このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
不倶戴天・ゲンドウが幻想入り 碇ユイと幻想郷旅行編
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- 1 : 2016/12/29(木) 23:56:54 :
- この作品は不倶戴天シリーズの続編です、注意事項もそちらに掲載しています。
ゲンドウは中学二年生 ユイは四歳です。
シンジが産まれる20年前の話という設定です、
苦手な人は見ないことをお勧めします。
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- 2 : 2016/12/30(金) 01:07:33 :
- 1日目・碇家の当主、その名は四季映姫ヤマザナドゥ
六分儀「慧音先生、今日はどこに行くんですか?」
慧音「今日は鈴奈庵という貸本屋に行く」
六分儀「貸本屋?」
慧音「あそこには妖魔本がたくさんあるんだ、不思議な場所だが、印刷から買い取りまで幅広くやっている」
六分儀「妖魔本……それって妖怪が封印されているっていう?」
慧音「そういうことだ、碇を迎えに行くぞ」
六分儀「は、はい」
六分儀「本当にここに碇さんが?」
目の前には大きな屋敷
慧音「碇の家はかなりの名家なんだぞ?なんでも現当主が閻魔らしい」
六分儀「え、閻魔?閻魔ってあの地獄で罪人を裁く………」
慧音「その閻魔だ現当主の名は四季映姫」
六分儀「碇じゃないんですか?」
慧音「本名は碇映姫らしいが閻魔としての名前は四季映姫らしい」
六分儀「なるほど………あ、碇さんだ」
慧音「さあ碇、予定通り鈴奈庵に行くぞ」
碇「はい、ところで今映姫お姉様がいるんですが、挨拶してきませんか?」
慧音「え!?映姫様がいらっしゃるのか?」
碇「いますよ、慧音先生前から会ってみたいと言ってたので、どうです?」
慧音「ああ!是非会いたい!」
碇「こちらへどうぞ」
「どうした?ユイ、慧音先生と………誰だ?」
碇「ああ、コウお兄様、こちらは六分儀ゲンドウさん、映姫お姉様会いたいと言うので連れてきたんです」
コウ「そうか、紹介が遅れた、ユイの兄のコウだ、よろしく」
六分儀「と、よろしく」
慧音「久しぶりだな!コウ」
コウ「ええ、寺子屋で食らった頭突きは一生忘れませんよ」
慧音・コウ「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHA」
六分儀「なんだろう、あの二人からただならぬものを感じる」
碇「お兄様は学生時代は素行が悪かったらしいんですよ、よく慧音先生の頭突きを食らっていたとか」
六分儀「慧音先生の頭突き……………恐ろしい」
碇「慧音先生、そろそろ行きましょう」
慧音「あ、ああそうだな、じゃまた、元気でな」
コウ「慧音先生もお元気で」
そう言ってコウは大通りへ歩いて行った。
碇「では屋敷を案内しますね」
碇さんがドアを開ける…………
碇「ここがエントランスです」
洋式の美しい内装、しかしどこか日本らしさを感じさせる不思議な空間だ、
碇「こちらです」
碇さんを先頭にドラクエみたいに一列で歩く
四季映姫の自室前
碇「映姫お姉様、会わせたい方がいるので入ってもいいですか?」
すると扉の向こうから
映姫「いいですよ、入りなさい」
ガチャ
碇さんが扉を開ける、そこには緑色の髪の背の低い女性が立っていた
映姫「こんにちは、碇家2代目当主・四季映姫ヤマザナドゥです、よろしくお願いします」
慧音「よろしくお願いします!」
六分儀「よろしくお願いします」
映姫「どうぞ、お座りください」
慧音「ど、どうも」
慧音先生が椅子に座る、それに続いて俺も椅子に座る。
映姫「今日はどういったご用件で?」
慧音「………はい、前々から気になっていたことがあるのです、」
映姫「というと?」
慧音「完全な不老不死になった人間の魂に終わりはあるのですか?」
映姫「…………………」
映姫はしばらく考え込んでこう言った。
映姫「終わりはあります、理由は【どんな完全な不老不死でも不老不死でなくすることは理論上可能】だからです」
慧音「そ、そうですか!」
映姫「そう言った魂も最後が私が裁くこととなります」
慧音「ありがとうございました!」
映姫「はい、こちらこそ………ところで何故そのような質問を?」
慧音「………実は、私の友人に蓬莱の薬という薬を飲んで不老不死になった人がいるんです、
彼女は死ぬ方法を探しています、彼女がこのまま永遠に苦しむのは止めたいのです、今はその方法を探しています」
映姫「蓬莱の薬………なるほど、ではその方に伝えてください【他人とよく接点を持ち、今を楽しんでください】と」
慧音「はい!」
映姫「では私は用事があるのでこれで、」
慧音「本当にありがとうございました!」
六分儀「碇さん、俺たち空気な気がするんだけど」
碇「こういうときは傍観あるのみです」
慧音「いや、すまなかった鈴奈庵に行く予定だったなではそろそろ鈴奈庵に向かうか」
慧音(妹紅、私はあなたが幸せ人間としての生きることを望むぞ)
六分儀(慧音先生の言った不老不死の友達って誰だろうか…………)
碇(前回映姫お姉様に会ったのはもう一年前だったかな?)
