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  1. 1 : : 2017/06/23(金) 10:02:15
    美雪は彼が来るのを待っていた。昼間の電話で彼は20:00を目安にこちらへ来ると言っていたのに、3時間経っても家のベルは鳴っていない。何度か送ったPINEもことごとく無視されて、美雪は切なさにとうとう涙を零してしまいそうだった。
     彼が来るまで取り組もうと思って机に並べた大学のレポートも全く進んでいない。それどころか、それに使う資料すら出していなかった。ほんとうに全く手につかず、膝を抱えていた。彼が気になってしょうがなかった。

     家を出て四つ駅が先の彼の宅まで行ってみようかと思ったこともあったが、もし携帯の充電が切れていてこちらに向かってきていたとしたら行き違いになってしまう可能性もあって、それはまずいと自宅を空けるわけにもいかなかった。気付き次第返信してくださいと送ったPINEも未だに既読がついていない。30秒感覚で確認すること、3時間が経過している。彼女は部屋の隅で未だに膝を抱えている。



     七夕は、一緒に過ごそうと約束していたのに。




  2. 2 : : 2017/06/23(金) 10:03:07
    彰は今すぐ死んでしまいたいと思うほど、最低な気分だった。なんせ、彼女とのプランを忘れて夢の世界に飛び込んでいたからである。完全に自業自得であるのだが、ここ二日、彼は試験が相次いでいたので、一概に彼が悪いとは言えない。……のだが、比較的実直な彰の性格は試験のせいにするはずもなく、ただひたすら時間が解決してくれるだろうと2時間ベッドの上でエビになっていた。人間、未体験の壁にぶち当たると本当にどうすればよいかわからなくなる。時々鳴るPINEの通知に手を伸ばすも、学友や親ではなく、彼女だということを確認して精神が徐々に圧迫されていた。少しでも気を紛らわすことはできなかった。

     こんなところで丸くなっていたって、仕方がない。事態は急を要する。今すぐにでも謝罪の連絡を入れなければ!
     正直に事情を話せばわかってくれるだろうという算段だ。現在の状態でも充分問題だというのに、これ以上深刻にすればさすがに縁を切られてしまう。そんなのはごめんだ。

     充電のない携帯を手に、彼女に電話をかける。PINEはあとに回すことにして。
     一瞬スルーされるのではないかと思ったが、ワンコール以内に繋がった。

    「もしも……」
    「彰くん!?」
    「あ、あぁ……僕だよ」
    「……よかったぁ」
    「え?」
    「だって、ずっと、連絡……なかった、から……何かあったんじゃないかって……」
    「ご、ごめん……」

     憎まれ口を叩かれると思っていたのに、安堵にぐすっと嗚咽されるとどうすればいいのかわからなくなる。

    「どうしたの……?何かあったの?」
    「……」
    「……」
    「ん、あ、えっと……」
    「携帯、充電切れてたの?」
    「え?」
    「ずっと既読つかなかったから……」
    「いや、そんなことないよ」
    「あ、そうなんだ……」
    「……あの、本当にごめん」
    「あ、問題ないよ」
    「今から行ってもいいかな?」
    「もちろん!」
    「一時間はかかってしまうんだけど、それでもいい?」
    「問題ないよ」
    「わかった、いくよ」

     うん、待ってるね。それを最後に通話を切る。
     結局のところ、どもって事実を述べることはでき(し)なかったが、交際関係の均衡が破れることはなくて、彰はひどく安心した。ばくばく鳴っていた心臓に手を当て、まず風呂でも入るかとベッドを抜けた。








  3. 3 : : 2017/06/23(金) 10:03:24
    日替わり直後、チャイムが鳴った。
    美雪は蹲っていた場所をとうとう抜き出て、部屋を見渡した。大学のレポートは敷かれたままであるが、それは勉強机なので気にせずに、天ぷらと蟹、それからチキンに唐揚げと、料理はバッチリ。下着はどこにも散らかってないし、絨毯や玄関はローラークリーナーを滑らせたので髪の毛一本も落ちてない。念のため、目をこすった後に口を手で覆って思いっきり吐き出す。歯磨き完了。ミントの香りがもわっと鼻にくる。最後に万が一とベッドの下に忍ばせたコンドームを確認して、早足で玄関へ向かう。

