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  1. 1 : : 2016/12/09(金) 23:13:53
    注意
    この作品はエヴァンゲリオンの世界観に無理やり東方projectの話をぶっこんだ形になります
    苦手な方は見ないことをお勧めします、(グロテスクな描写あるかも、、、、?)
    いわゆる超古代スタートなので序盤はエヴァンゲリオン要素が黒き月と白き月くらいしか出てきません。
    大学ノートに原案と台本をまとめてからこちらに投稿しますが誤字脱字等あれば指摘してください。
    私はエヴァンゲリオンの知識は中途半端なので原作よりも貞本エヴァのストーリーにそっています(読みながら執筆できますし)
    あくまで原作はエヴァンゲリオンです東方projectはサブです(と言っても序盤を占める)、何巻かに分けて主人公が変わります。
    後半のストーリーは未定ですのでたまにスランプに陥り投稿がストップするかもしれません。(受験も近いので)
    SS投稿は初めてなので温かい目で見守ってください、よろしくお願いします。
  2. 2 : : 2016/12/09(金) 23:33:33
    第壱巻・神籍・そして羿
    壱話・すべての始まり
    いまから数十億年前、生命の誕生していない地球に一つの隕石が衝突した。
    その中から白い球体が現在の南極に位置する場所に落ちた。
    白い球体の中には巨人がいた、巨人は何体かの生命体を生み出した
    まだ胎児の生命体達は世界中に散らばった。
    それから数十年後、生命体達は胎児の状態から成体になる準備を始めた、蛹になったのである。
    しかし、そんなときに宇宙の遥か彼方からもう一つの隕石が地球に迫っていた。
    さらに数十年後、生命体達は蛹から羽化して成体になる直前だった・・・・・・
    そこへ、あの隕石がやってきた。
    二つ目も隕石が落下した、羽化寸前の生命体達は隕石落下の衝撃で仮死状態になった。
    二つ目の隕石の中にも巨人がいた、その巨人は体から少しずつオレンジ色の血なまぐさい液体を
    地球の海に流出させた。
    その液体と海の水が混ざり科学反応を起こした、そして生命のスープが誕生した、
    このスープには生命が誕生する為の材料が詰まっていた。
  3. 3 : : 2016/12/09(金) 23:51:56
    弐話・繁栄と絶滅そして神の誕生
    最初は小さな微生物だった血なまぐさい液体(以下L.C.L)を元に数億種類の生命が繁栄と絶滅を繰り返した、
    何度も繰り返し繰り返し生物の生存競争が行われ、やがてヒトが生まれた。
    知恵の実をもった彼らは物を使い、衣服を纏い、食事を作り、家を建てた。
    ・・・・・・時代は弥生時代、人々の信仰心によって「神」が生まれた。
    神は土地を豊かにし、人々はそれに感謝して信仰心を強めていった、それがさらに神の力を強くした。
    神も国を作った、ヒトが来れない高き天の上に。
    神の国では毎日新しい神が誕生した、ヒトが嵐を恐れれば天候の神が、ヒトが炎を恐れれば水の神が、
    どんどん神は増えていき、次第にヒトも増えていった。

    ある日10匹の太陽の神が生まれた、ヒトが雨の続く大地に太陽の光を求めたからだ。
    彼らは毎日順番に地上を照らし、誰かがサボれば雨が降りサボったのがバレれば父親から叱られ、地上に雷が落ちた。
    彼らはすくすく育っていき、ヒトの信仰心を集めるようになった。
  4. 4 : : 2016/12/10(土) 00:08:49
    第参話・烏の喧嘩
    ある日、太陽の神の兄弟が喧嘩をしていた。
    「昨日お前がサボったせいで地上で行われるはずだった例大祭が中止になってしまったではないか!」
    「しょうがなかったんだ、、、、体調が優れずに寝込んでいたから。」
    「言い訳をするな。だいたいお前はサボってばかりでたいした炎を纏えないくせに神の座に居座るのが間違いなのだ、」
    「何を言うんだ!兄貴だっt、、、、、
    というように小学生レベルの喧嘩が始まった・・・・・・・はずだったのに。
    彼らはこれがきっかけで兄弟全員で力比べを使用ということになった。(脳筋の長男の発案)
    ルール簡単、全員が地上で太陽になり、一番火力の強い奴が勝利。
    そして順番に兄弟が炎を纏い始めた。


    長男が炎を纏う、地上に朝がきた。
    次男が炎を纏う、真夏のような暑さが地上を襲った。
    三男が炎を纏う、草木枯れた。
    四男が炎を纏う、人々が倒れていく。
    五男が炎を纏った、、、、、、、、、
  5. 5 : : 2016/12/10(土) 00:25:54
    四話・焦り
    十匹の烏の親である帝俊と羲和は焦っていた、どんどん増える太陽、息子達が何らかの理由で複数同時に
    炎を纏っているのだ、彼らの炎は現在の太陽の表面温度と同じ約四千度、鉄などとうの昔に溶けている。
    そんなとてつもない太陽が今見えるだけでも五つ、、、、いや、今六つに増えた。
    正直我々にはどうしようもない。サボるのを叱ることは出来るが炎を纏い太陽となった息子達を止める手段を
    帝俊は持ち合わせていなかった。
    そこで彼は羿という男にこの事態を収める協力をしてもらうべく、羿の自宅えと向かった。

    羿の自宅
    ドン、ドン、扉を叩く音がする。来客だろうか、今日はもう仕事の依頼は入ってないはずだが。

    「羿、大事な話がある、今すぐ出てきてくれ。」

    「その声は帝俊か、」

    羿は帝俊がわざわざ自分の家を訪ねるのは緊急時のみと分かっている。なので彼は急いで弓矢の用意と
    防具の準備を済ませた。

    「あら?羿、どこに行くの?」

    「ああ、嫦娥か、帝俊が何やら用事があるそうでな、少しばかり出かけてくる。」

    「そうですか、いってらっしゃい」

    嫦娥は羿を見送った。
  6. 6 : : 2016/12/10(土) 00:53:11
    第伍話・相談
    羿は帝俊の自宅まで来ていた、帝俊に案内され客間で改めて事情を聞かされた。

