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カムクラ「何故、彼女のことがこんなに気になるのでしょう」

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  1. 1 : : 2017/01/01(日) 16:51:42

    アニメのロンパ3 絶望編での話です
  2. 2 : : 2017/01/01(日) 16:52:47

    カムクラ(七海千秋。彼女は今、江ノ島盾子の仕掛けた、死という結末しかないゲームを攻略しようとしている)

    七海『あぁぁぁっ!?』

    カムクラ(足を貫かれようと、脚を射抜かれようと前へ進もうとしている)

    七海『はぁ……はぁ……』

    カムクラ(正直、彼女がどうなろうと、彼女が救おうとしているクラスメイトがどうなろうと、僕にはどうでもいい)

    カムクラ(そう思っているのに、何故彼女から目が離せない)

    カムクラ(それどころか、どうでもいいという気持ちさえ薄れていく)

    カムクラ(僕にとって彼女はなんなのでしょう。彼女にとって、僕はなんのでしょう)

    カムクラ(あなたは……その答えを知っていますか?)


    ~カムクラ精神世界~


    カムクラ「教えてください、日向創。あなたにとっての七海千秋を」

    日向「……」

    カムクラ「本来なら消えるはずだったあなたが、僅かな残滓ながらここに残っている。ずっと不思議だった」

    カムクラ「その理由が、彼女にあるんじゃないのですか?」

    七海『うあっ! あっ!?』

    日向「……」

    カムクラ「……今のあなたには、聞いても無駄でしたか。ツマラ」

    日向「なみ……」

    カムクラ「?」

    日向「な……なみ……」

    カムクラ「やはりあなたの意識が残っているのは、彼女が影響していたんですね」

    日向「なな……み……。七海……」

    カムクラ「という事は、彼女が死ねば君は消えるんですか?」

    日向「な……なみ……死……」

    日向「七海……死……駄目……だ」

    カムクラ「無駄です。江ノ島盾子の仕掛けたあのゲームには、死という結末しかまっていない」

    カムクラ「そして彼女のクラスメイトには、絶望という結末が」

    日向「お……なら……」

    カムクラ「はい?」

    日向「お前……な……ら……」

    カムクラ「僕なら? えぇ、僕なら彼女と、そのクラスメイトを救えるでしょう」

    カムクラ「いえ、それどころかこの状況から逆転して、彼女達の計画を潰す事もできる」

    カムクラ「ですが僕には関係の無い事です」

    日向「それ……違……ぞ」

    カムクラ「何が違うと?」

    日向「おま……俺……だか……同……」

    カムクラ「僕は君自身? だから同じ考えを持っていると?」

    カムクラ「確かにそうでしょう。ですが、実際は」

    日向「だ……ら……なな……み……」

    カムクラ「だから彼女を気にして、あなたに会いに来たと?」

    日向「……」

    カムクラ「……かもしれまん。しかし、僕には関係の無い事です」

    日向「頼……む……」

    カムクラ「……」

    カムクラ「……僕には関係の無い事です。ですが、あなたには関係の有る事です」

    カムクラ「なら、あなた自身で彼女を救うといい」

    日向「……!」

    カムクラ「あなたの意識と記憶のカケラは辛うじて残っている」

    カムクラ「僕なら、それをどうにかしてあなたという人格と記憶を元に戻せる」

    カムクラ「僕という存在と引き換えにね」

    日向「カム……クラ……」

    カムクラ「安心してください。カムクライズルという人格が消えるだけで、力はそのままです」

    カムクラ「その力で、彼女を救ってあげるといい」

    カムクラ「彼女が求めているあなたが助けてこそ、意味がある」

    日向「い……の……」

    カムクラ「構いません。僕にとってこの世界はツマラナイだけ」

    カムクラ「ですが、あなたなら僕の力を引き継いでもそんな事はないでしょう」

    カムクラ「彼女がいればね」

    カムクラ「そのためにも、彼女はあなた自身が救うべきです」

    日向「……」

    カムクラ「では、そろそろやりましょう。でないと間に合わなくなる」

    日向「あ……あ」

    カムクラ「そうそう。最後に一つ」

    カムクラ「彼女への思いで、カケラだけでも残ってみせたあなたの意地」

    カムクラ「とても……オモシロイ」
  3. 3 : : 2017/01/01(日) 16:54:21

    ~現実世界~

    七海「はぁ……はぁ……。もうすぐ、もうすぐ……」

    江ノ島(そうもうすぐゴールだよ。絶望の始まりのね)

    七海「見えた。あの扉が……」

    江ノ島(あんたの終わり。そして、最高に絶望なショーの幕開けだよ)

    七海「やった、着い」

    江ノ島「見事ゴールでぇす。七海先輩の人生のね」

    七海「えっ」

    七海(なんで? ゴールしたのになんで矢が飛んでくるの?)

