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エレン「1/6の夢旅人」ミカサ「人生の暇潰し編」

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  1. 1 : : 2017/03/05(日) 12:53:25
    どうも。タイトルから分かる方もいるかと思いますが某番組のパロディです。

    キャラ崩壊、世界観崩壊など割とカオスな展開となりますが何卒よろしくです。

    それでは始めます!
  2. 2 : : 2017/03/05(日) 12:55:31
    How do you like “Attack on Titan”?

    ♪ちゃーん ちゃちゃちゃちゃ ちゃーん
    ちゃん でででででん
    ちゃん でででででん でん
    じゃーん――♪


    ――


    壁暦855年、壁内人類はマーレ大陸の人類との講和条約を結び、何世紀にも渡る巨人の支配から解放された。


    え?どうやって和解したかって?


    まぁ……それは色々あったんだよ、うん。詳しくは説明しないけどホント色々……


    それは兎も角として、僕たち調査兵団の壁外進出の御祝いとして三兵団を挙げてのパーティーが王都ミットラスで開催された。


    この旅は、そのパーティーが終わった翌朝から始まる――


    855年某日

    時刻0630――王都・ミットラス


    エレン「ふぁーあ……ねみぃ……」ウツラウツラ…

    サシャ「こんな朝早くから呼び出しなんて何のつもりでしょうね?ハンジさん」

    ミカサ「さぁ……?」

    アルミン「しかも呼び出されたのは僕たち4人だけ。何故だろう?」

    エレン「どうでもいいけど面倒事はよして欲しいよな~」

    ミカサ「私は嫌な予感しかしない……」
  3. 3 : : 2017/03/05(日) 12:56:28
    コツコツ…


    ハンジ「お待たせ皆~」ヒョコッ


    エレン「ハンジさん、おはようございます」バッ

    サシャ「おはようございます」バッ

    ハンジ「おはよう」

    アルミン「それで話って……?」

    ハンジ「君たちここは、どこか分かるよね?」

    エレン「? 宿舎ですよね?」

    ハンジ「あー……いや、そうなんだけど、もっと広い意味で」

    ミカサ「壁内」

    ハンジ「広すぎ!確かに今の私達の活動範囲は壁内には留まらないけどさ!」

    サシャ「ウォール・シーナ領内です」

    ハンジ「もうちょい!」

    アルミン「王都・ミットラス、って事ですか?」

    ハンジ「せいか~い!」ピンポーン

    アルミン(えらくテンション高いな……)

    ハンジ「その通り!私達のような庶民には、かつて程遠かったミットラスにいるのです!許可証も持たずに!」

    サシャ「今となっちゃ一般市民も積極的に壁の外に出て街をつくってるくらいですからね」

    エレン「あれだけ内側に籠りたがってた貴族がな」ケッ

    アルミン「こらこらエレン。悪態つかない」

    ミカサ「それがどうかしたんですか?」
  4. 4 : : 2017/03/05(日) 12:58:02
    ハンジ「うん、つまりね。せっかく壁内一の大都会に来たんだから何か楽しい事をしながら調査兵団本部まで帰ろう、って思っててね」

    サシャ「もしやミットラスの美味しいパァン巡りとかですか!?」ダラダラ

    ミカサ「サシャ、よだれ……」

    ハンジ「ははっ!それも良いかもね」

    サシャ「えー?違うんですかー?」ショボーン


    ハンジ「それじゃあボード、カモン!」パチン!!


    ジャーン!!


    1.南へ向かおう――エルミハ区

    2.あぁ、雄大なる大地よ――フキヨセ

    3.女神降臨――レイス家領内

    4.鉄工業の街だよ――バーミンガム

    5.壁内一の漁村だぜ――オウル村

    6.アニちゃん元気してるかな?――ストヘス区


    エレン「こ、これは……?」

    ミカサ「サイコロの目と謎のコメント(?)!それから地名が……?」

    サシャ「どういう事ですか?」


    アルミン(ん……?これ、どっかで見たことが……?)