    「なるほど、つまりその息子達を説得して欲しいと、」

    「そう、何故あんな事をしているのか私は分からないから対処のしようがない、
    羿殿にはあいつらから事情を聞いて、説得していただきたい場合によっては威嚇射撃もしていい、
    羿殿の弓矢の腕なら容易いことでしょう。」

    「そうか、わかった、とりあえずやってみよう。」

    それから数分後、太陽が八つに増えた。
    ちょうどその時羿が彼らの前に現れた。

    「おーい!烏達!お前ら何でみんなして太陽になっているんだ?」

    返事はない、どうしたものか。許可は貰っているから威嚇射撃をする。
    三男の足に刺さったが無反応だ、矢はそのまま蒸発した、あれだ、モンハンのテオ・テスカトルの頭に
    矢を当てた感じだ。
    そのとき、強力な熱波が羿を襲った。
    羿はそこそこ地位の高い神だ、体は頑丈だし寿命も長い、しかしこの熱波によって皮膚の一部があっという間に爛れた
    羿は人生で初めて命危険をかんじていた。
    もう彼らはとまらない、どんどん熱の温度が上がっていく、
    そのときだった、烏の長男の頭部を水色の矢が貫いた。
    長男は声もあげぬまま炎を消し、地上に落ちて骸になった。
    次男、三男、四男よ次々射落とされていく、射っていたのは、、、、、、、、嫦娥だった。

    「嫦娥!?お前何故ここに」

    「嫌な予感とは当たるものですね、何故早く殺さないのですか?」

    「嫦娥!ああ、なんてこった、帝俊の息子を九人も殺してしまってた。」

    「え、、?帝俊の自息子?」

    どうやら嫦娥は彼らをただの妖怪かと思ったらしい、 しかしいくら神でも死んだものを蘇らせることはできない、
    烏の兄弟の末っ子である八咫烏だけが生き残った。
  7. 7 : : 2016/12/10(土) 01:06:37
    第六話・出世と追放
    今回の騒動は、、、、、結果からして最悪だった。帝俊は息子を九人も殺されたショックで寝込み、
    妻の羲和は息子を殺した嫦娥を憎んだ。
    しかし羿と嫦娥は地上を救った英雄としてもてはやされた。
    もっと上位の神に出世させる話もでたがそんなに上手くはいかなかった。
    羲和は息子を殺された恨みから神の国の神達に圧力をかけ、羿と嫦娥の神籍をとりけし、地上へ追放したのだ。

    地上
    嫦娥は泣き叫んで謝った。
    自分の突発的な行動で羲和から恨まれ、地上に追放されたことに責任を感じていた、
    しかし羿は嫦娥をなだめることはあったが怒る事はなかった。
    羿と嫦娥は地上でヒトと同じ生活をした。
    動物を狩り、その日の晩御飯にする、
    各地を転々として暮らす毎日だったが、それも長くは続かなかった。
  8. 8 : : 2016/12/10(土) 01:23:50
    第七話・別れ
    強い嵐が起こった、木々は倒れ、川は氾濫した。
    羿と嫦娥は洞窟で僅かな食料で食いつないでいた。
    だがその僅かな食料も底をついた。
    そこで羿は嵐の中で狩りに出る事を決意した。

    「じゃあ、何かしら動物を狩ったらすぐに戻ってくる。」

    「待っていますよ、羿」

    そして羿は狩りに出た、しかし嫦娥の待つ洞窟に彼が帰ることはなかった。
    羿が狩りに出て四日が経過した、私はもう瀕死の状態だった。
    意識が朦朧としてだんだん視界がぼやけてきた。
    ああ、羿!どこへ行ってしまったのか、、、、、

    狩りに出て数分後
    羿は鹿らしき動物を追っていた。人間になったのはいえ少しは神の力が残っている。
    鹿を追うことぐらい容易いことだ。
    そのとき、足元にあったはずの地面の感覚が消える、私は鹿を追うのに夢中になって暗闇の中に潜む崖に気がつかなかった
    後は重力に任せて自由落下運動、
    五十メートルほど落ちたところで私は強く頭をぶつけた。
    そこで私の意識は途絶えた。

    羿が狩りに出て五日後
    嫦娥は洞窟の奥で動かない、死んだわけではない、しかし、動かない、、、、、、
  9. 9 : : 2016/12/10(土) 01:50:05
    第八話・出会い
    羿は目を覚ました、
    しかし様子がおかしかった、彼は何も覚えていなかった。
    崖から落ちた衝撃で記憶が飛んでしまったのだ、と言っても飛んだ記憶は主に「思い出」だけで知識はまだ生きていた。
    気がつくと自分は布団に入って寝ていた。
    起き上がると全く知らない部屋だった(むしろ知ってる部屋など今はないが)

    「あら?起きましたねぇ、大丈夫ですか?お怪我は?」

    部屋に女性が入ってきた、その女性は鏡のような輝きの黒髪と綺麗な容姿をしていた。

    「こんばんは、私の名前は碇純狐(いかりじゅんこ)といいます。貴方のお名前は?」

    自分の名前、、、、、そうだ、私の名前は羿だ。
    自分の名前がテストの問題を考えるときみたいに頭に浮かんだ、

    「私の名前は羿といいます。」

    「羿さんですか、どうして崖の下で倒れていらしたんですか?」

    「それが全く分からないのだ。どうやら記憶が飛んでいるようで、、、、、」

    「かわいそうに、、、、、、そうだ!どうせ行く当てもないのでしょう。それなら私の家に住むといいです」

    「うむ、、、、、、どうすればいいのか。」

    「遠慮しなくていいんですよ?」

    「そうか、では記憶が戻って自分の帰るべき場所が見つかるまで純狐さんにお世話になりましょう。」

    「では羿さん、これからよろしくお願いします。」
  10. 10 : : 2016/12/10(土) 02:03:03
    閉話・共同生活開始
    純狐さんの家は山の奥に位置する。故にヒトは全くといっていいほど来ない。
    それと純狐さんの部屋だが、、、、、、、メッチャ散らかってた。よって今後の生活で
    私が掃除洗濯、そして食材の調達、純狐さんが料理と私の掃除の手伝いを担当することになった。

