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さようなら、加賀さん
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- 1 : 2017/06/04(日) 22:29:01 :
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「ただいま、加賀さん。」
白い服を着た人物は、執務室の扉を開ける。
そこには、一人の女性が寝ていた。
「寝ちゃってたの、かな?」
ゆっくりと白い服の人物は近づく。
何処か、寂しげだ。
「ごめんね、遅くなって」
一人の女性―――加賀――――の隣に寝転がり、そんなことを言う
こう見れば、ただの夫婦のように見えるだろう。
その人物と加賀と呼ばれた女性の指にも、銀色の指輪が陽に照らされ光を反射しているのだから。
だが、実際は違う。
「そういえば今日ね、赤城が海に出たっきり帰ってこなくてね。海に「早く帰ってこーい」って叫んだら、声が返ってきてね。
加賀さんを頼みます、だって。
はは、まだプロポーズもしてないのにね」
白い服の人物は、寝ているのか何もしゃべらない加賀に向かってそんなことを言い続ける
彼の優しく、思いやりのある目に、くもりがかかってくる
「ねえ、加賀さん。今日は、何処に行こうか」
加賀を揺さぶり、起こそうとする
だが、全くと言っていいほど音沙汰がない。
「そういえば、海に行きたがってたよね。ちょっとだけ一緒に行ってみようか」
加賀をいそいそと抱き、執務室を出て海辺へ向かう
「ほら、水平線がきれいだよ。加賀さん」
彼が目を向ける先に、紅く燃える水平線があった。
とても綺麗な色で、今にでも燃え尽きそうなくらい紅かった
「・・・今日もお仕事、お疲れ様。」
加賀の頭をそっとなで、にこやかな顔で加賀を覗き込む
顔に傷一つない綺麗な顔。
だが、どことなく悲しそうな表情だった。
「・・・・加賀さん。起きて・・・」
彼の目は、急激に曇り始める
「起きてよ・・・・・ねえ」
一粒の涙が、加賀に滴り落ちた
ぽちょん。
ぽちょん。
いつしか彼の目からは大粒の涙が流れており、最早さっきまでの優しい目ではなかった
「加賀さん・・・・・・ごめん・・・・」
「守れなかった・・・・・ッッ!」
辛く、悲しい事実が突きつけられる
一航戦「加賀」は、先ほどのミッドウェー海戦にて大破。
後、味方駆逐艦より自沈処分された。
「ありがとう、ありがとう加賀さん」
「僕を、僕を支えてくれて。」
「いつか、いつかまた来世で・・・」
「一緒に会おう」
1942年 6月7日
一隻の空母と、ある提督が行方不明になった
今でも、その一隻と一人の遺体は見つからないという
※この物語はフィクションです。
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- 2 : 2017/11/13(月) 21:52:13 :
- ある日、奇跡が起きた
現代に、加賀と提督がタイムスリップしたのだ
ノンフィクションだよバァロォ
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