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一人の少年が生んだ希望と一人の少女が抗えおうとした絶望
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- 1 : 2013/12/21(土) 16:41:55 :
- ―――苗木君が死んだ。
最後の学級裁判の最後の審判の時、江ノ島盾子が苗木君にむけ隠し持っていた拳銃の銃口をむけ弾丸を放った。
その瞬間に江ノ島盾子も自らの頭部に銃口をむけ命を絶った。
私はその時即座に彼のもとへと駆け寄った、抱きかかえた彼の身体の体温が失われていく中、最後に彼は私にむけて口を開き言った
苗木《希望を捨てちゃだめだよ・・絶対に》
それが彼の最後の言葉だった。
それから半年が過ぎたときの事だった。
霧切「手紙・・・?」
そう、手紙だった、ポストに入っていた宛先も書いてない真っ白な封に入った手紙。
封を開け、中を確認してみればその手紙には意味が分からずとも興味深い文が綴ってあった。
《運命を1度だけ変えてみませんか?》
この手紙が私に残された最後の希望であり、絶望であると今の私は知る由もなかった。
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- 2 : 2013/12/21(土) 16:56:35 :
- その手紙には、まるで私を見透かしてるような文が淡々と綴られており
何よりもそこに私の護りたかった人
《苗木誠》の名前があった
私はただ彼にまた会いたい、彼を護れなかったあの時を変えたい、と、唯それだけの思いで、この手紙に綴られている過去へ向かう方法を信じ行うことにした
手紙には、今夜の0時に戻りたい過去を思い浮かべ、月に向かい目を閉じろと書いてあった。
信じるなんてことできるわけはなかった、でも信じてしまった。彼を救えるならどんな嘘も信じてる気がしたから。
そして0時前になった、私は外にでて空を見上げた。
霧切「・・綺麗な月ね」
満月だった。その満月にむけ私は一人祈りを捧げた。
霧切「(もう一度、もう一度あの殺し合いに起きる前の学園生活に戻りたい!彼を、苗木誠を護りたいっ)」
その祈りと共に私の意識はなくなった。
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- 3 : 2013/12/21(土) 17:09:33 :
- ?「・・りさん、霧切さん!」
霧切「っ!」
苗木「大丈夫・・?霧切さん」
霧切「苗木・・・君?」
苗木「う、うん・・どうしたの?急にぼーっとして」
霧切「な、何でもないわ・・・心配かけて御免なさい」
紛れもなく私の目の前にいるのは苗木君だった、私が護れなかった、護りたかった存在。溢れ出しそうな感情が不意に目蓋に溜まり頬を伝ってしまった。
苗木「えっ!?き、霧切さんどうしたのっ?ほ、ほら取り敢えず涙ふいてっ・・・」
霧切「いいえ・・大丈夫よ、そんなことよりモノクマはどこ?少し話しをしたいのだけれど」
苗木「・・・えっと霧切さん、そのモノクマって何かな?」
霧切「えっ・・・?」
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- 4 : 2013/12/21(土) 18:34:15 :
- 支援!
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- 5 : 2013/12/21(土) 18:50:15 :
- ありがとうございますっ
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- 6 : 2013/12/21(土) 19:19:53 :
- 霧切「モノクマが存在しない・・・?じ、じゃあ江ノ島盾子はっ!」
苗木「・・・霧切さん覚えてないの?江ノ島さんは前にもう死んじゃったじゃないか」
霧切「死んだ・・?」
もう訳がわからなかった、どうやら今私がいる「この」世界では殺し合いが起きておらず希望ヶ峰学園に監禁すらされていない、ごく普通の学園生活をおくっているらしい。
苗木「本当に大丈夫?霧切さん・・休んだほうがいいよ?」
霧切「・・悪いけどそうさせてもらうわ。」
苗木君が生きていて、全ての元凶である江ノ島盾子のいない世界、なら私はここで何をするべきなのか、それを知ることは出来なかった。
苗木「じゃあ、いこっか?」
霧切「・・・はい?」
苗木「ん?どうしたの?寝室はこっちだよ?」
霧切「ま、まままって苗木君?!そうまずここはどこなのかしら?」
苗木「何処って、僕と霧切さんの家だよ?学園長さんがくれた」
霧切「・・・あの学園長、なにかんがえてんのかしら?」
苗木「今日の霧切さんは本当に不思議だねっ、とにかく休んで落ち着いてよ」
霧切「わかったわ・・・」
私は混乱する思考の中、ベッドに身体を倒し瞳を閉じた。
仄かに苗木君の臭いがした気がして、少し幸せだった。
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- 7 : 2013/12/21(土) 19:46:06 :
