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最原「愛されスイッチ……?」モノクマ「間違えたんだよ……」【安価】

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  1. 1 : : 2017/04/10(月) 20:32:18

    ※このSSは「ニューダンガンロンパV3」の致命的なネタバレを豊富に含んでいます。
    ※深刻なキャラ崩壊。
    ※ニューダンガンロンパV3の真相に関して、1独自の解釈を過多に含んでいます。
    ※書いてる奴はダンガンロンパのSSを書くのもこのサイトを利用するのも
     初めての超初心者なので見苦しい点があっても無言で砲丸をぶつけて下さい。
    ※気を付けてはいますが呼称間違いや誤字脱字の可能性があります。
     間違いはそっと指摘して頂ければ幸いです。

    なんでも許せる心の広い方向けです。
  2. 2 : : 2017/04/10(月) 20:35:07

    『この学園から卒業したければコロシアイをしろ』

    モノクマーズと名乗る5匹……いや、5体? の、ぬいぐるみなのかロボットなのかも分からない存在。
    そしてモノクマーズの父親、この学園の学園長を名乗る不気味なクマ型……
    これまたぬいぐるみなのかロボットなのか分からないモノクマ。
    意味も分からないまま、僕達16人は才囚学園に閉じ込められ続けている。

    「最初に人を殺したクロは学級裁判を免除する」という初回特典を与えて以来、
    モノクマ達は僕達を煽りながらも、それ以上動機を与えることはしなかった。

    誰しもが心の奥底に不安と焦燥を抱きながらも、赤松さんや百田くんが
    筆頭となって皆をまとめたり励ましたお陰か、どこか緊張感を漂わせつつも、穏やかな日々を送ることが出来ている。

    そして、7日目の朝。

    『おはっくまー!』
    「……朝か……」

    毎日、朝8時に流れるモノクマーズ達の放送で目を覚ます。
    まだ少しぼんやりとする頭を手で押さえつつ、怠慢な動きで体を起こす……と。

    「おはっくまー!」
    「うわあああぁぁっ!!」

    ……情けない悲鳴をあげてしまうのも仕方ないだろう。
    誰だって朝起きて目の前にモノクマが居たら驚く。驚かないのなんて東条さんと星くんと春川さんと……、

    ……あれ、結構驚かない人多くないか……? 僕が情けないだけなのか……?
  3. 3 : : 2017/04/10(月) 20:37:56

    起きたばかりのせいでまだうまく働かない思考をぐるぐると巡らせつつ、
    そんなこと考えている場合じゃないだろ、と自分を叱咤する。
    僕達をここに閉じ込め、コロシアイをしろなどと正気の沙汰とは思えないことを告げた存在と、二人きり。
    一気に体中が冷え切っていく感覚に襲われた。
    モノクマは直接殺したりはしないと言った。だが、そんなものが信じられる筈も無い。

    「……何の用だ」
    「いやぁ、オマエラって全然殺る気が無いよね! 学園長として残念だよ……。
     こんな出来の悪い生徒を迎え入れちゃうだなんて……」
    「コロシアイなんて絶対にしないぞ……!」

    苛立ちと共に睨みつける。だが僕の睨みなんて全く効果は無いようで、モノクマは
    心を逆撫でにしていくような言葉ばかりを紡いでいく。

    「赤松さんと百田くんのせいでオマエラ全員反吐が出るような友情物語の
     登場人物みたくなってるしさぁ……。なってない、なってないよ!
     そんな中、ボクは君に可能性を感じた訳ですよ最原くん!
     うんうん……悩める生徒に道を示してあげるのが学園長としての務めだよね!」
    「……可能性……?」
    「うぷぷ……分からないフリなんてさせないよ。君は成長してしまったら
     全部を壊すとんでもない怪物になっちゃいそうだけど、今の君なら……」

    流石に希望も絶望も否定するような怪物はボクとしても許容範囲を超えてるからね、
    そう嗤うモノクマの声も、耳を素通りしていく。
    ……可能性? 何の? ……「コロシアイ」の?
  4. 4 : : 2017/04/10(月) 20:40:53

    「っ、ふざけるな! 僕は殺したりなんて……!」
    「またまた、素直になりなよ最原くん。
     その感情は、君の境遇なら抱いても仕方のないことだからね!」

    ばくばくと心臓が脈打つ。鼓動が速くなるのを感じる。

    「そんな君の為に、スペシャルな動機を用意しましたー!」

    声も発せない僕を嘲笑うかのように、モノクマはどこからか四角形の箱のような物を取り出し、僕の眼前へと突き付けてきた。

    「これはね……「嫌われスイッチ」って言うんだ。これを押せば、あっという間に
     君は皆の嫌われ者に! 台所の黒い悪魔もびっくりな嫌われっぷりになれるよ!」
    「なっ……!」

    白い箱に赤い押しボタンが付いた、至ってシンプルな物体。
    だが、モノクマの説明を聞いた途端、それがどんな銃火器よりも恐ろしい物に思えてしまう。

    「でも、こんな物無くたって、皆心の奥底では君のこと嫌いかもしれないけどね……うぷぷ!
     大丈夫! このスイッチの効果はたった1日、24時間だけだからさ!
     ……まあ効果が切れた時、君が今まで通り皆と仲良くできるかなんて全く分かんないけどね! ぶっひゃっひゃ!!」
    「……やめろ」
    「皆が君に酷いことをする! でもそれは全部このスイッチのせい!
     つまりはボクのせい! 最原くん、君はどうする?
     赤松さんのように、それでもボクが悪いってボクだけを責められる?

     ……断言してあげるよ、それでも君は、皆を憎むだろうね!」
    「やめろ!」

    僕の叫びがこの絶望の化身に届く筈も無く。
    ……モノクマの丸い手が、スイッチを押した。
  5. 5 : : 2017/04/10(月) 20:43:07

    「ぶっひゃっひゃ! 良いねぇ、早速良い顔をしてくれるね最原くん!
     それじゃ、今日一日、たっぷり楽しんでね……。
     大丈夫! 流石に死にそうになったら助けてあげるよ!
     君が生きてこその、この動機なんだから!」

    耳障りな嗤い声と共にモノクマが居なくなる。
    ……それでも僕は、ぴたりとも動くことが出来なかった。

    (……嫌われる? 皆に……?)

    思考がぐちゃぐちゃに掻き乱される。
    そんなの非現実的だ、人間の感情をコントロール出来る筈も無い。
    そう訴える理性を、荒れ狂う感情が否定する。
    超高校級の称号を受けた16人を攫い、記憶を奪えるような力を持つんだ、
    感情をコントロールすることだって出来るんじゃないのか。

    (……皆に、あの時と同じ目で見られるのか?)

    僕が超高校級に認定される切っ掛けとなった、あの事件。
    あの犯人と、同じ目を。

    そんな時、ピンポーンとインターフォンが鳴った。

    「……!」

    嫌いになったというなら、わざわざ呼びに来る必要は無い。
    ならば朝食の誘い? やはりモノクマの言ったことは嘘だったのか。
    ……それでも、もしかしたらと、怯えてしまう自分が居る。
    いつも以上に、帽子を深く被った。相手の目どころか、表情すらも見えないように。

    「ご、ごめん。遅くなって……」
    「最原くん! 大丈夫!?」
  6. 6 : : 2017/04/10(月) 20:45:21

    その声はいつも以上に焦りを含んだもので。
    それが誰かを認識するよりも先に、がばっと抱きつかれた。

    「……え?」
    「いつもは8時をちょっと過ぎたくらいには来るのに、9時になっても来なくて……!
     皆心配したんだよ! 何度もインターホンを鳴らしたのに全然出て来てくれなくて……!」
    「そ、そうなの? ごめ……は、離れ……」

    訪ねて来たのは赤松さんだった。混乱しながらも謝罪の言葉と離れてくれという
    言葉とを告げれば、赤松さんは「あっごめんね」と抱き付くのを止めてくれた。

    「本当に良かった……最原くんに何かあったのかと思って……」
    「……ごめん」

    ……なんだ、やっぱりモノクマの嘘だったんだ。
    それもそうだ、人の感情をコントロールする機械なんて作れる筈も無い。
    きっと僕を疑心暗鬼に陥れる為の罠だったに違いない。

    「……最原くん、どうかしたの? 顔色が悪いよ?」
    「……え、あ、その、何でもない……」

    モノクマに騙され皆を疑いかけた自分が情けない。申し訳なさで俯きつつも、赤松さんに誤魔化しの言葉を吐く。
    けれどそんな誤魔化しは彼女には全く通用せず。
  7. 7 : : 2017/04/10(月) 20:47:00

    「もしかして……モノクマに何か言われたの?」
    「えっ」

    なんで分かるんだ。驚きのあまり物凄く間抜けな声を出してしまった。
    しかもそのせいで彼女の中で「僕がモノクマに何かを言われた」というのは確定してしまったらしい。
    まるで安心させるかのように、手をそっと握られた。

    「ほら、皆も待ってるから。行こう?」
    「う、うん……」

    いつも通りというものがこれ程有難いと思ったことは無い。
    赤松さんに手を引かれつつ、一緒に食堂へと歩く。

    ……何か、今日の赤松さん、距離感が近くないか?

    いや、きっと気のせいだ。僕が自意識過剰になってるだけだ。


    ──その違和感が気のせいではないことを、僕は食堂に着いてから思い知ることになる。
  8. 8 : : 2017/04/10(月) 20:49:14

    ──食堂


    赤松「皆! 最原くんを連れて来たよ!」

    百田「終一! 無事か!?」

    春川「……何事も無くて良かった」ボソッ

    王馬「もう! オレをこんなに心配させるなんて最原ちゃんってば……」

    獄原「王馬くんすっごく最原くんのこと心配してたもんね!
       ゴン太もすっごく心配だったんだよ……!」

    入間「どうせ朝っぱらからおっ起てちまって一人シコシコしてたんだろ
       こんのクサイ原が! ……な、何かあったのかと焦っちまっただろ……!」


    最原「え? え、えっと……ごめん……」


    夢野「んあー……ウチは勿論信じておったぞ、最原が無事と……!」

    茶柱「夢野さんを不安にさせるなんて、他の男死だったら
       投げ飛ばしているところでしたよ! 無事で何よりです……!」

    夜長「主の言う通りだったよー、終一は無事ってー」

    真宮寺「ククク……君の安否を確かめる為に団結する……。
        やはり人間は美しいネ……!」


    キーボ「……あの、皆さん……?」


    白銀「私も地味に心配したんだからね?」

    星「……どうした? 顔色が悪いが……何かあったのか?」

    天海「悩み事なら抱え込んじゃ駄目っすよ、話を聞いて貰うだけでも大分違うっす」

    東条「皆に話し辛いことなら私に相談して頂戴。絶対に解決してみせるわ」


    最原「……あ、あの……皆……大袈裟じゃないかな……」

    キーボ「そうですよ、一体どうしたんですか?
        最原クンが寝坊しただけで大袈裟過ぎませんか?」
  9. 9 : : 2017/04/10(月) 20:52:55

    王馬「大袈裟なんかじゃないよ! こんな訳の分からない所に閉じ込められて
       コロシアイを強要されている中で来るのが遅いなんて、
       死んでるかもしれないって心配するに決まってるだろ!?」

    茶柱「本当ですよ! 心配したんですからね!?」

    百田「……終一、本当にどうしたんだ? 体調でも悪いのか?」

    東条「……最原君、少し失礼するわね」

    最原(東条さんの声が聞こえたかと思うと、そっと優しく手を握られていた)

    東条「……熱は無いわね。何か体に異常は?」

    最原「う、うん。無いよ」

    東条「そう、でも何かがあったら直ぐに呼んで頂戴」


    王馬「全く! オレの心配は安くないんだよ? 最原ちゃんは罰として今日一日オレの物になってよね!」

    夜長「……小吉ー、一人占めは良くないって神様も言ってるよー?」

    王馬「ニシシッ、冗談だよ! 楽しいことは皆でやらなきゃね!
       という訳で夢野ちゃん、マジックショーやってよ!」

    夢野「んあー! あれは魔法と言っておろうが!!
       ……まあ最原も無事だったしの、特別にウチの魔法を見せてやっても良いぞ」

    茶柱「王馬さんの意見というのは癪ですが、夢野さんの魔法はとっても楽しみです!」

    赤松「ならBGMは任せて! シャブリエのブーレ・ファンタスクみたいな、
       とびきり楽しくなっちゃうような曲を弾いちゃうよ!」

    獄原「力仕事は任せてよ! ゴン太も夢野さんの魔法、とっても楽しみだから!」


    入間「じゃあオレ様は童貞拗らせた野郎共の為に開発マシーンでも用意してやるよ! ヒャッヒャッヒャ!」

    赤松「……入間さん?」

    入間「な、なんだよぉ……オレ様だってちゃんと手伝うよぉ……」

    白銀「えぇ~……本当かなぁ」

    入間「何だよ地味メガネ! オレ様の美貌を僻んでんのか!?」

    白銀「……入間さんって、口を閉じていれば美人なのにね。
       ほら、残念な美人ってやつ?」

    入間「ひ、ひぐぅ! そ、そこまで言うのぉ……?」
  10. 10 : : 2017/04/10(月) 20:55:25

    真宮寺「……なら僕は、皆が楽しめそうな話でもするかな」

    茶柱「真宮寺さんは夜に怪談でもしたら凄く様になりそうですね……」

    天海「あー、確かに。なら俺も自慢の怖い話でもしましょうか?」

    真宮寺「どうせやるなら舞台も完璧にしたいネ……天海くん、一緒に考えないかい?」

    天海「良いっすよ、今日も楽しい一日になりそうっすね」

    百田「か、怪談っ!? オレはそんなのお断りだからな!?」

    春川「……怖いの?」

    百田「バッカヤロー! オレは宇宙に轟く百田解斗だ! 怖い物なんてねーよ!」

    春川「ならトレーニングの後に怪談大会でもしようよ、全員でさ」クスッ

    百田「鬼かよ! お、でも笑った顔は可愛いなハルマキ!
       もっと普段からニコニコしてりゃいいのによ!」

    春川「ハァ!?」マッカー


    星「場所はどうするんだ? 赤松の研究教室はマジック……」

    夢野「魔法じゃー!」

    星「悪かった悪かった、魔法を使うには狭いだろ」

    王馬「ゴン太なら体育館までピアノも運べるんじゃない?」

    獄原「うん! 傷付けないように慎重に運ぶよ!」

    夜長「ほんとゴン太は凄いねー! 神ってるー!」

    東条「ふふ、計画を立てるのも良いけれど、まずは朝食を食べましょう。
       全て温め直したわ。本当は作り直すのが良いんでしょうけど……」

    星「アンタの料理は冷めても美味いんだ、捨てるのは勿体ねぇよ」

    東条「メイドとして当然よ。……ありがとう」


    ワイワイキャッキャウフフ


    最原「……」

    キーボ「……」

    最原「あのさ、キーボくん……」ボソボソ

    キーボ「……何でしょう、最原クン」ボソボソ
  11. 11 : : 2017/04/10(月) 20:57:48

    最原「……何か、皆、凄く仲良くなってない……?」

    キーボ「そうですよね!? 最原クンもそう思いますよね!?」


    王馬「どうしたのさキー坊、行き成り叫んで」

    キーボ「皆さんおかしいですよ!? 急に仲良くなりすぎじゃないですか!?」

    入間「ハァ? 何突然変なこと言いだしてんだよキーボ、メンテしてやろうか?」

    獄原「あっ! もしかしてキーボ君、一人だけ食べられないから寂しいの!?
       ご、ごめん! 今まで気付けなくて……
       友達が寂しがっているのに気付けないなんて……ゴン太は紳士失格だよ……!」

    キーボ「いやそれは今更ですし気持ちだけでも嬉しいですありがとう獄原クン!」

    王馬「そうだよゴン太! ロボットが物を食べられないなんて当たり前なんだから
       気にする必要無いよ! いや~、こんなに美味しい東条ちゃんの料理が食べられないなんてほんと可哀想な鉄屑だよね~!」

    キーボ「ロボット差別は止めて下さい!
        ……王馬クンはいつも通りですね……物凄く複雑ですが……」

    王馬「そんな可哀想なキー坊にはこれをあげるよ!」ポイッ

    キーボ「うわっ何ですかこれ! ……寿司の形のストラップ?」

    王馬「天海ちゃんと暇つぶしで作ったんだよね~」

    天海「何故か寿司の形になってたんですよ、世の中不思議なこともあるもんっすね」

    キーボ「……お二人共、ありがとうございます」ニコッ


    最原(あの雰囲気にキーボくんも呑まれたー!?)

    最原(というか王馬くんと天海くんはいつの間にストラップとか作ったの!?
       そして何で寿司の形になるの!?)

    最原(や、やっぱりおかしいよ皆……春川さんは百田くんにデレ成分高めだし……。

       王馬くんは場を引っ掻き回すような嘘つかないし……。
       茶柱さんは男子相手でも終始穏やかだし……夢野さんはやる気に満ち溢れてるし……。
       入間さんはいつもよりも下ネタが控えめな気がする……。
       星くんもいつもより楽しそうだし……。

       ……あ、あれ? 全部良いことでは……? 寧ろおかしいのは僕の方……?)
  12. 12 : : 2017/04/10(月) 21:01:13

    赤松「……最原くん?」

    最原「うぇっ!?」ビクッ

    赤松「わっ、驚かせてごめんね!? まさかそんなに驚くとは……」

    最原「う、ううん。こちらこそ……」

    赤松「……やっぱり、モノクマと何かあったんだね?
       全然食べてないから気になったんだ。今は大分良くなったけど、さっきは顔色も悪かったし……」

    最原「えっと……それは……」


    「「「「おはっくまー!」」」」


    赤松「きゃああぁぁ!?」

    最原「うわぁっ!?」


    モノタロウ「朝ごはん中にこんにちは!」

    モノファニー「この時間ならおはようございますじゃないかしら……?」

    モノタロウ「あれれ? そうだっけ? そもそも今って朝だっけ?」

    モノスケ「食事の時間とか毒殺のチャンスやん! もっとキサマラ気張らんかい!」

    モノキッド「そうだそうだ! 刺激が足りねぇぞ!」

    モノダム「……」


    百田「クソッ、何の用だテメー等! オレ達はコロシアイなんて絶対にしねぇぞ!」

    東条「……皆の朝食の時間を邪魔しないで貰えるかしら」


    モノダム「……」

    モノスケ「その殺気はワイ等やなくて隣人に向けんかい!
         ……まあ今回は別に害を与えようと思って来た訳やない」

    モノキッド「父ちゃんからの伝言を預かって来てるぜ!」

    モノファニー「ほら、モノタロウ」

    モノタロウ「えっとねー、あっ居た居た。最原くんに伝言だよー!」


    最原「僕に?」

    最原(……やっぱり、あのスイッチに関してか?)
  13. 13 : : 2017/04/10(月) 21:04:29

    モノタロウ「このモノクマパッドを見……」


    最原(……それは一瞬の出来事だった)

    最原(僕に向けて薄い箱型の機械を差し出してくるモノタロウと僕の間に、瞬く間に現れ、僕を庇うようにして立つのは……)

    最原(百田くんの傍に居た筈の、春川さんだった)

    春川「……爆弾とかは仕掛けられてない、か。見る? 最原」

    最原(モノタロウからモノクマパッドという機械を奪い取り、
       隅から隅まで確かめてから、僕へと手渡してくる)

    最原(……って、え? 爆弾……?
       ……うん、春川さんも絶対おかしいよね……?)


    百田「爆弾とか分かるのか? すげーなハルマキ! 流石はオレの助手!」

    春川「……凄くなんかないよ。私、保育士って言ってたけど……本当は暗殺者なんだ」

    百田「へー、暗殺者……暗殺者!?」

    真宮寺「……成程ネ、こんな状況下でもあまり動じないその精神……。納得したヨ」

    春川「……今まで騙しててごめん」


    赤松「……ううん、寧ろ頼もしいよ! 打ち明けてくれてありがとう」

    星「人殺しって言うのなら俺も一緒だ。……こいつ等は俺さえも受け入れるんだ、
      アンタを受け入れられない筈無いさ」

    王馬「……ふーん。まっ、依頼が来ないこの状況じゃ暗殺なんてしないだろうし、
       うん、オレは悪の総統だからね! 暗殺者だろうと気にしないよ!」

    春川「……ありがとう」


    最原(皆の言葉に、春川さんは安心したように息を吐いた。
       あ、暗殺者だったんだ……。確かにちょっと怖いけど、それ以上に頼もしい)
  14. 14 : : 2017/04/10(月) 21:07:34

    獄原「……あれ? いつの間にかモノクマーズ達が居なくなってるよ?」

    夢野「最原に目的の物は渡せたし、帰ったんじゃろうな」

    東条「……最原君。モノクマーズから渡されたそれ……少し貸して貰えないかしら」

    天海「そうっすね、あいつ等が渡してきたとなると……ロクな物とは思えませんし、
       何なら俺が先に見ましょうか?」

    最原「いや、良いよ。心当たりはあるから……」


    最原(皆が画面を覗き込もうとしてくる中、パッドの「再生」と書かれたマークをタッチする。

       そして、画面に映し出されたのは……)


    モノクマ『……』


    最原(椅子に座りこんで物凄く落ち込んでいるモノクマだった)


    入間「ぷっ! 凄ぇ落ち込みようだな! 良い気味だぜ!!」ゲラゲラ

    キーボ「最早キノコが生えそうなレベルですね……」


    モノクマ『……ハァ~……最原くぅん、見てる~……?』


    茶柱「しかも声も物凄く落ち込んでますよ! ザマァミロって奴ですね!」

    白銀「うんうん、地味にプギャーって感じだね」
  15. 15 : : 2017/04/10(月) 21:12:21

    モノクマ『あのさぁ……朝に押したあのスイッチさぁ……。
         ボクが作ったのは「嫌われスイッチ」の筈だったのにさぁ……。
         何故か効果が逆転しちゃってたみたいなんだよねぇ……』


    夢野「嫌われスイッチ……じゃと!?」

    天海「名前を聞いただけでも恐ろしいっすね……」


    モノクマ『言うなら「愛されスイッチ」ってやつ?

         ……しかもさぁ、作る時に、皆が殺伐な雰囲気になりますように、
         皆の自分勝手な醜い感情が膨れ上がりますようにってお祈りしながら作ったからさぁ……そこまで逆転してさぁ……。

         多分今の君の周り、絶望的に平和でほのぼのとしてるでしょ?

         ハァ~……本当に絶望的だよ……ボクがこんなミスするなんて……』


    真宮寺「……もしもモノクマが言うように「嫌われスイッチ」がそのままの
        効果を発揮していたらと思うと……ゾッとするネ……」

    星「あぁ。……最原に酷いことをしてしまうなんて、考えたくも無い」


    モノクマ『こんなの腐女子が書いた全体的にコレジャナイ感が漂いまくる総受け小説だよ……。
         解釈違いでファン達が血で血を洗う争いを始めちゃうやつだよ……』


    東条「……よく分からないことまで言い出したわね」

    夜長「主は言いました、多方面に怒られそうな発言はするもんじゃないと」


    モノクマ『こんな絶望ボクの許容範囲外だよ……視聴者からのクレーム間違い無しだよ……。
         逆転してるせいで効果持続時間もどれくらい長いのかさえ分からないし……。

         もう希望は最原くん! 君しか居ないんだ!

         どうかとびっきりの絶望を育んでね!! だって君は……』ブツン


    最原(最後に何かを言いかけて、映像は終わった)
  16. 16 : : 2017/04/10(月) 21:18:28

    最原「……「だって君は」……? モノクマは、何を……」

    春川「……最原、気にする必要無いよ。どうせ思わせぶりなことを言って少しでも動揺させようとしてるに違いないし」

    百田「おう! そうだぜ終一!」ガバッ

    最原「うわっ!?」

    春川「……殺されたいの?」ギロッ

    最原(百田くんに春川さんごと抱き付かれた……! 春川さん顔が赤くなってるよ……!)

