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最原「"超高校級のフードファイター"?」

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  1. 1 : : 2017/07/02(日) 23:25:11
    赤松「うん。趣味のピアノの帰りに立ち寄ったトンカツ屋さんでカツ丼の大食いをやっててね、お腹空いてたから参加してみたら、才能開花しちゃったみたい!」

    最原「まあ、普通の胃の持ち主はお腹空いた程度で大食いに参加しないよね」
    ______________________________
    ・本編ネタバレ注意
    ・交友関係は紅鮭基準(リセット状態)
    ・「喰いしん坊!!」のパロディだらけ
    ・書き溜めのストックが少ないのでゆっくりペース
  2. 2 : : 2017/07/02(日) 23:26:11
    赤松「最原くんはどんな才能の持ち主なの?」

    最原「僕は一応探偵なんだけど……超高校級って程でもないんだよね」

    赤松「え〜そんなことないよ!凄い雰囲気ビシビシ伝わってくるよ!」

    最原「それ思い込みじゃない?」
  3. 3 : : 2017/07/02(日) 23:27:01
    一章
    ………………
    ………………

    白銀「私の名前は白銀つむぎ。"超高校級のフードファイター"だよ」

    最原「へえ、同じ才能の持ち主が二人揃うこともあるんだね」

    天海「やぁ、どうもっす。俺は"超高校級のフードファイター"、天海蘭太郎っす」

    最原「あ、君もなんだ……」

    茶柱「茶柱転子は"超高校級のフードファイター"なんです!」

    最原「……そうなんだ、凄いね」

    夢野「ウチこそは"超高校級のフードファイター"、夢野秘密子じゃ」

    最原「ウチこそはってレベルじゃないよもう!」

    入間「俺様は黄金の脳細胞と歴史的な美貌を誇る美人すぎる天才、"超高校級のフードファイター"入間美兎様だッ!」

    最原「…………」

    入間「……あれ?な、何で無反応なのぉ……?」
  4. 4 : : 2017/07/02(日) 23:29:44
    ______________

    最原「一応全員に挨拶出来たみたいだけど……」

    最原「一体どういうことだ……結局僕以外の全員が"超高校級のフードファイター"だったぞ……」

    最原「嫌な予感しかしない……」

    ピンポンパンポーン

    モノクマ『えー全校生徒の皆さん、至急体育館に集合してください!繰り返します……』

    最原「今の日曜の夕方6時によく聞くような声は……僕らをここに閉じ込めた奴のものか?」

    赤松「最原くん、今の放送聞いた!?」

    最原「うん。正直嫌な予感しかしないけど行ってみようか」
  5. 5 : : 2017/07/02(日) 23:30:10
    モノクマ「ハイいらっしゃーい。16人揃ったね、うんうん」

    王馬「すげー、クマのぬいぐるみが喋ってる!」

    モノクマ「ハイハイ煩わしいそのプロローグ的な流れはすっ飛ばすから。どうしても見たかったら本編でよろしく〜」

    東条「それで、どうして私達はここに閉じ込められたのかしら?」

    モノクマ「流石東条さん話が分かる女!じゃあ単刀直入に言います!」
  6. 6 : : 2017/07/02(日) 23:31:37
    モノクマ「これからオマエラにはこの最囚学園でフードファイトをしてもらいます!」

    赤松「フ、フードファイト!?」

    モノスケ「ルールは何も複雑なことあらへん。お父ちゃんが提示する【メニュー】を見て、やれると思ったら誰かにフードファイトを申し込めばエエ。これだけや」

    モノファニー「勿論、申し込まれた方は断っても大丈夫よ。メニューによって得意不得意があるからね!」

    モノタロウ「ただし勝った人から順番に学園から出る権利を得られるから、外に出たい人はいつかは戦わないといけないよ!」

    モノダム「トクイナメニューガデルマデネバッテモヨシ」

    モノキッド「苦手分野が無い奴は敢えて最後まで粘って、残った相手を地獄に叩き落としても良いんだぜヘルイェーーーー!!」

    最原「ちょ、ちょっと待て!」

    モノクマ「ん?」
  7. 7 : : 2017/07/02(日) 23:32:08
    最原「さっきみんなに挨拶して回った時から薄々予感していたけど……」

    最原「そのルールだと、僕はどうやってもここから出られないじゃないか!」

    モノクマ「あーそっか、一人だけ手違いで凡人が混じってるんだっけ」

    最原「うるさい!」

    モノクマ「しょうがないなあ、それじゃあ最原クンは不戦勝ってことで。ただし、出られるのは最後の勝負を見届けてからね」

    最原「……それって」

    モノクマ「うぷぷ。不戦勝で出て行く最原クンの背を、留年の絶望に打ちひしがれたファイターはどんな目で見送るんだろうね?」

    モノクマ「あぁ、想像するだけでドキドキしちゃう!楽しみだなあ!」

    春川「……趣味が悪いね」
  8. 8 : : 2017/07/02(日) 23:32:47
    モノクマ「じゃ、朝礼終了前に一戦目のメニューを発表します!」

    「……」ゴクリ

    モノクマ「一戦目のメニューは……こちら!」ダダダダダ

    モノクマ「あつあつとろとろの卵に包まれたカツが鬼門、【カツ丼10杯の早食い勝負】!」バーン

    赤松「!」

    最原(じゅ、10杯!?)

    モノクマ「以上で朝礼を終わります!それでは皆さん、グッドラーック!!」

    「ばーいくまー!」
  9. 9 : : 2017/07/02(日) 23:37:54
    期待です!
    水をがぶ飲みした奴から死んでいく(確信)
  10. 10 : : 2017/07/02(日) 23:44:43
    >>9
    ありがとうございます!
    そんな大食い初心者の雑魚は地味に最原くんしかいないからね!
  11. 11 : : 2017/07/03(月) 00:00:41
    期待!
  12. 12 : : 2017/07/03(月) 08:52:32
    …誰が残るのだろうか…

    期待してるよっ☆
  13. 13 : : 2017/07/03(月) 09:41:36
    さすがに雑魚は言い過ぎだろ
    一言余計な事言うなよ
  14. 14 : : 2017/07/03(月) 10:20:31
    食いしん坊とか懐かしいですね。食キング書いた人の奴か。
  15. 15 : : 2017/07/03(月) 19:29:06
    >>11
    >>12
    ありがとうございます!

    >>13
    一応フラグのつもりなんで許して下さい!なんでもしますから!

    >>14
    こ…米粒にケーキのレシピが!
  16. 16 : : 2017/07/03(月) 19:29:45
    最原(……モノクマとモノクマーズが去った後……僕らは一旦、寄宿舎の自室へと戻った)

    最後「それにしてもとんでもない事に巻き込まれちゃったな……」

    ピンポーン

    最原「ん?誰だろう」ガチャ

    赤松「さっきぶりだね、最原くん!」

    最原「やあ、赤松さんか」

    赤松「急にごめんね。少し話をしたくてさ」

    最原「……いいよ。じゃあ図書室にでも行こうか」
  17. 17 : : 2017/07/03(月) 19:30:51
    ー図書室ー

    最原「それで話って……やっぱりフードファイトのこと?」

    赤松「う、うん。実は……そうなんだ」

    最原「才能に目覚めたのはカツ丼の大食い……って言ってたよね。ということは、カツ丼が赤松さんの得意分野ということになるのかな」

    赤松「うん、少なくとも苦手分野ではないと思う」

    赤松「……実は私、才能に目覚めてからまだ全然日が浅いの。自信がある時に勝たないと、一生ここから出られないかもしれない……!」

    赤松「だから私、今回の勝負に出る。出て、絶対に勝つよ」

    最原「……カツだけに?」

    赤松「うん、そうカツだけに……って何言わせるの!」

    最原「ご、ごめん」

    赤松「……ふふっ、いいよ」
  18. 18 : : 2017/07/03(月) 19:31:33
    赤松「ねえ最原くん。もし私が勝ってさ、ここから出れたら……私と友達になってくれる?」

    最原「え、う、うん……そんなの、当たり前だろ」

    赤松「あはは、ありがとう。よーし、やる気出てきた!頑張ろうっと!」

    赤松「ね、他のみんなとも友達になってさ。美味しいものお腹いっぱい食べようね!」

    最原「はは……良いね、楽しみにしてるよ」

    最原(周りがみんな大食いって居づらそうだけど……)

    赤松「えへへ」ニコニコ!

    最原(赤松さんが楽しそうなら……良いかな)
  19. 19 : : 2017/07/03(月) 19:34:05
    最原(そして次の日……フードファイトの時はやってきた)

    最原(僕らは昼食時に食堂へと集められ、今回の参加者の姿を目にした)

    最原(……正直、驚いたよ)

    最原(赤松さんの対戦相手は、『"超高校級のフードファイター"の名に違和感がありすぎる人ランキング』第1位にランクインしていた天海くんだったんだ)


    最原「まさか赤松さんの相手が天海くんだったなんて……」

    天海「はは。俺もこんなに早くに勝負を挑まれるとは思ってなかったすよ」

    天海「まあ、願ったり叶ったりなんすけどね」

    最原「でもカツ丼なんて大丈夫なの?天海くんとカツ丼ってあんまり結び付かないんだけど……」

    天海「何を言ってるんすか最原くん。カツ丼は謂わばフレンチのカツレツと和食の魂である出汁が合わさった至高のメニューなんすよ。まず日本人なら……いえ、人間ならカツ丼嫌いの人は居ない筈っす」

    最原「そ、そうなんだ……」

    最原(正直天海くんの言っていることは理解できなかったけど、食にかける情熱は本物のようだ……)
  20. 20 : : 2017/07/03(月) 19:35:21
    モノタロウ「お待たせー!料理の準備ができたよー!」ドンッ

    獄原「うわー、良い匂い!」

    最原「随分と大きいドンブリだね……あの量を各10杯ずつか……」

    最原(あれを女子の赤松さんやスタイルのいい天海くんが食べるなんて、信じられないな )

    モノクマ「では、こちらが今回のメニューです!ご開帳ー!」

    パカッフワッ

    王馬「ひゃーっ、すっごい湯気!」

    最原「ふわあ、ツユを吸ってしっとりキツネ色になったカツにとろとろの卵が絡んでて……!」

    夢野「美味そうじゃのう!」
  21. 21 : : 2017/07/03(月) 19:36:13
    モノクマ「それでは今回の勝負について説明します」

    モノクマ「制限時間は設けません!とにかく先に10杯食べた者が勝利ということになります!」

    モノクマ「尚、料理とお水のおかわりは側に控えたモノクマーズにお願いします!」

    モノクマ「準備はいいですか?それでは――ファイッ!!」

    赤松「いただきます!」バッ

    天海「いただきます」バッ

    最原(は、始まった……)

    最原(二人共、頑張れ……!)
  22. 22 : : 2017/07/03(月) 19:36:53
    赤松「……」ゴバッ

    赤松「……」ハフ、モギュ

    最原「赤松さんは一口が大きい……見るからに熱そうなカツなのに、ものともしてないみたいだ」

    天海「……」ゴクッ…

    天海「……」サクッ、モグモグ

    最原「対して天海くんは少し水を含んでから食べ始めた……」

    東条「ああして口内を冷やすのよ。一気に飲むとお腹が膨れてしまうから、ほんの少し含むのがコツなの」

    最原「成る程……同じ料理でも二人共食べ方は違うんだね」

    赤松・天海「おかわり(っす)!」ダンッ

    最原「すごい、もう!?」

    キーボ「流石は超高校級ってところですね……」
  23. 23 : : 2017/07/03(月) 19:37:57
    赤松「……」モグッモグッ

    赤松(流石天海くん。上品で、それでいてペースも早い)

    ――天海『……悪いっすけど、俺もやらなきゃいけないことがあるんすよ。……手は抜けないんで』

    赤松(……正直掴み所の無い人だと思っていたけど、あの言葉に嘘はない。それだけは分かる)

    赤松(だけどこの勝負……私も負けられないよ!)ガパァ ザクッ!モグッ!

    天海(赤松さん……喰らい付いてきますね)

    天海(でもそんな食べ方じゃあ、後々しんどくなるっすよ……!)サクッ、モグ
  24. 24 : : 2017/07/03(月) 19:38:52
    ー30分経過ー

    モノファニー「赤松さん7杯完食!天海くん8杯目完食!」

    最原「凄い……まだ1時間も経ってないのに……!」

    夜長「およよー僅差だねえー」

    真宮寺「だけど縮まりもしない……同じ間隔を保ったまま走り続けているようなものだネ」

    最原(二人共表情は変わらないけど……心成しか赤松さんが苦しそうだ)

    赤松「……ッ」ガッ、モグ…

    赤松「あっ!」ペシャ

    春川「赤松がカツを取り落とした!」

    赤松「……」グッ…モグ…
  25. 25 : : 2017/07/03(月) 19:40:09
    赤松(ダメ……このままじゃ負けちゃう)

    赤松(しっかりしてよ楓、最原くんとも約束したでしょ……!?)

    赤松(勝たなきゃダメなんだ……絶対に……!)ドクン…ドクン…

    赤松(ちっぽけなプライドなんて、捨ててでも……!)ガッ

    最原「水の入ったグラスを握った?」

    茶柱「まさか……」

    赤松「……」グッ…

    百田「邪道喰いはよせーーっ!赤松!!」

    バシャアッ!

    天海「!」

    真宮寺「水をカツ丼にかけた……!」

    最原「えぇ……?」
  26. 26 : : 2017/07/03(月) 19:42:06
    赤松(うっ、気持ち悪い……けど、これなら流し込める!)

    赤松「……」モグ…ズズッ…!

    天海「赤松さん……見損なったっすよ」

    赤松「……なんとでも言ってよ」

    赤松「私は負けられない……!この勝負に!」ガッ!ズズッ、ズズッ

    春川「赤松がスパートをかけた!」

    東条「水を吸って膨らんだ米とカツの衣は相当な負担のはず……長くは続けられないと判断したのでしょうね」

    赤松「おかわり!」ダンッ

    モノタロウ「ヘイお待ち!」

    バシャアッ!

    赤松「……」ズル、モグッ!

    天海「くっ……!」ガッ…モグモグ

    最原「天海くんが押されている……!」

    モノスケ「赤松9杯目突入や!天海、はよせえ!」

    天海「……!!」ガッ、モグッ!

    天海「おかわりっす……!」ダンッ

    モノダム「……」スッ

    天海(一旦水で喉の通りを……!)ゴクン

    天海「……」ゴバァ サクッ、モグッ

    赤松「おかわり!!」ダンッ

    茶柱「並んだ……!」
  27. 27 : : 2017/07/03(月) 19:43:40
    赤松「……」ズッ、ズズーーーッ!