    第弐巻に続く。

    第弐巻は明日からぼちぼち更新します。
    これからもよろしくお願いします。
    ちなみに純狐の髪が黒いのはミスではありません。
  11. 11 : : 2016/12/10(土) 12:25:31
    第弐巻・同棲と記憶を探して
    第壱巻・坤の諏訪
    羿と純狐は現在畑仕事をしていた。
    育てているのは、大根、ジャガイモ、ニンジン、タマネギの四種類だ。

    「ちょっと羿!?水かけすぎですよ!」

    「ん?おっと、かけすぎたか、」

    「これは明日まで水やりは要りませんね。」

    「じゃあ村まで買い出しに行ってこよう」

    「お願いしますね」

    羿は最近、近くの村に買い物に行くのが日課になっていた。
    村のヒトともそこそこ顔見知りになっていた。

    買い物の帰りに羿は神社によった、
    何故よったかは羿本人にもわからなかった。
    強いていえばただなんとなく、である。
    境内に入ると一人の少女がいた、

  12. 12 : : 2016/12/10(土) 13:05:43
    「こんにちは、貴方は誰?」

    少女が話しかけてきた。

    「私は羿というしがない人間d「嘘だね!」なに!?」

    「貴方から僅かながら神の力を感じる、さてはなにか悪い事をして地上に落とされた?」

    「何を言っているのかさっぱりだ、、、、、」

    「もしかして自覚ないの?」

    「ああ、昔のことは何一つ覚えていないんだ。」

    「それはそれは、、、、まあそれは置いといて、君に頼みがある」

    「なんだ?」

    「最近隣の国の神がこの国を乗っ取ろうとしている、じき戦争が始まるだろう。
    そこで君にはその戦争で戦ってほしい」

    「私が、、、、、、?」

    「そうだよ、返事は明日ここでこの時間に聞こう、じゃあね!」

    「ああ!待て!お前の名前を聞いていない。名を名乗れ!」

    「私の名前?私の名前は………









    洩矢諏訪子だよ、
  13. 13 : : 2016/12/10(土) 13:15:49
    純狐の自宅

    「ただいま〜」

    「おかえりなさい、羿さん」

    羿は家に帰っても今日あの諏訪子という少女から聞いた話を純狐に切り出せないでいた。
    もしかしたらただの悪戯かもしれない、そう考えていたが、隣の国の不穏な動きは街で噂になるほど
    活発になっていた、

    「夕飯が出来ましたよ〜」

    「今行く」

    「今日は畑で育った野菜と肉で肉じゃがを作りましたよ〜」

    「純狐」

    「なんですか?」

    「私が戦争に行くとしたらどうする?」
  14. 14 : : 2016/12/10(土) 18:33:45

    「私は止めません」

    「!?、、、そうか」

    「貴方が行きたいなら止めませんよ、何故こんなことを聞いたのですか?」

    「ああ、実は、、、、、、、」

    羿は神社での一連の流れを説明した
    純狐はその話を聞いて何か覚悟を決めたような顔をしていた。

    次の日神社の境内にて、

    「やあ羿、覚悟は決まったk……って誰?その子」

    「一緒に家で生活している純狐だ」

    「こ、こんにちは〜純狐です、、、、、、」

    「へぇ……羿、やることやってたんじゃないか(笑」

    「違うぞ?」

    「え?違うの?」
    と言ったのは……………純狐だった。
    羿はなにを言うかと思ったが
    よくよく考えてみれば三年も同居すればもう家族見たいなものなのではないか?
    しかしここで純狐と羿と諏訪子の間にアンジャッシュ状態が発生する。
    純狐・結婚相手とかそんなこと考えている
    羿・同じ家に住んだら家族見たいなもの(この時間軸にいないがシンジとミサト見たいなもの)
    諏訪子・羿の娘かと思っている

    さてこの後どうなるか、
    これを書いている私がまだわからない。
    (纏まんなかったら無かった事になる)

  15. 15 : : 2016/12/10(土) 21:34:52
    第弐巻・

    「へぇ〜純狐ちゃんは羿の仕事とかの手伝いをよくしているんだね」

    「はい、いつも掃除を任せっきりですが最近は掃除の技術もついてきて自分の部屋は自分で掃除出来るようになりました」

    「そうかそうか〜えらいね〜諏訪子お姉ちゃんからお小遣いを上げよう」

    「あ、ありがとうございます、、、、、」

    「さて、収集がつかなくなる前に本題に入ろう。」

    「そうかい、じゃあ昨日話、どうする?」

    「参加しよう、しかし条件がある」

    「条件?」

    「負けたら潔く相手に国を明け渡す」

    「えぇ!?一介の兵士である私にそんな事出来るわけが、、、、、、」

    「出来るだろう?洩矢の神、洩矢諏訪子よ、」

    「バレちゃった?」

    「バレるもなにも本名バラした上にその神の力とやらが分かるならなおさらバレバレだろう。」

    「まあそうだよね、で負けたら国を明け渡すってのはなんでなの?」

    「本当にこの国の民が洩矢諏訪子を信仰しているなら負けても大丈夫ってことだ、相手も信仰が欲しい、
    なら信仰してくれる可能性のある民を殺したりはしないはずだ、神がヒトを殺せばそれだけで信仰を
    失う原因になる。」

