思わない。




    今あの教室に入ったらどのような目で見られてしまうか、考えただけで頭痛がして鳥肌もたってくる。




    僕は外の世界がどうしても怖くて仕方なかった。





    鬼さえ見えなければ。


    そもそもの話、疑心暗鬼という自体そのものがなければ。







    ああ、なんで……なんで僕なんだろう。



    なんで僕に見えてしまうんだろう。

    なんでほかの人じゃなかったんだろう。



    『疑心暗鬼』というには、これは心の問題だ。

    なのにも関わらず、視覚的に感じ取れてしまうのが心底嫌だった。






    いいや、もう僕自身のことが嫌だった。



    だから僕は、不登校という選択肢をとった。



    僕は無言によって、叔父さんの問に返答する。


    「………」


    探偵であり、勘のいい彼はそれを読み取ったようだ。



    「…そうか。まぁ、無理はするな。何かあったらすぐに言いなさい」



    壁1枚越しに階段を降りる音が聞こえた。




    僕はベッドの上で仰向けに寝転んだまま、閉じっぱなしの目を意識する。



    この目は何を伝えたいんだろうか。

    僕に鬼を見せてその上でなにか伝えたいことでもあるのだろうか。



    いや…ある訳がないか。

    今は僕の目がおかしい、その事実だけで充分だ。

    ほかのオプションなんかいらない。



    今はただこうして、何も見えないように目を瞑るだけだ。




    僕は既に閉じられている両目をギュッと瞑った。



    今は部屋が明るいのか暗いのかさえ、確認しようとは思わない。
  7. 7 : : 2017/07/18(火) 22:13:38
    暗い部屋の中、勉強机の明かりのみが周辺を白く照らしていた。


    その光を中心で浴びて、ただひたすらにペンを動かしている人物が、僕だ。




    流石に勉強しないわけにはいかないので、自分の家で通信教育により学力は補っている。


    それからたまに、叔父さんから事件の資料が送られてくる。





    探偵としての能力を失わないためだ。




    これは僕自身が望んだことである。

    探偵活動にはもう嫌気がさしてきたものの、何かを考察したり、生きる術としてはこの能力を持っていて損はあるまい。




    僕は鬼を目にすることはなく、探偵業に関われた。




    心が落ち着く。



    鬼に怯えないで住む毎日が、有難くて仕方ない。



    でも、いつまでもこうして閉じこもってることは出来ないんだろうな。


    そう考えたら、やっぱり身体は重くなってしまい、ため息をついた。
  8. 8 : : 2017/07/18(火) 22:14:26









    ある朝。



    叔父さんがたまには下に降りてきて一緒にご飯を食べよう、と言ってきたので、抵抗はありながら部屋の外に出た。



    リビングの、四人席あるテーブルの以前はいつも通り座っていた席につく。




    良い香りを漂わせて、叔父さんが僕用にいれたてのコーヒーとトーストを、自分用にスクランブルエッグと少量のサラダ、トーストと紅茶をもってやって来た。




    僕は朝はあまり食べない。



    本当ならコーヒーだけでいいのだが、トーストを付けてくるのは叔父さんが、朝食を食べないのは健康に悪い、と少量でも口にさせようとするからだ。




    僕は無言でコーヒーを一口すすり、きつね色にこんがりと焼けマーガリンがとろりと塗られたトーストの端をかじった。



    いきなり一緒に食べよう、とはどういう了見だろうか。



    ただ単に食事を共にしたかったのか、それとも何か用事だろうか。



    叔父さんは自分の作ったスクランブルエッグを、さも美味しそうに口に運ぶ。


    トーストを食み、紅茶をすすった。




    暫くその光景が続けられ、僕のトーストの残りも後二口三口という所になって、ようやく叔父さんはこちらに向き直り、話を始めた。

  9. 9 : : 2017/07/18(火) 22:15:19

    「あのな、終一宛にな、学校から手紙が来てるんだ」




    俯いていた僕の顔が、引き攣ったと自覚した。


    僕から返事がないことには構わず、叔父さんは話を続ける。



    「学校、と言っても今まで通ってた所からじゃない。実はな…」



    お皿をどけて、何やら封筒をテーブルの上に出した。












    「希望ヶ峰学園からなんだ。希望ヶ峰学園に、お前はスカウトされたんだよ」





    「…………」



    なんだ、通ってたとこじゃないんだ。


    えーっと、何だ、希望ヶ峰学園?


    「……………っ!?」



    ……きっ、希望ヶ峰学園!?



    「希望ヶ峰学園って希望ヶ峰学園!?私立希望ヶ峰学園だよね…?」


    「ああそうだ。スカウト制によってのみ入学できる、あの私立希望ヶ峰学園だよ」



    どんな用で僕にそんな大層なとこから手紙が来てるっていうんだ!?



    「待って!何でどうして何の用で僕に手紙が」


    「だから終一、お前は希望ヶ峰学園に入学する切符を得たんだよ。スカウトされたんだ!【超高校級の探偵】として!」


    「!!」



    唐突な入学許可宣言を受けて僕の頭は非常に混乱した。

    衝撃。それ以外の言葉は見つからない。


    しかし、いつもの癖ですぐにそれを落ち着かせると、僕はその封筒をおずおずと持ち上げ、中の紙を取り出した。


  10. 10 : : 2017/07/18(火) 22:16:11











    最原終一様




    貴方様はこの度、希望ヶ峰学園本科に『超高校級の探偵』としてスカウトされましたことをここにご報告いたします。






    希望ヶ峰学園







  11. 11 : : 2017/07/18(火) 22:18:50
    「………えっと…」


    飾り気も気品もなんにもない、ただの『報告』でしかないような手紙に少しの戸惑いを覚える。



    そもそもこれは本物なのだろうか。




    「ぼ、僕はどうしたらいいのかな」

    「どうって…お前それは───」


    叔父さんが当然のような顔をしていう。



    「行くに決まってるだろう?希望ヶ峰学園に」

    「……えっ?」

    「え?」

    「「………」」






    「い…行くの?僕が?本当に?」

    「む、寧ろ行かないつもりなのか?本気か?」



    大人と青年が揃ってあたふたしている光景は滑稽なものだろうけど、どうしようもない。



    と言うかこれ、もし本物だとして、本当に行くのか?僕が?あの希望ヶ峰学園に?