    天海「……」ザクッ、モグッ!

    ズッズズーーーッ…
    ザクッモグッ…

    ダンッ!!

    最原「!」

    赤松「はぁ、はぁ……」

    天海「……っ」

    モノクマ「終了ーーーーっ!!」

    モノクマ「いやあまさかまさかの同時に完食の合図!」

    モノクマ「皆さん健闘を讃えた二人に拍手をお願いします!」

    モノクマ「おっと……ですが当学園のフードファイトに引き分けなんてありません」

    モノクマ「こびり付いた米粒の数や汁の量……重量まで厳格に測った上で勝敗を決めるのが最囚学園式フードファイト!」

    天海「……」

    モノクマ「それじゃ、可愛いボクの子供達。二人のドンブリの中を覗いてごらん」

    モノタロウ「分かったよお父ちゃん!」
  28. 28 : : 2017/07/03(月) 19:44:42
    モノファニー「赤松さんのドンブリは綺麗にピカピカよ!」

    モノキッド「まあ水で流してたから当然だろヘルイェーーー!!」

    モノタロウ「天海くんのドンブリは……」

    モノスケ「……あかん、米粒が残っとる……!」

    モノクマ「――というわけで記念すべきフードファイト第一回戦の勝者は、赤松さんに決まりましたー!」

    モノダム「オメデトウ」

    モノクマ「それでは赤松さんはこの後裏庭に来てくださいね!かいさーん!」
  29. 29 : : 2017/07/03(月) 19:45:16
    赤松「……」

    赤松「ごちそうさま」スッ

    赤松「……」スタスタ

    最原(……赤松さん)

    春川「……私達も行こうか」

    ゾロゾロ …ザワ…ザワ…

    最原「……」

    天海「……」

    最原「あ、あの、天海くん……」

    天海「…………最原くん」

    天海「格好悪い所を見せたっすね」

    最原「ううん、そんなことないよ。そんなに細いのに、ちゃんと食べてて……凄かった」

    天海「……ありがとうございます」
  30. 30 : : 2017/07/03(月) 19:46:12
    最原「……あまり気にしなくていいと思うよ。天海くんのあの食べ方なら、近い内に外に出れると――」

    天海「悪いんすけど」

    最原「え?」

    天海「最原くんの才能はフードファイターじゃないんすよね?」

    最原「う、うん……」

    天海「じゃ、俺たち分かり合えないすね」

    最原「え……?」

    天海「君とこんなことを話してても、無駄ってことっすよ」

    天海「……それじゃ」スタスタ
  31. 31 : : 2017/07/03(月) 19:46:46
    最原「……」

    最原(いや、天海くんの言う通りだ……僕はフードファイターの群れの中に紛れた、ただの凡人だもんな……)

    最原(君達の苦悩も、フードファイトにかけている情熱も……何一つ理解できてないよ)

    最原(だけど……!!)

    百田「気にすんな、最原」

    最原「!君は確か、百田くん……」
  32. 32 : : 2017/07/03(月) 19:47:29
    百田「アイツはスゲェ奴だぜ。自分の負けた理由にちゃんと気付いてやがんだ」

    最原「天海くんが……負けた理由?」

    百田「ああ。アイツはあのままなら勝ててた。だが赤松の邪道喰いに意識を取られて、『保っていたペースが乱れちまった』んだ」

    百田「大食いで一番大切なのはとにかく自分のペースを乱さないことなんだよ。まあ邪道喰いに動揺するってことは、そんなのとは無縁の綺麗な世界で勝負してた運の良い奴ってことかもしれねーけどな」

    最原「……邪道喰い、か」
  33. 33 : : 2017/07/03(月) 19:49:22
    最原「赤松さんの食べ方はルール違反ではないの?」

    百田「まあ、あれも一応作戦の一つだからな。味を損なわずにペースを保ちつつ食うか、味を損なってでも効率良く食うか。人によっちゃ戦意喪失のために利用することもあるらしいぜ」

    百田「……まあ、赤松にそんな意図は無かっただろうがな」

    最原「……赤松さん、苦しそうにしてた。僕とあんな約束なんてしたから……追い詰めてしまったんじゃ……」

    百田「お前のせいじゃねえよ。……それより、良いのか?アイツを見送らなくて」

    最原「あ……そうだった。裏庭だよね、行ってくるよ」

    百田「頑張れよ、終一!」

    最原「……うん!」
  34. 34 : : 2017/07/03(月) 19:50:02
    ー裏庭ー

    最原「赤松さん!」

    赤松「あ……最原くん」

    最原「だ、大丈夫?何だかしんどそうだけど」

    赤松「あはは……水が後になって効いてきたみたい」

    赤松「……ごめんね、汚い食べ方しちゃって」

    最原「大丈夫だよ。いやまあ、少し驚いたけど……7杯目まではちゃんと食べてたじゃないか」

    赤松「7杯……7杯が私の実力なんだね」

    最原「……」
  35. 35 : : 2017/07/03(月) 19:50:56
    赤松「水を吸った冷たいカツはひどく不味かった。噛む度に水が溢れ出て、中途半端に固まった卵が舌にまとわりついてきて……」

    赤松「薄まった出汁の味も……膨れた米のバラバラとした感触も……食べることが好きだったのに、全てを苦痛に感じていた」

    最原「赤松さん……」

    赤松「最原くん、私、君達が出てくるまで修行してくるよ」

    赤松「邪道喰いなんかに負ける位じゃ、"超高校級のフードファイター"なんて名乗れないもん」

    最原「うん……頑張って。応援してるよ」

    赤松「ありがとう」

    赤松「最原くんもどうか……邪道喰いに負けないで。道を踏み外しそうになった人を見たら……止めてあげてね」

    最原「……分かった、任せて」

    モノタロウ「赤松さん、準備が出来たよー!」

    赤松「それじゃあ最原くん。また、ね!」

    最原「うん。またね」
  36. 36 : : 2017/07/03(月) 19:52:18
    最原(そして赤松さんはモノタロウに連れられて、学園を後にした……)

    最原(……正直僕は、今までこの生活における自分の存在意義を見失っていた)

    最原(だけど、今見つけたよ)

    最原(赤松さんの意思を……希望を引き継いで……)

    最原(邪道喰いを止めてみせる!!)


    一回戦…カツ丼10杯早食い勝負

    ○赤松 ー ●天海
  37. 37 : : 2017/07/03(月) 23:59:19
    めちゃくそ面白いです!期待!
  38. 38 : : 2017/07/04(火) 00:02:19
    なん
  39. 39 : : 2017/07/04(火) 14:26:09
    決めた、今日の晩飯はカツ丼だ
  40. 40 : : 2017/07/04(火) 16:28:48
    飯テロ期待
  41. 41 : : 2017/07/04(火) 20:50:55
    二章
    ………………
    ………………

    最原(あれから3日が経ち……僕達は至って平穏に日々を過ごしていた)

    最原(その間僕は、東条さんとフードファイター達の為に大量の食事を作ることに専念していた)

    最原(拡張された胃を保つ為には必要不可欠なことらしく、この世界で僕が唯一役に立てる大切な仕事だ)

    最原(正直大変だけど……美味しそうに食べてくれる彼らの顔を見ると、その苦労も吹き飛んでしまう)

    最原(ずっとこのまま、この時間が終わらなければいい――そう思った矢先のことだった)

    最原(忌まわしいあの放送の音が聞こえてきたのは)
  42. 42 : : 2017/07/04(火) 20:52:06
    ー食堂ー

    ピンポンパンポーン

    モノクマ『えー緊急連絡緊急連絡!』

    モノクマ『オマエラ!二回戦のメニューが決まりました!』

    最原「とうとう決まったのか……」

    モノクマ『二回戦のメニューは……こちら!』ダダダダダダ

    モノクマ『単品メニューだけがフードファイトじゃない!【豪華ラーメン定食大食い勝負】!』

    最原「は?定食?」

    モノクマ『内容はラーメン一人前、小籠包二人前、杏仁豆腐の3点!1時間以内に食べた量を競い合います!』

    モノクマ『冷たいデザートでお口直しが出来る分……"超高校級のフードファイター"達には少し簡単かもね?』

    モノクマ『尚ラーメンの味は好きなものに変更できるので、お気軽に申し出てください!』

    モノクマ『勝負はスープの仕込みなどがあるので少し時間をおいて、参加者が決まってから3日後とします!それでは、皆様の参加をお待ちしておりま〜す!』プツン

    最原「ラーメンの早食いか……猫舌の僕には想像もつかない世界だ」
  43. 43 : : 2017/07/04(火) 20:52:57
    百田「よう終一!今の放送聞いたか?」

    最原「うん、聞いたよ。もしかして百田くん出るの?」

    百田「いや、俺は熱い麺類の早食いは苦手なんだよな……今回はパスだ」

    最原「そっか……誰が出るんだろうね」

    百田「中華なら春川が得意そうだよな。ほら、名前略すとハルマキだしよ!」

    最原「はは……春巻きがメニューにあったら面白そうだけどね」

    春川「誰が春巻きだって?」

    最原・百田「うわ!?」

    春川「コソコソと何を人の名前で遊んでるんだか……」ギロッ

    百田「わ、悪かったから……そんな睨むなよ」

    最原「春川さんは今回の勝負に出るの?」

    春川「出ないよ。今回はちょっと……ね」

    最原(どうしたんだろう?苦々しそうにしてるな)
  44. 44 : : 2017/07/04(火) 20:54:35
    星「よお、最原。今日から俺の食事は少し多めにしてくれ」

    最原「星くん!分かったよ、多めだね」

    春川「もしかして出るつもり?」

    星「ああ、本来はラーメンよりもうどん派なんだが……これから何が来るか分からねえ。出れる時に出ねえとな」

    東条「そう……今回は星くんも出るのね」スッ

    百田「東条じゃねえか。その言い様だと、お前も出るつもりなのか」

    東条「ええ、それから夢野さんもよ」

    春川「夢野?アイツは甘味の時に出てくるのかと思ってたよ」

    最原「え?どうして?」

    春川「アイツ、甘味のフードファイト界隈では有名だったからね」

    最原「甘味のフードファイト界隈って何?」

    星「フッ……どう出てくるか分からない相手か……面白えじゃねえか」

    東条「厳しい戦いになりそうね……全力を尽くさないと」

    最原(東条さん……『"超高校級のフードファイター"の名に違和感がありすぎる人ランキング』第2位のファイターだ)

    最原(どんな食べ方をするんだろう。少しだけ楽しみだ)
  45. 45 : : 2017/07/04(火) 20:55:25
    ー数日後―

    モノファニー「料理の準備が出来たわよー!」

    モノファニー「星くんは塩、東条さんは味噌、夢野さんは醤油だったわね!」ドンッ

    真宮寺「ベーシックな塩ラーメンだネ……。薄っすらと透けたスープに熱で脂がとろけた厚切りのチャーシュー……美しいヨ……!」

    春川「この匂いは……ふーん、シジミ出汁の味噌ラーメンだね。たっぷり添えられたにんにくともやしとの相性は抜群の筈だよ」

    入間「ラーメンといやぁやっぱり醤油だよな!とろとろの半熟卵にこってりとした角煮がまた食欲をそそって……はぁあん……♡」

    天海「良い小籠包っすね。ぎっしり詰まった肉から溢れたスープが薄い皮に透き通って見えるっす」

    最原「見るからに濃厚そうな杏仁豆腐も均一な乳白色でつやつやと輝いていて……美味しそう!」
  46. 46 : : 2017/07/04(火) 20:56:16
    百田「この勝負、競争を抜きにしてもどれだけ早く食べられるかが肝になるな」

    キーボ「スープを吸って太くなった麺は胃への負担となり、硬くなった小籠包の皮は喉越しも悪くなって片付けるのに手間取りますからね……」

    最原「へえ……一口にフードファイトと言っても、頭を使わなきゃならないんだね」

    夜長「そうだよー奥が深いんだよー」

    モノクマ「……ファイターの皆さん、準備は良いですか?それでは冷めないうちに――ファイッ!」

    東条「いただきます」

    星「いただくぜ」

    夢野「いただきますなのじゃ!」
  47. 47 : : 2017/07/04(火) 20:57:36
    東条「……」パキン!パキン!

    最原「東条さんが箸を二膳割ったよ?」

    真宮寺「まさかあれは……二丁喰い!

    最原「に、二丁喰い……?」

    東条「……」スッ

    春川「両方の箸で麺を持ち上げて……」

    東条「……」フーッ、ズズーッ!

    最原「片方だけ啜った!?」

    真宮寺「ああして片方の箸で麺を持ち上げ、冷ますことで熱々の麺類も次々と食べれるんだヨ」

    真宮寺「まァ麺類に限らず汁物とスプーンの組み合わせ等でもいけるけど……利き手じゃない方で箸を持ち、自在に操るのは至難の技……!」

    東条「……」ズババババババーッ!

    最原「は、早い……!それでいて凄く綺麗だ……!」

    東条(……美味しい、疲れた身体にシジミの旨味が染み渡るようだわ)

    東条(これならイケる……!)
  48. 48 : : 2017/07/04(火) 20:58:39
    星「……」スチャ、プツ

    星「……」ズズズズ!

    最原「星くんはレンゲに小籠包を乗せて、箸で破ってからラーメンを食べ始めたね」

    王馬「にしし……ラーメンを先に片付ける東条ちゃんに対して、星ちゃんは小籠包とラーメンを同時に片付ける作戦に出たみたいだね」

    王馬「皮を破ったのは言わずもがな中のスープを冷やすため……まあこれは小籠包の正式な食べ方だから、ズブの素人の最原ちゃんでも分かるよね!」

    最原「う、うるさいな!」

    星(美味い。薄くももっちりとした良い皮だ。これなら食べ飽きる心配はない)

    星「……」パク

    星「……」スチャ、プツ

    星「……」ズズーッ!

    入間「テンポよく食えてるのは星の方みてーだな!」
  49. 49 : : 2017/07/04(火) 20:59:49
    夢野「……」

    最原「それにしても夢野さんはどうしたんだ……?目を瞑って瞑想してるみたいだけど……」

    茶柱「ゆ、夢野さん!早く食べて下さい!このままじゃ麺が……!」

    夢野「……」

    夢野「……!」クワッ!!

    夢野「んあっ」

    カパァ ジャババ!