それぞれの考えを胸に鈴奈庵へ向かう……………
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- 3 : 2016/12/30(金) 23:29:31 :
- 二話・妖魔本の巣窟、その名は鈴奈庵
六分儀「………ここですか?」
碇「ここですね」
慧音「ああ、ここだ」
そこにはさっきの碇家の屋敷との差が凄いので余計………なんというか…………ボロ屋だ。
「ああ、どうも碇さん、それに慧音さん」
碇「こんにちは、本居さん」
そう、この男は小鈴の未来の祖父である本居鈴雄 (もとおりすずお30歳)である
鈴雄「慧音さん、先日の本の寄贈、本当にありがとうございました」
慧音「いいんだ、私ももう読まなくなった本が役に立って嬉しい」
その時碇ユイは慧音を引き寄せてコソコソと話し始めた
碇「買い取りじゃなくて寄贈ですか?」コソコソ
慧音「そうだ、こういうのは失礼かもしれないが、本居さんは決して裕福ではない」コソコソ
鈴雄「で、今日はどんなご用件で?」
慧音「あ、ああ、今日は六分儀を色々なところに連れて行ってるんだ、幻想郷に来てから全然外出しなかったからな」
鈴雄「おお、君が例の六分儀君か!」
六分儀「例ってのは?」
鈴雄「幻想郷に来たばかりの人は何かと話題になるんだよ」
六分儀「そういうことですか」
慧音「六分儀、五冊まで本を借りていいぞ」
六分儀「ありがとうございます」
ゲンドウは奥の本棚へ歩いて行った
慧音「……ところで、前回頼んだ本は入手できたか?」
鈴雄「ええ、ですが高くつきますよ?」
慧音「いくらだ?」
そう言って慧音の鈴雄は何やら商談を始めた
5分後
慧音「分かった、それで手を打とう」
鈴雄「ありがとうございます、これからもご贔屓ください」
慧音「もちろんだ、何かと助かっているからな」
慧音「おーい六分儀!選び終わったか?」
六分儀「え、ええ!決まりました!」
そう言ってゲンドウは五冊の本を持ってきた
慧音「じゃあ本居、会計を頼む」
鈴雄「ええ、どうも」
鈴雄が会計を始めた……………
五分前
慧音「六分儀、五冊まで本を借りていいぞ」
六分儀「ありがとうございます」
ゲンドウは奥の本棚へ歩いて行った
六分儀「さて、何を借りるか…………」
ゲンドウはすぐに五冊の本を選んだ。
六分儀「さて、会計してもらう…………これは?」
ゲンドウの足元に一冊の本が落ちていた
六分儀「神霊記?…………」
ゲンドウはその本を手にとってどこにしまってあったのかを調べようとした、
しかしその本には番号が書いていなかった。
どうしたものかとゲンドウは悩んだが、何か手がかりがないかと本の最後ページを開いてみた、
六分儀「あったあった」
ゲンドウが探していたのは読んだ人が履歴を記録するカード
そこに番号が書いてあるかと考えたゲンドウはケースからそのカードを取り出した
六分儀「えーと……書いてない、どういうことだ……ん?洩矢諏訪子?」
どうやらこの本を最後に読んだのは洩矢諏訪子さんらしい、
六分儀「しおり………?」
そこでゲンドウは本にしおりが挟んであることに気がついた。
六分儀「これは………碇純狐?」
羿………嫦娥………八咫烏………復讐………
六分儀「碇家初代当主………てことは碇さんの先祖?」
だが四季さんは二代目当主、この本に記録されている出生は紀元前だ、四季さんは閻魔だから
長く生きるのはわかる、だが紀元前だと閻魔等の存在を形成する仏教の存在がない、
なら、この純狐のいう人が少なくとも二千年以上生きていることになる。
六分儀「にしてもこの人もとんでもない人生を生きてるんだな………」
十数年もの間復讐のために生きたというのは我々人間には理解しがたいが
彼女の長い人生から見ればごく短い時間だったのだろうか。
慧音「おーい六分儀!選び終わったか?」
六分儀「え、ええ!選び終わりました!」
ゲンドウはとりあえず目の前の本棚にその本をしまった
そしてそのまま会計をするためにレジに向かった…………
