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  1. 1 : : 2017/04/03(月) 22:15:16
    小屋でヒストリアがエレンに「今の方がいい」みたいな事を言われた後の話です。
  2. 2 : : 2017/04/03(月) 22:42:25
    ヒストリアは考えた。

    エレンは何故今の私の方がいいのだろう。
    エレンは私の事が好き?
    そんな馬鹿な…
    私はどうだろう。
    エレンの事が好き?

    そんな事を考えていると、外で子供達と遊んでいるエレンの姿が見えた。
    今、私はエレンの事を見ている。じっと。
    外の子供達の一人が私が見つめているのに気づいた。
    一瞬、その子は私の事をみてビクッと体を動かした。
    あ、エレンがその子に近づいてる。
    ? 何を相談しているのだろうか。
    あ!エレンが私の事を見てる。

    私よ…落ち着け…エレンがこっちを見てるだけ。
    そんなに意識しなくていいから。
    大丈夫。顔赤くなってないから。
    にやけてないから。

    意味の無い事を思っているとエレンがこちらの小屋に近づいてきた。


    ガチャ


    エレン「お前。遊びたいならこっち来いよ。」

    ヒストリア「大丈夫。」

    そう。私は遊びたいんじゃないの。
    ただエレンを見ていたいの。
    私を普通だと言ってくれた貴方はずっとこの目で見ていたいの。隣で…


    隣で…


    トナリで??



    馬鹿か…私は。
    そんなの私がエレンに恋してる見たいじゃない。
    いや、別にエレンの事嫌いじゃないよ?
    かといって好きと聞かれたら困っちゃうよ。

    だって私は空っぽなんだから…

    ヒストリア「そうだ。私は空っぽ…だからみんなと遊びたいなんて思わない。」

    エレン「そうなのか?さっきの子に聞いたらお前が俺の事じっと見つめてたって…」

    ヒストリア「だって私。今の私はエレンを見ている事しか興味がないもん。」

    これは本当。エレンを見ることでしか時間を潰すことが出来ない。そんな弱々しい私はどうしたらいいのだろう。

    エレン「俺を見ることだけ?はっ。笑わせるなよ」

    ヒストリア「笑ってないじゃない…」

    エレン「あぁ。そうだな。笑ってない。」

    ヒストリア「認めちゃうのか」クスッ

    エレン「お?今笑った。」

    ヒストリア「え?誰が?」

    エレン「お前が。」

    ヒストリア「私?私は笑ってないよ。だって空っぽだし。」

    エレン「…さっきの笑顔、今までの笑顔の中で1番可愛い。いや、初めてだな。ほんとの顔で笑ったのは。」

    ヒストリア「私が笑ったら何が起きると言うの?」


    そうだよ。エレン。私が笑ったって貴方にメリットがあると言うの?私にメリットがあると言うの?


    エレン「悪い悪い。俺はさっきの笑顔好きだ。ヒストリアは笑った方が良い。」


    やめてよ。エレン。そんな事言われても何も感じない。何も…そう…何も…


    エレン「お?今度は赤くなってる」


    嘘。恥ずかしい。見ないでよ…

    ??

    恥ずかしい?あれ?エレンに赤面見られて恥ずかしい?それってまるで…


    ヒストリア「好き…」

    エレン「ん?なんだ?なんか言ったか?」

    ヒストリア「いや!なんでもない!」

    エレン「おぉ。今度は何故か焦ってるな」ハハッ


    私はエレンを好きになったんだろう。
    ヒストリアになってから極力だれとも関わりたくなかったのに普通に接してくれたから?
    いや。違う。私が意識してるだけ?
    もう分からないよ…


    エレン「お前さ。結構感情豊かじゃん。この五分くらいで色んな面見れたし」

    ヒストリア「エレンにだけだよ…」

    エレン「は?俺にだけ?」

    ヒストリア「エレンはずるい。殻を破ったらすぐに攻めてくるなんて。」

    エレン「??」

  3. 3 : : 2017/04/03(月) 22:57:07
    エレンには分からない。よね…こんな気持ち。
    そう。私にだって今日の今まで分からなかった。こんな気持ち。
    エレンという存在がどれだけ私にとって大きいのか。
    エレンが好きになったから色々と私の顔が変わっているのかもしれない。
    あぁ。駄目な私。
    エレンみたいな死に急ぎ野郎に恋するなんて。
    まぁ、私も死に急いでたから同じか。
    いや、エレンなんてすぐに死んでしまうのかもしれない。
    そう思うと怖い。
    もう大切な人を失いたくない。