    「………ほっ、本当に行くの!?待ってよ!僕学校になんか──」

    「終一、この機会に外に出てみようとは思わないか?」


    叔父さんは真面目な顔付きで言った。



    「今話しているところは普通の学校とは違う。お前に何があったかは知らんし、無理に知ろうとも思わない。だが、希望ヶ峰学園だぞ。選ばれたもののみが入学する学校だ。何かしらのトラブルが起きることもあるまいよ。もし嫌になったらいつ辞めたっていいんだ。どうだ、終一、ここは一つ行ってみようじゃないか」


    「そ、そうは言っても……」




    ついさっきまで薄暗い部屋で静かに暮らしてたというのに、何故いきなりこんな大きな話が身に降っていると言うのか。



    学校が変わるからって、みんながみんな人格者ってわけじゃないし、人間なんだから疑ったり怒ったりということは勿論あるだろうに。


    環境が変わったって、どうしようも……





    ……とは思うけど、やはり少し気になってしまう。







    もしかしたら本当に、何かが変われるかもしれない。


    僕は、僕の胸に少しの期待感が次第に高まっていくのを感じていた。







    「…行って……行ってみようかな、僕」

    「そうか…。よっし!」


    はにかんでいう僕に、叔父さんは嬉しそうに笑って返し、頭をわしゃわしゃっと崩してきた。


    「よーし!じゃあ腕がなまらないように、今日もビシバシ働くぞ!」


    叔父さんは鼻歌を歌いながら立ち上がると、追加のトーストを焼き始めた。



    「まだ食べるんだ……。朝からよく食べるね」



    口元に笑が浮かんで、初めてそこで、久しぶりに大声を出したことと、それから笑えたことに気づいた。






    この一通の手紙だけだ。

    この一通の手紙だけなのに、僕はまたこうして叔父さんと対話できている。



    期待感は高まり続けていた。
  12. 12 : : 2017/07/18(火) 22:19:40















    4月8日。


    今年は遅咲きの桜が、太陽に照らされ眩く存在感を醸し出す。


    入学式と桜はセットのイメージが強いが、実際のところ見頃とかぶることは少ない。


    しかし今年は、今日が盛りだ。



    「いよいよ入学式だな」

    「……うん」



    僕は学校の真新しい制服に身を包みボタンを留めつつ、俯いて返事した。





    茶色いブレザー。希望ヶ峰学園の制服だ。

    今触れているボタンの一つ一つに、希望ヶ峰学園の校章が刻まれている。




    そろそろ出発の時間だ。


    「忘れ物はないか?電車の乗り方分かってるか?入学式の開始の時刻は…」

    「そんなに心配しなくても大丈夫だよ……。小学生の遠足じゃないんだから」


    はは、とちょっと笑って、僕は定期の確認をし、ヨイショと荷物を背負い込んだ。


    紺のリュックだ。まだ使い慣れてない匂いがする。

    着替えや、大きな荷物は既に学園に送ってある。全寮制のためだ。



    それから、黒に白のラインの入った帽子を目深に被った。


    視界の上半分が黒で覆われ、安心感を覚える。



    叔父さんがちょっと心配そうに僕を見ているのが、顔は見えないけれど雰囲気で分かった。



    「うん。問題ないよ。それじゃあ…行ってきます」

    「!ああ。行ってこい!夏休みになったら、この家に帰ってこい」


    叔父さんは僕よりずっと嬉しそうに、誇らしそうにニッと笑うと肩をパンッと叩いた。



    革の靴を履く。

    玄関のドアを開けると、久々の陽光が体を暖かく包み込んだ。




    「よし……行くか」




    後方でドアがパタリとしまった。

    背中を後押しされたように、僕は駅まで歩き出した。

  13. 13 : : 2017/07/18(火) 22:21:18



    駅は平日ということもあり、新社会人が増えたこともあり、人でごった返していた。


    「うわぁ……あんな電車に乗らないといけないのか…」



    若干頬がひきつる。


    久々外に出たっていうのに、こんなに人のいるところに突っ込むなんてどうかしてるよ…


    しかし、いつまでも立ち止まっているわけにもいかない。


    僕はしっかり定期を握り、意を決して、ホームへと体を押し込んだ。



    「むぎゅ…っ、ちょっ、あの、僕も通りたいです……!」


    誰かにでもなく、俯きながら押し押されて堪らず言うと、一瞬ざわつきが止み、それから急に体が自由に軽くなった。


    「あ、あれ……?」


    なんで急に空いたんだろうかと困惑していると、一人の男性がボソリと呟いた。

    それからざわめきが復活する。



    「きっ…希望ヶ峰学園の生徒だ」

    「うわ、まじか!」

    「そういえば今日入学式だったな…!」

    「おい、あんまり押してやるな。開けろ開けろ!どうなることが分かったもんじゃねぇ」

    「おお、バカッ、撮ってんじゃねぇよ!大事になったらどうすんだ!」



  14. 14 : : 2017/07/18(火) 22:22:19


    「?…え?えっと……あっ」



    そうだった、今希望ヶ峰学園の制服を着ているんだった。



    しかしまぁ、大人達が一人の青年に畏怖して道を開けるだなんて、おかしな光景だ。


    「えぇっ…と、す、すみません……ありがとうございます…通ります」



    挙動不審に、カバンを抱えて前屈みに早足でその場を過ぎる。




    帽子で顔は見えてないが、たくさんの目がこちらを見ている気がして気持ち悪い。


    冷や汗が流れる。



    希望ヶ峰学園の制服を着ているだけでこんなワレモノ扱いなのか……と、若干納得がいかないが、とにかくホームを乗り越え、電車にいそいそと乗り込んだ。



    「そこ詰めてください!入ってください!」



