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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

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東方夢喰録 第3話 崩壊 –– ホウカイ ––

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  1. 1 : : 2017/03/23(木) 00:17:52
    第2話の続きです。

    第2話→http://www.ssnote.net/archives/52466

    エロはありません。
    グロはほんの少しだけ。
  2. 2 : : 2017/03/23(木) 00:21:02
    「誰も私に追いつけない」

    その言葉通り、少女は咲夜の前から"消えた"。
    咲夜は何が起こったのか分からず、動きが止まった。
    しかし、狙われるのは自分だ思っていた為、すぐさま警戒心を取り戻す。
    彼女の視界に、少女は居ない。

    ––––後ろ?

    振り返りざまにナイフを構える。
    しかし、そこに少女の姿はない。

    ––––まさか、上!?

    そう思い、空を見上げたときだった。


    「霊夢!!!」


    魔理沙の叫んでいるような声が聞こえた。
    咲夜は、魔理沙の方へと視線を向ける。
    そこには……既に上半身が口の中に入った魔理沙がいた。
    そして––––食い千切られた。

    「…ま…りさ……?」

    魔理沙の下半身は、行き場を失い、バランスを保つことができずに倒れた。
    倒れるというより、転がるという表現の方が正しいかもしれない。

    「え……あ……」

    顔に真っ赤な血を浴びた霊夢は、情けない声を上げていた。

    ––––私のせいだ。

    咲夜は自責の念を抱えていた。

    ただし、魔理沙を救えなかったことによる後悔ではない。
    咲夜にとって霊夢や魔理沙は、つい先ほど知り合ったばかりの、名前しか知らない程度の存在だ。
    そこまで深い情など湧いていない。
    とはいえ、咲夜もそこまで冷酷な訳ではない。
    少なからず、憐れみに近い悲しみは感じている。
    それでも、咲夜の心を占めているのは別の感情だった。

    ––––私がもっと早く、能力を使っていれば…!

    咲夜は能力の使用を温存していた。
    もし咲夜がその能力をうまく使えば、相手を殺すことなど、本当の意味で"一瞬"だ。
    しかし、能力を見せびらかすなど馬鹿のやることだ。
    咲夜は、そう思っていた。

    それになにより––––格好悪い。

    しかし今、能力を見せびらかす奴よりも格好悪い状況になってしまった。
    咲夜は、魔理沙を救えなかったことではなく、能力を使わなかったことに後悔の念を抱いていたのだ。



    「んんっ!美味しい!!!」

    少女は、心の底からそう思ったのだろう。
    その声色から、大きな喜びが感じ取れる。

    「こんなに美味しい"夢"は久々です!」
    「……」

    霊夢は目を開けながらも、焦点があっておらず、意識なんて無いも同然だった。

    「さて、次はどちらを頂きましょうか?ああ、逃げなくて結構ですよ。私から逃げるなど不可能ですから」
    「……あ………いや………」
    「あやや。まともに喋ることなんて出来ませんか」
    「……調子に乗るのもいい加減にしなさい」
    「ほぅ……?貴女は、そんなことを言う余裕があるんですね!仲良しこよしな人間が食べられてしまったのに!」
    「安心しなさい。すぐに殺してやるわ」
    「あやややや、怖いですねぇ!さすがは、私を喰らう者(笑)、と言ったところでしょうか?」

    少女は咲夜に笑顔を向けていた。
    しかし、一瞬だけ、目つきが鋭くなる。

    「……でも、果たして私を捕らえることが出来るのでしょうか?貴女では、私に触れることすらできないのに!!」
    「確かに、貴女を捕らえることは不可能みたいね。それこそ––––時間でも止めない限りは、ね」

    咲夜は意味深な笑みを浮かべる。
    しかし少女にはその言葉と微笑みが、ただの負け犬の遠吠えにしか感じられなかった。
    少女は、あからさまに咲夜を見下し、嘲笑うかのように声を上げる。