    私を…本当の私を信じてくれる人を…

    だから…

    だから…


    ヒストリア「今だけ甘えさせて…」ギュ

    エレン「…」ナデナデ


    エレンは何も言わず撫でてきた。
    心地よい。
    うん。すごく。心地よい。
    好きな人に撫でられるのはこの上なく気持ちいい。
    エレンは私を解ってくれる。
    だから何も言わないのかもしれない。
    それともただ何も言えないのかな?
    どっちとも捉えれるけど前者だと信じてる。

    エレン「辛いよな…今だけじゃなくてこれからも甘えていいぞ?」ナデナデ


    あぁ。嬉しい。私はこんなにもエレンを愛おしく感じてしまうのか。

    ん?今なんて?

    ヒストリア「なんて言った?」ギュ

    エレン「? だからこれからも甘えていいぞ?」


    これは私の恋が叶うのか。
    いや、エレンってこんな人だっけ?
    まぁ良いか。エレン暖かい。心臓の音が心地よい。いつまでも。

    いつまでも貴方の傍にいたい。

    だから許して。エレン。こんな私を…


    ヒストリア「エレン。ちょっとしゃがんで。」

    エレン「? おう」スッ

    チュ


    私とエレン。いや、エレンはどうなのかな?分からないけど初めてだったらいいな。
    ファーストキスだよ。エレン。私の貴重な。

    エレン「なっ」カァァ

    あらあら。赤くなって。可愛い。抱きしめたい。エレンを。
    またキスしたい。

    ヒストリア「またしてもいい?」

    エレン「……」カァァ

    あ、思考停止してる。初めてだったのかな?
    ふふっ嬉しいなぁ。

    エレン「ほ、頬っぺな…」


    エレンって可愛いしカッコイイしなんでもありだね。
    それに私のワガママも了承してくれる。
    大好き。

  4. 4 : : 2017/04/03(月) 23:03:38
    ミカサには失礼だけどもうエレンの隣は私でいいかな。
    いや、隣は私。
    譲らない。

    ヒストリア「エレン。好きだよ」

    エレン「あぁ。ありがとう。俺も…」


    えっ?私の事好きなの?そうなの?


    エレン「好き…だと思う。」


    はぇ?だと思う?私はキスしたのに。貴方、了承したでしょ。

    ヒストリア「私の事好きじゃないの?」

    エレン「いや、好きだけどさ。」

    ヒストリア「うん。」

    エレン「恋愛的にって言われるとさっきまでヒストリアの事そんな目で見たことないし。」


    あ…そういう事…私また独りなのかな…隣は誰もいてくれないのかな…



    悲しいなぁ…



    ヒストリア「そう…」


    思わず下を向いた。
    涙がこぼれ落ちた。
    私は空っぽだったはずなのにエレンに急にいっぱいにされて、急に空っぽにされちゃった。




    はぁ…
  5. 5 : : 2017/04/03(月) 23:08:59
    エレン「だからさ。友達からって事で良いか?」

    ヒストリア「え?」

    エレン「俺はお前が好きだ。」

    エレン「けど、俺は恋愛的にはお前を見た事がなかった。」

    エレン「だから、それまで待ってくれ。」

    エレン「だから…だから!