    駅員が外から人を押し込んでいる。






    流石に人が多い。




    人酔いしそうだ……







    『ガタンガタン』



    電車の一定に走る音。それだけに集中し、なるべく人の存在に意識を向けないようにしてじっとしていた。





























    『次は~、希望ヶ峰学園前、希望ヶ峰学園前でございま~す。お出口は左側で~す』





    電車特有のあの声が聞こえ、約20分の移動時間が終了したことを理解する。


    『プシュー…』




    「はぁ……や、やっと着いた……」




    外に出ると電車内のむせかえる空気とは違い、爽やかな風が吹いていて、ほっとした。

  15. 15 : : 2017/07/18(火) 22:22:47
    駅のホームから出て数歩歩けばすぐそこに。







    「………うっ…わぁ…でっかいな…」




    でかい。

    とにかくでかい。


    語彙力が働くなるほどに、その学園は大きくて、壮大で、威厳に満ちていた。




    唾を飲み込む。

    口がカラカラだ。


    急激に緊張してきて、手には汗が滲む。



    今日から、僕もこの学園の組織の中に入るというのか。





    と言うか本当に足を踏み入れて大丈夫なんだろうか。



    「いや……だ、大丈夫に決まってるだろ。僕だって…希望ヶ峰学園生なんだから」



    頭を振って、背筋を伸ばす。



    校門の前で立ち止まっていた足を、力を込めて持ち上げた。






    そして、ゆっくりと。



    学園内に、一歩踏み出した。



  16. 16 : : 2017/07/18(火) 22:24:13




















    午前8時、入学式開始。



    この、1500人以上が悠々と収容できるような広い体育館の前方に僕ら79期生が椅子に座っている。



    一つ後ろには78期生、そのまた後ろに77期生だ。



    教師もとい研究者たちは、体育館脇に並んでいる。





    入学者数は、それほど多くもなかった。やはり才能がある人間は何百とは掘り出すことは出来ないのだろう。




    ステージ上に、学園長が立って話をしている。



    見た目は若いように見える。

    少なくともほかの学校の校長は、もう少し歳を召していて教員経験に富んでいるはずだが、やはりこの時点で違うらしい。





    学園長の話が終わると、希望ヶ峰学園評議委員会の紹介がされた。


    揃いも揃って仏頂面だ。



    その後、僕らの名前が呼ばれる。



    各クラスの担任の紹介。






    今まで経験した入学式と何ら変わりのない流れだ。




    約2時間の入学式が、滞りなく進んでいく。





    そして、終了した。



    入学式に出席するにあたって、帽子は取るように言われていたので、今は被っていない。





    心臓がドクン、ドクンと胸を打っている。


    異常に緊張する。


    学園長の話の時など、上を向いては目が見えてしまっていけなかった。



    早く帽子を被らないと、不安と不快感の波に飲まれそうだ。



    体育館から出たところで、僕は俯いて早足で教室へ向かった。


  17. 17 : : 2017/07/18(火) 22:26:18








    「さぁて、じゃあ最初ということで、元気な挨拶でもしておくか。号令は……そうだな、白銀。頼んだ!」


    「ええ、わ、私っ?じゃあ……起立!」



    僕らのクラスが、一斉にガタガタと立ち上がった。


    「気を付け、礼!」

    「「おはよーございまーす」」


    「よしよし、いいスタートが切れたな!んじゃま、初対面だし、面倒かもしれんが自己紹介やっとくぞー」



    少々大雑把だが、気の良さそうな担任が自分の紹介を始めた。




    僕はといえば、無事帽子をかぶれたのでホッとしてその紹介を聞いている。



    「────。まぁ、こんな感じで、俺のことはもういいだろう。次はお前らだぞ!俺が適当に指名するから前に出て自己紹介な」



    クラス中から聞きなれない声で、えーまじかよ、せめて考える時間くらい欲しいっす…などと次々に文句が湧いたが、皆本気ではない。




    一方僕は心底重たい気持ちになった。


    なんの心構えもなく唐突に当てられたらどんなに心臓が痛いだろう。



    1人でドギマギしていると、もう自己紹介は始まっていた。




    「俺は百田解斗だ!【超高校級の宇宙飛行士】ってことで───」


    その後も1人1人指名されて、自己紹介が進められていく。


    なかなかに個性的な人ばっかりだ。



    そして遂に、僕に番が回ってきてしまった。


    「次は……最原!前にでろ!」

    「っ、は、はい…」



    声が裏返りそうになりながら返事し、僕は立ち上がった。




    視線が突き刺さっているのが、目が見えてなくてもわかる。



    「ぼ…僕は最原終一、です…。一応、【超高校級の探偵】ということになってます。好きなことは読書で、嫌いなことは───」


    「おい、ダサい原!なんで中なのに帽子なんか被ってんだぁ?」


    話を遮られ、挙句帽子のことまで指摘され、体がビクッとはねる。

    声の出どころは、入間、とかいう人からだ。



    「ひゃーっひゃっひゃ、分かったぞ!さては、そのつばで顔を隠して実際にはその下でスケベな妄想をするムッツリ───」

    「…ぼっ、帽子のことはいいだろ!?放っておいてくれよ!!」




    思わず大きな声を出して、ハッとした。







    やってしまった。

    突然に声を上げる僕に対して、皆はどう思うか。


    不信感を抱くに決まっている!!



