このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
この作品は執筆を終了しています。
生乾きのシャツ
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- 1 : 2017/04/04(火) 22:11:38 :
- そーすさんの企画、調味料杯に投稿するssです。
http://www.ssnote.net/groups/2175
↑そのグループです
5つのお題の、「酢」「シャツ」「ボール」「イカ」「カーテン」 の中から、一つ以上のお題を選んで、それを使ったssを書く企画です。
私が使うお題は、これら5つ全てです。
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- 2 : 2017/04/05(水) 19:43:08 :
少し、冷たい感覚がする。
目を開けると、そこは俺の彼女の家だった。
いつの間にか寝ていたみたいだ。
冷たい感覚の正体は、まだちゃんと乾いてない、生乾きのシャツだったみたいだ。
「……あれ、俺………何してたんだっけ。」
「…………寝ぼけてんの?和也が今日来るって言ってたんじゃない。」
「………小百合。」
「……大丈夫?」
そうだ、そういえば、そうだったのか。
でも、なんでだ。なんで今日この家に来たのかがわからない。
「……なぁ、小百合。」
「なに?」
「俺、いつから寝てた?」
「えっと…3時間くらい前だから、5時くらいかな」
ってことは、今は午後8時か。
…帰らないと。
「悪い、もう帰るよ。」
「そっか。またね。」
なんでだろう、なんでこの家に今日来ようと思ったのかが、どうしても思い出せない。
このシャツのせいで、少し肌寒い。
スマホを見ると、今日は少し雨が降っていたらしい。
なるほど、街にいる時に雨が降り始めたから雨宿りに小百合の家に行った…ってことか。
でも、それを俺はなんで忘れていたんだろう…。
家に帰ると、母さんに少し怒られた。
「しっかりしなさいよ。もう高3なんだから。連絡くらいしなさい。もう、こんな時間までどこに行ってたのよ。」
「え…っと、彼女の家。眠ってたみたいなんだ。」
「彼女……?和也、彼女なんていたの?」
「あれ?言ってなかったっけ。俺の一個上の、美人で、巨乳の……」
「もういいわよ、そんなことなくて言わなくていいわ。」
親に何を言っているんだろう。
飯を食って、部屋に行く。
特に大したことじゃないが忘れっぽくなっていることを伝えるために、小百合に電話をかける
『……何言ってんの?記憶喪失?何もなかったじゃない。なんでそんな急に。』
「俺もわからない。突発的に起きたから、原因すらわからない。
……まぁ、今度病院にでも行ってくるよ。」
『…ふふ、そうしなさい。どうせあんたのど忘れって言われるのがオチよ。』
「そういうこと言わなくていーんだよ。」
『はーい、それじゃまたね。おやすみ。』
「…おう、おやすみ。」
眠りにつけない。
俺がちょっとしたど忘れをしたことについて考えていた。
今日一日を振り返る。どこを忘れているのか。
朝起きて、顔洗って、朝飯食って、歯磨いて…。スマホいじって、ゲームして、勉強したりして………
……………あれ?
俺今日、外に出てない。
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- 3 : 2017/04/05(水) 19:44:13 :
いや、勘違いだろうか…?出たっていう記憶が無くなっているのかもしれない。
だとしたら何故……?
