堕天使の狂いし恋心
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- 1 : 2017/04/04(火) 22:53:18 :
- 「エレン、好き」
何回目になるのか、目の前で笑顔を浮かべる少女が俺に告白する。
「あー、はいはい」
俺は彼女のいつものように告白を聞き流す。
告白に対する返事をしない。
そんな最低な行いをされているのに彼女は、「えへへ」と可愛らしい声を出して微笑む。
その笑顔は訓練兵の間で『天使』と呼ばれるだけあって、可愛らしく美しかった。
「エレン、好きだよ」
それだけ言うと彼女は返事も聞かずに寮の方へと掛けて行った。
何回も言われた言葉。
何回も言われても未だに慣れない告白。
それが始まったきっかけになった事件。
それは彼女ーークリスタの人気が仇となった悲劇だった。
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- 2 : 2017/04/05(水) 02:39:11 :
- 期待してます
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- 3 : 2017/04/05(水) 11:37:27 :
- 期待
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- 5 : 2018/05/20(日) 05:10:25 :
- 人間というのは他の生物に比べて、個々の性格の差が大きい。
だからこそ、全員が全員好きだと声を揃えることは一切ない。
そして、人間は性別によって好きと声にするものが変わる。
男子は自分の好みをしっかりと持つ傾向にある。
そしてその嗜好を隠す事はせずに口にする。それがどんだけ歪んだ性癖であろうと笑い話とするのが男子である。
故に男は女に比べて変態のレッテルが貼られるケースが多い。
それに比べて女子は周りが好きなものが好きな傾向があった。
女子は流行りを好み、自分が周りと異なるのを嫌がる。
そして、女子は輪を乱す者を大いに嫌う。
例えで言うと、オタクや地味っ子ーーーーーーーーーーーそして、男に媚びる尻軽女。
ここでクリスタという少女の話をしよう。
彼女は男女平等に優しく、馬の扱いに秀でており、そして可愛らしい少女である。
男女平等に優しく、一定の人からは天使と崇められる彼女。
しかし、女子からすれば男子にも優しくする姿は媚を売っているように見えるらしく、彼女は女子から嫌われていたようだ。
ようだというのも、その事実に気づいたのもつい最近の事だったからだ。
気付いたのは本当に偶然で、女子寮の裏で集団に殴られているのをミカサに用事で女子寮に寄っていた俺が目撃しただけだった。
それを目撃した俺は正義感に駆られ、後先考えずに集団に飛び込んだ。
相手は集団、とはいえアニよりも強いわけもなく難なく全員を追い返した。
そして、ボロボロになったクリスタを治療している時に言われた。
「この事は誰にも言わないで」
意味が分からない。
これはどう考えても報告すべき事案だ。
「どうしてだよ」
「どうしてって、迷惑かけちゃうもん」
彼女は歪に固まった笑みでそう答える。
「誰にだよ」
「私を殴っただけなのに彼女らは最悪開拓地行きになっちゃう。そうなったら、彼女らにもその家族にも迷惑かけちゃうでしょ」
そう言ってクリスタはまた笑う。
俺はその言葉と笑みが汚らしく聞こえ、そして見えた。
「意味が分かんねぇ。あんな奴らどうなってもいいじゃねぇか」
「うん、エレンには分からないだろうね。エレンがあんな奴らって言ってる人達は私よりは価値のある人間」
「はぁ?人間は全員同じ価値だろうが」
「そんな事は無いよ。エレンは自分が人類最強と呼ばれるリヴァイ兵長と同じ価値があると思っている?人類が巨人から救われるには必要となってくる。それに比べてエレンは一介の兵士見習い。命の重さはリヴァイ兵長の方が重い」
「確かにな。けど、お前とあいつらは同じ兵士見習いじゃねぇか。だったら同じ価値しかないだろ」
「ううん、そんな事ない。彼女らは家族に必要とされてる。彼女らと違って私は家族から見捨てられた立場。私の命はないにも等しい」
クリスタは笑う。
卑屈な言葉を口にしながらも彼女は笑う。
その姿が俺はどうしても気持ち悪くて、そして自分がいらない人間のような言葉が非常にムカついた。
だからーー
「じゃあ、俺がお前を必要としてやる」
だから俺はあんな事を言ってしまったのだろう。
「えっ」
「クリスタ・レイスは俺にとっては必要だ。馬の扱いも教えて欲しいし、それに俺は訓練兵の友人がいないに等しいから俺はクリスタが必要だ」
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- 6 : 2018/05/20(日) 13:55:29 :
- 久しぶりの投稿だ!
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- 7 : 2018/05/20(日) 14:13:02 :
- >>6
遅くなって申し訳ないです
一日一回頻度の投稿です
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- 8 : 2018/05/20(日) 20:05:21 :
- きたい!
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- 9 : 2019/05/20(月) 23:33:35 :
- あの事件はクリスタに価値を与えると同時に、歪な感情をクリスタに植え付けてしまったようだ。
愛を知らない彼女に『必要としてくれる人』は非常に稀だったらしい。
最初は俺の言葉を信用せずに警戒していた。
けれど、俺が必要以上にクリスタに構い、クリスタを庇っていたからか信用をしてくれるようになった。
しかし、愛に飢えていたクリスタは『必要としてくれる人』に執着してしまう。
そして、執着心を彼女は恋心と勘違いしている。
最初は勘違いだと言い聞かせていたが、彼女は変なところで頑固らしく恋心であると考えを変えようとしない。
今では直そうともせずに彼女の言葉を流すようになっていた。
それがいけなかったのか彼女はより一層愛の言葉を囁くようになっていた。
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- 10 : 2019/05/21(火) 06:42:50 :
- 期待
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