    「なるほど!!時間を止められてしまっては、さすがの私も逃げられま––––」


    ––––パチンッ


    刹那、少女の首にナイフが当てられた。
    そして、躊躇なく振り下ろされる。

    「––––がはっ!!」

    少女の首から、とめどなく、鮮血が降り注いだ。
    咲夜は、その返り血を敢えて浴びているかのように、少女の目の前に立っていた。

    「ごめんなさいね。貴女、さっきからベラベラと五月蝿いのよ」
    「ぅ…ぁ…」

    少女は声にならない呻き声上げている。
    もはや少女のその姿に、戦う意思は見られなかった。


    最初から、こうしていれば––––


    咲夜は地面に転がる魔理沙の下半身を見ていた。
  3. 3 : : 2017/03/23(木) 00:21:43

    「––––ッ!」
    「あら、気付いたのね」

    霊夢の目の焦点が咲夜に合った。
    それに気付いた咲夜は、霊夢へと視線を移す。

    「さ、くや?……まりさは?まりさはどこ?」

    霊夢の声に、普段の––––とは言っても、知り合ったばかりで"普段の霊夢"など、咲夜は知らないのだが––––力強さ、或いはふてぶてしさが感じられなかった。

    「落ち着きなさい。彼女は喰われたわ」

    咲夜は敢えて冷酷に、現実を突きつけた。
    霊夢は目を見開いていた。

    「でも、おそらく貴女は知っているんでしょう?まだ彼女は死んだわけじゃない」

    嘘は言っていない。
    この世界での時間の流れ方は特殊だ。
    この世界での出来事は、現実の世界ではほんの一瞬の間に起こってしまう。

    「この世界で喰われたものは、現実で窒息死する。でもそれは即死じゃないわ」
    「……ッ!!」
    「人間が呼吸なしでも何とかなるのは、せいぜい5分と言ったところかしら?」
    「5分……」
    「それ以降は、助かっても脳に障害が残るでしょうね」
    「魔理沙……」
    「もうすぐ、この世界は崩壊する。そしたら頑張って、彼女を救ってみなさい」


    ––––無理だと思うけど。


    それは、口にしなかった。
    だが、確実に魔理沙は死ぬだろう。
    苦しんで……霊夢の顔を見ながら、死んでいくのだ。
    そう言い切れる理由がある。


    ––––貴女たち人間は、この世界での記憶は残らない。


    この世界の記憶は忘れてしまう。
    人間は、頻繁に白昼夢を見ている。
    だが、意識できるものは殆ど無い。
    そんな、人が頻繁に見ているにも関わらず、忘れられてしまう白昼夢を集め、食べるのがユメクイなのだ。


    ––––貴女は魔理沙が死んでいくのを、慌てふためきながら眺めることしかできないのよ。


    今まで咲夜は、かなり希ではあるものの、霊夢たちのように知り合い同士で夢に入り、片方が喰われ、片方が生き残るという者たちを見てきた。
    その者たちの行く末の詳しいことは分からない。
    しかし、テレビに流れる死亡ニュ––スを見れば明らかだった。
    彼らのうち誰も、生き延びることができなかったのだ。


    ––––バリッ


    そのとき、空が割れた。
    文字通りだ。空にヒビが入ったのだ。

    ––––そろそろこの世界も終わりね。

    咲夜はそう思うと、喉を抑え苦しむ少女の方へと視線を移す。

    「さて、逃さないわ。今すぐ楽にしてあげる」

    ナイフを持った右腕を振り上げる。

    「…ゃめ……」

    咲夜は、何かが聞こえた気がした。
    聞こえたが、聞こえてないフリをした。

    この世界にユメクイはいらない。
    ユメクイは、1匹残らず殺してやる。

    咲夜は、腕を振り下ろした––––







  4. 4 : : 2017/03/23(木) 00:22:18











    ––––が、少女にナイフは当たらなかった。





    ふと、地面を見る。





    咲夜の手が、転がっていた。
















    「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!」

    咲夜は、似合わない悲鳴をあげた、
    不意に切り取られた右手を見つめる。
    それを見てさらに声をあげ、左手で傷口を抑えようとする。
    しかし、寧ろ痛みは増すばかりだ。
    悲痛な叫び声をあげ、蹲《うずくま》る。