    星「!?」

    東条「!?」

    王馬「夢野ちゃんがラーメンの中に小籠包と杏仁豆腐と水をぶち込んだ!!」

    最原「うわっ何やってんのアレ」

    茶柱「そ、そんな……あれが噂に聞くちゃんぽん喰い!?でもまさか、夢野さんが――」
  50. 50 : : 2017/07/04(火) 21:02:49
    星(――あ)

    東条(悪食……!?)

    星(なんてこった……アジの開きみたいな顔してとんだフカヒレ野郎だったというわけか……)ズズーッ、パク!

    東条(こ……こんなの、食べ物への冒涜だわ!こんな食べ方をする人に負けてられない!) ズズズーッ!

    最原「二人ともすごく険しい顔をしながらも食べ進めてる!」

    夢野「んあっ」ズゾゾゾゾ!モチャ、ズスッ!!

    最原「夢野さんも早い!でも食べてる物が気持ち悪い!」

    最原(ごめん赤松さん、君の希望は彼女には伝えられないかもしれない……!)ウェップ
  51. 51 : : 2017/07/04(火) 21:03:31
    星「……」ハフ、カチャ

    東条「……」ズズーッ、ズルズル

    夢野「……」ズボボ、ハム、ムチャ

    夢野「おかわりっ!」ガチャンッ

    モノダム「ヘイオマチ」カチャンッ!

    夢野「んあっ」

    カパァ ジャババ!
    ズゾゾゾ!

    天海「早い……味を捨てて速度をカバーしたんすかね」

    春川「いや……それだけが理由じゃないと思う」

    最原「え?」

    春川「多分アイツは――」
  52. 52 : : 2017/07/04(火) 21:04:34
    夢野(うむ、作戦通りじゃ。甘い!)ズズーッ、モチャ

    春川「ラーメンを甘くすることで、得意の甘味勝負に舞台を変えている」

    最原(甘ければ何でも良いのか……)

    星「……」ズズッ、スルッ

    東条「……」パク、スルッ

    星・東条「おかわり!」ガチャンッ

    獄原「同時に完食したね!」

    モノファニー「お待たせっ!」カチャンッ!

    東条「……」ズババババーッ!

    星「……」ズズーッ!

    星「……モノスケ、空の器を一つくれ。陶器のな」

    モノスケ「合点承知の助や!」
  53. 53 : : 2017/07/05(水) 02:38:33
    んあーがとんでもない事してて草
  54. 54 : : 2017/07/05(水) 12:13:54
    今さらだがキーボ飯食えるのか…
  55. 55 : : 2017/07/05(水) 13:16:18
    え?飯食えるの?ロボットなのに
  56. 56 : : 2017/07/05(水) 14:08:51
    流石アジの開きだね~!
  57. 57 : : 2017/07/05(水) 14:49:27
    皆化け物並の胃を持ってる時点で細かい設定につっこむのは野暮だろw
  58. 58 : : 2017/07/05(水) 19:18:08
    キーボに関しては飯田橋博士が頑張ってくれました
  59. 59 : : 2017/07/05(水) 19:18:37
    星「……」カチャカチャ

    最原「空の器をラーメンの器の横に並べた……?」

    星「俺には二丁喰いもちゃんぽんも出来ねぇが……」

    星「名古屋のカレーうどんで極めた作戦があるんだぜ……!」チャッ

    真宮寺「麺を器に経由させるように持ってきて……」

    星「……」ズズーッ!!

    最原「啜った!」

    キーボ「成る程、陶器の器に麺を触れさせることで熱を取るんですね」

    最原(キーボくんは見るからにロボットだから喉越しとか熱とか関係なさそうなのに、やけに詳しいよな……)
  60. 60 : : 2017/07/05(水) 19:19:49
    モノキッド「45分経過!星5セット完食、東条5セット完食!夢野7セット完食!」

    東条「……」ズババババーッ!

    東条(ダメよ、他人の動きを気にしてはいけないわ。集中して)フー…

    東条(星くんは大丈夫。ペースを乱さなければなんとかなるわ)ズルズルズーッ

    夢野「お……おかわりっ!」ハァハァ

    東条(問題は夢野さんね……彼女にも限界は来ている……だけどもしも幽門が開いてしまったら……!?)

    東条(彼女を追い抜く為には……こんな正攻法じゃ……)

    東条(だ、ダメよ!気にしないって決めたばかりなのに……!)

    星「おかわりだ!」ガチャ!

    東条(……!)

    東条(………赤松さんは勝利の為にプライドを捨てた)ズ…

    東条(私だって……外でやらなくちゃいけないことが……水で冷やすくらい、なら……)ブルブル

    最原(東条さん……すごい汗だ……)

    最原(手も止まっている……もしかするとあれは暑さのせいだけじゃないのかもしれない……?)ハッ
  61. 61 : : 2017/07/05(水) 19:20:53
    最原「東条さん!!」

    東条「!」ビクッ

    最原「頑張れっ!自分に負けちゃダメだッ!!」

    東条「……!」ハァハァ

    東条(最原くん……!)

    東条(……私ってば、一体何を考えていたのかしら)

    東条(料理に水を入れて冷やす?提供していた側が一瞬でもそんな考えをよぎらせるなんて……冷やすべきは私の頭だわ)

    東条「ありがとう、最原くん」

    最原「……!」

    東条(仕切り直しよ)スチャ

    東条(私は"超高校級のフードファイター"東条斬美)

    東条(邪道喰いなんかに……)

    東条(負けてたまるかああああああああ!!!!)ズゾゾゾゾゾーッ!!!!

    春川「勢いを取り戻した!」

    東条「おかわりっ!」ガシャン

    星「!」

    夢野「んあっ!?」
  62. 62 : : 2017/07/05(水) 19:21:43
    東条「……」スバババババーッ!

    東条「……」カチャ、パクモグ

    東条「……」ズババババーッ!!!

    東条「……」スルッ、ゴクン

    東条「おかわりよっ!」ガシャン

    モノスケ「東条が夢野に喰らい付いた!7杯目突入や!」

    夢野「んあああ……」ガクガク

    最原「す、すごい……!これが"超高校級のフードファイター"……!」

    星「俺もだ!」ガシャン

    百田「星も負けてねえッ!」

    夢野「ん、んあーーー!!」
  63. 63 : : 2017/07/05(水) 19:24:12
    夢野(いかん……いかんぞ……)

    夢野(最初は甘さに気を取られて食べられていたが……)

    夢野(変化しない味に飽きが来てしまっては、甘さよりも不味さに意識が向く……!)

    夢野(不味い……!今までよくこんな豚の餌を食っておったと自分で自分を褒めたい位に……!)

    夢野(じゃが……今更正道で勝てる筈など……)プラ…

    獄原「夢野さんが箸を持つ手を下ろした……!」

    モノキッド「残り5分!」

    星・東条「おかわりッ!」ダンッ

    カシャーンッ…

    最原「!」
  64. 64 : : 2017/07/05(水) 19:27:17
    春川「夢野が……」

    茶柱「箸を落とした……!」

    モノクマ「おやおや、フードファイターの魂を落とすとはね……もしかして夢野さん、リタイアかな?」

    夢野「……」

    夢野「……もう、こんなものを食うのはめんどい」

    夢野「リタイア、じゃ……!」ポロポロ…

    最原「ゆ、夢野さん……」

    モノクマ「夢野秘密子リタイアーーッ!!ここから先は星竜馬と東条斬美の一騎打ち!!」

    星「……」ズルズルーッ!!

    東条「……」スバババババーッ!!
  65. 65 : : 2017/07/05(水) 19:28:10
    夢野「……」スタスタ…

    茶柱「夢野さん……!」

    最原「……お疲れ様」

    夢野「転子……最原……」

    茶柱「夢野さんは頑張りましたよ……!たとえ悪食であっても、あれは自分の強みを生かす為の策で……!」

    最原「ちゃ、茶柱さんちょっと」

    茶柱「何ですか男死!今必死に慰めているのですから邪魔をしないで下さい!」

    最原「いやそうじゃなくて……夢野さん、あの。顔色が……」

    夢野「…………最原よ」

    夢野「ト……トイレに連れてい……うぷっ」

    最原「うわーっ!!ちゃ、ちゃ、茶柱さん!!お願い!!」

    茶柱「は、はいぃっ!!」ダッ
  66. 66 : : 2017/07/05(水) 19:28:53
    モノファニー「残り5秒!」

    星「……」ズルズルーッ!

    モノダム「4」

    東条「……」スバババババーッ!

    モノキッド「3!」

    星「……」ガッ、パク!

    モノスケ「2!」

    東条「……」スルン、ゴクッ!

    モノタロウ「1!」

    ダンッ!

    モノクマ「しゅーりょーーー!!」
  67. 67 : : 2017/07/05(水) 19:29:41
    星「……」ハァハァ

    東条「……」ハァハァ

    星「……」ハァ…

    東条「……ごちそうさまっ!」

    モノクマ「この勝負なんとチャーシュー一枚の差でッ!東条さんの勝利です!!」

    最原「すごい……巻き返した……!」

    東条「や、やったわ……!」

    星「……フッ、俺もまだまだだってことか……」

    真宮寺「美しい……美しい試合だったヨ……!」
  68. 68 : : 2017/07/05(水) 19:30:25
    _________
    ______________

    東条「最原くん」

    最原「東条さん……どうしたの?」

    東条「行く前に貴方に、お礼を言わないといけないと思って」

    東条「あの時私を止めてくれて、ありがとう」

    東条「貴方がいなければ私は……間違いを犯すところだったわ」

    最原「そんな……元々東条さんの意思のブレが小さかっただけだよ」

    最原「僕はただ……赤松さんのように後悔してほしくなかったから……」

    東条「そう……赤松さんは後悔してたのね」

    東条「貴方達の思い、無駄にしなくて良かった」
  69. 69 : : 2017/07/05(水) 19:31:28
    最原「でも東条さんまで居なくなるのは寂しいな」

    最原「みんなの食事管理も僕一人でしなくちゃいけはいし……」

    東条「ふふっ……そうね、その点は謝るわ」

    東条「お詫びと言ってはなんだけれど……良かったらこれ、受け取って」スッ

    最原「このノートは?」

    東条「フードファイター達の食事メニューよ。量、出す順番、一ヶ月分の献立と最短の作り方をまとめたの」

    最原「す、凄い……!ありがとう、助かるよ!」

    東条「頑張ってね最原くん。私も外で鍛え直してくるから」

    最原「うん。改めて東条さん、おめでとう。僕も外に出た時はまた……一緒に料理をしよう」

    東条「ええ、また。必ず……!」


    二回戦…ラーメン定食大食い勝負

    ●星ー○東条
    △夢野
  70. 70 : : 2017/07/05(水) 22:12:50
    大好きですこれ…
  71. 71 : : 2017/07/06(木) 04:31:31
    王馬は確実に邪道喰いの使い手だな。
  72. 72 : : 2017/07/06(木) 19:13:16
    >>70
    お口にあって頂けたようで…

    >>71
    王馬はぶっちゃけどういうキャラにしようか悩んでます
  73. 73 : : 2017/07/06(木) 19:14:09
    三章
    ………………
    ………………

    最原(東条さんが学園を出て数日)

    最原(相変わらず毎日みんなの食事作りに追われる僕だが、東条さんのノートや天海くんと真宮寺くん達に手を借りつつ何とか上手くやっている)


    夜長「終一〜これおかわり〜!」

    最原「はいはい。代わりにこのサラダももう少し食べてね」

    夜長「にゃはははー!了解なのだ〜!」

    獄原「あの……ゴン太も良いかな?」

    最原「勿論だよ。ゴン太君はもう少し大盛りでも大丈夫かな」

    天海「……最原くん、最近頑張ってるっすね」

    最原「はは、そう見えてるなら嬉しいよ」

    天海「謙遜しないで下さい。……今更っすけど、あの時は突き放すようなことを言ってしまってすみませんでした」

    最原「気にしないでよ。僕がこうしているのも……少なからず君の言葉のお陰でもあるんだ」

    天海「俺のお陰……ですか?」

    最原「まるで僕は無力みたいな言われようだったからさ……まあその通りなんだけど。反発心みたいなものがあったんだと思う」

    天海「はは……やっぱり、申し訳ないっす」
  74. 74 : : 2017/07/06(木) 19:15:50
    ピンポンパンポーン

    最原「!」

    天海「このアナウンス音は……」

    モノクマ『グッドイーブニングオマエラ!夕食の最中で悪いんだけど、三回戦のメニューが決まったから発表するよ〜』

    モノクマ『三回戦のメニューは……こちら!』ダダダダダダ

    モノクマ『甘辛いタレが水分を誘う!【特上うな重7人前早喰い勝負】!』

    最原(7人前か……今までの数字を見てるとクオリティが下がったように感じるから不思議だ)

    モノクマ『ルールは一回戦と大体同じだからね!とにかく対戦者よりも早く完食すること!』

    モノクマ『勝負は参加者が決まってから……そうだなあ、2日後!』

    モノクマ『それじゃあ、みんなの参加お待ちしてま〜す!』プツン

    天海「開催日って気分で決めてるんすね」

    最原「みたいだね……」
  75. 75 : : 2017/07/06(木) 19:16:39
    最原「それはそうとまた米料理か……天海くん、リベンジするの?」

    天海「いや……米は暫く……いいっすわ」

    最原「そ、そうだよね……」

    天海「それに手伝いが一人減ったら最原くん大変でしょ?」

    最原「それは正直……うん、ごめん……もっと精進するよ」

    真宮寺「おや、じゃあ僕は裏切り者になっちゃうのかな?」

    天海「真宮寺くん」

    最原「もしかして、今回の勝負に?」

    真宮寺「うん、幸運にも好物が出てきたからネ。申し訳ないけど、僕は勝ちに行くヨ」

    最原「そっか……大丈夫、頑張ってきてよ」

    夜長「およよー?じゃあアンジーの対戦相手は是清になるんだねー?」シャクシャク
  76. 76 : : 2017/07/06(木) 19:17:16
    最原「あれ、アンジーさんも出るつもりなんだ?」

    夜長「主は言いました……魚料理が狙い目だと」シャクシャク

    最原「そ、そうなんだ……とりあえず座って食べよう?」

    真宮寺「君の食べ方は予測がつかないからネ……面白い勝負になりそうだ。受けて立つヨ」

    茶柱「スタァァァップ!」

    天海「そのファストトラベルを邪魔しそうなセリフはやめて下さい」

    茶柱「す、すみせん……いえそれよりもっ!今回は転子も挑みますよ!」

    最原「うな重得意なの?」

    茶柱「そういう訳ではありませんが……和食は好きですし、何より夢野さんのリベンジマッチのようなものです!」
  77. 77 : : 2017/07/06(木) 19:18:00
    茶柱「外に出る出ないはこの際一切関係ありません!とにかく邪道喰いに頼らず正々堂々と戦い、夢野さんの汚名返上をします!」

    夢野「……邪道喰いに……頼らず……」ズーン

    最原(茶柱さん気付いて!夢野さんの傷抉ってる!)