    「美雪、本当にすまな──」
    「彰くん!」
     
     美雪は欲求を我慢できず、ついに来た彼に飛びついた。

    「うわっ。あ、えっと……」
    「ほんとうによかった……」
    「お、大袈裟だなあ。ぼくは大丈夫だよ、ただの寝不足……」
    「えっ?もしかして、忘れてたの……?」
     そういって適当にぐすっと俯く。
    「あ、いや、そ、そんなことはないよ?」
    「わかってるよ、入って入って」

     サンダルを渡して彼を通す。

    「本当にごめん」

     リビングへてくてくと入ってきた彰は、猫の手が無数に描かれた青の絨毯に突然額を擦り付けた。

    「あ、彰くん?大丈夫だよ、さっきのは冗談だから……。顔上げてよ」
    「ああ……」

     ふらふらとした様子で腰を上げる。そしてお詫びといって菓子がいくらか包まれたビニール袋を差し出した。

    「別に気を使わなくて良かったのに」
    「いいや、こうでもしないと申し訳が立たない。後で食べてよ」
    「じゃあ、遠慮なく……。後で一緒に食べようね」

     ありがたく受け取ってキッチンに保留する。

    「じゃあ、とりあえずだけど……」
    「?」
    「なんで、忘れてたの?」
    「やっぱり根に持ってる?」
    「そりゃもう当然だよ。せっかくの料理も冷めちゃったし」
    「ごめんなさい……」

     かがみかけの彰を手で制す。

    「なんでなの?わたし、すっごく傷ついてる」
    「……昼に大学から帰ってきた時は忘れてなかったんだよ。電話した直後だったし。でも、最近ずっと図書館こもって勉強してて、研究室で寝泊まりしてたから、くたくたで……。それに試験もあった…。えっと、それで一週間ぶりに家帰ってきてベッドにダイブしたらあまりの毛布の温もりに感動して、そうしたらいつの間にかもう22時になってた」
    「あ、お疲れ様です……ゆっくりしてね……?」
    「ありがとう……」

     しばらくの沈然が訪れる。彰くんとじっと見つめ合う。
     何度もこんなことはあったのに、でもどこかもどかしさというか恥ずかしくて、背を向けてチキンの乗った皿をレンジに向かわせる。少し温めなければ。

    「あっ、ちょっ、なにやだ待って」
    「良い香りがする」
    「いや、あの、わたし」
    「料理は後で頂くよ」

     力任せに無理やりベッドに倒される。彰は黒の眼鏡を投げ捨てて唇を屠ってくる。ただ顔を近付けて、ただ乱暴に欲望を押し付けてくる。チェックにジーンズと真面目大学生のような彼は、見た目同様中身も草食なのに、たまに制御が効かなくなって暴走することを忘れていた。
     顔を右腕で包まれ、空いた手で腰をがっちり手に掴まれて彼の荒い鼻息が顔にかかりながら欲のぶつけ合いは続く。今の私は彼にどう映っているのだろうとぼんやり思う。
    やがて雪見もタガを外し、彰との濃厚な夜を迎えた。2人はこの瞬間が永遠に訪れれば良いのにと、そう、強く願って。
  4. 4 : : 2017/06/23(金) 10:04:31
    * * *



    では、次のニュースです。7月8日午前一時頃、✕✕のハイツ✕✕で男女2人の遺体が発見されました。今朝、異臭がすると近隣住民から110当番通報があり、警察が駆けつけたところ、ベッドに2人の遺体が並んでいたと言う事です。部屋の中は泥の足跡や金の入っていない財布が二つ置かれてあるなど、多数の不可解な物的証拠から、警察は強盗殺人事件と捜査を進めて──────。
  5. 5 : : 2023/07/13(木) 13:40:05
    http://www.ssnote.net/archives/90995
    ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
    http://www.ssnote.net/archives/90991
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
    http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
    sex_shitai
    toyama3190

    oppai_jirou
    catlinlove

    sukebe_erotarou
    errenlove

    cherryboy
    momoyamanaoki
    16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ちょっと時間あったから3つだけ作った

    unko_chinchin
    shoheikingdom

    mikasatosex
    unko

    pantie_ero_sex
    unko

    http://www.ssnote.net/archives/90992
    アカウントの譲渡について
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654

    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

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