慧音「六分儀、どんな本を借りたんだ?」
六分儀「とりあえずこの幻想郷縁起という本と、外の世界の小説を何冊か」
慧音「幻想郷縁起を借りたのか!それはよく読んでおくといい、幻想郷の妖怪についていろいろと
書かれているからな」
六分儀「はい、よく読んでおきます」
慧音「って碇は?」
六分儀「そう言えばいませんね」
鈴奈庵
碇「ここにあった………」
そこはさっきゲンドウが神霊記をしまった本棚
碇「誰かに見られちゃったかな………?」
碇ユイは神霊記を鞄にしまった、
鈴雄「碇さん?探し物は見つかったかい?」
碇「はい、ここで落としてたみたいです」
そう言って碇ユイはリボンを鈴雄に見せた
鈴雄「落とさないように気をつけるんだよ」
碇「はい、ありがとうございました」
そう言って碇ユイは店を出た
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- 4 : 2016/12/31(土) 00:00:03 :
- 碇「すいませーん遅れましたー」
慧音「まだ鈴奈庵にいたのか?」
碇「ちょっと忘れ物をしてしまいまして……」
慧音「ああ、そうか、じゃあ今日はもう買い物してから帰るか」
六分儀「ですね、今日借りた本もゆっくり読みたいですし」
碇家前
六分儀「じゃあ、碇さんまた明日」
碇「はい、また明日」
慧音とゲンドウは昼食と夕食の買い物をして帰路についた。
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- 5 : 2016/12/31(土) 22:59:39 :
- その日の夜
六分儀「ごちそうさまでした」
慧音「はい、お粗末様でした」
六分儀「慧音先生、皿洗いやっときます」
慧音「ああ、頼んだ」
ゲンドウは皿洗いを始めた
慧音「………六分儀」
六分儀「なんですか?」
慧音「お前は外の世界に帰りたいとは思わないのか?」
六分儀「…………」
慧音「言っておくが、決して邪魔者扱いしている訳ではない、いきなり今までと全く違う世界に
連れてこられて、帰ろうと思えば帰れるのに、厳しい勉強をして、ここに留まってる」
六分儀「………………」
慧音「寂しくはないのか?」
六分儀「寂しくなんかありません、ここには俺のことを理解してくれる人が沢山います、
大変な生活の中にも楽しさがあることをしりました、生きる希望を持てたんです」
慧音「…………そうか、変な質問をして悪かった、お前がそう思うならそれでいい、ただな」
六分儀「?」
慧音「このことを決断しなきゃいけない日が来ることを忘れるな……………」
六分儀「………わかりました」
慧音「ちょっと出ている、明日の朝には戻る」
六分儀「は、はい………大体1ヶ月くらいで夜中に外出してますけど、どっかいくんですか?」
慧音「………お前が知るにはまだ早い」
その時の見た慧音先生の髪は僅かに緑色に見えた。
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- 6 : 2016/12/31(土) 23:01:09 :
- 訂正
六分儀「は、はい………大体1ヶ月周期くらいで外出してますけど、どこに行っているんですか?」
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- 7 : 2017/01/02(月) 22:34:36 :
- 三話・帰還か、滞在か
次の日
ゲンドウはいつもより早くに起きて、借りた本を読んでいた。
六分儀「外か……………」
借りた本のひとつ、幻想郷縁起を読んでいたゲンドウは外の世界についての記述を発見した
六分儀「幻想郷よりはるかに進んだ技術で楽な生活をしている。
ただし、生活の大半を機械に頼るばかりに精神の激しい衰えが見られるとのこと
……………まあ間違ってないな」
外についての記述を見てるうちにゲンドウはある神社の名前に目が止まった
六分儀「はく……れ……い?」
これの【博麗】はハクレイって読んでいいのか?