    前を向いていては、鬼が出てきたら見えてしまいそうで、恐怖と焦りで深く下を向いた。


    嫌な汗が額に滲む。


    「ひっ、ひいぃ…。そ、そんなに怒らなくたっていいじゃねぇかぁ……!」


    入間の弱気な声がして、周りが苦笑いした。


    「あーもー、だからそういう不躾な話の遮り方は辞めなって…」

    「最原くん、大丈夫?ごめんね入間さんが…代わりに謝るから!」


    白銀と赤松が発言した。


    「………ごめん、大声出して」



    短く謝ると、僕は自分の席についた。



    どうしよう。


    確実に今ので、変なやつだと思われた…



    馬鹿な自分に嫌悪感を抱きながら項垂れて、何の気なしに教室の角にある棚の上の花をチラと見、僕は固まった。








    鬼がいる。


    「……っ!?ぅ…」


    悲鳴をあげそうになったのを、必死に押し殺して目をそらした。





    誰だ。誰が鬼を生んだんだ。


    誰が僕を────



    (やっぱり、どこだって同じだ。変わりなんてしないんだ)


    絶望感と失望感に苛まれる。


    ふと、その鬼が他の鬼とは違うことに気づいた。




    あの鬼…白かった。


    そして背は2mもいってない。せいぜい180cmか、それよりも低い。


    顔に特徴もない。




    影の薄い、極々薄い鬼。



    しかし心がかき乱される。



    奇妙な感覚がした。


    なんだろう、今まで見ていたのとは何か違う……



    「最原」

    「!!!なっ、なに?」


    位置的にいえば隣にいた星という人に突然話しかけられた。


    「ボーッとしてるようだが…大丈夫か?顔色悪くねぇか?」

    「あっ、ううん……大丈夫。ありがとう」


    見た目に反する渋くて低く響く声に狼狽えながら応答した。



    怖くて直視はできなかったが、横目で先程の角を見たが、もう鬼はいなかった。



    何だったんだろうか。


    僕はため息をついて、残りの人の自己紹介を聞いた。


  18. 18 : : 2017/07/18(火) 22:27:40




    翌日。



    授業は特に変わりなく、最初ということでガイダンス等行って終わった。



    そしてその流れも早四回目。



    『キーンコーンカーンコーン…』



    チャイムがなり、授業が終了した。



    遠く77期生の教室からは何やら奇声が聞こえる。



    随分と盛り上がってるみたいだ。

    怒号とも取れる大きな声、突如かき鳴らされたギターの音。




    こういう事があるのが他の学校と違うところだ。




    対して僕のいる、この79期生の教室は…


    「夢野さん!!転子とお弁当食べませんか!!」

    「んあー…ウチは学食なんじゃ」

    「では学食でお弁当食べましょうね!転子のおかず上げましょうか??」

    「普通に1人前買うわい……」


    賑やかな2人が(賑やかなのは茶柱の方だが)教室から出ていった。


    それをきっかけに他の皆も次々とペアやグループを組んでお昼を食べる流れになった。



    僕…どうしよう。
    別に1人でいいんだけど、浮くよな…

    端の机を借りようか。



    そう考えていた時。



    「えっと…最原君?であってるよね?」

    「え?あ、う、うん…あってるよ」

    「よかった、ちょっと不安でさ」


    赤松が僕に話しかけてきた。

    彼女は少し笑うと、僕の方に身を乗り出して言った。


    「ねぇ、よかったら私と一緒にご飯食べない?」

    「……えッ?」

    「あ、嫌だったらもちろん断って!ちょっと周りに一緒にご飯食べてくれる人いなくなっちゃって…。それとももう誰かと食べる予定だった?」

    「あ、いや…。予定は特にないよ。うん、大丈夫」

    「よかった!」


    明るく話し終え、赤松は机をガタガタと動かして、目の前に座った。



    「ふふ、振られちゃったらどうしようかと思ってたよ」


    おどけつつ、可愛らしいお弁当を広げた。



    「わぁ…凄い、綺麗だね」

    「え!あ…ありがとう。えへへ、頑張って作ったんだー」


    ちょっと赤くなりつつ、お礼を告げてきた。
  19. 19 : : 2017/07/18(火) 22:29:56
    「いただきまーす」

    「……いただきます」


    僕は朝売店で買った焼きそばパンとハム&レタスのサンドがお昼だ。


    焼きそばパンで不思議だと思うのは、炭水化物に炭水化物を挟んで食べるなんとも言えないものなのに、割と美味しいということだ。


    まぁ、特に好物というわけでもない。



    しかしここの焼きそばパンやサンドウィッチは、ただのパンというより…なんだか、パッと見て「ああ、美味しそうだな」と思わせるような魅力があった。


    冷めているはずなのに、それでも小麦の豊かな香りが漂う。


    一口食むと、麺とパンという異色のコラボにも関わらず違和感なく口の中で混ざりあった。


    濃いめのソース味がなんとも、好みだ。


    パンの食感がしっかりしていて、食べごたえもある。

    ふむ、と頷き、食べ進めていく。



    「………」

    「………」


    「……………」

    「……………な、何?」

    「あっ!い、いや…ううん、何でもないよ!ただ…えっと……」


    じっとこちらを見ている気配がして話しかけると、案の定こちらを見ていたようだ。

    赤松が少し狼狽えたように応える。


    「何?」

    「その焼きそばパン美味しそうなのに…帽子だし俯いてるから顔がよく見えないくて美味しそうに食べてる顔見えないの、残念だなっ、て」

    「………」

    「………ご、ごめん?」

    「あ、いや…別に。言葉が見つからなかっただけだよ」

    「そ、そっか」

    「うん……」



    予想しないその答えに少し戸惑う。




    これは……







    遠回しに帽子を外せと言っているのだろうか?