    アルミン「……?」


    ジーッ


    アルミン「あーーー!!!」


    「「!?」」ビクッ


    エレン「おいアルミン……どうしたってんだよ?」

    アルミン「ハンジさん!僕これ知ってます!僕これ知ってます!」

    ミカサ(2回言った……)

    ハンジ「おー!知ってるのかい?アルミン」

    アルミン「勿論ですよ!これ『サイコロの旅』ですよね?」キラキラ

    ハンジ「おう!ご名答!」
  5. 5 : : 2017/03/05(日) 13:03:07
    エレン「な……何だ?その、サイコロの旅、って……」

    アルミン「エレン知らないの!?」ズイッ!!

    エレン「!? お、おう……」

    エレン(いきなり元気になったな、アルミン……)

    アルミン「H○Bが産み出したスーパースター、大○洋の躍進のきっかけとなった企画だよ!?」

    サシャ「誰ですか……」

    エレン「いや、まぁその大○洋?とやらは良いとしてサイコロの旅、って何だよ?」

    ハンジ「説明お願いできる?」

    アルミン「了解です!」
  6. 6 : : 2017/03/05(日) 13:18:12
    アルミン「エレン、ミカサ、サシャ」

    アルミン「まず、僕たちは今から1つのサイコロを振るんだ」

    エレン「まぁ、サイコロの旅って言うくらいだからな」

    アルミン「ハンジさん、サイコロあります?」

    ハンジ「勿論さ。ほい」スッ

    アルミン「どうも。でね……」

    エレン「ちょっと待った」

    アルミン「え?どうしたの?」

    エレン「サイコロって、その安っぽくて赤い紙作りのサイコロか?」

    アルミン「? そうだよ」

    エレン「何でだよ!」

    アルミン「サイコロの旅と言えば明○のサイコロキャラメルって相場が決まってるんだよ」

    ハンジ「そうそう」

    エレン(どういう事なんだ……?)ウーム…
  7. 7 : : 2017/03/05(日) 13:22:49
    サシャ「ていうか中にキャラメル入ってるんですね!?」ズイッ!!

    アルミン「うん。サシャ食べる?」カラカラ…

    サシャ「はい!はい!モチです!」コクコク

    アルミン「どうぞ」スッ

    サシャ「かみぃーーー!!!」バッ!!

    ハグハグ…!!

    アルミン「……話を戻すね?僕たちは今から、このサイコロを使って出た目の数に応じた目的地に向かうんだ」

    ミカサ「……つまり?」

    ハンジ「例えば、このボードによると2はフキヨセと書いてるよね?」

    エレン「はい」

    アルミン「それで僕たちの誰かがサイコロを振って2が出たとしたら僕たちはフキヨセに向かう」

    アルミン「同じように3が出たら3の場所に、ね」
  8. 8 : : 2017/03/05(日) 13:49:20
    サシャ「!? ちょっと待って下さいよ?」

    アルミン「どうしたの?」

    ミカサ「どうしたも何も……」

    エレン「フキヨセの街って言ったら確かシーナ領の北側だろ?俺たちの帰るのは南側にある調査兵団本部だ」

    サシャ「フキヨセなんて寄ったら遠回りになっちゃいますよ?」

    ハンジ「サシャ。そこがサイコロの旅の醍醐味だよ?」フフン

    エレン「サイコロに指定された場所に向かって行くだけじゃ今日中に本部まで着かねぇぞ?」

    アルミン「その通りさ、エレン!運命は全てサイコロ次第!僕たちは今から当ての無い旅に出るのさ!」


    「「ええええ!!!!」」


    ハンジ「君たち4人で力を会わせて帰って来るんだ」

    サシャ「力を合わせるっていうか帰れるかどうかはサイコロ次第なんでしょう!?」

    アルミン「まぁね」

    エレン「マジか……」

    ミカサ「何でこんな非生産的な旅を……」ハァ…
  9. 9 : : 2017/03/05(日) 13:50:02
    ハンジ「ほら、私達の最近の仕事ってパラディ島全土の調査と他国への訪問でしょ?」