    百田「オレがお前を嫌うなんて100%ありえねーけどよ、もしもあのスイッチが
       名前通りの効果を発揮してたらと思うと……まあ、あんな機械に負けるようなオレじゃねーけどな!」

    春川「……近い、離れて」

    百田「あぁ、ワリーワリー。まぁ、結局はそんな恐ろしいことにはならなかったんだ!
       オレ達の友情が壊れるなんてありえねぇって!」

    春川「……百田と一緒っていうのは気に食わないけど、私も同じ。
       あんな物でアンタを嫌いになってたかもしれないと思うと……」

    最原「……百田くんも春川さんも、気にしないでよ。
       むしろ僕こそ、モノクマの話を聞いてちょっとでも皆を疑っちゃってごめん……はは、情けないよね……」

    赤松「そんなこと無いよ! 誰だって、友達に嫌われるのは怖いもん。
       ……私達が最原くんを嫌いになる訳無いじゃん、友達でしょ?」ニッコリ

    最原「……うん、ありがとう」
  17. 17 : : 2017/04/10(月) 21:25:01

    キーボ「……しかし、これで皆さんが変になった理由も分かりましたね」

    王馬「モノクマも馬鹿だよねー! これで皆益々一致団結してコロシアイなんてしなくなるよ!」

    天海「だからこそモノクマもあんなに落ち込んでたんでしょうしね」

    白銀「……でも、例え悪影響が無いとしても怖くないかな?
       今回は失敗したとしても、それでも皆の思考をコントロールしてるんだよ。

       ……それって、地味に恐ろしいことだと思うよ」

    最原「! 確かに……」

    夜長「つむぎー」ギューッ

    白銀「わわっ、アンジーさん……?」

    夜長「主は言いました……終わり良ければ全て良しと……。
       にゃははー、結果的には皆仲良くなってるからいいのだー!
       ぴりぴりするよりもほのぼのする方が楽しいぞー?」

    獄原「ゴン太もそう思うよ! やっぱり仲良しなのが一番だよね!」

    白銀「うーん……確かに、ネガティブに考えるよりはポジティブな方が良いよね。
       うん、ありがとうアンジーさん」

    東条「不安はあるけれど……ずっと不安を抱え続けているよりは、前向きに考えましょう。
       ただでさえ、こんな場所に閉じ込められている時点で心は疲弊するわ。
       疑うよりも信じる方が、心は楽になるもの」

    王馬「流石はママ! 良いこと言うね!」

    東条「……私も貴方達と同じ高校生よ、その呼び方は止めて頂戴」ハァ

    茶柱「そうです! 東条さんに何てことを言うんですか!
       これだから男死は……! あまり酷いことを言うと投げますからね!?」

    天海「前は少し触れただけで投げていたのに……案外男も悪いもんじゃ無いってこと、
       分かって貰えたと思っていいっすかね?」フフッ

    茶柱「ううううるさいですよ! ここに居る皆さんは他の男死に比べればマシってだけです!
       訳の分からないことを言っていると投げますから!」

    王馬「それオレ知ってる! 白銀ちゃん的にツンデレって言うんでしょ?」

    夢野「こ、こらっ! お主達、あまり転子を苛めるとウチの魔法で懲らしめるぞ!」

    茶柱「夢野さん……!!」キラキラ

    夢野「んあー! 引っ付くでない!!」

    白銀「うーん、ツンデレと言ってもツンデレにも色々と種類があって……」
  18. 18 : : 2017/04/10(月) 21:30:49

    最原(その後朝食を食べ終えた僕達は、王馬くんの提案通り、
       午後に行う夢野さんのマジックショーの為の準備を始めた)

    最原(皆、昨日までのぴりぴりとした雰囲気は無くなり、和気藹藹としている)

    最原(それはもう、まるで、今自分達が置かれている状況を忘れているのではないか、そう思ってしまう程に)


     白銀『今回は失敗したとしても、それでも皆の思考をコントロールしてるんだよ』


    最原(皆は気にも留めていない様子だったけれど……)


    最原(僕の心には、白銀さんのあの言葉が、残り続けていた)
  19. 19 : : 2017/04/10(月) 21:32:25

    続きは多分明後日くらいになると思います。
  20. 20 : : 2017/04/10(月) 22:59:40
    続きが気になる!期待!
  21. 21 : : 2017/04/10(月) 23:31:29
    平和可愛い
  22. 22 : : 2017/04/13(木) 20:12:29

    ──倉庫


    茶柱「夢野さん! 今回はどのような魔法をお使いに?」

    夢野「うむ、今日使う魔法は……物が消えたり増えたりする魔法じゃ」

    王馬「えーっ!? 何だよそれ……魔法って言うから楽しみにしてたのに……
       白銀ちゃん並みに地味じゃんか……がっかりだよ……」

    夢野「馬鹿にするでない! いくら偉大なる魔法使いであるウチとはいえ、
       人間を対象にする魔法を使うにはMPが足りんのじゃ!」プンスコ

    白銀「王馬くん……地味に私のことも馬鹿にしてないかな、それって」

    王馬「ニシシッ……バレちゃった?」

    獄原「えぇっ!? 王馬くん、白銀さんのことを馬鹿にしたの!?
       駄目だよ! そんなの紳士じゃないよ!」

    茶柱「獄原さんの言う通りです! というよりも何故貴方達までここに居るんですか!」

    獄原「先にピアノを運ぼうと思って、赤松さんの研究室まで言ったんだけど……」

    王馬「明らかにドアの大きさよりもピアノの方が大きくて、
       そのまま研究室から運び出すのはどう考えても無理だったんだよねー!」

    獄原「うぅっ……直ぐに気付けなくてごめんね……」

    王馬「それでオレが「バラバラにして体育館で組み立てれば?」って言ったら
      「パズルみたいに単純じゃないんだよ!?」って怒られちゃってさー!」

    白銀「まあ……ピアノバカを自称するくらいピアノが大好きな赤松さんの前で
       冗談でもそんなこと言ったら怒られても仕方ないよ……」

    王馬「純真無垢な心を持つオレは赤松ちゃんの態度に傷付いてさ……
       夢野ちゃんのマジックの仕掛けを根こそぎ暴いて全世界にばら撒いてやろうと……」

    獄原「あれ? 夢野さん達だけだったら重い物を持つのが大変だから
       紳士として手伝おうって言ってなかったっけ……?」

    夢野「ウチのは魔法だと何回言えば分かるんじゃ!
       んあー! ウチに十分なMPがあれば今すぐお主を消し去っていたものを……!」

    茶柱「ハンッ! これだからデリカシーの無い男死は!
       ここは男死禁制です! 獄原さんはともかく……王馬さん! 今すぐ出て行って下さい!」

    王馬「えっ……茶柱ちゃん……そこの二人のこと、女だと思ってたの……?」ユビサシ

    茶柱「なんですか! 話を誤魔化そうとしたってこの転子が……」チラッ
  23. 23 : : 2017/04/13(木) 20:15:08

    真宮寺「今ではマジックと呼ばれることが多いけれど、奇術とも言ってネ……。
        奇術の歴史はかなり古く、古代では権力を得る手段として使われていたそうだヨ。
        あァ、そもそも奇術は魔術を実現する為に発展してきたともされているから、
        夢野さんが魔法と呼ぶこともあながち間違いでは無いと言えるネ」

    天海「成程……おっ、これとかどうっすか?」

    真宮寺「……ンー、悪くないネ」


    茶柱「キェェェェェ!?」

    夢野「んあー!? う、うるさいぞ転子! 隣で急に叫ぶでない!」ビクゥッ

    王馬「凄いや茶柱ちゃん! オレ、あの二人が女だったなんてぜんっぜん気付かなかったよ!」

    獄原「そうだったの!?」

    白銀「落ち着いてゴン太くん。王馬くんの嘘だから」

    天海「茶柱さんの叫び声らしきものが聞こえたんすけど……どうかしました?」

    茶柱「い、い、いつの間に来たんですかー!?」

    真宮寺「ほら、さっき天海君と一緒に怪談会でも開こうと約束したからサ……。
        どうせやるのなら本格的なものをと思ってネ」

    天海「使えそうな物は無いかと探してるんすよ。
       この倉庫、驚くほど物が多いし広いんで……」

    真宮寺「僕と天海君でこの辺りを探して、夜長さんと入間さんとキーボ君には
        向こうの辺りを探して貰うように頼んでいるんだヨ」

    白銀「あー……そっか、向こうの方から聞こえてくる騒ぎはその三人かぁ」

    ギャーギャーワーワーロボットサベツデス
  24. 24 : : 2017/04/13(木) 20:17:28

    白銀「……キーボくん大丈夫なのかな?」

    王馬「うわー! このままだとキー坊が入間ちゃんに改造されて
       スーパー希望人になってこの学園を全部破壊しちゃいそうだね!」

    獄原「えっ!? は、破壊!?」ガーン

    王馬「急ぐぞゴン太! このままじゃキー坊の心が失われて
       役立たずの鉄の塊からただの鉄の塊になってしまうんだ!」

    獄原「何だって!? 助けないと……!」

    王馬「キュアライアーとキュアインセクトの名に懸けて世界を救うんだ!!」ビシィッ

    白銀「じっちゃんの名には懸けないんだね……」


    ダダダタスケニキタヨウワフエタ


    天海「王馬君と獄原君が居ると場が和むっすね」

    真宮寺「キーボ君にとっては大変だろうけどネ……」

    茶柱「むむっ……夜長さんと入間さんが心配ですね……。
       転子、少し向こうの様子を見て来ます! 夢野さん、白銀さん!
       そこの男死二人に何かされそうになったら直ぐに逃げるんですよ!」

    白銀「んー……天海くんも真宮寺くんも、
       真面目だからそんなことは無いと思うけどね」

    夢野「まあ確かに天海も真宮寺も見た目だけなら怪しいのぅ……」

    茶柱「天海さんも真宮寺さんも二人の半径10m以内に近付いたら投げますからね!」ズビシィッ

    真宮寺「……それはもう倉庫から出ていけって言ってないかい?」

    天海「ははっ……手厳しいっすね」
  25. 25 : : 2017/04/13(木) 20:20:20

    ──ピアニストの研究教室


    最原(王馬くんとゴン太くんが倉庫に居る人達を手伝うと言って
       ここから去って行ってから1時間)

    赤松「……」~♪

    最原(夢野さんのマジックショーを、自分のピアノで更に素敵なものにしようと
       意気込んでいた赤松さんは、それが厳しいと分かって少し落ち込んだ様子だったけれど……)

    赤松「……」~♪~♪

    最原(今は物凄く楽しそうにピアノを弾いている。
       ……どうやら元気を取り戻したみたいだ、良かった)


    百田「もういっそ壁を壊してピアノが通るくらいの穴開けるっつーのはどうだ?」

    春川「……馬鹿なの?」ジロリ

    百田「馬鹿とはなんだ馬鹿とは!」


    最原(百田くんはどうにか体育館でも演奏出来ないか色々とメチャクチャな案を
       出しては春川さんにばっさり切り捨てられる……を繰り返している)

    最原(壁に穴って……そんなことしたらモノクマーズ達が黙ってないような……)

    最原(……でもモノクマが意気消沈している今なら大丈夫なのか?)


    春川「……最原、まさかこの馬鹿の言葉を真に受けたんじゃないよね」

    百田「んなっ……! さっきから容赦無さ過ぎるぞハルマキ!」

    春川「ハルマキは止めて」


    最原(うーん……モノクマーズ達に頼んで体育館にもう一台ピアノを用意してもらうっていうのは……。
       いや、駄目だ。僕達がコロシアイをすることを望む奴等が、僕達が団結するような行動に協力する訳が無い……)


    春川「……最原?」

    最原(そもそもモノクマが意気消沈していたあの映像だって本当かどうか……)

    百田「おーい、終一ー?」

    最原(やっぱりあの隠し扉のことを言うべきか? でも、赤松さんと百田くんが
       築き上げてきた今の平穏を、僕の勘違いかもしれない推理で壊すのは……)
  26. 26 : : 2017/04/13(木) 20:22:32

    赤松「……よしっ! やっぱり落ち込んだ時はピアノに限るよ!」

    春川「落ち込んでなくても弾いてそうだけどね」

    百田「良いぞ! 元気が一番だからな! そんじゃ早速行こうぜ!」

    春川「……何の話?」

    百田「どうやって壁を壊すかの作戦会議だ!」

    赤松「壊す……ってもしかしてここのこと!? 絶対駄目だからね!?」


    最原(……うん、やっぱり駄目だ。今まで全く使われた形跡が無かったんだ。
       疑心暗鬼にさせる為の罠の可能性もあるし、十分な証拠が無い以上……)


    百田「やる前から諦めてどうすんだ! 無理なんかじゃねー! やり遂げるんだ!」

    春川「……さっきからずっとこんなんなんだよ」

    赤松「あ、あはは……。集中してたからか喉渇いちゃったし、食堂で飲み物でも飲まない?
       それから他の皆を手伝おうよ!」

    春川「ピアノはもう良いの?」

    赤松「夢野さんのショーを観終わったらまた弾くよ!」

    春川「……ピアノバカを自称するだけあるね」

    赤松「えへへ……」テレッ

    春川「褒めてないんだけど」ハァ

    百田「ハルマキ……男っつーのはな、馬鹿に見えるくらい一直線に突き進むもんだ!」


    最原(……あ、あれ? 何故か頭の中によく分からない道を走るピンクの車が思い浮かんで……。
       ってこれ運転してるの僕!? え!? 僕の頭の中はどうなってるんだ!?)
  27. 27 : : 2017/04/13(木) 20:26:14

    春川「あんたが宇宙馬鹿ってことくらいもうとっくに知ってる」

    赤松「は、春川さん、ズバッと言い過ぎ……」

    百田「当然だろ! オレは宇宙に轟く百田解斗だからな!」

    赤松「今のは褒め言葉じゃないと思うよ!?」


     ◇question.『生徒達の中に首謀者は居るのか?』
        居る | 居ない | 分からない

    最原(えっ何だこの選択肢!? そんなの今の時点じゃ情報が少な過ぎて
       推理のしようが……! ってうわっ他の車も走ってるのか!?)


    赤松「ひとまず話は食堂で続けようよ。東条さんと星くんも気になるし……」

    春川「あの二人なら心配は要らないと思うけど。
       最初は東条、一人で良いって言ってたし」

    百田「まあ確かにな、他の奴らにも聞いてみてからどうするか決めるか」


    最原(うわ事故る事故る事故るうわあああああっ!!)


    赤松「最原くんも付き合わせちゃってごめんね。……最原くん?」

    最原「ガツンッ」

    春川「は?」

    最原「……うぅ……ハッ、よ、良かった……死んでない……」

    百田「……終一、本当にどうしたんだ?」


    最原(百田くんに未だかつてない程静かに諭された……!)ガーン


    赤松「うーん……やっぱりまだあんなことがあったから本調子じゃないのかな。
       無理させちゃってごめんね、最原くんは部屋で休んでても……」

    最原「い、いや大丈夫だよ! 僕だって夢野さんのマジックショー気になるし……」

    春川「……何か隠してない?」

    最原「本当に大丈夫だから……!」

    春川「ならいいけど」プイッ

    百田「まっ、大丈夫ならそれで良し! 行くぞ!」

    春川「……なんであんたが仕切ってるの」

    百田「もちろん! オレがボスでテメーらが助手だからだ!」

    赤松「助手って……私も!? いつの間に!?」

    最原「はは……百田くんって良い意味でメチャクチャだから……」

    赤松「うーん……最原くんの助手ならともかく、百田くんの助手っていうのは……」

    最原「……えっ? 赤松さん、今」

    赤松「何でもないよ! ほら、行こう! 百田くんと春川さんに置いていかれちゃう」グイッ

    最原「わわっ、急に手を引っ張らないで……!」
  28. 28 : : 2017/04/13(木) 20:29:25

    ──食堂


    東条「……ありがとう、星君。手伝って貰ってしまって……」

    星「普段からあんたには世話になってるんだ、これくらい当然のことさ」

    東条「私はメイド。貴方達の為に尽くすのは当然のことよ」

    星「あんたはそう思っていても、あいつらはそうは思っていないみてーだけどな」

    東条「……ええ、そうね。ここに居るみんなは、良い人達ばかりだわ」

    星「ああ。……俺には眩し過ぎるくらいだ」

    東条「あら、貴方だって。みんなに思われていると私は思うけれど」

    星「……もうこの話題は止めるか。終わりの無い水掛け論だ」

    東条「……えぇ、私もそう思うわ」


    百田「おう、東条、星! 何か手伝うことはあるか?」

    東条「いえ、もう仕込みは全て済ませたから大丈夫よ。今、飲み物を用意するわ」

    春川「……いつもお疲れ」

    東条「メイドとして当然のことよ、気にしないで」


    赤松「他のみんなはまだ倉庫に居るのかな?」

    星「そうみてーだな。途中、ボロボロになった真宮寺と天海が
      飲み物を飲んでいったが、着替えてまた倉庫に戻ったらしい」

    最原(真宮寺くんと天海くんに一体何が……)


     ◇question.『真宮寺と天海に一体何が起きたのか』
      倉庫の物が落ちてきた | 王馬が何かやらかした | 茶柱に投げられた


    最原(いやもういいよこれは!! どうせ王馬くんが何かして茶柱さんが二人を
       投げてその衝撃で倉庫の物が降ってきたとかだろ!!)ヤケクソ

    星「……最原はどうしたんだ?」

    春川「知らない」ハァ
  29. 29 : : 2017/04/13(木) 20:33:38

    ──その頃の倉庫


    夜長「いやー、さっきは凄かったねー」

    キーボ「そうですね……まさか王馬クンの嘘を真に受けた茶柱さんが
        天海クンと真宮寺クンを投げ、その振動で物が落ちてくるとは……」

    入間「ハンッ! あのツルショタが虚言癖ってことくらい分かってるだろうに
       アジ野のこととなると直ぐに頭がいっぱいになるんだからなあのレズ柱は!」

    王馬「なんでそんなに説明口調なの? やっぱりロボットだから?」

    キーボ「違います! ロボット差別ですよ!
        元はと言えば王馬クン! キミが茶柱さんに「夢野さんが真宮寺クンに
        縄で縛られ天海クンに妹になることを強要されかけている」なんて
        有り得ない嘘を吐くのが悪いんでしょう!」

    王馬「だって信じるとは思わなかったんだよ……オレは……
       場を和ませようと思って……言った……だけ、なのに……っ。
       ウワァァァァァァァン!! そんな風に言うなんて酷いよぉぉぉぉぉ!!」

    入間「あーもーうっせぇ!! どうせ嘘泣きだろーが!!
       オレ様に醜い音を聞かせるんじゃねーよ爪楊枝!!」

    王馬「ハァ? 万年発情期の雌豚とロボットが人間様に対してそんなこと言って許されると思ってんの?」

    入間「め、雌豚ぁ……?」ビクンッ

    キーボ「待ってください! なんでさりげなくボクまで巻き込んでいるんですか!?」

    夜長「……三人ともー、神さまは言ってるよー?
       片付けを手伝わない者には罰が当たるって」
  30. 30 : : 2017/04/13(木) 20:36:22

    茶柱「うぅ……男死とはいえ、天海さんと真宮寺さんには申し訳ないことを……」

    獄原「大丈夫だよ! 天海くんも真宮寺くんも紳士だから謝れば許してくれるよ!」

    夢野「そうじゃ、大体悪いのは全部王馬じゃ」

    白銀「……」

    獄原「……白銀さん?」

    白銀「あぁ、ごめんね。つい考え込んじゃって」

    茶柱「へ? どうしたんですか? もしや男死が……!」

    白銀「いやいや、何でもないんだ。早く片付けちゃおうよ!」


    天海「まさか王馬君にあんな嘘を言われるとは……少し驚いたっす」

    真宮寺「ふぅん……どうして?」

    天海「……俺、妹が居るのは本当なんすよ。流石に偶然でしょうけど……」

    真宮寺「ヘェ……君にも姉妹が居るんだネ」

    天海「「にも」ってことは……真宮寺君にも?」

    真宮寺「あァ、姉が一人」

    天海「そうだったんすね、真宮寺君が弟とは……結構意外っす。
       真宮寺君って頼りになるし、どちらかといえば兄っぽく見えるんで」

    真宮寺「ククク……嬉しいことを言ってくれるネ。
        ……おや? これは……」

    天海「あっ、トランプ。こんなところにあったんすね……。
       なかなか見付からないって夢野さん達が騒いでいたのも、納得っす」

    真宮寺「色々と種類があるネ……。僕達には奇術に使うトランプは
        分からないから、夢野さんに聞こうか」

    天海「そうっすね、ちゃちゃっと片付けて持っていきましょう」
  31. 31 : : 2017/04/13(木) 20:56:22

    ──再び食堂


    東条「お待たせ。みんな、飲み物はこれで良かったかしら」

    百田「ばっちりだぜ! いつも悪ぃな東条」

    春川「……ありがとう」

    赤松「早い上にその時私達が飲みたい物を用意してくれるし……。
       東条さんって本当に凄いよね。もしかしてエスパー?」

    東条「普段から口にしている物と、それまでにしていた行動で大体の予測はつくわ。
       状況に合わせ適切な物を用意するのもメイドとしての務めよ」

    赤松「普通のメイドはそんなこと出来ない気がするんだけど……」

    東条「最原くんには気分が落ち着くカモミールを淹れてみたのだけど……。
       どうかしら?」

    最原「……確かに、少しホッとしたような気が……。ありがとう東条さん」


    最原(そうだよな。どうしてこんなに焦っているんだろう、僕は……)


    百田「なんだ、星。テメーいつもより良い顔してるじゃねぇか!」

    星「……やれやれ、俺としたことが。あんた達に影響されちまったか」

    春川「馬鹿ってうつるから仕方ないよ」

    星「違いねぇ」

    百田「……なあハルマキ。オレはテメーに何かしちまってたのか?」

    春川「別に」

    百田「何か悩みがあるなら言ってみろ! 助手の悩みを解決するのもボスの務めだからな!」

    春川「悩みとか無いし」シラッ

    赤松「……もしかして春川さんって」

    春川「それ以上言ったら許さないから」

    赤松「い、言わない言わない!」

    百田「何ぃ!? 赤松は分かったのかよ! どうしてオレには教えてくれねぇんだハルマキ!」

    最原「落ち着いてよ百田くん、もしかしたら僕達男には聞かれたくない話題かもしれないし……」

    百田「……あぁ、成程な。確かに女にとっちゃ男には聞かれたくない話題か」

    赤松「……百田くん、何か勘違いしてない?」

    百田「何がだ? 悪かったなハルマキ、辛いだろうに無理させちまって。
       薬が無かったんならオレがモノクマーズに話して貰ってくるから安心しろ!」

    春川「……何の話?」

    百田「何って、お前、せ」


    最原(それは一瞬の出来事だった)

    最原(……百田くんの発言からどうなったのかは忘れることにしよう、うん)
  32. 32 : : 2017/04/13(木) 21:02:30

    突然ですが、画面の前の皆様にこのSSについての説明をさせていただきます。
    え? 今までのは一体何だったのかって? プロローグのようなものです。
    まあ細かいことを気にしていても仕方ないでしょう。それより大事な説明を。

    このSSは今までご覧戴いた様に、才囚学園の生徒の皆様が学園内で過ごす様子を見守るものです。
    見ているだけではつまらない? いえいえ、滅相もない。
    皆様の意見によって、生徒の皆様が平穏で退屈な雰囲気のまま過ごすのか、
    あるいは緊迫した雰囲気に戻るのか……ある程度決められるかもしれません。

    生徒の皆様には【絶望度】と【絆のカケラ】というステータスがあります。
    【絶望度】は、普通に過ごしているだけでも少しずつ増加していくものです。
    まあ閉じ込められてコロシアイをしろなんて言われているのですから、超高校級とはいえ高校生の彼らには当然のことでしょう。
    この数値が増えれば増える程、【マイナスイベント】が起こる可能性が高くなってしまいます。

    【絶望度】は、【交流会話】や【プラスイベント】への参加によって減少します。
    また、増減の仕方は、生徒によって様々です。上昇しやすい生徒も居れば、上昇しにくい生徒も居ます。

    ……おや、各種イベントについての説明をしていませんでしたね。これは失礼。
    イベントは3種類。【プラスイベント】【マイナスイベント】【ストーリーイベント】があります。

    【プラスイベント】は、生徒の【絆のカケラ】の個数に応じて発生します。
    参加した生徒の【絶望度】を下げたり、【交流会話】を多く行えたり、「モノクマメダル」を入手出来たりするのでお得です。

    【マイナスイベント】は、生徒の【絶望度】の値によって発生します。
    生徒がしばらく行動不能になったり、特定の生徒の【絶望度】が一気に上昇したりするので、【絶望度】には気を付けた方が良いかもしれません。

    【ストーリーイベント】は、学園の謎についてを探り、脱出する為に行動するものです。
    特定の生徒同士の【絆のカケラ】が既定数を超えると発生します。
    場合によっては生徒の【絶望度】が上昇したり、学園内の開放されていない場所が開放されたりします。

    【交流会話】は、生徒達の中から二人を選び、会話を見ることが出来ます。
    【絆のカケラ】を確実に取得出来る他、【絶望度】を減少させられるので大変お得です。
    【交流会話】は、【プラスイベント】の他、「朝食」「夕食」の時間にも1回ずつ見ることが可能です。


    長くなってしまいましたが、要約すると

    「あまり気にしないで、見たい組み合わせを指定すればいい……と思うよ?」
    「らーぶらーぶ、でちゅ!」
  33. 33 : : 2017/04/13(木) 21:04:58

    ◆7日目・午前

    初回サービスとして「モノクマメダル」を20枚プレゼントいたします。
    「モノクマメダル」は、生徒達の【絶望度】を確認したり、
    モノクマにヒントを聞く為に必要となるので、集めて損は無いかと。

    「愛されスイッチ」の効果により、生徒達全員の【絆のカケラ】は1個です。
    本編と同じように、5個集まるとMAXとなります。


    現在、【プラスイベント】《魔法使いの魅せる夢》が発生中です。

    準備中の生徒達の【交流会話】を2回見ることが出来ます。

    一回の【プラスイベント】の中で、同じ生徒を続けて指定することは出来ないのでご注意ください。
    被った場合は安価下となります。
    (例・・安価1「最原と赤松」安価2「春川と百田」 ○
        安価1「最原と赤松」安価2「最原と百田」 ×)


    1、【交流会話】
    2、生徒達の【絶望度】を確認する(モノクマメダルを10枚消費します)
    3、モノクマにヒントを聞く(聞きたい内容によってメダルの消費数が変動します)

    ↓1
  34. 34 : : 2017/04/13(木) 21:22:57
    最原と東条
  35. 35 : : 2017/04/13(木) 21:30:45

    【交流会話】最原と東条

    あともう一組(最原と東条はもう選ばれたので選べません)

    ↓1
  36. 36 : : 2017/04/13(木) 21:35:03
    ゴン太
  37. 37 : : 2017/04/13(木) 21:40:31

    説明が分かりづらかったみたいで申し訳ありません……。
    コンビでお願いします……。

    という訳で再安価(最原と東条以外で二人)

    ↓1
  38. 38 : : 2017/04/13(木) 21:41:46
    王馬と夢野
  39. 39 : : 2017/04/13(木) 21:58:07

    【交流会話】【最原終一】と【東条斬美】
    【交流会話】【王馬小吉】と【夢野秘密子】

    今回の【交流会話】が決定しました。


    色々説明不足で意味不明だと思いますがこれからもお付き合いして頂ければありがたいです。
    質問等ありましたらお答えします。


    最初の辺りに安価要素が欠片も無いからって後出しするだなんてとっても絶望的だね!
    さりげなくタイトルにも付け足すだなんて本当に絶望的だよ……。
    でもこの絶望を乗り越えてこそ、大きな希望が輝く……!
    ボクはそう信じているんだ……君達が絶望を乗り越え、希望の象徴として輝くのをね……!