六分儀「外の世界との境界…………博麗の巫女が管理している……………
現状外の世界に出ることのできる唯一の場所」
慧音先生は近いうちにこの場所に連れていくのだろう。
六分儀「決断?」
博麗神社の記述の端に外から来た人間に対する言葉が書かれていた
六分儀「幻想郷に来てから半年以内に外に帰還するか、滞在するかを決めなければならない………?」
ゲンドウが幻想郷に来てからすでに5ヶ月が経っている
近いうちにその決断を迫られるのはほぼ間違いないだろう
六分儀「もう6時半か………」
ゲンドウは慧音の書類整理が始まるのを見計らい朝食の準備を始めた。
???
?「では、発見したのだな?」
?「ああ、間違いない、裏死海文書の断片の記述が正しければな」
?「だが、それを発掘するのにも軽く10年はかかる、ここにいる全員の投資が必要だ」
?「左様、万全の設備でなければあの中にいるであろうアダムによりジャイアントインパクトの再来が実現してしまう」
?「貴方達が目指す補完とは別の形で貴方達リリンが滅びかねませんわ」
?「分かっている、それよりお前の国でもう一つ月が見つかったそうだな」
?「あらあらもうお気づきになって?流石はゼーレ、内閣までもを掌握したようですね」
?「お前の国にははした金でなびくような人間が多すぎる」
?「欲があってこそのリリンですわ」
?「その欲が身を滅ぼす事を学ぶべきだ」
?「そしてお前の国には妖怪を保護する地があるそうだな?なんでもお前が直属で管理しているらしいが」
?「幻想郷、そして妖怪の存在はかの太平洋戦争にも多大な影響を及ぼした、特にアメリカあたりはそちらのテングとやらに
出し抜かれたらしい」
?「艦隊がたったの三分で全滅か、あの悪夢がなければアメリカの領海は今の倍になっただろう」
?「妖怪の過ぎた力を封じ込めることが幻想郷の役目だ」
?「あら?私は幻想郷を楽園と思っていますわ」
?「化け物を封じる場所など楽園ではない」
?「幻想郷は全てを受け入れるのよ。それはそれは残酷な話ですわ」
?「我々の計画を阻害するならばお前には死を受け入れてもらおう」
?「富て奢る無きは易し。鼻につきますわ、その人間特有の上から目線」
?「美しく残酷にこの大地から往ね、私からはそれだけですわ」
?「死はお前達に与えよう」
紫「えぇ、いただいた死を貴方達に振る舞いますわ、私の幻想郷を穢す醜いリリンにね
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- 8 : 2017/01/02(月) 22:56:40 :
場所は戻って人里へ
朝食を食べ終えたゲンドウと慧音は食器を片付ける前にある事を話し合っていた。
慧音「六分儀、お前は幻想郷縁起に書かれた外の世界についての記述を見たか?」
六分儀「はい、こちらに来てから半年以内に滞在するか外に帰還するかを選ぶ必要がある、ですよね」
慧音「そうだ、そして博麗神社の巫女からお前を連れてくるように言われている」
六分儀「だから昨日あんな質問をしたんですね?」
慧音「先にお前の考えを聞いておく必要があったからな」
六分儀「今日行くことはできますか?」
慧音「もちろんだ、一応外から来た時の服と持ち物を持っていけ、これは規定だ」
六分儀「はい」
ゲンドウと慧音は準備を始めた
博麗神社
紫「靈夢、ちょっといいかしら」
靈夢「どうした?」
紫「ゼーレが近いうちにここに攻めてくるわ」
靈夢「やはり妖怪の存在は邪魔と判断されたか」
紫「人里は丸ごと外に送ることになるわ」
靈夢「人間の保護を考えるとは……あんたも丸くなったな」
紫「私の愛した幻想郷の住民よ?一人だって死なせませんわ」
靈夢「私の後継ぎも用意しといてくれ」
紫「遺書もね」
靈夢「まぁ、死ぬと決まった訳ではないけどな」
紫「転移結界の準備、やっておくわ」
靈夢「全てはゼーレのシナリオ通りか………………ところでちょっと前にこっちに来たっていうしょうね
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- 9 : 2017/01/02(月) 23:12:18 :
- 投稿ミス、マジすまん
続き
靈夢「全てはゼーレのシナリオ通りか……………………ところで、ちょっと前に来たっていう少年はどうする?」
紫「どうやら今日にでもくるようね、まあどっちみち外の世界に出ることになるけど」
靈夢「滞在を選んでも外に避難することになるとはね…………」