    天海「茶柱さんが正道喰いで勝っても別にそれで夢野さんの汚名が晴rモガモゴ」

    最原「頑張ってね茶柱さん!」
  78. 78 : : 2017/07/08(土) 17:25:49
    ー2日後ー

    モノキッド「用意が出来たぜーー!!!」ドンッ!!

    最原「頻繁に見る物でもないから忘れてたけど、結構重箱って大きいんだな……」

    春川「これを7人前は意外としんどいかもね。いつ、どうやって味を変えていくかにもよるだろうけど」

    最原「味を変える、か。一応山椒や漬物は用意されているみたいだけど……」

    モノクマ「それでは、ご開帳ーッ!!」

    パカフワッ…

    最原「す、凄い……!ご飯が見えない位大きなうなぎの蒲焼がドンと二枚も……!」

    星「こいつは良いうなぎだな……ふっくらと厚みがあって、それでいて身が引き締まっていやがる……!」

    真宮寺「これは関西風だネ……蒸していないから脂がじんわりと染み出して、均一な飴色に仕上がっている……美しいヨ……!」
  79. 79 : : 2017/07/08(土) 17:26:17
    モノクマ「それでは準備が整ったようなので、第三回フードファイトを開催します!」

    モノクマ「これ以上女子が減ったらむさ苦しい!真宮寺くん頑張れ!それじゃよーいファイッ!!」

    百田「オイ今思いっきり私的なコメント挟んだぞ!」

    茶柱「いただきます!」チャッ

    真宮寺「いただきます」

    夜長「いただきまーす」
  80. 80 : : 2017/07/08(土) 17:26:40
    茶柱(いざ目の前にすると、やっぱり凄いボリュームです……!)

    茶柱(7人前となると、普段の自分のペースで食べ進めるのが重要!)

    茶柱(ということでまずは普通に味を楽しむつもりで熱々を……)ガパァ モグッ

    茶柱「……」ハフハフ…

    茶柱(くうぅ……甘辛いタレがご飯にもうなぎにもよく染みて……!噛む度にジュッと旨味が溢れてきます……!)モギュッモギュッ!

    最原(茶柱さん……凄く美味しそうに食べるな)
  81. 81 : : 2017/07/08(土) 17:28:49
    真宮寺「モノスケ」

    モノスケ「なんや?」

    真宮寺「ぬるめのお茶と茶碗を用意してほしい。あァ、そんなに急がなくても大丈夫だから……そうだな、20分後位に」

    モノスケ「よっしゃ、ごっつエエ茶葉用意したるわ!」

    真宮寺「……さて、僕も食べるとするか」

    真宮寺「……」カチャカチャ

    真宮寺「……」チャッ

    春川「真宮寺はうな重を細かく数ブロックに分けてから、箸を匙に持ち替えたね」

    真宮寺「……」パク、モグ パク、モグ

    天海「細かく分けたブロックを、まるでお菓子でもつまむかのように凄まじいスピードで……!」

    最原(それより僕はあのマスクでどうやって食べているのかが気になって仕方がない)
  82. 82 : : 2017/07/08(土) 17:29:06
    夜長「やっはーモノダム、アンジーにはラップをお願いねー」

    モノダム「ワカッタヨ」

    夢野「ら、ラップじゃと?」

    百田「音楽の方じゃねえよなあ……?」

    王馬「んな訳ないだろ馬鹿百田ちゃん」

    百田「馬鹿って言うな!」

    最原(ラップか……そして目の前にあるのはご飯物……まさか)
  83. 83 : : 2017/07/08(土) 17:29:52
    モノダム「ハイ」

    夜長「早いねーありがとー」

    夜長「えーっとねー……このくらいかなー」ビーッ

    星「ラップを引き出して……」

    夜長「それー!」カパッ、ドサッ!

    百田「う、うな重を丸々ラップの上に落としやがった!」

    夜長「……」クルクル

    夜長「……」ギュギュッ

    夢野「ラップをまとめて飯を団子状にしおったぞ……」

    夜長「……」ギュッ!

    夜長「にゃはははー!うなぎおにぎりの完成ー!」

    夜長「あーん」バクッ!

    夜長「うーん、おいひー!」モグッモグッ!

    王馬「うわーこれは……」

    百田「あんなの作った奴も気分良くねえだろ……!まさに邪道喰い……!」
  84. 84 : : 2017/07/08(土) 17:30:57
    真宮寺(ククク……やはりネ。アンジーさんはそういう手に出ると思ったヨ……!)ムグ

    真宮寺「おかわり……!」カラン

    夜長「アンジーもー!」ペロ

    モノファニー「二人共お待たせっ!」タンッ

    夜長「……♩」ビーッ

    真宮寺(だがその邪道喰い……攻略させてもらうヨ……!あくまで伝統に沿った正道喰いでネ……!)スッスッ、スーッ

    茶柱(ぐっ、二人共早いですね……)

    茶柱(ですが転子の武器は技術でも策でもない……このネオ合気道で鍛えた体力と強靭な胃!)パクモグ!

    茶柱「おかわりっ!」カラン

    モノタロウ「ヘイお待ち!」タンッ

    茶柱(相手に惑わされなければ、勝機はある筈……!)ガッ モグッ!
  85. 85 : : 2017/07/08(土) 17:31:58
    ー20分後ー

    モノスケ「茶柱3人前完食、真宮寺4人前完食、夜長5人前完食!」

    茶柱「おかわりですっ!」カラン

    モノスケ「おっと、茶柱4人前完食や!」

    真宮寺(ふーん、茶柱さんも結構やるみたいだネ……)モグモグ

    真宮寺(だけど……)

    茶柱「……」パッパッ

    真宮寺(山椒を使い出している……早くも味に飽きを感じているようだネ)

    真宮寺(この場に用意されているのは山椒とタクアン数切れだけ……君はそれであと3杯乗り越えるつもりかい……?)

    モノファニー「モノスケー、頼まれていたものが出来たわよー!」

    モノスケ「よっしゃ、真宮寺はんの所に持ってったれや!」

    モノファニー「分かったわ!」

    真宮寺(ククク……注文通り、良いタイミングに持って来たネ)

    真宮寺「感謝するヨ……。ついでにおかわりもお願いするヨ」カラン

    モノファニー「はーい」タンッ
  86. 86 : : 2017/07/08(土) 17:34:05
    夢野「真宮寺は何をするつもりじゃ?まさかこんな時に飲み物に拘ってる訳じゃあるまいな」

    真宮寺「……」カパ、フワ…

    真宮寺「……」トポポポ…!

    最原「お重の四分の一を匙でよそって、茶碗に盛り付けてお茶を掛けた!」

    真宮寺「……」ズズッ、ズーッ…!

    百田「お茶漬け風か……う、美味そうではあるけどよ……」

    春川「赤松の食べ方と変わらないんじゃないの?」
  87. 87 : : 2017/07/08(土) 17:35:12
    夜長「およよー?是清も邪道喰い始めちゃったー?」

    真宮寺「失礼な事を言わないでくれるかな……これは文化に沿った正道な食べ方なんだからサ」ズズズ…!

    真宮寺「ひつまぶし……所謂名古屋飯って奴だヨ。まァ名古屋飯って言っても実際の発祥の地は三重県だとか大阪府だとか諸説はあって――」

    最原「真宮寺くん!その話も気になるけど、今は食べないと!」

    真宮寺「おっと」ズズッ、ズーッ…!

    夜長「……邪道喰いの線引きがよく分からないなー?」マグマグ

    王馬「心配しないで、少なくともアンジーちゃんのは正道じゃないからさ!」

    夜長「むむーっ……」ムグ…!
  88. 88 : : 2017/07/08(土) 17:35:41
    夜長「おかわり!」

    夜長(このままじゃ是清に負けちゃう……折角神様の言う通りの食べ方をしたのにー)

    夜長(あ、でもでもー水分を吸ったお米は時間が経つと膨らむって言うから……)

    夜長(一気に距離を離して向こうのペースを煽るよりも、並走して安心させてーゆっくり食べさせたら良いよねー!)

    真宮寺「……」ズズズ…!

    真宮寺「おかわり!」カラン

    夜長(それならー、勝負はこれからだねー)
  89. 89 : : 2017/07/09(日) 00:19:41
    そういやもう鰻の時期か
  90. 90 : : 2017/07/09(日) 20:17:46
    ー15分後ー

    真宮寺「……」ズーッ、ズズ…

    夜長「……」モグモグ

    茶柱「……」パリ、ムシャ

    モノスケ「茶柱5人前完食、真宮寺6人前完食、夜長6人前完食や!」

    最原「な、なんか急にみんな遅くなったね……」

    天海「茶柱さんはしきりに味を変えてますし、飽きが来てしまったんでしょうね」

    天海「いくら美味しいものでも短時間で食べ続けていると飽きますから」

    最原「でも天海くんはカツ丼勝負の時量の割には結構早かったよね」

    天海「まあ、ぶっちゃけあの時もしんどかったっすよ」

    天海「ただ1つ言えるのは……あの山椒とタクアンは罠ってことっす」

    最原「罠?」

    天海「あれは最後の最後まで温存すべき物……でも常に視界が届く範囲内に置かれていると、ほんの少し飽きが来たところで我慢できずに使ってしまう……」

    天海「そうすると今度はその味にも飽きが来る。少量の漬物で口直ししても、特にあの甘辛いタレではすぐに口内をリフレッシュすることは出来ませんから」

    茶柱「……」ゴクゴクッ!

    天海「必然的に水の摂取量も増えるっす」

    最原「成る程、それじゃあ真宮寺くんとアンジーさんは……?」
  91. 91 : : 2017/07/09(日) 20:18:26
    王馬「にしし、アンジーちゃんは意外と策士家だったってことだね!」

    王馬「敢えて自分がペースを落とすことで、周りを気にしてばかりいる敵のペースも自然に落としているんだよ!」

    春川「ぬるめのお茶で味、食べやすさ、熱をカバーしたところまでは良かったけど……」

    春川「同時に大量の水分を取ることになるから、長期戦になると不利になる」

    春川「夜長がスパートをかける前に何とかしないと、真宮寺は負けるよ」
  92. 92 : : 2017/07/09(日) 20:19:01
    茶柱「……」モグ…

    真宮寺「……」ズズ…

    夜長(ふむふむ、そろそろかなー)

    夜長(一気に行っちゃう?)

    茶柱「お、おかわりです……!」カチャ…!

    夜長(転子も限界っぽいのに、よくやるよー)

    真宮寺「クク……ククク……!」ブルブル

    夜長「?」

    真宮寺「どうやら僕は君達を甘く見ていたようだネ……」

    真宮寺「いきなり邪道喰いを仕掛けてくるような人が相手の心理を利用したことも……茶柱さんが人の為にここまで粘ったのも、正直予想外だったヨ」
  93. 93 : : 2017/07/09(日) 20:20:39
    真宮寺「……だけどねアンジーさん」

    真宮寺「どうやら君の言う神様とやらは、僕に味方してくれてたみたいだヨ……」

    夜長「え……?」

    茶柱「ま、まさか……」

    真宮寺「クク、そのまさか……」

    真宮寺「【幽門】が開いたヨッ……!」バッ!

    真宮寺「……」ズ、ズズーッ!!

    真宮寺「おかわりっ!」カチャ!

    夜長「……アンジーも!」カチャ
  94. 94 : : 2017/07/09(日) 20:21:31
    最原「幽門?」

    春川「胃腸から十二指腸に開く入口のことだよ。普段は閉じているんだけど、消化が進むと反射的に開いて胃の中のものが移動するんだってさ」

    春川「すると満腹状態が緩和されて、また食べ物が胃に入るようになるんだよ」

    最原「それは自分でタイミングを合わせたりは……」

    春川「無理だね。事前に胃を活発にさせるよう仕込みをすることはあるらしいけど……私もまだ経験した事ないから、よく分からない」
  95. 95 : : 2017/07/09(日) 20:22:44
    真宮寺「……」ガッ!パク、モグ!

    最原「最後はお茶漬けにしないんだね」

    星「生まれた空間を水分で埋めないようにする為だろう、正しい判断だ」

    夜長(おにぎりにしている時間は無い……)

    夜長(ここからは実力勝負だねー……!)ガッ!

    王馬「夜長ちゃんも正面から勝負を挑んだね……!」

    茶柱(2人がスパートをかけた……ここから巻き返すのは無理ですね……)

    茶柱(ですが、最後まで食べるのを諦めません!夢野さんの為にも……転子の為にも……!)ガッ!

    夢野「……」
  96. 96 : : 2017/07/13(木) 20:58:17
    ガッ、モグ!
    パリ、ムシャ、モグ…

    カラン!