    続きはまた明後日くらいに。
  40. 40 : : 2017/04/13(木) 22:16:12
    オッケイ!お疲れさまです!
  41. 41 : : 2017/04/13(木) 22:18:31
    楽しみにしてるよ
  42. 42 : : 2017/04/15(土) 19:42:41

    【交流会話】【最原終一】と【東条斬美】

      ◆


     拗ねたように頬を膨らませつつも、やはり咄嗟に手を出してしまったことに
    申し訳なさを感じているのかチラチラと倒れている百田くんの様子を窺っている春川さんと、
    あれは仕方ないよと苦笑いでフォローを入れる赤松さんをぼんやりと眺めつつ、
    残り少ないハーブティーを啜る。

    まるで、今日だけではない、今までのこの生活の中で蓄積してきた疲労感も溶かされていくみたいだ。
    流石は超高校級のメイド……至れり尽くせり過ぎて、逆に主人がダメ人間になってしまうのではないかと妙な心配をしそうになる。

    「少しは気分も良くなったかしら」
    「うん、ありがとう」

    空になったティーカップをテーブルに置き、改めて礼を言うと、東条さんはどこか安心したように微笑んだ。
    本当に、彼女には頼りになりっぱなしだ。申し訳ないくらいに。

    「東条さんは本当に凄いよ、こんな状況でも冷静で居られるなんて……」
    「メイドたる者、仕える者として、どんな時でも落ち着いて対処するのは当然よ」

    さらっと言っているけど、並みの人間に出来ることでは無いような……。
    まあここに閉じ込められているのは、皆超高校級なんだから並みの人間じゃないのも当然なんだけど……。
    ざわり、湧き出て来そうになる名も分からぬ感情を抑えつける。

    何故かよく分からない感情に気まずさを抱いて、視線を逸らした。
    赤松さんが星くんを巻き込んでる……春川さんは顔を真っ赤にしながら怒ってるし……一体何が起こったんだ。

    「……私は、貴方に褒めて貰える程、出来た人間では無かったのかもしれないわね」

    「え?」

    東条さんが小さく何かを呟く。しまった、赤松さん達の方に気を取られていたせいで聞き逃してしまった。
  43. 43 : : 2017/04/15(土) 19:44:14

    「ご、ごめん。聞き取れなかったからもう一度……」
    「いいえ、気にしないで頂戴」

    ……もしかしたら怒らせてしまったのかもしれない。東条さんのことだから、態度には決して出さないだろうけど……。
    そんな僕の不安を感じたのか、東条さんは安心させるように微笑む。

    「大丈夫よ、この程度で怒ったりなんてしないわ」
    「それなら良かった……」

    聞き逃してしまった内容は気になるけど、本人に気にしないでと言われたんだし、掘り返すのも悪い。
    暫しの沈黙が訪れるが、僕にとっては悪い気分にはならない。どちらかといえば、静かな方が好きだし。
    チラリ、どうしても抑え切れない好奇心が、気付かれないようにこっそり東条さんへ視線を向けた。

    (……あれ?)

    東条さんは、赤松さん達の方へ視線を向けている。
    いや、見ているのは……星くん?

    何か問題が起こったら直ぐに対処できるようにと見ているなら、分かる。
    でも、今、東条さんが浮かべている表情は、僕が見たことも無いようなものだ。

    ……後悔? 悲しみ? それとも、安堵?

    どうして東条さんが、星くんを見てそんな表情を……。
    東条さんが見ている方へ、僕も視線を向ける。

    あ、いつの間にか百田くんが起きたみたいだ。春川さんに怒って……でも直ぐに笑顔になって。
    何を言っているのか離れていても大体分かるのは凄いと思う。

    赤松さんはそんな二人を見て苦笑いをしていて、その隣では星くんがやれやれと肩を竦めている。
    ……でも、どこか楽しそうだと思うのは、気のせいだろうか。
  44. 44 : : 2017/04/15(土) 19:45:46

    「東条さん、星くんと何かあったの?」
    「星君と? いえ、何も無いけれど……どうしてそんなことを?」
    「いや、二人で昼食の用意をしてたって言うからさ……」

    僕の言葉に、東条さんは少し考え込むような様子を見せると……どこか呆れ気味に、口を開いた。

    「赤松さんも同じ勘違いをしていたけれど……私と星君との間には何も無いわ。
     仕える身として、越えてはいけない一線を越えるなんてこと、あってはならないもの」
    「……何の話?」

    良く分からないけど何か誤解をされている気がする。
    僕の言葉を聞き、ふぅ、とため息をつく彼女に、さっき星くんを見ていた時の雰囲気は綺麗さっぱり消え失せていた。

    「……最原君、貴方はもう少し女性の心理を学んだ方が良いと思うわ」
    「えっ、ご、ごめん……?」

    やっぱりさっきのこと怒ってたんじゃないか……!
    内心そう思いながらも謝ると、東条さんはいつも通りの表情を浮かべる。

    「心配してくれたのは有難いけれど、本当に何も無いの。
     ……心配させてしまうなんて、メイドとしてまだまだね」
    「そ、そんなことないよ、僕が気にし過ぎただけだから……!」

    慌てて否定すれば、東条さんはありがとうと静かに微笑んでくれた。
    ティーカップを片付けに厨房へ向かう彼女の背を見送り、ため息を一つ。


    あの表情はきっと、嘘じゃない。
    それでも、本人が触れてほしくないと思うなら、これ以上詮索するべきでは無いだろう。

    少なくとも、これだけは分かる。
    彼女の悩みを解決出来るのは、僕ではない。

    (……暴いたところで、きっと)

    隠されていたモノを暴いた先に、必ず明るい何かがあるなんて言えないことを、僕は知っている。


      ◆

    【最原終一】と【東条斬美】の【絆のカケラ】が2個になりました。
    【最原終一】と【東条斬美】の【絶望度】が減少しました。
  45. 45 : : 2017/04/15(土) 19:48:00

    【交流会話】【王馬小吉】と【夢野秘密子】

      ◆


    「ゆーめっのちゃんっ」
    「んあぁっ!?」

    背後からゆっくりと忍び寄り、明るい声と共にぽんっと背中を叩けば、予想通りの反応を見せてくれた。
    夢野ちゃんの手にあったコピー用紙の束が驚いた拍子に滑り落ち、ばさばさと音を立てながら床に広がる。ありゃ、これは予想外。

    「お、王馬! せっかくウチが拾い集め終わったというのに……なんということをするんじゃ!」
    「何のこと? オレは何もしてないよ? ……まさか、夢野ちゃん、幽霊を……!?」
    「シラを切っても無駄じゃ! 手伝え!」

    ぷんぷん、なんて可愛らしい擬音が付きそうな表情のまま、夢野ちゃんはオレの言葉を無視して落ちた紙を拾い始めた。
    とっても心の優しいオレは、勿論最初から夢野ちゃんのことを手伝おうと決めていたから、一緒に紙を拾い集める。

    「たはーっ、濡れ衣を着せられても頑張るオレって本当に健気だよね! 涙が出そうだよ!」
    「良いから黙って手を動かさんか」

    流石にこれ以上続けると本気で会話をしてくれなくなりそうなので、言われた通りに口を閉じる。
    二人でやったからか、数分で全ての紙を集めきることが出来た。

    「ほら! 手伝ってもらったらありがとうでしょ、夢野ちゃん!」
    「うむ、ありが……って元々はお主のせいであろう! どうしてウチがお礼を言わねばならんのじゃ!」

    いやぁ、本当に夢野ちゃんは良い反応をしてくれるなぁ。
    昨日まではあんなにつまんなかったのにさ。
  46. 46 : : 2017/04/15(土) 19:49:53

    「ねえねえ、夢野ちゃん。どうしてマジックショーをするって決めたの?」
    「……どういう意味じゃ」

    嫌われスイッチ改め愛されスイッチなんていうそのまんまな名前の機械は、残念ながらオレも含め皆に影響している。
    けれど、その中でも。特に変化が激しいのは二人だ。

    一人は春川ちゃん、そしてもう一人は……。

    「だって昨日までの夢野ちゃんなら、MP切れだって面倒くさがって断るでしょ?
     いくらあのふざけたスイッチの影響とはいえ……今の夢野ちゃん、まるで別人みたいだよ」

    それこそ、まるで幾多もの困難を乗り越えて来た者のように。
    夢野ちゃんはオレの言葉に、きょとんと目を瞬かせ……そして、どこか憂いを帯びた表情で、呟く。

    「ずっと、一緒に居られるという保証は無い。特に、こんな環境なら尚更。
     ……ウチは、それを思い出しただけじゃ」
    「えー? 夢野ちゃんはコロシアイが起きると思ってるの? 酷いや!」
    「そんなことは言っておらん!」

    うんざりとしているのを隠そうともせず、昨日までは無かった筈の強い意思を目に宿し、彼女はビシッと言い放った。

    「面倒くさいと思わず、魔法を見せてやればよかった……。
     そう後悔しない為に、動くのじゃ。居なくなってからでは、遅いからの」

    その言葉に、オレは肩を竦めて笑う。

    「おぉ、怖い怖い。あのスイッチ一つで人がここまで変わっちゃうなんてさ。
     もしかしてオレも変わっちゃってるの? 全く笑えないね!」

    そんな言葉にも、夢野ちゃんは動じず……それどころか、不敵な笑みまで見せた。

    「最初は嘘でも構わん。この思いを、この絆を、繋ぎ止める為にウチは魔法を使うのじゃ」

    ……あーあ、本当に。ゾッとするくらい強くなっちゃって。
  47. 47 : : 2017/04/15(土) 19:51:10

    「この思いが植え付けられたものだとしても、全部本当に変えてしまえば良い。
     そうすれば、あのスイッチも単なる切っ掛けと言えるじゃろう」
    「えぇーっ! 嘘を真にするなんて、夢野ちゃんってば大丈夫?
     オレはこんなのゴメンだね!
     誰かの手の上で踊らされるなんてつまんないにも程があるよ!」

    くるり、踵を返す。
    そう、こんな状況は、つまらない。

    「……お主の考えは、ウチには全然分からん」

    驚くほど静かな声が、背後から聞こえた。

    「何を焦っておる? お主らしくないぞ、王馬」

    らしくない。らしくない、ね。

    「そりゃ焦るでしょ! 夢野ちゃんと普通にお喋りしてるだけなのに
     いつセコムな茶柱ちゃんが飛んでくるかと思うと今だって心臓バックバクだよ!」
    「話を逸らすでない!」
    「セコ柱ちゃんに投げられたりなんかしたら繊細なオレはポキッて折れちゃうからね!」
    「転子を変な名前で呼ぶでないわ!」

    ……後悔しない為、か。


    ──人数の減った裁判場。

    ──バツ印の描かれた遺影達。

    ──連れて行かれる『クロ』。


    あんな、有り得ない夢に惑わされるだなんて。
    自分でさえ、自分が今抱いている思いが分からないなんて。

    (……最悪)

    ぼんやりとし過ぎた知らない筈の感情は、オレの気持ちを沈ませるだけだった。


      ◆

    【王馬小吉】と【夢野秘密子】の【絆のカケラ】が2個になりました。
    【王馬小吉】と【夢野秘密子】の【絶望度】が減少しました。
  48. 48 : : 2017/04/15(土) 20:01:43

    信じられるか……? このスレ、最初はな……。

    最原「皆が優し過ぎて逆に気持ち悪いよ!!
       冷蔵庫入ろうって言ってもえっちな本読もうって言っても誰にも怒られないし!! 怖い!!
       もうこれ以上の奇行は僕には思い付かないよ!! どうしろって言うんだ!!」

    キーボ「諦めては駄目です最原クン!!
        ボクの内なる声もそう言っています!!」

    最原君に砂糖5kg並みに優しくなった皆を元に戻す為、
    最原君(とキーボ君)が安価で奇行する予定だったんだぜ……?


    短くてスイマセェン(某ロボット風に)
    続きはまた明後日くらいに。
  49. 49 : : 2017/04/15(土) 20:15:02
    記憶が…
    知らないのは最原だけか
  50. 50 : : 2017/04/19(水) 21:17:47

    ──体育館

     準備も終わり、昼食を食べ終えた後、僕達は体育館へ来ていた。
    机と椅子を運んで来て並べるのも、これだけの人数が居ればあっという間に終わる。
    ステージを使う程の大きな魔法はまだ使えない、という夢野さんの一言から、出来あがったのは小さな舞台。
    まあテレビなんかで見るような派手なショーは、夢野さんの研究教室が開放されてからじゃないと流石に道具が足りないのだろう。

    「うむ、よくぞ来た。……地味だとかしょぼいだとかそんな考えを吹き飛ばす
     魔法を今から見せてやろう、一瞬たりとも見逃すでないぞ」

    小さな舞台の上、夢野さんは椅子を並べて作った簡素な客席へ向け、ビシッと指差してそう言い放った。
    その強い意思を秘めた目は、王馬くんを射抜くようにして見据えている。

    「えー? 爆発も人体切断も無いマジックとかつまらないんじゃない?」
    「そんなことを言っていられるのも今の内じゃ。
     大体、そんな物騒なものだけが魔法ではないぞ!」

    ……? あの二人って、あんな楽しそうに会話する程仲良かったか……?
    昨日までは、王馬くんはからかってリアクションをしてくれる面白い人と会話をしていた感じだし、
    夢野さんは面倒くさがって反応が薄いから王馬くんも特に気にも留めていなかったように感じるんだけど……。

    ……あのスイッチが押されて以来、僕の知らないところで人間関係の変化が起こりまくっている気がする。
  51. 51 : : 2017/04/19(水) 21:20:27

    「まずは……」

    夢野さんはそう呟くと目を閉じる。まずは、一体何をするのか。
    思わず注目してしまった、その時。

    「見に来てくれてありがとう、などとアイドルのように言うつもりは無いが……」

    言葉を紡いでいく彼女の手にはいつの間にか、綺麗にラッピングの施された花束が抱かれていた。
    怪しい素振りは全く見えなかった……! それは皆も同じみたいで、赤松さんやゴン太くんが凄い! と顔を綻ばせている。
    花束を持ったまま、夢野さんは客席の方へ歩いてくる。

    「転子、受け取るがいい。ウチが魔法をかけた花束じゃ!」
    「……!」

    差し出された花束を前に、茶柱さんは……。

    「ゆめのさああああん!!!!」
    「んあああっ!? な、泣くな! そして抱き付くな!!」

    ……もしもこれがテレビ番組とかだったら放映出来ないような顔で夢野さんに抱き付いた。
    勢いよく抱き付いたのに花束と夢野さんに少しでも負担をかけないようにしているのが流石というかなんというか……。

    「あーあ、夢野ちゃんが茶柱ちゃんを泣かせたー!」
    「泣かせとらんわ!!」

    王馬くんの言葉にガルルッと噛み付くように反論する夢野さんに、少しは落ち着いた様子の茶柱さんが声をかける。

    「転子は……転子は幸せ者ですっ! 夢野さんにこんなにも素敵なものを頂けるだなんて……!」
    「……転子」

    ……あれ? 今、夢野さんの、茶柱さんを見る表情が憂いを帯びたような……。
    似た表情を、つい最近も見たことがあるような気がする。

    「ありがとうございます! これからも末長くよろしくお願いします!」
    「転子ー、その言い方だとまるで結婚するみたいだぞ~?」

    そんな思考は茶柱さんの何かが間違っている気がするお礼の言葉、それに続いたアンジーさんの爆弾発言により吹き飛ばされた。

    「結婚……ハッ、確かに……夢野さんと男死が結婚するなんて……考えただけで鳥肌が……!」
    「転子、落ち付け。ウチにそっちのケは無い」

    夢野さんの宥める声も聞こえていないようで、茶柱さんはバッと真剣な顔で夢野さんに向き直る。

    「次にお前は「転子と結婚してください」と言う」
    「転子と結婚してくださ……ハッ!?」
    「うんうん、茶柱さん。嬉しいのは分かるけど一旦落ち着こう?
     放送NGな顔になっちゃってるからね?」

    いつの間にか近付いていた白銀さんが宥めてくれたお陰で、収拾がつかなくなる……なんて悲劇は回避された。
  52. 52 : : 2017/04/19(水) 21:21:59

    「それにしても、この学園内に花なんてありましたか?」

    和やかな場の空気は、キーボくんの発言により一瞬だけビシリと固まる。

    「ウチの魔法じゃ」
    「いえ、ですが……」
    「まあまあキーボ君」

    尚も続けようとするキーボくんを、天海くんが苦笑しつつもやんわりと押し留め、何やら小声で語り出した。
    キーボくんの表情がコロコロと変わっていってるけど……天海くんは一体何を言っているんだろう。

    「アンジーの神さまが頑張る秘密子の為に力を貸してくれたんだよ!
     神さまは信じる者の味方だからねー、秘密子も神さまを信じようよ~。
     今ならポイント2倍だぞー?」

    成程、アンジーさんと一緒に作ったのか。どこからどう見ても本物の花にしか見えないけど、造花ということなら納得出来る。
    ……キーボくんと同じこと考えてたけど、流石に言わなくてよかった……。

    「……あの花はゼラニウムね」
    「……何か気になることでも?」

    東条さんが何かに気付いたように呟き、隣に座っている星くんがその呟きを拾い上げる。
    何故か東条さんは楽しそう……というよりは、微笑ましいものでも見ているかのように口角を微かに上げていた。

    「ゼラニウムの花言葉は「尊敬」「信頼」「真の友情」……。
     桃色の花は「決心」「決意」という意味も持つと言われているわ」
    「成程な。夢野の奴、随分と茶柱に信頼を寄せているのか」
    「きっと直接伝えるのは気恥ずかしかったんでしょうね

    夢野さん、昨日までは茶柱さんをあんなに鬱陶しがっていたのに……!?
    実は今までも面倒くさがりながら本心は喜んでいたとか……?
    いや、でも昨日までの言動も嘘とは思えないし……。


    ──「今回は失敗したとしても、それでも皆の思考をコントロールしてるんだよ」

    ──「……それって、地味に恐ろしいことじゃないかな」

    ふと、白銀さんの言葉を思い出した。
  53. 53 : : 2017/04/19(水) 21:23:52

    「うーん……やはり人の心というのは難しいものですね」
    「まあ特に女性の心というのは分かり辛いものですから……。
     人間同士でもなかなか分かり合うってのは難しいことですし、
     理解しようと努力しているキーボ君は凄いっすよ」
    「でしょう? ボクは超高校級のロボットですからね!」

    フッフーン! と笑っているキーボくんと、その隣で困ったように笑っている天海くんが戻ってきたところで、ショーが再開されることになった。
    凄いな天海くん……僕がキーボくんと会話すると
    「ロボット差別は止めて下さい! ……えっ、無自覚なんですか!?」と怒らせてしまうのに……。

    「……そうじゃ、忘れるところだった。いかんいかん」

    舞台上に戻ろうとしていた夢野さんが、何かを思い出したのかくるりと振り返ると、
    また自然な動作で二つ、花束を手の上に出現させた。
    どんな仕掛けか全く分からない……確かに魔法と呼べるレベルだ。
    さっき茶柱さんに渡したピンクの花とは違い、あの花は僕でも名前を知っている。

    「最原、春川。受け取るがいい」

    それは、青いバラだった。

    「……何で私に?」
    「僕……何か夢野さんにしてあげられたこと、あったかな?」

    守ります! と傍に居続けた茶柱さんや、励ましたり散歩に連れ出したりした赤松さんと違って、僕は夢野さんに何も出来ていない。
    戸惑いながらも差し出された花束を受け取る。春川さんも困惑を表情にありありと浮かべていた。
    それは他の皆も同じ様子で、首を傾げたり不思議がったりしている。

    「青いバラっつーのはな! 不可能と言われていたがそれでも諦めずに努力した結果生まれたもんだ!
     つまり、オレ! そしてハルマキと終一にピッタリなもんだな!
     夢野、オレの分は?」
    「無い」
    「返事が早過ぎねーか!?」

    見た目はどう見ても本物。だけど触ると、確かに造花なんだと分かる。
    不可能を可能に変える……まるで百田くんみたいだ。
    なら尚更百田くんにあげればよかったんじゃ……どうして僕と春川さんに?