    「あは……」

    少女は微笑んだ。
    そして力尽き、本当に死んでしまったかのように、気絶した。



    咲夜がナイフを振り上げたとき、少女は最後の気力を振り絞り風を起こした。
    小さな、本当に小さな風だった。
    しかしそれは、どんな刃よりも鋭い風––––鎌鼬《かまいたち》––––だった。
    それが咲夜の右手を切り落とし、その余波が頬の肉を切り裂いた。
    腕から血が噴き、頬から血が滴る。
    もはや、返り血で汚れているのか、自らの血で汚れているのか……分からなかった。

    咲夜は叫び、少女が笑う。

    本当に勝ったのはどちらだろうか––––











    ––––射命丸文の夢は崩壊した––––








  5. 5 : : 2017/03/23(木) 00:23:02













    「何それ、馬鹿みたい」
    「……ッ」

    突然、魔理沙は目を見開いた。

    「魔理沙?」

    そして今度は眠るように倒れ込み、私に全身を預けた。

    「魔理沙!魔理沙!しっかりしなさい!魔理沙!!!」

    魔理沙は反応しない。
    反応できないというより、反応しようとしていない。
    生気が感じられない。
    なにより、呼吸が止まっている。

    しかし私には、何が起きているのか分からない––––












    ––––はずだった。


    「……大丈夫、私が救ってあげるから」

    私は魔理沙にそう伝え、窓に目をやった。

    確実に魔理沙を助けるには、病院に連れていくしかない。
    私の勘がそう言っている。
    しかし、救急車を待ってる余裕はない。
    私が連れて行った方が……速いッ!

    「魔理沙、大丈夫よ。とりあえず少し時間がかかるから、空気を送るわね」

    私は魔理沙の顎を押さえ、鼻をつまんだ。
    そして唇を重ね、空気を送り込む。
    魔理沙の胸が少し浮かび上がった。

    ––––これで、少しはマシでしょう?

    そう思いながら、すぐに私は魔理沙を抱きかかえる。
    そして窓に向かい、蹴り破った。
    そのままの勢いで、私は外に"飛"び出した。

    「すぐに着くから、我慢しなさい」

    私は魔理沙に微笑みかけてから、病院へと急いだ。








  6. 6 : : 2017/03/23(木) 00:23:33
    *キャラ設定(追記なし)

    ○博麗霊夢
    「私は勘で動いただけよ」

    17歳になる程度の年齢。
    他人に無関心なところもあるが、人との関わりを避けているわけではない。
    楽しいことも美味しいものも普通に好き。
    勘が鋭く、自分でも驚くほどの的中率を誇る。



    ○霧雨魔理沙
    「おっす霊夢、迎えに来たぜ」

    17歳になる程度の年齢。
    好奇心旺盛、明朗快活。
    男勝りな口調は意識してる。
    内面はただの乙女。
    霊夢の古くからの友人であり、一番の理解者。



    ○十六夜咲夜
    「まあ、1番早いのは、私がユメクイを殺すことでしょうね」

    19歳になる程度の年齢。
    冷静沈着、才色兼備………を装っている。
    実力、容姿共に十分だが、自意識過剰。
    しかし結構他人想いで、世話焼きな面もある。
    また家事全般を余裕でこなせる為、嫁にしたい女子No. 1である。(作者調べ)

    【能力 : 時を操る程度の能力】
    時間を加速、減速、停止させることができる能力。
    巻き戻すことや、なかったことにする事はできない。

    武器としてナイフを具現化させる。
    その数に制限はない。



    ○射命丸文
    「誰も私に追いつけない」

    25歳になる程度の年齢。
    元大手新聞社の記者。
    諸事情により、現在は別の大手企業で事務職をしている。
    年功序列の考えを強く持ち、調子に乗った年下を最も嫌う。
    目下の者にも敬語を使うことが多々あるが、それは決して相手を敬っているわけではない。

    【 能力 : 風を操る程度の能力 】

    風を自由自在に操ることができる。
    風の速さや範囲、密度を操ることで、鋭い刃のような風や厚い壁のような風など、ありとあらゆる風を生み出すことができる。
  7. 7 : : 2017/03/23(木) 00:26:11
    第4話に続きます。

    第4話→http://www.ssnote.net/archives/52468
  8. 8 : : 2020/10/26(月) 15:07:00
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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著者情報
922sochance520

ODA兵士長

@922sochance520

この作品はシリーズ作品です

東方夢喰録 〜 Have a sweet nightmare!! 〜 シリーズ

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