    真宮寺「ごちそうさま」フゥ

    夜長「……っ!」

    茶柱「……ここまでですね」カタ

    モノクマ「おっと、真宮寺くん余裕の勝利……って訳でもないか。ま、運も実力の内だよね!ということでおめでとう!」

    最原「一時はどうなることかと思ったけど、静かに決着が着いて良かったよ」

    天海「そうっすね……それにしても真宮寺くんには驚きっすよ。特定の地域で食べられている手法を用いて、味もペースも昇華させるとは」
  97. 97 : : 2017/07/13(木) 20:58:55
    真宮寺「茶柱さん……君の姿には感動したヨ。自分のペースを乱さずとにかく食べ続けるのは美しさすら感じた……ただもう少し工夫はしてみるべきだネ」

    茶柱「ありがとうございます。……そうですね、もっと精進します!」

    夜長「……」

    モノクマ「それじゃあいつも通り真宮寺くんはこの後裏庭に来てくださいね!ではかいさーん」

    バーイ クマー!
  98. 98 : : 2017/07/13(木) 20:59:25
    真宮寺「……」スッ

    夜長「……」

    夜長「……」モグ…

    最原(アンジーさん……)

    茶柱「夢野さん……すみません、夢野さんの雪辱を晴らす筈が……こんな」

    夢野「……もう良い。自分の尻拭いは自分でする」

    夢野「じゃがありがとうな……転子よ」

    茶柱「ゆ、夢野さん……!」
  99. 99 : : 2017/07/13(木) 21:02:56
    最原「アンジーさん、お疲れ様」

    夜長「ん〜、ありがとうねー」

    最原(あれ、思ったより落ち込んでないな……)

    夜長「ねーねー終一?」

    最原「え、な、何?」

    夜長「終一はアンジーの食べ方とー、是清や転子の食べ方、どっちが好き?」

    最原「えっ?それは……」

    夜長「……」ジーッ

    最原「……真宮寺くん達……だよ」

    夜長「うーん、そかそかー」

    夜長「……終一がそう言うならー、アンジーも是清達みたいに綺麗に食べれるように頑張ってみようかなー?」

    最原「……!うん、頑張ろうよ。僕も手伝うからさ」
  100. 100 : : 2017/07/13(木) 21:04:30
    ー裏庭ー

    真宮寺「……」

    最原「真宮寺くん!」

    真宮寺「おや、最原くん。見送りに来てくれたのかい」

    最原「うん……間に合って良かったよ」

    最原「勝利おめでとう。とっても凄かったよ」

    真宮寺「本当かい?嬉し――」

    真宮寺「……っ」ガク

    最原「真宮寺くん!?」

    真宮寺「クク……偉そうな事言ってたけど、正直言って限界なんだヨ」フー…

    真宮寺「……最原くん、行く前に少し話しておきたいことがあるんだ」

    真宮寺「聞いてもらえるかい?」

    最原「……うん、勿論だよ」

    真宮寺「そうかい。恩にきるヨ」
  101. 101 : : 2017/07/13(木) 21:09:18
    真宮寺「僕はネ、外に居た頃は日本中を回って様々な食文化や料理を研究してたんだ」

    最原「そうなの!?」

    真宮寺「……ああ、研究と言っても趣味だから、そんなに凄いものでもないんだけどサ」

    真宮寺「でも僕はその日々で沢山の食に触れてきた。長い歴史が培ってきた独自の食文化。彩。食材や料理を作る人々の思い……」

    真宮寺「……邪道喰いとは一言に言うけど、いつかはそれも新たに美味しい食べ方の発見に繋がるかもしれない。行き過ぎていなければ、僕もそれを否定するつもりはないヨ」

    真宮寺「でもネ、今回のアンジーさんのように一口も味わわずに乱してしまうのは嫌いなんだ」

    真宮寺「……君には分かるかい?」

    最原「……うん。分かる気がするよ」

    真宮寺「クックック……やっぱり君とは気が合いそうだ。もう少し長居しても良かったかもしれないネ……」
  102. 102 : : 2017/07/13(木) 21:11:04
    モノスケ「真宮寺はん、用意ができたでー!」

    真宮寺「おっと……お別れのようだネ」

    真宮寺「……最原くん、君に出来ることは君が思っている以上にある筈だヨ。だから何があっても諦めないで」

    最原「うん、分かったよ。……元気でね。また外で会えたらよろしくね」

    真宮寺「あァ。その時はまた、研究の成果を伝授してあげるヨ……」


    三回戦…うな重早食い勝負

    ●茶柱ー○真宮寺ー●夜長
  103. 103 : : 2017/07/14(金) 21:37:39
    四章
    ………………
    ………………

    最原「あれ?白銀さんまた残してる」

    白銀「うん、ごめん……最近地味に食欲がなくてさ」

    最原「そうなの?でも胃縮まない?」

    白銀「大丈夫大丈夫。ちゃんと少しずつだけど間食して、常に満腹にしてるから」

    最原「そうなんだ……」

    白銀「それより最原くん、フードファイターへの理解が地味に深まってきてるよね」

    最原「そう……かな?そうだと良いんだけど」

    白銀「そうだよそうだよ!最初は何だこいつらって目をしてたのにさ……一体何がそんなに君を変えたのかな?」

    最原「それは多分……赤松さんの希望だと思う」

    白銀「赤松さんの……希望?」

    最原「うん。赤松さんは……邪道喰いに負けた自分をずっと責めていたんだ。だけどその代わりに、『邪道喰いをしようとしている人がいたら止めてほしい』という思いを託してくれた」

    最原「その思いを叶えられるのは、最後までみんなの勝負を見届けなくてはならない僕だけなんだ」

    白銀「そうなんだ……」
  104. 104 : : 2017/07/14(金) 21:39:14
    ピンポンパンポーン

    最原「!」

    白銀「アナウンス……!」

    モノクマ『えー緊急連絡緊急連絡!』

    モノクマ『お待たせ致しました!四回戦のメニューが決まったので発表します!』

    モノクマ『四回戦のメニューは……こちら!』ダダダダダダ

    モノクマ『制限時間20分で肉厚ジューシーなパテを攻略せよ!【ハンバーガー20個早喰い勝負!】』

    最原「ハンバーガー20個を20分で!?」

    白銀「1分以内に1つ完食か……」

    モノクマ『まぁ別にこれは順位つけるものでも何でもないから、制限時間以内に完食か一番多く食べた人が勝利ってルールなんだけどね』

    最原「まあ、そりゃそうだよな……」

    最原(でも今までの戦いを見てると、完食する人が居てもおかしくないな……)

    モノクマ『勝負は参加者が決まってから後日!それではお待ちしておりま〜〜す!』プツン
  105. 105 : : 2017/07/14(金) 21:39:26
    白銀「ハンバーガーか……」

    最原「出るの?」

    白銀「まさか!私パン系は地味に苦手なんだよね」

    最原「そうなんだ。どうして?」

    白銀「え?ほら、その、喉につっかえるでしょ?早食いなんて絶対無理だよ!」

    最原(まあ確かに……下手すれば死ぬよなこれは……)

    王馬「最原ちゃ〜ん!」

    最原「王馬くん?」
  106. 106 : : 2017/07/14(金) 21:40:13
    王馬「今の放送聞いた?聞いたよね!そういうわけだから今日の俺の晩ご飯はハンバーガーね!」

    白銀「あ、参加するんだ?」

    王馬「もっちろん!無類のハンバーガー好きとはこの王馬小吉様のことだよ!知らないの?」

    最原「知らないよ……」

    白銀「でも大丈夫なの?もし今日で参加者が確定したら勝負は明日になるんだよ。食べ飽きちゃわない?」

    王馬「相変わらず白銀ちゃんは地味で馬鹿だなあ、普段から食べないものをいきなり詰め込めると思ってんの?」

    最原「さっき無類のハンバーガー好きって言ってなかったっけ……?」

    白銀「地味で馬鹿……」
  107. 107 : : 2017/07/14(金) 21:41:59
    最原「ところでさ、誰にフードファイトを申し込むの?」

    王馬「そりゃ勿論、肉と言ったらゴン太でしょ!」

    最原「見た目だけで判断してるだろそれ……でも勝てるの?」

    王馬「はー?トーゼンでしょ。それとも何?最原ちゃんは俺の事信じてないの〜!?」

    最原「そ、そういう訳じゃ……」

    ドドドドド…

    入間「オイダサい原ァ!王馬見なかったか王馬!オメーは童○仲間だから知ってんだろ!?」

    最原「は?」

    入間「ぴぐぅ!そ、そんなに睨まないでよぉ……」

    最原「ごめん……いきなり出てきて料理モノに相応しくない事言い出したからつい……」

    王馬「俺ならここにいるけど?何の用なの肉○器ちゃん?」

    最原「おい、やめろ!」
  108. 108 : : 2017/07/14(金) 21:43:29
    入間「え、えっと……最原が怒ってるから本題に入るね……?」

    入間「オイ王馬ァ!テメーに決闘の申し込みだ!!俺様と今回のハンバーガー早喰い勝負で相手しやがれ!!」

    王馬「はー?何で俺がそんな面倒くせーことしなきゃなんないわけ?」

    最原「さっき出るって言ってなかった?」

    入間「たりめーだろーが!俺様はとっととこんな辛気臭ェ場所からおさらばしたいんだよ!俺様が勝てそうな相手となりゃ、星以外ならオメーしかいねーだろ!」

    白銀「それってさ……身長で決めてるよね?」

    入間「おうよ!!」

    王馬「は?何それすげー腹立つんですけど!」

    最原(そもそも一番小さい星くんが大健闘してる時点で当てにならないと思うんだけど)
  109. 109 : : 2017/07/14(金) 21:44:59
    王馬「いいよ!その代わり入間ちゃんが負けたら男子トイレの床に這いつくばりながら小便器を舐めてね!」

    最原「おい!」

    入間「受けて立ってやろうじゃねえか!この完璧過ぎる俺様が負ける訳ねーもんな、ひゃーっひゃっひゃ!!」ダダダダ

    最原「……行っちゃった。相変わらず存在が料理モノに相応しくない人だな」

    白銀「幸腹グラ○ィティとかあるから、多少はね?」

    王馬「下品の方向性がちょっと違うと思うよ!」
  110. 110 : : 2017/07/14(金) 21:45:32
    最原「それにしてもいやに自信たっぷりだったな。王馬くん、本当に大丈夫なの?」

    王馬「えーもう最原ちゃんたら心配性だなあ!ゴン太が居れば百人力だよ!」

    最原「いや共闘はできないよね?」

    王馬「平気平気!入間ちゃんが奥の手を使うってんなら……俺にも考えがあるんだよねー」ニヤリ

    最原「……え?」

    王馬「じゃ、夕飯の件よろしくねー!」タタッ

    白銀「あーあ、行っちゃった」

    最原「今回はメンバーがメンバーなだけに色々と不安だな……」
  111. 111 : : 2017/07/17(月) 20:28:12
    ー次の日ー

    モノクマ「オマエラ相変わらず決めるの早いよね……徹夜で挽き肉こねてたよ……」

    春川「見通しが甘かったね」

    モノクマ「20分で20個と聞いたらやっぱり躊躇するだろ!?なのに……」

    王馬「あーお腹すいたー!」

    入間「ヒャッハァー!!!かかってこいやァー!!!」

    獄原「うーん、良い匂いがするね!」

    モノクマ「何で自信満々な連中ばっかりなんだよ!」
  112. 112 : : 2017/07/17(月) 20:29:20
    モノダム「オマタセ、ヨウイガデキタヨ」ドンッ

    夢野「な、なんじゃあの見るからにふわっふわとしたバンズは……!」

    最原「ぎっちりと詰まったパテにとろけたチーズがたっぷりと掛かってて……!」

    天海「レタスもみずみずしくて、シャキシャキした歯応えがこっちにまで伝わってきそうっす」

    入間「んだありゃあ!?ブッ美味そうじゃねえか!」ゴクリ

    キーボ「しかし計60個ともなると圧巻ですね」

    百田「いきなり全出しか……1分に1つのペースじゃきつそうだぜ」

    最原「え?どうして?」

    春川「冷めたらパンも肉も硬くて飲み込むのに一苦労だからね……おまけにチーズの粘着力も増して、咀嚼の速度が低下する……!」

    モノクマ「それでは準備が整ったようなので、冷めない内に始めましょー!レディ――……ファイッ!!!」

    王馬「いっただきまーす」」バッ

    入間「食うぞオラァ!」バッ

    獄原「いただきます!」バッ
  113. 113 : : 2017/07/17(月) 20:30:50
    王馬「それじゃーまずはオーソドックスにかぶり付いてっと」ガブッ!

    王馬「うん、美味いね!パンはもっちりふわふわだし、ジューシーなパテに絡んだチーズがもうとろっとろ!熱で少ししんなりしたレタスの食感も最高だね!」モグモグ

    最原「……」ゴクリ

    茶柱「ゆ、悠長に解説してる場合じゃないでしょう……!」ジュル

    入間「へっ、先に行くぜ!」ガバッ

    百田「スゲェ……!一気に半分口の中に消えたぞ……!」

    夢野「伊達に普段からデカイ口を叩いてはおらんな」

    獄原「……」スッスッ

    春川「獄原は一体何をしているの……?」

    夜長「ハンバーガーを積み上げてるねー?」

    獄原「……」グシャッ!

    獄原「……」グワッ ガブリ!!

    天海「い、一気に3個も押し潰して食べましたよ!?」
  114. 114 : : 2017/07/17(月) 20:31:53
    獄原「……」モッシャ、モッシャ

    獄原「……うん!すごく美味しいね!」ゴクン!

    モノスケ「な、なんちゅー顎の力や!一分で3つも食ってもうた……!」

    最原「これは……一応邪道喰いなんだよな……?」

    春川「小さくする手法なら、切るのが正道……あれじゃ見栄えも悪いしね」

    春川「でも圧縮方法は私も初めて見たよ……噛む回数も増えるし、相当な顎の力がないと出来ないね」

    獄原「……」スッスッ、グシャ!

    夢野「6個目に入るぞ……?」

    入間「へッ、こいつは想像以上だぜ……」

    入間「だがこの黄金の脳細胞を持つ美人過ぎるフードファイター様の前では、オメーの邪道喰いも所詮はカス以下のカスに過ぎねぇ!!」ダンッ

    最原「あれは……ミキサー?随分と大きいけど……」
  115. 115 : : 2017/07/17(月) 21:30:57
    あっ(察し)
  116. 116 : : 2017/07/17(月) 22:03:37
    入間バカヤロウ!「喰いしん坊!!」で同じ様なピザをミキサー食いしようとした奴がどうなったか知らんのか!?
  117. 117 : : 2017/07/17(月) 22:51:30
    ミキサーはあかん…
  118. 118 : : 2017/07/17(月) 22:52:37
    まさかの3人とも邪道喰いの使い手か…。
  119. 119 : : 2017/07/18(火) 01:43:23
    チーズ入ってるから多分・・・
  120. 120 : : 2017/07/18(火) 15:56:37
    ゴン太ならトリコみたいに顎外して積み上げたハンバーガー食えそう(偏見)
  121. 121 : : 2017/07/18(火) 21:26:59
    入間「こんなもん、一々噛んでなんていられるか!」

    入間「大喰いに味なんて必要ねえ!!」

    ジャババッ
    トプン、トプン!!

    春川「ミキサーに水とハンバーガーを5つ分入れた……!」

    最原「ねえ、何してんのあの人」

    ガアーーーーーッ!!!

    百田「ま、回したァーッ!?」
  122. 122 : : 2017/07/18(火) 21:27:33
    ガガガガガガ!