    「見た目に反して暑苦しいんだね、この花」
    「ウチにも分からんが、何故かお主たちにこの花を贈りたくなったんじゃ」

    夢野さんの言葉に、春川さんは……少しだけ表情を綻ばせた。

    「まあいいよ。どうしてか分かんないけど、あんたに貰うのは悪くない気分だし」

    彼女が身に纏う雰囲気は、とても穏やかだ。
  54. 54 : : 2017/04/19(水) 21:25:49

    「……これもあのスイッチのせいなのか」

    僕の小さな呟きに、隣に座っていた赤松さんがバラを見ながら「ううん!」と元気づけるように笑う。

    「確かに……切っ掛けはあのスイッチかもしれないけど……。
     それでも、今私たちが楽しいとか嬉しいとか……明るい気持ちで居るのは、
     本当のことじゃないかな?」
    「そうそう!」
    「うぐっ!?」

    行き成り背後からのしかかられ、思わず蛙が潰れた時みたいな声を出してしまった。

    「最原ちゃんってさー! 奇跡起こしちゃいそうな感じするもんね!
     何回殺しても死なないくらいはやってのけそうだよ!」
    「いや死ぬよ……王馬くんの中の僕は一体どうなってるの……?」

    本当にどうなってるんだ。
    それにしたって、いつもキーボくんやゴン太くん、赤松さんや百田くんを対象にしている王馬くんが僕のところへ来るというのも珍しい。

    「王馬くん! そろそろどいてあげなよ!」
    「ちぇーっ、赤松ちゃんに張り手でぶっ飛ばされるのは困るし、
     今日はこのくらいで勘弁しておいてやるよ! 覚えてろ!」
    「張り手なんてしないよ!? いい加減な嘘を言うのは止め……もう!」

    まるで小悪党みたいな捨て台詞を吐き捨て、王馬くんはゴン太くんの元へと走り去って行った。
    王馬くんの方を見て頬を膨らませている赤松さんは、僕の視線に気付くと慌てたように弁明を始める。

    「ちっ違うからね!? 私、張り手なんてしないから! 勘違いしないでね!?」
    「大丈夫、赤松さんがそんな人じゃないってことくらい、みんな分かってるよ」

    流石に普段王馬くんに翻弄されてしまっていることの多いゴン太くんでも騙されないレベルだ。
    大体、指を大事にするピアニストがそんなことする訳無いだろう。
    僕が勘違いしていないと告げれば、赤松さんはほっとしたように笑う。
  55. 55 : : 2017/04/19(水) 21:27:29

    「王馬くんって言ってることがコロコロ変わるから、本当に困っちゃうよね!」

    ……言葉とは裏腹に、赤松さんの表情は明るい。

    「……今度こそは、間違えないから」

    小さく呟かれた言葉を、かろうじて聞き取った。

    「……赤松さん?」
    「え? 今、私、何か言った……?」
    「……ううん」

    名前を呼ぶと、赤松さん自身も不思議そうにしている。本気で分からないようなので、曖昧に誤魔化すことにした。
    ……あまり、赤松さんに余計な心配をさせたくはないし。


    「ウチが魔法をかけておるからな。枯れることは無いぞ。安心して飾るといい」
    「家宝にします!」
    「んあー! それは大袈裟にも程があるぞ!」

    茶柱さんにため息をついてから、夢野さんは舞台上に戻る。
    そして、ようやくショーが始まった。

    (……しまった、ありがとうって言いそびれた)

    手の中の造花に目をやれば、本物と違って枯れることのない美しさがそこにある。

    (ショーが終わってから言えばいいよね)


    ──……決して暴かれてはならない感情は、底にある。
  56. 56 : : 2017/04/19(水) 21:28:37


    夢野「さてと……うむ、ゴン太。このトランプの中からカードを一枚選べ」ポンッ

    獄原「わぁっ! 夢野さん、今どこから出したの!?
       ゴン太には全く分からなかったよ……!?」

    夢野「魔法じゃ」ドヤヤン

    獄原「うーん……なら、これで」ヒョイッ

    夢野「ハートのケイトじゃな」

    王馬「毛糸? まさかトランプが見当たらなかったからってカードまで
       毛糸で作ったの……!? 流石だね夢野ちゃん!」

    夢野「そんな訳なかろう! 茶々を入れるのも程々にせい!」


    百田「あー、トランプって確か1から6まではダイスの目の呼び方と同じだったな」

    春川「……そうなの?」

    百田「おう! 知らなかった頃、訓練仲間とゲームしてた時に笑われちまったからな!
       日本の常識と外国の常識って違うことが多いんだぜ!」

    天海「あー分かります。トランプって国ごとに結構違いますからね。
       日本では1デッキ52枚が常識っすけど、
       イタリアでは40枚、ロシアでは36枚が常識ですし」

    真宮寺「かつての日本では、トランプのことをカルタと呼んでいたとされているヨ……。
        今、カルタと言ったら思い浮かべるのは百人一首等に使われるカルタだろうけど、実はその種類のカルタの方が後に出来たものなのサ」

    夜長「へー、是清は物知りだねー」

    赤松「そうなんだ……初めて知ったよ!」

    真宮寺「時代の流れと共に、人々の呼び方や認識も変わる……。
        一時も固まることなく、変わり続ける……人間って良いよネ……!」


    春川「……どうしよう最原、百田達が何を言ってるのか分からない」トオイメ

    最原「安心して春川さん、僕もだから」トオイメ
  57. 57 : : 2017/04/19(水) 21:30:22

    夢野「そのカードに絵でもサインでも何でもいいから何か描くのじゃ」ポンッ

    獄原「今度はペンも!?」

    茶柱「流石夢野さん!! 素晴らしい魔法の数々です!」

    王馬「えー、今のはオレでも出来そうだけどなぁ」

    茶柱「男死は黙っていてください!!」

    獄原「えーと……テントウムシさんで!」

    王馬「うわ凄いリアル」

    夢野「その一枚をデッキに戻す」ササッ

    獄原「あれ? 戻したらどれがさっきのカードが分からなくなっちゃうよ?」

    夢野「そしてデッキのカード全てを裁断機で真っ二つに」スパァン


    最原(カードやペンが出てくるのはまだ分からなくもないけど
       裁断機が出てくるなんて本当に魔法に思えてきた……)


    獄原「テントウムシさーーーん!!??」

    王馬「暴れんなゴン太!!」

    夢野「うむ、テントウムシさんは無事じゃ。ポケットの中を確認すれば分かるぞ」

    獄原「ポケット……?」ゴソゴソ

    獄原「あっ! 一緒に切られたはずのハートのカードがそのまま入ってる……!?」

    夢野「切る寸前に対象をワープさせる魔法じゃ」

    王馬「その魔法でオレ達をここから出せないの?」

    夢野「人間を対象にする魔法は、現時点ではMPが足りんと何度も言っておろうが!!」

    茶柱「ワープだなんて……凄いです! 夢野さんっ!」

    獄原「うん! 凄いよ!」

    夢野「かっかっか! もっと褒め称えるが良い!」

    王馬「アジ顔なのに凄いね!」

    夢野「誰がアジ顔じゃー!!」


    入間「ハッハーン! 天才過ぎるオレ様にはまるっと全部お見通しだぜ!
       マジ野のヤローは戻した振りして自分のパンツの中に隠してたんだ!
       ヒャッハー! とんだ変態ビッチだな!!」

    キーボ「いや、それだとゴン太クンのポケットの中に
        移動していた理由が分からないのですが……」

    入間「んなもんそれこそ魔法だろ!!
       パンツの中に隠してから極太のポケットにワープさせたんだ!!」

    キーボ「じゃあパンツの中に隠さず最初から全部魔法で良いのでは!?」


    東条「……成程」

    星「分かったのか?」

    東条「……魔法、とだけ言っておくわ」

    星「……確かにな、こんな光景。まるで夢みてーだ」
  58. 58 : : 2017/04/19(水) 21:32:17

    最原(その後もショーは続いた)

    最原(最初は思い思いに雑談しながら見ていた僕達も、
       最終的にはすっかり魅了されていて、本当に魔法のような舞台だった)

    最原(魔法使いと名乗っているのも、もしかしたら……。
       いやいや、魔法なんてあるはず……)

    最原(……思わず悩んでしまうくらいには、圧倒されてしまったみたいだ)


    夢野「……本日はこの舞台を見て頂き、誠にありがとうございました」ペコリ


    最原(夢野さんが客席へ向けてお辞儀をすると共に、帽子を取った、その瞬間)


    バサァッ!

    茶柱「……っ! 白銀さん! 危ない!」

    白銀「え? うわあっ!?」モフッ

    夜長「……あれま、どうしてハトが?」


    最原(何故か帽子から何かが勢いよく飛び出したかと思うと、白銀さんの顔に激突した。
       直ぐに離れてばさばさと飛ぶそれは、鳩。
       
       ……え、なんで?)


    キーボ「鳩なんて居ませんでしたよね!?」

    夢野「ま、魔法じゃ」

    茶柱「声が震えてますよ!?」

    夜長「つむぎー、大丈夫~?」

    白銀「ふうっ……お陰で致命傷で済んだぜ」キリッ

    天海「それ無事じゃないってことっすよね!?」

    獄原「……うーん、どうしてだろう。言葉が分からないよ……」ションボリ

    王馬「そりゃ鳩の言葉とか分からなくて当然でしょ」

    獄原「いつもは分かるのに……」

    王馬「!?」

    ハト「ぽー」バサバサ

    赤松「わっ、こっちに来たよ!?」

    百田「よしっ、捕まえた……! ……ん?
       こいつ本物の鳩じゃねーみたいだな。すっげぇ手触り良いけど機械だ」

    春川「機械? ……入間、あんた」

    入間「オレ様がそんなしょーもないダッセェもん作る訳ねぇだろド貧乳が!!」

    春川「は?」ギロリ

    入間「ひいぃ……つ、作ってないのは本当だよ……?」ブルブル

    星「だがこの学園内に動物なんざ一匹も見なかったぞ」

    東条「えぇ、ネズミどころか虫すらも居なかったわ」

    赤松「ならやっぱり、モノクマが……?」

    真宮寺「その可能性は大いにあり得るネ……。僕達を監視する為のカメラ、なんて可能性もあるヨ」

    天海「どっちにしろ怪しいことには変わりありませんし、壊しておいたほうが良くないっすか?」

    獄原「えぇっ!? そんなの可哀想だよ……!」

    入間「……おい、ちょっと待てテメーら」

    赤松「やっぱり入間さんが作ったの?」

    入間「ちっげーよまな板女!! オレ様が言いたいのはな……」
  59. 59 : : 2017/04/19(水) 21:34:41

    入間「……この鳩、最原に似てね? 色とか」


    ハト「ぽー」アンテナピコピコ


    最原「いや全然似てないよ!!」反論


    真宮寺「……確かに、入間さんの発言というのは気になるけど、似ている気がするネ……」

    最原「どこが!? ただの鳩じゃないか!!」

    夢野「んあー……見てると癒されるのう」

    最原「確かに鳩は見てると癒されるかもしれないけど僕は癒し系じゃないだろ!?」

    入間「じゃあなんだ? イヤラシ系ですってか!?」

    最原「そんな訳無いだろ!!」

    夜長「美兎、違うよー! 終一は神ってるのだー!」ニャハハー

    最原「紙!? 何が!? 僕の何が紙なの!? メンタル!?」

    茶柱「安心してください! 最原さんのメンタルは豆腐です!!」

    最原「何が安心してくださいだよ!! むしろぐさっと来たよ!!」

    王馬「最原ちゃんがボケたら誰がツッコミするんだ!? もっと頑張れよ!!」

    最原「そもそも君達がボケなければいいだけの話なんだけどなぁ!?」

    白銀「聞こえますか……今、貴方の心に直接呼びかけています……」

    最原「ファミ○キじゃなくてケン○ッキー派なんで!!」

    百田「負けるな終一! テメーなら成し遂げられる!!」

    最原「応援だけじゃなくて助けてよ!!」

    東条「あまり叫び続けると喉を痛めてしまうわ。はい、お茶」スッ

    最原「ありがとう!! その優しさが目に沁みる!!」

    獄原「ゴン太にあの鳩さんの言葉が分かれば全部丸く収まったのに……最原くん、ごめん!」

    最原「ゴン太くん君こそが真の紳士だ!!」ウルッ

    春川「あの鳩赤松の胸ガン見してたしあんたそっくりじゃん」

    最原「胸をガン見とかしないよ!!」

    星「この際もう鳩でも良いんじゃねーか?」

    最原「ゴメン何の話!?」

    キーボ「人間とはモフモフが好きなものなんですか?」

    天海「まあ女の子とかは特に好きだと思うっす」

    最原「最早関係無い話してるし!!」

    赤松「雰囲気だけじゃなくて、声も似てる気がするんだけどなぁ」

    最原「僕にはどう聞いてもただの鳩の鳴き声にしか聞こえないよ赤松さん!!」


    最原「これが僕の答えだ!!」ゼーハー

      全論破 ─break!─

    最原(なんで反論したはずなのに議論スクラムになってるんだよ!!)
  60. 60 : : 2017/04/19(水) 21:37:47

    王馬「最原ちゃんってばしょうがないなあ、分かったよ。
       この鳩は今から最原二号ちゃんだ!」

    最原「何が分かったの? 何も分かってないよね?」

    百田「よろしくな! 終一二号!」

    ハト「ぽっぽー」アンテナピョンピョン

    天海「待ってください、ひとまず入間さんに爆弾か何かが仕掛けられていないか
       チェックしてからの方が良いんじゃないっすか?」

    真宮寺「ククク、愛着が湧いてから爆発でもされたら悲しいからネ……」

    入間「おう! 任せとけ! ついでにダサイ原の声で色々罵られる機能とかも
       エロエロ付けといてやるよ!! 喜べイカ松!!」

    赤松「ちょっと! 余計なことしないでよ!!」

    最原「なんで完全に飼う流れになってるんだ!!」

    夢野「これもウチの魔法のお陰じゃな」

    茶柱「夢野さんの魔法で生まれた……つまりあのハトも夢野さんということでは……?」

    夢野「んあー! さてはお主混乱しておるな!? 少し落ち着かんか!」

    星「……ちょっと触ってもいいか?」

    百田「おう! 大人しいぜこいつ」ポスッ

    星「……! 確かに、この手触りは……」モフモフ

    東条「機械ということは……キーボ君と同じで充電式かしら。
       キーボ君、何か分かることはない?」

    キーボ「技術的なことはボクには全く分かりませんから……スイマセン」

    春川「……よろしく、最原二号」

    最原「待って、せめてその名前止めない?」

    白銀「なら他にしっくりくる名前ってあるかな?」

    最原「……サブレ」

    夜長「食べ物だねー」

    最原「最原二号とかよりはマシだと思うんだけど……キーボくん、何か思い付かない?」

    キーボ「ボクですか!? ……うーん」

    ↓1(皆が最原似と言い張る鳩の名前)
  61. 61 : : 2017/04/19(水) 21:44:36
    終二
  62. 62 : : 2017/04/19(水) 21:56:14

    キーボ「……終二とかどうですか?」

    最原「終一だから!?」

    赤松「よろしくね終二くん!」

    終二「ぽー」ガンミ

    最原「ねえみんな、あの鳩やっぱり壊さない?」

    天海「まあまあ……。もしも危険だったりしたら入間さんが見つけてくれるっすよ」

    最原「クソッ! あのスケベ鳥!!」

    白銀「ツッコミで疲れたのか最原くんが地味にキャラ崩壊しちゃってるね……」


    最原(その後、鳩を調べる為に入間さんが研究室へ行き、残った僕達は片付けを行った)

    最原(あの鳩がなんなのか、モノクマかモノクマーズを呼んで聞こうとしたが、いくら呼んでも出てこない)

    最原(それだけあのスイッチの失敗はモノクマ達にとってダメージの大きいことだったってことか……?)

    最原(……まあ、いくら考えても今の時点じゃ分からないことだらけだ)

    最原(あの鳩から、入間さんが何か解析したりしてくれないかな……)
  63. 63 : : 2017/04/19(水) 22:02:22

    ◆7日目・午後

    現在のモノクマメダル:20枚

    【絆のカケラ】

    【王馬小吉】【2個:夢野】【1個:その他生徒】
    【最原終一】【2個:東条】【1個:その他生徒】
    【東条斬美】【2個:最原】【1個:その他生徒】
    【夢野秘密子】【2個:王馬】【1個:その他生徒】


    現在、【プラスイベント】《魔法使いの魅せる夢》が終了間際です。

    後片付け中の生徒達の【交流会話】を3回見ることが出来ます。


    1、【交流会話】×3
    2、生徒達の【絶望度】を確認する(モノクマメダルを10枚消費します)
    3、モノクマにヒントを聞く(聞きたい内容によってメダルの消費数が変動します)

    ↓1(1、2、3の中から選択してください)
  64. 64 : : 2017/04/19(水) 22:03:12
    2を頼みます。
  65. 65 : : 2017/04/19(水) 22:13:49

    2、生徒達の【絶望度】を確認する。

    モノクマメダルを10枚消費しました。
    現在のモノクマメダルは10枚です。


    現在の【絶望度】は以下の通りです。


    【赤松楓】   50/100

    【天海蘭太郎】 65/100

    【入間美兎】  60/100

    【王馬小吉】  42/100

    【キーボ】   0/100

    【獄原ゴン太】 55/100

    【最原終一】  67/100

    【白銀つむぎ】 25/100

    【真宮寺是清】 0/100

    【茶柱転子】  45/100

    【東条斬美】  37/100

    【春川魔姫】  55/100

    【星竜馬】   40/100

    【百田解斗】  35/100

    【夢野秘密子】 37/100

    【夜長アンジー】10/100
  66. 66 : : 2017/04/19(水) 22:16:18

    現在のモノクマメダル:10枚

    1、【交流会話】×3
    2、モノクマにヒントを聞く(聞きたい内容によってメダルの消費数が変動します)

    ↓1(1、2のどちらかを選択してください)
  67. 67 : : 2017/04/19(水) 22:34:26
    1で、天海と入間。最原も心配だが・・・
  68. 68 : : 2017/04/19(水) 22:39:18

    【交流会話】天海と入間

    あともう二組(天海と入間はもう選ばれたので選べません)

    ↓1~2
  69. 69 : : 2017/04/19(水) 22:51:51
    夢野と春川
    これで色々わかるかな?
  70. 70 : : 2017/04/19(水) 22:58:03
    赤松さんと星くん
  71. 71 : : 2017/04/19(水) 23:17:01

    【交流会話】【天海蘭太郎】と【入間美兎】
    【交流会話】【夢野秘密子】と【春川魔姫】
    【交流会話】【赤松楓】と【星竜馬】

    今回の【交流会話】が決定しました。


    >>20 >>40 >>41
     ありがとうございます。拙いながらも期待に応えられるよう頑張ります。

    >>21
     平和って良いですよね……本編……うっ頭が……。

    >>49
     「ちょっと! ロボットだからって仲間外れですか!?
      ロボット差別で訴えますよ!」

    >>61
     見た瞬間爆笑しました。ありがとうございます。

    >>67
     他の皆はスイッチ効果で初期の絶望度が減少しているので最原君が割と高いのはシカタナイネ

    >>69
     さあどうでしょうね(しらばっくれる)


    遅れたのは真宮寺是清の語る豆知識について考えてたせいなので全ては真宮寺是塩さんのせいです。
    次はまた明後日くらいに。
  72. 72 : : 2017/04/20(木) 00:06:28
    やっぱ塩ってクソだわ
    民俗学トーク結構好きなんだよね
    全キャラ総当たりで絆イベントがあるのはさすがに多いのでは?
    変えて欲しいって訳ではなく
  73. 73 : : 2017/04/23(日) 22:09:59

    【交流会話】【天海蘭太郎】と【入間美兎】

      ◆


     現在開放されている研究教室は、赤松さんのものと、入間さんのものの二つだけ。
    赤松さんの「ピアニストの研究教室」が校舎の3階にあるのに対し、入間さんの「発明家の研究教室」は校舎や寄宿舎から割と離れたところにあった。

    「ハァ~……なんでオレ様の研究教室だけこんなに遠いんだ……。
     クソッ、いっそ寄宿舎とあそことの間に全自動のトラベーターでも……」
    「いや、トラベーターを設置する方が疲れるんじゃないっすかね」

    俺の呟きに、前を歩いていた入間さんは「アァン!?」とヤクザのような声を零しつつ、こちらへバッと顔を向けると中指だけを突き立てながら怒声を放つ。

    「んなもんオレ様の手にかかれば一週間もかからずに出来るに決まってんだろチン太郎が!!」

    ……顔だけは本人も自称する通り美人なのに、どうしてこんなにも発言が過激なのか。俺が適当な相槌を返すと、腕の中に大人しく収まる鳩も「ぽー」と小さく鳴いた。

    そもそも、何故俺が入間さんと、彼女の研究教室に向かっているのかというと。

    「オレ様に運ばせる気か? ふざけんなっ! オレ様が鳥インフルにでも
     かかったらどーしてくれんだこの鳥のフン共!!」

    体育館の中ならまだしも、校舎の外に出たら鳩は逃げていってしまうかもしれない。
    いくらあの果てがあるからといっても、広大な学園内だ。一度逃げられれば獄原君の力を借りても発見するのは厳しいかもしれない。
    一応、研究教室まで抱えていったほうがいいのではと言う意見に、入間さんは断固拒否の姿勢を見せた。

    昨日までの様子からすると、彼女がああもあっさり俺達の頼みに頷くことがそもそも奇跡に近いのだ。
    このままでは調べることさえもしてくれなくなるかもしれない。そう思った俺は、入間さんの代わりに鳩を運ぶと名乗り出た。

    結果、こうして入間さんと共に研究教室まで歩くことになっている。
  74. 74 : : 2017/04/23(日) 22:12:25

    逃げ出すのではと危惧されていた鳩も、身動ぎ一つせずに俺に抱えられていた。
    機械仕掛けだからか普通の鳩よりは重いが、持てないというほどではない。

    どう見たって普通の鳩そのものだが、どことなくその雰囲気は最原君に似ている。
    最原君自身は物凄く嫌そうにしていたが、何故か似ているのだ。

    何故か頭上には、赤松さんのそれと似たアンテナのような毛が生えている。
    ……もしかして、最原君の頭にも、アンテナに似たアホ毛があったりするんだろうか。

    彼が帽子を取った姿は見たことが無いから分からない。なんてバカみたいな考えをしている内に、ようやく研究教室の前まで辿り着く。

    「やっと着いたぜ……オラァッ! さっさとここに置け!!」

    蹴り開く勢いでドアを開けた入間さんに続き、研究教室へと入った。
    赤松さんの研究教室には、曲を聴いてほしいと誘われて行ったことがあるが……入間さんの研究教室は随分と物騒な雰囲気に感じてしまう。

    中央にあるベッドはベッドというよりは手術台のように見えるし、天井からは巨大なドリルなんかが設置されているせいでますます発明家というよりは闇医者のように思えてしまった。

    口も悪ければ行儀も悪い入間さんに急かされ、手術台に鳩を置く。
    この雰囲気に暴れたりしないだろうかと思っていたが、鳩は相変わらず身動ぎ一つせずに大人しくしていた。

    「随分と大人しいっすね……やっぱり、機械ってことでしょうか」
    「それキーボに聞かれたら物凄くめんどくせー絡み方されるぜ?」

    軽口を挟みつつ、入間さんは早速道具を取り出してくると手際よく鳩を解体し始めた。
    パーツ一つ一つを手早く確かめる彼女の手元に思わず注目してしまっていると、彼女が「あ?」と声を零す。

  75. 75 : : 2017/04/23(日) 22:14:25

    「どうかしました?」
    「……なんだこれ」

    親指くらいの大きさの、黒一色の薄い板のようなもの。それを摘まみ上げ、入間さんは怪訝な表情を浮かべた。

    「メモリチップみてーだが……この鳩を構成してるパーツとは何も関係がねぇんだよ」
    「……もしかして、その中に何か情報が?」
    「うおっ! いきなり顔を近付けんなチン太!!」
    「ああ、すみません」

    思わずメモリチップを覗き込もうとしたせいで、入間さんを驚かせてしまった。
    謝りつつ、改めてメモリチップを見つめる。

    「……これ、何か書かれてませんか?」
    「ハァ? ……ちょっと見てみるか」

    室内のどこからか虫眼鏡を取り出してきたかと思うと、虫眼鏡越しに何かが見えたのか「なんだこりゃ」と声を漏らす。
    無言で虫眼鏡を渡された為、続いてメモリチップを見てみれば、黒一色の中、うっすらと灰色で文字が描かれているのが見えた。

    「……「V3」?」
    「コンピュータさえありゃ一発でナカが分かっちまうんだがな……今のところ、どこにもコンピュータがねーし……。
     チッ、イれる寸前で男がイッちまった時の女みてーな気分だぜ」

    相変わらず下品な例え方をしながらも唇を尖らせる彼女が、再び鳩のパーツの確認作業に戻る。
    俺は、手の中にあるメモリチップに意識を奪われていた。

    (……これが……)

    超高校級を16人も攫ってくるような連中だ。
    あっさり大事な情報を渡すなんて、そう甘くは無いのかもしれない、けれど。


    ──キミが最初に思い出す記憶は「超高校級狩り」についてだ。

    ──伝えたいことは、ただ一つ。

    ──みんなを、そして自分を。どうか信じてあげてほしい。

    ──たった一人で、全てを抱えて逝ってしまう前に。

    ──才  囚  ヨリ。
  76. 76 : : 2017/04/23(日) 22:17:07

    「……オイ、いつまでボサッと突っ立ってやがんだテメーは!
     オレ様の気が散るだろーが! さっさと散りやがれ鳥の巣頭!!」

    入間さんの怒号により、ハッと我に返る。
    俺は手の中にあるメモリチップをチラリと見て、彼女へと問い掛けた。

    「すみません。……入間さん、このメモリチップ。俺が預かっててもいいっすか?」
    「なんだ、んなことかよ。今の時点じゃただのゴミなんだ、それごととっとと失せろ!」
    「はい。……それと」

    チラリ、今度は手術台……ベッドの上を見る。

    「終二君、元に戻るんすかね、それ」
    「オレ様を誰だと思ってやがる! 元の姿よりも凄くしてやるよ!!」
    「……あまり改造し過ぎると星君や夢野さんに怒られるっすよ?」
    「へ、へへへ……まずは……とびきりイイバイブを……」
    「聞こえてないっすねこれ……」

    苦笑いしつつ、入間さんの研究教室を後にした。


    ──キミ達16人の中に、黒幕は居ない。

    ──「V3」と書かれたメモリチップを内部に隠した機械の鳩が、7日目、
      キミ達の前に現れるだろう。

    ──そのメモリチップに、全ての真実は隠されている。

    ──どうか、モノクマ達に奪われないように。


    (黒幕「は」居ない……なら、内通者なんかは居るかもしれないってことっすよね)

    半信半疑……どちらかといえば疑いの方に完全に傾いていたが、もうここまでくると信じるしかないのかもしれない。

    モノクマに渡された「生存者特典」。
    一体何なんだと恐れつつも起動させた画面に映し出されたのは、真っ白な背景に黒色の文字だけで。
    読み終わったと共に画面は完全に真っ黒に染まり、何をしても全く反応しなくなった。

    (入間さんが内通者だった場合……もしもこれがモノクマ達にとって
     危険なものだとしたら、すんなり俺に渡したりなんてしないでしょうし……)

    一つは、入間さんがモノクマ側じゃないという可能性。
    もう一つは、このメモリチップが大して重要なものではないという可能性。

    (……まだ、このメモリチップのことは皆には隠しておきましょう)

    誰がモノクマ側の生徒なのか、ハッキリと分かっていない、今はまだ。


     ◆

    【天海蘭太郎】と【入間美兎】の【絆のカケラ】が2個になりました。
    【天海蘭太郎】と【入間美兎】の【絶望度】が減少しました。
  77. 77 : : 2017/04/23(日) 22:23:25

    短い上に明後日の明後日だなんて絶望的ィ!!
    しかもこれ全然交流してなぁい!!