    七海(この扉ってダミー? それとも時間切れ?)

    七海(分かんない。どうなってるの?)

    七海(駄目、避けられない。死んじゃう)

    七海(助けて……日向君!)

    七海「……」

    七海「……」

    七海(あれ? 何も来ない? ひょっとして外れたの?)

    七海「えっ?」

    江ノ島『ちょっとちょっと、何してくれてるんですか』

    江ノ島『カムクラ先輩!』

    日向「……見ての通り、矢を掴んで七海を助けたんだ」

    江ノ島(あれ? 何で名前を?)

    江ノ島『ここで裏切るとかありえないんですけど』

    日向「別に俺はお前に協力した覚えは無い。それと一つ言っておく」

    日向「俺は、力こそ引き継いだけど、カムクライズルじゃない」

    日向「俺は、日向創だ!」

    江ノ島『えっ? ちょっ、何で? 元の記憶と人格は消えたはずじゃ』

    日向「お前は選択を間違えた」

    日向「七海を傷つけ、苦しめ、痛めつけた」

    日向「それが小さなカケラにまで砕けた俺を、カムクライズルに取り戻させた」

    日向「江ノ島盾子! 俺は、お前を絶対に許さない!」

    七海「日向……君」

    江ノ島『くっ! これでもくらえ! 前後左右、上からの矢の雨を!』

    日向「今の俺には、何をやっても無駄だ!」

    江ノ島『なっ! 掴んでいる矢で全ての矢を払いのけた!?』

    戦刃『盾子ちゃん、あいつが敵に回った以上はヤバい。早く逃げよう』

    江ノ島『何言ってんのよ、こんな絶望的状況。逃げる訳がないでしょう。行け、モノクマ軍団!』

    モノクマ's『クマー!』

    日向「うおぉぉぉっ!」


    ~モニタールーム~

    戦刃「凄い。素手でモノクマ達を紙のように倒していく」

    江ノ島「感心してんじゃないわよ、この残姉。モノクマ一体、いくらすると思ってんのよ」

    戦刃「えっ? そんなに高いの?」

    江ノ島「知んない。作ってるのはあの子だから」

    戦刃「あっ、最後の一体がやられた」

    江ノ島「えっ、もう!? 絶望的にヤバい状況なんですけどぉ!」

    戦刃「その割には嬉しそうだね」

    江ノ島「だってこんな絶望的状況、予測してなかったんだもん」

    江ノ島「それよりマジでヤバいから、そろそろ逃げるよ」

    戦刃「分かった」


    ~迷宮ゴール~

    日向「七海、俺はあいつらを片付けてくる。辛いだろうけど、待っていてくれるか?」

    七海「私はまだ大丈夫。それよりも皆を」

    日向「あぁ、任せておけ。七海のクラスメイトも、雪染先生も助けてくる」

    七海「お願い。それとね……お帰り、日向君」

    日向「うん。ただいま……」
  4. 4 : : 2017/01/01(日) 16:55:11

    ~地下道~

    江ノ島「これじゃあ計画を見直さないと」

    戦刃「どこに逃げるの?」

    江ノ島「一先ずは塔和シティね。あそこなら」

    日向「どこにも逃がさない」

    江戦「「!?」」

    日向「お前達の計画もこれまでだ。お前達の振り撒く絶望は、お前達自身の絶望で終わりだ」

    戦刃「くっ。盾子ちゃん、私が時間を稼ぐからその間に」

    日向「無駄だ。逃がさない」

    戦刃「あぐっ!?」

    江ノ島「瞬殺じゃねぇかよおい! つか、さっきの台詞も敗北フラグじゃんか!」