    今こうして一緒に食べようと誘ってきたのも、僕をからかう材料を探してだとか…

    その可能性は大いにある。




    赤松さんはどちらかというと陽キャラだし、いい人そうに見えるけどもしかしたら実は__





    「……っ!?」

    「?」







    目線の先に、突如として鬼の足が見えた。




    何故、何故今出てきた?

    やはりこれは、黒という事か?



    しかもその鬼の足は、またしても白い。




    同一人物からの敵意、という事か?

    となると、これは赤松さんが…?


    いや、元々鬼は疑いが具現化したものだ。



    だから単なる敵意だけでは出てこないはず…


    ということは、僕が何らかの嫌疑を掛けられている?



    いや、そもそも僕自身に向けられたものではないのかもしれない。



    誰かがこの教室内の他の人に向けている可能性。



    もちろん否めない。



    しかしこの教室に、敵意や疑心暗鬼だとか、そういう殺伐とした空気は一切流れていない。



    半分程度の人数(残りは学食を食べに行った)が、非常に和やかで楽しげな雰囲気を醸し出している。



    一体どういうことなんだ。



    前例がない。

    故に分からない。


    一体──

    「さ、最原くん?大丈夫…?」

    「…!あ、ううん、ちょっとボーッとしてた。ごめん」

    「私は別にいいんだけどさ……?」



    不思議そうな顔をしつつ、赤松は食事を再開した。


    僕もまた、再開する。




    食べながら思った。



    調査、した方がいいかな。




    ごくん、と原型のない焼きそばパンを飲み込む。



    自分の足で捜査するのって久しぶりだけど…



    やるか。



    やって、突き止めて、その人物とは関わりを持たないようにすればこちらも迷惑被ることはなくなる。




    よし、と決心して、僕はペットボトルの緑茶を飲み下した。


  20. 20 : : 2017/07/18(火) 22:31:15


    二週間後__




    「今日は才能育成のための授業だそうだネ…クックック、どんな内容か考えるとゾクゾクするヨ…!」



    「にゃははー!アンジーも神様が作る新しい作品楽しみだよー!でもでもー、ここに作品を批評できるだけの才能を持った先生っているのかなー?」


    「そうですね…しかしここは希望ヶ峰学園ですし、流石にいるんじゃないでしょうか?」


    「にししっ、キー坊は才能育成も何も、元からただのロボだから関係ないよね!」


    「んな!お、王馬くん!ロボット差別するというなら録音機能で然るべきところに訴えますからね!」


    「しっかし何すんだろうなぁ」


    「きええええええっ!転子のネオ合気道の素晴らしさを知らしめる時!」




    初めての才能にかかわる授業という事で、教室内はこれまでにない盛り上がりを見せていた。



    希望ヶ峰学園という最高機関で自分の才能を試せるのが緊張しつつもたまらなく楽しみらしい。




    僕の方といえば。



    「も、もし何らかの手違いで入学したってことだったらどうしよう…この授業がちんぷんかんぷんで理解不能だったらつまりそれは…」


    「んあー、何を言っておるんじゃ最原よ」


    「そうだぞ最原。お前に才能がねぇなんてことは、あるわけない。そう悲観すんなよ…それを言ったら囚人の俺が何でこんなところにいるのかって話だぜ」


    「うん……」



    不安でしかなかった。


    まあ手違いだったとしたらとっくに追い出されてるだろうけれど。



    ガヤガヤしている中、担任がガラガラっと戸を引き、入ってきた。




    号令でHRが始まる。


  21. 21 : : 2017/07/18(火) 22:32:38




    僕の不安要素である才能育成授業は心配していたよりも易しかった。



    時間無制限で解く難しい事件や、短時間でさばく比較的簡単な事件を複数やったりと、そんな感じで、どちらかといえばトレーニングに近い内容だ。



    午前の四時間をこの授業につぶす。

    楽しくはないが苦でもない。いつもの作業、という感じで終わった。




    そしてあっという間にお昼の時間だ。


    この数日間、幾人かとお昼を共にしてきた。



    効率よく二人きりになれるのが昼食時だったからだ。

    まあ、時には三人になることはあったが。

    教室ではなく食堂にてその状況を作る。








    そしてそのいずれも、あの白い鬼は、見えた。



    神経を張り詰めつつ相手の後ろ側を見ていると、いる。





    足がこちらを向いているという事は、こちらを見ているという事。



    そしてそれはつまり、僕のほうを見ているという事。





    人を変えても何度も何度も現れる。



    何かがおかしい。


    こちらが避けているのに誰かが常にこちらを追っている…?



    異様だ。やはりおかしい。




    大体僕は、ここにいるすべての人と初めて会った。


    そして初めて会った当初から誰かがこちらに『鬼』を向けているのだ。




    どういうことだというのか。



    自己紹介が相当まずかったのか?

    それとも道端ですれ違いざまに何かしたとか。



    いや、無いだろう。

    駅で人と人とがぶつかったこと以外で、僕が誰かに何かをしたという覚えはない。







    じゃあ……何なんだよ。







    何でこれとい言った理由もなく鬼が現れるんだ。








    僕を嗤うように。


    怯えるさまを見て楽しんでいるかのように。





    誰なんだ。誰なんだよ!


    僕に鬼が見えることを知っているかのように仕掛けるような真似をする奴は!







    非常に難解で、理解不能。



    この事案に比べたら、さっきの授業内で出てきた事件なんかまるで簡単だ。







    捜査の仕方がいけない?


    でも僕にはいい方法は見つけられない。

    じゃあどうすればいい。

    僕にどうしろというんだ。

    何もいい方法はない。

    諦めるしかないのか?




    その人物についても。僕の目がおかしいという事についても。

    解決することは、諦めるしかないっていうのか?