- 気づけば朝になっていた。
窓から刺す光が顔に当たりとても眩しい
ふと顔を横にすれば目の前には苗木君の寝顔があった。
霧切「・・・」
もう一度言おう、苗木君の寝顔があった。
霧切「ひゃああああああああっ!?」
苗木「っ!な、なにっ!?ど、どうしたの霧切さんっ」
霧切「ど、どうしたのじゃないわよ!何で一緒のベッドにいるのよっ」
苗木「え?今更なにをいってるの?何時も一緒にねているじゃないか」
霧切「何時も・・一緒に・・・?」
苗木「うん」
霧切「・・・」
苗木「霧切さん鼻血がでているよ?」フキフキ
霧切「もう私、死んでもいいわ」グッ
苗木「なんで!?」
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- 8 : 2013/12/21(土) 20:08:09 :
- それから、私は苗木君と殺し合いも絶望が起きることもないこの世界でありふれた日々をおくっていた。
苗木君と一緒に過ごし。
苗木君と一緒に出掛け。
苗木君と一緒に生涯を共にする。
こんなにも幸せで素晴らしい世界、これこそが私が望んだ世界。
でも・・・
霧切「何かが・・違う」
苗木「え?どうしたの?」
霧切「違う、これは現実じゃない・・・ここは、創られた世界っ」
苗木「・・・そっか、うんっ霧切さん!君は間違ってないよ、ここは君がいるべき世界ではないよ、だって君はまだ生きているから、君はまだ希望を持っているから。」
霧切「苗木君・・・」
苗木「霧切さんにまた会えてよかった、とても嬉しかったよ!君が僕を覚えている限り僕も君を忘れない・・・」
霧切「やめて・・・もうっ」
苗木「だから僕の分まで生きて?そして、世界に絶望してしまった人達に希望をあげて?」
霧切「無理よっ私には、何も・・出来ないっ」
苗木「それは・・・ちがうよ!」
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- 9 : 2013/12/21(土) 20:43:14 :
- 霧切「っ!」
苗木「僕は知っているよ、霧切さんが僕が死んじゃった日から毎日運命を変えようとしたことも、僕なんかのために泣いてくれたことも、そして・・僕を好きでいてくれたことも」
霧切「グスッ・・いやっ離れたくないっ貴方を、失いたくないっ」
苗木「大丈夫、僕はずっと霧切さんの傍にいるからっだから頑張って!霧切さんなら必ず・・・」
涙でくすんでしまう視界の中、徐々に苗木君の身体が消えていくのがわかった。もう時間がないのだろう。
何を思ったのか私はくしゃくしゃの顔のまま苗木君にむけて叫びともいえる声でいった。
霧切「お願い・・・苗木君っ・・わたしの、私の名前をよんでっ!」
苗木「・・いいよっ・・・霧切・・さんっ」
苗木君はわたしを抱きしめてくれた、今にも崩れてしまいそうな私を優しく・・・。
霧切「もっと、もっと・・・よんでっ?」
苗木「うん・・霧切さん、霧切さん・・・霧切さんっ!」
霧切「苗木・・・君っ!」
私は消えていく身体の中、彼と唇を合わせた・・とてもしょっぱくて、それでいて少し甘い口づけを。
霧切「必ず、必ず世界を希望にかえてみせるからっ!貴方の分まで必ずっ」
苗木「うんっ!必ずだよ、約束だからねっ」
それが彼の最後の言葉だった、身体が光の粒になり彼は姿をけし、そして私の意識もゆっくりと闇に包まれた。
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- 10 : 2013/12/21(土) 21:06:38 :
- 霧切「・・・戻ってきたのね」
私はおきあがり、外に行きポストを開けた。
そこにはまた一つの真っ白な宛先の書いていない手紙があった
。
封を開け中を確認してみると一通の手紙と指輪が入っていた。
家に戻り手紙を読んでみた。
《運命は変えるものではなく、変わるもの。君の望む世界の運命は君次第、希望があるから絶望がある。でもそれでいいんだ、だって世界は平等だから。さぁ前を向いて!僕は見守っているよ。この世界に希望がある限り、ずっと。》
霧切「・・・全く私を励ますだなんて苗木君のくせに、生意気よっ!」
指輪を薬指にはめて私は外へ駆け出した、彼がいたこの世界を希望で満ち溢れさせるために。
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- 11 : 2013/12/21(土) 21:09:28 :
- どうも、ナツみんβですっ!
なんか駄作を作ってしまい申し訳ございませんっ
今回は短編ということにし、展開も何から何まで省いてしまいました・・・。
次回作からは長くしていけたらなぁと思っています!
読んでいただきありがとうございました!
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- 12 : 2013/12/22(日) 01:17:52 :
おお、オリジナリティーがあって
新鮮だった
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