    日向「ここまでだ。お前には、相応の報いを受けてもらうぞ」

    江ノ島「それを先輩が言う? 先輩だって、才能欲しさに非人道的実験受けたじゃん」

    日向「そうだ。あの時の俺は間違っていた。だから、この後悔はずっと背負って生きていく」

    日向「例え周りになんと言われようが、俺はこのまま前へ進んでいく」

    江ノ島「何それ、さっぶい。絶望しちゃいなよ、非道な人体改造を受けちゃった自分に。全てを捨てて才能を取った自分に!」

    日向「絶望はしない。後悔と一緒に背負って、未来へと進む。俺には希望があるから」

    江ノ島「それって七海先輩の事? ひょっとしてカムクラプロジェクト受けちゃったのも、七海先輩の隣に立つため?」

    江ノ島「それで記憶も人格も失っちゃうなんて。うぷぷ、そうまでして七海先輩の傍にいたかったの?」

    日向「そうだ。俺は、七海に誇れる自分になりたかった。でも選んだ道が間違っていた」

    日向「だから後悔と一緒に絶望も背負うんだ。自分の間違いを認めて、二度と絶望に負けないために」

    日向「そのためにも江ノ島盾子。お前にこれ以上、絶望は撒き散らせない」

    江ノ島「あーあ、駄目だこりゃ。降参よ、こーさん」

    江ノ島「警備員でも誰でも連れてきなさいよ」

    日向「勿論、連れてくるさ。でもその間、お前が大人しくしているとは思えない。だから……」

    江ノ島「ぐっ……」

    日向「眠ってろ」

    江ノ島「絶望……的……」


    ~地上~

    日向「以上が地下での出来事です」

    仁「そうか、分かった。すぐに警備部と医療部へ連絡を。それと宗方君も来ていたな。彼も呼んでくれ」

    黄桜「了解。任せておけ」

    仁「それにしても、君が自分自身を取り戻したとはね」

    日向「俺だって驚きましたよ。カムクラが俺のために自分を消すだなんて」

    仁「ひょっとしたら、江ノ島盾子のそもそもの間違いは、カムクライズルを絶望させようとした事かもしれない」

    日向「あいつは何をしてもツマラナイと言っていました。それが絶望に触れて」

    仁「この世に未練を無くして、自分を消す事にも抵抗は無かった。という訳か」

    日向「でもあいつは、最後に言っていました。カケラでも残ってみせた俺をオモシロイって」

    仁「ひょっとしたら、彼にとっての希望は君だったのかもしれない」

    日向「俺が?」

    仁「自分に比べれば何もできない君が、消えることなく残った。それは彼にとっては理解できないこと」

    仁「君をオモシロイと言ったのは、唯一彼がツマラナイと思わなかったからだ」

    仁「君は知らずに与えていたんだよ。何でもできる彼にツマラナイと思わせない、理解できない事を与えるという希望をね」

    日向「……かもしれませんね」

    黄桜「仁。突入隊と医療班の準備が整った」

    宗方「俺も行きます。雪染は俺が救います」

    仁「分かった。指揮は宗方君に任せる。日向君、彼らの案内を頼む。それと、77期生達のことも」

    日向「分かりました」
  5. 5 : : 2017/01/01(日) 16:56:20

    ~地下施設~

    七海「はぁ……はぁ……さすがに、ちょっとヤバいかも……」

    七海「でも、日向君がきっと戻って来てくれる。それまでは、頑張らないと……」

    七海(あっ、駄目。意識……が……)