  16. 16 : : 2016/12/11(日) 00:41:09
    「なるほど………負けるつもりはないけどもしものときはそうさせてもらうよ」

    「ああ、そうだ純狐がお前に言いたいことがあるらしい」

    「ん?なになに?」

    「実は……………私も羿さんと一緒に戦争に参加したいんです、」

    「え!?」

    「純狐!?そんなことは聞いてないぞ!?」

    「羿さんが戦争に参加するという話を聞いたときに決めました、これだけは譲れないです」

    「純狐………戦えるのか?」

    「そうだよ純狐ちゃん?戦争する相手はこの島国の半分を治めるとんでもない国の大将なんだよ?とても人間の君には……………」

    「……………私は人間ではありません」

    「!?」

    「!?」

    これは羿も初耳だった。ここ数年一緒に生活してきて彼女は一度も人間離れしたことはしていない、
    空を飛んだり怪力を使うこともなかった、

    「私の家系である碇家は妖狐の血を代々継いできたものです。だいたい五百年に一人、純粋な妖狐の血を持つヒト、いや妖怪が生まれます、
    その妖怪は純狐と名付けれます」

    「そうだったのか………」

    「羿さんに初めてあったとき、私は羿さんが神だと気がつきました。
    記憶を失って戸惑っている羿さんを助けたいと思ったんです。
    それに……………」

    純狐は顔を真っ赤にして消えるような声で言った

    「ひ、一目惚れ………だったんです……………………げ、羿さんの………事が……………」

    「!?」

    「あれ?羿もまんざらでもない感じだね〜(笑」

    「・・・・・・・・(羿も作者もどう反応すれば良いか迷ってる)」

    「その…………私でよければ………………お付き合いを……………………………………?」

    「あ、あ〜う〜、、、、、、」

    「羿、私の十八番を取らないでくれ、」

    「ダメですか?」

    「いや!よ、喜んで!」

    こうして二人は付き合う事になりました(時代が時代なのでいちゃいちゃは期待しないほうがいい、
    そもそも作者がその手のシーンを書くのが苦手)


    「・・・・・・ところで、」

    「ああ、完全に話をが脱線していたな」

    「そうですね………すいません、なんか話の合間に人生のパートナーが決まってしまいました……………」

    「そうなんだよね〜実は私純狐ちゃんが羿の娘かと思ってたんだよね〜」

    「え!?それは何故なんだ?」

    「羿はパッと見四十代じゃん?でもって純狐ちゃんは十代後半か二十代前半に見えるじゃん?
    だからすっかり親子なのかと………」

    「年の差婚ってやつですかね」

    「俺はそんなに老けて見えるか?これでもヒトの年齢ではまだ二十九歳のはずなんだが

    「………私はもう四十六歳ですよ?ヒト年齢なら二十二歳ですが」

    「あらビックリ、私の予想と正反対」

    「ってまた話をが脱線した………」

    この後も幾つか雑談をしてやっと本題に入った羿達であった。
  17. 17 : : 2016/12/11(日) 01:04:37
    第三話・実は純狐が一番強かった
    そうだ、話を聞く限りでは純狐はこの三人の中で一番強かった。
    彼女の妖力が全て神の力(以下神力)なら彼女は諏訪子よりもずっと高位の神になったいた、
    どれくらいの差かと言うと諏訪子が営業課長なら純狐は取締役だ、世間の社会人の皆さんはこの説明で納得してくれるだろうか、
    しかし純狐が扱えるのはあくまで妖力、量が多いだけで神力には敵わない。
    それでも彼女は今回の戦争で大きな助けになるだろう。
    結界も張れる上に敵の探査や自分達の姿を隠すことも出来る、流石は妖狐、

    「私考えたんだけどこれってたくさんの軍隊が殺しあう必要は全くないよね?」

    「そういえばそうですね、大将同士が一騎討ちすればいいだけですもんね」

    「そうするのか?」

    「それにしよう、余計な戦いをしたくないのはあっちの同じだろうからね、
    じゃあ羿があっちの国に手紙届けてくれない?私は部下達にこのことを話してくる、」

    「わかった、準備をするから一度家に帰る、純狐はついでに買い物してきてくれるか?」

    「わかりました、今日は鮎の塩焼きにしましょうか………」

    「晩御飯食べてからでいいからここに戻ってきてね、」

    そう言うと諏訪子は何やら札を取り出し指を当てた、すると諏訪子が消えた、
    転移系の術だろうか、

    「さて、お腹が空いてしまったな…………」

    二人は買い物をしてから家に帰った。
  18. 18 : : 2016/12/11(日) 01:29:26
    「「ご馳走でした」」

    「いやぁ、やっぱり鮎は美味しいな」

    「そうですね…最近値上がりしておたのでなかなか食べれませんでしが、やっぱり美味しいですね」

    「じゃあちょっと準備をしてくる」

    「はい、じゃあ今うちにお皿片付けておきましょう」

    十分後

    「じゃあ行ってきます」

    「行ってらっしゃい、明日の朝の分のお弁当は持ちましたか?」

    「ああ、持っているよ」

    「余った鮎の塩焼き入れておきましたよ」

    「おお、楽しみだな」

    そう言って羿は出かけた、

    神社境内

    「おや?諏訪子いないじゃないか」

    と、足元に紙が落ちていた。

    [羿へ 諏訪大社まで来てくれ]

    「諏訪大社というとこの神社の本殿か」

    そう言うと羿は本殿へと向かった、

    諏訪大社本殿

    「ああ、羿か、いらっしゃい」

    諏訪子は敵の国に送る手紙を書いていた、すでに六枚ほど間違えたのか、くしゃくしゃに丸めてある
    この時代紙は貴重どころかダイヤよりも価値があるというのに…………
    羿が呆れていると

    「はい、これを西の国の大将に渡してきてね」

    と、手紙を渡された。
    タイトル
    [太陽の昇る国から太陽の沈む国へ]