紫「来たようね」
階段の下の方に慧音とゲンドウが歩いて来るのが見えた
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- 10 : 2017/01/04(水) 00:20:23 :
- ゲンドウと慧音は博麗神社へと続く階段を上っていた
慧音「六分儀」
六分儀「なんですか?」
慧音「お前にこれを渡しておく」
そう言って慧音はゲンドウに一冊のノートを渡した
六分儀「これは…………」
そこに書かれているのは裏死海記という書物に記されたものを解読したものだ」
六分儀「神の使い?」
慧音「その書物の内容が真実なら、数十年後にそいつはやってくる、しかも一体じゃない、少なくとも10体以上は来るだろう」
六分儀「10体!?」
慧音「今のところはだ、そのノートには全体の半分しか書かれていない、解読が間に合わなかったんだ」
六分儀「何故これを?」
慧音「神社に行けばわかる」
そう言って慧音は最後の階段を上った
博麗神社
慧音「ここが博麗神社だ」
六分儀「ここが…………」
境内に入ると赤い巫女服を着た巫女が立っていた
靈夢「君か、最近ここに来たっていうのは」
六分儀「は、はい、どうも、貴方が博麗の巫女ですか?」
靈夢「えぇ、私が12代目の博麗の巫女だ、で今日呼んだのは………」
六分儀「ここに残るか外に帰還するかを決めるため、ですよね」
靈夢「そうだ、さっそくだがどうする?」
六分儀「………………私はここに残りたいです、外には無かったものが、ここにはあります」
靈夢「そうか、ここでの話し合いにおいて、君の意見は一番に優先される、君が残りたいというなら幻想郷は受け入れる、
それは時に残酷だが」
慧音「だが、今はちょっと不味い」
靈夢「そうだ、幻想郷は外の人間の脅威にさらされている」
六分儀「外の人間の脅威?」
紫「ここの事を良く思わないリリンがいるのよ?」
六分儀「うわ!?な、なんですか?」
慧音「こいつは八雲紫、この幻想郷の管理人だ」
六分儀「管理人?」
紫「結界の維持からイレギュラーの排除まで幅広くやっておりますわ」
六分儀「イレギュラーの排除って………」
紫「幻想郷は全てを受け入れる、公共の自由を害さない限りね」
慧音「そして、先ほどお前に渡したそのノートだがそれを六分儀、お前に死守してもらいたい」
六分儀「死守………?」
慧音「と言ってもお前は持っているだけでいい」
六分儀「持っているだけって………」
慧音「お前は諏訪大社を知っているか?」
六分儀「は、はい」
慧音「それはそこの諏訪子という神が千年かけて解読したものだ」
六分儀「千年!?」
慧音「そのノートをゼーレという組織が狙っている、正直なところ、外の世界の内閣?とやらも信用できない
すでに買収されている、海外からも軍隊がやってくるだろう」
靈夢「ここは後数日で戦場になる、なら戦う力がない者達は外の山奥に逃がそうということになった」
紫「そこで、あなたにはそれを外の世界の純狐という女性に渡してほしいのよ」
六分儀「純狐ってあの碇さんの………」
慧音「そうだ、初代碇家当主碇純狐だ」
紫「ここに行きなさい、そこに碇法律事務所という建物があるわ」
六分儀「ここって!?祇園じゃないですか!」
紫「あなたの実家から100メートルも離れていないわ、だからあなたを選んだの」
六分儀「でも……今更実家に帰れないですよ………幻想郷のことは秘密にしながらなんて………」
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- 11 : 2017/01/04(水) 00:37:53 :
- 紫「大丈夫、ちゃーんと記憶の改ざんは済ませてあるわ」
六分儀「改ざん?」
紫「あなたはこの5ヶ月、ドイツに留学していたことになっているわ」
六分儀「留学って………ドイツ語なんて話せませんよ?」
紫「大丈夫大丈夫、日本人学校ってことになっているから」
六分儀「えぇぇ…………」
紫「あなたに外から持ってきた物を持ってこさせたのはね…………
今すぐ外に出てもらうためよ」
六分儀「今すぐ!?」
靈夢「八雲がゼーレのオヤジ達を変に挑発したせいでもうマークされているんだ、
集団で避難することもバレている可能性が高い」
紫「だからあなた一人があなたの実家へ戻り、そこから100メートルちょっと行ったところにある碇法律事務所に
走るだけ、簡単でしょう?」