    日向「七海!」

    七海「あっ、日向……君……」

    日向「待たせたな。約束は守ったぞ、ほら」

    澪田「千秋ちゃん!」

    ソニア「七海さん!」

    花村「うわわっ、凄い怪我だよ!」

    左右田「ともかく、その矢を引っこ抜かないと」

    豚神「駄目だ、抜くな」

    罪木「そ、そうです。抜いたらそこから一気に出血してしまいますぅ」

    西園寺「余計な真似すんな、このツナギバカ!」

    弐大「悪かったの、わしらのために」

    小泉「ありがとう。七海ちゃん」

    終里「なんか、今までで一番迷惑かけちまったな」

    田中「このような事態に、金縛りで動けずにいたとは」

    九頭龍「それどころか何もできなかったな、結局」

    辺古山「それほど向こうの策略が巧妙だっという訳か」

    狛枝「彼女も勿体ないね。あの力を、もっと希望のために使えば良かったのに」

    日向「それは無理だ。江ノ島は存在そのものが絶望だった。あいつは、希望が存在しないパンドラの箱だったんだ」

    日向「でもだからこそ、希望が邪魔で仕方なかった。だから、希望の存在しない絶望に包まれた世界を望んだ」

    日向「それなのに超高校級の希望に改造された俺に手を出した。それが江ノ島の計画が破綻した始まりなんだろう」

    狛枝「当然だよ。希望の輝きこそが、この世界で最も尊くて素晴らしいんだから」

    西園寺「こいつ絶望しかけて、余計に希望厨になってない?」

    左右田「今さらだろ、こいつは」

    七海「皆、無事で良かった……」

    日向「さぁ、約束通り皆を助けて来たぞ。雪染先生も無事だ。次は七海の番だ」

    七海「えっ、うわっ」

    澪田「うっひょー、お姫様だっこっす! 千秋ちゃん羨ましい!」

    日向「茶化すなよ。さぁ、行こう地上に」

    七海「うん。帰ろう、元の生活に……」



    日向「この後、突入隊により地下施設の制圧が行われた」

    日向「気絶していた江ノ島と戦刃は拘束され、騒ぎが大きくなりすぎて駆け付けた警察に連れて行かれた」

    日向「途中で遭遇した雪染先生は正気にこそ戻ったものの、直接脳をいじられたため、しばらく絶対安静が言い渡された」

    日向「まぁ、あの宗方って人が傍にいるんだ。大丈夫だろう」

    日向「正気に戻った77期生達と七海は地上に戻った後、待機していた医療班に手当を任せた」

    日向「その後、俺は地上の騒ぎの収束に協力し、暴れまわる予備学科生達を正気に戻して回った」

    日向「カムクラの力がなければ正気に戻す事なんてできないほど、彼らは絶望に染まっていた」

    日向「騒ぎはどうにか治めたけど、学園はあまりに大きなこの騒ぎを隠せなかった」

    日向「学園長はこの事態を包み隠さずマスコミに発表し、同時にカムクラプロジェクトを公表した」

    日向「評議会は全員逮捕され、実験体になった俺も連日の取り調べを受けた」

    日向「江ノ島の計画を知る一員でもあったためか、取り調べは予想以上に長く続いた」

    日向「その間に今回の騒ぎの責任を取るため、学園長は辞職し、希望ヶ峰学園の閉鎖を発表」

    日向「無事だった生徒達は元々通っていた高校に復学することになり、騒動は一つの区切りを迎えた」

    日向「そして騒ぎから一月が経ち、報道は江ノ島の計画についての議論に移っていた」

    日向「テレビや雑誌では連日専門家とやらの考察や論争が起こり、当分は火種が消えることは無さそうだ」
  6. 6 : : 2017/01/01(日) 16:57:27