    「…………これって明らかに煽ってないか?」

    「気にしない気にしない!これくらいで怒る相手なら絶対に負けないから(笑」

    羿は渋々手紙を西の国へ持っていく旅に出た、

    「西の国の国境まではだいたい20㎞だ。走って行けば一時間ちょっとで着くだろう」

    羿は走った駅伝選手の如く体幹を意識しながら、その姿はさながらプロだった。

  19. 19 : : 2016/12/11(日) 15:29:11
    第四話・四季を映す姫
    走り続けて一時間、羿は国境付近まで来ていた。
    峠を越えて田園にを走っていると雪が降り始めた、

    「雪?まだ秋だろうに………」

    と、道の向こうに地蔵が見えてきた。国境の印だ、

    「やっとここまできた………………」

    雪の中で一人ポツンと立っている地蔵が可哀想になって羿は地蔵の頭の雪を払ってやった。

    「お前も仕事を頑張れよ、」

    羿は再び西の国に向けて走っていった

    ガサ………ガサ……………
    石の肌が肌色に、灰色の髪が緑色になった……………地蔵は動き出した…………………

    二時間後

    羿は西の国に着いた、諏訪子の国よりもヒトが多く、賑わっている。
    相手の大将も神らしいのでとりあえず正面に見えるおおきな神社を目指して歩いていく……………

    神社正面
    数人の兵士が見張っていたので自分の用事を伝える。

    「諏訪の国から遣いに参った羿である、この国の神と話がしたい」

    「しばし待て」

    そう言うと兵士は境内へ向かった

    五分後

    「入れ」

    羿は境内へ案内された、そこで大きな注連縄のようなものを腰に付けた赤い服の神に会った

    「お前が遣いの羿か」

    「そうだ、諏訪子から伝言を頼まれた、」

    「ほう………諏訪の神を呼び捨てとは………ただの遣いではないな?」

    「いや、普通の遣いだが」

    「そ、そうか………して、その伝言とは何だ?」

    「その前にお前の名前を聞きたいんだが」

    「う……や、八坂神奈子だ……」

    (こいつこういう外交関係が苦手だな…………?)

  20. 20 : : 2016/12/12(月) 23:09:54
    「と、ところで今回の要件を早く言って欲しい……………」

    「ああ、あと数日で我々は敵国になる、その前に一つ相談があってきた」

    「おや?諏訪の神からの手紙ではないのか」

    「手紙もあるにはある、しかし小童の書いた煽り文を見たいか?」

    「いや…………遠慮しとくよ」

    「では私が口頭で伝える、簡潔に言えばわざわざ大軍どうしで戦うのが面倒なので
    大将どうしの一騎討ちでケリをつけたいそうだ。」

    「なるほど………確かにお互いの国にとって損害が少ない形で収まるな………」

    (やはりこいつは外交どころか腹の探り合いもできていない、敵国も提案にあっさり納得して
    しまっている………そもそも私が諏訪の遣いだという証拠も一切ないのに、私が
    諏訪子の手紙を煽り文だからというだけで見せないのにも疑いを持った様子は
    ない、、まあ本当に煽り文だけど。これは案外チョロいんじゃないか?)

    「わかった、では私と諏訪の神での一騎討ちとしよう、」

    「承った、では三日後に東の国境付近の扇状地にて、」

    「ではさらばだ、遣いの者を村の入り口まで送れ、」

    「かしこまりました」

    こうして羿は比較的楽に八坂神奈子との外交に成功したのだった。


  21. 21 : : 2016/12/12(月) 23:56:33
    帰り道

    「どうなっているんだ……………?」

    羿は困っていた、それは別に帰りの道に公衆トイレがないからとかそういう訳ではない、
    行きはあったはずの地蔵が姿を消しているのだ、
    「さては罰当たりな輩が地蔵を持っていったか………」

    「いいえ、違いますよ」

    「誰だ?」

    「……わかりませんか?」

    「ああ、さっぱり」

    「地蔵です」

    「地蔵?まさか、動けるわけ…………」

    「動けます、あなたから神力を分けていただいたので」

    「神力?……ああ、そういえば私は一応神だったらしいな、
    自覚は全くないが、それでもいつお前に分けたのかわからないんだが」

    「あなたが私の頭に被った雪を払った時です、あなたはこれまでの人生で多くの人々に感謝され、
    徳を積んできたようですね、そしてその強力な神力と相まって、数秒触れただけで
    私に動く力を与えてくれたようです」

    「なるほど………ってことはお前は私の……………」

    「そうですね、あなたの力で自我を持ったので実質あなたが私の父親ですね」

    「!!」

    おいおい…純狐どう説明すればいいんだ……?と悩む羿、そんなこととはつゆ知らず

    「ところで、私の名前を決めて頂けますか?」

    (え、なに?子供が生まれた時のイベントをここでやれというのか………)
    羿は自分のネーミングセンスに不満を持っていた、
    家で純狐と一緒に栽培していた野菜にベジータという名前をつけたくらいだ、
    典型的なその場のノリでやって後で後悔するタイプである
    市場に買い物に行くと自分が市場に納品したベジータだけが異様な存在感を放っている、
    まさかこれが原因で遠い未来の戦闘民族の王族の名前が野菜だらけになるとは夢にも思わない羿であった。