    憤りを感じた。

    クラスメイトへの、疑念が溜まる。





    僕は、どうしたらいいんだろう。



    もう一度自分に投げかけた疑問は解決されることなく、僕はまた、そのクラスメイト達と昼食をとるために教室へと足を運んだ。


  22. 22 : : 2017/07/18(火) 22:34:13
    今日は、複数人で食べることにした。



    「この学校はメニューが沢山あるから迷っちゃうんだよねぇ」


    「ゴン太は体でかいし焼肉定食なんてどう?あ、そうそう!ここのコーヒーは砂糖はいってないのに甘くて美味しいらしいよ!紳士目指してんなら飲んでみたら?」


    「王馬君、嘘はやめくださいっす。それ信じて飲んだらゴン太君がどうなるか目に見えてるんで…」

    「……ボクはそもそも食べられない」

    「キー坊wwwた べ ら れ な いww」


    「王馬君…そのへんにしてあげてね」




    確かに食べ物を必要としないキーボがついてくるのは、まぁおかしな話ではある。




    とにかく僕らはそれぞれセレクトし、適当な席を見つけておぼんを置いて席についた。



    いただきますと唱和する、日本特有の慣わし。


    一瞬のそれを終え、皆一斉に食べ始めた。



    どれも安いのにボリューム満点だ。





    他クラスももちろんいるため、食堂はそれなりの賑わいを見せている。



    僕のいるこのグループも、楽しげに談笑しながらもりもりと食べ進める。







    楽しげに談笑しているのだ。僕を除けば。




    なぜ僕を除くのかといえば、答えは明白だろう。




    僕は常に、周りの気配に気を配っているため話を楽しむどころではない。




    食事に集中するふりをして、話さないことを自然に見せる。





    誰かの視線を感じて振り向き、そのそばに例の鬼がいれば、そいつがクロ。


    そうだ。


    確かめるべきはそれだけなのだ。








    でも何故か見つけられない。



    毎回誰からの視線も感じないのに、鬼はいた。



    どういうつもりなのか知らないが、取り敢えず他クラスということは無いだろう。


    全く関わりがないからだ。



    となればやはりクラス内、もとい昼食を共にする人たちの中にいるはずなんだ。



    でも違う。誰でもない。

    人を変えても必ずいる。



    しかし誰かがつけているような気配はない。



    この学校がおかしいのか、クラスがおかしいのか、僕の頭がおかしいのか。

    僕には答えを見つけられない。


    一体いつまで現れ続けるんだろう。


    もう嫌なんだ。

    どこへ行っても結局人間は疑い続ける動物なのだと分かってしまうのが嫌なんだ。


    希望ヶ峰学園ならきっと、なんて、そんなことは無いんだって気付かされてしまうことが。

    自分がここに来たことが無意味なんだと思ってしまうのが。




    もう疲れてしまった。


    毎日こうして緊張しながら人付き合いを続けることが。





    だから、もういい加減───。
















    しかしそうはいかない。



    今日も今日とて、当たり前のように奴は現れる。


    丁度天海と王馬の間、その1歩後ろの方に居た。


    出た。



    でも出処不明。



    げんなりして、食欲はなくなる。




    僕自身が生み出したトラウマに僕自身が怯える。




    何だか馬鹿馬鹿しくもある。
    でもどうしようもない、こればかりは。





    結局今日の日替わり定食は残した。



    ゴン太や天海が心配してくれる。
    だが生憎体調は悪くない。




    目を細めて、溜息をつき、教室へ戻るために立ち上がった。


  23. 23 : : 2017/07/18(火) 22:35:17

    午後の授業はいつもみんな気だるげだ。

    食事後の満腹の腹を抱えて授業に集中しろという方が無理がある。


    生き物は空腹である方が生命力は上がり、能力も上がる。


    逆に言えば満腹ならばしばらく怠けてても生きていられるため、集中力他諸々は下がるというわけだ。



    勿論、僕もだ。
    満腹に食べたという訳では無いけれど、やはり気が緩む。



    しかも授業内容が古文という辛さ。

    教師の声がまるで子守唄のように僕の耳から脳みそを揺さぶる。



    正直眠い。

    しかし寝るわけにもいかないので必死に自分の手やら顔やらをつねっては目を覚まそうとするが…。



    抗いがたい眠気には、そんなつねりの一つや二つじゃ勝てなかった。



    窓から照る柔らかな陽光が頭に当たって、ぬるま湯に使っているように暖かい。




    眠いけれど起きなければ。起きなければならないのに眠い……





    僕は殆ど死にそうな顔で必死に黒板に目を走らせ、ノートを取ろうと試みる。














    ……………。










    …はっ、うつらうつらしていた!