    エレン「そりゃ俺ら調査兵ですし……何で今さら壁内巡りなんですか?」

    ハンジ「だからこそだよ。壁の外側ばかりに目を向けて多忙を極めるこの御時世だからこそ!」

    ハンジ「君達には壁内という心の故郷の事を今まで以上に思い出して欲しいんだよ!その体を通して!」グッ

    エレン「……!」

    ハンジ「私達、上司は残念だけど忙しすぎてそんな事をしてる暇は無い……でも、君たちには今のうちに故郷の大切さを知って欲しいんだ。この旅を通して」ニコ

    エレン「ハンジさん……!」ジーン…

    サシャ「私達の事、こんなに考えてくれてたなんて感激ですぅ……!」グスッ

    ハンジ「ははっ、こんなんでも君らの上司だしね。たまには、らしい事しなきゃ」

    ミカサ「本音は?」ボソッ

    ハンジ「いやぁ。君ら4人が集まれば、何か面白いもの見れるかなぁ!」ペラペラ

    ハンジ「って……あ……」


    シーン…


    エレン「ハンジさん……」ズーン…

    ハンジ「あはは……」

    ミカサ「やっぱり……」

    サシャ「らしいっちゃ、らしいですけどね」
  10. 10 : : 2017/03/05(日) 14:04:57
    アルミン「という訳でやるしかないんだよ!皆!」

    エレン「えー?面倒くせぇよ……そんな意味ねぇ旅……」グデー

    アルミン「珍しく乗り気じゃないね、エレン」

    ミカサ「アルミン、私は少し楽しみ」

    アルミン「良かった!」

    ハンジ「因みに君らの体にはGPSが入ってる。ルートの外を通っても無駄だからね?」

    アルミン「え」

    ハンジ「昨日のパーティーの食事に小型のを仕込んでおいたんだ」

    ミカサ「え」

    サシャ「いつの間に……?」ゾクッ

    エレン「ていうか、その前にまず世界観!何でそんなハイテク技術が壁の中にあるんですか!?」
  11. 11 : : 2017/03/05(日) 14:21:29
    ハンジ「技術班は私の要望に応えてくれたんだ」

    ハンジ「中央憲兵の隠し持ってた新技術を導入してね」ニヤリ

    アルミン「新技術過ぎますよ!中央憲兵とのパワーバランス明らかにおかしいでしょ!」

    ハンジ「この装置は10日もすれば消化されやすい物質に変化してなくなるから。そこら辺は心配しないで」

    サシャ「は、はぁ……」

    ハンジ「てな訳でルールを守って正々堂々やりましょう!」


    「「おー…」」グデーン…


    アルミン「じゃあ改めてボードを見ようか」


    1.南へ向かおう――エルミハ区

    2.あぁ、雄大なる大地よ――フキヨセ

    3.女神降臨――レイス家領内

    4.鉄工業の街だよ――バーミンガム

    5.壁内一の漁村だぜ――オウル村

    6.アニちゃん元気してるかな?――ストヘス区
  12. 12 : : 2017/03/05(日) 14:31:43
    アルミン「うーんと、新調査兵団本部はウォール・マリア領内の南側、トロスト区の外門側にあるから……」

    ミカサ「このボードの中だと1のエルミハ区が一番の近道ね」

    アルミン「うん」

    サシャ「逆に絶対に通りたくないのは……」

    エレン「5のオウル村だな」

    ミカサ「オウル村?」

    ハンジ「オウル村はウォール・ローゼ内の北側だよ。このボードの中だと一番の遠回りだね」

    エレン「ていうか3番は、まだしも何なんですか6のストヘス区。『アニちゃん元気してるかな?』とかなめてんですか?」

    ハンジ「いやー、あの子まだ出てこないんだよ?」

    アルミン「……まだ罪悪感を持ってるんですかね?」

    ハンジ「いや、フェイスラインが気になって人に顔見せられないみたい……」

    アルミン「逆に何でそんなん気にしてるの!?」
  13. 13 : : 2017/03/05(日) 14:49:45
    第1の選択inミットラス


    ミカサ「じゃあ狙い目は1で……」

    サシャ「絶対にダメなのが5のオウル村ですね!」

    アルミン「次点で一応南に進むバーミンガムか……」

    エレン「頼むぜー南側南側……!」

    サシャ「誰が最初に振りますか?」

    アルミン「僕はパスで」

    ミカサ「私は、どっちでも……」

    サシャ「じゃあ……」チラッ


    エレン「分かった。俺がやる」

    アルミン「そうか。じゃあこれはエレンに任せたよ」スッ

    エレン「おう」ギュッ

    ミカサ「確かに1が出る確率は1/6。でも大丈夫。きっとあなたには私達を導く強い力がある」

    エレン「お、おう……」

    エレン(かっこよく言ってるけどサイコロなんだよなぁ……)