    入間「ちっ、中々手強いじゃねえか!だが俺様が特別に改造したミキサーに負けるはずがねえッ!」

    最原「わざわざそんな面倒な事するくらいなら早喰いの練習してた方が良かったんじゃ?」

    ドローリ…

    夢野「うぶっ……あの生コンクリートのような液体を飲むのか……!?」

    茶柱「ううっ、臭いがこっちにまで……!」

    キーボ「喉の奥から何かがせり上がってきそうです」

    入間「……」グッ…ゴキュゴキュ

    入間「……」ググ…プハッ

    入間「…………へ、へへ……どうだ!一気に5つ完食だァ!俺様最強!」

    最原(じゃ……)

    最原(邪道喰いの極みッ!!)ドンビキ
  123. 123 : : 2017/07/18(火) 21:28:10
    王馬「にしし、随分と気色悪いもの見せてくれるね入間ちゃん!」

    入間「あァ!?オメーみたいな童○にはこの邪道喰いの素晴らしさが分かんねーんだろ!!」

    モノタロウ「五分経過!王馬3個完食、入間5つ完食、獄原9個完食!」

    王馬「ほらほら、喋ってて良いの?ゴン太に結構差を付けられてるよ〜」

    入間「チッ……オイ待てこのデカブツ!」ガアーーーーーッ!!!

    最原「い……一体何なんだこの対決は……」

    夢野「キショイ」

    夜長「秘密子は人のこと言えるのー?」

    茶柱「い、言えますよ!」

    春川「一番邪道喰いに手を出しそうな王馬が普通に食べてるのは意外だけど……」

    天海「もしかすると彼の目的は勝つことじゃないかもしれないっすね」
  124. 124 : : 2017/07/18(火) 21:29:12
    ガフ、モグ!
    ゴキュ ゴキュ、ゲフ!
    グシャッ!グワシッ!
    グプッ、ゴプッ!

    王馬「……にしし、酷いなあ二人共、俺置いてきぼりだよ!」

    王馬「という訳でモノクマ!俺リタイアね!」

    モノクマ「んー?まだまだ時間はあるよ?君も邪道喰いで追いつけば良いのに!」

    王馬「馬鹿だなあ、俺がそんなつまらないことするわけないじゃん!」

    王馬「それじゃ、ごちそうさまっ!」

    モノクマ「ちぇー……しょうがないなあ……」

    モノクマ「王馬小吉、リタイアーーーッ!」

    百田「あ……?何しに行ったんだよあいつは……」
  125. 125 : : 2017/07/18(火) 21:30:08
    モノファニー「す、凄いわ……まだ8分なのに入間さんは12個、獄原くんは15個も完食してるわ!」

    入間「あと8つ……!負けねぇぞ……!」

    入間「この際チマチマしてらんねぇ……一気に行くぜ!」ドポドポン、ガアーーーーーッ!!

    入間「……」ガチャ、グ…

    入間「……」ゴクッ…ゴクッ!

    夢野「い、入間がスパートに入ったようじゃぞ!?」

    獄原「……」グシャア アグッ!

    百田「ゴン太!それを食っちまえばお終いだッ!」

    獄原「……」グワッ!

    入間「……!!」ググーッ…!



    「完食ッ!!」ダンッ!
  126. 126 : : 2017/07/19(水) 20:33:37
    獄原「……」

    入間「……」フーッフーッ…

    モノタロウ「ど、どうしようお父ちゃん……同時に食べ終えたように見えたんだけど……」

    モノクマ「え〜なんかこんなのばっかだなあ。何で誰も圧勝してくれないんだよ!」

    モノクマ「うーんどうしようかなあ、食べカスの重量計算はそもそも状態が違うから意味ないし……」

    王馬「おいモノクマ!もっと簡単な方法が目の前にあるじゃん!」

    モノクマ「ん?」

    王馬「俺の食べ残しだよ。手付けてないのがあと17個もあるんだから、それで決着つけようよ!」

    入間「……!!」

    モノクマ「うーん、まあオッケー!折角奇数個残ってるんだし、サドンデスは8個食べた人が勝ちってことにしようか!」

    入間「そ……そんな……」ハァハァ
  127. 127 : : 2017/07/19(水) 20:34:06
    獄原「……」スッ

    最原「ゴン太くん!」

    獄原「……え?」

    最原「……お願いだ。せめて最後だけは、正道喰いで挑んでほしい……!」

    獄原「……」

    獄原「うん、分かったよ。最原くんがそう言うなら!」ニコッ

    獄原「いただきます」ガブッ

    獄原「……」モグッモグッ!

    獄原「うん、美味しいよ!」
  128. 128 : : 2017/07/19(水) 20:34:56
    入間「……」ブルブル

    王馬「入間ちゃん!早く食べないと負けちゃうよー!」

    春川「アンタにはもう無理だよ。リタイアしな」

    入間「ふ、ふざけんな、まだまだできらぁ!」ガシッ

    入間「……へへ、先に8個奪ってやりゃあ……」ドポンドポン!!

    獄原「あっ」

    入間「後はのんびり飲むだけ
    だ……!」ガガ、ガ、ガアーーーーーッ!!!

    百田「あ、あの野郎!」

    王馬「まーまー、大丈夫大丈夫!」

    百田「へ?」
  129. 129 : : 2017/07/19(水) 20:35:32
    入間「……」カパ…グッ

    入間「ぅ……うぐっ……!?」ピタ

    入間(は、腹が急に膨れてきやがった……!)

    入間(くそ……当然だ。いくら液状とはいえ、水でカサ増しさせたんだ。あのデカブツが摂ってる以上の量が俺様の胃に入ってやがる……!)

    入間(ちくしょう……ここまで長引かせるつもりは無かったのに……王馬の奴、こうなることを……!)ゴクッ…!

    入間「ぅぐ、げほっ!」

    王馬「うわー汚ったないなあ、もう!」

    王馬「おーいゴン太。普通に食べるハンバーガーはどう?美味い?」

    獄原「うん、少し冷めたらパサついてきたけど、パンのモチモチ感が増してまた違う感じになってるよ!」

    王馬「そーなんだ?うわぁ俺もリタイアするの早過ぎたかも!ケチャップとかマスタードとかで味を変えて食べたかったなあ!」

    最原「ちょ、ちょっと……」
  130. 130 : : 2017/07/19(水) 20:36:03
    入間「……」ポロッ…

    王馬「ん?入間ちゃんはギブアップ?」

    入間「……」ポロ…ポロ…

    最原「入間さん……もう良いんだよ。休もう」

    最原「僕はこの学園生活で……みんなが食べる姿を見て気付いたんだ。モノを食べる時は自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだって」

    最原「勿論勝負の世界でそんなのは通用しないのは分かってるよ。分かってるけど……」

    最原「……入間さんは勝負の前にハンバーガーを見て言ってたよね。『美味そう』って」

    最原「でもあんな食べ方じゃ……何1つ美味しいとは思えなかったよね?」

    入間「……」コクン

    最原「……やり直そうよ、入間さん」

    最原「入間さんが救われた気持ちでこの学園を出れるよう、僕も協力するからさ」

    入間「……さ、最原……うぇえん……!」

    入間「美味しくない……美味しくなかったよお……!」ポロポロ…!
  131. 131 : : 2017/07/19(水) 20:39:49
    モノクマ「……」

    モノクマ「ま、流石にこのシリアルな空気を壊す程僕も空気の読めないクマじゃないよ」

    モノクマ「……後で獄原くんは中庭に来るようにね!」

    獄原「あ、う、うん……」

    モノクマ「それじゃ、第四回戦はこれでおしまい。解散っ」

    王馬「……」

    春川「……」フイ…
  132. 132 : : 2017/07/19(水) 20:40:32
    _________
    ______________

    最原「……王馬くん」

    王馬「なーに、最原ちゃん?」

    最原「さっきの事だけどさ、君はああなる事を予測してたんじゃないの?」

    王馬「にしし……流石探偵だね。うん、知ってたよ!入間ちゃんみたいなタイプはちょっと刺激するとすぐに奥の手を出しちゃうってこともね!」

    王馬「一応教えておくと……大喰いにおける奥の手――特に邪道喰いは短時間で済むなら強いけど、長引くと大きな痛手になる諸刃の剣が多いんだよね」

    王馬「入間ちゃんが挑発に乗らずに最後の最後まであの手を取っておいたら、ちょっとヤバかったかも!」

    最原「よく言うよ……ゴン太くんのあの食べ方に普通に挑んでたら、サドンデスにすら辿り着けなかっただろ」

    王馬「にし、そうかもね?」
  133. 133 : : 2017/07/19(水) 20:41:01
    最原「でもどうしてそんなことを?君に何のメリットはない筈だけど……」

    王馬「それはまだ秘密」

    王馬「ま、ただ言えるのは……俺も最原ちゃんと同じ考えを持ってるってこと!」

    最原「え?」

    王馬「因みに俺は早喰いよりも大喰いのが強いんだー!次に大喰い勝負が決まったら多分絶対出るから、食事の管理はよろしくねー!」タタタッ

    最原「あ、ちょっと!」

    最原「多分絶対って結局どっちなんだよ……!」

    四回戦…ハンバーガー早食い勝負

    ●入間 ー ○獄原
    △王馬
  134. 134 : : 2017/07/20(木) 00:01:09
    後の邪道喰い使いは春川と白銀、それとキーボかな?
  135. 135 : : 2017/07/20(木) 03:41:07
    最原くんがゴローちゃんに見えてきた
  136. 136 : : 2017/07/20(木) 12:19:51
    馬犬のマックシェイクかな?
  137. 137 : : 2017/07/20(木) 12:31:02
    ……王馬、ハンバーガー食べたかっただけだったり
  138. 138 : : 2017/07/20(木) 12:44:20
    >>135
    どこかでアームロック展開があったりしてwww
  139. 139 : : 2017/07/27(木) 20:32:55
    五章
    ………………
    ………………

    最原(……)

    最原(……これまで四回もの大喰い勝負を見届けてきたけど……)

    最原(何でだろう、僕の中でずっと違和感が渦巻いている)

    最原(凄く重要で、大事なことのような気がしてならない……)

    最原(何かもう1つきっかけがあれば……)
  140. 140 : : 2017/07/27(木) 20:33:27
    春川「最原」

    最原「!春川さん……」

    春川「なんかボーッとしてたけど。どうかしたの?」

    最原「ううん、何でもないよ……それより何か用?」

    春川「別に……退屈だから話し相手になってもらおうと思っただけ。嫌なら断ってくれてもいいけど」

    最原「断るわけないよ。あ、じゃあお茶用意するから座ってて」

    春川「……うん」
  141. 141 : : 2017/07/27(木) 20:34:17
    最原「お待たせ、羊羹があったから切ってきたけど……甘いものは大丈夫?」カチャ

    春川「うん。疲れた時はよく食べるし」

    最原「そっか。疲れた時の甘いものって良いよね。脳がスッキリして、舌に糖が染み渡っていく感じが」

    春川「……最原、変わったよね」

    最原「あはは……前にも白銀さんに似たようなこと言われたよ」

    春川「東条に似てきたね」

    最原「え!?あ、いやまあ、名誉なことだとは思うけど……」アワアワ

    春川「……ふふっ」

    ピンポンパンポーン

    最原「あ……」

    春川「……」
  142. 142 : : 2017/07/27(木) 20:34:50
    モノクマ『アテンションプリーズアテンションプリーズ!五回戦のメニューが決定したので連絡します!』

    モノクマ『五回戦のメニューは……こちら!』ダダダダダダ

    モノクマ『甘さの裏に潜む鬼を20分で退治せよ!【どら焼き大喰い勝負!】』

    モノクマ『勝負は参加者が決まってから4日後!それでは参加お待ちしてまーす』プツン
  143. 143 : : 2017/07/27(木) 20:35:53
    最原「どら焼きの大喰いか……聞いてるだけで糖尿病になりそうだな」

    春川「……私、これ出るよ」

    最原「え!?だ、大丈夫なの!?」

    春川「大丈夫も何も、むしろこの時を待ってたくらいだよ」

    春川「付け合わせのデザートなんてチャチなものじゃない……甘い物を人の目を気にすることなく思い切り食べられる……!」

    最原(疲れた時はよく食べるなんてレベルじゃないくらい好きじゃないか!何で別に興味ない程を装ってたんだよ!)

    春川「……言っとくけど、このことはみんなに内緒にしててよ」

    最原「え?何で?」

    春川「わ、私みたいな無愛想な奴が甘い物が大好きなんで恥ずかしいじゃん……」

    最原「え?そもそも女の子なんだから気にしなくても良いと思うけど……」

    春川「……」カーッ

    最原(意外な一面を見たな……)
  144. 144 : : 2017/07/27(木) 20:36:22
    春川「と、とりあえず。勝負当日の朝食はいつも通りの量でお願い。あと食物繊維の入った飲み物があると助かるよ」

    最原「えっと……飲み物の件は分かったけど、沢山食べることになるんだから流石に抜いた方が良いんじゃ……?」

    春川「それは悪手。空腹状態で甘い物を大量に摂ると、血糖値が跳ね上がって満腹状態だと錯覚するんだよ」

    春川「特に餡子の糖は急に摂取すると身体に負担がかかるし……そんな状態で20分間ずっと食べ続けることになるとなると、十中八九身体壊すよ」

    最原「へ、へえ……甘い物の攻略って結構厳しいんだね……」

    春川「そうだね。……甘味となると多分夢野が出てくるだろうし、万全の状態で挑まないと」

    最原「夢野さんか……」

    最原(あの時は凄い食べ方をしてたけど……得意分野らしいし、また違った方向から攻めてくるんだろうな)
  145. 145 : : 2017/07/30(日) 16:12:35
    期待
    喰いしん坊ネタが盛り沢山で面白いよ
  146. 149 : : 2017/08/02(水) 22:53:03
    入間「おーい終一〜!オメーに伝言があるってんでわざわざ最強過ぎる美人の俺様から出向いてやったぞ〜」ドアバン!