    「家に帰ってから私の交際相手と決める、それでいいか?」

    「かまいません、では行きましょう」

    こうして遣いの途中で地蔵の子供を連れて帰る事になった。

    純狐宅

    「ただいま」

    「おかえりなさい、羿さん……………ってその子は誰?」

    「ああ、この子は…」

    「娘です」

    「!?」「!?」

    「私は羿お父さんの娘です、」

    「羿さん?^_^」

    「ああ、これ………なんだ………」

    「チョットコチラニイラシテクダサイ………^_^」

    「違うぞ?断じて違うからな?」

    その後純狐に事情説明するのに三時間かかったが、晴れて浮気と少女趣味の疑いは
    晴れたのであった。

    「この子の名前ですか………」

    「ああ、どうやら【地蔵】では嫌だそうだ、」

    「………では四季映姫でどうでしょう」

    「四季映姫?」

    「四季を映す姫…………なるほど、元地蔵の私の様子とかけたのですか、」

    「ところで村のみんなにはなんと説明する…?」

    「まあ養子…ということにしますか、いきなり十歳くらいの子供がいきなり家に住む事情は
    これくらいしか思いつきませんね………あと、一応世間には碇映姫って名乗ってくださいね?
    一応映姫ちゃんは私達の子供なんだから、」

    「村のみんなが誤解しないことを神祈る」

    「自分に祈ってどうするんですか」

    「じゃあ私は今回のことを映姫の件も含めて諏訪子に報告してくる」

    「じゃないと地蔵の始末書書くハメになりますもんね」

    「全くだ」

    そう言って羿は諏訪大社へ向かって行った

    次の日・諏訪領地の村

    「あら、純狐さんこんにちは〜ってあれ?そこのお嬢さんは誰ですの?
    もしかして羿さんとは結構前かr…………なんでもないです、はい」

    無言の圧力、これに限る
    そう思いつき、内心ウキウキしている純狐であった。





  22. 22 : : 2016/12/13(火) 00:36:53
    第伍話・映姫の住人登録

    八坂の神のところへ羿が遣いに行った次の日

    「ではこの書類にサインしてください」

    羿と純狐は映姫の住人登録をしに村役場に来ていた、
    弥生時代後半になんでそんなに行政が進んでるかって?
    諏訪子はこういうことを進めるのはとても得意だからだ(別に作者のご都合設定ではない、)

    「はい、これで映姫さんは正式にこの国の国民です、年齢が十歳とされているので
    義務教育により寺子屋での学習が義務付けれれています、」

    「わかりました、あと納税の手続きも一緒にやっちゃっていいですか?」

    「かしこまりました、少々お待ちください」

    納税、ちなみに消費税もある、百文につき10%の税がつく、
    その代わり子供たちの教材や病院の治療費がかなり安くて済むので
    この消費税に不満を持つものはいない。

    百万円あったらなにがしたいと聞かれることが人生に一回はあると思う、
    私はおそらく家のローンと税金で大半が気づいたら消えているので、将来百万円をもらっても速攻
    ローンの返済に回す、もちろん「夢がないですね」と言われることも想定内だ
    何故こんな話を作品の中ではなすかって?
    それはさっきから弟がその話題で私の友達と結構盛り上がっているからだ、
    お前のそのコミュ能力はどこからきているんだ、

    ………と話が脱線したが、物語に戻るとしよう

    「さて、あとは映姫の入学手続きだけだが…………」

    「嫌です、学校には行きたくありません」

    この状態である、どうやら映姫はそれなりに学があるらしく(英語以外なら高校生並み)
    寺子屋の授業(小学校二、三年の内容)を永遠と聞くのは苦行だと、
    それでいいんじゃないか?お前はその仏教徒とやらなんだろう?
    ………とそこで純狐が口を少しだけ歪めてわらった、どうやらいいことを思いついたらしい
    あの顔はそういう時の顔だ。

    「映姫ちゃん?」

    「はい、お母様なんでしょうか」
    . . .
    「学問を疎かにするの?^_^」

    「いいえ、寺子屋で勉強頑張ってきます」

    羿「」

    なんだろう、最近純狐が怖い
  23. 23 : : 2016/12/13(火) 01:06:12
    第六話・諏訪大戦勃発

    とうとう明日が予定されている一騎討ちという名の戦争が起こる日だ、
    一応お互い護衛を三人までつけていいそうだ。
    こちらの護衛は私(羿)と純狐と………何故か映姫である、
    ただついていきたいと聞かなかっただけだが、
    そもそも純狐と私がいれば人間の護衛千人分の戦力になる、
    もっとも純狐が九百人で私が百人分だが、

    いろいろと準備が整ったので私達は夜遅くに西の扇状地(八坂の国から見れば東)へ向けて
    出発した、

    次の日
    私達は野宿していた、仮眠をとるためだ、わざわざ四時に出発するのに諏訪子になにか
    考えがありるのかと思っていたが、どうやらどっちが先にくるかで対抗心を燃やしているようだ。
    まあ仮眠を取ろうとしたときに八坂の一行が来たので案外あっちも小さい対抗心を燃やしているかも
    しれない。

    「やあ、久しぶりだな諏訪子、」

    「久しぶりだね〜神奈子」

    二人とも目が笑っていない

    …と相手の護衛の一人が前に出てきて

    「では今回の戦いのルールを説明します。
    今回の戦いは最初に大将どうしが戦い負けた方は連れてきた護衛に戦いを引き継がせる
    ことができます。勿論棄権すればその場で負けたが確定します」

    「なるほど、でもこれだと護衛が大将より強くなきゃ勝てないんじゃないか?………………ってまさか」

    「^_^」

    「これいけるんじゃないか?神奈子がどれくらいの強さなのかはしらないけど」

    なんやかんやあって神奈子と諏訪子の戦いが始まった、
    ………その瞬間諏訪子の顔面に大きな御柱が叩きつけられた、
    バシュ!ゴォォォォォォ カッ!