    アルミン「じゃあいくよー」スゥッ…

    アルミン「なにがでるかな♪ なにがでるかな~?」

    ミカサ「アルミン、そのテンションは……?」

    ハンジ「サイコロの旅では、これがセオリー通りなんだよ」

    ミカサ「? そうなんですか……」

    ミカサ(セオリー通り……?)

    サシャ「なにがでるかな♪ なにがでるかな~?」

    ミカサ(サシャまで……)

    エレン「いくぞ!」カッ

    エレン「えいっ」スッ…




    コロコロ……




    『2』




    2.あぁ、雄大なる大地よ――フキヨセ(シーナ――北部)




    こうして男2名、女2名の計4人が調査兵団本部を目指す、長く過酷な旅へと出たのだ!
  14. 14 : : 2017/03/05(日) 16:07:04
    時刻0700――移動中の馬車


    ガラガラガラ……


    エレン「お前ら……ごめん……本当ごめん……」ズーン…

    アルミン「エ、エレン……ぶっちゃけ、この旅こんなの平常運転だから一々落ち込んでたらハートが幾らあっても足りないよ……!」アセアセ…

    エレン「いや、すまなかった……俺がダメなばかりに正反対のフキヨセまでかかる3時間を無駄にしちまった…」ズーン…

    ミカサ「エレンは悪くない!精一杯やったもの!」アセアセ…

    エレン「精一杯ってかサイコロ振っただけだがな」

    エレン「……いや、でもリヴァイ兵長ならきっと……」ズーン…

    アルミン「エレン、人類最強に過度な期待をかけるのはやめてね?いくら兵長でも運はコントロール出来ないよ!」

    サシャ「そうですよ、エレン。これ食べて元気出して下さい!」スッ

    エレン「お前いつの間にパンなんて買ってたんだよ?」

    サシャ「この私が街で朝イチの、ほかほかパァンを逃す訳無いじゃないですか!」キリッ!!

    アルミン「ははっ、そうだよね」クスッ
  15. 15 : : 2017/03/05(日) 16:11:24
    このssのインフォグルです

    http://www.ssnote.net/groups/2337/archives/1

    地名や、このss内の地図が貼ってるので、このグルからエレンたちがどこにいるか確認して下さい!
  16. 16 : : 2017/03/05(日) 17:21:25
    サシャ「もちろん2人の分も買ってきましたよ?はい、どうぞミカサにアルミン」スッ

    アルミン「ありがとう」

    ミカサ「ありがとう。いくらだった?」

    サシャ「あ、いえいえ。お代なんて良いんですよ。私のおごりです。気にしないで下さい」モグモグ…

    アルミン「え……随分と太っ腹だね、サシャ。本当に良いの?」

    サシャ「えぇ、勿論です。ここ最近私は機嫌が大変よろしいのです」フフン

    ミカサ「その心は?」ペチン
  17. 17 : : 2017/03/05(日) 17:38:11
    サシャ「ふふ~ん!実はトロスト区で期間限定クロワッサンが発売されてるんです!」ババーン!!

    サシャ「ミカサには前、話したでしょう?」

    ミカサ「そう言えばそうだった気が」

    サシャ「南に帰るのが楽しみです!」ホクホク

    エレン「? 壁内が豊かになってからクロワッサンなんて普通に食えるようになったじゃねぇか?」モグモグ…

    サシャ「ふっふっふっ……甘いですね、エレンは。普通のクロワッサンとは訳が違うんです」

    サシャ「三日月の可憐なフォルムを余す事なくシロップとグラニュー糖でコーティングされたカリカリと甘い表面生地!そして拘りの製法で焼き上がったフワフワの中身!これはパァン好きの私としては見逃せませんよぉ~」ジュルリ…