    入間「……ってオイ!何他の女とヤラシー雰囲気醸し出してんだオラァ!!」

    最原「いや誰もそんな雰囲気醸し出してないよね!?」

    入間「アタシというものがありながら……う、浮気は許さないんだからね!?」

    最原「ちょっと何を言ってるのか分からない」

    春川「……随分と懐かれてるんだね」

    最原「いや、懐かれてるというか。なんか前回のフードファイトからずっとこんな感じでさ……」

    春川「……あっそ」
  147. 150 : : 2017/08/02(水) 22:53:35
    最原「それで入間さん、伝言って何?」

    春川「さっさと言ってさっさと帰ってよ」

    入間「そ、そんな邪険にしないでよぉ……!あ、あのね、王馬と百田とキーボがね、終一に話があるから、そこのトイレの前に来てほしいんだって……」

    最原「あの二人が?何でトイレ?」

    入間「知らねーよ!ま、せいぜい掘られねーように気を付けろよ!?ひゃーっひゃっひゃっひゃ!」ダダダ

    入間「…………絶対気を付けてよ!?」ビシッ! ダダダ…

    最原「相変わらず騒がしい人だな……」

    春川「取り敢えず行ってみようよ」

    最原「そ、そうだね……」
  148. 151 : : 2017/08/02(水) 22:54:07
    ー一階トイレ前ー

    王馬「あ、来た来た。おーい!」

    百田「おせーぞ終一!って何だよ、春川も来たのか」

    春川「悪い?」

    最原「遅くなってごめん……ってキーボくんはどうしたの?やけに綺麗な三角座りをして落ち込んでるけど」

    王馬「んー?ああ、今回のフードファイトに出たいとか言うから、『味も分からないくせに詰め込もうとするな!鉄屑ごときが食べ物を冒涜するなーッ!!』って怒鳴っただけだよ」

    最原「酷過ぎない!?」

    キーボ「……良いんです。これが終わったら王馬くんには然るべき所に出てもらいますから」

    最原「あ、ある意味大人の対応だね……」

    春川「そんなことより、用事って何?」

    王馬「えー?別に春川ちゃんには無いけど?」

    春川「……」ギロ

    百田「オメーは一々煽るんじゃねーよ……いや話ってのは他でもねえ、フードファイトのことだ」
  149. 152 : : 2017/08/02(水) 22:54:37
    最原「そういえば王馬くん、次の大喰いには出るって言ってたよね……もしかして百田くんも?」

    百田「ああ」

    春川「王馬はともかく、あんたは甘い物好きそうに見えないけど」

    百田「まあ、得意ではねーな」

    春川「は?じゃあ何で出るの?」

    百田「王馬に勝負を挑まれたからな。売られた喧嘩は男なら買うしかねーだろ!?」

    最原「け、喧嘩じゃないと思うけど……」

    王馬「んで?春川ちゃんも出るの?」

    春川「……出るけど、何か文句でもあるの?」

    王馬「もーそんなピリピリしないでよ!確認してみただけだからさ!」
  150. 153 : : 2017/08/14(月) 17:30:05
    期待
  151. 154 : : 2017/08/14(月) 22:41:01
    キーボってある種のチートじゃないの?
    ドラえもんと同じ原子炉を使ってエネルギー吸収してるんでしょ?
  152. 155 : : 2017/08/15(火) 18:42:31
    ドラえもんも満腹になるぞ
  153. 156 : : 2017/08/18(金) 20:10:37
    王馬「でさでさ、本題はここから。これでフードファイターの才能を持った人達は全員大喰い勝負に参加しようとしたことになるよね!?」

    最原「そうだね……って、全員?」

    王馬「たはー、さすが最原ちゃん!騙されなかったか」

    王馬「そうだね、1人だけ全然関わってこない人が居るよね」

    最原「白銀さん……だよね」

    王馬「だいせいかーい。ぶっちゃけ白銀ちゃんって本当に"超高校級のフードファイター"なのかスゲー怪しいんだよね」

    王馬「一応さっき勝負を挑んできたけど、案の定甘い物は苦手とか言って躱されちゃったし」

    王馬「おかしいよね?この前デザートのケーキばくばく食べてたのにさ!」

    最原「そうだね……」

    王馬「あれ、なんか全然意外そうじゃないね?もしかして元々怪しんでた?」

    最原「いや……でも王馬くんの言葉で、漠然と抱いてた違和感の正体に気付いたよ」

    春川「違和感?」

    最原「うん。いつも大喰い勝負の時間になると、誰かが足りないような気がしてたんだ」

    最原「みんな勝負の間は解説や実況してくれてるけどさ、その時絶対聞かない声があったというか……まああまり深くは気に留めてなかったんだけど」

    春川「あいつ自称してるだけあって地味だからね……気付かなくても仕方ないんじゃない」
  154. 157 : : 2017/08/18(金) 20:11:13
    王馬「成る程成る程……それなら話は早いね!」

    王馬「ここだけの話だけど……白銀ちゃん、勝負が始まるとすぐに女子トイレに向かうんだよ」

    春川「……何であんたがそんなこと知ってんの?」

    王馬「赤松ちゃんと天海ちゃんの勝負の時、俺最初にトイレに抜けたんだ。その時白銀ちゃんがトイレに入るのを見たんだよね。本当だよ?」

    王馬「でも勝負が終わるまで帰って来なかった。おかしくない?30分以上ゆうにあったのにさ!」

    百田「でもその時たまたまスゲー腹痛に襲われてただけかもしれねーだろ!」

    王馬「そりゃその一回ならそうかもしれないよ。でもその後の勝負の時もずっとそうなんだよね」

    最原「確かに変だよ。そもそも同じフードファイターなら他人の勝負や食べ方も気になる筈だ。新しいテクニックの習得にも繫がるかもしれないし」

    最原「それにハンバーガー早喰いの放送が流れた後、白銀さんが参加しないっていうから理由を聞いたんだ。その時の返答も妙に歯切れが悪かった」

    キーボ「ですがそれなら何故彼女は"超高校級のフードファイター"等と嘘を……?」

    最原「……僕らをここに閉じ込めた黒幕、だからとか?」

    王馬「まあ無くはないよね!」
  155. 158 : : 2017/08/18(金) 20:11:41
    春川「……でも仮に王馬の言ってることが本当なら、問題の女子トイレの前でこんなこと喋ってるとやばいんじゃないの?」

    王馬「あ、大丈夫大丈夫。二階で洗濯してるの確認してきたから」

    王馬「まあ隠し道があるかもしれないけどさ、階段が見える所に俺達が突っ立ってるし、降りてきたら分かるっしょ!」

    春川「もし下に降りるための隠し階段があったらどうすんの?」

    王馬「もう、もしもし言ってたって話は進まないでしょ!」

    春川「……はぁ」

    王馬「まあそういうわけだからさ、最原ちゃんは今回の勝負では白銀ちゃんのことよく見ててほしいんだよねー」

    王馬「俺もシロートだから絶対クロだとは言い切れないしさ。後は"超高校級の探偵"に依頼したいなって」

    最原「……うん、分かったよ。任せて」

    王馬「ありがと!……頼んだよ!」
  156. 159 : : 2017/08/18(金) 20:14:53
    ー4日後ー

    モノクマ「にしてもどうして今回はこんなに居るのさ。もしかしてオマエラ甘党なの?」

    春川「……」

    王馬「……」

    百田「……」

    夢野「どら焼きっ、どら焼きっ、んあー!」

    モノクマ「一人除いで仏頂面で不気味だし……」

    モノクマ「うぷぷ……まあ何を企んでるのか知らないけど、面白い戦いになりそうな顔ぶれではあるね!」
  157. 160 : : 2017/08/18(金) 20:15:14
    モノスケ「おまっとさん、まずは50個用意が出来たで!」ダン!ダン!

    夜長「およー凄いねー!どら焼きが山になってるよー」

    最原「凄いな……均一な焼き色が付いた皮に、ぎっちりと粒あんが詰まってる……」

    モノスケ「餡は北海道の小豆、皮は沖縄黒糖と新潟米粉を混ぜてこしらえとる。手間暇かけて作り上げた究極の一品でっせ!」

    モノファニー「モノスケったら今回はすっごくこだわっちゃって」

    モノタロウ「味の保証はバッチリだよ!」

    茶柱「うぐぐ、転子も出ればよかったです……」ダラー…
  158. 161 : : 2017/08/19(土) 21:27:12
    目をらんらんと輝かせながらどら焼きを頬張り夢中になる春川さんが見える…
    可愛い…。
  159. 162 : : 2017/09/03(日) 02:58:50
    春川「モノクマ、飲料は水じゃなくて冷たい烏龍茶を用意して」

    夢野「ウチも烏龍茶じゃ」

    百田「……俺は緑茶だ」

    王馬「あっ、じゃあ俺は牛乳ね!あとスプーンと器!」

    モノクマ「はいはい。全くもー、クマ遣いが荒いんだから……オラオラガキども、早く用意しろーっ!」

    モノウタロウ「お父ちゃんも荒いよー!」
  160. 163 : : 2017/09/03(日) 02:59:23
    モノクマ「ハイハイさてさて、用意が整ったみたいですね。それでは早速行きましょうか!」

    モノクマ「初の甘味勝負、結果やいかに!?」

    モノクマ「レディ――ファイッ!」

    春川「いただきます」バッ

    王馬「いただきまーす」

    百田「よっし、食うぜ!」バッ

    夢野「いただきますなのじゃー!」バッ
  161. 164 : : 2017/09/03(日) 02:59:52
    春川「……」コク…

    春川「……」ハム…モグ…

    星「春川は烏龍茶を一口含んでから、どら焼きを四当分にして食べ始めたな」

    夢野「……」モムモム

    夢野「……んあー」ヘニャリ

    茶柱「夢野さんもなるべく一口を小さくして食べていますね」

    天海「ラーメンセットの姿からは想像もつかないほど綺麗っすね」

    百田「……」アグ、モグ…

    百田「……」コクッ

    夜長「解斗は一口が大きいけどー咀嚼に時間をかけてるねー」

    キーボ「その後烏龍茶で口内をリフレッシュさせると共に、喉の通りを良くしているようです」
  162. 165 : : 2017/09/03(日) 03:00:52
    最原(……居ない)キョロ

    天海「あれ、王馬君は何をしてるんすかね」

    最原「え?」パッ

    王馬「……」ホジホジ

    茶柱「5個分のどら焼きの餡子だけをスプーンで刮いで……」

    王馬「小吉、いっきまーす!」ダバダバ!

    最原「牛乳を餡子にぶっかけた……!?」

    入間(やだ……その響き何かエロい……)
  163. 166 : : 2017/09/03(日) 03:01:19
    春川「ちょっと……あんた何してんの」

    王馬「見て分かんない?春川ちゃんと夢野ちゃんがあまりにも強敵だから食べ易くしてみたんだ!」

    春川「……殺されたいの?」

    王馬「えー?こんなのミルクぜんざいとパンケーキみたいなものじゃん?」グチャ、パクッ

    王馬「……んー!やっぱ牛乳と餡子の相性って抜群だね!温かけりゃもっと美味しいんだけど!」ベチャベチャ

    春川「クソヤロー……!」
  164. 167 : : 2017/09/03(日) 03:02:02
    最原(どうしたんだよ王馬くん……君はあの時言ってたじゃないか。僕と同じだって……)

    最原(一体どうしてこんな食べ方を……?何か考えでもあるのか……?)

    モノクマ「……」

    王馬「……」ゴクゴクッ

    王馬「ぷはー!餡子ご馳走様っ!」

    王馬「あとは皮を小さく千切ってー……」ブチブチ

    王馬「口に放り込んでくだけだね!」パクモグ!

    モノウタロウ「王馬、早くも5個分完食!」

    最原(いや、どんな理由があっても……あれは……!)

    春川「……甘い物への冒涜」

    春川「その邪道喰い、殺してみせる」モグ…ムグ…

    王馬「たはー、そんなペースじゃ無理無理!春川ちゃんも3個完食と頑張ってるみたいだけどー……」ダバダバ!

    王馬「たった2個の差でも長引けば4個、6個と増えるばかり……俺に追いつくのは不可能だね」ペチャ、ゴク

    春川「言ってろ……!」モグ、ムグ!

    茶柱「ま、まずいですよ……!?春川さんが挑発に乗せられて、ペースをどんどん上げて……!」
  165. 168 : : 2017/09/03(日) 03:02:31
    ー10分後ー

    モノスケ「春川28個、夢野26個、王馬34個、百田25個!」

    最原「凄いな……まだ10分なのにみんな25個以上は食べてる……」

    夜長「見てるだけで口の中が甘くなってくるよー」

    王馬「おー流石女子二人は甘いものが得意なだけあるね。俺もそろそろこの味に飽きてきたってのに、手を休める暇もないよ!」

    春川「リタイアすれば良いよ。あんたなんかにそれを食べる資格はない……!」

    最原(雰囲気は最悪だ……)

    夢野「んあー、んっんっ」パクモグ

    最原(その点夢野さんは勝負しているというよりも、甘味を心から楽しんでいるといった感じだな)
  166. 169 : : 2017/09/03(日) 03:02:52
    百田「……」コソコソ

    百田「……」スッ、ペチャ

    最原(ん?今百田くんは何を口に入れたんだ?)

    最原(テーブルの下で何かゴソゴソしてるけど……)

    王馬「あれれ〜おっかしいぞぉ〜?甘味勝負なのに、何だか辛味のある根菜系の匂いがするなあ〜?」

    百田「!」ビビクゥ!

    春川「……」
  167. 170 : : 2017/09/03(日) 03:03:19
    春川「百田……膝の上に置いてる物。出せ」

    百田「いや、これは……」

    春川「出せ」

    百田「ハイ」コト

    茶柱「あれは……タッパーに入った大根おろしですね」

    最原(いつの間に準備してたんだ)

    春川「甘味の味を単一で楽しめない奴がこんな所にもい居たなんてね」

    百田「い、言っとくけどなぁ、これは邪道喰いなんかじゃねえ!これは消化を助ける意味と口中をさっぱりさせる為にだな……」

    春川「呆れた。所詮あんたもその程度だったんだ」

    百田「だーっ、話を聞けって!そもそもこれは甘味のプロである夢野から教わったんだ!」

    春川「は?」

    夢野「ん、んああ!?」
  168. 171 : : 2017/09/03(日) 03:04:45
    百田「甘味勝負は得意じゃねえって相談したんだよ。したら大根おろしを持ち込めって、なあ!?」

    夢野「んああああああ!!?」

    モノクマ「ちょっとちょっと!大喰い勝負中だってのに何を揉めてるんだよ!」

    春川「黙れクマヤロー!……甘味を引き立てる箸休めとして許されるのはせいぜい塩昆布や漬物等の塩分のみ……大根おろしなんて言語道断!」

    春川「甘味を侮辱する奴は私が殺してやる!夢野、あんたも殺す!」

    夢野「んあ!?」

    モノクマ「ちょっとちょっと!大喰いにあるまじき発言だよ今の!」

    最原(春川さんがあんなに糖分キチだったなんて……驚いたな……)

    王馬「……」ニヤニヤ
  169. 172 : : 2017/09/03(日) 03:05:19
    ー数分後ー

    モノタロウ「春川、47個!夢野、45個、王馬、43個!百田、49個!」

    王馬「たはー追い抜かれちゃった!やっぱ邪道喰いは長期戦じゃダメだね!失敗失敗、汚いだけだったよ!」

    王馬「いやー、それに比べて百田ちゃんは大健闘だね!大根おろしパワーすげー!俺も用意すれば良かった!」

    王馬「んーあれあれ?そういえば春川ちゃんはどうしたのかな?」

    王馬「物騒なこと言って吠えてた割には、大根に負けちゃってんじゃーん!」

    春川「く……!」

    春川「……殺す、殺す!」ギロ!