    俺の隣で待っていてくれ…」




    私は顔を上げた。
    再びエレンの胸に飛び込んだ。
    エレンも私を抱き返してくれる。
    あぁ…エレン。貴方は私を空っぽにしてはいっぱいにして。空っぽにしていっぱいにして。
    私の隣はエレンしかいない。
    だから貴方の隣も私だけにしてほしい。
    だから…

    それまで…



    ヒストリア「待ってるよ!!いつまでも!」ニコッ
  6. 6 : : 2017/04/04(火) 10:11:26

    ヒストリアはドアを開けて外へ出ていった。


    エレン「あんな顔すんなよ…」

    俺、エレンは顔が赤くなっていと思う。
    何故かって?
    そりゃああんなかわいい笑顔くらったら嫌でも赤面になるだろ。

    エレン「駄目だな…俺。」


    こんな事で決心が揺らぐくらいならいっその事ヒストリアと2人で暮らしたい。
    だかそんな平穏な生活は無理だ。

    巨人がいる。
    あの巨人を倒さないと自由は手に入らない。
    そうだ。
    俺はここになんのために来たんだよ。
    巨人をぶっ殺して外の世界に行くんだろ…
    ヒストリアに好意を抱いてしまったら、俺は巨人どころじゃなくなって、1秒でもヒストリアと居たくなってしまう。


    エレン「俺の目標は巨人をぶっ殺して、外の世界を見ること…」


    そう。それでいい。
    ヒストリアのことはその後で考えよう。

    ガチャ

    巨人…

    巨人……

    巨人………


    エレン「ぶっ殺す!!」

    ヒストリア「え、エレン?どうしたの?」


    あ、ヒストリア。帰ってきてたんだ。
    まぁいいか。
    あ…やばいな。かわいいな…



    いや!まだ駄目だ!決心が揺らぐ!



    でも、やっぱり…

    やめろよ。ヒストリア。
    そんな涙目でこっち見るなよ。

    エレン「かわいいかよ…ちくしょう…」ボソッ

    ヒストリア「え…かわいい?へへへ。ありがとう」


    どうやら聞こえていたようだ。
    顔を真っ赤にして精一杯の笑顔をして。
    そんな愛らしい奴をみて誰が好きにならないか。

    エレン「ヒストリア…ちょっとこっち来い…」チョイチョイ

    ヒストリア「? 何エレン」


    首を傾げてこっちを見てくる。
    俺の顔は今どうなっているのだろう。
    にやけているのだろうか。

    いやいや。
    平常心平常心。


    ヒストリア「何言いたい事があったら言ってね?」ニコッ


    そうか。言いたい事があれば言えばいいんだな。
    1回言ってしまえば、この心の衝動は収まるかもしれない。
    言ってしまえば、巨人のことだけを再び考えれるのかもしれない。
    言おう。
    今すぐに。


    エレン「ヒストリア…抱かせてくれ。」ダキッ

    ヒストリア「あぇ!?…///エ、エレン。どうしたの?」

    あぁ。あったかい。ヒストリアの体ってあったかい。
    今すぐにでも自分のものにしたい。

    エレン「ヒストリア。お前はずっと俺のそばにいてくれるか?」

    ヒストリア「…ん?あ、いるよ?ずっと。死んでもずっと。」

    あ、今安心しきった顔で寝てた。
    そんなに抱くというのは気持ちいいのか。
    俺にはまだそこまでの段階ではないな。

    ん?

    まだ?

    そうだ。いつかは今のヒストリアみたいに、安心しきった顔で抱き合える日が来る。

    今はまだ巨人がいて安心出来ないが…


    ヒストリア「あ、でも、傍よりも隣の方が良いかなぁ。他の人よりもずっとエレンにとって近い存在になりたい。」スリスリ


    前言撤回。安心した。
    見てみろよ。俺の胸に顔をスリスリしてやがる。
    可愛いやつめ…

    隣か…もう俺の心はお前でいっぱいだ。
    ヒストリア。

    エレン「いずれそうなる。」

    あ、いらない事言ってしまった。
    焦りすぎたか?
    いや、まて。ヒストリアの表情はどうなってる…

    ヒストリア「!?!!!?!?!?」

    …天使だろ。
    下唇噛み締めて、目を見開いて、赤面してやがる。
    言葉も出ないか…
    ははっ。これは面白い。
    暇な時間はヒストリアと遊ぼう。
    少し意地悪して…な。
  7. 7 : : 2017/04/04(火) 13:22:23
    面白いです。期待してます
  8. 8 : : 2017/04/06(木) 16:52:02
    ⬆︎と同じく期待!

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