    エレン「お、おう……」ポカーン
  18. 18 : : 2017/03/05(日) 17:40:02
    サシャ「しかも期間中は露店が出てプロが、その場でつくってくれるんです!」

    アルミン「へぇ、ちょっとしたお祭り気分だね」

    サシャ「そして私は、なんと!その焼き立てクロワッサンを一番最初に購入する権利があるのです!」ゴソゴソ…

    ミカサ「と言うと?」

    サシャ「ジャーン!この『焼き立てクロワッサン・ファストパス第1号』をゲットしたからです!」ビシッ

    アルミン「えぇっ!?よく取れたね!?」

    エレン「最優先のファストパスなんてやるじゃねぇか」

    サシャ「たまたま街の福引きで当たったんです!嬉しすぎて卒倒しそうになりましたよ」

    サシャ「こんな良いことが起こればパァンの1つや2つだっておごってあげたくなりますよ!」

    アルミン「そっか、良かったね」

    ミカサ「……」ジッ…

    サシャ「ミカサ?私のファストパスを見つめてどうしたんですか?いくらミカサでもこれは譲れません!」ガルルル…

    ミカサ「いや……そうじゃなくて、日付……」ユビサシ

    サシャ「へ?」

    ミカサ「今日から4日間が期間なんでしょ?」

    サシャ「え、えぇ……そうですが?」

    ミカサ「もしかすると、この旅を続ける事によって間に合わなくなるかもしれない」

    サシャ「なんと!?」ガーン!!

    アルミン「何とかして次で挽回したいところだね」

    サシャ「うぅ、エレンの馬鹿ぁ!」

    エレン「え?何で!?」ビクッ

    サシャ「エレンのせいでクロワッサンに間に合わなくなったらどうするんですか!」クワッ

    エレン「お前さっき気にすんな、って言ってくれたじゃねぇかよ?」

    サシャ「状況が変わりましたから話は別です!」

    サシャ「もう、いいです!次のサイコロは私が振りますから!」プンプン…

    エレン「えぇ……」

    ミカサ「自滅しなきゃいいけど……」

    アルミン「ね」
  19. 19 : : 2017/03/06(月) 20:08:38
    時刻0945――フキヨセ


    アルミン「はい、時刻は午前9時45分。ミットラスから約3時間をかけてフキヨセに到着しましたー」

    ミカサ「いえーい」パチパチパチ

    メェー…メェー…メェー

    アルミン「見てください!四方は牧草!そして見渡す限り羊!羊!羊!あっはは、雄大ですねー」

    エレン「要は何もねぇって事だよな?」

    アルミン「はい、そこ!ド田舎とか言わない」

    エレン「いや、そこまでは言ってねぇよ!?」

    サシャ「本当に草原だけですねー」

    アルミン「えー、本来であれば少し遊んでから移動するつもりだったのですがー」
  20. 20 : : 2017/03/06(月) 20:17:27
    ミカサ「特にすることがありませんので賽を振って、とっととずらかろうと思います……って、あ」グイグイ…

    「メェー」グイグイ

    エレン「ははは!ミカサお前、羊に服引っ張られてんぞ」

    ミカサ「ぬぐぐ……!離して……」グイグイ…

    サシャ「まるで私達がフキヨセを去るのを引き留めているかのようですね」ホロリ

    アルミン「ちょっと可愛いね」

    ミカサ「……」グイグイ…

    サシャ「でも、すみません羊さん。私達はクロワッサンのために一刻も早く帰らなければならないのです」

    「メェー」グイグイ

    エレン「クロワッサンじゃなくて本部に帰るためだがな」
  21. 21 : : 2017/03/06(月) 20:37:04
    アルミン「それじゃあ、これが次の行き先だよ」