    >>72
     真宮寺君ってほんと良いキャラしてますよね。
     カケラの個数に関しては3個でMAXにするかどうかとも悩んだんですが現在悩み中です。
     無計画でスイマセーン


    なかなか時間が取れなくてすみません。
    明日は頑張ります(E:死亡フラッグ)
  78. 78 : : 2017/04/24(月) 01:40:44
    待ってたぜ
    生存者特典の中身が違うのはどうしてだろうV4なら天海に生存者特典が行くのもおかしいし
  79. 79 : : 2017/04/24(月) 20:19:12

    【交流会話】【夢野秘密子】と【春川魔姫】

      ◆


     無事にマジカルショーを終えられたことに安堵しつつ、ウチは片付けられていく小さな舞台をぼんやりと眺める。

    「夢野」

    夜長に何やら声をかけている転子の後ろ姿をぼーっと見ていると、静かな声が聞こえた。
    振りかえると、そこには青いバラを持った春川が、何か言いたげにこちらを見つめている。

    「んあ? なんじゃ?」
    「……あんたってさ、何か変な夢を見たりしてない?」

    思わずじっと顔を見つめると、気まずそうに視線を逸らされる。
    このままでは「なんでもない」と立ち去られてしまいそうだ。慌てて返事をした。

    「春川も見たのか?」
    「どんな夢だったのか教えて」

    音も立てずに近付かれ、ウチが思わず後ずさったのを見てか春川は「ごめん」と小さく呟くと一歩下がる。
    それでも射抜くような視線は変わらずに。

    「……ハッキリとは、ウチも覚えておらんのじゃ。
     ただ、大切な人を失ったことに、失ってから気付き、後悔した……。
     そんな想いが、ウチの魔法を更なる境地に辿り着かせた……」

    自分でも驚くほどに、16人全員で脱出したいという気持ちが強くなっているのを感じた。
    友人を……転子を守りたいという想いが、とても強くなった。

    「……あんたがマジックショーをするって決めたのも、その夢が理由?」
    「うむ。もうめんどいなんて言わんし、誰かに言わせるつもりもないぞ」

    ウチがフフンと胸を張れば、春川は暫し目を閉じた後、はぁとため息をつく。

    「私が見たのは、あんたみたいに綺麗なものじゃ無かったよ。
     ……誰かを強く想ったがあまりに、全てを破滅に導きかけた……。
     暗殺者のクセして、感情のままに動いたんだ」

    その声に秘められているものは、後悔。

    「春川よ。こう考えてみるのはどうじゃ?
     あの夢はウチらに、大切なことを気付かせてくれた、と」
    「……何それ」

    ──『       』

    顔も声も、何も思い出せない誰か。
    けれど、ウチに大切なことを教え、導いてくれたのは確か。
  80. 80 : : 2017/04/24(月) 20:21:08

    「今ここに居るウチらは夢ではない。夢の中で感じた後悔を、現実のものにしない為、動くんじゃ。
     ……めんどいと立ち尽くしているままでは、何も変えられんからな」
    「……本当に、変わったね。あんた」
    「ウチから見ると、お主もそうとう変わっておるぞ」

    昨日までのお主なら、全員で何かをするなんてこと、絶対に参加しなかっただろう。
    けれど、お主は文句を言いつつ参加した。
    その身に纏う雰囲気も、冷たいものから少し暖かなものへと変わっている。

    「……自分でも、不思議だよ。昨日までは鬱陶しいとしか思ってなかったのに、
     今は、あんた達のこと……」
    「……」
    「……っ、殺されたいの?」
    「んあーっ!? 何故じゃ!?」

    少し顔を赤くしたかと思うと、物騒な悪態をつかれてしまった。
    結構恥ずかしがり屋なのか……などと思っていると、顔を逸らしたまま言葉を続けられる。

    「……何でだろうね、あんたと最原には、特にそんな想いを感じるんだ」
    「ウチも同じじゃ。お主と最原には……ウチら三人に共通点は何かあったか?」
    「百田に無理やり夜時間のトレーニングに参加させられたとか」
    「お主はそうかもしれんが、最原は赤松の頼みを断り切れなかったかららしいし、
     ウチは転子のしつこさに根負けして渋々参加したからのう……」

    ウチと春川と最原の共通点……いくら考えても思い付かない。
    それは春川も同じようで、少し考え込んだと思えば、再びため息をついた。

    「いくら考えたって思い出せないんだし、どうしようもないか。
     ……バラ、ありがとう」
    「ウチの幸福になれるおまじないがかかっておるからな、大事にするんじゃぞ」
    「わかったよ」

    仕方なさそうにしつつも、バラを大事に抱えている姿に思わず笑うと、ギロッと睨まれてしまった。
    そのまま机を運んでいる百田の元まで向かう春川の後ろ姿を見送り、再び転子達の方へと視線を戻す。

    ──『嘘』でも、世界を変えられる。

    誰が言ったのかも、どんな口調だったかも分からない。

    「……言われずとも、ウチの魔法は、皆を笑顔にする為にあるのじゃ」

    今日はマナが足りないせいで低級魔法しか扱えなかったが、魔法使いの研究教室が解放されれば、更に位の高い魔法を見せることだって可能だろう。
    モノクマのヤツが何を言ってきたって、揺らがない絆を紡ぐ為なら……。

    ウチは何度でも、夢を魅せてやる。


      ◆

    【夢野秘密子】と【春川魔姫】の【絆のカケラ】が2個になりました。
    【夢野秘密子】と【春川魔姫】の【絶望度】が減少しました。
  81. 81 : : 2017/04/24(月) 20:22:34

    【交流会話】【赤松楓】と【星竜馬】

      ◆


     何かを手伝おうとするよりも先に、あっという間に片付けは終わってしまっていた。
    私も椅子を運ぶくらいは手伝うよ! ってやる気満々だったのに、気付けば最原くんに持って行かれちゃってたしなあ……。

    まだ何か出来ることは無いかと辺りを見回していると、
    人の少なくなった体育館の中、隅の方にぽつりと立ち尽くす人物に気付く。

    「星くん? どうしたの?」
    「……赤松か」

    放っておけずに声をかけると、星くんはちらりとこちらを見る。
    けれど、直ぐに視線は小さな舞台があった中央付近へと向けられてしまった。

    「らしくもねー感傷に浸っちまっただけだ、放っておけ」
    「もう、またそういうこと言う! 大事な仲間を放っておける訳ないよ」

    突き放すような態度をとっても、私に退く気がまるで無いのを悟ったのか。
    星くんは少し考え込んだ後、重い口を開いてくれた。

    「……ずっと、俺にはもう何もないと思っていた」

    初めて会った時、視界的に賑やかなゲームルームとは正反対な雰囲気で、彼は自らに近付くなと言った。
    けれど、今の彼は、迷っているように見える。

    「思っていた、はずなんだがな……」

    チッと舌打ちをすると、星くんは目を閉じた。
  82. 82 : : 2017/04/24(月) 20:23:26

    暫しの沈黙が訪れるが、それでも言葉の続きを待ち続ける私に根負けしたのか、再び口を開く。

    「あんたは以前、俺が「自分はこうだと決め付けてすねてる」って言ったな」
    「……確かに、あの時はそう言ったよ。
     でも今は……星くんは、少しずつだけど、進もうとしてるんじゃないかな?」

    私がそう告げると、星くんは目を瞬かせた。

    「私達は、キミの生きる理由にはなれない?」

    その言葉に、彼はまた口を噤む。

    「……俺みてーな殺人者にそこまで言うなんざ、あんたも余程の変わり者だな」
    「か、変わり者かぁ……」

    ただ、困っている人が居たら助けてあげたいだけなんだけどな。
    私が思わず面食らっていると、星くんはフッとニヒルな笑みを浮かべた。

    「あんたの言葉は……人を変えてしまえるのかもな」
    「え? そんなことないよ、私は自分の思いを素直に言ってるだけだし……」

    もちろん、誰かが悩んでいる時に、前に進む切っ掛けになれたなら嬉しいけれど。

    「……フン、喋り過ぎたか。つまらない話に付き合わせて悪かったな」
    「ううん、そんなことないよ。次はまた猫の話でもしない? 他にも誰かを誘ってさ」

    去ろうとする星くんへそう声をかければ、少しの沈黙の後。

    「……それも悪くねーかもな」

    そんな言葉を残して、彼は去って行った。
    その横顔は、昨日よりも楽しそうに見えた……そう信じたい。

    みんなで友達になってこの学園から脱出する。それが私の願い……いや、願いなんかじゃない。
    絶対に、そうしてみせるという強い決意だ。

    「モノクマ……絶対に、私達はコロシアイなんてしないから」

    学園中に設置されているモニターは、体育館にも設置されている。
    真っ暗な画面を睨みつけ、私も体育館を後にした。


      ◆

    【赤松楓】と【星竜馬】の【絆のカケラ】が2個になりました。
    【赤松楓】と【星竜馬】の【絶望度】が減少しました。
  83. 83 : : 2017/04/24(月) 20:29:14

    ◆7日目・午後

    【プラスイベント】《魔法使いの魅せる夢》が終了しました。
    イベントにより、【夢野秘密子】と【茶柱転子】の【絆のカケラ】が2個に増えました。

    モノクマメダルをコンマ末尾二桁+参加人数分(今回は16)入手出来ます。

    ↓1(コンマ判定)
  84. 84 : : 2017/04/24(月) 21:15:38
    よいしょっと
  85. 85 : : 2017/04/24(月) 21:23:17

    >>84

    38+16
    54枚のモノクマメダルを入手しました。

    現在のモノクマメダルは64枚です。
  86. 86 : : 2017/04/24(月) 21:25:07

    最原(マジカルショーを見終えた僕らは、また各自思い思いに過ごした)

    最原(僕は図書室で何か変化は無いかを調べていたけど……。
       時間を忘れて作業に没頭してしまったからか、赤松さんが呼びに来てくれるまで
       夕食の時間をもう過ぎていることに気付かなかった)

    最原「ゴメン、赤松さん」

    赤松「まさか本棚の上の本まで調べてるなんて思いもしなかったよ!
       ……何か手掛かりは見つかった?」

    最原「ううん。……でも、今の時点で行けるところは大体調べたし、
       もしかしたら何かあるかもしれないから」

    赤松「何かあったら直ぐに言ってね? 何だって手伝うよ」

    最原「ありがとう。……調べてる僕が言うのもなんだけど、
       図書室に何かある可能性はかなり低いと思う。念の為見てるだけだよ。
       赤松さんには今まで通り、みんなの様子を見ていてほしいな」

    赤松「うーん……分かった。私も気付いたことがあったら直ぐ伝えるからね。
       よーしっ、早く行こう!
       今日の晩ご飯は夢野さんのリクエストでもつ鍋だよ!」

    最原「うん……って、もつ鍋!?」

    最原(夢野さんってそういうのが好きなのか……?
       意外だけど……星くんだってあの見た目であの声だし、人は見た目によらないよな、うん)


    ──夕食

    1回【交流会話】を見ることが出来ます。

    ↓1(はーい二人組つくってー)
  87. 87 : : 2017/04/24(月) 21:34:08
    ん・・・参加人数・・・今回、“は”?
    ・・・取り合えず、・・・。ごめん、決まらないから下に再安価を
  88. 88 : : 2017/04/24(月) 21:38:30
    最原と春川
  89. 89 : : 2017/04/24(月) 21:50:04
    プラスイベントの参加人数のことじゃないかな
  90. 90 : : 2017/04/24(月) 22:01:10

    【交流会話】【最原終一】と【春川魔姫】

      ◆


    最原(……本当にもつ鍋だ……)

    最原(うん、まあ赤松さんがそんな冗談言う訳無いんだけど……。
       王馬くんじゃあるまいし……)

    ヴェアアアアアアアン!!!! イマアズキアライロボナミノサベツウケタァ!!!!
    チョット! ウルサイウエニシツレイデスヨ!!!!

    春川「……」モグモグ

    最原(……でも東条さんが作っただけあってとても美味しい……)パクッ

    春川「……」モグモグジー

    最原「……」モグ

    春川「……」モグジーモグ

    最原(凄い視線を感じる……僕は春川さんに何かしてしまったんだろうか……)

    春川「……食べないの?」

    最原「その……あまり見られると食べづらいというか……」

    春川「女みたいなこと言うんだね、夢野を見習ったら?」モグモグ


    茶柱「キャーッ! 夢野さんの食べる姿、とっても可愛いです!!」ガンミ

    夢野「んあ……うるさい」モグ


    最原(す、凄い……! 茶柱さんにガン見されても普通に食べ続けてる……)

    春川「……」ジーッ

    最原(でも僕にそんな精神力は無い……!)

    最原「えっと……何?」

    春川「……あんたって、私達の前で帽子外したことあったっけ」

    最原「え? ……いや、無いよ」

    春川「そうだよね……」ハァ

    最原(なんでため息までつかれなきゃいけないんだ!?)

    春川「邪魔して悪かったね。聞きたかったのはそれだけだから」コトン

    最原(食べ終わるの早くない?)

    春川「それじゃ」スタスタ

    最原「……」

    最原(帽子は……まだまだ手放せそうにないな)

    最原(それにしても、どうしてあんなことを……?)


      ◆

    【最原終一】と【春川魔姫】の【絆のカケラ】が2個になりました。
    【最原終一】と【春川魔姫】の【絶望度】が減少しました。
  91. 91 : : 2017/04/24(月) 22:04:20

    ──夜時間

    《トレーニング》が発生。

      ◆


    最原「……そろそろトレーニングの時間だよな」カキカキ

    最原(三日目に、百田くんの提案で始まった夜時間のトレーニング……。
       あの日は全然参加者が居なかったのに、赤松さんや百田くんの説得のお陰で
       どんどん人が増えて……)カキカキ

    最原(朝の調子だと、今日は全員居そうだな……)カキカキ

    最原「……よし、今日の分はここまで」パサッ

    最原(モノパッドのマップが本当に正確なのかを確かめる為に、
       僕は倉庫から持ってきたノートとペンで手書きの地図を作っている)

    最原(少なくとも、高さ的に校舎には4階まではありそうだし、
       2階だってもっと広いはずだ。
       だけど、現時点ではモノパッドのマップにも表示されていないし、
       入口らしき場所も見当たらない……)

    最原(……今、みんなは団結しているけど、それがいつまで保てるか……。
       このままずっとモノクマが沈黙していてくれればいいんだけど……、
       流石に無理だよなぁ)


    ピンポーン

    最原「……」

    ピンポピンポピンポーン!!

    最原(う、うるさい! これは百田くんの押し方!!)

    最原「今行くから待って!」ワタワタ

    最原(ノートとペンをクローゼットの奥に押し込んで……っと)


    最原「近所迷惑だよ百田く……」ガチャ

    茶柱「キェェェェェェッ!!」ブンッ

    最原「うわあああっ!?」ドターン

    夢野「何をしておるんじゃ転子ー!?」ガーン

    茶柱「ハッ……す、すみません最原さん! 男死と勘違いされてつい……」テサシダシ

    夢野「まっ、待て転子! 手を差し出すのは良いがお主の場合はまた……」

    最原「……あっ」ソッ

    茶柱「ぬがぁぁぁぁっ!!」ブンッ!!

    最原「わあああああっ!!」ドターン!!

    夢野「最原ー!!!!」
  92. 92 : : 2017/04/24(月) 22:12:31

    茶柱「本当にすみません……」

    最原「う、ううん。大丈夫だから気にしないで」ボロッ

    最原(正直、全身が痛いけど……茶柱さんも謝ってくれたしな……。
       今日のトレーニングは隅の方でひっそりしていよう)

    夢野「大丈夫じゃ、ウチが寝て起きれば元気になる回復魔法をかけておる」

    最原(それ、夢野さんの魔法は関係無いんじゃ……)

    最原「二人が呼びに来てくれたの?」

    茶柱「はいっ! なぜか百田さんの元気がいつもより無くて、
       赤松さんと春川さんが励ましていたので代わりに来ました!」

    最原(そういえばトレーニングの後に怪談会するとか言ってたっけ……。
       百田くん、凄く嫌そうだったからなぁ……)

    夢野「真宮寺と天海とアンジー、そして入間の4人以外は全員おるぞ」

    茶柱「入間さんも呼びに行ったんですけど……自分の研究教室に籠もっていて、
       全く出て来てくださらなかったので……」

    夢野「ウチの使い魔に何をしておるんじゃ、あやつは……」

    最原(真宮寺くん達は怪談会の準備で、入間さんはあの鳩について調べてるのかな。
       何か情報が出ればいいけど……)


    ──中庭

    最原(なぜか道のりが長く感じた……)

    最原(さっき決めた通り、隅の方に居ようかな……。
       腹筋10回くらいしたら、後はみんなの様子でも見ておこう)


      ◆


    《トレーニング》は生徒達にやる意思がある限り、毎晩行われます。
    2回の【交流会話】に加え、【百田解斗】と他の生徒の【交流会話】を見ることが出来ます。


    ※天海、真宮寺、夜長、入間は選択できません。

    ↓1~2(ペア組んで~) ↓3(百田先生の熱血カウンセリング一名限定)
  93. 93 : : 2017/04/24(月) 22:18:43
    赤松、最原
  94. 94 : : 2017/04/24(月) 22:26:22
    夢野と茶柱
  95. 95 : : 2017/04/24(月) 22:32:27
    キーボ(無情の選択)
  96. 96 : : 2017/04/24(月) 22:41:59

    【交流会話】【赤松楓】と【最原終一】
    【交流会話】【夢野秘密子】と【茶柱転子】
    【交流会話】【百田解斗】と【キーボ】

    今回の交流会話が決定しました。


    >>78
    お待ちいただけて感謝……っ!(以下略)
    なんで本編と違うんすかね? ちょっと確かめに図書室行ってくるっす。

    >>87 >>89
    仰る通り、【プラスイベント】の人数のことです。
    7日目はチュートリアルなので全員参加のものばかりですが、
    8日目からは人数制限式のものが出てきたりうんたら。

    >>95
    まあ今の百田先生は怪談会で頭がいっぱいなのでちょうどいいんじゃないですかね(しれっと)


    いい加減に7日目を終わらせようと意気込んでたらパソコンが強制シャットダウンされて書いてたやつが吹き飛んだので今回はここまで。
    次回はまた明後日くらいに。
  97. 97 : : 2017/04/24(月) 22:44:28
    こまめな保存って大事だよね…
  98. 98 : : 2017/04/24(月) 22:59:10
    電気を大切にね♪(バツンッ←
  99. 99 : : 2017/04/26(水) 21:08:42

    【交流会話】【赤松楓】と【最原終一】

      ◆


    赤松「あっ、最原くん! どうしてそんな隅の方に居るの?」

    最原「さっき茶柱さんに投げられちゃって……
       まだ少し痛むから、隅の方で見学しておこうかなと思ったんだ」

    赤松(確かにちょっと服がボロボロだ……)

    赤松「じゃあ私も休憩しようかな、隣に座っても良い?」

    最原「う、うん」

    ワイワイギャーギャー

    最原「……最初はバラバラだったのに、みんなすっかり団結してるよね」

    赤松「うんうん、この調子でもっと仲良くなっていきたいよね!」

    最原「これも赤松さんと百田くんのお陰だよ。
       あのスイッチなんて無くても、二人が居ればその内こうなってたんじゃないかな」

    赤松「それはちょっと褒めすぎじゃない?
       私はただ、みんなを信じてるだけだよ。きっと百田くんもそうだと思う」

    最原「それでも、この状況で人を信じるのは、勇気が必要だと思う。
       ……普通の人にはなかなか出来ないことだよ」

    赤松「だって悪いのは全部モノクマなんだよ?
       私達が疑心暗鬼になったりしたら、モノクマ達を喜ばせるだけだもん」

    最原「……うん、そうだね。やっぱり、赤松さんは凄いよ」

    赤松「えー? そうかなぁ……」ウーン
  100. 100 : : 2017/04/26(水) 21:09:52

    最原「信じる人が居てくれるっていうだけで安心する人は多いんじゃないかな。
       きっと、赤松さんに救われた人は多いと思うよ」

    赤松「うーん……私はただ、自分の思ったことを素直に言ってるだけなんだけど……」

    最原「じゃあ尚更凄いよ。……僕にはそんなこと、とても出来ないから」

    赤松「あっ! またそういうことを……。
       そうやって自分を卑下するようなこと言っちゃ駄目だよ!」

    最原「ご、ごめん……」

    赤松(せっかく、昨日まではちょっとずつ帽子の被り方が浅くなってきてたのに、
       今朝の出来事のせいかまた深く帽子を被るようになっちゃってる……)

    赤松「少なくとも、既にキミは一人の人を救ったんだよ?
       もっと、自信を持ってほしいな」

    最原「……えっ?」

    赤松「それでも無理なら、私が傍で支えてあげるから。
       キミが納得できるまで、何度だって言うよ。言えなかった分まで、さ」

    最原「……言えなかった分?」

    赤松「……あれ? 何を言えなかったんだろう……。
       変だよね、誰一人欠けることなく、ちゃんと居るのに」

    赤松(とても不思議だけど……7日目を迎えられたことに、泣きたいくらいの
       嬉しさを感じるんだよね。……なんでだろう)

    最原「……」

    赤松「最原くん?」

    最原「……なんでもないよ」

    赤松「だいじょ……先に言われた……!」

    最原「赤松さんが言いそうなことくらい分かるよ。
       僕は大丈夫だから、心配しないで。……赤松さんの方こそ、無理をしたら駄目だよ」

    赤松「私だって全然平気だよ!」


    赤松(……絶対に、みんなで脱出するんだ。
       その為なら、多少の無茶は仕方ない……よね)


      ◆

    【赤松楓】と【最原終一】の【絆のカケラ】が2個になりました。
    【赤松楓】と【最原終一】の【絶望度】が減少しました。

  101. 101 : : 2017/04/26(水) 21:11:28

    【交流会話】【夢野秘密子】と【茶柱転子】

      ◆


    夢野「はーち……」

    茶柱「あと少しです夢野さん!」

    夢野「きゅーう……」

    茶柱「あと一回です! 頑張ってください!」

    夢野「じゅーう……んあー」

    茶柱「お疲れ様です夢野さん! 腹筋をする夢野さんも可愛らしい……!」

    夢野「……」

    茶柱「……あ、あれ、夢野さん?」

    夢野「転子」

    茶柱「なんでしょう!」

    夢野「流石にうるさい」

    夢野(一回ごとにあんなに騒がれては気が散るわい……)