    手元を見ると、ミミズがのたうっているような字が書かれていてとても読めたものじゃない。



    消した。消しゴムで消した。



    綺麗に消して消して消して……消し───















    ぷつん。


    意識が途切れた。





    睡魔に完全敗北。

    僕は机に突っ伏した。無意識に。




    そのまま僕は、自分でも知らぬ間に眠ってしまった。












  24. 24 : : 2017/07/18(火) 22:35:50



    ~~~~~~~~~~~~



    「東条さん!花火の用意はできた?」

    「ええ、バッチリよ!腕によりをかけて作ったわ」

    「流石だねぇ東条さん。まさか超高校級の花火師でもあったなんて!ゴン太も見習いたいよ!」

    「ねぇー早くやろうよぉ花火!」

    「カーッカッカ、うちの魔法で火をつけてやるわい!」

    「ボッ」

    「わぁ凄いや夢野ちゃん!鉄であるキー坊に火をつけられるなんて流石魔法使いだね!ホグ〇ーツ出身なだけあるね!」

    「さぁ、僕の火で思う存分火をつけてください!」

    「にゃははー!神ってるぅー!」

    「うっし!じゃあ早速食べるか!」

    「百田取りすぎないでよ。私の分がなくなる」

    「火のついた花火も乙っすね」

    「ひゃーっひゃっひゃ、天才の俺様は思いついちまったぞ!これをこんなふうに加えて出し入れし───」

    「おいおい、クールじゃねぇなぁ…こういうのは欲張らずに一本咥えるってもんだぜ」

    「ご、ごめん…早く口に突っ込まないとみんなに食べられちゃうと思って」

    「オーイ オレヲ ワスレテルンジャ ナイダロウナー」

    「きええええっ!!何か今見えましたよ!」

    「クックック…民俗学者としては気になるところだネ」

    「あはは、火をつけても綺麗、食べても素敵、本当何から何まで楽しいね!最原くん!」

    「うん、そうだね!本当にそうだ!!体の中から焼かれてウェルダンステーキになりそう!」


    「アハハハ!!アハハハハハ!!!」



    ~~~~~~~~~~~~



  25. 25 : : 2017/07/18(火) 22:36:53
    「!!!!」

    ガバッとはね起きてみれば、もう授業は終わっていた。



    と言うかHRすら終了していた。



    「……ね、寝過ごした…!?」



    なら、みんな起こしてくれてもいいじゃないかと内心ぼやく。



    外を見ていれば、さっきまで高く登っていた太陽は落ちかけ、僕の他誰もいない教室内を赤く燃やしている。




    「……無茶苦茶な夢だったな」


    寝てたはずなのに疲れた。


    ずっと机に突っ伏していたことも、腰やら首筋やら腕やら痛い。



    机を見ればヨダレの跡。


    後で拭いておかなくちゃ。




    目を閉じてゴキゴキと音を鳴らして首を回し、コリを少しでも和らげようとする。


    ふぅ、と息をついて目を開ける。





    と、目線の先。















    ロッカーのある方、つまりは教室の後ろ側。















    白い鬼がいるのを見つけた。


  26. 26 : : 2017/07/18(火) 22:41:11
    「なっ!?なな、なん、で…!?」



    唐突の出現に驚いた僕は飛びずさり、ガンっと教卓にぶつかった。




    なぜ唐突にこの教室に現れたんだ。


    ここには僕以外の誰もいないというのに!



    意味がわからない。

    意味がわからない。


    何でいつもいつも僕につきまとうんだ。


    誰だよ。

    誰なんだよ!!




    「お前……何なんだよ。いったい誰だって言うんだよッ?」



    鬼はもちろん答えない。

    今までも鬼が喋ったことはない。


    でも答えて欲しかった。

    いつもいつも僕の前に現れ続けて、僕の日常を台無しにする、こいつは一体誰なんだ。







    ここにいる、仮面をかぶって僕に接し続けるこの鬼の出処は何なんだ!!