    【諏訪子 敗北】




  24. 24 : : 2016/12/13(火) 01:52:11
    「「「!?」」」
    みんな驚いていた相手の護衛も、私達も、御柱を叩きつけた本人でさえも
    「え……今の避けれないの?」と本気で困惑していた
    あれだ、ピッコロと悟空が決戦を始めたのにピッコロが悟空のパンチ一発でKOするような
    ものだ。
    しかし諏訪子は立ち上がると純狐の方に歩みより
    「あとは任せた」
    といって倒れた、

    「お父さん、これどういう状況なんですか?」

    「知らん」

    純狐は渋々神奈子のところに行くと

    「じゃあ……よろしくお願いします」

    と、お辞儀

    「あ、ああよろしく」

    神奈子はまだ驚きが収まっていない、
    しかしすぐに立て直すとさっきと同様純狐に向かって御柱を叩きつけてきたが






    その御柱が純狐に届くことはなかった。
    純狐は強力な結界を張り御柱をガードしていた、

    「え……………」

    また驚く神奈子、しかしそれ以上ことばが出なかった。
    何故なら顔に純狐の華奢な拳がめり込んでいたからだ。
    「!?」
    そして神奈子も、純狐本人も違和感を感じていた、
    何故こんな桁違いな速さで動けたのか、何故御柱を強力な結界とはいえ本人へのダメージを
    完全にカットできたのか、
    その原因にいち早く気がついたのは神奈子だった。

    「お前………神なのか?」

    そう、今の純狐は神力を纏っていた、純狐が神格を持っているのだ、

    (ありえない…………何故…………)

    神奈子には一つ気がかりなことがあった。
    それは先ほどの諏訪子のあっけなさだ、
    まるでわざと負けたかのように………

    (!?………まさか)

    そのまさかだった、
    諏訪子は先ほど負けた際に信仰を含めた全て権利を純狐に譲って、
    一時的に純狐を神にしたのだ
    神格化は【体内の力(この場合は妖力)×信仰力】という形で神力が発生する。
    そしてその神力は……………諏訪子も神奈子も比較にならないレベルのものだった。
    しかし純狐には現在意識がなかった、神力に呑まれて暴走している、
    しかし敵はちゃんと神奈子だと分かっているらしく他の人を攻撃する素振りは見せない、
    羿には純狐の動きを目で追うことはできない、完全にヤムチャ視点だ。
    しかし攻撃を食らっている神奈子はよく見える、アッパー けたぐり 踵落とし 筋肉バスター ………
    もはや一方的なイジメだった。見てるこっちまで神奈子が可哀想に見えてくる
    しかし神奈子が意識を失った途端、純狐も意識を失った、
    諏訪子が純狐に神籍を貸す条件の【神奈子に勝利する】が完了したからだろう。
    諏訪子が起き上がって羿に聞いた
    「あれ?もう終わった?」

    「ああ、そうみたいだ」

    そう言うと羿が純狐の元に駆け寄り
    彼女を抱き上げさっきまで仮眠使っていた藁の布団に寝かせた

    「お疲れ様」

    そう、声をかけると羿は相手の護衛に

    「棄権するか?私は引き継ぐが」

    と聞いた。すると護衛はくやしそうに

    「棄権しよう」

    と言った。
    しかし、護衛の一人が羿に

    「………………貴様、名前はなんという?」

    と聞いた

    「私の名前が羿だ」

    「やはり……………ゆるさん……………ゆるさんぞ……………」

    その護衛は羿に殴りかかってきた。

    一発一発に深い憎しみと怒りが込められていた。
    そしてそのとき、羿の閉ざされていた記憶の蓋が開いた。

    「そうか………………そうだった」

    羿は思い出した。目の前の青年の姿を、
    彼の名は……………八咫烏、
    羿がかつての妻である嫦娥と殺した十人の兄弟の生き残りだった。

    「私は…………私は…………羿だ……………妻は…………嫦娥………………!?」

    羿は完全に純狐に出会う以前の記憶を取り戻した。
  25. 25 : : 2016/12/13(火) 02:05:05
    第弐巻・完
    第一部終了

    次回からは主人公が純狐になります。
  26. 26 : : 2016/12/14(水) 13:03:07
    第弐部
    第参巻・戻った記憶と復讐の前兆
    第壱話
    「全て………全て思い出した」

    羿は全ての記憶を取り戻した、
    帝俊 羲和 十匹の烏 神の国 追放………じょ、嫦娥は!?
    そうだ、彼はあの日あのとき嫦娥を洞窟に一人残して狩りでた……
    嫦娥はどうなったのか?もう死んでしまったのか?今の生活はどうなるのか?
    純狐は?映姫は?
    「嫦娥は……………何処に…………?」

    「嫦娥さんは死んだ」

    「嫦娥さんは死んだ、もういない」

    そういったのは…………………八咫烏だった。

    「嫦娥が……………シンダ?」

    「そうだ、お前があの日嫦娥さんを見捨てたから………」

    「ミステタ…………?」


    六年前

    嫦娥は意識を取り戻した。
    嫦娥は朦朧とした意識の中
    ここがあの洞窟ではないという事を認識した。

    「ここは………?」

    「私の家です」

    彼は確か…………私が殺してしまった烏達の生き残り…………八咫烏!?

    「あなたは嫦娥さんですね」

    「そうですが…………何故あなたが!?」

    「私が助けたのです、そして………………」

    嫦娥はその先を聞きたくはなかった、何故かはわからない、
    しかし、とても恐ろしかった。

    「あなたは羿に捨てられたんです」

    「え………………………捨てられたんって?」

    「あなたは洞窟で一週間放置されていました、」

    私が監視していたかぎりでは、と八咫烏は続けた。

    「考えてください、食糧も尽きた洞窟の中で愛する妻を一週間も放置するとでしょうか?
    食糧を取りに行っていたとしてもあの羿が一週間もの間動物一匹捕まえられないと?」