    茶柱「そ、そうでしたか!? すみません、転子、浮かれ過ぎたみたいです……」ショボン

    夢野「……まあ良いわ。ウチは偉大なる魔法使いじゃからのぅ、
       崇めたくなるのも当たり前のことじゃ」

    茶柱「はいっ! 今日の夢野さんの魔法も、とても素敵でしたよ!」

    夢野「当然じゃな、ウチが使う魔法はそんじょそこらの奴らとは格が違うぞ」

    茶柱「……」

    夢野「ど、どうしたんじゃ。顔が凄いことになっておるが……」

    茶柱「いえ、嬉しいんです。
       夢野さんが、笑ったり怒ったり……感情を素直に出してくださるのが」

    夢野「……誰かに、感情の大事さを教えてもらったような気がするのじゃが、誰だったか全く思い出せん。
       ただ、その誰かのお陰じゃな。今のウチがおるのは」

    茶柱「むむっ……その誰かさんが羨ましいです……!
       転子は……転子は嫉妬のあまり、視界に入った男死を全て投げ飛ばしたい衝動に……!」

    夢野「やめい。通り魔かお主は」

    茶柱「通り魔ではなく女子を不埒な男死から助けるヒーローと言って頂ければ……!」

    夢野「通り魔以外の何物でもないと思うのじゃが……」

    茶柱「そういえば、夢野さんももつ鍋が好きなんですね!
       転子も朝から食べたいくらいには大好きなんですよ!
       これはもうアレです、運命ってやつですね!!」

    夢野「んあー……朝から鍋はハードにもほどがあるぞ……」

    茶柱「そうですかね?」

    夢野「……別に、ウチがもつ鍋を好きな訳ではない。
       お主と食べてみたかっただけじゃ」

    茶柱「……っ!!」バンバンッ

    夢野「んあぁっ!? ど、どうしたんじゃいきなり地面を殴って……」

    茶柱「夢野さんのデレの数々に転子は昇天しそうです……」

    夢野「て、転子?」

    茶柱「夢野さん……まい……えんじぇる……」ガクッ

    夢野「転子ーーーーー!!!!」ンアアアアア


      ◆

    【夢野秘密子】と【茶柱転子】の【絆のカケラ】が3個になりました。
    【夢野秘密子】と【茶柱転子】の【絶望度】が減少しました。
  102. 102 : : 2017/04/26(水) 21:13:27

    【交流会話】【百田解斗】と【キーボ】

      ◆


    キーボ「……あのー、百田クン」

    百田「ななななんだよキーボかよ驚かせんじゃねー!!」

    キーボ「うわあっ!? 全く、逆にこっちが驚きましたよ……」

    百田「この程度で驚くなんざ、まだまだだな。
       男ってモンは、宇宙のように広い心でどっしり構えておくもんだぜ」

    キーボ「凄いです、今の百田クンに言われても説得力がまるで皆無です」

    百田「なんだとコノヤロウ!!
       ……ハァ、ったくよぉ。なんで怪談会なんてやるんだか……。
       トレーニングして程良く体動かして寝りゃいいじゃねーか」

    キーボ「まあボクにも理解は出来ませんが……幽霊なんて非科学的ですし」

    百田「ああそうだ。心霊写真なんてもんはシミュラクラ現象のせいだし、
       体を何かが触ってきたっつーのも電磁波の影響で運動神経を刺激されて……」クドクド

    キーボ「そこまでして認めたくないんですね……」

    百田「幽霊なんて人間の思い込みに過ぎねーんだよ!」

    キーボ「幽霊を否定できる充分な知識があるのにどうしてそれでも怖がっているんですか?」

    百田「理解すんのとそれをどう思うかは別だ別!!」

    キーボ「はぁ……。どちらも一緒では?」

    百田「いいや、全然違うぞ。
       キーボ、テメーはトレーニングすることについてどう思う?」

    キーボ「え? ……ボクは皆さんと違って、体を鍛えるということが出来ないので……。
        非効率的だ、とは」

    百田「でもテメーは今ここに居るじゃねーか」

    キーボ「皆さんが居るのに一人だけ別行動だと、
        何か問題が起こった時に対処し難くなりますから」

    百田「……まあそのうちテメーにも分かる時が絶対にくる!
       オレが保障するんだから間違いねーよ!!」

    キーボ「……人というのはなかなか難しいですが、
        キミは特にメチャクチャですね……」ハァ


      ◆

    【百田解斗】と【キーボ】の【絆のカケラ】が2個になりました。
    【百田解斗】の絶望度が減少しました。
  103. 103 : : 2017/04/26(水) 21:15:11

    ──中庭


    夜長「にゃははー! みんな、頑張ってるねー」

    最原「うわっ!? アンジーさん……いきなり後ろから声をかけないでよ」

    最原(凄くびっくりした……)ドキドキ

    茶柱「アンジーさんっ! 大丈夫でしたか!? あの二人に何かされたりは!?」

    夜長「大丈夫だよ、是清も蘭太郎も真面目に準備してたからねー。
       そろそろ頃合だって神さまが教えてくれたから迎えに来たんだよ~」

    赤松「確か……教室Aだったよね?」

    夜長「あったりー! それじゃ、アンジーは美兎を呼んでくるからねー、
       ぐっぱいなら~」

    最原(入間さんを連れて来るのはなかなかに大変だと思うけど……。
       何故か、アンジーさんなら出来そうっていう謎の説得力があるな……)

    夢野「……真宮寺。あやつが怪談会を開くなど、本物を呼びそうな……」

    百田「バ、バッキャロー!! 幽霊なんて居る訳ねぇだろ!!」

    春川「……「おばけなんてないさ」って歌ってあげてもいいけど」

    百田「ガキ扱いすんじゃねー!!」

    茶柱「夢野さん! 夜中にトイレに行けなくなったら呼んでください!
       直ぐに駆けつけます!!」

    白銀「夜中にトイレに行けない時に直ぐ駆けつけて来る友人の方が怖い気がするんだけど……」

    キーボ「霊なんて非科学的なもの、居る訳ないじゃないですか。
        どうしてそんなに怖がっているのか……理解不能です」

    王馬「うわっ、ホラー映画だったら真っ先に死体になってそうなセリフ……。
       ああそっか、ロボットだから死体とは言わないか。ごめんごめん!」

    キーボ「録音しましたよ! ここから出たら次に会うのは法廷ですからね!!」

    星「フン……なかなかやるじゃねーか」シュンッ

    獄原「星くんも凄いよ! なかなかゴン太に追い付ける人なんて居ないのに……!」シュンッ

    最原(最早あの二人は残像しか見えな……というより何やってるの!?)

    東条「体を動かした後は水分の補給も忘れてはダメよ、どうぞ」スッ

    最原「あ、ありがとう……」
  104. 104 : : 2017/04/26(水) 21:16:25

    赤松「ほらっ百田くん! 歌いながら行ったら怖くないよ!」

    茶柱「男死の癖して情けないですよ!!」

    夢野「安心せい、ウチが結界を張ってやろう」

    王馬「おばけなんて居る訳ないじゃ~ん!」

    百田「クッ……王馬が言うと何故か嘘に感じる……!」

    王馬「ところで百田ちゃん、夕食の時何故か全然もつ入ってなかったでしょ?」

    百田「あ? それが何」

    王馬「それ妖怪のせいだから」マガオ

    百田「そそそそんな訳ねーだろバカにすんな!!」

    王馬「ほら……つい最近見たでしょ? ジバ」

    春川「アウト」スパーン

    白銀「ホント、怒られないのか不安になるネタだったよね……」
  105. 105 : : 2017/04/26(水) 21:17:32

    【プラスイベント】《ささやかな怪談》が発生します。

      ◆


    ──教室A


    天海「おっ、全員参加っすか。いい感じっすね。
       ……疲れてるみたいっすけど、何かありました?」

    最原「……「おばけなんてないさ」も、歌い方によってはカオスになるんだね……。
       初めて知ったよ」

    天海「……お疲れ様っす」

    最原(正直もう疲れたよ……寝そうだ)

    赤松「アンジーさんは入間さんを連れて来るって言ってたよ」

    天海「夜長さんなら出来そうな謎の安心感があるっすね……。
       まあいつまでも廊下に居るのもなんなんで、入ってください」

    赤松「おじゃましまー……わっ、凄い! 三人だけでここまでやったの?」

    最原(壁一面は黒い布で覆われ、ろうそくがぼんやりとした明かりを灯している。
       16個の椅子が円形に並べられ、その内の一つに真宮寺くんが座っていた。
       ……うん、凄いな)


    真宮寺「ククク……待っていたヨ」

    白銀「うわぁ……なんだか、ついにラスボス戦! って感じの雰囲気があるね」

    夢野「百田の奴にしてみればまさしくそんな感じじゃろうな」

    キーボ「というよりも……真宮寺クンって民俗学者ですよね? どうして怪談話に?」

    真宮寺「怪談というものは、人々の噂や言い伝え等から生じたものだからネ……。
        ある意味、民俗学とも深い関わりがあると言えるのさ」

    天海「俺も何度かそういったのに遭遇したことがあるっすから、
       退屈はしないと思います」

    茶柱「実体験なんですか!?」

    天海「そうっすよ? よくあることっす」

    東条「よくあるわね」

    星「よくあるな」

    獄原「あるの!?」

    真宮寺「僕もフィールドワーク先で何度か見たことはあるヨ。
        実に興味深いネ……」

    最原「超高校級って凄いね……」

    赤松「私は違うからね!?」
  106. 106 : : 2017/04/26(水) 21:18:42

    百田「」チーン

    春川「百田ーーー!!」

    白銀「百田くんが死んじゃった!! この人でなし!!」

    獄原「えぇっ!? も、百田くん!?」ガーンッ

    王馬「もう気絶したままのほうが静かでいいんじゃない?
       さっきキレ気味におばけなんてないさ歌ってた時凄いうるさかったし」ツンツン

    春川「つつくな」ジロリ

    王馬「はーい」ヒラヒラ

    夜長「お待たせー、美兎を連れてきたぞー!」ガラッ

    入間「オ、オレ様が寝れなくなったらどうしてくれんだよぉ……。
       世界規模の損失だぞぉ……?」

    赤松「あっ入間さん! 終二くんは?」

    最原「その呼び名で確定したんだ……うん……知ってたけどさ……」

    入間「おう貧乳松! 明日には完成するから股間を洗って待ってろ!!」

    東条「……色々と言いたいことはあるけれど……。
       何か変な機能が付いていたりはしなかったのね?」

    入間「興ざめするほど何も無かったぜ」

    赤松「何も無いならよかったよ」

    最原(……何か情報になるものはないかなって思ってたんだけど……。
       やっぱりモノクマ側もそこまで甘くは無いか……)


    入間「……あっ、そういや」

    天海「あまり遅くなるのもなんですし、そろそろ始めません?
       いつまでも立ちっ放しっていうのも疲れますし」

    春川「そうだね、さっさと終わらせよう」

    王馬「百田ちゃんにゾッコンだね~ヒューヒュー」

    春川「……」

    王馬「おお怖っ」

    茶柱「夢野さん! 怖くなったら直ぐに言ってください! 転子がお守りします!」

    夢野「今はどちらかというとお主の必死さの方が怖いがな」

    白銀「大丈夫だよ、妖怪が来ても「結!」「滅!」ってすればいいだけだから!」

    キーボ「すみません、分かりません」

    夜長「おりょー? 怖いのー? じゃあ終わったら、ちゃんと眠れるように
       アンジーが元気になれるお話をしてあげるよ~」

    赤松「元気になれるお話ってなんだろう……」

    真宮寺「さァ……始めようか」
  107. 107 : : 2017/04/26(水) 21:22:49

    最原(そして、真宮寺くんによる怪談咄が始まった。
       ……でも、正直僕は、話よりも
       入間さんと天海くんの態度について考えてしまっていた)

    最原(入間さんが何か言いかけたのを、天海くんが遮ったような……。
       ……流石に考え過ぎかな)

    最原(……考え込んでいたせいであまり怪談を聞けていなかったんだけど、
       これだけは言えることがある)

    最原(アンジーさんの話が一番怖かった……ということだ)

    最原(途中で起きては気絶してを3回繰り返した百田くんは、
       とうとう4回目の目覚めの時に春川さんに気絶させられてしまった)

    最原(ゴン太くんに背負われていったけど……
       もう朝まで寝てたほうが百田くんにとってはいいんじゃないかな……)

    最原(僕ももう眠かったので、自室に戻ることにした)



    ──解散後


    真宮寺「ククク……天海君も夜長さんも、手伝ってくれて感謝するヨ……」

    天海「まあみんなの反応とか正直見てて楽しいっすからね」

    夜長「神さまが絆を育む為の良い機会だって言ってたからねー、
       でも誰もお祈りしてくれなかったのは残念だなー」


    真宮寺(春川さんも、最初に見た時は不合格だと思ったけど……。
        今の彼女は、もしかしたら合格に変わるかもしれないからネ……。
        もっとじっくりと見極めないと……)

    天海(……スイッチの効果を受けていない人物がモノクマ側かと思ってるんすけど……。
       あまり変化が無いように感じるのは……白銀さんっすかね。
       全く無いのは最原君とキーボ君……。この三人は特に注意して見ておかないと)


    夜長「……あれま、不穏な気配を感じるって神さまが言ってるよー。どうして~?」


      ◆

    【プラスイベント】《ささやかな怪談》が終了しました。
    イベントにより、【真宮寺是清】【天海蘭太郎】【夜長アンジー】の【絆のカケラ】が2個になります。

    モノクマメダルを秒数+参加人数分入手出来ます。

    ↓1(秒数判定……前回間違ってコンマって書いてたのはナイショダヨ)
  108. 108 : : 2017/04/26(水) 21:53:18
    はい
  109. 109 : : 2017/04/26(水) 22:00:20

    >>108

    18+16
    34枚のモノクマメダルを入手しました。

    現在のモノクマメダルは98枚です。
  110. 110 : : 2017/04/26(水) 22:03:08

    ◆7日目・終了

    7日目が終了しました。

    現在のモノクマメダル:98枚


    1、次の日へ
    2、生徒達の絶望度を確認する(10枚消費)
    3、モノクマにヒントを聞く(内容によって消費数が変わります)

    ↓1(選択してください)
  111. 111 : : 2017/04/26(水) 22:04:16
  112. 112 : : 2017/04/26(水) 22:07:55

    2、生徒達の【絶望度】を確認する。

    モノクマメダルを10枚消費しました。
    現在のモノクマメダルは88枚です。


    現在の【絶望度】は以下の通りです。

    【赤松楓】   40/100

    【天海蘭太郎】 58/100

    【入間美兎】  43/100

    【王馬小吉】  33/100

    【キーボ】    0/100

    【獄原ゴン太】 46/100

    【最原終一】  57/100

    【白銀つむぎ】 25/100

    【真宮寺是清】  0/100

    【茶柱転子】  27/100

    【東条斬美】  33/100

    【春川魔姫】  30/100

    【星竜馬】   33/100

    【百田解斗】  18/100

    【夢野秘密子】 11/100

    【夜長アンジー】10/100
  113. 113 : : 2017/04/26(水) 22:09:21

    現在のモノクマメダル:88枚

    1、次の日へ
    2、モノクマにヒントを聞く(内容によって消費数が変わります)

    ↓1(どっちか)
  114. 114 : : 2017/04/26(水) 22:11:00
    2かな
    絶望度が高い人を積極的に交流させたほうがいいね
  115. 115 : : 2017/04/26(水) 22:20:25

    【モノクマ・ヒント】

    ◆メダルの枚数さえ足りるなら同時に複数選択可能。


    1、生徒一人の詳しいヒント(その生徒の名前を書いてください)(50枚)
    2、【プラスイベント】を起こしそうな生徒について(30枚)
    3、【マイナスイベント】を起こしそうな生徒について(30枚)
    4、このSSのエンドって?(20枚)
    5、その他自由(内容によって消費数判断)

    ↓1(どれか)
  116. 116 : : 2017/04/26(水) 22:38:09
    2でメダルを稼ごう
  117. 117 : : 2017/04/26(水) 22:58:57

    2、【プラスイベント】を起こしそうな生徒について

    ◆モノクマメダルを30枚消費しました。


    「「「「おはっくまー!」」」」


    モノタロウ「……ってあれ? 今は夜だよね?」

    モノファニー「ええそうよ」

    モノキッド「つまりおはようの時間じゃねぇな! ミーとしたことが失敗しちまったぜ!」

    モノタロウ「うーんと……それじゃあ……」

    「「「くますみー!」」」

    モノスケ「……ってアホか! 帰ってどうすんねん!!」

    モノダム「……」

    モノタロウ「でもさ、【プラスイベント】って何? オイラ、よくわかんないや」

    モノキッド「ヘルイエー! きっと昇天しちまいそうなほど良いモンなんだろうな!!」

    モノスケ「あー、アカン。収拾つかんわ。これじゃ詐欺になってまうやん。
         ……という訳で、後は頼んだでモノファニー」

    モノファニー「グロくないイベントのことなら任せてよ!」


    モノファニー「……えっと、【プラスイベント】を起こしそうな生徒についてだったよね」

    モノファニー「そうね……そういえば、ピアニストは
           一人の時は裏庭に居ることが多いみたいなの」

    モノファニー「一体何をしているのかしら……もっと仲の良い生徒が増えたら、
           教えてくれるかもね」

    モノファニー「それと……昆虫博士には気になることがあるみたいね」

    モノファニー「とても仲の良い生徒になら、話してくれるかもしれないわ」

    モノファニー「こんな感じで良いかな……。
          【プラスイベント】は、また新しい研究教室や建物が解放されたら
           発生するし、気軽な感じでいいのよ」

    モノファニー「このSSは人が死ぬことは無いからね」

    モノスケ「おう、お疲れさん」

    モノキッド「死ぬことは無いなんてつまんねぇな!!」

    モノタロウ「でも精神……あっこれ言っちゃ駄目だった?」

    モノファニー「駄目に決まってるじゃない! もー」

    モノスケ「ほな、そろそろ帰るで! 準備せなあかんことが仰山あるからな!」

    モノタロウ「うん、帰ろっか」


    「「「「くますみー!」」」」



    モノダム「……」

    モノダム「……アシタ、イクトイイバショ……」

    モノダム「……ゲームルーム、ダヨ」
  118. 118 : : 2017/04/26(水) 23:06:28

    やっと7日目が終わりました。
    でもチュートリアルだからイベントが多かっただけで8日目からは割とさっくりになるはずです。多分。


    >>97
    ホゾン ダイジ ゼッタイ(白目)

    >>98
    まさかスーダンの再現をやられてしまうとは……不覚。

    >>114
    逆に事件起こらないとやらかしまっしぐらな人物も……クチガスベッター

    >>116
    ちゃんとLボタンで片付けるのを忘れないようにしないといけませんね。


    次回はまた明後日くらいに。
  119. 119 : : 2017/04/26(水) 23:13:49
    次の行き先はゲームルームか
    事件が何もないとお友達ポイントが貯まっちゃうからね
    次のヒントはあいつを聞きたいな
  120. 120 : : 2017/04/28(金) 20:41:00

    ◆8日目・朝


    『『『『おはっくまー!』』』』

    モノタロウ『キサマラ、朝8時だよー』

    モノファニー『今日も一日、平和に過ごしましょうね』

    モノスケ『阿呆! 平和に過ごしてどうすんねん!』

    モノキッド『殺せぇっ! 奪えぇっ! おろせぇっ!』

    モノタロウ『おろせって何を!?』

    モノダム『……』

    プツン…


    最原「……」

    最原「朝か……」

    最原(もしかしてとは思うけど……スイッチの効果が切れて、みんなが元に戻ってたりは……)

    ピンポーン

    最原(……ないみたいだ)

    最原「っと、帽子帽子……」ポスンッ

    最原「ごめん、お待たせ……」ガチャッ

    赤松「おはよう! 最原くん」

    最原「お、おはよう……」

    赤松「……あれ?」マジマジ

    最原「……えっと、僕の顔に何かついてる?」

    赤松「……うん! 昨日よりは顔色も良くなってるよ!」

    最原「そうなんだ……」

    最原(自分ではあまりよく分からないけど……)

    赤松「ほら、食堂に行こう!」グイグイ

    最原「わ、わかったから引っ張らないで……!」
  121. 121 : : 2017/04/28(金) 20:42:25

    ──食堂


    最原(食堂に入ると、そこには……頭の痛くなるような光景が広がっていた)


    夢野「んあーっ!! もうウチは怒ったぞ!!」

    茶柱「夢野さんを怒らせると怖いんですよ!? 夢野さんの呪いは効きますよ!?」

    白銀「魔法じゃないんだね……」

    百田「の、呪いぃっ!?」ヒィイ

    春川「なんで無関係のあんたが怖がってるの?」

    入間「うるせードブス! オレ様の発明にケチつけるたぁいい胸してるじゃねーか!!」

    夢野「い、いい胸じゃと!? ……やめい、照れるわ」

    茶柱「キャーッ! 夢野さんの照れた顔もとっても可愛いです!!」

    白銀「胸じゃなくて度胸じゃないかな……」

    王馬「呪いかぁ、ならキー坊を盾にすれば安全だね!」

    キーボ「ちょっと!! 人を盾にするとはどういうことですか!!」

    王馬「え? 昨日あれだけ怪談を否定してた癖に、呪いは信じちゃうの?
       安心しなよ! 例え本当に呪いがあったとしても、ロボットには効かないから!」

    キーボ「ホントにキミは……ここから出たら覚えていてください!」


    赤松「……えっと、みんなどうしたの?」

    真宮寺「……入間さんが終二君について調べ終わったみたいでネ」

    最原(……真宮寺くんまでその呼び方……)

    天海「何も無かったのはよかったんすけど……問題は入間さんが勝手に変な機能を付けたことで……」


    東条「どうぞ、獄原君、夜長さん」

    獄原「ありがとう! 紳士は紅茶を飲むものらしいからね!
       東条さんの淹れてくれた紅茶、ゴン太、とっても大好きなんだ!」

    夜長「斬美ー、ありがとー。神ってるー」

    最原(あそこの3人は騒ぎを全く気にしてない……!)