    「答えろよ!!誰なんだよ!!僕が何を…ッ、何をしたっていうんだ!?」




    体の中を怒りかなんだかよく分からない感情の激流が走り抜けていく。


    激情のままに、前へと歩む。



    何かが僕を突き動かす。





    白い鬼の目の前まで行った。

    背の高さは同じだ。しかし帽子をかぶっているため顔は見えない。


    でも顔を見なくても心がざわめく。



    心が掻き乱される。





    その気持ち悪さから逃れたくて、僕は鬼を睨めつけ、裸の上半身をどついた。

    さわれる。

    もう一度叩いた。



    そうすればいなくなるとでも言うように。


    重い心が楽になるというように。


    しかし幾ら叩いても睨んでも忌み嫌ったとしても、軽くはならなかった。



    むしろ酷く痛む。




    本当に一体なんだっていうんだ。





    鬼は抗おうともしない。




    ただ立っている。

    「……僕が何かしたって言うのか?したからお前は現れてるんだろ」


    吐き捨てるように言う。


    やはり鬼は何も答えない。が。





    急に鬼が動いた。

    警戒して身構えるが、ゆっくりとした動きから、どうやら殴られたりはしないようだ。




    鬼の手が僕の頭の方へ持ってこられた。


    「………?」


    戸惑っていると、鬼は。



    「……!」



    僕の帽子をとった。



    「ど、どういうつもりだよ。返せよ」


    腕を伸ばそうとするが、腕を掴まれて静止する。



    背丈が同じだから目がすぐに合った。



    ハッとして顔を背ける。



    鬼が帽子を投げた。


    空いた手で僕の顔をつかみ、正面を向かせる。


    「な、なんだよ…?」

    「………」


    僕の顔を鬼が覗き込む。





    暫くの間、誰かの目を見ていなかった。

    人から見られるのがトラウマになったから。

    あの大量の目を見てしまった恐怖が蘇るから。



    だから、この鬼だって見たら恐怖に駆られるはずだった。







    でも何も感じなかった。

    静かな気持ちで、鬼の目を見つめる。


    黒いガラスのような目に、映るのは。










    他でもない僕。

    僕の目。僕の顔。僕の体が歪んで映る。



    「僕…?」



    鬼が何かに頷く。


    「…なんだろう。何か…」


    今まで鏡で見てきた僕とは違うような……




    「!」







    分かった。


    これに映る僕は、あの部屋に閉じこもる前の僕とは違う。


    以前鏡に映っていたのは、人間があるべき姿を保った、健全な僕だった。







    今映るのは人を、状況を、自分を疑い嫌う醜い姿だ。




    「これが、……僕」

    「………」



    鬼はまた頷く。



    「………お前は」

    「………」





    鬼は何も言わない。








    でも何かを感じた。














    「もしかして、お前は……僕自身?」

    「………」





    鬼が頷いた。
  27. 27 : : 2017/07/18(火) 22:43:11



    「………」


    「………っはは、なんだよ、そういう事か」





    静かに、“独り言”を呟く。






    そうだ、一人だ。ここに、この教室にいるのは僕ただ一人だ。






    今までなぜわからなかったんだろう。

    分厚い雲が風に流れ、空がだんだんとクリアになるように、徐々に理解の光が差し込んでゆく。




















    この鬼は、僕だ。









    僕だったんだ。








    僕の心だった。






    僕が、皆に向けた疑心暗鬼()だったんだ。






    だから、いつまでも消えなくて、心は苦しくて仕方なかったんだ。



    自分の心、鬼を傷つけた時痛かったんだ。





    色がないのは、僕が僕自身を殺していたから。

    個性も意思もなくただ身を潜めていたからだ。




    「何で……気づけなかったんだろう」




    こんなに単純な答えに、なぜたどり着けなかったのだろう。




    誰かを疑い続けているが故に、僕自身が僕の怯える鬼を生み出していたという、ただそれだけの事実に。



  28. 28 : : 2017/07/18(火) 22:46:08




    「ごめん。ずっと、お前()を認めてあげられなくて」




    呟く。



    「………」



    やっぱりこいつは何も言わなかった。

    でも何かを喋る必要も無い。

    こいつは僕そのものだから、言葉は何も必要ない。



    「ごめん。……これからは、自分のできること、精一杯やるよ。人も信じてみる。目を見て話す。毎日。まだ難しいかもしれないけど、自信を持って生きることにするから」




    だからこれはこいつに向かって言ったんじゃない。


    僕の所信表明だ。






    言うと、鬼はこれまで見てきた鬼たちと同じように崩れ始めた。



    その場に何かを残すでもなく、跡も無く綺麗に消えていく。




    「僕は結局、本質は他の人と何も変わらないってことだよな」



    ちょっと笑った。

    人だから人を疑いもするし、嫌いもする。



    でも疑うのは、信じていたからだ。
    嫌いになるのは、好きなものがあるからだ。



    それは美しいことで、人間としてなくてはならない感情だった。




    だから僕も、それを受容しよう。







    前を向いて生きる。




    クラスメイトと、感情を持って接していく。







    帽子を拾ったが、もうかぶらない。



    日は落ちた。空は深い紫色に染まった。

    その景色がよく目に映る。



  29. 29 : : 2017/07/18(火) 22:50:23










    翌日の朝。晴れ。



    「おはよう最原くん!…って最原くん!?帽子は……」


    「ああ、おはよう、赤松さん。…うん、ちょっと急に邪魔くさくなってさ」


    「そっか…。でも、うん。そっちの方がいいよ。帽子ない方が、キミの顔がちゃんと見られて私は好きかな」

    「………」

    「…あっ、べ、別に変な意味じゃない!!変な意味じゃないからね!!」

    「わ、わかってるよ…。うん、ありがとう」



    教室の戸を開ければ、いつも通り皆がいた。


    「よぉ、最原!…?ん?なんかいつもと違くねぇか?」


    「ケッ、脳みそが下の棒にあんのかテメェは!帽子がねぇんだよぼ、う、し!!ひゃーっひゃっひゃ、どうせやっと皮が剥けたから記念にとったんだろ短小が!!」


    「うるせぇ黙れよ肉便器!うるせぇな!」

    「ぴ、ぴぐぅ…なんだよぉ、二度も言わなくたって……」

    「まぁ…帽子ねぇ方が似合ってるぜ。辛気臭ぇ顔もマシになったじゃねぇか」





    今日も騒がし……賑やかだ。



    皆の目を見渡してみる。




    鋭い目、意地悪く笑う目、楽しげな目、希望に満ちた目、優しい目。



    一つも同じ形の目はない。


    しかしどれを見ても、もう怖くなんてなかった。




    僕はここで時を過ごす。


    このクラスメイトと。この教室と。この学校と。









    光を求め続けていくんだ。



    そうして歩くうちに得た絵の具(思い出)で、僕のまだ白い心を染め上げる。







    僕の『日常』を色づけていく。







    『キーンコーンカーンコーン…』





    もうHRが始まる。



  30. 30 : : 2017/07/18(火) 22:53:11
    終わり!ありがとうございました!
    第二回目のチームコトダ祭り。熱いです。


    他の副将だけでなく、先次中どれをとっても最高です。

    いよいよ大詰め!大将戦に期待!!

    是非楽しんでください!!
  31. 31 : : 2017/07/18(火) 23:24:26
    お疲れさまでした!暴風雨の副将お疲れさまでした!

    ハースさんにゲリラチームに参加して頂き、うれしく思います!


    最原くんの心の様子やトラウマなどもわかりやすく書かれてあり、、読みやすい作品でした!

    本当にお疲れさまでしたm(_ _)m!
  32. 32 : : 2017/07/21(金) 12:15:45
    今更ながら、お疲れ様です。最原くんが感じる他人への恐怖がこちらにまで伝わってくるような作品でした
  33. 33 : : 2017/07/24(月) 08:43:33
    滅茶苦茶面白かったです
    お疲れ様でした!!
    面白い!!(二回言う)
  34. 34 : : 2017/07/24(月) 17:22:00
    好きすぎました
    最原鬼の正体が判明する前の外見については何か意図があったのでしょうか??

    お疲れ様でした(^_^)
  35. 35 : : 2017/07/24(月) 22:30:22
    皆さんコメントありがとうございます(><)!

    >>34
    作品中に書いてあるっちゃあります!!もう一周だっ!!!
  36. 36 : : 2017/07/28(金) 07:44:13
    お疲れ様です。『疑心暗鬼』の凝った使い方と綺麗に纏まったオチ、そして一つひとつの描写が分かりやすく書かれていて読みやすかったです。
  37. 37 : : 2017/08/02(水) 00:17:42
    なんというか、好きです。純粋に面白いSSでした。お疲れ様です。
  38. 38 : : 2017/10/18(水) 00:18:01
    面白かったです
  39. 39 : : 2020/10/25(日) 21:28:33
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…


    72 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:59:38 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    お願いです
    本当に辞めてください


    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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