    1.一泊しようよ!!シーナのド田舎――1泊STAY

    2.せめて昼飯食べてって!――昼までSTAY

    3.ちょっぴり南下だ!――バーミンガム

    4.一気に南下だ!――トロスト区

    5.いやいや北上しましょ?――オルブド区

    6.やっぱりアニちゃん気になる――ストヘス区

    http://livedoor.blogimg.jp/saikononatsu405/imgs/0/0/00c134ee.jpg


    エレン「え?」

    サシャ「は?」

    ミカサ「アルミン……サイコロの1と2の……」

    エレン「STAYってどこだ?」

    アルミン「うーん……これはコメントの流れから察するに『1回休み』って事だと思うよ?」

    アルミン「1なら一泊、2なら昼まで滞在って事だね」

    エレン「マジかよ……」ズーン…

    サシャ「こんな何もないところで一泊なんて退屈だし、しかもクロワッサンが遠退きますよ!」

    エレン「そうだそうだー!」ブーブー

    ミカサ「とんだ嫌がらせ……」グイグイ…

    「メェー」グイグイ
  22. 22 : : 2017/03/06(月) 20:49:33
    アルミン「フキヨセで足止めされる確率は1/3。確かに、これだけ見みば救いはない。だけど4の目をみるんだ!」ユビサシ

    エレン「! 一気に南下、トロスト区!?」

    ミカサ「これなら一気に本部に近づける」

    サシャ「その上、クロワッサンもゲット出来て私の旅の目的も終了しますね!」グッ

    アルミン「あぁ、そっかトロスト区……って違う違う!!そうじゃないでしょ!あくまで本部着くまでが旅だからね!?」

    サシャ「分かってますよ~」エヘヘ

    ミカサ「つまり、リスクも大きいけど引き当てると一気に旅終了のチャンスが舞い降りる、と」

    エレン「希望が見えてきたぜ!」
  23. 23 : : 2017/03/06(月) 21:10:22
    第2の選択inフキヨセ


    アルミン「じゃあ、さっき宣言してたサシャいくかい?」

    サシャ「モチです!」フンス

    エレン「頼んだぞ」グッ

    ミカサ「バックトゥザ・トロスト!」 グッ

    サシャ「はい、パァンの名に懸けて!」

    エレン「なにがでるかな♪」

    ミカサ「なにがでるかな?」

    アルミン「それはサイコロ任せよ♪」

    サシャ「パァンが呼ぶ……お肉さんが呼ぶ……全てのパァンを食い尽くせ、と私を呼ぶ……!」スッ

    サシャ「ていっ!」バッ




    コロコロ……




    『4』




    4.一気に南下だ!――トロスト区(ローゼ――南方城壁都市)




    「「!?」」
  24. 24 : : 2017/03/06(月) 21:17:31
    エレン「うおおおお!トロスト区ぅぅ!?」

    サシャ「パァン!!」グッ

    エレン「やったなサシャ!」

    アルミン「凄いじゃないか!」

    ミカサ「ありがとう。やっぱりサシャは出来る子」ニコッ

    サシャ「えへへー、偶々ですよ!偶々!」テレテレ

    エレン「それでも大したものだよ」

    アルミン「この調子だと早く帰れそうだね……って、ん?」

    アルミン「ミカサ、さっきまでずっとくっついてた羊は?」

    ミカサ「あ……あれ?いつの間にか離れてたみたい」キョロキョロ


    コツゼン


    サシャ「……って、あぁ!?見てください!サイコロのある方にいますよ!」

    ミカサ「いつの間に!?」バッ


    「メェー」テクテク…


    アルミン「サイコロの方に歩いて行って……」


    「メェー」ピタッ


    サシャ「サイコロの前で止まった……?」


    「……」


    「メェー」ポイッ


    「「!?」」
  25. 25 : : 2017/03/06(月) 21:24:15
    アルミン「あー!鼻でサイコロ突っついてサイコロを振ったー!?」ビクッ

    ポーン

    「メェー」

    エレン「余計な事を!!」

    サシャ「で、出た目は……?」ドキドキ




    コロコロ……




    『2』




    2.せめて昼飯食べてって!――昼までSTAY(シーナ――北部)