    入間「な、なんだよぉ……。いいじゃねーか……目がライト代わりになるんだぞ?
       それに、口から醤油も出るしぃ……」

    最原(なんて機能を付けてるんだ……)

    星「……」ジッ

    入間「そ、そんなに睨まないでぇ……」

    終二「ぽー」


    最原(……今日も、みんなは昨日と同じだ)

    最原(……不自然なくらい、仲が良い)

    最原(……いや、こんな状況だ。険悪になるよりは良好な関係のほうがいいはず……だよな……)

    最原(……駄目だな、後ろ向きなことしか考えられない……)

    最原(……とりあえず、朝食を食べよう)
  122. 122 : : 2017/04/28(金) 20:45:03

    ──朝食

    1回【交流会話】を見ることが出来ます。

    ↓1(二人組をツクルンダヨォ!!)
  123. 123 : : 2017/04/28(金) 20:47:35
    天海と最原
  124. 124 : : 2017/04/28(金) 21:09:03

    【交流会話】【天海蘭太郎】と【最原終一】

      ◆


    天海「最原君、おはようございます」

    最原「あ、おはよう。天海くん」

    天海「……今日は元気そうですね、何よりっす」

    最原「赤松さんにも言われたけど……そんなに昨日の僕、酷かったの?」

    天海「帽子に隠れてても分かるくらいには顔色が悪かったっすね」

    天海(影響を受けていないとは言っても、顔色が悪かったり、うろたえたり……。
       ……でも、最原君は、俺達の中心である赤松さんと百田君の信頼を得ている……。
       もしもモノクマ側だった場合……まだ信用する訳にはいきませんね)

    最原「うーん……心配させちゃったかな」

    天海「仲間なんすから、気にしないでください。
       ……そういえば、最原君は今日はどうするんですか?」

    最原「え? えっと……少し考えたいことがあるから、
       寄宿舎の自分の部屋で過ごそうかなって……」

    天海「そうっすか……。……探偵として、何か気になることが?」

    最原「……あのさ、天海くん。
       昨日、入間さんの研究教室にあの鳩を運んだのはキミだったよね?」

    天海(意地でも名前で呼ばないんすね……)

    天海「はい、それが?」

    最原「入間さんは「何も無かった」って言ってたけど……。
       もしかしたら忘れてるだけかもしれないし……。
       天海くんは、入間さんから何か聞いてない?」

    天海「いえ……何も聞いてないっすね。
       気が散るからって直ぐに追い出されましたし」

    最原「それは……災難だったね」

    天海「まあその辺りは気にしてませんけど……やっぱり、探偵としては残念っすか?」

    最原「それはそうだよ。何を考えるにしたって、情報が足りなさ過ぎるんだ……」

    天海「……」

    最原「……天海くん?」

    天海「……なんだか暗い雰囲気になっちゃいましたね。すみません。
       ほら、早く食べちゃいましょう」

    最原「う、うん……」

    天海(……最原君は、俺のことを疑っているみたいっすね。
       味方なら心強いっすけど、敵だったら……)

    天海(……俺も、早く食べるとするっすか)


      ◆

    【天海蘭太郎】と【最原終一】の【絆のカケラ】が2個になりました。
    【天海蘭太郎】と【最原終一】の【絶望度】が減少しました。
  125. 125 : : 2017/04/28(金) 21:30:00

    ◆イベントが何も無い日は、【自由行動】をすることになります。
     【自由行動】とは、生徒の皆様の中から誰か一人をお選びいただき、
     その生徒の一日を見守るものです。

     皆様には、その生徒が向かおうと思っている場所の中から、
     向かってほしいと思う場所を選択していただきます。
     なお、【キーボ】様を選んだ日に限り、向かう場所を自由に選択することが可能です。

     一日の【自由行動】の回数は、生徒の【絶望度】によって変化します。
     【絶望度】が少ない生徒ほど多く行動でき、【絶望度】が多い生徒ほど行動回数は少なくなります。


    ──8日目・朝

    現在のモノクマメダル:58枚

    【絆のカケラ】

    【赤松楓】【2個:最原、星】【1個:その他生徒】
    【天海蘭太郎】【2個:入間、最原、真宮寺、夜長】【1個:その他生徒】
    【入間美兎】【2個:天海】【1個:その他生徒】
    【王馬小吉】【2個:夢野】【1個:その他生徒】
    【キーボ】【2個:百田】【1個:その他生徒】
    【獄原ゴン太】【1個:全員】
    【最原終一】【2個:赤松、天海、東条、春川】【1個:その他生徒】
    【白銀つむぎ】【1個:全員】
    【真宮寺是清】【2個:天海、夜長】【1個:その他生徒】
    【茶柱転子】【3個:夢野】【1個:その他生徒】
    【東条斬美】【2個:最原】【1個:その他生徒】
    【春川魔姫】【2個:最原、夢野】【1個:その他生徒】
    【星竜馬】【2個:赤松】【1個:その他生徒】
    【百田解斗】【2個:キーボ】【1個:その他生徒】
    【夢野秘密子】【3個:茶柱】【2個:王馬、春川】【1個:その他生徒】
    【夜長アンジー】【2個:天海、真宮寺】【1個:その他生徒】


    1、【自由行動】する生徒の選択
    2、生徒達の【絶望度】を確認する(10枚消費)
    3、モノクマにヒントを聞く(内容によって消費数変動)

    ↓1(1の場合は生徒名も)
  126. 126 : : 2017/04/28(金) 22:05:15
    茶柱
  127. 127 : : 2017/04/28(金) 22:18:17

    【自由行動】【茶柱転子】が選択されました。
    【茶柱転子】は3回【自由行動】が出来ます。

      ◆

    【自由行動】1回目


    茶柱「クッ……今日もいつも通り夢野さんのお傍に居ようとしたら、
       流石に鬱陶しいと言われてしまいました……!」

    茶柱「しかしこれしきのことでめげる転子ではありません!
       あんなに小柄で可憐な夢野さん……不埒な男死に襲われでもしたら……」

    茶柱「キェェェェェッ!! おのれ男死ィッ!!」

    茶柱「……よしっ、気合いは十分!!
       転子と夢野さんの前世からの大親友レベルの絆は、
       必ずや私達を同じ場所へ導いてくれるはずです!!」

    茶柱「さて……夢野さんは、どこに居るんでしょうか……」


    1、まだ食堂に残っている人に聞いてみましょう!
    2、寄宿舎の自室でお休みになられているのでは?
    3、赤松さんなら知っているかも……ピアニストの研究教室に向かってみましょうか。
    4、……そういえば、最原さんと春川さんのことを気にかけていたのが気になりますね。

    ↓1(どれか選択)
  128. 128 : : 2017/04/28(金) 22:24:23
    4・・・で!
  129. 129 : : 2017/04/28(金) 22:36:24

    茶柱「……そういえば、最原さんと春川さんのことを気にかけていたのが気になりますね」

    茶柱「あの二人との接点なんて……全くといっていいほど無かったというのに……。
       まるで長年の戦いを共に乗り越えて来た戦友のような雰囲気っ!」

    茶柱「べ、別に嫉妬してる訳ではありませんよ!
       転子はそんなに心の狭い男死のような人間ではありませんからね!!
       夢野さんと転子は熟年夫婦のように濃厚な仲ですからね!!
       他の人が入り込む隙間なんてありませんよ!!」

    茶柱「……確か、赤松さんと百田さんと話をしているのを聞きましたが……。
       最原さんと春川さんは、午前中は自分の部屋に居るみたいですね」

    茶柱「……夢野さんの友達に相応しいかどうか、見極めさせて貰いますよっ!!」


    通りすがりの白銀(茶柱さんは夢野さんの保護者なのかな……?)


    ──寄宿舎

    茶柱「さて、着いたはいいものの……」

    茶柱(最原さんと春川さん……どちらとお話しましょうか)


    1、男死はみんな獣ですからね! 最原さんに釘をさしに行きましょう!!
    2、春川さんについて、まだ分からないことが多いですし……。春川さんを訪ねましょう!

    ↓1(どっちか)
  130. 130 : : 2017/04/28(金) 22:53:56
  131. 131 : : 2017/04/28(金) 23:29:24

    茶柱(そうです、春川さんを訪ねましょう!)

    茶柱(男死と女子、どちらと話すかなんて悩む必要もありませんでしたね!)

    茶柱(春川さんの部屋は……ここですね)

    ピンポーン

    茶柱「……」

    ガチャリ

    春川「……茶柱か、何の用?」

    茶柱「えっと、そのー……」

    春川「……どうせ夢野に撒かれて、今まで接点も無かったのに
       夢野と会話してた私が気になったってところでしょ」

    茶柱「どうしてわかるんですか!?」ガーンッ

    春川「あんたは顔に出過ぎ。……入りなよ」

    茶柱「良いんですか?」

    春川「……別にいいよ。あんたみたいなバカ、もう慣れてるし」

    茶柱「バ、バカですか……」


    ──春川の部屋


    茶柱「あっ! 夢野さんのバラ……!」

    茶柱(試験管のようなものに入れられて飾られています……!)

    春川「……百田のヤツが、せっかく貰ったんだから汚れないようにしとけって。
       イン・ビトロ・ローズって言うらしいけど……」

    茶柱「男死にしては良いセンスしてますね!」

    春川「……茶柱」

    茶柱「なんでしょう!」

    春川「聞きたいことがあるならさっさと言いなよ」

    茶柱「……春川さんは、暗殺者だと言っていましたよね?」

    春川「……そうだよ。何? やっぱり危ないから閉じ込めておこうって?」

    茶柱「そんな訳ないじゃないですか!
       夢野さんのことをどう思っているのかを聞きたかったんです!」

    春川「夢野のことを?」
  132. 132 : : 2017/04/28(金) 23:29:42

    茶柱「はい! 夢野さんは……春川さんと、最原さんのことをまるで戦友のように
       思っているみたいでした。ですから、春川さんはどうなのかなーと……」

    春川「……あんた、まるで夢野の保護者みたいだね」

    茶柱「大大大親友です!」

    春川「……戦友か。うん、私の思いも、そんな感じかもね」

    茶柱「両想い……なんですってー!?」ガーンッ

    春川「いや、夢野にとって一番大事なのがあんたなのは間違いないから安心しなよ」

    茶柱「い、一番大事……へ、へへ……」

    春川「酷い顔だね」

    茶柱「コホン……ともかく、春川さんが夢野さんのことを大切に思ってくださっているのはわかりました。
       ありがとうございます!」

    春川「……なんであんたがお礼を言ってるの?」

    茶柱「夢野さんの大大大大親友として、伝えておかねばと思いまして!」

    春川「……ここってバカが多過ぎて嫌になるよ」

    茶柱「バカって……もしかして百田さんと同じにされてるんですか転子は!?
       それは心外です!!」

    春川「……」クスッ

    茶柱「あっ! 春川さん今微笑みましたね!?」

    春川「……笑ってない」

    茶柱「いいえ! 転子は見逃しませんよ!
       春川さんももっと感情を素直に出せば、もっと素敵に……」

    春川「殺されたいの?」

    茶柱「……っ!」

    春川「……ゴメン。今の、私の口癖だから」

    茶柱「なるほど! 照れ隠しなんですね!」

    春川「……立ち直りが早いねあんた」


    ◆春川さんとお喋りをして過ごした……。

    【茶柱転子】と【春川魔姫】の【絆のカケラ】が2個に増えました。
    【茶柱転子】と【春川魔姫】の【絶望度】が減少しました。
  133. 133 : : 2017/04/28(金) 23:35:18

    【自由行動】2回目

    茶柱「……春川さんのことが、少しわかった気がします!」

    茶柱「春川さんになら夢野さんのことを任せられ……。
       いえ、もちろん転子がお守りするので、そんな事態にはなりませんが!!」

    茶柱「……さて、ここからどうしましょう」


    1、このまま最原さんも訪ねてみましょうか。
    2、居るかはわかりませんが夢野さんの部屋を訪ねてみましょう!
    3、夢野さんを探しましょう!!

    ↓1(どっちか)
  134. 134 : : 2017/04/28(金) 23:39:57
    1で
  135. 135 : : 2017/04/28(金) 23:45:08

    茶柱さんが最原くんをぶん投げに行くことが決まったところで
    今日はここまで。


    >>119
    絶望度が変化しない上に特定のイベント起こさないと
    仲間入り確定しない人は5人くらい居るんですけど
    その中でもお友達ポイントさんって結構手強いですね……。
    なんなんですかねあの人(謎)


    次回はまた明後日くらいに。頑張れば明日出来るかもしれません。
  136. 136 : : 2017/04/29(土) 00:06:33
    ゲームルーム行かないと
  137. 137 : : 2017/05/01(月) 20:06:37

    茶柱「……男死のところに赴くなんて非常に癪ですが、これも夢野さんの為……!」

    茶柱「転子! いっきまーす!!」

    ピンポーン

    茶柱「……」

    茶柱「……あれ?」

    ピンポーンピンポーン
    ドタドタガチャッ

    最原「えっと、何……」

    茶柱「男死の癖に女子を待たせるなんて恥ずかしくはないんですかっ!?」ガルルッ

    最原「うわあっ!? ゴ、ゴメン……」

    茶柱「全く……まさか赤松さんに対してもこんな態度ではないでしょうね?」

    最原「え、えっと……。そういえばどうしたの?
       茶柱さんがわざわざ僕のところに来るなんて……。
       夢野さんなら朝食の後、アンジーさんと一緒に地下1階に下りて行くのを見たけど……」

    茶柱「なんですって!? それを早く言ってくださいよ!!」ヌガーッ

    最原「え、えぇ……」


    1、夢野さん達を追いに地下1階に向かいますっ!!
    2、……いえ、ここであえて最原さんを投げてみるのはどうでしょう。

    ↓1
  138. 138 : : 2017/05/01(月) 21:51:18
    1行こう
  139. 139 : : 2017/05/01(月) 22:13:34

    茶柱「情報ありがとうございます! ではっ!!」ダダッ

    最原「う、うん……」


    ──地下1階

    「……は、……を信じ……」

    「でも……、……言って……」

    茶柱「今のは……夢野さんとアンジーさんの声!?」

    茶柱(……AVルームから聞こえます!)

    茶柱(確かAVルームの扉は立て付けが悪いからゲームルームからしか行けないんでしたっけ……)

    茶柱(ああもう! どうして立て付けが悪いまま放置されているんですか!?)

    茶柱(しかしこれを乗り越えれば夢野さんまでもう直ぐ……!
       待っていてください夢野さん!! 転子が今お傍に参ります!!)ガラッ


    ──ゲームルーム

    茶柱「さあ! 夢野さ……」

    モノファニー「よいしょ、よいしょ……」

    茶柱(室内に生えてる草を抜いてる!?)

    モノファニー「ふう……アタイ1人に任せるなんて、モノタロウ達ったら酷いわ~」

    モノファニー「こんなんじゃアタイ、腰を痛めておばあちゃんになっちゃうわ、プンプン」

    モノファニー「……あら? ねえねえキサマ! 草抜きを手伝ってくれない?」

    茶柱「えっ転子ですか!?」

    モノファニー「他に誰が居るのよ」

    茶柱「でも転子には使命が……」

    モノファニー「待ってよ! タダでとは言わないから! ちゃんとお礼もあるわ!」

    茶柱「……一応聞きますが、お礼とは?」

    モノファニー「これよ!」ヒョイッ

    茶柱(……何でしょう、あれ。小さな珠……?)

    モノファニー「この何に使うのかわからないガラクタをあげるわ!」キラーン

    茶柱「ガラクタなんですかっ!?」ガーンッ

    モノファニー「綺麗よ! ホラ! 龍の宝玉と言って、見てるだけで心が豊かに……」

    茶柱「……」


    1、夢野さんが直ぐそこに居るのに何故手伝う必要があるんですか! それよりも夢野さんです!!
    2、うーん……でも1人(?)だけで大変そうですし……手伝いましょうか……。

    ↓1(どっちか)
  140. 140 : : 2017/05/01(月) 22:19:33
    2でお願いします。
  141. 141 : : 2017/05/01(月) 22:19:41
    2で
  142. 142 : : 2017/05/01(月) 22:32:50

    茶柱「……まあ、女子1人……1匹? だけというのも大変でしょうし……。
       AVルームで万が一何かがあったとしてもここからなら直ぐに駆け付けられますし……」

    モノファニー「ドキドキ……」

    茶柱「わかりました! 手伝います!!」

    モノファニー「本当に? ありがとう!」


    ◆モノファニーと共に草抜きをした……。


    モノファニー「キサマのお陰でお父ちゃんに怒られずに済むわ!
           これはお礼よ! どうぞ!」ポンッ

    モノファニー「ばーいくまー」

    茶柱「……」

    茶柱「貰ったはいいものの……確かに綺麗ですけど……これ、どうしたらいいんでしょうか……」


    ◇ガラクタ【龍の宝玉】を入手しました。
    ◆【プラスイベント】《宝玉の行方》が発生します。
  143. 143 : : 2017/05/01(月) 22:46:46

    ◆【プラスイベント】《宝玉の行方》


    茶柱「モノファニーはガラクタと言っていましたが……もしかしたら何か意味のある物なのかもしれません」

    茶柱「うぐっ……頭を使うのは苦手です……!」

    茶柱「……そうだ! 夢野さんならば魔法で……!」

    茶柱「そうと決まれば即行動! 夢野さーん!!」ガララッ


    ──AVルーム


    夜長「およ? 転子、どしたー?」

    夢野「お、驚かすでない……。それで、どうかしたのか?」

    茶柱「聞いてください夢野さん! さっきモノファニーを手伝ったらこんな物を貰って……」

    夢野「んあ? ……うむ、綺麗じゃな」

    夜長「にゃはは、綺麗だねー」

    茶柱「……やはり、ただ綺麗なだけで、意味の無い物なんでしょうか?」

    夢野「……んあー」

    夜長「んーとね……意味が無いなんてことはないって神さまが言ってるから、きっと意味はあるものだよー」

    茶柱「そう言われると胡散臭く感じますね……」

    夢野「何かが閃きそうな気がするんじゃが……昨日の魔法のせいで今日はマナが足りん」

    夜長「アンジー達だけで考えてもわからないなら、他の人達に聞けばいいんだよー」

    茶柱「それもそうですね。男死はこういうことに気付かなさそうですし、女子の方々を誘いましょう!」


    ↓1(茶柱、夢野、夜長以外の生徒から一人選択)
  144. 144 : : 2017/05/01(月) 23:50:47
    白銀
  145. 145 : : 2017/05/03(水) 21:23:47

    夜長「主は言いました……つむぎを誘ってみてはどうかと」

    夢野「白銀を?」

    茶柱「むむっ……確かに、白銀さんならばそういった細かいところにも気付いていそうですね!
       白銀さんは……今はどこに居るのでしょうか」

    夜長「多分図書室だって言ってるよー、にゃははー! それじゃ行ってみよー!」グイン

    夜長「行ってみよー」グイン

    夢野「んあー! メトロノームアンジーじゃ!」

    茶柱「って、アンジーさんも来るんですか!?」ガーンッ

    夜長「ダメなのー?」

    夢野「別に良いではないか、3人も4人も10人も変わらんわい」

    茶柱「いやいや4人から10人はかなり変わってますよ!?」
  146. 146 : : 2017/05/03(水) 21:24:06

    ──図書室


    白銀「……あれ? どうしたの、3人共?」

    茶柱「本当に居た……!」

    夢野「お主はヒマか?」

    白銀「ヒマというか……ほら、ここって色んな本があるでしょ?
       だから私の好きな漫画もあるかなーって思ってさ、探してたんだ」

    夜長「見つかったのー?」

    白銀「うんうん! パソコンも無いから絶望してたけど、
       なんとか一週間は凌げそうなくらいには見つかったよ!」

    夢野「……その本の山を一週間で読破するつもりとは、もしやお主、時間系魔法の使い手か?」

    白銀「ザ・ワールドッ!」カッ

    茶柱「いきなりどうしたんですか!?」

    白銀「ああ、ゴメンゴメン。つい」

    夜長「つむぎー、これの使い方知ってるー?」ヒョイ

    茶柱「あれ、なんでアンジーさんがそれを持って……いつの間に!?」

    白銀「赤い宝玉? ……うーん、似たような物を、校舎内で見た気がするなぁ」

    茶柱「流石は白銀さん! それってどこかわかりますか!?」

    白銀「確か……ほら、階段を上がって2階に着いたら直ぐのところに龍の銅像があったよね?」

    夜長「ああ、あるねー」

    白銀「その銅像の左目に、アンジーさんが持ってる宝玉と同じ物が収まってた気がするんだよね……」

    夢野「やはりか! まあウチは最初からあの銅像には何かあると思っておったがな!」ドヤンアー

    白銀「いや、わからないから聞きに来たんじゃ……」

    茶柱「なるほど! 大事な情報をありがとうございます! やはりこういったことは女子に限りますね!!」ペコリ

    夜長「じゃあ早速2階に行こー」

    茶柱「って、なんでアンジーさんが仕切ってるんですか!?」ヌガー

    白銀「うーん……私も着いていこうかな。地味に気になるし」

    夢野「ほれ、善は急げじゃ。揉めてないでさっさと行くぞ」タタッ

    茶柱「了解しました!」ダダダッ

    白銀「……茶柱さんって、夢野さんのこととなると途端にチョロくなるんだね……」
  147. 147 : : 2017/05/03(水) 21:27:30

    ──校舎2階


     いつ見ても目が痛くなるような色をした階段を上がり、2階に辿り着きました。
    それにしても……どうして階段だけあんな変な色なんでしょう。きっと階段部分を作ったのは男死に違いありませんね!

    「ほら、あれあれ」

    白銀さんが指差す先には、どうして学校内にあるのかまるで分からない龍の銅像があります。

    「いかにも、という感じじゃな」
    「もう片方の目の部分は空洞になってるから、その宝玉を嵌め込めばいいんじゃないかな?」

    確かに、銅像の片目は空洞になっていますね……。

    「よし、転子。出番だぞー」
    「え、はい。……って、もしかして押し付けてるんですか!?」

    アンジーさんにいつの間にか取られていた宝玉を渡され、銅像の前まで押されるようにして連れてこられましたが……。
    転子をこの場へ移動させたかと思うと、アンジーさんは瞬く間に階段の傍へ移動していました。
    もしや、何か危険なことがあったら巻き込まれないように転子にこの役目を……!?

    「うむ、貸すがいい。ウチの魔法で新たな道を拓いてやろうぞ」
    「いえ、転子がやりますよ。アンジーさんは既にしていますが……。
     お二人も出来るだけ離れていてください。何かがあったらいけませんし」

    転子の言葉に、白銀さんは浮かない表情をし、夢野さんは……。

    「だったら尚更ウチがするぞ、渡さんか!」
    「わーたーせーまーせーんー!!」

    ううっ……夢野さんがこんなにも感情を表現し、転子を心配してくださっているという夢のような現実に思わず感動の涙が出てしまいそうです……!
    ですが夢野さんに何が起こるのか分からないことをさせる訳にはいきません!!
    くっ……ここに男死が居れば……遠慮なく男死にやらせるんですけど……!!
  148. 148 : : 2017/05/03(水) 21:28:29

    「わわっ! わかったよ、私がやるから二人共落ち着いて!」
    「いえいえ、転子が……」
    「いや、ウチが……」
    「ならアンジーがやるよー」
    「「「どうぞどうぞ」」」

    「ってしまった! つい定番ネタを……!」

    結局転子達の不毛な争いを見かねたアンジーさんが強引に、銅像に宝玉を嵌め込みました。
    ええ、まあ、転子達があのまま言い合ってたら終わりが見え無さそうなのも事実でしたけど……なら最初からアンジーさんがやってくれればよかったのでは……。

    両目に赤い宝玉を宿した銅像は、目を光らせたかと思うと床に沈んでいきます。
    そして、単なる壁と思っていた場所が二つに別れ、新たな道が出来ました。
    なるほど、モノファニーはガラクタなんて言っていましたが、これは凄い物なのでは……!?

    「……んあ? 壁ごと爆発せんのか?」
    「いやいや爆発とかしたら危ないですよ!」
    「そんな、フィクションじゃないんだから……」

    夢野さんの発想はいつだって素敵ですが爆発というのは危険過ぎます……。

    「それじゃ行こっかー」
    「ちょっと待ってください! 無防備に行くのは危険ですよ! 男死が潜んでいたらどうするんですか!!」
    「……男子限定なんだね」

    白銀さんが苦笑いを浮かべていますが、転子が言った通りです!
    転子達をここに閉じ込めコロシアイを強要させるだなんて……こんな悪趣味なことを思い付くのは男死しかありえません!
    もしもこの先に潜んでいるとしたら男死です!

    「でもでもー、神さまは大丈夫って言ってるよー?」
    「いやいや、何の根拠も無いじゃないですか!!」

    アンジーさんと転子とで言い合っている傍を、夢野さんが通り過ぎて……えっ、夢野さん!?

    「行くぞ、3人共。この先に危険は無いはずじゃからな」
    「えっ、ゆ、夢野さん!」

    一言だけ言うとスタスタと新たな道の先へと歩いて行ってしまった夢野さんの背を追い、慌てて一歩を踏み出す。

    「大丈夫じゃ、もし不審者がおっても、ウチの魔法で一発じゃ」

    不敵な笑みを浮かべる夢野さんもとても可愛らしいですが、少し寂しい気もします。
    これが……親心……?