慧音「生憎時間がない、向こうには話を通してある、頼んだぞ」
六分儀「え!?ちょっと………」
紫「我々幻想郷陣営が勝てば幻想郷に戻ってこれるわ、でもあなたが外に出て三ヶ月以内に連絡がなかったら…………」
靈夢「その時は幻想郷はなくなったと思ってくれ、なくなってもゼーレの情報操作で表沙汰になることはないだろうが」
そう言って靈夢はお祓い棒を強く振って空を切った、するとそこに裂け目ができ、大きな穴となった
靈夢「ここを通れば君の家の前に出る」
慧音「頼んだぞ、六分儀」
六分儀」え……ちょ!」
六分儀は慧音に背中を押されて外の世界へと戻って行った
-
- 12 : 2017/01/04(水) 06:56:33 :
- 四話・帰還、そして碇法律事務所
六分儀「ここは………!!」
そこは忘れもしない我が家だった、結局俺は外に戻ってきてしまったのだろうか…………
六分儀「!!」
大事なことを思い出した、俺はこのノートを純狐さんに渡さなければならなかった、
ゲンドウは住所を確認して碇法律事務所に向かった。
碇法律事務所
純狐「ZZZZZzzzzzzzz…………」
ピンポーン
純狐「ふえ?あ、ああ少々お待ちくださーい」
ガチャ
純狐「あら?どなた?」
六分儀「えっと………八雲紫さんから………これを」
純狐「え!?紫が………これは!?」
六分儀「それをゼーレっという組織が狙ってるって…………純狐さんに渡すように頼まれました」
純狐「わざわざありがとう、入って、お茶くらいは出せるから」
六分儀「は、はい…………」
ゲンドウはおちゃを飲みたくてお邪魔することにしたが……………すぐに後悔した
純狐「ごめんね〜【ちょっと】散らかってるから………」
六分儀(これのどこがちょっとなんだよ………映姫さんの家とは雲泥の差だぞ…………)
はっきり言って超汚かった、どれくらい酷いかというとミサトの初期の部屋の散らかりっぷりの2倍ちょっと、
みなさんこの設定忘れてるとおもうけど【純狐は片付けられないタイプの人です】それもミサトよりも重症の
純狐さんにお茶をご馳走になってから俺は家に帰った…………お茶は普通だったぞ?
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- 13 : 2017/01/04(水) 20:47:56 :
- 五話・孤独の中で
六分儀家・自室
六分儀「……………………」
ゲンドウは純狐にノートを手渡した後、自分の家に帰っていた、自分の部屋も綺麗に掃除されていた。
誰もゲンドウが五ヶ月家にいなかったことを不自然に思わない、
ゲンドウの両親は紫が言った通り記憶が改ざんされていたのだ。
六分儀「…………眠い」
ゲンドウはそのまま寝てしまった。
次の日
ゲンドウは午前5時にはもう起きていた、昨日早く寝たのもあったが、
幻想郷での生活習慣が体に染み付いていたのが大きかった。
六分儀「…………幻想郷」
あれは夢だったのか?
六分儀「…………慧音先生」
居候を許してくれて、さらに食事も、教育も受けさせてくれた。
六分儀「…………碇さん」
………言わずもかな
別に四歳児に恋愛感情を抱くほどゲンドウもロリコンではない、
年の差10歳後16年後には三十歳と二十歳………年の差婚はありうる。
ゲンドウがユイに恋愛感情を抱くのはユイが大学生になってからになる。
三ヶ月後
六分儀「………………」
ゲンドウは三ヶ月の間待ち続けた、
しかしゲンドウの元に連絡がくることはなかった。
その日からゲンドウは内罰的で口数の少ない、以前より暗いゲンドウになった。
ゲン母「ゲンドウ!早く起きなさい!」
六分儀「……………………はい」
学校での成績は常にトップだった、幻想郷での五ヶ月はゲンドウの将来を約束した。
ゲンドウはさほど苦労をせずに京都大学入学を果たしたのだ。
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- 14 : 2017/01/04(水) 21:48:30 :
- 京都大学
昇降口
新入生を1人でも多くサークルに勧誘しよう2〜4年生は躍起になっていた
学生「新入生さーん!うちのサークル入りませんかー」
六分儀「……………………」
学生2「新入生さん!うちのロボット工学サークル入りませんか!」
六分儀「……………………」
??「妖怪や神の正体を暴く、秘封倶楽部です…………」
六分儀「……………………!