そうだ、午後4時……その辺りから、記憶がないんだ。
あれから一体何があったのか、わからない。
あの時は確か………勉強してたはずだが……。
気がつくと、眠っていた。
目を開け、身体を起こすと、少し動きにくいことに気づく。
身体に力が入れにくい。そういう病気ならヤバいな。早めに病院に行かなければ。
カーテンを開けると、今日も雨だった。
こんな天気なのに、外でボール遊びをしている小学生くらいの子供達がいる。
とりあえず、朝飯を食べに下に降りる
「っと……あっ」
まだ寝ぼけているのか、卵かけご飯に醤油と間違えて酢をかける。
「もう、なにしてんのよ。」
ふふふ、と母さんに笑われる。
「……あ、そうだ。…母さん。」
「ん?なに?」
「俺昨日さ、4時くらいに何してた?」
「何よその質問。」
「いいから」
「んー…そうね、3時半くらいに和也の部屋に行った時はちゃんと勉強してて…そう、4時過ぎに見に行った時にはもういなかったのよ。」
「俺、何も言わずに出て行ったの?」
「そうね、そういうことになるわ。」
「そっか…ありがと。俺、午後からちょっと病院行くね。」
「え?なんで?」
「ちょっと熱っぽいっていうか。」
「あぁ、確かに昨日は雨が降ってたし……そうそう、あんた風呂にも入らずに寝て。服濡れてたわよ。だから風邪でも引いたんじゃない?」
「んー…そうかも。」
そういえばそうだ。昨日、風呂入ってない。
少しベタつくが、風呂に入る気にもなれない。
天気予報では、今日は昼から晴れるみたいだ。
だから、昼から行くと言ったのだ。
スマホを見たり勉強をしたりして、午後まで少し時間を潰す。
……午後。
結局、雨は止まなかった。
………まぁ、いいか。病院に行くだけだし。
外に出ると、思っているより雨が降っていた。
うわぁ、行きたくないなぁ。
仕方ない、行くか。
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- 4 : 2017/04/05(水) 19:45:09 :
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……午後。
結局、雨は止まなかった。
………まぁ、いいか。病院に行くだけだし。
外に出ると、思っているより雨が降っていた。
うわぁ、行きたくないなぁ。
仕方ない、行くか。
目を開く。
……すると、そこは小百合の家だった。
「……………え?」
「やっと起きた……どうしたの、和也。」
「どうしたって……あれ…?」
ついさっきまで、俺は俺自身の家の前で、病院に行こうとしてたはずだ。
それに、服が濡れている。
生乾きだ、昨日と同じような。
そういえば、さっきまで持ってた俺の荷物も無くなってる。
「……小百合、俺、どうしてここに……」
「どうしてって……
今日、したいって言ってたのは和也じゃない…恥ずかしいから、やめてよね……
でもそしたら傘もささずにここまで来てて、家にあげたら急に寝始めて……」
俺が、したい?
したいって、セ、セックスのことか?
なんで俺がそんなこと…今日は病院に行かなくちゃならないのに。
というか、傘もささずに?じゃあ俺の荷物はまだ家?
傘をさしてなかったから、服が濡れてるってことか……?
「……ねぇ、和也。最近和也、変だよ。」
「………確かに、変だな。俺にもよくわからないよ。俺自身に何が起きてるのか。」
「……したい。」
「………え?」
「その気にさせたの、和也だよ…。だから、さ……」
小百合が俺に跨り、首に手を回してくる。
「そんなこと言ったって、あ、えっと、せめてシャワーとか浴びてからが……」
「待てないよ……だから、ほら、しよ……?」
「わかったよ…じゃあ、脱ごう……って、あれ?」
ここで、身体が動かないことに気づく
「………どうしたの?」
「身体が、動かないんだ……あれ……?」
「………………あぁ、
やっと動けなくなったんだ。」
「…………………え?」
背筋が凍る。
その声は、今までの小百合の声とは全く違った。
本質的には同じ声なのだが、違う何かが喋っているみたいだった。
……いや、既にこの目の前の生き物は、違う何かになっていた。
イカやタコのような触手を何本も持ち、歯が何重にも生え揃った恐ろしい口。ヌメヌメとした粘液。
まさに、化け物だ。
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- 5 : 2017/04/05(水) 19:46:05 :
「起きた時にはもう動けないって思ってたんだけどねぇ。
案外やるじゃん、アンタ」
きゃはは、と今までに見せない笑いを見せる。
「この変な演技もめんどくさいんだよね〜。ね、和也♡」
「誰だ、誰だお前。小百合、小百合!!もしかして、お前が小百合を……!?」
「ん〜?何言ってんの?アタシがその小・百・合♡
アンタ、アタシとの思い出、思い出せんの?」
何言ってんだこいつ……小百合との記憶なんてすぐ………
………思い、出せない……?
