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壊れた人形、愛する悪夢【オリジナル作品】

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  1. 1 : : 2016/12/31(土) 13:32:21


    私の名前は花崎 夜空
    ちょっといいとこのお嬢様ってところ。


    歳は15歳、不登校

    不登校の理由は…ちょっとしたトラブルがあったのよ。


    あの時の悪夢…


    怖いけど、好きなの
    だってあの人に会えるから
  2. 2 : : 2016/12/31(土) 13:36:00


    あのトラブル以来、私はこのお人形を手放すことが出来ない

    マリー。

    栗色のさらっとした髪に藍色の瞳をしたお人形。


    決して綺麗ではないけれど、これは大事。

    あの人にそっくりなの。


    私の【元】親友。神野麻莉


    明るくて、元気で、

    友達のいなかった私を明るく照らしてくれていたの。


    そうね、もう4年も前の事___
  3. 3 : : 2016/12/31(土) 13:44:15

    __11歳の時ね


    私は除け者にされてた。

    性格がダメだったのかしら。


    イジメとまでは行かないけれど、無視されてたわ。


    そんな中でも話しかけてくれた子が麻莉。


    明るくて元気で、皆の人気者だったのよ、だけど私に話しかけた事によってその子の友達は離れて行った。


    それでも私にずっと話しかけてくれたの


    「ねえねえ!君、何の本読んでるの?」


    「…推理小説」


    「へえ!すっごいねえ!
    私は神野 麻莉っていうの、ねえねえ、私と話さない??」



    「なんで私が貴方と話さなきゃいけないの?」


    ああ、あの頃は本当に嫌な奴だったわ、私。


    「私が話したいから!いこ!」


    そう言って私を強引に色々な所へ連れて行ったわ。


    向日葵の様な、素敵な笑顔の子だったわ、だけど__



    私は膝に置いてあるマリーをギュッと抱き締めた。
  4. 4 : : 2016/12/31(土) 13:56:22


    そう、あれはよく晴れた春の日だったわ。


    私と麻莉は二人で山にピクニックへ行ったの。


    山の中腹あたり、ボロい吊橋に差し掛かったわ



    __あの時やめておけば良かったわね



    木も所々腐っていて、ロープももう外れそうだった。



    「ね、ねえ、他の回り道しましょうよ…」


    「ダメダメ!回り道してたら日がくれちゃうよ!
    手、繋いでおいてあげるから、いこ!」



    そう言って手を繋ぎ、私達は渡ろうとしたわ
  5. 5 : : 2016/12/31(土) 14:09:05

    踏みしめるたびに、ミシ、ミシ、と木が鳴ったわ、


    半分まで来た時、私は恐怖でしゃがんでしまった。



    「もう無理!!」



    「夜空ちゃん、頑張ってっ
    私がいるから大丈夫だよ!」


    麻莉は必死に説得してくれたわ。


    だけどその時、私のそばで羽虫がなったの



    私、虫がだいっきらいで…




    「きゃああああああああ!」


    暴れてしまったのよ。もう最低よね、私


    「夜空ちゃん、危ない!!」



    その時私は麻莉に押し出されて向こう岸に出されたわ。



    そしたら



    ブチ!


    ロープが切れて、麻莉がいなくなってた。
  6. 6 : : 2016/12/31(土) 14:15:49


    「麻莉…?どこなの、麻莉…」


    「いやああああああああ!」



    そこで私の記憶は途絶えたわ。





    起きたところは病室。


    両親や召使が集まっていたわ。



    だけど、麻莉はいなかった。


    お父さんは言ったわ



    「もう麻莉はいない」


    って…
  7. 7 : : 2016/12/31(土) 14:25:57



    私は毎日毎日泣いたわ。


    退院すると同時に不登校になったわ。


    だけどある日、



    私の部屋の窓辺にあったの


    マリーが。



    それからマリーが私の親友になったわ。


    そして今


    私は学校に行くことを決意した。


    いつまでもうじうじなんてしてられないから



    「ちょっと、召使!来て!」



    「はい、なんでしょう夜空様」


    「私、学校に行きたいの…」



    「え?」



    「え、とはなによ失礼ね」



    「で、ですが夜空様。


    貴方は今日学校から帰ってきたばかりでございましょう?」



    「え?」


    私は急いで自分を鏡で見た。


    15歳の私ではなかった。



    四年前、11歳の私だった。
  8. 8 : : 2016/12/31(土) 14:33:43


    これはきっと夢ね!