    確かにそうだった、あの羿が一週間も食糧を見つけられないなどありえない、

    「もう一度言います、あなたは羿に捨てられたんです」

    「嘘、そんなわけ…………ない」

    嫦娥は信じたくなかった、しかし状況からして羿が私を捨てた事は殆ど間違いない、

    「私は兄弟を殺した羿を許すことができない、しかし………」

    「あなたはあのあの日、羿に捨てられた、あの憎い羿の妻ではない、
    私と同じ羿に未来を奪われた神の一人だ、私はあなたを助けたい」

    「助ける………?」

    「あなたにこの薬を二つ渡します、あなたに羿への未練があるのならこの薬を一つ飲み、
    羿に未練がないなら二つ飲んでください」

    そのとき、羿と楽しそうに話す女性の姿が机の上に映し出された、

    「今、羿は新しい家庭を持っています、あなたを裏切ったのです」

    「信じられない………………そんな……………」

    そのとき嫦娥の中にあった羿への未練は断ち切られた、


    二人共羿が記憶をなくした事をしらない……………



  27. 27 : : 2016/12/14(水) 13:59:15
    嫦娥は薬を二つのんだ、迷いはなかった

    そのとき、嫦娥の中に力が溢れた、強い力………それは神力だった

    「嘘………神力が戻って………」

    「あなたは神に戻りました、その薬は一つ飲めば不老不死に、
    二つ飲めば神になれます、そしてあなたは二つ飲んだ。」

    「神に戻れたのですか!?ということは神の国に…………」

    「いえ、神の国にはまだあなたを敵視する勢力が多すぎる、
    しばらくは月に住んでください」

    月、神力が及ばぬ地球の外
    一度行けば地球に戻るのは容易ではない

    「神の国であなたの罪が晴れたら私が迎えにきます、それまでは月の民と一緒に生活して
    もらいます」

    「月の民…話には聞いていましたが実在したのですね……………」

    「ではあなたを月に送ります、向こうでの生活については私が手配しているので、」

    「わかりました………では送ってください」

    「わかりました」

    そうして嫦娥は月に送られた

    月・静かの海周辺

    「ここが月……生き物の気配がない……」

    「お前が八咫烏様の言っていた嫦娥か?」

    「そうですが………」

    「捕らえろ」

    「え………?」

    嫦娥は抵抗しようとしたが、それは叶わない。
    嫦娥を神として信仰しているヒトたちは36万km彼方の向こう、神力の元である信仰力は
    届かない、

    「何故!?裏切ったのですか?八咫烏!」

    「お前が月を侵略しに来た嫦娥だな?八咫烏様の情報なければ捕らえることはできなかっただろう」

    「隊長!此奴は蓬莱の薬を服用しています、月にいるのにヒトと同じ穢れを持っています」

    「んん?確かにそうだな?どうりで玉の枝に実がついた訳だ、お前ら!
    此奴を都の深層に幽閉しろ!」

    「そんな!?いや、いやあああああああああああああああああああ………………………」

    その日、【月の住人の誰か】が蓬莱の薬を服用したという噂が月兎の間で広まった。

    時は現在に戻る

    「そんな…………貴様が嫦娥を…………」

    「そうだ、嫦娥を殺した、しかし今貴様には純狐がいるだろう?」

    「そんな………」

    「まあ貴様にもここで死んでもらうが」

    「何だって?」

    その時、八坂の国の他の護衛が激しい炎を上げて灰になった

    「私は貴様に復讐するためだけにこんな低俗な神に仕えて貴様を探していたのだ、
    そして今日、見つけた!」

    そう言って八咫烏は炎を纏った

    「今の貴様はただの人間だ、私が軽く火をつけるだけで燃えて灰になるだろう」

    「やめろ……………やめてくれ…………」

    「そうだなあ…………そこの純狐には嫦娥がお前を殺したことにしておこう!それがいい!」

    「さらばだ、羿」

    羿を炎が包んだ

    その光景を見ている少女が一人

    「お、お父さんが………………」

    映姫だった、お母さんは目覚めない一人では太刀打ちできないだろう、私は所詮地蔵だ、

    お父さん叫ぶ、私は今までの人生で最も恐怖している、
    地蔵として道に立っていた頃でさえ、こんな恐怖を感じたことはなかった。
    お父さんの叫びが止まった、そこには灰しか残っていない
    …………私は逃げ出した、何故か?怖いから?勝てないから?



    いや、自分が大切だからだった。


  28. 28 : : 2016/12/14(水) 14:52:59
    純狐は目を覚ました、そのは焼け野原、
    羿さんが八坂の神と戦ってくれたのだろうか?

    「おはようございます、純狐さん」

    「!?」

    「見知らぬ青年がいた」

    「あなたは………?」

    「わたしは八咫烏、八坂の神に仕える神です」

    「八咫烏さん…………そうだ!羿さんは?」

    「羿は殺された」

    「え………?」

    「殺されたんですよ、嫦娥という女に」

    「そんな…………」

    「嫦娥は羿の妻だったのです、しかし羿は嫦娥を裏切り、あなたは住む事を選んだ」

    「いいや、違う!羿さんは私をあったとき記憶を失っていた!
    自分に妻がいるなんて知らなかってのよ!」

    (そうだったのか……)
    「それが嘘だったとしたら?」

    「嘘………?」

    「私は高位の神です、これまでの羿の行動をある程度見ていましたが、
    羿が記憶を失ったような兆候はありませんでした」

    「羿は………私を騙していた………?」

    「しかしあなたを愛していたのは本当だったようですね」

    「そうっだったんですか……………私を愛して………」

    「ですが、それが嫦娥に殺された原因でしょうね」

    「そんなことで……羿さんは………………!!そうだ!映姫ちゃんは?
    映姫ちゃんは何処に?」

    「私は存じません、恐らく嫦娥に………………」

    「ああ!映姫ちゃんまで………」

    そのとき、純狐の中で何かが壊れた。





    「……………ああ」






    「……………があああ」








    「嫦娥あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」





    「不倶戴天の敵!許さない!許さないぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」




    「殺してやる!殺してやるぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!」







    復讐は始まった
  29. 29 : : 2016/12/14(水) 15:40:02
    文章が未熟だけど面白い、支援
  30. 30 : : 2016/12/16(金) 18:50:34
    続きは後編に記載します。

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