    「」
  26. 26 : : 2017/03/06(月) 22:02:27
    エレン「嘘……だろ……?」フラッ

    ミカサ「サシャの頑張りをよくも……!」ワナワナ

    「メェー」スタコラ

    アルミン「あ……逃げた」

    サシャ「さっきミカサを引き留めているようにみえましたが、まさか本当に引き留めるとは……サイコロで」

    アルミン「きっと彼も後ろ髪を引っ張る思いだったんだよ」

    エレン「の割には今逃げたけどな」

    アルミン「……」

    サシャ「! で、でもでも!動物に邪魔された場合はノーカンですよね!?」

    エレン「そうか!確かに」

    アルミン「うーんと、ちょっと待っててね。今ハンジさんから貰ったルールブック見てるから」ペラペラ…

    サシャ「そんなのあるんですか……」

    アルミン「因みにボードの内容書いたのもハンジさんだってよ」ペラペラ…

    エレン「悪意の固まり!」
  27. 27 : : 2017/03/06(月) 22:24:29
    アルミン「……あった!えーと……どれどれ?」ジッ


    アルミン『行き先決定のサイコロを振る際、環境的要因(突風、動物の妨害など)によってサイコロの目が変わった場合は、それに従う』


    アルミン「……だって」

    エレン「つ、つまり……?」

    アルミン「残念ながら今のはノーカンには、なりませんって事だね」

    サシャ「……」

    ミカサ「……」

    エレン「くそー……せっかくのチャンスだったのによー!」

    アルミン「まぁ、そういう時もあるよ!3人とも元気出して!」

    サシャ「アルミンは何だかさっきから随分と元気ですね……むしろ、この状況を嬉々としてる感じさえします……」ドヨン

    ミカサ「はっ!……もしやM気質なの!?」

    アルミン「ち、違うよ!?サイコロの旅はモチべ下がったら殆ど地獄だから無理矢理ポジティブシンキングしてるだけだよ!?」

    サシャ「そ、そうでしたか……」ホッ
  28. 28 : : 2017/03/06(月) 22:40:54
    アルミン「もう!変な事言ってないで街に入るよ?歩いて昼食の店探さなきゃ」

    サシャ「! えぇ、そうですね。昼食……さっきの羊さんのお肉なんてどうですか?」

    アルミン「サシャ!?」ビクッ

    ミカサ「ラム肉……名案ね。サシャの頑張りを無下にしたアイツは許せない」ゴゴゴゴ

    エレン「お前までやめろよ……」

    アルミン「一応あの羊だって、この農場の人のだからね!?」

    「メェー」
  29. 29 : : 2017/03/12(日) 14:14:29
    時刻1130――フキヨセのとある食堂前


    ガララッ…

       \アリガトウゴザイマシター/

    サシャ「ふー……美味しかったですね、ラム肉料理!」ウットリ

    エレン「ま、金の方も結構とられたけどなー」

    アルミン「まぁまぁ、その分の価値はあっただろ?」

    エレン「まぁな」

    ミカサ「これに免じて、あの羊の罪は帳消しにしよう。私は満足、すごく満足!」ウットリ

    サシャ「ミカサなんて美味しすぎて、ただでさえ残念な言語力が更に残念な事になってますよ」アハハ
  30. 30 : : 2017/03/12(日) 14:26:32
    エレン「しかも、あの後トイレ借りに寄った牧場主の家で羊毛苅り体験させて貰ったしな!」ホクホク

    アルミン「あれ、意外と難しかったよね」

    エレン「そうそう!あいつら滅茶苦茶暴れるんだからな!」

    サシャ「それはエレンの顔がおっかなかっただけじゃないですか?」クスッ

    エレン「はぁ?何だと?」

    アルミン「いや、サシャの言う通りだよ!エレンの顔、気合い入りすぎて怖かったもの!」ハハハ

    エレン「マジか……俺ってそんな悪人面かよ……」ガックシ

    アルミン「うん。調査兵団の強面ランキングはジャンと君の2topだね」

    ミカサ「ともかく色々と楽しませて貰った」

    サシャ「ですよね!」
  31. 31 : : 2017/03/12(日) 14:31:03
    アルミン「さて、楽しかったのも良いけど、もうそろそろ昼の12時だ!次の行き先を決めなきゃね」

    エレン「はっ!そういやそうだった!」

    サシャ「そうです!私にはクロワッサンが待っていたんでした!」

    ミカサ「すっかり旅の本質を見失っていた……!」

    アルミン「どの方面にも正午から馬車が出るみたいだから今のうちに行き先決めておこうか」

    エレン「おう」

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