    そうに違いないわ!!


    だけど凄い嬉しいわ…

    だって学校に行ったら麻莉がいるんだもの!!


    「麻莉…?麻莉なのね…!」


    私は話しかけたわ。


    「?どちらさまー?」


    麻莉ってば冗談言うんだから…


    「何言ってるの?私よ、夜空よ!」


    「ん、ああ!同じクラスの花崎さんね」



    その時、麻莉が友達に呼ばれていた


    「あ、じゃあね!花崎さん」


    走って去っていってしまった。


    ああ、これは夢なのね。

    変な夢、覚めなさいよ


    私はほっぺたをつねった。


    (…痛い)
  9. 9 : : 2016/12/31(土) 14:39:07


    家に帰ってマリーに会いたい

    そう思って走ったわ、だけど…


    「マリー?」


    いなかった。マリーが。


    私はすぐ召使に問い詰めた


    「マリーは!?
    マリーをどこにやったの!?」


    「マリー?なんですかそれは
    今日はお嬢様の部屋に入ってませんよ?」




    そんな…マリーは消えてしまった。


    もうやだ…


    私は家を出た。


    それで向かったの。


    麻莉の家に
  10. 10 : : 2016/12/31(土) 14:41:43


    ガチャガチャ


    ドアがあかない


    私は麻莉の部屋がある2階の窓に

    石を投げつけた



    パリーン



    割れた


    私は近くの木から飛び乗った




    部屋は明るい



    「だ、誰?」



    イタ
  11. 11 : : 2016/12/31(土) 14:55:31


    「もう、麻莉ったら酷いわ。
    私を無視するだなんて…」


    「何を言っているの花崎さん。
    こ、こわいよ…」


    麻莉はガタガタ震えてた。



    「何よ!!私を一人ぼっちにするなんて…



    許せなあああああい!!!!」



    ガッ


    私は近くにあった勉強椅子を麻莉に投げつけた。



    「痛い…やめて、花崎さん…」


    「ヤメテ、花崎さんなんて他人行儀な呼び方。夜空って呼んで」


    「分かった…呼ぶからァ…いやあ…」



    コレジャア、マリ、ワタシノ、モノ二ナラナイ


    「…シネ」


    私は麻莉を殺した。






    ああ、殺しちゃった


    これで麻莉とず〜っと一緒。


    でも、これは夢なのね、


    無視されてた、悪夢だったけど


    これでずっと一緒


    私、この夢覚めないといいな♥︎
  12. 12 : : 2016/12/31(土) 15:03:37



    私は、今日ここに着くことになった召使です

    私はお嬢様担当なんだけれど…


    「君かね、うちの夜空担当は」


    「あ、はい」


    「結構…やっかいだから、気をつけなさい」


    「…?」

    自分の娘をやっかい呼ばわりだなんて…


    「ここだ」


    屋敷の一番奥の部屋


    ガチャ、入ってみると…


    「うっ」

    部屋は真っ暗でほこりくさい


    部屋の中央にお嬢様らしき人物、その胸にはある袋を抱えていた


    「あ、あの袋は?」


    「何かは知らないが、離そうとしないのだよ。
    とある古い召使は、人の頭が入ってると言っていたな…」

    そう言って主人様は頭を抱えた



    私はここで働いていけるか不安だ
  13. 13 : : 2016/12/31(土) 15:03:57











    ズットイッショダヨ




    マリ








    おしまい

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