    「いやいや、茶柱さん。落ち着いて? 地味に、保護者が浮かべるような顔じゃないからね今の顔」

    白銀さんの言葉に慌てて緩んだ表情筋を引き締め、転子は今度こそ夢野さんの背を追いました。
  149. 149 : : 2017/05/03(水) 21:33:03

    寝オチに次ぐ寝オチをかましてしまってスミマセーン。
    しかも短くて申し訳ない……。


    >>136
    モノクマーズにヒントを貰うと、【自由行動】で訪れたらガラクタが貰えるイベントが発生する場所を教えてもらえたりします。
    その場所に行きそうな生徒を選んで【自由行動】をしてもらったら確実にガラクタが貰えるんじゃないかなとは。
    キーボくんだけは自由に場所を指定出来るので困った時はキーボくんを選べばいいんじゃないですかね(寝そべり)


    次はまた明後日くらいに。
  150. 150 : : 2017/05/03(水) 22:09:45
    研究教室開放の意味はあるのかな
  151. 151 : : 2017/05/08(月) 17:50:33

    夢野「それにしても……空気が淀んでおるとか、そういう予想をしておったが……。
       まるで最近造られたばかりのような空気じゃな」

    白銀「確かに……見た目は古いけど、あえて古く見えるように造ったって感じがするね」

    茶柱「わざわざ造った……ということですかね? でも、何の為に……」

    夜長「アンジー達にコロシアイをさせるためだよー」

    茶柱「ちょ、ちょっと! 物騒なことを言わないでください!」

    白銀「うーん……それだけの為にこんな大掛かりな建造物を造るものかなぁ」

    夜長「”超高校級”を16人もこんなところに閉じ込めてるんだよー?
       これくらい出来ても……不思議じゃないよね?」

    夢野「……んあー、どうせ考えても仕方なかろう。ほら、早速新しい扉じゃ」

    夜長「にゃはははー! お邪魔しまーす」ガチャ

    茶柱「一切の躊躇なく!?」ガーンッ

    白銀「ま、まあまあ……私達も行こうか」
  152. 152 : : 2017/05/08(月) 17:51:36

    ──メイドの研究教室


    白銀「わぁ……! コスプレの撮影にピッタリな雰囲気……!」キラキラ

    夢野「ここは……研究教室か?」

    夜長「見て見てー、こっちには洗濯機がいっぱいだよー」

    茶柱「うーむ……家事に使いそうな機材が多いですし……東条さんの研究教室でしょうか?」

    夢野「そういえば……今までは洗濯機なんてどこにも無かったのに、
       どうやって東条はウチらの制服を洗濯してきたんじゃろうな」クビカシゲー

    東条「メイドたる者、例えどんな状況だろうと主人の生活を支える為に全力を尽くすべき……。
       機械が無い環境であろうと洗濯が出来なければ従者として失格よ」スッ

    夢野「んあぁっ!?」ビクッ

    茶柱「ま、全く気配を察知できませんでした……!」

    東条「驚かせてしまってごめんなさい。生徒手帳に通知が来たから確かめに来たの」

    夜長「通知ー?」

    白銀「ええっと……あ、確かに来てるね。「校舎2階と3階の新たな研究教室が解放されました」って」

    夜長「あれま、本当だー」

    夢野「ちゃんとマップも追加されとるんじゃな……妙なところで親切じゃのぅ」

    白銀「やっぱり……新しい場所が増えれば増えただけ、殺し方の幅も広がるからなのかな……」

    茶柱「だとしたらモノクマもとんだ思い違いをしていますね!
       転子達がコロシアイなんてするはずありませんから!!」フンスッ

    東条「他のみんなも、通知を見て今頃ここへ向かっているんじゃないかしら」

    夢野「そうじゃろうな、脱出の為の手がかりがある可能性も考えられるし、全員で探すのが手っ取り早いわい」

    白銀「うーん……でも入間さんとか王馬君は怪しくない?」

    茶柱「……確かに、その2人は……」ウウム

    夜長「でもでもー、楓と解斗のお陰で大分協力するようにはなったし、きっと全員来るよー」

    夜長「そうだよー」

    夢野「まあ首根っこ掴まれて連れてこられそうな気もするがな」

    白銀「そんな子猫じゃないんだから……」


      ◆

    ◆校舎2階、校舎3階が解放されました。

    【プラスイベント】《宝玉の行方》が終了しました。
    イベントにより、【茶柱転子】【夢野秘密子】【夜長アンジー】【白銀つむぎ】の【絆のカケラ】が1個増えます。

    モノクマメダルを秒数+参加人数分入手出来ます。

    ↓1(秒数判定)
  153. 153 : : 2017/05/08(月) 18:38:26
    秒数
  154. 154 : : 2017/05/08(月) 18:47:42

    >>153

    26+4
    30枚のモノクマメダルを入手しました。

    現在のモノクマメダルは88枚です。


     ◆

    【自由行動】3回目


    茶柱「ある程度調べ終えてから、昼食を食べつつ情報交換をしましたが……」

    茶柱「今回新たに見つかったのは、東条さん、獄原さん、星さんの研究教室みたいですね」

    茶柱「春川さんの研究教室はまだ準備中らしいですが……暗殺者の研究教室……。
       ……解放されないほうが、いいような……」

    茶柱「い、いえっ! 転子は春川さんのことを信じています!!
       ですが研究教室は誰でも出入り可能ですし……男死がよからぬことを考えるかもしれません!」

    茶柱「……まあその時はその時! 不埒な男死が居れば転子のネオ合気道で成敗するまで!」

    茶柱「皆さんは新しい場所の探索を続けると言っていましたし……。
       ……転子も転子なりに、頑張りましょう!」


    1、2階を見て回りましょう。
    2、メイドの研究教室を訪ねに行きましょう!
    3、昆虫博士の研究教室……行ってみましょうか……?
    4、3階を見て回りましょう。
    5、テニス選手の研究教室に行ってみましょう。

    ↓1(どれか)
  155. 155 : : 2017/05/08(月) 19:12:16
    4で
  156. 156 : : 2017/05/08(月) 21:17:05

    茶柱「春川さんのことも気になりますし、3階に行ってみましょう!」

    茶柱「もしかしたら夢野さんも居るかもしれません!!」ウオオオオッ


    ──校舎3階


    茶柱(吹き抜け廊下にもリラクゼーションスペースにも夢野さんの姿はありませんでした……)シクシク

    茶柱「……ん? あれは……」


    王馬「それにしても春川ちゃんの研究教室だけ解放されないなんて残念だなー!
       暗殺者の研究教室なら武器もいっぱいありそうなのにさ!!」

    百田「オメーはまだそんなこと言って……武器を手に取るのはモノクマ達と戦う時だけに決まってんだろ!! なっ、ハルマキ!」

    春川「私に聞かないで」


    茶柱「ちょっと! そこの男死二人!! 春川さんが迷惑そうにしているのがわからないんですか!?」ヌガァッ

    王馬「あれっ茶柱ちゃん。夢野ちゃんはどうしたの? フラれちゃった?」

    茶柱「違いますっ!!」ガルル

    王馬「必死過ぎて逆にガチ感が凄いんだけど……」

    茶柱「夢野さんと転子は見えない絆の鎖で雁字搦めになっていますからね!!
       一緒に居なくとも魂は繋がっています!!」

    百田「鎖だとマイナスなイメージじゃねーか?」

    茶柱「男ッ死ィ!!」ブオンッ

    百田「うおっ!?」スカッ

    茶柱「チッ……避けましたか……男死にしてはやりますね……」

    百田「避けるに決まってんだろ!!」

    王馬「間一髪って感じが凄かったけどね!」プークスクス

    百田「うるせー!!」
  157. 157 : : 2017/05/08(月) 21:18:19

    春川「……茶柱はどうしたの? わざわざこんなところまで」ハァ

    茶柱「何か春川さんの力になれたらと思いまして!」

    王馬「そっか、浮気してるのは茶柱ちゃんの方だったのかー!」

    茶柱「誰が不誠実な男死ですか!!」ガルルルル

    春川「……あんたは黙ってて」ジロリ

    王馬「たはーっ、怒られちゃった」

    百田「自業自得だろ」

    茶柱「というか……春川さんはわかりますが、どうしてそこの男死2人はここに居るんですか?
       さては春川さんを……!?」

    王馬「そんな訳ないじゃーん! オレはちょっと試してみたいことがあっただけだよ」

    百田「……こいつは春川の研究教室とあっちのドット絵みてーな扉をピッキングできねーか試してたんだとよ」

    茶柱「そうだったんですか!? それで、成果は……」

    王馬「オレ達3人こうして廊下で仲良くお喋りしてるのを見た時点でわかんないの?
       いよっ! 脳筋!」

    茶柱「男死に期待した転子がバカでした!」フンガーッ

    春川「……はぁ、馬鹿馬鹿しい。帰る」

    百田「ちょっ、おい! 待て、ハルマキ!」

    王馬「あーあ、バカップルがイチャついてやんの。じゃあオレ達もイチャイチャしよっか!」

    茶柱「半径5m以内に近付いてきたら八つ裂きにしますからね」ジトーッ

    王馬「もー! 冗談が通じないなー!!」プンスコ


      ◆

    【茶柱転子】【春川魔姫】【王馬小吉】【百田解斗】の【絆のカケラ】が1個増えました。
  158. 158 : : 2017/05/08(月) 21:24:33

    ──8日目・夕方

    【自由行動】が終了しました。
    夕食時につき、【交流会話】を1回見ることが出来ます。


    現在のモノクマメダル:88枚

    【絆のカケラ】

    【赤松楓】【2個:最原、星】【1個:その他生徒】
    【天海蘭太郎】【2個:入間、最原、真宮寺、夜長】【1個:その他生徒】
    【入間美兎】【2個:天海】【1個:その他生徒】
    【王馬小吉】【2個:茶柱、春川、百田、夢野】【1個:その他生徒】
    【キーボ】【2個:百田】【1個:その他生徒】
    【獄原ゴン太】【1個:全員】
    【最原終一】【2個:赤松、天海、東条、春川】【1個:その他生徒】
    【白銀つむぎ】【2個:茶柱、夢野、夜長】【1個:その他生徒】
    【真宮寺是清】【2個:天海、夜長】【1個:その他生徒】
    【茶柱転子】【4個:夢野】【3個:春川】【2個:王馬、白銀、百田、夜長】
          【1個:その他生徒】
    【東条斬美】【2個:最原】【1個:その他生徒】
    【春川魔姫】【3個:茶柱】【2個:王馬、最原、百田、夢野】
          【1個:その他生徒】
    【星竜馬】【2個:赤松】【1個:その他生徒】
    【百田解斗】【2個:王馬、キーボ、茶柱、春川】【1個:その他生徒】
    【夢野秘密子】【4個:茶柱】【2個:王馬、白銀、春川、夜長】
           【1個:その他生徒】
    【夜長アンジー】【2個:天海、白銀、真宮寺、茶柱、夢野】【1個:その他生徒】


    1、【交流会話】
    2、生徒達の【絶望度】を確認する(10枚消費)
    3、モノクマにヒントを聞く(内容によって消費数変動)

    ↓1(1の場合は組み合わせも)
  159. 159 : : 2017/05/08(月) 22:08:54
    1でゴン太と入間
  160. 160 : : 2017/05/08(月) 22:52:04

    【交流会話】【獄原ゴン太】と【入間美兎】

    今回の【交流会話】が決定しました。


    >>150
    プラスイベントが増えたりストーリーが進んだりします。
    早く解放すればするほど終わりに近付くので、ガンガンモノクマーズハンターするかどうかはお好みで。


    今日はもうおやすみするので《トレーニング》の時の組み合わせの安価もしておきます。
    2回の【交流会話】と百田くんとの熱血対話。

    ↓1~2(ペアつ~くろ~) ↓3(百田先生! 今日は元気だ!)
  161. 161 : : 2017/05/08(月) 23:24:43
    赤松最原
  162. 162 : : 2017/05/09(火) 00:06:29
    アンジーと王馬 たまには一緒にいなさそうなのを
  163. 163 : : 2017/05/09(火) 00:29:56
  164. 164 : : 2017/05/15(月) 17:00:32

    【交流会話】【獄原ゴン太】と【入間美兎】

      ◆


    入間「おう、東条。メシ。……んだよ、空いてる席は巨根太の隣だけかよ」

    獄原「あっ! 入間さんと……終二くん!」パアァ

    終二「ぽー」バサバサ

    入間「おいコラこのクソハト! あんなに尽くしてやったオレ様を捨てて大根太に浮気か!!」

    獄原「うーん……やっぱり終二くんの言葉はわからないよ。
       どうしてだろう、森に居た時はちゃんとみんなの言葉が分かったのに……」

    入間「そりゃキーボと違って心の無い動物型ロボットなんだからわかんねーのも当然だろ!
       オレ様にもわからないのにテメー如きに理解されてたまっかよ!!」

    終二「ぽー」

    獄原「えぇっ!? ……でも、終二くんがただの機械だなんて、とても思えないよ。
       びっくりするほどそっくりなんだよ!?」

    入間「まあ確かにこのオレ様にさえよくわかんねーくらいには謎だらけだが……。
       せっかく便利な機能を付けようと思ったのに夢野と星に反対されるしよぉ……」

    獄原「……それにしても、入間さんは凄いね」

    入間「ハァ? オレ様がこの世で一番凄い人間なのは当然だろ!」

    獄原「こうして脱出の為に色々出来て……ゴン太は、バカだし、みんなの力になりたいんだけど……」

    入間「ケッ、バカってきちんと自覚してるだけあってバカみてーな発言だな!」

    獄原「うん……ゴン太は、バカだよ……」

    入間「……あ、あれ、落ち込んじゃうのぉ……?」ボソッ

    獄原「……」

    入間「いいか、耳をかっぽじってよーく聞け! オレ様の凄さに自信を無くしちまうのは当然だ!!
       なんせオレ様は凄いんだからな!!
       テメーはそんな凄いオレ様を守る肉盾になれ!!」

    獄原「えっ!? 言われなくても、みんなはゴン太が守るよ!」

    入間「それでいいんだよそれで。バカっぽいくだらねー理由で悩みやがって。
       メシが不味くなるだろーが!」

    獄原「ご、ごめん! ……うん、ゴン太はゴン太なりに頑張るよ。ありがとう入間さん!」

    入間「ヘッ、流石オレ様だな! 悩めるバカをまた一人救っちまったぜ」

    獄原「入間さんも何か困ったことがあったら何でもゴン太に言ってね!
       紳士は女性を助けるものだから!」

    入間「……」

    獄原「……入間さん?」

    入間「これだからバカの相手は疲れるんだ! 失せろ!」

    獄原「えぇっ!? ご、ごめんなさい!」

    入間「……あ、謝るなよぉ」


      ◆

    【獄原ゴン太】と【入間美兎】の【絆のカケラ】が1個増えました。
    【獄原ゴン太】と【入間美兎】の【絶望度】が減少しました。
  165. 165 : : 2017/05/15(月) 17:01:51

    ──8日目・夜時間


    最原(茶柱さんがモノクマーズを手伝ったら貰ったという【ガラクタ】で、新しい場所が開放された……。
       一体何が目的だ? やっぱり、新しい場所が開放されれば殺し方の幅も増えるから……?)

    最原(……何を考えているんだ、僕は。みんなを信じないと……)

    最原(……脱出の手がかりになりそうな物は、何も見付からなかった。
       でも、それでも考えないと……”探偵”が、思考停止なんて、許され──)

    ピンポーン

    最原(……また、誰か呼びに来てくれたのか)ガチャ

    赤松「あっ、最原くん! トレーニング、一緒に行かない?」

    最原「うん。……呼びに来てくれてありがとう」

    赤松「ううん、気にしないで! じゃあ行こう!」


    ──中庭


    獄原「みんな凄いよ! ゴン太についてこれるなんて……!」ヒュンッ

    星「フン、あんた達もなかなかやるじゃねーか」ヒュンッ

    東条「メイドとして当然よ」ヒュンッ

    百田「テメーらもなかなかやるな! だがオレには勝てねーだろ!!」ヒュンッ

    春川「バカ言ってないで体を動かしなよ」ヒュンッ

    茶柱「東条さんはともかく……男死に負ける訳にはいきませんっ!!」ヒュンッ
  166. 166 : : 2017/05/15(月) 17:02:32

    最原(残像が見えるスピードで腹筋してる……!!)ガビーンッ

    赤松「どうしよう最原くん、みんなのレベルが高過ぎて、私ついていけないよ……」

    最原「安心して赤松さん、僕もだから……」

    キーボ「そうですよ! 二人共、安心してください! ボクにも理解できませんから!」

    最原「まあキーボくんはトレーニングしても意味なさそうだし……」

    キーボ「ロボット差別は止めてください!! 訴えますよ!!」

    最原「ご、ごめん……」

    天海「まさか全員でトレーニングをする日がくるなんて思ってもみませんでしたね」

    真宮寺「そうだネ……。こんな環境下にあるのに、僕達が団結できているのは
        きっと百田君や赤松さんのお陰だろうネ……クックック」

    赤松「えっ!? そんなことないよ……ちょっと過大評価し過ぎじゃない?」

    最原「いや、僕もそうだと思う」

    赤松「最原くんまで!?」

    百田「おっ! 終一、遅かったじゃねーか! 罰として腹筋100回な!!」

    最原「罰が重過ぎない……?」ガーンッ

    赤松「えっと……私も頑張るから、一緒に頑張ろう!」
  167. 167 : : 2017/05/15(月) 17:05:13

    【交流会話】【赤松楓】と【最原終一】

      ◆


    赤松「に、じゅ……う……っ!」

    最原「ごじゅう……よん……っ!!」

    赤松「はーっ……つ、疲れた……」パタリ

    最原「ぼ、僕も……かなり限界……」パタリ

    赤松「50回出来たってだけで凄いと思うよ……私は20回が限界だもん」

    最原「まあ……探偵の仕事って体力も必要だしね……。流石にゴン太くん達には敵わないけど……」

    赤松「それは……ゴン太くん達が凄過ぎるだけだと思うよ? 最原くんもしっかりしてると思うし」

    最原「……そうかな?」

    赤松(最初は、少し頼りないかなとも思っちゃったけど……。
       ちゃんと依頼人の心に寄り添ってくれる、立派な探偵さんだよ)

    赤松「うんうん! もっと自信を持ってよ!」

    最原「えっと……う、うん。……あのさ、赤松さん」

    赤松「……へ? どうしたの……?」

    最原「……気のせいかもしれないけど、なんだか疲れてるように見えて……」

    赤松(……!)

    赤松「まあ、腹筋したばかりだしね」アハハ

    最原「それを含めても……」

    赤松「それにほら、昼間も新しい場所が開放されて一緒に調べたでしょ?
       今日も色々あったから……それで疲れちゃったんだよ」

    最原「……うん、そうだね。色々調べてみたけど何も脱出の手がかりは見付からなかったし……」

    赤松「ゆっくり休んで明日になればまた元気になるからさ、心配しないで!
       それに、そんな顔をしちゃダメだよ。絶対に私達16人全員で、ここを出るんだからさ」

    最原「……うん」


    赤松(……)

    赤松(……気付いちゃうなんて、流石だなぁ)

    赤松(……でも、これは、私の問題だから。
       ……隠してごめんね、最原くん)


      ◆

    【赤松楓】と【最原終一】の【絆のカケラ】が1個増えました。
    【赤松楓】と【最原終一】の【絶望度】が減少しました。
  168. 168 : : 2017/05/15(月) 17:06:07

    【交流会話】【夜長アンジー】と【王馬小吉】

      ◆


    王馬「あれ、アンジーちゃんはトレーニングしないの?」ヒョコッ

    夜長「にゃはははー! アンジーにはする必要がないからねー!」

    王馬「えー? じゃあなんで居るのさー!」

    夜長「それは勿論、みんなを見守りなさいって神さまが言ったからだよー」

    王馬「……嘘ばっかり」

    夜長「……何の事ー?」

    王馬「そうやって神さまが言ったってことにしておけば、言葉に責任を持たずに済むもんね?
       でもオレはそんなつまらない真似は嫌いだよ」

    夜長「神さまにそんなことを言うなんて……小吉は罰を受けたいの?」

    王馬「あらら、こっわーい!」

    夜長「それにー、小吉だって全然トレーニングしてないよね~?」

    王馬「悪の総統が熱血系少年漫画みたいにトレーニングなんてする訳ないじゃーん!!」

    夜長「……」ピリピリ

    王馬「……」ピリピリ


    天海(なんであそこの2人はあんなに不穏な雰囲気なんすかね?)


      ◆

    【夜長アンジー】と【王馬小吉】の【絆のカケラ】が1個増えました。
    【夜長アンジー】と【王馬小吉】の【絶望度】が減少しました。
  169. 169 : : 2017/05/15(月) 17:07:24

    【交流会話】【百田解斗】と【星竜馬】

      ◆


    星「……フン、柄にもなく力が入っちまったな」

    百田「……星」

    星「まさかあんたが声をかけてくるとはな、何だ」

    百田「最初に会った時のテメーは、腑抜けた野郎だったが……。
       今さっきのテメーは、良い顔をしてたと思ってよ」

    星「……どうにも、あんた達と居ると調子を狂わされるみてーだ」

    百田「いんや、むしろその調子だ。星、テメーに言いてーことがある」

    星「……」

    百田「せっかくオメーの研究教室が開放されたんだ。
       ……オレはテメーにテニス勝負を挑むぜ、星竜馬!」

    星「……あんたが、俺にか」

    百田「ああ! オレは中学の頃はテニス部でよ……。
       その頃からテメーのことを知ってたんだ。
       オレはどうしてテメーがそんな風になっちまったのか詳しくは知らねー。
       だが、少なくとも、テメーにはまだテニスに未練があるように見える」

    星「……」

    百田「まさか勝てねーから逃げるなんて言わねーよな?」

    星「……わかった。あんたの申し出を受けよう」

    百田「よっし、それでこそ男だ!!」

    星「だが一つ条件がある。……俺が勝ったら、もう二度とそんな風に俺に関わるな」

    百田「ああ、俺も男だ。約束は守る」

    星「なら決まりだな。……2対1でも構わないが」

    百田「そんな卑怯な事はしねーよ!!」

    星「……フン、そうかい」


      ◆

    【百田解斗】と【星竜馬】の【絆のカケラ】が1個増えました。
    【百田解斗】と【星竜馬】の【絶望度】が減少しました。
    【プラスイベント】《青春の一打》の発生が決定しました。
  170. 170 : : 2017/05/15(月) 17:08:27

    最原(なんとか100回腹筋をし終えた僕は、くたくたになったまま寄宿舎の個室へと戻った)

    最原(アンジーさんと王馬くんがニコニコしながら威圧しあってたり、
       百田くんが星くんへ挑戦状を叩きつけていたような気がしたけど……。
       ……今日はもう触れる余裕は無いな)フラフラ

    最原(相変わらずあの鳩は入間さんの傍で飛んでるし……本当に何なんだあの鳩)

    最原(……もう寝よう)ポスン



    ◆8日目・終了

    8日目が終了しました。

    現在のモノクマメダル:88枚


    1、次の日へ
    2、生徒達の絶望度を確認する(10枚消費)
    3、モノクマにヒントを聞く(内容によって消費数が変わります)

    ↓1(選択してください)
  171. 171 : : 2017/05/15(月) 19:26:13
    絶望度のチェックをお願いします
  172. 172 : : 2017/05/15(月) 20:49:57

    2、生徒達の【絶望度】を確認する。

    モノクマメダルを10枚消費しました。
    現在のモノクマメダルは78枚です。


    【赤松楓】   41/100

    【天海蘭太郎】 60/100

    【入間美兎】  40/100

    【王馬小吉】  31/100

    【キーボ】    0/100

    【獄原ゴン太】 43/100

    【最原終一】  55/100

    【白銀つむぎ】 25/100

    【真宮寺是清】  0/100

    【茶柱転子】  25/100

    【東条斬美】  38/100

    【春川魔姫】  28/100

    【星竜馬】   35/100

    【百田解斗】  15/100

    【夢野秘密子】 16/100

    【夜長アンジー】10/100


    1、次の日へ
    2、モノクマにヒントを聞く(内容によって消費数が変わります)

    ↓1(どちらか)
  173. 173 : : 2017/05/16(火) 18:26:53
    1を
  174. 174 : : 2017/05/18(木) 19:56:07

    ◆9日目・朝


    『『『『おはっくまー!!』』』』

    モノスケ『朝8時をお知らせするでー!』

    モノキッド『今日も絶好の殺し日和だ! いい加減に退屈になってきたぞ!
          モノダムを苛めて憂さ晴らしだ!!』

    モノファニー『もー! 平和が一番じゃない!』

    モノタロウ『んーと……くますみ?』

    モノスケ『アホ! 今はおはようの時間やろ!!』

    モノダム『……』

    プツン…


    最原(……もうこの学園に閉じ込められて9日目)

    最原(もういっそあの鳩に爆弾付けてあの檻に特攻させるとか駄目なのかな)

    最原(入間さんなら出来そうな気がするんだけど……)

    ピンポーン

    最原(赤松さんかな? ……っと、帽子……)ポスン、ガチャ

    赤松「おはよう!」

    最原「うん、おはよう」

    赤松「じゃあ行こう!」ギュッ

    最原(当然のように掴まれる手に慣れる日は来るんだろうか……)


    ──食堂

    【交流会話】を1回見ることができます。

    ↓1(二人組をツクルンダヨォ)
  175. 175 : : 2017/05/18(木) 21:23:59
    百田と王馬
  176. 176 : : 2017/09/04(月) 08:26:25
    お忙しいかもしれませんが更新まってます
  177. 177 : : 2017/09/04(月) 13:04:47
  178. 178 : : 2018/10/21(日) 20:48:55
    終わったよ
  179. 179 : : 2019/12/06(金) 17:28:55
    もう2年以上経ったし
    これは失踪ですねぇ^ ^

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syuu_kurimu

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