    ~病院~

    七海「……」

    日向「よっ、七海。元気にしてたか」

    日向「って、ゲームしているなら元気そうだな」

    七海「日向君!」

    日向「悪いな。この一ヶ月、見舞いにも来られなくてさ」

    七海「仕方ないよ。取り調べとか、学園の地下施設の案内と説明とか色々あったんでしょ?」

    日向「あぁ。評議会の連中は非協力だから、地下施設の案内まで俺が対応しなきゃならなかったんだ」

    日向「どこでどんな実験をしているのかを知っているんだ、そこは割り切れたさ」

    日向「でもその間、七海の見舞いに来れなかったのが残念でさ」

    七海「私も割り切ってるつもりだったけど、いざ会うとやっぱりさみしかった」

    七海「クラスの皆も来てくれたけどさ、何か物足りなくて」

    日向「それ、クラスの奴らに失礼だぞ」

    七海「あっそうだね。ごめんごめん」

    日向「ところで七海、その……足は?」

    七海「切断とか、車いす生活はせずに済みそう。でも後遺症が残るかもって」

    日向「後遺症……」

    七海「歩く分には問題無いけど、走ったり跳んだりとかは難しいって、お医者さんに言われた」

    日向「そうか。悪い、俺がもっと早く」

    七海「気にしなくていいよ。歩けない訳じゃないし、それにゲームをやる両手は無事だったんだし」

    日向「七海……」

    七海「だからね、日向君はそんな事なんか気にせず、前みたいに私とゲームしてくれればいいの」

    日向「ああ、分かった。ありがとう、七海」

    七海「えへへ。良かった、またこうして日向君とゲームできるようになって」

    七海「あっ、でも学園が閉鎖されちゃったから、もう前みたいには会えないんだね」

    日向「そんな事はないさ。会おうと思えば、俺達はいつでも会える」

    日向「俺とだけじゃない、七海のクラスの皆ともな」

    七海「そう……だね。そうだよね。いつでも会えるよね?」

    日向「勿論だ」

    七海「良かった。つい、日向君の学校に転校しようかと思っちゃったよ」

    日向「ははは。そこまでするのかよ」

    七海「だって、日向君とゲームしている時が一番楽しかったんだもん」

    日向「そうか……。なぁ、七海」

    七海「ん?」

    日向「俺は弱い人間だ」

    日向「七海に誇れる自分になりたくて、断われるのに非人道的な実験を了承して、挙句に七海の事も忘れかけて」

    日向「でも七海との日々があったから、俺はカケラだけでも残れた。あの日々があったから、俺は俺を取り戻せたんだ」

    七海「日向君……」

    日向「こんなカムクラの力を手に入れて、前の俺とは違う俺かもしれないけど、この気持ちと記憶だけは変わらない」

    日向「七海との日々を、これからも過ごしていきたい」

    日向「好きだ……七海」

    七海「えっ? あっ、うっ、その……」

    日向「……」

    七海「……」

    七海「私も……私も、大好きだよ! 日向君!」
  7. 7 : : 2017/01/01(日) 16:58:12

    七海「えっと、これって両想いって事で……いいんだよね?」

    日向「そうだな」

    七海「えっとね、日向君。私、恋愛ゲームとか苦手なんだけど、これって」

    七海「チューするイベントフラグが立ったのかなっ!?」

    日向「……はっ?」

    七海「だとしたら、超高校級のゲーマーとしては、イベントフラグは回収しなくちゃいけないわけで」

    日向「ちょっと待て、落ち着け七海」

    七海「と、とにかくフラグ回収のためにチューしよう、日向君! んー!」

    日向「ちょっ、待てって!」

    七海「待たない! 日向君とチューするもん!」

    日向「いや、せめてあいつらが見ていない時にしてくれ!」

    七海「へ?」


    ~病室の入り口~

    澪田「ワクワク」

    ソニア「ワクワク」

    花村「ワクワク」

    西園寺「ワクワク」

    七海「」

    豚神「なんだ、気づいていたのか」

    狛枝「さすがは人工とはいえ、超高校級の希望だね」

    九頭龍「言っておくが、俺とペコは止めたからな。邪魔すんのは野暮だからってよ」

    辺古山「すまない。力及ばず」

    小泉「わ、私だって止めようとしたわよ」

    七海「えっ? 皆、いつから……」

    罪木「ご、ごめんなさい。最初からです」

    終里「日向が部屋に入ってから、ずっと聞いてたぜ」

    七海「えっ」

    田中「まさか愛を囁く場に遭遇するとは思わなかったがな」

    弐大「がはははっ。なかなかいい話じゃったわい」

    左右田「つかお前、気づいていないがら告白したのかよ」

    日向「いや、あの流れでなくちゃ言える自信が無くて」

    七海「ひゃわあぁぁぁぁっ!」

    澪田「あ~あ、千秋ちゃん布団に潜っちゃったっす」

    西園寺「ちぇっ、もうちょっとだったのに」

    花村「いやぁ、僕の愛の炎もくすぶる熱さだったね」

    ソニア「せっかくリア充とやらが見れるチャンスでしたのに」

    左右田「いや、ソニアさん。七海が告白を受けた時点でこいつらはリア充です」

    七海「……」

    小泉「あれ? どうしたの七海ちゃん、急に起き上がって」

    七海「……しない」

    狛枝「えっ?」

    七海「人前だろうが気にしないよ! 日向君、見せつけるよ! イベントフラグ回収のために! んー!」

    日向「ちょっ、だから落ち着けって!」

    澪田「いっけー! やれやれ!」

    ソニア「小泉さん、シャッターチャンスです! 後で焼き増しをお願いします!」

    小泉「えっ? あっ、そう、そうね」

    西園寺「ピーピー!」

    罪木「はわっ、はわあぁっ! お二人のために、見ちゃいけません!」

    九頭龍「とか言いつつ、指の間からバッチリ見てるじゃねぇか!」

    辺古山(見ちゃいけない、見ちゃいけない、見ちゃいけない)

    狛枝「辺古山さん、そっぽ向きつつも視線は二人を向いてるよ?」

    花村「やれやれー!」

    左右田「こんのマジリア充が! 俺だっていつかソニアさ」

    田中「ふはははっ。衆人環視の中、欲に溺れるか」

    豚神「付き合いきれん。俺は御手洗の見舞いに行ってくるぞ」

    弐大「おう、行ってこい」

    七海「日向くぅん!」

    日向「分かった、するから。だから皆、部屋から出てけー!」


    END
  8. 8 : : 2017/01/03(火) 01:28:02
    とても面白かったです!!
    見てて七海がさらに可愛くなったように思えました!!
    書いていただきありがとうございました!!
  9. 9 : : 2017/01/06(金) 00:09:26
    乙です
    何人もの人に見られてると分かった上で思いを伝えられる日向すげぇ
  10. 12 : : 2017/01/14(土) 21:34:45
    後日談期待!

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