??「そこの新入生さん」
六分儀「……………………」
??「君だよ、君」
六分儀「なんですか?」
??「幻想郷」
六分儀「!!」
??「その反応、当たりだね、こんにちは、私は秘封倶楽部会長、宇佐見櫻子です。」
六分儀「何者だ」
宇佐見「先輩にその態度は気に入りませんねぇ……………」
六分儀「…………あなたは何者なんですか」
宇佐見「まあこっちに来なよ、部室に案内するよ」
そう言って宇佐見は今はつかわれていない、旧校舎の体育館へと歩いていった。
六分儀「これは……………」
宇佐見「うちの部員、ほぼ全員元幻想郷住民だよ」
そう、幻想郷から避難してから一切幻想郷の消息をつかめなかったのはゲンドウだけではなかった。
自宅の近くに住んでいる純狐さんも全く幻想郷の消息はつかめていないのだ。
そして…………
?「お前………六分儀か!?」
六分儀「け、慧音先生!!」
慧音「ろ、六分儀!!」
ここには思った以上に懐かしの知り合いが多かった
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- 15 : 2017/01/07(土) 23:57:23 :
- 六話・本当の初代秘封倶楽部
六分儀「どうしてここに………」
慧音「15年前、お前がこっち(外の世界)に戻ってきてから二日後にゼーレの支配下にあった
連合軍が外の世界の博麗神社から、なんらかの方法で結界をこじ開けて来たんだ」
六分儀「結界が破られたのか……………」
慧音「人里の住民はその直前に外へ避難した、だが妖怪達は下手に外の世界に出ることができない
状況にあった、」
六分儀「それは………存在が保てなくなるからですか?」
慧音「そうだ、そして幻想郷はゼーレの手に落ちた」
六分儀「!!」
慧音「ゼーレは幻想郷を破壊するために5ktの水素爆弾を使用した
たったの三十秒で幻想郷は修復不可能までの被害を受けたんだよ………」
六分儀「みんな死んだんですか?」
慧音「いや、間一髪で殆どの妖怪も幻想郷の外へ逃げた、紫のサポート付きでなだからギリギリ
存在を保って、今でもこっちで生活している」
六分儀「殆どってことは………残ったのは?」
慧音「私と靈夢と妖怪の避難を終えた紫だけが残った
私は水素爆弾が起爆される前に外の世界に逃がしてもらったんだよ、
それからどうなったかはわからない、おそらく一面焼け野原になっただろう………」
六分儀「靈夢さんと紫さんは…………?」
慧音「水素爆弾の爆発が外の世界に影響しなかったってことはあの二人が威力を抑えるために何か
手を打ったんだと思う…………だが生存しているかは厳しいところだ」
それからゲンドウは現在の状況、何故ここにいるのか、秘封倶楽部の活動内容などを聞いて、
すぐに秘封倶楽部に入部することに決めたのだった。
現在の状況
・幻想郷
完全に行方不明、残っていても恐らく放射線物質による汚染により修復不可能、
八雲紫及び博麗靈夢両名が行方不明、恐らく死亡
・人里の住民
外へ避難した3000人の殆どが京都大学の旧校舎で寝泊まり、
体育館で日々情報収集を行っている。
これは諏訪大社の神様のコネで理事長から許可をもらっているらしい。
・幻想郷の妖怪
紫の残した術によりギリギリで存在を保っている、弱体化しても普通の人間より体力や筋力が強いので、
力仕事などで稼ぎ、一般人と大差ない生活をしている。空は飛べない
・秘封倶楽部
元幻想郷の人里の住民で構成されている、総勢2,000人、中には普通に家庭を持ち、一軒家を買い、
一般人と同じ暮らしをしている者もいる。少数ではあるが妖怪や妖精も500人ほど所属している。
目的は【幻想郷の再建】
ちなみに現在は人工知能の研究も行っている
旧校舎の体育館で活動しているが、そこは体育館というより工場のような見た目になっている。
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- 16 : 2017/01/08(日) 16:20:22 :
- 不倶戴天・六分儀と秘封倶楽部の仲間たち編に続きます
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