あれ?そもそも俺、いつから小百合と付き合ってた?
………というか、小百合って誰だ?
「ぷぷぷ〜、やっと理解した〜?
アンタは元から彼女なんていなかったの。アタシに催眠かけられて、アタシを彼女だって思わされてたの。
で、そのシャツでアンタの生力吸われていっちゃって、もう動けなくなっちゃったってワケ。
そのシャツ、脱げなかったでしょ?
てゆーか、脱ごうと思えなかったでしょ?
理解できる?和也くん?」
「そんな…嘘だ、帰せよ、帰せよ!!ここから出せよ!ふざけんな!!」
「まぁまぁそんなにぷんぷんしなさんな。
アンタが食いたいわけじゃないんだし、さっさとしようよ。」
そういうと化け物はまた女の姿に戻る。
目の前の女は服を脱ぎ、俺のズボンと下着を脱がせると、俺のモノを自分のに挿入する。
「お、お前、何して……!?やめろ、離せ!誰がお前なんかと……!!」
「いいじゃんいいじゃ〜ん。気持ちよくさせてあげるからさ〜?
タマん中全部無くなっちゃうくらいに♡」
そこから俺は泣き叫び、動かなくなった身体で必死に抵抗しようとした。
しかし、結局俺は我慢ができず何度も射精し、俺のモノももう勃たなくなった。
「あ〜、気持ちよかった。やっぱり体力あるね〜、さっすが〜。
死なないようにはしてるけど、普通ならみんなもう気ぃ失ってるはずだよ〜?
君の精液、美味しかったよ♡気持ちいセックス、ありがと♡」
………これで、帰されるんだろうか。
最悪だ……なんでこんなこと………
早く、早く帰りたい………
「………ん、じゃあもう死んでいいよ。」
「……………は?」
身体中に寒気がする
なんだ、この感覚は………
身体を見ると、白いシャツが紅く染まっていっていた。
「きゃはは!血、抜き取られちゃってるの、わかる〜?あんまり痛くないし、死ぬのには最高でしょ?
あ、テクノブレイクで死んだほうがよかった?残念だったね〜」
い……嫌だ………
「嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!死にたくない!やめろ!!家に帰してくれよ!!やめろ!やめろ!やめてくれよ…!!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
いや」
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- 6 : 2017/04/05(水) 19:46:40 :
「ふふ、やっと逝ったか〜。さて、これはどこかに捨てといて…洗濯洗濯〜。
すぐ真っ白になるし、人は殺せるし、便利なんだよね〜。
……さて、洗えた洗えた〜。
まだそんなに乾いてないけど、いいよね。
次の餌探しに行こ〜っと。
あ、そうだ。」
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- 7 : 2017/04/05(水) 19:47:07 :
「君も、雨の日は気をつけてね?」
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- 8 : 2017/04/05(水) 19:49:54 :
終わりです。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。
約4000文字の短編です。ホラーとしてはそんなに怖いものではないのですが、ちょっとした不気味な感じを感じてくれれば嬉しいですね。
書いた私自身としては、五つのお題全て使うといいながらメインはシャツで、あと4つは一回しか使わなかったというのが少しバカだなぁ、と思いましたねw
まぁ、この辺りにしときましょうか、それでは、また書く機会があればお願いします。
ありがとうございました。
くれぐれも、雨の日は一人で出歩かないよう、お気をつけて。
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- 9 : 2017/04/05(水) 21:26:40 :
- タイトル見たとき→あ~らいたて~のシャツ~かな?
見終わったとき→( ゚д゚)ポカーン
状態でした()
お疲れさまでした
面白かったれす
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- 10 : 2017/04/06(木) 10:05:16 :
- >>9
コメントありがとうございます。
あまりホラーっぽく書けてなかったのですが、もし少しでも不気味に感じていただいているのなら幸いです。
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