    王馬「俺を睨んでも仕方ないでしょー?あっ、ほらほら百田ちゃんもう50個目に入っちゃったよ!」

    最原(ど、どうしたんだ王馬くん!?もう食べることより春川さんを煽ることに集中しているような……)

    モノクマ「コラーッ!いい加減にしろ!」
  170. 173 : : 2017/09/03(日) 03:06:05
    モノクマ「オマエラは大喰いに集中してればいいんだよ!春川さんもあんまり物騒なこと言ってると失格にするからね!」

    春川「……チッ!」

    夢野「ん、んあ……」ガクブル

    百田「……」モグ…シャク

    王馬「あーあ、誰かさんのせいで食べてる物も不味くなってきたよ。食べ物を冒涜してたのはそこのロボットじゃなくて――」

    春川「……」バンッ!

    モノクマ「コラッ!王馬くんも勝負に集中しろ!」

    キーボ「ああぁ、ボクが怒るタイミングを逃しました……」

    最原(……キーボくんはさておき、さっきからやたらモノクマが焦っているように見える)

    最原(ルール上はただ勝敗が付けば良いだけの話なのに……この険悪な雰囲気をとにかく払拭したがってるように伺える)

    最原(確かに人がイライラしながら食事してる所を見ても何一つ美味しそうにも楽しそうにも見えないけど……)

    最原(……見ても?)

    テコリン!

    最原(そうか!)
  171. 174 : : 2017/09/03(日) 03:06:40
    最原(このフードファイトは単に脱出を賭けた勝負じゃない……)

    最原(見世物なんだ!)

    最原(誰がどこで見ているのかは分からないけど……王馬くんもそれに気付いたんじゃないか?)

    最原(つまりこれは……)

    モノタロウ「あ、お、お父ちゃん。もう20分経っちゃった……」

    モノクマ「はぁ!?」

    王馬「よーし終わり終わり!百田ちゃん大勝利ー!いえー!」

    百田「お、おおそうか!宇宙に轟く勝利だったな!」

    春川「……」

    夢野「……んあ」モグ…

    モノクマ「……全然スッキリしないなあもう!」

    最原(出来レース!)
  172. 175 : : 2017/09/03(日) 03:09:17
    春川「……ごちそうさま」ガタン!

    百田「……」

    夢野「……」

    王馬「たはー、これは嫌われちゃったね!ま、いいや!」

    王馬「本命は別に居るし……ね?」チラ

    最原「……」コクン

    最原(王馬くん……君の依頼、推敲してみせるよ)

    最原("超高校級の探偵"の名にかけて!)タッ
  173. 176 : : 2017/09/09(土) 14:56:09
    春川さんッ…!!
    物語も終盤かな?期待!
  174. 177 : : 2017/09/25(月) 01:39:06
    ー1F女子トイレ前ー

    白銀「……」ガチャ

    最原「白銀さん」

    白銀「え!?さ、最原くん!?」

    最原「……やっぱりここに居たんだね」

    最原「これで決心がついたよ」

    白銀「け、決心?」

    最原「第六回戦のフードファイト……僕は君の勝負を申し込むよ、白銀さん!」

    白銀「え、えええっ!?」
  175. 178 : : 2017/09/25(月) 01:39:26
    白銀「ど、どうしたの急に?まだメニューも発表されてないし、そもそも最原くんは"超高校級のフードファイター"ですらないのに」

    最原「それは君も同じ筈だ、白銀さん」

    白銀「……!」ビク

    最原「君は"超高校級のフードファイター"なんかじゃない。まだ才能に関してはよく分からないけれど……君はこの大喰い大会の主催者の一員に過ぎないんじゃないか?」

    白銀「……何を言い出すのかと思えば」
  176. 179 : : 2017/09/25(月) 01:39:54
    白銀「そもそも私と勝負する目的は何?君は勝とうが負けようが、敗者を見届けさえすれば出れるのに」

    最原「それは……僕の"超高校級の探偵"としての性みたいなものだよ」

    白銀「なるほどね。君の知的好奇心が疼くんだ?」

    最原「それに、君の正体がもし本当に超高校級のフードファイター"じゃないと露呈すれば……」

    最原「皆正当な手順を踏んだ上でこの学園を出られることになる」

    白銀「……」
  177. 180 : : 2017/09/25(月) 01:40:34
    ピンポンパンポーン

    白銀「!」

    モノクマ『アテンションプリーズアテンションプリーズ!みなさん、いつもに増して早い放送に戸惑っていることと思われますが、ボクは敢えてそれをスルーしてメニューの発表をします!』

    モノクマ『第六回戦のメニューは……ジャーン、こちら!』ダダダダダダ

    モノクマ『トッピング次第ではラッキーアンラッキー!?【Lサイズピザ大喰い勝負!】』

    モノクマ『こちらは30分間でどれだけの量を食べきれるかを競います!尚具の指定はできません!』

    モノクマ『ピザの具材に拘りのある人はやめた方が良いかもね……?それでは勝負は一週間後!参加をお待ちしてまーす』プツン
  178. 181 : : 2017/09/25(月) 01:43:13
    最原(なんてタイミングだ……もしも白銀さんが本当に『黒幕』なら)

    最原(この放送が示すものはただ一つ!)

    白銀「……」グ…

    白銀「……ピザ、ね。うん……いいよ、やるよ。ピザは地味に得意なんだよ……」

    最原(……やっぱり)

    白銀「後悔、しないでね?」

    最原「……そっちこそ」

    最原(ここではモノクマが絶対的な権力……ううん、もしかしたら)

    最原(このフードファイトという催しを"見ている誰か")

    最原(……いや、今はこの下克上に集中しよう)

    最原(この勝負に勝って……)

    最原(白銀さんの正体を暴く!)
  179. 182 : : 2017/09/25(月) 01:44:04
    百田「よっ!終一!」

    最原「!百田くん。もう行くの?」

    百田「おう、モノクマの野郎すっかり機嫌損ねちまってよ。さっさと行けってウルセーんだよ」

    百田「……あと、その。悪かったな。偉そうなこと言っといて、つまらねー姿見せちまった」

    最原「大丈夫、ちゃんと分かってるよ。王馬くんに頼まれて協力したんだよね?」

    百田「ああ……よく分からねーが、勝負をグダグダにしてやれば黒幕も黙ってられなくなるだろうとか言われてよ」

    最原「……」

    百田「まぁ、いずれにしろ俺はここまでだ。……終一、後は頼んだぜ」

    百田「オメーらが全員戻ってくるのを、待ってるからよ!」

    最原「うん、分かったよ」

    最原「……後は僕に任せて」


    五回戦…どら焼き大食い勝負
    ◯百田ー●春川、王馬、夢野
  180. 183 : : 2017/09/25(月) 01:44:40
    第六章
    ………………
    ………………

    最原「――というわけで、僕に大喰いの訓練を付けてほしい!」

    天海「……」

    茶柱「……」

    夢野「……」

    星「……」

    夜長「……」

    入間「……」

    キーボ「……」

    春川「……あんたねぇ」ハァー

    王馬「何でそんなつまらなくないことになっちゃってんの?一人で突っ走りすぎじゃない?」

    最原「え、ええっ!?」
  181. 184 : : 2017/09/25(月) 01:45:06
    春川「しかも何?あんたの話が本当ならさっきの勝負私以外全員グルで、最初から百田を勝たす魂胆だったってこと?」

    王馬「そ!夢野ちゃんは何とかなったけど、春川ちゃんはややこしそうだったからねー。俺が挑発して短気な春川ちゃんのペースを崩しちゃおうと思ってさ!」

    春川「……フードファイターとしてのプライドも無いんだね」イラッ

    夢野「……ウチは甘い物が食えれば何でも良かったんじゃ」

    春川「……」ムッ

    最原「も、もうそこまでにしようよ!ね?」
  182. 185 : : 2017/09/25(月) 01:45:24
    天海「まぁ、協力は惜しみませんけど……一週間で胃の拡張は無理あるんじゃないっすかね」

    入間「オメー見た目通り少食だしな!」

    茶柱「むむむ、男死にしては中々か……格好良いことしたとは思いますけど!勇敢と無謀は違うと思うんです!」

    夜長「それにつむぎが黒幕って確証もないんでしょー?」

    最原「やっぱり……まずかったかな」

    キーボ「それは違います!!」
  183. 186 : : 2017/09/25(月) 01:45:40
    キーボ「最原クン、ボクは君のことを立派だと思います!」

    キーボ「"超高校級のフードファイター"でもないのに、みんなの為にと立ち上がる……」

    キーボ「ボクも君みたいな勇気が欲しい。ボクに出来ることなら、何だって手伝いますよ!」

    最原「キーボくん……!」
  184. 187 : : 2017/09/25(月) 01:46:02
    春川「……分かった、付き合うよ。私の思いは全部あんたに託す。その代わりに、絶対に勝たせてやるから」

    キーボ「胃の拡張に必要なデータと胃のキャパシティの算出はボクに任せて下さい!」

    天海「休まず食べる為には味に飽きないことが大事っす。美味いメニューを沢山用意するっすよ」

    茶柱「量を摂るには運動が不可欠!ネオ合気道部に所属していた転子が特別に稽古を付けてあげます!」

    星「俺もテニスの経験がある。お前さえ良ければ手伝わせてくれ」

    入間「じゃ、じゃあ俺様は食欲増進の為にオメーの下半身の世話をs」スパーン!!

    夜長「美兎はアンジーと秘密子と一緒に偵察ねー」

    夢野「隠密ミッションなのじゃ!」

    王馬「良いね良いね、つまらなくないよ!こうなったら俺も手伝う他ないよね!」

    最原「みんな……ありがとう」
  185. 188 : : 2017/09/25(月) 01:46:39
    最原(その日から僕の大喰い訓練は始まった)

    キーボ「最原終一。身長171cm、体重58キロ……」

    王馬「ヒョロガリかと思いきや意外と重いね」

    最原「うるさいな!」

    天海「まずは850グラムのプレートっす」ドカッ

    最原(う……す、凄い量だ……!)

    最原「い、いただきま――」

    春川「待った。拡張の際は食べる順序に気を付けないといけない。いきなり肉類を食べると脂とボリュームで満腹中枢が刺激されるから、まずは食物繊維を摂って血糖値の上昇を抑える」

    最原「は、はいっ!」モシャ

    シャクシャク、モグモグ
  186. 189 : : 2017/09/25(月) 01:47:03
    最原(うっ……まだ野菜しか食べてないのに心成しかもうお腹いっぱいになったような……)シャクシャク

    最原「ふぅ……10分休憩させて――」

    春川「男のくせに情けないこと言わないでよ。勝つ気があるなら、少しずつでも良いから食べ続けな」キッ

    天海「まあまあ春川さん、まだ初日なんすからそう厳しくしなくても……。最原くん、比較的食べやすいかなと思ってカレー作ったっすよ。色々な種類を作ってみたんで食べ比べてみてほしいっす」

    最原「あ、ありがとう」

    王馬(飴と鞭だ……)
  187. 190 : : 2017/09/25(月) 01:47:31
    星「空腹感を煽るには、体内の糖質を切らすのが手っ取り早い。給水は水のみでスポーツドリンクは厳禁だ。良いな?」

    最原「はい!」

    星「じゃあまずは軽く中庭を二周だ。俺についてきな」タッタッ

    最原「え!?は、はい!」タッタッ

    王馬「軽くって言うけど結構長さあるよねー」
  188. 191 : : 2017/09/25(月) 01:48:03
    茶柱「ネオ合気道は合気道と違い厳格な型はありません!」

    最原「ネオ合気道って何?」

    茶柱「なのでまずは体力の算出も兼ねて、自由にやってみましょうか!最原さん、見よう見まねでいいので転子に格闘技を仕掛けてきて下さい!」

    最原「え、ええっ!?えっと、それじゃ……幽◯遊◯白書で見た霊光列蹴拳……」クン!

    茶柱「転子に触るな男死イイィィィ!!!」ガッ

    最原「何で!?」ドターン!!!

    王馬「まあ予想はしてたよね」
  189. 192 : : 2017/09/25(月) 01:48:32
    入間「オラァ戻ったぞしゅ……最原ァ!!!」

    春川「うるさい」

    最原「あ、お帰り……」ボロッ

    夢野「な、何でそんなボロボロなんじゃ?」

    最原「ちょっとね……大したことはないよ」

    茶柱「……」シューン

    王馬「それでそれで?何か収穫はあったの?」

    夜長「えっとねーアンジー達はねー、つむぎ達の動向を確認して来たよー!」
  190. 193 : : 2017/09/25(月) 01:48:59
    入間「格納庫に食材を保管してるみたいだぜ。あの地味眼鏡がモノクマーズ共と入っていくのを見たこの俺様が言うんだ!間違いねえ!」

    王馬「ふーん、で?食材があるから何なの?」

    入間「え?」

    王馬「入間ちゃんって本当にバカだよねー!!あのさぁ、今回のトッピングが選べないピザとか明らかに何か仕込んでくる気満々だよね?つまり重要なのは保管場所なんかじゃなくて内容だよね!?ねえねえねえ!?」

    入間「ご……ごめんなひゃ……」ブルブル

    最原「ただちょろちょろしてただけのくせに随分と偉そうだね王馬くん」
  191. 194 : : 2017/09/25(月) 01:49:30
    夢野「ま、待て待て!まだウチの報告が終わっとらんぞ」

    春川「有用な話なんだろうね」

    夢野「うむ!格納庫の横の窓が開いておってな、そこから中の声が少しだけ聞くことができたんじゃ」

    茶柱「本当ですか!?流石は夢野さんです!」

    最原「凄いね!」

    夢野「かーっかっか!そうじゃろそうじゃろう、もっと褒めても良いんじゃぞ!」エッヘン

    春川「……で、その内容は?」

    夢野「えーっと確か……『出来レースはツマラナイから白銀さんにもそれなりのハンデは背負ってもらうからね!』とモノクマが言っておった」

    王馬「ふーん。ってことはやっぱり何か仕掛けてくるってことだね」

    春川「問題はそのハンデってのがどれだけ平等なものかによるね。嫌いな食材を仕込まれる程度なら何とかなるけど、極端な味付けや臭い付けをされたら気力だけではどうにもならないからね」

    最原「色々な事態を想定して対策を立てるしかない、か……」
  192. 195 : : 2017/09/25(月) 23:05:43
    話が大きく進んでた!期待

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maggio

五月病

@maggio

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